説明

テ−ピングテ−プ

【課題】 側面と外周縁を被覆部材で覆ったテ−ピング用テ−プにおいて、上記被覆部材が外れにくくする。
【解決手段】 テ−ピングテ−プ(1)は、巻芯(2)に巻回されている。このテ−ピングテ−プ(1)の側面に対応する円板状の面板(5)と上記巻芯(2)に嵌入する凸部(6)が被覆部材(4)に設けられている。上記凸部(6)の外周面は、円弧面(12)と平面(13)を組み合せた非円形の異型面に形成されている。この異型面により、巻芯の内面に部分的に圧接する圧接部(11)が形成される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、足首や肘等に巻き付けて使用されるテ−ピングテ−プに関するものである。
【0002】
【従来の技術】テ−ピングテ−プは巻芯に巻回した状態で提供され、各種のスポ−ツ等において、ケガの予防、再発防止、応急処置等として足首、手首、肘等の適所に巻き付けて使用される。そして、上記テ−ピングテ−プは、身体の施用部に当てがって巻き戻しながら均一な張力で巻き付けできることが望まれているが、テ−プの基材として一般に伸びの少ない布材料が用いられているから、テ−プの端縁にゆがみや波状の変形を生じていると施用部に均一に巻き付けることがむずかしくなり、所望のテ−ピング効果を達成することができなくなる。また、巻芯に巻回したテ−ピングテ−プの側面にごみ等が付着すると、施用した際にテ−プ側面に表われ、不衛生であり、見苦しく体裁も良くない。
【0003】テ−ピングテ−プは、上述したようにスポ−ツにおいて使用されることが多いので、スポ−ツバッグ内等に無造作に入れて持ち運ばれたりする。そのため、バッグ内で他の物品等に当ったり、床面に落下させたりすると、周縁部が凹んだり、傷ついたり、側面にごみが付着したりしやすい。
【0004】そのような実情に鑑み、出願人は、巻回したテ−ピングテ−プの側面及び周縁に薄いプラスチック製の被覆部材を沿着して全体を保護できるようにしたテ−ピングテ−プを提案した(実公平3−36513)。上記テ−ピングテ−プは、巻芯に被覆部材の凸部を嵌着して取り付け、該被覆部材の面板がテ−プの側面に対応し、被覆部材の周縁に形成した環状部がテ−プの外周縁を覆っているので、上述したような問題点を解決することができた。
【0005】上記テ−ピングテ−プを使用する際、上記被覆部材は、テ−プの巻芯から取り外され、使用後は再びテ−プの巻芯に凸部を嵌着して上記テ−プに取り付けられる。この際、上記巻芯の中空部と凸部の外形は、凸部がほぼ応当して嵌入するようにいずれも円形に形成されているから、凸部の外径が中空部の内径より小さいと被覆部材が外れやすく、バッグ内に詰め込んだときや携行中に落下するおそれがある。一方、凸部の外径が中空部の内径よりも大きいと、被覆部材の着脱が容易にできなくなり、使用上不都合を生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、上記のように被覆部材によって巻芯に巻回されたテ−ピングテ−プの側面及び外周端縁部を保護できるようにしたテ−ピングテ−プにおいて、上記被覆部材が外れにくく、かつ使用する際は手軽に外すことができるようにしたテ−ピングテ−プを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、巻芯に巻回されたテ−ピングテ−プの側面に対応する円板状の面板を薄くて自立性を有するプラスチック材料で形成し、該面板の中央に上記巻芯の円形の中空部に嵌入する凸部を設けた被覆部材を有し、該被覆部材を上記テ−プの両側面に取外可能に嵌着するようにしたテ−ピングテ−プにおいて、上記被覆部材の凸部の外周面を非円形の異型面に形成し、上記巻芯の内面に圧接する圧接部を形成したことを特徴とするテ−ピングテ−プが提供され、上記課題が解決される。
【0008】また、本発明によれば、上記被覆部材は、面板の周縁よりテ−プの外周面の端縁を越えてテ−プ周面の内方側へ屈曲して延出する環状部を有し、好ましくは該環状部の端縁にはフランジが形成され、上記凸部の外周面は、弧面と平面を組み合せて形成したり、円弧面と該円弧面から突出させた隆起面で形成したり、多角形状面に形成され、上記課題が解決される。
【0009】
【発明の実施の形態】図1〜図4には、本発明の一実施例が示されている。図において、テ−ピングテ−プ(1)は、一定長が巻芯(2)に巻回されており、該巻芯(2)には円形の中空部(3)が形成されている。被覆部材(4)は、薄くて自立性を有するプラスチック材料で構成されている。図に示す実施例では、プラスチック材料としてポリスチレンを用いているが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等を使用でき、また環境対策上の問題はあるがポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル含有ポリマ−も使用可能であり、これらのプラスチック材料を単独又は2以上をブレンドとして使用することもできる。上記プラスチック材料は、透明、不透明、着色したもの等が使用でき、透視性を有するものであれば、テ−プの残量を透視することができる。
【0010】上記被覆部材(4)は、上記テ−ピングテ−プの側面に対応する円板状の面板(5)を有し、その中央部には、上記巻芯(2)の中空部(3)に嵌入する凸部(6)が有る。また、該面板(5)の周縁よりテ−プの外周面の端縁を越えてテ−プ周面に沿ってその内方側へ屈曲して延出する環状部(7)が有り、該環状部(7)の端縁には外方へ延びる小さなフランジ(8)が形成されているが、該フランジ(8)を設けないこともある。
【0011】上記被覆部材(4)の凸部(6)は、上記面板(5)から内方に突出する略筒状体に形成され、その先端には嵌入を案内するための傾斜面(9)を介して端板(10)が形成されているが、該端板(10)を省くこともできる。上記凸部(6)の外周面は、非円形の異型面に形成され、これにより巻芯(2)の内面に部分的に圧接する圧接部(11)を形成している。
【0012】図1〜図4に示す実施例では、上記凸部(6)の異型面は、図5(A)の説明図に示すように、円周の一部を三方向からカットしたような形状になるよう円弧面(12)…と平面(13)…を組み合せた形状に構成されている。この実施例では、上記円弧面(12)…が圧接部(11)となって巻芯(2)に嵌着し、上記平面(13)の部分は巻芯の内面に圧着しない。なお、図においては各円弧面は同一円周上に並んでいるが、各円弧面の中心点を変えたり、曲率の異なる弧面で構成するようにしてもよい。
【0013】上記円弧面(12)と平面(13)の組み合せは、各面の数を適宜に増減することができ、図5(B)に示すように上記実施例よりも数を増加させてもよい。
【0014】上記凸部(6)の異型面は、上記実施例の他適宜の形状に構成することができる。例えば、図6(A)に示すように円弧面(14)と該円弧面から略条線状に突出した隆起面(15)を形成し、巻芯(2)に嵌着した際、上記隆起面に対向する円弧面(14)の一部と上記隆起面(15)が圧接部(11)となるようにしてもよい。この場合、上記隆起面(15)を3ヶ所に設けたり(同図(B))、4ヶ所に設けたり(同図(C))、波形状に複数連続して設けたりしてもよい(同図(D))。また、上記隆起面は凸部の外周面に点状に分散して設けることもできる。
【0015】さらに、上記凸部(6)の異型面としては、外周面を複数の平面(16)で構成した多角形状面とすることもできる。例えば、図7(A)に示すように、6角形状にしたり、同図(B)に示すように8角形状にすることができる。この場合は、多角形状の角部が巻芯(2)に圧接する圧接部(11)となる。
【0016】上記のように、被覆部材(4)の凸部(6)をテ−ピングテ−プ(1)の巻芯(2)の中空部(3)に嵌入すると、上記各圧接部(11)…の部分で部分的に巻芯(2)の内面に圧着されるから、上記巻芯(2)の中空部(3)の内径と上記圧接部(11)の外径を適宜に選定することにより、従来のように円形の凸部を円形の中空部に嵌入する場合に比べて被覆部材(4)を外れにくく嵌着することができると共に所望の場合には容易に外すことができる。
【0017】
【実施例】上記図1〜図3に示すような円弧面と平面を組み合せた異型面の凸部を有する本発明の被覆部材と、外周面が円形面である凸部を有する従来の被覆部材を用意し、テ−ピングテ−プの巻芯に嵌着していずれが外れにくいかを測定した。なお、本発明の被覆部材の凸部の円弧面部分の外径は約25.38mmであり、平面部分の長さは約8.5mmである。一方、従来の被覆部材の凸部の円弧面の外径は、約25.28mmであり、同一内径の巻芯に約5mm嵌入させた。測定には、インストロン型引張試験機を用い、下部チャックでテ−プをつかみ、上部チャックで被覆部材の外周をつかんで上下に引き剥すときの剥し力を測定したところ、従来のテ−プでは、剥し力は8.02Nであるのに対し本発明では12.52Nであった。
【0018】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され、薄い自立性のあるプラスチック材料で作られテ−ピングテ−プの側面に対応する面板とその中央に巻芯の円形の中空部に嵌入される凸部を有する被覆部材を両側面に沿着したテ−ピングテ−プにおいて、上記凸部の外周面を非円形の異型面に形成し、巻芯の内面に部分的に圧接する圧接部を形成したので、上記被覆部材をテ−プの巻芯に嵌入したとき簡単に外れないようにでき、スポ−ツバッグ内等に詰め込んでもテ−ピングテ−プの外周縁や側面を確実に保護して外縁等が潰されたり、変形しないようにでき、また側面が汚れないようにできる。
【0019】また、従来のように凸部の外周面が円形の被覆部材の場合、巻芯から外れないようにするには、凸部の外径を巻芯の内径に対して大きく形成することも考えられるが、そのように構成すると嵌合が堅くなって被覆部材の着脱が非常に面倒になり、取り扱いにくくなるが、本発明は上記のように圧接部が部分的に巻芯に圧接するようにしたので、被覆部材を装着しやすく、必要なときには容易に外すこともできる。なお、環状部にフランジを形成すると、テ−プの外周面に該環状部の内面が接していても該フランジを手掛かりとして被覆部材を容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、被覆部材の斜視図。
【図2】図1の底面図。
【図3】図1の断面図。
【図4】テ−ピングテ−プの断面図。
【図5】(A),(B)は、それぞれ弧面と平面で外周面が形成された凸部の説明図。
【図6】(A),(B),(C),(D)は、それぞれ弧面と隆起面で外周面が形成された凸部の説明図。
【図7】(A),(B)は、それぞれ多角形状面で外周面が形成された凸部の説明図。
【符号の説明】
1 テ−ピングテ−プ
2 巻芯
4 被覆部材
5 面板
6 凸部
7 環状部
11 圧接部
12 円弧面
13 平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】 巻芯に巻回されたテ−ピングテ−プの側面に対応する円板状の面板を薄くて自立性を有するプラスチック材料で形成し、該面板の中央に上記巻芯の円形の中空部に嵌入する凸部を設けた被覆部材を有し、該被覆部材を上記テ−プの両側面に取外可能に嵌着するようにしたテ−ピングテ−プにおいて、上記被覆部材の凸部の外周面を非円形の異型面に形成し、上記巻芯の内面に圧接する圧接部を形成したことを特徴とするテ−ピングテ−プ。
【請求項2】 上記被覆部材は、面板の周縁よりテ−プの外周面の端縁を越えてテ−プ周面の内方側へ屈曲して延出する環状部を有する請求項1に記載のテ−ピングテ−プ。
【請求項3】 上記被覆部材の環状部の端縁にはフランジが形成されている請求項2に記載のテ−ピングテ−プ。
【請求項4】 上記凸部の外周面は、弧面と平面を組み合せて形成されている請求項1に記載のテ−ピングテ−プ。
【請求項5】 上記凸部の外周は、円弧面と該円弧面から突出させた隆起面を有している請求項1に記載のテ−ピングテ−プ。
【請求項6】 上記凸部の外周面は、多角形状面に形成されている請求項1に記載のテ−ピングテ−プ。
【請求項7】 上記被覆部材は、ポリスチレンで作られている請求項1ないし6のいずれかに記載のテ−ピングテ−プ。

【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2001−340377(P2001−340377A)
【公開日】平成13年12月11日(2001.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−165368(P2000−165368)
【出願日】平成12年6月2日(2000.6.2)
【出願人】(000004020)ニチバン株式会社 (80)