説明

チューブポンプ

【課題】チューブ等の破損が起こりにくい、長寿命のチューブポンプを提供する。
【解決手段】チューブポンプは、ローラを有し且つ該ローラをキャップの内周面に沿って公転移動可能に保持するロータを有し、ロータが、ローラをベース側で保持する円盤部を有し、円盤部の外周部には、該円盤部よりもベース側に移動しないよう前記円盤部と係合し、キャップの内周面との隙間を覆うとともに、該円盤部の外周部に沿って回転可能なチューブ押さえが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブを圧迫するローラをチューブに沿って移動させ、チューブの蠕動運動によってチューブの内部の液体を輸送するチューブポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
比較的少量の液体を輸送する装置として、特許文献1に記載されているもののような、チューブを圧迫するローラをチューブに沿って移動させ、チューブの蠕動運動によってチューブの内部の液体を輸送するチューブポンプが広く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公報第5,356,267号
【0004】
従来構成のチューブポンプの側断面図を図10に示す。図10に示されるように、チューブポンプ201は、駆動モータ210と、ギアボックス220と、ポンプ本体300を有する。駆動モータ210の回転軸211は、ギアボックス220に接続される。ギアボックス220は、回転軸211の回転運動を減速しつつ、ギアボックス220の出力軸221に伝達する。
【0005】
ポンプ本体300は、キャップ310と、ロータ320と、ベース340を有する。キャップ310は、略円筒形状の内周面311を有する。チューブポンプ201のチューブ360は、キャップ310の内周面311に沿って配置されている。
【0006】
ロータ320は、ロータ本体321と、ローラ322と、ローラ押さえ323を有する。ロータ本体321は、円盤部321gと、円盤部321gの略中央からキャップ310に向かって伸びる主支持軸321fを有する。ローラ押さえ323は、ロータ本体321に対してキャップ310側に配置される略円盤形状の部材であり、ロータ本体321とローラ押さえ323との間でローラ322を挟み込んで保持するようになっている。ロータ320は、キャップ310に対して回転可能に支持されており、ロータ320を回転させることによってローラ322がキャップ310の内周面311に沿って公転する。ロータ320が回転すると、チューブ360は、ローラ322とキャップ310の内周面311との間で押しつぶされて蠕動運動を行い、チューブ360内の液体が輸送される。
【0007】
ベース340は、図示しないボルトによって、ギアボックス220に固定されている。また、キャップ310は、ベース340に着脱可能に取り付けられるようになっている。チューブ360及びロータ320を収容したキャップ310をベース340に取り付けると、ギアボックス220の出力軸がロータ本体321に係合し、駆動モータ210を駆動してロータ320を回転させることができるようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図10に示される従来構成のチューブポンプ201においては、ベース340に、キャップ310側に向かって突出する突出部341が形成されている。突出部341は、ローラ322とキャップ310の内周面311の間を塞ぐように設けられており、チューブ360がベース340側に移動してもチューブ360がローラ322から外れないようになっている。
【0009】
従来構成のチューブポンプは、上記のようにチューブ360の飛び出しを防止する機構である突出部341をベース340に設けていた。突出部341は、ローラ322とキャップ310の内周面311の間に差し込まれるようになっているため、突出部341の剛性を確保するためには、ローラ322とキャップ310の内周面311との間隔を大きくする必要があった。すなわち、従来構成のチューブポンプは、チューブの飛び出しを押さえようとすると、必然的にチューブポンプのサイズが大きなものとなり、チューブポンプの小型化は困難なものとなっていた。
【0010】
また、従来構成のチューブポンプ201は、突出部341にチューブ360が当たることによって、ベース340からキャップ310を引き離す方向の力が発生し、この力によってキャップ310、特にキャップ310をベース340に係合させるための爪314が破損する可能性があった。
【0011】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、小型かつキャップの破損が起こりにくいチューブポンプを提供することを第1の目的とする。
【0012】
また、図10に示される従来構成のチューブポンプ201は、主支持軸321fに高いトルクが加わるようになっている。そのため、主支持軸321fの径を大きくとっている。このため、チューブポンプ201の寸法を小さくしようとすると、ローラ322の径を小さくせざるを得ない。そして、ローラ322の径が小さいと、ローラ322とチューブ360との接触面積が小さくなる。この結果、チューブ360に集中荷重が加わることになり、チューブの疲労が比較的短期間で発生していた。
【0013】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、チューブを圧迫するローラの径を大きくとることが可能な小型のチューブポンプを提供することを第2の目的とする。
【0014】
さらに、図10に示される従来構成のチューブポンプ201は、ロータ本体321の円盤部321gに形成された係合穴321eにギアボックス220の出力軸221を固定するようになっている。出力軸221からロータ本体321へ高いトルクを伝達できるようにするため、出力軸221及び係合穴321eの断面形状は、非円形となっている。このため、ロータにギアボックスの出力軸を取り付ける場合は、出力軸221が係合穴321eに収まるよう、位置のすり合わせを行う必要がある。このような位置のすり合わせを効率よく行う為には、ギアボックス220をロータ本体321からある程度離した状態ですり合わせを行えるようにすることが好ましい。すなわち、出力軸221及び係合穴321eの長さ方向寸法は十分に大きいことが好ましい。チューブポンプの寸法を大きくとることができる場合は、出力軸221及び係合穴の長さ方向寸法を大きくとることが可能である。しかしながら、小型のチューブポンプにおいては、出力軸221及び係合穴321eの長さ方向寸法を大きくとることができない。そのため、図10に示される小型のチューブポンプ201において、出力軸221を係合穴321eに嵌め込むには、キャップ310をベース340に近接した状態で、出力軸221とロータ本体321のすり合わせを行う必要があった。このようなすり合わせ作業は、平易なものではないため、従来のチューブポンプは、組立工程に時間が掛かるものだった。
【0015】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、駆動モータやギアボックス等から構成される駆動ユニットとロータを平易な作業で連結することが可能な小型のチューブポンプを提供することを第3の目的とする。
【0016】
加えて、従来構成のチューブポンプにおいては、ロータによるチューブの圧迫によって、キャップに半径方向外側向きの荷重が加わり、この荷重により樹脂部材であるキャップが変形し、場合によっては疲労により比較的短期間で破損する可能性もあった。
【0017】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、チューブポンプの使用に伴って発生し得るキャップの破損を防止可能なチューブポンプを提供することを第4の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の第1の目的を達成するため、本発明のチューブポンプは、ローラ有し且つ該ローラをキャップの内周面に沿って公転移動可能に保持するロータを有し、ロータが、ローラをベース側で保持する円盤部を有し、円盤部の外周部には、該円盤部よりもベース側に移動しないよう前記円盤部と係合し、キャップの内周面との隙間を覆うとともに、該円盤部の外周部に沿って回転可能なチューブ押さえが設けられている。
【0019】
上記構成によれば、ロータに取り付けられるチューブ押さえによってチューブの飛び出しが防止されるため、チューブ飛び出しを防止するための機構をベースに設ける必要がない。このため、小型のチューブポンプが実現される。また、チューブがチューブ押さえに当接すると、チューブとチューブ押さえとの間に働く摩擦力によって、チューブ押さえは静止した状態となる。このため、ロータが回転したとしても、チューブ押さえにチューブが引きずられることはなく、チューブ及びチューブ押さえに加わる荷重は小さなものとなる。ロータ自身によってチューブの飛び出しを押さえるような構成では、ロータにチューブが当接するとロータにチューブが引きずられてチューブが破損する可能性があるが、本発明によれば、チューブが引きずられることはなくなるため、チューブの寿命は長いものとなる。
【0020】
また、上記の第2の目的を達成するため、本発明のチューブポンプは、ローラを有し且つ該ローラをキャップの内周面に沿って公転移動可能に保持するロータを有し、ロータが、ローラをベース側で保持する円盤部と、該円盤部との間で該ローラを保持するローラ押さえを有し、円盤部の略中央には、ローラ押さえに向かって伸び、先端部が該ローラ押さえに当接する主支持軸が形成されており、円盤部と主支持軸との間にはリブが形成されている。
【0021】
上記構成のチューブポンプによれば、リブによって主支軸が補強されるため、小型のチューブポンプであっても、主支持軸の径を小さくしてローラの径を大きくとることが可能となる。
【0022】
また、上記の第3の目的を達成するため、本発明のチューブポンプは、ローラを有し且つ該ローラをキャップの内周面に沿って公転移動可能に保持するロータを有し、チューブポンプが、キャップが取り付けられるベースと、ベースに固定され、ローラを公転移動させるようにロータを回転移動させる駆動ユニットと駆動ユニットの出力軸の回転運動を前記ロータに伝達する連結軸とを有し、ロータが、ローラをベース側で保持する円盤部と、該円盤部との間で該ローラを保持するローラ押さえを有し、円盤部の略中央には、ローラ押さえに向かって伸び、先端部が該ローラ押さえに当接する主支持軸が形成されており、連結軸の前記ロータ側の端部には、非円形断面の位置決め軸部が形成されており、連結軸において、位置決め軸部より駆動ユニット側の部分には、位置決め軸部よりも太径の非円径断面の係合軸部が形成されており、主支持軸には、位置決め軸部と係合可能な位置決め穴部が形成されており、円盤部には、係合軸部と係合可能な係合穴部が形成されている。
【0023】
上記構成のチューブポンプによれば、連結軸の位置決め軸部と主支持軸の内部に設けられた位置決め穴部とを係合させた状態からキャップをベースに向かって移動させるのみで、駆動ユニットをロータに連結させることができる。また、位置決め軸部と位置決め穴部との係合は、キャップをベースから離した状態で行うことが可能である。このため、本発明によれば、小型のチューブポンプであっても、駆動ユニットとロータを平易な作業で連結することが可能となる。
【0024】
また、上記の第4の目的を達成するため、本発明のチューブポンプにおいては、キャップの外周面の一部に、半径方向外側に突出する爪が形成されており、ベースには、キャップが収容されるようになっている凹部が形成され、ベースの凹部には、キャップの爪と係合して該キャップが該ベースから外れないように保持する爪が形成されており、ベースの爪がキャップの外周面に当接し、該キャップは該ベースの爪によって半径方向外側から補強される。
【0025】
このような構成とすると、ベースの爪によってキャップが補強されるため、ロータによるチューブの圧迫によって生じ得るキャップの変形が防止される。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明によれば、チューブ等の破損が起こりにくい長寿命のチューブポンプ、ローラの径を大きくとることが可能なチューブポンプ、及び駆動ユニットとロータを平易な作業で連結することが可能なチューブポンプが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本実施形態のチューブポンプの正面図である。
【図2】図2は、本実施形態のチューブポンプの側断面図である。
【図3】図3は、本実施形態のチューブポンプの分解図である。
【図4】図4は、本実施形態のチューブポンプの連結軸の斜視図である。
【図5】図5は、本実施形態のチューブポンプの連結軸の正面図である。
【図6】図6は、本実施形態のチューブポンプのロータ本体の背面図である。
【図7】図7は、本実施形態のチューブポンプのロータ本体の斜視図である。
【図8】図8は、本実施形態の別例のチューブポンプの側断面図である。
【図9】図9は、本実施形態の他の別例のチューブポンプの側断面図である。
【図10】図10は、従来構成のチューブポンプの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態に付いて図面を用いて詳細に説明する。図1及び図2は、夫々本実施形態のチューブポンプの正面図及び側断面図である。また、図3は、本実施形態のチューブポンプの分解図である。図2及び図3に示されるように、本実施形態のチューブポンプ1は、駆動モータ10、ギアボックス20及びポンプ本体100を有する。
【0029】
なお、以下の説明においては、ポンプ本体100がある側(図1においては図面表側、図2においては左側、図3においては左下側)を「手前側」、駆動モータ10がある側(図1においては図面裏側、図2においては右側、図3においては右上側)を「奥側」と定義する。また、手前側から奥側に向かう方向及び奥側から手前側に向かう方向を、奥行方向と定義する。
【0030】
ポンプ本体100は、キャップ110と、ロータ120と、チューブ押さえ環130(図2、図3)と、ベース140と、固定用プレート150と、プレート保持筒170を有する。
【0031】
図2及び図3に示されるように、固定用プレート150は、ベース140とプレート保持筒170とに挟まれて保持される。すなわち、プレート保持筒170をベース140に固定することによって、固定用プレート150はベース140に固定される。図1及び図3に示されるように、固定用プレート150には、一対の貫通孔151が設けられている。チューブポンプ1を、チューブポンプ1を使用する装置のフレーム等に固定する際は、貫通孔151にボルトを通して固定用プレート150をフレーム等に締結する。
【0032】
上記のように、本実施形態においては、チューブポンプ1を固定するための固定用プレート150が取り外し可能となっている。このため、チューブポンプ1を取り付けるフレーム等の形状に応じて適切な形状の固定用プレート150を使用することによって、様々な装置にチューブポンプ1を取り付け可能となる。
【0033】
図1及び図2に示されるように、キャップ110の内周面111は、略円筒面に形成されており、チューブ160が、キャップ110の内周面111に沿って配置されている(すなわち、チューブ160の長軸方向が、内周面111の円周方向に略沿った方向となる)。キャップ110には、その下側に、図1に示すように、第1開口部112a及び第2開口部112bが設けられており、チューブ160の第1端161及び第2端162は、夫々第1開口部112a及び第2開口部112bを介して、キャップ110の外部から突出している。
【0034】
図3に示されるように、ロータ120は、ロータ本体121、3組のローラ122及びロータ押さえ123を有している。また、図2に示されるように、キャップ110において、手前側に位置する天井部113の中央には、手前側から奥側に向かって延びるロータ支持軸114が形成されている。ロータ本体121及びロータ押さえ123には、ロータ支持軸114が差し込まれる係合穴121a及び123aが形成されており、ロータ本体121及びロータ押さえ123は、ロータ支持軸114によって回転可能に支持される。
【0035】
ロータ本体121は、円盤部121gと、円盤部121gの手前側の面から手前側に延びる3本のローラ支持軸121bを有する。ローラ支持軸121bは、係合穴121aを中心とする円周上に形成されている。なお、ロータ本体121の係合穴121aは、円盤部121gの手前側の面の略中央から手前側に向かって延びる主支持軸121fの内部に形成されている。ローラ122は、円柱形状であり、一方の端面(奥側)122aの中央部には、他方の端面122b側(手前側)に向かって延びる穴122cが形成されている。なお、穴122cの径は、ロータ本体121のローラ支持軸121bを摺動可能に収容できる大きさとなっている。さらに、ローラ122の端面122bには、円柱形状の突出部122dが形成されている。そして、ロータ押さえ123の奥側の端面123bには、各ローラ122の突出部122dを摺動可能に収容可能な3つの凹部123cが、係合穴123aを中心とする円周上に形成されている。
【0036】
ローラ122の穴122cにロータ本体121のローラ支持軸121bを差し込み、ローラ122の突出部122dをロータ押さえ123の凹部123cに収容させ、さらに、ロータ押さえ123及びロータ本体の係合穴123a及び121aをキャップ110のロータ支持軸114に差し込むことによって、ロータ120の全体がロータ支持軸112周りに回転可能となると共に、ローラ122の夫々がロータ本体121のローラ支持軸121bの周りを回転可能となる。この時、ロータ本体121の主支持軸121fは、ロータ押さえ123に当接する。
【0037】
図1及び図2に示されるように、チューブ160は、ローラ122とキャップ110の内周面の間で押しつぶされるようになっており、ロータ120がキャップ110のロータ支持軸114の周りを回転すると、ローラ122がチューブ160を押しつぶしながらキャップ110の内周面111に沿って公転する。この結果、チューブ160は蠕動運動を起こし、チューブ160の内容物が移動する。例えば、図1中時計回りにロータ120を回転させる場合は、チューブ160の内容物は、図1中左下にある第1開口部112aから突出する第1端161から、図1中右下にある第2開口部112bから突出する第2端162に向かって送り出される。このように、ロータ120を駆動させることによって、チューブ160の内容物を送り出すことか可能となる。
【0038】
キャップ110は、ベース140に固定されるようになっている。キャップ110がベース140に固定されると、ロータ120はキャップ110とベース140との間に挟み込まれて保持される。
【0039】
図2に示されるように、ロータ本体121の半径方向外側には、ロータ本体121よりわずかに径の大きいチューブ押さえ環130が配置される。チューブ押さえ環130の円筒面である内周面131には、手前側が小径部132a、奥側が大径部132bとなるような段差132が形成されている。また、ロータ本体121の円筒面である外周面121cには、手前側が小径部121d1、奥側が大径部121d2となるような段差121dが形成されている。チューブ押さえ環130の小径部132aの径は、ロータ本体121の小径部121d1の径よりもわずかに大きく、且つ大径部121d2の径よりも小さい。また、チューブ押さえ環130の大径部132bの径はロータ本体121の大径部121d2の径よりもわずかに大きい。このため、チューブ押さえ環130をロータ本体121に取り付けた状態では、ロータ本体121の段差121dとチューブ押さえ環130の段差132bが係合して、チューブ押さえ環130がロータ本体121よりも奥側に移動しないようになっており、且つ、チューブ押さえ環130はロータ本体121に対して摺動しながら回転可能となっている。なお、キャップ110及びチューブ押さえ環130をロータ本体121に取り付けた状態での、ロータ本体121の外周面121c及びチューブ押さえ環130の内周面131の中心は、キャップ110のロータ支持軸114の中心軸に略一致する。
【0040】
図2に示されるように、チューブ押さえ環130は、ロータ120のローラ122とケース110の内周面111の間の隙間を塞ぐように配置されている。これにより、チューブポンプ1の動作時に、チューブ160が奥側に移動してもチューブ160がローラ122とケース110の内周面111の隙間から飛び出ないようになっている。
【0041】
また、チューブポンプ1がチューブ押さえ環130を有さず、代わりにロータ本体121の円盤部121gがローラ122とケース110の内周面111の間の隙間を塞ぐような大きさとなっているような構成では、チューブ160が奥側に移動してロータ本体121の円盤部121gに当接すると、チューブ160と円盤部121gに働く摩擦力によってチューブ160がローラ122の公転方向に引きずられ、チューブが破損する可能性がある。
【0042】
これに対して、本実施形態に係るチューブポンプ1においては、ロータ本体121の円盤部121gに対して回転可能なチューブ押さえ環130が、チューブ160のローラ122とケース110の内周面111の隙間からの飛び出しを防止している。このような構成においては、チューブ160が奥側に移動してチューブ押さえ環130に当接した場合に、チューブ160とチューブ押さえ環130との間に働く摩擦力によって、チューブ押さえ環130はロータ本体121の回転に追従せずに静止した状態となり、ロータ120の回転によってチューブ160がローラ122の公転方向に引きずられて破損することはない。
【0043】
また、本実施形態に係るチューブポンプ1は、前述のようにロータ120のローラ122とケース110の内周面111の間の隙間が、ロータ本体121に取り付けられるチューブ押さえ環130によって塞がれる構成であるため、チューブ押さえ環130を取り付けたロータ本体121、ローラ122及びロータ押さえ123を組み合わせてロータ120を形成し、ロータ120のローラ122の周りにチューブ160を配置し、次いでロータ120及びチューブ押さえ環130ごとチューブ160をキャップ110に押し込むという平易な作業にて、チューブ160をチューブポンプ1に組み込むことができる。
【0044】
次に、キャップ110のベース140への取り付け機構にについて説明する。図1〜図3に示されるように、キャップ110の外周円筒面116の奥側端部には、フランジ状に半径方向外側に突出する4組の爪115が等間隔に(すなわち90°おきに)形成されている。また、ベース140には、キャップ110の奥側部分及び爪115を収容する凹部141が形成されており、凹部141の内周円筒面142の手前側端部には、半径方向内側に向かって突出する4組の爪143が等間隔に(すなわち、90°おきに)形成されている。キャップ110の4組の爪115の半径方向の先端は、キャップ110の外周円筒面116と同心の円周上に配置されており、その円周の径はベース140の内周円筒面142の径よりもわずかに小さい程度の大きさとなっている。また、ベース140の4組の爪143の半径方向の先端は、ベース140の内周円筒面142と同心の円周上に配置されており、その円周の径は、キャップ110の外周円筒面の径と略同じであり、且つキャップ110の4組の爪115が位置する上記円周の径よりも小さい。また、キャップ110の爪115の円周方向寸法は、ベース140の爪143の円周方向間隔(すなわち、内周円筒面142において爪143が設けられていない4組の部分夫々の円周方向長さ)よりも十分に小さい。
【0045】
キャップ110は、その爪115がベース140の爪143と干渉しないようにベース140の凹部141に差し込まれ、次いで、キャップ110をロータ支持軸114を中心に図1中時計周りに回転させてキャップ110の爪115をベース140の爪143と奥行方向に並ぶ位置に移動させることによって、ベース140に取り付けられる。図1及び図2に示される、キャップ110の爪115がベース140の爪143と奥行方向に並んだ状態では、キャップ110の爪115とベース140の爪143とが係合し、キャップ110をベース140に対して手前側に引っ張ったとしてもキャップ110がベース140から外れることはない。
【0046】
また、チューブポンプ1は、ロータ120によってチューブ160がキャップ110の内周面111に押しつけられた状態となっており、キャップ110には、常に半径方向外側向きの荷重が加わっている。本実施形態においては、上記のように、キャップ110がベース140に取り付けられた状態では、ベース140の爪143がキャップ110の外周円筒面116に当接している。このため、爪143がキャップ110を半径方向外側から補強する形となり、上記半径方向外向きの荷重によるキャップ110の変形が緩和される。
【0047】
また、キャップ110の外周円筒面116の爪115の手前側に位置する部分には、半径方向外側に突出すると共に奥行方向に伸びるピン状の係止突起117が設けられている(図1、図3)。また、ベース140の爪143には、半径方向外側に向かって凹んでいる係止凹部144が形成されている。さらに、ベース140の爪143の円周方向の一端(図1中反時計方向側)は、反時計方向に向かうにつれてベース140の内周円筒面142に近接するような傾斜面145が形成されている。従って、キャップ110をベース140の凹部141に差し込み、次いでキャップ110を図1中時計回り方向に回転させると、キャップ110の係止突起117はベース140の爪143の傾斜面145に沿って移動して、最終的には係止凹部144に収容される。係止突起117が係止凹部144に収容された状態では、係止突起117と係止凹部144のかみ合わせは、強い力でキャップ110を反時計方向に回転させないと外れないようになっている。すなわち、係止突起117と係止凹部144のかみ合わせによって、キャップ110はベース140に対して係止される。
【0048】
このように、本実施形態においては、キャップ110の外周円筒面116に設けられた係止突起117によってキャップ110がベース140に対して係止されるようになっている。キャップの中でも剛性の低い部分である爪に係止突起や係止凹部が形成されるような従来構成では、キャップの係止を行う際に爪に大きな荷重が加わり、爪が破損する可能性があったが、本実施形態の構成では、比較的剛性の高い外周円筒面116に係止突起117が設けられる構成であるため、キャップ110の係止時にキャップ110が破損しにくくなっている。
【0049】
なお、ベース140の内周円筒面142において爪143の円周方向他端(図1中反時計側)側に位置する部分には、小径となるストッパ部146が形成されている(図1、図3)。図1に示される、係止突起117が係止凹部144に収容された状態から、キャップ110を図1中時計回り方向にさらに回転させようとした場合、例え係止突起117と係止凹部144のかみ合わせが解けたとしても、キャップ110の爪115がストッパ部146に干渉して、それ以上キャップ110が時計回り方向に移動することはない。すなわち、ストッパ部146は、係止突起117が係止凹部144に収容された状態からキャップ110を図1中時計回り方向に移動させないためのストッパとして機能する。
【0050】
なお、本実施形態においては、キャップ110に係止突起117が設けられ、ベース140に係止凹部が設けられる構成となっているが、キャップ110の半径方向内側に凹んだ係止凹部がキャップ110に設けられ且つベース140半径方向内側に突出する係止突起がベース140に設けられる構成としてもよい。
【0051】
次いで、ポンプ本体100のロータ120を回転させるための機構について説明する。図2に示されるように、駆動モータ10の回転軸11は、ギアボックス20に接続されている。ギアボックス20は、駆動モータ10の回転軸の回転運動を、減速させながらギアボックス20の出力軸21に伝達する。ギアボックス20の出力軸21には、出力軸20の回転運動をロータ120のロータ本体121に伝達させるための連結軸30が接続されている。
【0052】
連結軸30とロータ本体121の連結機構について以下に説明する。図4は、連結軸30の斜視図である。また、図5は、連結軸30を手前側(図4中左下側)から見た正面図である。図4に示されるように、連結軸30の手前側の(すなわち、ロータ本体121側の)先端部には、断面形状がY字状となる(すなわち、連結軸の中心軸線30Aから腕部31a、31b、31cが放射状に伸びている形状の)位置決め軸部31が形成されている。
【0053】
また、連結軸30において、位置決め軸部31の奥側に隣接する部分には、係合軸部32が形成されている。係合軸部32は、円柱形状の軸を、位置決め軸部31の各腕部31a、31b、31cの先端部の位置で、各腕部の延びる方向に対して垂直となる面で切断した3つの平面部32a1、32a2及び32a3と、平面部32a1と32a2、32a2と32a3及び32a3と32a1の間に夫々配置された円筒面32b1、32b2及び32b3を有する、全体としては略三角形断面形状に形成されている。
【0054】
本実施形態においては、手前側に配置された位置決め軸部31によって、連結軸30のロータ本体121に対する軸周りの位置決めを行い、係合軸部32によって連結軸30とロータ本体121が一体となって回転できるようにする。図6に、ロータ本体121の背面図を示す。図2の断面図及び図6の背面図に示されるように、ロータ本体121には、連結軸と係合する係合穴121eが形成されている。
【0055】
図2の断面図に示されるように、係合穴121eは、手前側に位置する位置決め穴部121e1と、奥側に位置する係合用穴部121e2とを有する段差付きの穴である。係合用穴部121e2は、連結軸30の係合軸部32と略同一の略三角形断面形状となっており、係合軸部32の平面部32a1、32a2及び32a3(図4、図5)と、係合用穴部121e2の係合によって、ロータ本体121と連結軸30が一体となって回転可能となる。一方、位置決め穴部121e1は、連結軸30の位置決め軸部31(図4、図5)と略同一のY字断面形状となっており、位置決め軸部31を位置決め穴部121e1に差し込んだ後は、位置決め穴部121e1に沿って連結軸30をロータ本体121に移動させるのみで、係合軸部32を係合穴部121e2に係合させることができる。
【0056】
チューブ160をキャップ110とローラ122の間に取り付けた後は(図1、図2)、キャップ110及びローラ122とチューブ160との間に働く摩擦力によって、キャップ110、ロータ120、チューブ160及びチューブ押さえ環130は、一体のポンプ側ユニットを形成する。このユニットに連結軸30を取り付ける際は、まずギアボックス20の出力軸21に連結軸30を固定し、次いで、図示しないボルトによってベース140をギアボックス20に固定してギアボックス側ユニットを形成する。そして、連結軸30の係合軸部32をロータ本体121の係合穴部121e2に係合させ、最後にキャップ110をベース140に固定する。
【0057】
連結軸30の係合軸部32とロータ本体121の係合穴部121e2との位置決めは、キャップ110やロータ本体121とベース140とが干渉しない、すなわち、キャップ110がベース140からある程度離れた状態で行うことが好ましい。キャップ110及びロータ120の奥行方向寸法を大きくとれるような、大型のチューブポンプであれば、位置決め軸部が連結部に設けられていない場合であっても、係合軸部32を長くとることによって、キャップ110がベース140からある程度離れた状態で位置決めを行うことができる(係合軸部32が、位置決め軸部としての機能を有する)。しかしながら、キャップ110及びロータ120の奥行方向寸法を大きくとれない、小型のチューブポンプにおいては、連結部30に位置決め軸部31が設けられていない構成では、係合軸部32の奥行方向寸法を大きくとることができず、係合軸部32をベース121に接触させてすり合わせを行いながら位置決めを行う必要があるため、必然的にキャップ110がベース140に近接した状態となる。このため、キャップ110やロータ本体121とベース140との干渉が起こりやすく、連結軸30の係合軸部32とロータ本体121の係合穴部121e2との位置決め作業は容易なものではなかった。これに対して、本実施形態においては、連結軸30に、位置決め軸部31が形成されているため、連結軸30の係合軸部32とロータ本体121の係合穴部121e2との位置決め作業を容易に行うことができるようになっている。また、位置決め軸部31はギアボックス20からロータ120へのトルク伝達を行う必要はないため、その径を太くする必要は無い。そのため、位置決め軸部31が収容される主支持軸121fを細くすることができる。
【0058】
次いで、ロータ本体121の形状について説明する。図7は、本実施形態のロータ本体121の斜視図である。本実施形態においては、図1、図2及び図7に示されるように、ロータ本体121の主支持軸121fと円盤部121gの間には、3組のリブ121hが形成されている。3組のリブの夫々は、図1に示されるように、ローラ122の間に配置されている。
【0059】
また、リブ121hの手前側の端面には、手前側に突出する係合突起121iが設けられている。図2に示されるように、ロータ押さえ123には、係合突起121iが収まる貫通孔123dが形成されている。
【0060】
ロータ本体121にリブ121hが設けられていない構成においては、主支持軸121fに大きなトルクが加わる。そのため、主支持軸121fが破損しないよう、主支持軸121fを太くする必要がある。本実施形態においては、主支持軸121fがリブ121hで補強されており、さらに、係合突起121iを介してロータ押さえ123とリブ121hが連結しているため、主支持軸121fが細くても、主支軸121fが破損しないようになっている。そして、主支軸121fを細くすることができるため、ローラ支持軸121bの径を大きくとることができる。本実施形態においては、上記のようにローラ支持軸121bの径を大きくとることが可能となる。そのため、本実施形態においては、図8の断面図に示されるように、ローラ122に突出部122dを設けず、ローラ支持軸121bのみによってローラ122を片持ち支持することが可能である。或いは、図9の断面図に示されるように、ローラ122の穴122cがローラ122を貫通しており、ローラ支持軸121bがローラ122の手前側の端面122bから突出してロータ押さえ123の凹部123cに収容される(すなわち、ローラ支持軸121bが突出部122dの機能を兼ねる)構成としてもよい。
【0061】
また、本実施形態においては、ローラ122の径を大きくとることが可能であるため、ローラ122とチューブ160との接触面積を大きくとることが可能となり、チューブ160に加わる荷重が分散される。この結果、チューブ160の伸びは比較的小さなものとなり、チューブ160が容易には破損しないようになっている(すなわち、チューブ160の長寿命化が可能となる)。
【0062】
また、本実施形態の構成においては、利用可能なローラ122の径の範囲が広いため、チューブ160の太さ、材質、肉厚等に応じて、適切な径のローラ122を選択可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 チューブポンプ
10 駆動モータ
20 ギアボックス
30 連結軸
31 位置決め軸部
32 係合軸部
100 ポンプ本体
110 キャップ
120 ロータ
121 ロータ本体
121f 主支持軸
121h リブ
122 ローラ
123 ロータ押さえ
130 チューブ押さえ環


【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円筒形状の内周面を備えたキャップと、
前記キャップの内周面に沿って配置されたチューブと、
ローラを有し且つ該ローラを前記キャップの該内周面に沿って公転移動可能に保持し、該ローラにて前記チューブを圧迫して該チューブの蠕動運動によって該チューブの内容物を輸送させるロータと、
前記キャップが取り付けられるベースと、
を有し、
前記ロータが、前記ローラをベース側で保持する円盤部を有し、
前記円盤部の外周部には、前記チューブが該円盤部よりもベース側に移動しないよう前記円盤部と係合し、前記キャップの内周面との隙間を覆うとともに、該円盤部の外周部に沿って回転可能なチューブ押さえが設けられている
ことを特徴とするチューブポンプ。
【請求項2】
前記円盤部の外周面には、ベース側が太径となるような段差部が形成されており、
前記チューブ押さえは、前記円盤部の段差部に係合する段差部が内周面に形成された円環状の部材である
ことを特徴とする請求項1に記載のチューブポンプ。
【請求項3】
前記ロータが、前記円盤部との間で前記ローラを挟み込んで保持するローラ押さえを有し、
前記キャップには、前記ベースに向かって延びるロータ支持軸が形成されており、
前記円盤部の略中央には、前記ローラ押さえに向かって延びる主支持軸が形成されており、
前記ローラ押さえ及び前記円盤部の主支持軸には、前記ロータ支持軸周りに前記ロータが回転可能となるように前記ロータ支持軸が挿入される軸受穴が形成されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチューブポンプ。
【請求項4】
前記ロータが、前記円盤部との間で前記ローラを保持するローラ押さえを有し、
前記円盤部の略中央には、前記ローラ押さえに向かって伸び、先端部が該ローラ押さえに当接する主支持軸が形成されており、
前記円盤部と前記主支持軸との間にはリブが形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のチューブポンプ。
【請求項5】
前記リブには、前記ローラ押さえと係合し、前記円盤部の回転運動を前記ローラ押さえに伝達する係合部を有することを特徴とする請求項4に記載のチューブポンプ。
【請求項6】
前記リブの係合部は、前記ローラ押さえに向かって突出する突出部であり、
前記ローラ押さえには、前記突出部を収容する穴が形成されている
ことを特徴とする請求項5に記載のチューブポンプ。
【請求項7】
前記ローラの中心部には軸方向に沿って伸びる穴が形成されており、
前記円盤部には、前記ローラ押さえに向かって伸び、前記ローラの穴に収容されて該ローラを回転可能に支持するローラ支持軸が形成されている
ことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のチューブポンプ。
【請求項8】
前記チューブポンプが、
前記ベースに固定され、前記ローラを公転移動させるように前記ロータを回転移動させる駆動ユニットと
前記駆動ユニットの出力軸の回転運動を前記ロータに伝達する連結軸と
を更に有し、
前記ロータが、前記円盤部との間で該ローラを保持するローラ押さえを有し、
前記円盤部の略中央には、前記ローラ押さえに向かって伸び、先端部が該ローラ押さえに当接する主支持軸が形成されており、
前記連結軸の前記ロータ側の端部には、非円形断面の位置決め軸部が形成されており、
前記連結軸において、前記位置決め軸部より駆動ユニット側の部分には、前記位置決め軸部よりも太径の非円径断面の係合軸部が形成されており、
前記主支持軸には、前記位置決め軸部と係合可能な位置決め穴部が形成されており、
前記円盤部には、前記係合軸部と係合可能な係合穴部が形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のチューブポンプ。
【請求項9】
前記位置決め軸部は、連結軸の中心軸線から放射状に伸びる断面形状がY字形状であることを特徴とする請求項8に記載のチューブポンプ。
【請求項10】
前記係合軸部は、略三角形断面形状であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のチューブポンプ。
【請求項11】
前記キャップの外周面の一部には、半径方向外側に突出する爪が形成されており、
前記ベースには、前記キャップが収容されるようになっている凹部が形成され、
前記ベースの凹部には、前記キャップの爪と係合して該キャップが該ベースから外れないように保持する爪が形成されており、
前記ベースの爪が前記キャップの外周面に当接し、該キャップは該ベースの爪によって半径方向外側から補強される
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のチューブポンプ。
【請求項12】
前記ベースの爪が当接する前記キャップの外周面と、前記ベースの爪とのいずれか一方には、係止突起が設けられており、いずれか他方には、該係止突起と係合する係止凹部が設けられていることを特徴とする請求項11に記載のチューブポンプ。
【請求項13】
前記係止突起は、前記キャップの軸方向に沿って伸びるピン状に形成されていることを特徴とする請求項12に記載のチューブポンプ。
【請求項14】
略円筒形状の内周面を備えたキャップと、
前記キャップの内周面に沿って配置されたチューブと、
ローラを有し且つ該ローラを前記キャップの該内周面に沿って公転移動可能に保持し、該ローラにて前記チューブを圧迫して該チューブの蠕動運動によって該チューブの内容物を輸送させるロータと、
前記キャップが取り付けられるベースと、
を有し、
前記ロータが、前記ローラをベース側で保持する円盤部と、該円盤部との間で該ローラを保持するローラ押さえを有し、
前記円盤部の略中央には、前記ローラ押さえに向かって伸び、先端部が該ローラ押さえに当接する主支持軸が形成されており、
前記円盤部と前記主支持軸との間にはリブが形成されている
ことを特徴とするチューブポンプ。
【請求項15】
略円筒形状の内周面を備えたキャップと、
前記キャップの内周面に沿って配置されたチューブと、
ローラを有し且つ該ローラを前記キャップの該内周面に沿って公転移動可能に保持し、該ローラにて前記チューブを圧迫して該チューブの蠕動運動によって該チューブの内容物を輸送させるロータと、
前記キャップが取り付けられるベースと、
前記ベースに固定され、前記ローラを公転移動させるように前記ロータを回転移動させる駆動ユニットと
前記駆動ユニットの出力軸の回転運動を前記ロータに伝達する連結軸と
を有し、
前記ロータが、前記ローラをベース側で保持する円盤部と、該円盤部との間で該ローラを保持するローラ押さえを有し、
前記円盤部の略中央には、前記ローラ押さえに向かって伸び、先端部が該ローラ押さえに当接する主支持軸が形成されており、
前記連結軸の前記ロータ側の端部には、非円形断面の位置決め軸部が形成されており、
前記連結軸において、前記位置決め軸部より駆動ユニット側の部分には、前記位置決め軸部よりも太径の非円径断面の係合軸部が形成されており、
前記主支持軸には、前記位置決め軸部と係合可能な位置決め穴部が形成されており、
前記円盤部には、前記係合軸部と係合可能な係合穴部が形成されている
ことを特徴とするチューブポンプ。
【請求項16】
略円筒形状の外周面及び内周面を備えたキャップと、
前記キャップの内周面に沿って配置されたチューブと、
ローラを有し且つ該ローラを前記キャップの該内周面に沿って公転移動可能に保持し、該ローラにて前記チューブを圧迫して該チューブの蠕動運動によって該チューブの内容物を輸送させるロータと、
前記キャップが取り付けられるベースと、
を有し、
前記キャップの外周面の一部には、半径方向外側に突出する爪が形成されており、
前記ベースには、前記キャップが収容されるようになっている凹部が形成され、
前記ベースの凹部には、前記キャップの爪と係合して該キャップが該ベースから外れないように保持する爪が形成されており、
前記ベースの爪が前記キャップの外周面に当接し、該キャップは該ベースの爪によって半径方向外側から補強される
ことを特徴とするチューブポンプ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−102574(P2011−102574A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258648(P2009−258648)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(592077992)株式会社ウエルコ (9)