説明

セルフチェックアウトシステム

【課題】 自由な配列のセルフチェックアウトシステムを構成することである。
【解決手段】 計量器10を備えた買い物籠台1と、スキャナ16によるデータ読取機能と読み取ったデータに基づく決済を行う決済機能とを備えた会計本体2と、前記計量器10とは別の計量器23を備えるとともに読取後の商品を搬送のために集積する集積台3とを、それぞれ独立したブロック状の筐体4、5、6として形成し、これらの配列順序と配列方向とを適宜設定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット等の会計システムの一形式として利用されるセルフチェックアウトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のセルフチェックアウトシステムは、スキャニング前の商品を入れた買い物籠を置いてその全体重量を計測する秤ユニットと、商品に付されたバーコードを読み取るスキャナを備えてその読み取ったデータに基づく決済を行う決済機能を備えた会計本体と、読み取り後の商品を入れるレジ袋入れを置く集積台とを一体として会計ユニットを構成している。また、セルフチェックアウトシステムにおいては、商品が正しく登録されたか否かをチェックする必要があるが、そのためには、特許文献1に示されているように、商品の流れの上流側と下流側とで総重量を計測することが行われている。すなわち、商品が入った買い物籠の全重量を測定する第1計量部と商品データを読み取るスキャナと計量後の商品を収納する買い物籠の全重量を測定する第2計量部とを大きなカウンタ上に配置して全体を一体装置として構成している。
【0003】
【特許文献1】特開2002−367030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のセルフチェックアウトシステムは、商品の流れ方向に沿って各機能部が一体的に設けられているため、その使用方法が画一的に決められており、しかも、商品の移動は、例えば、流れ方向に長いカウンタの入口から出口まで行わなければならず、長い距離を移動させなければならない。また、大きなカウンタを備えたセルフチェックアウトシステムであるため、店舗における設置も自ずから限られたものになり、レイアウトの自由度がないものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、計量器を備えた買い物籠台と、スキャナによるデータ読取機能と読み取ったデータに基づく決済を行う決済機能とを備えた会計本体と、前記計量器とは別の計量器を備えるとともに読取後の商品を搬送のために集積する集積台とを、それぞれ独立したブロック状の筐体として形成したことにより、これらの買い物籠台と会計本体と集積台とを設置者の意図に従ってそれらの配列順序と配列方向とを適宜設定することができるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、店舗において、フレキシブルにレイアウトを設定したり、変更したりすることができ、配置換えが容易であるとともに、買い物客の操作上の要望にすばやく対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第一の実施の態様を図1乃至図3に基づいて説明する。まず、買い物籠台1と、会計本体2と、集積台3とが、それぞれ独立したブロック状の筐体4、5、6として形成されている。前記買い物籠台1の筐体4と、前記集積台3の筐体6とは、上方から見て前方が先細りとなる梯形で、前面7、8は、下方が奥側に引っ込む傾斜面とされている。前記会計本体2の前面9も前記前面7、8と同様に下方が奥側に引っ込む傾斜面とされている。そして、前記買い物籠台1と前記会計本体2と前記集積台3とは、それぞれの側面を略密着させて横方向に配列されている。そのため、それぞれの前記買い物籠台1と前記会計本体2と前記集積台3とは、前面7、8、9が一定の円弧に沿って配列されていることになる。
【0008】
ついで、前記買い物籠台1は、前記筐体4の上に計量器10が設けられている。この計量器10には、買い物客が買おうとする商品を入れた買い物籠11が載置されるものであり、前記買い物籠11を含む全重量が計測される。
【0009】
また、前記会計本体2は、前記筐体5の上に決済機能部12が設けられているものである。すなわち、決済機能部12の下方には、硬貨釣銭機13及び紙幣釣銭機14が併設されている。これらの硬貨釣銭機13及び紙幣釣銭機14の上方には、テーブル15が設けられ、このテーブル15の上方には、スキャナ16、暗証番号入力機17、レシートプリンタ18が併設され、さらに、これらの上には、タッチパネル面19とカード読み取り機20とが設けられ、さらに、中央奥部にはランプ21が設けられている。前記スキャナ16は、スキャナブロック22として分離可能に形成されており、前記筐体5にはカバー等で覆われて取り出し可能に配設されているものである。
【0010】
さらに、前記集積台3は、前記筐体6の上に前記計量器10とは別の計量器23が設けられている。この計量器23の後方には上方へ立ち上がる支柱24を介して商品置き台25が設けられている。この商品置き台25の前方には、商品を入れるように開口した一枚のレジ袋26を保持する二本のレジ袋掛け27が突出形成されている。これらのレジ袋掛け27の中央には、未使用の積層されたレジ袋26を保持する保持部28が設けられている。
【0011】
このような構成において、買い物籠台1と、会計本体2と、集積台3とは、図2に示すように、左側から右方向に向けて買い物籠台1、会計本体2、集積台3の順に配列され、かつ、それらはそれぞれの側面が密着するように設置される。買い物籠台1と集積台3との上方から見た形状が先細りの梯形であるため、前面7、8、9が一定の円弧に沿う形、すなわち、扇状に配列されている。そして、これらの買い物籠台1と、会計本体2と、集積台3とは、図示しない電線の接続により、電源及び信号ラインが接続されているものである。さらに、配線関係に無線通信等を使用すれば、買い物籠台1と、会計本体2と、集積台3とがどのような配列になっていても通信は可能である。
【0012】
そして、買い物客は、購入しようとする商品が入った買い物籠11を買い物籠台1の計量器10に置く。これにより、総重量はデータとして決済機能部12に送り出され、かつ、買い物客は、会計本体2のタッチパネル面19の画面指示に従って個々の商品をスキャナ16にてスキャニングし、スキャニングを終了した商品を集積台3のレジ袋掛け27に取り付けられたレジ袋26に入れる。なお、レジ袋27は、保持部28に積層された状態でストックされているものであるが、買い物客は商品のスキャニングに先立って一枚のレジ袋27を取り出してレジ袋掛け27に開いた状態でひっかけておくものである。そして、全ての商品をスキャニングして右側のレジ袋27に入れ終わると、買い物客はタッチパネル面19で会計処理を行う。この会計処理は、画面操作で現金かカードかの支払方法を選択し、現金の場合には、硬貨釣銭機13や紙幣釣銭機14に現金を入れ、カードの場合にはカード読取機にカードを通す。このような会計処理が終了すると、レシートプリンタ18よりレシートが発行され、釣銭がある場合には、硬貨釣銭機13や紙幣釣銭機14から釣銭が発行され、チェックアウトが終了する。このとき、買い物籠台1の計量器10で計量された買い物籠11を含む商品の全重量が計量されており、すべての商品をスキャニングした後の全重量は、集積台3の計量器23により計量されている。そのため、計量器10のデータから買い物籠11の重量を差し引いた値と計量器23により計量された重量とを比較することにより登録した商品がすべてレジ袋26に移動したことが確認され、この検知により不正防止が図られている。なお、会計本体2には、図示しないコントローラ(POS)、電源等が設置されており、各機器の制御を行っている。
【0013】
また、商品の種類によっては、すぐにレジ袋26に入れることができないものがあるが、この場合には、一旦、商品置き台25の上に載せておき、後でレジ袋26に入れることもできる。
【0014】
前述のように、買い物籠台1と会計本体2と集積台3とが扇状に配列されていることにより、買い物籠台1上の買い物籠11から商品を取り出してスキャナ16によりスキャニングし、かつ、集積台3のレジ袋26に入れる動作が、会計本体2の正面に立つ買い物客を中心に円弧状の動きで行うことができるため、買い物客が一定位置に立っているだけで操作することができ、作業性が高い。
【0015】
つぎに、図3に示すように、買い物籠台1と、会計本体2と、集積台3との前面7、8、9は、下方が奥側に引っ込む傾斜面とされているので、買い物客が車椅子等を利用している状態であっても、より一層、買い物籠台1、会計本体2、集積台3に近づくことができ、操作性を向上させることができる。この状態は、健常者であっても足の先を傾斜により形成された空間内に入れることができるため、買い物籠台1、会計本体2、集積台3に近づくことができ、操作性を向上させることができる。また、図1に示すが、スキャナブロック22を会計本体2から取り出して破線で示すように商品置き台25の上に設置することができる。これにより、商品のスキャニングを集積台3の上で行うことができ、更に、買い物客の移動距離を縮めて操作性を高めることもできる。
【0016】
つぎに、図4に基づいて本発明の第二の実施の態様を説明する。図1乃至図3で説明した部分と同一部分は同一符号を用い説明も省略する(以下同じ)。本実施の態様は、買い物籠台1の右側に会計本体2を横並びに並べ、集積台3は買い物客に向けて直角位置に配設したものである。そのため、買い物籠台1と会計本体2とが横並びに配設され、集積台3が買い物客に向って配設されるため、全体としてはL字形の配列である。このように配列することにより、買い物籠11からレジ袋26までの商品の移動距離が短くなり、操作性が向上する。
【0017】
次に、図5に基づいて本発明の第三の実施の態様を説明する。本実施の形態は、左側から右方向に向けて買い物籠台1、集積台3、会計本体2の順に配列したものである。そして、会計本体2からスキャニングブロック22を取り出して集積台3の商品置き台25の上にセットしたものである。このように配列することにより、商品の読取動作は、商品を買い物籠台1と集積台3との間の短い距離を移動させるだけで行うことができ、買い物客に対する負担を軽減することができる。そして、短い商品の移動距離で商品データを入力し、すべての商品のスキャニングを終わってから買い物客は会計本体2の正面で会計処理をしてセルフチェックを終了する。
【0018】
本発明においては、前述のように、買い物籠台1と、会計本体2と、集積台3とのレイアウトを自由に設定することができるため、機器導入時に一定のレイアウトを採用した後であっても買い物客の要望を反映したレイアウト変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一の実施の態様を示す斜視図である。
【図2】レイアウトの状態を概念的に示す平面図である。
【図3】筐体を側面方向から見た側面図である。
【図4】本発明の第二の実施の態様を示す斜視図である。
【図5】本発明の第三の実施の態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
1:買い物籠台,2:会計本体,3:集積台,4:筐体,5:筐体,6:筐体,10:計量器,16:スキャナ,23:計量器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量器を備えた買い物籠台と、スキャナによるデータ読取機能と読み取ったデータに基づく決済を行う決済機能とを備えた会計本体と、前記計量器とは別の計量器を備えるとともに読取後の商品を搬送のために集積する集積台とを、それぞれ独立したブロック状の筐体として形成し、これらの買い物籠台と会計本体と集積台とを設置者の意図に従ってそれらの配列順序と配列方向とを適宜設定するようにしたことを特徴とするセルフチェックアウトシステム。
【請求項2】
前記会計本体に設けられた前記スキャナを着脱自在とし、前記スキャナを前記会計本体から取り外して前記集積台に取り付けるようにしたことを特徴とする請求項1記載のセルフチェックアウトシステム。
【請求項3】
前記買い物籠台と前記会計本体と前記集積台との前記筐体のそれぞれの前面を下方が奥側に引っ込む傾斜面としたことを特徴とする請求項1又は2記載のセルフチェックアウトシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−235816(P2006−235816A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−47154(P2005−47154)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】