説明

タンク孔開け装置

【課題】シリンダ等の作動部材を設けることなく、切断の進展に伴って支持アームを徐々に拡径動作させて切断片を保持することができ、構造を簡易化すると共に小型化する。回転する切断刃による孔の形成に伴って支持アームにより下穴周縁を支持して切断片を保持することができ、孔形成に係る時間を短縮して作業効率を向上する。
【解決手段】中心軸体19を部品取付け部の下穴内に挿入して当接部材25を下穴の上面に当接した際に、切断刃17の刃先を部品取付け部の上面に当接させた後、切断刃17による部品取付け部の切断の進展に伴って当接部材25が第1弾性部材29の弾性力に抗して中心軸体19の基端部へ徐々に移動されることによりカム孔31aの一端側から他端側へ軸部材27を摺動させることにより各支持アーム31を搖動して縮径側から拡径側へ徐々に移動する爪部31bを下穴周縁に係合して切断された切断片を保持させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク、特に車両用燃料タンクにゲージやセンサ等の各種部品を取付けるための孔に形成するタンク孔開け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タンク、特に車両用燃料タンクにゲージやセンサ等の各種部品を取付けるための孔を形成する際には、切断片がタンク内に落下して汚れるのを防止するため、孔明け作業の終了時に、切断片をタンクの外部へ取出すように孔明け作業することが要望される。
【0003】
切断片の取出しを可能にするタンク孔開け装置としては、例えば特許文献1に示すタンク孔明け装置が知られている。該タンク孔明け装置は、タンクの所定個所に各種部品を装着するための孔を開穿するドリルユニットに、スピンドルを回転中心として所定距離を隔ててカッタ刃を装着すると共にスピンドルの下方部に、スピンドルの軸心に沿って上下動するピストン、該ピストンの下部に固設されたピストンロッド、該ピストンロッドを囲繞するように下向き且つ等間隔で枢着された複数のアームからなり、アームには枢着部近傍の内側に突起部を突設すると共に該アームの下端部を外側に突設して爪部が形成され、更に、前記ピストンロッドにカム溝を設けて前記アームの突起部をこのカム溝に係合し、前記ピストンの上下動によりアームの突起部が押し上げ若しくは押し下げられて、アームの下端部が縮径若しくは拡径する膨拡機構部を設け、予め前記タンクの所定位置に開穿されている下孔に膨拡機構部を挿入して貫通させると共に膨拡機構部を拡径して該下孔の下面部を支持し、スピンドルと一体に回転するカッタ刃をタンクの表面に当接して所定径の孔を開穿し、更に前記カッタ刃が切り抜いた切断片を前記膨拡機構部にて保持するように構成される。
【0004】
上記した従来のタンク孔明け装置における膨拡機構部にあっては、下穴の下面部を支持するアームを拡径または縮径するピストン及びピストンロッドにより構成されるシリンダを設け、スピンドルに遊嵌されたエアーパイプから圧縮空気を供給して作動させるように構成される。
【0005】
しかし、上記孔明け装置にあっては、膨拡機構部の構造が複雑化して大型化するため、ある程度の大きさの下穴が形成されたタンクにしか、孔を形成することができなかった。即ち、タンクに小径の孔を形成する際には、形成される孔に応じて下穴も小径になり、大型化した膨拡機構部にあっては、小径の下穴に挿入して貫通させることが困難で、所望の大きさの孔を形成できなかった。
【0006】
また、上記膨拡機構部のエアーパイプは、スピンドルに遊嵌され、スピンドルの回転時には、回転しないように構成する必要がある。このため、上記孔明け装置の膨拡機構部は、タンクの下穴内に挿入して貫通させた後にアームを拡径作動して下穴の下面部を支持させることにより回転抵抗を与え、この状態でスピンドルを回転して孔明け動作を実行しても、エアーパイプが回転しないように構成している。
【0007】
このため、タンクに穴を形成するに先立って下穴に対する膨拡機構部の挿入動作及びアームを拡径して下面部を支持する支持動作を行う必要があり、孔形成作業に時間が掛かり、下穴の形成作業効率が悪かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許3618693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、従来の孔明け装置の膨拡機構部にあっては、アームを拡径動作させるシリンダ等の作動部材を必要とするため、膨拡機構部が複雑化して大型化し、小径の孔を形成することが困難な点にある。また、回転するカッタ刃により孔の形成する際には、ドリルユニットのスピンドルに対して膨拡機構部を回転止めする必要があり、孔形成に先立って膨拡機構部のアームを下穴周縁の下面部に支持させなければならず、孔形成に時間がかかり、作業効率が悪い点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、回転駆動されるスピンドルの軸線から軸線直交方向に所要の距離をおいて設けられる切断刃を、上記スピンドルを中心に回動してタンクの部品取付け部に孔を形成するタンク孔開け装置において、上記スピンドルの軸端部に対して基端部が回転可能に軸支され、一部に上記軸線と一致する方向へ延出する空隙を設けた一対の腕部が形成されると共に該腕部に上記軸線と一致する方向へ延出する軸支孔が形成され、上記部品取付け部の中心部に予め形成された下穴に挿入可能な外径からなる中心軸体と、上記軸支孔に上記軸線方向へ摺動可能に支持される軸部材と、上記中心軸体に対して上記軸線方向へ移動可能に支持されると共に上記軸部材の軸端部が固定される当接部材と、上記当接部材を上記中心軸体の先端部側へ付勢する第1弾性部材と、上記中心軸体の空隙内にて左右対称に配置され、一端部に上記軸部材が摺接するカム孔が形成されると共に他端部に爪部を設け、上記爪部が中心軸体の外径仮想線の内側に位置する縮径側及び上記外径仮想線の外側に位置する拡径側の間で搖動可能に支持される少なくとも左右一対の支持アームを備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、シリンダ等の作動部材を設けることなく、切断の進展に伴って支持アームを徐々に拡径動作させて切断片を保持することができ、構造を簡易化すると共に小型化することができる。また、回転する切断刃による孔の形成に伴って支持アームにより下穴周縁を支持して切断片を保持することができ、孔形成に係る時間を短縮して作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】タンク孔開け装置により孔が形成されるタンクの部品取付け部を示す部分斜視図である。
【図2】本発明に係るタンク孔開け装置の概略を示す全体斜視図である。
【図3】タンク孔開け装置の正面図である。
【図4】タンク孔開け装置の中央縦断面図である。
【図5】タンク孔開け装置の略体分解斜視図である。
【図6】タンク孔明け初期状態を示す説明図である。
【図7】タンク孔明け途中の状態を示す説明図である。
【図8】タンク孔明け終了時の状態を示す説明図である。
【図9】タンク孔開け装置を取り外し治具にセットした状態を示す説明図である。
【図10】切断片を取り外した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、中心軸体を部品取付け部の中心部に予め形成された下穴に挿入して当接部材を下穴の上面に当接した際に、切断刃の刃先を部品取付け部の上面に当接させた後、切断刃による部品取付け部の切断の進展に伴って当接部材が、第1弾性部材の弾性力に抗して中心軸体の基端部側へ徐々に移動されることによりカム孔の一端側から他端側へ摺動する軸部材により各支持アームを搖動して縮径側から拡径側へ徐々に移動する爪部を下穴周縁に係合して切断された切断片を保持させることを最良の実施形態とする。
【実施例1】
【0014】
以下、実施例を示す図に従って本発明を説明する。
先ず、本発明に係るタンク孔開け装置1により孔明けされる部品取付け部3が設けられたタンクとしての車輛用燃料タンク5を説明すると、図1に示すように車輛用燃料タンク5は、異なる複数枚の合成樹脂シートを積層した合成樹脂製で、その上面には、該車輛用燃料タンク5に装着される、例えばゲージや各種センサ、燃料ポンプ等の各種部品に応じた個数の部品取付け部3が形成される。
【0015】
上記部品取付け部3は、所要の外径及び高さで外周面に雄ねじ3aが旋設され、上面が閉鎖板3bで閉鎖された筒状部3cからなる。そして上記閉鎖板3bの中央部には、所要深さで、中央部に所要の内径からなる下穴3dが予め形成された凹所3eが設けられる。そして孔としての開口7は、上記閉鎖板3bを筒状部3cの内周面に沿って切断することにより形成される。上記凹所3eは、後述する当接リング25の下面が凹所3eの上面に当接した際に、切断刃17の刃先が上記閉鎖板3bの上面に当接する深さに設定される。
図2乃至図5に示すように、上記閉鎖板3bに開口7を形成するタンク孔開け装置1は、例えば少なくとも三次元方向へ移動制御される産業用ロボットのアーム(いずれも図示せず)の先端部に取付けられ、アームを移動制御して開口7を自動的に形成する。
【0016】
上記タンク孔開け装置1の本体(図示せず)には、スピンドル9が回転可能に軸支され、該スピンドル9には、本体に設けられた電動モータ11の回転軸が駆動連結される。上記スピンドル9は、電動モータ11の駆動により所要の回転数で回転される。
【0017】
上記スピンドル9には、回転体13が固定され、該回転体13には、スピンドル9を回転中心として放射方向へ延出する刃物取付けアーム15が設けられる。該刃物取付けアーム15の先端部には、上記スピンドル9の軸線と一致する図示する下方へ延出し、両刃または片刃の刃先を有した切断刃17が取付けられる。
【0018】
なお、上記刃物取付けアーム15と反対側の回転体13には、バランサ部材19が取付けられ、スピンドル9を中心に刃物取付けアーム15側と反対側の重量が一致するように調整される。
【0019】
上記回転体13の中心部には、スピンドル9に一致する軸線を有した中心軸体19の基端部が軸受21を設けて回転可能に軸支される。該軸受21としては、スラスト方向及びラジアル方向の双方の荷重を受けるアンギュラ軸受が適している。
【0020】
上記中心軸体19は、少なくとも先端側が上記した下穴3dの内径に一致して挿入可能な外径からなる。そして該中心軸体19の軸線方向中間部には、軸線方向へ延びる空隙23を有した二股状の腕部19aが形成される。上記各腕部19aには、軸線方向が車輛用燃料タンク5の厚さ以上の長さからなる軸支孔19bがそれぞれ形成される。
【0021】
上記中心軸体19には、上記凹所3eに嵌る外径の当接部材を構成する当接リング25が軸線方向へ摺動するように支持され、該当接リング25には、上記軸支孔19b内を摺動する軸部材としてのスライド軸27の軸端部が固定される。即ち、上記当接リング25は、上記中心軸体19に対し、軸支孔19bの軸線方向長さで図示する上下方向へ移動するように支持される。また、上記中心軸体19には、第1弾性部材を構成する第1圧縮ばね29が回転体13と当接リング25の間に取付けられ、該圧縮ばね27の弾性力により当接リング25を図示する下方へ付勢させる。
【0022】
上記中心軸体19の空隙23内には、左右一対の支持アーム31が左右対称に配置され、各支持アーム31は、上記軸線と直交する方向に軸線を有して腕部19aに設けられた軸33を中心に搖動するように支持される。各支持アーム31の図示する上端部には、カム孔31aが形成され、各カム孔31a内には、上記スライド軸27が摺接するように挿通される。また、各支持アーム31の図示する下端部には、多数の凹凸部を有した爪部31bが形成される。
【0023】
各支持アーム31は、それぞれの爪部29bを、中心軸体19に対して軸線方向へ移動する当接リング25により上記軸支孔19bの図示する下端部に位置するスライド軸27がカム孔31aの図示する下部に位置した際に中心軸体19の外径に一致して想定される外径仮想線内側の縮径位置と、上記軸支孔19bの図示する上端部に位置するスライド軸27がカム孔31aの図示する上部に位置した際に上記外径仮想線外側の拡径位置との間で搖動させる。
【0024】
なお、図中の符号31cは、支持アーム31の搖動量に応じた内径で、軸33が遊嵌される透孔である。
【0025】
上記当接リング25には、中心軸体19の軸線と直交して放射方向へ貫通する複数の貫通孔25aが周方向に対して等間隔に形成され、各貫通孔25a内には、係合ピン35が放射方向へ移動するように支持される。そして各係合ピン35は、第2弾性部材を構成する第2圧縮ばね37のばね力により先端部が中心軸体19側へ突出するように付勢され、スライド軸27が軸支孔19bの図示する上部に位置するように当接リング25が移動された際に、該位置に対応して中心軸体19の外周面に形成された凹部19cに各係合ピン35の先端部が係合し、当接リング25の移動状態が保持される。図示する凹部19cは、中心軸体19の外周面の周方向に形成した段差凹部としたが、係合ピン35の先端部に相対する中心軸体19の外周面に形成された凹みとしてもよい。
【0026】
次に上記のように構成されたタンク孔開け装置1による開口7の形成作用を説明する。
先ず、タンク孔開け装置1の初期状態に付いて説明すると、中心軸体19に対して当接リング25は、第1圧縮ばね29のばね力によりスライド軸27が軸支孔19bの先端部に位置するように移動される。この状態において、スライド軸27が各カム孔31aの図示する下部側(中心軸体19の先端側)に位置することにより各支持アーム31を、それぞれの爪部31bが中心軸体19の外径仮想線内側の縮径位置に位置するように搖動させる。
【0027】
次に、上記したタンク孔開け装置1により部品取付け部3における閉鎖板3bに開口7を形成するには、作業ロボットのアームを移動制御してタンク孔開け装置1を、その中心軸体19の先端部が閉鎖板3bにおける凹所3eの下穴3d内に挿入されて当接リング25の下面が凹所3eの上面に当接されるように移動させる。この状態において、切断刃17は、その刃先が閉鎖板3bの上面に当接または近接するように位置される。(図6参照)
【0028】
次に、上記状態手にタンク孔開け装置1をスピンドル9の図示する軸線下方向へ所要の圧力で付勢しながら電動モータ11を駆動してスピンドル9を中心に切断刃17を回動して閉鎖板3bの切断を開始させる。そして切断刃17による閉鎖板3bの切断の進展に伴って中心軸体19が閉鎖板3bの切断深さに応じたストロークで車輛用燃料タンク5内側へ徐々に移動されると、当接リング25は、中心軸体19に対して上記ストローク分、第1圧縮ばね29のばね力に抗して図示する軸線上方へ徐々に移動される。
【0029】
上記軸線上方に対する当接リング25の移動に伴ってスライド軸27が各カム孔31a内を図示する下方から上方に向かって徐々に摺動し、各支持アーム31を、それぞれの爪部31bが拡径方向へ移動するように徐々に搖動させる。(図7参照)
【0030】
そして切断刃17による閉鎖板3bの切断作業終盤においては、閉鎖板3bの切断の進展に伴う中心軸体19の上記軸線上方に対する移動に伴って当接リング25が更に上記軸線上方へ移動し、スライド軸27が各カム孔31a内の図示する上方へ移動されることにより各支持アーム31を、それぞれの爪部31bが拡径方向へ移動して下穴3d周縁の閉鎖板3bの下面に係合して保持するように搖動させる。
【0031】
このとき、中心軸体19に対して当接リング25が上記軸線上方の所定位置まで移動させられると、第2圧縮ばね37のばね力により付勢された係合ピン35の先端部が凹部19cに係合し、中心軸体19における当接リング25の移動状態を保持させる。
【0032】
これにより切断刃17による閉鎖板3bの切断作業終了後においては、拡径方向に対する各支持アーム31の搖動状態を維持し、爪部31bによる下穴3d周縁における閉鎖板3b下面の係合状態を保持し、閉鎖板3bの抜き切られた切断片3fを保持させる。また、当接リング25が第1圧縮ばね29のばね力により原位置へ戻されて爪部31bによる保持が解除された切断片31fが中心軸体19から抜け出して車輛用燃料タンク5内へ落下するのを規制する。(図8参照)
【0033】
上記した作用により閉鎖板3bを切断して部品取付け部3に開口7を形成した後、作業ロボットのアームを移動制御してタンク孔開け装置1を部品取付け部3から離脱する方向へ移動制御して中心軸体19に挿嵌されて支持アーム31の爪部31bに保持された切断片3fを取出し、部品取付け部3に開口7を形成する。取出された切断片3fを中心軸体19から取外すには、タンク孔開け装置1を移動制御して平面ほぼU字型の取外し治具41の腕部41a間に中心軸体19を、該腕部41aが当接リング25の上面に当接するように移動させる。次に、タンク孔開け装置1を図示する中心軸体19の軸線上方向へ移動し、腕部41aに対して当接リング25を圧接させる。
【0034】
上記動作により中心軸体19の凹部19cに先端部が係合した係合ピン35を第2圧縮ばね37のばね力に抗して放射方向外側へ移動して上記係合を強制的に解除させる。これにより当接リング25は、中心軸体19に対して第1圧縮ばね29のばね力により先端側へ移動し、該移動に伴ってスライド軸27がカム孔31aの図示する下方側へ移動されることにより各支持アーム31をそれぞれの爪部31bが縮径する方向へ移動するように搖動し、切断片3fに対する爪部31bの保持を解除させた後、第1圧縮ばね29のばね力により先端側へ移動する当接リング25により中心軸体19から切断片3fを突出して離脱させる。(図9及び図10参照)
【0035】
本実施例は、回動する切断刃17による閉鎖板3bの切断の進展に伴い、中心軸体19に対して移動する当接リング25により支持アーム31を徐々に拡径方向へ搖動して下穴3d周縁を支持して切断された切断片3fを保持し、該切断片3fが車輛用燃料タンク5内に落下するのを防止することができる。このため、従来の膨拡機構部のように下穴周縁の下面を支持するアームを拡径方向へ作動するシリンダを不要にして装置自体を小型化することができ、小径の開口7をも効率的に形成することができる。
【0036】
また、切断終了時に中心軸体19に対して当接リング25が所定の位置まで移動されると、係合ピン35を凹部19cに係合して当接リング25が第1圧縮ばね29のばね力に戻るのを規制して支持アーム31により切断片3fの保持状態を保ち、該切断片3fが車輛用燃料タンク5内に落下するのを防止して車輛用燃料タンク5外へ取出すことができる。
【符号の説明】
【0037】
1 タンク孔開け装置
3 部品取付け部
3a 雄ねじ
3b 閉鎖板
3c 筒状部
3d 下穴
3e 凹所
3f 切断片
5 タンクとしての車輛用燃料タンク
7 開口
9 スピンドル
11 電動モータ
13 回転体
13a バランサ部材
15 刃物取付けアーム
17 切断刃
19 中心軸体
19a 腕部
19b 軸支孔
19c 凹部
21 軸受
23 空隙
25 当接リング
25a 貫通孔
27 スライド軸
29 第1弾性部材としての第1圧縮ばね
31 支持アーム
31a カム孔
31b 爪部
31c 透孔
33 軸
35 係合ピン
37 第2弾性部材としての第2圧縮ばね
41 取外し治具
41a 腕部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動されるスピンドルの軸線から軸線直交方向に所要の距離をおいて設けられる切断刃を、上記スピンドルを中心に回動してタンクの部品取付け部に孔を形成するタンク孔開け装置において、
上記スピンドルの軸端部に対して基端部が回転可能に軸支され、一部に上記軸線と一致する方向へ延出する空隙を設けた一対の腕部が形成されると共に該腕部に上記軸線と一致する方向へ延出する軸支孔が形成され、上記部品取付け部の中心部に予め形成された下穴に挿入可能な外径からなる中心軸体と、
上記軸支孔に上記軸線方向へ摺動可能に支持される軸部材と、
上記中心軸体に対して上記軸線方向へ移動可能に支持されると共に上記軸部材の軸端部が固定される当接部材と、
上記当接部材を上記中心軸体の先端部側へ付勢する第1弾性部材と、
上記中心軸体の空隙内にて左右対称に配置され、一端部に上記軸部材が摺接するカム孔が形成されると共に他端部に爪部を設け、上記爪部が中心軸体の外径仮想線の内側に位置する縮径側及び上記外径仮想線の外側に位置する拡径側の間で搖動可能に支持される少なくとも左右一対の支持アームと、
を備えたタンク孔開け装置。
【請求項2】
請求項1において、各支持アームは、中心軸体に対して当接部材が第1弾性部材の弾性力により先端部側へ移動された際にカム孔の一端側へ移動された軸部材により爪部が上記縮径側へ移動するように搖動されるタンク孔開け装置。
【請求項3】
請求項1において、切断刃は、中心軸体を下穴内に挿入して当接部材を下穴の上面に当接した際に、刃先が部品取付け部の上面に当接するタンク孔開け装置。
【請求項4】
請求項3において、各支持アームは、切断刃による部品取付け部の切断の進展に伴って中心軸体に対して当接部材が第1弾性部材の弾性力に抗して基端部へ徐々に移動される際に、カム孔の一端側から他端側へ移動される軸部材により爪部が上記縮径側から上記拡径側へ徐々に移動するように搖動されるタンク孔開け装置。
【請求項5】
請求項1において、当接部材には、上記軸線と直交する方へ延出する取付け孔が形成され、該取付け孔内に第2弾性部材により付勢された係合ピンを取付け、回動する切断刃により部品取付け部に開口が形成されて当接部材が中心軸体の基端部側へ移動された際に、上記係合ピンを中心軸体の外周面に設けられた凹部に係合して当接部材の移動状態を保持するタンク孔開け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−110990(P2012−110990A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260733(P2010−260733)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(506329292)スターテクノ株式会社 (45)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)