説明

タクシーの電子マネー決済装置、プログラム、始業処理管理方法

【課題】無駄なリトライを削減するタクシーの電子マネー決済装置を提供する。
【解決手段】タクシーに搭載される電子マネー決済装置と電子マネーセンタとが通信を行い電子マネーによる決済を行う電子マネー決済システムにおけるタクシーの電子マネー決済装置であって、始業処理要求を電子マネーセンタに送信して始業処理を行う始業処理部と、始業処理が正常に完了したか否かを判定する始業処理判定部と、入力される指示に基づいてタクシーのステータスが、タクシーに乗車した顧客が支払いを行う状態であることを表す第1のステータスと、支払い以外の状態であることを表す第2のステータスとのうちいずれであるかを表す情報を記憶する記憶部と、始業処理が正常に完了しなかった場合に、記憶されたステータスが、第2のステータスである場合には始業処理を再度行い、第1のステータスである場合には、始業処理を行わない始業処理管理部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タクシーの電子マネー決済装置、プログラム、始業処理管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な場面において、電子マネーの利用が広がっている。電子マネーに関連する技術として、例えば、下記の特許文献に記載された技術がある。このような電子マネーは、例えば、百貨店や駅構内の店舗、コンビニエンスストア等の店舗において、利用可能になりつつある。また、このような店舗のみではなく、タクシーの精算においても、電子マネーを利用することができるようになってきた。
【0003】
タクシーにおいて電子マネー決済を行う場合、タクシーの始業時(その日の営業開始時)に電子マネーセンタとタクシー内の電子マネー決済装置とが通信を行い、認証等の手続きを行う必要がある。以下、これら電子マネー決済サービスを開始させる一連の手続きを始業処理という。
【0004】
始業処理において、電子マネー決済装置の使用可否をチェックする認証、電子マネー決済装置と電子マネーセンタとの間の時刻の同期、ネガティブデータのダウンロード、ファームウェアの更新等が実施される。ネガティブデータとは、利用停止カード情報であり、紛失や盗難にあったカード等のリストが含まれている。このような始業処理を行わない場合、不正な電子マネー決済装置や電子マネー用カードが利用される恐れがあるため、始業処理は、始業ごとに行う必要がある。始業処理が完了していない状態では、電子マネー決済処理を行うことができない。よって、電子マネー決済装置と電子マネーセンタとの間において通信不良等の理由により始業処理が失敗すると、始業処理が成功するまで、この始業処理を繰り返す(リトライする)ことが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−242895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の技術においては、電子マネー決済装置は、通常、タクシーに搭載されるために、電子マネーセンタに対し、移動体通信を行う。この場合、通信不良が発生し、電子マネー決済装置と電子マネーセンタとの間において通信が失敗することがある。始業処理で失敗すると、リトライを行うが、失敗時と同じ環境でのリトライは、成功につながらず、通信費が増大するばかりであった。すなわち、リトライが行われる毎に、通信パケットが嵩むため、その分の通信費が増大する。
【0007】
また、始業処理が正常に行われないままであり、始業処理そのものを断念すると、電子マネー決済による売上機会の損失に繋がる。
また、通信が良好な場合でも、ネガティブデータのダウンロードやファームウェアの更新には時間を要するため、他の業務の実施と重なると妨げとなることもあった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、無駄なリトライを削減するタクシーの電子マネー決済装置、プログラム、始業処理管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、タクシーに搭載される電子マネー決済装置と電子マネーセンタとが通信を行い電子マネーによる決済を行う電子マネー決済システムにおけるタクシーの電子マネー決済装置であって、始業処理要求を前記電子マネーセンタに送信し、前記電子マネーセンタと始業処理を行う始業処理部と、前記始業処理が正常に完了したか否かを判定する始業処理判定部と、入力される指示に基づいて前記タクシーのステータスが、前記タクシーに乗車した顧客が支払いを行う状態であることを表す第1のステータスと、前記支払い以外の状態であることを表す第2のステータスとのうちいずれであるかを表す情報を記憶するステータス記憶部と、前記始業処理が正常に完了しなかった場合に、前記ステータス記憶部に記憶されたステータスを読み出し、第2のステータスである場合には始業処理を再度行い、第1のステータスである場合には、始業処理を行わない始業処理管理部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述のタクシーの電子マネー決済装置において、前記第2のステータスは、前記顧客が自車に乗車していないことを表す空車、前記顧客が自車に乗車したことを表す実車、自車が高速道路を走行していることを表す高速、のいずれかを表す指示が入力された場合であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上述のタクシーの電子マネー決済装置において、前記ステータス記憶部は、前回のステータスを記憶し、前記始業処理管理部は、前記ステータス記憶部に記憶されたステータスと、今回指示がされたステータスとを比較し、今回のステータスが空車または実車であり、前回のステータスとは異なる場合に、始業処理を再度行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上述のタクシーの電子マネー決済装置において、前記電子マネー決済システムには、全地球測位システムが接続され、前記電子マネー決済装置は、営業対象範囲を複数に分割したエリアと当該エリア内において始業処理を正常に完了することができる割合を表す成功率とを対応付けて記憶する成功率情報記憶部と、を有し、前記始業処理管理部は、前回のステータスと同じであり、かつ、前記第2のステータスである場合、前記全地球測位システムから得られる自車の現在位置と前記成功率情報とに基づいて、自車の現在位置に該当エリアに対応付けられた成功率を読み出し、読み出した成功率が所定の基準値以上である場合に始業処理を再度行い、基準値未満である場合に始業処理を行わないことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上述のタクシーの電子マネー決済装置において、前記電子マネー決済システムには、全地球測位システムが接続され、前記電子マネー決済装置は、営業対象範囲を複数に分割したエリアと当該エリア内において始業処理を正常に完了することができる割合を表す成功率とを対応付けて記憶する成功率情報記憶部と、を有し、前記始業処理管理部は、前回のステータスとは異なる場合に、前記全地球測位システムから得られる自車の現在位置と前記成功率情報とに基づいて、自車の現在位置に該当エリアに対応付けられた成功率を読み出し、読み出した成功率が所定の基準値以上である場合に始業処理を再度行い、基準値未満である場合に始業処理を行わないことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、タクシーに搭載される電子マネー決済装置と電子マネーセンタとが通信を行い電子マネーによる決済を行う電子マネー決済システムにおけるタクシーの電子マネー決済装置であるコンピュータに、始業処理要求を前記電子マネーセンタに送信し、前記電子マネーセンタと始業処理を行う始業処理手段と、前記始業処理が正常に完了したか否かを判定する始業処理判定手段と、前記始業処理が正常に完了しなかった場合に、入力される指示に基づいて前記タクシーのステータスが、前記タクシーに乗車した顧客が支払いを行う状態であることを表す第1のステータスと、前記支払い以外の状態であることを表す第2のステータスとのうちいずれであるかを表す情報を参照し、第2のステータスである場合には始業処理を再度行い、第1のステータスである場合には、始業処理を行わない始業処理管理手段、を実行させるためのプログラムである。
【0015】
また、本発明は、上述のタクシーの電子マネー決済装置において、タクシーに搭載される電子マネー決済装置と電子マネーセンタとが通信を行い電子マネーによる決済を行う電子マネー決済システムにおけるタクシーの電子マネー決済装置における始業処理管理方法であって、前記電子マネー決済装置の始業処理部が、始業処理要求を前記電子マネーセンタに送信し、前記電子マネーセンタと始業処理を行い、前記電子マネー決済装置の始業処理判定部が、前記始業処理が正常に完了したか否かを判定し、前記電子マネー決済装置の始業処理管理部が、前記始業処理が正常に完了しなかった場合に、入力される指示に基づいて前記タクシーのステータスが、前記タクシーに乗車した顧客が支払いを行う状態であることを表す第1のステータスと、前記支払い以外の状態であることを表す第2のステータスとのうちいずれであるかを表す情報を参照し、第2のステータスである場合には始業処理を再度行い、第1のステータスである場合には、始業処理を行わないことを実行する。
【0016】
また、本発明は、タクシーに搭載される電子マネー決済装置と電子マネーセンタとが通信を行い電子マネーによる決済を行う電子マネー決済システムにおけるタクシーの電子マネー決済装置であって、外部の全地球測位システムと通信を行って自車の位置を測定する位置測定部と、営業対象範囲を複数に分割したエリアと当該エリア内において始業処理を正常に完了することができる割合を表す成功率とを対応付けて記憶する成功率情報記憶部と、測定された自車の位置と前記成功率情報とに基づいて、自車の位置に該当するエリアに対応付けられた成功率を前記成功率情報記憶部から読み出し、読み出した成功率が所定の基準値以上であるか否かを判定する第1の判定部と、前記成功率が所定の基準値以上である場合に、前記電子マネーセンタとの通信が通信圏内であるか否かを判定する第2の判定部と、前記成功率が所定値未満あるいは前記電子マネーセンタとの通信が通信圏内ではない場合に始業処理を行わず、前記電子マネーセンタとの通信が通信圏内である場合に、始業処理を行う始業処理管理部と、を有することを特徴とする。
【0017】
タクシーに搭載された電子マネー決済装置と電子マネーセンタとが通信する電波環境は常に変化する。よって、ステータスをメーター装置から状態通知を受信した時には、前回の受信時とは電波環境が異なっていると考えられる。その契機で始業処理をリトライすることにより、同じ環境での失敗を繰り返さないことで成功率を上げ、無駄な通信を防ぎ、通信費の節約となる。成功率が上がることで、電子マネー決済による売上機会損失を低減させることができる。また、タクシーの現在位置からリトライに適している契機かどうか判断することで、通信回線の占有による、通信を伴う他の業務の妨げを防ぐ。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、この発明によれば、ステータスを検出し、ステータスに変化があった場合は、タクシーが移動しているものと見なし、そのステータスが支払い以外である場合には、始業処理を再度行うようにしたので、失敗時とは異なる電波環境において再度始業処理を行うことができ、無駄な通信を防ぐことができる。これにより、通信費の節約も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施形態によるタクシーの電子マネー決済装置を含む電子マネー決済システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】決済端末10の構成を表す機能ブロック図である。
【図3】メーター装置11の構成を表す機能ブロック図である。
【図4】営業状態の変遷を説明する図である。
【図5】電子マネーカードR/W12の構成を表す機能ブロック図である。
【図6】無線通信モジュール13の構成を表す機能ブロック図である。
【図7】電子マネーセンタ2の構成を表す機能ブロック図である。
【図8】情報処理センタ3の構成を表す機能ブロック図である。
【図9】第1の実施形態における決済端末10の動作を説明するフローチャートである。
【図10】第1の実施形態における電子マネー決済システムの動作を説明する図である。
【図11】第2の実施形態における電子マネー決済システムの動作を説明する図である。
【図12】始業処理実施位置情報を表す図である。
【図13】成功率情報を表す図である。
【図14】第3の実施形態における決済端末10の動作を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態によるタクシーの電子マネー決済装置について図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態によるタクシーの電子マネー決済装置を含む電子マネー決済システムの構成を示す概略ブロック図である。
この図において、電子マネー決済システムは、電子マネー決済装置1が、ネットワーク5を介して電子マネーセンタ2と、情報処理センタ3とに接続される。また、符号aに示すように、電子マネーセンタ2aが情報処理センタ3aに接続され、この情報処理センタ3aがネットワーク6電子マネー決済装置1に接続される場合もある。
【0021】
電子マネー決済装置1は、タクシーに搭載され、電子マネーセンタ2と通信を行い、タクシーの料金の決済を電子マネーにて行う。電子マネー決済装置1は、決済端末10、メーター装置11、電子マネーカードリーダライタ(R/W)12、無線通信モジュール13、測位機器14を有する。測位機器14は、自車の位置を測定する機能を有し、例えば、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)である。
【0022】
電子マネーセンタ2は、電子マネー取引に関する情報を記憶する記憶部を有し、電子マネー決済装置と通信する。
情報処理センタ3は、決済情報、決済端末情報を記憶し、電子マネー決済装置1の決済端末10と通信する。また、カード決済サービスセンタや電子マネーセンタ2との中継機能を持つ。
【0023】
図2は、決済端末10の構成を表す機能ブロック図である。決済端末10は、制御部101、記憶部102、通信部103、表示部104、入力部105、カード読み取り部106、スピーカ部107と、を有し、決済用のカードから情報を読み取り、電子マネーセンタ2や情報処理センタ3と通信を行い、決済処理を行う。この決済端末10は、例えば、ハンディタイプのものであり、ユーザ(タクシーの運転手)が、タクシーの車内にて操作可能である。
【0024】
制御部101は、決済端末10内の各部を制御する。また、制御部101は、メーター装置11から金額や営業状態(ステータス)の通知を受信し、現金、クレジットカード、電子マネー等のうち、いずれか1つを選択された決済方法に従って、決済処理を行う。制御部101は、オンライン決済時には、無線通信モジュール13を介して情報処理センタ3と通信を行い、情報処理センタ3から決済を行うことに関する承認の指示を受信して決済処理を行う。
【0025】
また、制御部101は、始業処理要求を電子マネーセンタ2に送信し、電子マネーセンタ2と始業処理を行う始業処理機能と、始業処理が正常に完了したか否かを判定する始業処理判定機能と、始業処理が正常に完了しなかった場合に、記憶部102に記憶されたステータスを読み出し、第2のステータスである場合には始業処理を再度行い、第1のステータスである場合には、始業処理を行わない始業処理管理機能と、を有する。この始業処理管理機能は、始業処理が正常に完了しなかった場合であって、第2のステータスである場合、測位機器14から得られる自車の現在位置と記憶部102に記憶された始業処理実施位置情報とに基づいて、自車の現在位置が始業処理実施位置に該当するか否かを判定し、該当する場合には、始業処理を再度行い、該当しない場合には、始業処理を行わない機能を含む。
【0026】
記憶部102は、メモリ装置等であり、各種情報を記憶する。例えば、記憶部102は、入力部105から入力される指示に基づいてタクシーのステータスが、第1のステータスと第2のステータスとのうちいずれであるかを表すステータスを記憶する。この第1のステータスは、タクシーに乗車した顧客が支払いを行う状態であることを表す情報である。第2のステータスは、第1のステータスである支払い以外の状態であることを表す情報である。前記第2のステータスは、前記顧客が自車に乗車していないことを表す空車、前記顧客が自車に乗車したことを表す実車、自車が高速道路を走行していることを表す高速、のいずれかを表す指示が入力された場合である。
また、記憶部102は、始業処理が正常に完了した時点のタクシーの位置を表す始業処理実施位置情報を記憶する。
【0027】
通信部103は、電子マネー決済装置1内の各機器と通信を行う。表示部104は、例えば液晶表示装置であり、決済金額や、決済処理の進行状況を表す情報を表示する。入力部105は、例えば、テンキーや各種コマンドを入力する機能が割り当てられたボタンであり、ユーザの指示に従い、決済処理に必要な情報を入力する。カード読み取り部106は、電子マネー決済を行うカードに記憶された各種情報を読み出す。スピーカ部107は、音声を出力する。
【0028】
図3は、メーター装置11の構成を表す機能ブロック図である。メーター装置11は、制御部110と、記憶部111と、通信部112と、表示部113と、入力部114とを有し、タクシーの車内に設けられる。
【0029】
制御部110は、顧客が乗車した場合におけるタクシーの料金を、タクシーの走行距離や時間に応じて運賃を計算し、計算結果を表示するとともに、決済端末10に通知する。また、制御部110は、入力部114のボタンが操作されると、その操作内容に応じて、運賃計算を開始、停止、終了を行う。
記憶部111は、各種データを記憶する。
通信部112は、決済端末10と通信を行う。
表示部113は、タクシーを利用した料金の算出結果や、営業状態(ステータス)を表示する。
入力部114は、複数のボタンから構成されており、ユーザによって押下されたボタンに割り当てられた命令を制御部110に入力する。この入力部114に割り当てられたボタンとしては、
タクシーに乗車した顧客が支払いを行う状態であることを表す「支払い」、顧客が自車に乗車していないことを表す「空車」、顧客が自車に乗車したことを表す「実車」、自車が高速道路を走行することを表す「高速」等のボタンが設けられ、いずれかのボタンを押下することで、タクシーのステータスが指示される。
【0030】
図4は、営業状態の変遷を説明する図である。初期状態としては、乗客を乗せていないのでタクシーの営業状態は「空車」である。乗客を得るために、乗務員が車両を走行させたり、停車させて待機したりする。乗務員が乗客を得ると、乗務員は「実車ボタン」を押下する。これにより、営業状態は「空車」から「実車」に遷移する。乗務員は、乗客の指示に応じて車両を走行させ目的地に向かう。目的地に到着すると、乗務員は「支払ボタン」を押下する。これにより、営業状態は「実車」から「支払」に遷移する。乗務員は、このとき、乗客から運賃を受け取る。運賃の精算が完了し、乗客が降車すると、乗務員は「空車ボタン」を押下する。これにより、営業状態は再び「空車」に遷移する。このように、営業状態が変化する都度、乗務員によって入力部114の操作ボタンが押下される。これにより、押下された入力部114のボタン操作の内容が、記憶部111に一時記憶される。
また、営業状態が「実車」である際、高速道路の走行が開始され「高速ボタン」が押下されると、制御部110が行う運賃計算方法が高速道路走行時の運賃に応じた運賃計算方法に変更される。このとき営業状態は「実車」のままである。そして、高速道路の走行が終了し、「高速」ボタンが再度押下されると、制御部110が行う運賃計算方法が、一般道走行時の運賃に応じた運賃計算方法に変更される。
【0031】
図5は、電子マネーカードR/W12の構成を表す機能ブロック図である。電子マネーカードR/W12は、制御部121と、記憶部122と、通信部123と、アンテナ部124と、スピーカ部125とを有する。
制御部121は、アンテナ部124によって決済用のカードから情報の読み出しを行い、読み出した情報を決済端末10に送信し、必要に応じて、決済用のカードに各種情報を書き込む。記憶部122は、各種データを記憶する。通信部123は、決済端末10と通信を行う。アンテナ部124は、決済用のカードから、決済に必要となる情報を読み出す。スピーカ部125は、音声を出力する。
【0032】
図6は、無線通信モジュール13の構成を表す機能ブロック図である。無線通信モジュール13は、制御部131、記憶部132、無線通信部133、機器間通信部134とを有する。制御部131は、無線通信部133によって、無線によってネットワーク5に接続し、電子マネーセンタ2や情報処理センタ3と通信を行う機能と、機器間通信部134とによって、決済端末10と通信を行う機能とを有するとともに、無線通信モジュール13内の各部を制御する。記憶部132は、各種情報を記憶する。無線通信部133は、無線によってネットワーク5に接続して通信を行う。機器間通信部134は、決済端末10と通信を行う。
【0033】
図7は、電子マネーセンタ2の構成を表す機能ブロック図である。電子マネーセンタ2は、通信部201、リーダライタ(R/W)認証部202、決済端末時刻同期部203、決済情報管理部204、リーダライタ(R/W)メンテナンス部205、ネガティブデータ配信部206を有し、電子マネーの決済処理を行う。通信部201は、ネットワーク5を介して電子マネー決済装置1と通信を行う。リーダライタ(R/W)認証部202は、電子マネー決済装置1内の電子マネーカードR/W12と通信を行い、正当な電子マネーカードR/Wであるか否かを判定し、正当なものであれば、認証を成立させ、当該電子マネーカードR/W12との通信を確立する。決済端末時刻同期部203は、電子マネーカードR/W12の時刻と、自身の電子マネーセンタ2との決済を行う時刻の同期を取る。決済情報管理部204は、電子マネー決済装置1との間で決済を行う際の各種情報の処理を行う。リーダライタ(R/W)メンテナンス部205は、電子マネーカードR/W12が有するプログラムを最新のものにバージョンアップする。ネガティブデータ配信部206は、ネガティブデータを記憶する。
【0034】
図8は、情報処理センタ3の構成を表す機能ブロック図である。情報処理センタ3は、通信部301と、決済端末認証部302と、決済端末時刻同期部303と、電子マネーセンタ中継部304と、決済情報管理部305と、決済端末メンテナンス部306と、カード決済サービスセンタ中継部307とを有する。通信部301は、ネットワーク5に接続された機器と通信を行う。決済端末認証部302は、決済端末10が正当なものであるか否かの認証を行い、正当なものであると判定された場合には、この決済端末10との通信を成立させ、各種決済処理を行う。決済端末時刻同期部303と、決済端末10と自身の情報処理センタ3との決済を行う時刻の同期を取る。電子マネーセンタ中継部304は、電子マネーセンタ2との通信を行う。決済情報管理部305は、決済処理を行う。決済端末メンテナンス部306は、決済端末10のプログラムを最新のものにバージョンアップする。カード決済サービスセンタ中継部307は、発行された決済カードを用いた各種サービスを提供するカード決済サービスセンタと通信を行う。
【0035】
図9は、第1の実施形態における決済端末10の動作を説明するフローチャートである。ここでは、メーター装置11のメーター状態は、初期状態においては「空車」であるものとする。決済端末10の制御部101は、外部からタクシーの出庫を要求する出庫要求を受信すると(ステップS10)、通信部103が電子マネーセンタ2と通信を行う電波が圏内であるか否かを判定する(ステップS11)。圏内では無い場合、制御部101は、ステップS14に移行し、電波が圏内である場合、始業処理を行い(ステップS12)、始業処理が正常に完了したか否かを判定する(ステップS13)。
【0036】
始業処理が正常に終了した場合には、制御部101は、この処理を終了し、始業処理が正常に終了していない場合は、メーター状態通知をメーター装置11から受信し(ステップS14)、受信したメーター状態が何であるかを判定する(ステップS15)。受信したメーター状態が、「高速」であると判定した場合、制御部101は、ステップS11に移行し、メーター状態が「支払」である場合には、ステップS14に移行し、メーター状態が「空車」または「実車」である場合には、前回受信したメーター状態から変わっているか否かを判定する(ステップS16)。メーター状態に変化がない場合、制御部101は、ステップS14に移行し、メーター状態に変化がある場合には、ステップS11に移行する。
【0037】
この実施形態によれば、始業処理が正常に完了していない場合において、メーター状態が「支払」である場合には、ステップS14に移行し、メーター状態を引き続き判定するようにしたので、「支払」の間は、始業処理を行わないようにすることができる。また、ステップS16において、メーター状態が「空車」または「実車」であり、前回のメーター状態から変化がない場合には、ステップS14に移行するようにした。これは、「空車」のままであったとすると、例えば、出庫要求がなされた後、タクシーが車庫からあまり移動していない場合である可能性があり、この場合に始業処理を行ったとしても、始業処理を完了することができる程度まで電波状態が改善されていない可能性があるので、始業処理を行わないようにすることができる。また、メーター状態が「実車」のまま変わっていない場合も、電波状態が改善されていない可能性があるので、始業処理を行わない。一方、メーター状態が変わったとすると、タクシーがある程度走行したものと考えられるので、始業処理を再度行う。このようにして、電波状態が改善されていない可能性がある場合には、始業処理を行わないようにしたので、通信量を抑えることができ、通信コストを低減することができる。
【0038】
また、この実施形態によれば、ステップS15において、メーター状態が高速である場合には、ステップS11に移行するようにした。これは、「高速」は、「実車」であることも意味しており、高速道路を移動していると考えられるため、始業処理を再度行う。
【0039】
図10は、第1の実施形態における電子マネー決済システムの動作を説明する図である。
まず、メーター装置11は、タクシーが出庫する際、乗務員によって挿入される乗務員のIDカードから乗務員IDを読み出し、出庫操作がなされたことを検出し(ステップS101)、出庫通知を決済端末10に出力する(ステップS102)。決済端末10は、出庫応答をメーター装置11に送信し(ステップS103)、始業処理開始を電子マネーカードR/W12に出力する(ステップS104)。電子マネーカードR/W12は、始業処理開始を受信すると、予め決められた時間が経過するか否かのカウントを開始し、始業処理要求を決済端末10に送信する(ステップS105)。
【0040】
決済端末10は、電子マネーカードR/W12から送信される始業処理要求を受信すると、始業処理要求を無線通信モジュール13を介して電子マネーセンタ2に送信する(ステップS106、S107)。ここで、通信不良のため、始業処理が行われない場合、電子マネーカードR/W12は、予め決められた時間を経過したことを検出し、これに基づいて、始業処理のタイムアウトを表す信号を決済端末10に送信する(ステップS108)。ここで、決済端末10は、始業処理が完了していない場合、始業処理のタイムアウトを受信するまでは始業処理を再度行うが、始業処理のタイムアウトを電子マネーカードR/W12から受信すると、始業処理を一度終了する。
【0041】
次に、タクシーが出庫して走行し、乗客が搭乗すると、乗務員は、メーター装置11の実車ボタンを押下する。メーター装置11は、実車ボタンが押下されると(ステップS109)、「実車」であることを表す状態通知を決済端末10に送信する(ステップS110)。決済端末10は、状態通知を受信すると、状態通知応答をメーター装置11に送信し(ステップS111)、始業処理開始を電子マネーカードR/W12に出力し(ステップS112)、始業処理開始要求を電子マネーカードR/W12から受信する(ステップS113)。ここでは、電子マネーカードR/W12において予め決められた時間が経過したか否かのカウントも行われる。そして、決済端末10は、始業処理開始要求を無線通信モジュール13を介して電子マネーセンタ2に送信する(ステップS114、115)。
【0042】
電子マネーセンタ2は、無線通信モジュール13から始業処理開始要求を受信すると、始業処理開始要求に含まれる認証情報に基づいて、決済端末10、電子マネーカードR/W12の認証を行い、正常に認証が行われると、始業処理応答を決済端末10の無線通信モジュール13に送信する(ステップS116)。決済端末10は、無線通信モジュール13によって始業処理応答を受信すると(ステップS117)、始業処理応答を電子マネーカードR/W12に送信し(ステップS118)、電子マネーカードR/W12から返信される始業処理終了を受信し(ステップS119)、始業処理を終了する。
【0043】
この実施形態においては、ステップS109の実車ボタンが押下されたことを契機として、空車から実車にメーター状態が変わったことが検出されるので、始業処理が再度行われる。ここでは、空車から実車に変わることにより、タクシーがある程度走行し、電波環境が変化しているので、リトライするようにした(ただし、圏外である場合には、リトライを行わない)。
【0044】
図11は、第2の実施形態における電子マネー決済システムの動作を説明する図である。
この実施形態において、電子マネー決済システムの各部の機能は、第1の実施形態と同じであるが、動作が異なる。
ここでは、図10におけるステップS101からS115までと同様に、ステップS201からステップS215までの動作が行われる。
電子マネーセンタ2は、始業処理応答を無線通信モジュール13に送信する(ステップS216)。ここでは、電波状態が悪く、始業処理応答が正常に無線通信モジュール13に届かなかった場合、決済端末10から電子マネーカードR/W12に始業処理応答が通知されない。これにより、電子マネーカードR/W12は、予め決められた時間内に始業処理応答が通知されなかったことを検出すると、始業処理のタイムアウトを決済端末10に送信する(ステップS217)。
【0045】
そして、タクシーが走行して目的地に到達し、タクシーが停止し、支払いボタンが押下されると、メーター装置11は、支払いボタンが押下されたことを検出し(ステップS218)、「支払」であることを表す状態通知を決済端末10に送信し(ステップS219)、決済端末10から送信される状態通知応答を受信する(ステップS220)。
【0046】
次に、支払いが終了して乗客がタクシーから降りた後、乗務員によって空車ボタンが押下されると、メーター装置11は、空車ボタンが押下されたことを入力し(ステップS221)、空車であることを表す状態通知を決済端末10に送信する(ステップS222)。決済端末10は、状態通知を受信すると、状態通知応答をメーター装置11に送信し(ステップS223)、始業処理要求を電子マネーカードR/W12に送信する(ステップS224)。電子マネーカードR/W12は、始業処理要求を受信すると(ステップS225)、始業処理応答を決済端末10に送信するとともに、予め決められた時間が経過したか否かのカウントを行う。
【0047】
決済端末10は、始業処理応答を受信すると、始業処理要求を無線通信モジュール13を介して電子マネーセンタ2に送信する(ステップS226、S227)。電子マネーセンタ2は、始業処理要求を受信すると、始業処理に含まれる認証情報を用いて決済端末10と電子マネーカードR/W12とについて認証を行い、認証が正常に終了すると、始業処理応答を、決済端末10の無線通信モジュール13に送信する(ステップS228)。決済端末10は、無線通信モジュール13によって始業処理応答を電子マネーセンタ2から受信すると(ステップS229)、始業処理応答を電子マネーカードR/W12に送信し(ステップS231)、電子マネーカードR/W12から送信される始業処理終了の通知を受信する(ステップS231)。
【0048】
以上説明した実施形態によれば、ステップS219において、決済端末10は、「支払」のメーター状態を受信するが、この場合、メーター状態が「支払」であるため、始業処理を再度行わない。そして、ステップS222において、「空車」のメーター状態を受信すると、メーター状態が支払から空車に変わったため、再度始業処理を行うようにした。これにより、支払い以外において始業処理を再度行うことができる。
【0049】
次に、第3の実施形態について図面を用いて説明する。ここでは、電子マネー決済システムの各部の機能は、基本的に第1の実施形態と同じであるので、その説明を省略し、異なる点を説明する。
【0050】
図12は、この実施形態における決済端末10の記憶部102に記憶される始業処理実施位置情報を表す図である。始業処理実施位置情報は、始業処理を行ったときのタクシーの位置とその実施結果とを示す情報であり、図12においては、一例として、始業処理を開始した時点の日時と、タクシーの位置を表す緯度及び経度と、実施結果とが、レコードIDに対応付けられている。
【0051】
図13は、この実施形態における決済端末10の記憶部102に記憶される成功率情報を表す図である。
成功率情報は、営業対象範囲を複数に分割したエリアと当該エリア内において始業処理を正常に完了することができる割合を表す成功率とが対応付けられた情報である。この図においては、エリアと成功率に対してさらに、時間帯が対応付けられており、各エリアの時間帯毎の成功率が把握できるようになっている。
【0052】
図14は、第3の実施形態における決済端末10の動作を表すフローチャートである。
まず、決済端末10は、測位機器14から自車の現在位置を表す位置情報を取得する(ステップS301)。制御部101は、記憶部102の成功率情報を参照し(ステップS302)、取得した位置情報に該当するエリアであって、現在の時刻に対応する時間帯に対応付けられた成功率を読み出す。そして制御部101は、この成功率が予め決められた基準値以上であるか否かを判定し(ステップS303)、基準値未満である場合には、ステップS301に移行し、基準値以上である場合には、ステップS304に移行する。
【0053】
制御部101は、電子マネーセンタ2との通信を行うための電波が圏内であるか否かを判定し(ステップS304)、圏内でなければステップS301に移行し、圏内であれば、始業処理を行うとともに、始業処理を開始した時刻を内部のクロックから得る(ステップS305)。そして制御部101は、得られた始業処理開始時の日時と、取得した位置情報(緯度及び経度)、実施結果を対応付けて始業処理実施位置情報として記憶部102に記憶する(ステップS306)。
【0054】
制御部101は、始業処理が成功したか否かを判定し(ステップS307)、始業処理が成功した場合(正常に完了した場合)には、始業処理を終了する。一方、始業処理が成功しなかった場合(正常に完了しなかった場合)には、ステップS301に移行する。
【0055】
以上説明した実施形態によれば、自車の現在位置における始業処理の成功率が基準値以上であるか否かを判定するようにしたので、始業処理が成功する確率が高い場合には再度始業処理を行い、成功する確率が低い場合には、始業処理を行わないようにした。これにより、始業処理を正常に終了することが一定の確率以下である場所にいる場合には、始業処理が再度行われないので、通信量を抑えることができる。
【0056】
また、以上説明した実施形態において、記憶部102に記憶された始業処理実施位置情報は、1日1回あるいは売上データを上位のサーバに送信する際に、合わせて送信される。これにより、上位のサーバにおいて、始業処理実施位置情報に含まれる情報に基づいて、各エリアを時間帯に分けて成功率が計算され、更新される。この更新された情報は、始業処理を行うタイミングで上位サーバから決済端末10に送信するようにしてもよいし、1日1回あるいは売上データを受信する際に、決済端末10に送信するようにしてもよい。
また、この成功率の更新は、自車の実績を元に更新してもよいし、他車の始業処理実施位置情報も含めて成功率を更新するようにしてもよい。
【0057】
また、以上説明した第1、第2の実施形態における機能と第3の実施形態における機能とを組合せるようにしてもよい。例えば、第1、第2の実施形態において、メーター状態を元に、始業処理を再度行うことを判定した場合に、さらに、第3の実施形態に示すように、自車の位置情報と、現在時刻を用いて成功率情報を参照し、現在位置における始業処理の成功率が基準値以上である場合に、始業処理を再度行うようにしてもよい。あるいは、メーター装置11のボタン操作が行われていない間において、一定時間間隔で、自車の位置情報と、現在時刻を用いて成功率情報を参照し、始業処理を再度行うか否かを判定するようにしてもよい。
【0058】
また、上述した実施形態において、売上データを上位サーバに送信する時間帯については、売上データの送信を優先し、始業処理を再度行わないようにしてもよい。これにより、通信の競合により、他の業務(売上データの計上)の妨げとなってしまうことを防止することができる。
【0059】
また、図1における決済端末10の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより始業処理を再度行うか否かの管理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0060】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0061】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1 電子マネー決済装置
2、2a 電子マネーセンタ
3、3a 情報処理センタ
10 決済端末
11 メーター装置
12 電子マネーカードR/W
13 無線通信モジュール
14 測位装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タクシーに搭載される電子マネー決済装置と電子マネーセンタとが通信を行い電子マネーによる決済を行う電子マネー決済システムにおけるタクシーの電子マネー決済装置であって、
始業処理要求を前記電子マネーセンタに送信し、前記電子マネーセンタと始業処理を行う始業処理部と、
前記始業処理が正常に完了したか否かを判定する始業処理判定部と、
入力される指示に基づいて前記タクシーのステータスが、前記タクシーに乗車した顧客が支払いを行う状態であることを表す第1のステータスと、前記支払い以外の状態であることを表す第2のステータスとのうちいずれであるかを表す情報を記憶するステータス記憶部と、
前記始業処理が正常に完了しなかった場合に、前記ステータス記憶部に記憶されたステータスを読み出し、第2のステータスである場合には始業処理を再度行い、第1のステータスである場合には、始業処理を行わない始業処理管理部と、
を有することを特徴とするタクシーの電子マネー決済装置。
【請求項2】
前記第2のステータスは、前記顧客が自車に乗車していないことを表す空車、前記顧客が自車に乗車したことを表す実車、自車が高速道路を走行していることを表す高速、のいずれかを表す指示が入力された場合である
ことを特徴とする請求項1記載のタクシーの電子マネー決済装置。
【請求項3】
前記ステータス記憶部は、前回のステータスを記憶し、
前記始業処理管理部は、前記ステータス記憶部に記憶されたステータスと、今回指示がされたステータスとを比較し、今回のステータスが空車または実車であり、前回のステータスとは異なる場合に、始業処理を再度行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のタクシーの電子マネー決済装置。
【請求項4】
前記電子マネー決済システムには、全地球測位システムが接続され、
前記電子マネー決済装置は、
営業対象範囲を複数に分割したエリアと当該エリア内において始業処理を正常に完了することができる割合を表す成功率とを対応付けて記憶する成功率情報記憶部と、を有し、
前記始業処理管理部は、前回のステータスと同じであり、かつ、前記第2のステータスである場合、前記全地球測位システムから得られる自車の現在位置と前記成功率情報とに基づいて、自車の現在位置に該当エリアに対応付けられた成功率を読み出し、読み出した成功率が所定の基準値以上である場合に始業処理を再度行い、基準値未満である場合に始業処理を行わない
ことを特徴とする請求項3記載のタクシーの電子マネー決済装置。
【請求項5】
前記電子マネー決済システムには、全地球測位システムが接続され、
前記電子マネー決済装置は、
営業対象範囲を複数に分割したエリアと当該エリア内において始業処理を正常に完了することができる割合を表す成功率とを対応付けて記憶する成功率情報記憶部と、を有し、
前記始業処理管理部は、前回のステータスとは異なる場合に、前記全地球測位システムから得られる自車の現在位置と前記成功率情報とに基づいて、自車の現在位置に該当エリアに対応付けられた成功率を読み出し、読み出した成功率が所定の基準値以上である場合に始業処理を再度行い、基準値未満である場合に始業処理を行わない
ことを特徴とする請求項3記載のタクシーの電子マネー決済装置。
【請求項6】
タクシーに搭載される電子マネー決済装置と電子マネーセンタとが通信を行い電子マネーによる決済を行う電子マネー決済システムにおけるタクシーの電子マネー決済装置であるコンピュータに、
始業処理要求を前記電子マネーセンタに送信し、前記電子マネーセンタと始業処理を行う始業処理手段と、
前記始業処理が正常に完了したか否かを判定する始業処理判定手段と、
前記始業処理が正常に完了しなかった場合に、入力される指示に基づいて前記タクシーのステータスが、前記タクシーに乗車した顧客が支払いを行う状態であることを表す第1のステータスと、前記支払い以外の状態であることを表す第2のステータスとのうちいずれであるかを表す情報を参照し、第2のステータスである場合には始業処理を再度行い、第1のステータスである場合には、始業処理を行わない始業処理管理手段、
を実行させるためのプログラム。
【請求項7】
タクシーに搭載される電子マネー決済装置と電子マネーセンタとが通信を行い電子マネーによる決済を行う電子マネー決済システムにおけるタクシーの電子マネー決済装置における始業処理管理方法であって、
前記電子マネー決済装置の始業処理部が、
始業処理要求を前記電子マネーセンタに送信し、前記電子マネーセンタと始業処理を行い、
前記電子マネー決済装置の始業処理判定部が、
前記始業処理が正常に完了したか否かを判定し、
前記電子マネー決済装置の始業処理管理部が、
前記始業処理が正常に完了しなかった場合に、入力される指示に基づいて前記タクシーのステータスが、前記タクシーに乗車した顧客が支払いを行う状態であることを表す第1のステータスと、前記支払い以外の状態であることを表す第2のステータスとのうちいずれであるかを表す情報を参照し、第2のステータスである場合には始業処理を再度行い、第1のステータスである場合には、始業処理を行わない
ことを実行する始業処理管理方法。
【請求項8】
タクシーに搭載される電子マネー決済装置と電子マネーセンタとが通信を行い電子マネーによる決済を行う電子マネー決済システムにおけるタクシーの電子マネー決済装置であって、
外部の全地球測位システムと通信を行って自車の位置を測定する位置測定部と、
営業対象範囲を複数に分割したエリアと当該エリア内において始業処理を正常に完了することができる割合を表す成功率とを対応付けて記憶する成功率情報記憶部と、
測定された自車の位置と前記成功率情報とに基づいて、自車の位置に該当するエリアに対応付けられた成功率を前記成功率情報記憶部から読み出し、読み出した成功率が所定の基準値以上であるか否かを判定する第1の判定部と、
前記成功率が所定の基準値以上である場合に、前記電子マネーセンタとの通信が通信圏内であるか否かを判定する第2の判定部と、
前記成功率が所定値未満あるいは前記電子マネーセンタとの通信が通信圏内ではない場合に始業処理を行わず、前記電子マネーセンタとの通信が通信圏内である場合に、始業処理を行う始業処理管理部と、
を有することを特徴とするタクシーの電子マネー決済装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−186671(P2011−186671A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49874(P2010−49874)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(304048735)エスアイアイ・データサービス株式会社 (126)