説明

センサ

【課題】液体の試料について、良好に検知・定量可能な圧電振動子を用いたセンサを提供すること。
【解決手段】本発明のセンサは、圧電基板と、圧電基板の表面に設けられた少なくとも一対の励振電極と、圧電基板の裏面に設けられた導電性膜とを備える圧電振動子を用いる。ここで、圧電基板の表面が系外に露出され、導電性膜に試料液を晒して検知・定量を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサに関する。より詳細には、本発明は、液体の試料について検知・定量を良好に行うことができる圧電振動子を用いたセンサに関する。
【0002】
従来から、液体や気体の濃度等を検知・定量するセンサとして、水晶等の圧電振動子を用いたセンサー(QCMセンサ)が用いられている。圧電振動子は、圧電基板の両面に電極を設けて構成される(例えば、特許文献1参照)。このようなセンサによる検知・定量は、圧電振動子の片面に被検知物質を接触させた状態で発振させて、被検知物質によって変化した共振周波数数等を検出することにより行う。
【0003】
しかし、被検知物質が液体である場合、圧電基板に設けられた電極が液中に液体に晒されてリークしてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−304259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、液体の試料について、良好に検知・定量可能な圧電振動子を用いたセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のセンサは、圧電基板と、該圧電基板の表面に設けられた少なくとも一対の励振電極と、該圧電基板の裏面に設けられた導電性膜とを備える圧電振動子を用い、該圧電基板の表面が系外に露出され、該導電性膜に試料液を晒して検知・定量を行う。
好ましい実施形態においては、上記圧電基板が表面側に凸な厚肉部を有する。
好ましい実施形態においては、上記厚肉部がレンズ形状を有する。
好ましい実施形態においては、上記励振電極が、上記厚肉部の少なくとも一部を覆うように設けられている。
好ましい実施形態においては、上記導電性膜が、上記励振電極と対向する位置に設けられている。
好ましい実施形態においては、上記励振電極の間隔が上記圧電基板の厚みの1〜3倍である。
好ましい実施形態においては、試料液の濃度を検出する。
好ましい実施形態においては、上記試料液がアルコール水溶液である。
好ましい実施形態においては、上記導電性膜が、圧電基板側から、チタン層、酸化チタン層および金層をこの順で備える。
好ましい実施形態においては、上記導電性膜を被覆する保護膜を備える。
好ましい実施形態においては、メタノール水溶液の濃度を0〜30wt%の範囲で検出する。
本発明の別の局面においては、燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは上記センサを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、励振電極が圧電基板の片側にのみ形成され、もう片側に導電性膜が形成された圧電振動子を用い、励振電極を系外に露出して、導電性膜が形成された側にのみ試料液を晒して検知・定量を行うことにより、電極が液に晒されてリークすることがなく、良好に検知・定量を行うことができる。また、長期的な使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の好ましい実施形態による燃料電池システムの一部を示す構成図である。
【図2】図1に示す燃料電池システムのセンサ部の拡大図である。
【図3】(a)は、本発明の好ましい実施形態による圧電振動子の平面図であり、(b)は、(a)に示す圧電振動子の底面図であり、(c)は、(a)におけるA−A断面図である。
【図4】(a)から(c)は、本発明の別の好ましい実施形態による圧電基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0010】
図1は、本発明の好ましい実施形態による燃料電池システムの一部を示す構成図であり、図2は、図1に示す燃料電池システムのセンサ部の拡大図であり、図3(a)は、図2のセンサ部に用いられる圧電振動子の平面図であり、(b)はその底面図であり、(c)は(a)におけるA−A断面図である。
【0011】
図示するように、燃料電池システム100は、高濃度アルコール(代表的には、メタノール)が貯蔵された燃料タンク110と、アルコールと酸素との電気化学的反応により電気エネルギーを発生させるスタック120と、スタック120の副生成物(水)と高濃度アルコールとを混合してスタック120に混合液を供給する混合タンク130と、混合タンク130からスタック120に供給されるアルコール水溶液の濃度を検知・定量するセンサ部140とを有する。
【0012】
センサ部140では、混合タンク130からスタック120へのアルコール水溶液の供給流路150の内壁に、圧電振動子10が配置されている。また、例えば、温度の変化が検知・定量に及ぼす影響を補正するために、供給流路150の内壁に温度計20が配置されている。図示するように、温度計を圧電振動子の近傍に配置することで、良好に補正を行うことができる。試料液の温度(検知・定量温度)は、例えば、0〜60℃である。なお、供給流路150の内径は、代表的には1mm程度である。
【0013】
圧電振動子10は、圧電基板11と、圧電基板11の表面に設けられた一対の励振電極12と、圧電基板11の裏面に設けられた導電性膜13とを備える。励振電極12は電極12aと電極12bとで対をなしている。圧電基板11は、表面側に凸な厚肉部11aを有し、この厚肉部11aの少なくとも一部を覆うようにして励振電極12が設けられている。このような構成を採用することにより、より高いQ値およびコンダクタンス値を得ることができる。一般的に、被検知物質が液体である場合、振動損失は大きく、共振特性が大きく鈍化するという問題があり、圧電振動子を用いたセンサでは、良好に検知・定量を行うのが困難であるとされている。このように高いQ値を備える圧電振動子を用いることで、極めて良好に検知・定量を行うことができる。導電性膜13は、励振電極12と対向する位置に設けられている。このような構成を採用することにより、振動エネルギーが増大して、感度に優れたセンサを得ることができる。
【0014】
圧電振動子10は、励振電極12が設けられた圧電基板11の表面が系外に露出するように配置されている。導電性膜13にアルコール水溶液(試料液)を晒すことにより検知・定量を行う。図示しないが、励振電極12に、系外に設けた発振器および検出器(例えば、周波数カウンタ)への配線を行う。このような構成は、励振電極12が圧電基板11の片側(表面)にのみ設けられていることから、実現可能となる。このような構成とすることにより、励振電極12およびその配線は試料液に晒されることがない。その結果、電極が液に晒されてリークすることがなく、良好に検知・定量を行うことができる。また、長期的な使用が可能となる。
【0015】
圧電基板の厚みは、好ましくは0.1〜1000μm、さらに好ましくは10〜500μmである。このような範囲において、共振周波数が高く、優れたQ値およびコンダクタンス値が発現し得、検出分解能に優れたセンサを得ることができる。
【0016】
厚肉部は、任意の適切な形状に形成される。好ましくは、図3に示すように、レンズ形状に形成される。具体的には、厚肉部の断面は円弧状である。このような形状とすることにより、極めて高いQ値およびコンダクタンス値を得ることができる。他の具体例としては、図4(a)に示すような断面が台形状、図4(b)および(c)に示すような矩形状(いわゆる、メサ型、逆メサ型)等が挙げられる。厚肉部11aの厚みは、好ましくは0.003〜30μm、さらに好ましくは0.03〜30μmである。
【0017】
図4(c)に示すように複数の厚肉部が形成される場合、好ましくは、励振電極の一方の電極12aが一方の厚肉部11aの少なくとも一部を覆うようにして設けられ、他方の電極12bが隣接する別の厚肉部11aの少なくとも一部を覆うようにして設けられる。すなわち、一対の励振電極が隣接する厚肉部に並設される。このような構成とすることにより、共振周波数が向上し得、感度が向上し得る。また、後述のクロストークを低減し得る。
【0018】
圧電振動子は励振電極を複数備えていてもよい。この場合、圧電基板内に振動部が複数存在し得る。その結果、同時に複数の対象(化合物、分子)を検知・定量し得る。また、導電性膜の構成を適宜選択することにより、当該導電性膜との親和性の違い(例えば、非特異吸着)を評価し得る。また、好ましくは、圧電基板は、形状の異なる厚肉部を同時に有する。具体例としては、各厚肉部の厚みが異なる態様、レンズ形状の厚肉部と断面が矩形状の厚肉部とが混在している態様等が挙げられる。このような構成とすることにより、各振動部の共振周波数が異なり、共存する他の振動部から受ける影響を低減し得る(いわゆる、クロストークを低減し得る)。また、各振動部(厚肉部)が異なる感度を示し得る。
【0019】
圧電基板は、任意の適切な圧電材料で形成される。例えば、水晶や、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、チタン酸バリウム、ランガサイト等のセラミックス等が挙げられる。
【0020】
励振電極の間隔(電極12aと電極12bとの間隔)は、好ましくは上記圧電基板の厚みの1〜3倍であり、さらに好ましくは1.2〜2.5倍である。具体的には、励振電極の間隔は、好ましくは0.1〜3000μm、さらに好ましくは1〜2000μmである。励振電極の間隔をこのような範囲にすることにより、極めて高いQ値およびコンダクタンス値を得ることができる。その結果、小型化、集積化を達成し得る。また、圧電基板の水平方向だけでなく垂直方向においても優れたコンダクタンス値が得られ得る。励振電極の厚みは、好ましくは0.001〜1μm、さらに好ましくは0.01〜1μmである。
【0021】
励振電極は、任意の適切な導電性材料で形成される。導電性材料としては、例えば、金、白金、チタン、クロム、アルミニウム、ニッケル、ニッケル系合金、銀等の金属;シリコン;カーボン;カーボンナノチューブ;ポリピロール、ポリアニリン等の合成有機高分子等が挙げられる。励振電極は、単層体であってもよいし、積層体であってもよい。積層体の具体例としては、クロム層および金層を有する積層体が挙げられる。また、後述の導電性膜と同様、チタン層、酸化チタン層および金層を含む積層体であってもよい。
【0022】
図示例では、導電性膜は、略円形状とされているが、導電性膜は任意の適切な形状に設計され得る。例えば、略矩形状等である。導電性膜の厚みは、好ましくは0.001〜1μmである。
【0023】
圧電基板に励振電極(振動部)が複数設けられる場合、好ましくは、励振電極各々に対応して、導電性膜が複数設けられる。好ましくは、圧電基板は、形状の異なる導電性膜を同時に有する。具体例としては、各導電性膜の形状が異なる態様、各導電性膜の厚みが異なる態様等が挙げられる。このような構成とすることにより、各振動部の共振周波数が異なり、共存する他の振動部から受ける影響を低減し得る(いわゆる、クロストークを低減し得る)。また、各振動部が異なる感度を示し得る。なお、このような効果は、各励振電極の形状や励起電極の間隔等を変化させることによっても得られ得る。
【0024】
導電性膜は、任意の適切な導電性材料で形成される。導電性膜を形成する導電性材料としては、例えば、上記励振電極と同様の導電性材料、導電性高分子等が用いられる。導電性高分子としては、上記の合成有機高分子以外に、DNA等の生体由来の有機高分子等が用いられる。導電性膜は感応膜として機能し得、検出対象の電荷状態に敏感に反応し得るセンサを得ることができる。導電性膜を形成する導電性材料としては、好ましくは金、白金、銀、クロム、チタン等が用いられる。例えば、検出対象の電荷状態にさらに敏感に反応可能なセンサを提供し得るからである。また、これらは、分子修飾が容易あり、後述の他の成分と良好に吸着または結合し得るからである。
【0025】
導電性膜は、上記導電性材料以外に、他の成分を含み得る。他の成分は、例えば、検出対象等に応じて、任意の適切な材料が用いられる。具体的には、検出対象が低分子化学物質や金属等のイオン性物質等の場合(化学センサの場合)、導電性膜は、サイクロデキストリン等の包摂化合物、イオン応答性高分子、キレート化合物等を含み得る。また、検出対象が核酸、タンパク質、糖、ホルモン、ペプチド等の生体物質;微生物;ウィルス;細胞等の場合(バイオセンサの場合)、導電性膜は、核酸;DNAオリゴマー、RNAオリゴマー等の合成核酸;抗体;ペプチド;酵素;受容体等を含み得る。このような導電性膜の構成成分と検出対象との相互作用により、インピーダンス、容量等の電気的特性や、密度、弾性定数等の物理的特性が変化し得る。その結果、導電性膜は感応膜として機能し得る。
【0026】
導電性膜は、単層体であってもよいし、積層体であってもよい。具体的には、導電性材料、もしくは、導電性材料と上記他の成分との混合物で形成された単層体であってもよいし、導電性材料で形成された層と他の成分で形成された層との積層体であってもよい。
【0027】
本実施形態のように、検知・定量対象である試料液がアルコールを含む場合、導電性膜は、好ましくは、チタンおよび/または金を含む。このような構成を採用することにより、アルコールに対する優れた耐久性を得ることができる。その結果、長期的な使用が可能となる。さらに好ましくは、導電性膜は、圧電基板側から、チタン層、酸化チタン層および金層をこの順で備える。酸化チタン層は、チタン層と金層とのバインダーとして機能し得、剥がれ等が抑制されて、極めて優れた耐久性を得ることができる。導電性材料で形成された層(金属膜)の厚みは、好ましくは0.001〜1μm、さらに好ましくは0.01〜1μmである。酸化チタン層を設ける場合、その厚みは、好ましくは0.001〜0.5μmである。
【0028】
圧電振動子は、導電性膜を被覆する保護膜を備え得る。特に試料液の濃度を検出する場合、保護膜を設けることにより、導電性膜への吸着を防止することができる。その結果、吸着物質による重量変化により生じる共振周波数の変化を防止して、濃度検出の誤差を防止することができる。保護膜を形成する材料としては、好ましくは、シリコン樹脂等が用いられる。試料液と相互作用がないからである。保護膜の厚みは、好ましくは0.01〜10μmである。
【0029】
上述のとおり、本発明のセンサに用いられる圧電振動子は非常に小型である。また、微細加工が容易で、かつ、安価である。その結果、検出回路の小型化および低コスト化が実現できる。
【0030】
圧電振動子の作製方法は、任意の適切な方法が採用される。代表的には、圧電基板に(厚肉部を有する場合、予め厚肉部を形成した後に)、励振電極および導電性膜(必要に応じて保護膜)を形成することにより作製される。
【0031】
厚肉部の形成方法は、任意の適切な方法を採用される。例えば、圧電基板に、エッチング、機械研磨等の加工を施す方法、圧電基板表面にホトレジストを塗布し、露光・現像または加熱して所望の形状を形成(パターニング)した後、エッチングを行う方法等が挙げられる。
【0032】
励振電極は、好ましくは、導電パターンである。導電パターンの形成方法としては、パターン印刷法、レジスト法、スパッタ法や真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD法)、スクリーン印刷法、エレクトロスプレー法、インクジェット法、キャスト法、吸着法、無電解めっき法、イオンプレーティング法等が挙げられる。導電性膜の形成方法としては、上記導電パターンの形成方法と同様の方法が採用され得る。導電性膜が感応膜として機能し得る場合、上記導電性材料および他の成分との混合物をキャストする方法、予め導電性材料で層を形成した後に他の成分を堆積させる方法(交互吸着堆積法)等が挙げられる。
【0033】
一般的に、液相中での圧電振動子の共振周波数の変化量は、(液体密度×粘度)1/2に比例するとされている。メタノール水溶液の場合、40wt%付近で(液体密度×粘度)1/2の極点を示す。本発明のセンサは、0〜30wt%の範囲で、メタノール水溶液の濃度を良好に検知・定量し得る。通常、燃料電池システムにおいては、アルコール水溶液の濃度を3〜6wt%程度に保つことが望ましいとされている。本発明のセンサは、燃料電池システムの濃度センサとして極めて良好に機能し得る。
【0034】
燃料電池システムを例に、本発明のセンサを説明したが、本発明のセンサは、共振周波数、インピーダンス、コンダクタンスを検出することにより、濃度だけでなく、密度、粘度、導電率、誘電率等の試料液の各種物性を検知・定量することができる。
【0035】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0036】
[実施例1]
(圧電基板)
厚み100μmのATカット水晶板を用いた。
【0037】
(励振電極の形成)
圧電基板の表面に、スパッタ法で、厚み10nmのクロム層と厚み90nmの金層を順次積層した。その後、図3(a)に示すようなパターンの励振電極が得られるように、アライメントを行い、湿式エッチングによりパターニングした。このようにして、電極の間隔200μm、直径1mm、電極面積45mm、厚み0.1μmの励振電極を形成した。
【0038】
(導電性膜の形成)
圧電基板の裏面に、直径1mmの円形の導電性膜を、励振電極と対向するように(励振電極の外周と導電性膜の外周が一致するように)形成した。成膜は、スパッタ法にて、厚み10nmのチタン層、厚み10nmの酸化チタン層および厚み80nmの金層を順次積層することにより行った。
【0039】
得られた圧電振動子の基本共振周波数は16.7MHzであった。また、Q値およびコンダクタンス値を、室温下、インピーダンスアナライザー(インピーダンスアナライザーE4991A、アジレント製、バイアス:0.5V)で測定したところ、Q値:100000、コンダクタンス値:18(mS)であった。このように、高いQ値およびコンダクタンス値が得られた。
【0040】
得られた圧電振動子の励振電極に発振器および周波数カウンタを接続し、導電性膜側にのみ所定の濃度に調製されたメタノール水溶液を晒して周波数変化を測定した。周波数カウンタはアジレントテクノロジー製の53131Aを用いた。測定に際し、メタノール水溶液の温度を一定(25℃)に保った。メタノール濃度0〜30wt%の範囲で、0.5wt%毎に周波数を測定した。
【0041】
0〜30wt%の範囲で、メタノール濃度を良好に検出することができた。具体的には、メタノール濃度1wt%当りの周波数の平均変化率は、75.9Hzであった。特に、低濃度領域(0〜10wt%)で極めて良好に検出することができた(周波数の変化率は線形性を示した)。液中で水晶振動子発振における周波数カウンタの分解能は5Hz程度であったので、メタノール水溶液の濃度測定が0.1wt%より良い分解能で測定できた。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のセンサは、液体の試料の検知・定量に好適に用いられ得る。例えば、燃料電池システムの燃料濃度の検知・定量に好適に用いられ得る。
【符号の説明】
【0043】
10 圧電振動子
11 圧電基板
12 励振電極
13 導電性膜
100 燃料電池システム
110 燃料タンク
120 スタック
130 混合タンク
140 センサ部
150 供給流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、該圧電基板の表面に設けられた少なくとも一対の励振電極と、該圧電基板の裏面に設けられた導電性膜とを備える圧電振動子を用いたセンサであって、
該圧電基板の表面が系外に露出され、該導電性膜に試料液を晒して検知・定量するセンサ。
【請求項2】
前記圧電基板が表面側に凸な厚肉部を有する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記厚肉部がレンズ形状を有する、請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記励振電極が、前記厚肉部の少なくとも一部を覆うように設けられている、請求項2または3に記載のセンサ。
【請求項5】
前記導電性膜が、前記励振電極と対向する位置に設けられている、請求項1から4のいずれかに記載のセンサ。
【請求項6】
前記励振電極の間隔が前記圧電基板の厚みの1〜3倍である、請求項1から5のいずれかに記載のセンサ。
【請求項7】
試料液の濃度を検出する、請求項1から6のいずれかに記載のセンサ。
【請求項8】
前記試料液がアルコール水溶液である、請求項1から7のいずれかに記載のセンサ。
【請求項9】
前記導電性膜が、圧電基板側から、チタン層、酸化チタン層および金層をこの順で備える、請求項1から8のいずれかに記載のセンサ。
【請求項10】
前記導電性膜を被覆する保護膜を備える、請求項1から9のいずれかに記載のセンサ。
【請求項11】
メタノール水溶液の濃度を0〜30wt%の範囲で検出する、請求項1から10のいずれかに記載のセンサ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載のセンサを備える、燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−128051(P2011−128051A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287583(P2009−287583)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(591167430)株式会社KRI (211)
【復代理人】
【識別番号】100143650
【弁理士】
【氏名又は名称】山元 美佐