説明

タフティング機用のグリッパ装置

【課題】タフティング機用のグリッパ装置を提供する。
【解決手段】本発明によるタフティング機用グリッパ装置は、グリッパ装置(10)を含む。該グリッパ装置は、グリッパ(11)と、切断刃を有する案内部材(12)とを含む。グリッパ(11)は2つのグリッパ部分を有し、該グリッパ部分は、移動方向に互いにある距離を置いて、段部(33)および/または延長部(34)によって好ましくは互いに隔てられており、該グリッパ部分は、互いに平行なグリッパエッジとして構成されているが、パイル高さ方向に見ると互いに対して間隔を空けてずれている。カットパイル動作モードとループパイル動作モードとの間の反転は、グリッパ(11)を長手方向に調節することによって行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にカーペットの製造に用いられるようなタフティング機用グリッパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーペットの製造にはタフティングプロセスが用いられることが多い。かかるタフティング法に関しては、平坦な支持材(いわゆる「基布」)にパイルが設けられる。パイルは、タフティング針によって、基布に列になって通された多数の個々の糸条からなる。これを行う際に、基布は、列になった針の下を一針ずつ徐々に進められる。このようにして形成されたループは、針を逆に進める間維持するために、グリッパによって一時的に保持される。ループが切断されない場合、ループパイルが形成され、ループが切断される場合、カットパイルが形成される。
【0003】
あるパターンを有する構造化されたカーペットを作製するためには、1つの同じ機械を用いて、場合により適切なナイフおよびグリッパを利用可能にすることによって、切断されていないループおよび切断されたループを作製すること、すなわち、ループパイルおよびカットパイルを作製することがしばしば望ましい。これに関して、特許文献1には、閉鎖部材を有するループグリッパを備えたタフティング機が開示されている。この閉鎖部材はループグリッパに旋回自在に支持されており、それによって、第1の旋回位置では、前記閉鎖部材は、グリッパと一緒に、外側に対して閉鎖された内部グリッパ空間を画定している。第2の旋回位置では、前記閉鎖部材は旋回されてグリッパの自由端から離れ、内部空間への入口を開けるようになっている。グリッパは、その内部空間において、捕捉されたループをナイフによって切断して、カットパイルを作製することができるように配置された直線状の切断刃を有する。その逆側では、閉鎖部材には、切断されないループを受け取る平坦な切欠きが設けられている。閉鎖部材を調節装置によって調節して、内部グリッパ空間への入口を開けたり開けなかったりすることができ、それによって、ループは内部空間の中に移動するか、または(入口を開けなかった場合は)閉鎖部材によって一時的に捕捉される。第1の場合、ループは、グリッパの切断刃によって切断され、カットパイルが作製される。第2の場合、ループはグリッパによって保持され、次に脱離され、ループパイルが作製される。
【0004】
このグリッパ装置に関しては、同じ基布上に、カットパイルとループパイルとを交互に配列した、特定の目的に合わせた製造が可能である。しかし、パイル糸が閉鎖部材とグリッパとの間に挟まれる際にパイルが損傷されるおそれがある。さらに、グリッパは、一方で針と、他方でナイフと連動する。グリッパが硬過ぎる場合、それは針を磨耗する。グリッパが柔らか過ぎる場合、それはナイフによって磨耗される。両立策を見出すのは難しい。糸張力が中心的に規定されると、グリッパおよび閉鎖部材の構成、ならびにカットパイルの大きさおよびループパイルの大きさが規定される。異なるパイルの大きさが形成され、その結果、同じカーペットにおけるループパイルとカットパイルとの間の交互配列中に、好ましくないパイル高さのばらつきが生じうる。
【0005】
【特許文献1】米国特許第4 185 569号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このことを考慮して、本発明の目的は、上記の問題の1つ以上を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明によるグリッパ装置によって達成される。
【0008】
本発明によれば、グリッパ装置は、2つの部分に分かれたグリッパを含む。第1のグリッパ部分を用いてループパイルを作製する。このグリッパ部分は、ループパイルモードでループを捕捉する。第2のグリッパ部分を用いてカットパイルを作製する。第2のグリッパ部分は、カットパイルモードでループを捕捉する。したがって、ループは、動作サイクル中にグリッパによって保持され、このことがループの大きさを画定する際に決定的に重要である。すなわち、それによって、針の戻り行程中、ループパイル用のグリッパ部分とカットパイル用のグリッパ部分がそれぞれ、グリッパに対して、所望のパイル高さが形成されるような位置に置かれる。高さのずれは、グリッパエッジに対して直角に測定される。グリッパ部分は、互いに対してグリッパに配置されるかまたは設けられていてもよく、すなわち、高さに対してずらされていてもまたはずらされていなくてもよい。その際、ループを切断することによるカットパイルの形成から生じるパイル高さの差を補正することができる。ループパイルのパイル高さとカットパイルのパイル高さが同じであるカーペット、さらにまたカットパイルの高さがループパイルより高いかまたは低いカーペットも製造することが可能である。
【0009】
2つのグリッパ部分のグリッパエッジは好ましくは直線状であり、共通の(垂直)面に置かれている。さらに、有利な実施形態に関しては、前記グリッパ部分は互いに平行に配置され、グリッパエッジの長手方向およびパイル高さ方向に互いに対してずらされている。さらに、グリッパエッジは、グリッパを支持または保持するモジュラーブロックと反対側のグリッパの調節装置に平行に好ましくは配置される。その際、グリッパ部分は互いに対して、好ましくはある距離を置いて、特にグリッパエッジの長手方向に測定してある距離を置いて配置される。グリッパ部分は、段部によって互いに隔てられていてもよい。さらに、この段部は、グリッパフックとも呼ばれる突出部を有していてもよい。この突出部は、パイル糸が一方のグリッパ部分から他方のグリッパ部分へと不注意に滑り込むのを防ぐように配置されている。
【0010】
グリッパエッジは、その長手方向に対して横断する方向で好ましくは丸みを帯びており、ゆえに、パイル糸がグリッパエッジに沿って滑っても傷付かない程度に鋭利でない。このパイル糸の慎重な取り扱いが、作製されるループパイルの高い品質につながる。
【0011】
好ましくは、グリッパは案内部材に調節可能に支持され、それによって前記グリッパは調節ユニットに連結される。調節ユニットによって、グリッパを引込位置に移動することができ、該引込位置で、グリッパは起動されて第1のグリッパ部分によってループパイルを作製する。さらに、調節ユニットを用いて、前記グリッパの自由端からある距離を置いた位置であって、前記グリッパの段部の後ろまたは前記グリッパのフックを後ろに位置する前方位置に前記グリッパを位置決めすることができ、それによって、ループはもはや脱離されず、切断刃に移動される。切断刃は、ナイフと連動する案内部材に設けられていてもよい。案内部材に切断刃を設けることによって、グリッパがタフティング針とだけ摩擦接触してナイフとは接触しないことが有利に達成された。グリッパは、その磨耗特性を考慮して、タフティング針と連動されるように調節可能である。これに対して、案内部材は、(その材料および磨耗特性に関して)ナイフに合わせて調節可能である。したがって、グリッパおよび案内部材はそれぞれ、継ぎ目なく一体として、任意の最適な材料(例えばグリッパにはより軟質の鋼、そして案内部材にはより硬質の鋼)から作製可能である。
【0012】
いくつかの案内部材は一緒に、1つのモジュールに設置されてもよい。その際、案内部材を交互に配置するか、またはそれらを材料間で接合させてモジュール内に保持することが可能である。例えば、これは、セメント付け、(金属または非金属材料の場合には)鋳造、はんだ付けなどによって行うことが可能である。また、案内部材を、タフティング機のバーに直接取り付けることも可能である。
【0013】
本発明の有利な実施形態または発展形態のさらなる詳細は、図面、明細書または特許請求の範囲の主題である。
【0014】
図面は、本発明の例示的実施形態を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1bは、タフティング機に結合したモジュラーブロック1を示しており、多数のモジュラーブロックがタフティング機に用いられる。かかるモジュラーブロックは、互いに隣接してバーに取り付けられ、該バーは、製造しようとするカーペットの移動方向に対して横断方向に延在し、好ましくは前記カーペットの下に延在している。さらに、タフティング機は、複数のタフティング針を有するバーを備えており、これらのタフティング針2のうちの1本が図1bに示されている。これらの針は、基布にパイル糸を通すのに用いられる。モジュラーブロックは、このようにして作製されたループを保持し、それらをアンカット状態で解放するか、または場合によっては前記ループを切断するように配置される。
【0016】
モジュラーブロック1は、バーに割り当てられた当接面4、5を有する基部本体3を備えている。孔6が、モジュラーブロック1をバーに取り付けるのに用いられる。
【0017】
基布に面する側(図1b、上部)では、モジュラーブロックに、互いに対して平行に整列された溝7、8、9が設けられ、この場合、前記溝にはそれぞれ1つのグリッパ装置10が載置される。各グリッパ装置10は、グリッパ11および案内部材12からなる。案内部材12がモジュラー本体3に固定式に連結される毎に、グリッパ11は、案内部材12に当接して、ゆえにモジュラーブロック1に当接して移動可能である。好ましい例示的実施形態では、グリッパ11は、案内部材12に当接して線形方向に変位可能であるように支持されている。
【0018】
図1bおよび図1aはナイフ47を示しており、該ナイフは、切断刃48を有し、(後述するように)案内部材12と連動してカットパイルを作製する。案内部材12およびナイフ47は、切断装置を成している。図1aに示されたタフティング針は、L−タフティング針であり、すなわち、その面取りは、針の溝が下向き(すなわち図1aの右側)のときには左側にある。
【0019】
図2および3は、図1bの表示方向の斜め反対側に見たグリッパ11および案内部材12を示している。案内部材12は、実質的に均一な厚さを有する平坦な本体から延在しており、その厚さは溝7〜9のうちの1つの幅にほぼ相当するようになっている。上側部分が、案内部材12の全長に沿って延在している平坦で幅の広い溝13を有しており、前記溝は好ましくは、平面状の溝底部14および互いに対向している2つの平行な側面15、16を有している。溝13は、グリッパ11用の案内部であり、前記グリッパは、溝底部14と側面15、16とに平行な溝の長手方向に最小限の遊びを有して、容易に移動可能に保持されるように、溝13の断面に実質的に相当する断面を有している。
【0020】
案内部材12は、溝13の下に、2つの孔18、19を備えた保持部分17を有している。孔18、19は、モジュラー本体3に設けられているとともに溝7、8、9を通って延在している対応する孔20、21と位置合わせされる。
【0021】
溝13の下には、保持部分17に隣接して、ウェッジ状の部分22があり、該部分は、溝13に平行に位置合わせされたエッジ23を有している。該エッジ23は好ましくは、溝13に対して鋭角に傾斜している。部分22が鋭角に配置されることによって形成される自由空間は、案内部材12に対して斜めに配置された、隣接するグリッパ装置10のナイフ47に、衝突せずにその前進移動を行わせるのに必要である。ナイフ47が斜めに配置されていることは、切断動作のために十分な力を生成するのに役立つ。部分22は、実質的に矩形方向に境界付けられる。前記部分は、保持部分17とは反対側のその前端に、溝13に対して直角に位置合わせされたエッジ24を有していてもよい。あるいは、エッジ24は、溝13に対して斜めに位置合わせされていてもよい。
【0022】
エッジ24の上で、案内部材12は、溝底部14および側面15の上側部分のみが残るように切り欠かれている。側面16はこの領域にはない。溝の側部で側面15を成す上側エッジ25は、端部側のウェッジ26で終端している。案内部材12の端部のウェッジ状の面取りにより、溝底部14は、いくらか鋭利なエッジ27で終端している。切断刃28は、溝底部14の縁またはエッジ28によって形成され、前記縁または前記エッジは、溝底部に対して直角に延在している。切断刃28は、溝底部14およびエッジ48によって形成されており(図6a)、前記切断刃は、前記溝底部に対して90度の角度αで配置され、側面16に平行に配向されている。図6および7から明らかであるように、案内部材12の後側は、切断刃28の領域においてナイフ47に対する当接面を成している。切断角度αは、エッジ48の位置に応じて変更されてもよい。切断刃28に対して90度の角度でエッジ48を配置する結果、0度の切断角度が形成される。90度未満の角度でエッジ48を配置する結果、切断刃28の鋭角が形成される。
【0023】
グリッパ11は、その端部29に、ループを捕捉するための第1のグリッパ部分30と、それからある距離を置いて第2のグリッパ部分31とを有するスライダとして設計されている。グリッパ部分30、31は好ましくは、1つの移動方向に対して互いにある距離を置いて配置されており、前記移動方向は、図3において矢印32で示されており、溝13の溝長手方向によって規定されている。さらに、段部33がグリッパ部分30、31間に好ましくは設けられる。さらに、この段部は、フックとも呼ばれる延長部34で終端していてもよい。段部33および延長部34は、一方のグリッパ部分30、31から他方のグリッパ部分への好ましくないループの移送を防ぐ。
【0024】
グリッパ部分30、31のそれぞれは、グリッパ11の同じ側(図1bでは下側)に、パイル糸ループを保持するように設計されたグリッパエッジ35、36を有している。グリッパエッジ35、36は、移動方向(矢印32)に対して直線状で、それに対して平行である。ただし、これらのグリッパエッジは、捕捉されたループのパイル糸を傷付けないように側方方向が湾曲しているかまたは丸みを帯びている。さらに、グリッパエッジ35、36は、端部29、フック34、段部33、ならびにグリッパエッジ36のエッジ端部37において丸みを帯びている。さらに、溝13上のスライダのように設定されたグリッパ11は、直線状の細幅側部38、39を境界とし、その間に前記グリッパは実質的に平面状の平坦な側部を有する。図4に概略的に示されるように、端部29と反対側のその端部40では、グリッパ11に、調節ユニット42の取付けに用いられる切欠き41が設けられている。この調節ユニットは、モジュラーブロック1も支持する概略的に示されたバー43上に載置されていてもよい。
【0025】
これまで説明されたグリッパ装置10は、以下のように動作する。
【0026】
図4および5に示されるように、第1の動作モードにおいて、モジュラーブロック1およびグリッパ装置10は、ループパイル付きのカーペットを作製するのに用いられる。これを行うために、図4のように、針棒の各タフティング針2は1本のパイル糸44を基布45に通し、その際、タフティング針2は、互いに前後に整列して配置される。いわゆる千鳥状に配置されたモジュールを用いた用途も知られている。これらは間隔を空けた2列のタフティング針2を備え、その場合、タフティング針の各列はまた、互いに前後に整列して配置される。調節ユニット42は、ループパイルおよび/またはカットパイルを作製するために、グリッパ11を選択するために用いられる。このことは、モジュール1内で、各グリッパ11が、調節ユニット42によって個別に制御可能であることを意味する。モジュール1の範囲内で、ループ製品ならびにベロア製品を作製することが可能である。ループパイルを作製するために、調節ユニット42は、図4に記載のその引込位置にグリッパ11を調節する。グリッパ11は、ループパイルを作製するための全タフティング動作の間、モジュラーブロック1に対してこの位置に留まっている。図4は、グリッパ11が矢印46で示される基布45の移動方向に押し付けられたタフティング機の一例を示している。タフティング針2が、パイル糸44を基布45に通すと、バー43が移動し、グリッパ11のグリッパ部分30が、タフティング針2とパイル糸44との間に差し込まれるようになっている。タフティング針2が引っ込められている限り、バー43は図4に示された位置に留まり、形成中のループが所定の位置に保持される。
【0027】
次の工程中、図4のバー43は右に移動されて、図5に示されるように、グリッパ部分30は、まさにやっと保持されているループ49を脱離する。その際、バー43は線形方向に移動されるか、または図示されるように旋回移動を行うことが可能である。基布45は、矢印46の方向に一針幅ずつ前進され、タフティング針2はまた、図示されるようにパイル糸44を基布45に通し始める。
【0028】
概して、このプロセスは、それ自体連続して繰り返され、その場合、ループパイルが作製される限り、調節ユニット42は、グリッパ11をその引込位置で保持する。
【0029】
図6および7は、カットパイルを作製するための上述した装置の動作を示している。調節ユニット42は、グリッパ11をその前方位置に変位している。したがって、グリッパは、前よりはるかに著しく案内部材12から突出している。グリッパ11の軸方向の移動方向に関しては、図4および5に示されるように、ここでグリッパ部分31は大体、バー43またはモジュラーブロック1に対して、グリッパ部分30が予め位置決めされた地点にある。したがって、図6から明らかなように、グリッパ11がタフティング針2とパイル糸44との間に挿入されてループが捕捉されるときに、グリッパ部分31は、タフティング針2の直ぐ近くに移動される。このため、形成される縫目が段部33の後ろに保たれる。針2が引っ込められる際、この縫目が滑って第1のグリッパ部分30に戻されることはない。このことは、図7に示されるように、バー43がその戻り行程を行う際にも当てはまる。段部33および延長部34は、グリッパ部分31にループを固定する。
【0030】
次の動作シーケンスの際には、図6からも明らかであるように、ループは、徐々に案内部材12に到達し、それによって、それらはグリッパエッジ36から案内部材12の切断刃28に移動される。この切断刃28は、ナイフ47と、その切断刃48とともに切断間隙を形成する。ナイフ47は、ループまたは縫目に移動され、それによって切断間隙は閉鎖され、ループは切断される。これによって、切断された縫目ループから構成されるカットパイルが作製される。いわゆるベロア製品が作製される。
【0031】
調節ユニット42を用いてグリッパ11を長手方向に調節することによって、「ループパイルの作製」と「カットパイルの作製」との動作モード間の切替えが可能である。これは、バー43の各グリッパ11に対して個別に行うことができる。バー43は、ループパイルの作製中およびカットパイルの作製中に均一な移動を行う。延長部34は、引っ込められたグリッパ11が、グリッパ部分30のループをグリッパ部分31または案内部材12に移動させるのを防ぐ。かかるループは、ナイフ47からこのように保護される。これのループは、前記ナイフを越えてモジュラーブロック1の上を移動する。これに対して、前方に押されたグリッパ11は、捕捉されたループが脱離されて、第2のグリッパ部分31上に載置され、案内装置12およびその切断刃23に移送されるのを防ぐ。切断装置は、案内部材12およびナイフ47からなる。
【0032】
図3によって示されるように、グリッパエッジ35、36間の高さのずれの適切な設計の結果、所望のパイル高さ(またはパイル長さ)が、ループパイルおよびカットパイル向けに別々に個別に調節可能である。これに対応して、パイル高さおよびパイル高さの差の所望の変更を、グリッパ11を交換することによって行うことができる。さらに、消耗部品である、グリッパ11および案内部材12を別々に取替え可能である。
【0033】
本発明によるタフティング機用グリッパ装置は、グリッパ装置10を含む。グリッパ装置10は、グリッパ11と、切断刃23を備えた案内部材12とを含む。グリッパ11は2つのグリッパ部分30、31を有し、該グリッパ部分は、移動方向に互いにある距離を置いて、段部33および/または延長部34によって好ましくは互いに隔てられており、該グリッパ部分は、互いに平行なグリッパエッジ35、36として構成されているが、パイル高さ方向に見ると互いに対して間隔を空けてずれている。カットパイル動作モードとループパイル動作モードとの反転は、グリッパ11を長手方向に調節することによって行われる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1b】タフティング装置のタフティング針およびモジュラーブロックの斜視図を示す。
【図1a】L−タフティング針に対する、グリッパ装置の配置の極めて簡略化した平面図を示す。
【図2】図1bに記載のモジュラーブロック用の案内部材の斜視図を示す。
【図3】図1bに記載のモジュラーブロック用のグリッパの斜視図を示す。
【図4】パイルループが捕捉されているときの、動作位置の第1の動作モードにおける、案内部材およびグリッパを備えたモジュラーブロックの概略側面図を示す。
【図5】ループパイルが作製され、ループが脱離されたときの、第1の動作モードにおける図4に記載の装置を示す。
【図6b】カットパイルを作製するためにグリッパが前方方向に押された第2の動作モードにおける、図1bに記載の構成と(鉛直面に関して)鏡像であるグリッパ装置を備えた、図1bに記載のモジュラーブロックの動作位置の異なる概略図を示す。
【図7b】カットパイルを作製するためにグリッパが前方方向に押された第2の動作モードにおける、図1bに記載の構成と(鉛直面に関して)鏡像であるグリッパ装置を備えた、図1bに記載のモジュラーブロックの動作位置の異なる概略図を示す。
【図6a】図6bおよび7bを側面から見た部分の詳細を示す。
【図7a】タフティング針に対する、つまりR−タフティング針との、グリッパ装置の配置の極めて簡略化された平面図を示す。
【符号の説明】
【0035】
1 モジュラーブロック(基部本体)
2 タフティング針(左側に面取りのあるL−タフティング針;右側に面取りのあるR−タフティング針)
3 モジュラー本体、基部本体
4、5 当接面
6 孔
7、8、9 溝
10 グリッパ装置
11 グリッパ
12 案内部材
13 溝
14 溝底部
15、16 側面
17 保持部分
18、19、20、21 孔
22 部分
23 切断刃
24 エッジ
25 縁
26 ウェッジ
27 エッジ
28 エッジ/縁
29 端部
30、31 グリッパ部分
32 矢印
33 段部
34 延長部(フック)
35、36 グリッパエッジ
37 エッジ端部
38、39 細幅側部
40 端部
41 切欠き
42 調節ユニット
43 バー
44 パイル糸
45 基布
46 矢印
47 ナイフ
48 切断刃
49 ループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にカーペットの製造用のタフティング機用グリッパ装置(10)であって、
ループパイル作製用の第1のグリッパ部分(30)と、
カットパイル作製用の第2のグリッパ部分(31)と
を有するグリッパ(11)
を有するグリッパ装置。
【請求項2】
第1のグリッパ部分(30)が、直線状のグリッパエッジ(35)を有することを特徴とする請求項1に記載のグリッパ装置。
【請求項3】
第2のグリッパ部分(31)が、直線状のグリッパエッジ(36)を有することを特徴とする請求項1に記載のグリッパ装置。
【請求項4】
グリッパエッジ(35、36)が、互いに平行に位置合わせされることを特徴とする請求項2または3に記載のグリッパ装置。
【請求項5】
グリッパエッジ(35、36)が、タフティング針の穿孔方向に見て、互いに対してずれて配置されることを特徴とする請求項2または3に記載のグリッパ装置。
【請求項6】
第1のグリッパ部分(30)および第2のグリッパ部分(31)が、グリッパ調節方向に、互いにある距離を置いていることを特徴とする請求項1に記載のグリッパ装置。
【請求項7】
第1のグリッパ部分(30)および第2のグリッパ部分(31)が、段部(33)によって互いに隔てられていることを特徴とする請求項1に記載のグリッパ装置。
【請求項8】
延長部(34)が、第1のグリッパ部分(30)と第2のグリッパ部分(31)との間に形成されることを特徴とする請求項1に記載のグリッパ装置。
【請求項9】
グリッパ(11)が、同一の材料から継ぎ目なく一体として作製されることを特徴とする請求項1に記載のグリッパ装置。
【請求項10】
グリッパ(11)が、タフティング針(2)の耐摩耗性と異なる耐摩耗性を示す材料から作製されることを特徴とする請求項1に記載のグリッパ装置。
【請求項11】
グリッパ(11)が、案内部材(12)と連動し、グリッパ(11)は該案内部材上に移動可能に支持されることを特徴とする請求項1に記載のグリッパ装置。
【請求項12】
グリッパ(11)が、案内部材(12)と連動し、グリッパ(11)は該案内部材上に変位可能に支持されることを特徴とする請求項1に記載のグリッパ装置。
【請求項13】
グリッパ(11)が、案内部材(12)に対してグリッパ(11)の位置を調節するための調節ユニット(42)のための切欠き(41)を有することを特徴とする請求項11または12に記載のグリッパ装置。
【請求項14】
案内部材(12)が、切断刃(28)を有することを特徴とする請求項11または12に記載のグリッパ装置。
【請求項15】
切断刃(28)が直線状であることを特徴とする請求項14に記載のグリッパ装置。
【請求項16】
案内部材(12)が、ナイフ(47)と連動することを特徴とする請求項11または12に記載のグリッパ装置。
【請求項17】
案内部材(12)が、グリッパ(11)の耐摩耗性と異なる耐摩耗性を示す材料から作製されることを特徴とする請求項11または12に記載のグリッパ装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【公開番号】特開2007−224490(P2007−224490A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40964(P2007−40964)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(598132646)グロツ・ベッケルト コマンディートゲゼルシャフト (77)