説明

ダクトサイズの決定方法

【課題】ダクトを施工する際に,使用するダクトのサイズの数,並びにそれに伴う必要部材を減らす。
【解決手段】例えば等摩擦法によってダクトサイズを1次設定した後,その全圧力損失を求めて全圧力損失設計目標値を設定する。使用しようとする異なった大きさのダクトの種類の最大数を予め定め,一次設定した個々のダクトのサイズを,予め定めた複数種類のサイズのダクトに置換する。次いで,送風機側に設置されることになる最も大きいサイズの集合ダクトモジュールA全体を1ランク小さいものに変更して,そのときの全圧力損失を算出し,当該結果が,全圧力損失設計目標値≒全圧力損失のとなるまで,順次送風機側の単位ダクト又は集合ダクトモジュールのサイズを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,空調用のダクトサイズの決定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来,ダクトを施工するにあたり事前の設計段階で,使用するダクトのサイズを決定する場合の手法として,「等摩擦法」が広く採用されている(非特許文献1参照)。「等摩擦法」は,ダクトの単位長さあたりの摩擦損失が一定となるようダクトサイズを決めるものである。
【0003】
また上記等摩擦法を前提とし,さらに全ての分岐エアダクトの末端制気口までの圧力損失が等しくなるように,分岐ダクトの分岐部から基本ダクト経路と分岐系ダクト経路における各々の最遠部の制気口までの距離を測定し,それから補正値を求めて,等摩擦法による圧力損失値に当該補正値を乗じてダクトサイズを決定する方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】空気調和・衛生工学会編「空気調和衛生工学便覧 3空気調和設備設計編 315p」(社)空気調和・衛生工学会 1995年
【特許文献1】特開平10−82549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら等摩擦法では,多くの異なったサイズのダクトを用意する必要があり,またそれに伴ってホッパと呼ばれる径の異なったダクトを接続するための部材も多く必要となっていた。その結果,設計,施工に手間がかかり,またコスト高の原因となっていた。
一方特許文献1に記載のものは,ダクト系の全ての末端の制気口までの圧力損失が揃うという効果が得られるが,基本的には等摩擦法で見られる問題点が依然として残っている。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり,使用するダクトのサイズの数を少なくし,それによって必要なホッパの数を減少させて,従来よりも設計,施工が容易なダクトサイズを決定する方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ダクトの全圧力損失は局部抵抗や吹出し動圧を含めた摩擦損失の集合であり,ダクト末端,すなわち,小風量域の摩擦損失を低減させ,その分ダクト始端すなわち大風量域の摩擦損失を増加させても,同じ全圧力損失となる。
一方,経済的には,小風量域のダクトサイズを増大させるほうが,大風量域のダクトサイズを増大させるよりも価格への影響が少ない。すなわち,大風量域のダクトサイズの低減による価格低減効果は,小風量域のダクトサイズの低減による価格低減効果より高いといえる。
ダクトに使用する鉄板の板厚は,ダクトの長辺寸法により決定される。小サイズダクトの鉄板使用量に対する価格感度は鈍い。その理由は,材料費および加工費の両者の影響が少ないためである。したがって,圧力損失当たりのダクト価格は,同じ板厚が使用できる小サイズダクトの最大サイズダクトが最低となる。
また,大サイズダクトの鉄板使用量あたり価格は,小サイズダクトより高くなるので,大サイズダクト面積を低減することが重要となる。
本発明は,このような視点に立ち,ダクトサイズ決定の合理的な方法を提供するものである。なおダクトのサイズとは,丸ダクトにおいては径の大きさを指し,角ダクトにおいては,長辺×短辺の大きさをいう。
【0008】
前記目的を達成するため,本発明によれば,とりあえず最初にダクトサイズ決定のための第一の基準として,単位長さあたりの所定の圧力損失を用いる。これは例えば1mmAq/mというように設計者が設計時点で定められるものである。そしてこれに基づいてダクトサイズを一次設定してその全圧力損失を求めてこれを全圧力損失設計目標値として決定する。一次設定にあたっては,例えば公知の等摩擦法を用いてもよい。この「一次設定」は,設計図,その他の設計図書に示されている。そして施工の着手前に,納まり具合その他の観点でダクトルートやダクトサイズを再検討するが,圧力損失の設計目標値は,そのままとされることが一般的である。
【0009】
次いで使用しようとする異なった大きさのダクトの種類の最大数を,前記一次設定したダクトの数よりも少ない範囲で予め定める。これは例えば,施工しようとする現場の状況,納まり具合,入手できるダクトなどを総合的に勘案して任意に決定する。そして一次設定した個々のダクトのサイズを,単位長さあたりの所定の圧力損失を超えない範囲で,前記予め定めた複数種類のサイズのダクトの集合ダクトモジュールに置換する。ここでいう「置換」は,ダクトを規格化することを意味し,これによっていわばヘッダー状のダクトが形成されることになる。例えば既存の等摩擦法で一次設定したのが1〜10の10種類の大きさの異なったダクトであった場合,それより少ない数,例えば4種類以下の大きさの異なったダクトに変更する。変更に当たっては,末端側のダクトから,その摩擦損失が,第一の基準として定めた単位長さあたりの圧力損失摩擦損失(基準摩擦損失値)になる位置を求め,順次この基準摩擦損失値を超えない範囲で,4種類のダクトに置き換える。因みにこの時点で,4種類に置き換えたダクトの全体の圧力損失(仮圧力損失)は,全圧力損失設計目標値よりも小さい。なお集合ダクトモジュールとは,同じ長さを有する単位ダクトを複数延設して構成されたものをいう。
【0010】
次いで,送風機側に設置されることになる最も大きいサイズ(通過風量の大きい)の集合ダクトモジュール全体を1ランク小さいものに変更して,そのときの全圧力損失を算出し,当該算出結果に基づいて下記の(1)〜(3)のいずれかを行う。
かかる処理は,実際には例えばパソコン等を用いてなされる。したがって例えば設計図から入力されるCADで一貫して処理する場合には,内部データを利用する。なお並列設置された複数の送風機から合流する給気など,特別な場合を除いては送風機側に設置されるダクトを通過風量の大きいダクトとみなしてよい。複数の送風機からの合流地点が,最も周長(径)の大きい単位ダクトである場合には,当該ダクトが「送風機側に設置されることになる最も大きい」単位ダクトということになる。
【0011】
なお本発明において,全圧力損失設計目標値≒全圧力損失の意味は,全圧力損失が全圧力損失設計目標値の±10%以内の誤差の範囲のものを意味している。
【0012】
(1)全圧力損失設計目標値≒全圧力損失の場合は,そのときの各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定する。
(2)全圧力損失設計目標値<全圧力損失の場合は,その時点で最も大きいサイズの集合ダクトモジュールを構成する単位ダクトごとに,送風機側から1ランク大きいものに変更し,その都度全圧力損失を算出し,全圧力損失設計目標値≒全圧力損失になるまで繰り返しの処理を行う。
(3)全圧力損失設計目標値>全圧力損失の場合は,その時点で最も大きいサイズの集合ダクトモジュール全体を1ランク小さいものに変更して全圧力損失を算出し,
(3−1)全圧力損失設計目標値≒全圧力損失の場合には,そのときの各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定する。
(3−2)全圧力損失設計目標値<全圧力損失の場合は,上記(2)の処理を行う。
(3−3)全圧力損失設計目標値>全圧力損失の場合には,全圧力損失設計目標値≒全圧力損失になるまで上記(3)の処理を繰り返して行う。
【0013】
かかる処理を行うことにより,最終的に一次設定したダクトよりも,使用するダクトの種類が少なく,しかも全圧力損失設計目標値にほぼ等しい全圧力損失のダクトサイズを決定することができる。
【0014】
以上は,一次設定したダクトの送風機側の最も大きい集合ダクトモジュール全体を一旦1ランク小さいサイズのものに変更するものであったが,次に説明するように,一次設定したダクトの送風機側の最も大きい集合ダクトモジュールの中で,最も末端寄りの単位ダクトのサイズを1ランク小さくするようにしてもよい。
【0015】
すなわち,別な観点の本発明によれば,一次設定した個々のダクトのサイズを,前記第一の基準,すなわち単位長さあたりの所定の圧力損失を超えない範囲で,前記予め定めた複数種類のサイズのダクトに置換した後,まず送風機側に設置されることになる最も大きいサイズの集合ダクトモジュールを構成する末端側の単位ダクトを1ランク小さいものに変更して(すなわち「単位ダクト」の単位でサイズを縮小して),そのときの風速を計算する(以下,「事前処理」という)。そして当該計算結果に基づいて,下記のA又はBの処理を行って,採用ダクトサイズを決定するまで繰り返すことを特徴としている。
【0016】
なお風速の計算は,いわば補正の為に行なう。つまり等摩擦法で例えば1.0Pa/mと設計されていても,風量が多くなったり,あるいは風速が速くなると摩擦損失が異なってくる。したがってかかる補正をしない場合には,設計どおりに施工しても例えばダクトが振動することもある。
【0017】
A.事前処理の計算結果が,上限風速以下の場合には,全圧力損失を算出し,当該算出結果に基づいて下記の(1)〜(3)のいずれかの処理を行う。ここで上限風速とは,あらかじめダクトのサイズに基づいて定めた風速をいい,ダクトに振動等が発生しない最大風速をいう。
(1)全圧力損失設計目標値≒全圧力損失の場合は,そのときの各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定する。
(2)全圧力損失設計目標値<全圧力損失の場合は,そのときの各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定する。
(3)そして全圧力損失設計目標値>全圧力損失の場合は,その時点で最も大きいサイズの集合ダクトモジュールにおいて,まだ当該集合ダクトモジュールを構成する単位ダクトがあるかどうかを調べ,
(3−1)もはや残余の単位ダクトがない場合には,その時点で最も送風機側に設置されるダクトのサイズを1ランク下げて,かつその下のランクのサイズのダクトの有無を調べる。その結果,
(3−1−1)当該その下のランクのサイズのダクトがない場合には,その時点での各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定する。
(3−1−2)当該その下のランクのサイズの単位ダクトがある場合には,前記1ランク下げた後の集合ダクトモジュールにおける末端側の単位ダクトを1ランク小さいものに変更してそのときの風速を計算し,再び上記Aの処理に戻る。
そして上記(3)の処理の残余の単位ダクトがあるかどうかを調べた結果,
(3−2)未だ単位ダクトが残っている場合には,当該残っている単位ダクトのうちで最も末端側に位置する単位ダクトを1ランク小さいものに変更してそのときの風速を計算し,以下上記Aの処理に戻る。
【0018】
B.前記した事前処理における風速の計算結果が,上限風速を超える場合には,前記予め定めた複数種類のサイズのダクトの集合ダクトモジュールに置換したときのサイズに全て一旦戻し,その時点で送風機側に設置されることになる次に大きいサイズの集合ダクトモジュールを構成する単位ダクトの中で,最も末端側の単位ダクトを1ランク小さいものに変更して,そのときの風速を計算し,以下,上記Aの処理に戻る。
【0019】
このような手順を踏むことで,最終的に一次設定したダクトよりも,使用するダクトの種類が少なく,しかも全圧力損失設計目標値にほぼ等しい全圧力損失のダクトサイズを決定することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように,本発明においては,予め設定した第1次設定に基づく全圧力損失設計目標値に近づけるように,最も大きいダクトのサイズを順次変更してそのときの全圧力損失が全圧力損失設計目標値に近づけるようにして,ダクトサイズを決定しているので,使用するダクトサイズの種類を従来よりも減らすことができる。したがって,従来よりも使用するダクトサイズの数を減らすことができ,必要なホッパの数を減少する。それゆえ従来よりも設計,施工が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明すると,図1は第1の実施の形態にかかるダクトサイズ決定のプロセスフローを示している。これらは現実的には,全部または一部を,演算装置の他にキーボードやマウス等の入力手段,ディスプレイ装置などの表示手段,印刷手段等を適宜備えたパソコン等のコンピュータによって行なわせることが好適である。まず第一の基準とする単位長さ当たりの摩擦損失(以降,「基準摩擦損失値」)を設定する(ステップS1)。例えば1mmAq/mのように,基準摩擦損失値を設定する。かかる場合,ダクトルートを考慮した,単位長さ当たりの風速を設定してもよい。
【0022】
例えば,設計図を再検討して施工図を作成し,ルートが変更された場合には,その変更後のルートを対象として以下の計算がなされる。「風量」は当該ダクト系への給気(排気)量であり,通常はそのルートの系の吹出口(吸込口)の風量の和であり,また送風(排風)機の風量である。この風量は後述する風速計算に用いられるため,ここで設定(入力)される。
【0023】
次いでステップS1で定めた単位長さ当たりの基準摩擦損失値を基準としてダクトサイズを求め,施工しようとするダクトのルート全体の圧力損失を求め,これを「全圧力損失設計目標値」とする(ステップS2)。かかる処理は従前の等摩擦法と変わるところはない。この値は必ずしもコンピュータによってその都度計算する必要はなく,設計図等で定められていれば,その数値をそのまま用いてもよい。これによってダクトサイズが一次設定される。一次設定されたダクトサイズのイメージを図2に示した。
【0024】
図2においては,一次設定されたダクトサイズにおけるダクトの種類が,例えばA〜Jの10種類である。なお各ダクト間には,設計段階においてもホッパ1〜9が配置される。また図2においては,本発明を利用して演算に付されるダクトルートのうち,メインダクトが簡略化して図示されている。しかし実際には各ダクトピース(単位ダクトに相当する)A〜Jからは枝ダクトが適宜分岐し,吹出口(このダクト系が排気ダクトの場合には吸込口)に連通している。また実際にはメインダクトであっても曲がりや,上がり,下がりがあるが,説明の都合上直線で示している。そしてこれらのダクト系が建物には複数施工され,各ダクト系毎に後述の演算処理がなされることになる。
【0025】
次いで前記した基準摩擦損失値を上限として,使用するn種類のダクトサイズを選定する(ステップS3)。例えば,施工しようとする現場の状況,納まり具合,入手できるダクト,コストなどを総合的に勘案して任意に選定する。例えば本実施の形態においては,角ダクトである以下のダクトA,B,E,Gの4種類を選定し,種類を集約した。なおカッコ内は,板厚を示している。
A.1200×300(0.8mm)
B.1000×300(0.8mm),
E.750×300(0.6mm),
G.450×300(0.5mm),
すなわち各ダクトのサイズは,ダクトA>ダクトB>ダクトE>ダクトGである。この集約化によって,図2に示した集約前のダクトC,Dは,集約後のダクトBに,集約前のダクトFは集約後のダクトEに,集約前のダクトH,I,Jは集約後のダクトGに各々サイズが置換される。
【0026】
以上のように本実施の形態では,4種類のサイズのダクトを選定したので,図1のフローでいうところのxは,x=4となる。なお説明の都合上,選択したダクトA,B,E,Gのサイズは,一次設定した図2のダクトサイズのダクトA〜Jから選択したが,もちろん選定しようとする個々のダクトは,一次設定したダクトサイズから選択する必要はない。
【0027】
そして図2に示した一次設定したダクトサイズを,選定した前記4種類のサイズのダクトA,B,E,Gに置き換える。置き換えにあたっては,まずダクト末端から置換処理を行い(図2について言えば,最も末端寄りに位置し,サイズが最も小さいダクトJから順に,選定したダクトの中で最も小さいダクトGから順に置き換えていく。置換に当たっては,摩擦損失が基準摩擦損失値(前出の例えば1Pa/m)になる位置(ダクトサイズが変わる境界位置)を求め,順次,基準摩擦損失値を超えない範囲で一次設定したダクトJ〜Aを,選定したダクトG,E,B,Aに置換していく。このとき置換されたダクトA,B,E,Gの全体の圧力損失を仮に「仮圧力損失」とすると,単位ダクトの集合体であるダクトA,B,E,Gは,その各々の中で最も大きい単位ダクトの大きさを採用しているため,その結果は基準摩擦損失値>仮圧力損失となる。なお同一サイズの単位ダクトが適宜のフランジ,パッキン,継手等の接続具を介して接続,延設された集合体を集合ダクトモジュールという。
【0028】
置換後のダクトA,B,E,Gは各々単位ダクトの集合である集合ダクトモジュールである。本実施の形態では,図3に示したように,例えば集合ダクトモジュールAは,単位ダクトA1,A2によって構成され,集合ダクトモジュールBは単位ダクトB1,B2,B3,B4によって構成され,集合ダクトモジュールEは単位ダクトE1,E2,E3によって構成され,集合ダクトモジュールGは,単位ダクトG1,G2,G3,G4,G5によって構成されている。定尺物を用いることができる。定尺は,国土交通省基準では,約1.74mであるが,最近は約1.13mのものも販売されている。これらはダクト製作の際の鉄板のロール幅に依存している。
【0029】
次いで,当初選定したx=4の中で最も大きいダクトを意味するn=1から順に処理すべくフラグを立てる(ステップS4)。そして送風機側に設置されることになる最も大きいサイズの集合ダクトモジュールA全体を1ランク小さい集合ダクトモジュールBに変更して,そのときの全圧力損失を算出する(ステップS5)。最も大きいサイズの集合ダクトモジュールA全体を1ランク小さい集合ダクトモジュールBに変更したイメージを図4に示した。このとき集合ダクトモジュールBは,単位ダクトB1〜B6によって構成されることになる。
【0030】
そして集合ダクトモジュールA全体を1ランク小さい集合ダクトモジュールBに変更した後の全体(ダクトHから単位ダクトB6に至までのダクト全体,たとえば送風機から吹出口に到る系全体)の圧力損失を「1次全圧力損失」として算出し,これを「全圧力損失設計目標値」と比較すると次の3通りとなる。
(1)「全圧力損失設計目標値」≒「1次全圧力損失」(計算結果)
(2)「全圧力損失設計目標値」<「1次全圧力損失」(計算結果)
(3)「全圧力損失設計目標値」>「1次全圧力損失」(計算結果)
【0031】
実際の処理では,まず「全圧力損失設計目標値」≒「1次全圧力損失」かどうかが調べられ(ステップS6),「全圧力損失設計目標値」≒「1次全圧力損失」の場合には,その時点で処理を終了し,そのときの各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定する(ステップS7)。すなわち図4の状態で,設計が終了する。
【0032】
一方,ステップS6において,「全圧力損失設計目標値≒1次全圧力損失」でなかった場合には,「全圧力損失設計目標値」<「1次全圧力損失」かどうかが調べられる(ステップS11)。そして「全圧力損失設計目標値」<「1次圧力損失」の場合には,その時点で最も大きいサイズの集合ダクトモジュールBを,集合ダクトモジュールBを構成する単位ダクトBxごとに送風機側から1ランク大きいものに変更して,その都度全圧力損失を算出する(ステップS12)。図4の状態から即していえば,その時点で最も大きい集合ダクトモジュールBを構成している単位ダクトB1〜B6の中で,通過風量の大きい最も送風機よりの単位ダクトB6から順に,1サイズ大きい単位ダクトAxに変えて,その都度全圧力損失を算出するのである。最も送風機よりの単位ダクトB6を,1サイズ大きい単位ダクトA1に上げた様子を図5に示した。このような処理を,「全圧力損失設計目標値≒1次全圧力損失」になるまで繰り返し行い,「全圧力損失設計目標値≒1次全圧力損失」となった時点で処理を終了し,そのときのダクトサイズを採用ダクトに決定する。
【0033】
前出ステップS11において,「全圧力損失設計目標値」>「1次全圧力損失」だった場合には,その時点で最も大きいサイズの集合ダクトモジュール全体を1ランク小さいものに変更して全圧力損失を算出する。すなわちn=n+1(当初選定したx=4のうちで2番目に大きいことを意味する)と変更し(ステップS21),ステップS5に戻って,1ランク小さいものに変更して,全圧力損失を算出する。図4の状態から即して言えば,図4の状態で最も大きいサイズのダクトは,集合ダクトモジュールBであったから,この集合ダクトモジュールB全体を1ランク小さい集合ダクトモジュールEに変更し,全圧力損失を算出する。集合ダクトモジュールB全体を1ランク小さい集合ダクトモジュールEに変更したイメージを図6に示した。このとき集合ダクトモジュールEは,単位ダクトE1〜E9によって構成されることになる。
【0034】
そして全圧力損失を算出した結果,
(3−1)全圧力損失設計目標値≒全圧力損失の場合には,そのときの各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定する(ステップS6,ステップS7)。
(3−2)全圧力損失設計目標値<全圧力損失の場合は,さらにその時点で最も大きいサイズの集合ダクトモジュールEを,単位ダクトExごとに送風機側から順に1ランク大きいものに変更して,その都度全圧力損失を算出する(ステップS12)。図6の状態から即していえば,その時点で最も大きい集合ダクトモジュールEを構成している単位ダクトE1〜E9の中で,最も送風機よりの単位ダクトE9から順に,1サイズ大きい単位ダクトBxに変えて,その都度全圧力損失を算出するのである。単位ダクトE9から順に処理を行い,単位ダクトE8,E7が各々1ランク,サイズの大きい単位ダクトB1,B2,B3に変更された状態を図7に示した。そしてこの状態で全圧力損失設計目標値≒全圧力損失の場合には,そこで処理を終了し,そのときのダクトサイズを採用ダクトに決定する。
【0035】
一方図6の時点で,未だ(3−3)全圧力損失設計目標値>全圧力損失の場合には,今度は集合ダクトモジュールE全体を,サイズが1ランク小さい集合ダクトモジュールGに変更して,以後,全圧力損失設計目標値≒全圧力損失になるまで上記した処理を繰り返して行うことになる。
【0036】
以上の第1の実施の形態によれば,例えば図4〜図7のいずれの状態で全圧力損失設計目標値≒全圧力損失処理となって設計処理が終了しても,採用されたダクトサイズは,一次設定された図2のダクトサイズと比較すれば,いずれも使用するダクトサイズの種類を,図2のものよりも減らすことができ,板厚の厚いダクトの数量は低減し,また必要なホッパの数も減少している。したがって従来よりも低コストで設計,施工が容易である。そして使用しようとするダクトの種類を予め用意してこれを規格化しておくことで,資材管理が容易でかつ極めてコストを抑えたダクトの施工が実現できる。なおステップS6,S11の判断を処理させる順番は逆でもよく,ステップS11で判断子を「設計値>算出値」とし,Yesの場合にはステップS21の処理を,Noの場合にはステップS12の処理をさせてもよい。
【0037】
以上の第1の実施の形態は,一次設定したダクトの送風機側の最も大きい集合ダクトモジュール全体を,一旦1ランク小さいサイズのものに変更するものであったが,以下に説明する第2の実施の形態のように,一次設定したダクトの通過風量の最も多い,送風機側の最も大きい集合ダクトモジュール全体の中で,最も末端寄りの単位ダクトのサイズを1ランク小さくするようにしてもよい。
【0038】
図8は第2の実施の形態のフローを示しており,ステップS50〜ステップS54までは,第1の実施の形態のステップS0〜ステップS4と同じであり,例えばステップS52で一次設定されたダクトサイズは第1の実施の形態と同じ図2のようであり,また使用するダクトの種類を選定した状態も,第1の実施の形態と同じ図3に示した通りである。
【0039】
そして第2の実施の形態においては,図3の状態から,まず通過風量の最も多い,送風機側に設置されることになる最も大きいサイズの集合ダクトモジュール(n=1)を構成する,より通過風量の少ない例えば送風機側からみて末端側の単位ダクトを1ランク小さいもの(n+1)に変更する(ステップS55)。図3の状態から即していえば,送風機側に設置されることになる最も大きいサイズのダクトはダクトAであり,これを構成する単位ダクトA1,A2の中で最も送風機から遠い(末端側の)単位ダクトA1を,1ランク小さいサイズのダクトBに変更する。すなわち1ランク小さいサイズの単位ダクトB5に変更する。変更した後のイメージを図9に示した。したがってこの時点で集合ダクトモジュールBは,単位ダクトB1〜B5によって構成される。
【0040】
次に本実施の形態では,ダクトの振動等を考慮して,ダクト風速のチェックを行なう。例えば劇場や放送局など,振動の影響が大きい用途の建物では,風速の増加を引き起こす形でのダクトサイズの縮小は禁物である。また一般建物においても,ダクトサイズの縮小は風速の上昇をもたらし,末端の吹出口から給気される空気で,居住者にドラフト感を与えるおそれがあり,風速のチェックが望ましい。
そしてそのときのダクトの風速を,与えられた風量と決定したダクトサイズから算出し,上限風速(設計値,与条件。この場合は8.0m/sec)と比較する(ステップS56)。そして算出値が上限値以下の場合には,全圧力損失を計算し(ステップS57),全圧力損失設計目標値と比較して,全圧力損失設計目標値≒全圧力損失(算出値)かどうかが調べられる(ステップS58)。その結果,全圧力損失設計目標値≒全圧力損失の場合は,そのときの各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定し,処理を終了する(ステップS59)する。すなわち図9の状態が採用ダクトサイズとなる。
【0041】
ステップS58において,全圧力損失が全圧力損失設計目標値の許容範囲に入っていない場合には,全圧力損失設計目標値<全圧力損失かどうかが調べられ(ステップS61),全圧力損失設計目標値<全圧力損失の場合は,そのときの各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定する。すなわちこの場合も図9の状態が採用ダクトサイズとなる。これは,集合ダクトモジュール内で,単位ダクトを最も大きいものに合わせており,かつ風速のチェックを経たことから,全圧力損失設計目標値の10%を超えていても許容できるためである。なお直管部材は,エルボやホッパと異なり,抵抗が少なく,10%を誤差とする考えの下でもそれによる圧力損失の上昇は1%未満である。
【0042】
一方ステップS61の結果,全圧力損失設計目標値>全圧力損失の場合には,その時点で最も大きいサイズの集合ダクトモジュールにおいて,まだ残余の単位ダクトがあるかどうかが調べられる(ステップS71)。図9に即していえば最も大きい集合ダクトモジュールAにおいて,まだそれを構成する単位ダクトAxが存在するかどうかが調べられる。そして未だ単位ダクトAxが残っている場合には,当該残っている単位ダクトAxのうちで最も末端側に位置する単位ダクトを1ランク小さいものに変更して計算に付す。つまり図9に即して言えば単位ダクトA2をBのサイズにサイズダウンしたうえで風速を算出する(ステップS55)。そしてステップS56以降,同様な処理が行われる。
【0043】
ステップS71の判断の結果,その時点で最も大きいサイズの集合ダクトモジュールにおいて,既に残余の単位ダクトがない場合には,その時点で最も送風機側に設置される集合ダクトモジュールのサイズを1ランク下げる(ステップS72)。そして1ランク下げた集合ダクトモジュールより,さらにより小さいサイズの集合ダクトモジュールの有無を調べる(ステップS73)。すなわち図10の状態において,集合ダクトモジュールBよりさらに小さい集合ダクトモジュールが存在するかどうかが調べられる。換言すれば,ここでは判断に付された集合ダクトモジュールは,メインダクトの端から端まで同一サイズであるかを調べている。
【0044】
仮に集合ダクトモジュールBより小さい集合ダクトモジュールが存在しない場合には,そのときの各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定する(ステップS74)。1つ前の処理では設計値を下回っているので,ここで超えても誤差の範囲を逸脱しない。
集合ダクトモジュールBより小さい集合ダクトモジュールが存在する場合には(図10では集合ダクトモジュールBよりも小さい集合ダクトモジュールがEが存在する),ステップS55に戻り,以下,集合ダクトモジュールBを構成する単位ダクトB1〜B6のうち,末端側の単位ダクトB1を1ランク小さいサイズに変更して,そのときの風速が計算されステップS56へと移っていく。末端側の単位ダクトB1を1ランク小さいサイズの単位ダクトE4に変更した状態を図11に示した。そして全圧力損失設計目標値≦全圧力損失とならない場合には,次の末端側の単位ダクトB2を1ランク下げて単位ダクトE5に変更される。このようにして集合ダクトモジュールBにおける末端側から3番目の単位ダクトB3まで1ランク下げられた状態を図12に示した。
【0045】
一方ステップS56で,風速チェックを行なったが,そのときの算出値が設計値を超えていた場合,ダクト全体を一旦元のサイズに戻したうえ(ステップS81,図3の状態に戻る),より小さい集合ダクトモジュール(図3では集合ダクトモジュールB)でのサイズダウンを試みる(ステップS82)。換言すれば,最も板厚の厚い集合ダクトモジュールAでの薄厚化を断念し,次に厚い集合ダクトモジュールBを,Eのサイズに移行することを試みるのである。
【0046】
なおステップS55の風速チェックのルーティンは,全圧力損失値の比較ルーティンの前でなく,その後であってもよい。つまりステップS59,S62,S74の直前に行なってもよい。
【0047】
このように第2の実施の形態によっても,第1の実施の形態と同様,採用されたダクトサイズは,一次設定された図2のダクトサイズと比較すれば,いずれも使用するダクトサイズの種類を,図2のものよりも減らすことができ,板厚の厚いダクトの数量は低減し,また必要なホッパの数も減少している。したがって従来よりも低コストで設計,施工が容易である。そして使用しようとするダクトの種類を予め用意してこれを規格化しておくことで,資材管理が容易でかつ極めてコストを抑えたダクトの施工が実現できる。しかも風速をチェックするため,より高い品質の設備を実現できる。
【0048】
なお前記各実施の形態においては,使用しようとするダクトサイズをたとえば4種類(ダクトA,B,E,G)として,これに置換した後は,集合ダクトモジュールA,B,E,Gを構成する単位ダクトごと調整,演算によって(ステップS12,55),適切なダクトサイズを決定するようにしていたが,それに限らず,例えばあらかじめ規格化した単位ダクトサイズのテーブルを用意しておき(例えばコンピュータの記憶装置に記録しておく),当該テーブルの中から選択するようにして調整,演算するようにしてもよい。
【0049】
すなわち,単位ダクトのダクトサイズごとにその風量,風速,単位摩擦損失,ダクトの板厚,許容できる最大風速のデータをテーブルとして適宜の記憶媒体に記憶させておく。そしてダクトサイズを拡大,縮小する際に,このテーブルから選択するようにすれば,ダクト資材をより規格化でき,管理が改善する。例えばホッパやエルボ等の継手類も,当該テーブルに関係したものに限定したものを在庫しておくことができる。
【0050】
また上記したテーブルを用意すると,一次設定したダクトを,使用しようとするダクトサイズのものに置き換える際,一次設定した個々のダクトからサイズを選択するのではなく,テーブルに記載した単位ダクトによる集合ダクトモジュールを構成して,その中から選択することが可能になり,より適切なダクトサイズを決定することができ,しかもダクト資材を規格化して,管理が容易になる。
【0051】
なお本発明は,角ダクトに限らず円形ダクトについてももちろん適用可能である。また説明の便宜上,ダクトサイズの変遷を逐次示していたが,実際にコンピュータに一連の処理を実行させる場合には,その置換や,変更した都度,その状態を画面に表示する必要はない。そのようなことは本発明の本質とは関係がない。したがって例えば,表計算ソフトにステップS1やステップS51のパラメータとダクトルートに連なる部材の諸元を入力し,その入力シートに演算によって変更された部材と,そのサイズを色を変えて表示させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は,ダクトを施工する際の設計段階において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1の実施の形態にかかるダクトサイズ決定方法のプロセスを示すフロー図である。
【図2】一次設定された後のダクトサイズのイメージを示す側面図である。
【図3】図2のダクトサイズを,選定した種類のダクトに置換した後の状態を示す側面図である。
【図4】図3の状態から,最も大きい送風機側の集合ダクトモジュール全体のサイズを1ランク小さくした状態を示す側面図である。
【図5】図4の状態から,最も大きい送風機側の単位ダクトを1ランク大きくした状態を示す側面図である。
【図6】図4の状態から,最も大きい送風機側の集合ダクトモジュール全体のサイズを1ランク小さくした状態を示す側面図である。
【図7】図6の状態から,最も大きい送風機側の単位ダクトを1ランクずつ順次大きくした状態を示す側面図である。
【図8】第2の実施の形態にかかるダクトサイズ決定方法のプロセスを示すフロー図である。
【図9】図3の状態から,最も大きい末端側の単位ダクトのサイズを1ランク小さくした状態を示す側面図である。
【図10】図9の状態から,最も大きい末端側の単位ダクトのサイズを1ランク小さくした状態を示す側面図である。
【図11】図10の状態から,最も大きい末端側の単位ダクトのサイズを1ランク小さくした状態を示す側面図である。
【図12】図11の状態から,最も大きい末端側の単位ダクトのサイズを順次1ランク小さくしていった状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0054】
1〜9 ホッパ
A〜J ダクト
A1〜A2,B1〜B6,E1〜E9,G1〜G5 単位ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工しようとするダクト配管に使用する個々のダクトのサイズを決定する方法において,
個々のダクトの単位長さあたりの所定の圧力損失に基づいて個々のダクトのサイズを一次設定し,そのときの全圧力損失を求めて全圧力損失設計目標値を決定する工程と,
使用しようとする異なった大きさのダクトの種類の最大数を,前記一次設定したダクトの数よりも少ない範囲で予め定める工程と,
前記一次設定した個々のダクトのサイズを,前記単位長さあたりの所定の圧力損失を超えない範囲で,前記予め定めた複数種類のサイズのダクトの集合ダクトモジュールに置換する工程と,
次いで,送風機側に設置されることになる最も大きいサイズの集合ダクトモジュール全体を1ランク小さいものに変更して,そのときの全圧力損失を算出し,当該算出結果に基づいて下記の(1)〜(3)のいずれかを行うことを特徴とする,ダクトサイズの決定方法。
(1)全圧力損失設計目標値≒全圧力損失の場合は,そのときの各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定する。
(2)全圧力損失設計目標値<全圧力損失の場合は,その時点で最も大きいサイズの集合ダクトモジュールを構成する単位ダクトごとに,送風機側から1ランク大きいものに変更し,その都度全圧力損失を算出し,全圧力損失設計目標値≒全圧力損失になるまで繰り返しの処理を行う。
(3)全圧力損失設計目標値>全圧力損失の場合は,その時点で最も大きいサイズの集合ダクトモジュール全体を1ランク小さいものに変更して全圧力損失を算出し,
(3−1)全圧力損失設計目標値≒全圧力損失の場合には,そのときの各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定し,
(3−2)全圧力損失設計目標値<全圧力損失の場合は,上記(2)の処理を行い,
(3−3)全圧力損失設計目標値>全圧力損失の場合には,全圧力損失設計目標値≒全圧力損失になるまで上記(3)の処理を繰り返して行う。
【請求項2】
施工しようとするダクト配管に使用される個々のダクトのサイズを決定する方法において,
個々のダクトの単位長さあたりの所定の圧力損失に基づいて個々のダクトのサイズを一次設定し,そのときの全圧力損失を求めて全圧力損失設計目標値を決定する工程と,
使用しようとする異なった大きさのダクトの種類の最大数を,前記一次設定したダクトの数よりも少ない範囲で予め定める工程と,
前記一次設定した個々のダクトのサイズを,前記単位長さあたりの所定の圧力損失を超えない範囲で,前記予め定めた複数種類のサイズのダクトの集合ダクトモジュールに置換する工程と,
次いで,送風機側に設置されることになる最も大きいサイズの集合ダクトモジュールを構成する末端側の単位ダクトを1ランク小さいものに変更して,そのときの風速を計算し,当該計算結果に基づいて,下記のA又はBの処理を繰り返し行って,採用ダクトサイズを決定することを特徴とする,ダクトサイズの決定方法。
A.当該計算結果が,上限風速以下の場合には,全圧力損失を算出し,当該算出結果に基づいて下記の(1)〜(3)のいずれかの処理を行う。
(1)全圧力損失設計目標値≒全圧力損失の場合は,そのときの各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定する。
(2)全圧力損失設計目標値<全圧力損失の場合は,そのときの各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定する。
(3)全圧力損失設計目標値>全圧力損失の場合は,その時点で最も大きいサイズの集合ダクトモジュールにおいて,まだ当該集合ダクトモジュールを構成する単位ダクトが他にあるかどうかを調べ,
(3−1)もはや他の単位ダクトがない場合には,その時点で最も送風機側に設置されるダクトのサイズを1ランク下げると共に,さらにその下のランクのサイズのダクトの有無を調べ,
(3−1−1)当該その下のランクのサイズのダクトがない場合には,その時点での各ダクトのサイズを採用ダクトサイズに決定する。
(3−1−2)当該その下のランクのサイズのダクトがある場合には,前記1ランク下げた後の集合ダクトモジュールにおける末端側の単位ダクトを1ランク小さいものに変更して,そのときの風速を計算し,再び上記Aの処理に戻る。
(3−2)未だ単位ダクトが残っている場合には,当該残っている単位ダクトのうちで最も末端側に位置する単位ダクトを1ランク小さいものに変更して,そのときの風速を計算し,以下,上記Aの処理に戻る。
B.当該計算結果が,上限風速を超える場合には,前記予め定めた複数種類のサイズのダクトの集合ダクトモジュールに置換したときのサイズに一旦戻し,
その時点で送風機側に設置されることになる,次に大きいサイズの集合ダクトモジュールを構成する単位ダクトの中で,最も末端側の単位ダクトを1ランク小さいものに変更して,そのときの風速を計算し,以下,上記Aの処理に戻る。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−147102(P2007−147102A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338433(P2005−338433)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000169499)高砂熱学工業株式会社 (287)
【Fターム(参考)】