説明

タバコ微粉を高含有するタバコ材料の処理方法

本発明は、タバコ微粉を処理する方法に関する。喫煙具の製造のためにタバコが準備されるときに、タバコ微粉及びタバコを含む原材料は、機械的な高圧下にさらされる。このようにして、タバコ微粉は、タバコに対して永久的に付着される。本発明の方法により製造された喫煙材料を含む喫煙具もまた開示されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、タバコ微粉を高含有するタバコ材料を処理する方法に関する。具体的には、喫煙具の製造のためにタバコを準備するときのタバコ屑の処理方法である。
タバコ微粉が有意義に用いられるようにするために、タバコに関する処理(例えば、搬送、タバコの準備、喫煙具の製造)の間の異なるポイントにて発生するたばこ微粉を再処理するというアイデアは、既に知られている。例えば、タバコ微粉はタバコの再構成、例えば、タバコフィルムの製造のための初期材料として用いられうる。このような処理により、通常、フィルム、シート、糸等のような、連続的な形状のタバコ材料を製造することを可能とする。
【0002】
ドイツ特許明細書DE 100 65 132 A1は、塊を生成する方法を開示している。それは、最小のタバコ小片、具体的にはタバコ屑から塊を生成することを提案している。換言すれば、この塊は、タバコ製造機械から分離される必要がない、望ましくない、より大きな小片複合物である。微細なタバコ屑小片は、結合剤及び液体と混合された後、塊、すなわち、より大きな構成単位を形成するために、圧縮加熱チャンバーから噴き出される。
【0003】
このようなタバコ微粉を処理する場合だけでなく、一般的に、再構成されたタバコのタバコフィルム、すなわち、連続的な形状、を製造する場合における不都合は、タバコ微粉が有意義に処理されうるようにするために、この処理が大量の資源を消費すると共に、結合剤が導入されなければならないという事実である。
【0004】
本発明の目的は、従来技術から知られる上述した不都合を回避するタバコ微粉の処理方法を提供することである。具体的には、タバコ微粉の処理は、単純、且つ、複雑でない構成であるべきである。
【0005】
この目的は、請求項1にて定義されるような方法による発明により達成される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を記載している。
本発明により提案されたように、タバコ微粉及びタバコ原料を含む被処理材料は、タバコ微粉をタバコ原料に対して結合させるために、増加された機械的な圧力下におかれ、特に、上昇された温度及び増加された含水率にもなるようにされる。換言すれば、タバコ微粉は、処理のためにもはや分類、分離されることはなく、喫煙具の製造のために後に用いられるために、タバコ原料をタバコ微粉と共に結合できるように、タバコ原料とユニットを形成するために結合される。これは、高価な分離処理の必要性を回避する。タバコ微粉は、何れにしても後に喫煙具を製造するために用いられうるように、単に原料に付着されるか、または、原料に結合される。
【0006】
本発明の結果として、より大きな小片、具体的には、1−4mmの幅内の好ましい大きさの小片、に向かう顕著な変化が大きさの分布において生じる。これは、本発明により提案された処理の前後において行われたスクリーニングテストにより証明されている。
【0007】
本明細書の範囲において、タバコ微粉という表現は、具体的には、タバコの小さな破片を示している。タバコの小さな破片とは、(味覚の観点からを含み)実際に問題があるとみなされるものか、また、そうでなければ、吸い込むことによりほとんど放出されないものか、または、再構成されたタバコ(タバコフィルム)の製造に用いられうるものである。具体的には、タバコ微粉は、タバコの切断幅(例えば、<1mm)よりも小さく、特に、タバコ微粉は、タバコの切断幅(例えば、<0.5mm)よりも十分に小さい。
【0008】
「タバコ原料」という表現は、基本的には、タバコ微粉よりも大きいかまたは十分大きいタバコの破片を示すために用いられる。具体的には、喫煙具として用いるために適切なタバコ片、または、せいぜい、この目的のためにさらなる切断が必要とされるタバコ片である。タバコ原料は、タバコ茎原料、具体的には、ウィノウィング原料、茎繊維、または、タバコ葉としてもよく、さらに、これらの混合物としてもよい。
【0009】
処理されるタバコ原料及びタバコ微粉は、本発明の範囲において、予め定められた増加された含水率とされる。被処理材料はまた、上昇された温度にされる。この温度は、具体的には、外部から熱を適用すること、及び/または、機械的に圧力を生じさせることにより得られうる。
【0010】
本発明により提案される方法の有利な点は、具体的には、(例えば、押出機またはコンベアスクリュー調整器内にて)タバコ原料がタバコ微粉と共に上昇された温度及び予め定められた含水率で、機械的な圧力下におかれるという事実にある。機械的な圧力により、タバコ微粉は、タバコ原料の上に圧接され、タバコ原料に密接して結合される。本発明により提案された方法の条件の結果、タバコ原料のタバコ微粉との結合は、非常に強固である。それゆえに、本発明により提案されたとして扱われるタバコ原料は、タバコの製造時に発生する通常の圧力に耐えうる。つまり、通常の製造条件の下で、空気により搬送されるとき、もはや、タバコ微粉が落ちることはない。機械的な安定性は、それゆえに、従来のタバコフィルム材料の場合よりも高い。
【0011】
本方法に従って、被処理材料は、その処理状態に対応した量のタバコ微粉を含んでいてもよく、そのような量よりも多くのタバコ微粉を含んでさえいてもよい。具体的には、被処理材料は、タバコ微粉を加えることにより増加された量のタバコ微粉を含んでさえいてもよい。このような状況であれば、何れにしても発生したタバコ微粉を処理することが可能なだけでなく、製造中の他のポイントにて発生した追加のタバコ微粉もまた、加えて処理されうる。
【0012】
本発明の結果として、タバコ微粉をタバコ原料と結合するために、追加的な、または、外部からの結合剤を付加する必要はない。タバコと無関係な結合剤も、内在する結合剤、つまり、タバコの中で自然に生じる結合剤も付加する必要はない。代わりに、本発明により提案された方法の結果として、タバコ微粉は、タバコ原料と機械的に、及び/または、タバコの内部で自然に生じる結合剤(内在する結合剤)により結合されうる。本発明により提案される方法の条件の結果として、内在する結合剤(でんぷん、樹脂、糖等)は、活性化され、それゆえに、タバコ微粉はタバコ原料に強固に結合される。これは、結合剤の付加が絶対に不可欠な、すなわち、上述したようなフィルムまたは塊を製造する方法とは全く異なる。
【0013】
原則として、被処理材料は、数回に分けて処理されることが可能であり、具体的には、例えば、ピストン−シリンダユニットにて、数回に分けて圧縮されうる。
本発明により提案される方法のための準備において、被処理材料は、処理に適切な状態とするために、前調整されうる。この目的のために、タバコ材料は、次の初期条件のうちの1つ、または、1つより多くの条件を満たすようにされる(圧力として与えられる値は、常に大気圧基準である)。
温度 :80−147℃、好ましくは100−120℃
取込口における含水率:6−13%
排出口における含水率:18−35%、好ましくは26−30%
圧力(圧縮ガス) :0−3バール、好ましくは0−1バール
本発明により提案されたタバコ微粉の処理方法は、好ましくは、次のパラメータの1つ、または、1つより多くに基づいて実行される。
温度 :80−180℃、好ましくは140−160℃
取込口における含水率:18−35%、好ましくは26−30%
排出口における含水率:11−19%、好ましくは15−17%
機械的な圧力 :80−250バール、好ましくは80−110バール
取込口における含水率及び排出口における含水率という表現は、具体的には、タバコ原料(茎、ウィノウィング、茎繊維、葉タバコ、等)に関する。
【0014】
本発明により提案される処理の結果が、連続性のないタバコ材料となることが好ましい。具体的には、繊維状及び/または粒状の喫煙材料、または、喫煙具用の充填材料となることが好ましい。換言すると、本発明により提案された方法の結果が、消費に供されるように準備された、または、喫煙具に直接用いられうる製品である。これは、製造がより複雑で、製造後に切断及び乾燥されなければならないタバコフィルム(連続的な形状のタバコ材料)の製造とは非常に異なる。本発明の結果として得られる製品は、その大きさ及び含水率において、喫煙具の充填材料として直接用いるために適切にされている。
【0015】
本発明の1つの実施形態においては、タバコ微粉はタバコ屑材料としてもよい。タバコ屑材料は、優れた製品を製造するために、本発明により提案された方法の能力を阻害しない範囲で大量に存在してもよい。屑(タバコ屑)の割合は、本方法の達成を阻害しない範囲で、さらに、被処理材料の100%にさえ上昇させてもよい。
【0016】
本発明の目的のために、被処理材料が、25%より大きいタバコ原料の割合を示すように、本方法が実行されてもよい。被処理材料は、75%より少ない割合のタバコ微粉を含むようにしてもよい。
【0017】
さらに、本発明により提案される方法の他の好ましい効果が以下に開示されうる。最終製品の充填容量に関する効果である。処理の間、被処理材料は、上述したように増加された機械的な圧力下におかれる。処理の最後に、その方法に基づいて材料が製品として処理から離れたとき、この増加された圧力が再び降下する。これは、上述したような処理装置(例えば、押出機、スクリューコンベア、ピストン−シリンダユニット)から製品を取り外す際に通常に行われる。装置から製品を取り外す際の圧力の降下により、フラッシュ蒸発が生じ、それにより、材料が膨張する。(ISOの条件下で測定されるような)初期充填容量により、充填容量の100%までの増加が達成されうる。例えば、初期材料の充填容量が、1.5ml/gの場合には、排出口における処理後の材料の充填容量は3ml/gとなりうる。他の材料の場合には、充填容量の測定された増加は、1.5ml/g(初期材料)から4.5ml/g(排出口における材料、つまり製品)であった。本発明の結果として、それゆえに、微粉または屑を高含有した材料は、刻みラミナタバコ(cut lamina tobacco)の充填容量と同程度の充填容量を備える。
【0018】
本発明は、さらに、上述され、上に説明された実施形態とは異なる実施形態に基づく方法を用いて製造された、喫煙具、喫煙材料または喫煙材料の一部に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙具を製造するためのタバコの準備に関わるタバコ微粉の処理方法であって、
タバコ微粉及びタバコ原料を含む被処理材料は、前記タバコ微粉をタバコ原料に対して永久的に結合させるために、増加された機械的な圧力下にさらされ、
前記タバコ原料のタバコ部分(tobacco parts)は、前記タバコ微粉よりも十分に大きく、
前記タバコ微粉を前記タバコ原料に対して結合させるために、いかなる追加、または外部の結合剤(binding agents)が前記被処理材料に加えられることがなく、
前記被処理材料は、予め定められた増加された含水率となるようにされ、
前記被処理材料は、温度上昇にさらされ、
前記処理の結果として前記被処理材料から得られる製品は、連続性の無い形状のタバコ材料、具体的には、繊維状及び/または粒状の喫煙具用の充填材料である
ことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法であって、
前記温度上昇は、外部熱を適用することにより得られるもの、及び/または、機械的な圧力を付与した結果である
ことを特徴とする製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の製造方法であって、
前記タバコ原料は、タバコ葉原料、タバコ茎原料、具体的には、ウィノウィング原料、または、前記2つの原料の混合物である
ことを特徴とする製造方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに記載の製造方法であって、
前記タバコ微粉は、前記タバコを切断する幅よりも小さく、具体的には1mmより小さく、更に具体的には0.5mmよりも小さい
ことを特徴とする製造方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載の製造方法であって、
前記被処理材料は、その処理状態に対応した量の前記タバコ微粉を含む
ことを特徴とする製造方法。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れかに記載の製造方法であって、
前記被処理材料は、その処理状態に対応した量の前記タバコ微粉よりも多いタバコ微粉を含み、具体的には、前記タバコ微粉を加えることにより増加された量の前記タバコ微粉を含む
ことを特徴とする製造方法。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れかに記載の製造方法であって、
前記タバコ微粉は、機械的に、及び/または、内部に自然に生じるかまたは前記タバコ原料に内在される結合剤により前記タバコ原料に結合される
ことを特徴とする製造方法。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れかに記載の製造方法であって、
前記被処理材料は、当該被処理材料が連続的に搬送されることにより処理され、具体的には、機械的な圧力を生じさせるコンベアを介して、具体的には、押出機またはスクリューコンベアを介して、搬送される
ことを特徴とする製造方法。
【請求項9】
請求項1〜請求項7の何れかに記載の製造方法であって、
前記被処理材料は、数回に分けて処理され、具体的には、例えばピストン−シリンダユニット内にて、数回に分けて圧縮される
ことを特徴とする製造方法。
【請求項10】
請求項1〜請求項9の何れかに記載の製造方法であって、
前記被処理材料は、次のパラメータのうちの1つ、または、1つよりも多くに基づいて前調整された調整済材料である
ことを特徴とする製造方法。
温度 :80−147℃、好ましくは100−120℃
取込口における含水率:6−13%
排出口における含水率:18−35%、好ましくは26−30%
圧力(圧縮ガス) :0−3バール、好ましくは0−1バール
【請求項11】
請求項1〜請求項10の何れかに記載の製造方法であって、
前記被処理材料の処理は、次のパラメータのうちの1つ、または、1つより多くに基づいて行われる
ことを特徴とする製造方法。
温度 :80−180℃、好ましくは140−160℃
取込口における含水率:18−35%、好ましくは26−30%
排出口における含水率:11−19%、好ましくは15−17%
機械的な圧力 :80−250バール、好ましくは80−110バール
【請求項12】
請求項1〜請求項11の何れかに記載の製造方法であって、
前記被処理材料は、25%より大きい割合のタバコ原料を含んでいる
ことを特徴とする製造方法。
【請求項13】
請求項1〜請求項12の何れかに記載の製造方法であって、
前記被処理材料は、75%より小さい割合のタバコ微粉を含んでいる
ことを特徴とする製造方法。
【請求項14】
前記請求項1〜12の何れかに記載の製造方法で製造された喫煙材料を含む喫煙具。

【公表番号】特表2008−529507(P2008−529507A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554478(P2007−554478)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000908
【国際公開番号】WO2006/084624
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(591059700)ブリティッシュ−アメリカン タバコ(ジャーマニー)ゲーエムベーハー (7)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH−AMERICAN TOBACCO(GERMANY)GMBH
【住所又は居所原語表記】ALSTERUFER 4,20354 HAMBURG,GERMANY
【Fターム(参考)】