説明

スロットルマシンにおけるコイン回収用蛇腹管の支持具

【課題】 コイン回収用蛇腹管の挿入口の位置を調節自在に位置決めできるとともに、蛇腹管の全外周面を抱持状に安定した状態で支持できる支持具を提供する事を課題とする。
【解決手段】 略中央部に縦長矩形状または縦長楕円状の調節用空間部19dを形成した基板19aと、略中央部にコイン回収用蛇腹管18の全外周面を抱持状に支持する円形の挿入口19fを形成した調節板19cとからなり、上記調節板19cを基板19aの長手方向の左右端縁に形成した案内溝19bを介して摺動自在に挿入して挿入口19fを位置決めし、蛇腹管18の全外周面を挿入口19fの内周辺で抱持状に支持するように構成した。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、スロットルマシンにおけるコイン回収用蛇腹管の支持具に係り、詳しくは、蛇腹管の挿入口の位置を調節自在に装着できるとともに、上記挿入口で蛇腹管の全外周面を抱持状に支持して、安定した状態でコインを下方に配設したコイン回収コンベアに流下させることができるスロットルマシンにおけるコイン回収用蛇腹管の支持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スロットルマシンのボックス内には、コイン貯留用ホッパーのシュートから流下するコインを受け入れて回収するコイン回収ホッパーが設けられており、該コイン回収ホッパーの底部開口部には線材をコイル状に巻回してなる蛇腹管が設けられ、該蛇腹管の下端部は、ボックス底板に形成した楕円形の切欠孔を介して下方に配設したコイン回収コンベアに臨ませて構成されている。
【0003】
ところが、上記切欠孔は予め一定位置に設定されて打抜き用のラインが形成されているので、ハンマーなどを利用して蛇腹管の挿入口を打抜いて使用しているが、機種によっては蛇腹管の挿入位置と合致しない場合があり、このため位置決めするのに工具を用いて切欠孔を加工修正することが必要となり、多大の手間がかかるという不具合があった。
【0004】
そのうえ、上記のような蛇腹管の支持構成では、楕円状の切欠孔の長辺対向間で蛇腹管を支持しているため、蛇腹管が切欠孔内で揺動して支持が不安定となり、コイン回収ホッパーからコインが流入すると、その重みで上下動してコイン回収コンベアとの隙間が小さくなって流れが悪くなる許りでなく、コイン貯留用ホッパーからコインがオーバーフローした場合には、当該コインが切欠孔の短辺と蛇腹管との間の隙間に詰まって蛇腹管を押圧し、コインが流下しなくなって蛇腹管内に溜り、回収コンベアに継送できなくなるという不具合があった。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記のような実状に鑑み、従来の不具合を解決すべく創案されたものであって、その意図するところは、蛇腹管の挿入口の位置を調節自在に位置決めできるようにして、既設の切欠孔を加工修正する手間を省き、どの機種にも対応できて簡単かつ着脱自在に装着できるとともに、蛇腹管の全外周面を挿入口の内周辺で抱持状に支持できるようにして、安定した状態でコインを下方に配設したコイン回収コンベアに円滑に流下させることができ、機種を新規の物に入替えした場合でも廃棄する必要が全くなく、単に切欠孔を打抜くのみで、そのまま反覆して使用することができるスロットルマシンにおけるコイン回収用蛇腹管の支持具を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本考案が採用した技術手段は、スロットルマシンのボックス底板の一側端部に位置して、奥行方向に載置装着される縦長矩形状の基板と、該基板の長手方向左右端縁に形成した案内溝を介して摺動自在に挿入される縦長矩形状の調節板とからなり、上記基板の略中央部には縦長矩形状または縦長楕円状の調節用空間部が形成され、案内溝側の隅部には長溝状の螺子止着部が形成されているとともに、調節板の略中央部にはコイン回収用蛇腹管の全外周面を抱持状に支持する円形の挿入口が形成され、長手方向の隅部には上記螺子止着部に対応して螺子孔が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットルマシンを複数横方向に列設した状態を示す概略正面図、図2はスロットルマシンの扉体を開放して示す概略斜視図、図3は同上要部側面図、図4(a)は支持具の基板の平面図、同図(b)は同上調節板の平面図、同図(c)は同上使用状態を示す平面図、図5はコイン回収用蛇腹管を支持した状態を示す斜視図であって、上記図1において、1はスロットルマシン、2は各スロットルマシン1,1……の台間または1台置きに配置されたコイン貸出機、3は横列の上方に設けられたコイン移送コンベア、4は横列の下方に設けられたコイン回収コンベアである。
【0008】
上記横列の一側端部には、コイン回収コンベア4で回収されたコインを研磨しながら揚送するコイン揚送装置5と、コイン要求信号を受けて所定数のコインをコイン移送コンベア3に送出するコイン送出装置6が設けられている。7はコイン取出し用シュートであって、該コイン取出し用シュート7はコイン移送コンベア3の一側に設けられたガイドレール(図示省略)と一体的に形成され、その底部開口部にはコイン補給用蛇腹管8が接続されており、該コイン補給用蛇腹管8は図2に示すスロットルマシン1のコイン補給口9に連通されている。
【0009】
図2において、10はスロットルマシンのボックスであって、該ボックス10にはコイン払出機11が設けられ、該コイン払出機11の上部にはコイン貯留用ホッパー12が設けられており、該コイン貯留用ホッパー12の上方には前記コイン補給口9が臨んでいる。13はボックス10の一側上部に設けられた制御基板、14はボックス10の前面に吊元側を支点として開閉自在に装着された扉体であって、該扉体14には回転ドラム15が設けられており、回転ドラム15の下方にはコイン払出口16が設けられている。
【0010】
上記コイン貯留用ホッパー12の一側には、図3に示すように、コイン回収用ホッパー17がコイン貯留用ホッパー12のコイン流下シュート12aの下方に臨ませて設けられており、その底部開口部にはコイン回収用蛇腹管18が設けられている。該コイン回収用蛇腹管18の下端部は、ボックス10の底板に形成した既設の楕円状切欠孔(図示省略)と、その上面に着脱自在に載置装着した支持具19に形成した後述の調節用空間部19dおよび挿入口19fを介して回収コンベア4上に臨んでいる。なお、上記既設の切欠孔の長辺対向間の間隔および調節用空間部19dの長辺対向間の間隔と挿入口19fの内径は略同一に形成されている。
【0011】
上記支持具19は図4(a),(b)(c)に示すように、スロットルマシン1のボックス10の底板の一側端部に位置して奥行方向に載置して装着される縦長矩形状の基板19aと、該基板19aの長手方向(奥行方向)の左右端縁に形成した案内溝19bを介して矢印Aに示す方向に摺動自在に挿入される縦長矩形状の調節板19cとによって構成されている。上記基板19aの略中央部には縦長矩形状または縦長楕円状の調節用空間部19dが形成されており、案内溝19b側の隅部には長溝状の螺子止着部19eが形成されている。
【0012】
一方、調節板19cの略中央部にはコイン回収用蛇腹管18の全外周面を抱持状に支持する円形の挿入口19fが形成されており、長手方向(奥行方向)の隅部には上記螺子止着部19eに対応して螺子孔19gが形成されている。
上記支持具19は鋼板で形成されているので、耐久性に優れており、したがって、機種を新規なものに入替えても、廃棄する必要が全くないとともに、螺子を介して着脱自在に装着されているので、これを取外すことにょって、そのまま反覆して使用することができる。
【0013】
次に叙上のように構成した支持具19を使用して、コイン回収用蛇腹管18を支持するにあたっては、先ず基板19aに案内溝19bを介して調節板19cを挿入した後、該支持具19をスロットルマシン1のボックス10の底板一側端部に予め形成されている既設の切欠孔の上面に載置する。
【0014】
次いで、調節板19cを矢印A方向に摺動調節して蛇腹管18の挿入口19fを位置決めし、螺子孔19gと螺子止着部19eを介してボックス10の底板に螺着してから挿入口19fに蛇腹管18を挿入すればよく、従来のように切欠孔を加工修正する必要は全くない。この場合、挿入口19fと連通する調節用空間部19dと既設の切欠孔の対向長辺間の間隔は、それぞれ蛇腹管19の外径と略同一となっているので、その下端部はボックス10の底板を貫通してコイン回収コンベア4上に臨ませることができる。
【0015】
その際、蛇腹管18の全外周面は図5に示すように、円形状に形成した挿入口19fの内周辺で抱持状に支持されるうえ、調節用空間部19dおよび既設の切欠孔の対向長辺によっても支持されるため、蛇腹管18の支持構造が三重構造となって安定した支持状態が保持されるので、従来の支持構造のように蛇腹管18が切欠孔内で揺動したり、流下するコインの重みで上下動したりすることがなく、コインを円滑にコイン回収コンベア4上に流下させることができる。
【0016】
【考案の効果】
以上の説明によって明らかなように、本考案によれば、蛇腹管の挿入口の位置を調節自在に位置決めできるようにしたから、従来のように切欠孔を加工修正する必要が全くなく、このため、加工修正の手間を省くことができ、どの機種にも対応できて簡単かつ着脱自在に装着できるとともに、蛇腹管の全外周面を挿入口の内周辺で抱持状に安定した状態で支持して、コインをコイン回収コンベアに円滑に流下させることができる許りでなく、機種を新規のものに入替えた場合でも、廃棄する必要が全くなく、単に切欠孔を打抜くのみで、そのまま反覆して使用できる等、極めて有用な実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】スロットルマシンを複数横方向に列設した状態を示す概略正面図
【図2】スロットルマシンの扉体を開放して示す概略斜視図
【図3】同上要部の側面図
【図4】(a)支持具の基板の平面図
(b)同上調節板の平面図
(c)同上使用状態を示す平面図
【図5】コイン回収用蛇腹管を支持した状態を示す斜視図
〔符号の説明〕
1 スロットルマシン
10 ボックス
17 コイン回収用ホッパー
18 コイン回収用蛇腹管
19 支持具
19a 基板
19b 案内溝
19c 調節板
19d 調節用空間部
19e 螺子止着部
19f 挿入口
19g 螺子孔

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】スロットルマシンのボックス底板の一側端部に位置して、奥行方向に載置装着される縦長矩形状の基板と、該基板の長手方向左右端縁に形成した案内溝を介して摺動自在に挿入される縦長矩形状の調節板とからなり、上記基板の略中央部には縦長矩形状または縦長楕円状の調節用空間部が形成され、案内溝側の隅部には長溝状の螺子止着部が形成されているとともに、調節板の略中央部にはコイン回収用蛇腹管の全外周面を抱持状に支持する円形の挿入口が形成され、長手方向の隅部には上記螺子止着部に対応して螺子孔が形成されていることを特徴とするスロットルマシンにおけるコイン回収用蛇腹管の支持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【登録番号】第3053887号
【登録日】平成10年(1998)8月26日
【発行日】平成10年(1998)11月17日
【考案の名称】スロットルマシンにおけるコイン回収用蛇腹管の支持具
【国際特許分類】
【評価書の請求】有
【出願番号】実願平10−3542
【出願日】平成10年(1998)5月8日
【出願人】(598067854)