説明

タブ付き歯科装置

【課題】タブ付き歯科装置の提供。
【解決手段】実施形態は、歯科装置、歯科装置システム、およびそのような装置を作製および使用する方法を含む。一実施形態では、歯科装置は、その中に歯を設置するためのいくつかの歯開口と、完全に萠出していない歯の位置を表すタブであって、完全に萠出していない歯の位置の上に受容されるように配向される、タブとを含む。タブは、使用時に、歯が完全に萠出すると、歯によって占有される水平位置の一部に及ぶ長さである。また、タブは表面を含み、表面は、使用時に、タブの表面に隣接して配置される第2の装置の表面と嵌合するように成形される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本開示は、概して、歯科矯正学の分野に関する。より具体的には、本開示は、歯が未だ完全に萠出していない場合に利用可能である歯列矯正の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの歯科矯正治療は、審美的外観および歯科機能を改善するために、整列していない歯を再配置して、噛み合わせを変化させるステップを有する。再配置は、例えば、一定の期間にわたり1つ以上の歯に制御力を作用させることによって達成することが可能である。
【0003】
ある種の歯科矯正プロセスは、歯を再配列するための歯科用の位置調節装置を使用する。そのような装置は、概して、患者の歯に合致するが、初期の歯の構成からは若干ずれている「アライナ」と呼ばれる、弾力的な特性を有する材料の薄肉シェルを利用してもよい。
【0004】
歯の上へのそのような装置の設置は、特定の場所に制御力を提供して、歯を新しい構成に徐々に移動させる。前進的な構成を提供する連続的装置による本プロセスの反復によって、一連の中間配列を介して最終の所望の配列へと、最終的に歯を移動させる。そのようなシステムの実施例は、特許文献1に記載されている。
【0005】
そのようなシステムは、概して、治療の開始時に、患者によって装着される装置の一部、大部分、または全部を設計および加工するステップに依存する。ある種のプロセスでは、装置の設計は、一連の連続的な歯列のコンピュータによるモデル化に依存し、個々の装置は、歯の上に装着されて、第1の装置から、中間の装置のそれぞれを介して、最後の装置へと、進行するように連続する装置を使用することによって、歯を再配置するように設計される。
【0006】
しかしながら、いくつかの事例では、患者は完全に萠出して(すなわち、垂直に配置されて)いない歯を有する。そのような事例では、これらの歯は、上方萠出して、対向する側の歯列に干渉するか、または治療計画に含まれていないために別の矯正問題を生じさせる可能性がある。そのような歯は、多くの場合、治療開始時には他の歯よりも非常に低いために、装置はそのような歯に対応するように設計されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,975,893号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態は、歯科装置、歯科装置システム、およびそのような装置およびシステムを作製ならびに使用する方法を含む。いくつかの実施形態では、例えば、歯科装置は、その中に歯を設置するための1つ以上の歯開口と、未だ完全に萠出していない歯の位置を表すタブとを含み得る。
【0009】
そのようなタブは、例えば、完全に萠出していない歯の位置の上に受容されるように配向されることが可能である。このように、タブは、いくつかある利点の中でも、歯が完全に適所になくても、調節される1つ以上の他の歯に対して、力および/または支持を提供することが可能である。これは、隣接する(例えば、完全に萠出していない歯の上方または隣の)歯を調節する際に、特に有用であり得る。そのような装置の別の利点は、歯が過度に萌出(例えば、上方萠出)しないように、萌出中の1つ以上の歯に力を作用可能なことである。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
その中に歯を設置するためのいくつかの歯開口と、
完全に萠出していない歯の位置を表すタブであって、使用時に、該完全に萠出していない歯の位置の上に受容されるように配向される、タブと
を備える、歯科装置。
(項目2)
前記タブは、使用時に、前記歯が完全に萠出すると、該歯によって占有される水平位置の一部に及ぶ長さである、項目1に記載の歯科装置。
(項目3)
前記タブは、使用時に、前記歯が完全に萠出すると、該歯によって占有される前記水平位置の半分に及ぶ長さである、項目2に記載の歯科装置。
(項目4)
前記タブは、使用時に、前記歯が完全に萠出すると、該歯によって占有される前記水平位置全体に及ぶ長さである、項目2に記載の歯科装置。
(項目5)
前記タブは表面を含み、該表面は、使用時に、前記タブの表面に隣接して配置される第2の装置の表面と嵌合するように成形される、項目1に記載の歯科装置。
(項目6)
前記表面は、使用時に、前記タブの表面に隣接して配置される第2の装置の第2のタブの表面と嵌合するように成形される、項目5に記載の歯科装置。
(項目7)
前記タブは裏面を含み、該裏面は、使用時に、前記歯の上面と嵌合するように成形される、項目1に記載の歯科装置。
(項目8)
前記タブは裏面を含み、該裏面は、使用時に、前記歯が完全に萠出すると、該歯の上面と嵌合するように成形される、項目1に記載の歯科装置。
(項目9)
前記タブは側面を含み、該側面は、使用時に、前記歯の側面と嵌合するように成形される、項目1に記載の歯科装置。
(項目10)
歯を移動させるように成形されるいくつかの装置のうちの項目1から9のいずれか一項に記載の第1の歯科装置であって、完全に萠出していない歯の位置を表す第1の長さのタブを有する、第1の歯科装置と、
該いくつかの装置のうちの項目1から9のいずれか一項に記載の第2の歯科装置であって、歯の位置を表す第2の長さのタブを有する、第2の歯科装置と
を備える、歯科装置システム。
(項目11)
前記第1の長さおよび前記第2の長さは、等しい、項目10に記載の歯科システム。
(項目12)
前記第1の装置は、使用時に、患者の1つ以上の上歯の上に配置されるように形成される、項目10に記載の歯科システム。
(項目13)
前記第2の装置は、使用時に、患者の1つ以上の下歯の上に配置されるように形成される、項目12に記載の歯科システム。
(項目14)
タブの1つ以上の表面の厚さは、使用時に、萌出中の歯に接触するように定寸される、項目10に記載の歯科システム。
(項目15)
タブの裏面は、使用時に、萌出中の歯の上面と接触するように配置されるように設計され、該タブの裏面を形成する水平表面は、使用時に、完全に萌出した歯の上面と接触するように配向される前記第1の歯科装置の他の部分を形成するそれらの水平表面よりも下方に配置されることが可能である、項目10に記載の歯科システム。
(項目16)
第1の歯科装置における表面の奥行または厚さのうちの少なくとも1つは、前記第2の歯科装置における対応する表面よりも大きい、項目10に記載の歯科システム。
(項目17)
前記第2の長さのタブは、前記第1の長さのタブよりも長い、項目10から16のいずれか一項に記載の歯科システム。
(項目18)
前記いくつかの装置のうちの第3の歯科装置をさらに備え、該第3の歯科装置は、完全に萠出していない歯の位置を表す第3の長さのタブを有し、該第3の長さのタブは、前記第1および第2の長さのタブよりも長い、項目10から16のいずれかに記載の歯科システム。
(項目19)
前記第1の装置は、使用時に、完全に萠出していない前記歯が萠出の第1の閾値に到達すると、除去可能であるように形成される、項目10から16のいずれか一項に記載の歯科システム。
(項目20)
項目10から16のいずれか一項に記載の歯科システムを生成するためのコンピュータ実装方法であって、
患者の口腔内の患者の歯の位置取りを調査することによって、歯を移動させるために成形されるいくつかの装置のうちの第1の歯科装置を設計することであって、該第1の歯科装置は、完全に萠出していない歯の位置を表す第1の長さのタブを有する、ことと、
該いくつかの装置のうちの第2の歯科装置を設計することであって、該第2の歯科装置は、完全に萠出していない歯の位置を表す第2の長さのタブを有する、ことと
を備える、方法。
(項目21)
前記患者の口腔内の患者の歯の位置取りを調査することは、治療専門医によって一組の1つ以上のデータ点を手で取得し、該データ点をコンピューティングデバイスに入力することによって達成される、項目20に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本開示のタブ付き位置調節装置の実施形態の実施例とともに、対象の顎を示す。
【図2A】図2Aは、本開示のある実施形態による、その上に提供される小型タブを有する装置端の実施例を示す。
【図2B】図2Bは、本開示のある実施形態による、それぞれ、その上に提供される小型タブを有する、上下装置端の実施例を示す。
【図3A】図3Aは、本開示のある実施形態による、その上に提供される小型タブを有する装置端の別の実施例を示す。
【図3B】図3Bは、本開示のある実施形態による、その上に提供される中間サイズのタブを有する、装置端の実施例を示す。
【図3C】図3Cは、本開示のある実施形態による、その上に提供される大型サイズのタブを有する、装置端の実施例を示す。
【図4】図4は、本開示の実施形態の加工と関連して使用可能な、その歯科装置の設計において使用するためのコンピューティングシステムを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
いくつかの実施形態では、タブは、完全に萠出すると、歯によって占有される水平位置の一部(例えば、いくつかの歯の中央またはいくつかの歯の終端)に及ぶ長さであり得る(すなわち、延出する)。そのような構成の実施形態は、とりわけ、図3A−3Cに示される。例えば、図3Bに示されるように、タブは、完全に萠出すると、歯によって占有される水平位置の半分に及ぶ長さであり得る。
【0012】
また、本開示の実施形態は、いくつかの方法実施形態を含む。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、患者の口腔内に第1の装置を挿入することによって、歯を移動させるように成形されるいくつかの装置のうちの第1の歯科装置を適用するステップであって、第1の歯科装置は、完全に萠出していない歯の位置を表す第1の長さのタブを有する、ステップと、いくつかの装置のうちの第2の歯科装置を適用するステップであって、第2の歯科装置は、完全に萠出していない歯の位置を表す第2の長さのタブを有し、第2の長さのタブは、第1の長さのタブよりも長い、ステップとを含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1のアライナは、小型サイズのタブを含み得、後続アライナは、大型サイズのタブを含み得る。異なるアライナサイズの使用は、いくつかの異なる理由から利用され得る。そのような実施形態は、有益であって、例えば、完全サイズのアライナよりもより優れた患者の快適性を提供可能である。
【0014】
例えば、臼歯が完全に萠出していない場合、完全に萠出した歯を越えて突出するため、その上に提供される臼歯アライナ部分を有する完全サイズのアライナを装着することは不快であり得る。いくつかある利点の中でも、タブ付きアライナの使用の際に、歯がタブと接触して萠出する場合、タブは、上方萠出を低減または防止可能であるために、完全長未満のタブ付きアライナが、いくつかの事例において有益であり得る。
【0015】
また、いくつかある利点および機能の中でも、タブ長が長いほど、より大きな剛性を提供することが可能であるため、および/または萌出中の歯の1つ以上の表面を受容するように成形可能であるため、そのような実施形態が有益であり得る。いくつかの実施形態では、タブの長さは、1つのアライナから後続のものまで同一のままであり得るか、または一つのアライナから後続のものになるにしたがって、より大きなタブからより小さなタブへと変化することが可能である。
【0016】
上述のように、実施形態は、第2の装置を挿入する前に、第1の装置を除去するステップを含み得る。これは、連続的な段階の配列を利用して、1つ以上の歯の位置を調節する実施形態を実装の際に有益であり得る。
【0017】
いくつかのそのような実施形態では、1つ以上の歯科装置が適用可能である。そのような実施形態では、第3の歯科装置は、例えば、完全に萠出していない歯の位置を表す長さのタブを有し得、そのような長さのタブは、第1および第2の長さのタブよりも長い。
【0018】
いくつかある利点の中でも、そのような実施形態は、例えば、萌出中の歯が継続的な萠出に伴って、いくつかの事例においては、タブが取設される装置の他の部分の支持のため、および/または他の装置に対しては、力の作用のために使用し始めることができ、および/または調節し始めることができるため、有益であり得る。例えば、アライナタブは、アライナまたは隣接するアライナによって移動させられる1つ以上の歯に力を作用させるために使用可能である。
【0019】
また、タブは、萠出に伴って、萠出中の歯にある程度の初期調節を提供するように設計することが可能である。そのような実施形態は、有益であり得、歯が正しくない位置に萠出しており、萌出中の歯が他の歯の配置に影響を及ぼすように萠出している場合に、萌出中の歯がそのような影響を生み出すことがないように防止することが可能である。
【0020】
いくつかの実施形態では、第3の歯科装置は、完全に萠出した歯の位置を表す長さのタブを有し得る。そのような実施形態では、そのような長さのタブは、第1および第2の長さのタブよりも長い可能性が高い。このように、タブは、萠出する歯の1つ以上の表面を使用して、支持、力を提供する補助が可能であって、および/またはその位置は、調節可能である。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の装置は、完全に萠出していない歯が萠出の閾値に到達すると、除去可能である。萠出の閾値は、任意の好適な閾値であり得、製造業者または治療専門医によって判断されてもよい。
【0022】
例えば、第1の装置を除去するための閾値は、歯の上部が歯肉の表面から萠出する時であってもよい。第2の装置を除去するための閾値は、例えば、治療専門医に判断されるように、歯が中間点を過ぎて萠出した時であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、いくつかの装置のうちの第1の歯科装置は、患者の口腔内の患者の歯の配置を測量することによって設計可能であって、第1の歯科装置は、完全に萠出していない歯の位置を表す第1の長さのタブを有する。また、そのような実施形態は、完全に萠出していない歯の位置を表す第2の長さのタブを有するように設計される、いくつかの装置のうちの第2の歯科装置を含んでもよく、第2の長さのタブは、第1の長さのタブよりも長い。
【0024】
そのような実施形態では、患者の口腔内の患者の歯の配置の測量は、例えば、治療専門医によって、一組の1つ以上のデータ点を手で取得し、データ点をコンピューティングデバイスに入力することによって、達成可能である。
【0025】
また、データは、自動または半自動プロセスを介して取得可能である。さらに、萌出中の歯のサイズおよび/または形状は、例えば、歯のサイズおよび/または形状のライブラリならびに/あるいは患者の他の歯に関する情報を使用して、予測可能である。種々の実施形態では、本情報は、治療専門医によって手で、あるいは自動または半自動プロセスによって、提供可能である。
【0026】
ここで図1を参照すると、図1は、本開示のタブ付き位置調節装置の実施形態の実施例とともに、対象の顎を示している。種々の実施形態では、そのような装置を使用して、概して、上述のように、1つ以上の歯の前進的な再配置に影響を及ぼすことが可能である。
【0027】
本開示のプロセスまたはシステムは、歯科矯正治療と関連して、歯の位置の仕上げおよび維持のために、任意のポジショナ、リテーナ、および/または他の解除可能な装置を採用することが可能である。本開示の実施形態と併用するためのシステムは、例えば、本明細書に記載のように、漸進的な歯の再配置を達成するために、連続的に患者によって装着され得る複数のそのような装置を利用することが可能である。
【0028】
装置(例えば、装置100)は、例えば、ポリマーのシェルから加工されるか、またはある歯列から次の歯列に歯を再配置するために、力を受容および作用させるように成形される空洞を有する他の材料から形成可能である。シェルは、上または下顎101に存在するいくつかの歯、多くの事例では、全部の歯の上に冠着するように設計されてもよい。
【0029】
いくつかの状況では、特定の個々または小さい組の歯が再配置される一方で、他の歯は、再配置される歯または複数の歯に対して弾力的な再配置力を作用させるので、再配置装置を適所に保持するための基礎または係留領域を提供する。また、そのような場合、移動させられる歯のうちの1つ以上は、再配置装置を保持するための基礎または係留領域として機能することが可能である。さらに、歯茎および/または口蓋は、係留領域として機能すすることが可能であって、したがって、所望に応じて、同時に、全部またはほぼ全部の歯を再配置することが可能となる。
【0030】
図2Aは、本開示のある実施形態による、その上に提供される小型タブを有する装置端の実施例を示す。図2Aでは、装置の実施形態は、歯の上に配置されており、図は、その上に小型サイズのタブを含む装置の一端の配置に焦点が当てられている。
【0031】
例えば、図2Aの実施形態では、タブ210は、顎201の上の歯肉によって覆われる萌出中の歯212の近位の咬頭上に延在する。タブが延在する量は、任意の長さ(すなわち、歯表面の上部または側部の一部を覆う水平方向の拡張)であり得る。
【0032】
加えて、また、タブは、異なる奥行(すなわち、歯の1つ以上の側面に沿って垂直に延在するタブの一部)および/または厚さ(すなわち、タブの水平または垂直表面を形成する材料の厚さ)を有し得る。例えば、タブの奥行は、事実上ゼロの奥行(すなわち、水平タブ部分を形成する材料の厚さ)から歯側面の裏面の奥行(すなわち、歯肉上または下の奥行)までの任意の奥行であり得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、タブの1つ以上の表面の厚さは、萌出中の歯に接触させるように増加させることが可能である。いくつかの実施形態では、タブの表面は、歯と接触して載置されるように配向することが可能である。例えば、タブの裏面が歯の上面と接触するように配置される場合、タブの裏面を形成する水平表面は、完全に萌出した歯の上面と接触するように配向されるアライナの他の部分を形成する水平表面よりも低く配置することが可能である(例えば、アライナの1つ以上の他の表面から降段)。いくつかの実施形態では、第1の歯科装置上の表面の奥行または厚さのうちの少なくとも1つは、第2の歯科装置上の対応する表面よりも大きい可能性がある。そのような肥厚または段付けされた実施形態は、歯が萠出しつつあるときに、アライナを使用して歯の配置を補助する場合に有益であり得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、タブの奥行または厚さは、あるアライナから後続アライナへと調節可能である。例えば、アライナは、後続アライナよりも厚いおよび/または広い第1の厚さならびに/あるいは奥行を有してもよい。これは、歯の萠出した量または萠出中の歯に隣接する歯肉に対するアライナの配置によるものであってもよい。
【0035】
図2Aでは、萌出中の歯の上面に当接するように配向されて示されるが、1つ以上のタブは、萌出中の歯の1つ以上の側面に当接するような装置上に提供されてもよい。また、タブは、萌出中の歯の複数の表面に当接するように設計されるように提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、タブは、歯の上面に当接する裏面および歯の側面に当接する側面を有してもよい。
【0036】
本明細書で論じられるように、1つ以上のタブは、その現在の位置からさらに萠出すると、歯の表面に当接するように配置されるように設計されてもよく、または完全に萠出した歯に当接する場所に配置されるが、最初に配置される際は、どの歯の表面にも当接し得ないように設計されてもよい。さらに、本明細書で論じられるように、可変形状および長さのタブを有するいくつかの装置は、萌出中の歯および/または他の歯、タブが取設される装置または他の装置の表面に当接するもの等、萌出中の歯および/または他の歯の支持、力、および/または整列を提供するように備えることが可能である。
【0037】
図2Bは、本開示のある実施形態による、それぞれ、その上に提供される小型タブを有する上下装置端の実施例を示す。図2Bの実施形態では、第1の装置200−1および第2の装置200−2は、いくつかの歯の整列のために適切な力が付与されるように、嵌合係合を有するように設計される。
【0038】
図2Bに示される実施形態では、第2の装置は、裏面214、側面216、および上面218を伴うタブを有する。裏面214は、顎201の歯肉内の萌出中の歯212の上部の形状に対応するように成形される。側面216は、萌出中の歯212の一つの側面の形状に対応するように成形される。
【0039】
いくつかの実施形態では、タブは、タブの表面に隣接して配置される別の装置の1つ以上の表面と嵌合するように成形される、表面を含む。いくつかある利点の中でも、そのような表面を使用して、第1および/または第2の装置によって調節される1つ以上の歯に、支持、力、および/または調節を提供することが可能である。
【0040】
例えば、種々の実施形態では、タブは、タブの表面に隣接して配置される第2の装置の第2のタブの表面と嵌合するように成形される、表面を含み得る。上述のように、いくつかある利点の中でも、そのような表面を使用して、第1および/または第2の装置によって調節される1つ以上の歯に支持、力、および/または調節を提供することが可能である。
【0041】
例えば、図2Bの実施形態では、上面218は、装置200−2の表面(例えば、そのタブ部分)と嵌合するように成形される。用語「上面」および「裏面」は、本明細書では、読者の補助のために使用され、本開示の実施形態に対する限定としてみなされるものではない。
【0042】
また、本開示の実施形態は、いくつかの歯科装置システムの実施形態を含む。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、歯を移動させるように成形されるいくつかの装置の第1の歯科装置を含み得る。
【0043】
第1の装置は、例えば、完全に萠出していない歯の位置を表す第1の長さのタブを含み得る。また、システムは、いくつかの装置のうちの第2の歯科装置を含み得、第2の歯科装置は、歯の位置を表す第2の長さのタブを有する。
【0044】
そのような実施形態では、第1の装置は、患者の上歯の調節のための装置であり得、第2の装置は、いくつかの実施形態では、患者の下歯の調節のためであり得る。種々の実施形態では、装置は、患者の口腔の上部分または下部分の異なる歯の上で使用可能である。
【0045】
加えて、いくつかの実施形態では、装置は、患者の口腔内で連続的に使用可能である(すなわち、ある装置は、患者の口腔から除去され、別の装置は、その中に配置される)。そのような実施形態は、例えば、初期位置から、いくつかの中間位置を介して、次いで、最終的な位置へと徐々に歯を移動させる等、配列のいくつかの連続的な段階を介して、1つ以上の歯を移動させる調節のシステムの一部として、順次使用することが可能である。
【0046】
例えば、図3A、3B、および3Cに表される実施形態では、装置は、システムとして使用可能である。図3Aは、本開示のある実施形態による、図2Aの実施形態に提供されるものと類似する、その上に提供される小型タブを有する装置端の実施例を示す。
【0047】
図3Bは、本開示のある実施形態による、その上に提供される中間サイズのタブを有する装置端の実施例を示す。図3Bの実施形態では、タブは、例えば、歯が萠出中である領域の中間まで及び得る。中間タブは、小型タブと大型タブとの間の任意のサイズおよび形状であり得る。
【0048】
例えば、いくつかの実施形態では、中間タブ長は、近位の咬頭および遠位の咬頭の一部(例えば、半分)を覆うように設計可能である。加えて、いくつかの実施形態では、小型と大型タブ装置との間に、いくつかの異なるサイズの中間タブ装置が存在し得る。いくつかの実施形態では、タブは、複数の中間サイズの表面を有し得る。例えば、タブは、小型タブと大型タブ装置との間のサイズである1つ以上の側面を含み得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、タブは、歯が完全に萠出すると、歯によって占有される水平位置全体に及ぶ長さであり得る。いくつかのそのような実施形態では、タブは、歯が部分的および/または完全に萠出すると、歯の表面と相互作用するように構築されるいくつかの表面を有し得る。
【0050】
例えば、図3Cは、本開示のある実施形態による、その上に提供される大型サイズのタブを有する装置端の実施例を示す。例えば、種々の実施形態では、タブは、歯の上面と嵌合するように成形される、裏面を含む。図3Cの実施形態では、タブは、萠出中の/萠出した歯の咬合表面全体の上に延在する。
【0051】
いくつかの実施形態では、タブは、歯が完全に萠出すると、歯の上面と嵌合するように成形される、裏面を含む。そのような実施形態では、歯は、タブの形状内の位置へと潜在的に萠出することが可能であって、したがって、タブを使用して、萠出中の/萠出した歯および/または1つ以上の装置によって調節されている他の歯に支持、力、および/または調節を提供することが可能である。
【0052】
種々の実施形態では、タブは、歯の側面と嵌合するように成形される、側面であり得る。また、そのような側面は、上述のように、タブの一部であり得る。
【0053】
図4は、本開示の実施形態の加工と関連して使用可能である、その歯科装置の設計において使用するためのコンピューティングシステムを提供する。図4に示されるシステムでは、システムは、プロセッサ420およびメモリ422を有する、コンピューティングデバイス438を含む。メモリは、本明細書で論じられるように、データ424および実行可能命令426を含む、種々の種類の情報を含み得る。
【0054】
さらに、図4の実施形態に示されるように、システムは、ネットワークインターフェース436を含み得る。そのようなインターフェースは、別のネットワーク接続されたコンピューティングデバイス上での処理を可能にし、あるいはそのようなデバイスを使用して、本明細書に提供される種々の実施形態と併用するための患者または実行可能命令に関する情報を取得可能である。
【0055】
図4の実施形態に示されるように、システムは、1つ以上の入力および/または出力インターフェース428を含み得る。そのようなインターフェースを使用して、コンピューティングデバイスを1つ以上の入力または出力デバイスと接続可能である。例えば、図4に示される実施形態では、システムは、走査デバイス430、カメラドック432、およびキーボードへの接続性を含む。
【0056】
そのような接続性は、他の種類の情報の中でも、画像情報の入力(例えば、走査画像またはデジタル写真等)あるいは命令(例えば、キーボードを介した入力)を可能にする。いくつかの実施形態は、1つ以上のネットワーク内の種々のコンピューティングデバイス間に分配されてもよいが、図4に示されるようなシステムは、本明細書で論じられる種々の情報の取得、計算、および分析を可能にする際に有益であり得る。
【0057】
本明細書では、特定の実施形態が例証および説明されたが、当業者は、同一技術を達成するために計算される任意の配列が、示される特定の実施形態に代替可能であることを理解するであろう。本開示は、本開示の種々の実施形態のあらゆる適応例または変形例を網羅することを意図する。
【0058】
用語「ある」、「1つ」、「1つ以上」、「いくつか」、または「少なくとも1つ」の使用はすべて、1つ以上のアイテムが存在することを意味するものと解釈されることを理解されたい。加えて、上述の説明は、例証であって、制限的に行なわれたものではないことを理解されたい。上述の実施形態および他の実施形態の組み合わせは、具体的には本明細書に説明されないが、上述の説明を検討することによって、当業者に明白となるであろう。
【0059】
本開示の種々の実施形態の範囲は、上述の構造および方法が使用される任意の他の用途を含む。したがって、本開示の種々の実施形態の範囲は、そのような請求項の権利が付与される同等物の全範囲とともに、添付の請求項を参照して判断されるべきある。
【0060】
上述の発明を実施するための形態では、種々の特徴は、本開示を合理化する目的のために、単一実施形態にともに群化される。本開示の方法は、本開示の実施形態が各請求項に明示的に列挙されるものよりもさらに特徴を必要とする意図を反映するものとして解釈されるべきではない。
【0061】
むしろ、以下の請求項が反映するように、本発明の主題は、単一開示実施形態の全部に満たない特徴の中にある。したがって、以下の請求項は、発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として、独自に主張する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−39449(P2013−39449A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−258250(P2012−258250)
【出願日】平成24年11月27日(2012.11.27)
【分割の表示】特願2010−509370(P2010−509370)の分割
【原出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(501214845)アライン テクノロジー, インコーポレイテッド (53)
【Fターム(参考)】