説明

チェーン端末取付治具

【課題】 簡易にチェーンの端末を取付部材に取り付けることをできるチェーン端末取付治具を提供する。
【解決手段】
従来のチェーン端末取付治具に変わって、上下方向に多段に積み重なった複数の駐車空間を形成する主要な構造体である主構造体と、チェーンプレートの嵌まる段差である第一段差を形成する第一部材と、チェーンプレートの嵌まる段差である第二段差を形成し前記第二段差にチェーンプレートを嵌めたときにチェーンプレートの1対のチェーンピン穴の位置に一致する位置にチェーンピンの軸直径より僅かに大きな穴直径をもつ1対の逃げ用穴を設けられる第二部材と、前記第一部材と前記第二部材とを前記第一段差と前記第二段差とを対面させた姿勢を維持しつつ接近させることとをできる第三部材と、を備えるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーンの端末を取付部材に取り付けるためのチェーン端末取付治具に係る。特に、二多段方式駐車機構においてパレットを吊るためのチェーンの端末を取付部材に取り付けるためのチェーン端末取付治具に関する。
【背景技術】
【0002】
機械構造において、チェーンの端末を取付部材を介して対象物に取り付ける構造を採用することがある。
例えば、二段方式・多段方式駐車機構では、上下方向に多段に積み重ねられた複数の駐車空間を配列し、パレットを複数の駐車空間の間で移動させ、パレットに車両を搭載する。地面と平面を一致する駐車空間は入出庫空間を兼ねる。
パレットを移動させるのに昇降機器を用いる。
昇降機器は、電動モータとスプロケットとチェーンとで構成される。
例えば、チェーンは、一方の端末を取付部材を介して対象物に固定し、スプロケットに巻きかけ、他方の端末を取付部材を介して基礎またはパレットに固定する。
【0003】
チェーンの端末を取付部材に取り付ける構造は、取付用のチェーンピンをチェーンの端末のチェーンプレートに設けられた自由端側のチェーンピン穴と取付部材に設けられた取付用チェーンピッチ穴とに挿入して抜け止め処理を施される構造をもつ。
【0004】
チェーンの端末を取付部材に取り付ける作業は、現場で行われることが多い。
取付用チェーンピンに傷がついていたり、取付用チェーンピンが曲っていたりすると、取付用チェーンピンが期待される機能を発揮できないことがある。
そのために、取付用チェーンピンをチェーンピン穴と取付用チェーンピッチ穴とに挿入する作業をするときに慎重な作業を要する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易にチェーンの端末を取付部材に取り付けることをできるチェーン端末取付治具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る1対のチェーンピン穴を各々に設けられた複数のチェーンプレートの互いのチェーンピン穴をチェーンピンにより連結されてできたチェーンの端末のチェーンプレートを取付用チェーンピン穴を設けられた取付部材に取り付けるためのチェーン端末取付治具であって、チェーンプレートの嵌まる段差である第一段差を形成する第一部材と、チェーンプレートの嵌まる段差である第二段差を形成し前記第二段差にチェーンプレートを嵌めたときにチェーンプレートの1対のチェーンピン穴の位置に一致する位置にチェーンピンの軸直径より僅かに大きな穴直径をもつ1対の逃げ用穴を設けられる第二部材と、前記第一部材と前記第二部材とを前記第一段差と前記第二段差とを対面させた姿勢を維持しつつ接近させることとをできる第三部材と、を備えるものとする。
【0007】
上記本発明の構成により、チェーンが、1対のチェーンピン穴を各々に設けられたチェーンプレートの互いのチェーンピン穴をチェーンピンにより連結されてできる。チェーン端末取付治具が、チェーンの端末のチェーンプレートを取付用チェーンピン穴を設けられた取付部材に取り付けるためのである。第一部材が、チェーンプレートの嵌まる段差である第一段差を形成する。第二部材が、チェーンプレートの嵌まる段差である第二段差を形成し、前記第二段差にチェーンプレートを嵌めたときにチェーンプレートの1対のチェーンピン穴の位置に一致する位置にチェーンピンの軸直径より僅かに大きな穴直径をもつ1対の逃げ用穴を設けられる。第三部材が、前記第一部材と前記第二部材とを前記第一段差と前記第二段差とを対面させた姿勢を維持しつつ接近させることとをできる。
その結果、チェーンの端末が1対のチェーンプレートで組み合わさせるときに、チェーンピンを一方のチェーンプレートのチェーンピン穴と取付用チェーンピン穴とに挿入し、前記第一部材と前記第二部材とを互いの段差を対面させる姿勢を維持し、一方のチェーンプレートを第一段差に嵌め、他方のチェーンプレートを前記第二段差に嵌め、前記第一部材と前記第二部材とを接近させると、チェーンピンを他方のチェーンプレートのチェーンピン穴にスムースに挿入し、チェーンの端末を取付部材に取り付けることをできる。
【0008】
以下に、本発明の実施形態に係るチェーン端末取付治具を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0009】
本発明の実施形態に係るチェーン端末取付治具は、前記第一段差または第二段差の少なくとも一方がチェーンプレートの幅寸法の最大値より僅かに広い幅寸法で離間する平行線上に設けられた1対の段差を持つ。
上記の実施形態の構成により、前記第一段差または第二段差の少なくとも一方がチェーンプレートの幅寸法の最大値より僅かに広い幅寸法で離間する平行線上に設けられた1対の段差である。
その結果、チェーンプレートを段差に嵌めたときにチェーンプレートが前記第一段差または前記第二段差に沿ってスライドするのを許すので、前もって組み合わせた前記第一部材と前記第二部材の第一段差と第二段差とにチェーンプレートを嵌めることを容易にできる。
【0010】
本発明の実施形態に係るチェーン端末取付治具は、前記第三部材が前記第一部材と前記第二部材とを前記第一段差と前記第二段差とを避けた2箇所の位置で貫通するボルトを有する。
上記の実施形態の構成により、前記第三部材の前記ボルトが、前記第一部材と前記第二部材とを前記第一段差と前記第二段差とを避けた2箇所の位置で貫通する。
その結果、前記ボルトを回転させると螺子作用により第一部材と第二部材とを接近させえることをできる。
【0011】
本発明の実施形態に係るチェーン端末取付治具は、前記第一部材と前記第二部材とを取付部材に係止させて1対の前記逃げ用穴のうちの一方の逃げ用穴の位置を取付用チェーンピン穴の位置に一致させることをできる仮係止部材と、を備える。
上記の実施形態の構成により、仮係止部材が、前記第一部材と前記第二部材とを取付部材に係止させて1対の前記逃げ用穴のうちの一方の逃げ用穴の位置を取付用チェーンピン穴の位置に一致させることをできる。
その結果、チェーン端末取付治具を取付部材に対して容易に位置決めできる。
【0012】
本発明の実施形態に係るチェーン端末取付治具は、前記取付部材が取付用チェーンピッチ穴の位置とは異なる位置に仮係止用穴を設けられ、前記仮係止部材が仮係止用穴より僅かに小さな直径をもつ軸状の本体部と前記本体部に滑らかに繋がりテーパ状に尖った先端部とをもつガイド部材をもち、前記第一部材または前記第二部材が前記ガイド部材に案内されるガイド穴を設けられる。
上記の実施形態の構成により、前記取付部材が取付用チェーンピッチ穴の位置とは異なる位置に仮係止用穴を設けられる。前記仮係止部材のガイド部材が、仮係止用穴より僅かに小さな直径をもつ軸状の本体部と前記本体部に滑らかに繋がりテーパ状に尖った先端部とをもつ。前記第一部材または前記第二部材が前記ガイド部材に案内されるガイド穴を設けられる。
その結果、ガイド部材の先端部のテーパ状の部分でチェーンプレートの嵌まる第一部材または第二部材を案内し、本体部の軸状の部分に導くので、チェーンプレートを取付部材に対して容易に位置決めできる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明に係る駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
前記第一部材にチェーンプレートの嵌まる段差を設け、前記第二部材にチェーンプレートの嵌まる段差を設けて、チェーンプレートを嵌めたときに1対のチェーンピン穴の位置に一致する位置にチェーンピンの軸直径より僅かに大きな穴直径をもつ1対の前記逃げ用穴を設け、前記第三部材が前記第一部材と前記第二部材とを互いの段差を対面させた姿勢を維持しつつ接近させることとをできる様にしたので、チェーンの端末が1対のチェーンプレートで組み合わさせるときに、チェーンピンを一方のチェーンプレートのチェーンピン穴と取付用チェーンピン穴とに挿入し、前記第一部材と前記第二部材とを前記第一段差と前記第二段差を対面させる姿勢を維持し、一方のチェーンプレートを段差に嵌め、他方のチェーンプレートを段差に嵌め、第一部材と第二部材とを接近させると、チェーンピンを他方のチェーンプレートのチェーンピン穴にスムースに挿入させ、チェーンの端末を取付部材に取り付けることをできる。
また、段差がチェーンプレートの幅寸法の最大値より僅かに広い幅寸法で離間する平行線上に設けられた1対の段差である様にしたので、チェーンプレートを段差に嵌めたときにチェーンプレートが段差に沿ってスライドするのを許すので、事前に組み合わせた第一段差と第二段差とにチェーンプレートを嵌めることを容易にできる。
また、前記ボルトが、前記第一部材と前記第二部材とを互いの段差を避けた2箇所の位置で貫通する様にしたので、前記ボルトを回転させると螺子作用により第一部材と第二部材とを接近させることをできる。
また、仮係止部材が、前記第一部材と前記第二部材とを取付部材に係止して、逃げ用穴の位置を取付用チェーンピン穴の位置に一致させることをできる様にしたので、チェーン端末取付治具を取付部材に対して容易に位置決めできる。
また、ガイド部材が、仮係止用穴より僅かに小さな直径をもつ軸状の本体部と前記本体部に滑らかに繋がりテーパ状に尖った先端部とをもち、第一部材または第二部材がガイド部材に案内されるガイド穴を設ける様にしたので、ガイド部材の先端部のテーパ状の部分で第一部材と第二部材とを案内して、本体部の軸状の部分に導くので、チェーン端末取付治具を取付部材に対して容易に位置決めできる。
従って、簡易にチェーンの端末を取付部材に取り付けることをできるチェーン端末取付治具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】駐車装置の正面図である。
【図2】駐車装置の部分拡大図である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係るチェーン端末取付治具の斜視図その1である。
【図4】本発明の第一の実施形態に係るチェーン端末取付治具の斜視図その2である。
【図5】本発明の第一の実施形態に係るチェーン端末取付治具の作用図である。
【図6】本発明の第二の実施形態に係るチェーン端末取付治具の斜視図である。
【図7】本発明の第三の実施形態に係るチェーン端末取付治具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を基に、説明する。
【0016】
最初に、駐車装置を説明する。
図1は、駐車装置の正面図である。
例えば、駐車装置は二段式駐車機構を採用する。
二段式駐車機構は、上下方向に多段に積み重ねられた複数の駐車空間を形成し、パレットを駐車空間に配する。パレットに車両5を搭載し、パレットを複数の駐車空間の間で移動させる。地面と平面を一致する駐車空間は入出庫空間を兼ねる。
パレットを移動させるのに昇降機器を用いる。
昇降機器は、電動モータとスプロケットと姿勢安定チェーンと昇降用チェーンとで構成される。
例えば、姿勢安定用チェーンは、一方の端末を取付部材を介して構造体に固定し、パレットの左右に設けられた1対のアイドルスプロケットに巻きかけられ、他方の端末を取付部材を介して基礎に固定する。
さらに、昇降用チェーンは、一端をパレットに取付部材を介して固定され、駆動スプロケットに巻きかけられる。
電動モータが駆動スプロケットを駆動すると、パレットの姿勢を維持したまま、パレットを昇降できる。
【0017】
チェーン10は、1対のチェーンピン穴を設けられる複数のチェーンプレート11、12を直列に並べられ、複数のチェーンプレート11、12の互いのチェーンピン穴Pをチェーンピン13により連結されてできたものである。
チェーン10は、チェーンプレート11、12とチェーンピン13とピンストッパ14で構成されてもよい。
チェーンプレート11は、外チェーンプレート11と内チェーンプレート12とで構成される。
1対のチェーンピン穴Pが、チェーンプレート11、12にチェーンの延びる方向に離間して設けられる。
左右1対の外チェーンプレート11と左右1対の内チェーンプレート12とがチェーンの延びる方向に沿って交互に配置される。
チェーンピン13が、互いに重なった左右1対の外チェーンプレート11のチェーンピン穴Pと左右1対の内チェーンプレート12のチェーンピン穴Pとに挿入される。
ピンストッパ14は、チェーンピン13がチェーンピン穴Pから抜けないようにする部品である。
例えば、ピンストッパ14は、チェーンピン13の先端に設けられた穴に挿入される割ピンである。
例えば、ピンストッパ14は、チェーンピン13の先端に設けられた溝に嵌まるクリップ状部材である。
以下では、チェーンの端末のチェーンプレート11が外チェーンプレートであるとして、説明する
【0018】
取付部材20は、チェーン10の端末を他の機器に連結するための部材である。
例えば、チェーン10の端末は、取付部材20を介してパレットに連結される。
例えば、チェーン10の端末は、取付部材20を介して基礎に連結される。
チェーン10は、取付用チェーンピン穴21を設けられる。
取付用チェーンピン穴21の直径はチェーンピッチ穴の直径に一致する。
【0019】
以下に、本発明の第一の実施形態にかかるチェーン端末取付治具を、図を基に、説明する。
図2は、駐車装置の部分拡大図である。図3は、本発明の第一の実施形態に係るチェーン端末取付治具の斜視図その1である。図4は、本発明の第一の実施形態に係るチェーン端末取付治具の斜視図その2である。図5は、本発明の第一の実施形態に係るチェーン端末取付治具の作用図である。
【0020】
チェーン端末取付治具は、チェーン10の端末のチェーンプレート11を取付部材20に取り付けるための治具であって、第一部材30と第二部材40と第三部材50とで構成される。
【0021】
第一部材30は、第一段差31を形成する部材である。
第一部材30は、第一段差31を形成し、第一ボルト用穴33を設けられる部材であってもよい。
第一部材30は、第一段差31を形成し、1対の第一ボルト用穴33を設けられる部材であってもよい。
第一段差31は、チェーンプレート11、12の嵌まる段差である。
第一段差31は、チェーンプレート11、12の幅寸法dの最大値より僅かに広い幅寸法Dで離間する平行線上に設けられた1対の段差であってもよい。
チェーンプレート11、12は、1対の第一段差31に沿ってチェーンの延びる方向に自由に移動可能に案内される。
1対の第一ボルト用穴33が、第一段差31を跨いで第一部材30に設けられても良い。
第一ボルト用穴33は、第一部材30を貫通する。
後述する第三部材50のボルト51が第一ボルト用穴33を貫く。
後述する第三部材50の1対のボルト51が1対の第一ボルト用穴33を貫く。
第一ボルト用穴33が雌ネジを設けられても良い。ボルト51に設けられた雄ネジ部が第一ボルト用穴33の雌ネジにねじ込まれる。
【0022】
第二部材40は、第二段差41を形成し、1対の逃げ用穴42を設けられる部材である。
第二部材40は、第二段差41を形成し、1対の逃げ用穴42を設けられ、第二ボルト用穴43を設けられてもよい。
第二部材40は、第二段差41を形成し、1対の逃げ用穴42を設けられ、1対の第二ボルト用穴43を設けられてもよい。
第二段差41は、チェーンプレート11、12の嵌まる段差である。
第二段差41は、チェーンプレート11、12の幅寸法dの最大値より僅かに広い幅寸法Dで離間する平行線上に設けられた1対の段差であってもよい。
チェーンプレート11、12は、1対の第二段差41に沿ってチェーンの延びる方向に自由に移動可能に案内される。
1対の逃げ用穴42は、第二段差41にチェーンプレート11、12を嵌めたときにチェーンプレート11、12の1対のチェーンピン穴Pの位置に一致する位置に設けられ、チェーンピン13の軸直径より僅かに大きな直径をもつ穴である。
逃げ用穴42は、第二部材を貫通してもよい。
または、逃げ用穴42は、第二部材を貫通しなくてもよい。
逃げ用穴42が第二部材を貫通しないばあいは、逃げ用穴42の深さはチェーンピン13をチェーンプレート11、12のチェーンピン穴Pに挿入してチェーンプレート11、12の側面から突き出た高さよりも深い。
第二ボルト用穴は、第二部材を貫通する。
後述する第三部材50のボルト51が第二ボルト用穴43を貫く。
後述する第三部材50の1対のボルト51が1対の第二ボルト用穴43を貫く。
第二ボルト用穴43は、雌ネジを設けられても良い。ボルト51に設けられた雄ネジ部が1対の第二ボルト用穴43の雌ネジにねじ込まれる。
【0023】
第三部材50は、第一部材30と第二部材40とを第一段差31と第二段差41とを対面させた姿勢を維持しつつ接近させることとをできる部材である。
第三部材50は、第一部材30と第二部材40とを第一段差31と第二段差41とを対面させた姿勢を維持しつつ離間させることと接近させることとをできる部材であってもよい。
第三部材50は、ボルト51であってもよい。
第三部材50は、1対のボルト51であってもよい。
ボルト51は、第一部材30を第一段差31を避けた位置で貫通し、第二部材40を第二段差41を避けた位置で貫通する。
1対のボルト51は、第一部材30を第一段差31を避けた2箇所の位置で貫通し、第二部材40を第二段差41を避けた2箇所の位置で貫通する。
例えば、1対のボルト51は、第一部材30の1対の第一ボルト用穴33を貫通し、第二部材40の第二ボルト用穴43を貫通する。
ナットをボルト51の雄ねじにねじ込み、ボルト51を回転させると、ネジ作用により第一部材30と第二部材40とを離間させることと接近させることとをできる。
ボルト51を第一ボルト用穴33または第二ボルト用穴に形成した雌ネジにねじ込み、ボルト51を回転させると、ネジ作用により第一部材30と第二部材40とを離間させることと接近させることとをできる。
【0024】
以下に、チェーン端末取付治具の使用方法を説明する。
図5は、チェーン端末取付治具を使用する様子を示す。
チェーン10の端末の1対のチェーンプレートの1対のチェーンピン穴Pのうち自由端側のチェーンピン穴Pの軸心を取付部材20の取付用チャーンピン穴21の軸心に、一致させる。
チェーンピン13をチェーン10の端末の1対のチェーンプレート11のうちに一方のチェーンプレートの1対のチェーンピン穴Pのうちの自由端側のチェーンピン穴Pと取付用チェーンピン穴21とに挿入する。
1対のチェーンプレート11のうちの一方のチェーンプレート11を第一部材30の第一段差31に嵌める。
1対のチェーンプレート11のうちの他方のチェーンプレート11を第二部材40の第二段差41に嵌める。
第三部材50により第一部材30と第二部材とを接近させる。
ボルト51を回転させて、第一部材30と第二部材とを接近させる。
第一部材30がチェーンピン13を押すので、チェーンピン13が1対のチェーンプレート11の内の他方のチェーンプレート11のチェーンピン穴Pに挿入される。
チェーンピン13の先端が他方のチェーンプレート11のチェーンピン穴Pから突き出るのを確認すると、第一部材30と第二部材40と第三部材50とを外す。
ピンスットパ15を取付け、チェーンピン13の抜け止めをほどこす。
【0025】
次に、本発明の第二の実施形態にかかるチェーン端末取付治具を、図を基に説明する。
図6は、本発明の第二の実施形態に係るチェーン端末取付治具の斜視図である。
【0026】
チェーン端末取付治具は、チェーン10の端末のチェーンプレート11を取付用チェーンピン穴を設けられた取付部材に取り付けるための治具であって、第一部材30と第二部材40と第三部材50とで構成される。
チェーン10は、複数のチェーンプレート11が直列に並べられ、1対のチェーンピン穴Pを設けられた複数のチェーンプレート11が互いのチェーンピン穴Pをチェーンピンにより連結されてできる。
以下では、第一の実施形態にかかるチェーン端末取付治具と同一の構造については説明を省略し、異なる構造のみを説明する。
【0027】
第一部材30は、第一段差31を形成する部材である。
第一部材30は、第一段差31を形成し、第一ボルト用穴33を設けらる部材であってもよい。
第一部材30は、第一段差31を形成し、1対の第一ボルト用穴33を設けらる部材であってもよい。
第一段差31は、チェーンプレート11、12の嵌まる段差である。
第一段差31は、エンドレスの輪郭をもつ段差であってもよい。
例えば、輪郭はチェーンプレート11、12の幅寸法dの最大値より僅かに広い幅寸法Dの最大幅とチェーンプレート11、12の長さ寸法lの最大値より僅かに広い長さ寸法Lの最大値を持っていてもよい。
例えば、輪郭は、四辺形状であって、チェーンプレート11、12の幅方向dの最大値より僅かに広い幅寸法Dの長さの短辺とチェーンプレート11、12の長さ寸法lの最大値より僅かに広い長さ寸法Lの長さの長辺をもっていてもよい。
例えば、輪郭は、楕円形状であって、チェーンプレート11、12の幅寸法dの最大値より僅かに広い幅寸法Dの長さの短軸とチェーンプレート11、12の長さ寸法lの最大値より僅かに広い長さ寸法Lの長さの長軸をもっていてもよい。
例えば、輪郭は、1対の半円弧と半円弧の端部を繋ぐ1対の直線でできていて、チェーンプレート11、12の幅寸法dの最大値より僅かに広い幅寸法Dとチェーンプレート11、12の長さ寸法lの最大値より僅かに広い長さ寸法Lを持っていてもよい。
例えば、輪郭は、チェーンプレート11、12の輪郭に相似であって、僅かに大きな寸法をもっていてもよい。
第一部材のその他の構造は、第一の実施形態にかかるチェーン端末取付治具のものと同じなので、説明を省略する。
【0028】
第二部材40は、第二段差41を形成し、1対の逃げ用穴42を設けられる部材である。
第二部材40は、第二段差41を形成し、1対の逃げ用穴42を設けられ、1対のボルト用穴を設けられてもよい。
第二段差41は、チェーンプレート11、12の嵌まる段差である。
第二段差41は、エンドレスの輪郭をもつ段差であってもよい。
輪郭の形状、寸法は、第一段差31の輪郭と同じなので、説明を省略する。
第二部材のその他の構造は、第一の実施形態にかかるチェーン端末取付治具のものと同じなので、説明を省略する。
【0029】
第三部材の構造は、第一の実施形態にかかるチェーン端末取付治具のものと同じなので、説明を省略する。
【0030】
第二の実施形態にかかるチェーン端末取付治具の作用は、第一の実施形態にかかるチェーン端末取付治具の作用と同じなので、説明に省略する。
【0031】
次に、本発明の第三の実施形態にかかるチェーン端末取付治具を、図を基に、説明する。
図7は、本発明の第三の実施形態に係るチェーン端末取付治具の斜視図である。
【0032】
チェーン端末取付治具は、チェーンの端末のチェーンプレートを取付用チェーンピン穴を設けられた取付部材に取り付けるための治具であって、第一部材30と第二部材40と第三部材50と仮係止部材60とで構成される。
チェーン10は、複数のチェーンプレート11が直列に並べられ、1対のチェーンピン穴Pを直列方向に離間して設けられた複数のチェーンプート11が互いのチェーンピン穴Pをチェーンピンにより連結されてできた。
【0033】
第一部材30は、第一段差31を形成するれる部材である。
第一部材30は、第一段差31を形成し、第一ガイド穴34を設けられる部材であってもよい。
第一部材30は、第一段差31を形成し、第一ボルト用穴33と第一ガイド穴34とを設けらる部材であってもよい。
第一部材30は、第一段差31を形成し、1対の第一ボルト用穴33と第一ガイド穴34とを設けられる部材であってもよい。
第一段差31と第一ボルト用穴33の構造は、第一、または第二の実施形態にかかるチェーン端末取付治具のものと同じなので、説明を省略する。
第一ガイド穴34は、後述するガイド部材61に案内される穴である。
【0034】
第二部材40は、第二段差41を形成し、1対の逃げ用穴42とを設けられる部材である。
第二部材40は、第二段差41を形成し、1対の逃げ用穴42と第二ガイド穴44とを設けられる部材であってもよい。
第二部材40は、第二段差41を形成し、1対の逃げ用穴42と1対のボルト用穴と第二ガイド穴44とを設けられてもよい。
第二段差41と逃げ用穴42と第二ボルト用穴43の構造は、第一、または第二の実施形態にかかるチェーン端末取付治具のものと同じなので、説明を省略する。
第二ガイド穴は、後述するガイド部材61に案内される穴である。
【0035】
仮係止部材60は、第一部材30と第二部材40とを取付部材20に係止させて1対の逃げ用穴42のうちの一方の逃げ用穴42の位置を取付用チェーンピン穴の位置に一致させることをできる部材である。
仮係止部材60は、第一部材30と第二部材40とを取付部材20に係止させて1対の逃げ用穴42のうちの自由端側のチェーンピン12に対応する逃げ用穴42の位置を取付用チェーンピン穴の位置に一致させることをできる部材である。
【0036】
取付部材20が取付用チェーンピッチ穴21の位置とは異なる位置に仮係止用穴22を設けられ、仮係止部材60が仮係止用穴22より僅かに小さな直径をもつ軸状の本体部と本体部に滑らかに繋がりテーパ状に尖った先端部とをもつガイド部材61をもち、第一部材30または第二部材40がガイド部材61に案内される第一ガイド穴34なたは第二ガイド穴44を設けられてもよい。
例えば、ガイド部材61は、仮係止用穴より僅かに小さな直径をもつ軸状の本体部と本体部の両端に滑らかに繋がりテーパ状に尖った1対の先端部とをもつ。
取付部材が、取付用チェーンピッチ穴21の位置とは異なる位置に仮係止用穴22を設けられる。
【0037】
以下に、チェーン端末取付治具の使用方法を説明する。
図7は、第一部材30と第二部材40とがガイド部材61に案内される様子を示す。
チェーン10の端末のチェーンプレート11の1対のチェーンピン穴Pのうち自由端側の空のチェーンピン穴Pの軸心を取付部材20の取付用チャーンピン穴21の軸心に、一致させる。
ガイド部材61を取付部材20の仮係止用穴22に取り付ける。
ガイド部材61を 第一部材30の第一ガイド穴34に挿入する。
ガイド部材61を 第二部材40の第二ガイド穴44に挿入する。
チェーンピン13をチェーン10の端末の1対のチェーンプレート11の内の一方のチェーンプレート11の1対のチェーンピン穴Pのうち自由端側のチェーンピン穴Pと取付用チェーンピン穴21とに挿入する。
1対のチェーンプレート11のうちの一方のチェーンプレート11を第一部材30の第一段差31に嵌める。
1対のチェーンプレート11のうちの他方のチェーンプレート11を第二部材40の第二段差41に嵌める。
第三部材50により第一部材30と第二部材とを接近させる。
第一部材30がチェーンピン13を押すので、チェーンピン13が他方のチェーンプレート11のチェーンピン穴Pに挿入される。
チェーンピン13の先端が他方のチェーンプレート11のチェーンピン穴Pから突き出ていることを確認すると、
第一部材30と第二部材40と第三部材50とを外す。
割りピン14をチェーンピン13の割りピン用穴に差し込む。
【0038】
本発明の実施形態に係るチェーン端末取付治具は、その構成により、以下の効果を有する。
第一部材30にチェーンプレート11の嵌まる段差を設け、第二部材40にチェーンプレートの嵌まる段差を設けてチェーンプレート11を嵌めたときに1対のチェーンピン穴Pの位置に一致する位置にチェーンピン13の軸直径より僅かに大きな穴直径をもつ1対の逃げ用穴42を設け、第三部材50が第一部材30と第二部材40とを互いの段差を対面させた姿勢を維持しつつ離間させることと接近させることとをできる様にしたので、チェーン10の端末が1対のチェーンプレート11で組み合わさせるときに、チェーンピン13を一方のチェーンプレート11の自由端側のチェーンピン穴Pと取付用チェーンピン穴21とに挿入し、第一部材30と第二部材40とを互いの段差を対面させる姿勢を維持し、一方のチェーンプレート11を段差に嵌め、他方のチェーンプレート11を段差に嵌め、第一部材30と第二部材40とを接近させると、チェーンピン13を他方のチェーンプレート11のチェーンピン穴Pにスムースに挿入し、チェーン10の端末を取付部材20に取り付けることをできる。
また、段差がチェーンプレートの幅寸法dの最大値より僅かに広い幅寸法Dで離間する平行線上に設けられた1対の段差である様にしたので、チェーンプレート11を段差に嵌めたときにチェーンプレート11が段差に沿ってチェーン10の延びる方向へスライドするのを許すので、事前に組み合わせた第一段差31と第二段差41とにチェーンプレート11を嵌めることを容易にできる。
また、ボルト51が、第一部材30と第二部材40とを互いの段差を避けた2箇所の位置で貫通する様にしたので、ボルト51を回転させると螺子作用により第一部材30と第二部材40とを離間させまたは接近させることをできる。
また、仮係止部材60のガイド部材61が、第一部材30と第二部材40とを取付部材20に係止して、逃げ用穴42の位置を取付用チェーンピン穴21の位置に一致させることをできる様にしたので、チェーン端末取付治具を取付部材20に対して容易に位置決めできる。
また、ガイド部材61が、仮係止用穴22より僅かに小さな直径をもつ軸状の本体部と本体部に滑らかに繋がりテーパ状に尖った先端部とをもち、第一部材30または第二部材40がガイド部材61に案内される第一ガイド穴34または第二ガイド穴44を設ける様にしたので、ガイド部材の先端部のテーパ状の部分で第一部材30または第二部材40を案内して、本体部の軸状の部分に導くので、チェーン端末取付治具を取付部材20に対して容易に位置決めできる。
【0039】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
外チェーンプレート11を取付部材20に取り付ける例で説明したが、これに限定されない。例えば、内チェーンプレート12を取付部材20に取り付けてもよいし、オフセットリンクを取付部材20に取り付けてもよい。
説明では、単体のチェーンピン13をチェーンピン穴Pに挿入する例で説明したが、これに限定されない。例えば、1対のチェーンピン13と一方のチェーンプレート11とを一体にしたものを他方のチェーンプレート11のチェーンピン穴Pに挿入しても良い。
【符号の説明】
【0040】
P チェーンピン穴
d 幅寸法
D 幅寸法
l 長さ寸法
L 長さ寸法
5 車両
10 チェーン
11 チェーンプレート
12 チェーンプレート
13 チェーンピン
14 ピンストッパ
20 取付部材
21 取付用チェーンピン穴
22 仮係止用穴
30 第一部材
31 第一段差
33 第一ボルト用穴
34 第一ガイド穴
40 第二部材
41 第二段差
42 逃げ用穴
43 第二ボルト用穴
44 第二ガイド穴
50 第三部材
51 ボルト
60 仮係止部材
61 ガイド部材
61a 先端部
61b 本体部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0041】
【特許文献1】特開2008−200830号広報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対のチエーンピン穴を各々に設けられた複数のチェーンプレートの互いのチェーンピン穴をチェーンピンにより連結されてできたチェーンの端末のチェーンプレートを取付用チェーンピン穴を設けられた取付部材に取り付けるためのチェーン端末取付治具であって、
チェーンプレートの嵌まる段差である第一段差を形成する第一部材と、
チェーンプレートの嵌まる段差である第二段差を形成し前記第二段差にチェーンプレートを嵌めたときにチェーンプレートの1対のチェーンピン穴の位置に一致する位置にチェーンピンの軸直径より僅かに大きな直径をもつ穴である1対の逃げ用穴を設けられる第二部材と、
前記第一部材と前記第二部材とを前記第一段差と前記第二段差とを対面させた姿勢を維持しつつ接近させることとをできる第三部材と、
を備えることを特徴とするチェーン端末取付治具。
【請求項2】
前記第一段差または第二段差の少なくとも一方がチェーンプレートの幅寸法の最大値より僅かに幅寸法で離間する平行線上に設けられた1対の段差を持つ、
ことを特徴とする請求項1に記載のチェーン端末取付治具。
【請求項3】
前記第三部材が前記第一部材と前記第二部材とを前記第一段差と前記第二段差とを避けた2箇所の位置で貫通するボルトを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のチェーン端末取付治具。
【請求項4】
前記第一部材と前記第二部材とを取付部材に係止させて1対の前記逃げ用穴のうちの一方の逃げ用穴の位置を取付用チェーンピン穴の位置に一致させることをできる仮係止部材と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のチェーン端末取付治具。
【請求項5】
前記取付部材が取付用チェーンピッチ穴の位置とは異なる位置に仮係止用穴を設けられ、前記仮係止部材が仮係止用穴より僅かに小さな直径をもつ軸状の本体部と前記本体部に滑らかに繋がりテーパ状に尖った先端部とをもつガイド部材をもち、前記第一部材または前記第二部材が前記ガイド部材に案内されるガイド穴を設けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載のチェーン端末取付治具。
【請求項6】
前記第三部材が前記第一部材と前記第二部材とを前記第一段差と前記第二段差とを避けた2箇所の位置で貫通するボルトを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のチェーン端末取付治具。
【請求項7】
前記第一部材と前記第二部材とを取付部材に係止させて1対の前記逃げ用穴のうちの一方の逃げ用穴の位置を取付用チェーンピン穴の位置に一致させることをできる仮係止部材と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のチェーン端末取付治具。
【請求項8】
前記取付部材が取付用チェーンピッチ穴の位置とは異なる位置に仮係止用穴を設けられ、前記仮係止部材が仮係止用穴より僅かに小さな直径をもつ軸状の本体部と前記本体部に滑らかに繋がりテーパ状に尖った先端部とをもつガイド部材をもち、前記第一部材または前記第二部材が前記ガイド部材に案内されるガイド穴を設けられる、
ことを特徴とする請求項7に記載のチェーン端末取付治具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate