説明

スライド補助装置

【課題】 例えば引出し等の可動体をベースに対して、引き込む操作及び引き出す操作の両方向のスライド操作を補助することができるようにしたものである。
【解決手段】 ベース6及び可動体8の一方に設けられて、可動体8と同方向へスライド可能な複数のスライダー2、及び各スライダー2にそれぞれ組み込まれたロック部材3、並びに各スライダー2同士を接続するよう設けられて可動体8の各スライド過程で付勢力を蓄積可能となるばね部材4を有したユニット本体1Cと、ベース6及び可動体8の他方に設けられて、対応するスライダー2側のロック部材3を、可動体8と当該スライダー2とを作動連結したロック位置から作動連結を解放するロック解除位置へ変位させ、それにより可動体8をばね部材4の付勢力で途中位置から一方のスライド位置と他方のスライド位置とへそれぞれスライド可能にする作動部材5とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば引出し等の可動体をベースに対して、引き込む操作及び引き出す操作の両方向のスライド操作を助けるスライド補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
可動体をベースに対し引込位置と引出位置とにスライド切り換える構造では、特許文献1に例示されるように、引込方向へスライドしたり引出方向へスライドする全ての切換操作を手動により行うと疲れたり高級感に欠けるため、可動体を引出位置又は引込位置の何れかの方向へ付勢しておき、該付勢された方向へ自動的にスライドされるよう処理される。
【0003】
図10は特許文献1の引出し用装置を示し、(a)は図示しない可動体の引込位置、(b)は引出位置での状態図である。符号50はベースの側壁、符号55は可動体側の駆動ピン、符号60はベース側壁と可動体との間に配置された傾斜部分、符号65はばね部材である。ベース側壁50には案内トラック51が設けられている。該案内トラック51は、前後方向へ水平に延びる真っ直ぐな部分51aと、前方(図の右側)の弓形部分51bとで構成されている。傾斜部分60は、上解放したスロット61及びスロット61の前側から延びている斜めの側壁62を有し、ボルト63,63を案内トラック51に嵌合している。ばね部材65は、ベース側に一端を係止し、他端を傾斜部分60に係止した状態で、可動体が引込位置から引出位置方向へスライドされる過程で付勢力を蓄積する。そして、この構造では、可動体がベース側に対し駆動ピン55をスロット61に嵌合した状態で組み込まれる。可動体が引込位置から引出位置へスライドされるときは、傾斜部分60が案内トラック51の真っ直ぐな部分51aに沿って動かされた後、弓形部分51bで前方へ傾斜され、かつ駆動ピン55がスロット61から斜めの側壁62に動く。これにより、可動体は、ばね部材65の付勢力に抗して引出位置に係止つまりロックされると共に、後方へ押されることで駆動ピン55を斜めの壁部62からスロット61に戻した後、ばね部材65に蓄積された付勢力で引き込まれる。なお、特許文献1では、可動体がばね部材65の付勢力で引込位置へスライドされるようにして、可動体が強く引き込まれたときにバウンドして再び引き出される虞を解消している。
【特許文献1】特公平5-023763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来構造では、例えば、可動体が引出位置から引込位置へはほぼ全て自動でスライドされるが、その分だけ引込位置から引出位置へは強い引き操作力が必要となり使い勝手が悪くなる。また、可動体をばね部材65の付勢力に抗して係止するロック機構として、駆動ピン55を傾斜部材60の前傾斜によりスロット61から抜け出るようにし、斜めの側壁62に係合するため、係合力が弱く、振動等によってロック解除される虞がある。傾斜部材60に設けられたスロット61の開口は、可動体(駆動ピン55)の引出操作時にばね部材65の付勢力蓄積に伴って大きな負荷を受けるため駆動ピン55とのロック代を大きくしたいが、傾斜部材60の前傾斜に伴う駆動ピン55の係合解除も損なわないようにしなければならないため制約される。また、従来構造では、可動体を引込位置方向へスライドする場合と、引出位置方向へスライドする場合との両方の操作を補助する機能を有しておらず、作動特性的に制約されている。
【0005】
本発明の目的は、以上のような課題を解消して、例えば、比較的簡易な構成により用途に応じた色々な使い方を可能にし、適用される装置の使い勝手や高級感を向上することに
ある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、図1〜図3の形態を特定したもので、ベースに対しスライド可能に取り付けられた可動体を一方のスライド位置から他方のスライド位置(引込位置)へスライドさせる一方向のスライド操作(引き込む操作)及び他方のスライド位置(引込位置)から一方のスライド位置へスライドさせる他方向のスライド操作(引き出す操作)を助けるスライド補助装置において、前記ベース及び前記可動体の一方に設けられて、前記可動体と同方向へスライド可能な複数のスライダー、及び前記各スライダーにそれぞれ組み込まれたロック部材、並びに前記各スライダー同士を接続するよう設けられて前記可動体の他方のスライド位置(引込位置)から一方のスライド位置方向、一方のスライド位置から他方のスライド位置(引込位置)方向への各スライド過程で付勢力を蓄積可能となるばね部材を有したユニット本体と、前記ベース及び前記可動体の他方に設けられて、前記可動体を他方のスライド位置(引込位置)から途中位置までスライドさせた(引き出した)とき、及び前記可動体を一方のスライド位置から途中位置までスライドさせた(引き込んだ)ときに、前記対応するスライダー側のロック部材を、前記可動体と当該スライダーとを作動連結したロック位置から前記作動連結を解放するロック解除位置へ変位させ、それにより前記可動体を前記ばね部材の付勢力で途中位置から一方のスライド位置と他方のスライド位置(引込位置)とへそれぞれスライド可能にする作動部材とを備えていことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明のスライド補助装置は次のような利点を有している。
請求項1の発明では、ユニット本体及び作動部材により、可動体を他方のスライド位置(引込位置)から一方のスライド位置へ切り換える過程、及び可動体を一方のスライド位置から他方のスライド位置(引込位置)へ切り換える過程、つまり各途中位置からばね部材の付勢力により自動的に最終の一方のスライド位置と最終の他方のスライド位置(引込位置)へそれぞれスライドでき、その点から使い勝手を向上できる。具体的には、単一のユニット構成により両方向のスライド操作(引き込む操作及び引き出す操作)の両補助機能を達成できるため、組込性及びメンテナンス性に優れ、設置スペース上の制約を受け難い点などで有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(図面の説明)
本発明の最良な形態を図面の実施例を参照しながら説明する。図面において、図1〜図4は第1実施例を示し、図1はスライド補助装置をケースを断面して示す模式構成図、図2は図1の装置作動を示す模式作動図、図3は図2と同様に図1の装置作動を示す模式作動図、図4図1の可動体とベースの関係などを示す参考図をそれぞれ示すものである。
【0009】
図5〜6は、第2実施例を示し、図5は窓の正面図、図6は図5の窓の断面図をそれぞれ示すものである。
図7〜8は、第3実施例を示し、図7は折り戸の断面図、図8は図7の折り戸を閉じた状態の断面図をそれぞれ示すものである。
図9は、第4実施例を示し、同図はカーテンの正面図を示すものである。
(各発明装置の用途例)
本発明のスライド補助装置は、説明を省略するが、引出専用のユニット本体1A、引込専用のユニット本体1B、引出・引込兼用のユニット本体1Cの何れかと、作動部材5とから構成されて、ベースに対し可動体を引込位置と引出位置とにスライド切り換える操作を補助するものである。図4はベース及び可動体の一例を示している。このベース6は、前面開口した空間部7を多段に形成している収納装置である。可動体8は、内側に着脱可
能に取り付けられる引出し9を有し、ベース6の対応する空間部7に対して引込位置と引出位置とにスライド切り換えられるよう組み付けられる。この例では、可動体8に対し引出専用のユニット本体1A、引込専用のユニット本体1B、引出・引込兼用のユニット本体1Cの何れかが付設され、各空間部7に対し前記ユニット本体と対応して作動部材5が付設される。
(スライド補助装置)
図1のスライド補助装置は、引出・引込兼用のユニット本体1Cが可動体8の底面側に付設され、作動部材5がベース側空間部7の内底面側に付設されている。ユニット本体1Cは、可動体8と同方向へそれぞれスライド可能な2つのスライダー2,2と、各スライダー2に組み込まれて可動体8のスライド方向と略直交する方向へ揺動変位可能なロック部材3,3と、可動体8のスライド過程で付勢力を蓄積可能となるばね部材4とで構成され、これらがケース10Cに組み込まれている。
(ケース10C)
ケース10Cは、図1のごとく可動体8のスライド方向に長く、かつ偏平な矩形容器状となっている。長手方向に対向している両側壁のうち、一方側壁部は前後略中間より後側が縦壁16に相当する分だけ張り出している。また、両側壁には、図1のごとく長溝11が前後方向の略中間位置から後端まで形成されている。内底面には、前後略中間にダンパー配置用の略円状区画リブ17と、後側から前後略中間付近まで延びている前後リブ18a,18bが設けられている。区画リブ17の内側にはダンパー35が配置される。なお、区画リブ17は、ダンパー収容部を形成し、一部が段差部分となっている。該ダンパー収容部は、第1実施例と同様に機能し、ダンパー35のベース36をベース側歯や突起及びリブ17側の段差部分を介して一方向だけに回転可能にする。形状的には、図1の形状に限られず、例えば、区画リブ17を略90度回転させた様な形状に設計されることもある。また、2本の前後リブ18a,18bは後壁から縦壁16の付近まで延び、リブ同士の前側が接続されている。前後リブ18aの先端側には段差状の規制部19aが設けられている。前後リブ18bの後端側には同じく段差状の規制部19bが設けられている。各規制部19a,19bは、ロック部材3をその縦壁で係止するものである。以上のケース10Cは、対のスライダー2及びロック部材3並びにばね部材4を組み込んだ後、可動体8の底面に止めねじ等により取り付けられる。
【0010】
ここで、ダンパー35は、図3(a)のごとく逆時計回りに回動するときは空転し、図3(c)のごとく時計回りに回動するときにはギア37を介し相手側部材(スライダー2)を制動する。また、この構造では、ベース36が外周の歯を介して一方向に空転されるようになっていて、可動体8が後述するばね部材4の付勢力によりスライドされるときだけ制動する構成である。
(スライダー2)
各スライダー2,2は、ラック24を形成している長片部20と、長片部20の後端に設けられてロック部材3を支持する保持部22とを有している。また、一方スライダー2(図1の下側、実際は可動体8の一側に配置されるスライダー2)には、ばね用の掛止部25が保持部22に設けられている。他方スライダー2(図1の上側、実際は可動体8の他側に配置されるスライダー2)には、長片部20の前端を略L形に折り曲げた先端屈曲部26、及び該先端屈曲部26の先内側面に突出された段差状の取付片部27が設けられている。そして、スライダー2,2同士は、互いのラック24が対向するようケース10C内に配置される。また、ダンパー35は、ギア37が各スライダーのラック24,24同士の間に配置されるよう付設されると共に、両ラック24,24のうち、片側のラックと噛み合っている。
(ロック部材3)
ロック部材3は、保持部22の内部分22bに対し両弾性片30を介して弾性的に当接し、かつ突当部31を孔23から外へ突出した状態に配置される。従って、このロック部材3も、保持部22に対しスライダー2のスライド方向と直交する方向に配置され、両弾性片30の弾性変位を伴って移動可能となっている。通常は、図1のごとく、一方スライダー2のロック部材3がその頭部32を前後リブ18b側面に軽く接しているロック解除位置に配置され、他方スライダー2のロック部材3がその頭部32を前後リブ18aの段差状の規制部19a、つまりロック位置(可動体と対応するスライダーとを作動連結した位置)に配置されている。
(ばね部材4)
ばね部材4は、スプール41に巻回されているばね板42をハウジング40から引き出す定圧ばねであり、他方スライダー2の段差状の取付片部27に取り付けられている。そして、ばね部材4は、ばね板42の引出端が一方スライダー2の保持部22に設けられた掛止部25に係止される。
(作動部材5)
これに対し、作動部材5は、個数はスライダー2ないしはロック部材3と同じ数つまり2つ用いられている。そして、各作動部材5は、第1カム部47により、図2と図3の各(b)のごとく対応するロック部材3をロック解除位置(可動体と対応するスライダーとの作動連結を解放する位置)からロック位置へ切換可能にする。第2カム部48は、図2と図3の各(c)のごとく対応するロック部材3をロック位置からロック解除位置へ切換可能にする。
(作動)
図2及び図3はスライド補助装置を用いたときの主作動を示している。
・図2(a)は、可動体8が図1のごとくベース側空間部7に収まっている引込位置から手動で引き出している引出途中の状態である。この過程では、ユニット本体1Cを構成している複数のスライダー2のうち、一方のスライダー2(図の下側に配置されているスライダー2、以下、同じ)のロック部材3がロック解除位置、他方のスライダー2(図の上側に配置されているスライダー、以下、同じ)のロック部材3がロック位置にある。そして、可動体8は、ダンパー35を空転しながら引き出されると共に、一方のスライダー2がロック部材3と作動部材5とを介して位置規制されているため、ばね部材4が可動体8のスライドに伴って付勢力を次第に増大し蓄積する。
・図2(b)は、可動体8が更に引き出されて、一方スライダー2のロック部材3が作動部材5によりロック位置へ切り換えられた直後の状態である。この過程では、一方スライダー2のロック部材3が突当部31を第1カム部47のカム面に当接し、該カム面のカム作用により突当部31を規制部19bの方向へスライドする結果、同図のロック位置へ揺動変位される。
・図2(c)は、可動体8が更に引き出されて、他方スライダー2のロック部材3が作動部材5によりロック解除位置へ切り換えられた直後の状態を示している。この過程では、当該ロック部材3が突当部31を作動部材5の第2カム部48のカム面に当接し、該カム面のカム作用により突当部31をスライドする結果、長片部45側つまりロック解除方向へ変位される。
・図2(d)は、他方スライダー2のロック部材3がロック解除位置(可動体8とスライダー2との作動連結を解放する位置)に切り換えられることにより、可動体8が対応作動部材5で位置規制された当該スライダー2に対しばね部材4の付勢力により自動的に最終の引出位置までスライドされた状態である。なお、この構造では、(c)〜(d)に至る間、ダンパー35が他方スライダー2のラック24とギア37との噛み合いを介して可動体8のスライド速度を制動する。この結果、可動体8は、途中位置から最終の引出位置まだ適度な速度でスライドされることになる。
・図3(a)は、可動体8を図2(d)の引出位置から途中位置まで引き込め操作したときの状態を示している。この引き込め過程では、初期段階において、他方スライダー2がロック部材3と作動部材5とを介して位置規制されているため、ばね部材4が可動体8のスライドに伴って付勢力を次第に増大するよう蓄積する。そして、他方スライダー2のロック部材3が同図のごとく前後リブ18aから規制部19aに達した段階で、突当部31を第1カム部47のカム面に当接し、該カム面のカム作用により当該ロック部材3が規制
部19aの方向つまりロック位置へ揺動変位される。
・図3(b)は他方スライダー2のロック部材3がロック位置に切り換えられた状態を示している。この状態では、各スライダー2のロック部材3が共にロック位置にあるため、可動体8と各スライダー2とは一体的ものとして引き込み方向へスライドされる。
・図3(c)は、可動体8が途中位置まで引き込め操作されて、一方スライダー2のロック部材3がロック解除位置に切り換えられた状態を示している。すなわち、この引き込め過程において、一方スライダー2のロック部材3は、前記(b)のごとく対応作動部材5の第1カム部47上を通り過ぎたとき、突当部31が作動部材5の第2カム部48に当接し、該カム面のカム作用により当該ロック部材3を同図の下側、つまり作動部材5の長片部45側へスライドし、それによりロック解除位置に切り換えられる。
・図3(d)は、そのようにして、一方スライダー2のロック部材3がロック解除位置に切り換えられることにより、可動体8が対応作動部材5で位置規制された一方スライダー2に対しばね部材4の付勢力により自動的に最終の引込位置までスライドされた状態を示している。なお、この構造では、(c)〜(d)に至る間、ダンパー35がラック24とギア37との噛み合いを介して可動体8のスライド速度を制動する。この結果、可動体8は、途中位置から最終の引込位置まで適度な速度でスライドされることになる。
(変形例)
本第1実施例は、ユニット本体1Cをベース6(例えば、空間部7の内底面)に付設し、作動部材5を可動体8に付設してもよい。その変形例では、図2の部材関係があたかも同図の紙面裏から見たような関係となる。
【0011】
また、本発明は、本第1実施例及び変形例に何ら制約されるものではなく、ダンパー35は、一方向の回転時だけ制動する構成として、ベース36がダンパー収容部に対し形状設定により回転方向を規制するようにして簡略化を図ったが、このタイプ以外であっても差し支えない。また、ばね部材4は、定圧ばねの例を挙げたが、コイルスプリングや他の付勢構造でもよい。
(前後のスライドタイプの例)
引出し9のように、前後方向にスライドする前後のスライドタイプの例としては、次のようなものがある。
【0012】
(1)家具の引出しや引出し式のスライドテーブル
ベース6は、図示しないが、家具の収納部でも良く、このとき、可動体8は収納部に引き出し可能に取り付けられた引出しやスライドテーブルとなる。
(2)システムキッチンの引出しや引出し式のスライドテーブル
家具は、図示しないが、システムキッチンでも良く、このとき、可動体8はシステムキッチンの収納部に引き出し可能に取り付けられた引出しやスライドテーブルとなる。
【0013】
(3)パソコンデスクの引出し、引出し式のスライドテーブル、キーボードテーブル
家具は、図示しないが、パソコンデスクでも良く、このとき、可動体8はパソコンデスクに引き出し可能に取り付けられた引出し、スライドテーブル、キーボードテーブルとなる。
【0014】
(4)タンスの引出しや引出し式のスライドテーブル
家具は、図示しないが、タンスでも良く、このとき、可動体8はタンスに引き出し可能に取り付けられた引出しやスライドテーブルとなる。
(5)家電製品の引出し
ベース6は、図示しないが、家電製品の収納部でも良く、このとき、可動体8は収納部に引き出し可能に取り付けられた引出しとなる。
【0015】
(6)冷蔵庫の引出し
家電製品は、図示しないが、冷蔵庫でも良く、このとき、可動体8は冷蔵庫の引出しとなる。
なお、冷蔵庫は、冷凍庫を含む概念として使用している。
(7)冷蔵庫(冷凍庫も含む。)の中ケースの引出し
可動体8は、図示しないが、冷蔵庫内の中ケースの引出しでもよい。
【0016】
(8)情報家電(例えばコピー機、FAX機、コピー機、複合機)の給紙トレー
家電製品は、図示しないが、例えばコピー機、FAX機、コピー機、複合機の情報家電でも良く、このとき、可動体8は給紙トレーとなる。
(9)事務机の引出し
ベース6は、図示しないが、事務机でも良く、このとき、可動体8は事務机の引出しとなる。
【0017】
(10)キャビネットの引出し
ベース6は、図示しないが、事務用のキャビネットでも良く、このとき、可動体8はキャビネットの引出しとなる。
(11)自動車の引出し式の灰皿
ベース6は、図示しないが、車内の灰皿の収納部でも良く、このとき、可動体8は収納部に引き出し可能に取り付けられた引出し式の灰皿となる。
【0018】
(12)自動車の引出し式のカップホルダー
ベース6は、図示しないが、車内の灰皿の収納部でも良く、このとき、可動体8は収納部に引き出し可能に取り付けられた引出し式のカップホルダーとなる。
(13)自動車のコンソールの引出し式のコンソール・リッド
ベース6は、図示しないが、車内の例えばセンターコンソール等のコンソールでも良く、このとき、可動体8はコンソールに引き出し可能に取り付けられた引き出し式のコンソール・リッドとなる。
【0019】
(14)レジスターの引出し(ドロアー)
ベース6は、図示しないが、レジスターでも良く、このとき、可動体8はレジスターの引出し(ドロアー)となる。
(15)その他
(15−1)家具の引出しや引出し式のスライドテーブル
(15−2)食器戸棚(カップ・ボード)の引出しや引出し式のスライドテーブル
(15−3)ライティング・デスク、学習机、事務机、パソコンデスク等の各種のデスクの引出し、引出し式のスライドテーブル、引出し式のキーボードテーブル
(15−4)冷蔵庫(冷凍庫)の引出し式の給水タンク
(15−5)冷蔵庫(冷凍庫)の引出し式の製氷器や製氷庫
(図5〜6の窓70)
つぎに、図5〜6を用いて、可動体8の一例としての窓70について説明する。
【0020】
左右の窓70は、ベース6である窓枠71に引き違い可能に支持される。
左右の窓70には、ユニット本体1Cをそれぞれ付設する。
すなわち、各窓70の上下の上面又は底面のいずれか少なくとも一方には、ユニット本体1Cを固定する。
これに対し、窓枠71の上下の框には、図示しないが、ユニット本体1Cのロック部材3に係合する作動部材5を固定する。
【0021】
左右の窓70を閉じると、その途中でロック部材3が作動部材5に係合することで、ばね部材4の蓄積されたばね復元力により、左右の窓70が確実に閉じる。
これに対し、左右の窓70を開くと、その途中でロック部材3が作動部材5に係合することで、ばね部材4の蓄積されたばね復元力により、左右の窓70が確実に開く。
(図7〜8の折り戸80)
つぎに、図7〜8を用いて、可動体8の一例としての折り戸80について説明する。
【0022】
左右の折り戸80の左右の両端部は、ベース6であるクロゼット81に左右方向にスライド可能に支持される。
各折り戸80は、外側扉82と中央扉83の2枚の扉から構成され、外側扉82と中央扉83とはヒンジ84を介してV字状に折り畳まれる。
クロゼット81の上下には、図示しないが、スライドレールが固定され、上下のスライドレールに、外側扉82と中央扉83との左右に離れた側の端部が、それぞれスライド可能に支持される。
【0023】
左右の折り戸80には、ユニット本体1Cをそれぞれ付設する。
すなわち、各折り戸80の上下の上面又は底面のいずれか少なくとも一方には、ユニット本体1Cを固定する。
これに対し、クロゼット81の上下の框には、図示しないが、ユニット本体1Cのロック部材3に係合する作動部材5を固定する。
【0024】
左右の折り戸80を閉じると、その途中でロック部材3が作動部材5に係合することで、ばね部材4の蓄積されたばね復元力により、左右の折り戸80が確実に閉じる。
これに対し、左右の折り戸80を開くと、その途中でロック部材3が作動部材5に係合することで、ばね部材4の蓄積されたばね復元力により、左右の折り戸80が確実に開く。
(図9のカーテン90)
つぎに、図9を用いて、可動体8の一例としてのカーテン90について説明する。
【0025】
上框91には、ベース6であるカーテンレール92を固定する。
そして、カーテンレール92には、図示しないが、カーテンランナーを介して、カーテン90を吊り下げる。
カーテン90には、ランナーを利用してユニット本体1Cを付設する。
これに対し、上框には、図示しないが、ユニット本体1Cのロック部材3に係合する作動部材5を固定する。
【0026】
カーテン90を閉じると、その途中でロック部材3が作動部材5に係合することで、ばね部材4の蓄積されたばね復元力により、カーテン90が確実に閉じる。
これに対し、カーテン90を開くと、その途中でロック部材3が作動部材5に係合することで、ばね部材4の蓄積されたばね復元力により、カーテン90が確実に開く。
(左右のスライドタイプの例)
窓70、折り戸80、カーテン90のように、左右方向にスライドする左右のスライドタイプの例としては、次のようなものがある。
【0027】
(1)雨戸
可動体8は、図示しないが、建物の雨戸であってもよい。
(2)シャッター
可動体8は、図示しないが、建物のシャッターであってもよい。
(3)引き戸
可動体8は、図示しないが、建物(内外)の引き戸であってもよい。
【0028】
(4)浴室扉
可動体8は、図示しないが、浴室扉であってもよい。
(5)可動式間仕切り
可動体8は、図示しないが、可動式間仕切りであってもよい。
(6)冷蔵庫の中ケースのスライド扉
可動体8は、図示しないが、冷蔵庫の中ケースのスライド扉であってもよい。
【0029】
なお、冷蔵庫は、冷凍庫を含む概念として使用している。
(7)ムービングラック
可動体8は、左右にスライドするムービングラックであってもよい。
(8)自動車のスライドドア
可動体8は、図示しないが、自動車のスライドドアであってもよい。
【0030】
(9)陳列用冷蔵庫のスライド扉
可動体8は、図示しないが、陳列用冷蔵庫のスライド扉であってもよい。
なお、陳列用冷蔵庫は、冷凍庫を含む概念として使用している。
(10)その他
(10−1)食器戸棚(カップ・ボード)のスライド式の開閉扉
(10−2)下駄箱のスライド式の開閉扉
(10−3)書籍棚のスライド式の開閉扉
(10−4)電車、汽車、船舶、航空機等の乗り物のスライド式のドア
(上下のスライドタイプの例)
可動体8は、図示しないが、左右方向に限られず、上下方向にスライドさせ、一方のスライド位置を上昇位置とし、他方のスライド位置を下降としてもよい。
【0031】
上下方向にスライドする上下のスライドタイプの例としては、次のようなものがある。
(1)昇降式のシャッター
可動体8は、図示しないが、建物の昇降式のシャッターでもよい。
(2)昇降式の窓
可動体8は、図示しないが、建物の昇降式の窓でもよい。
【0032】
(3)昇降式のブラインド
可動体8は、図示しないが、昇降式のブラインドでもよい。
(4)昇降式のムービング・ラック
可動体8は、図示しないが、昇降式のムービング・ラックでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1実施例のスライド補助装置をケースを断面して示す模式構成図である。
【図2】図1の装置作動を示す模式作動図である。
【図3】図2と同様に図1の装置作動を示す模式作動図である。
【図4】第1実施例の可動体とベースの関係などを示す参考図である。
【図5】第2実施例を示し、同図は窓の正面図である。
【図6】図5の断面図である。
【図7】第3実施例を示し、同図は折り戸の断面図である
【図8】図7の折り戸を閉じた状態を示す断面図である。
【図9】第4実施例を示し、同図はカーテンの正面図である。
【図10】従来の問題を説明するための参考図である。
【符号の説明】
【0034】
1A〜1C ユニット本体(10Cはケース、19a,19bは規制部)
2 スライダー(20はベース、22は保持部、13は孔)
3 ロック部材(30は弾性片、31は突当部、32は頭部)
4 ばね部材(40はハウジング、41はスプール、42はばね板)
5 作動部材(47は第1カム部、48は第2カム部)
6 ベース(7は空間部)
8 可動体(9は引出し)
17 区画リブ(ダンパー収容部)
35 ダンパー(36はベース、37はギア)
70 窓
71 窓枠
80 折り戸
81 クロゼット
82 外側扉
83 中央扉
84 ヒンジ
90 カーテン
91 上框
92 カーテンレール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースに対しスライド可能に取り付けられた可動体を一方のスライド位置から他方のスライド位置へスライドさせる一方向のスライド操作及び他方のスライド位置から一方のスライド位置へスライドさせる他方向のスライド操作を助けるスライド補助装置において、
前記ベース及び前記可動体の一方に設けられて、前記可動体と同方向へスライド可能な複数のスライダー、
及び前記各スライダーにそれぞれ組み込まれたロック部材、
並びに前記各スライダー同士を接続するよう設けられて前記可動体の他方のスライド位置から一方のスライド位置方向、一方のスライド位置から他方のスライド位置方向への各スライド過程で付勢力を蓄積可能となるばね部材を有したユニット本体と、
前記ベース及び前記可動体の他方に設けられて、前記可動体を他方のスライド位置から途中位置までスライドさせたとき、及び前記可動体を一方のスライド位置から途中位置までスライドさせたときに、前記対応するスライダー側のロック部材を、前記可動体と当該スライダーとを作動連結したロック位置から前記作動連結を解放するロック解除位置へ変位させ、それにより前記可動体を前記ばね部材の付勢力で途中位置から一方のスライド位置と他方のスライド位置とへそれぞれスライド可能にする作動部材とを備えていることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、前後方向にスライドし、
前記一方のスライド位置が、引込位置で、
前記他方のスライド位置が、引出位置であることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項3】
請求項1に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、左右方向にスライドし、
前記一方のスライド位置が、開位置で、
前記他方のスライド位置が、閉位置であることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項4】
請求項1に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、上下方向にスライドし、
前記一方のスライド位置が、上昇位置で、
前記他方のスライド位置が、下降であることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項5】
請求項2に記載のスライド補助装置であって、
前記ベースは、
家具の収納部であり、
前記可動体は、
前記収納部に引き出し可能に取り付けられた引出しであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項6】
請求項2に記載のスライド補助装置であって、
前記ベースは、
家具であり、
前記可動体は、
前記収納部に引き出し可能に取り付けられたスライドテーブルであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載のスライド補助装置であって、
前記家具は、
システムキッチンであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項8】
請求項5又は請求項6に記載のスライド補助装置であって、
前記家具は、
パソコンデスクであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項9】
請求項5又は請求項6に記載のスライド補助装置であって、
前記家具は、
タンスであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項10】
請求項3に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
建物の雨戸であることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項11】
請求項3又は請求項4に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
建物のシャッターであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項12】
請求項3又は請求項4に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
建物の窓であることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項13】
請求項3に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
クロゼットの折り戸であることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項14】
請求項3に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
建物(内外)の引き戸であることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項15】
請求項3に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
浴室扉であることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項16】
請求項3に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
カーテンであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項17】
請求項4に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
ブラインドであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項18】
請求項3に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
可動式間仕切りであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項19】
請求項2に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
冷蔵庫の引出しであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項20】
請求項3又は請求項4に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
冷蔵庫の中ケースのスライド扉であることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項21】
請求項2に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
冷蔵庫の中ケースの引出しであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項22】
請求項2に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
情報家電の給紙引出しであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項23】
請求項2に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
事務机の引出しであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項24】
請求項3又は請求項4に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
ムービング・ラックであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項25】
請求項2に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
事務用のキャビネットの引出しであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項26】
請求項3に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
自動車のスライドドアであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項27】
請求項2に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
自動車のスライド式の灰皿であることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項28】
請求項2に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
自動車のスライド式のカップホルダーであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項29】
請求項2に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
自動車のコンソールのスライド式のリッドであることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項30】
請求項2又は請求項3に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
陳列用冷蔵庫のスライド扉であることを特徴とするスライド補助装置。
【請求項31】
請求項2に記載のスライド補助装置であって、
前記可動体は、
レジスターの引出しであることを特徴とするスライド補助装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−26332(P2006−26332A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−213628(P2004−213628)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】