説明

タオル

【課題】背中などを洗うときに、襞の構造を簡単にして肌と接触する押圧感(コシ)を高め「やわらかめ」、の感覚の中にも押圧感(コシ)が感じられ、マッサージ効果を高めたタオルを提供する。
【解決手段】長方形状の布地において、長手方向に直角方向(上下方向)に布地を鋸刃状に折り畳んで布地の両面に折り山を形成し、上記折り山のー部又は折り山の中側に布地を入れて芯を設け、前記折り山を形成し折り重なった部分を上下方向に縫い合わせて前記折り山が布地の両面に突出した襞を適宜間隔をあけて複数個所設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地の両面に複数の襞を設けた浴用タオルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴用タオルには、筋状のヒダを複数個設けたヒダ付浴用タオル(特許文献1参照)、多重の襞を複数個形成したタオル(特許文献2参照)が開示されている。しかし、特許文献1及び特許文献2記載のタオルは肌に接触したときの押圧感(コシ)に乏しいという点において問題があった。
【0003】
【特許文献1】特開2002−263029号公報
【特許文献2】特開2000−325255号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に従来のタオルを使って背中などを洗うときに、タオルが肌に接触する感触に乏しく、押圧感(コシ)に乏しいために、襞数を増やして複雑な構造になったりした。本発明は前記の問題点を解決するために襞の構造を簡単にして肌と接触する押圧感(コシ)を高め「やわらかめ」、の感覚の中にも押圧感(コシ)が感じられ、マッサージ効果を高めたタオルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するために、本発明は、長方形状の布地において、長手方向に直角方向(上下方向)に布地を鋸刃状に折り畳んで布地の両面に折り山を形成し、上記折り山の一部又は折り山の中側に布地を入れて芯を設け、前期折り山を形成し折り重なった部分を上下方向に縫い合わせて前記折り山が布地の両面に突出した襞を適宜間隔をあけて複数個所設けたことを特徴とするタオルとする(請求項1)。
【発明の効果】
【0006】
本発明のタオルは、前記のように構成され、長手方向に直角方向(上下方向)に布地を鋸刃状に折り畳んで布地の両面に折り山を形成して襞を設けているので、使用時に布地を左右に繰り返し引っ張ると襞の折山が肌に接し押しつけられながら方向を変えて引っ張られるので、方向を変えるときに、折り山に芯が入っている襞は強く肌に押し付けられ、押圧感(コシ)が高められる。また、折り山に芯が入っていない襞はやわらかく、方向を変えにくいまま押しつけられるので、背中を擦るスピードの中で、襞が波うち、やわらかい感覚と押圧感(コシ)が入り混じった「やわらかめ」、の感覚の中にも押圧感(コシ)が感じられ、マッサージ効果が高まる。また、石けんやボディソープの水溶液が襞のところでたまり、泡立ちがよく、洗い心地がよい。
また、折り山の芯の数を布地の表裏面で1箇所ずつ増やすと押圧感(コシ)が「強め」に高まり、マッサージ効果が倍増する。
また、本発明の襞は押圧感(コシ)を出す方法として折り山にわずかな布地を設けて芯を形成したもので、構造が簡単である。また、本発明の襞は、布地の両面に同時に形成されるので、片面ずつ襞を形成するより簡単である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下「本発明の実施の形態」)について図面を参照しながら説明する。しかし、本願発明は係る実施の形態によって何ら制限されるものではない。
【0008】
本発明の実施の形態に係るタオルは、長方形状の布地において、長手方向に直角方向(上下方向)に布地を鋸刃状に折り畳んで布地の両面に折り山を形成し、上記折り山の一部又は折り山の中側に布地を入れて芯を設け、前期折り山を形成し折り重なった部分を上下方向に縫い合わせて前期折り山が布地の両面に突出した襞を適宜間隔をあけて複数個所設けたことを特徴とするタオルである。本発明の実施の形態に係るタオルの布地は、例えば厚めのナイロン繊維のパイル織りなどのメッシュ地からなる編織物を使用しているが、これに限定するものではなく、通常浴用タオルなどとして市販されている綿、麻、絹、その他の合成繊維糸や天然繊維糸のラッシェル編みやパイル織りなどのメッシュ地からなる編織物ものを用いることができる。
【0009】
図1〜図3は、布地1の折り山3の中側に布地を入れて芯5を設けた襞を形成する例を示すもので、図1は、布地1の表側の折り山3に芯5、図2は、布地1の裏側の陰襞2a,2bの折り山3に芯5、図3は、布地1の両面の表襞2と陰襞2a,2bの折り山3の中側に布地を入れて芯5を設けて折り山を形成し、折り重なった部分の中央部を上下方向にステッチ4することによって襞を形成する例を示す。図4(a)は、布地を鋸刃状に折り畳んだ正面図であって、布地1の複数個所に襞を適宜間隔をあけて形成する例を示す。何箇所に襞を設けるか、何箇所に芯5aを設けるかは布の厚みや硬さ、材質、泡立ちの具合によって選択することができる。布地の両面に折り山3a〜3jを形成し、上記折り山3a〜3jの一部又は折り山の中側に布地を入れて芯5aを設け、表襞2の折り山3a,3gに芯5aを2箇所、陰襞2a,2bの折り山3d,3jに芯5aを2箇所に形成している例を示す。先に芯の付いている布地1の折山3a,3gと折り山3d,3jの縫い目4aを布地の表裏の向きを間違えないように縫い合わせておき、次に表襞2と下側の陰襞2a,2bの折り重なった中心部分を上下方向にステッチ4して縫い合わせて、前記折り山が布地1の両面に突出した襞を適宜間隔をあけて複数個所形成される。
【0010】
また、布地の襞が形成される部分を折り山の芯5aのところで縫い合わせて接ぐことによって、図4(b)に示すように、例えば、芯の一例であるが、折り山3a,3jの中側に図4(c)に示すように、芯5bのように2枚の布を縫い合わせる4aことによって市販されている浴用タオル地で簡単に作ることができる。また、折り山の中側に設ける芯は5a,5bの他に芯5c,5d,5eのように、2枚の布地を折り山の中側で接ぎ4b、折り山で縫い合わせる4aことによって芯をつくることもできる。また、折り山の中側の芯5aの上面に芯材fを重ねて縫いとめて、或いは接着して芯5fをつくることもできる。芯材fは、同じ材質の布地でもよいし、泡立ちのよい合成繊維などの材質のものを選んで表布を引き立てることもできる。布地1の接ぎ目を折り山のどこに取り入れるかは、限定されるものではない。
【0011】
図5は、布地を鋸刃状に折畳んで布地の両面に折り山を形成し、上記折り山の一部又は折り山の中側に布地を入れて芯を設け、前期折り山を形成し折り重なった部分を上下方向に縫い合わせて前記折り山が布地の両面に突出した襞を適宜間隔をあけて複数個所形成した例を示す。この図に示すように、襞を形成した布地を左右に繰り返し引っ張ると襞の折山が肌に接し押しつけられながら方向を変えて引っ張られるので、方向を変えるときに、折り山に芯が入っている襞は強く肌に押し付けられ、押圧感(コシ)が高められる。また、折り山に芯が入っていない襞はやわらかく、方向を変えにくいまま押しつけられるので、背中を擦るスピードのなかで、襞が波うち、やわらかい感覚と押圧感(コシ)が入り混じった「やわらかめ」、の感覚の中にも押圧感(コシ)が感じられ、マッサージ効果が高まる。
また、石鹸やボディソープの水溶液が襞のところでたまり、泡立ちがよく、洗い心地がよい。
【0012】
図6,図7は、布地を鋸刃状に折畳んで布地の両面に折り山を形成し、折り山に芯が入っている襞を前例に比べて多く形成した例を示す。折り山に芯が入っている襞を多く形成すると、押圧感(コシ)が「強め」に高まり、マッサージ効果が倍増する。
【実施例】
【0013】
市販のナイロンの厚めのパイル織りなどのメッシュ地からなる編織物のタオル地を使用して前記の実施の形態に記載した襞を形成して本発明のタオルを得た。このタオルを使用したところ、従来の折り山に芯を設けない襞を形成した浴用タオルと比較して、タオルの襞による押圧感(コシ)が明確に感じられ、「やわらかめ」の感覚の中にも押圧感(コシ)が感じられ、マッサージ効果が得られた。また、石けんやボディソープの泡が襞のところでたまり、泡立ちがよく、洗い心地がよい。折り山に芯が入っている襞を多く形成したタオルは、「強め」の押圧感(コシ)が感じられた。また、従来の多重の襞を形成したタオルよりも折り山に芯が入っている襞を多く形成したタオルは、押圧感(コシ)があり、マッサージ効果が増して感じられた。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明に係るタオルは、従来の浴用タオルなどに襞を設けるだけで簡単に製造できるので便利であり、ミシンを使用して量産可能であり、経済的で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る布地の折り山に芯を設けた襞を形成する例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る布地の折り山に芯を設けた襞を形成する例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る布地の折り山に芯を設けた襞を形成する例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る布地の折り山に芯を設けた襞を形成する例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るタオルの斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る布地の折り山に芯を設けた襞を形成する例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る布地の折り山に芯を設けた襞を形成する例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0016】
1布地、2表襞、2a,2b陰襞、3,3a〜3j折山、4ステッチ、4a縫い目、4b接ぎ目 5,5a〜5f芯、f芯材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状の布地において、長手方向に直角方向(上下方向)に布地を鋸刃状に折り畳んで布地の両面に折り山を形成し、上記折り山の一部又は折り山の中側に布地を入れて芯を設け、前期折り山を形成し折り重なった部分を上下方向に縫い合わせて前期折り山が布地の両面に突出した襞を適宜間隔をあけて複数個所設けたことを特徴とするタオル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−246870(P2010−246870A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113984(P2009−113984)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(595022935)
【Fターム(参考)】