説明

ターンテーブル

【課題】 従来、ターンテーブルの緊急時の停止機構は、ケーシングに設けたモーターの出力軸に固止した回転板と、回転板上にベアリングを介して載せ台を設け、回転板の回転を、ベアリングを介して、載せ台に伝達し、かつ回転伝達を、ベアリングの内外レースの上下差による空間を利用し、遮断可能とする構成である。この構成を進化させるのが、本願発明で、地震、各種の衝撃等の際に、妄りに移動しない構造とする。
【解決手段】 ケーシングのモーターの出力軸に回転板を固定し、回転板の上にベアリングを介在して載せ台を設け、回転板の回転を、ベアリングを介して、載せ台に伝達するとともに、回転伝達を、ベアリングの内外レースの上下差による空間を利用し、遮断可能とするターンテーブルにおいて、回転駒の空胴部と、ケーシングとの摩擦回避、又は熱の放散促進を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターンテーブル(ラウンドテーブル、回転テーブル)に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のターンテーブルは、商品用陳列台・鑑賞用展示台(展示物テーブル)、又はショーウィンドウ展示台・看板用展示台・回転イルミネーション展示台(展示台テーブル)とか、ワーク作業台・塗装作業台(作業テーブル)、又は料理品と食材用載置台(載せ台)として重宝される。しかし、この種のターンテーブルは、安全性、防滑性、又は回転で発生する熱の放散等に対して考慮がないのが現況である。
【0003】
しかしながら、このターンテーブルは、前述の如く、展示物テーブルとか、作業用テーブル等に於いては、回転する展示品への接触による事故、又は不可抗力による負荷とか、異常な荷重(トルク)があっても、テーブルが回転し続ける問題点が指摘されている。また、ターンテーブルが、地震、各種の衝撃等の際に、妄りに移動すると、思わぬ二次災害を生ずる恐れがあり、その対応が要望される処である。
【0004】
以上のことから、回転する展示品への接触した場合の安全策とか、また、展示品の落下防止と、ワーク転倒防止、又は事故による巻込み防止等を回避することが望ましい。その一例が、異常時に、速やかに、ターンテーブルの回転を停止し、前記各種の事故回避と、展示品の損傷防止等を図ることが望ましい。また、ターンテーブルが、地震、各種の衝撃等の際に、妄りに移動しない構造(盲動防止)とすることが望まれる。さらには、この異常の発生を予め発見する手段、又は展示物の変化を見識し、早急な対応が図れることが最適である。
【0005】
前述したターンテーブルの役割を担い、事故を未然に防止する構造を、先行文献の中から列挙するとともに、本発明との相違点を説明する。
【0006】
文献(1)は、本出願人が提案する、実用新案登録第3162778号の「ターンテーブル」がある。この考案は、ケーシングに設けたモーターの出力軸に回転板を固定し、この回転板上にベアリングを付設した載せ台を設け、回転板の回転を、ベアリングを介して、載せ台に伝達するとともに、回転伝達を、ベアリングの内外レースの上下差による空間を利用し、遮断可能とする構成としたターンテーブルである。
【0007】
この考案により、回転板、または展示物等に、余分のトルク、又は荷重が掛かった場合は、回転板が停止する構造であり、従来の問題点、即ち、回転板に起因する事故は回避できる。しかし、ターンテーブルが、地震、各種の衝撃等の際に、妄りに移動しない構造(盲動防止)でない。従って、例えば、緊急時と、衝撃があった時に妄動する恐れと、転倒すること等、安定性の確保において、改良の余地がある。
【0008】
また、文献(2)は、実開昭62−116922号の「回転テーブル」がある。この考案は、回転テーブルにおいて、基台に対して、回転盤と、回転トップ(回転テーブル)を低所形とするために、基台と回転盤とを固定する止め具を、この基台と回転盤とで構成する陥没部に設ける構造である。従って、回転盤に、余分のトルク、又は荷重が掛かった場合においても、回転板は停止しないので、回転板に起因する事故は回避できない。また、基台と回転盤との間に、隙間を設け、回転で発生する熱の放散を図る構造でない。さらに盲動防止に関する配慮がない。
【0009】
文献(3)は、実開昭62−169636号の「コンピュータ機器用机」であり、天板に設けた対の円形レールと、多数の球体とにより回転板を設置し、回転板の上に、前後動する台板を設け、台板の上に、コンピュータ機器を設置する構造である。この構造により、コンピュータ機器を、使用者に最適な位置にセットする。しかし、この考案は、回転板の回転を、対の円形レールと、多数の球体とで確保する構造である。従って、この回転板に、余分のトルク、又は荷重が掛かった場合でも、回転板は停止しないので、回転板に起因する事故は回避できない。この机の盲動防止は図れない問題点が挙げられる。
【0010】
また、文献(4)は、実開昭63−57952号の「レジスター回転台」であり、支持台に埋設設置した複数個のベアリング軸受けを介して、回転台を軸支し、回転台に載架されたレジスターを、少なくとも、二方向から利用を可能とする構造である。しかし、この考案は、回転台の回転は、ベアリング軸受けを利用する構造である。従って、回転台に、余分のトルク、又は荷重が掛かった場合においても、回転板は停止しないので、回転板に起因する事故は回避できない。その他の問題点は同じと考えられる。
【0011】
【特許文献1】実用新案登録第3162778号
【特許文献2】実開昭62−116922号
【特許文献3】実開昭62−169636号
【特許文献4】実開昭63−57952号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本願発明は、下記の特性と有益性等を発揮すること意図する。
「イ」 回転駒の上下面ベースに、空洞部を形成することで、摩擦面積の減少化と、空気の流通を利用して、熱の放散を図ること、等を意図する。
「ロ」 安全装置は、トルクリミッターとしての役割と、載せ台にスリップ特性を発揮できる構造、即ち、この載せ台の裏面側に、転がり軸受け(ベアリング機構)を採用し、この載せ台、及び/又は、ケースに対する荷重が、決められた以上になると、この転がり軸受けが働き、当該載せ台の回転が止まり、安全を確保する。
「ハ」 ケーシングの下面の環状鍔部に、防滑用の被膜層を設ける構成とし、回転板に、余分のトルク、又は荷重が掛かった場合においても、回転板は停止しないので、回転板に起因する事故の回避を意図する。例えば、この被膜層は、ショーアーゴム硬度65度Aスケールを、環状鍔部、又はその底面に、0.3〜0.5mmの厚みのスプレーウレタンコーティング施工することで、摩擦力増大と、耐震性能の発揮を意図する。そして、コーティングなしの場合と比べると10倍の安全性が計算できる特性の達成を意図する。尚、この意図は、同様に、載せ台とケースに対しても可能とする。
「ニ」 使用目的により移動し易く、又は分解、組付けが、簡単かつ容易であり、さらに多様化を図ること、又は必要により、回転・速度等の制御の遠隔化を図ること、等を意図する。
「ホ」 装置全体は、樹脂等の軽量材料(装置全体の重量比で、略90%)で形成し、軽量化と持運びの容易化と、コストの低廉化を図ることを意図する。そして、また、回転板の回転・速度等の制御において、回転変速・目標設定回転を、例えば、ダイヤル式を採用し、装置と操作の簡素化・時間設定の容易化を図ること、又は必要により、この時間設定は、4段階のタイマーを使用し、簡便化と、誤操作を回避すること、等を意図する。
「へ」 ON、OFF、又は速度等の制御装置を、ケーシングより分離し、壁掛け方式、携帯方式、或いは遠隔方式等とすることで、例えば、遠隔・延長を可能とすること、或いはコンパクトに操作ができること、自動運転を図ること、等により利用分野を拡充することを意図する。
「ト」 モーターと制御装置を繋ぐ電気配線・結合部は、ワンタッチコネクターを使用して簡素化を図りつつ、施工安全性を確保すること、等を意図する。
「チ」 ケーシング、ケース等の形状を、丸形、角形、その他の形状とし、利用分野を拡充と、多様化を図ることを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、前記「イ」と「ロ」、並びに「へ」を目的とする。
【0014】
請求項1は、ケーシングに設けたモーターの出力軸に、回転駒を介在して回転板を固定し、この回転板の上にベアリングを介在して載せ台を設け、この回転板の回転を、前記ベアリングを介して、前記載せ台に伝達するとともに、この回転伝達を、このベアリングの内外レースの上下差による空間を利用し、遮断可能とする構成としたターンテーブルにおいて、
前記ケーシングの上面に設けた回転駒の下面ベースに、回転板の嵌合孔を嵌合し、この回転板を、このケーシングの上面に、回転自在に架承するとともに、この下面ベースの内部に設けた空胴部で、この回転駒と前記ケーシングの間の隙間を形成し、また、この回転駒の上面ベースの内部に設けた空胴部と、前記載せ台と前記回転板との間に形成された空間部とを連ねる構造としたターンテーブルである。
【0015】
請求項2の発明は、前記「イ」と「ロ」、並びに「へ」に併せて、「ハ」を目的とする。
【0016】
請求項2は、請求項1に記載のターンテーブルにおいて、
前記ケーシングの下面の環状鍔部に、防滑用の被膜層を設ける構成としたターンテーブルである。
【0017】
請求項3の発明は、前記「イ」と「ロ」、並びに「へ」に併せて、「ト」を目的とする。
【0018】
請求項3は、請求項1に記載のターンテーブルにおいて、
前記隙間と、前記ケーシングの上面に設けた、前記モーターの出力軸用の開口とを連通する構成としたターンテーブルである。
【0019】
請求項4の発明は、前記「イ」と「ロ」、並びに「へ」に併せて、「チ」を目的とする。
【0020】
請求項4は、請求項1に記載のターンテーブルにおいて、
前記載せ台には、二重の環状収容部を備えた多目的ケースを設け、このケースの収容部に、水と金魚・魚、虫、又は、花、装飾品、展示品を収容する構成としたターンテーブルである。
【0021】
請求項5の発明は、前記「イ」と「ロ」、並びに「へ」を目的とする。
【0022】
請求項5は、請求項1に記載のターンテーブルにおいて、
前記回転駒は、アルミニューム、鉄でなる金属製の本体部と、この本体部を囲繞し、かつその下面ベースの内部に空胴部を、またその上面ベースの内部に空胴部を、それぞれ形成し、この空胴部には、本体部が膨出形成される構成としたターンテーブルである。
【0023】
請求項6の発明は、前記「イ」と「ロ」、並びに「へ」に併せて、「ニ」と「ホ」を目的とする。
【0024】
請求項6は、請求項1、又は請求項4に記載のターンテーブルにおいて、
前記ケーシング、回転板、及びケースを樹脂で形成する構成としたターンテーブルである。
【発明の効果】
【0025】
請求項1の発明は、ケーシングに設けたモーターの出力軸に、回転駒を介在して回転板を固定し、回転板の上にベアリングを介在して載せ台を設け、回転板の回転を、ベアリングを介して、載せ台に伝達するとともに、回転伝達を、ベアリングの内外レースの上下差による空間を利用し、遮断可能とする構成としたターンテーブルにおいて、
ケーシングの上面に設けた回転駒の下面ベースに、回転板の嵌合孔を嵌合し、回転板を、ケーシングの上面に、回転自在に架承するとともに、下面ベースの内部に設けた空胴部で、回転駒とケーシングの間の隙間を形成し、また、回転駒の上面ベースの内部に設けた空胴部と、載せ台と回転板との間に形成された空間部とを連ねる構造としたターンテーブルである。
【0026】
従って、請求項1は、下記「イ」と「ロ」、並びに「へ」を達成できる特徴がある。
「イ」 回転駒の上下面ベースに、空洞部を形成することで、摩擦面積の減少化と、空気の流通を利用して、熱の放散が図れること、等である。
「ロ」 安全装置は、トルクリミッターとしての役割と、載せ台にスリップ特性を発揮できる構造、即ち、この載せ台の裏面側に、転がり軸受け(ベアリング機構)を採用し、この載せ台、及び/又は、ケースに対する荷重が、決められた以上になると、この転がり軸受けが働き、当該載せ台の回転が止まり、安全を確保できる。
「へ」 ON、OFF、又は速度等の制御装置を、ケーシングより分離し、壁掛け方式、携帯方式、或いは遠隔方式等とすることで、例えば、遠隔・延長を可能となること、或いはコンパクトに操作ができること、自動運転が図れること、等により利用分野を拡充できる。
【0027】
請求項2の発明は、請求項1に記載のターンテーブルにおいて、
ケーシングの下面の環状鍔部に、防滑用の被膜層を設ける構成としたターンテーブルである。
【0028】
従って、請求項2は、前記「イ」と「ロ」、並びに「へ」と、下記の「ハ」の特徴がある。
「ハ」 ケーシングの下面の環状鍔部に、防滑用の被膜層を設ける構成とし、回転板に、余分のトルク、又は荷重が掛かった場合においても、回転板は停止しないので、回転板に起因する事故の回避できる。例えば、この被膜層は、ショーアーゴム硬度65度Aスケールを、環状鍔部、又はその底面に、0.3〜0.5mmの厚みのスプレーウレタンコーティング施工することで、摩擦力増大と、耐震性能を発揮できる。そして、コーティングなしの場合と比べると10倍の安全性が計算できる特性の達成を意図する。尚、この意図は、同様に、載せ台とケースに対しても可能となる。
【0029】
請求項3の発明は、請求項1に記載のターンテーブルにおいて、
隙間と、ケーシングの上面に設けた、モーターの出力軸用の開口とを連通する構成としたターンテーブルである。
【0030】
従って、請求項3は、前記「イ」と「ロ」、並びに「へ」と、下記の「ト」の特徴がある。
「ト」 モーターと制御装置を繋ぐ電気配線・結合部は、ワンタッチコネクターを使用して簡素化を図りつつ、施工安全性を確保すること、等を意図する。
【0031】
請求項4は、請求項1に記載のターンテーブルにおいて、
載せ台には、二重の環状収容部を備えた多目的ケースを設け、ケースの収容部に、水と金魚・魚、虫、又は、花、装飾品、展示品を収容する構成としたターンテーブルである。
【0032】
従って、請求項4は、前記「イ」と「ロ」、並びに「へ」と、下記の「チ」の特徴がある。
「チ」 ケーシング、ケース等の形状を、丸形、角形、その他の形状とし、利用分野を拡充と、多様化が図れる。
【0033】
請求項5の発明は、請求項1に記載のターンテーブルにおいて、
回転駒は、アルミニューム、鉄でなる金属製の本体部と、本体部を囲繞し、かつ下面ベースの内部に空胴部を、また上面ベースの内部に空胴部を、それぞれ形成し、空胴部には、本体部が膨出形成される構成としたターンテーブルである。
【0034】
従って、請求項5は、請求項1と同じ特徴が達成できる。
【0035】
請求項6の発明は、請求項1、又は請求項4に記載のターンテーブルにおいて、
ケーシング、回転板、及びケースを樹脂で形成する構成としたターンテーブルである。
【0036】
従って、請求項3は、前記「イ」と「ロ」、並びに「へ」と、下記の「ニ」と「ホ」の特徴がある。
「ニ」 使用目的により移動し易く、又は分解、組付けが、簡単かつ容易であり、さらに多様化が図れること、又は必要により、回転・速度等の制御の遠隔化が図れること、等である。
「ホ」 装置全体は、樹脂等の軽量材料(装置全体の重量比で、略90%)で形成し、軽量化と持運びの容易化と、コストの低廉化が図れる。そして、また、回転板の回転・速度等の制御において、回転変速・目標設定回転を、例えば、ダイヤル式を採用し、装置と操作の簡素化・時間設定の容易化を図ること、又は必要により、この時間設定は、4段階のタイマーを使用し、簡便化と、誤操作を回避できる。
「ト」 モーターと制御装置を繋ぐ電気配線・結合部は、ワンタッチコネクターを使用することで簡素化が図れ、かつ施工安全性を確保できること、等である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ターンテーブルの俯瞰図
【図2】ターンテーブルの断面図
【図3】ターンテーブルを分解して示した俯瞰図
【図4】ターンテーブルを分解して示した仰視図
【図5】ターンテーブルの回転板と、回転駒との関係を分解して示した要部拡大俯瞰図
【図6】回転駒の仰視図
【図7−1】ターンテーブルの載せ台の要部の裏面図
【図7−2】ターンテーブルの載せ台の要部の一部省略の拡大断面図
【図7−3】図7−1の要部の拡大裏面図
【図8】ターンテーブルの使用状態の一例を示した模式図
【図9】ターンテーブルの使用状態の他の例を示した模式図
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の一実施例を説明する。
【0039】
図中、1は樹脂製(必要により、アルミ製、木製も可能)でなる円形(方形も可能である)のケーシングで、このケーシング1の環状鍔部100(環状鍔部100の全体)、又はその底面1aには、この被膜層は、ショーアーゴム硬度65度Aスケールを、0.3〜0.5mmの厚みのスプレーウレタンコーティング施工し、被膜層2を設ける。この被膜層2を設けることで、例えば、摩擦力増大と、耐震性能を発揮できる。従って、この被膜層2を設けない構造に比し、略10倍の安全性が計算できる特性の達成を意図する。この実施例のように、環状鍔部100とすることで、前記摩擦力増大と、耐震性能を発揮できる。
【0040】
このケーシング1の天板101の下面にはモーター3が支持されており(支持機構は図示せず)、このモーター3の出力軸300が、天板101に設けた孔102を通過し、上面1bより突出する。5は、天板101の孔102と出力軸300との間に形成された隙間である。また、モーター3から電源に接続するためのコード302が延出されている。
【0041】
このケーシング1の上面1b(天板101の上面101bと同じ)には、回転駒6(連結兼回転用の冶具)が設けられている。この回転駒6は、貫通孔700と、この貫通孔700と直交、かつ連通する細径部に設けた横孔701を備えた円形駒形(上部が細径部、下部が太径部となる)の芯金7と、この芯金7に融着された樹脂製でなる円形駒形の台座8(上部が細径部、下部が太径部となる)とで構成されている。そして、この台座8の上面8aと芯金7の上面7a(回転駒6の上面ベースとする)との間には、段差の空洞部10(空隙部)が形成されている。また、台座8の下面8bと芯金7の下面7b(回転駒6の下面ベースとする)との間には、段差の空洞部11(空隙部)が形成されている。尚、前記台座8の上部の細径部には前記横孔701に連通する螺孔800が形成されている。そして、この台座8には、後述する回転板12を架承する嵌合部801と、座面802を有する。尚、回転駒6は、後述する回転板12と、載せ台、及びケース、並びに陳列品、金魚、魚等の遊戯品、又は花等の装飾品による収容物の荷重を支える必要があることから、例えば、スラスト荷重とラジアル荷重を支える大きな役割を担うことに鑑み、融着加工形状及び強度的に満足できる方法を採用する。例えば、芯金7と表面樹脂となる台座8は、一体化して強度的にも、合成的にも安定した構造とし、アルミ製(アルミ材)の芯金7を採用するとともに、アルマイト加工を施し、錆びの発生を防止した、所謂、ハイブリット商品を採用する。また、芯金7の素材は、鉄、鋳物等の金属でも可能であるが、軽量化と、樹脂との融合性を考慮し、アルミ材とする。また、木材も可能である。
【0042】
前記回転板12の中心には、前記回転駒6の嵌合部801が挿嵌される方形状の嵌合穴1200が開設されており、この嵌合穴1200には、出力軸300に嵌着された回転駒6が嵌着されることで、モーター3の回転が回転板12に伝達される構造である。尚、出力軸300に設けた溝301には、台座8に設けた螺孔800より螺入された止め螺子13が、芯金7の横孔701を通過して緊締される。これにより、出力軸300と、回転駒6(芯金7と台座8)が一体化される。そして、モーター3の回転が、回転板12に伝達され、かつこのスピードは、後述するON、OFF、又は速度等の制御装置で制御される。また、図示しないタイマーで、その回転時間が制御される。さらに遠隔操作も可能である。そして、この回転板12の嵌合穴1200を、回転駒6の嵌合部801が挿嵌することで、この回転駒6に、回転板12が架承される。この架承時に、回転駒6の座面802の下面(台座8の下面8b)は、ケーシング1の上面1bに接触するが、この空胴部11は接触しないことで、この回転駒6の回転抵抗を軽減できることと、この空胴部11は、ケーシング1の孔102と出力軸300との隙間Aと連通することで、外気との流通が図れ、熱の放散を図り、回転駒6、ケーシング1の熱の蓄積を回避、又は熱による回転駒6、ケーシング1等の損傷、或いは騒音発生等を回避する。また、この回転駒6の空胴部10は、後述する載せ台で形成される空間部(ベアリングの高さの空間B)に連通されて、芯金7、及び/又は、回転軸300等に発生する熱の放散を図り、回転駒6、載せ台、ベアリング、グリス等の熱の蓄積回避と、これらの熱による損傷回避等を図る。
【0043】
図中、16は円形状の載せ台で、この載せ台16は、望ましくは、回転板12より大径を基本とし、載せ台16、又は後述する収容部に接触した場合には(回転板12に接触したか否かに関係なく)、この載せ台16、及び収容部が停止し、安全が確保されること、又は回転板12の機材に挟まれないこと、怪我をしないこと等により、安全性を確保すること、等にある。その他体裁の確保と、装置の安定性を確保すること、等を意図する。この載せ台16の下面16aには、ベアリング20を設ける構造であるが、この例では、内レース2000を、載せ台16の下面16aに固止し、この内レース2000に設けた多数の球体2001を介して、外レース2002を、この載せ台16の下面16aより離間S1(隙間)して設ける。内レース2000の下面2000aに対して、外ケース2002の下面2002aが、下側に設けられる構造である。従って、載せ台16を、回転板12に載架した際に、外レース2002が回転板12の上面12aに接触するが、内レース2000の下面2000aは、回転板12の上面12aより離間S2(隙間)する(上下差を作る)構成である。この構造(上下差による空間)により、回転板12の回転時においても(回転伝達時において)、載せ台16、又は収容部が停止する構造である。例えば、載せ台16、又は収容部の金魚、花等の商品に接触するか、又は停止を意図し、停止操作した場合の如く、決められた以上の荷重か、又はトルクが負荷されると、球体2001と、内レース2000と外レース2002とのスリップが作用し、載せ台16への回転伝達が遮断されることから、遊戯品(遊戯用具)、子供C、人D等の保護と、安全性が確保される構造である。勿論、この荷重(負荷)が無くなると、載せ台16、ケースは、再び回転を始める。
【0044】
この載せ台16の中心に設けた孔1600には、芯金7の貫通孔700に設けた螺孔700aに螺着した止め具21が遊嵌されており、この載せ台16は、外レース2002と回転板12との接触摩擦で回転される構造である。尚、22はナットで、芯金7の上面7a設けられており、載せ台16の回転板12への圧着解除(載せ台16の過負荷「荷重」時の停止)を図る。従って、少なくとも、この載せ台16に、荷重等が掛かっても、回転板12、及びこの止め具21の回転が、載せ台16には伝わらない構造となっている。
【0045】
図中、23は制御装置で、この制御装置23は、モーター3の全てを制御し、回転板12のON、OFF、その切替え、スピードコントロール、電気配線・結合部の故障等を図る。また、この電気配線・結合部に、ワンタッチコネクターを使用することで、装置の簡素化を図る。
【0046】
図中25はケースで、各図は、このケース25として、好ましい一例を示しており、二重の環状収容部2500を備えた多目的ケースである。この収容部2500に、水と金魚・魚、虫等の生き物、昆虫、又は小動物を収容して、遊戯品を保護する。また、この際に、子供Cの安全性を確保する。また、図9の花等の装飾品、展示品を、収容部2500に収容し例では、例えば、人Dに美感と優しさ、又は安らぎを付与できる特徴がある。また、図8、図9の如く、制御装置23を、ターンテーブル(ケーシング1)とは、分離された構造とすることで、使用、設置の簡便化、安全性、スマート性の確保と、又は美感の向上、或いは、遠隔操作等を図る上での有利性がある。しかし、一例であり、限定されない。
【0047】
また、本発明のターンテーブルは、様々な用途に使用することができ、例えば、収容部2500を、観賞用水槽(例えば、図8の例である)、廻る水族館、廻る花壇(例えば、図9の例である)、図示しない、廻るウェディングケーキ台、中華食事台、プラモデル・時計・携帯電話台等のターンテーブルとして使用可能である。
【0048】
そして、前述した各実施例は、好ましい一例を示したものであり、同様な効果と特徴を有する他の構造は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0049】
1 ケーシング
1b 上面
1a 底面
100 環状鍔部
101 天板
101b 上面
102 孔
2 被覆層
3 モーター
300 出力軸
301 溝
302 コード
5 隙間
6 回転駒
7 芯金
700 貫通孔
700a 螺孔
701 横孔
7a 上面
7b 下面
8 台座
800 螺孔
801 嵌合部
802 座面
8a 上面
8b 下面
10 空胴部
11 空胴部
12 回転板
12a 上面
1200 嵌合孔
13 止め螺子
16 載せ台
16a 下面
1600 孔
20 ベアリング
2000 内レース
2000a 下面
2001 球体
2002 外レース
2002a 下面
21 止め具
22 ナット
23 制御装置
25 ケース
2500 収容部
A 隙間
B 空間
C 子供
D 人
S1 離間
S2 離間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングに設けたモーターの出力軸に、回転駒を介在して回転板を固定し、この回転板の上にベアリングを介在して載せ台を設け、この回転板の回転を、前記ベアリングを介して、前記載せ台に伝達するとともに、この回転伝達を、このベアリングの内外レースの上下差による空間を利用し、遮断可能とする構成としたターンテーブルにおいて、
前記ケーシングの上面に設けた回転駒の下面ベースに、回転板の嵌合孔を嵌合し、この回転板を、このケーシングの上面に、回転自在に架承するとともに、この下面ベースの内部に設けた空胴部で、この回転駒と前記ケーシングの間の隙間を形成し、また、この回転駒の上面ベースの内部に設けた空胴部と、前記載せ台と前記回転板との間に形成された空間部とを連ねる構造としたターンテーブル。
【請求項2】
請求項1に記載のターンテーブルにおいて、
前記ケーシングの下面の環状鍔部に、防滑用の被膜層を設ける構成としたターンテーブル。
【請求項3】
請求項1に記載のターンテーブルにおいて、
前記隙間と、前記ケーシングの上面に設けた、前記モーターの出力軸用の開口とを連通する構成としたターンテーブル。
【請求項4】
請求項1に記載のターンテーブルにおいて、
前記載せ台には、二重の環状収容部を備えた多目的ケースを設け、このケースの収容部に、水と金魚・魚、虫、又は、花、装飾品、展示品を収容する構成としたターンテーブル。
【請求項5】
請求項1に記載のターンテーブルにおいて、
前記回転駒は、アルミニューム、鉄でなる金属製の本体部と、この本体部を囲繞し、かつその下面ベースの内部に空胴部を、またその上面ベースの内部に空胴部を、それぞれ形成し、この空胴部には、本体部が膨出形成される構成としたターンテーブル。
【請求項6】
請求項1、又は請求項4に記載のターンテーブルにおいて、
前記ケーシング、回転板、及びケースを樹脂で形成する構成としたターンテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図8】
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【図9】
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