説明

ダミー容器用の表示シート

【課題】この発明は、フルボトルタイプ及びハーフボトルタイプの何れにも対応できて、簡単にして自在に着脱し得て、商品見本情報と販売促進情報とを容易に識別し得るように表示し、高い販売促進効果を発揮し得る交換式の表示シートを提供せんとするものである。
【解決手段】板状の基材に、商品見本情報を施してなる略方形状の商品見本情報表示部と、この商品見本情報表示部の上部に連結部を介して形成される販売促進情報を表示するための所定の形状及び面積を有する販売促進情報表示部とを形成し、商品見本情報表示部をダミー容器の胴部に対し着脱自在に装着し得るように構成すると共に、装着時には販売促進情報表示部がダミー容器の最上部よりも上方に位置するように構成し、連結部が販売促進情報表示部の左右両端の近傍から少なくとも二つそれぞれ下方に位置する商品見本情報表示部に向かって延在する略帯状の連結帯から構成され、該二つの連結帯と販売促進情報表示部と商品見本情報表示部によって囲繞されてなる板状の基材の表裏に貫通した開口部を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動販売機のダミー容器に対して着脱自在に装着し得るように構成される商品見本情報と販売促進情報が表示された表示シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の所謂ダミー容器と呼ばれる自動販売機における商品見本容器の表示は、販売商品の図柄や文字とほぼ同一の表示を有するデザインを直接ダミー容器の外装に施したものが一般的に普及している。またこの他、ダミー容器に施される表示だけを、ダミー容器とは別個に交換し得るように工夫されたものがある。この種のものとしては、例えば、特開2004−152019号公報に開示されているように、ペットボトル見本としてのダミー容器の腹部を全体に渡って覆う着脱自在に構成されるシートに販売商品の図柄や文字とほぼ同一の商品見本情報の表示を施した交換式の表示シートがあった。しかし、この手の表示シートは、交換式ではあるものの商品見本情報のみの表示を目的としており、販売促進情報を併記することは販売商品との相違ができてしまうという点において好ましくない。
【0003】
また、特開2004−78384号公報に示されているように、商品見本情報を施した商品見本情報表示部の直上に販売促進情報を施した販売促進情報表示部を形成して、商品見本情報と販売促進情報を合わせて表示するように構成したシートを、ダミー容器の腹部前面に着脱自在に係入し得るように構成し、装着時には販売促進情報表示部の一部が被装着体であるダミー容器の最上部から上方にはみ出して位置するように構成されたものがあった。このような交換式の表示シートの場合には、商品見本情報に加えて販売促進情報を記載し得る点において、先述のタイプの表示シートより優れた販売促進効果が期待し得る。しかしこの場合、販売促進情報表示部は、連結部を介在させず商品見本情報表示部に対して連接して配置されているため、販売促進情報表示部が商品見本情報表示部の直上に位置する格好となり、商品見本情報と販売促進情報との境目が分かり難くなって、販売促進効果を低減させる要因となる畏れがあった。また、商品見本情報表示部と販売促進情報表示部との間に、連結部を単に直線的に設けた場合には、商品見本情報と販売促進情報との距離を離すことになるので互いの境目がより分かり易くなるものの、表示シートの被装着体であるダミー容器の最上部からの該表示シートのはみ出し部分がダミー容器の湾曲に沿って大きくなるため、ダミー容器が長くなったように錯覚を起こし販売商品自体のサイズを誤解される畏れがある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−152019号公報
【特許文献2】特開2004−78384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、フルボトルタイプ及びハーフボトルタイプの何れにも対応できて、簡単にして自在に着脱し得て、商品見本情報と販売促進情報とを容易に識別し得るように表示し、高い販売促進効果を発揮し得る交換式の表示シートを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
板状の基材に、販売商品とほぼ同等の図や色柄、文字等からなる商品見本情報を施してなる略方形状の販売情報表示部と、この商品見本情報表示部の上部に連結部を介して形成される商品見本情報を補って販売促進効果を向上させるための販売促進情報を表示するための所定の形状及び面積を有する販売促進情報表示部とを形成し、商品見本情報表示部をダミー容器の胴部に対し着脱自在に装着し得るように構成すると共に、装着時には販売促進情報表示部がダミー容器の最上部よりも上方に位置するように構成し、連結部が販売促進情報表示部の左右両端の近傍から少なくとも二つそれぞれ下方に位置する商品見本情報表示部に向かって延在する略帯状の連結帯から構成され、該二つの連結帯と販売促進情報表示部と商品見本情報表示部によって囲繞されてなる板状の基材の表裏に貫通した開口部を有することを特徴とする。
【0007】
また、商品見本情報表示部から上方に向かって延在して形成される帯状の連結帯が、商品見本情報表示部の上端辺より若干下方の位置まで到達する切り込みを以て構成されることを特徴とし、連結帯の下端の付け根から上端までの長さが、ダミー容器の表示シートを装着するための開口部における上縁の鉛直方向の長さよりも長く形成されることを特徴とする。
【0008】
また、板状の基材の商品見本情報表示部の左右の所定位置に、それぞれ上端から下端にかけて易切断線が形成され、該易切断線に沿ってそれより外側の部分を切り離すことによって、ハーフダミー容器用の表示シートとすることができるように構成されることを特徴とし、また非切断状態ではフルボトルタイプのダミー容器用の表示シートとすることができるように構成し得ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、販売促進情報表示部が平面的に配置し得るように構成することによって、商品見本情報と販売促進情報とを混同されずに表示することができると共に、ダミー容器よりも販売促進情報表示部が上方に位置するように構成することによって、視覚的に立体感を与え、高い販売促進効果を発揮し得るという効果がある。
【0010】
また、当該発明の表示シートは、全体的にその形状を直線からなる方形状に形成することができ型抜き性がよく、ダミー容器に対する着脱或いは係入のための形状の複雑化を防ぐことができ、その分、低コスト化を図ることができるという効果がある。
【0011】
また、表示シートに易切断線を設けたことによって、複雑な操作を必要とせず簡単にして、フルボトルタイプ及びハーフボトルタイプの何れにも対応できるという効果がある。
【0012】
また、販売促進情報表示部を商品見本情報表示部上に重畳した状態で表示シートをダミー容器に装着した後、販売促進情報表示部を起立させるので、従来のように販売促進情報表示部が突出した表示シートを装着するの比して、装着時に販売促進情報表示部がダミー容器と接触することがないため、表示シートを容易にダミー容器に装着させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この発明の好ましい実施の形態を、以下に詳細に説明する。図1は、自動販売機の展示部に商品見本として配設されるダミー容器に装着して使用する当該発明を適用したダミー容器用の表示シート(1)の拡開状態を示す正面図であり、図2は図1に示す表示シート(1)をフルボトルタイプのダミー容器(2)に対して装着した状態を示す斜視図であり、図3は図2における表示シート(1)の状態を示す中央縦断面図であり、図4は図1に示す表示シート(1)をハーフボトルタイプのダミー容器(3)に対して装着した状態示す斜視図である。図5は、開口部(4)を有せず略直線的に形成された連結部(5)を有して構成される表示シート(6)の拡開状態を示す正面図であり、図6は図5に示す表示シート(6)をフルボトルタイプのダミー容器(2)に対して装着した状態を示す斜視図であり、図7は図5に示す表示シート(6)をハーフボトルタイプのダミー容器(3)に対して装着した状態示す斜視図である。
【0014】
図1に示すように、本発明を適用したダミー容器(2)用の表示シート(1)は、板状の基材(7)を高さがほぼダミー容器(2)の高さに一致し、幅がダミー容器(2)の少なくとも胴部に形成された開口部(3)を覆う長さとなるように略方形状に形成し、且つハーフボトルタイプのダミー容器(3)の胴部の開口部(8)を覆う長さとなるように該基材(7)の左右両端からの所定の位置(h)(i)それぞれの上端から下端にかけて易切断線(9a)(9b)を形成し、該基材(7)の表面上に販売商品の表示とほぼ同等の表示である商品見本情報を施してなる商品見本情報表示部(10)を有している。また、この商品見本情報表示部(10)の上端の所定位置(j)(k)からそれぞれ上方に向かって延在する互いに所定間隔を以て形成される二つの帯状の連結帯(11a)(11b)からなる連結部(17)を有しており、この連結部(17)の上端に販売促進情報を施してなる略方形状の販売促進情報表示部(12)を有する。従って、連結部(17)は、二つの連結帯(11a)(11b)と商品見本情報表示部(10)と販売促進情報表示部(12)とによって囲繞されてなる基材(7)の表裏に貫通した開口部(4)を有する格好となっている。また、商品見本情報表示部(10)の上端から延在する連結帯(11a)(11b)は、該上端辺から下方に向かって若干切り込まれその付け根(13a)(13b)位置が前記上端辺より若干下方に位置するように構成されている。
【0015】
図2、3に示すように、本実施の形態におけるフルボトルタイプのダミー容器(2)は、販売商品ボトルのサイズ及び形状を模した略円筒形の本体の胴部前面にその上下の縁部を残して左右の切断部がほぼ鉛直となるように切除して開口部(8)が形成されている。このダミー容器(2)に、図1に示した当該発明の表示シート(1)を装着するときには、まず連結帯(11a)(11b)の根元部を折曲して販売促進情報表示部(12)を商品見本情報表示部(10)上へ重畳した後、該表示シート(1)の表面を手前に突出するように湾曲させつつダミー容器(2)の前記開口部(8)のそれぞれの対応する位置に係入する。次に連結帯(11a)(11b)によって接続された販売促進情報表示部(12)を手前に起こしダミー容器(2)上方へ起立させる。これにより装着時に、販売促進情報表示部(12)がダミー容器(2)と接触せず、表示シート(1)をダミー容器(2)に容易に装着することが可能となる。
【0016】
この際、左右の連結帯(11a)(11b)は、図4に示すようにダミー容器(2)の開口部(8)の上端縁(14)の外側に位置する配置となり、丁度、該上端縁(14)の外側に位置する連結帯(11a)(11b)と、内側に位置する上端係入部(15)とによって該上端縁(14)が表示シート(1)に狭持された格好となり、装着時の安定性が高められると共に、販売促進情報表示部(12)をダミー容器(2)の上部にほぼ垂直に立ち上げることができるようになっている。従って、図3から明らかなように、表示シート(1)の連結帯(11a)(11b)の鉛直方向の長さは前記開口部(8)の上端縁(14)の鉛直方向の長さよりも若干長目に形成されている。
【0017】
そして、商品見本情報表示部(10)の下端を、該ダミー容器(2)の開口部(8)の下端縁(16)の内側に係入して表示シート(1)の装着を完了する。以上のように表示シート(1)を構成することによって、表示シート(1)の装着時において、販売促進情報表示部(12)が湾曲することなく平面化された状態でダミー容器(2)の上部に配置することができ、従って、商品見本情報と販売促進情報とを容易に識別し得るようにできると共に、販売促進情報についても視覚的に立体感を与えて販売促進効果の向上を図ることができるように構成されている。
【0018】
また、図1に示した表示シート(1)の左右の易切断線(9a)(9b)に沿ってそれらより外側の部分を切り離すことで、当該発明の表示シート(1)をハーフボトルタイプのダミー容器(3)用の表示シート(1)にすることができる。ただし、左右の連結帯(11a)(11b)の形成位置は、左右それぞれに形成される易切断線(9a)(9b)の形成位置よりも内側となるようにする必要がある。このように表示シート(1)をハーフボトルタイプ用にしたものをハーフボトルタイプのダミー容器(3)に装着した状態を示したのが図5である。
【0019】
上述の如くに構成した表示シート(1)に対し、図6には従来のように、連結部(5)に開口部(4)を形成せず、また商品見本情報表示部(18)の周縁部は図1に示した表示シート(1)のような直線的なものではなく、多少複雑な凹凸を有するように形成されて構成された表示シート(6)を示している。このような表示シート(6)の場合、例えば図2,3に示したフルボトルタイプのダミー容器(2)に装着する場合、図7に示すように、連結部(5)がダミー容器(2)の開口部(8)の上端縁(14)の外側に位置するように配置されるが、一カ所において広い面積で販売促進情報表示部(12)を支持する格好となるため、販売促進情報表示部(12)が連結部(5)につられて湾曲したり、或いは前方に傾斜したりして販売促進効果を減少させる要因となる。これを防止する目的で、連結部(5)の幅を狭くすれば、販売促進情報表示部(12)の湾曲を抑制し平面化させることができるようになるが、連結部(5)と上端係入部(19)とによるダミー容器(2)の開口部(8)の上端縁(14)を狭持する力が弱くなり、装着時の安定性や抜け止効果を減少させてしまうことになる。勿論、図8に示すようなハーフボトルタイプのダミー容器(3)についても上記と同様の問題が生じることになる。
【0020】
これらのことからも、連結部(5)には図1に示した表示シート(1)のように開口部(4)を形成することが必要となるということが理解される。また特に、連結帯(11a)(11b)の幅は広過ぎれば上述と同様の理由から販売促進情報表示部(12)を湾曲させてしまったり、前方に傾斜させてしまうことになり、狭過ぎれば装着時の安定性等が低下する要因となるので適当な幅とすることが好ましく、左右の連結帯(11a)(11b)同士の間隔は狭過ぎればやはり、開口部(4)を有しない幅広の連結部(5)と同じような結果となり、逆に広過ぎればダミー容器(2)(3)の上部に位置する販売促進情報表示部(12)がダミー容器(2)(3)の前端位置から奥まってしまって販売促進効果を低下させる要因となると考えられるので、適当な間隔を以て左右の連結帯(11a)(11b)を配置することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】自動販売機の展示部に商品見本として配設されるダミー容器に装着して使用する当該発明を適用したダミー容器用の表示シートの拡開状態を示す正面図
【図2】図1に示す表示シートをフルボトルタイプのダミー容器に装着する準備段階を示す斜視図
【図3】図1に示す表示シートをフルボトルタイプのダミー容器に対して装着した状態を示す斜視図
【図4】図3における表示シートの状態を示す断面図
【図5】図1に示す表示シートをハーフボトルタイプのダミー容器に対して装着した状態示す斜視図
【図6】開口部を有せず略直線的に形成された連結部を有して構成される表示シートの拡開状態を示す正面図
【図7】図6に示す表示シートをフルボトルタイプのダミー容器に対して装着した状態を示す斜視図
【図8】図6に示す表示シートをハーフボトルタイプのダミー容器に対して装着した状態示す斜視図
【符号の説明】
【0022】
1 表示シート
2 フルボトルタイプのダミー容器
3 ハーフボトルタイプのダミー容器
4 開口部
5 連結部
6 表示シート
7 基材
8 開口部
9a 易切断線
9b 易切断線
10 商品見本情報表示部
11a 連結帯
11b 連結帯
12 販売促進情報表示部
13a 付け根
13b 付け根
14 上端縁
15 上端係入部
16 下端縁
17 連結部
18 商品見本情報表示部
19 上端係入部
h 左端からの所定の位置
i 右端からの所定の位置
j 位置
k 位置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の基材を、販売商品とほぼ同等の図や色柄、文字等からなる表品見本情報を施してなる略方形状の商品見本情報表示部と、この商品見本情報表示部の上部に、連結部を介して形成される商品見本情報を補って販売促進効果を向上させるための販売促進情報を表示するための所定の形状及び面積を有する販売促進情報表示部とから構成し、商品見本情報表示部をダミー容器の胴部に対し着脱自在に装着し得るように構成すると共に、装着時には販売促進情報表示部がダミー容器の最上部よりも上方に位置するように構成され、連結部が販売促進情報表示部の左右両端の近傍から少なくとも二つそれぞれ下方に位置する商品見本情報表示部に向かって延在する略帯状の連結帯から構成され、該二つの連結帯と販売促進情報表示部と商品見本情報表示部によって囲繞されてなる板状の基材の表裏に貫通した開口部を有することを特徴とするダミー容器用の表示シート。
【請求項2】
商品見本情報表示部から上方に向かって延在して形成される帯状の連結帯が、商品見本情報表示部の上端辺より若干下方の位置まで到達する切り込みを以て構成されることを特徴とする請求項1に記載の表示シート。
【請求項3】
連結帯の下端の付け根から上端までの長さが、ダミー容器の表示シートを装着するための開口部における上縁の鉛直方向の長さよりも長く形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示シート。
【請求項4】
板状の基材の商品見本情報表示部の左右の所定位置に、それぞれ上端から下端にかけて易切断線が形成され、該易切断線に沿ってそれより外側の部分を切り離すことによって、ハーフダミー容器用の表示シートとすることができるように構成されることを特徴とする請求項1乃至3に記載の表示シート。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate