説明

セルロース繊維製品の漂白方法

【課題】 漂白後のセルロース繊維製品が熱等に曝されても黄変しにくい漂白方法を提供する。
【解決手段】 この漂白方法は、オーバーマイヤー染色機を用いて行われる。オーバーマイヤー染色機は、その中にオゾン水流通孔を有する管を備えている。この管の周囲に、コットン等のセルロース繊維製品を充填し、セルロース繊維製品層を形成する。そして、この管のオゾン水流通孔からセルロース繊維製品層の外周へ向けてオゾン水を何度も通過させて、セルロース繊維製品を漂白する。ここで、オゾン水のオゾン濃度を1〜9mg/Lとし温度を0〜40℃に調整する。また、オゾン水がオゾン水流通孔からセルロース繊維製品層の外周に到達する時間は5分以内とする。さらに、オゾン水によるセルロース繊維製品層の漂白時間は60分以内とする。これにより、黄変しにくいセルロース繊維製品が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセルロース繊維綿、セルロース繊維糸、セルロース繊維編織物又はセルロース繊維不織布等のセルロース繊維製品の漂白方法に関するものであり、特に天然セルロース繊維(コットン)製品や再生セルロース繊維(レーヨン)製品の漂白方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、セルロース繊維製品は、次亜塩素酸ソーダ、亜塩素酸ソーダ又は塩素酸ソーダ等のハロゲン系酸化剤による酸化漂白が主流であった。しかるに、昨今、これらの酸化剤がダイオキシンの前駆体であるAOXの発生源となることから、それらの酸化剤に代わって、過酸化水素による漂白が多用されるにいたっている。
【0003】
しかしながら、過酸化水素は酸化力がハロゲン系酸化剤に比べて劣るため、製品の十分な白度が得られないということがあった。十分な白度を得ようとすると、高温高圧の厳しい製造条件が要求されるため、エネルギー消費量が高く、製造コストが高くなるという欠点が生じる。また、過酸化水素の分解剤としての苛性ソーダやその他の助剤を使用するため、排水の環境負荷が高いという欠点もあった。さらに、残留過酸化水素による活性汚泥障害が起こって、排水処理の効率が悪いため、排水処理のコストも高くなるという欠点があった。
【0004】
上記したような欠点を解決するために、オゾン水(オゾン含有水)を用いてセルロース繊維製品を漂白することが提案されている(特許文献1)。特許文献1記載の技術は、たとえば、オーバーマイヤー染色機を使用して、オゾン濃度を10〜300g/Nm3(10〜300mg/L)に調整したオゾン水を使用して、セルロース繊維製品を漂白しようというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4192201号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の技術は、使用するオゾン水のオゾン濃度が高すぎて、黄変しやすいセルロース繊維製品しか得られなかった。この理由は、以下のとおりである。すなわち、天然セルロース繊維や再生セルロース繊維には、分子量の高いセルロースと共に、分子量の低いセルロースや各種不純物が存在している。ここで、各種不純物としては、ヘミセルロース、リグノセルロース、ペクチン等の低重合度の多糖類、タンパク質のような含窒素化合物、リグニン、クチン、蝋等が挙げられる。かかる分子量の低いセルロースや各種不純物は、オゾン濃度の高いオゾン水と接触すると、オゾンによる攻撃を受けやすく、オゾンによって分子末端に反応性の高い官能基が残留するということがあった。そして、残留した官能基は、漂白後のセルロース繊維製品の後加工中や使用中に、熱や紫外線等によって酸化され、共役二重結合が生じて、黄変しやすくなるのである。
【0007】
そこで、本発明の課題は、漂白後のセルロース繊維製品が熱や紫外線に曝されても黄変しにくい漂白方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、オゾン濃度の低いオゾン水を用いて、特定の条件でセルロース繊維製品を処理することにより、セルロース繊維製品中の色素のみを酸化作用により分解して漂白し、セルロース繊維製品中の分子量の低いセルロースや各種不純物がオゾンによる攻撃を受けにくくしたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、外壁にオゾン水流通孔を有する管の周囲にセルロース繊維製品層を設けた後、該管のオゾン水流通孔から該セルロース繊維製品層の外周へ向けてオゾン水を何度も通過させることにより、該セルロース繊維製品を漂白する方法において、前記オゾン水のオゾン濃度は1〜9mg/Lで温度は0〜40℃であり、前記オゾン水が前記オゾン水流通孔から前記セルロース繊維製品層の外周に到達する時間は5分以内であり、かつ、前記オゾン水による前記セルロース繊維製品層の漂白時間は60分以内であることを特徴とするセルロース繊維製品の漂白方法に関するものである。なお、管のオゾン水流通孔からセルロース繊維製品層の外周へ向けてオゾン水を通過させるのに代えて、オゾン水の通過方向を逆にしてもよい。すなわち、セルロース繊維製品の外周から管のオゾン水流通孔へ向けてオゾン水を通過させてもよい。
【0010】
また、分子量の低いセルロースや各種不純物は、多少なりともオゾンによる攻撃を受ける恐れがある。したがって、オゾン水による漂白処理後のセルロース繊維製品を架橋剤で架橋処理して、分子量の低いセルロースや各種不純物の分子末端の官能基を架橋剤で結合してもよい。かかる架橋剤による架橋処理によって、漂白後のセルロース繊維製品は黄変しにくくなる。
【0011】
本発明で用いるセルロース繊維製品としては、セルロース繊維綿、セルロース繊維糸、セルロース繊維編織物又はセルロース繊維不織布等が用いられる。特に、コットン綿やレーヨン綿が用いられる。また、コットン綿の場合には、未脱脂の原綿でも脱脂された後の原綿でも用いることができるが、白度の高いものを得たい場合には、脱脂された原綿を用いるのが好ましい。
【0012】
本発明に係るセルロース繊維製品の漂白方法は、外壁にオゾン水流通孔を有する管の周囲にセルロース繊維製品層を設け、このセルロース繊維製品層の内側から外側へ又は外側から内側へオゾン水を通過させる方法である。たとえば、管のオゾン水流通孔からオゾン水を噴出させて、当該オゾン水をセルロース繊維製品層の外周から回収したり、又はセルロース繊維製品層の外周外側からオゾン水を噴出させて、当該オゾン水を管のオゾン水流通孔から回収したりして、セルロース繊維製品層中にオゾン水を通過させて、漂白する方法である。具体的には、オーバーマイヤー染色機、チーズ染色機又はビーム染色機が用いられる。オーバーマイヤー染色機の場合には、管の周囲にセルロース繊維綿を充填することにより、セルロース繊維製品層を設ける。また、チーズ染色機の場合は、管の周囲にセルロース繊維糸を何重にも巻回して、セルロース繊維製品層を設ける。また、ビーム染色機の場合は、管の周囲にセルロース繊維編織物又はセルロース繊維不織布を何重にも巻回して、セルロース繊維製品層を設ける。
【0013】
本発明の特徴の一つは、漂白に使用するオゾン水のオゾン濃度を1〜9mg/Lとし、温度を0〜40℃とした点にある。オゾン濃度が1mg/L未満であると、オゾンの酸化作用による色素の分解が不十分となり、オゾン水による処理時間が長くなるため、生産性が低下する。また、オゾン濃度が9mg/Lを超えると、セルロース繊維製品中の分子量の低いセルロースや各種不純物がオゾンの攻撃を受けやすくなり、漂白後に黄変しやすくなるので、好ましくない。オゾン水の温度が0℃未満であると、凍結する恐れがあるため、使用しにくい。また、オゾン水の温度が40℃を超えると、オゾンの自己分解速度が速くなり、分子量の低いセルロースや各種不純物がオゾンの攻撃を受けやすくなり、漂白後に黄変しやすくなるので、好ましくない。なお、オゾン水の温度の最も好ましい範囲は、10〜25℃である。
【0014】
本発明の特徴の他の一つは、セルロース繊維製品層中をオゾン水が5分以内で通過することである。すなわち、オゾン水がオゾン水流通孔からセルロース繊維製品層の外周に到達する時間が5分以内であるか、又はオゾン水がセルロース繊維製品層の外周からオゾン水流通孔に到達する時間が5分以内であるということである。この時間が5分を超えると、オゾン水がセルロース繊維製品層を通過するまでにオゾンが消費され、全体に均一な漂白ができなくなる。また、当初にオゾン水と接触したセルロース繊維製品層の一部において、分子量の低いセルロースや各種不純物がオゾンの攻撃を受けやすくなり、漂白後に黄変しやすくなるので、好ましくない。たとえば、オゾン水流通孔からセルロース繊維製品層の外周に向けてオゾン水を通過させる場合、セルロース繊維製品層の内側だけで5分を超えてオゾン水と接触していると、この内側だけが過剰にオゾンと反応することになる。したがって、この内側において、セルロース繊維製品中の分子量の低いセルロースや各種不純物がオゾンの攻撃を受けやすくなり、漂白後に黄変しやすくなるのである。なお、この通過時間は、好ましくは1分以内であり、最も好ましくは30秒以内である。
【0015】
本発明の特徴のさらに他の一つは、オゾン水によるセルロース繊維製品層の漂白時間は60分以内であるということである。オゾン水は、セルロース繊維製品層中を5分以内で通過するが、これは何度も繰り返し行われる。たとえば、オゾン水が数回〜数百回、セルロース繊維製品層中を通過する。漂白時間が60分を超えると、オゾンとの反応が過剰になり、分子量の低いセルロースや各種不純物がオゾンの攻撃を受けやすくなり、漂白後に黄変しやすくなるので、好ましくない。なお、漂白時間は好ましくは30分以内が良い。
【0016】
漂白が終わった後、本発明においては種々の後加工を行うのが好ましい。本発明は、オゾン水のオゾン濃度や温度を一定範囲内とし、またセルロース繊維製品層中のオゾン水の通過時間や漂白時間を一定範囲内として、黄変しにくいセルロース繊維製品を得るものである。しかしながら、セルロース繊維製品中には、オゾンによって攻撃を多少なりとも受けた分子量の低いセルロースや各種不純物、すなわち、分子末端に反応性の高い官能基を持つ分子量の低いセルロースや各種不純物が残留している可能性がある。したがって、漂白後のセルロース繊維製品を、架橋剤で処理することにより、分子末端の官能基同士、又は分子末端の官能基とセルロースとを結合するのが好ましい。かかる架橋処理によって、分子末端の官能基は酸化されにくくなって、共役二重結合が生じにくくなり、黄変をさらに防止することができる。架橋剤としては、エピクロルヒドリン等のエポキシ化合物、蓚酸等のジカルボン酸又はグルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物等を採用することができる。また、かかる架橋剤は一般的に水溶液に調整されて、セルロース繊維製品に架橋処理を施すことができる。そして、水溶液の濃度は、0.001〜1.0mol/L程度が好ましく、特に0.05〜0.1mol/L程度がより好ましい。
【0017】
また、その他の後加工としては、分子量の低いセルロースや各種不純物を洗い流すために、80℃以上の温水でセルロース繊維製品を処理したり、又は80℃以上で濃度が100g/L以下の苛性ソーダ水溶液でセルロース繊維製品を処理してもよい。また、分子量の低いセルロースや各種不純物の分子末端の官能基を酸化するために、酸化剤で処理してもよい。酸化剤としては、過酢酸、過乳酸又は過硫酸等の過酸が用いられる。そして、かかる酸化剤は、濃度0.001〜1.0mol/L程度、より好ましくは0.05〜0.1mol/L程度の水溶液に調整されて用いられる。さらに、分子量の低いセルロースや各種不純物の分子末端の官能基を還元するために、還元剤で処理してもよい。還元剤としては、ヒドロキノン等のジヒドロキシベンゼンが用いられる。そして、かかる還元剤は、濃度0.001〜1.0mol/L程度、より好ましくは0.05〜0.1mol/L程度の水溶液に調整されて用いられる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明に係るセルロース繊維製品の漂白方法は、比較的オゾン濃度の低いオゾン水を用い、オゾン水の温度を一定範囲に調整すると共に、セルロース繊維製品層中のオゾン水の通過時間を一定範囲内にし、かつ、漂白時間の合計を一定範囲内としたことにより、漂白後に黄変しにくいセルロース繊維製品が得られるという効果を奏する。
【0019】
さらに、漂白後に、架橋剤で架橋処理を行うことによって、オゾンの攻撃により分子末端に反応性の高い官能基を持つ分子量の低いセルロースや各種不純物が、セルロース繊維製品中に残留していたとしても、黄変しにくいセルロース繊維製品を得ることができる。すなわち、反応性の高い官能基は、架橋剤によって官能基同士又は官能基とセルロースとが結合して、熱や紫外線によって酸化されにくくなり、共役二重結合が生じにくくなり、黄変しにくくなるという効果を奏するのである。
【実施例】
【0020】
実施例1
[漂白工程]
まず、内容量12Lで内径260mmφの円筒型のオーバーマイヤー染色機を準備した。オーバーマイヤー染色機の中には、外壁に流通孔を有する管が設けられている。このオーバーマイヤー染色機の中に、カードで除塵した脱脂されたコットン原綿1kgを充填して、管の周囲にコットン原綿層を設けた。その後、15℃の脱イオン水をオーバーマイヤー染色機に満たした。
一方、バッファータンクに45Lの脱イオン水を満たし、バッファータンクから混合用ポンプで20L/minで脱イオン水を送り、これにオゾン発生器(荏原実業社製:最大オゾン発生量6g/h)からオゾンを1L/minで吹き込み、混合用ポンプで気液接触させ、気液分離後にオゾン濃度5mg/Lの常温のオゾン水を調整した。そして、このオゾン水をオーバーマイヤー染色機に設けられた管に供給し、コットン原綿層の外周に向けて通過させ排出した。排出されたオゾン水はバッファータンクに回収して循環させ、何度もコットン原綿層中にオゾン水を通過させて、30分間オゾン水を供給した。ここで、管の流通孔から供給されたオゾン水が、コットン原綿層の外周に到達する時間は20秒であった。以上のようにして、コットン原綿の漂白を行った。
【0021】
[後加工]
漂白工程を終えた後、新鮮な脱イオン水をオーバーマイヤー染色機に満たした。そして、オーバーマイヤー染色機のジャケットに蒸気を導入して加熱し、脱イオン水を105℃に昇温し、オーバーマイヤー染色機内で脱イオン水を5分間循環させた。その後、脱液してコットン晒綿を得た。
【0022】
実施例2
実施例1と同一の漂白工程を終えた後、1g/Lの苛性ソーダ水溶液をオーバーマイヤー染色機に満たした。そして、オーバーマイヤー染色機のジャケットに蒸気を導入して加熱し、苛性ソーダ水溶液を90℃に昇温し、オーバーマイヤー染色機内で苛性ソーダ水溶液を5分間循環させた後、カセイソーダ水溶液を脱液した。その後、常温の脱イオン水をオーバーマイヤー染色機に満たして、5分間循環させた。そして、脱イオン水を脱液した後、再度常温の脱イオン水をオーバーマイヤー染色機に満たして、5分間循環させた。その後、脱液してコットン晒綿を得た。
【0023】
実施例3
実施例1と同一の漂白工程を終えた後、0.9g/L(0.01mol/L)の常温のエピクロルヒドリン水溶液(架橋剤水溶液)をオーバーマイヤー染色機に満たし、それをオーバーマイヤー染色機内で5分間循環させた後、エピクロルヒドリン水溶液を脱液した。その後、常温の脱イオン水をオーバーマイヤー染色機に満たして、5分間循環させた。そして、脱イオン水を脱液した後、再度常温の脱イオン水をオーバーマイヤー染色機に満たして、5分間循環させた。その後、脱液してコットン晒綿を得た。
【0024】
実施例4
0.9g/L(0.01mol/L)の常温のエピクロルヒドリン水溶液(架橋剤水溶液)に代えて、0.9g/L(0.01mol/L)の常温の蓚酸水溶液(架橋剤水溶液)を用いる他は、実施例3と同一の方法により、コットン晒綿を得た。
【0025】
実施例5
0.9g/L(0.01mol/L)の常温のエピクロルヒドリン水溶液(架橋剤水溶液)に代えて、0.6g/L(0.01mol/L)の常温のグルタルアルデヒド水溶液(架橋剤水溶液)を用いる他は、実施例3と同一の方法により、コットン晒綿を得た。
【0026】
実施例6
0.9g/L(0.01mol/L)の常温のエピクロルヒドリン水溶液(架橋剤水溶液)に代えて、0.8g/L(0.01mol/L)の常温の過酢酸水溶液(酸化剤水溶液)を用いる他は、実施例3と同一の方法により、コットン晒綿を得た。
【0027】
実施例7
0.9g/L(0.01mol/L)の常温のエピクロルヒドリン水溶液(架橋剤水溶液)に代えて、1.1g/L(0.01mol/L)の常温のヒドロキノン水溶液(還元剤水溶液)を用いる他は、実施例3と同一の方法により、コットン晒綿を得た。
【0028】
実施例8
実施例1と同一の漂白工程を終えた後、常温の脱イオン水をオーバーマイヤー染色機に満たして、5分間循環させた。その後、脱液してコットン晒綿を得た。
【0029】
実施例1〜8で得られたコットン晒綿に以下の処理を行った。そして、処理後のコットン原綿をLab表色系で、L値、a値及びb値を測色した。この結果を表1に示した。
[風乾]
常温雰囲気下で扇風機を用いて送風することにより、コットン原綿を乾燥した。この乾燥したコットン晒綿を測色した。
[乾燥]
105℃の雰囲気下にコットン原綿を10分間置いて、乾燥した。この乾燥したコットン晒綿を測色した。
[滅菌]
105℃の雰囲気下にコットン原綿を10分間置いて乾燥した後、115℃の雰囲気下に20分間置いて滅菌処理した。滅菌処理したコットン晒綿を測色した。
【0030】
[表1]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
風 乾 乾 燥 滅 菌
──────── ──────── ────────
L値 a値 b値 L値 a値 b値 L値 a値 b値
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 92.1 1.2 -0.1 92.0 1.0 1.0 91.7 0.8 1.9
実施例2 92.2 0.9 -0.3 91.6 0.9 0.9 91.4 0.7 1.8
実施例3 91.6 0.9 0.1 91.5 0.8 0.2 91.3 0.6 0.3
実施例4 91.2 1.0 -0.1 91.0 0.9 0.1 90.9 0.8 0.3
実施例5 92.1 0.8 0.2 92.1 0.7 0.2 91.9 0.5 0.3
実施例6 91.9 1.0 -0.1 91.8 0.8 0.1 91.7 0.7 0.2
実施例7 91.8 1.1 -0.2 91.8 1.0 0.1 91.6 0.8 0.2
実施例8 92.2 0.9 0.1 90.3 0.9 3.2 88.3 0.6 5.2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0031】
表1の結果から、実施例1〜8により得られたコットン晒綿は、漂白後に熱を与えても黄変の少ないものであった。特に、後加工を十分に行った実施例1〜7は、不十分な後加工を行った実施例8に比べて、より黄変の少ないものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁にオゾン水流通孔を有する管の周囲にセルロース繊維製品層を設けた後、該管のオゾン水流通孔から該セルロース繊維製品層の外周へ向けてオゾン水を何度も通過させることにより、該セルロース繊維製品を漂白する方法において、
前記オゾン水のオゾン濃度は1〜9mg/Lで温度は0〜40℃であり、
前記オゾン水が前記オゾン水流通孔から前記セルロース繊維製品層の外周に到達する時間は5分以内であり、かつ、
前記オゾン水による前記セルロース繊維製品層の漂白時間は60分以内であることを特徴とするセルロース繊維製品の漂白方法。
【請求項2】
外壁にオゾン水流通孔を有する管の周囲にセルロース繊維製品層を設けた後、該セルロース繊維製品の外周から該管のオゾン水流通孔へ向けてオゾン水を何度も通過させることにより、該セルロース繊維製品を漂白する方法において、
前記オゾン水のオゾン濃度は1〜9mg/Lで温度は0〜40℃であり、
前記オゾン水が前記セルロース繊維製品層の外周から前記オゾン水流通孔に到達する時間は5分以内であり、かつ、
前記オゾン水による前記セルロース繊維製品層の漂白時間は60分以内であることを特徴とするセルロース繊維製品の漂白方法。
【請求項3】
セルロース繊維として、脱脂した天然セルロース繊維を用いる請求項1又は2記載のセルロース繊維製品の漂白方法。
【請求項4】
オゾン水による漂白後のセルロース繊維製品を、架橋剤で架橋処理する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセルロース繊維製品の漂白方法。

【公開番号】特開2011−6813(P2011−6813A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151654(P2009−151654)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000157348)丸三産業株式会社 (15)