説明

セラミド類含有組成物

【課題】携帯性に優れ、簡便に美味しく摂取可能なセラミド類高含有の組成物を提供する。
【解決手段】セラミド類、基材及び湿潤剤を混合して顆粒状の湿粉体を得、得られた湿粉体を乾燥させずに圧縮成型し、その後乾燥させることにより得られる塊状のセラミド類含有組成物であって、該セラミド類含有組成物がその内部に多孔性の空隙を有し、落雁状又はラスク状であることを特徴とするセラミド類含有組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塊状のセラミド類含有組成物に関し、詳しくは、セラミド類を高含有量で配合することが可能で、且つセラミド類が高含有であるにも拘らず嗜好性に優れ、多量に美味しく摂取が可能であり、携帯性もよい塊状のセラミド類含有組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
美しい肌を保つためには、皮膚のお手入れをするのみならず、バランスのよい食事の摂取による身体の健康を維持することも必要であると言われている。昨今では、シワ等の皮膚局所症状の改善を皮膚外用剤にのみ依存することは片手落ちであるとの見方も出てきている。皮膚外用剤の効果を高める目的で、美肌のための経口投与組成物を用いる研究が進められてきている。
【0003】
セラミドは、角層の細胞間脂質の構成成分の一つで、スフィンゴ脂質に属し、皮膚の保湿、肌荒れの防止、改善効果を有する等、その生体調整機能が近年注目されている。セラミドを外用剤又は化粧料に配合して皮膚に適用すると、保温効果の向上や、肌荒れの予防又は改善に有効であることが広く知られている。
【0004】
一方、セラミド類を食品として摂取することにより、肌の保湿効果が高まることや(例えば、非特許文献1参照)、美肌、美容効果を発揮すること報告されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このようにセラミド類は美しい肌を保つために積極的に摂取したい成分であるが、セラミド類を単独で摂取しようとすると、セラミド類は、苦味、渋味、えぐみが著しく強いため摂取が困難である。そこで、セラミド類が舌へ直接触れないよう、錠剤、ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤や糖衣錠へ加工することで、苦味、渋み、えぐみを和らげたり、あるいは感じ難くする工夫が採られている。しかしながら、これらの剤型は摂取時に水を必要とするため、簡便性や携帯性、また摂取する場所等に問題があった。また、健康食品市場の拡大に伴い、上記剤型の健康食品などを摂取している消費者が増え、使用時の煩雑さや摂取量の多さ、簡便性、携帯性、嗜好性がないなどの面が問題視されてきた。
【0006】
一方、セラミド類がもつ強い苦味、渋味、えぐみは甘味料によって改善されることが報告されている(例えば、特許文献2)。しかしながら、セラミド類の配合量に比例して甘味料の添加量も増加するため、味付けの面で制限が生じてしまう。味付けに制限されずに、セラミド類の不快味を改善するという嗜好性の面を重視した手段は知られていない。
【0007】
【特許文献1】特開平11−113530号公報
【特許文献2】特開2007−215407号公報
【非特許文献1】Fragrance Journal,23(1),81−89(1995)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
斯かる状況下、簡便性、携帯性に優れ、様々な味付けが可能で嗜好性が高い、セラミド類高配合の組成物の開発が望まれていた。即ち、本発明の目的は、セラミド類が高含有量配合されており、有効量のセラミド類が容易に摂取可能であるだけでなく、風味や食感にも優れ美味しく食することができ、さらに携帯性にも優れたセラミド類含有組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記事情に鑑み、種々検討した結果、澱粉質の粉に水飴や砂糖を混ぜて型に押して乾燥させた代表的な干菓子である落雁の製法を応用することで、セラミド類が高配合でき、風味と食感に優れ、多量に美味しく摂取可能となることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本願第1の発明は、セラミド類、基材及び湿潤剤を混合して顆粒状の湿粉体を得、得られた湿粉体を乾燥させずに圧縮成型し、その後乾燥させることにより得られる塊状のセラミド類含有組成物であって、該セラミド類含有組成物がその内部に多孔性の空隙を有し、落雁状又はラスク状であることを特徴とするセラミド類含有組成物にある。また、本願第2の発明は、セラミド類が糖セラミドである、前記のセラミド類含有組成物にある。
【0010】
本願第3の発明は、基材が、穀物粉類、繊維類、糖類及びタンパク質類からなる群より選ばれる1種又は2種以上の物質であることを特徴とする前記のセラミド類含有組成物にある。また、本願第4の発明は、風味改善剤を配合することを特徴とする前記のセラミド類含有組成物にある。さらに、本願第5の発明は、前記のセラミド類含有組成物からなる食品にある。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、単にセラミド類を高配合したセラミド類含有組成物を提供することができるだけでなく、該セラミド類含有組成物に優れた風味と食感を付与することが出来るため、さらには携帯性にも優れているため、有効量のセラミド類を日々の中で無理なく摂取することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のセラミド類含有組成物は、その内部に多孔性の空隙を有し、落雁状又はラスク状であることを特徴とするものである。そのような形態とすることで、カリカリまたはサクサクとした、崩壊性に優れ、心地良い優れた食感となる。また、咀嚼の際にセラミド類が口腔内で唾液と完全に混ざり合う前に飲み込むことも可能となるため、セラミド類が有する独特の臭気や苦味、渋味、えぐみも抑制される。
【0013】
本発明に用いられるセラミド類は、スフィンゴ骨格を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、セラミド、糖セラミド、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質などが挙げられ、特に糖セラミドが好ましい。
【0014】
糖セラミドとしては、グルコシルセラミド、ガラクトシルセラミド等が挙げられ、特にグルコシルセラミドが好ましい。
【0015】
これらセラミド類は従来から食品および医薬品に使用されているどのようなものであっても差し支えないが、一般的には米、小麦、トウモロコシ、大豆、コンニャク芋等の豆類および芋類由来のものが挙げられ、さらに、ほうれん草やキノコ等の菌類や酵母由来のものも挙げられる。本発明においては、前記セラミド類は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
セラミド類含有組成物中のセラミド類の割合は、組成物の総量を基準として0.0001〜20質量%が好ましく、特に0.001〜10質量%が好ましい。またセラミド類の投与量としては、成人1人当り0.6mgから100mg、特に1mgから20mgが好ましく、1日1回又は2回以上に分けて摂取することができる。
【0017】
本発明に用いられる基材は、セラミド類と共に本願組成物の主要部分を構成するもので
あり、従来から食品及び医薬品に使用されている基材を使用することができる。本発明における基材としては、穀物粉類、繊維類、糖類、タンパク質類が挙げられる。
【0018】
穀物粉類としては、特に限定されないが、具体的には小麦粉、大麦粉、オーツ麦粉、ライ麦粉、コーングリッツ、コーンミール、吉備粉、米粉、餅粉、しんびき、モルトパフ、玄米粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、葛粉、わらび粉、そば粉、はったい粉、栗粉、小豆粉、大豆粉、うぐいす粉、マッシュポテト粉、パンプキン粉、山芋粉、さつまいも粉、パン粉、こんにゃく粉、はと麦粉、小麦胚芽等が挙げられる。これらのうち、特に餅粉、しんびき、玄米粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、はったい粉、大豆粉、マッシュポテト粉、パン粉、はと麦粉を用いると、より食感と風味に優れたものが得られるため好ましい。
【0019】
繊維類としては、特に限定されないが、具体的にはメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルラン、結晶セルロース、ポリデキストロース、ペクチン、アルギン酸、寒天、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ジェランガム、グァーガム、アカシアガム、サイリウムシードガム、難消化性デキストリン、小麦繊維、大麦繊維、オーツ麦繊維、大豆多糖類、チコリ抽出物、ビートファイバー、ムコ多糖類、リンゴ繊維等が挙げられる。これらのうち、特に結晶セルロース、ポリデキストロース、寒天、難消化性デキストリン、小麦繊維、大麦繊維、オーツ麦繊維、ビートファイバーを用いると、より食感と風味に優れたものが得られるため好ましい。
【0020】
糖類としては、特に限定されないが、具体的にはブドウ糖、ショ糖、果糖、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、マンニトール、マルトース、アミノ糖、トレハロース、パラチノース、還元パラチノース、エリスリトール、ケストース、ラクチトール、ラクトース、ラクチュロース、ラフィノース、オリゴ糖、分岐オリゴ糖、環状オリゴ糖、デキストリン、分岐デキストリン、でんぷん、粉飴、還元水飴等が挙げられる。これらのうち、特にブドウ糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、アミノ糖、還元パラチノース、オリゴ糖、分岐オリゴ糖、デキストリン、分岐デキストリン、粉飴を用いると、より食感と風味に優れたものが得られるため好ましい。
【0021】
タンパク質類としては、特に限定されないが、具体的にはグルテン、ゼラチン、コラーゲン、大豆タンパク、大豆ペプチド、シルク、エラスチン、アミノ酸等が挙げられる。これらのうち、特に大豆タンパク、コラーゲンを用いると、より食感と風味に優れたものが得られるため好ましい。
【0022】
本発明のセラミド類含有組成物は、上記のセラミド類及び基材を適当な湿潤剤と共に均一に混合攪拌して顆粒状の湿粉体とする。湿潤剤は、セラミド類及び基材の表面を適度に湿潤化して湿粉体とすることにより、粉体同士の結着を媒介するものである。湿潤剤としては、特に限定されないが、具体的には水、エタノール、グリセリン、酒類、ジュース類、シロップ類、ミネラル液又はこれらの混合液が挙げられる。これらのうち、特に水、エタノール、グリセリン、ラム酒、ブランデー、ブドウ糖果糖液糖、氷糖蜜、はちみつ、還元麦芽糖水飴、ソルビトール液、ポリデキストロース液、ミネラル液を用いると、より食感と風味に優れたものが得られるため好ましい。本発明のセラミド類含有組成物における湿潤剤量は、湿潤剤の溶解性や粘度にもよるが、通常、セラミド類含有組成物の総量を基準として1〜40質量%が好ましく、特に好ましくは5〜30質量%である。
【0023】
顆粒状の湿粉体は、セラミド類及び基材を均一に混合した粉末に、湿潤剤を添加して均一に攪拌することにより調製するか、又は、セラミド類及び/又は基材の一部に湿潤剤を添加して均一に混合した湿粉体に、別のセラミド類及び/又は基材を追加混合して均一に攪拌することにより調製する。混合攪拌する方法は特に限定されず、粉体の攪拌混合、増
粒、顆粒化に使用される公知の手段を用いることができる。
【0024】
顆粒状の湿粉体の形状は、使用する基材自体の形状や混合攪拌の方法によって変わるため特に限定されず、球状であっても棒状、円柱状であっても不定形であっても構わない。本発明における顆粒状湿粉体は、これら全ての形状の湿粉体を含むものであり、適度な顆粒状湿粉体が得られるように、湿潤剤の種類、添加量を適宜調整して製造する。本発明のセラミド類含有組成物は、顆粒状の湿粉体の顆粒化度を変えることによって、その空隙を調整することが可能である。比較的硬いカリカリとした落雁状の食感を得るには顆粒化を抑えて空隙を小さくすればよく、比較的軟らかいサクサクとしたラスク状の食感を得るには顆粒化を進めて空隙を大きくすればよい。
【0025】
次いで、調製された顆粒状の湿粉体は、乾燥させずに湿粉体の状態のまま適当な塊状に圧縮成型される。形状としては、特に限定はなく、携帯性に優れ、摂取が容易な形状とすればよい。具体的には、ブロック状、スティック状、キューブ状等が挙げられる。顆粒状湿粉体の顆粒化度を変えるほか、成型の際にその圧縮度合いを変えることによっても、本発明のセラミド類含有組成物の空隙の大きさを調整することが可能である。圧縮率としては、特に限定されないが、圧縮前の体積を基準として、その体積の5分の4〜3分の1の体積となるように圧縮するのが良い。この範囲の圧縮率であれば、摂取するときの口腔内での適度な崩壊性に優れると共に、成型体の保持性に優れ携帯中に崩れてしまうことが少なくなる。落雁状のカリカリとした食感を得るには圧縮率を高くして空隙を小さくすればよく、ラスク状のサクサクとした食感を得るには圧縮率を低くして空隙を大きくすればよい。
【0026】
最後に成型された湿粉体は、乾燥工程を経て本発明のセラミド類含有組成物となる。乾燥方法としては、公知の方法であればいずれも適用することができる。例えば、温風乾燥、自然乾燥、除湿乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、磁気振動加熱乾燥、マイクロ波加熱乾燥、高周波加熱乾燥、遠赤外線加熱乾燥が挙げられる。
【0027】
本発明では、セラミド類含有組成物の風味をより優れたものとするために、風味改善剤を配合することができる。風味改善剤としては、特に限定されないが、従来から食品および医薬品に使用されているものを使用することができる。具体的には、抹茶、煎茶、麦茶、玄米茶、ほうじ茶、紅茶、ウーロン茶、はったい粉、きな粉、ラム酒、ブランデー、キルシュワッサー、グランマニエ、コアントロー、ワイン、カカオ、コーヒー、オレンジの皮、チンピ、乾燥リンゴ、レモンパルプ、シナモン、バニラ、カルダモン、ナツメグ、ローズマリー、オレガノ、バジル、ミント、ショウガ、ウコン、わさび、野菜類、黒糖、和三盆糖、はちみつ、メイプルシロップ、羅漢果、スクラロース、醤油、味噌、果汁、アスコルビン酸、甘味剤、酸味剤、旨み剤、塩味剤、苦味剤、シーズニング、香料等が挙げられる。
【0028】
本発明のセラミド類含有組成物には、従来から食品および医薬品に使用されている成分であれば適宜配合することができる。具体的には、着色剤、抗酸化剤、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸またはその塩類、食物繊維、植物抽出物、動物組織抽出物などを含有することができる。特に肌改善効果が期待できるビタミンC、ビタミンB群、アスタキサンチンなどのカロテノイド類、ヒアルロン酸、オリーブやぶどう種子等植物からの抽出物、大豆イソフラボン、ディオスコレア・ヴィローサの根茎部の抽出物、米などの発酵物エキス、乳酸菌培養物、酵母エキス、カルニチンまたはその塩、コラーゲン、ローヤルゼリー、グルコサミノグリカンおよびその構成物等を配合することができる。
【実施例】
【0029】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。尚、実施例における%は質量%を意味する。
【0030】
実施例1
下記処方に従い、まず混合末成分を均一に混合した。次に、この混合末へ湿潤液を添加し、均一な湿粉体になるまで攪拌した。最後に、10gずつ成型型へ充填して、圧縮前体積の3分の2になるまで圧縮し、得られた成型物を70℃で2時間乾燥させて製造した。
【0031】
成分名 配合量(%)
―――――――――――――――――――――――
(混合末)
1.市販セラミド 8.7
(糖セラミド含有量3%)
2.馬鈴薯澱粉 13.0
3.パン粉 10.3
4.寒梅粉 13.0
5.はと麦粉 21.7
6.大豆タンパク 4.4
7.和三盆糖 15.8
(湿潤液)
8.95%エタノール水溶液 8.7
9.ソルビトール液 4.4
―――――――――――――――――――――――
【0032】
比較例1
実施例1と同様の処方に従い、混合末粉体を均一に混合した。次に、この混合末へ湿潤液を添加し、均一な湿粉体になるまで攪拌した。得られた湿粉体を70℃で2時間乾燥させ、10gずつ成型型に充填して、圧縮前体積の3分の2になるまで圧縮して成型を試みたが、成型体とすることができずに崩れてしまった。
【0033】
比較例2
実施例1と同様の処方に従い、混合末粉体を均一に混合した。次に、この混合末へ湿潤液を添加し、均一な湿粉体になるまで攪拌した。得られた湿粉体を70℃で2時間乾燥させた後、得られた乾燥物を打錠機にて1gずつの錠剤に成型した。
【0034】
試験例1(風味改善効果)
20名の被験者に対し、実施例1の落雁状組成物及び比較例2の錠剤を、それぞれ同量ずつ摂取してもらい(比較例2の錠剤は、噛んで摂取してもらった。)、セラミドの苦み・渋みに関する風味改善効果について、下記の基準により回答してもらった。回答結果を併せて示す。
【0035】
――――――――――――――――――――――――
回答者数
セラミドの苦み・渋みを ――――――――――――
実施例1 比較例2
――――――――――――――――――――――――
「強く感じる」 0 12
「少し感じる」 2 8
「感じない」 18 0
――――――――――――――――――――――――
【0036】
上記回答結果から分かるように、本願実施例1の組成物は、セラミドの苦み・渋みが顕著に抑えられ、風味改善効果に優れるものであった。
【0037】
実施例2
下記処方に従い、まず混合末成分を均一に混合した。次に、この混合末へ湿潤液を添加し、均一な湿粉体になるまで攪拌した。最後に、10gずつ成型型へ充填して、圧縮前体積の4分の3になるまで圧縮し、得られた成型物を70℃で2時間乾燥させて製造した。
【0038】
成分名 配合量(%)
―――――――――――――――――――――――
(混合末)
1.市販セラミド 13.0
(糖セラミド含有量3%)
2.α化とうもろこし澱粉 15.5
3.デキストリン 15.7
4.片栗粉 10.3
5.しんびき 17.4
7.黒糖 13.1
8.ほうじ茶パウダー 1.8
9.香料 0.2
(湿潤液)
10.85%エタノール水溶液 13.0
―――――――――――――――――――――――
【0039】
実施例3
下記処方に従い、まず混合末成分を均一に混合した。次に、この混合末へ湿潤液を添加し、均一な湿粉体になるまで攪拌した。最後に、10gずつ成型型へ充填して、圧縮前体積の4分の3になるまで圧縮し、得られた成型物を70℃で2時間乾燥させて製造した。
【0040】
成分名 配合量(%)
―――――――――――――――――――――――
(混合末)
1.市販セラミド 5.0
(糖セラミド含有量3%)
2.乾燥リンゴ粉末 36.0
3.寒梅粉 32.0
4.レモンパルプ 4.5
5.パン粉 13.5
(湿潤液)
6.果汁(Bx50) 9.0
―――――――――――――――――――――――
【0041】
実施例4
混合末1の粉末へ、湿潤液1を添加し、均一な湿粉体になるまで攪拌した。次に、予め各成分が均一となるまで混合しておいた混合末2を添加して、均一な湿粉体になるまで攪拌した。更に、湿潤液2の溶液を添加して攪拌し、均一な湿粉体を得た。最後に、10gずつ成型型へ充填して圧縮前体積の3分の2になるまで圧縮し、得られた成型物を70℃で2時間乾燥させて製造した。
【0042】
成分名 配合量(%)
―――――――――――――――――――――――
(混合末1)
1.結晶セルロース 15.0
(湿潤液1)
2.20%エタノール水溶液 5.2
3.ブドウ糖果糖液糖 1.0
(混合末2)
4.市販セラミド 5.0
(糖セラミド含有量3%)
5.コラーゲン 15.2
6.ショ糖 10.0
7.マルトデキストリン 10.0
8.パン粉 10.0
9.シナモン 0.1
10.ハトムギエキス末 1.0
11.ヴィローサエキス末 2.0
12.ローヤルゼリー 1.0
13.N−アセチルグルコサミン 5.0
14.ヒアルロン酸 0.5
15.グリシン 3.0
16.プロリン 2.0
17.アラニン 1.0
18.アルギニン 3.0
(湿潤液2)
19.50%エタノール水溶液 10.0
―――――――――――――――――――――――
【0043】
実施例1〜4で製造したセラミド類含有組成物は、いずれも食感と風味に優れ、継続的に摂取可能な、嗜好性に優れたものであった。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明により、携帯性に優れ、風味と食感に優れ継続的に摂取可能な、セラミド類を高含有する塊状のセラミド類含有組成物が提供できる。本発明により、有効量のセラミド類を日々の生活の中で無理なく摂取することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミド類、基材及び湿潤剤を混合して顆粒状の湿粉体を得、得られた湿粉体を乾燥させずに圧縮成型し、その後乾燥させることにより得られる塊状のセラミド類含有組成物であって、該セラミド類含有組成物がその内部に多孔性の空隙を有し、落雁状又はラスク状であることを特徴とするセラミド類含有組成物。
【請求項2】
セラミド類が、糖セラミドである、請求項1記載のセラミド類含有組成物。
【請求項3】
基材が、穀物粉類、繊維類、糖類及びタンパク質類からなる群より選ばれる1種または2種以上の物質であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のセラミド類含有組成物。
【請求項4】
更に、風味改善剤を配合することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載のセラミド類含有組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のセラミド類含有組成物からなる食品。

【公開番号】特開2010−63371(P2010−63371A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230103(P2008−230103)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】