説明

タオル

【課題】結ばなくても首に安定して巻くことができるタオルを提供する。
【解決手段】タオル本体11の一端側に、タオル本体11の他端側を挿通させる挿通部12を備えたことを特徴とするタオル10。また、前記挿通部12は、タオル本体11の全幅の1/2、1/3または1/4の長さであり、両端部分が前記タオル本体11に接合された帯状部材または紐状部材により形成されていると共に、タオル本体11の端部よりも内方に設けられていることを特徴とするタオル10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タオルに関するものであり、詳しくは、結ばなくても首に安定して巻くことができるタオルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ジョギングやウォーキングの際、農作業や建築作業の際等において、汗を拭くために首にタオルを巻くことがある。ここで、タオルを首に単に巻いただけでは、運動中や作業中に首からタオルが簡単に落ちてしまうため、タオルの両端を結ぶことが一般的になされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、首に巻いたタオルを結ぶと、結び目があごの下に位置して違和感を生じる。また、結び目が大きく膨れるため、不恰好となる。さらに、首から垂れ下がるタオルの両端部分が結び目の分だけ短くなり、タオルの端で顔の汗を拭こうとしても、タオルが届かなくなる場合もある。よって、結ばなくてもタオルを首に安定して巻けるようにすることが望まれる。
【0004】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、結ばなくても首に安定して巻くことができるタオルの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明の採った主要な手段は、
「タオル本体の一端側に、タオル本体の他端側を挿通させる挿通部を備えたことを特徴とするタオル」
である。
【0006】
ここで、挿通部としては、タオル本体の他端側を挿通可能なものであればよく、後述するように、タオル本体とは別個の帯状部材または紐状部材の両端をタオル本体に縫着や接着等によって接合してなるもの、タオル本体とは別個の予め環状に形成された帯状部材または紐状部材を縫着や接着等によってタオル本体に接合してなるもの、タオル本体に設けられた切れ目によって形成されたもの、タオル本体とは別個の帯状または紐状の部材がタオル本体に設けられた孔部に挿通された上で、両端部の係合により環状を形成したもの等を例示することができる。
【0007】
上記構成のタオルは、タオル本体を首に巻いた上で、タオル本体の一端側に設けられた挿通部にタオル本体の他端側を挿通させれば、首に巻いた状態で安定して保持される。
【0008】
よって、上記構成によれば、結ばなくても首に安定して巻くことができるタオルを実現することができる。
【0009】
上述した手段において、
「前記挿通部は、タオル本体の全幅の1/2、1/3または1/4の長さであり、両端部分が前記タオル本体に接合された帯状部材または紐状部材により形成されていると共に、タオル本体の端部よりも内方に設けられていることを特徴とするタオル」
とするのが好適である。
【0010】
上記構成のタオルでは、タオル本体を二つ折り、三つ折りまたは四つ折りにした上で、挿通部が設けられたタオル本体の端部を挿通部にくぐらせれば、二つ折り、三つ折りまたは四つ折りにしたタオル本体が展開しないように安定させることができる。
【0011】
よって、上記構成のタオルによれば、使い勝手を向上させることができる。
【0012】
なお、上記構成において、帯状部材または紐状部材の長さであるタオル本体の全幅の1/2、1/3または1/4の長さとは、二つ折り、三つ折りまたは四つ折りにしたタオル本体の幅に対応した寸法を示すものであり、タオル本体の全幅寸法に対する厳密な数値を示すものではない。換言すれば、帯状部材または紐状部材の長さは、タオル本体の全幅寸法に対して、概ね、1/2、1/3または1/4であればよく、明確な数値として示すのであれば、タオル本体の全幅の1/2、1/3または1/4の数値の±20%以内の範囲であればよい。
【0013】
上述した手段において、
「前記挿通部は、前記タオル本体の長さ方向に対して傾斜状に設けられている」ものとしても良い。
【0014】
上記構成のタオルでは、挿通部がタオル本体の長さ方向に対して傾斜状に設けられているため、タオル本体の一端側に設けられた挿通部に、タオル本体の他端側を斜め方向から挿通させることができる。
【0015】
よって、上記構成のタオルによれば、より一層、使い勝手を向上させることができる。
【0016】
上述した手段において、
「前記タオル本体の一端側に貫通して形成された孔部と、
該孔部に挿通可能な帯状または紐状で、両端部の係合により環状となる孔部挿通片とを具備し、
前記挿通部は、前記孔部に挿通されると共に両端部が係合した前記孔部挿通片によって形成されている」
ものとすることができる。
【0017】
上記構成のタオルでは、挿通部を形成する孔部挿通片が、タオル本体に対して着脱自在である。これにより、タオルを首に巻かないときは、孔部挿通片を取り外して、通常のタオルと同様に使用することができる。また、一つのタオル本体に対して複数の孔部挿通片を具備することとし、複数の孔部挿通片の色、柄、素材などを相違させることができる。かかる構成では、孔部に挿通して挿通部を形成させる孔部挿通片を、色、柄、素材などの異なるものに取り換えることにより、首に巻かれるタオルのデザインを変化させることができる。
【0018】
上述した手段において、
「前記タオル本体の全長を二分する中央線を挟んで所定距離はなれた位置に、貫通して形成された一対の内方孔部と、
該内方孔部に挿通可能な帯状または紐状で、両端部の係合により環状となる内方孔部挿通片とを具備する」ものとすることができる。
【0019】
上記構成のタオルでは、一対の内方孔部それぞれに内方孔部挿通片を挿通し、挿通された内方孔部挿通片でタオル本体を外側から巻回した上で、両端を係合し環状とすることができる。これにより、一対の内方孔部の間でタオル本体が折り畳まれた場合に、その状態を一対の内方孔部挿通片で保持することができる。従って、タオル本体を中央付近で折り畳み、その中に保冷剤パックやカイロを包めば、その状態が内方孔部挿通片によって保持されるため、タオルを首に巻いた状態で、首の後ろを保冷剤で冷やしたりカイロで暖めたりすることができる。よって、上記構成のタオルは、首に巻いて使用するタオルとして、より適している。
【0020】
上述した手段において、
「前記挿通部は、少なくとも一部に消臭テープを用いた帯状の材料で形成されている」ものとすることができる。
【0021】
上記構成のタオルは、消臭テープを備える挿通部が消臭作用を発揮するため、首に巻いて使用し、首や顔の汗を吸収することとなるタオルとして、より適している。
【0022】
なお、消臭テープとしては、消臭・抗菌作用を有する金属の微粒子、光触媒作用を有する金属酸化物、吸着作用を有する多孔質材料、臭いの元となる成分を中和させる酸性成分またはアルカリ性成分等を、担持または包含させた繊維を用いた市販の消臭テープを使用可能である。
【0023】
上述した手段において、
「前記挿通部として、
前記タオル本体の一端側に設けられた第一挿通部と、
該第一挿通部が設けられた面とは反対側の面で前記タオル本体の他端側に設けられた第二挿通部とを具備する」ものとすることができる。
【0024】
上記構成のタオルでは、タオル本体の二面のうち、どちらの面を外側にして首に巻いても、第一挿通部及び第二挿通部の何れかがタオル本体の一端の外側にあらわれ、ここにタオル本体の他端を挿通することができる。従って、どちらの面を外側にして首に巻くかを使用者が気にする必要がなく、より使い勝手が良い。
【0025】
また、タオル本体の何れの面が外側となっても、結ばずに首に安定して巻くことができるため、二面の色や柄が異なるリバーシブルタイプのタオル本体とすることができる。
【発明の効果】
【0026】
上述した通り、本発明によれば、結ばなくても首に安定して巻くことができるタオルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るタオルの第一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示したタオルの寸法を説明する平面図である。
【図3】図1に示したタオルの使用状態を説明する斜視図である。
【図4】図1に示したタオルの使用状態を説明する斜視図である。
【図5】図1に示したタオルの使用状態を説明する斜視図である。
【図6】図1に示したタオルについて、他の形態の使用状態を説明する斜視図である。
【図7】図1に示したタオルについて、更に他の形態を説明する斜視図である。
【図8】図1に示したタオルの変形例を示す平面図である。
【図9】図8に示したタオルの使用状態を説明する斜視図である。
【図10】図8に示したタオルの使用状態を説明する斜視図である。
【図11】本発明に係るタオルの第二実施形態を示す平面図である。
【図12】図11に示したタオルの使用状態を説明する斜視図である。
【図13】本発明に係るタオルの第三実施形態を示す平面図である。
【図14】図13に示したタオルの他の形態を示す平面図である。
【図15】本発明に係るタオルの第四実施形態を示す平面図である。
【図16】図1に示したタオルの他の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の第一実施形態のタオル10について、図1乃至図7を用いて説明する。
【0029】
このタオル10は、タオル本体11を有している。ここで、タオル本体11は、タオル地やガーゼ生地等から形成されており、幅20cm〜40cm、長さ80cm〜120cm程度のものである。
【0030】
そして、このタオル本体11の一端側には、タオル本体11の他端側を挿通させる挿通部12が設けられている。
【0031】
ここで、挿通部12としては、タオル本体11とは別個の予め環状に形成された帯状部材または紐状部材を縫着や接着等によってタオル本体11に接合してなるもの、タオル本体11に設けられた切れ目によって形成されたものとしてもよいが、本例では、両端部分がタオル本体11に縫着された帯状部材13を用いて形成してある。
【0032】
なお、帯状部材13としては、伸縮性の低い布地によって構成されたものや、伸縮性に優れた帯ゴムによって構成されたものを例示することができる。また、帯状部材13に代えて、紐状部材によって挿通部12を形成することもできる。この場合においても、紐状部材として、伸縮性の低い紐によって構成されたものや、伸縮性に優れたゴム紐によって構成されたものを例示することができる。
【0033】
挿通部12を形成する帯状部材13の長さbは、四つ折りにしたタオル本体11を挿通させることができるよう、タオル本体11の幅寸法aに対して1/4の寸法となっている。また、挿通部12を形成する帯状部材13は、タオル本体11の長さ方向に対して直角な状態で配置されていると共に、幅方向においてタオル本体11の中央から一側(図示上側)に偏って配置されている。
【0034】
さらに、挿通部12を形成する帯状部材13は、タオル本体11の端部から寸法cだけ内方の部位に配置されている。ここで、寸法cとしては、二つ折り、三つ折りや四つ折り等、折った状態のタオル本体11の幅寸法の少なくとも2倍とすると、後述するように、タオル本体の挿通部が設けられた側の端部をくぐらせて折られたタオル地を安定させるのに好適である。すなわち、タオル本体11を二つ折りで使用するのであるなら、寸法cを少なくともタオル本体の幅寸法a、タオル本体11を三つ折りで使用するのであるなら、寸法cを少なくともタオル本体の幅寸法a×2/3、タオル本体11を四つ折りで使用するのであるなら、寸法cを少なくともタオル本体の幅寸法a×2/4(a×1/2)とすればよい。
【0035】
また、挿通部12を設ける位置は、図2に示すように、タオル本体11の全長を二分する中央線Nから挿通部12までの距離Lとして、25cm〜40cmとすると好適である。また、男性と女性とでは首周りのサイズが異なることから、男性用ではLを30cm〜40cmとし、女性用ではLを25cm〜35cmとすると、より好適である。
【0036】
次に、本例のタオル10の使用態様を説明する。
【0037】
図3(a)に示すように、まず、タオル本体11を2点鎖線に沿って二つ折りにする(矢印a)。次に、図3(b)に示すように、二つ折りにしたタオル本体11をさらに2点鎖線に沿って折り曲げ(矢印b)、タオル本体11を四つ折りにする。この時、挿通部12が折られたタオル本体11の内部に隠れずに正面側に露呈するようにする。
【0038】
次に、図3(c)に示すように、タオル本体11の挿通部12が設けられた側の端部を挿通部12にくぐらせる(矢印c)。すると、図3(d)に示すように、四つ折りになったタオル本体11が不用意に展開しないように、タオル本体11を四つ折り状態で安定させることができる。
【0039】
このように四つ折り状態としたタオル本体11を、図4に示すように、首に巻きつけ、一端側の挿通部12に他端側を挿通させる(矢印d)。すると、図5に示すように、タオル本体11の両端を結ばなくても安定した状態で首に巻きつけることができる。
【0040】
なお、寸法cをより長くし、図6に示すように、タオル本体11が挿通部12より先で長く垂れ下がるようにすることができる。この場合、例えば、寸法cを20cm〜40cmとすることができる。このように、挿通部12より先で垂れ下がる部分を長くすることにより、タオルを首に巻いた状態で、挿通部12より先の端部側のタオル本体11で、余裕を持って顔や頭部の汗を拭うことができる。
【0041】
上記では、両端部分がタオル本体11に接合されて挿通部12を形成する帯状部材として、長さが短い帯状部材13を例示したが、図7に示すように、タオル本体11の全幅にわたる長さの帯状部材14で、挿通部12を形成することもできる。
【0042】
ここで、図7(a)では、帯状部材14が、それぞれタオル本体11の幅寸法の約1/3の長さ分の両端部分で、タオル本体11に接合されることによって、タオル本体11の幅寸法の1/3の長さの挿通部12が一箇所形成されている場合を図示している。また、図7(b)では、帯状部材14が、それぞれタオル本体11の幅寸法の約1/4の長さ分の両端部分で、タオル本体11に接合されることに加え、帯状部材14の中央部分もタオル本体11に接合されることによって、タオル本体11の幅寸法の1/4の長さの挿通部12が二箇所形成されている場合を図示している。このように、二つの挿通部12を有することにより、タオル本体11を四つ折りにして首に巻いた際、正面側に位置する挿通部12にも、裏側に位置する挿通部12にもタオル本体11の他端を挿通することができる。
【0043】
次に、第一実施形態のタオル10の変形例を、図8乃至図10を用いて説明する。
【0044】
このタオル10は、上述の例とは、挿通部12の配置態様が異なるものである。
【0045】
このタオル10では、挿通部12、より具体的には、挿通部12を形成する帯状部材13が、タオル本体11の長さ方向に対して傾斜した状態で配置されている。
【0046】
このようにタオル本体11の長さ方向に対して傾斜状の挿通部12を備えたタオル10では、図9に示すように、首に巻いて挿通部12にタオル本体11の他端側を挿通させるに際して、タオル本体11の他端側を迎え入れる方向に挿通部12の開口を向かせることができる。よって、タオル本体11の他端側を挿通部12に挿通させ易くすることができる。
【0047】
また、首に巻いた状態では、図10に示すように、タオル本体11の両端がクロス状態で垂れ下がることになり、首に巻いたタオル10のファッション性を向上させることもできる。
【0048】
ところで、上述した各例では、挿通部12が表側に露呈するようにタオル10を首に巻きつけた例を示したが、挿通部12が裏側に隠れるようにしてもよい。
【0049】
また、挿通部12が表側に露呈するように使用する場合には、挿通部12を形成する帯状部材を、タオル本体11とは生地、色、柄等が異なる布地によって形成したり、帯状部材にワンポイントのマークを入れる等すると、帯状部材を目立たせることができ、ファッション性を向上させることができる。
【0050】
次に、本発明の第二実施形態のタオルに20について、図11及び図12を用いて説明する。タオル20は、タオル本体21の一端側に貫通して形成された孔部23と、孔部23に挿通可能な帯状または紐状で、両端部の係合により環状となる孔部挿通片25とを具備し、孔部23に挿通されると共に両端部が係合した孔部挿通片25によって挿通部22が形成されているものである。
【0051】
より詳細には、孔部23は、ボタン穴のようにタオル本体21に設けた切込みの周囲をかがることにより形成されている。図11では、タオル本体21の一端側に二つの孔部23が形成されている場合を例示している。
【0052】
孔部挿通片25は、タオル本体21とは別体であり、両端の係合及び係合の解除が可能である。図11では、孔部挿通片25が帯状で、一端に取り付けられたボタン26と、他端に設けられたボタン穴27によって、両端が係合し係合が解除される場合を例示しているが、これに限定されず、雌雄のスナップ、鉤状フックとその係止環、雌雄の面ファスナー、一端に設けられ他端を挟着するクリップによって、両端が係合し係合が解除される構成であっても良い。
【0053】
使用の際には、両端の係合が解除された状態の孔部挿通片25を、孔部23に挿通する。図11の例では、二つの孔部23に一本の孔部挿通片25を挿通する。これにより、孔部挿通片25の両端が、それぞれ孔部23の一方を介して、タオル本体21の同一面側に引き出された状態となる。その後、孔部挿通片25でタオル本体21を外側から巻くように回した上で、孔部挿通片25の両端を係合させる。これにより、図12(a),(b)に示すように、環状となった孔部挿通片25によって挿通部22が形成され、ここにタオル本体21の他端を挿通することができる。なお、図12(a)は、孔部挿通片25を係合させた側を裏面側にしてタオル20を首に巻いた状態を図示し、図12(b)では孔部挿通片25を係合させた側を正面側にしてタオル20を首に巻いた状態を図示している。
【0054】
なお、図12(c)に示すように、孔部挿通片25でタオル本体21を外側から巻回することなく、孔部挿通片25の両端を係合させて環状としても良い。この場合は、挿通部22が設けられた端部側のタオル本体21をほぼ展開させた状態で、他端を挿通部22に挿通することができるため、身体の前面部を広い面積でタオル本体21によって覆うことができる。
【0055】
第二実施形態のタオル20では、タオル本体21に対して孔部挿通片25が着脱自在であるため、色、柄、素材などが相違する複数の孔部挿通片25から、挿通部22を形成させる孔部挿通片25を選び、取り換えて使用することができる。また、タオル20を首に巻かないときは、孔部挿通片25を取り外して、通常のタオルと同様に使用することができる。なお、一つの孔部挿通片25を複数のタオル本体21で共用することも、もちろん可能である。
【0056】
次に、本発明の第三実施形態のタオル30について、図13を用いて説明する。タオル30は、タオル本体31の一端側に挿通部12を具備することに加えて、タオル本体31の全長を二分する中央線Nを挟んで所定距離はなれた位置に、貫通して形成された一対の内方孔部33a,33bと、内方孔部33a,33bに挿通可能な帯状または紐状で、両端部の係合により環状となる内方孔部挿通片35とを具備している。
【0057】
より詳細には、内方孔部33a,33bは、孔部23と同様にタオル本体に設けた切込みの周囲をかがることにより形成されている。また、中央線Nを挟んで左右に位置する一対の内方孔部33a,33bは、それぞれが対をなしている。一対の内方孔部33a,33bのうち、中央線Nに対して挿通部12と同じ側にある内方孔部33aは、挿通部12より内方(中央線寄り)に位置している。なお、一対の内方孔部33a,33b間の距離は、20cm〜30cmとすると好適である。内方孔部挿通片35は、構成としては上記の孔部挿通片25と同一であり、タオル本体31とは別体で、両端の係合及び係合の解除が可能である。
【0058】
使用の際には、一対の内方孔部33a,33bの間でタオル本31体を折り畳み、保冷剤パックやカイロを包む。そして、一対の内方孔部33a,33bそれぞれに挿通した内方孔部挿通片35を、タオル本体31を外側から巻くように回した上で、両端を係合させる。これにより、図13(b)に示すように、一対の内方孔部33a,33bの間でタオル本体31が折り畳まれた状態が、一対の内方孔部挿通片35で保持されるため、タオル30を首に巻いた状態で、首の後部をタオル本体31に包まれた保冷剤パックで冷やし、或いは、カイロで暖めることができる。
【0059】
ここで、図13(a)では、第一実施形態の挿通部12を備えるタオル本体31に内方孔部33a,33bが形成されているタオル30を例示したが、これに限定されず、図14に示すように、孔部挿通片25が挿通される孔部23が設けられたタオル本体31bに、更に内方孔部33a,33bが形成されているタオル30bとすることもできる。このようなタオル30bでは、構成としては同一の孔部挿通片25を内方孔部挿通片35として使用し、内方孔部33a,33bに挿通したり、内方孔部挿通片35を孔部挿通片25として使用し、孔部23に挿通したりすることが可能である。
【0060】
なお、図14では、タオル本体31bに、孔部23及び内方孔部33a,33bに加え、中央線N上に貫通して形成された中央孔部34が設けられている場合を例示している。このような中央孔部34を備えることにより、タオル30bを首に巻かないときに、孔部挿通片25または内方孔部挿通片35を中央孔部34に挿通して環状とすることにより、環の部分をフック等に引掛け、タオル30bを係止することができる。
【0061】
次に、本発明の第四実施形態のタオル40について、図15を用いて説明する。タオル40は、挿通部として、タオル本体41の一端側に設けられた第一挿通部42aと、第一挿通部42aが設けられた面とは反対側の面でタオル本体41の他端側に設けられた第二挿通部42bとを具備する。
【0062】
上記構成のタオル40では、タオル本体41の二面のうち、どちらの面を外側にして首に巻いても、第一挿通部42a及び第二挿通部42bの何れかにタオル本体41の他端を挿通することができる。これにより、首に巻かれたタオルどちらの面を外側にして首に巻くかを使用者が気にする必要がなく、より使い勝手が良い。加えて、二面の色や柄が異なるリバーシブルタイプのタオル本体41とし、両面を使い分けることが可能となる。
【0063】
上述の第一実施形態〜第四実施形態のタオル10,20,30,30b,40において、挿通部12,22,42a,42bは、少なくとも一部に消臭テープを用いた帯状の材料で形成されているものとすることができる。例えば、挿通部12を形成する帯状部材13,14、挿通部22を形成する孔部挿通片25自体を、消臭テープで形成することができる。或いは、帯状部材13,14または帯状の孔部挿通片25が、布を折り畳んで縁を縫い合わせることにより形成されており、その内部に消臭テープが収容されている形態とすることができる。なお、内方孔部挿通片35も、同様に、少なくとも一部に消臭テープを用いた帯状の材料で形成されているものとすることができる。
【0064】
以上本発明に係るタオルの例を示したが、本発明にかかるタオルは、上述の例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜の変更が可能である。
【0065】
例えば、上述の例では、タオル本体を四つ折りにして使用する例を主に示したが、二つ折りや三つ折りにして使用してもよい。この場合には、挿通部の長さ及び配置部位を二つ折りや三つ折りに対応させればよい。
【0066】
また、タオル本体の一端側においてのみ挿通部を設けるに限らず、両端側に夫々、挿通部を設けてもよい。ここで、両端側の夫々に挿通部を設ける場合には、一端側の挿通部と他端側の挿通部とで、対応するタオル本体の折数が異なるものとすると、タオル本体の折数のパターンを増やすことができる。また、両端側の夫々に挿通部を設ける場合には、各挿通部の色や柄が異なるものとして、二通りのファッションを楽しめるようにしてもよい。
【0067】
また、タオル本体を折って使用せずにそのままで使用する場合や、タオル本体を折った状態で安定させない場合には、挿通部を設ける部位として、タオル本体の内方の部位に限らず、タオル本体の末端部としてもよい。
【0068】
また、第一実施形態のタオル10の更なる変形例として、図16に示すように、タオル本体11の側縁部に両端部分が接合された帯状部材15によって挿通部12が形成されており、挿通部12がタオル本体11の側端より外側に位置する構成とすることができる。
【符号の説明】
【0069】
10,20,30,30b,40 タオル
11,21,31,31b,41 タオル本体
12,22 挿通部
13,14,15 帯状部材
23 孔部
25 孔部挿通片
33a,33b 内方孔部
35 内方孔部挿通片
42a 第一挿通部(挿通部)
42b 第二挿通部(挿通部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タオル本体の一端側に、前記タオル本体の他端側を挿通させる挿通部を具備する
ことを特徴とするタオル。
【請求項2】
前記挿通部は、前記タオル本体の全幅の1/2、1/3または1/4の長さであり、両端部分が前記タオル本体に接合された帯状部材または紐状部材により形成されていると共に、前記タオル本体の端部よりも内方に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のタオル。
【請求項3】
前記タオル本体の一端側に貫通して形成された孔部と、
該孔部に挿通可能な帯状または紐状で、両端部の係合により環状となる孔部挿通片とを具備し、
前記挿通部は、前記孔部に挿通されると共に両端部が係合した前記孔部挿通片によって形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のタオル。
【請求項4】
前記タオル本体の全長を二分する中央線を挟んで所定距離はなれた位置に、貫通して形成された一対の内方孔部と、
該内方孔部に挿通可能な帯状または紐状で、両端部の係合により環状となる内方孔部挿通片とを具備する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載のタオル。
【請求項5】
前記挿通部は、少なくとも一部に消臭テープを用いた帯状の材料で形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載のタオル。
【請求項6】
前記挿通部として、
前記タオル本体の一端側に設けられた第一挿通部と、
該第一挿通部が設けられた面とは反対側の面で前記タオル本体の他端側に設けられた第二挿通部とを具備する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載のタオル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−130665(P2012−130665A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243175(P2011−243175)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(308038897)株式会社フェニックスサンコーみの (3)