スロットマシン
【課題】 不正器具を用いてメダルの投入を誤検出させる不正行為を容易に監視することができるスロットマシンを提供すること。
【解決手段】 クレジットの加算パターンが不正器具が使用されている可能性の高い規則的なパターン(特定パターン)であるか否かを判定し、規則的なパターンである場合に、その旨を報知する。
【解決手段】 クレジットの加算パターンが不正器具が使用されている可能性の高い規則的なパターン(特定パターン)であるか否かを判定し、規則的なパターンである場合に、その旨を報知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関し、特には外部からのメダルの投入に基づいてゲームを行うスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスロットマシンでは、外部から投入されたメダルをセンサで検出し、これら検出されたメダル数に基づいて賭数を設定したり、賭数を設定するためのクレジットとして記憶したりするが、例えば、一度投入された遊技媒体を外部から牽引して再度使用する不正行為、いわゆる逆戻し等の不正が行われることがあるため、これら投入メダルを検出するセンサをメダルの流下方向に沿って複数個配置し、これら複数のセンサによる検出順に基づいてメダルの流下方向についても検出できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、センサの配線に特殊な機器を取り付けて1枚のメダルの検出に対して複数の検出信号を出力させることで、投入されたメダル数以上にメダルの投入を判定させるようにした不正が行われることがある。このような機器では、通常時から機能するとすぐに発見されてしまうので、特殊なパターンでメダルが検知されたことを条件に機能するものもある。このような不正を防止する目的で、特殊なパターンでメダルが検知された際にその旨を外部に出力するスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−325549号公報(第1頁、第11図)
【特許文献2】特開2001−190737号公報(第13−14頁、第11図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近、LED等の発光素子を実装した不正器具をメダルの投入口から挿入して、発光素子の部分がセンサの受光部と対峙するように投光部と受光部の間に配置し、発光素子を点滅させることによりメダルが通過した際の投光部からの光の遮断を再現することで、メダルが投入されていないのにも関わらずメダルの投入を誤検出させる等の新手の不正行為が問題となっている。
【0006】
この種の不正では、前述した特許文献1に記載のスロットマシンのようにセンサを複数設けてメダルの流下方向を監視しても、通常のメダル検出時と同一の発光パターンが再現されてしまうことで、センサの検出が正規のメダルによるものか、不正器具によるものか、を判別することは不可能であるので、かかる不正行為を発見することができない。
【0007】
また、前述した特許文献2に記載のスロットマシンでは、不正機器を機能させるための特殊なパターン、すなわち通常の遊技を行う過程では起こり得ないような検出パターンでメダルの投入が検出されたときに異常が検出されるので、この場合でも通常のメダル検出時と同一の発光パターンが再現されてしまうことで、センサの検出が正規のメダルによるものか、不正器具によるものか、を判別することは不可能であるので、かかる不正行為を発見することができない。
【0008】
このため、上述のような不正器具の使用を発見することは困難であり、遊技店の従業員が逐一巡回して監視しなければならず、多くの労力を必要とした。
【0009】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、不正器具を用いてメダルの投入を誤検出させる不正行為を容易に監視することができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
遊技媒体投入口から投入された遊技媒体を前記賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路と、
前記取込経路を流下する遊技媒体を検出する投入遊技媒体検出手段と、
前記賭数の設定に使用可能な遊技媒体数を記憶する遊技媒体数記憶手段と、
前記投入遊技媒体検出手段が遊技媒体を検出したことを条件に、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算する遊技媒体数加算手段と、
前記遊技媒体数加算手段による遊技媒体数の加算パターンを記憶する加算パターン記憶手段と、
前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが規則的な加算パターンか否かを判定するパターン判定手段と、
前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンであると判定されたことを条件に前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行う規則的パターン検出時制御手段と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、通常、人の手により遊技媒体を投入して遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数が加算される場合には、その加算パターンにばらつきが生じるが、不正器具が使用された場合には、加算パターンが規則的な加算パターンとなる。このため、規則的な加算パターンで遊技媒体が加算されたことに基づいて規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行うことにより、遊技店側で不正器具が使用された可能性を把握することが可能となるので、これら不正器具の使用を容易に監視することができる。
尚、上記した所定数の賭数とは、少なくとも1以上の賭数であって、2以上の賭数が設定されることや最大賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしても良い。
また、遊技媒体とは、メダルやパチンコ球等の媒体である。
また、規則的パターン検出時制御手段が、前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行うとは、例えば、前記加算パターンが規則的な加算パターンである旨を識別可能に報知する制御や、前記加算パターンが規則的な加算パターンである旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力する制御を行うことである。特に、ホールコンピュータ等の遊技客の目に触れない周辺機器に出力することで、不正器具を使用している人物に気付かれずに不正器具が使用された可能性を遊技店側で把握することができる。また、規則的パターン検出時制御手段は、遊技の進行を不能動化する制御を行うようにしても良く、これにより不正行為がなされたまま遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載のスロットマシンは、請求項1に記載のスロットマシンであって、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を一定間隔で加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定することを特徴とする。
この特徴によれば、人の手によりメダルを投入した場合には、遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数が加算される間隔にばらつきが生じるので、不正器具が使用された可能性が高い状況を把握することができる。
【0012】
本発明の請求項3に記載のスロットマシンは、請求項1または2に記載のスロットマシンであって、
前記遊技媒体数記憶手段は、所定の上限数以内の遊技媒体数を記憶可能であり、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を前記所定の上限数に到達させるまで連続して加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定することを特徴としている。
この特徴によれば、一般的な遊技客は遊技媒体数記憶手段に記憶された遊技媒体数が上限数に到達するまで遊技媒体を投入する前にゲームを開始することが多いうえに、人の手により一度に多数の遊技媒体を連続して投入することは困難なので、不正器具が使用された可能性が高い状況を把握することができる。
【0013】
本発明の請求項4に記載のスロットマシンは、請求項1〜3のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を一定数の遊技媒体数ずつ加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定することを特徴とする。
この特徴によれば、人の手により一度に投入する遊技媒体数にはばらつきが生じる可能性が高いので、不正器具が使用された可能性が高い状況を把握することができる。
【0014】
本発明の請求項5に記載のスロットマシンは、請求項1〜4のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を規定の速度以上で加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定することを特徴とする。
この特徴によれば、人の手による遊技媒体の投入で遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算させる速度には限界があるので、不正器具が使用された可能性が非常に高い状況を把握することができる。
尚、規定の速度とは、人の手による遊技媒体の投入で遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算させる速度の限界速度として規定した速度である。
【0015】
本発明の請求項6に記載のスロットマシンは、請求項1〜5のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を規定数以上連続して加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定することを特徴とする。
この特徴によれば、人の手により一度に多数の遊技媒体を連続して投入することは困難なので、不正器具が使用された可能性が高い状況を把握することができる。
【0016】
本発明の請求項7に記載のスロットマシンは、請求項1〜6のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記パターン判定手段の判定対象となる規則的な加算パターンを予め定められた複数の加算パターンから選択する規則的パターン選択手段を備え、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが前記規則的パターン選択手段により選択された加算パターンか否かを判定することを特徴とする。
この特徴によれば、パターン判定手段の判定対象となる規則的な加算パターンが変化するので、パターン判定手段にて加算パターンが規則的な加算パターンであると判定されないように不正器具を使用することが困難となる。
【0017】
本発明の請求項8に記載のスロットマシンは、請求項1〜7のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記規則的パターン検出時制御手段は、前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンが連続して判定されたときに前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行うことを特徴とする。
この特徴によれば、人の手による遊技媒体の投入で規則的な加算パターンとなった場合でも、連続して規則的な加算パターンとなる可能性は低いので、不正器具が使用された可能性を正確に把握することができる。
【0018】
本発明の請求項9に記載のスロットマシンは、請求項1〜8のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンが判定されたときに過去に前記規則的な加算パターンと判定された加算パターンと比較する比較手段を備え、
前記規則的パターン検出時制御手段は、前記比較手段により比較した規則的な加算パターンが一致したときに前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行うことを特徴とする。
この特徴によれば、人の手による遊技媒体の投入が規則的な加算パターンとなった場合でも、何度も規則的な加算パターンとなる可能性は低いので、不正器具が使用された可能性を正確に把握することができる。
【0019】
本発明の請求項10に記載のスロットマシンは、請求項1〜9のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記取込流路内の物体の通過を機械的に検出する機械的検出手段と、
前記機械的検出手段が予め定められた期間以上前記物体の通過を検出したときに継続して前記物体の通過を検出したことに基づく制御を行う通過異常時制御手段と、
を備えることを特徴とする。
この特徴によれば、不正器具が使用された場合には、機械的検出手段により継続して物体の通過が検出され、継続して物体の通過が検出されたことに基づく制御がなされるので、遊技店側で不正器具が使用された可能性を把握することができる。
尚、通過異常時制御手段が、継続して前記物体の通過を検出したことに基づく制御を行うとは、例えば、前記機械的検出手段が予め定められた期間以上前記物体の通過を検出した旨を識別可能に報知する制御や、前記機械的検出手段が予め定められた期間以上前記物体の通過を検出した旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力する制御を行うことである。特に、ホールコンピュータ等の遊技客の目に触れない周辺機器に出力することで、不正器具を使用している人物に気付かれずに不正器具が使用された可能性を遊技店側で把握することができる。また、通過異常時制御手段は、遊技の進行を不能動化する制御を行うようにしても良く、これにより不正行為がなされたまま遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0020】
本発明の請求項11に記載のスロットマシンは、請求項1〜10のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記遊技媒体は円盤状のメダルであり、
前記投入遊技媒体検出手段は、前記取込経路を流下するメダルの上縁部または下縁部のうちの一方の縁部を検出可能な位置に配置された第1の投入遊技媒体検出手段及び第2の投入遊技媒体検出手段と、前記取込経路に沿って配置された前記第1の投入遊技媒体検出手段及び前記第2の投入遊技媒体検出手段の間で、かつ前記取込経路を流下するメダルの上縁部または下縁部のうち前記第1の投入遊技媒体検出手段及び前記第2の投入遊技媒体検出手段とは異なる縁部を検出可能な位置に配置された第3の投入遊技媒体検出手段と、を含み、
前記遊技媒体数加算手段は、前記第1の投入遊技媒体検出手段、前記第2の投入遊技媒体検出手段及び第3の投入遊技媒体検出手段によって検出された検出順序が正常であることを条件に、前記遊技媒体数記憶手段に記憶されている遊技媒体数を加算することを特徴とする。
この特徴によれば、半円盤形状のディスクを回転させることで投入遊技媒体検出手段に誤検出を行わせる不正行為がなされた場合でも、第1、第2、第3の投入遊技媒体検出手段による検出順序が正常なメダルの流下による検出順序と異なるようになり、その旨を検知できる。
【0021】
本発明のスロットマシンは、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
遊技媒体投入口から投入された遊技媒体を前記賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路と、
前記取込経路を流下する遊技媒体を検出する投入遊技媒体検出手段と、
前記賭数の設定に使用可能な遊技媒体数を所定の上限数の範囲で記憶する遊技媒体数記憶手段と、
前記投入遊技媒体検出手段が遊技媒体を検出したことを条件に、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算する遊技媒体数加算手段と、
前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数が前記所定の上限数に到達した状態において前記投入遊技媒体検出手段が検出したか否かを判定する検出判定手段と、
前記検出判定手段が前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定したときに、前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定したことに基づく制御を行う検出時制御手段と、
を備えることを特徴とする。
この特徴によれば、不正器具を用いた場合には遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数が上限数に到達していても投入遊技媒体検出手段が検出される可能性が高く、投入遊技媒体検出手段の検出を判定したことに基づく制御を行うことにより、遊技店側で不正器具が使用された可能性を把握することが可能となるので、これら不正器具の使用を容易に監視することができる。
尚、上記した所定数の賭数とは、少なくとも1以上の賭数であって、2以上の賭数が設定されることや最大賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしても良い。
また、遊技媒体とは、メダルやパチンコ球等の媒体である。
また、検出時制御手段が、前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定したことに基づく制御を行うとは、例えば、前記検出判定手段が前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定した旨を識別可能に報知する制御や、前記検出判定手段が前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定した旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力する制御を行うことである。特に、ホールコンピュータ等の遊技客の目に触れない周辺機器に出力することで、不正器具を使用している人物に気付かれずに不正器具が使用された可能性を遊技店側で把握することができる。また、検出時制御手段は、遊技の進行を不能動化する制御を行うようにしても良く、これにより不正行為がなされたまま遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例1を図面を用いて説明すると、図1に示すように、本実施例のスロットマシン1には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄がスロットマシン1の前面に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0024】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ34L、34C、34R(図2参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0025】
また、本実施例のスロットマシン1には、ボーナス中の進行状況やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器10、入賞の発生により付与されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器11、クレジット(遊技客所有の価値として内部に貯留されるメダル)として記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器12、メダルが投入可能なメダル投入口4、クレジットを用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが設けられている。
【0026】
また、本実施例のスロットマシン1の内部には、メダル投入口4から投入されたメダルをホッパータンク(図示略)に導く取込側流路302(図3(a)参照)またはメダル払出穴9(図1参照)に導く排出側流路303(図3(a)参照)のいずれかに振り分けるメダルセレクタ300(図3参照)が設けられている。直径や厚みの異なる不正メダルは、このメダルセレクタ300により振り分けられてメダル払出穴9から返却される。
【0027】
また、メダルセレクタ300には、流下するメダルの流路を取込側流路302または排出側流路303のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド36(図2参照)が設けられている。通常時において流路切替ソレノイド36は励磁されており、この状態において流下するメダルは取込側流路302を流下して後述する第1〜3投入センサ31a〜c(図2、図3(a)参照)により検出された後、ホッパータンクに貯留されるようになっている。また、メダル投入が不可能な場合には、流路切替ソレノイド36の励磁が解除されて流路が排出側流路303に切替わってメダル払出穴9から返却される。
【0028】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6、または1枚BETスイッチ5を操作すれば良い。所定数の賭数が設定されると、設定された賭数に応じて入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、所定数の賭数とは、少なくとも1以上の賭数であれば良い。
【0029】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、表示結果が導出表示される。
【0030】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、賭数に応じて有効化されたいずれかの入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技客に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出穴9(図1参照)から払い出されるようになっている。
【0031】
図2は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図2に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90が設けられており、遊技制御基板40によって主に遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御される。
【0032】
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rが接続されているとともに、メダル払出穴9から払い出されるメダルを検出する払出センサ33、リール2L、2C、2Rの基準位置を検出するリールセンサ35、ホッパータンク内に貯留されるメダルを検出する貯留センサ37、後述する第1〜3投入センサ31a〜c、第1〜第3通過センサ309a〜c、発光検出センサ39が接続されており、これら接続されたスイッチ、センサの検出信号が入力されるようになっている。
【0033】
また、遊技制御基板40には、前述したリールモータ34L、34C、34Rが接続されているとともに、前述のホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出穴9より払い出すためのホッパーモータ32、前述した流路切替ソレノイド36、遊技補助表示器10、ペイアウト表示器11、クレジット表示器12が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0034】
また、遊技制御基板40には、外部出力基板60が接続されており、遊技制御基板40から外部出力基板60を介して接続された周辺機器に対して所定の外部出力信号が出力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、接続端子基板61が接続されており、スロットマシン1に対応して設置されるメダル貸出装置100からメダルの貸出数を示すメダル貸出信号が接続端子基板61を介して遊技制御基板40に入力されるようになっている。
【0035】
遊技制御基板40には、所定の手順で演算を行うCPU、CPUの制御プログラムや各種データテーブル等を格納するROM、必要なデータの書き込み及び読み出しを行うRAMを備えるメイン制御部41、遊技制御基板40に接続されたスイッチ、センサ等の検出信号が入力されるスイッチ回路42、リールモータ34L、34C、34Rの駆動制御を行うモータ回路43、各種表示器やLEDの駆動制御を行う表示駆動回路44等、が搭載されており、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続されたスイッチ、センサの検出信号を受けて、ゲームの進行に応じた各種の制御を行う。
【0036】
また、メイン制御部41は、第1〜3投入センサによりメダルの投入が検出されたことに応じて賭数を設定する処理を行う。また、最大賭数(本実施例では3)が設定されている状態で更にメダルの投入が検出された場合には、クレジットに加算する処理を行う。そして、クレジットが上限に到達した場合には、それ以上のメダルの投入を不可に設定する。
【0037】
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面に配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールランプ55が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0038】
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様のCPU、ROM、RAMを備えるサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の駆動制御を行う液晶駆動回路92、演出効果LED52の駆動制御を行うランプ駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94等、が搭載されており、サブ制御部91は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行う。
【0039】
図3(a)及び図4(a)は、本実施例のスロットマシン1に設けられたメダルセレクタ300の構造を示す断面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面図、図4(b)は図4(a)のC−C断面図である。
【0040】
図3(a)に示すように、メダルセレクタ300には、メダル投入口4から投入されたメダルが流下する投入流路301及び投入流路301を流下したメダルをホッパータンクへ案内する取込側流路302が形成されている。また、図3(a)(b)に示すように、投入流路301の下方には、流路切替ソレノイド36の励磁により軸304aを支点として揺動する流路切替板304及び投入流路301から落下したメダルをメダル払出穴9に案内する排出側流路303が設けられている。
【0041】
流路切替板304は、流路切替ソレノイド36が励磁されていない状態において、図3(a)(b)に示すように、その上端部304bがメダルセレクタ本体に設けられた凹部305内に収容された状態とされ、投入流路301と排出側流路303と、が連通した状態となるため、投入流路301を流下するメダルは排出側流路303に落下してメダル払出穴9より排出される。また、流路切替板304は、流路切替ソレノイド36が励磁された状態において、図4(a)(b)に示すように、流路切替板304の上部が軸304aを支点として図中左方向(矢印方向)に揺動することで、流路切替板304の上端部304bが凹部305より突出した状態となるため、投入流路301を流下するメダルは流路切替板304の上端部304bに沿って取込側流路302内に流下し、ホッパータンクに案内される。
【0042】
また、取込側流路302には、図4(a)に示すように、取込側流路302を挟んで対向する位置に配置された投光部及び受光部からなり、投光部から受光部への光の遮断を検知することで取込側流路302を流下するメダルを検出する第1〜3投入センサ31a〜cが設けられている。これらのうち第1投入センサ31a、第3投入センサ31cは、取込側流路302の上部に沿った位置、すなわち取込側流路302を流下する円盤状のメダルの上端部の通過を、各々上流側と下流側にて検出可能な位置に配置され、第2投入センサ31bは、取込側流路302の下部位置、すなわち取込側流路302を流下する円盤状のメダルの下端部の通過を検出可能な位置に配置されている。更に、第2投入センサ31bは、第1投入センサ31a及び第3投入センサ31cの間、すなわち取込側流路302を正常に流下するメダルが第1投入センサ31a、第2投入センサ31b、第3投入センサ31cの順番で検出される位置に配置されている。
【0043】
図5(a)〜(f)は、取込側流路302を正常に流下するメダル、すなわち正常な方向(図中右方向)に流下するメダルの流下状況を示す図である。
【0044】
取込側流路302を正常に流下するメダルは、図5(a)〜(f)に示すように、図中右側に向かって流下するため、第1投入センサ31a、第2投入センサ31b、第3投入センサ31cの順番でその通過が検出される。詳しくは、まず、取込側流路302の上流側上端の第1投入センサ31aによりメダルの上端が検出され、次いで、取込側流路302の下端の第2投入センサ31bによりメダルの下端が検出され、次いで、取込側流路302の下流側上端の第3投入センサ31cによりメダルの上端が検出される。
【0045】
取込側流路302を正常に流下するメダルの第1〜3投入センサ31a〜cによる検出状態の遷移、すなわち第1〜3投入センサ31a〜cによる検出状態の変化の履歴は、常に図6に示すタイミングチャートのようになる。
【0046】
具体的には、第1投入センサ31aのみ検出される状態a−b(第1投入センサ31a:on、第2投入センサ31b:off、第3投入センサ31c:off)、第1投入センサ31a、第2投入センサ31bの双方が検出される状態b−c(第1投入センサ31a:on、第2投入センサ31b:on、第3投入センサ31c:off)、第1〜3投入センサ31a〜cの全てが検出される状態c−d(第1投入センサ31a:on、第2投入センサ31b:on、第3投入センサ31c:on)、第2投入センサ31b、第3投入センサ31cの双方が検出される状態d−e(第1投入センサ31a:off、第2投入センサ31b:on、第3投入センサ31c:on)、第3投入センサ31cのみ検出される状態e−f(第1投入センサ31a:off、第2投入センサ31b:off、第3投入センサ31c:on)、の順番で第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態が変化する。
【0047】
このように本実施例では、取込側流路302を正常に流下するメダルの第1〜3投入センサ31a〜cによる検出状態の遷移が常に同一パターンの状態遷移となるため、第1〜3投入センサ31a〜cによる検出状態の遷移が異なった状態遷移となった時点で状態遷移の異常が判定され、メダル投入に関連した不正を検出できる。
【0048】
例えば、本実施例のメダルセレクタ300では、第1投入センサ31a、第3投入センサ31cが、取込側流路302を流下するメダルの上端部の通過を、各々上流側と下流側にて検出可能な位置に配置されているため、図7(a)に示すように、流下方向が異なる場合、すなわち一度投入されたメダルを外部から牽引して再度使用する不正行為、いわゆる逆戻しが行われた場合には、図7(b)に示すように、第3投入センサ31c、第2投入センサ31b、第1投入センサ31aの順番で検出される。すなわち第1投入センサ31aよりも下流側に設けられた第3投入センサ31cの方が先に検出されるので、第1投入センサ31aよりも第3投入センサ31cが先に検出されると遷移状態が正常なものと異なるので、その時点で投入検出異常と判定され、不正が行われた旨を検知できる。
【0049】
また、本実施例のメダルセレクタ300では、メダルの下端の通過を検出する第2投入センサ31bが、メダルの上端の通過を検出する第1投入センサ31a、第3投入センサ31cの間に配置されている。すなわち取込側流路302を正常に流下するメダルが第1投入センサ31a、第2投入センサ31b、第3投入センサ31cの順番で検出される位置に配置されており、図8(a)に示すように、半円盤形状の媒体を回転させることで誤った検出を行わせる不正行為、いわゆる半分メダル回しが行われた場合には、図8(b)に示すように、第1投入センサ31a、第3投入センサ31c、第2投入センサ31bの順番で検出される。すなわちこのような不正が行われた場合には、第1〜3投入センサ31a〜cによる検出順が正常に流下するメダルの検出順とは異なる順番となるので、第1〜3投入センサ31a〜cによる検出順が正常に流下するメダルの検出順と異なった時点で投入検出異常と判定され、不正が行われた旨を検知できる。すなわち物理的に不正行為が行われた場合でもその旨を検知できる。
【0050】
次に、メイン制御部41が実行する投入メダル判定処理の制御内容を、図9のフローチャートに基づいて以下に説明する。
【0051】
投入メダル判定処理は、第1〜3投入センサ31a〜cの検出状況に基づき、メダルの投入を監視する処理であり、所定間隔(本実施例では、0.56ms)毎に実行されるタイマ割込処理の中で実行される処理である。
【0052】
まず、投入メダル判定処理では、メダルの受付が不可能な状態となったとき、すなわち流路切替ソレノイド36の励磁が解除され、メダルの流路が取込側流路302から排出側流路303に切り替わったときから検出無効時間(500ms)が経過したか否かを確認し(Sa1)、検出無効時間(500ms)が経過していなければ、メダルの受付が不可能な状態となったときからの時間を計測するための受付不可時間カウンタの値を1加算した後(Sa2)、スタートスイッチ7の検出を無効化させるためのスタート禁止フラグがセットされているか否かを確認し(Sa3)、スタート禁止フラグがセットされていれば、Sa5のステップに移行する。また、Sa3のステップにおいてスタート禁止フラグがセットされていなければ処理を終了する。すなわち、メダルの受付が不可能な状態となってから検出無効時間が経過するまでは、第1〜3投入センサ31a〜cによりメダルが検出されている場合でも、その検出は無視される。尚、本実施例では、後述するように第1投入センサ31aがメダルを検出した後、第1〜3投入センサ31a〜cの全てがoffとなるまでの間スタート禁止フラグがセットされるので、スタート禁止フラグがセットされている間、すなわち第1〜3投入センサ31a〜cによりメダルが検出されている間に受付不可状態となったときには、当該メダルは無視されることなく検出されるようになっている。
【0053】
また、Sa1のステップにおいてメダルの受付が不可能な状態となってから検出無効時間(500ms)が経過している場合には、メダルの受付が不可能な状態となったときからの時間を計時するための受付不可時間カウンタの値をクリアした後(Sa4)、第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態を取得し(Sa5)、該取得した第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態及びその遷移に基づいて第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態からいずれかがonの状態に変化したか否かを確認する(Sa6)。
【0054】
そして第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態からいずれかがonの状態に変化した場合には、スタートスイッチ7の検出を無効化させるためのスタート禁止フラグをセットし(Sa7)、Sa5のステップにおいて取得した検出状態に基づいて第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移を更新する(Sa8)。また、Sa6のステップにおいて第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態からいずれかがonの状態に変化していなければ、Sa8のステップに移行し、Sa4のステップおいて取得した検出状態に基づいて第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移を更新する。
【0055】
次いで、メダルがあと1枚だけ投入可能な状態となったとき(例えば、最大賭数が設定され、かつ1枚のメダルが投入されることでクレジットの上限に到達する場合や、クレジットが上限に既に到達しており、かつ1枚のメダルが投入されることで最大賭数となる場合、メダル投入によるクレジットの加算が制限されている状態で1枚のメダルが投入されることで最大賭数となる場合、等)にセットされる最終メダルフラグがセットされているか否かを確認する(Sa9)。そして最終メダルフラグがセットされている場合には、Sa5のステップにおいて更新した第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態に基づいて第1投入センサ31aがonの状態か否か、すなわち第1投入センサ31aによりメダルが検出されているか否かを確認し(Sa10)、第1投入センサ31aがonの状態であれば更に連続検出時間、すなわちメダルの検出を開始してからの時間が2ms以上であるか否かを確認し(Sa11)、連続検出時間が2ms以上の場合には、受付不可フラグをセットする(Sa12)。
【0056】
受付不可フラグは、流路切替ソレノイドの励磁を解除させる旨を示すフラグであり、当該フラグがセットされることによりその後の処理で流路切替ソレノイドの励磁が解除され、メダルの流路が取込側流路302から排出側流路303に切り替わるようになっている。尚、Sa10のステップにおいて第1投入センサ31aがonの状態の場合に、更に連続検出時間が2ms以上であるかを確認することは、ノイズ等による誤検出を防止できることから好ましいが、Sa10のステップにおいて第1投入センサ31aのonの状態が検出されていれば、その検出時間に関わらず受付不可フラグをセットするようにしても良い。
【0057】
Sa9〜12のステップの後、Sa5のステップにおいて更新した第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常か否かを確認する(Sa13)。具体的には、Sa5のステップにおいて更新した第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移に適合するものであれば正常と判定する。一方、図7(b)に示すように、第1投入センサ31aがonに変化する前に第2投入センサ31bや第3投入センサ31cがonに変化した場合や、図8(b)に示すように、第1投入センサ31aがonに変化したものの第2投入センサ31bがonに変化する前に第3投入センサ31cがonに変化した場合、すなわち正常な状態遷移とは異なる順番で第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態が変化した場合には、異常と判定する。
【0058】
そしてSa13のステップにおいて第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常の場合には、メダルの投入が完了したか否か、すなわち第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常に完了したか否かを確認する(Sa14)。
【0059】
Sa14のステップにおいてメダルの投入が完了していれば、連続検出時間(ここでは図6に示すa〜fに要した時間)が、これら検出に要する最小限の時間である最小検出時間(10ms)以上であるか否かを確認し(Sa15)、連続検出時間が最小検出時間(10ms)以上の場合には、受付不可フラグがセットされているか否かに基づいてメダルの受付が可能な状態、すなわち流路切替ソレノイド36が励磁され、メダルの流路が取込側流路302とされ、賭数またはクレジットの加算が可能な状態であるか否かを確認する(Sa16)。
【0060】
Sa16のステップにおいてメダルの受付が可能な状態である場合には、メダルが正常に投入された旨を示すメダル投入フラグを設定し(Sa17)、RAMに記憶されているメダルの投入検出パターンを更新する(Sa18)。尚、ここでいう投入検出パターンとは、後に詳述するが、当該ゲーム中における第1〜3投入センサ31a〜cの検出履歴である。そして、連続検出時間を計測するための連続検出時間カウンタの値及び第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移をクリアした後(Sa19、Sa20)、スタート禁止フラグをクリアして処理を終了する(Sa21)。また、Sa17のステップにおいてメダル投入フラグが設定されることにより、後の処理において賭数が設定可能であれば、賭数が1加算される。また、賭数が最大賭数に到達している状態であればクレジットに1が加算されることとなる。
【0061】
また、Sa16のステップにおいてメダルの受付が可能な状態でない場合には、メダル投入フラグを設定せずにメダルの投入検出パターンを更新し(Sa18)、連続検出時間カウンタの値及び第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移をクリアした後(Sa19、Sa20)、スタート禁止フラグをクリアして処理を終了する(Sa21)。すなわち第1〜3投入センサ31a〜cによるメダルの検出は無視される。
【0062】
また、Sa14のステップにおいてメダルの投入が完了していなければ、第1〜3投入センサ31a〜cの全てがoffの状態であるか、すなわちいずれの第1〜3投入センサ31a〜cにおいてもメダルを検出していない状態であるか否かを確認し(Sa22)、いずれかの第1〜3投入センサ31a〜cがonの状態であれば、連続検出時間以内であるか否か、すなわち第1投入センサ31aにてメダルを最初に検出した時点からの経過時間がこれら検出に要する最大限の時間として定められた最大検出時間(本実施例では100ms)以内であるかを確認し(Sa23)、連続検出時間が最大検出時間以内であれば、連続検出時間カウンタに1を加算し(Sa24)、処理を終了する。
【0063】
また、Sa22のステップにおいていずれの第1〜3投入センサ31a〜cにおいてもメダルを検出していない状態であれば、最終メダルフラグがセットされているか否かを確認し(Sa25)、最終メダルフラグセットされていれば更に受付不可フラグがセットされているか否かを確認し(Sa26)、受付不可フラグがセットされていれば、当該受付不可フラグをクリアした後(Sa27)、連続検出時間カウンタの値及び第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移をクリアし(Sa19、Sa20)、スタート禁止フラグをクリアして処理を終了する(Sa21)。すなわちメダルがあと1枚だけ投入可能な状態で第1投入センサ31aが検出されて受付不可フラグがセットされ、メダルの流下経路が取込側流路302から排出側流路303に切り替わっても、当該メダルの投入が完了せずに第1〜3投入センサ31a〜cが検出していない状態となった場合には、受付不可フラグはクリアされてメダルの流下経路が再度排出側流路303から取込側流路302に切り替わるようになっている。尚、Sa25のステップにおいて最終メダルフラグがセットされていない場合やSa26のステップにおいて受付不可フラグがセットされていない場合には、連続検出時間カウンタの値及び第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移をクリアした後(Sa19、Sa20)、スタート禁止フラグをクリアして処理を終了する(Sa21)。
【0064】
また、Sa13のステップにおいて第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移とは異なる場合には、第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態から第1投入センサ31aのみonの状態に変化したか否かを確認し(Sa28)、第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態から第1投入センサ31aのみonの状態に変化した場合であれば、連続検出時間カウンタの値及び第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移をクリアした後(Sa19、Sa20)、スタート禁止フラグをクリアして処理を終了する(Sa21)。すなわち第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移とは異なる場合でも、第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態から第1投入センサ31aのみonの状態に変化した場合であれば、その検出は無視される。
【0065】
また、Sa15のステップにおいて連続検出時間が最小検出時間である10msに満たない場合、または、Sa22のステップにおいて連続検出時間が最大検出時間である100msを越えた場合、または、Sa27のステップにおいて全てoffの状態から第1投入センサ31aのみonの状態に変化していないと判定された場合には、投入検出異常と判定して、その旨を示す投入エラーフラグを設定し(Sa29)、処理を終了する。この投入エラーフラグが設定されることにより、後の処理において後述する投入エラー処理が実行され、ゲームの進行が不能動化されることとなる。
【0066】
また、上述のように第1〜3投入センサ31a〜cがoffの状態からいずれかのセンサがonに変化した時点から全てのセンサがoffの状態となるまでスタート禁止フラグがセットされ、スタートスイッチ7の検出が無効化されるようになっている。このため、第1〜3投入センサ31a〜cによるメダルの検出中において、スタートスイッチ7が有効に検出されてゲームが開始してしまうことがないので、当該メダルが正常に検出もされず返却もされずに内部に取り込まれてしまうこと(いわゆる飲み込み)を防止できる。
【0067】
本実施例のスロットマシン1では、メイン制御部41が以上のような制御に従うことによって、以下に説明する状況で投入検出異常が判定される。
【0068】
まず、第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移と異なる場合、すなわち図7(b)に示すように、第1投入センサ31aがonに変化する前に第2投入センサ31bや第3投入センサ31cがonに変化した場合や、図8(b)に示すように、第1投入センサ31aからonに変化したものの第2投入センサ31bがonに変化する前に第3投入センサ31cがonに変化した場合、すなわち正常な状態遷移とは異なる順番で第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態が変化した場合に投入検出異常が判定される。これにより前述した逆戻しや半分メダル回し等の不正行為が行われたことを確実に検知できる。
【0069】
尚、本実施例では、図10(a)(b)に示すように、あと1枚メダルを投入するとメダルの受付が不可能な状態となる場合に、第1投入センサ31aがメダルを検出したときに、他のセンサが当該メダルを検出する前に、メダルの流路が取込側流路302から排出側流路303に切り替わるようになっている。これにより、メダルがあと1枚だけ投入可能な状態では、最後の1枚のメダルが投入されてから極力早い段階でメダルの流下経路が取込側流路302から排出側流路303に切り替わるので、更にメダルが流下してきた場合でも当該メダルが内部に取り込まれてしまうことを防止できる。
【0070】
しかしながら、この場合には、図11(a)(b)に示すように、第1投入センサ31aには検出されたものの排出側流路303に落下してしまう場合があり、この場合には、第1投入センサ31aがoffに変化した際に第2投入センサ31bがonに変化していないので、その時点で第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移とは異なると判定され、エラー判定されてしまうこととなる。このため、本実施例では、第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移と異なる場合でも、図11(a)(b)に示すように、第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態から第1投入センサ31aのみonの状態に変化した場合には、投入検出異常として判定されないようになっているので、必要のない投入検出異常の判定を防止できる。
【0071】
また、第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移であっても、その検出に要した連続検出時間が、最大検出時間である100msを越えた場合には、投入検出異常が判定される。これにより、取込側流路302内にメダルが詰まっている旨を検知できる。
【0072】
また、第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移で投入の完了が検出された場合でも、その検出に要した連続検出時間が、最小検出時間である10msに満たない場合には、投入検出異常が判定される。これにより、例えば電波を用いて第1〜3投入センサ31a〜cに不正な検出をさせる不正行為が行われた場合でもその旨を検知できる。
【0073】
また、図12(a)に示すように、メダルの受付が不可能な状態となって、流路切替ソレノイド36の励磁が解除され、投入されたメダルの流下経路が取込側流路302から排出側流路303に切り替わったときから、検出無効時間として定められた500msが経過するまでの期間、第1〜3投入センサ31a〜cの検出が無視される。すなわち第1〜3投入センサ31a〜cの検出が無効化される。
【0074】
本実施例のスロットマシン1では、前述した逆戻し等の不正がいつ行われるとも限らないので常時第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態を監視しているが、メダルの投入の受付が不可能な状態となって取込側流路302から排出側流路303に切り替わった際に、投入されたメダルが流下する勢いや後方から流下するメダルの勢いで取込側流路302側に流下してしまう場合がある。この場合には正常にメダルが流下する時間に比較して長い時間を要することが多く、連続検出時間が最大検出時間である100msを越えて投入検出異常と判定されてしまうが、メダルの受付が不可能な状態となってから検出無効時間として定められた500msが経過するまでの期間、第1〜3投入センサ31a〜cの検出が無効化されるので、メダルの投入の受付が不可能な状態となって取込側流路302から排出側流路303に切り替わった際に、投入されたメダルが流下する勢いや後方から流下するメダルの勢いで取込側流路302側に流下してしまった場合でも投入検出異常と判定されてしまうことを防止できる。
【0075】
また、このような場合には、前述したように正常にメダルが流下する時間に比較して長い時間を要することが多いが、本実施例では、検出無効時間がメダル詰まりを判定するための最大検出時間よりも長く設定されており、取込側流路302を流下するメダルの検出が無効化される時間が担保されるため、投入検出異常の発生を確実に防止できる。
【0076】
また、投入検出異常の発生を防止するためには検出無効時間を極力長い時間とることが好ましいが、検出無効時間をあまり長くとりすぎると、1ゲームに要した時間が短い場合に、次のゲームにて投入されたメダルの検出が無効化されてしまう可能性があることから、検出無効時間を、1ゲームに要する最短時間より短くする必要がある。
【0077】
本実施例の場合には、図12(b)に示すように、ゲームの開始から各リールの停止操作が有効となるまでの時間が最短で100ms、いずれかのリールの停止操作がされ、該当するリールが停止した後、再び残りのリールの停止操作が有効となるまでに要する時間が最短で200ms(図柄の引込を伴わない場合)とされており、これらの時間を考慮すると、1ゲームに要する理論上の最短時間は500msとなる。また、ゲームの開始から各リールの停止操作が有効となるまでの時間は通常100ms以上かかるうえに、リールが停止した後、再び残りのリールの停止操作が有効となるまでに要する時間も引込制御が行われることにより200ms以上かかることが多いため、1ゲームに要する実際の最短時間は500msを越える時間となる。
【0078】
このため本実施例では、500ms、すなわち1ゲームに要する最短時間の範囲で極力長い時間が検出無効時間として設定されており、取込側流路302を流下するメダルの検出が無効化される時間が十分に担保され、投入検出異常の発生を確実に防止できるうえに、次のゲームにて投入されたメダルの検出が無効化されてしまうといった不都合も回避できる。
【0079】
また、本実施例では、メダルの投入の受付が不可能な状態となってから検出無効時間が経過するまでの間、第1〜3投入センサ31a〜cの検出を無視することで、第1〜3投入センサ31a〜cの検出が無効化されるようになっており、第1〜3投入センサ31a〜cの検出を行うための回路構成を変更することなく、制御を変更するのみで検出を無効化することができる。
【0080】
また、メイン制御部41は、投入メダル判定処理において投入検出異常と判定した場合、すなわち投入エラーフラグを設定した場合に、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行を不能動化し、投入検出異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨を報知する投入エラー処理を実行する。これにより外部から投入検出異常が判定された旨を把握できるので、前述した逆戻しや半分メダル回し等の不正行為を効果的に防止できる。また、投入エラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、投入検出異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0081】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に投入検出異常を示すエラーコードを表示することで投入検出異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて、投入検出異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで投入検出異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0082】
ここでLED等の発光素子を搭載した不正器具について説明すると、この不正器具は、図15(a)に示すように、細長い遮光板の先端部分の片面に投入センサの投光部と同質の光を発光させる発光素子を実装したものであり、図15(b)に示すように、メダル投入口4から先端部分を挿入し、投入センサの投光部からの光を遮断するとともに発光素子が投入センサの受光部に対峙する位置となるように配置し、発光素子の発光/非発光によってメダルが通過した際の投入センサの検出状態を再現することで投入センサを誤検出させて賭数を設定したり、クレジットを加算させたりするものである。
【0083】
本実施例では、前述のように第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常でなければ投入検出異常と判定されてしまうので、この種の不正器具を第1〜3投入センサ31a〜cの位置に配置する際には、発光素子を発光させた状態、すなわち第1〜3投入センサ31a〜cが不正器具を検出しない状態で挿入しなければならない。
【0084】
これに対して本実施例では、図3(a)に示すように、取込側流路302における第1投入センサ31aの上流側に、第1〜3投入センサ31a〜cの受光部と同じ側に配置され、これら第1〜3投入センサ31a〜cの投光部と同質の光、すなわち第1〜3投入センサ31a〜cの受光部で受光を検出させることができる性質の光を検出する受光部を備えた発光検出センサ39が設けられている。
【0085】
発光検出センサ39は、取込側流路302を流下したり、取込側流路302内に詰まったメダルを検出することはないが、前述のように発光素子を搭載した不正器具を第1〜3投入センサ31a〜cに検出させないように発光素子を発光させた状態で挿入すると、図13に示すように、発光検出センサ39が発光素子の発光、すなわち普通に遊技を行っていれば検出するはずのない発光を検出するので、発光検出センサ39が発光を検出した際に発光検出異常と判定することで、不正器具の挿入による不正を検知できる。
【0086】
図14は、メイン制御部41が実行する発光検出判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0087】
発光検出判定処理は、発光検出センサ39の検出状況に基づき、発光素子を備えた不正器具の挿入を監視する処理であり、前述したタイマ割込処理の中で実行される処理である。
【0088】
発光検出判定処理では、まず、発光検出センサ39の検出状態を取得する(Sb1)。そして、発光検出センサ39の状態遷移を更新し(Sb2)、発光検出センサ39がoffからonに変化したか否か、すなわち発光検出センサ39が発光を検出したか否かを確認し(Sb3)、発光検出センサ39がoffからonに変化した場合には、発光検出異常と判定し、その旨を示す発光検出異常フラグをセットする。この発光検出異常フラグが設定されることにより、後の処理において発光検出エラー処理が実行される。
【0089】
発光検出エラー処理では、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行が不能動化されるとともに、発光検出異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨が報知される。これにより外部から発光検出異常が判定された旨を把握できるので、不正器具の挿入による不正行為を効果的に防止できる。また、発光検出エラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、発光検出異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0090】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に発光検出異常を示すエラーコードを表示することで発光検出異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて、発光検出異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで発光検出異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0091】
本実施例では、図3(a)に示すように、投入流路301内に出没自在な当接片306a〜cが設けられている。これら当接片306a〜cは、図16(a)に示すように、軸部307a〜cを軸心に揺動することで投入流路301内に出没自在とされているとともに、付勢部材308によって投入流路301内に突出するように付勢されている。そして、図16(b)に示すように、メダルが流下する際に、付勢部材308の付勢に抗して内方に押圧されるようになっている。また、当接片306a〜cには各々に対応して第1〜3通過センサ309a〜cが設けられており、当接片306a〜cがメダルの通過により押圧された際に、当接片306a〜cが第1通過センサ309a〜cによって検知されるようになっている。すなわち第1〜3通過センサ309a〜cは、当接片306a〜cの押圧を検知することでメダルの通過を検出できるようになっている。また、図16(b)に示すように、当接片306a〜cは、メダルの通過により押圧された際に、メダルとの当接面がメダルの側面に対して平行となる形状とされており、メダルとの当接面が一部に集中することがないので、当接片306a〜cの耐久性を高めることができる。
【0092】
図3(a)に示すように、当接片306a〜cのうち、当接片306a及び306cは、投入流路301の中央を挟んで両側に設けられており、メダルが連続して流下する場合でも投入流路301の中央を挟んで両側部分には隣り合うメダル同士の間に隙間{図3(a)参照}ができるので、図17に示すように、当接片306a、306cの押圧によりメダルの通過を検出する第1通過センサ309a、第3通過センサ309cでは、連続するメダルの通過が別個に検出されるようになっている。このため、前述のように発光素子を搭載した不正器具を使用する場合には、不正器具を投入流路301及び取込側流路302内に挿入した状態となるが、この状態では、当接片306a、306cが押圧された状態となるので、図18(a)に示すように、当接片306a、306cの押圧によりメダルの通過を検出する第1通過センサ309a、第3通過センサ309cがメダルの通過に伴い検出する通過検出時間が1枚のメダルの通過に要する時間よりも長い異常判定時間(本実施例では500ms)以上となった場合に通過検出異常と判定することで、不正器具の挿入による不正を検知できる。
【0093】
図3(a)に示すように、当接片306a〜cのうち、当接片306bは、投入流路301の中央で、かつ当接片306a及び306cよりも若干下流側の位置に設けられており、正常にメダルが流下する場合には、図17に示すように、当接片306a、306cの押圧によりメダルの通過を検出する第1通過センサ309a、第3通過センサ309cがメダルの通過を検出している状態においてのみ当接片306bの押圧によりメダルの通過を検出する第2通過センサ309bがメダルの通過が検出されるようになっている。このため、図18(b)に示すように、第1通過センサ309a、第3通過センサ309cがメダルの通過を検出していない状態において第2通過センサ309bがメダルの通過を検出した場合に、通過検出異常と判定することで、当接片306a及び306cを押圧しないように不正器具を挿入した場合でも、不正器具の挿入による不正を検知できる。
【0094】
図19は、メイン制御部41が実行するメダル通過判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0095】
メダル通過判定処理は、第1〜3通過センサ309a〜cの検出状態の検出状況に基づき不正器具の挿入を監視する処理であり、前述したタイマ割込処理の中で実行される処理である。
【0096】
メダル通過判定処理では、まず、第1〜3通過センサ309a〜cの検出状態を取得する(Sc1)。そして、第1〜3通過センサ309a〜cの状態遷移を更新し(Sc2)、第1通過センサ309aまたは第3通過センサ309cがoffからonに変化したか否かを確認する(Sc3)。そして、第1通過センサ309aまたは第3通過センサ309cがoffからonに変化した場合には、通過検出時間を計時する通過検出時間カウンタの値をクリアする(Sc4)。
【0097】
次いで、第1通過センサ309aまたは第3通過センサ309cがonか否かを確認し(Sc5)、第1通過センサ309aまたは第3通過センサ309cがonの場合には、通過検出時間カウンタの値を1加算する(Sc6)。そして、通過検出時間カウンタの値を参照して通過検出時間が500ms以上か否かを確認し(Sc7)、通過検出時間が500ms以上であれば、通過検出異常と判定し、その旨を示す通過検出異常フラグをセットする。
【0098】
また、Sc5のステップにおいて第1通過センサ309aまたは第3通過センサ309cがonではない場合には、第2通過センサ309bがoffからonに変化したか否かを確認し(Sc9)、第2通過センサ309がoffからonに変化した場合には、通過検出異常と判定し、その旨を示す通過検出異常フラグをセットする。
【0099】
また、Sc8やSc10のステップにおいて通過検出異常フラグが設定されることにより、後の処理において通過検出エラー処理が実行される。
【0100】
通過検出エラー処理では、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行が不能動化されるとともに、通過検出異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨が報知される。これにより外部から通過検出異常が判定された旨を把握できるので、不正器具の挿入による不正行為を効果的に防止できる。また、通過検出エラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、通過検出異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0101】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に通過検出異常を示すエラーコードを表示することで通過検出異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて通過検出異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで通過検出異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0102】
図20は、前述した各種エラー処理(投入エラー処理、発光検出エラー処理、通過検出エラー処理)の実行契機を示すタイミングチャートである。
【0103】
これら各種エラー処理が実行される契機は、その時点でホッパーモータ32によるメダルの払出動作が行われているか否かによって異なる。
【0104】
詳しくは、メダルの投入に関連して異常を示すフラグが設定された時点で、ホッパーモータ32によるメダルの払出動作が行われていない場合には、その時点で対応するエラー処理を実行し、ゲームの進行が不可能な状態に制御する。すなわち異常の判定によりゲームの進行が不能動化される。
【0105】
また、異常を示すフラグが設定された時点で、ホッパーモータ32によるメダルの払出動作が行われている場合には、その終了後、対応するエラー処理を実行し、ゲームの進行が不可能な状態に制御する。
【0106】
このように本実施例では、異常を判定した場合に、ゲームの進行が不能動化されるようになっており、エラーが解消されるまでゲームの進行を停止させることができるため、不正がなされた状態やメダル詰まり等の不具合が生じた状態でゲームが進行してしまうことを防止できる。
【0107】
また、各種エラー処理では、ゲームの進行の不能動化に加えてエラーの原因となった異常を示すエラーコードが遊技補助表示器10に表示されてその旨が報知されるため、エラーの原因を外部にて把握できるうえに、係員等がエラーの発生に対して迅速に対応することができる。
【0108】
また、本実施例では、異常を判定した場合でも、ホッパーモータ32によるメダルの払出動作が行われている場合には、その終了を待って対応するエラー処理が実行されるようになっており、異常の判定時点でホッパーモータ32によるメダルの払出動作を中断し、エラーの解除に伴い再びホッパーモータ32によるメダルの払出動作を再開する等の複雑な制御を行う必要がないため、メイン制御部41の制御負荷を軽減できる。
【0109】
図21は、メイン制御部41が実行する投入検出パターン判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0110】
投入検出パターン判定処理は、投入検出パターン(クレジットの加算パターン)、すなわち前回のゲームの終了時から今回のゲーム終了時までの間における第1〜3投入センサ31a〜cの検出履歴(クレジットの加算履歴)に基づき不正器具の使用を監視する処理であり、1ゲームの終了時に実行される処理である。
【0111】
投入検出パターン判定処理では、まず、当該ゲームの投入検出パターンを取得する(Sd1)。そして、取得した投入検出パターンが不正器具の使用により第1〜3投入センサ31a〜cを誤検出させている可能性の高い特定パターンであるか否かを判定し(Sd2)、取得した投入検出パターンが特定パターンか否かを確認する(Sd3)。そして、投入検出パターンが特定パターンであれば、当該投入検出パターンを履歴テーブルに登録するとともに(Sd4)、前回(前のゲーム)の投入検出パターンも特定パターンと判定されたか否かを確認し(Sd5)、前回も特定パターンと判定されていれば、投入検出パターン異常と判定し、投入検出パターンエラー処理を実行する(Sd8)。また、Sd5のステップにおいて前回の投入検出パターンが特定パターンと判定されていなければ、今回の投入検出パターンを履歴テーブルに登録されている過去に特定パターンとして判定された投入検出パターンと比較し(Sd6)、今回の投入検出パターンと過去の特定パターンが一致するか否かを確認する(Sd7)。そして、今回の投入検出パターンと過去の特定パターンが一致すれば、投入検出パターン異常と判定し、投入検出パターンエラー処理を実行する(Sd8)。
【0112】
投入検出パターンエラー処理では、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行が不能動化されるとともに、投入検出パターン異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨が報知される。これにより外部から投入検出パターン異常が判定された旨を把握できるので、不正器具の挿入による不正行為を効果的に防止できる。また、投入検出パターンエラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、投入検出パターン異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0113】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に投入検出パターン異常を示すエラーコードを表示することで投入検出パターン異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて、投入検出パターン異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで投入検出パターン異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0114】
ここで、投入検出パターン判定処理において特定パターンであると判定するパターンの一例について説明する。
【0115】
不正器具を用いた場合には不正器具側でクレジットが上限値に到達したか否かを判別できず、クレジットが上限値に到達していても第1〜3投入センサ31a〜cが検出される可能性が高いので、投入検出パターン判定処理では、図22(a)に示すように、クレジットが上限値に到達しているにも関わらず、メダルが検出されている場合に、特定パターンであると判定する。
【0116】
また、通常、人の手によりメダルを投入してクレジットが加算される場合には、その加算パターンにばらつきが生じるので、投入検出パターン判定処理では、クレジットの加算パターンが規則的な加算パターンとなった場合に、特定パターンであると判定する。
【0117】
例えば、一般的な遊技客はクレジットが上限値に到達するまでメダルを投入する前にゲームを開始することが多いうえに、人の手により一度に多数のメダルを連続して投入することは困難なので、投入検出パターン判定処理では、クレジットが上限値に到達するまで連続して加算された場合にも、特定パターンであると判定する。
【0118】
また、前述のように人の手により一度に多数のメダルを連続して投入することは困難なので、投入検出パターン判定処理では、規定数以上連続してクレジットが加算された場合に、特定パターンであると判定する。尚、このような特定パターンを判定する場合には、判定基準となる規定数を定期的にランダムに決定し、変化させることが好ましく、このようにすることで、判定基準となる規定数が変動するので、投入検出パターン判定処理にて特定パターンであると判定されないように不正器具を使用することが困難となる。
【0119】
また、前述のように人の手により一度に多数の遊技媒体を連続して投入することは困難なので、人の手によるメダルの投入でクレジットを加算させる速度には限界があるので、投入検出パターン判定処理では、規定の速度以上でクレジットが加算された場合に、特定パターンであると判定する。ここでいう規定の速度とは、人の手によるメダルの投入でクレジットを加算させる速度の限界速度として規定した速度である。この規定の速度を遅く設定すると、人の手によるメダルの投入によっても特定パターンであると判定される頻度が高まるので、人の手によるメダルの投入ではあり得ないような速度を規定の速度として設定することが好ましい。
【0120】
また、人の手により一度に投入する遊技媒体数にはばらつきが生じる可能性が高いので、投入検出パターン判定処理では、図22(b)に示すように、一定数ずつメダルが検出された場合に、特定パターンであると判定する。
【0121】
また、人の手により一定間隔でメダルを投入することは困難なので、投入検出パターン判定処理では、図22(c)に示すように、一定間隔(図中S)でメダルが検出された場合に、特定パターンであると判定する。
【0122】
尚、本実施例では、投入検出パターンが上記で例示したパターンである場合に、特定パターンであると判定されるが、これらのパターンの組合せによって特定パターンか否かを判定するようにしても良い。
【0123】
このように本実施例では、特定パターンでメダルが検出されたことに基づいて投入検出パターン異常が判定され、その旨が報知されるので、遊技店側で不正器具が使用された可能性が高い状況を把握することが可能となる。
【0124】
また、複数ゲームにわたり特定パターンが連続して判定された場合に投入検出パターン異常と判定されるようになっており、遊技客によるメダルの投入がたまたま特定パターンとなった場合でも、連続して特定パターンとなる可能性は低いので、不正器具が使用された可能性を正確に把握することができる。
【0125】
また、複数ゲームにわたり特定パターンが連続して判定されなかった場合でも過去に同一の特定パターンが判定されている場合には、投入検出パターン異常と判定されるようになっており、連続して特定パターンが判定されない場合でも、過去に何度も特定パターンとなる可能性は低いので、不正器具が使用された可能性を正確に把握することができる。
【0126】
尚、本実施例では、複数ゲームにわたり特定パターンが連続して判定された場合や過去に同一の特定パターンが判定されている場合に投入検出パターン異常と判定されるようになっているが、特定パターンが検出された時点で投入検出パターン異常と判定されるようにしても良く、これにより、不正器具が使用された可能性を即時に把握することができる。
【0127】
また、本実施例では、投入検出パターン判定処理において、上述した複数の特定パターンを全て判定するようになっており、これら特定パターンのいずれにも判定されないように不正器具を使用することは極めて困難となるので、不正器具の使用を確実に監視することができる。また、投入パターン判定処理において判定対象となる特定パターンを上述のような複数の特定パターンから選択し、選択した投入パターンを判定対象となる特定パターンとして設定するようにしても良く、この場合には、判定対象となる特定パターンが変化し、その時点で設定されている特定パターンに判定されないように不正器具を使用することは極めて困難となるので、不正器具の使用を確実に監視することができる。
【0128】
図23は、メイン制御部41が実行する残量異常判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0129】
残量異常判定処理は、ホッパーエラー、すなわちホッパータンク内のメダルが不足した際に制御されるエラー時にメダルの差枚数に基づき不正器具の使用を監視する処理であり、ホッパーエラーが発生した際に実行される処理である。
【0130】
残量異常判定処理では、まず、前回のホッパーエラーからの差枚数(払出枚数:入賞の発生により付与された枚数−投入枚数:賭数の使用に設定された枚数)を算出し(Se1)、算出した差枚数が規定補充数(1回のホッパーエラーで補給されるメダル数)未満か否かを確認する(Se2)。そして、差枚数が規定補充数未満の場合には、誤差の範囲内か否かを確認し(Se3)、誤差の範囲外であれば残量異常と判定し、残量エラー処理を実行する(Se4)。
【0131】
残量エラー処理では、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行が不能動化されるとともに、残量異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨が報知される。これにより外部から残量異常が判定された旨を把握できるので、不正器具の挿入による不正行為を効果的に防止できる。また、残量エラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、残量異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0132】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に残量異常を示すエラーコードを表示することで残量異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて、残量異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで残量異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0133】
このように本実施例では、差枚数が規定補充数未満の場合、すなわち、前回のホッパーエラー時から純粋に遊技客に対して付与されたメダル枚数が前回のホッパーエラー時に補給されたメダル数に満たないのにホッパータンク内のメダルが不足した場合に、残量異常と判定され、その旨が報知されるようになっており、この場合には、不正器具の使用によりメダルが投入されていないにも関わらずメダルの投入が検出されている可能性が高いので、不正器具が使用された可能性を把握することができる。
【0134】
図24は、メイン制御部41が実行する投入数異常判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0135】
投入数異常判定処理は、スロットマシン1に対応して設けられたメダル貸出装置100によるメダルの貸出数と前述した差枚数に基づき不正器具の使用を監視する処理であり、1ゲームの終了時に実行される処理である。
【0136】
投入数異常判定処理では、まず、差枚数(払出枚数:入賞の発生により付与された枚数−投入枚数:賭数の使用に設定された枚数)を算出し(Sf1)、算出した差枚数が0未満か否か、すなわち遊技客に対して付与されたメダル数よりも遊技客が賭数の設定に使用したメダル数の方が多いか否かを確認する(Sf2)。そして、差枚数が0未満であれば、対応するメダル貸出装置100から出力されたメダル貸出信号に基づき特定されるメダルの貸出数とSe1のステップにおいて算出した差枚数とを比較し(Sf3)、貸出数が差枚数の絶対値未満であるか否かを確認する(Sf4)。そして、貸出数が差枚数の絶対値未満であれば、誤差の範囲内か否かを確認し(Sf5)、誤差の範囲内でなければ、投入数異常と判定し、投入数エラー処理を実行する(Sf6)。
【0137】
投入数エラー処理では、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行が不能動化されるとともに、投入数異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨が報知される。これにより外部から投入数異常が判定された旨を把握できるので、不正器具の挿入による不正行為を効果的に防止できる。また、投入数エラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、投入数異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0138】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に投入数異常を示すエラーコードを表示することで投入数異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて、投入数異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで投入数異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0139】
このように本実施例では、貸出数が差枚数の絶対値未満の場合、すなわち投入されたメダル数に対して貸し出されたメダル数が不足している場合に、投入数異常と判定され、その旨が報知されるようになっており、この場合には、不正器具の使用によりメダルが投入されていないにも関わらずメダルの投入が検出されている可能性が高いので、不正器具が使用された可能性を把握することができる。
【0140】
図25は、メイン制御部41が実行する貯留数異常判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0141】
貯留数異常判定処理は、第1〜3投入センサ31a〜cによる検出数とホッパータンクに貯留されるメダルを検出する貯留センサ37の検出数とに基づき不正器具の使用を監視する処理であり、1ゲームの終了時に実行される処理である。
【0142】
貯留数異常判定処理では、まず、第1〜3投入センサ31a〜cによるメダルの検出数と貯留センサ37の検出数を比較する(Sg1)。そして、貯留センサ37の検出数が第1〜3投入センサ31a〜cによる検出数未満か否かを確認し(Sg2)、貯留センサ37の検出数が第1〜3投入センサ31a〜cによる検出数未満であれば、誤差の範囲内か否かを確認し(Sg3)、誤差の範囲内でなければ、貯留数異常と判定し、貯留数エラー処理を実行する(Sg4)。
【0143】
貯留数エラー処理では、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行が不能動化されるとともに、貯留数異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨が報知される。これにより外部から貯留数異常が判定された旨を把握できるので、不正器具の挿入による不正行為を効果的に防止できる。また、貯留数エラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、貯留数異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0144】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に貯留数異常を示すエラーコードを表示することで貯留数異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて、貯留数異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで貯留数異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0145】
このように本実施例では、貯留センサ37の検出数が第1〜3投入センサ31a〜cによる検出数未満の場合、すなわち第1〜3投入センサ31a〜cにて検出されたメダル数に対してホッパータンクに貯留されたメダル数が不足している場合に、貯留数異常と判定され、その旨が報知されるようになっており、この場合には、不正器具の使用によりメダルが投入されていないにも関わらずメダルの投入が検出されている可能性が高いので、不正器具が使用された可能性を把握することができる。
【0146】
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1では、通常、人の手によりメダルを投入してクレジットが加算される場合には、その加算パターンにばらつきが生じるが、不正器具が使用された場合には、加算パターンが規則的な加算パターンとなる。このため、規則的な加算パターンでメダルが加算されたことに基づいてその旨を報知することにより、遊技店側で不正器具が使用された可能性を把握することが可能となるので、これら不正器具の使用を容易に監視することができる。
【0147】
また、不正器具を用いた場合には不正器具側でクレジットが上限値に到達したか否かを判別できず、クレジットが上限値に到達していても第1〜3投入センサ31a〜cが検出される可能性が高く、その旨を報知することにより、遊技店側で不正器具が使用された可能性を把握することが可能となるので、これら不正器具の使用を容易に監視することができる。
【0148】
また、不正器具をメダル投入口4から挿入する際には、第1〜3投入センサ31a〜cにより不正器具の挿入が検出されないように、発光素子を発光させた状態で挿入する必要があるが、本実施例では、第1〜3投入センサ31a〜cの配置位置よりも上流側で、かつ第1〜3投入センサ31a〜cの受光部と同じ側に配置された発光検出センサ39の受光部が不正器具の発光素子の発光を受光した場合に異常と判定するようになっている。この異常は、メダル詰まりではあり得ない異常であるので、不正器具の挿入による異常として判定され、その旨を示すエラーコードが遊技補助表示器10に表示されて報知されるようになり、不正器具の挿入による不正を確実に監視できるため、発光素子を搭載した不正器具を用いた不正行為を効果的に抑止することができる。
【0149】
また、本実施例のスロットマシン1では、第1〜第3の投入センサ31a〜cの投光部及び受光部の向きが全て同一方向であるが、少なくとも上端または下端の一方に沿って配置された複数の投入センサのうち、いずれか1つの投入センサの投光部と受光部の向きが、他の投入センサの投光部と受光部の向きと逆に配置されるようにしても良い。これにより、発光素子を搭載した不正器具を用いてメダルの投入を誤検出させる場合には、不正器具の両側に発光素子を搭載しなければならず、器具の厚みが増して不正器具をメダルの投入口4から投入センサの位置まで挿入することが困難となるため、発光素子を搭載した不正器具を用いた不正行為を効果的に抑止することができる。更にこの場合には、メダル投入口4から投入センサまでの少なくとも一部の経路幅がメダルの厚みよりもわずかに幅広に形成されていることが好ましく、このようにすれば、メダルの流下を妨げず、かつメダルの厚み以上の不正器具を投光部と受光部の間に配置することがほぼ不可能となるので、発光素子を搭載した不正器具を用いた不正行為をより効果的に抑止することができる。尚、メダルの厚みよりもわずかに幅広に形成されているとは、メダルの厚みを越える幅でメダルの厚みの2倍未満の幅に形成されているものであれば良い。また、投入センサの投光部と受光部の離間幅をメダルの厚みよりもわずかに幅広に形成した場合でも同様の効果が得られる。
【実施例2】
【0150】
次に本発明の実施例2について説明する。尚、本実施例のスロットマシンの構成は、前述した実施例1のスロットマシン1とほぼ同一構成であるので、同一の符号を用いることで詳細な説明は省略する。
【0151】
本実施例のスロットマシン1’には、図26に示すように、外部出力基板60を介して、撮像手段101の制御を行うとともに、撮像手段101にて撮像された画像データを蓄積するビデオサーバ102やホールコンピュータ103等の周辺機器が接続されている。
【0152】
本実施例では、メイン制御部41が前述した投入検出異常、発光検出異常、通過検出異常、投入検出パターン異常、貯留数異常、投入数異常、残量異常が判定された場合に、対応するエラー処理を実行せずに、図27に示すように、各々の異常を示す異常信号を外部出力信号として出力するようになっている。
【0153】
そして、ビデオサーバ102が異常信号を検出した場合には、該当するスロットマシンの撮像領域が拡大して撮像されるように撮像手段101を制御し、撮像した画像データを記録する制御が行われる。
【0154】
一方、ホールコンピュータ103が異常信号を検出した場合には、異常の種別及び対応するスロットマシンの台番号をディスプレイに表示させて報知する制御や、従業員が携帯するインカム等の携帯機器に対して異常の種別及び対応するスロットマシンの台番号を通知する制御が行われる。
【0155】
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1’では、不正器具の使用が検知されたことに基づいて異常が判定された際に、エラー処理は行わず、異常の判定を示す異常信号が周辺機器に出力されるので、遊技店側で不正器具が使用された可能性を把握することが可能となるので、これら不正器具の使用を容易に監視することができるうえに、不正器具を使用している人物に気付かれることなく不正器具が使用された可能性を認識することができる。
【実施例3】
【0156】
次に本発明の実施例3について説明する。尚、本実施例のスロットマシンの構成は、前述した実施例1のスロットマシン1とほぼ同一構成であるので、同一の符号を用いることで詳細な説明は省略する。
【0157】
本実施例のスロットマシン1”には、前述した実施例2と同様に、外部出力基板60を介して、ビデオサーバ102やホールコンピュータ103等の周辺機器が接続されている。
【0158】
また、本実施例では、メイン制御部41が、図28に示すように、第1〜3投入センサ31a〜cがメダルを検出した旨を示す投入検出信号、発光検出センサ39が発光を検出した旨を示す発光検出信号、第1〜3通過センサ309a〜cがメダルの通過を検出した旨を示す通過検出信号、貯留センサ37がメダルを検出した旨を示す貯留検出信号、賭数の設定に使用されたメダル枚数を示すメダルin信号、入賞の発生により付与されたメダル枚数を示すメダルout信号、ホッパーエラーが発生した旨を示すホッパーエラー信号を外部出力信号として出力するようになっている。
【0159】
そして、これら信号に基づいてスロットマシン1”に接続された周辺機器では、異常判定を行うようになっている。
【0160】
具体的には、投入検出信号に基づいて前述した投入検出パターン判定処理と同様の処理を行い、投入検出パターン異常を判定する。また、発光検出異常信号に基づいて前述した発光検出判定処理と同様の処理を行い、発光検出異常を判定する。また、通過検出信号に基づいて前述したメダル通過判定処理と同様の処理を行い、通過検出異常を判定する。また、メダルin信号、メダルout信号及びホッパーエラー信号に基づいて前述した残量異常判定処理と同様の処理を行い、残量異常を判定する。また、投入検出信号及び貯留検出信号に基づいて前述した貯留数異常判定処理と同様の処理を行い、貯留数異常を判定する。また、メダルin信号、メダルout信号及びスロットマシン1”に対応するメダル貸出装置から出力されたメダルの貸出数を示すメダル貸出信号に基づいて前述した投入数異常判定処理と同様の処理を行い、投入数異常を判定する。
【0161】
そして、ビデオサーバ102がいずれかの異常を判定した場合には、該当するスロットマシンの撮像領域が拡大して撮像されるように撮像手段101を制御し、撮像した画像データを記録する制御を行う。
【0162】
一方、ホールコンピュータ103がいずれかの異常を判定した場合には、異常の種別及び対応するスロットマシンの台番号をディスプレイに表示させて報知する制御や、従業員が携帯するインカム等の携帯機器に対して異常の種別及び対応するスロットマシンの台番号を通知する制御を行う。
【0163】
以上説明したように、本実施例では、スロットマシン1”に接続された周辺機器では、スロットマシン1”から出力された信号に基づいて不正器具が使用された可能性を判定できるので、これら不正器具の使用を容易に監視することができるうえに、不正器具を使用している人物に気付かれることなく不正器具が使用された可能性を認識することができる。
【0164】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0165】
例えば、前記実施例では、遊技媒体検出手段として光学的にメダルを検出するセンサ、すなわち半導体開閉素子を備え、可視、不可視光線の反射または遮光のいずれかにより物体を検出する光電形近接スイッチを用いているが、少なくともメダルの通過を検出できるものであれば良く、例えば、半導体開閉素子を備え、検出領域内に磁界を発生させる誘導形近接スイッチや半導体開閉素子を備え、検出領域内に電界を発生させる静電容量形近接スイッチ、半導体開閉素子を備え、磁気検出素子と磁石(静磁界)の組合わせにより、検出体が接近したときの磁束変化を利用して検出する磁気形近接スイッチ等、その他の非接触式検出手段を適用しても良い。また、メダルの接触による可動片の動作を検知することでメダルの通過を検出する接触式検出手段を適用しても良い。
【0166】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
【0167】
本発明の請求項1は、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン1であって、遊技媒体投入口(メダル投入口4)から投入された遊技媒体(メダル)を前記賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路(投入流路301、取込側流路302)と、前記取込経路を流下する遊技媒体を検出する投入遊技媒体検出手段(第1〜3投入センサ31a〜c)と、前記賭数の設定に使用可能な遊技媒体数(クレジット)を記憶する遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)と、前記投入遊技媒体検出手段が遊技媒体を検出したことを条件に、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算する遊技媒体数加算手段(メイン制御部41)と、前記遊技媒体数加算手段による遊技媒体数の加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}を記憶する加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)と、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが規則的な加算パターン(特定パターン)か否かを判定するパターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}と、前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンであると判定されたことを条件に前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御(エラーコードの表示、遊技の不能動化等)を行う規則的パターン検出時制御手段{メイン制御部41(投入検出パターンエラー処理)}と、を備える。
【0168】
本発明の請求項2は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}は、前記加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶された加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}が、前記遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)の遊技媒体数を一定間隔(S)で加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターン(特定パターン)であると判定する。
【0169】
本発明の請求項3は、前記遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)は、所定の上限数(50)以内の遊技媒体数(クレジット)を記憶可能であり、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}は、前記加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶された加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}が前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を前記所定の上限数に到達させるまで連続して加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターン(特定パターン)であると判定する。
【0170】
本発明の請求項4は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}は、前記加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶された加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}が、前記遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)の遊技媒体数(クレジット)を一定数の遊技媒体数ずつ加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターン(特定パターン)であると判定する。
【0171】
本発明の請求項5は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}は、前記加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶された加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}が前記遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)の遊技媒体数(クレジット)を規定の速度以上で加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターン(特定パターン)であると判定する。
【0172】
本発明の請求項6は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}は、前記加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶された加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}が、前記遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)の遊技媒体数(クレジット)を規定数以上連続して加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターン(特定パターン)であると判定する。
【0173】
本発明の請求項7は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}の判定対象となる規則的な加算パターン(特定パターン)を予め定められた複数の加算パターンから選択する規則的パターン選択手段(メイン制御部41)を備え、前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶された加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}が前記規則的パターン選択手段により選択された加算パターンか否かを判定する。
【0174】
本発明の請求項8は、前記規則的パターン検出時制御手段{メイン制御部41(投入検出パターンエラー処理)}は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}により前記規則的な加算パターン(特定パターン)が連続して判定されたときに前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御(エラーコードの表示、遊技の不能動化等)を行う。
【0175】
本発明の請求項9は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}により前記規則的な加算パターン(特定パターン)が判定されたときに過去に前記規則的な加算パターンと判定された加算パターンと比較する比較手段(メイン制御部41)を備え、前記規則的パターン検出時制御手段{メイン制御部41(投入検出パターンエラー処理)}は、前記比較手段により比較した規則的な加算パターンが一致したときに前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御(エラーコードの表示、遊技の不能動化等)を行う。
【0176】
本発明の請求項10は、前記取込流路(投入流路301、取込側流路302)内の物体の通過を機械的に検出する機械的検出手段(当接片306a〜c、第1〜3通過センサ309a〜c)と、前記機械的検出手段が予め定められた期間(異常判定時間)以上前記物体の通過を検出したときに継続して前記物体の通過を検出したことに基づく制御(エラーコードの表示、遊技の不能動化等)を行う通過異常時制御手段{メイン制御部41(通過検出エラー処理)}と、を備える。
【0177】
本発明の請求項11は、前記遊技媒体は円盤状のメダルであり、前記投入遊技媒体検出手段は、前記取込経路(投入流路301、取込側流路302)を流下するメダルの上縁部または下縁部のうちの一方の縁部を検出可能な位置に配置された第1の投入遊技媒体検出手段(第1投入センサ31a)及び第2の投入遊技媒体検出手段(第3投入センサ31c)と、前記取込経路に沿って配置された前記第1の投入遊技媒体検出手段及び前記第2の投入遊技媒体検出手段の間で、かつ前記取込経路を流下するメダルの上縁部または下縁部のうち前記第1の投入遊技媒体検出手段及び前記第2の投入遊技媒体検出手段とは異なる縁部を検出可能な位置に配置された第3の投入遊技媒体検出手段(第2投入センサ31b)と、を含み、前記遊技媒体数加算手段(メイン制御部41)は、前記第1の投入遊技媒体検出手段、前記第2の投入遊技媒体検出手段及び第3の投入遊技媒体検出手段によって検出された検出順序が正常であることを条件に、前記遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶されている遊技媒体数(クレジット)を加算する。
【0178】
本発明は、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン1であって、遊技媒体投入口(メダル投入口4)から投入された遊技媒体(メダル)を前記賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路(投入流路301、取込側流路302)と、前記取込経路を流下する遊技媒体を検出する投入遊技媒体検出手段(第1〜3投入センサ31a〜c)と、前記賭数の設定に使用可能な遊技媒体数(クレジット)を所定の上限数(50)の範囲で記憶する遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)と、前記投入遊技媒体検出手段が遊技媒体を検出したことを条件に、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算する遊技媒体数加算手段(メイン制御部41)と、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数が前記所定の上限数に到達した状態において前記投入遊技媒体検出手段が検出したか否か(特定パターンか否か)を判定する検出判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}と、前記検出判定手段が前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定したときに、前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定したことに基づく制御(エラーコードの表示、遊技の不能動化等)を行う検出時制御手段{メイン制御部41(投入検出パターンエラー処理)}と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明が適用された実施例1のスロットマシンの正面図である。
【図2】実施例1のスロットマシンの構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、実施例1のスロットマシンに設けられたメダルセレクタの構造を示す断面図であり、(b)は、(a)のA−A断面図である。
【図4】(a)は、実施例1のスロットマシンに設けられたメダルセレクタの構造を示す断面図であり、(b)は、(a)のC−C断面図である。
【図5】(a)〜(f)は、実施例1のスロットマシンに設けられたメダルセレクタにおけるメダルの流下状況を示す図である。
【図6】実施例1においてメダルセレクタ内に設けられた投入センサがメダルを検出する際の正常な検出状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図7】(a)は、実施例1におけるメダル投入に伴う不正の一例を示す図であり、(b)は、その際の投入センサの検出状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図8】(a)は、実施例1におけるメダル投入に伴う不正の一例を示す図であり、(b)は、その際の投入センサの検出状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図9】実施例1においてメイン制御部が実行する投入メダル判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図10】(a)は、実施例1においてあと1枚メダルを投入することでメダルの受付が不可能となる状態で投入センサが検出された際のメダル流路の切り替わり状況を示すタイミングチャートであり、(b)は、その際のメダルの流下状況を示す図である。
【図11】(a)は、実施例1における投入センサの検出状態の遷移の一例を示すタイミングチャートであり、(b)は、その際のメダルの流下状況を示す図である。
【図12】(a)は、実施例1におけるメダルセレクタによる流路の切替に伴う投入センサの有効/無効の制御を示すタイミングチャートである。(b)は、1ゲームに要する最短時間の構成を示すタイミングチャートである。
【図13】実施例1における発光検出センサの検出状態を示すタイミングチャートである。
【図14】実施例1においてメイン制御部が実行する発光検出判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図15】(a)は、発光素子を搭載した不正器具の正面図であり、(b)は、不正器具の使用状況を示す図である。
【図16】(a)(b)は、図3(a)のB−B断面図である。
【図17】実施例1における第1〜3通過センサの検出状態を示すタイミングチャートである。
【図18】(a)(b)は、実施例1における第1〜3通過センサの検出状態を示すタイミングチャートである。
【図19】実施例1においてメイン制御部が実行するメダル通過判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図20】(a)(b)は、実施例1においてメイン制御部が実行するエラー処理の実行契機を示すタイミングチャートである。
【図21】実施例1においてメイン制御部が実行する投入検出パターン判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図22】(a)〜(c)は、投入検出パターン判定処理において判定される特定パターンの一例を示すタイミングチャートである。
【図23】実施例1においてメイン制御部が実行する残量異常判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図24】実施例1においてメイン制御部が実行する投入数異常判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図25】実施例1においてメイン制御部が実行する貯留数異常判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図26】実施例2のスロットマシンと周辺機器との接続状況を示す図である。
【図27】実施例2のスロットマシンから出力される信号を示す図である。
【図28】実施例3のスロットマシンから出力される信号を示す図である。
【符号の説明】
【0180】
1、1’、1” スロットマシン
2L、2C、2R リール
4 メダル投入部
31a〜c 投入センサ(第1〜3投入センサ31a〜c)
39 発光検出センサ
41 メイン制御部
302 取込側流路
303 排出側流路
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関し、特には外部からのメダルの投入に基づいてゲームを行うスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスロットマシンでは、外部から投入されたメダルをセンサで検出し、これら検出されたメダル数に基づいて賭数を設定したり、賭数を設定するためのクレジットとして記憶したりするが、例えば、一度投入された遊技媒体を外部から牽引して再度使用する不正行為、いわゆる逆戻し等の不正が行われることがあるため、これら投入メダルを検出するセンサをメダルの流下方向に沿って複数個配置し、これら複数のセンサによる検出順に基づいてメダルの流下方向についても検出できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、センサの配線に特殊な機器を取り付けて1枚のメダルの検出に対して複数の検出信号を出力させることで、投入されたメダル数以上にメダルの投入を判定させるようにした不正が行われることがある。このような機器では、通常時から機能するとすぐに発見されてしまうので、特殊なパターンでメダルが検知されたことを条件に機能するものもある。このような不正を防止する目的で、特殊なパターンでメダルが検知された際にその旨を外部に出力するスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−325549号公報(第1頁、第11図)
【特許文献2】特開2001−190737号公報(第13−14頁、第11図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近、LED等の発光素子を実装した不正器具をメダルの投入口から挿入して、発光素子の部分がセンサの受光部と対峙するように投光部と受光部の間に配置し、発光素子を点滅させることによりメダルが通過した際の投光部からの光の遮断を再現することで、メダルが投入されていないのにも関わらずメダルの投入を誤検出させる等の新手の不正行為が問題となっている。
【0006】
この種の不正では、前述した特許文献1に記載のスロットマシンのようにセンサを複数設けてメダルの流下方向を監視しても、通常のメダル検出時と同一の発光パターンが再現されてしまうことで、センサの検出が正規のメダルによるものか、不正器具によるものか、を判別することは不可能であるので、かかる不正行為を発見することができない。
【0007】
また、前述した特許文献2に記載のスロットマシンでは、不正機器を機能させるための特殊なパターン、すなわち通常の遊技を行う過程では起こり得ないような検出パターンでメダルの投入が検出されたときに異常が検出されるので、この場合でも通常のメダル検出時と同一の発光パターンが再現されてしまうことで、センサの検出が正規のメダルによるものか、不正器具によるものか、を判別することは不可能であるので、かかる不正行為を発見することができない。
【0008】
このため、上述のような不正器具の使用を発見することは困難であり、遊技店の従業員が逐一巡回して監視しなければならず、多くの労力を必要とした。
【0009】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、不正器具を用いてメダルの投入を誤検出させる不正行為を容易に監視することができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
遊技媒体投入口から投入された遊技媒体を前記賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路と、
前記取込経路を流下する遊技媒体を検出する投入遊技媒体検出手段と、
前記賭数の設定に使用可能な遊技媒体数を記憶する遊技媒体数記憶手段と、
前記投入遊技媒体検出手段が遊技媒体を検出したことを条件に、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算する遊技媒体数加算手段と、
前記遊技媒体数加算手段による遊技媒体数の加算パターンを記憶する加算パターン記憶手段と、
前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが規則的な加算パターンか否かを判定するパターン判定手段と、
前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンであると判定されたことを条件に前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行う規則的パターン検出時制御手段と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、通常、人の手により遊技媒体を投入して遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数が加算される場合には、その加算パターンにばらつきが生じるが、不正器具が使用された場合には、加算パターンが規則的な加算パターンとなる。このため、規則的な加算パターンで遊技媒体が加算されたことに基づいて規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行うことにより、遊技店側で不正器具が使用された可能性を把握することが可能となるので、これら不正器具の使用を容易に監視することができる。
尚、上記した所定数の賭数とは、少なくとも1以上の賭数であって、2以上の賭数が設定されることや最大賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしても良い。
また、遊技媒体とは、メダルやパチンコ球等の媒体である。
また、規則的パターン検出時制御手段が、前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行うとは、例えば、前記加算パターンが規則的な加算パターンである旨を識別可能に報知する制御や、前記加算パターンが規則的な加算パターンである旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力する制御を行うことである。特に、ホールコンピュータ等の遊技客の目に触れない周辺機器に出力することで、不正器具を使用している人物に気付かれずに不正器具が使用された可能性を遊技店側で把握することができる。また、規則的パターン検出時制御手段は、遊技の進行を不能動化する制御を行うようにしても良く、これにより不正行為がなされたまま遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載のスロットマシンは、請求項1に記載のスロットマシンであって、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を一定間隔で加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定することを特徴とする。
この特徴によれば、人の手によりメダルを投入した場合には、遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数が加算される間隔にばらつきが生じるので、不正器具が使用された可能性が高い状況を把握することができる。
【0012】
本発明の請求項3に記載のスロットマシンは、請求項1または2に記載のスロットマシンであって、
前記遊技媒体数記憶手段は、所定の上限数以内の遊技媒体数を記憶可能であり、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を前記所定の上限数に到達させるまで連続して加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定することを特徴としている。
この特徴によれば、一般的な遊技客は遊技媒体数記憶手段に記憶された遊技媒体数が上限数に到達するまで遊技媒体を投入する前にゲームを開始することが多いうえに、人の手により一度に多数の遊技媒体を連続して投入することは困難なので、不正器具が使用された可能性が高い状況を把握することができる。
【0013】
本発明の請求項4に記載のスロットマシンは、請求項1〜3のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を一定数の遊技媒体数ずつ加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定することを特徴とする。
この特徴によれば、人の手により一度に投入する遊技媒体数にはばらつきが生じる可能性が高いので、不正器具が使用された可能性が高い状況を把握することができる。
【0014】
本発明の請求項5に記載のスロットマシンは、請求項1〜4のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を規定の速度以上で加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定することを特徴とする。
この特徴によれば、人の手による遊技媒体の投入で遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算させる速度には限界があるので、不正器具が使用された可能性が非常に高い状況を把握することができる。
尚、規定の速度とは、人の手による遊技媒体の投入で遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算させる速度の限界速度として規定した速度である。
【0015】
本発明の請求項6に記載のスロットマシンは、請求項1〜5のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を規定数以上連続して加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定することを特徴とする。
この特徴によれば、人の手により一度に多数の遊技媒体を連続して投入することは困難なので、不正器具が使用された可能性が高い状況を把握することができる。
【0016】
本発明の請求項7に記載のスロットマシンは、請求項1〜6のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記パターン判定手段の判定対象となる規則的な加算パターンを予め定められた複数の加算パターンから選択する規則的パターン選択手段を備え、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが前記規則的パターン選択手段により選択された加算パターンか否かを判定することを特徴とする。
この特徴によれば、パターン判定手段の判定対象となる規則的な加算パターンが変化するので、パターン判定手段にて加算パターンが規則的な加算パターンであると判定されないように不正器具を使用することが困難となる。
【0017】
本発明の請求項8に記載のスロットマシンは、請求項1〜7のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記規則的パターン検出時制御手段は、前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンが連続して判定されたときに前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行うことを特徴とする。
この特徴によれば、人の手による遊技媒体の投入で規則的な加算パターンとなった場合でも、連続して規則的な加算パターンとなる可能性は低いので、不正器具が使用された可能性を正確に把握することができる。
【0018】
本発明の請求項9に記載のスロットマシンは、請求項1〜8のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンが判定されたときに過去に前記規則的な加算パターンと判定された加算パターンと比較する比較手段を備え、
前記規則的パターン検出時制御手段は、前記比較手段により比較した規則的な加算パターンが一致したときに前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行うことを特徴とする。
この特徴によれば、人の手による遊技媒体の投入が規則的な加算パターンとなった場合でも、何度も規則的な加算パターンとなる可能性は低いので、不正器具が使用された可能性を正確に把握することができる。
【0019】
本発明の請求項10に記載のスロットマシンは、請求項1〜9のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記取込流路内の物体の通過を機械的に検出する機械的検出手段と、
前記機械的検出手段が予め定められた期間以上前記物体の通過を検出したときに継続して前記物体の通過を検出したことに基づく制御を行う通過異常時制御手段と、
を備えることを特徴とする。
この特徴によれば、不正器具が使用された場合には、機械的検出手段により継続して物体の通過が検出され、継続して物体の通過が検出されたことに基づく制御がなされるので、遊技店側で不正器具が使用された可能性を把握することができる。
尚、通過異常時制御手段が、継続して前記物体の通過を検出したことに基づく制御を行うとは、例えば、前記機械的検出手段が予め定められた期間以上前記物体の通過を検出した旨を識別可能に報知する制御や、前記機械的検出手段が予め定められた期間以上前記物体の通過を検出した旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力する制御を行うことである。特に、ホールコンピュータ等の遊技客の目に触れない周辺機器に出力することで、不正器具を使用している人物に気付かれずに不正器具が使用された可能性を遊技店側で把握することができる。また、通過異常時制御手段は、遊技の進行を不能動化する制御を行うようにしても良く、これにより不正行為がなされたまま遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0020】
本発明の請求項11に記載のスロットマシンは、請求項1〜10のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記遊技媒体は円盤状のメダルであり、
前記投入遊技媒体検出手段は、前記取込経路を流下するメダルの上縁部または下縁部のうちの一方の縁部を検出可能な位置に配置された第1の投入遊技媒体検出手段及び第2の投入遊技媒体検出手段と、前記取込経路に沿って配置された前記第1の投入遊技媒体検出手段及び前記第2の投入遊技媒体検出手段の間で、かつ前記取込経路を流下するメダルの上縁部または下縁部のうち前記第1の投入遊技媒体検出手段及び前記第2の投入遊技媒体検出手段とは異なる縁部を検出可能な位置に配置された第3の投入遊技媒体検出手段と、を含み、
前記遊技媒体数加算手段は、前記第1の投入遊技媒体検出手段、前記第2の投入遊技媒体検出手段及び第3の投入遊技媒体検出手段によって検出された検出順序が正常であることを条件に、前記遊技媒体数記憶手段に記憶されている遊技媒体数を加算することを特徴とする。
この特徴によれば、半円盤形状のディスクを回転させることで投入遊技媒体検出手段に誤検出を行わせる不正行為がなされた場合でも、第1、第2、第3の投入遊技媒体検出手段による検出順序が正常なメダルの流下による検出順序と異なるようになり、その旨を検知できる。
【0021】
本発明のスロットマシンは、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
遊技媒体投入口から投入された遊技媒体を前記賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路と、
前記取込経路を流下する遊技媒体を検出する投入遊技媒体検出手段と、
前記賭数の設定に使用可能な遊技媒体数を所定の上限数の範囲で記憶する遊技媒体数記憶手段と、
前記投入遊技媒体検出手段が遊技媒体を検出したことを条件に、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算する遊技媒体数加算手段と、
前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数が前記所定の上限数に到達した状態において前記投入遊技媒体検出手段が検出したか否かを判定する検出判定手段と、
前記検出判定手段が前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定したときに、前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定したことに基づく制御を行う検出時制御手段と、
を備えることを特徴とする。
この特徴によれば、不正器具を用いた場合には遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数が上限数に到達していても投入遊技媒体検出手段が検出される可能性が高く、投入遊技媒体検出手段の検出を判定したことに基づく制御を行うことにより、遊技店側で不正器具が使用された可能性を把握することが可能となるので、これら不正器具の使用を容易に監視することができる。
尚、上記した所定数の賭数とは、少なくとも1以上の賭数であって、2以上の賭数が設定されることや最大賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしても良い。
また、遊技媒体とは、メダルやパチンコ球等の媒体である。
また、検出時制御手段が、前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定したことに基づく制御を行うとは、例えば、前記検出判定手段が前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定した旨を識別可能に報知する制御や、前記検出判定手段が前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定した旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力する制御を行うことである。特に、ホールコンピュータ等の遊技客の目に触れない周辺機器に出力することで、不正器具を使用している人物に気付かれずに不正器具が使用された可能性を遊技店側で把握することができる。また、検出時制御手段は、遊技の進行を不能動化する制御を行うようにしても良く、これにより不正行為がなされたまま遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例1を図面を用いて説明すると、図1に示すように、本実施例のスロットマシン1には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄がスロットマシン1の前面に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0024】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ34L、34C、34R(図2参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0025】
また、本実施例のスロットマシン1には、ボーナス中の進行状況やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器10、入賞の発生により付与されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器11、クレジット(遊技客所有の価値として内部に貯留されるメダル)として記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器12、メダルが投入可能なメダル投入口4、クレジットを用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが設けられている。
【0026】
また、本実施例のスロットマシン1の内部には、メダル投入口4から投入されたメダルをホッパータンク(図示略)に導く取込側流路302(図3(a)参照)またはメダル払出穴9(図1参照)に導く排出側流路303(図3(a)参照)のいずれかに振り分けるメダルセレクタ300(図3参照)が設けられている。直径や厚みの異なる不正メダルは、このメダルセレクタ300により振り分けられてメダル払出穴9から返却される。
【0027】
また、メダルセレクタ300には、流下するメダルの流路を取込側流路302または排出側流路303のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド36(図2参照)が設けられている。通常時において流路切替ソレノイド36は励磁されており、この状態において流下するメダルは取込側流路302を流下して後述する第1〜3投入センサ31a〜c(図2、図3(a)参照)により検出された後、ホッパータンクに貯留されるようになっている。また、メダル投入が不可能な場合には、流路切替ソレノイド36の励磁が解除されて流路が排出側流路303に切替わってメダル払出穴9から返却される。
【0028】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6、または1枚BETスイッチ5を操作すれば良い。所定数の賭数が設定されると、設定された賭数に応じて入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、所定数の賭数とは、少なくとも1以上の賭数であれば良い。
【0029】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、表示結果が導出表示される。
【0030】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、賭数に応じて有効化されたいずれかの入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技客に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出穴9(図1参照)から払い出されるようになっている。
【0031】
図2は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図2に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90が設けられており、遊技制御基板40によって主に遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御される。
【0032】
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rが接続されているとともに、メダル払出穴9から払い出されるメダルを検出する払出センサ33、リール2L、2C、2Rの基準位置を検出するリールセンサ35、ホッパータンク内に貯留されるメダルを検出する貯留センサ37、後述する第1〜3投入センサ31a〜c、第1〜第3通過センサ309a〜c、発光検出センサ39が接続されており、これら接続されたスイッチ、センサの検出信号が入力されるようになっている。
【0033】
また、遊技制御基板40には、前述したリールモータ34L、34C、34Rが接続されているとともに、前述のホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出穴9より払い出すためのホッパーモータ32、前述した流路切替ソレノイド36、遊技補助表示器10、ペイアウト表示器11、クレジット表示器12が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0034】
また、遊技制御基板40には、外部出力基板60が接続されており、遊技制御基板40から外部出力基板60を介して接続された周辺機器に対して所定の外部出力信号が出力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、接続端子基板61が接続されており、スロットマシン1に対応して設置されるメダル貸出装置100からメダルの貸出数を示すメダル貸出信号が接続端子基板61を介して遊技制御基板40に入力されるようになっている。
【0035】
遊技制御基板40には、所定の手順で演算を行うCPU、CPUの制御プログラムや各種データテーブル等を格納するROM、必要なデータの書き込み及び読み出しを行うRAMを備えるメイン制御部41、遊技制御基板40に接続されたスイッチ、センサ等の検出信号が入力されるスイッチ回路42、リールモータ34L、34C、34Rの駆動制御を行うモータ回路43、各種表示器やLEDの駆動制御を行う表示駆動回路44等、が搭載されており、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続されたスイッチ、センサの検出信号を受けて、ゲームの進行に応じた各種の制御を行う。
【0036】
また、メイン制御部41は、第1〜3投入センサによりメダルの投入が検出されたことに応じて賭数を設定する処理を行う。また、最大賭数(本実施例では3)が設定されている状態で更にメダルの投入が検出された場合には、クレジットに加算する処理を行う。そして、クレジットが上限に到達した場合には、それ以上のメダルの投入を不可に設定する。
【0037】
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面に配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールランプ55が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0038】
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様のCPU、ROM、RAMを備えるサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の駆動制御を行う液晶駆動回路92、演出効果LED52の駆動制御を行うランプ駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94等、が搭載されており、サブ制御部91は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行う。
【0039】
図3(a)及び図4(a)は、本実施例のスロットマシン1に設けられたメダルセレクタ300の構造を示す断面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面図、図4(b)は図4(a)のC−C断面図である。
【0040】
図3(a)に示すように、メダルセレクタ300には、メダル投入口4から投入されたメダルが流下する投入流路301及び投入流路301を流下したメダルをホッパータンクへ案内する取込側流路302が形成されている。また、図3(a)(b)に示すように、投入流路301の下方には、流路切替ソレノイド36の励磁により軸304aを支点として揺動する流路切替板304及び投入流路301から落下したメダルをメダル払出穴9に案内する排出側流路303が設けられている。
【0041】
流路切替板304は、流路切替ソレノイド36が励磁されていない状態において、図3(a)(b)に示すように、その上端部304bがメダルセレクタ本体に設けられた凹部305内に収容された状態とされ、投入流路301と排出側流路303と、が連通した状態となるため、投入流路301を流下するメダルは排出側流路303に落下してメダル払出穴9より排出される。また、流路切替板304は、流路切替ソレノイド36が励磁された状態において、図4(a)(b)に示すように、流路切替板304の上部が軸304aを支点として図中左方向(矢印方向)に揺動することで、流路切替板304の上端部304bが凹部305より突出した状態となるため、投入流路301を流下するメダルは流路切替板304の上端部304bに沿って取込側流路302内に流下し、ホッパータンクに案内される。
【0042】
また、取込側流路302には、図4(a)に示すように、取込側流路302を挟んで対向する位置に配置された投光部及び受光部からなり、投光部から受光部への光の遮断を検知することで取込側流路302を流下するメダルを検出する第1〜3投入センサ31a〜cが設けられている。これらのうち第1投入センサ31a、第3投入センサ31cは、取込側流路302の上部に沿った位置、すなわち取込側流路302を流下する円盤状のメダルの上端部の通過を、各々上流側と下流側にて検出可能な位置に配置され、第2投入センサ31bは、取込側流路302の下部位置、すなわち取込側流路302を流下する円盤状のメダルの下端部の通過を検出可能な位置に配置されている。更に、第2投入センサ31bは、第1投入センサ31a及び第3投入センサ31cの間、すなわち取込側流路302を正常に流下するメダルが第1投入センサ31a、第2投入センサ31b、第3投入センサ31cの順番で検出される位置に配置されている。
【0043】
図5(a)〜(f)は、取込側流路302を正常に流下するメダル、すなわち正常な方向(図中右方向)に流下するメダルの流下状況を示す図である。
【0044】
取込側流路302を正常に流下するメダルは、図5(a)〜(f)に示すように、図中右側に向かって流下するため、第1投入センサ31a、第2投入センサ31b、第3投入センサ31cの順番でその通過が検出される。詳しくは、まず、取込側流路302の上流側上端の第1投入センサ31aによりメダルの上端が検出され、次いで、取込側流路302の下端の第2投入センサ31bによりメダルの下端が検出され、次いで、取込側流路302の下流側上端の第3投入センサ31cによりメダルの上端が検出される。
【0045】
取込側流路302を正常に流下するメダルの第1〜3投入センサ31a〜cによる検出状態の遷移、すなわち第1〜3投入センサ31a〜cによる検出状態の変化の履歴は、常に図6に示すタイミングチャートのようになる。
【0046】
具体的には、第1投入センサ31aのみ検出される状態a−b(第1投入センサ31a:on、第2投入センサ31b:off、第3投入センサ31c:off)、第1投入センサ31a、第2投入センサ31bの双方が検出される状態b−c(第1投入センサ31a:on、第2投入センサ31b:on、第3投入センサ31c:off)、第1〜3投入センサ31a〜cの全てが検出される状態c−d(第1投入センサ31a:on、第2投入センサ31b:on、第3投入センサ31c:on)、第2投入センサ31b、第3投入センサ31cの双方が検出される状態d−e(第1投入センサ31a:off、第2投入センサ31b:on、第3投入センサ31c:on)、第3投入センサ31cのみ検出される状態e−f(第1投入センサ31a:off、第2投入センサ31b:off、第3投入センサ31c:on)、の順番で第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態が変化する。
【0047】
このように本実施例では、取込側流路302を正常に流下するメダルの第1〜3投入センサ31a〜cによる検出状態の遷移が常に同一パターンの状態遷移となるため、第1〜3投入センサ31a〜cによる検出状態の遷移が異なった状態遷移となった時点で状態遷移の異常が判定され、メダル投入に関連した不正を検出できる。
【0048】
例えば、本実施例のメダルセレクタ300では、第1投入センサ31a、第3投入センサ31cが、取込側流路302を流下するメダルの上端部の通過を、各々上流側と下流側にて検出可能な位置に配置されているため、図7(a)に示すように、流下方向が異なる場合、すなわち一度投入されたメダルを外部から牽引して再度使用する不正行為、いわゆる逆戻しが行われた場合には、図7(b)に示すように、第3投入センサ31c、第2投入センサ31b、第1投入センサ31aの順番で検出される。すなわち第1投入センサ31aよりも下流側に設けられた第3投入センサ31cの方が先に検出されるので、第1投入センサ31aよりも第3投入センサ31cが先に検出されると遷移状態が正常なものと異なるので、その時点で投入検出異常と判定され、不正が行われた旨を検知できる。
【0049】
また、本実施例のメダルセレクタ300では、メダルの下端の通過を検出する第2投入センサ31bが、メダルの上端の通過を検出する第1投入センサ31a、第3投入センサ31cの間に配置されている。すなわち取込側流路302を正常に流下するメダルが第1投入センサ31a、第2投入センサ31b、第3投入センサ31cの順番で検出される位置に配置されており、図8(a)に示すように、半円盤形状の媒体を回転させることで誤った検出を行わせる不正行為、いわゆる半分メダル回しが行われた場合には、図8(b)に示すように、第1投入センサ31a、第3投入センサ31c、第2投入センサ31bの順番で検出される。すなわちこのような不正が行われた場合には、第1〜3投入センサ31a〜cによる検出順が正常に流下するメダルの検出順とは異なる順番となるので、第1〜3投入センサ31a〜cによる検出順が正常に流下するメダルの検出順と異なった時点で投入検出異常と判定され、不正が行われた旨を検知できる。すなわち物理的に不正行為が行われた場合でもその旨を検知できる。
【0050】
次に、メイン制御部41が実行する投入メダル判定処理の制御内容を、図9のフローチャートに基づいて以下に説明する。
【0051】
投入メダル判定処理は、第1〜3投入センサ31a〜cの検出状況に基づき、メダルの投入を監視する処理であり、所定間隔(本実施例では、0.56ms)毎に実行されるタイマ割込処理の中で実行される処理である。
【0052】
まず、投入メダル判定処理では、メダルの受付が不可能な状態となったとき、すなわち流路切替ソレノイド36の励磁が解除され、メダルの流路が取込側流路302から排出側流路303に切り替わったときから検出無効時間(500ms)が経過したか否かを確認し(Sa1)、検出無効時間(500ms)が経過していなければ、メダルの受付が不可能な状態となったときからの時間を計測するための受付不可時間カウンタの値を1加算した後(Sa2)、スタートスイッチ7の検出を無効化させるためのスタート禁止フラグがセットされているか否かを確認し(Sa3)、スタート禁止フラグがセットされていれば、Sa5のステップに移行する。また、Sa3のステップにおいてスタート禁止フラグがセットされていなければ処理を終了する。すなわち、メダルの受付が不可能な状態となってから検出無効時間が経過するまでは、第1〜3投入センサ31a〜cによりメダルが検出されている場合でも、その検出は無視される。尚、本実施例では、後述するように第1投入センサ31aがメダルを検出した後、第1〜3投入センサ31a〜cの全てがoffとなるまでの間スタート禁止フラグがセットされるので、スタート禁止フラグがセットされている間、すなわち第1〜3投入センサ31a〜cによりメダルが検出されている間に受付不可状態となったときには、当該メダルは無視されることなく検出されるようになっている。
【0053】
また、Sa1のステップにおいてメダルの受付が不可能な状態となってから検出無効時間(500ms)が経過している場合には、メダルの受付が不可能な状態となったときからの時間を計時するための受付不可時間カウンタの値をクリアした後(Sa4)、第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態を取得し(Sa5)、該取得した第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態及びその遷移に基づいて第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態からいずれかがonの状態に変化したか否かを確認する(Sa6)。
【0054】
そして第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態からいずれかがonの状態に変化した場合には、スタートスイッチ7の検出を無効化させるためのスタート禁止フラグをセットし(Sa7)、Sa5のステップにおいて取得した検出状態に基づいて第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移を更新する(Sa8)。また、Sa6のステップにおいて第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態からいずれかがonの状態に変化していなければ、Sa8のステップに移行し、Sa4のステップおいて取得した検出状態に基づいて第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移を更新する。
【0055】
次いで、メダルがあと1枚だけ投入可能な状態となったとき(例えば、最大賭数が設定され、かつ1枚のメダルが投入されることでクレジットの上限に到達する場合や、クレジットが上限に既に到達しており、かつ1枚のメダルが投入されることで最大賭数となる場合、メダル投入によるクレジットの加算が制限されている状態で1枚のメダルが投入されることで最大賭数となる場合、等)にセットされる最終メダルフラグがセットされているか否かを確認する(Sa9)。そして最終メダルフラグがセットされている場合には、Sa5のステップにおいて更新した第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態に基づいて第1投入センサ31aがonの状態か否か、すなわち第1投入センサ31aによりメダルが検出されているか否かを確認し(Sa10)、第1投入センサ31aがonの状態であれば更に連続検出時間、すなわちメダルの検出を開始してからの時間が2ms以上であるか否かを確認し(Sa11)、連続検出時間が2ms以上の場合には、受付不可フラグをセットする(Sa12)。
【0056】
受付不可フラグは、流路切替ソレノイドの励磁を解除させる旨を示すフラグであり、当該フラグがセットされることによりその後の処理で流路切替ソレノイドの励磁が解除され、メダルの流路が取込側流路302から排出側流路303に切り替わるようになっている。尚、Sa10のステップにおいて第1投入センサ31aがonの状態の場合に、更に連続検出時間が2ms以上であるかを確認することは、ノイズ等による誤検出を防止できることから好ましいが、Sa10のステップにおいて第1投入センサ31aのonの状態が検出されていれば、その検出時間に関わらず受付不可フラグをセットするようにしても良い。
【0057】
Sa9〜12のステップの後、Sa5のステップにおいて更新した第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常か否かを確認する(Sa13)。具体的には、Sa5のステップにおいて更新した第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移に適合するものであれば正常と判定する。一方、図7(b)に示すように、第1投入センサ31aがonに変化する前に第2投入センサ31bや第3投入センサ31cがonに変化した場合や、図8(b)に示すように、第1投入センサ31aがonに変化したものの第2投入センサ31bがonに変化する前に第3投入センサ31cがonに変化した場合、すなわち正常な状態遷移とは異なる順番で第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態が変化した場合には、異常と判定する。
【0058】
そしてSa13のステップにおいて第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常の場合には、メダルの投入が完了したか否か、すなわち第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常に完了したか否かを確認する(Sa14)。
【0059】
Sa14のステップにおいてメダルの投入が完了していれば、連続検出時間(ここでは図6に示すa〜fに要した時間)が、これら検出に要する最小限の時間である最小検出時間(10ms)以上であるか否かを確認し(Sa15)、連続検出時間が最小検出時間(10ms)以上の場合には、受付不可フラグがセットされているか否かに基づいてメダルの受付が可能な状態、すなわち流路切替ソレノイド36が励磁され、メダルの流路が取込側流路302とされ、賭数またはクレジットの加算が可能な状態であるか否かを確認する(Sa16)。
【0060】
Sa16のステップにおいてメダルの受付が可能な状態である場合には、メダルが正常に投入された旨を示すメダル投入フラグを設定し(Sa17)、RAMに記憶されているメダルの投入検出パターンを更新する(Sa18)。尚、ここでいう投入検出パターンとは、後に詳述するが、当該ゲーム中における第1〜3投入センサ31a〜cの検出履歴である。そして、連続検出時間を計測するための連続検出時間カウンタの値及び第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移をクリアした後(Sa19、Sa20)、スタート禁止フラグをクリアして処理を終了する(Sa21)。また、Sa17のステップにおいてメダル投入フラグが設定されることにより、後の処理において賭数が設定可能であれば、賭数が1加算される。また、賭数が最大賭数に到達している状態であればクレジットに1が加算されることとなる。
【0061】
また、Sa16のステップにおいてメダルの受付が可能な状態でない場合には、メダル投入フラグを設定せずにメダルの投入検出パターンを更新し(Sa18)、連続検出時間カウンタの値及び第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移をクリアした後(Sa19、Sa20)、スタート禁止フラグをクリアして処理を終了する(Sa21)。すなわち第1〜3投入センサ31a〜cによるメダルの検出は無視される。
【0062】
また、Sa14のステップにおいてメダルの投入が完了していなければ、第1〜3投入センサ31a〜cの全てがoffの状態であるか、すなわちいずれの第1〜3投入センサ31a〜cにおいてもメダルを検出していない状態であるか否かを確認し(Sa22)、いずれかの第1〜3投入センサ31a〜cがonの状態であれば、連続検出時間以内であるか否か、すなわち第1投入センサ31aにてメダルを最初に検出した時点からの経過時間がこれら検出に要する最大限の時間として定められた最大検出時間(本実施例では100ms)以内であるかを確認し(Sa23)、連続検出時間が最大検出時間以内であれば、連続検出時間カウンタに1を加算し(Sa24)、処理を終了する。
【0063】
また、Sa22のステップにおいていずれの第1〜3投入センサ31a〜cにおいてもメダルを検出していない状態であれば、最終メダルフラグがセットされているか否かを確認し(Sa25)、最終メダルフラグセットされていれば更に受付不可フラグがセットされているか否かを確認し(Sa26)、受付不可フラグがセットされていれば、当該受付不可フラグをクリアした後(Sa27)、連続検出時間カウンタの値及び第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移をクリアし(Sa19、Sa20)、スタート禁止フラグをクリアして処理を終了する(Sa21)。すなわちメダルがあと1枚だけ投入可能な状態で第1投入センサ31aが検出されて受付不可フラグがセットされ、メダルの流下経路が取込側流路302から排出側流路303に切り替わっても、当該メダルの投入が完了せずに第1〜3投入センサ31a〜cが検出していない状態となった場合には、受付不可フラグはクリアされてメダルの流下経路が再度排出側流路303から取込側流路302に切り替わるようになっている。尚、Sa25のステップにおいて最終メダルフラグがセットされていない場合やSa26のステップにおいて受付不可フラグがセットされていない場合には、連続検出時間カウンタの値及び第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移をクリアした後(Sa19、Sa20)、スタート禁止フラグをクリアして処理を終了する(Sa21)。
【0064】
また、Sa13のステップにおいて第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移とは異なる場合には、第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態から第1投入センサ31aのみonの状態に変化したか否かを確認し(Sa28)、第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態から第1投入センサ31aのみonの状態に変化した場合であれば、連続検出時間カウンタの値及び第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移をクリアした後(Sa19、Sa20)、スタート禁止フラグをクリアして処理を終了する(Sa21)。すなわち第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移とは異なる場合でも、第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態から第1投入センサ31aのみonの状態に変化した場合であれば、その検出は無視される。
【0065】
また、Sa15のステップにおいて連続検出時間が最小検出時間である10msに満たない場合、または、Sa22のステップにおいて連続検出時間が最大検出時間である100msを越えた場合、または、Sa27のステップにおいて全てoffの状態から第1投入センサ31aのみonの状態に変化していないと判定された場合には、投入検出異常と判定して、その旨を示す投入エラーフラグを設定し(Sa29)、処理を終了する。この投入エラーフラグが設定されることにより、後の処理において後述する投入エラー処理が実行され、ゲームの進行が不能動化されることとなる。
【0066】
また、上述のように第1〜3投入センサ31a〜cがoffの状態からいずれかのセンサがonに変化した時点から全てのセンサがoffの状態となるまでスタート禁止フラグがセットされ、スタートスイッチ7の検出が無効化されるようになっている。このため、第1〜3投入センサ31a〜cによるメダルの検出中において、スタートスイッチ7が有効に検出されてゲームが開始してしまうことがないので、当該メダルが正常に検出もされず返却もされずに内部に取り込まれてしまうこと(いわゆる飲み込み)を防止できる。
【0067】
本実施例のスロットマシン1では、メイン制御部41が以上のような制御に従うことによって、以下に説明する状況で投入検出異常が判定される。
【0068】
まず、第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移と異なる場合、すなわち図7(b)に示すように、第1投入センサ31aがonに変化する前に第2投入センサ31bや第3投入センサ31cがonに変化した場合や、図8(b)に示すように、第1投入センサ31aからonに変化したものの第2投入センサ31bがonに変化する前に第3投入センサ31cがonに変化した場合、すなわち正常な状態遷移とは異なる順番で第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態が変化した場合に投入検出異常が判定される。これにより前述した逆戻しや半分メダル回し等の不正行為が行われたことを確実に検知できる。
【0069】
尚、本実施例では、図10(a)(b)に示すように、あと1枚メダルを投入するとメダルの受付が不可能な状態となる場合に、第1投入センサ31aがメダルを検出したときに、他のセンサが当該メダルを検出する前に、メダルの流路が取込側流路302から排出側流路303に切り替わるようになっている。これにより、メダルがあと1枚だけ投入可能な状態では、最後の1枚のメダルが投入されてから極力早い段階でメダルの流下経路が取込側流路302から排出側流路303に切り替わるので、更にメダルが流下してきた場合でも当該メダルが内部に取り込まれてしまうことを防止できる。
【0070】
しかしながら、この場合には、図11(a)(b)に示すように、第1投入センサ31aには検出されたものの排出側流路303に落下してしまう場合があり、この場合には、第1投入センサ31aがoffに変化した際に第2投入センサ31bがonに変化していないので、その時点で第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移とは異なると判定され、エラー判定されてしまうこととなる。このため、本実施例では、第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移と異なる場合でも、図11(a)(b)に示すように、第1〜3投入センサ31a〜cが全てoffの状態から第1投入センサ31aのみonの状態に変化した場合には、投入検出異常として判定されないようになっているので、必要のない投入検出異常の判定を防止できる。
【0071】
また、第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移であっても、その検出に要した連続検出時間が、最大検出時間である100msを越えた場合には、投入検出異常が判定される。これにより、取込側流路302内にメダルが詰まっている旨を検知できる。
【0072】
また、第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常な状態遷移で投入の完了が検出された場合でも、その検出に要した連続検出時間が、最小検出時間である10msに満たない場合には、投入検出異常が判定される。これにより、例えば電波を用いて第1〜3投入センサ31a〜cに不正な検出をさせる不正行為が行われた場合でもその旨を検知できる。
【0073】
また、図12(a)に示すように、メダルの受付が不可能な状態となって、流路切替ソレノイド36の励磁が解除され、投入されたメダルの流下経路が取込側流路302から排出側流路303に切り替わったときから、検出無効時間として定められた500msが経過するまでの期間、第1〜3投入センサ31a〜cの検出が無視される。すなわち第1〜3投入センサ31a〜cの検出が無効化される。
【0074】
本実施例のスロットマシン1では、前述した逆戻し等の不正がいつ行われるとも限らないので常時第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態を監視しているが、メダルの投入の受付が不可能な状態となって取込側流路302から排出側流路303に切り替わった際に、投入されたメダルが流下する勢いや後方から流下するメダルの勢いで取込側流路302側に流下してしまう場合がある。この場合には正常にメダルが流下する時間に比較して長い時間を要することが多く、連続検出時間が最大検出時間である100msを越えて投入検出異常と判定されてしまうが、メダルの受付が不可能な状態となってから検出無効時間として定められた500msが経過するまでの期間、第1〜3投入センサ31a〜cの検出が無効化されるので、メダルの投入の受付が不可能な状態となって取込側流路302から排出側流路303に切り替わった際に、投入されたメダルが流下する勢いや後方から流下するメダルの勢いで取込側流路302側に流下してしまった場合でも投入検出異常と判定されてしまうことを防止できる。
【0075】
また、このような場合には、前述したように正常にメダルが流下する時間に比較して長い時間を要することが多いが、本実施例では、検出無効時間がメダル詰まりを判定するための最大検出時間よりも長く設定されており、取込側流路302を流下するメダルの検出が無効化される時間が担保されるため、投入検出異常の発生を確実に防止できる。
【0076】
また、投入検出異常の発生を防止するためには検出無効時間を極力長い時間とることが好ましいが、検出無効時間をあまり長くとりすぎると、1ゲームに要した時間が短い場合に、次のゲームにて投入されたメダルの検出が無効化されてしまう可能性があることから、検出無効時間を、1ゲームに要する最短時間より短くする必要がある。
【0077】
本実施例の場合には、図12(b)に示すように、ゲームの開始から各リールの停止操作が有効となるまでの時間が最短で100ms、いずれかのリールの停止操作がされ、該当するリールが停止した後、再び残りのリールの停止操作が有効となるまでに要する時間が最短で200ms(図柄の引込を伴わない場合)とされており、これらの時間を考慮すると、1ゲームに要する理論上の最短時間は500msとなる。また、ゲームの開始から各リールの停止操作が有効となるまでの時間は通常100ms以上かかるうえに、リールが停止した後、再び残りのリールの停止操作が有効となるまでに要する時間も引込制御が行われることにより200ms以上かかることが多いため、1ゲームに要する実際の最短時間は500msを越える時間となる。
【0078】
このため本実施例では、500ms、すなわち1ゲームに要する最短時間の範囲で極力長い時間が検出無効時間として設定されており、取込側流路302を流下するメダルの検出が無効化される時間が十分に担保され、投入検出異常の発生を確実に防止できるうえに、次のゲームにて投入されたメダルの検出が無効化されてしまうといった不都合も回避できる。
【0079】
また、本実施例では、メダルの投入の受付が不可能な状態となってから検出無効時間が経過するまでの間、第1〜3投入センサ31a〜cの検出を無視することで、第1〜3投入センサ31a〜cの検出が無効化されるようになっており、第1〜3投入センサ31a〜cの検出を行うための回路構成を変更することなく、制御を変更するのみで検出を無効化することができる。
【0080】
また、メイン制御部41は、投入メダル判定処理において投入検出異常と判定した場合、すなわち投入エラーフラグを設定した場合に、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行を不能動化し、投入検出異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨を報知する投入エラー処理を実行する。これにより外部から投入検出異常が判定された旨を把握できるので、前述した逆戻しや半分メダル回し等の不正行為を効果的に防止できる。また、投入エラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、投入検出異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0081】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に投入検出異常を示すエラーコードを表示することで投入検出異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて、投入検出異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで投入検出異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0082】
ここでLED等の発光素子を搭載した不正器具について説明すると、この不正器具は、図15(a)に示すように、細長い遮光板の先端部分の片面に投入センサの投光部と同質の光を発光させる発光素子を実装したものであり、図15(b)に示すように、メダル投入口4から先端部分を挿入し、投入センサの投光部からの光を遮断するとともに発光素子が投入センサの受光部に対峙する位置となるように配置し、発光素子の発光/非発光によってメダルが通過した際の投入センサの検出状態を再現することで投入センサを誤検出させて賭数を設定したり、クレジットを加算させたりするものである。
【0083】
本実施例では、前述のように第1〜3投入センサ31a〜cの検出状態の遷移が正常でなければ投入検出異常と判定されてしまうので、この種の不正器具を第1〜3投入センサ31a〜cの位置に配置する際には、発光素子を発光させた状態、すなわち第1〜3投入センサ31a〜cが不正器具を検出しない状態で挿入しなければならない。
【0084】
これに対して本実施例では、図3(a)に示すように、取込側流路302における第1投入センサ31aの上流側に、第1〜3投入センサ31a〜cの受光部と同じ側に配置され、これら第1〜3投入センサ31a〜cの投光部と同質の光、すなわち第1〜3投入センサ31a〜cの受光部で受光を検出させることができる性質の光を検出する受光部を備えた発光検出センサ39が設けられている。
【0085】
発光検出センサ39は、取込側流路302を流下したり、取込側流路302内に詰まったメダルを検出することはないが、前述のように発光素子を搭載した不正器具を第1〜3投入センサ31a〜cに検出させないように発光素子を発光させた状態で挿入すると、図13に示すように、発光検出センサ39が発光素子の発光、すなわち普通に遊技を行っていれば検出するはずのない発光を検出するので、発光検出センサ39が発光を検出した際に発光検出異常と判定することで、不正器具の挿入による不正を検知できる。
【0086】
図14は、メイン制御部41が実行する発光検出判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0087】
発光検出判定処理は、発光検出センサ39の検出状況に基づき、発光素子を備えた不正器具の挿入を監視する処理であり、前述したタイマ割込処理の中で実行される処理である。
【0088】
発光検出判定処理では、まず、発光検出センサ39の検出状態を取得する(Sb1)。そして、発光検出センサ39の状態遷移を更新し(Sb2)、発光検出センサ39がoffからonに変化したか否か、すなわち発光検出センサ39が発光を検出したか否かを確認し(Sb3)、発光検出センサ39がoffからonに変化した場合には、発光検出異常と判定し、その旨を示す発光検出異常フラグをセットする。この発光検出異常フラグが設定されることにより、後の処理において発光検出エラー処理が実行される。
【0089】
発光検出エラー処理では、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行が不能動化されるとともに、発光検出異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨が報知される。これにより外部から発光検出異常が判定された旨を把握できるので、不正器具の挿入による不正行為を効果的に防止できる。また、発光検出エラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、発光検出異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0090】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に発光検出異常を示すエラーコードを表示することで発光検出異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて、発光検出異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで発光検出異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0091】
本実施例では、図3(a)に示すように、投入流路301内に出没自在な当接片306a〜cが設けられている。これら当接片306a〜cは、図16(a)に示すように、軸部307a〜cを軸心に揺動することで投入流路301内に出没自在とされているとともに、付勢部材308によって投入流路301内に突出するように付勢されている。そして、図16(b)に示すように、メダルが流下する際に、付勢部材308の付勢に抗して内方に押圧されるようになっている。また、当接片306a〜cには各々に対応して第1〜3通過センサ309a〜cが設けられており、当接片306a〜cがメダルの通過により押圧された際に、当接片306a〜cが第1通過センサ309a〜cによって検知されるようになっている。すなわち第1〜3通過センサ309a〜cは、当接片306a〜cの押圧を検知することでメダルの通過を検出できるようになっている。また、図16(b)に示すように、当接片306a〜cは、メダルの通過により押圧された際に、メダルとの当接面がメダルの側面に対して平行となる形状とされており、メダルとの当接面が一部に集中することがないので、当接片306a〜cの耐久性を高めることができる。
【0092】
図3(a)に示すように、当接片306a〜cのうち、当接片306a及び306cは、投入流路301の中央を挟んで両側に設けられており、メダルが連続して流下する場合でも投入流路301の中央を挟んで両側部分には隣り合うメダル同士の間に隙間{図3(a)参照}ができるので、図17に示すように、当接片306a、306cの押圧によりメダルの通過を検出する第1通過センサ309a、第3通過センサ309cでは、連続するメダルの通過が別個に検出されるようになっている。このため、前述のように発光素子を搭載した不正器具を使用する場合には、不正器具を投入流路301及び取込側流路302内に挿入した状態となるが、この状態では、当接片306a、306cが押圧された状態となるので、図18(a)に示すように、当接片306a、306cの押圧によりメダルの通過を検出する第1通過センサ309a、第3通過センサ309cがメダルの通過に伴い検出する通過検出時間が1枚のメダルの通過に要する時間よりも長い異常判定時間(本実施例では500ms)以上となった場合に通過検出異常と判定することで、不正器具の挿入による不正を検知できる。
【0093】
図3(a)に示すように、当接片306a〜cのうち、当接片306bは、投入流路301の中央で、かつ当接片306a及び306cよりも若干下流側の位置に設けられており、正常にメダルが流下する場合には、図17に示すように、当接片306a、306cの押圧によりメダルの通過を検出する第1通過センサ309a、第3通過センサ309cがメダルの通過を検出している状態においてのみ当接片306bの押圧によりメダルの通過を検出する第2通過センサ309bがメダルの通過が検出されるようになっている。このため、図18(b)に示すように、第1通過センサ309a、第3通過センサ309cがメダルの通過を検出していない状態において第2通過センサ309bがメダルの通過を検出した場合に、通過検出異常と判定することで、当接片306a及び306cを押圧しないように不正器具を挿入した場合でも、不正器具の挿入による不正を検知できる。
【0094】
図19は、メイン制御部41が実行するメダル通過判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0095】
メダル通過判定処理は、第1〜3通過センサ309a〜cの検出状態の検出状況に基づき不正器具の挿入を監視する処理であり、前述したタイマ割込処理の中で実行される処理である。
【0096】
メダル通過判定処理では、まず、第1〜3通過センサ309a〜cの検出状態を取得する(Sc1)。そして、第1〜3通過センサ309a〜cの状態遷移を更新し(Sc2)、第1通過センサ309aまたは第3通過センサ309cがoffからonに変化したか否かを確認する(Sc3)。そして、第1通過センサ309aまたは第3通過センサ309cがoffからonに変化した場合には、通過検出時間を計時する通過検出時間カウンタの値をクリアする(Sc4)。
【0097】
次いで、第1通過センサ309aまたは第3通過センサ309cがonか否かを確認し(Sc5)、第1通過センサ309aまたは第3通過センサ309cがonの場合には、通過検出時間カウンタの値を1加算する(Sc6)。そして、通過検出時間カウンタの値を参照して通過検出時間が500ms以上か否かを確認し(Sc7)、通過検出時間が500ms以上であれば、通過検出異常と判定し、その旨を示す通過検出異常フラグをセットする。
【0098】
また、Sc5のステップにおいて第1通過センサ309aまたは第3通過センサ309cがonではない場合には、第2通過センサ309bがoffからonに変化したか否かを確認し(Sc9)、第2通過センサ309がoffからonに変化した場合には、通過検出異常と判定し、その旨を示す通過検出異常フラグをセットする。
【0099】
また、Sc8やSc10のステップにおいて通過検出異常フラグが設定されることにより、後の処理において通過検出エラー処理が実行される。
【0100】
通過検出エラー処理では、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行が不能動化されるとともに、通過検出異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨が報知される。これにより外部から通過検出異常が判定された旨を把握できるので、不正器具の挿入による不正行為を効果的に防止できる。また、通過検出エラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、通過検出異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0101】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に通過検出異常を示すエラーコードを表示することで通過検出異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて通過検出異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで通過検出異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0102】
図20は、前述した各種エラー処理(投入エラー処理、発光検出エラー処理、通過検出エラー処理)の実行契機を示すタイミングチャートである。
【0103】
これら各種エラー処理が実行される契機は、その時点でホッパーモータ32によるメダルの払出動作が行われているか否かによって異なる。
【0104】
詳しくは、メダルの投入に関連して異常を示すフラグが設定された時点で、ホッパーモータ32によるメダルの払出動作が行われていない場合には、その時点で対応するエラー処理を実行し、ゲームの進行が不可能な状態に制御する。すなわち異常の判定によりゲームの進行が不能動化される。
【0105】
また、異常を示すフラグが設定された時点で、ホッパーモータ32によるメダルの払出動作が行われている場合には、その終了後、対応するエラー処理を実行し、ゲームの進行が不可能な状態に制御する。
【0106】
このように本実施例では、異常を判定した場合に、ゲームの進行が不能動化されるようになっており、エラーが解消されるまでゲームの進行を停止させることができるため、不正がなされた状態やメダル詰まり等の不具合が生じた状態でゲームが進行してしまうことを防止できる。
【0107】
また、各種エラー処理では、ゲームの進行の不能動化に加えてエラーの原因となった異常を示すエラーコードが遊技補助表示器10に表示されてその旨が報知されるため、エラーの原因を外部にて把握できるうえに、係員等がエラーの発生に対して迅速に対応することができる。
【0108】
また、本実施例では、異常を判定した場合でも、ホッパーモータ32によるメダルの払出動作が行われている場合には、その終了を待って対応するエラー処理が実行されるようになっており、異常の判定時点でホッパーモータ32によるメダルの払出動作を中断し、エラーの解除に伴い再びホッパーモータ32によるメダルの払出動作を再開する等の複雑な制御を行う必要がないため、メイン制御部41の制御負荷を軽減できる。
【0109】
図21は、メイン制御部41が実行する投入検出パターン判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0110】
投入検出パターン判定処理は、投入検出パターン(クレジットの加算パターン)、すなわち前回のゲームの終了時から今回のゲーム終了時までの間における第1〜3投入センサ31a〜cの検出履歴(クレジットの加算履歴)に基づき不正器具の使用を監視する処理であり、1ゲームの終了時に実行される処理である。
【0111】
投入検出パターン判定処理では、まず、当該ゲームの投入検出パターンを取得する(Sd1)。そして、取得した投入検出パターンが不正器具の使用により第1〜3投入センサ31a〜cを誤検出させている可能性の高い特定パターンであるか否かを判定し(Sd2)、取得した投入検出パターンが特定パターンか否かを確認する(Sd3)。そして、投入検出パターンが特定パターンであれば、当該投入検出パターンを履歴テーブルに登録するとともに(Sd4)、前回(前のゲーム)の投入検出パターンも特定パターンと判定されたか否かを確認し(Sd5)、前回も特定パターンと判定されていれば、投入検出パターン異常と判定し、投入検出パターンエラー処理を実行する(Sd8)。また、Sd5のステップにおいて前回の投入検出パターンが特定パターンと判定されていなければ、今回の投入検出パターンを履歴テーブルに登録されている過去に特定パターンとして判定された投入検出パターンと比較し(Sd6)、今回の投入検出パターンと過去の特定パターンが一致するか否かを確認する(Sd7)。そして、今回の投入検出パターンと過去の特定パターンが一致すれば、投入検出パターン異常と判定し、投入検出パターンエラー処理を実行する(Sd8)。
【0112】
投入検出パターンエラー処理では、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行が不能動化されるとともに、投入検出パターン異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨が報知される。これにより外部から投入検出パターン異常が判定された旨を把握できるので、不正器具の挿入による不正行為を効果的に防止できる。また、投入検出パターンエラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、投入検出パターン異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0113】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に投入検出パターン異常を示すエラーコードを表示することで投入検出パターン異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて、投入検出パターン異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで投入検出パターン異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0114】
ここで、投入検出パターン判定処理において特定パターンであると判定するパターンの一例について説明する。
【0115】
不正器具を用いた場合には不正器具側でクレジットが上限値に到達したか否かを判別できず、クレジットが上限値に到達していても第1〜3投入センサ31a〜cが検出される可能性が高いので、投入検出パターン判定処理では、図22(a)に示すように、クレジットが上限値に到達しているにも関わらず、メダルが検出されている場合に、特定パターンであると判定する。
【0116】
また、通常、人の手によりメダルを投入してクレジットが加算される場合には、その加算パターンにばらつきが生じるので、投入検出パターン判定処理では、クレジットの加算パターンが規則的な加算パターンとなった場合に、特定パターンであると判定する。
【0117】
例えば、一般的な遊技客はクレジットが上限値に到達するまでメダルを投入する前にゲームを開始することが多いうえに、人の手により一度に多数のメダルを連続して投入することは困難なので、投入検出パターン判定処理では、クレジットが上限値に到達するまで連続して加算された場合にも、特定パターンであると判定する。
【0118】
また、前述のように人の手により一度に多数のメダルを連続して投入することは困難なので、投入検出パターン判定処理では、規定数以上連続してクレジットが加算された場合に、特定パターンであると判定する。尚、このような特定パターンを判定する場合には、判定基準となる規定数を定期的にランダムに決定し、変化させることが好ましく、このようにすることで、判定基準となる規定数が変動するので、投入検出パターン判定処理にて特定パターンであると判定されないように不正器具を使用することが困難となる。
【0119】
また、前述のように人の手により一度に多数の遊技媒体を連続して投入することは困難なので、人の手によるメダルの投入でクレジットを加算させる速度には限界があるので、投入検出パターン判定処理では、規定の速度以上でクレジットが加算された場合に、特定パターンであると判定する。ここでいう規定の速度とは、人の手によるメダルの投入でクレジットを加算させる速度の限界速度として規定した速度である。この規定の速度を遅く設定すると、人の手によるメダルの投入によっても特定パターンであると判定される頻度が高まるので、人の手によるメダルの投入ではあり得ないような速度を規定の速度として設定することが好ましい。
【0120】
また、人の手により一度に投入する遊技媒体数にはばらつきが生じる可能性が高いので、投入検出パターン判定処理では、図22(b)に示すように、一定数ずつメダルが検出された場合に、特定パターンであると判定する。
【0121】
また、人の手により一定間隔でメダルを投入することは困難なので、投入検出パターン判定処理では、図22(c)に示すように、一定間隔(図中S)でメダルが検出された場合に、特定パターンであると判定する。
【0122】
尚、本実施例では、投入検出パターンが上記で例示したパターンである場合に、特定パターンであると判定されるが、これらのパターンの組合せによって特定パターンか否かを判定するようにしても良い。
【0123】
このように本実施例では、特定パターンでメダルが検出されたことに基づいて投入検出パターン異常が判定され、その旨が報知されるので、遊技店側で不正器具が使用された可能性が高い状況を把握することが可能となる。
【0124】
また、複数ゲームにわたり特定パターンが連続して判定された場合に投入検出パターン異常と判定されるようになっており、遊技客によるメダルの投入がたまたま特定パターンとなった場合でも、連続して特定パターンとなる可能性は低いので、不正器具が使用された可能性を正確に把握することができる。
【0125】
また、複数ゲームにわたり特定パターンが連続して判定されなかった場合でも過去に同一の特定パターンが判定されている場合には、投入検出パターン異常と判定されるようになっており、連続して特定パターンが判定されない場合でも、過去に何度も特定パターンとなる可能性は低いので、不正器具が使用された可能性を正確に把握することができる。
【0126】
尚、本実施例では、複数ゲームにわたり特定パターンが連続して判定された場合や過去に同一の特定パターンが判定されている場合に投入検出パターン異常と判定されるようになっているが、特定パターンが検出された時点で投入検出パターン異常と判定されるようにしても良く、これにより、不正器具が使用された可能性を即時に把握することができる。
【0127】
また、本実施例では、投入検出パターン判定処理において、上述した複数の特定パターンを全て判定するようになっており、これら特定パターンのいずれにも判定されないように不正器具を使用することは極めて困難となるので、不正器具の使用を確実に監視することができる。また、投入パターン判定処理において判定対象となる特定パターンを上述のような複数の特定パターンから選択し、選択した投入パターンを判定対象となる特定パターンとして設定するようにしても良く、この場合には、判定対象となる特定パターンが変化し、その時点で設定されている特定パターンに判定されないように不正器具を使用することは極めて困難となるので、不正器具の使用を確実に監視することができる。
【0128】
図23は、メイン制御部41が実行する残量異常判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0129】
残量異常判定処理は、ホッパーエラー、すなわちホッパータンク内のメダルが不足した際に制御されるエラー時にメダルの差枚数に基づき不正器具の使用を監視する処理であり、ホッパーエラーが発生した際に実行される処理である。
【0130】
残量異常判定処理では、まず、前回のホッパーエラーからの差枚数(払出枚数:入賞の発生により付与された枚数−投入枚数:賭数の使用に設定された枚数)を算出し(Se1)、算出した差枚数が規定補充数(1回のホッパーエラーで補給されるメダル数)未満か否かを確認する(Se2)。そして、差枚数が規定補充数未満の場合には、誤差の範囲内か否かを確認し(Se3)、誤差の範囲外であれば残量異常と判定し、残量エラー処理を実行する(Se4)。
【0131】
残量エラー処理では、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行が不能動化されるとともに、残量異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨が報知される。これにより外部から残量異常が判定された旨を把握できるので、不正器具の挿入による不正行為を効果的に防止できる。また、残量エラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、残量異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0132】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に残量異常を示すエラーコードを表示することで残量異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて、残量異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで残量異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0133】
このように本実施例では、差枚数が規定補充数未満の場合、すなわち、前回のホッパーエラー時から純粋に遊技客に対して付与されたメダル枚数が前回のホッパーエラー時に補給されたメダル数に満たないのにホッパータンク内のメダルが不足した場合に、残量異常と判定され、その旨が報知されるようになっており、この場合には、不正器具の使用によりメダルが投入されていないにも関わらずメダルの投入が検出されている可能性が高いので、不正器具が使用された可能性を把握することができる。
【0134】
図24は、メイン制御部41が実行する投入数異常判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0135】
投入数異常判定処理は、スロットマシン1に対応して設けられたメダル貸出装置100によるメダルの貸出数と前述した差枚数に基づき不正器具の使用を監視する処理であり、1ゲームの終了時に実行される処理である。
【0136】
投入数異常判定処理では、まず、差枚数(払出枚数:入賞の発生により付与された枚数−投入枚数:賭数の使用に設定された枚数)を算出し(Sf1)、算出した差枚数が0未満か否か、すなわち遊技客に対して付与されたメダル数よりも遊技客が賭数の設定に使用したメダル数の方が多いか否かを確認する(Sf2)。そして、差枚数が0未満であれば、対応するメダル貸出装置100から出力されたメダル貸出信号に基づき特定されるメダルの貸出数とSe1のステップにおいて算出した差枚数とを比較し(Sf3)、貸出数が差枚数の絶対値未満であるか否かを確認する(Sf4)。そして、貸出数が差枚数の絶対値未満であれば、誤差の範囲内か否かを確認し(Sf5)、誤差の範囲内でなければ、投入数異常と判定し、投入数エラー処理を実行する(Sf6)。
【0137】
投入数エラー処理では、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行が不能動化されるとともに、投入数異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨が報知される。これにより外部から投入数異常が判定された旨を把握できるので、不正器具の挿入による不正行為を効果的に防止できる。また、投入数エラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、投入数異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0138】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に投入数異常を示すエラーコードを表示することで投入数異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて、投入数異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで投入数異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0139】
このように本実施例では、貸出数が差枚数の絶対値未満の場合、すなわち投入されたメダル数に対して貸し出されたメダル数が不足している場合に、投入数異常と判定され、その旨が報知されるようになっており、この場合には、不正器具の使用によりメダルが投入されていないにも関わらずメダルの投入が検出されている可能性が高いので、不正器具が使用された可能性を把握することができる。
【0140】
図25は、メイン制御部41が実行する貯留数異常判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0141】
貯留数異常判定処理は、第1〜3投入センサ31a〜cによる検出数とホッパータンクに貯留されるメダルを検出する貯留センサ37の検出数とに基づき不正器具の使用を監視する処理であり、1ゲームの終了時に実行される処理である。
【0142】
貯留数異常判定処理では、まず、第1〜3投入センサ31a〜cによるメダルの検出数と貯留センサ37の検出数を比較する(Sg1)。そして、貯留センサ37の検出数が第1〜3投入センサ31a〜cによる検出数未満か否かを確認し(Sg2)、貯留センサ37の検出数が第1〜3投入センサ31a〜cによる検出数未満であれば、誤差の範囲内か否かを確認し(Sg3)、誤差の範囲内でなければ、貯留数異常と判定し、貯留数エラー処理を実行する(Sg4)。
【0143】
貯留数エラー処理では、リセット操作によりエラーが解除されるまでの間ゲームの進行が不能動化されるとともに、貯留数異常を示すエラーコードを遊技補助表示器10に表示させてその旨が報知される。これにより外部から貯留数異常が判定された旨を把握できるので、不正器具の挿入による不正行為を効果的に防止できる。また、貯留数エラー処理に伴いゲームの進行が不能動化されるので、貯留数異常が判定された状態で遊技が進行してしまうことを防止することができる。
【0144】
尚、本実施例では、遊技補助表示器10に貯留数異常を示すエラーコードを表示することで貯留数異常を外部から特定できるようになっているが、エラーコードの表示に加えて、貯留数異常と判定されたときにその旨を示す信号を呼出ランプやホールコンピュータ等の周辺機器に出力することで貯留数異常を外部から特定できるようにしても良い。
【0145】
このように本実施例では、貯留センサ37の検出数が第1〜3投入センサ31a〜cによる検出数未満の場合、すなわち第1〜3投入センサ31a〜cにて検出されたメダル数に対してホッパータンクに貯留されたメダル数が不足している場合に、貯留数異常と判定され、その旨が報知されるようになっており、この場合には、不正器具の使用によりメダルが投入されていないにも関わらずメダルの投入が検出されている可能性が高いので、不正器具が使用された可能性を把握することができる。
【0146】
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1では、通常、人の手によりメダルを投入してクレジットが加算される場合には、その加算パターンにばらつきが生じるが、不正器具が使用された場合には、加算パターンが規則的な加算パターンとなる。このため、規則的な加算パターンでメダルが加算されたことに基づいてその旨を報知することにより、遊技店側で不正器具が使用された可能性を把握することが可能となるので、これら不正器具の使用を容易に監視することができる。
【0147】
また、不正器具を用いた場合には不正器具側でクレジットが上限値に到達したか否かを判別できず、クレジットが上限値に到達していても第1〜3投入センサ31a〜cが検出される可能性が高く、その旨を報知することにより、遊技店側で不正器具が使用された可能性を把握することが可能となるので、これら不正器具の使用を容易に監視することができる。
【0148】
また、不正器具をメダル投入口4から挿入する際には、第1〜3投入センサ31a〜cにより不正器具の挿入が検出されないように、発光素子を発光させた状態で挿入する必要があるが、本実施例では、第1〜3投入センサ31a〜cの配置位置よりも上流側で、かつ第1〜3投入センサ31a〜cの受光部と同じ側に配置された発光検出センサ39の受光部が不正器具の発光素子の発光を受光した場合に異常と判定するようになっている。この異常は、メダル詰まりではあり得ない異常であるので、不正器具の挿入による異常として判定され、その旨を示すエラーコードが遊技補助表示器10に表示されて報知されるようになり、不正器具の挿入による不正を確実に監視できるため、発光素子を搭載した不正器具を用いた不正行為を効果的に抑止することができる。
【0149】
また、本実施例のスロットマシン1では、第1〜第3の投入センサ31a〜cの投光部及び受光部の向きが全て同一方向であるが、少なくとも上端または下端の一方に沿って配置された複数の投入センサのうち、いずれか1つの投入センサの投光部と受光部の向きが、他の投入センサの投光部と受光部の向きと逆に配置されるようにしても良い。これにより、発光素子を搭載した不正器具を用いてメダルの投入を誤検出させる場合には、不正器具の両側に発光素子を搭載しなければならず、器具の厚みが増して不正器具をメダルの投入口4から投入センサの位置まで挿入することが困難となるため、発光素子を搭載した不正器具を用いた不正行為を効果的に抑止することができる。更にこの場合には、メダル投入口4から投入センサまでの少なくとも一部の経路幅がメダルの厚みよりもわずかに幅広に形成されていることが好ましく、このようにすれば、メダルの流下を妨げず、かつメダルの厚み以上の不正器具を投光部と受光部の間に配置することがほぼ不可能となるので、発光素子を搭載した不正器具を用いた不正行為をより効果的に抑止することができる。尚、メダルの厚みよりもわずかに幅広に形成されているとは、メダルの厚みを越える幅でメダルの厚みの2倍未満の幅に形成されているものであれば良い。また、投入センサの投光部と受光部の離間幅をメダルの厚みよりもわずかに幅広に形成した場合でも同様の効果が得られる。
【実施例2】
【0150】
次に本発明の実施例2について説明する。尚、本実施例のスロットマシンの構成は、前述した実施例1のスロットマシン1とほぼ同一構成であるので、同一の符号を用いることで詳細な説明は省略する。
【0151】
本実施例のスロットマシン1’には、図26に示すように、外部出力基板60を介して、撮像手段101の制御を行うとともに、撮像手段101にて撮像された画像データを蓄積するビデオサーバ102やホールコンピュータ103等の周辺機器が接続されている。
【0152】
本実施例では、メイン制御部41が前述した投入検出異常、発光検出異常、通過検出異常、投入検出パターン異常、貯留数異常、投入数異常、残量異常が判定された場合に、対応するエラー処理を実行せずに、図27に示すように、各々の異常を示す異常信号を外部出力信号として出力するようになっている。
【0153】
そして、ビデオサーバ102が異常信号を検出した場合には、該当するスロットマシンの撮像領域が拡大して撮像されるように撮像手段101を制御し、撮像した画像データを記録する制御が行われる。
【0154】
一方、ホールコンピュータ103が異常信号を検出した場合には、異常の種別及び対応するスロットマシンの台番号をディスプレイに表示させて報知する制御や、従業員が携帯するインカム等の携帯機器に対して異常の種別及び対応するスロットマシンの台番号を通知する制御が行われる。
【0155】
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1’では、不正器具の使用が検知されたことに基づいて異常が判定された際に、エラー処理は行わず、異常の判定を示す異常信号が周辺機器に出力されるので、遊技店側で不正器具が使用された可能性を把握することが可能となるので、これら不正器具の使用を容易に監視することができるうえに、不正器具を使用している人物に気付かれることなく不正器具が使用された可能性を認識することができる。
【実施例3】
【0156】
次に本発明の実施例3について説明する。尚、本実施例のスロットマシンの構成は、前述した実施例1のスロットマシン1とほぼ同一構成であるので、同一の符号を用いることで詳細な説明は省略する。
【0157】
本実施例のスロットマシン1”には、前述した実施例2と同様に、外部出力基板60を介して、ビデオサーバ102やホールコンピュータ103等の周辺機器が接続されている。
【0158】
また、本実施例では、メイン制御部41が、図28に示すように、第1〜3投入センサ31a〜cがメダルを検出した旨を示す投入検出信号、発光検出センサ39が発光を検出した旨を示す発光検出信号、第1〜3通過センサ309a〜cがメダルの通過を検出した旨を示す通過検出信号、貯留センサ37がメダルを検出した旨を示す貯留検出信号、賭数の設定に使用されたメダル枚数を示すメダルin信号、入賞の発生により付与されたメダル枚数を示すメダルout信号、ホッパーエラーが発生した旨を示すホッパーエラー信号を外部出力信号として出力するようになっている。
【0159】
そして、これら信号に基づいてスロットマシン1”に接続された周辺機器では、異常判定を行うようになっている。
【0160】
具体的には、投入検出信号に基づいて前述した投入検出パターン判定処理と同様の処理を行い、投入検出パターン異常を判定する。また、発光検出異常信号に基づいて前述した発光検出判定処理と同様の処理を行い、発光検出異常を判定する。また、通過検出信号に基づいて前述したメダル通過判定処理と同様の処理を行い、通過検出異常を判定する。また、メダルin信号、メダルout信号及びホッパーエラー信号に基づいて前述した残量異常判定処理と同様の処理を行い、残量異常を判定する。また、投入検出信号及び貯留検出信号に基づいて前述した貯留数異常判定処理と同様の処理を行い、貯留数異常を判定する。また、メダルin信号、メダルout信号及びスロットマシン1”に対応するメダル貸出装置から出力されたメダルの貸出数を示すメダル貸出信号に基づいて前述した投入数異常判定処理と同様の処理を行い、投入数異常を判定する。
【0161】
そして、ビデオサーバ102がいずれかの異常を判定した場合には、該当するスロットマシンの撮像領域が拡大して撮像されるように撮像手段101を制御し、撮像した画像データを記録する制御を行う。
【0162】
一方、ホールコンピュータ103がいずれかの異常を判定した場合には、異常の種別及び対応するスロットマシンの台番号をディスプレイに表示させて報知する制御や、従業員が携帯するインカム等の携帯機器に対して異常の種別及び対応するスロットマシンの台番号を通知する制御を行う。
【0163】
以上説明したように、本実施例では、スロットマシン1”に接続された周辺機器では、スロットマシン1”から出力された信号に基づいて不正器具が使用された可能性を判定できるので、これら不正器具の使用を容易に監視することができるうえに、不正器具を使用している人物に気付かれることなく不正器具が使用された可能性を認識することができる。
【0164】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0165】
例えば、前記実施例では、遊技媒体検出手段として光学的にメダルを検出するセンサ、すなわち半導体開閉素子を備え、可視、不可視光線の反射または遮光のいずれかにより物体を検出する光電形近接スイッチを用いているが、少なくともメダルの通過を検出できるものであれば良く、例えば、半導体開閉素子を備え、検出領域内に磁界を発生させる誘導形近接スイッチや半導体開閉素子を備え、検出領域内に電界を発生させる静電容量形近接スイッチ、半導体開閉素子を備え、磁気検出素子と磁石(静磁界)の組合わせにより、検出体が接近したときの磁束変化を利用して検出する磁気形近接スイッチ等、その他の非接触式検出手段を適用しても良い。また、メダルの接触による可動片の動作を検知することでメダルの通過を検出する接触式検出手段を適用しても良い。
【0166】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
【0167】
本発明の請求項1は、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン1であって、遊技媒体投入口(メダル投入口4)から投入された遊技媒体(メダル)を前記賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路(投入流路301、取込側流路302)と、前記取込経路を流下する遊技媒体を検出する投入遊技媒体検出手段(第1〜3投入センサ31a〜c)と、前記賭数の設定に使用可能な遊技媒体数(クレジット)を記憶する遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)と、前記投入遊技媒体検出手段が遊技媒体を検出したことを条件に、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算する遊技媒体数加算手段(メイン制御部41)と、前記遊技媒体数加算手段による遊技媒体数の加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}を記憶する加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)と、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが規則的な加算パターン(特定パターン)か否かを判定するパターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}と、前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンであると判定されたことを条件に前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御(エラーコードの表示、遊技の不能動化等)を行う規則的パターン検出時制御手段{メイン制御部41(投入検出パターンエラー処理)}と、を備える。
【0168】
本発明の請求項2は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}は、前記加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶された加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}が、前記遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)の遊技媒体数を一定間隔(S)で加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターン(特定パターン)であると判定する。
【0169】
本発明の請求項3は、前記遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)は、所定の上限数(50)以内の遊技媒体数(クレジット)を記憶可能であり、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}は、前記加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶された加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}が前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を前記所定の上限数に到達させるまで連続して加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターン(特定パターン)であると判定する。
【0170】
本発明の請求項4は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}は、前記加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶された加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}が、前記遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)の遊技媒体数(クレジット)を一定数の遊技媒体数ずつ加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターン(特定パターン)であると判定する。
【0171】
本発明の請求項5は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}は、前記加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶された加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}が前記遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)の遊技媒体数(クレジット)を規定の速度以上で加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターン(特定パターン)であると判定する。
【0172】
本発明の請求項6は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}は、前記加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶された加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}が、前記遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)の遊技媒体数(クレジット)を規定数以上連続して加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターン(特定パターン)であると判定する。
【0173】
本発明の請求項7は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}の判定対象となる規則的な加算パターン(特定パターン)を予め定められた複数の加算パターンから選択する規則的パターン選択手段(メイン制御部41)を備え、前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶された加算パターン{投入検出パターン(クレジットの加算パターン)}が前記規則的パターン選択手段により選択された加算パターンか否かを判定する。
【0174】
本発明の請求項8は、前記規則的パターン検出時制御手段{メイン制御部41(投入検出パターンエラー処理)}は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}により前記規則的な加算パターン(特定パターン)が連続して判定されたときに前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御(エラーコードの表示、遊技の不能動化等)を行う。
【0175】
本発明の請求項9は、前記パターン判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}により前記規則的な加算パターン(特定パターン)が判定されたときに過去に前記規則的な加算パターンと判定された加算パターンと比較する比較手段(メイン制御部41)を備え、前記規則的パターン検出時制御手段{メイン制御部41(投入検出パターンエラー処理)}は、前記比較手段により比較した規則的な加算パターンが一致したときに前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御(エラーコードの表示、遊技の不能動化等)を行う。
【0176】
本発明の請求項10は、前記取込流路(投入流路301、取込側流路302)内の物体の通過を機械的に検出する機械的検出手段(当接片306a〜c、第1〜3通過センサ309a〜c)と、前記機械的検出手段が予め定められた期間(異常判定時間)以上前記物体の通過を検出したときに継続して前記物体の通過を検出したことに基づく制御(エラーコードの表示、遊技の不能動化等)を行う通過異常時制御手段{メイン制御部41(通過検出エラー処理)}と、を備える。
【0177】
本発明の請求項11は、前記遊技媒体は円盤状のメダルであり、前記投入遊技媒体検出手段は、前記取込経路(投入流路301、取込側流路302)を流下するメダルの上縁部または下縁部のうちの一方の縁部を検出可能な位置に配置された第1の投入遊技媒体検出手段(第1投入センサ31a)及び第2の投入遊技媒体検出手段(第3投入センサ31c)と、前記取込経路に沿って配置された前記第1の投入遊技媒体検出手段及び前記第2の投入遊技媒体検出手段の間で、かつ前記取込経路を流下するメダルの上縁部または下縁部のうち前記第1の投入遊技媒体検出手段及び前記第2の投入遊技媒体検出手段とは異なる縁部を検出可能な位置に配置された第3の投入遊技媒体検出手段(第2投入センサ31b)と、を含み、前記遊技媒体数加算手段(メイン制御部41)は、前記第1の投入遊技媒体検出手段、前記第2の投入遊技媒体検出手段及び第3の投入遊技媒体検出手段によって検出された検出順序が正常であることを条件に、前記遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)に記憶されている遊技媒体数(クレジット)を加算する。
【0178】
本発明は、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン1であって、遊技媒体投入口(メダル投入口4)から投入された遊技媒体(メダル)を前記賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路(投入流路301、取込側流路302)と、前記取込経路を流下する遊技媒体を検出する投入遊技媒体検出手段(第1〜3投入センサ31a〜c)と、前記賭数の設定に使用可能な遊技媒体数(クレジット)を所定の上限数(50)の範囲で記憶する遊技媒体数記憶手段(メイン制御部41のRAM)と、前記投入遊技媒体検出手段が遊技媒体を検出したことを条件に、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算する遊技媒体数加算手段(メイン制御部41)と、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数が前記所定の上限数に到達した状態において前記投入遊技媒体検出手段が検出したか否か(特定パターンか否か)を判定する検出判定手段{メイン制御部41(投入検出パターン判定処理)}と、前記検出判定手段が前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定したときに、前記投入遊技媒体検出手段の検出を判定したことに基づく制御(エラーコードの表示、遊技の不能動化等)を行う検出時制御手段{メイン制御部41(投入検出パターンエラー処理)}と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明が適用された実施例1のスロットマシンの正面図である。
【図2】実施例1のスロットマシンの構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、実施例1のスロットマシンに設けられたメダルセレクタの構造を示す断面図であり、(b)は、(a)のA−A断面図である。
【図4】(a)は、実施例1のスロットマシンに設けられたメダルセレクタの構造を示す断面図であり、(b)は、(a)のC−C断面図である。
【図5】(a)〜(f)は、実施例1のスロットマシンに設けられたメダルセレクタにおけるメダルの流下状況を示す図である。
【図6】実施例1においてメダルセレクタ内に設けられた投入センサがメダルを検出する際の正常な検出状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図7】(a)は、実施例1におけるメダル投入に伴う不正の一例を示す図であり、(b)は、その際の投入センサの検出状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図8】(a)は、実施例1におけるメダル投入に伴う不正の一例を示す図であり、(b)は、その際の投入センサの検出状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図9】実施例1においてメイン制御部が実行する投入メダル判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図10】(a)は、実施例1においてあと1枚メダルを投入することでメダルの受付が不可能となる状態で投入センサが検出された際のメダル流路の切り替わり状況を示すタイミングチャートであり、(b)は、その際のメダルの流下状況を示す図である。
【図11】(a)は、実施例1における投入センサの検出状態の遷移の一例を示すタイミングチャートであり、(b)は、その際のメダルの流下状況を示す図である。
【図12】(a)は、実施例1におけるメダルセレクタによる流路の切替に伴う投入センサの有効/無効の制御を示すタイミングチャートである。(b)は、1ゲームに要する最短時間の構成を示すタイミングチャートである。
【図13】実施例1における発光検出センサの検出状態を示すタイミングチャートである。
【図14】実施例1においてメイン制御部が実行する発光検出判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図15】(a)は、発光素子を搭載した不正器具の正面図であり、(b)は、不正器具の使用状況を示す図である。
【図16】(a)(b)は、図3(a)のB−B断面図である。
【図17】実施例1における第1〜3通過センサの検出状態を示すタイミングチャートである。
【図18】(a)(b)は、実施例1における第1〜3通過センサの検出状態を示すタイミングチャートである。
【図19】実施例1においてメイン制御部が実行するメダル通過判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図20】(a)(b)は、実施例1においてメイン制御部が実行するエラー処理の実行契機を示すタイミングチャートである。
【図21】実施例1においてメイン制御部が実行する投入検出パターン判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図22】(a)〜(c)は、投入検出パターン判定処理において判定される特定パターンの一例を示すタイミングチャートである。
【図23】実施例1においてメイン制御部が実行する残量異常判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図24】実施例1においてメイン制御部が実行する投入数異常判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図25】実施例1においてメイン制御部が実行する貯留数異常判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図26】実施例2のスロットマシンと周辺機器との接続状況を示す図である。
【図27】実施例2のスロットマシンから出力される信号を示す図である。
【図28】実施例3のスロットマシンから出力される信号を示す図である。
【符号の説明】
【0180】
1、1’、1” スロットマシン
2L、2C、2R リール
4 メダル投入部
31a〜c 投入センサ(第1〜3投入センサ31a〜c)
39 発光検出センサ
41 メイン制御部
302 取込側流路
303 排出側流路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
遊技媒体投入口から投入された遊技媒体を前記賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路と、
前記取込経路を流下する遊技媒体を検出する投入遊技媒体検出手段と、
前記賭数の設定に使用可能な遊技媒体数を記憶する遊技媒体数記憶手段と、
前記投入遊技媒体検出手段が遊技媒体を検出したことを条件に、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算する遊技媒体数加算手段と、
前記遊技媒体数加算手段による遊技媒体数の加算パターンを記憶する加算パターン記憶手段と、
前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが規則的な加算パターンか否かを判定するパターン判定手段と、
前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンであると判定されたことを条件に前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行う規則的パターン検出時制御手段と、
を備えることを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を一定間隔で加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定する請求項1に記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記遊技媒体数記憶手段は、所定の上限数以内の遊技媒体数を記憶可能であり、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を前記所定の上限数に到達させるまで連続して加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定する請求項1または2に記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を一定数の遊技媒体数ずつ加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定する請求項1〜3のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項5】
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を規定の速度以上で加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定する請求項1〜4のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項6】
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を規定数以上連続して加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定する請求項1〜5のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項7】
前記パターン判定手段の判定対象となる規則的な加算パターンを予め定められた複数の加算パターンから選択する規則的パターン選択手段を備え、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが前記規則的パターン選択手段により選択された加算パターンか否かを判定する請求項1〜6のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項8】
前記規則的パターン検出時制御手段は、前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンが連続して判定されたときに前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行う請求項1〜7のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項9】
前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンが判定されたときに過去に前記規則的な加算パターンと判定された加算パターンと比較する比較手段を備え、
前記規則的パターン検出時制御手段は、前記比較手段により比較した規則的な加算パターンが一致したときに前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行う請求項1〜8のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項10】
前記取込流路内の物体の通過を機械的に検出する機械的検出手段と、
前記機械的検出手段が予め定められた期間以上前記物体の通過を検出したときに該予め定められた期間以上前記物体の通過を検出したことに基づく制御を行う通過異常時制御手段と、
を備える請求項1〜9のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項11】
前記遊技媒体は円盤状のメダルであり、
前記投入遊技媒体検出手段は、前記取込経路を流下するメダルの上縁部または下縁部のうちの一方の縁部を検出可能な位置に配置された第1の投入遊技媒体検出手段及び第2の投入遊技媒体検出手段と、前記取込経路に沿って配置された前記第1の投入遊技媒体検出手段及び前記第2の投入遊技媒体検出手段の間で、かつ前記取込経路を流下するメダルの上縁部または下縁部のうち前記第1の投入遊技媒体検出手段及び前記第2の投入遊技媒体検出手段とは異なる縁部を検出可能な位置に配置された第3の投入遊技媒体検出手段と、を含み、
前記遊技媒体数加算手段は、前記第1の投入遊技媒体検出手段、前記第2の投入遊技媒体検出手段及び第3の投入遊技媒体検出手段によって検出された検出順序が正常であることを条件に、前記遊技媒体数記憶手段に記憶されている遊技媒体数を加算する請求項1〜10のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項1】
1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
遊技媒体投入口から投入された遊技媒体を前記賭数の設定に用いるために取り込むための取込経路と、
前記取込経路を流下する遊技媒体を検出する投入遊技媒体検出手段と、
前記賭数の設定に使用可能な遊技媒体数を記憶する遊技媒体数記憶手段と、
前記投入遊技媒体検出手段が遊技媒体を検出したことを条件に、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を加算する遊技媒体数加算手段と、
前記遊技媒体数加算手段による遊技媒体数の加算パターンを記憶する加算パターン記憶手段と、
前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが規則的な加算パターンか否かを判定するパターン判定手段と、
前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンであると判定されたことを条件に前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行う規則的パターン検出時制御手段と、
を備えることを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を一定間隔で加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定する請求項1に記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記遊技媒体数記憶手段は、所定の上限数以内の遊技媒体数を記憶可能であり、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を前記所定の上限数に到達させるまで連続して加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定する請求項1または2に記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を一定数の遊技媒体数ずつ加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定する請求項1〜3のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項5】
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を規定の速度以上で加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定する請求項1〜4のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項6】
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが、前記遊技媒体数記憶手段の遊技媒体数を規定数以上連続して加算させる加算パターンであるときに前記規則的な加算パターンであると判定する請求項1〜5のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項7】
前記パターン判定手段の判定対象となる規則的な加算パターンを予め定められた複数の加算パターンから選択する規則的パターン選択手段を備え、
前記パターン判定手段は、前記加算パターン記憶手段に記憶された加算パターンが前記規則的パターン選択手段により選択された加算パターンか否かを判定する請求項1〜6のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項8】
前記規則的パターン検出時制御手段は、前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンが連続して判定されたときに前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行う請求項1〜7のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項9】
前記パターン判定手段により前記規則的な加算パターンが判定されたときに過去に前記規則的な加算パターンと判定された加算パターンと比較する比較手段を備え、
前記規則的パターン検出時制御手段は、前記比較手段により比較した規則的な加算パターンが一致したときに前記規則的な加算パターンであると判定されたことに基づく制御を行う請求項1〜8のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項10】
前記取込流路内の物体の通過を機械的に検出する機械的検出手段と、
前記機械的検出手段が予め定められた期間以上前記物体の通過を検出したときに該予め定められた期間以上前記物体の通過を検出したことに基づく制御を行う通過異常時制御手段と、
を備える請求項1〜9のいずれかに記載のスロットマシン。
【請求項11】
前記遊技媒体は円盤状のメダルであり、
前記投入遊技媒体検出手段は、前記取込経路を流下するメダルの上縁部または下縁部のうちの一方の縁部を検出可能な位置に配置された第1の投入遊技媒体検出手段及び第2の投入遊技媒体検出手段と、前記取込経路に沿って配置された前記第1の投入遊技媒体検出手段及び前記第2の投入遊技媒体検出手段の間で、かつ前記取込経路を流下するメダルの上縁部または下縁部のうち前記第1の投入遊技媒体検出手段及び前記第2の投入遊技媒体検出手段とは異なる縁部を検出可能な位置に配置された第3の投入遊技媒体検出手段と、を含み、
前記遊技媒体数加算手段は、前記第1の投入遊技媒体検出手段、前記第2の投入遊技媒体検出手段及び第3の投入遊技媒体検出手段によって検出された検出順序が正常であることを条件に、前記遊技媒体数記憶手段に記憶されている遊技媒体数を加算する請求項1〜10のいずれかに記載のスロットマシン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2006−6365(P2006−6365A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183434(P2004−183434)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
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