説明

タグ状ホイッスル

【課題】震災時の倒壊家屋の下の生き埋めの場所からでも人の聴覚によく感じる警報を発音し、確実に身元を照会することができるタグ状ホイッスルを提供する。
【解決手段】ホイッスル本体は盤状でかつ端部に吹込み口を、盤面に排気口を、それぞれ備えており、上記ホイッスル本体の盤面に形成した表示部には、住所や氏名、生年月日、住民番号、年金基礎番号、納税者番号等のID番号、血液型等から適宜選ばれた表示を刻して形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被災時に救助を求める際に使用することができ、また住所や氏名、生年月日、住民番号、年金基礎番号、納税者番号等のID番号、血液型等の表示部を備えたタグ状ホイッスルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば震災時の倒壊家屋の下に押つぶされている人が、助けを求める時には、大声を出して居場所を知らせている。この場合、音声が届かない場合や、声を出し続けると疲れて声が出せなくなることがあり、倒壊家屋の下での生き埋め場所が分からず、救出に困難をきたしていた。また最近では、救助犬の臭覚に頼り、生き埋めになった人の発見に役立つ例もある。
従来、市販されているチェーン付きの笛では、常時生活の中で身に付けるには形状的に敵していないため、震災時等の緊急時に役に立てることができなかった。また、名札を入れることができないので、身元を明らかにすることができなかった。
【0003】
そこで、特開平8−227292号公報(特許文献1参照)のように、ほぼ、楕円板状部材の一平面に、名札、写真等を入れる凹み部を形成し、かつ、該凹み部を透明カバーで覆い、かつ、人の聴覚に良く感じる3kHz付近の音がでる警報笛部とで構成した警報笛に、首にペンダントとして吊すための、また、バック等に吊すためのチェーンを取り付けたチェーン、名札付き警報笛が提案されている。
【特許文献1】特開平8−227292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、名札、写真等では例えば震災時に発生する火災で燃えてしまって身元の確認には役立てることができず、また彫刻機械による打刻では、曲面を備えた金属製のホイッスル本体の表面には、迅速に刻印を施すことが難しいという問題があった。
【0005】
そこで、震災時の倒壊家屋の下の生き埋めの場所からでも人の聴覚によく感じる警報をホイッスルを用いて発音させることができ、しかも、住所や氏名、生年月日、住民番号、年金基礎番号、納税者番号等のID番号、血液型等から適宜選ばれた身元を明らかにすることができる表示を刻して形成することにより、例えば震災時に発生する火災等に巻き込まれた場合でも変形や消失するおそれがなく、確実に身元を照会することができるタグ状ホイッスルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわちこの発明のタグ状ホイッスルは、被災時に救助を求める際に使用するためのホイッスル本体と、ホイッスル本体の表面に身元を明らかにすることができる表示を施した表示部とを備えたタグ状ホイッスルであり、ホイッスル本体は盤状でかつ端部に吹込み口を、盤面に排気口を備えており、上記ホイッスル本体の盤面に形成した表示部には、住所や氏名、生年月日、住民番号、年金基礎番号、納税者番号等のID番号、血液型等から適宜選ばれた表示を刻して形成したことを特徴とするものである。
【0007】
この発明のタグ状ホイッスルは、上記ホイッスル本体が、耐熱性、耐衝撃性の高い金属または貴金属によって装飾性に富む形態に作製されていることをも特徴とするものである。
【0008】
この発明のタグ状ホイッスルは、上記表示を刻して形成した表示部が、レーザ彫刻によって刻して形成されていることをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明のタグ状ホイッスルには次の効果がある。
(1)形状的にも美しく、かつ胸によくフィットするのでペンダントとして、常時身に付けることにより、特に、震災時等において倒壊家屋の下からでも、3kHzの人の聴覚によく感じる音を発し、救助を求めることができる。
この場合、警報笛は強く吹いても、弱く吹いても3kHzの人の聴覚によく感じる音を発するので、体力が弱ったときでも警報笛として役立つ。
(2)ホイッスル本体の盤面に形成した表示部に、住所や氏名、生年月日、住民番号、年金基礎番号、納税者番号等のID番号、血液型等から適宜選ばれた表示を刻して形成してあるので、震災時に発生する火災等に巻き込まれた場合でも変形や消失するおそれがなく、身元を明らかにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明のタグ状ホイッスルの具体的な実施の形態を、図面に基いて詳細に説明する。
図1はこの発明のタグ状ホイッスルの1実施例を示す正面図、図2はその側面図、図3は中央横断面図、図4は図3のA−A線要部拡大端面図である。
図1ないし図4において、タグ状ホイッスル11は被災時に救助を求める際に使用するためのホイッスル本体12と、このホイッスル本体12の表面に形成した身元を明らかにすることができる表示を施した表示部13とを備えている。
上記ホイッスル本体12は、金属素材あるいは貴金属素材の耐熱性、耐衝撃性の高い素材により鋳造や切削加工その他の手段で、装飾性に富む形態に形成されており、盤状でかつ長さ方向の端部には吹込み口14を、また盤面には排気口15を備えている。したがって、被災時に救助を求める際には吹込み口14から息を吹込むだけで使用することができ、緊急時にワンタッチで救助を求めることができる。16は発音のために吹込み口14の内壁にマウントした中子である。
【0011】
上記したように装飾性に富む形態に形成されたホイッスル本体12の盤面は、主に曲面を備えた所定のデザインに形成されており、その表面には住所や氏名、生年月日、住民番号、年金基礎番号、納税者番号等のID番号、血液型等から適宜選ばれた表示を刻することによって、身元を明らかにすることができる表示部13が形成されている。もちろん、上記表示部13に施される表示としては、自宅や所属団体の電話番号、メールアドレスその他であっても良い。
ちなみに図示したところでは、表示部13の上段には生年月日21が、2段目には住民番号、年金基礎番号、納税者番号等のID番号22が、3段目には氏名23が、また最下段には血液型24がそれぞれ表示されている。
【0012】
住所や氏名23、生年月日21、住民番号、年金基礎番号、納税者番号等のID番号22、および血液型24等から適宜選ばれた表示は、上記表示部13の表面を刻して形成されており、好ましくはレーザ彫刻によって形成されている。このレーザ彫刻によって形成された彫刻溝25は、図4に示すように所定の深さの垂直の側壁を備えたものであり、したがって、震災時に発生する火災等に巻き込まれた場合でも変形や消失するおそれがなく、住所や氏名23、生年月日21、住民番号、年金基礎番号、納税者番号等のID番号22、および血液型24等からなる表示が読めなくなるおそれがない。
【0013】
上記ホイッスル本体12の吹込み口14とは反対側の端部には、丸環17が一体的に取り付けられており、この丸環17にチェーン18等を通して首に掛けることにより、ペンダントとして利用することができる。
もちろん、ブレスレットやアンクレット、ブローチ等として利用できるようにすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0014】
この発明のタグ状ホイッスルによれば、登山の時、道に迷った時、雪崩に遭遇した時など、山での遭難時も、同様に役立つことができる。
また、老人が夜道で倒れた時も、同様に役立つことができる。
さらに、老若男女がファショナブルなペンダントとして常時身に付けることができ、したがって事件に巻き込まれたり、夜道での警笛、雨の中の歩行中の交通安全のための警笛としても便利である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明のタグ状ホイッスルの1実施例を示す正面図である。
【図2】その側面図である。
【図3】中央横断面図である。
【図4】図3のA−A線要部拡大端面図である。
【符号の説明】
【0016】
11 タグ状ホイッスル
12 ホイッスル本体
13 表示部
14 吹込み口
15 排気口
16 中子
17 丸環
18 チェーン
21 生年月日
22 住民番号、年金基礎番号、納税者番号等のID番号
23 氏名
24 血液型
25 彫刻溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被災時に救助を求める際に使用するためのホイッスル本体と、ホイッスル本体の表面に身元を明らかにすることができる表示を施した表示部とを備えたタグ状ホイッスルであり、ホイッスル本体は盤状でかつ端部に吹込み口を、盤面に排気口を備えており、上記ホイッスル本体の盤面に形成した表示部には、住所や氏名、生年月日、住民番号、年金基礎番号、納税者番号等のID番号、血液型等から適宜選ばれた表示を刻して形成したことを特徴とするタグ状ホイッスル。
【請求項2】
ホイッスル本体が、耐熱性、耐衝撃性の高い金属または貴金属によって装飾性に富む形態に作製されている請求項1に記載のタグ状ホイッスル。
【請求項3】
表示を刻して形成した表示部が、レーザ彫刻によって刻して形成されている請求項1または2に記載のタグ状ホイッスル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−259216(P2006−259216A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−76398(P2005−76398)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(306008702)