説明

センサ付きローラ器具およびローラ器具の使用キット

【課題】施術箇所に対して確実にローラ器具を当接させることが従来よりも容易なローラ器具と、その使用キットとの提供を図る。
【解決手段】センサ付きローラ器具1は、ホルダ部3とローラ部4と発光ダイオード(11)と光センサ部(12A,12B)と報知部5とを備える。ローラ部4はホルダ部3に回転自在に支持され、少なくとも一部領域が透光性を持つ透光性領域4A,4C,4Eとして構成される。発光ダイオード(11)は、透光性領域4C内部に設けられ、当該領域の表面から光を出射する。光センサ部(12A,12B)は、透光性領域4A,4E内部に設けられ、当該領域の表面から入射する光を受光する。報知部5は、光センサ部(12A,12B)の出力に応じて報知状態が変化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ機能を利用して操作性を高めたローラ器具および、ローラ器具の使用キットに関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚のマッサージや美容に利用する器具として、円筒状のローラ部と、ローラ部を回転自在に支持するホルダ部と、ホルダ部に付設したグリップ部とを備えるローラ器具が用いられている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような構成のローラ器具は一般的に、グリップ部が使用者に把持され、施術箇所にローラ部の周面が当てられ、ローラ部の周面が施術箇所に転接触するようにローラ部を回転軸に対して垂直な方向に往復させて使用される。
【0004】
また、このようなローラ器具には様々な付帯構成が付設されることがある。特許文献1では、マッサージ効果とは別に美容効果が期待される特定波長の光を皮膚に照射する付帯構成がローラ器具に付設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−95416号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
皮膚に貼付する膏薬等ではその薬効を高めるために、ローラ器具による貼付箇所のマッサージを必要とすることがある。その場合、ローラ器具による転接圧力や転接方向、ローラ回転数などが適切であることが望まれるが、従来のローラ器具を用いては、その確実性が低く、薬効を十分に高められないことがあった。特に、施術箇所を使用者が目視できない場合には、使用者は鏡を利用したり感覚を頼りに施術したりする必要があり、施術箇所に確実にローラ器具を当接させて適切な施術を行うことが容易でなかった。
【0007】
そこで本発明の目的は、施術箇所に対して確実にローラ器具を当接させることが従来よりも容易なローラ器具と、その使用キットとを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のセンサ付きローラ器具は、ホルダ部とローラ部と発光部と光センサ部と報知部とを備える。ローラ部はホルダ部に回転自在に支持され、少なくとも一部領域が透光性を持つように構成される。発光部は、ローラ部の透光性を持つ領域内部に設けられ、当該領域の表面から光を出射する。光センサ部は、前記ローラ部の透光性を持つ領域内部に設けられ、当該領域の表面から入射する光を受光する。報知部は、前記光センサ部の出力に応じて報知状態が変化する。
【0009】
このセンサ付きローラ器具は、施術箇所にローラ部を転接触させる際に、施術箇所に発光部の光を照射し、施術箇所で反射された反射光を光センサ部で受光する。すると、光センサ部が受光する反射光は、施術箇所における反射率に応じて光量が変化したものになる。そのため、施術箇所における反射率に応じて光センサ部の出力が変化して報知状態が変化し、使用者は報知状態の変化を判断材料にして施術箇所の反射率の変化を把握可能になる。
【0010】
上述の構成において、ローラ部は円筒状であり、円筒中心軸に対して垂直な面によって、透光性を有する複数の透光性領域と、隣接する透光性領域の間に配置され遮光性を有する複数の遮光性領域と、に区画され、第1の前記透光性領域は内部に前記発光部が配置され、前記第1の透光性領域を間に挟む第2の前記透光性領域と第3の前記透光性領域とは内部に前記受光センサ部が配置されると好適である。
発光部と受光センサとを異なる透光性領域に配置し、その間を遮光性領域で遮光することにより、発光部の照射光が迷光となって光センサ部に直接検出されることを防ぐことができる。
【0011】
また、上述の構成において、ローラ部の回転数もしくは回転速度を検出するロータリーセンサをさらに備え、報知部はロータリーセンサの出力の変化によっても報知状態が変化するように構成すると望ましい。
また、上述の構成において、ローラ部の表面にかかる圧力を検出する圧力センサをさらに備え、報知部は圧力センサの出力の変化によっても報知状態が変化するように構成すると望ましい。
【0012】
また、上述の構成において、報知部は報知音を報知するように構成すると望ましい。
また、上述の構成において、報知部は報知表示を報知するように構成すると望ましい。
【0013】
また、上述の構成において、光センサ部の出力に関する情報を記憶するメモリをさらに備えると望ましい。
また、上述の構成において、光センサ部の出力に関する情報を送信する通信手段をさらに備えると望ましい。
【0014】
この発明のローラ器具の使用キットは、上述のセンサ付きローラ器具と、貼付シートとを備え、貼付シートは、貼付面の逆側の表面に光学反射性が周囲の領域と異なるライン領域が形成され、センサ付きローラ器具は、ライン領域に沿って貼付シートの表面を転接される際と、ライン領域からずれて貼付シートの表面を転接される際とで、報知部の報知状態が相違するように構成されると好適である。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、センサ付きローラ器具を貼付シートに転接させてマッサージする際に、適切な位置にローラ器具を当接させていなければ、何らかの報知状態の変化が生じるため、使用者は、施術箇所に対して確実にローラ器具を当接させることが可能になる。このため、ローラ器具による貼付箇所のマッサージを必要とする膏薬等の薬効を十分に高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るセンサ付きローラ器具の外観斜視図である。
【図2】図1に示すセンサ付きローラ器具の使用キットの使用方法を説明する模式図である。
【図3】図1に示すセンサ付きローラ器具の内部構成例を説明するブロック図である。
【図4】図1に示すセンサ付きローラ器具と貼付シートとの位置関係を説明する模式図である。
【図5】図1に示すセンサ付きローラ器具の制御フローである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るセンサ付きローラ器具の内部構成例を説明する図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るセンサ付きローラ器具の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態に係るセンサ付きローラ器具とその使用キットの構成例を図に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るセンサ付きローラ器具1の模式構成を示す外観斜視図である。センサ付きローラ器具1は、グリップ部2、ホルダ部3、ローラ部4、報知部5を備える。グリップ部2は施術時に使用者から把持される部位であって、円筒形状で内部に電池等を収容する空洞部を形成し、下端を球状に形成し、上端近傍の周面に絞りを形成した構成である。ホルダ部3はローラ部4を回転自在に支持する部位であり、ローラ部4の上下端を挟むエンド部3A,3Bを上端側と下端側とに備え、エンド部3A,3B間を軸部(不図示)により接続した構成である。このホルダ部3は、エンド部3Bの下面でグリップ部2に接続される。報知部5は、ここではブザーを備えて報知を行う構成であり、ホルダ部3のエンド部3Aの上面に接続される。ローラ部4は施術時に施術箇所に転接される円柱外形状の部位であって、円柱中心軸に対して垂直な面により5つの領域(4A〜4E)に分割されている。上端側から1層目、3層目、5層目は透光性を持つ透光性領域4A,4C,4Eであり、2層目、4層目は遮光性を持つ遮光性領域4B,4Dである。なお、ここでは各領域4A〜4Eは一体に回転するように構成するが、各領域4A〜4Eは各々独立して回転するように構成してもよい。
【0018】
図2はセンサ付きローラ器具1の使用方法を説明する図である。センサ付きローラ器具1は、貼付シート30とともに使用キットを構成する。貼付シート30は、貼付面に薬剤を含有するシートを備え、貼付面とは逆側の表面にラミネートシートを備え、ラミネートシートに着色により周辺領域とは光学反射性を異ならせた(反射率を低下させた)ライン領域31が形成されている。
【0019】
このキットを使用する際、使用者は説明書などの指示によって、使用者の皮膚に貼付シート30を貼付面で貼り付け、センサ付きローラ器具1の電源を入れて貼付シート30の表面に接触させ、円筒中心軸に対して垂直な方向にセンサ付きローラ器具1を往復させ、ライン領域31を特定のスピードや圧力でなぞるように貼付シート30の表面でローラ部4を転接触させる。
【0020】
その際、センサ付きローラ器具1は、内蔵する各種センサによって、ローラ部4に作用する圧力や、ローラ部4の回転数、ローラ部4の接触位置等を検出し、それらの検出値が適正範囲に無い場合にブザー等により警告報知を行う。これにより、使用者に適正な施術法を教示することができ、適正な施術によって薬剤の薬効を高めることが可能になる。
【0021】
図3は、センサ付きローラ器具1の内部構成の一例を説明するブロック図である。
【0022】
センサ付きローラ器具1は内部構成として発光ダイオード11、フォトトランジスタ12A,12B、圧力センサ13、ロータリーセンサ14、制御部15、電源スイッチ16、メモリ17、レギュレータ18、ブザー19、無線LANチップ20、および電池21を備える。レギュレータ18は電池21の起電圧を所定の電圧値にして、制御部15を含む各部に出力する。電源スイッチ16は、制御部15に対する起動信号や停止信号を出力する。制御部15はセンサ付きローラ器具1の全体を制御する。発光ダイオード11は特許請求の範囲に記載した発光部であり、ローラ部4の透光性領域4Cの内側に配置され、制御部15に制御されて発光する。フォトトランジスタ12A,12Bは特許請求の範囲に記載した光センサ部であり、ローラ部4の透光性領域4A,4Eの内側に配置され、受光量に応じた電圧値の出力電圧を制御部15に出力する。圧力センサ13はホルダ部3の軸部3Cにローラ部4から作用する圧力を検出し検出圧力に応じた電圧値の出力電圧を制御部15に出力する。ロータリーセンサ14はローラ部4の角速度に応じてパルス間隔が変化する出力信号を制御部15に出力する。ブザー19は制御部15に制御されて報知音を放音する。メモリ17は制御部15から入力される情報を記憶する。無線LANチップ20は、制御部15に制御されてメモリ17に記憶された情報を、無線通信回線を介して送信する。なお、制御部15は、メモリ17に対して、センサ付きローラ器具1の使用時刻やその際の各種センサの検出状態を履歴情報として記憶すると好適であり、その履歴情報を無線送信してPC等で閲覧できるようにしても好適であるが、メモリ17や無線LANチップ20は必ずしも設けなくても良い。
【0023】
図4は、使用時の貼付シート30とローラ部4との位置関係を説明する模式図である。図4(A)に示す状態では、貼付シート30のライン領域31上に、ローラ部4の透光性領域4A,4C,4Eが位置する。この場合、発光ダイオード11が発光した光は透光性領域4Cの表面からライン領域31に照射される。その光は、貼付シート30の表面で反射しようとするが、ライン領域31は光学反射率が低いため、フォトトランジスタ12A,12Bの受光量は小さく出力電圧が低いものになる。前述の制御部15は、フォトトランジスタ12A,12Bの出力電圧がともに低電圧で有る状態を、ライン領域31上にローラ部4の透光性領域4A,4C,4Eが位置すると判定することができる。
【0024】
図4(B)に示す状態では、ライン領域31上から外れて透光性領域4Aが位置する。この場合、フォトトランジスタ12Bで受光される光はライン領域31で反射したものになるが、フォトトランジスタ12Aで受光される光は、ライン領域31から外れた位置で反射したものになる。したがって、フォトトランジスタ12Aの受光量は大きく出力電圧が高いものになり,フォトトランジスタ12Bの受光量は小さく出力電圧は低いものになる。そのため、制御部15は、この状態を貼付シート30のライン領域31からローラ部4の上端部が外れたものと判定することができる。
【0025】
図4(C)に示す状態では、ライン領域31上から外れて透光性領域4Eが位置する。この場合、フォトトランジスタ12Aで受光される光はライン領域31で反射したものになるが、フォトトランジスタ12Bで受光される光は、ライン領域31から外れた位置で反射したものになる。したがって、フォトトランジスタ12Aの受光量は小さく出力電圧が低いものになり,フォトトランジスタ12Bの受光量は大きく出力電圧は高いものになる。そのため、制御部15は、この状態を貼付シート30のライン領域31からローラ部4の下端部が外れたものと判定することができる。
【0026】
図5は、制御部15の制御フローの一部を説明する図である。
電源スイッチがオンされて制御部15が起動すると、制御部15は各種センサをオンさせる(S1)。また制御部15は計時を行い、一定の時間間隔で繰り返しセンサの検出を行うために、検出タイミングか否かの判定を行う(S2)。
【0027】
検出タイミングになると、制御部15は一定時間内でのローラ部4の回転数が所定範囲内であったか否かの判定を行う(S3)。この判定は、ロータリーセンサ14の出力波形におけるパルスの立ち上がり回数を制御部15で計数しておき、その回数を閾値と比較することにより行うと好適である。この判定の結果、ローラ部4の回転数が所定範囲内でなかった場合には、ブザー19に所定の報知音を放音させる(S7)。
【0028】
また検出タイミングには、制御部15はローラ部4の圧力が所定範囲内であるか否かの判定を行う(S4)。この判定は、圧力センサ13の出力電圧を閾値と比較することにより行うと好適である。この判定の結果、ローラ部4の圧力が所定範囲内でなかった場合には、ブザー19に所定の報知音を放音させる(S7)。
【0029】
また検出タイミングには、制御部15はフォトトランジスタ12Aの出力電圧が閾値を下回るか否かの判定を行う(S5)。この判定の結果、フォトトランジスタ12Aの出力電圧が閾値を上回る場合には、フォトトランジスタ12Aを設ける透光性領域4Aが、貼付シート30のライン領域31から外れたと見なし、ブザー19に所定の報知音を放音させる(S7)。
【0030】
また検出タイミングには、制御部15はフォトトランジスタ12Bの出力電圧が閾値を下回るか否かの判定を行う(S6)。この判定の結果、フォトトランジスタ12Bの出力電圧が閾値を上回る場合には、フォトトランジスタ12Bを設ける透光性領域4Eが、貼付シート30のライン領域31から外れたと見なし、ブザー19に所定の報知音を放音させる(S7)。
【0031】
なお、ブザー19に放音させる報知音は、各判定ごとに異ならせてもよく、単一の報知音であってもよい。また、各判定ごとに判定結果をメモリに記憶するようにしてもよい。
【0032】
以上の各判定を、制御部15は電源がオフされるまで一定の時間間隔で繰り返し、電源オフによって制御を終了する(S8)。
【0033】
以上のように本実施形態のセンサ付きローラ器具1を構成して用いるため、貼付シート30の表面からマッサージを行う際に、適正な施術を行うことが使用者に容易になり、高い薬効を得ることが可能になる。
【0034】
なお、本実施形態では報知部としてブザーを用いたが、ブザーの替わりに報知ランプなどを設けてランプの発光状態を変化させるようにしてもよい。
【0035】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態に係るセンサ付きローラ器具について説明する。本実施形態のセンサ付きローラ器具は、内部構成として簡易なアナログ回路を採用する点で第1の実施形態と相違し、その他の点では第1の実施形態と同様な構成を採用する。
図6は、本実施形態のセンサ付きローラ器具の備えるアナログ回路51の回路図である。アナログ回路51は電池52、発光ダイオード53、フォトトランジスタ54A,54B、負荷抵抗55A,55B、ORゲート56、トランジスタ57、ブザー58、および電流制限抵抗59を備える。
【0036】
電池52からの電源ラインには、電流制限抵抗59と発光ダイオード53とを接続した直列回路を接続している。また、その電源ラインには、フォトトランジスタ54Aと負荷抵抗55Aとを接続した直列回路と、フォトトランジスタ54Bと負荷抵抗55Bとを接続した直列回路と、トランジスタ57のコレクタとブザー58とを接続した直列回路と、も接続している。トランジスタ57のベースには、ORゲート56の出力端子を接続している。ORゲート56の2つの入力端子には、フォトトランジスタ54Aと負荷抵抗55Aとの接続点電圧と、フォトトランジスタ54Bと負荷抵抗55Bとの接続点電圧とを印加している。
【0037】
このアナログ回路51では、発光ダイオード53が発光し、その光が図示しない貼付シートのライン領域に照射される場合、フォトトランジスタ54A,54Bはともに反射光を十分に得られずにオフし、ORゲート56の2つの入力端子にはともにLOWレベルが印加される。すると、ORゲート56はトランジスタ57のベース電圧をLOWレベルとし、これによりトランジスタ57がオフ状態になってブザー58が駆動されない。
【0038】
また、発光ダイオード53の光が図示しない貼付シートのライン領域に部分的に照射される場合、フォトトランジスタ54A,54Bがオンとオフになり、ORゲート56の2つの入力端子にはLOWレベルとHIGHレベルとが印加される。すると、ORゲート56はトランジスタ57のベース電圧をHIGHレベルとし、これによりトランジスタ57がオン状態になってブザー58が駆動される。
【0039】
発光ダイオード53の光が図示しない貼付シートのライン領域から外れた位置に照射される場合、フォトトランジスタ54A,54Bがともにオンになり、ORゲート56の2つの入力端子にはHIGHレベルが印加される。すると、ORゲート56はトランジスタ57のベース電圧をHIGHレベルとし、これによりトランジスタ57がオン状態になってブザー58が駆動される。
【0040】
このように、センサ付きローラ器具の内部構成をアナログ回路51としても、貼付シートのライン領域に発光ダイオード53の光が照射される状態に応じてブザーの報知音(報知状態)を変更することができ、使用者に対してローラ部の接触位置が適正か否かを教示することができる。
【0041】
なお、アナログ回路の具体的構成としては本実施形態で示した構成例に限られず、同様な機能を持つ多様な回路構成を採用することができる。
【0042】
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態に係るセンサ付きローラ器具について説明する。本実施形態のセンサ付きローラ器具は、ローラ部に対するグリップ部の接続角度の点で第1の実施形態と相違し、その他の点では第1の実施形態と同様な構成を採用する。
図7は、本実施形態のセンサ付きローラ器具61の外観斜視図である。センサ付きローラ器具61は、グリップ部62、ローラ部64、報知部65を備える。グリップ部62は施術時に使用者から把持される部位であって、矩形筒形状で内部に電池等や報知部65を収容する空洞部を形成し、下端を閉塞し、上端近傍にホルダ部63となる2つの腕部を設けた構成である。ホルダ部63はローラ部64を回転自在に支持する部位である。センサ付きローラ器具はこのような外形状に構成してもよい。
【0043】
上述の各実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0044】
1…センサ付きローラ器具
2…グリップ部
3…ホルダ部
3A,3B…エンド部
3C…軸部
4…ローラ部
4A,4C,4E…透光性領域
4B,4D…遮光性領域
5…報知部
11…発光ダイオード
12A,12B…フォトトランジスタ
13…圧力センサ
14…ロータリーセンサ
15…制御部
16…電源スイッチ
17…メモリ
18…レギュレータ
19…ブザー
20…LANチップ
21…電池
30…貼付シート
31…ライン領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダ部と、
前記ホルダ部に回転自在に支持され、少なくとも一部領域が透光性を持つように構成されるローラ部と、
前記ローラ部の透光性を持つ領域内部に設けられ、当該領域の表面から光を出射する発光部と、
前記ローラ部の透光性を持つ領域内部に設けられ、当該領域の表面から入射する光を受光する光センサ部と、
前記光センサ部の出力に応じて報知状態が変化する報知部と、を備えるセンサ付きローラ器具。
【請求項2】
前記ローラ部は円筒状であり、円筒中心軸に対して垂直な面によって透光性を有する複数の透光性領域と、隣接する透光性領域の間に配置され遮光性を有する複数の遮光性領域と、に区画され、第1の前記透光性領域は内部に前記発光部が配置され、前記第1の透光性領域を間に挟む第2の前記透光性領域と第3の前記透光性領域とは内部に前記受光センサ部が配置される、請求項1に記載のセンサ付きローラ器具。
【請求項3】
前記ローラ部の回転数もしくは回転速度を検出するロータリーセンサをさらに備え、前記報知部は前記ロータリーセンサの出力の変化によっても報知状態が変化するように構成する、請求項1または2に記載のセンサ付きローラ器具。
【請求項4】
前記ローラ部の表面にかかる圧力を検出する圧力センサをさらに備え、前記報知部は前記圧力センサの出力の変化によっても報知状態が変化するように構成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサ付きローラ器具。
【請求項5】
前記報知部は報知音を報知する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサ付きローラ器具。
【請求項6】
前記報知部は報知表示を報知する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のセンサ付きローラ器具。
【請求項7】
前記光センサ部の出力に関する情報を記憶するメモリをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載のセンサ付きローラ器具。
【請求項8】
前記光センサ部の出力に関する情報を送信する通信手段をさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサ付きローラ器具。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のセンサ付きローラ器具と貼付シートとを備えるローラ器具の使用キットであって、
前記貼付シートは、貼付面の逆側の表面に光学反射性が周囲の領域と異なるライン領域が形成され、
前記センサ付きローラ器具は、前記ライン領域に沿って前記貼付シートの表面を転接される際と、前記ライン領域からずれて前記貼付シートの表面を転接される際とで、前記報知部の報知状態が相違するように構成される、ローラ器具の使用キット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate