説明

ソーシャルネットワーキングサービス上で展開するキャンペーンにおけるフィード提供システム及びフィード提供方法

【課題】ユーザのソーシャルネットワーキングサービス内でのアクティビティを促進させることでサービスの価値向上を図りつつ、特にキャンペーンに関するアクティビティを促進させることによりキャンペーンへのユーザの関心度の向上を促し、当該キャンペーンの広告効果を高める。
【解決手段】キャンペーンに関連したコンテンツに対するユーザのアクティビティの情報をフィードとして配信する際に、ユーザ相互の関係性、キャンペーン運営者及び/又はサービス運営者の定義、表示エリアのスペック、閲覧端末の種類の各要素に基づいて表示対象とするフィードを選別するフィルタリング機能とを備えることを特徴とするフィード提供システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SNS(=Social Networking Service)の価値向上を図りつつ、SNS内において展開されるキャンペーンの効果を向上させることが可能な、ソーシャルネットワーキングサービス上で展開するキャンペーンにおけるフィード提供システム及びフィード提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という。)と呼ばれる、人と人とのつながりを促進・サポートするコミュニティ型の会員制サービスが知られている。SNSでは、自分のプロフィールや写真を会員に公開する機能や、特定の友人のみに公開範囲を制限できる日記機能、趣味や地域などテーマを決めて掲示板などで交流できるコミュニティ機能等のサービスがインターネット上で利用できる点に特色がある。こうしたSNSの一つとして非特許文献1に開示されるウェブサイトが知られている。
【0003】
同サービスにおいて会員が利用できるサービスの具体的なコンテンツとして、例えば以下が挙げられる。第一には、例えば「日記」「カレンダー(予定)」「フォト」「動画」のように、会員自身が投稿し、また関係性を有する他の会員の投稿を閲覧することができるコンテンツである。こうしたコンテンツは予め投稿するメニューの枠組みが決められており、その表示される態様(表示領域)も定型的である。一の会員が、例えば自らが体験した出来事を日記として投稿すると、その会員と所定の関係にある別の会員のトップページの「日記」の枠組み内に当該日記のフィードがリンク付きで表示され、その別の会員は当該リンクを開くことにより一の会員の日記の内容を閲覧することができる。
【0004】
また別のコンテンツとして、コミュニティ機能が挙げられる。これは、特定のテーマに沿った掲示板ページにおいて会員が投稿したり、他の会員の投稿を閲覧することで情報の交換を行うことができるものである。こうしたコミュニティ機能への投稿も、そのリンク付きのフィードが会員のトップページその他頻繁に閲覧するページに表示され、会員はそのリンクを開くことで投稿内容を閲覧することができ、自ら投稿することもできる。
【0005】
更には、上記のような会員自身が投稿者になり閲覧者にもなるコンテンツの他に、ゲーム等のアプリケーションが提供されていたり、個々の会員のサービス内での行動(以下「アクティビティ」ということがある。)とは直接関係のないニュースのフィードも配信される他、フィードの形式をとらないバナー広告も配信される。これらもまた、予め定められている枠組みの中で表示され提供される。
【0006】
上記のうち、多数の主体が閲覧し又投稿するサービスは、例えば登録しているコミュニティによって個々の会員が興味を持つ話題毎にカテゴライズされていることから、広告を出すにあたってはそのコミュニティの属性や登録している会員の数などから適切なリーチを期待して広告出稿することができる。特許文献1には、特定のユーザが参加するネットワーク上のコミュニティサービスを運営するサーバの広告配信方法であって、前記コミュニティサービス内に生成される少なくとも一つのコミュニティおよびそのカテゴリを管理し、前記コミュニティに投稿されたコンテンツを蓄積し管理し、前記コミュニティサービスに加入した各ユーザのプロフィール情報を保持し、前記登録されたユーザをあて先とする電子メールを作成し、前記コミュニティのカテゴリと前記ユーザのプロフィール情報とに基づいて広告を選択し、選択した広告を、前記作成した電子メールへ挿入し、前記電子メールを配信する方法が開示されている。しかしこうした広告配信方法によって広告を挿入した電子メールを受領することを望まない会員の存在も想定され、却ってかかるプッシュ型の広告により悪印象を持たれる懸念もある。更にサービス内での特定のコミュニティへの参加やプロフィールの登録といったアクティビティを行うことが不要な広告挿入メールを受領することに繋がるとすれば、それを嫌う会員のアクティビティを抑制してしまうことになり、サービスの活性化を阻害することになってしまう。
【0007】
ところで、SNSの特徴の一つは、他の会員のサービス内でのアクティビティが自己のトップページなど頻繁に閲覧するページにフィードが表示されることにより、自己と所定の関係性を有する他の会員のアクティビティを知ることができる点にある。メディアコンテンツの項目が、一人以上の他のユーザとの関係に基づいてユーザのために選択され、他のユーザとのユーザの関係が、選択されたメディアコンテンツおよびそのフォーマットに反映される構成が特許文献2にも開示されている他、既に多数のSNSにおいて実装されている。しかしこうした構成は、当該ユーザ(会員)の立場から見た関係性の強弱を画面表示に反映させることとなり、ユーザ自体の使用し易さの向上にはつながるものの、アクティビティの促進には中立的であり、当該ユーザ自身の関係性の範疇を超えた新たなアクティビティの創出機会の提供にはつながらない。また、飽くまでフィードの表示される序列を画面表示に反映させるに留まり、キャンペーンの運営者の意向を加味した表示を行うことができず、例えば特定のキャンペーンを行う際の表示の最適化という観点を加味することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−210304号公報
【特許文献2】特表2010−500650号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「ソーシャル・ネットワーキング サービス[mixi(ミクシィ)]」、[online]、[平成22年5月21日検索]、インンターネット<URL:http://mixi.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、ユーザのサービス内でのアクティビティを促進させることでサービスの価値向上を図りつつ、これを特にキャンペーンと連動させることによりキャンペーンへのユーザの関心度の向上を促し、当該キャンペーンの広告効果を高めることを可能とする、ソーシャルネットワーキングサービス上で展開するキャンペーンにおけるフィード提供システム及びフィード提供方法を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題の解決手段を検討するにあたり、SNSにおいては、ある会員が、関係性を有する他の会員の行ったアクティビティに触発されて同一のアクティビティを追随して行う現象が多く見られる点に着目した。これは、関係性を有する他の会員の行動自体が、その行動対象、例えばキャンペーンに関連したコンテンツ自体の信憑性を高める効果があるためと推測される。すなわち本発明は、以下に述べる構成を有する。
【0012】
(1)ソーシャルネットワーキングサービスにおける、キャンペーンに関連したコンテンツに対するユーザのアクティビティに関するフィード提供システムであって、キャンペーンに関連したコンテンツに対するユーザのアクティビティの情報を蓄積するアクティビティ蓄積手段と、前記蓄積されたアクティビティに基づいてフィードを生成するフィード生成手段と、閲覧端末において配信されるフィードが表示される表示エリアを制御する表示エリア制御手段と、閲覧端末に配信されるフィードを選別する配信フィード選別手段とを有し、前記配信フィード選別手段は、前記アクティビティを行ったユーザと閲覧ユーザとの関係性に基づいて閲覧端末において表示対象とするフィードを選別する第一のフィルタリング機能と、キャンペーン運営者及び/又はサービス運営者の定義に基づいて閲覧端末において表示対象とするフィードを選別する第二のフィルタリング機能と、表示エリアのスペックに基づいて閲覧端末において表示対象とするフィードを選別する第三のフィルタリング機能と、閲覧端末の種類に基づいて表示対象とするフィードを選別する第四のフィルタリング機能とを備えることを特徴とするフィード提供システム(請求項1)。
【0013】
(2)閲覧端末からネットワークを介して登録することにより、キャンペーン別、コンテンツ別、又はユーザ別のいずれか一又は複数の選別軸により受信するフィードを選別する受信フィード選別手段を有していることを特徴とする、(1)記載のフィード提供システム(請求項2)。
【0014】
(3)アクティビティを実施する端末からネットワークを介して登録することにより、キャンペーン別、コンテンツ別、又はユーザ別のいずれか一又は複数の選別軸によりフィードの配信可否を制御するフィード配信制御手段を有していることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のフィード提供システム(請求項3)。
【0015】
(4)前記配信されたフィードをクリックした際に、画面遷移を伴うことなくフィードにリンクされた詳細を表示する詳細表示手段を更に備えたことを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載のフィード提供システム(請求項4)。
【0016】
(5)ソーシャルネットワーキングサービスにおける、キャンペーンに関連したコンテンツに対するユーザのアクティビティに関するフィード提供方法であって、キャンペーンに関連したコンテンツに対するユーザのアクティビティの情報を蓄積するアクティビティ蓄積ステップと、前記蓄積されたアクティビティに基づいてフィードを生成するフィード生成ステップと、閲覧端末において配信されるフィードが表示される表示エリアを制御する表示エリア制御ステップと、閲覧端末に配信されるフィードを選別する配信フィード選別ステップとを備え、前記配信フィード選別ステップにおいては、前記アクティビティを行ったユーザと閲覧ユーザとの関係性に基づいて閲覧端末において表示対象とするフィードを選別する第一のフィルタリング機能と、キャンペーン運営者及び/又はサービス運営者の定義に基づいて閲覧端末において表示対象とするフィードを選別する第二のフィルタリング機能と、表示エリアのスペックに基づいて閲覧端末において表示対象とするフィードを選別する第三のフィルタリング機能と、閲覧端末の種類に基づいて表示対象とするフィードを選別する第四のフィルタリング機能とに基づいてフィードの選別が行われることを特徴とするフィード提供方法(請求項5)。
【0017】
(6)閲覧端末からネットワークを介して登録することにより、キャンペーン別、コンテンツ別、又はユーザ別のいずれか一又は複数の選別軸により受信するフィードを選別する受信フィード選別ステップを備えていることを特徴とする、(5)記載のフィード提供方法(請求項6)。
【0018】
(7)アクティビティを実施する端末から登録することにより、キャンペーン別、コンテンツ別、又はユーザ別のいずれか一又は複数の選別軸によりフィードの配信可否を制御するフィード配信制御ステップを備えていることを特徴とする、(5)又は(6)に記載のフィード提供方法(請求項7)。
【0019】
(8)前記配信されたフィードをクリックした際に、画面遷移を伴うことなくフィードにリンクされた詳細を表示する詳細表示ステップを更に備えたことを特徴とする(5)から(7)のいずれかに記載のフィード提供方法(請求項8)。
【発明の効果】
【0020】
本発明のフィード提供システム或はフィード提供方法によれば、キャンペーン運営者、或いはサービス自体の運営者の意向をフィードの表示可否に反映させることができ、同時に閲覧するユーザと関係性を有するユーザの、キャンペーンに関係するコンテンツに対するアクティビティに関するフィードを所望の表示エリアに表示させることができるため、他のユーザのアクティビティに影響を受けやすいユーザが同一のアクティビティを行うことが触発され、キャンペーンの活性化及びサービス自体の活性化を促す。
【0021】
またこうしたフィード提供システムにおいても、閲覧ユーザ側、或いはアクティビティを実施したユーザ側のいずれか又は双方において、フィードの閲覧及び/又は配信の可否をカスタマイズする手段を設けることもできる。これにより自らのアクティビティが過度に露出されることを好まないユーザの意向は尊重され、アクティビティ自体を行うことに対する委縮を防止することができる。
【0022】
なお、フィードの詳細内容を、画面遷移を伴うことなく得ることができることにより、閲覧ユーザは他のフィードの詳細を連続して閲覧したい場合でも煩雑な操作を強いられることが無く、こうした操作を強いられていたことによるフィードの詳細情報を取得する機会を失う懸念が無くなる。
【0023】
なお、本発明において「コンテンツ」とは、サービスのユーザが閲覧しあるいは活動することが可能なものをいう。具体的にはコミュニティ、アプリなどがあり、更にコミュニティに関連する掲示板、イベント掲示板、アンケート掲示板などがあり、アカウントに関連するコンテンツに日記、フォト、動画などがある。更には、アンケート、投票といったものも含まれて良い。
【0024】
また「キャンペーン」とは、サービス上で展開する宣伝活動をいい、一又は複数のコンテンツを連携する態様での展開が可能である。「表示エリア」とは情報を表示するためのWebページ上の領域のことをいい、単一のページ上に複数設置されてよく、相互に関連付けられていても良い。「アクティビティ」とは、コンテンツに対するユーザの活動をいい、コミュニティへの投稿や日記の投稿、アプリの実行、更には他のユーザの日記に対するコメントなど、種々のアクティビティの形態があり得る。「フィード」とはアクティビティの概要に関する情報発信であり、所望のリンクを付して詳細情報に誘導するよう構成することができる。「ユーザ」とはサービスの利用者を意味し、「サービス運営者」とはSNSを運営する主体を、「キャンペーン運営者」とはキャンペーンのスポンサーをいう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施例にかかるフィード提供システムの概念ブロック図である。
【図2】キャンペーンに関するコンテンツが閲覧端末に表示される際の制御を示す概念図である。
【図3】ユーザのアクティビティが蓄積される際の制御を示す概念図である。
【図4】ユーザ主導で行われるフィードの配信/受信の可否の制御を示す概念図である。
【図5】蓄積されたアクティビティに基づいて配信されるフィードを生成する制御を示す概念図である。
【図6】生成された配信フィードが配信フィード選別部115におけるフィルタリングを経て閲覧端末に配信される制御を示す概念図である。
【図7】フィルタリングを経て閲覧端末の指定されたエリアに配信フィードが表示された状態の画面イメージを示す図である。
【図8】配信フィードを画面上操作した際に画面遷移することなくフィードの詳細内容が表示される状態の画面イメージを示す図である。
【図9】キャンペーン画面において配信フィードが表示された状態の画面イメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の具体的な実施態様につき、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施例にかかるフィード提供システムの概念ブロック図である。
ソーシャルネットワーキングサービス100には入出力制御手段110及び情報蓄積手段120が備わっている。これらは記憶手段、入力手段、出力手段、演算手段、通信手段を有する通常の電子計算機(サーバ)及びこれと協働して機能するソフトウェアから構成することができる。
入出力制御手段110は、蓄積情報制御部111、表示エリア制御部112、及びフィード生成部114と配信フィード選別部115とからなるフィード制御部113とから構成される。蓄積情報制御部111は、ソーシャルネットワーキングサービス100に接続する外部端末から送信される情報を情報蓄積手段120内の適切なDBに保存する。表示エリア制御部112は閲覧端末3において配信フィードが表示される画面上の領域、及びその態様を制御する。フィード制御部113は配信するフィードの生成及び配信の選別を行う構成であり、フィード生成部114は蓄積されたアクティビティ情報に基づき、フィードの生成を行う。配信フィード選別部115は、生成されたフィードのうち閲覧端末(閲覧ユーザ)の配信条件に合致したフィードのみを選別する機能を有する。その詳細は後述する。
【0028】
情報蓄積手段120は、ユーザ情報DB121、ユーザ投稿DB122、コミュニティDB123、キャンペーン管理DB124、アクティビティ情報管理DB125、ユーザ別受信/配信制御DB126を有する。
【0029】
ユーザ情報DB121には、ユーザに関する情報、具体的にはアカウントキー、氏名、ハンドルネーム、出身地、趣味、特技、嗜好、関係性を有する他のユーザ、等の情報がユーザ毎に記録されている。ユーザ投稿DB122には、ユーザが投稿した、アカウントに関連するコンテンツ、具体的には日記、フォト、動画、等の情報がユーザ毎に記録されている。コミュニティDB123には、所定の話題に関する掲示板情報、アンケート情報など、複数のアカウントからの投稿が所定の話題毎に関連付けられて記録されている。キャンペーン管理DB124には、キャンペーン運営者に関する情報、キャンペーンの期間などの基本属性の他、当該キャンペーンに関するコンテンツ、当該コンテンツがページ上表示される表示エリアに関する情報が、キャンペーン毎に記録されており、詳細は後述する。アクティビティ情報管理DB125には、各ユーザがキャンペーンに関するコンテンツに対して行ったアクティビティを、キャンペーン毎、コンテンツ毎、ユーザ毎に記録する。ユーザ別受信/配信制御DB126は、ユーザ毎に記録された配信フィードのフィルタリング情報が記録される。
【0030】
各ユーザは、ときにはアクティビティを行う側として、またときには情報を閲覧する側として、ソーシャルネットワーク100とネットワーク4を介して接続する。ここで説明の便宜上、アクティビティを行う端末をアクティビティ端末2とし、閲覧を行う端末を閲覧端末3として説明するが、個々のハードウェアが一方の機能のみしか有さないと言った意味では当然なく、要は当該ユーザが行う行為によってそのユーザの操作する端末の性質は切り替わる。
【0031】
次に、図2を用いて、キャンペーンを実施する場合の閲覧端末における表示態様の制御について説明する。図2は、キャンペーンに関するコンテンツが閲覧端末に表示される際の制御を示す概念図である。ここでは、キャンペーンA(例えば、ある商品Xに関する販促活動)、キャンペーンB(例えば、環境保護に関する啓蒙活動)、キャンペーンC(例えば、航空券に関する割引の紹介)が別主体(キャンペーン運営者)によって同時に展開されているものとする。またそれぞれのキャンペーンに関連する具体的なコンテンツは種々設定することができる。ここでは、キャンペーンAについてはコンテンツa(例えば、商品Xにまつわるゲームアプリの提供)及びコンテンツb(例えば、商品Xにまつわる装飾を施されたデコレーションメッセージサービス)が、キャンペーンBについてはコンテンツb(例えば、環境保護に関する装飾を施されたデコレーションメッセージサービス)及びコンテンツc(例えば、環境保護に関するアンケート)が、キャンペーンCについてはコンテンツa(例えば、飛行機にまつわるゲームアプリの提供)がそれぞれ設定されているものとする。
【0032】
キャンペーンAの運営者は、閲覧端末における表示エリアの定義をキャンペーンの実施に先立って行い、サービス運営者はキャンペーン運営者の意向に基づき所定のページ内の表示エリア情報を登録する。閲覧端末3から所定のページの閲覧指示を受けると、キャンペーン管理DBは当該ページ内の表示エリアに表示されるべきコンテンツa及びコンテンツbの情報を送信する、コンテンツa及びコンテンツbの情報は、表示エリア制御部により表示エリアに適した表示態様に制御され、閲覧端末3に表示されるページ内の所定の表示エリア301にて表示される。
【0033】
次に図3を用いて、表示されたコンテンツに対してユーザがアクティビティを行った場合の情報の授受につき説明する。図3は、ユーザのアクティビティが蓄積される際の制御を示す概念図である。アクティビティを実施するユーザ(ここでは甲とする)は、アクティビティ実施端末2(図2における閲覧端末3とハードウェア上同一でよい)から所望のコンテンツに関するアクティビティを実施する。ここでは、コンテンツa(ゲームアプリ)及びコンテンツb(デコレーションメッセージ)の双方を実施したものとする。これらのアクティビティに関する情報は、蓄積情報制御部111を介してアクティビティ情報管理DB125において蓄積される。ここで蓄積情報は、キャンペーン毎、コンテンツ毎、ユーザ毎に蓄積される。これにより、どのキャンペーンの反響が大きかったか、どういったコンテンツに対してユーザの感応度が高いかをキャンペーン運営者は知ることができる。更には、個人情報の特定につながらない範囲においてサービス提供者において蓄積されたユーザ毎の情報を類型化することにより、いかなるプロフィールを有するユーザに対して当該キャンペーンが効果的であったかの効果測定を行うことが可能となる。
【0034】
なお、ユーザによっては、自らのアクティビティが他のユーザに知られることを好まない場合もある。或いは、他のユーザのアクティビティが所定の表示エリアに表示されることを好まないユーザも想定される。そうした場合においても、図4に示すように、ユーザ別受信/配信制御DB126においてフィード受信/配信の制限のフラグを立てておくことができる。図4は、ユーザ主導で行われるフィードの配信/受信の可否の制御を示す概念図である。アクティビティ実施端末2を介して、アクティビティ実施者は自らのアクティビティが他のユーザに開示されないよう予め設定することができる。また閲覧端末3を介して、閲覧ユーザは他のユーザのアクティビティに関するフィードの受信をしないことができる。これらの設定は、キャンペーン毎、コンテンツ毎、ユーザ毎に設定することができるから、ユーザは自らの望む情報の発信及び取得を行うことができる。こうした場合でも各ユーザのアクティビティに関する情報はアクティビティ情報管理DB125に蓄積されるから、キャンペーンの効果測定には遜色がない。
【0035】
次に、図5から図7を参照しつつ、蓄積されたアクティビティに基づいて生成されたフィードが配信され閲覧端末3に表示されるまでの流れを説明する。図5は、蓄積されたアクティビティに基づいて配信されるフィードを生成する制御を示す概念図である。図6は、生成された配信フィードが配信フィード選別部115におけるフィルタリングを経て閲覧端末に配信される制御を示す概念図である。また図7は、フィルタリングを経て閲覧端末の指定されたエリアに配信フィードが表示された状態の画面イメージを示す図である。
【0036】
所定のキャンペーンに関する情報表示エリア301が含まれるページの閲覧要求が閲覧端末3からソーシャルネットワーキングサービス100に対して送られると、フィード生成部114は、アクティビティ情報管理DB125から当該表示エリア301に対応するキャンペーン及びコンテンツに対して行われたアクティビティ情報を抽出し、フィードを生成する。
【0037】
生成されたフィードは全て配信されるのではなく、配信フィード選別部115におけるフィルタリングを経た後に閲覧要求がなされた閲覧端末3に対し送信される。ここで配信フィード選別部115においては、以下の種類のフィルタが備わっている。
【0038】
(1)ユーザ情報DB121に記録されている、当該ユーザと関係性を有しているユーザに関する情報に基づいてフィルタリングを行う、関係性フィルタ。
(2)キャンペーン運営者及びサービス運営者によって事前に定義され、キャンペーン管理DB124に記録されている運営者定義に基づいてフィルタリングを行う、運営者定義フィルタ。
(3)キャンペーン運営者及びサービス運営者によって事前に定義され、キャンペーン管理DB124に記録されている、表示エリアのスペックに応じたフィードのフィルタリングを行う、表示エリアフィルタ。
(4)ユーザ情報DB121に記録され、当該ユーザが如何なる種類のハードウェア端末によりサービスに接続しているかに基づいてフィルタリングを行う、閲覧端末フィルタ。
(5)ユーザからの登録情報に基づきユーザ別受信/配信制御DB126に記録されたユーザ定義に基づきフィルタリングを行う、ユーザ定義フィルタ。
【0039】
これらのフィルタリングの結果、全ての条件を満たすフィードのみが閲覧端末3の表示エリア301に表示される。図7は、ユーザ丁のトップページの画面イメージである。ここで図3記載のアクティビティ蓄積状況を踏まえつつ説明すると、ユーザ丁がユーザ甲及びユーザ丙とは関係性を有しているが、ユーザ乙とは関係性を有していないため、ユーザ乙のアクティビティ(キャンペーンA、コンテンツaにおけるアクティビティ)は表示されない。
【0040】
また、例えばコンテンツbについては各ユーザのトップページではなくキャンペーン画面の情報枠に表示することとキャンペーン運営者が定義している場合は、丁と関係性を有する甲のアクティビティであっても丁のトップ画面上にフィードは表示されない。ここでは丁はコンピュータを端末として用いている条件にて説明しているが、仮に端末として携帯電話から接続していた場合、その表示エリアに即した内容に制限されて表示される。
【0041】
このように、キャンペーンAに関連するコンテンツに対して、関係性を有する他のユーザのアクティビティが当該キャンペーンの表示エリア内にフィードとして表示されることにより、当該キャンペーンに対するユーザの親近感や信頼感が増すこととなり、当該キャンペーンへのアクティビティ実施の誘因となり、サービス全体としても活性化し価値が向上する。
【0042】
なお、キャンペーンに関する情報枠(表示エリア)に複数の関係性を有するユーザのフィードが羅列されることとなる。個々のフィードにリンクが付され別画面に遷移してしまうと、せっかく表示されている他のユーザのアクティビティに関するフィードが画面上隠れてしまうことがあり、アクティビティの活性化につながらなくなるケースが想定される。そこで、図8に示すように、配信フィードを画面上操作(例えばクリックやカーソルを乗せる、といった操作。これらに限定されない)した際に画面遷移することなくフィードの詳細内容が表示される詳細内容表示エリアを設けることにより、キャンペーンに関する表示エリアがユーザに露出する状態を確保しつつ、フィードの詳細を知ることができ、視覚的なコンテンツによりユーザの興趣が向上する。
【0043】
また、図7において、例えばコンテンツb(デコレーションメッセージ)についてはキャンペーン画面の情報枠に表示することとキャンペーン運営者が定義している場合は、図9に示すように、所定のキャンペーン画面の情報枠に表示されるようにしてもよい。当該キャンペーン画面においても図8において示すのと同様に、画面遷移することなくフィードの詳細内容が表示される詳細内容表示エリアを設けることができる。これにより閲覧するユーザは別リンクのポップアップ及び閉じる操作の連続によりストレスを感じることなく複数のフィードの詳細を知ることができ、ユーザにとっての操作性が向上する。
【符号の説明】
【0044】
100 ソーシャルネットワーキングサービス
110 入出力制御手段
111 蓄積情報制御部
112 表示エリア制御部
113 フィード制御部
114 フィード生成部
115 配信フィード選別部
120 情報蓄積手段
121 ユーザ情報DB
122 ユーザ投稿DB
123 コミュニティDB
124 キャンペーン管理DB
125 アクティビティ情報管理DB
126 ユーザ別受信/配信制御DB
2 アクティビティ実施端末
3 閲覧端末
301 表示エリア
4 ネットワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーシャルネットワーキングサービスにおける、キャンペーンに関連したコンテンツに対するユーザのアクティビティに関するフィード提供システムであって、
キャンペーンに関連したコンテンツに対するユーザのアクティビティの情報を蓄積するアクティビティ蓄積手段と、
前記蓄積されたアクティビティに基づいてフィードを生成するフィード生成手段と、
閲覧端末において配信されるフィードが表示される表示エリアを制御する表示エリア制御手段と、
閲覧端末に配信されるフィードを選別する配信フィード選別手段と
を有し、
前記配信フィード選別手段は、
前記アクティビティを行ったユーザと閲覧ユーザとの関係性に基づいて閲覧端末において表示対象とするフィードを選別する第一のフィルタリング機能と、
キャンペーン運営者及び/又はサービス運営者の定義に基づいて閲覧端末において表示対象とするフィードを選別する第二のフィルタリング機能と、
表示エリアのスペックに基づいて閲覧端末において表示対象とするフィードを選別する第三のフィルタリング機能と、
閲覧端末の種類に基づいて表示対象とするフィードを選別する第四のフィルタリング機能と
を備えることを特徴とするフィード提供システム。
【請求項2】
閲覧端末からネットワークを介して登録することにより、
キャンペーン別、コンテンツ別、又はユーザ別のいずれか一又は複数の選別軸により受信するフィードを選別する受信フィード選別手段を有していることを特徴とする、請求項1記載のフィード提供システム。
【請求項3】
アクティビティを実施する端末からネットワークを介して登録することにより、
キャンペーン別、コンテンツ別、又はユーザ別のいずれか一又は複数の選別軸によりフィードの配信可否を制御するフィード配信制御手段を有していることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のフィード提供システム。
【請求項4】
前記配信されたフィードをクリックした際に、画面遷移を伴うことなくフィードにリンクされた詳細を表示する詳細表示手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のフィード提供システム。
【請求項5】
ソーシャルネットワーキングサービスにおける、キャンペーンに関連したコンテンツに対するユーザのアクティビティに関するフィード提供方法であって、
キャンペーンに関連したコンテンツに対するユーザのアクティビティの情報を蓄積するアクティビティ蓄積ステップと、
前記蓄積されたアクティビティに基づいてフィードを生成するフィード生成ステップと、
閲覧端末において配信されるフィードが表示される表示エリアを制御する表示エリア制御ステップと、
閲覧端末に配信されるフィードを選別する配信フィード選別ステップと
を備え、
前記配信フィード選別ステップにおいては、
前記アクティビティを行ったユーザと閲覧ユーザとの関係性に基づいて閲覧端末において表示対象とするフィードを選別する第一のフィルタリング機能と、
キャンペーン運営者及び/又はサービス運営者の定義に基づいて閲覧端末において表示対象とするフィードを選別する第二のフィルタリング機能と、
表示エリアのスペックに基づいて閲覧端末において表示対象とするフィードを選別する第三のフィルタリング機能と、
閲覧端末の種類に基づいて表示対象とするフィードを選別する第四のフィルタリング機能と
に基づいてフィードの選別が行われることを特徴とするフィード提供方法。
【請求項6】
閲覧端末からネットワークを介して登録することにより、
キャンペーン別、コンテンツ別、又はユーザ別のいずれか一又は複数の選別軸により受信するフィードを選別する受信フィード選別ステップを備えていることを特徴とする、請求項5記載のフィード提供方法。
【請求項7】
アクティビティを実施する端末から登録することにより、
キャンペーン別、コンテンツ別、又はユーザ別のいずれか一又は複数の選別軸によりフィードの配信可否を制御するフィード配信制御ステップを備えていることを特徴とする、請求項5又は請求項6に記載のフィード提供方法。
【請求項8】
前記配信されたフィードをクリックした際に、画面遷移を伴うことなくフィードにリンクされた詳細を表示する詳細表示ステップを更に備えたことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載のフィード提供方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−243143(P2011−243143A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117180(P2010−117180)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(500033117)株式会社ミクシィ (13)
【Fターム(参考)】