説明

ツインチャンバ湿潤チューブ

葉巻の均一で一様な湿潤を側方から可能にするとともに、乾燥した葉巻の回復も可能にするダブルチャンバによって区別され、シガーパンチまたはカッターが取り付けられるとともに、内部に収容される葉巻のビトラおよび銘柄を見えるようにするツインチャンバ湿潤チューブ。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
この文書は、チューブのツインチャンバシステムのおかげにより最大で6ヶ月にわたって乾燥させることなく葉巻の両側で水分を均一に広がらせることができるツインチャンバ湿潤チューブに関連する特許発明について説明する。また、本発明は、乾燥した葉巻の回復も可能にする。湿潤する技術的役割とは別に、本発明は、その内部に格納される葉巻を外側から見ることができるため、広告の機会を与える。
【技術分野】
【0002】
本発明は、タバコ産業および喫煙者等における様々な物品および付属品の製造に適用される。
【背景技術】
【0003】
“プロス(puros)”として或いはその原産地“ハバノス(habanos)”によっても知られる葉巻は、包装紙の使用を伴わないロールタバコ葉から形成される葉巻である。
【0004】
葉巻の主な原産地はキューバであり、この国には、その土壌は別として、温度や湿度などの特別な気象状態が起こる。
【0005】
葉巻喫煙は、その本来の特徴、特に香りを感じることができるとともに、それを支障なく楽に消費できるように、特定のタバコ状態を必要とする。
【0006】
しかしながら、温度や湿度などの環境状態が原産地と異なる原産地以外の世界の異なる地域で葉巻を輸出して消費するには、最終消費者および消費者自身によって購入される前の輸送およびタバコ業者での保管のプロセス中に適切な保護が必要である。
【0007】
タバコショップには、通常、温度や湿度の特別な状態を与える大型の保湿箱(部屋であろうと家具であろうと)が設けられる。
【0008】
消費者側では、葉巻を管理するために部屋を建造し、または家具を購入するという工業的手法は不適当であり、したがって、葉巻を保存するには、消費前に葉巻の適切な状態を維持する湿ったスポンジから成る湿潤システムを有する木製の箱型器具などの小型の保湿箱が必要である。このシステムは定期的な水交換を必要とし、そのため、システムは、内部の湿気レベルを表示する湿度計を含む。
【0009】
また、葉巻を消費者の家から異なる消費場所へと持ち運ぶときには、特定のタイプの携帯型保湿箱が消費者によって使われる。一般に1〜3本の葉巻を収容できるこれらの小型の革製ケースは、湿潤システムそれ自体を含まないが、幾つかの改善がなされてきた。これらの携帯型物品の有効性は、葉巻が乾燥するのを防止し、または遅らせる革による隔離にあり、したがって、これらは保湿箱それ自体と見なされない。これらの改善された物品のサンプルは、米国特許第6112889号または実用新案第9900653号において見出すことができる。
【0010】
葉巻を保存する物品の他の例は、殆どが個人用であるアルミニウム葉巻チューブまたは葉巻キャリアであり、これは、チューブ内部を湿潤する湿潤システムとして作用する湿ったスポンジを一端に含んでいる。特定のレベルの湿気が得られるが、この物品は、葉巻保存の最適な状態を与えない。このチューブは、米国特許第5957277号または実用新案第8601104号において見出すことができる。
【0011】
チューブの内側の一端における湿気源としての湿ったスポンジの存在は、水蒸気を直接に押し出して葉巻の一端に凝集させる不均一な湿潤プロセスに起因して葉巻の破壊を引き起こし、影響された領域における過度な湿気は、葉巻の膨潤および不可逆的な破壊をもたらすとともに、残りの葉巻に湿潤欠陥をもたらす。
【0012】
葉巻保存にとって最適な状態は、65〜75%の湿度レベル環境で18〜22℃の温度であり、この場合、過度な湿気に起因する破壊を回避するべく、葉巻の全周にわたって均一で緩やかであるがゆっくりとした湿潤プロセスを伴う。
【0013】
これまでに知られている、そのようなアルミニウム携帯型チューブにおける湿潤プロセスに伴う更なる問題を回避するため、本発明は、ツインチャンバシステムのおかげにより葉巻に関して均一でゆっくりとした湿潤事象を特徴とし、乾燥葉巻の回復も可能にするツインチャンバ湿潤チューブに関する。適切なレベルの湿気を維持するためには、設けられたスポンジが完全に乾燥する前に水を段階的に交換するだけで済む。
【0014】
また、チューブの透明な部分は、葉巻、リング、および、葉巻銘柄の外部からの視認を可能にし、それにより、今日まで知られていない新たな進展が全体としてもたらされ、そのマーケティング機能および広告機能に関して多くの利点が与えられる。
【発明の概要】
【0015】
この発明が述べるツインチャンバ湿潤チューブは、明らかに、葉巻に対する均一な湿潤プロセスを可能にし、それにより、葉巻の湿気の均一で漸進的な広がりを可能にする実用的解決策である。
【0016】
均一な或いは一様な水分は、チューブ内の葉巻を内側で最大6ヶ月にわたって乾燥させることなく保つとともに、緩慢で漸進的な加湿は、適切な湿気および葉巻の保存を維持するために必要とされる時間を引き延ばす。この作用は、スポンジから始まって葉巻の内側へと向かう湿気によってなされる長い移動の結果のおかげであり、それにより、この厚い湿気は、様々な壁、チャンバ、および、通気孔を通過した後、葉巻がある内側チャンバに入る。
【0017】
また、可視的な上側部分により、技術的に、その内部に収容される葉巻、リング(ビトラ)、および、広告の機会を与える葉巻銘柄を視認できる。
【0018】
本発明において説明されるツインチャンバ湿潤チューブは、以下の要素、すなわち、
− 気密容器チューブまたは外側チューブ(1)によって形成され、2つの部分(1a)および(1b)と、湿潤システム(2)と、シガーカッター(キャップ型)とに分けられる外側円筒形状構造体と、
− 外側チューブ(1)よりも直径が僅かに小さく且つ外側チューブ(1)の長さの半分の内側チューブ(4)により形成される内側円筒形状構造体と、
から成る。
【0019】
外側チューブ(1)は、シガーパンチまたはカッター(3)を保持するためにネジまたは圧力システム(5)が上縁に位置されるとともに内側部分(1b)を結合するために圧力ワッシャ(6)が下縁に位置される透明な上側部分(1a)を有しており、内側部分(1b)の下縁には湿潤システム(2)が取り付けられる。同時に、上側部分(1a)の下縁は、両方の部分(1a)および(1b)をそれらの間にワッシャ(6)を介して固定するためにネジまたは圧力システム(7)を保持しており、そのため、下側部分(1b)の上縁はネジまたは圧力システム(8)を有する。
【0020】
湿潤システム(2)は、ネジまたは圧力(10)によって外側チューブ(1)の下側部分(1b)に固定される水密キャップ(9)と、湿気が逃げることができるようにする通気孔(12)を有する、スポンジ(13)のための容器と、水中に浸され且つ水を解放して葉巻を湿潤させるスポンジ(13)とから成る。
【0021】
シガーパンチまたはカッター(3)は、上側部分(1a)または外側チューブ(1)に固定されるネジまたは圧力システム(15)によって保持されるキャップタイプのカッター(14)と、全体に対する固着を行なうためのゴムワッシャ等(16)と、全体をポケットに引っ掛けるためのクリップ(17)と、圧力システム(19)のネジを用いてシガーパンチを覆うためのキャップ(18)とによって形成される。
【0022】
サイズが外側チューブ(1)の半分の内側チューブ(4)は、その基部に、ネジまたは圧力システム(21)を介して湿潤システム(2)を導入するための水密ホルダ(20)を保持しており、また、チューブの全周(22)にわたって均等に広げられる一連の通気孔は、スポンジ(13)によって排出される湿気の侵入を許容し、その結果、該湿気は、湿潤システム(2)から、存在する通気孔(12)を通じて出て、その内側にある葉巻(25)を湿潤させる。
【0023】
前述したように、外側チューブ(1)は、その下側部分(1b)に、内側チューブ(2)を収容する。そして、両方のチューブ、すなわち、外側チューブ(1)および内側チューブ(4)が前記下側部分(1b)内で互いに結合され、また、両方の部分、すなわち、上側部分および下側部分は、全体の水密固定を行なう外側チューブ(1)のワッシャ(6)およびネジまたは圧力システム(7および8)によって互いに結合される。
【0024】
互いに組み付けられて湿潤チューブが完全に装着されると、外側チューブ(1)と内側チューブ(4)との間に第1のチャンバ(23)が形成され、該チャンバにより、スポンジ(13)から出てくる湿気は、通気孔(12)を通じて逃げて、前記チャンバを横断し、葉巻(25)が位置する内側チューブ(4)の内部空間により形成される第2のチャンバ(24)に侵入する。
【0025】
このように、スポンジ(13)からの湿気は、葉巻(25)の下縁に直接に到達せず、チャンバ(23)に沿って広がるしかなく、その後、設けられた通気孔を通じてチャンバ(24)内に入り、それにより、葉巻の均一な湿潤プロセスがもたらされる。
【0026】
外側チューブ(1)の上側部分(1a)は透明であるため、内側に位置する葉巻(25)のビトラおよび銘柄(26)を見ることができる。
【0027】
最後に、このツインチャンバ機構がもたらす緩慢で均一な湿潤プロセスを考慮すると、粗末な或いは不適切な保存に起因する乾燥した葉巻を回復させることができる。これは、ツインチャンバの存在が、チューブ内への乾燥葉巻の挿入時に、湿気とスポンジ中の残存水との間の化学的なバランスに起因して必要とされるレベルの湿気が得られるまでスポンジにより放出される湿気の吸収を内側チューブの通気孔を通じて可能にするからである。すなわち、葉巻は、ツインチャンバを介してスポンジから水をゆっくりと吸収する吸収体として作用し、そのため、水を徐々に吸収させて葉巻が破壊されるのを回避するという利点を有する。
【0028】
以下の表は、本発明の主題である湿潤チューブを使用して葉巻から得られるメンテナンス・回復データを示している。
表1
重量(グラム)当たりの葉巻のメンテナンス
予め適切に湿潤されたチューブ内に葉巻が導入される。
【表1】


表2
重量(グラム)当たりの葉巻回復
【表2】

【0029】
本発明の技術の説明および特徴のより良い理解を促すために、9組の図面が添付されており、また、例示的な目的であって限定的な目的ではなく、以下が描かれる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】その最終形態を成す全体の正面図を示している。
【図2】上側部分と下側部分と水密キャップとを分離する図1の全体の正面図を示している。
【図3】内側細部を伴うその最終形態を成す全体の断面図を示している。
【図4】湿潤経路および湿潤システムの機能を詳しく示す下側部分の3次元図を示している。
【図5】湿潤システムの機能の断面図を示している。
【図6】内側チューブおよび湿潤システムの3次元分解図を示している。
【図7】外側チューブの下側部分の3次元分解図を示している。
【図8】シガーパンチ(カッター)の3次元分解図を示している。
【図9】外側チューブの上側部分の3次元分解図を示している。
【図10】水分源またはスポンジ(13)から、円筒体または外側チューブ(1b)と円筒体または内側チューブ(4)とによって形成されるツインチャンバ(23)を通じ、通気孔(22)を介してチャンバ(24)に入り込んで湿潤葉巻(25)へ至るまでの湿気経路を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[例1]
前述したツインチャンバ湿潤チューブは、2つの部分、すなわち、外側透明チューブ(1)だけによって形成される上側部分と、外側チューブ(1)と内側チューブ(4)とによって形成される下側部分とから成る。
【0032】
葉巻(25)を導入する前に、湿潤システム(2)から水密キャップ(9)を緩めるために圧力が加えられて、スポンジ(13)を有する容器(11)が引き抜かれ、スポンジ(13)が水中に浸され、再び、スポンジ(13)および容器(11)が圧力(21)を使用して内側チューブ(4)基部の水密ホルダ(20)に戻され、その後、キャップ(9)が、ネジまたは圧力システム(10)により再び締められた後、外側チューブ(1)の下側部分(1b)に固定される。
【0033】
水が交換されると直ぐに、両方の部分が外側チューブ(1)内の湿潤チューブ圧力システム(6、7および8)から分離され、その後、葉巻(25)が内側チューブの内部空間によって形成されるチャンバ(24)内に配置される。
【0034】
葉巻(25)が内側に配置されると、両方の部分の閉塞が進められ、圧力システム(6、7および8)が全体の緊密な閉塞を可能にする。
【0035】
これを達成するために、両方のチューブ、すなわち、外側チューブ(1)および内側チューブ(4)が互いに結合される。
【0036】
湿潤システム(2)は、スポンジ(13)が吸収した水から湿気を徐々に排出することにより作用し、該湿気は、通気孔(12)を通じて容器(11)から出て、チャンバ(23)−外側チューブ(1)直径と内側チューブ(4)直径との間に形成される空間に沿って広がり、内側チューブ(4)の内部空間によって形成される葉巻(25)が位置する第2のチャンバ(24)内へと、外周に沿って均等に分布される一連の通気孔(22)を通じて入り込む。
【0037】
このように、スポンジ(13)からの湿気は、葉巻(25)の下縁にまで間接的に達して、異なる通気孔を通じてチャンバ(23)の軸に沿って分散されてチャンバ(24)に侵入し、内側に位置する葉巻(25)の均一な湿潤プロセスをもたらす。
【0038】
湿潤システム(2)を抜き出してスポンジ(13)の水を定期的に交換するだけで、葉巻保存中にわたって適切なレベルの湿気が得られる。
【0039】
全体は、クリップ(17)を用いてポケットに引っ掛けて携行できるように設定される。
【0040】
一方、外側チューブ(1)の透明部分(1a)は、葉巻のビトラおよび銘柄を外側から見ることができるようにする。
【0041】
葉巻(25)を吸うときに、全体を開放するには、システム(7および8)を介して2つの部分を分割して葉巻を抜き出すだけでよい。
【0042】
このとき、葉巻を吸う前に葉巻の端部を穿孔する必要がある。シガーパンチまたはカッターを覆うキャップ(18)が圧力システム(19)の後に除去され、本発明に含まれるカッター(14)を用いて葉巻がカットされる。任意の他の葉巻に関してもシガーパンチ(14)を使用することができる。
【0043】
[例2]
ツインチャンバ湿潤チューブは、適切なレベルの湿気を伴う葉巻(25)保存のために使用されるだけでなく、ツインチャンバ湿潤チューブを用いて葉巻を湿潤させるゆっくりとした均一なプロセスのおかげにより、乾燥した保存状態の悪い葉巻を回復する場合にも使用され得る。
【0044】
この場合、ツインチャンバ(23)および(24)システムは、乾燥した葉巻がチューブ内に導入されるときに、湿気それ自体とスポンジの残存水との間で必要とされる水分バランスが得られるまで、この乾燥した葉巻がスポンジから内側チューブの通気孔または穴を通じて湿気を吸収するように作用する。言い換えると、葉巻は、ツインチャンバを使用してスポンジから水をゆっくりと吸収する吸収体として作用し、有利な事実として、葉巻の破壊が生じないよう、水は即座には吸収されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
葉巻の適切な湿気を維持するために使用され、側方から葉巻を均一に湿潤させるプロセスを可能にするとともに乾燥した葉巻を回復させる、および、内部に収容される葉巻を目に見えるようにするダブルチャンバから成るツインチャンバ湿潤チューブであって、気密容器チューブまたは外側チューブ(1)から成り且つ2つの部分(1a)および(1b)と湿潤システム(2)とキャップタイプシガーパンチまたはカッター(3)とに分けられる外側円筒構造体と、前記外側チューブ(1)よりも僅かに小さい直径と前記外側チューブ(1)の半分の長さとを有する内側チューブ(4)により形成される内側円筒構造体とによって形成され、それにより、両方のチューブ(1)および(4)間には直径差に起因して第1のチャンバ(23)が形成され、該チャンバ(23)を通じて、湿気が、葉巻(25)が位置する前記内側チューブ(4)により形成される第2のチャンバ(24)に侵入する、ツインチャンバ湿潤チューブ。
【請求項2】
前記外側チューブ(1)がその下側部分(1b)内に前記内側チューブ(2)を収容し、両方のチューブ、すなわち、前記外側チューブ(1)および前記内側チューブ(4)が前記下側部分(1a)内で互いに結合され、両方の部分、すなわち、前記下側部分および前記上側部分が、前記外側チューブ(1)に存在するワッシャ(6)と圧力システム(7および8)とによって結合され、それにより、全体を水密にすることができることを特徴とする、請求項1に記載のツインチャンバ湿潤チューブ。
【請求項3】
前記湿潤システム(2)が、通気孔(12)を有する容器(11)内に位置されるスポンジ(13)と水密キャップ(9)とによって形成されることを特徴とする、請求項1に記載のツインチャンバ湿潤チューブ。
【請求項4】
内側チューブ(4)が、前記湿潤システム(2)を受け入れるための水密ホルダ(20)と、全周にわたって均等に位置される一連の通気孔(22)とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のツインチャンバ湿潤チューブ。
【請求項5】
前記外側チューブ(1)の前記上側部分(1a)に固定されるキャップタイプ(14)のシガーパンチまたはカッター(3)を特徴とする、請求項1に記載のツインチャンバ湿潤チューブ。
【請求項6】
前記外側チューブ(1)の透明な上側部分(1a)が、その内部に収容される葉巻(25)のビトラおよび銘柄(26)を見えるようにすることを特徴とする、請求項1に記載のツインチャンバ湿潤チューブ。
【請求項7】
前記外側チューブの上側部分(1a)が全体を保持するための既存のクリップ(17)を有することを特徴とする、請求項1に記載のツインチャンバ湿潤チューブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−505127(P2011−505127A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535413(P2010−535413)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際出願番号】PCT/ES2008/000744
【国際公開番号】WO2009/068715
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(510146274)
【Fターム(参考)】