説明

セラミックス製筒体およびそれを用いた熱電対保護管

【課題】本発明は、溶融金属が中空部に浸入し難い、低コストで製造可能なセラミックス製筒体を提供することを目的としている。
【解決手段】溶融金属に浸漬されるセラミックス製筒体であって、セラミックスからなる両端開口した筒状の本体部と、本体部の内周面に接する外周面ならびにその外周面に交差する一端面および一端面に対面する他端面を有する、本体部の一端側の開口内に挿着されたセラミックスからなる栓部と、栓部の外周面に形成された溝を有することを特徴とするセラミックス製筒体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム、亜鉛、鉄その他金属を溶融した溶融金属に浸漬され使用される有底のセラミックス製筒体およびそれを用いた熱電対保護管に係わる発明である。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野に係わる製品の一例として、例えば、図1に示す溶解炉で溶解された溶融金属の温度を測温する熱電対96を内蔵した測温装置90において、熱電対96を保護するために組み込まれる筒状の本体部80aとその一方端を塞ぐ栓部80bを備えた有底のセラミックス製の熱電対保護管(以下保護管と言う場合がある。)80が知られている。ここで、図1の測温装置90は、保護管80と端子箱95との間に介在するアダプタ91、延長管92、エルボー93、延長管94とを備え、これらの中に挿通された熱電対96は、保護管80の中空部80cの中に配置された支持部97で支持され、その先端が保護管80の栓部80bに接触するよう配置されている。なお、以下、従来技術の問題を明らかにするため、セラミックス製筒体の一例である保護管80を例として説明をするが、本発明は、保護管に限定されるものではない。
【0003】
ここで、従来のセラミックス製の保護管80は、中空部80cへの溶融金属の浸入を防止するため、本体部80aと栓部80bとは継ぎ目なく一体的に構成されている。そのため、保護管80は、金型成形やCIP(冷間静水圧プレス)などの成形方法で本体部80aと底部80bを一体的に成形した成形体を焼結することにより形成されていた。しかしながら、このような製造方法は、個々の保護管80ごとの単品製造となるため比較的製造コストが高く、その低コスト化を図るため、押出成形など生産効率の高い成形方法を用いて別個に準備した本体部80aと栓部80bを組み合わせて保護管80を形成する技術が要請されていた。
【0004】
上記要請に対応する先行技術が、下記特許文献1〜3に例示されている。特許文献1には、「セラミックス成形材料からなる筒状成形体の内壁面に有機物多孔体からなる封止材を固定し、前記筒状成形体の内側空間にセラミックススラリーを流し込んで前記封止材の上に堆積層を形成し、かつ少なくともこの堆積層の上端から下端に亘って前記筒状成形体の外壁面を覆う被覆材を設け、この状態で前記筒状成形体を乾燥し、次いで乾燥後の筒状成形体を焼成し、これにより前記封止材を消失させると共に一端の封じられたセラミックス筒状体を製造する、セラミックス筒状体の製造方法」、が開示されている。このセラミックス筒状体の製造方法によれば、正面断面図である図2(a)に示すように、別個に準備した本体部81aの一方端に接合された栓部81bを有する保護管81を形成することが可能となる。
【0005】
また、特許文献2には、「セラミックチューブの一端にセラミック製の底板を固定してセラミックチューブの一端を塞いだ構造の端部を封じたセラミックチューブにおいて、前記セラミック製の底板および前記セラミックチューブの底板近傍の内部全体にセラミック層を設けたことを特徴とする端部を封じたセラミックチューブ」、およびそのセラミックスチューブの製造方法として、「セラミックチューブの封じるべき端部全体をスラリー中にディッピングし、スラリーをディッピングしたセラミックチューブの端部に、セラミック製の底板を接合した後、焼成することを特徴とする端部を封じたセラミックチューブの製造法」、が開示されている。この製造法によれば、正面断面図である図2(b)に示すように、別個に準備した本体部82aの一方端にセラミック層82eで接合された栓部82bを有する保護管82を形成することが可能となる。
【0006】
さらに、特許文献3には、「外側セラミックス体の内側に、これと同材質で密度が大なる内側セラミックス体を設け、これら両セラミックス体を加熱して接合することを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法」、が開示されている。このセラミックス焼結体の製造方法によれば、正面断面図である図2(c)に示すように、別個に準備した本体部83aの一方端の開口内に接合された栓部83bを有する保護管83を形成することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−84732号公報
【特許文献2】特開平7−214535号公報
【特許文献3】特開昭55−7544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
かかる特許文献1〜3に開示された技術では、保護管81〜83を構成する本体部81a〜83aと栓部81b〜83bを別個に製造し、それらを組合せて保護管81〜83を形成するので、生産効率が高まり保護管81〜83の低コスト化を図れるものの、以下の問題があった。すなわち、図2に示すように、特許文献1〜3の技術で形成された保護管81〜83では、本体部81a〜83aに栓部81b〜83bが一体的となるよう接合されるため、いずれの場合も接合界面81d〜83dが形成される。この接合界面81d〜83dの接合強度が低い場合や接合界面81d〜83dに欠陥が生じている場合、そのような保護管81〜83を溶融金属に浸漬すると熱応力により破損が生じる虞がある。また、保護管81〜83の破損に至らない場合でも、低強度および欠陥を起因として接合界面81d〜83dに間隙が生じ、その間隙を通じ中空部81c〜83cへ溶融金属が浸入し、熱電対を損傷させる虞がある。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題を鑑みてなされたものであり、溶融金属が中空部に浸入し難い、低コストで製造可能なセラミックス製筒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記特許文献1〜3の技術で製造されたセラミックス製筒体(保護管)における問題は、本体部81a〜83aと栓部81b〜83bとが一体的となるよう接合した場合に形成される接合界面81d〜83dが起因となっていることに鑑み、筒状の本体部の一方の開口内に栓部を挿着し、非一体的に栓部を本体部に接合したセラミックス製筒体を構成すること、一方で、そのように非一体的に接合されている本体部と栓部との接触界面から溶融金属が浸入することを防止するため、本体部または栓部のいずれかの接触面に溝を形成することを想到し、本発明を完成させたものである。
【0011】
すなわち、本発明の一態様は、溶融金属に浸漬されるセラミックス製筒体であって、セラミックスからなる両端開口した筒状の本体部と、本体部の内周面に接する外周面ならびにその外周面に交差する一端面および一端面に対面する他端面を有する、本体部の一端側の開口内に挿着されたセラミックスからなる栓部と、栓部の外周面に形成された溝を有することを特徴とするセラミックス製筒体である。
【0012】
栓部に設ける溝は、栓部の外周面の円周方向に沿い形成されている形態であってよく、この場合には、本体部の長手方向において、複数条、並列するように形成することや、螺旋状に形成することが好ましい。また、栓部に設ける溝は、本体部の長手方向に沿い、屈曲状に形成してもよい。
【0013】
また、上記溝に替え、栓部の外周面に形成された有底孔を有するようセラミックス製筒体を構成してもよい。この有底孔は、複数個形成されていることが望ましく、さらに千鳥状に配置されていればより望ましい。
【0014】
なお、上記溝または有底孔は、栓部の外周面に替え、栓部が挿着される本体部の内周面に形成されていてもよいが、溝または有底孔に配置された耐熱性のシール部を有することが望ましい。
【0015】
本発明の別の態様は、上記いずれかのセラミックス製筒体を用いた熱電対保護管であって、その栓部の熱伝導率は、本体部の熱伝導率よりも高いことを特徴とする熱電対保護管である。なお、本体部の長手方向における断面視において、栓部には薄肉部が設けられていることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、その目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】熱電対保護管が組み込まれた測温装置の概略構成図である。
【図2】特許文献1〜3の技術により製造される熱電対保護管の正面断面図である。
【図3】図3(a)は本発明に係わる第1態様の熱電対保護管の正面断面図、図3(b)は図3(a)のA部拡大図である。
【図4】図3(a)の熱電対保護管の好ましい態様である熱電類保護管の拡大断面図である。
【図5】図3(a)の熱電対保護管の栓部の第1〜4変形例を示す正面図である。
【図6】本発明に係わる第2態様の熱電対保護管の正面断面図である。
【図7】図7(a)は本発明に係わる第3態様の熱電対保護管の正面断面図、図7(b)は図7(a)の栓部の外周面の展開図、図7(c)およびは図7(d)は、図7(b)の栓部の第1および第2変形例の栓部の外周面の展開図である。
【図8】図3(a)の熱電対保護管の製造方法を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明について、その第1実施形態および第2実施形態ならびにそれらの変形例に基づき、図面を参照しつつ説明する。なお、以下、セラミックス製筒体である熱電対保護管を例にして、本発明を説明するが、本発明は熱電対保護管に限定されることなく、加熱体保護管(ヒータチューブ)その他溶融金属に浸漬される一方端が閉塞された有底のセラミックス製筒体であって、特にその中空部への溶融金属の浸入を防止すべき用途のセラミックス製筒体に好適に利用することができる。また、以下記載する保護管の各構成要素は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、単独にまたは適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0019】
[第1実施態様]
本発明に係わる第1実施態様の保護管について、図3(a)および(b)を参照して説明する。第1態様の保護管10は、上端側の開口10bおよび下端側の開口10cを有する筒状の本体部10aと、本体部10aの下端10cの側の開口内に挿着された栓部1を有している。以下、本体部10aおよび栓部1それぞれの構成について、詳細に説明する。
【0020】
[本体部]
セラミックスからなる略円筒形状の本体部10aは、熱電対96が挿通される中空部10dを有し、その上端および下端が開口10b・10cとなっている。なお、本体部10aの内周面10eは、研削加工などが施された加工肌であってもよいが、保護管10を低コストで製造するためには加工を施さないことが望ましく、焼結したままの肌である焼結肌であることが望ましい。本発明によれば、本体部10aの内周面10eが粗面である焼結肌であっても、その内周面10eと栓部1との接触界面1f(図3(b)参照)における溶融金属の浸入を防止することができる。また、本体部10aの形状は略円筒形状に限定されることなく、当該本体部10aの短手方向(以下単に短手方向と言う。)の外縁の断面視は、楕円形状・矩形状・三角形状などであってもよく、中空部10dが存在していればよい。さらに、本態様のように長尺の本体部のみならず、略円環状である短尺の本体部も、本発明の範囲内に含まれる。
【0021】
なお、本態様のセラミックス製筒体のように、その用途が熱電対96の保護管10の場合には、中空部10dからの放熱を抑制しその雰囲気温度を一定とするため、本体部10aの熱伝導率が低いセラミックス焼結体で構成することが望ましい。そのように熱伝導率の低いセラミックス焼結体としては、酸化物、炭化物、硼化物および窒化物ならびにそれらの複合物その他各種セラミックスを焼結した焼結体で本体部10aを形成することができるが、高温の溶融金属に浸漬され優れた高温強度・靭性、耐蝕性、耐熱性が要求される保護管10の場合には、600〜800℃における熱伝導率が20W/(m・K)以下、好ましくは15W/(m・K)以下の窒化珪素質セラミックス焼結体、特に酸窒化物であるサイアロン焼結体で本体部10aを形成することが望ましい。以下、サイアロン焼結体の材料構成およびその製造方法について図8を参照しつつ詳述する。
【0022】
本体部10dを構成するサイアロン焼結体はβ´サイアロンを主成分とし、これの粒界にはSi−Al−Y−O−Nからなると考えられる粒界相が存在する実質的にはサイアロン−粒界相の2相混合組織からなる。ここでβ´サイアロンの組成は組成式Si6−zAlzOzN8−zで表され、zの値は0〜4.2の範囲をとれるが、望ましくはz=0〜1が適当である。
z値が大きくなると、サイアロン中へのAl、Oの固溶量が多くなるため、焼結性が低下し、構造部品として耐え得る程度の高密度焼結体が得られなくなるためである。なお、焼結体中における粒界相の総量は20wt%以下であることが望ましい。粒界相の総量が20wt%以下の場合、粒界相が母材であるサイアロン粒子の間に分散して存在するため、クラックが発生した時、粒界に沿ってクラックが蛇行し、高い靱性を持つ焼結体が得られるのに対し、20wt%を越えると、直径1μm以上の粒界相の大きな塊が出現し、クラックが粒界で蛇行せず大きな粒界中を直進するため、粒界相組成を最適化して粒界相の靱性を改善しても靱性が低下するからである。
【0023】
上記サイアロン焼結体である本体部10aは、次のようなプロセスで製造される。すなわち、原料粉末としてSi粉末、Al粉末、Y粉末、SiO粉末、AlN粉末を準備する。Si粉末それ自体α−Si粉末、β−Si粉末いずれでも用いることができ、それらの粒径は0.3〜3.0μmであることが望ましい。AlN固溶体粉末およびAlN粉末は、β´サイアロンの合成反応を起こさせるために添加し、Si粉末及び焼結助剤と以下の反応式に従いβ´サイアロンを合成する。
(6−z)Si+zAlN+zAl→3Si−zAlzOzN−z
(4−z)Si+2zAlN+zSiO→2Si−zAlzOzN−z
【0024】
Si粉末を84〜97wt%、Al粉末を1〜5wt%、Y粉末を1〜7wt%、AlN粉末を1〜4wt%の割合となるよう、これらの原料粉末を秤量、配合し、有機バインダーを加え、湿式で混合した後、所定の混合粉末を得る。このようにして得られた混合粉末を使用し、図8(a)に示す成形工程S11において、金型成形・押出成形その他周知の成形方法により成形し筒状の成形体を形成する。次いで、脱脂工程S13において、得られた筒状の成形体を公知の脱脂方法、例えば大気中脱脂・雰囲気中脱脂等により、混合時に加えた有機バインダーを成形体中から取り除く。その後、焼結工程S14において、脱脂された成形体を公知の焼結方法、例えば常圧焼結・ガス圧焼結・ホットプレス等で焼結し、緻密なサイアロン焼結体である本体部10aが形成される。
【0025】
焼結工程S14における焼結温度は、高温にし過ぎると、Siの分解反応が起こるため、1900℃以下、特に1700〜1800℃の窒素ガス含有非酸化性雰囲気であることが望ましい。この焼結によれば、添加したAlN粉末及びAl粉末の一部は、Si中に固溶しβ´サイアロンを形成するが、残ったAl及び添加したY粉末、Si表面に存在していたSiOは粒界相を形成する。この時の粒界相は、主成分はSiO、Al、Yからなる複合酸化物であるが、一部窒素も固溶し、実質的にはSi−Al−Y−O−Nからなる複合酸窒化物を形成するものと考えられる。なお、粒界相中の窒素は酸素に対し置換固溶するがその量は0〜40wt%である。
【0026】
[栓部]
次に、有底の保護管10の底部分を構成するセラミックスで構成された栓部1について説明する。本体部10aの長手方向(以下単に長手方向と言う。)において、当該本体部10aの下端(一端)側の開口1cの内に挿着される略円板形状の栓部1は、図3(b)に示すように、本体部10aの内周面10eに接する外周面1a、その外周面1aと交差するとともに外部に露出する下端面(一端面)1cと、下端面1cに対面するとともに中空部1dに露出する上端面(他端面)1bとを有している。なお、栓部1の直径は、後述する本体部10aとの組立を接着により行う場合には、中空部10dよりもやや小さくし、焼嵌めまたは冷嵌めにより行う場合には、焼嵌(冷嵌)率に応じてやや大きくすればよい。また、その短手方向の形状も略円板形状に限定されず、本体部10aの中空部10dの形状に応じ適宜な形状に形成すればよい。
【0027】
図3(a)において符号1hは、本態様の栓部1において好ましい構成要素として配置されている、短手方向において上端面1bの中央に設けられた凹部1iにより形成された薄肉部である。溶融金属からの伝熱時間の短い薄肉部1hの上面(凹部1iの底面)に、熱電対96の先端が接触するように配置することで、溶融金属の温度変化を的確に測温し、その測温データに基づき温度変化に対する溶融炉の加熱制御などを適時に正確に実施することが可能となる。
【0028】
ここで、図3(b)に示すように、栓部1の外周面1aには、長手方向において、その下端面1cと上端面1bとの間に、外周面1aの円周方向に沿い溝1dが形成されている。すなわち、栓部1の外周面1aに略円環状に形成された溝1dは、下端面1cまたは上端面1bを含まないよう、長手方向において当該外周面1aの略中央部に、各々外部および中空部1bにその表面が露出しない状態で配置されている。さらに、本態様の溝1dの長手方向に沿う断面形状は、溶融金属への浸漬時に発生する熱応力による肉厚急変部おける栓部1の破損を防止するため、2辺1gおよび1hが同長の二等辺三角形状をなしており、その底部1eには、切欠効果を抑制するためR面が形成されている。なお、栓部1の外周面1aは、研削加工などが施された加工肌であってもよいが、保護管10を低コストで製造するためには加工を施さないことが望ましく、焼結したままの肌である焼結肌であることが望ましい。本発明によれば、栓部1の外周面1aが粗面である焼結肌であっても、その外周面1aと本体部1aの内周面10eとの接触界面1fにおける溶融金属の浸入を防止することができる。
【0029】
なお、本態様のセラミックス製筒体のように、その用途が熱電対96の保護管10の場合には、栓部1を通じる溶融金属からの伝熱速度をより向上させ、溶融金属の温度変化をより的確に測温するため、栓部1は、本体部10aに対し熱伝導率が高いセラミックス焼結体で構成することが望ましい。そのように熱伝導率の高いセラミックス焼結体としては、酸化物、炭化物、硼化物および窒化物ならびにそれらの複合物その他各種セラミックスを焼結した焼結体で本体部10aを形成することができるが、高温の溶融金属に浸漬されるため、優れた高温強度・靭性、耐蝕性、耐熱性が要求される保護管10の場合には、600〜800℃における熱伝導率が20W/(m・K)、好ましくは30W/(m・K)を超え、熱膨張係数が2.0〜3.0(×10−6/℃)である本体部10aを構成するサイアロン焼結体と近似する、窒化珪素質セラミックス焼結体で栓部1を形成することが望ましい。以下、そのような窒化珪素質セラミックス焼結体の材料構成およびその製造方法について図8を参照しつつ詳述する。
【0030】
窒化珪素質セラミックス焼結体中に存在するアルミニウム及び酸素はフォノン散乱源となり、熱伝導率を低減させる。窒化珪素質セラミックス焼結体は、窒化珪素粒子とその周囲の粒界相とから構成され、アルミニウム及び酸素はこれらの相に含有される。アルミニウムは珪素に近いイオン半径を有するため、窒化珪素粒子内に容易に固溶する。アルミニウムの固溶により窒化珪素粒子自身の熱伝導率が低下し、窒化珪素セラミックスの熱伝導率は著しく低下する。従って、窒化珪素セラミックス中におけるアルミニウムの含有量はできるだけ少なくしなければならない。
【0031】
また、焼結助剤として添加する酸化物中の酸素の多くは粒界相に存在する。窒化珪素セラミックスの高熱伝導率化を達成するには、窒化珪素粒子に比べて熱伝導率が低い粒界相の量を低減することが必要である。焼結助剤の添加量の下限は、8.5%以上の相対密度を有する焼結体が得られる量である。焼結助剤の添加量をこの範囲内でできるだけ少なくすることにより、粒界相中の酸素量を低減させる必要がある。
【0032】
酸素量の少ない窒化珪素粉末を原料とすると、粒界相中の酸素量が低減できるために粒界相の量自体を低減でき、焼結体の高熱伝導率化が達成されるが、焼結過程で生成するSiOの量の減少により難焼結性となる。ところが、他の酸化物より焼結性に優れたMgOを焼結助剤として用いると、焼結助剤の添加量を少なくして、緻密な焼結体を得ることができる。その結果、焼結体の熱伝導率は飛躍的に高くなる。
【0033】
マグネシウムとともに添加し得る焼結助剤としては、Y、La、Ce、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb,Lu等の周期律表第3族(後述)が挙げられる。なかでも、焼結温度及び圧力が高くなり過ぎないという点で、Y、La、Ce、Gd、Dy、Ybが好ましい。
【0034】
600〜800℃における熱伝導率が20W/(m・K)を超える窒化珪素質セラミックス焼結体とするためには、その酸素含有量は5wt%以下とする必要がある。また、窒化珪素粒子中の酸素含有量は、上記温度域において20W/(m・K)を超える熱伝導率を得るには2.5wt%以下とする必要がある。さらに窒化珪素質セラミックス焼結体中のアルミニウムの含有量は、上記温度域において20W/(m・K)を超える熱伝導率を得るには0,2wt%以下とする必要が有る。
【0035】
窒化珪素質セラミックス焼結体中のマグネシウム(MgO換算)と周期律表第3族元素酸化物の合計量は0.6〜7wt%であるのが好ましい。その合計量が0.6wt%未満では、焼結体の相対密度が95%未満と不十分である。一方7wt%を超えると、熱伝導率の低い粒界相の量が過剰となり、600〜800℃における焼結体の熱伝導率が20W/(m・K)以下となる。MgO+第3族元素酸化物は0.6〜4wt%であるのがより好ましい。
【0036】
MgO/第3族元素酸化物の重量比は1〜70が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5が最も好ましい。MgO/第3族元素酸化物が1未満では、粒界相中の希土類酸化物の割合が多すぎるため、難焼結性となり緻密な焼結体が得られない。また、MgO/第3族元素酸化物が70を超えると焼結時におけるMgの拡散を抑制できず、焼結体表面に色むらが生じる。MgO/IIIAが1〜70の範囲にあると、1650〜1850℃での焼結により高熱伝導率化が著しい。焼結体を1800〜2000℃で熱処理すると、さらに高熱伝導率化される。熱処理による高熱伝導率化は、窒化珪素粒子の成長と蒸気圧の高いMgOの揮発による。
【0037】
窒化珪素粒子中のアルミニウム、マグネシウム及び周期律表第3族元素の合計量は1 . 0wt% 以下であるのが好ましい。
【0038】
窒化珪素質セラミックス焼結体中のβ型窒化珪素粒子のうち、短軸径が5μm以上のβ型窒化珪素粒子の割合が10vol%超では、焼結体の熱伝導率は向上するが、組織中に導入された粗大粒子が破壊の起点として作用するため破壊強度が著しく低下し、700Mpa以上の曲げ強度が得られない。従って、窒化珪素質セラミックス焼結体中のβ型窒化珪素粒子のうち、短軸径が5μm以上のβ型窒化珪素粒子の割合は10vol%以下であるのが好ましい。同様に、組織中に導入された粗大粒子が破壊の起点として作用することを抑えるために、β型窒化珪素粒子のアスペクト比は15以下であるのが好ましい。
【0039】
上記窒化珪素質セラミックス焼結体である栓部1は、次のようなプロセスで製造される。すなわち、原料粉末としてSi粉末を88〜98wt、焼結助剤粉末として例えばMgO粉末を1〜6wt、Y粉末を1〜6wt%の割合となるよう、これらの原料粉末を秤量、配合し、有機バインダーを加え、湿式で混合した後、所定の混合粉末を得る。このようにして得られた混合粉末を使用し、図8(a)に示す成形工程S21において、金型成形・押出成形その他周知の成形方法により成形し略円板形状の成形体を形成する。次いで、必要に応じ加工工程S22を設け、成形工程S21で得られた成形体の外周面に、焼結後に溝1d(図3(b)参照)となる溝を加工により形成する。なお、成形工程S21で溝が形成される場合には、加工工程S22は不要である。その後、脱脂工程S23において、得られた筒状の成形体を公知の脱脂方法、例えば大気中脱脂・雰囲気中脱脂等により、混合時に加えた有機バインダーを成形体中から取り除く。その後、焼結工程S24において、脱脂された脱脂体を公知の焼結方法、例えば常圧焼結・ガス圧焼結・ホットプレス等で焼結し、緻密な窒化珪素質セラミックス焼結体である栓部1が形成される。
【0040】
次いで、図8(a)に示す組立工程S5において、上記成形工程S21〜焼結工程S24で形成された図3(a)・(b)に示す栓部1を、これとは別個の成形工程S11〜焼結工程S14で形成された本体部10aの下端側の開口1cの中に挿着・固定して保護管10を形成する。この際、栓部1の外周面1aにセラミックス系接着剤(例えば、東亜合成製・アロンセラミック)を塗布し、栓部1の外周面とクリアランスを有するよう形成した本体部10aの開口1cに栓部1を装着し、固定してもよい。また、本体部10aの開口1cに栓部1を焼嵌めまたは冷嵌めにより挿着し、固定してもよい。この場合、焼嵌め率(冷嵌め率)は0.01/1000〜0.5/1000の範囲内であるのが好ましい。焼嵌め率が0.01/1000未満であると、本体部10aによる栓部1の締付け力が不十分であり、栓部1が中空部10dから脱落するおそれがある。また焼嵌め率が0.5/1000を超えると締付け力が大きくなりすぎ、本体部10aまたは栓部1が破損するおそれがある。より好ましい焼嵌め率は0.2/1000〜0.3/1000である。
【0041】
上記のように本体部10aと栓部1を組み立てた保護管10には、図3(b)に示すように、その開口1cに挿着された栓部1の外周面1aと当該外周面1aに接触している本体部10aの内周面10eとの間に、接触界面1fが形成されている。このように、本態様の保護管10では本体部10aと栓部1とは一体的に接合されていないため、接合界面に存在する欠陥やその強度不足による保護管10の破壊は生じないものの、その接触界面1fを通じて溶融金属Mが中空部10dに浸入する可能性がある。特に、栓部1の外周面1aおよび本体部10aの内周面10eが共に焼結肌の場合には、図示するように粗面である両面の接触界面1fに溶融金属Mが浸入可能な隙間が形成される可能性がある。また、栓部1の外周面1aおよび本体部10aの内周面10eともに加工肌である場合であっても、本体部10aと栓部1との熱膨張の差や使用による破損に起因し、溶融金属Mが浸入可能な隙間が接触界面1fに形成される可能性もある。
【0042】
ここで、本態様の栓部1の外周面1aには上記構成の溝1dが設けられており、この溝1dには、中空部1dに露出する上端面1bと相対する上辺1gが存在する。セラミックスで構成された本体部10aおよび栓部1で画成された空間である中空部1dは、溶融金属中にあっても比較的低温に保たれており、溝1dの上辺1gは表面積が広く放熱性が高い。しかして、接触界面1fを通じ溝1dに流入した溶融金属Mが溝1dの上辺1gに接触すると、矢印Bで示すように溶融金属Mの熱が栓部1に放熱され、溝1dの上辺1gに接触した溶融金属Mは凝固し、自らが、それ以上の溶融金属Mの浸入を阻止するシールとなるという自己シール性を発現する。この溝1dの作用は、熱伝導率の高いセラミックスで栓部1を構成すると、より効果的に奏することができる。これにより、接触界面1fを通じ浸入した溶融金属Mの移動は、この溝1dで阻止され、溝1dよりも上方への溶融金属Mの侵入が抑制され、熱電対96が配置された保護管10の中空部10dへの溶融金属Mの流入を防止することが可能となる。なお、溝1dの上辺1gにおける放熱性を高めるためには、当該上辺1gの表面に微小な凹凸や溝を設け、表面積をより大きくすることが望ましい。
【0043】
浸入した溶融金属Mに自己シール性を発現させる溝1dの作用をより効果的に発揮する、好ましい態様である保護管20〜40について、その部分拡大断面図である図4(a)〜(c)を参照しつつ説明する。なお、図4において上記保護管10と同一の構成要素については、同一符号を付しており、詳細な説明を省略する(以下、図5を参照して説明する第1態様の栓部1の変形例ならびに図6および7を参照して説明する第2・第3態様の保護管において同様である。)。
【0044】
図4(a)に示す保護管20は、基本的には、第1態様の保護管10と同一の構成であるが、その栓部2の外周面1aに形成された溝1dは、長手方向において当該外周面1aの上方に形成されており、長手方向において溝1dの上辺1gの上方の肉厚t1が、下辺1hの下方の肉厚t2より薄い点で、保護管10と相違している。このように、溝1dの上辺1gの上方の肉厚t1を薄肉とすることで、当該上辺1gに接触する溶融金属Mの放熱性を高め、溶融金属Mの自己シール性を向上することが可能となる。
【0045】
図4(b)に示す保護管30も、基本的には、第1態様の保護管10と同一の構成であるが、その栓部3の外周面1aに形成された溝3dは、長手方向に沿う断面視において、その上辺3gの長さが下辺3hよりも長い不等辺三角形状である点で、保護管10と相違している。このように、溝3dの上辺3gを長くして表面積をより大きくすることにより、当該上辺3gに接触する溶融金属Mの放熱性を向上することができ、溶融金属Mの自己シール性を高めることが可能となる。
【0046】
図4(c)に示す保護管40も、基本的には、上記保護管10と同一の構成であるが、溝1dの中にペースト状の耐熱シール材(例えば、日本ルツボ製・スーパー3000)で形成されたシール部Sを有する点で相違している。このように配置したシール部Sと溝1dとの相乗により、接触界面1fを通じ保護管40の下面から浸入した溶融金属Mの溝1dから上方への移動をより効果的に阻止することが可能となる。
【0047】
保護管10の開口1cに挿着する栓部の第1〜第4変形例について、それらの正面図である図5(a)〜(d)を参照して説明する。図5(a)に示す第1変形例の栓部4は、その外周面1aに、長手方向において、3条、並列するように形成された略円環状の溝4dを有しており、溝4dの長手方向における断面形状は略U字形状である。なお、溝は、必ずしも長手方向に並列している必要はなく、図5(b)に示す第2変形例の栓部5のように、平行でない2条の溝5dが配置されていてもよい。また、図5(c)に示す第3変形例の栓部6のように、長手方向における断面形状が略半円形状が溝6dを、その外周面1aに螺旋状に形成してもよい。さらに、溝は、栓部の一端面1cと他端面1bの間に配置されていればよく、図5(d)に示す第4変形例の栓部7のように、その外周面1aに、長手方向に沿い屈曲状に形成した溝7dを形成してもよい。この場合には、円周方向において所定の間隔で複数条の溝7dを形成することが望ましい。以上説明した栓部4〜7のように、その外周面1aに、長手方向において複数の溝4d〜7dを形成することにより、溶融金属Mの浸入を効果的に阻止することが可能となる。
【0048】
上記第1態様の保護管10の製造方法について、図8(a)を参照してその一例を説明したが、保護管10は次の方法によっても製造することができる。すなわち、図8(b)に示すように、成形工程S31および脱脂工程S33を経た成形体である略円筒形状の本体部と、成形工程S41乃至脱脂工程S43を経た成形体である略円板形状の栓部とを準備する。そして、組立工程S6において、本体部の一端側の開口の中に栓部を挿着して組立体を形成し、その後の焼成工程S7において、この組立体を焼成し、焼結体である保護管を形成する(図3(a)参照)。なお、焼成後の保護管10において、本体部10aの下端側の開口10cの中に栓部1を確実に固定するためには、成形体である本体部の収縮率が成形体である栓部の収縮率よりも高くなるよう、例えば双方の成形密度に差異を設けることが好ましい。また、第1態様の保護管10の場合には、本体部10aと栓部1とが一体的に接合されることは避ける必要があるため、組立工程S6において本体部と栓部の接触界面に、例えば窒化硼素(BN)粉末などの接合防止剤を配置し、焼成工程S7において両者が接合されることを防止するようにしてもよい。
【0049】
[第2実施態様]
本発明に係わる第2実施態様の保護管50について、その正面断面図である図6を参照しつつ説明する。第2態様の保護管60は、基本的には第1態様の保護管10と同様な構成であるが、図6に示すように、セラミックスからなる略円筒形状の本体部50aの内周面10eに溝1dが形成されている点で、保護管10と相違している。すなわち、第2態様の保護管50では、保護管10の栓部1の外周面1aに形成されたものと同様な溝1dが、図6に示すように、本体部50aの内周面10eであって、長手方向においてセラミックスからなる略円板形状の栓部8が挿着される部分、つまり本体部50aの下端側の開口10cに挿着された栓部8の上端面1bと下端面1cの間に形成されている。この第2態様の保護管50においても、その本体部50aの内周面10eに形成された溝1dは上記した作用を奏し、溝1dに浸入した溶融金属の自己シール性を発現させる。
【0050】
[第3実施態様]
本発明に係わる第3実施態様の保護管60について、図7を参照しつつ説明する。ここで、図7(a)は第3態様の保護管60の正面断面図、図7(b)は図7(a)の保護管60の栓部9の外周面1aを展開した展開図、図7(c)および(d)は、図7(b)の栓部9の第1および第2変形例に係わる栓部11・12の外周面1aを展開した展開図である。
【0051】
第3態様の保護管60は、図7(a)に示すように、基本的には第1態様の保護管10と同様であるが、保護管10の栓部1の外周面1aに形成された溝1dに替え、図7(b)に示すように、長手方向において上端面1bと下端面1cとの間に位置するよう、その栓部9の外周面1aに形成された有底孔9dを有する点で、相違している。なお、短手方向において、栓部9を貫通するよう孔を形成すると、栓部9の熱伝導を損なうため好ましくなく、栓部9に形成する孔は、熱電対が接触する領域に底部が届かない有底孔9dとする必要がある。
【0052】
第1態様の保護管10の溝1dと同様な作用を効果的に発揮させるためには、有底孔9dは、図7(b)に示すように、栓部9の外周面1aの同一円周上に複数個、並設することが望ましいが、その配置間隔は等間隔でもよく、不等間隔でもよい。また、長手方向に沿い流動する溶融金属Mの浸入を確実に阻止するためには、長手方向において複数列、有底孔9dを配置することが望ましく、図7(b)に示すように、有底孔9dを千鳥状に配置すれば隙間無く有底孔9dを配置できるのでより望ましい。また、長手方向に沿う断面視における有底孔9dの形状は、溝1dと同様、略三角形状、U字形状、半円形状その他肉厚急変部の少ない形状とすることが望ましい。この第3態様の保護管60においても、その栓部9の外周面1aに形成された有底孔9dは、上記した第1態様の溝1dと同様な作用を奏し、有底孔9dに浸入した溶融金属の自己シール性を発現させる。
【0053】
ここで、図7(b)の栓部9に形成した有底孔9dは、短手方向から外周面1aを眺めた場合の形状が円形状である。しかしながら、その第1変形例である栓部11として図7(c)に示すように、その外周面1aには、長孔状に形成した有底孔11dを配置してもよい。加えて、栓部11の外周面1aには、円形状の有底孔9と長孔状の有底孔11の双方とも混在して配置するようにしてもよく、この場合には、長手方向において有底孔11の端が有底孔9と重複するよう、有底孔9dの2つの列の間に有底孔11の列を配置することが望ましい。
【0054】
また、図7(b)の栓部9の第2変形例である栓部12として図7(d)に示すように、その外周面1aに、有底孔9dと溝1dとの双方を設けてもよい。この場合、図示するように、有底孔9dを貫通するように溝1dを設けてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1(2〜9、11、12) 栓部
1a 外周面
1b 上端面
1c 下端面
1d(3d〜7d) 溝
9d(11d) 有底孔
10(20〜60) 保護管
10a(50a) 本体部
10b(10c) 開口
10d 中空部
10e 内周面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属に浸漬されるセラミックス製筒体であって、セラミックスからなる両端開口した筒状の本体部と、前記本体部の内周面に接する外周面ならびに前記外周面に交差する一端面および前記一端面に対面する他端面を有する、前記本体部の一端側の開口内に挿着されたセラミックスからなる栓部と、前記栓部の外周面に形成された溝を有することを特徴とするセラミックス製筒体。
【請求項2】
前記溝は、前記栓部の外周面の円周方向に沿い形成されている請求項1に記載のセラミックス製筒体。
【請求項3】
前記溝は、前記本体部の長手方向において、複数条、並列するように形成されている請求項2に記載のセラミックス製筒体。
【請求項4】
前記溝は、螺旋状に形成されている請求項2に記載のセラミックス製筒体。
【請求項5】
前記溝は、前記本体部の長手方向に沿い、屈曲状に形成されている請求項1に記載のセラミックス製筒体。
【請求項6】
前記溝に替え、前記栓部の外周面に形成された有底孔を有する請求項1に記載のセラミックス製筒体。
【請求項7】
前記有底孔は複数個形成されている請求項6に記載のセラミックス製筒体。
【請求項8】
前記有底孔は千鳥状に配置されている請求項7に記載のセラミックス製筒体。
【請求項9】
前記溝または前記有底孔は、前記栓部の外周面に替え、当該栓部が挿着される前記本体部の内周面に形成されている請求項1乃至8のいずれかに記載のセラミックス製筒体。
【請求項10】
前記本体部の長手方向に沿う前記溝または前記有底孔の断面形状は、略三角状、略U字形状または略半円形状である請求項1乃至9のいずれかに記載のセラミックス製筒体。
【請求項11】
前記溝または有底孔に配置された耐熱性のシール部を有する請求項1乃至10のいずれかに記載のセラミックス製筒体。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかのセラミックス製筒体を用いた熱電対保護管であって、前記栓部の熱伝導率は、前記本体部の熱伝導率よりも高いことを特徴とする熱電対保護管。
【請求項13】
前記本体部の長手方向における断面視において、前記栓部には薄肉部が設けられている請求項12に記載の熱電対保護管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−19772(P2013−19772A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153562(P2011−153562)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【Fターム(参考)】