説明

ソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ、及び同サービスにおけるプレゼント贈答方法

【課題】複数の贈答人が電気通信回線を介して共同でプレゼントを贈る際、企画者には企画の負担が重く、参加者には参加人数が不確定の状態で参加の意思を決定しなければならないため不確定要素があるなど、種々の障壁が存在する。
【解決手段】企画者がプレゼント企画を策定すると、SNSサーバ10を介しソーシャルネットワーキングサービス(SNS)上で所定の関係性を有するユーザに対しその旨がメッセージ又はフィードで通知される。通知を受けた参加候補者が参加するとその旨が少なくとも参加者と所定の関係性を有する他のユーザにフィードされ、更なる企画への参加が促される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SNS(=Social Networking Service)の価値向上を図りつつ、SNS内の複数の会員が相互にアドホックなコミュニケーションをとり所定の会員に対するプレゼントを行うことが可能な、ソーシャルネットワーキングサービス上、又はこれと連携して機能するシステムを管理する管理サーバ、及びこれを用いたプレゼント贈答方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という。)と呼ばれる、人と人とのつながりを促進・サポートするコミュニティ型の会員制サービスが知られている。SNSでは、自分のプロフィールや写真を会員に公開する機能や、特定の友人のみに公開範囲を制限できる日記機能、趣味や地域などテーマを決めて掲示板などで交流できるコミュニティ機能等のサービスがインターネット上で利用できる点に特色がある。こうしたSNSの一つとして非特許文献1に開示されるウェブサイトが知られている。
【0003】
同サービスにおいては種々のサービスメニューが存在する。例えば図9に示すように、会員がサービスにログインすると表示されるトップページにおいては、自らが同サービス内で行うことができるアクティビティのリスト91と、他の会員のアクティビティに起因して配信されるリンク付きの通知、すなわち「フィード」とが表示される。ある会員が自己の日々の出来事を「日記」のコンテンツとして投稿すると、投稿された旨がリンク付きのフィードとして他の会員に配信される。投稿可能なコンテンツとしては「日記」の他に「カレンダー(予定)」「フォト」など種々のバリエーションが存在する。投稿する会員は、自己の投稿するコンテンツが公開される範囲を個々の投稿毎又はコンテンツ毎に設定することができる。設定の仕方としては、例えば「全員に公開」「友人まで公開」「友人の友人まで公開」のように適宜設定可能である。「友人」には会員同士が相互に承認することで設定される。また「友人」の中でも複数の階層を設定することができる。
【0004】
各種コンテンツが投稿されると、公開対象となっている会員のうち当該投稿した会員と所定の関係性を有している他の会員に対して、当該投稿がなされた旨のフィードが配信される。フィードを受領した会員はこれに付されたリンクを介して投稿されたコンテンツを閲覧することができる。閲覧後、当該投稿に対するコメントを付す等のリアクションをすることにより会員相互のコミュニケーションの深化を図ることができる。
【0005】
また別のメニューとして、コミュニティ機能が挙げられる。これは、特定のテーマに沿った掲示板ページにおいて会員が投稿したり、他の会員の投稿を閲覧することで情報の交換を行うことができるものである。こうしたコミュニティ機能への投稿も、そのリンク付きのフィードが会員のトップページその他頻繁に閲覧するページに表示され、会員はそのリンクを開くことで投稿内容を閲覧することができ、自ら投稿することもできる。
【0006】
更には、上記のような会員自身が投稿者になり閲覧者にもなるコンテンツの他に、ゲーム等のアプリケーション、或いは新聞記事等のニュースフィードがサービス運営主体を介して提供される。これらのコンテンツに接した会員の行動(アクティビティ)についても関係を有する他の会員にフィードされうる。
【0007】
このように、SNSの特徴の一つとして、他の会員のサービス内でのアクティビティが自己のトップページなど頻繁に閲覧するページにフィードが表示されることにより、自己と所定の関係性を有する他の会員のアクティビティを知ることができる点が挙げられる。この一方で、図9のトップ画面にもメニューとして「メッセージ」が設けられているように、アクティビティに基づくフィードという間接的な情報配信ではなく、ある会員から特定の会員に対して直接的に情報伝達する手段もSNSには備えられている。換言すれば前者のようなプル型(オープン型)の情報発信と後者のようなプッシュ型(クローズド型)の情報配信とを兼ね備えていることにより、他者との現実の関係性に応じた適切な情報配信方法を選択することができ、サービス利用が促進される。
【0008】
ところで、同サービスを利用している会員同士において、複数の会員が共同で特定の会員に対してプレゼントを贈りたいといった場合、従来であればプレゼントを企画する者(以下「企画者」という。)が参加者候補、プレゼントの内容、発送方法、集金方法等を一通り考えた上で各参加候補者にメッセージを配信するか、或いは現実に会って相談をする、といった方法に頼らざるを得なかった。せっかくプレゼントを贈りたい、という気持ちが生じても、そのような企画の面倒さや直接会うための段取りが障壁となり、プレゼント購入、贈答に至らないケースが暗数として多数存在していたものと推測される。これは現実の店舗での商品購入であれば勿論そうであるし、いわゆるe−コマース(Web上での商品購入)であっても同様である。
【0009】
このように、複数の贈答人が共同でギフト商品を贈る際の種々の障壁を解消するための技術として、例えば以下が開示されている。特許文献1にはリクエストが贈り物口座を規定するために受信され、社交ネットワーク環境の受け手ユーザが贈り物を受け取るために指定され、そして贈り物が選択され、贈り物口座に預けるためにお金が複数の寄付ユーザから受け取られ、そして選択された贈り物が贈り物口座に預けられたお金を使って購入され、購入された贈り物が、受け手ユーザへ提供される、社交ネットワーク環境において贈り物を共同で購入するための方法が開示されている。また特許文献2には、利用者同士が、実際には離れた場所に居ても、実際に会って会話をしながら商品を探しているかのように、ギフト商品を選択して贈ることができ、利用者に対して等分割した代金を請求するオンラインギフト方法として贈答人である複数の利用者が、通信ネットワークを利用した仮想空間と、当該仮想空間内において各利用者毎に定義されたシンボルとを共有しており、この仮想空間内で複数の利用者がメッセージを交換することにより、複数の贈答人が被贈答人に対するギフト商品を選択して贈答するオンラインギフト方法が開示されている。或いは特許文献3には、電子商取引システムを利用して複数の者が共同で他の特定の者に商品等を贈るしくみを提供するとともに集金の手間を軽減する電子商取引システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特表2010−518481号公報
【特許文献2】特開2001−325501号公報
【特許文献3】特開2009−205434号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】「ソーシャルネットワーキングサービス[mixi(ミクシィ)]」、[online]、[平成22年10月29日検索]、インターネット<URL:http://mixi.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、特許文献1に開示された発明によっては、例えばプレゼント企画への参加者として如何なる会員を招待するか、或いはどの会員に対してプレゼント企画に関するフィードを配信するかは明らかになっていない。特許文献2においても同様で、単に直接会ったり電話をしたりすることの代替手段として通信ネットワークを利用しているに過ぎず、利用者相互の関係性に応じたコミュニケーションを前提としたプレゼント贈答を行うことはできない。特許文献3においても、共同ギフトを選択したときの賛同者候補のメールアドレスが取得される構成となっており、先に共同購入対象の商品が決まった上で賛同者候補に対して通知がなされる構成が開示されているにとどまり、予めどの商品を誰に贈り、一人幾ら支払うといったことを取り決めた上でしか利用することができない。またそもそも、企画者の想定している以上の広がりを持って参加者が発生することが期待できず、企画としての盛り上がりの機会がない。
【0013】
そこで本発明は、“何かプレゼントを一緒に送りたい”という抽象的な企画段階からでも参加者を募集し、参加者と共同でプレゼント企画そのものを煮詰め、プレゼントを共同で贈ることが可能なギフトシステムを提供することを課題とする。更には、プレゼント企画の実行中においても参加者の拡大により企画者・参加者の負担は軽減し、受取人には効用が増大する可能性を有するユニークなギフトシステムを提供可能なSNSサーバ及びこれを用いたプレゼント贈答方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題の解決手段を検討するにあたり、上述したSNSの特徴、つまりプル型(オープン型)とプッシュ型(クローズド型)の二つの性質のコミュニケーション方法を併用できる点、及びサービス内の会員相互の関係性が個々の会員からみて相互に複数の階層があることに着目した。すなわち本発明は、以下に述べる構成を有する。
【0015】
すなわち本発明は、複数のユーザの端末と、ソーシャルネットワーキングサービス提供サーバとが電気通信回線網を介して接続可能なソーシャルネットワーキングサービスシステムにおけるソーシャルネットワーキングサービス提供サーバであって、前記ソーシャルネットワーキングサービス提供サーバは外部の電子商取引管理サーバ、および\又は決済情報管理サーバと接続可能であり、プレゼントを企画する企画者の端末からの要求に基づき、プレゼント企画情報を取得するプレゼント企画情報取得手段と、前記プレゼント企画情報を受信したユーザのうち該プレゼント企画に参加するユーザの端末からの要求に応じて参加者の情報を取得する参加者情報取得手段と、前記取得したプレゼント企画情報及び参加者情報に基づき決済処理を行う決済処理手段とを備え、前記プレゼント企画情報には、プレゼントを受け取る受取人情報、前記プレゼント企画メッセージを送信する端末のユーザに関する情報である参加候補者情報、プレゼントに関する情報である贈答品情報、及び決済の方式に関する情報である決済方式情報が含まれることを特徴とする、ソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ(請求項1)として表現されうる。
【0016】
上記発明において、参加候補者情報は、ソーシャルネットワーキングサービス上において前記企画者と所定の関係性を有するユーザに関する情報から生成されることを特徴としてもよく(請求項2)、またソーシャルネットワーキングサービス上において前記受取人と所定の関係性を有するユーザに関する情報から生成されることを特徴してもよい(請求項3)。
【0017】
またプレゼント企画情報が通知される客体及び手法としては記参加候補者のプロファイル条件を満たすユーザに対するフィードの配信でもよく(請求項4)、企画者の端末からの要求に基づいて選択されるユーザに対するメッセージ送信であってもよい(請求項5)。
【0018】
更に、プレゼント企画情報に対し参加候補者が参加を決定した場合、当該参加者と受取人との双方と所定の関係性を有するユーザIDに対して追加的に当該プレゼント企画情報に関するフィードを配信するようにすることもできる(請求項6)。
【0019】
贈答品の選定手法として、贈答品情報が、企画者により予め前記外部の電子商取引管理サーバにおいて選択された一の贈答品であることを特徴とすることができる(請求項7)。あるいは、贈答品情報が、企画者により予め前記外部の電子商取引管理サーバにおいて選択された複数の贈答品候補に関する情報であり、前記参加者情報に前記複数の贈答品候補のうちから一の贈答品候補を選択する贈答品候補選択情報が含まれることを特徴としてもよい(請求項8)。更には、贈答品情報が、前記企画者の端末からの要求に基づき取得する前記プレゼント企画情報においては贈答品が未特定であり、前記参加者情報取得手段により得られた参加者情報のフィードを企画者のユーザIDに配信する参加者情報フィード配信手段と、前記参加者情報を受信した企画者の端末からの要求に応じて、前記贈答品情報に規定される贈答品を特定する贈答品特定手段とを更に有することを特徴とすることもできる(請求項9)。
【0020】
また、贈答品情報が、前記企画者の端末からの要求に基づき取得する前記プレゼント企画情報においては贈答品が未特定であり、前記参加者情報取得手段により得られた参加者情報のフィードを企画者のユーザIDに配信する参加者情報フィード配信手段と、前記参加者情報を受信した企画者の端末からの要求に応じて、企画者により前記外部の電子商取引管理サーバにおいて選択された複数の贈答品候補情報を取得する贈答品候補取得手段と、前記贈答品候補情報のフィードを参加者のユーザIDに配信する贈答品候補情報フィード配信手段と、前記贈答品候補情報フィードを受信した参加者の端末からの要求に応じて前記複数の贈答品候補のうちから一の贈答品候補を選択した情報を取得する贈答品候補選択情報取得手段とを更に有するよう構成することもできる(請求項10)。
【0021】
プレゼント代金の決済方法として、前記決済情報に規定される決済の方式が、参加者の数に応じた均等按分であることを特徴とすることができる(請求項11)。あるいは、決済情報に規定される決済の方式が、一口あたりの固定金額であることを特徴とすることもできる(請求項12)。または、参加者情報に支払いを許容する金額上限を特定する支払金額特定情報が含まれ、
前記決済情報に規定される決済の方式が、前記複数の参加者の前記支払金額特定情報の合計額に応じた按分であることを特徴とすることもできる(請求項13)。
【0022】
本件発明はまた、複数のユーザの端末と、ソーシャルネットワーキングサービス提供サーバとが電気通信回線網を介して接続可能なソーシャルネットワーキングサービスシステムにおけるプレゼント贈答方法であって、企画者の端末からプレゼント企画情報を送信するステップと、前記プレゼント企画情報をサーバが受信し記録するステップと、サーバが前記プレゼント企画情報を所定のユーザに通知するステップと、前記プレゼント企画情報を受信したユーザのうち該プレゼント企画に参加するユーザの端末が、参加者情報を送信するステップと、サーバが、前記参加者情報を受信し記録するステップと、サーバが、前記記録したプレゼント企画情報及び参加者情報に基づき決済処理を行うステップとを有し、前記プレゼント企画情報には、プレゼントを受け取る受取人情報、前記プレゼント企画メッセージを送信する端末のユーザに関する情報である参加候補者情報、プレゼントに関する情報である贈答品情報、及び決済の方式に関する情報である決済方式情報が含まれることを特徴とするプレゼント贈答方法、として把握することも可能である(請求項14)。
【0023】
上記プレゼント贈答方法において、参加候補者情報は、ソーシャルネットワーキングサービス上において前記企画者と所定の関係性を有するユーザに関する情報から生成されることを特徴としてもよく(請求項15)、またソーシャルネットワーキングサービス上において前記受取人と所定の関係性を有するユーザに関する情報から生成されることを特徴してもよい(請求項16)。更に、参加候補者が参加を決定した場合に、当該参加者と受取人との双方と所定の関係性を有しているユーザに対してフィード配信がなされるようにしても良い(請求項19、請求項24)。
【0024】
またプレゼント企画情報が通知される客体及び手法としては前記参加候補者のプロファイル条件を満たすユーザに対するフィードの配信でもよく(請求項17)、企画者の端末からの要求に基づいて選択されるユーザに対するメッセージ送信であってもよい(請求項18)。
【0025】
贈答品の選定手法として、贈答品情報が、企画者により予め前記外部の電子商取引管理サーバにおいて選択された一の贈答品であることを特徴とすることができる(請求項20)。あるいは、贈答品情報が、企画者により予め前記外部の電子商取引管理サーバにおいて選択された複数の贈答品候補に関する情報であり、前記参加者情報に前記複数の贈答品候補のうちから一の贈答品候補を選択する贈答品候補選択情報が含まれることを特徴としてもよい(請求項21)。更には、贈答品情報の特定手順として、企画者が前記プレゼント企画情報を入力する段階においては贈答品が未特定であり、その後参加者が確定した段階で、前記贈答品情報に規定される贈答品を特定するよう構成することもできる(請求項22)。
【0026】
また或いは、本発明に係るプレゼント贈答方法は、複数のユーザの端末と、ソーシャルネットワーキングサービス提供サーバとが電気通信回線網を介して接続可能なソーシャルネットワーキングサービスシステムにおけるプレゼント贈答方法であって、企画者の端末から、プレゼントを受け取る受取人情報、前記プレゼント企画メッセージを送信する端末のユーザに関する情報である参加候補者情報、及び決済の方式に関する情報である決済方式情報が含まれるプレゼント企画情報を送信するステップと、前記プレゼント企画情報をサーバが受信し記録するステップと、サーバが前記プレゼント企画情報を所定のユーザに通知するステップと、前記プレゼント企画情報を受信したユーザのうち該プレゼント企画に参加するユーザの端末が、参加者情報を送信するステップと、サーバが、前記参加者情報を受信し記録するステップと、前記参加者情報のフィードを企画者のユーザIDに配信するステップと、前記参加者情報を受信した企画者の端末が、サーバに複数の贈答品候補情報を送信するステップと、サーバが、前記贈答品候補情報のフィードを参加者のユーザIDに配信するステップと、前記贈答品候補情報フィードを受信した参加者の端末が前記複数の贈答品候補のうちから一の贈答品候補を選択した贈答品選択情報をサーバに送信するステップと、サーバが、前記複数の参加者の端末から受信した贈答品選択情報を企画者の端末に送信するステップと、前記参加者情報を受信した企画者の端末が贈答品を特定するステップと、サーバが、前記記録したプレゼント企画情報及び参加者情報に基づき決済処理を行うステップとを有することを特徴とするものとして把握することもできる(請求項23)。
【0027】
プレゼント代金の決済方法として、前記決済情報に規定される決済の方式が、参加者の数に応じた均等按分であることを特徴とすることができる(請求項25)。あるいは、決済情報に規定される決済の方式が、一口あたりの固定金額であることを特徴とすることもできる(請求項26)。または、参加者情報に支払いを許容する金額上限を特定する支払金額特定情報が含まれ、
前記決済情報に規定される決済の方式が、前記複数の参加者の前記支払金額特定情報の合計額に応じた按分であることを特徴とすることもできる(請求項27)。
【発明の効果】
【0028】
本発明のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ、及びこれを用いたプレゼント贈答方法によれば、既存のSNSサイトにおける会員(ユーザ)相互間の関係性を活用しつつアドホックなコミュニケーションをとり所定の会員(ユーザ)に対しプレゼントを贈答することが可能になる。特に、複数人の有志が集まってひとつのプレゼント企画を立案実行する際、予め約束して同意を得る必要があったところ、従来のコミュニケーション手段ではスムーズかつ柔軟な意思決定を行うことが困難であった。しかし本発明のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバを用いれば、既存のSNSサイトにおける会員(ユーザ)相互間の関係に立脚しつつ種々のバリエーションの意思決定手順や決済手法に対応したプレゼント企画を立案実行することが可能となる。
【0029】
より具体的には、企画者が参加候補者を選定する際に、予め個別具体的な特定人を念頭に置いて、そうした特定人に対してのみプレゼント企画への参加を募ることもできる一方、SNSサイトにおける抽象的な共通項を有する会員(ユーザ)、例えば企画者と友人関係にある会員(ユーザ)、或いは受取人と友人関係にある会員(ユーザ)、或いは企画者と受取人双方と友人関係にある会員(ユーザ)、或いは特定のコミュニティに登録している会員(ユーザ)、特定のコミュニティに登録しかつ企画者及び\又は受取人と友人関係にある会員(ユーザ)、特定のアプリケーションを利用しかつ企画者及び\又は受取人と友人関係にある会員(ユーザ)、など、企画者が所望する階層の会員(ユーザ)に限定して企画情報を伝達することができる。これにより、企画者がプレゼント企画の趣旨に応じた参加候補者の選定を行うことが容易となる。
【0030】
こうした企画情報の伝達手法として、個別具体的な特定人に対しては直接メッセージを送信することもできるし、プレゼント企画情報がサーバにより取得された旨を所定のユーザIDに対してフィードとして配信することもできる。また抽象的な共通項を有する会員に対しては、プレゼント企画情報がサーバにより取得された旨を当該会員のユーザIDに対してフィードとして配信することができる。これにより、企画者としては参加候補者の当該企画への関連性度合いに応じて伝達手法を選択することができ、参加候補者は当該企画に対する参加をどの程度求められているのかを知ることができるから、双方にとって円滑な意思決定に資する。
【0031】
また、プレゼントの具体的内容を決定するタイミング、或いは手法も柔軟に選択することができる。つまり、企画者において初めから贈りたいプレゼントが決まっており、これに対する賛同者をSNSの会員(ユーザ)に対して募る場合、予め贈答品情報として所定のプレゼントを特定した上でプレゼント企画情報をエントリすれば良く、いくつか候補がある中で参加者の意見も踏まえつつ決定したい場合、複数の贈答品情報をプレゼント企画情報としてエントリすれば良い。更には、“何かプレゼントを一緒に贈りたい”といった曖昧な状態でのプレゼント企画情報のエントリも可能である。このように、従来はプレゼント企画を実行に移すためには企画者が相当程度企画を具体化していなければならず、それに対する参加者の数も見積もった上での企画検討が必要でありそうした困難性が気軽なプレゼントの贈答を阻害していたところ、こうした阻害の原因を解消し、気軽にプレゼント企画を立案実行することができ、プレゼント需要増大から産業発達に資する。
【0032】
さらに、プレゼントの購入代金の分担方法についても、単純に参加者の人数をもって“割り勘”とすることもできるが、これに限らず“参加費”の形で一口あたりの固定金額を定めることもできる。或いは参加者の発意に基づいた出資金の申告額の割合に基づいて按分することもできる。このように種々の購入代金分担方法を適用することができる。そのため、参加者がプレゼント企画に参加したい気持ちを持っていても参加者数が定まっていないことから最終的な負担金額が不透明であるために参加を躊躇してしまう、といったことを避けることができ、プレゼント企画が参加者不足で頓挫してしまう可能性を軽減することができ、結果として実行に至るプレゼント企画が増加し、プレゼント需要増大から産業発達に資する。
【0033】
本発明において「端末」とは、少なくともディスプレイなどの表示装置と、SNSサイトを閲覧するためのWebブラウザと、電気通信回線と接続して情報を送受信するための通信手段とを備えたハードウェアであれば良く、具体的にはコンピュータ(以下「PC」(Personal Computer)という。)、携帯情報端末(以下「PDA」(Personal Digital Assistant)という。)、携帯電話(PHS:Personal Handy-phone Systemも含む。)等が含まれる。「ソーシャルネットワーキングサービス」とは、社会的ネットワークをインターネット上で構築するサービスをいい、顕名/匿名(ユーザ設定によるハンドルネームを含む)、招待制/登録制を問わない。「電気通信回線網」とは、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、光通信、その他の有線通信・無線通信の物理的な伝送路を意味し、その種類を問わない。
【0034】
「電子商取引管理サーバ」とは、インターネットや専用線のようなコンピュータネットワーク上での電子的な情報交換によって行われる商品やサービスの売買に関する情報を管理するサーバをいう。また「決済情報管理サーバ」とは、電子商取引において生じる資金決済に使用可能なクレジットカードの与信管理情報を管理するサーバを主として意味するが、これに限られず、例えば仮想通貨や特定のサービス提供主体(典型的には携帯電話キャリア)が管理するポイント情報などの金銭に代替する価値情報を管理するサーバも含まれる。「決済処理」とは、企画者或いは参加者が有する与信情報に基づいて購入したプレゼントの代金の支払処理を行うことをいい、ここでいう与信情報にはクレジットカードの信用残高(利用可能残高)の他に、当該プレゼントの代金支払に充当可能なポイント情報を各主体が有している場合のポイント残高も含まれる。
【0035】
「受取人情報」或いは「参加候補者情報」は、それぞれのユーザから特定される情報としては各主体の実名、又はSNS内で使用されるハンドルネームが含まれる。なおSNS内で相互の属性情報を知り得ない場合も多々あるが、少なくともハンドルネームが特定されることにより、予め当該ハンドルネームの主体情報として登録されている属性情報に基づき、贈答品の発送或いは決済処理が可能となる。この点実施例において詳述する。
【0036】
「贈答品情報」とは、企画者が、SNSサーバと接続された外部の電子商取引管理サーバに保存された情報に基づいて提示される中から選択する情報を意味する。「決済方式情報」には、決済手段(クレジット決済、銀行振り込み、ポイント利用)の別、及び金額或いはその決定方法を含めることができる。
【0037】
「フィード配信」とは、プレゼント企画情報がSNSサーバに記録されたことをトリガとして、企画者から特定された参加候補者に対し配信される、プレゼント企画情報が記録された旨の情報をいい、「メッセージ送信」とは、企画者から特定の参加候補者に対して送信されるプレゼント企画情報に対し参加を呼び掛ける任意入力の文字情報をいう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係るソーシャルネットワーキングサービス(SNS)サーバ10を用いて実現される、プレゼント贈答システムの構成例を示す図である。
【図2】SNSサーバ10内に構成されている各種データベース及び各種エンジンを示す概念図である。
【図3】第一の実施例にかかるプレゼント企画の実行の流れを示すシーケンス図である。
【図4】第一の実施例におけるノード間の関係性を示す相関図である。
【図5】同じく、第一の実施例におけるノード間の関係性を示す相関図である。
【図6】第二の実施例におけるフィード対象を示す相関図である。
【図7】第二の実施例におけるノード間の関係性を示す相関図である。
【図8】同じく、第二の実施例におけるノード間の関係性を示す相関図である。
【図9】SNSサイトにおけるログイン後のトップページのスクリーンショットの例である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の具体的な実施態様につき、図面を参照しつつ説明する。
【0040】
図1は、本発明に係るソーシャルネットワーキングサービス(SNS)サーバ10を用いて実現される、プレゼント贈答システム1の構成例を示す図である。また図2はSNSサーバ10内に構成されている各種データベース及び各種エンジンを示す概念図である。
【0041】
本実施例のプレゼント贈答システムは、SNSサーバ10と、インターネット20を介して接続されているユーザの端末である企画者端末30、受取人端末40、参加候補者端末50・・・50、及び電子商取引管理サーバ60、決済情報管理サーバ70を構成として含んでいる。なお各会員の端末はそのユーザが当該プレゼント企画においてどの位置づけにあるかによって呼称を変えているに過ぎず、端末そのものとしての性質の相違ではないことは言うまでもない。
【0042】
SNSサーバ10には、SNSにおける各ユーザの情報やSNS内での行動(アクティビティ)を記録し、また基本動作を制御するSNSコア11と、これにアドオンされプレゼント企画に関する行動を記録し、SNSサーバ内外と連携して機能するプレゼントコア12とが含まれており、これらはPC版ユーザインタフェース(UI)13、及びMB版ユーザインタフェース(UI)14を介して各ユーザ端末と情報の授受を行う。なおSNSサーバ10として記載されている構成は、本件発明と関連のあるもののみを明示的に示しており、これ以外の機能を更に有していても良い。
【0043】
SNSコア11には、登録されている各ユーザに関する情報、及びアクティビティの履歴とこれによって生じる価値(ポイント)及び負荷(課金)についての情報が記録される。ユーザ属性DB111には、登録されているユーザの実際の氏名、ハンドルネーム(SNS内での呼び名)、年齢、現住所、性別、生年月日、血液型、SNS上で自己を表すサムネイル写真などの属性情報が各ユーザ毎に記録されている。ユーザDB112には、各ユーザのアクティビティ履歴に関する情報、例えば書き込みをした日記の情報やつぶやきの情報、フォトや動画などの情報、及びこれらの公開設定、並びに所定の関係性(例えば「友人」或いはその中でも特に親密な関係である「仲良し」など)を有するユーザIDといったSNS上の種々のアクティビティによって構成ないし蓄積されていく情報がユーザ毎に記録されている。
【0044】
フィードDB113には、所定のトリガが発生した際に対応する配信されるべきフィードのフォームが記録されており、フィードエンジン116はこのフィードDB113の対応テーブル(図示しない)を参照してフィードの配信を行う。ポイントDB114は、各ユーザがSNSの内外におけるアクティビティを通じて取得し保有しているポイント情報を管理する。このポイントは、サービス運営者から購入することで入手し得るほか、例えば特定のアプリにおいて所定の成果を挙げた場合やサービス運営者からの要求に基づいてアンケートに答えた場合など、種々の機会に付与され得る。付与されたポイントは、当該ユーザがSNS内の所定の有料サービスを購入した際の支払対価として用いることができるほか、後述するように、本発明において共同購入した商品の対価の一部又は全部として用いることができる。課金DB115はユーザ毎の課金状況を記録する。
【0045】
プレゼントコア12には、プレゼント企画DB121、参加者情報DB122、決済条件DB123、SNSコア連携エンジン124、電子商取引連携エンジン125、決済連携エンジン126が含まれる。プレゼント企画DB121には、企画者が立案したプレゼント企画に関する情報が記録される。参加者情報DB122には、企画者からの呼びかけ、又は新たな参加者発生により配信されたフィードに応答して参加した参加者に関する情報が、プレゼント企画毎に記録される。決済条件DB123には、プレゼント企画における参加者ごとの金銭負担条件が記録されている。
【0046】
次に、本発明の第一の実施例にかかるプレゼント贈答方法における各ノード間の情報の授受につき、図3から図5を用いて説明する。図3は第一の実施例におけるプレゼント企画の実行の流れを示すシーケンス図である。また図4及び図5は、各ノード間の関係性を示す相関図である。
【0047】
企画者は企画者端末30からSNSサーバに接続し、プレゼント企画を作成する(ステップS301)。プレゼント企画を特定する情報には、企画者のID、プレゼントする贈答品のID、参加候補者のID、対価の負担方法についての情報、参加候補者が参加の意思を表明することができる期限である参加締め切りの年月日が含まれる。ここで、SNSサーバ10は電子商取引連携エンジン125を介して電子商取引管理サーバ60と連携しているため、企画者はプレゼント企画作成の際、電子商取引管理サーバ60を介して贈答品に関する情報を確認しつつ企画を作成することができる。作成されたプレゼント企画は、プレゼント企画DB121に記録される。なおシーケンス上図示しないが、贈答品に関する情報を確認した段階でSNSサーバ10は決済連携エンジン126を介して企画者端末30のユーザが当該贈答品に関する決済を単独でも行うことが可能な与信枠を有しているかを確認するよう構成することができる。これにより企画への参加者が現れなかった場合でも当該決済の不能を防止することができる。
【0048】
参加候補者は、企画者と所定の関係性を有する他のユーザを選択することができる。所定の関係性を有する他のユーザは、ユーザDB112に記録されている当該ユーザの所定の関係性を有するユーザIDを参照しつつ選択することが可能である。ここでは、企画者と「友人」関係にある他のユーザのうちの一部を参加候補者として企画者が選択する例につき述べる。企画者は、自らの「友人」の中から選択したユーザに対して企画への参加を促す旨のメッセージを送信する(ステップS302)。図4に示すように、企画者端末30からの指示に基づき、メッセージはSNSサーバ10(メッセージエンジン117:図示しない)を介して各宛名の参加候補者端末50に送信される。
【0049】
また対価の負担方法については、予め所定の金額が決まっている方式、予め所定の金額は定まっておらず、参加した人数で案分する方式、予め参加者側が負担可能な最大金額を申告し、贈答品の対価との関係で金額按分する方式などを設定することができる。なおSNSサーバ10は、決済連携エンジン126を介して決済情報管理サーバ70に当該ユーザの与信情報の照会を行い、当該支払額についての許容可否をその段階で確認するよう構成することができる。こうした決済条件については決済条件DB123に予め記録されており、企画者はそれらの決済条件の中から一を提示してプレゼント企画を策定する。ここでは参加した人数で按分する方式が選択されたものとして説明する。
【0050】
メッセージをみた参加候補者のうち参加の意向をもったユーザは、参加候補者端末50を介してSNSサーバ10に参加表明を行う(ステップS303)。参加表明は、フィードに対する返信の他所望の情報送受信の形態をとることができる。図5を参照しつつ説明すると、参加候補者端末50の点線枠囲みの中のユーザのうち、左下の丸で囲まれたユーザが自らの参加候補者端末50を介してSNSサーバに参加表明の情報を送信する。当該情報には、参加を表明したユーザのIDが最低限含まれていれば良い。なお決済条件が「参加者が負担可能な最大金額を予め提示する方式」の場合、その金額に関する情報も併せて提示する。
【0051】
参加表明をした参加候補者の情報は参加者情報又はその一部として参加者情報DB122に記録される(ステップS304)。ここで参加者情報DB122が参加者情報を取得する手段としては、当該参加者からの入力情報に全て依存しても良く、当該参加者からはユーザIDを取得し、これに基づいてSNSコア連携エンジン124を介して、SNSコア11に蓄積されている当該ユーザIDに関する他の情報(実名、ポイントの有無、課金の可否)から補完しても良い。図3のシーケンス上も、参加候補者から参加者へと遷移することとなる。
【0052】
またこれをトリガとして、フィードエンジン116はユーザDB112を参照しつつ当該参加者と「友人」関係にあるユーザの端末に対して、当該参加者が参加表明した旨の情報をフィード配信する(ステップS305)。図5において、参加者端末50Jから参加の旨の情報を受信したSNSサーバは、当該ユーザと「友人」関係にあるユーザ端末50JFに一斉にフィード配信する。これら新たに参加候補者となったユーザ群51のうち一のユーザが自らのユーザ端末51Jから新たに参加を表明する情報をSNSサーバ10に送信すると(ステップS306)、当該ユーザの情報が参加者情報又はその一部として参加者情報DB122に記録され(ステップS307)、その新たな参加者と「友人」関係のあるユーザ端末51JFに当該情報が一斉にフィード配信される(ステップS308)。こうしてユーザ群52は新たな参加候補者となる(図3における点線枠囲みのステップS306からステップS308が参加者の数だけ繰り返される)。このように、参加者が増える毎に、これに伴って新たにその友人の端末に対しフィードが配信される。これにより企画者が当初意図した範囲よりも更に広がりを持ったユーザの間で当該プレゼント企画を共同で実行することが可能となる。
【0053】
企画の参加締め切りが来ると、SNSサーバ10は企画者及び参加者に決済要求のメッセージを送信する(ステップS310、ステップS311)。本実施例においては、決済要求金額はプレゼント商品の金額を企画者及び参加者の人数で割った額となり、プレゼント企画DB121に記録されたプレゼントに関する情報、及び参加者情報DB122に記録された参加者情報を参照し、メッセージエンジン117によりSNSサーバ10がメッセージを送信する。なおその際、個々の企画者及び参加者において利用可能なポイントの有無を、ポイントDB114を参照しつつ通知するよう構成しても良い。
【0054】
企画者及び参加者は受信したメッセージに基づいて支払い手続きを行う(ステップS312、ステップS313)。全員の支払いが完了すると(ステップS314)、SNSサーバ10はメッセージエンジン117により受取人に対する受取要求メッセージを生成し、受取人に送信する(ステップS315)。受取要求メッセージを受信した受取人が受取を受諾する場合は、当該プレゼントの受取住所を登録する(ステップS316)。受取住所は予めユーザ属性DB111に登録されている住所でも良く、また自由に送付先を指定することもできる。受取受諾をもって決済は確定し、プレゼントが受取人に受取処理されたことが企画者及び参加人に通知される(ステップS317、S318)。
【0055】
このように、第一の実施例にかかるプレゼント贈答方法においては、企画者が当初指定した参加候補者の枠を超えてSNS上で所定の関係性を有するユーザに対しても企画が拡張されていくため、参加者個々人の金銭的負担が低減されることとなり共同でのプレゼント購入が促進されるメリットがある。また受取人にとっても数多くのユーザから共同でプレゼントをしてもらう機会を得ることができ、当該SNSに対する魅力は向上する。
【0056】
なおステップS302において、上記実施例においては企画者からメッセージを送信する構成としたが、これに代替して、プレゼント企画DBにプレゼント企画が記録されたことをトリガとして、当該プレゼント企画において参加候補者として選択されているユーザに対するフィードがSNSサーバ10から送信される構成としても良い。
【0057】
次に、ユーザ相互間の意思決定の順序が異なる別の実施例につき、図6から図8を用いて説明する。なお共通する構成については同一の符号を付し、また説明を省略する。先の実施例同様、図6のシーケンス図にあるように、企画者が企画者端末30を介してSNSサーバ10上でプレゼント企画を作成する(ステップS601)。先の実施例と異なるのは、一口あたりの参加費を予め決定しておく点にある。企画者は予め自らの参加費につき支払いの処理を行う(ステップS602)。なおシーケンス上図示しないが、SNSサーバ10は決済連携エンジン126を介して決済情報管理サーバ70に当該ユーザの与信情報の照会を行い、当該支払額についての許容可否をその段階で確認するよう構成することができる。
【0058】
本実施例では、企画内容がフィードされる対象(参加候補者)も先の実施例とは異なる。プレゼント企画がプレゼント企画DB121に記録されたことをトリガとして、企画者と受取人の共通の「友人」に当該企画が立案された旨がフィード配信される(ステップS603)。図7において、企画者30と「友人」関係にあるユーザ群30Fと、受取人40と「友人」関係にあるユーザ群40Fとの共通部分に位置するユーザ群50が参加候補者とされる。参加候補者は、SNSコア11のユーザDB112に予め保存されている情報を参照して決定される。フィードを見たユーザのうち参加の意向を持った参加候補者は、自らの端末を介して参加表明し、また企画者同様参加費を支払う(ステップS604、ステップS605)。
【0059】
新たな参加者が参加者情報DB122に記録されると、追加候補者に対してその旨の情報がフィード配信される(ステップS606)が、本実施例が上記第一の実施例と異なる点として、追加候補者となるユーザのプロファイルが挙げられる。すなわち本実施例では、参加表明したユーザと受取人の共通の「友人」に対してフィード配信される。図8にあるように、新たな参加者50Jがプレゼント企画に参加する旨がSNSサーバ10の参加者情報DB122に記録されると、当該参加者と受取人それぞれのユーザDB112に記録された情報が参照され、参加者50の「友人」50JFと受取人の「友人」40Fとの共通部分に位置するユーザ群であり、まだ当該プレゼント企画に関するフィードが配信されていないユーザ群51に対して、SNSサーバ10はフィードを配信する。当該フィード配信を受け参加の意向を持ったユーザは、同様に自らの端末を介して参加表明をし、また参加費を支払う(ステップS607、ステップS608)。そしてその旨が、当該新たな参加者と受取人との共通の「友人」に対してフィード配信される。
【0060】
企画の締め切りが来ると(ステップS610)、SNSサーバ10は企画者端末30に対し、集まった参加費に関する情報、及びプレゼントを確定する旨要求するメッセージを送信する(ステップS611)。企画者は前記メッセージに基づきプレゼントを確定する(ステップS612)。確定したプレゼント情報はプレゼント企画DB121に記録される。プレゼントが確定すると、受取人に受取要求メッセージが送信され(ステップS613)、受取人は先の実施例同様受取住所を確定し(ステップS614)、プレゼント企画の一連の処理が完了したことが参加者に通知される(ステップS616)。
【0061】
この第二の実施例の場合、企画者は参加者の数及び集まった参加費に応じて後からプレゼントを選択することができるから、企画の立案自体に過度な負担が生じることなく、また参加する側としても予め負担額が確定しているから、共同でのプレゼント企画をユーザが実行しやすくなりプレゼント需要の増大に寄与する。
【0062】
なお本発明には、例えば他の実施例として以下の構成も包含される。すなわち、上記第二の実施例においては一口当たりの参加費が予め企画者により決められていたが、これに限らず、参加者自身が幾ら支払うかを自発的に決定するよう構成することもできる。その場合、ステップS602(企画者)及びステップS605(参加者)が決済をする段階において、支払う金額をSNSサーバ10に送信するようにしてもよい。SNSサーバ10は決済連携エンジン126を介して決済情報管理サーバ70に当該ユーザの与信情報の照会を行い、当該支払額についての許容可否をその段階で確認し、与信枠確保(仮決済)するよう構成することができる。そして参加者自身が決定した支払額がプレゼントの対価を超える場合、以下の算式に基づいて本決済金額を決定することができる。
本決済金額=参加時の仮決済額×(プレゼント代/参加者の仮決済合計額)
【0063】
更には、企画者がプレゼント企画を作成する場合に、プレゼントを単一に確定しておかず、複数のプレゼントを候補としてプレゼント企画を作成することもできる。この場合、第一の実施例におけるステップS301で作成されるプレゼント企画情報において、プレゼント候補を複数記録しておく。そして参加期間の締め切り時点(ステップS309)で企画者が参加情報も加味しつつ候補の中からプレゼントを選択し、これに応じて企画者及び参加者が決済を行っても良い。
【0064】
このように、本発明に係るSNSサーバ10を用いたプレゼント贈答方法においては、SNS上で構築されているユーザ相互間の所定の関係性に基づいて共同でプレゼントを購入する参加者に広がりを持つことができる。そしてSNSサーバ10を介して企画者が積極的に特定のユーザに対して情報発信を行うこともでき、またユーザの所定のアクティビティに起因してフィードが配信される構成を利用することもできるから、相互の意思確認の負担を企画者が過度に負うことがないため、気軽にプレゼント企画を立案することができる。また外部の電子商取引サイトや決済情報管理サーバとも連携していることから、企画者ないし参加者に一定の与信額があることを条件に、相互に意思疎通を交わしながら状況に応じてアドホックにプレゼント企画を固めていくことができる。企画者の企画負担、参加者の金銭的負担の不確定感をともに軽減させることにより、共同でのプレゼント購入への障壁が下がり、プレゼント需要の増大に繋がる。またかかる付加価値を有するSNSにはユーザ数、アクセス数の増加が期待できサービスの価値が向上する。
【符号の説明】
【0065】
1 プレゼント贈答システム
10 ソーシャルネットワーキング(SNS)サーバ
11 SNSコア
111 ユーザ属性DB
112 ユーザDB
113 フィードDB
114 ポイントDB
115 課金DB
116 フィードエンジン
117 メッセージエンジン
118 表示情報制御エンジン
12 プレゼントコア
121 プレゼント企画DB
122 参加者情報DB
123 決済条件DB
124 SNSコア連携エンジン
125 電子商取引連携エンジン
126 決済連携エンジン
13 PC版UI
14 MB版UI
20 インターネット(電気通信回線網)
30 企画者端末
40 受取人端末
50 参加候補者端末
51・52・53 新たな参加候補者端末
60 電子商取引管理サーバ
70 決済情報管理サーバ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザの端末と、ソーシャルネットワーキングサービス提供サーバとが電気通信回線網を介して接続可能なソーシャルネットワーキングサービスシステムにおけるソーシャルネットワーキングサービス提供サーバであって、
前記ソーシャルネットワーキングサービス提供サーバは外部の電子商取引管理サーバ、および\又は決済情報管理サーバと接続可能であり、
プレゼントを企画する企画者の端末からの要求に基づき、プレゼント企画情報を取得するプレゼント企画情報取得手段と、
前記プレゼント企画情報を受信したユーザのうち該プレゼント企画に参加するユーザの端末からの要求に応じて参加者の情報を取得する参加者情報取得手段と、
前記取得したプレゼント企画情報及び参加者情報に基づき決済処理を行う決済処理手段と
を備え、
前記プレゼント企画情報には、プレゼントを受け取る受取人情報、前記プレゼント企画メッセージを送信する端末のユーザに関する情報である参加候補者情報、プレゼントに関する情報である贈答品情報、及び決済の方式に関する情報である決済方式情報が含まれる
ことを特徴とする、ソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ。

【請求項2】
前記参加候補者情報が、前記ソーシャルネットワーキングサービス上において前記企画者と所定の関係性を有するユーザに関する情報から生成されることを特徴とする、請求項1に記載のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ。

【請求項3】
前記参加候補者が、前記ソーシャルネットワーキングサービス上において前記受取人と所定の関係性を有するユーザに関する情報から生成されることを特徴とする、請求項1又は請求項2のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ。
【請求項4】
前記プレゼント企画情報が、前記参加候補者のプロファイル条件を満たすユーザに対してフィード配信されることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ。

【請求項5】
前記プレゼント企画情報が、企画者の端末からの要求に基づいて選択されるユーザに対してメッセージ送信されることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ。
【請求項6】
前記参加者情報取得手段が参加者情報を取得したことを条件に、参加者と受取人との双方と所定の関係性を有する会員に対し更に前記プレゼント企画情報をフィード配信する追加フィード配信手段を有することを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ。
【請求項7】
前記贈答品情報が、企画者により予め前記外部の電子商取引管理サーバにおいて選択された一の贈答品であることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ。

【請求項8】
前記贈答品情報が、企画者により予め前記外部の電子商取引管理サーバにおいて選択された複数の贈答品候補に関する情報であり、前記参加者情報に前記複数の贈答品候補のうちから一の贈答品候補を選択する贈答品候補選択情報が含まれることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ。

【請求項9】
前記贈答品情報が、前記企画者の端末からの要求に基づき取得する前記プレゼント企画情報においては贈答品が未特定であり、
前記参加者情報取得手段により得られた参加者情報のフィードを企画者のユーザIDに配信する参加者情報フィード配信手段と、
前記参加者情報を受信した企画者の端末からの要求に応じて、前記贈答品情報に規定される贈答品を特定する贈答品特定手段とを更に有することを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ。

【請求項10】
前記贈答品情報が、前記企画者の端末からの要求に基づき取得する前記プレゼント企画情報においては贈答品が未特定であり、
前記参加者情報取得手段により得られた参加者情報のフィードを企画者のユーザIDに配信する参加者情報フィード配信手段と、
前記参加者情報を受信した企画者の端末からの要求に応じて、企画者により前記外部の電子商取引管理サーバにおいて選択された複数の贈答品候補情報を取得する贈答品候補取得手段と、
前記贈答品候補情報のフィードを参加者のユーザIDに配信する贈答品候補情報フィード配信手段と、
前記贈答品候補情報フィードを受信した参加者の端末からの要求に応じて前記複数の贈答品候補のうちから一の贈答品候補を選択した情報を取得する贈答品候補選択情報取得手段と、
を更に有することを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ。

【請求項11】
前記決済情報に規定される決済の方式が、参加者の数に応じた均等按分であることを特徴とする、請求項1から請求項10のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ。

【請求項12】
前記決済情報に規定される決済の方式が、一口あたりの固定金額であることを特徴とする、請求項1から請求項10のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ。

【請求項13】
前記参加者情報に支払いを許容する金額上限を特定する支払金額特定情報が含まれ、
前記決済情報に規定される決済の方式が、前記複数の参加者の前記支払金額特定情報の合計額に応じた按分であることを特徴とする、請求項1から請求項10のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングサービス提供サーバ。

【請求項14】
複数のユーザの端末と、ソーシャルネットワーキングサービス提供サーバとが電気通信回線網を介して接続可能なソーシャルネットワーキングサービスシステムにおけるプレゼント贈答方法であって、
企画者の端末からプレゼント企画情報を送信するステップと、
前記プレゼント企画情報をサーバが受信し記録するステップと、
サーバが前記プレゼント企画情報を所定のユーザに通知するステップと、
前記プレゼント企画情報を受信したユーザのうち該プレゼント企画に参加するユーザの端末が、参加者情報を送信するステップと、
サーバが、前記参加者情報を受信し記録するステップと、
サーバが、前記記録したプレゼント企画情報及び参加者情報に基づき決済処理を行うステップと、
を有し、
前記プレゼント企画情報には、プレゼントを受け取る受取人情報、前記プレゼント企画メッセージを送信する端末のユーザに関する情報である参加候補者情報、プレゼントに関する情報である贈答品情報、及び決済の方式に関する情報である決済方式情報が含まれる
することを特徴とするプレゼント贈答方法。

【請求項15】
前記参加候補者情報が、前記ソーシャルネットワーキングサービス上において前記企画者と所定の関係性を有するユーザに関する情報から生成されることを特徴とする、請求項14に記載のプレゼント贈答方法。

【請求項16】
前記参加候補者が、前記ソーシャルネットワーキングサービス上において前記受取人と所定の関係性を有するユーザに関する情報から生成されることを特徴とする、請求項14又は請求項15のいずれかに記載のプレゼント贈答方法。

【請求項17】
前記プレゼント企画情報が、前記参加候補者のプロファイル条件を満たすユーザに対してフィード配信されることを特徴とする、請求項14から請求項16のいずれかに記載のプレゼント贈答方法。

【請求項18】
前記プレゼント企画情報が、企画者の端末からの要求に基づいて選択されるユーザに対してメッセージ送信されることを特徴とする、請求項14から請求項16のいずれかに記載のプレゼント贈答方法。

【請求項19】
サーバが参加者情報を取得した際、参加者と受取人との双方と所定の関係性を有する会員に対し更に前記プレゼント企画情報をフィード配信するステップを更に有することを特徴とする、請求項14から請求項18のいずれかに記載のプレゼント贈答方法。
【請求項20】
前記贈答品情報が、企画者により予め前記外部の電子商取引管理サーバにおいて選択された一の贈答品であることを特徴とする、請求項14から請求項19のいずれかに記載のプレゼント贈答方法。

【請求項21】
前記贈答品情報が、企画者により予め前記外部の電子商取引管理サーバにおいて選択された複数の贈答品候補に関する情報であり、前記参加者情報に前記複数の贈答品候補のうちから一の贈答品候補を選択する贈答品候補選択情報が含まれることを特徴とする、請求項14から請求項19のいずれかに記載のプレゼント贈答方法。

【請求項22】
複数のユーザの端末と、ソーシャルネットワーキングサービス提供サーバとが電気通信回線網を介して接続可能なソーシャルネットワーキングサービスシステムにおけるプレゼント贈答方法であって、
企画者の端末から、プレゼントを受け取る受取人情報、前記プレゼント企画メッセージを送信する端末のユーザに関する情報である参加候補者情報、及び決済の方式に関する情報である決済方式情報が含まれるプレゼント企画情報を送信するステップと、
前記プレゼント企画情報をサーバが受信し記録するステップと、
サーバが前記プレゼント企画情報を所定のユーザに通知するステップと、
前記プレゼント企画情報を受信したユーザのうち該プレゼント企画に参加するユーザの端末が、参加者情報を送信するステップと、
サーバが、前記参加者情報を受信し記録するステップと、
前記参加者情報のフィードを企画者のユーザIDに配信するステップと、
前記参加者情報を受信した企画者の端末が贈答品を特定するステップと、
サーバが、前記記録したプレゼント企画情報及び参加者情報に基づき決済処理を行うステップと、
を有することを特徴とするプレゼント贈答方法。
【請求項23】
複数のユーザの端末と、ソーシャルネットワーキングサービス提供サーバとが電気通信回線網を介して接続可能なソーシャルネットワーキングサービスシステムにおけるプレゼント贈答方法であって、
企画者の端末から、プレゼントを受け取る受取人情報、前記プレゼント企画メッセージを送信する端末のユーザに関する情報である参加候補者情報、及び決済の方式に関する情報である決済方式情報が含まれるプレゼント企画情報を送信するステップと、
前記プレゼント企画情報をサーバが受信し記録するステップと、
サーバが前記プレゼント企画情報を所定のユーザに通知するステップと、
前記プレゼント企画情報を受信したユーザのうち該プレゼント企画に参加するユーザの端末が、参加者情報を送信するステップと、
サーバが、前記参加者情報を受信し記録するステップと、
前記参加者情報のフィードを企画者のユーザIDに配信するステップと、
前記参加者情報を受信した企画者の端末が、サーバに複数の贈答品候補情報を送信するステップと、
サーバが、前記贈答品候補情報のフィードを参加者のユーザIDに配信するステップと、
前記贈答品候補情報フィードを受信した参加者の端末が前記複数の贈答品候補のうちから一の贈答品候補を選択した贈答品選択情報をサーバに送信するステップと、
サーバが、前記複数の参加者の端末から受信した贈答品選択情報を企画者の端末に送信するステップと、
前記参加者情報を受信した企画者の端末が贈答品を特定するステップと、
サーバが、前記記録したプレゼント企画情報及び参加者情報に基づき決済処理を行うステップと、
を有することを特徴とするプレゼント贈答方法。
【請求項24】
サーバが参加者情報を取得した際、参加者と受取人との双方と所定の関係性を有する会員に対し更に前記プレゼント企画情報をフィード配信するステップを更に有することを特徴とする、請求項22又は請求項23のいずれかに記載のプレゼント贈答方法。

【請求項25】
前記決済情報に規定される決済の方式が、参加者の数に応じた均等按分であることを特徴とする、請求項14から請求項24のいずれかに記載のプレゼント贈答方法。

【請求項26】
前記決済情報に規定される決済の方式が、一口あたりの固定金額であることを特徴とする、請求項14から請求項24のいずれかに記載のプレゼント贈答方法。

【請求項27】
前記参加者情報に支払いを許容する金額上限を特定する支払金額特定情報が含まれ、
前記決済情報に規定される決済の方式が、前記複数の参加者の前記支払金額特定情報の合計額に応じた按分であることを特徴とする、請求項14から請求項24のいずれかに記載のプレゼント贈答方法。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−113493(P2012−113493A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261451(P2010−261451)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(500033117)株式会社ミクシィ (13)