ティシュペーパー製品
【課題】コンパクトなポップアップ式のティシュペーパー製品を提供する。
【解決手段】
収納箱上面にティシュペーパーを取り出すスリットが形成された樹脂製フィルムを押さえるための押持片を形成するとともに、ティシュペーパー束を長手側面間の中央部が上面側に向かって凸となるように撓ませた状態で、各長手側面が収納箱長手面の内面に当接し、前記長手側面が前記収納箱長手面の内面間に挟持された状態で収納したティシュペーパー製品により解決される。
【解決手段】
収納箱上面にティシュペーパーを取り出すスリットが形成された樹脂製フィルムを押さえるための押持片を形成するとともに、ティシュペーパー束を長手側面間の中央部が上面側に向かって凸となるように撓ませた状態で、各長手側面が収納箱長手面の内面に当接し、前記長手側面が前記収納箱長手面の内面間に挟持された状態で収納したティシュペーパー製品により解決される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚のティシュペーパーの束を収納箱に収めたティシュペーパー製品に関し、特に、ポップアップ式のティシュペーパー製品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、家庭やオフィス等で広く使われているティシュペーパーは、カートンとも称される概ね直方体の収納箱に多数が収納されて市販されている。
【0003】
ティシュペーパー製品においては、収納箱に内包されるティシュペーパーをローションティシューと称される原紙に柔軟剤等の薬液を付与したものとした高級なローションタイプのものが市販に供され急速に普及している。
【0004】
上記ローションタイプの製品は、汎用タイプの製品と比較して高価であるため、使用者においてはローションタイプの製品を汎用タイプの製品に代えるのではなく、ローションタイプの製品は主に鼻をかむ際等の肌に直接触れる用途のみに使用し、ゴミ、塵、食べこぼし等の拭取りの用途には汎用タイプの製品を使用するという、両者を用途によって使い分ける傾向にある。
【0005】
ティシュペーパー製品は、生活の各種の場面で用いられ、その使用頻度は高く、一般にはダイニングテーブル、リビングテーブル、オフィスデスク等のすぐに使用できる場所に恒常的に置いておくものである。よって上記のとおりティシュペーパー製品の用途による使い分けの傾向が高まるにつれ、二種のティシュペーパー製品をダイニングテーブル等の限られたスペース上に置くことにつき邪魔になる等の問題が生じてきており、特に汎用タイプの製品をより一層コンパクト化することの意義が高まってきた。
【0006】
他方、ティシュペーパー製品のコンパクト化、小スペース化にかかる技術は、下記特許文献1〜3等に見られる。しかし、これらに開示されるティシュペーパー製品は、現在主流の上面に取出口を有する直方体形状のティシュペーパー製品との見た目の形状差がありなじみがなく、普及が進んでいない。また、特許文献1や2に示されるティシュペーパー製品は、ティシュペーパー束を二つ折りにして収納箱に収めてコンパクト化を図っているが、収納箱内で束が回転したり、残数が少なくなったときに箱内で束が折り曲がって落ち込んでしまうおそれがある。また、特許文献1のものは、取出口から露出するティシュペーパーを支持するフィルムがなく、ティシュペーパーの箱内への落ち込みや、引出し時の感触などに関し、取出口にフィルムを有するものと同様とはいえない。また、引用文献2のものは、取出口が小さくティシュペーパー引出し時の引出し抵抗が高く、スムーズな引出しができない、あるいは引出し時に収納箱ごと持ち上がってしまうおそれがある。このように、従来の技術では、収納箱の見た目や、ティシュペーパーの落ち込み、引出し性において満足のいくものがなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−261352
【特許文献2】特許第4094963号
【特許文献3】特開平7−187261
【特許文献4】特開2010−6444
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって、本発明の主たる課題は、従来の収納箱に近い形状であり、また、収納箱の大きさがコンパクト化されて設置面積を省スペース化でき、そのうえポップアップ性に優れ、さらに最後まで内包されたティシュペーパーを取り出しやすい、ティシュペーパー製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した本発明及び作用効果は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
長方形の上面及び底面及びこれらを繋ぐ長手面及び短手面を有する直六面体形状をなし、上面に長手縁に沿う方向に延在する環状のミシン目線で囲まれる取出口形成部を有する紙箱と、前記取出口形成部内に位置される前記長手縁に沿って延在するスリットを有し少なくとも前記取出口形成部を紙箱内側から覆う樹脂製フィルムと、を具備する収納箱内に、
方形のティシュペーパーを二つ折りしてその折り返し片の縁が上下に隣接する他のティシュペーパーの折り返し内面に位置するように互い違いに重ねつつ積層した直方体のティシュペーパー束が、収納されているティシュペーパー製品であって、
前記収納箱が、紙箱の上面に、前記長手縁に沿って延在する折り線と、この折り線の両端部から前記環状のミシン目線に繋がる一対の裂開ミシン目線とで囲まれる押持片形成部を有し、
前記ティシュペーパー束が、折り返し縁が並ぶ面を長手側面として、各長手側面間が近づけられ長手側面間の中央部が上面側に向かって凸となるように撓ませられ、かつ、その撓ませられた状態で各長手側面が収納箱長手面の内面に当接され、前記長手側面が前記収納箱長手面の内面間に挟持されて前記ティシュペーパー束の上面側凸形状が収納箱内で維持された状態に収納されている、
ことを特徴とするティシュペーパー製品。
【0010】
<請求項2記載の発明>
前記取出口形成部の両側に、それぞれ押持片形成部が形成されている請求項1記載のティシュペーパー製品。
【0011】
<請求項3記載の発明>
裂開ミシン目線が、カット部とタイ部とが非平行に並列する一対のミシン目線で構成される二重ミシン目線である、請求項1又は2記載のティシュペーパー製品。
【0012】
<請求項4記載の発明>
前記押持片形成部に、前記裂開ミシン目を裂開させた後に、前記裂開ミシン目線間の間隔を伸張可能とする加工が施されている請求項1〜3の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【0013】
<請求項5記載の発明>
前記取出口形成部の長手縁方向中央部に幅広にされた拡口部を有する請求項1〜4の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【0014】
<請求項6記載の発明>
取出口形成部を構成するミシン目線のうち、少なくとも長手縁方向に沿う部分が、カット部とタイ部とが非平行に並列する一対のミシン目線で構成される二重ミシン目線である、請求項1〜5の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【0015】
<請求項7記載の発明>
取出口形成部の長手縁方向端部に開口開始用押し込み部が形成されている請求項1〜6の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【0016】
<請求項8記載の発明>
前記開口開始用押し込み部は、幅方向に延在する折り線とその折り線の両端から長手方向外方に向かって膨出するアーチ状のミシン目線で囲まれた部分である、請求項7記載のティシュペーパー製品。
【0017】
(作用効果)
まず、本発明にかかるティシュペーパー製品は、直六面体形状をなし上面取出口を形成した収納箱としたので、従来製品と同様の外観とすることができ、もって見た目の違和感がない。
【0018】
そして、本発明にかかるティシュペーパー製品では、ティシュペーパー束が、折り返し縁が並ぶ面を長手側面として、各長手側面間が近づけられ長手側面間の中央部が上面側に向かって凸となるように撓ませられた状態で収納箱に収納されているため、撓ませ前の状態と比較して平面視の面積が小さくなっている。したがって、底面面積を小さくした収納箱に収めることができ、もって、特に設置面積の小さい製品とすることができ、コンパクト化が図られる。
【0019】
また、本発明にかかるティシュペーパー製品では、ティシュペーパー束が上記のとおり撓ませられた状態で各長手側面が収納箱長手面の内面に当接されているので、ティシュペーパー束の長手側面と収納箱長手面の内面との間に余裕がなく、ティシュペーパー束が収納箱内において長手方向を跨ぐ方向に自由に移動できず拘束された状態であり、ティシュペーパー束が収納箱内で移動して束が崩れるということがない。さらに、ティシュペーパー束自体の弾性と自重による凸部が撓みまえの状態に戻ろうとする復元作用によって、ティシュペーパー束の長手側面が収納箱長手面の内面を押圧するため、結果的に前記長手側面が前記収納箱長手面の内面間に挟持されて、ティシュペーパー束の上面側凸形状が収納箱内で維持される。そのうえ、本発明にかかるティシュペーパー束の撓み後の形状は、上面側凸形状であるため、束上面と収納箱上面が近く、収納箱上面に形成される取出口かティシュペーパー束を引き出しやすく、ポップアップ性が向上する。
【0020】
他方、本発明は上記特徴的なティシュペーパー束により収納箱をコンパクト化できるものの、収納箱をコンパクト化した場合には、ティシュペーパーの縦寸法に対する収納箱の高さの比率が高くなり、残り枚数が少なくなるにつれて取出口とティシュペーパー束上部との間隔は広がるから、ティシュペーパー引出し後に取り出しフィルムにかかる荷重が大きくなりティシュペーパーが落ち込む現象が生じる傾向にあり、また、上面側に凸となるティシュペーパー束の形状としたことにより、特に、収納箱内のティシュペーパー枚数が少なくなった際に、スリットから露出するティシュペーパーが収納箱内に落ち込むおそれが予想される。特に、収納箱内部のティシュペーパー残が少なくなっている際には、使用によりスリットが伸びて、ティシュペーパーの支持力が弱まるようになる。
【0021】
そこで、本発明は、長方形の上面及び底面及びこれらを繋ぐ長手面及び短手面を有する直六面体形状をなし、上面に長手縁に沿う方向に延在する環状のミシン目線で囲まれる取出口形成部を有する紙箱と、前記取出口形成部内に位置される長手縁に沿って延在するスリットを有し前記取出口形成部を紙箱内側から覆う樹脂製フィルムと、を具備する収納箱の前記紙箱の上面に、長手縁に沿って延在する折り線と、この折り線の両端部から前記環状のミシン目線に繋がる一対の裂開ミシン目線とで囲まれる押持片形成部を設けた。
【0022】
本発明では、取出口形成部に係る環状のミシン目線を裂開して除去することにより、フィルムに形成されたスリットが露出して取出口が形成されるとともに、必要に応じて前記裂開ミシン目線を裂開することで、折り線を基端縁とする押持片が形成される。そして、この押持片の一方縁は、前記取出口の縁でもあるため、前記押持片を箱内面側へ押しむようにすることで、フィルムが押さえられるようになる。そして、このようにフィルムが押さえられた場合には、フィルムに適度な張力が与えられ、スリット形状が好適に維持され、またスリット縁をティシュペーパーに押しつける作用が生じ、上記収納箱のコンパクト化に起因する、ティシュペーパーの落ち込み等の問題が効果的に改善されるとともに、使用初期から最後の一枚に至るまでスムーズにスリットからティシュペーパーを引き出すことができるようになる。
【0023】
ここで、取出口形成部の幅方向(長手方向に直行する方向)の両側にそれぞれ押持片形成部が形成されていると、取出口の両側に押持片を形成することができ、もってフィルムのスリットの両側部を押さえることができるようになり、ティシュペーパーの支持効果をより高めることができる。
【0024】
他方、前記押持片形成部を構成する裂開ミシン目線は、一対のミシン目線がカット部とタイ部とを非平行にして並列された二重ミシン目線であるのが望ましい。ミシン目線を裂開した際には、その裂開縁は凹凸のあるものとなるが、二重ミシン目線の場合、一重のミシン目線と比較して、その裂開縁の凹凸がより深いものとなる。よって、裂開ミシン目線が二重ミシン目線であると、押持片を形成した際に、押支持の裂開縁とこれと対となる裂開縁が深い凹凸のある縁となり、このような裂開縁が形成された状態で押持片を収納箱内に押し込んでフィルムを押さえるようにすると、前記各裂開縁の双方の深い凹凸が噛み合って押持片の押し込み態様、すなわちフィルムを押さえた状態が維持されるようになる。これにより、スリットを介してティシュペーパーを引き出す際に、フィルムの弛みや伸びによってスリット部分が持ち上がろうとしても、上記凹凸の噛み合いによる押持片の押さえ状態の維持により、これが効果的に防止され、よりスリットからのティシュペーパーのスムーズな取り出しと、ティシュペーパーのスリットからの落ち込みが防止されるようになる。
【0025】
さらに、本発明では、押持片形成部に、裂開ミシン目を裂開させた後に、前記裂開ミシン目線間の間隔を伸張可能とする加工が施されているのが望ましい。このようにすると、押持片形成後に裂開ミシン目線間の間隔を伸張させるようにすると、上記の押持片の裂開縁が、これと対となる裂開縁に押し当てられるようになるため、両裂開縁同士がずれがたくなる。よって、このように構成した場合にも、上述の二重ミシン目線の効果と同様に、押持片の押し込み態様、すなわちフィルムを押さえた状態が維持されるようになる。これにより、スリットを介してティシュペーパーを引き出す際に、フィルムの弛みや伸びによってスリット部分が持ち上がろうとしても、押持片の押さえ状態の維持により、これが効果的に防止され、よりスリットからのティシュペーパーのスムーズな取り出しと、ティシュペーパーのスリットからの落ち込みが防止されるようになる。
【0026】
ここで、本発明では、取出口形成部の長手中央部に幅広にされた拡口部を設けるのが望ましい。本発明はコンパクト化により、スリット、取出口の大きさが小さくなりがちであるが、上記のとおり拡口部を設けることで、ティシュペーパーの摘みやすさを向上させることができる。特に、使用開始時の最初の一枚の摘みやすさが向上する。
【0027】
また、取出口形成部を構成するミシン目線のうち、少なくとも長手方向に沿う部分を二重ミシン目線にすることで、環状ミシン目線で囲まれる部分を引き剥がしやすくなり、取出口を形成しやすくなる。
【0028】
さらに、取出口形成部の長手方向端部に開口開始用押し込み部が形成されていると、取出口をより形成しやすくなる。そして、この開口開始用押し込み部は、幅方向に延在する折り線とその折り線の両端から長手方向外方に向かって膨出するアーチ状のミシン目線で囲まれた部分であると、取出口を形成させるための最初の開口部をより形成しやすくなるため、より望ましい形態である。
【発明の効果】
【0029】
以上のとおり、本発明によれば、従来の収納箱に近い形状であり、また、収納箱の大きさがコンパクト化されて設置面積を省スペース化され、そのうえポップアップ性に優れ、さらに最後まで内包されたティシュペーパーを取り出しやすい、ティシュペーパー製品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明にかかるティシュペーパー製品の外観を表す斜視図である。
【図2】本発明にかかるティシュペーパー製品の構造例を説明する斜視図である。
【図3】本発明にかかるティシュペーパー製品の収納箱上面の構造例を説明する上面図である。
【図4】本発明にかかるティシュペーパー製品の収納箱上面の他の構造例の上面図である。
【図5】本発明にかかるティシュペーパー製品の収納箱上面の別の構造例の上面図である。
【図6】本発明にかかる二重ミシン目線を説明するための図である。
【図7】本発明にかかるティシュペーパー束を説明するため図である。
【図8】本発明にかかるティシュペーパー束の撓みを説明するための図である。
【図9】本発明にかかるティシュペーパー束の収納状態を説明するための図である。
【図10】本発明にかかる押持片の押し込み状態及びティシュペーパー束の収納状態を説明するための図である。
【図11】本発明にかかるティシュペーパー束の他の収納状態を説明するための図である。
【図12】マルチスタンド式インターフォルダによる本発明にかかるティシュペーパー束の製造過程を示す図である。
【図13】マルチスタンド式インターフォルダによる本発明にかかるティシュペーパー束の製造過程を示す他の図である。
【図14】本発明のかかるティシュペーパー束の搬送過程を示す図である。
【図15】本発明のかかるティシュペーパー束の撓み形成過程を示す図である。
【図16】本発明のかかるティシュペーパー束の他の撓み形成過程を示す図である。
【図17】本発明のかかるティシュペーパー束の収納箱への収納を説明するための図である。
【図18】本発明のかかるティシュペーパー束の収納箱への収納装置例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次いで、本発明の実施の形態を図面を参照しながら以下に詳述する。
『ティシュペーパー製品』
本発明にかかるティシュペーパー製品X1は、複数枚のティシュペーパー1が折り畳まれ重層されてなるティシュペーパー束10が、上面2Uに取出口25又は取出口形成部26が形成された収納箱2に収納され、使用時に当該取出口25からティシュペーパー1の一枚を取り出すと、隣接して積層されている下層の一枚の一部が取出口25から露出されるように構成されたものである。所謂ポップアップ式のティシュペーパー製品X1である。なお本発明における一枚とは、ティシュペーパーの単位をいい、1プライ又は2プライ以上で一組としたものを意味する。
【0032】
ティシュペーパー束10が収納される収納箱2は、カートンとも呼ばれる箱体である。この収納箱2は、製品外観をなすものであり、本発明では、長方形の上面2U及び底面2B及びこれらを繋ぐ長手面20L及び短手面20Sを有する直六面体形状をなし上面2Uに取出口形成部26を構成する環状のミシン目線21を有する紙箱20と、少なくとも前記ミシン目線により囲まれる範囲を紙箱内側から覆う樹脂製フィルム22とで構成される。
【0033】
紙箱20の構造としては、上面2U、底面2B及びこれらに連接する長手面20Lと、各面の長手方向両側縁に連接された底面側片23B、長手面側片23L、上面側片23Uとを有し、前記長手面側片23L,23Lを箱内面側に折り返した後、これに重ねて上面側片23Uと底面側片23Bとを折り曲げ、各片の当接部分をホットメルト接着剤等により接着して短手面20Sが形成される構造が例示できる。
【0034】
本発明のティシュペーパー製品X1では、従来の一般的な製品の大きさに比して特に設置面積の点でコンパクトであることが望まれる。したがって、近年のコンパクト化が進められた従来汎用タイプのもの(概ね短手縁115mm前後、長手縁230mm前後、高さ50mm程度の大きさ)よりも、さらに一層コンパクトとし、収納箱2の大きさは、長手縁L1が160〜250mm、短手縁L2が60〜100mm、高さL3が45〜100mmとするのが望ましい。少なくとも本発明はこの大きさの収納箱2の大きさが採用できる。
【0035】
さらに、本発明にかかる収納箱2は、長手方向長さL1に対する収納箱の高さL3が80〜140%であるのが望ましい。本発明では、このようなコンパクト化な形状としても、後述する特徴的な収納箱態様及びティシュペーパー束10の収納態様と相まって、スムーズな引出し及び収納箱内のティシュペーパー1の残数が少なくなった際のスリット24を介して一部露出されるティシュペーパー1の収納箱内への落ち込みが好適に防止される。
【0036】
他方、本発明に係る取出口形成部26は、上面2Uの長手縁に沿う方向に延在するように細長形状をなす、環状のミシン目線21で囲まれる範囲であり、当該環状のミシン目線21を裂開し形成部26に係る範囲を分離除去することで取出口25が形成される。
【0037】
取出口形成部26の具体的な形状までは限定されないが、紙箱上面2Uの長手方向に沿う方向を長辺とする略楕円形状又は矩形が代表的であり、取出し性、利便性が高いことから、本発明においてもこの態様が好適である。図示の形態では、取出口形成部26は、上面2Uに長手縁に沿って延在する並列する二重ミシン目線21A,21Aと、それらの端から箱外方に向かって膨出するアーチ状の一重のミシン目線21B,21Bとで囲まれる略楕円形状とされている。
【0038】
他方、図示の取出口形成部26では、前記一重のミシン目線21B,21Bの端(二重ミシン目線21A,21Aの端でもある)との間を架橋するように、折り線21C,21Cが配されており、この折り線21C,21C及びアーチ状の一重ミシン目線21B,21Bで囲まれる部分が開口開始用押し込み部27とされている。
【0039】
なお、二重ミシン目線21A,21A間の間隔、すなわち取出口25の幅は、収納箱2のコンパクト化及びティシュペーパー1の取出し性を考慮すると15〜20mmとするのが望ましい。また、取出口形成部25には、特に図4、図5に示したように、長手方向中央部に幅を広げた拡口部28を形成してもよい。拡口部28を形成することにより、取出口25を形成した際に、ティシュペーパー1の摘みやすさが向上する。特に、使用開始時の最初の一枚の摘みやすさが格段に向上する。なお、拡口部28の具体的な幅は、上述のとおり、取出口形成部26の幅を15〜20mmとするのであれば、25〜45mmとするのが望ましい。
【0040】
ここで、取出口形成部26に関し、開口開始用押し込み部27を一重ミシン目線21Bとし、長手縁に沿う部分を二重ミシン目線21Aとしてあると、一般に一重ミシン目線のほうが二重ミシン目線よりも押し込み操作や引っ張り操作によって裂開させる際により強い力が必要であることから、裂開開始端としやすい取出口形成部26の端部が一重のミシン目線であることで意図しない裂開が防止されるとともに、意図して当該部分を裂開させた際にはこれに続く二重ミシン目線部分が容易に裂開されるようになる。また、前記折り線21Cを配すると、開口開始用押し込み部27を指で押し込んだ際に、かかる折り線21Cで折れて開口開始用押し込み部27が指に掛かりやすくなる。
【0041】
なお、取出口形成部26に係る一重ミシン目線21B、二重ミシン目線21Aのカット部、タイ部の長さ、カットタイ比、二重ミシン目線の線同士の間隔は、取出口25の形状、大きさ、紙箱2の素材、厚さに応じて適宜設計することができる。
【0042】
他方、前記樹脂製フィルム22には、収納箱2の長手方向に沿ってスリット24が形成されており、このスリット24は前記環状のミシン目線21により囲まれる範囲、すなわち取出口形成部26に位置されている。したがって、特に、図1及び2に示されるとおり、前記環状ミシン目線21に沿って取出口形成部26を切り剥がすことにより、上述のとおり紙箱上面2Uに取出口25が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム22及びそれに形成されたスリット24が取出口25を介して露出される。そして、収納箱2に束10として収納されているティシュペーパー1がスリット24を介して取出口25から一枚ずつ取り出し可能となる。当該スリット24によって、取出口25から露出されるティシュペーパー1の一部が支持されて収納箱2内部に落ち込むことが防止される。
【0043】
なお、スリット24の長さは、適宜の長さとすることができ取出口25との大きさの関係で適するとされる長さが採用される。但し、本発明におけるコンパクト性を達成しつつ取り出しやすさをも良好にするという点から、スリット24の長さは収納箱2の長手方向長さL1の50〜80%の長さであるのが望ましい。もちろん、これに応じて取出口形成部26自体の大きさも適宜設計する。
【0044】
さらに、本発明では、スリット24の長さを収納されているティシュペーパー束10の短手面間の長さの55〜80%とするのが望ましい。後述する特徴的なティシュペーパー束10の収納態様と相まって、スムーズな引出しと、収納箱内のティシュペーパーの残数が少なくなった際にスリット24を介して一部露出されるティシュペーパーの収納箱内への落ち込みが好適に防止される。
【0045】
樹脂性フィルム22の好適な素材は、LLDPE(直鎖低密度ポリエチレン)等のポリエチレンフィルムであるが、ポリプロピレン、ポリエステルなども例示できる。
【0046】
樹脂製フィルム22の厚みは、10〜200μmが適する。10μm未満では、強度的に不足し、ティシュペーパー1の取り出し時において裂けあるいは破断の確率が高くなる。逆に、200μmを超えると、強度の問題はないものの、取り出し難くなり、またコスト高となる。
【0047】
ここで、本発明の収納箱2は、特徴的に前記紙箱20の上面2Uに、前記取出口形成部26の二重ミシン目線21Aから離間した位置に、長手縁に沿って延在する折り線31が形成され、この折り線31の両端部(両端を含む)から、前記取出口形成部26の長手方向端部に繋がる一対の裂開ミシン目線32,32が形成され、この折り線31及び裂開ミシン目線32,32で囲まれる範囲が押持片形成部30とされている。押持片形成部30は、取出口形成部26に係る部分を裂開して除去し、上記裂開ミシン目線32を裂開することで、折り線31を基端縁とし取出口形成部26に係るミシン目線裁断縁を自由端縁とする押持片35が形成される。
【0048】
この形成された押持片35の自由端縁35Aは、取出口25の周縁の一部であり、前記折り線31で折って自由端縁35Aを収納箱内に押し込むようにすると、特に図2、図6から理解されるように、紙箱2の上面内周側の貼付された樹脂製フィルム22が押さえられ、当該樹脂製フィルム22を適度な緊張状態とすることができる。そして、その結果として、スリット形状が好適に維持され、またスリット縁がスリットを通っているティシュペーパーに押しつけられるようになり、使用初期から最後の一枚に至るまでスムーズにスリットからティシュペーパーを引き出すことができるようになり、また、使用後期にティシュペーパーがスリットからすり抜けて収納箱内に落ちるようなことがなくなる。
【0049】
なお、図1〜3に示す形態では、取出口形成部26の幅方向の一方側にのみ押持片形成部30を設けた収納箱1の例であるが、図4や図5に示す形態のように、取出口形成部26の両側に押持片形成部30,30を形成してもよい。なお、図4に示す形態は、折り線31が上面2Uの外方に向かって膨出するように形成した形態であり、図5に示す形態は、折り線31が上面2Uの長手縁と平行に配されている形態である。
【0050】
ここで、前記裂開ミシン目線32については、一対のミシン目線がカット部とタイ部とを非平行にして並列された二重ミシン目線であるのが望ましい。このように二重ミシン目線32とすると、図6に示すように、裂開後に、裂開縁35B,35Cに段差の深い凹凸が形成されるため、押持片35が押し込まれた際に、特に、図2、図10の符号Zで示す部分において、裂開ミシン目線32の裂開により形成される対応する一対の裂開縁35B,35Cの双方の深い凹凸が噛み合って、自由端縁35Aがフィルム22を押さえた状態が維持されるようになる。なお、本発明における裂開ミシン目線32に係る二重ミシン目線の構成は限定されず、適宜設計事項であるが、例示すれば、カット部0.5〜2.0mm、タイ部0.5〜2.0mm、間隔0.5〜1.5mmである。
【0051】
他方、本発明に係る押持片形成部30については、前記裂開ミシン目32を裂開させて押持片35とした後に、前記裂開ミシン目線32の間の間隔、すなわち押持片35の裂開縁35B,35Bの間の間隔を伸張可能とする加工を施すのが望ましい。具体的には、エンボス加工、裂開用ミシン目線に平行な山部谷部を有するように形成した波加工が例示できる。このようなエンボス加工、波加工を予め形成しておくことで、裂開ミシン目線32を裂開した際に、押持片35の裂開縁35B,35B間が広がり、もって、裂開縁同士が押し合うようになり、押持片の押し込み状態が効果的に維持される。なお、図示の形態では、押持片形成部35に折り線32から取出口形成部26の二重ミシン目線21Aに向かって放射的に配されたエンボス加工部36を設けることで、裂開ミシン目線32の間の間隔が広がるようにしている。このエンボス加工部は、好適には収納箱外面側から収納箱内面側に向かって押されているのが望ましい。製造が容易となりまた伸張効果も得られやすい。
【0052】
ここで、本発明では上記のとおり押持片35によって樹脂製フィルム22が押されることが重要であるから、樹脂製フィルム22は、少なくとも取出口形成部26のサイズより大きく、各ミシン目線の裂開に影響のない部位において、ホットメルト接着剤等の接着剤29により紙箱上面2Uの内面側において、貼付する。好ましくは、特に、図3〜5にも示すとおり、取出口形成部26及び押持片形成部30を含む範囲よりも大きいものとして、各形成部の外方にて接着剤29により貼付する態様である。このような貼付態様とすると、押持片35によるフィルム22の押さえ効果が十分に発揮される。
【0053】
他方、紙箱20の素材としては、バージンパルプ、古紙パルプ等の各種のパルプを主原料とする既知の紙素材が採用できる。好適には、紙箱20の素材は、坪量250〜500g/m2、好適には350〜400g/m2のコートボール紙である。このような坪量のコートボール紙であると、折り線が折られて押持片が押し込まれた状態が維持されやすく、また、裂開ミシン目線間を伸張させる加工による効果や二重ミシン目線による効果が発揮されやすくなる。
【0054】
なお、紙箱20は、図示はしないが、花柄、螺旋模様、波模様、ドット模様、亀甲模様、星模様、十字模様、幾何学模様など適宜の文字・図形・絵・記号の単体又はこれらの組み合わせにより構成される適宜の模様を採用することができる。紙箱外面に対する模様の付与は、グラビア印刷等の既知の印刷方法により行うことができる。
【0055】
他方、本発明のティシュペーパー束10は、図7からも理解されるように、方形のティシュペーパー1が実質的に二つ折りされ、その折り返し片の縁1eが上下に隣接する他のティシュペーパー1の折り返し内面に位置するようにして、互い違いに重ねつつ積層されてなり、全体として直方体形状をなるものである。なお、ここでいう実質的にとは、製造上の形成される縁部の若干の折り返しを許容する意味である。
【0056】
本積層構造のティシュペーパー束10は、最上位に位置する一枚の折り返し片を上方に引き上げると、その直下で隣接する他の一枚の折り返し片が、摩擦により上方に引きずられて持ち上げられる。そして、かかる構造のティシュペーパー束10は、その最上面が上述の上面に取出口25等を有する収納箱2の当該上面2Uに向かいあって収納され、前記取出口25、特にスリット24から最初の一枚(最上面に位置する一組)が引き出されたときに、その直近下方に位置する他の一枚の一部が露出される。なお、本発明のおけるティシュペーパー1の積層枚数が限定されないが、この種の製品の一般的な積層枚数を例示すれば、120〜240組であり、本発明もこの範囲とすることができる。
【0057】
他方、本発明のティシュペーパー製品X1は、特に、図8〜10に示されるとおり、上記ティシュペーパー束10が、折り返し縁Eが並ぶ面を長手側面10Lとして、各長手側面間が近づけられ長手側面間の中央部が上方側に向かって凸となるように撓ませられた状態で収納箱2内に収納されている。そして、ティシュペーパー束10はその撓ませられた状態で各長手側面10L,10Lが収納箱長手面20L,20Lの内面に当接されており、ティシュペーパー束10の長手側面10L,10Lと収納箱長手面20L,20Lの内面との間に余裕なく、前記長手側面10L,10Lが前記収納箱長手面20L,20Lの内面間に挟持され、前記ティシュペーパー束10の上面側凸形状が収納箱内で維持されているとともに、ティシュペーパー束10が収納箱内において長手方向を跨ぐ方向に自由に移動できず拘束された状態となっている。
【0058】
ティシュペーパー束10の撓ませられた状態における具体的形状は、図8〜図10に示されるように、ティシュペーパー束10の折り返されていない縁が並ぶ面である端面10Sから見てΩ字状或いは凸字状となるように上面10Uの幅方向中央部に長手方向に沿って条部が形成された形状のほか、図11に示されるように、端面視において上面側が凸なる円弧形状が挙げられる。但し、好ましいのは、Ω字状或いは凸字状のものである。単なる円弧形状と比較して、引出し時にティシュペーパー束全体が上面側に浮き上がり難く、上記収納状態が維持されやすいからである。
【0059】
他方、本発明にかかるティシュペーパー束10の収納態様においては、上記ティシュペーパー束10と収納箱上面2Uとの間の距離は、0〜5mmであるのが望ましい。この範囲であると収納箱上面のミシン目線21を裂開して取出口25を形成した後の最初の一枚を取り出しやすく、また、収納枚数も十分なものとすることができる。
【0060】
また、本発明にかかるティシュペーパー束10の収納態様における具体的な撓み量としては、非撓み状態のティシュペーパー束10の幅(長手側面間距離)L4に対して、撓み状態のティシュペーパー束の幅L5が60〜90%であるのがよい。この範囲であるとティシュペーパー束10が収納箱内で浮き上がるおそれがなく、また、ティシュペーパー束10の弾性、形状復元性によってティシュペーパー束10の長手側面10L,10Lが収納箱長手面20L,20Lの内面を十分に押圧し、ティシュペーパー束10の撓み状態での収納態様が好適に維持される。なお、本発明にかかるティシュペーパー束10の凸部の高さについては特に限定されるものではない。
【0061】
他方、本発明のティシュペーパー製品X1においては、上記収納態様に加えて、さらに、ティシュペーパー束10の端面10Sと、収納箱2の収納箱短手面20Sの内面との間が0以上25mm以下であるのが望ましい。ティシュペーパー束10の収納箱内における短手面間方向の移動についても規制され、ティシュペーパー束10の撓み状態が収納箱内で好適に維持されその形状が崩れるおそれがなくなる。
【0062】
また、収納箱とティシュペーパー束との関係については、収納箱の短手面面積に対するティシュペーパー束の端面の面積が65〜75%であるのがよい。ティシュペーパーをスムーズに引き出せ、さらに収納箱内のティシュペーパーの残数が少なくなった際に、ティシュペーパーがよりティシュペーパーの収納箱内へ落ち込み難いものとなる。
【0063】
また、本発明のティシュペーパー製品X1は、紙の縦方向(MD方向)が引出し方向に沿う方向となるようにしてティシュペーパー束10が収納箱内に収納されているのが望ましい。上記のとおり本発明にかかる製品は汎用タイプの製品に適し、かかる収納態様の製品はその汎用タイプの製品の製造に適したマルチスタンド式インターフォルダにより製造することができるためである。また、かかる引出し方向であるとスムーズに引出しやすいものとなる。
【0064】
『ティシュペーパー』
ここで、本発明のティシュペーパー束10を構成するティシュペーパー自体は、既知のものが使用できる。好ましくは、パルプ繊維を主材としたものであり、適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、特にバージンパルプのNBKPとLBKPのみから構成されているのがよい。その場合の配合割合(JIS P 8120)としては、NBKP:LBKP=20:80〜80:20がよく、特に、NBKP:LBKP=30:70〜60:40が望ましい。
【0065】
なお、本発明にかかるティシュペーパー1は、ローション薬液とも称される柔軟剤等の薬液が含有されたものとすることも可能であるが、背景技術の欄でも述べたとおり、ローションタイプと汎用タイプとが併用されて使用状況においてコンパクト化の意義が高い製品は、汎用タイプのものであるため、本発明では薬液が付与されていないティシュペーパーを採用するほうがよい。そして、肌に触れる用途のみならずゴミ・塵等の拭取りにも頻繁に用いられる汎用タイプのものに適するべく、下記の組成・物性のものであるのが望ましい。
【0066】
まず、JIS P 8124による坪量については、10〜25g/m2、好ましくは11〜20g/m2、より好ましくは12〜16g/m2であり、紙厚については、80〜250μm、好ましくは100〜200μm、より好ましくは130〜180μmであるのがよい。なお、紙厚は、収納箱からティシュぺーパーを引き出したものを試料とし、各試料は束の上部から束の下部まで均等に5枚(組)採取して、それらの測定値の平均値とする。なお、測定にあたって試料は恒温恒室内で2時間〜4時間放置する前処理を行なう。測定は、1枚(1組)で測定し、紙厚計はピーコックG型(例えば、尾崎製作所製ピーコック)を用いる。
【0067】
また、JIS P 8113に規定される乾燥引張強度(以下、乾燥紙力ともいう)は、縦方向が、2プライで200〜700cN/25mm、好ましくは250〜600cN/25mm、特に好ましくは300〜600cN/25mmであり、横方向が、2プライで100〜300cN/25mm、好ましくは130〜270cN/25mm、特に好ましくは150〜250cN/25mmであるのがよい。
【0068】
また、本発明にかかるティシュペーパー1の大きさは特に限定されないが、ティシュペーパー自体の大きさについては従来製品と遜色ない大きさとして製品外観の大きさのみコンパクトにするほうが当然に好ましく、具体的には従来汎用タイプのティシュペーパー製品におけるティシュペーパーと同等ともいえる縦180〜220mm×横150〜240mmであるのが望ましい。
【0069】
『ティシュペーパー製品の製造例』
次いで、本発明にかかるティシュペーパー製品X1の製造例を説明する。
本発明にかかるティシュペーパー製品X1を製造するには、まず、抄紙設備においてクレープを有する薄葉紙(クレープ紙とも称される)を抄造し、これを巻き取って一次原反ロール(一般にジャンボロールともいわれている)を製造する。
【0070】
次いで、この一次原反ロールをプライマシンに必要数セットし、セットされた各一次原反ロールから一次連続シートを繰り出すとともに、適宜重ね合わせて積層一体化し、巻き取って複数のプライ(積層された)のシートからなる二次原反ロールを製造する。
【0071】
ここで、抄紙設備及びプライマシンは既知のものが使用でき、それらにかかる抄紙工程及び二次原反ロール製造工程も既知のものとすることができる。
【0072】
次いで、二次原反ロールをインターフォルダと呼ばれる折畳み設備に移行し、二次原反ロールから順次二次連続シートを繰り出し、この二次連続シートを折畳むとともに順次積層し、裁断してティシュペーパー束10を製造する。ティシュペーパー製品に用いるティシュペーパー束を製造するにあたっては、マルチスタンド式(多連式)インターフォルダとロータリー式インターフォルダの2種のインターフォルダが知られるが本発明ではいずれをも使用することができる。但し、前者のマルチスタンド式インターフォルダは、生産性が高いことから多くの生産量が必要とされる汎用タイプの製品の製造に適してよく用いられており、本発明のティシュペーパー製品X1も汎用タイプであることが望ましいから、マルチスタンド式インターフォルダによって束10を製造するのが望ましい。
【0073】
ここで、マルチスタンド式インターフォルダについて説明すると、マルチスタンド式インターフォルダM1は、図12及び図13に示されるように、折り板72を有する折畳み機構部70がライン流れ方向に多数(通常80〜120機)並設されており、折り畳み機構部70,70…に対応する二次原反ロール支持部に二次原反ロール71を取り付け、その二次原反ロール71から二次連続シートS4a,S4bを巻きだして折り畳み機構部70に二次連続シートS4a,S4bを供給するように構成されている。
【0074】
各折畳み機構部70に対しては、ティシュペーパー1の幅と同幅にスリットした二次原反ロール71を複数セット(図示例では2セット)並べ、同時に二次原反ロール71,71から二次連続シートS4a,S4bを連続的に供給し、各折畳み機構部70において、供給された各二次連続シートS4a,S4bの折り畳み積層が行なわれる。そして、ライン上流側の折畳み機構部70で折り畳まれた二次連続シートS4a,S4bの上にそれよりもライン下流側の折畳み機構部70で折り畳まれた二次連続シートS4a,S4bが順次積層され、最下流において必要枚数が積層された連続積層ティシュペーパー束11が形成される。そして、この連続積層ティシュペーパー束11をカッターにより適宜の間隔で裁断して一つ一つのティシュペーパー束10を形成する。
【0075】
上記のとおりマルチスタンド式インターフォルダ等のインターフォルダにてティシュペーパー束10を製造した後には、そのティシュペーパー束10を本発明に係る収納箱2に収める収納工程に移行すべくコンベア等によって搬送する。ここで、インターフォルダから排出されるティシュペーパー束10は、図12からも理解されるように、端面10Sが進行方向となっている。本発明にかかるティシュペーパー製品X1を製造するにあたっては、まず、ティシュペーパー束10の搬送進行方向が長手側面10L方向となるように90度転換させる。ティシュペーパー束10の搬送方向の変更は、図14に示す既知のカートナーローダーM2によって行なうことができる。
【0076】
搬送方向を転換し長手側面10Lを進行方向として搬送させた後には、その搬送途中で、ティシュペーパー束10を、折り返し縁Eが並ぶ面を長手側面10Lとして、各長手側面間が近づけられ長手側面間の中央部が当該載置状態における底面10b側に向かって凸となる状態に撓ませる。このとき、撓ませた状態におけるティシュペーパー束10の長手側面間距離(撓み状態のティシュペーパー束10の幅)L5を納めるべき収納箱2の長手面間距離(短手縁の長さ)L2よりも短くなるようにしておく。
【0077】
ティシュペーパー束10の撓み形成は、図15に示すように、進行方向に直行する方向に延在する凹溝51をコンベア等の搬送手段を構成する搬送路50上に形成し、ティシュペーパー束10が凹溝51を跨ぐようにして載置し、搬送路載置状態におけるティシュペーパー束底面中央下にティシュペーパー束10の端面方向に延在する空間を設けた状態とし、かかる状態において、ティシュペーパー束10の上方から撓み形成ロッド52をティシュペーパー束10の載置状態における上面10uの長手側面間中央に押し当てることで行なうことができる。
【0078】
ティシュペーパー束底面中央下空間を形成するには、図15に示す例のほか、図16に示されるように搬送路50上に搬送方向に間隔をもって凸条部53,53を設け、上記凸条部間にティシュペーパー束10を架橋するようにしてもよい。なお、ティシュペーパー束10の底面10b側に空間を形成する構成は図示例には限定されない。
【0079】
上記撓み形成工程で、搬送路上において、ティシュペーパー束10を載置状態における長手側面間の中央部が底面10b側に向かって凸となる状態に撓ませた後には、ティシュペーパー束10を収納箱内へ収納する。ティシュペーパー束10の収納箱内への収納は、図17に示すように、取出口等が形成された上面2Uが下側となるように上下逆さとし、かつ一方の短手面を開口させた状態の収納箱2の開放短手面20Kと、撓ませられた状態のティシュペーパー束10の端面10Sとを付き合わせにしたうえで、ティシュペーパー束10の開放短手面10Kと向かい合っていない端面10sをプッシュロッド60により押し、収納箱内へティシュペーパー束10を押し込むことで行なう。上記のとおりティシュペーパー束10の長手側面間距離L5を収納箱2の長手面間L2よりも短くしておくことで、押し込みによる収納がスムーズに行える。
【0080】
ここで、撓ませた状態のティシュペーパー束10を収納箱内へ押し込む際には、図18に示されるように、プッシュロッド60を構成する押し板61の形状を凹溝51の形状に対応する形状とするとともに、撓み形成ロッド52の挿通を可能とする切り欠き部62を設けたものとすると、撓み形成ロッド52をティシュペーパー束10の上面に押し当てた状態で収納箱内へ押し込むことができる。かかる構成のプッシュロッド60を用いれば、ティシュペーパー束10の撓み形状を崩すことなく確実に当該形状のまま収納箱内へ押し込むことができる。
【0081】
なお、ティシュペーパー束10の収納箱内への収納は好ましくは、撓ませた状態のティシュペーパー束10と、一方短手面開放の収納箱2とをコンベア等で並走させた状態で行なうと生産性が高く望ましい。もちろん、ティシュペーパー束10、収納箱2の搬送を停止させた状態でおこなってもよい。
【0082】
収納箱内に押し込まれたティシュペーパー束10は、ティシュペーパー束自体の弾性と自重による凸部が撓みまえの状態に戻ろうとする復元作用によって、ティシュペーパー束10の長手側面10L,10Lが収納箱長手面20L,20Lの内面を押圧し、結果的に前記長手側面が前記収納箱長手面の内面間に挟持される。
【0083】
そして、収納箱内にティシュペーパー束を押し込んだ後には、収納箱の開放端面を封止してティシュペーパー束10が収納箱内に収納された状態とし、さらにかかるティシュペーパー束10を収納箱内に納めた状態で、収納箱の上下面を反転させることで本発明のティシュペーパー製品が完成する。
【符号の説明】
【0084】
X1…ティシュペーパー製品、1…ティシュペーパー、2…収納箱、2U…収納箱(紙箱)上面、2B…収納箱(紙箱)底面、10…ティシュペーパー束、10U…ティシュペーパー束の上面、10L…ティシュペーパー束の長手側面、10S…ティシュペーパー束の端面、10B…ティシュペーパー束の底面、20…紙箱、20L…収納箱(紙箱)の長手面、20S…収納箱(紙箱)の短手面、21…環状ミシン目線、21A…二重ミシン目線、21B…一重ミシン目線、21C…折り線、22…樹脂製フィルム、24…スリット、25…取出口、26…取出口形成部、27…開口開始用押し込み部、28…拡口部、29…接着部、30…押持片形成部、31…折り線、32…裂開ミシン目線、35…押持片、35A…押持片の自由端縁、35B…押持片の裂開縁、35C…押持片の裂開縁と対となる裂開縁、36…エンボス加工部、L8…取出口形成部(取出口)の幅、L9…拡口部の幅、23B…底面側片、23L…長手面側片、23U…上面側片、L1…収納箱の長手縁の長さ、L2…収納箱の短手縁の長さ、L3…収納箱の高さ、1e…ティシュペーパーの折り返し辺の縁、L4…非撓み状態のティシュペーパー束の幅(長手側面間距離)L5…撓み状態のティシュペーパー束の幅、M1…マルチスタンド式インターフォルダ、70…折り畳み機構部、71…二次原反ロール、72…折り板、S4a,S4b…二次連続シート、11…連続積層ティシュペーパー束、M2…カートナーローダー、50…搬送路、51…凹溝、52…撓み形成ロッド、53…凸条部、20K…開放短手面、10s…ティシュペーパー束の開放短手面と向かっていない端面、60…プッシュロッド、61…押し板、62…切り欠き部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚のティシュペーパーの束を収納箱に収めたティシュペーパー製品に関し、特に、ポップアップ式のティシュペーパー製品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、家庭やオフィス等で広く使われているティシュペーパーは、カートンとも称される概ね直方体の収納箱に多数が収納されて市販されている。
【0003】
ティシュペーパー製品においては、収納箱に内包されるティシュペーパーをローションティシューと称される原紙に柔軟剤等の薬液を付与したものとした高級なローションタイプのものが市販に供され急速に普及している。
【0004】
上記ローションタイプの製品は、汎用タイプの製品と比較して高価であるため、使用者においてはローションタイプの製品を汎用タイプの製品に代えるのではなく、ローションタイプの製品は主に鼻をかむ際等の肌に直接触れる用途のみに使用し、ゴミ、塵、食べこぼし等の拭取りの用途には汎用タイプの製品を使用するという、両者を用途によって使い分ける傾向にある。
【0005】
ティシュペーパー製品は、生活の各種の場面で用いられ、その使用頻度は高く、一般にはダイニングテーブル、リビングテーブル、オフィスデスク等のすぐに使用できる場所に恒常的に置いておくものである。よって上記のとおりティシュペーパー製品の用途による使い分けの傾向が高まるにつれ、二種のティシュペーパー製品をダイニングテーブル等の限られたスペース上に置くことにつき邪魔になる等の問題が生じてきており、特に汎用タイプの製品をより一層コンパクト化することの意義が高まってきた。
【0006】
他方、ティシュペーパー製品のコンパクト化、小スペース化にかかる技術は、下記特許文献1〜3等に見られる。しかし、これらに開示されるティシュペーパー製品は、現在主流の上面に取出口を有する直方体形状のティシュペーパー製品との見た目の形状差がありなじみがなく、普及が進んでいない。また、特許文献1や2に示されるティシュペーパー製品は、ティシュペーパー束を二つ折りにして収納箱に収めてコンパクト化を図っているが、収納箱内で束が回転したり、残数が少なくなったときに箱内で束が折り曲がって落ち込んでしまうおそれがある。また、特許文献1のものは、取出口から露出するティシュペーパーを支持するフィルムがなく、ティシュペーパーの箱内への落ち込みや、引出し時の感触などに関し、取出口にフィルムを有するものと同様とはいえない。また、引用文献2のものは、取出口が小さくティシュペーパー引出し時の引出し抵抗が高く、スムーズな引出しができない、あるいは引出し時に収納箱ごと持ち上がってしまうおそれがある。このように、従来の技術では、収納箱の見た目や、ティシュペーパーの落ち込み、引出し性において満足のいくものがなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−261352
【特許文献2】特許第4094963号
【特許文献3】特開平7−187261
【特許文献4】特開2010−6444
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって、本発明の主たる課題は、従来の収納箱に近い形状であり、また、収納箱の大きさがコンパクト化されて設置面積を省スペース化でき、そのうえポップアップ性に優れ、さらに最後まで内包されたティシュペーパーを取り出しやすい、ティシュペーパー製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した本発明及び作用効果は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
長方形の上面及び底面及びこれらを繋ぐ長手面及び短手面を有する直六面体形状をなし、上面に長手縁に沿う方向に延在する環状のミシン目線で囲まれる取出口形成部を有する紙箱と、前記取出口形成部内に位置される前記長手縁に沿って延在するスリットを有し少なくとも前記取出口形成部を紙箱内側から覆う樹脂製フィルムと、を具備する収納箱内に、
方形のティシュペーパーを二つ折りしてその折り返し片の縁が上下に隣接する他のティシュペーパーの折り返し内面に位置するように互い違いに重ねつつ積層した直方体のティシュペーパー束が、収納されているティシュペーパー製品であって、
前記収納箱が、紙箱の上面に、前記長手縁に沿って延在する折り線と、この折り線の両端部から前記環状のミシン目線に繋がる一対の裂開ミシン目線とで囲まれる押持片形成部を有し、
前記ティシュペーパー束が、折り返し縁が並ぶ面を長手側面として、各長手側面間が近づけられ長手側面間の中央部が上面側に向かって凸となるように撓ませられ、かつ、その撓ませられた状態で各長手側面が収納箱長手面の内面に当接され、前記長手側面が前記収納箱長手面の内面間に挟持されて前記ティシュペーパー束の上面側凸形状が収納箱内で維持された状態に収納されている、
ことを特徴とするティシュペーパー製品。
【0010】
<請求項2記載の発明>
前記取出口形成部の両側に、それぞれ押持片形成部が形成されている請求項1記載のティシュペーパー製品。
【0011】
<請求項3記載の発明>
裂開ミシン目線が、カット部とタイ部とが非平行に並列する一対のミシン目線で構成される二重ミシン目線である、請求項1又は2記載のティシュペーパー製品。
【0012】
<請求項4記載の発明>
前記押持片形成部に、前記裂開ミシン目を裂開させた後に、前記裂開ミシン目線間の間隔を伸張可能とする加工が施されている請求項1〜3の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【0013】
<請求項5記載の発明>
前記取出口形成部の長手縁方向中央部に幅広にされた拡口部を有する請求項1〜4の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【0014】
<請求項6記載の発明>
取出口形成部を構成するミシン目線のうち、少なくとも長手縁方向に沿う部分が、カット部とタイ部とが非平行に並列する一対のミシン目線で構成される二重ミシン目線である、請求項1〜5の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【0015】
<請求項7記載の発明>
取出口形成部の長手縁方向端部に開口開始用押し込み部が形成されている請求項1〜6の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【0016】
<請求項8記載の発明>
前記開口開始用押し込み部は、幅方向に延在する折り線とその折り線の両端から長手方向外方に向かって膨出するアーチ状のミシン目線で囲まれた部分である、請求項7記載のティシュペーパー製品。
【0017】
(作用効果)
まず、本発明にかかるティシュペーパー製品は、直六面体形状をなし上面取出口を形成した収納箱としたので、従来製品と同様の外観とすることができ、もって見た目の違和感がない。
【0018】
そして、本発明にかかるティシュペーパー製品では、ティシュペーパー束が、折り返し縁が並ぶ面を長手側面として、各長手側面間が近づけられ長手側面間の中央部が上面側に向かって凸となるように撓ませられた状態で収納箱に収納されているため、撓ませ前の状態と比較して平面視の面積が小さくなっている。したがって、底面面積を小さくした収納箱に収めることができ、もって、特に設置面積の小さい製品とすることができ、コンパクト化が図られる。
【0019】
また、本発明にかかるティシュペーパー製品では、ティシュペーパー束が上記のとおり撓ませられた状態で各長手側面が収納箱長手面の内面に当接されているので、ティシュペーパー束の長手側面と収納箱長手面の内面との間に余裕がなく、ティシュペーパー束が収納箱内において長手方向を跨ぐ方向に自由に移動できず拘束された状態であり、ティシュペーパー束が収納箱内で移動して束が崩れるということがない。さらに、ティシュペーパー束自体の弾性と自重による凸部が撓みまえの状態に戻ろうとする復元作用によって、ティシュペーパー束の長手側面が収納箱長手面の内面を押圧するため、結果的に前記長手側面が前記収納箱長手面の内面間に挟持されて、ティシュペーパー束の上面側凸形状が収納箱内で維持される。そのうえ、本発明にかかるティシュペーパー束の撓み後の形状は、上面側凸形状であるため、束上面と収納箱上面が近く、収納箱上面に形成される取出口かティシュペーパー束を引き出しやすく、ポップアップ性が向上する。
【0020】
他方、本発明は上記特徴的なティシュペーパー束により収納箱をコンパクト化できるものの、収納箱をコンパクト化した場合には、ティシュペーパーの縦寸法に対する収納箱の高さの比率が高くなり、残り枚数が少なくなるにつれて取出口とティシュペーパー束上部との間隔は広がるから、ティシュペーパー引出し後に取り出しフィルムにかかる荷重が大きくなりティシュペーパーが落ち込む現象が生じる傾向にあり、また、上面側に凸となるティシュペーパー束の形状としたことにより、特に、収納箱内のティシュペーパー枚数が少なくなった際に、スリットから露出するティシュペーパーが収納箱内に落ち込むおそれが予想される。特に、収納箱内部のティシュペーパー残が少なくなっている際には、使用によりスリットが伸びて、ティシュペーパーの支持力が弱まるようになる。
【0021】
そこで、本発明は、長方形の上面及び底面及びこれらを繋ぐ長手面及び短手面を有する直六面体形状をなし、上面に長手縁に沿う方向に延在する環状のミシン目線で囲まれる取出口形成部を有する紙箱と、前記取出口形成部内に位置される長手縁に沿って延在するスリットを有し前記取出口形成部を紙箱内側から覆う樹脂製フィルムと、を具備する収納箱の前記紙箱の上面に、長手縁に沿って延在する折り線と、この折り線の両端部から前記環状のミシン目線に繋がる一対の裂開ミシン目線とで囲まれる押持片形成部を設けた。
【0022】
本発明では、取出口形成部に係る環状のミシン目線を裂開して除去することにより、フィルムに形成されたスリットが露出して取出口が形成されるとともに、必要に応じて前記裂開ミシン目線を裂開することで、折り線を基端縁とする押持片が形成される。そして、この押持片の一方縁は、前記取出口の縁でもあるため、前記押持片を箱内面側へ押しむようにすることで、フィルムが押さえられるようになる。そして、このようにフィルムが押さえられた場合には、フィルムに適度な張力が与えられ、スリット形状が好適に維持され、またスリット縁をティシュペーパーに押しつける作用が生じ、上記収納箱のコンパクト化に起因する、ティシュペーパーの落ち込み等の問題が効果的に改善されるとともに、使用初期から最後の一枚に至るまでスムーズにスリットからティシュペーパーを引き出すことができるようになる。
【0023】
ここで、取出口形成部の幅方向(長手方向に直行する方向)の両側にそれぞれ押持片形成部が形成されていると、取出口の両側に押持片を形成することができ、もってフィルムのスリットの両側部を押さえることができるようになり、ティシュペーパーの支持効果をより高めることができる。
【0024】
他方、前記押持片形成部を構成する裂開ミシン目線は、一対のミシン目線がカット部とタイ部とを非平行にして並列された二重ミシン目線であるのが望ましい。ミシン目線を裂開した際には、その裂開縁は凹凸のあるものとなるが、二重ミシン目線の場合、一重のミシン目線と比較して、その裂開縁の凹凸がより深いものとなる。よって、裂開ミシン目線が二重ミシン目線であると、押持片を形成した際に、押支持の裂開縁とこれと対となる裂開縁が深い凹凸のある縁となり、このような裂開縁が形成された状態で押持片を収納箱内に押し込んでフィルムを押さえるようにすると、前記各裂開縁の双方の深い凹凸が噛み合って押持片の押し込み態様、すなわちフィルムを押さえた状態が維持されるようになる。これにより、スリットを介してティシュペーパーを引き出す際に、フィルムの弛みや伸びによってスリット部分が持ち上がろうとしても、上記凹凸の噛み合いによる押持片の押さえ状態の維持により、これが効果的に防止され、よりスリットからのティシュペーパーのスムーズな取り出しと、ティシュペーパーのスリットからの落ち込みが防止されるようになる。
【0025】
さらに、本発明では、押持片形成部に、裂開ミシン目を裂開させた後に、前記裂開ミシン目線間の間隔を伸張可能とする加工が施されているのが望ましい。このようにすると、押持片形成後に裂開ミシン目線間の間隔を伸張させるようにすると、上記の押持片の裂開縁が、これと対となる裂開縁に押し当てられるようになるため、両裂開縁同士がずれがたくなる。よって、このように構成した場合にも、上述の二重ミシン目線の効果と同様に、押持片の押し込み態様、すなわちフィルムを押さえた状態が維持されるようになる。これにより、スリットを介してティシュペーパーを引き出す際に、フィルムの弛みや伸びによってスリット部分が持ち上がろうとしても、押持片の押さえ状態の維持により、これが効果的に防止され、よりスリットからのティシュペーパーのスムーズな取り出しと、ティシュペーパーのスリットからの落ち込みが防止されるようになる。
【0026】
ここで、本発明では、取出口形成部の長手中央部に幅広にされた拡口部を設けるのが望ましい。本発明はコンパクト化により、スリット、取出口の大きさが小さくなりがちであるが、上記のとおり拡口部を設けることで、ティシュペーパーの摘みやすさを向上させることができる。特に、使用開始時の最初の一枚の摘みやすさが向上する。
【0027】
また、取出口形成部を構成するミシン目線のうち、少なくとも長手方向に沿う部分を二重ミシン目線にすることで、環状ミシン目線で囲まれる部分を引き剥がしやすくなり、取出口を形成しやすくなる。
【0028】
さらに、取出口形成部の長手方向端部に開口開始用押し込み部が形成されていると、取出口をより形成しやすくなる。そして、この開口開始用押し込み部は、幅方向に延在する折り線とその折り線の両端から長手方向外方に向かって膨出するアーチ状のミシン目線で囲まれた部分であると、取出口を形成させるための最初の開口部をより形成しやすくなるため、より望ましい形態である。
【発明の効果】
【0029】
以上のとおり、本発明によれば、従来の収納箱に近い形状であり、また、収納箱の大きさがコンパクト化されて設置面積を省スペース化され、そのうえポップアップ性に優れ、さらに最後まで内包されたティシュペーパーを取り出しやすい、ティシュペーパー製品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明にかかるティシュペーパー製品の外観を表す斜視図である。
【図2】本発明にかかるティシュペーパー製品の構造例を説明する斜視図である。
【図3】本発明にかかるティシュペーパー製品の収納箱上面の構造例を説明する上面図である。
【図4】本発明にかかるティシュペーパー製品の収納箱上面の他の構造例の上面図である。
【図5】本発明にかかるティシュペーパー製品の収納箱上面の別の構造例の上面図である。
【図6】本発明にかかる二重ミシン目線を説明するための図である。
【図7】本発明にかかるティシュペーパー束を説明するため図である。
【図8】本発明にかかるティシュペーパー束の撓みを説明するための図である。
【図9】本発明にかかるティシュペーパー束の収納状態を説明するための図である。
【図10】本発明にかかる押持片の押し込み状態及びティシュペーパー束の収納状態を説明するための図である。
【図11】本発明にかかるティシュペーパー束の他の収納状態を説明するための図である。
【図12】マルチスタンド式インターフォルダによる本発明にかかるティシュペーパー束の製造過程を示す図である。
【図13】マルチスタンド式インターフォルダによる本発明にかかるティシュペーパー束の製造過程を示す他の図である。
【図14】本発明のかかるティシュペーパー束の搬送過程を示す図である。
【図15】本発明のかかるティシュペーパー束の撓み形成過程を示す図である。
【図16】本発明のかかるティシュペーパー束の他の撓み形成過程を示す図である。
【図17】本発明のかかるティシュペーパー束の収納箱への収納を説明するための図である。
【図18】本発明のかかるティシュペーパー束の収納箱への収納装置例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次いで、本発明の実施の形態を図面を参照しながら以下に詳述する。
『ティシュペーパー製品』
本発明にかかるティシュペーパー製品X1は、複数枚のティシュペーパー1が折り畳まれ重層されてなるティシュペーパー束10が、上面2Uに取出口25又は取出口形成部26が形成された収納箱2に収納され、使用時に当該取出口25からティシュペーパー1の一枚を取り出すと、隣接して積層されている下層の一枚の一部が取出口25から露出されるように構成されたものである。所謂ポップアップ式のティシュペーパー製品X1である。なお本発明における一枚とは、ティシュペーパーの単位をいい、1プライ又は2プライ以上で一組としたものを意味する。
【0032】
ティシュペーパー束10が収納される収納箱2は、カートンとも呼ばれる箱体である。この収納箱2は、製品外観をなすものであり、本発明では、長方形の上面2U及び底面2B及びこれらを繋ぐ長手面20L及び短手面20Sを有する直六面体形状をなし上面2Uに取出口形成部26を構成する環状のミシン目線21を有する紙箱20と、少なくとも前記ミシン目線により囲まれる範囲を紙箱内側から覆う樹脂製フィルム22とで構成される。
【0033】
紙箱20の構造としては、上面2U、底面2B及びこれらに連接する長手面20Lと、各面の長手方向両側縁に連接された底面側片23B、長手面側片23L、上面側片23Uとを有し、前記長手面側片23L,23Lを箱内面側に折り返した後、これに重ねて上面側片23Uと底面側片23Bとを折り曲げ、各片の当接部分をホットメルト接着剤等により接着して短手面20Sが形成される構造が例示できる。
【0034】
本発明のティシュペーパー製品X1では、従来の一般的な製品の大きさに比して特に設置面積の点でコンパクトであることが望まれる。したがって、近年のコンパクト化が進められた従来汎用タイプのもの(概ね短手縁115mm前後、長手縁230mm前後、高さ50mm程度の大きさ)よりも、さらに一層コンパクトとし、収納箱2の大きさは、長手縁L1が160〜250mm、短手縁L2が60〜100mm、高さL3が45〜100mmとするのが望ましい。少なくとも本発明はこの大きさの収納箱2の大きさが採用できる。
【0035】
さらに、本発明にかかる収納箱2は、長手方向長さL1に対する収納箱の高さL3が80〜140%であるのが望ましい。本発明では、このようなコンパクト化な形状としても、後述する特徴的な収納箱態様及びティシュペーパー束10の収納態様と相まって、スムーズな引出し及び収納箱内のティシュペーパー1の残数が少なくなった際のスリット24を介して一部露出されるティシュペーパー1の収納箱内への落ち込みが好適に防止される。
【0036】
他方、本発明に係る取出口形成部26は、上面2Uの長手縁に沿う方向に延在するように細長形状をなす、環状のミシン目線21で囲まれる範囲であり、当該環状のミシン目線21を裂開し形成部26に係る範囲を分離除去することで取出口25が形成される。
【0037】
取出口形成部26の具体的な形状までは限定されないが、紙箱上面2Uの長手方向に沿う方向を長辺とする略楕円形状又は矩形が代表的であり、取出し性、利便性が高いことから、本発明においてもこの態様が好適である。図示の形態では、取出口形成部26は、上面2Uに長手縁に沿って延在する並列する二重ミシン目線21A,21Aと、それらの端から箱外方に向かって膨出するアーチ状の一重のミシン目線21B,21Bとで囲まれる略楕円形状とされている。
【0038】
他方、図示の取出口形成部26では、前記一重のミシン目線21B,21Bの端(二重ミシン目線21A,21Aの端でもある)との間を架橋するように、折り線21C,21Cが配されており、この折り線21C,21C及びアーチ状の一重ミシン目線21B,21Bで囲まれる部分が開口開始用押し込み部27とされている。
【0039】
なお、二重ミシン目線21A,21A間の間隔、すなわち取出口25の幅は、収納箱2のコンパクト化及びティシュペーパー1の取出し性を考慮すると15〜20mmとするのが望ましい。また、取出口形成部25には、特に図4、図5に示したように、長手方向中央部に幅を広げた拡口部28を形成してもよい。拡口部28を形成することにより、取出口25を形成した際に、ティシュペーパー1の摘みやすさが向上する。特に、使用開始時の最初の一枚の摘みやすさが格段に向上する。なお、拡口部28の具体的な幅は、上述のとおり、取出口形成部26の幅を15〜20mmとするのであれば、25〜45mmとするのが望ましい。
【0040】
ここで、取出口形成部26に関し、開口開始用押し込み部27を一重ミシン目線21Bとし、長手縁に沿う部分を二重ミシン目線21Aとしてあると、一般に一重ミシン目線のほうが二重ミシン目線よりも押し込み操作や引っ張り操作によって裂開させる際により強い力が必要であることから、裂開開始端としやすい取出口形成部26の端部が一重のミシン目線であることで意図しない裂開が防止されるとともに、意図して当該部分を裂開させた際にはこれに続く二重ミシン目線部分が容易に裂開されるようになる。また、前記折り線21Cを配すると、開口開始用押し込み部27を指で押し込んだ際に、かかる折り線21Cで折れて開口開始用押し込み部27が指に掛かりやすくなる。
【0041】
なお、取出口形成部26に係る一重ミシン目線21B、二重ミシン目線21Aのカット部、タイ部の長さ、カットタイ比、二重ミシン目線の線同士の間隔は、取出口25の形状、大きさ、紙箱2の素材、厚さに応じて適宜設計することができる。
【0042】
他方、前記樹脂製フィルム22には、収納箱2の長手方向に沿ってスリット24が形成されており、このスリット24は前記環状のミシン目線21により囲まれる範囲、すなわち取出口形成部26に位置されている。したがって、特に、図1及び2に示されるとおり、前記環状ミシン目線21に沿って取出口形成部26を切り剥がすことにより、上述のとおり紙箱上面2Uに取出口25が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム22及びそれに形成されたスリット24が取出口25を介して露出される。そして、収納箱2に束10として収納されているティシュペーパー1がスリット24を介して取出口25から一枚ずつ取り出し可能となる。当該スリット24によって、取出口25から露出されるティシュペーパー1の一部が支持されて収納箱2内部に落ち込むことが防止される。
【0043】
なお、スリット24の長さは、適宜の長さとすることができ取出口25との大きさの関係で適するとされる長さが採用される。但し、本発明におけるコンパクト性を達成しつつ取り出しやすさをも良好にするという点から、スリット24の長さは収納箱2の長手方向長さL1の50〜80%の長さであるのが望ましい。もちろん、これに応じて取出口形成部26自体の大きさも適宜設計する。
【0044】
さらに、本発明では、スリット24の長さを収納されているティシュペーパー束10の短手面間の長さの55〜80%とするのが望ましい。後述する特徴的なティシュペーパー束10の収納態様と相まって、スムーズな引出しと、収納箱内のティシュペーパーの残数が少なくなった際にスリット24を介して一部露出されるティシュペーパーの収納箱内への落ち込みが好適に防止される。
【0045】
樹脂性フィルム22の好適な素材は、LLDPE(直鎖低密度ポリエチレン)等のポリエチレンフィルムであるが、ポリプロピレン、ポリエステルなども例示できる。
【0046】
樹脂製フィルム22の厚みは、10〜200μmが適する。10μm未満では、強度的に不足し、ティシュペーパー1の取り出し時において裂けあるいは破断の確率が高くなる。逆に、200μmを超えると、強度の問題はないものの、取り出し難くなり、またコスト高となる。
【0047】
ここで、本発明の収納箱2は、特徴的に前記紙箱20の上面2Uに、前記取出口形成部26の二重ミシン目線21Aから離間した位置に、長手縁に沿って延在する折り線31が形成され、この折り線31の両端部(両端を含む)から、前記取出口形成部26の長手方向端部に繋がる一対の裂開ミシン目線32,32が形成され、この折り線31及び裂開ミシン目線32,32で囲まれる範囲が押持片形成部30とされている。押持片形成部30は、取出口形成部26に係る部分を裂開して除去し、上記裂開ミシン目線32を裂開することで、折り線31を基端縁とし取出口形成部26に係るミシン目線裁断縁を自由端縁とする押持片35が形成される。
【0048】
この形成された押持片35の自由端縁35Aは、取出口25の周縁の一部であり、前記折り線31で折って自由端縁35Aを収納箱内に押し込むようにすると、特に図2、図6から理解されるように、紙箱2の上面内周側の貼付された樹脂製フィルム22が押さえられ、当該樹脂製フィルム22を適度な緊張状態とすることができる。そして、その結果として、スリット形状が好適に維持され、またスリット縁がスリットを通っているティシュペーパーに押しつけられるようになり、使用初期から最後の一枚に至るまでスムーズにスリットからティシュペーパーを引き出すことができるようになり、また、使用後期にティシュペーパーがスリットからすり抜けて収納箱内に落ちるようなことがなくなる。
【0049】
なお、図1〜3に示す形態では、取出口形成部26の幅方向の一方側にのみ押持片形成部30を設けた収納箱1の例であるが、図4や図5に示す形態のように、取出口形成部26の両側に押持片形成部30,30を形成してもよい。なお、図4に示す形態は、折り線31が上面2Uの外方に向かって膨出するように形成した形態であり、図5に示す形態は、折り線31が上面2Uの長手縁と平行に配されている形態である。
【0050】
ここで、前記裂開ミシン目線32については、一対のミシン目線がカット部とタイ部とを非平行にして並列された二重ミシン目線であるのが望ましい。このように二重ミシン目線32とすると、図6に示すように、裂開後に、裂開縁35B,35Cに段差の深い凹凸が形成されるため、押持片35が押し込まれた際に、特に、図2、図10の符号Zで示す部分において、裂開ミシン目線32の裂開により形成される対応する一対の裂開縁35B,35Cの双方の深い凹凸が噛み合って、自由端縁35Aがフィルム22を押さえた状態が維持されるようになる。なお、本発明における裂開ミシン目線32に係る二重ミシン目線の構成は限定されず、適宜設計事項であるが、例示すれば、カット部0.5〜2.0mm、タイ部0.5〜2.0mm、間隔0.5〜1.5mmである。
【0051】
他方、本発明に係る押持片形成部30については、前記裂開ミシン目32を裂開させて押持片35とした後に、前記裂開ミシン目線32の間の間隔、すなわち押持片35の裂開縁35B,35Bの間の間隔を伸張可能とする加工を施すのが望ましい。具体的には、エンボス加工、裂開用ミシン目線に平行な山部谷部を有するように形成した波加工が例示できる。このようなエンボス加工、波加工を予め形成しておくことで、裂開ミシン目線32を裂開した際に、押持片35の裂開縁35B,35B間が広がり、もって、裂開縁同士が押し合うようになり、押持片の押し込み状態が効果的に維持される。なお、図示の形態では、押持片形成部35に折り線32から取出口形成部26の二重ミシン目線21Aに向かって放射的に配されたエンボス加工部36を設けることで、裂開ミシン目線32の間の間隔が広がるようにしている。このエンボス加工部は、好適には収納箱外面側から収納箱内面側に向かって押されているのが望ましい。製造が容易となりまた伸張効果も得られやすい。
【0052】
ここで、本発明では上記のとおり押持片35によって樹脂製フィルム22が押されることが重要であるから、樹脂製フィルム22は、少なくとも取出口形成部26のサイズより大きく、各ミシン目線の裂開に影響のない部位において、ホットメルト接着剤等の接着剤29により紙箱上面2Uの内面側において、貼付する。好ましくは、特に、図3〜5にも示すとおり、取出口形成部26及び押持片形成部30を含む範囲よりも大きいものとして、各形成部の外方にて接着剤29により貼付する態様である。このような貼付態様とすると、押持片35によるフィルム22の押さえ効果が十分に発揮される。
【0053】
他方、紙箱20の素材としては、バージンパルプ、古紙パルプ等の各種のパルプを主原料とする既知の紙素材が採用できる。好適には、紙箱20の素材は、坪量250〜500g/m2、好適には350〜400g/m2のコートボール紙である。このような坪量のコートボール紙であると、折り線が折られて押持片が押し込まれた状態が維持されやすく、また、裂開ミシン目線間を伸張させる加工による効果や二重ミシン目線による効果が発揮されやすくなる。
【0054】
なお、紙箱20は、図示はしないが、花柄、螺旋模様、波模様、ドット模様、亀甲模様、星模様、十字模様、幾何学模様など適宜の文字・図形・絵・記号の単体又はこれらの組み合わせにより構成される適宜の模様を採用することができる。紙箱外面に対する模様の付与は、グラビア印刷等の既知の印刷方法により行うことができる。
【0055】
他方、本発明のティシュペーパー束10は、図7からも理解されるように、方形のティシュペーパー1が実質的に二つ折りされ、その折り返し片の縁1eが上下に隣接する他のティシュペーパー1の折り返し内面に位置するようにして、互い違いに重ねつつ積層されてなり、全体として直方体形状をなるものである。なお、ここでいう実質的にとは、製造上の形成される縁部の若干の折り返しを許容する意味である。
【0056】
本積層構造のティシュペーパー束10は、最上位に位置する一枚の折り返し片を上方に引き上げると、その直下で隣接する他の一枚の折り返し片が、摩擦により上方に引きずられて持ち上げられる。そして、かかる構造のティシュペーパー束10は、その最上面が上述の上面に取出口25等を有する収納箱2の当該上面2Uに向かいあって収納され、前記取出口25、特にスリット24から最初の一枚(最上面に位置する一組)が引き出されたときに、その直近下方に位置する他の一枚の一部が露出される。なお、本発明のおけるティシュペーパー1の積層枚数が限定されないが、この種の製品の一般的な積層枚数を例示すれば、120〜240組であり、本発明もこの範囲とすることができる。
【0057】
他方、本発明のティシュペーパー製品X1は、特に、図8〜10に示されるとおり、上記ティシュペーパー束10が、折り返し縁Eが並ぶ面を長手側面10Lとして、各長手側面間が近づけられ長手側面間の中央部が上方側に向かって凸となるように撓ませられた状態で収納箱2内に収納されている。そして、ティシュペーパー束10はその撓ませられた状態で各長手側面10L,10Lが収納箱長手面20L,20Lの内面に当接されており、ティシュペーパー束10の長手側面10L,10Lと収納箱長手面20L,20Lの内面との間に余裕なく、前記長手側面10L,10Lが前記収納箱長手面20L,20Lの内面間に挟持され、前記ティシュペーパー束10の上面側凸形状が収納箱内で維持されているとともに、ティシュペーパー束10が収納箱内において長手方向を跨ぐ方向に自由に移動できず拘束された状態となっている。
【0058】
ティシュペーパー束10の撓ませられた状態における具体的形状は、図8〜図10に示されるように、ティシュペーパー束10の折り返されていない縁が並ぶ面である端面10Sから見てΩ字状或いは凸字状となるように上面10Uの幅方向中央部に長手方向に沿って条部が形成された形状のほか、図11に示されるように、端面視において上面側が凸なる円弧形状が挙げられる。但し、好ましいのは、Ω字状或いは凸字状のものである。単なる円弧形状と比較して、引出し時にティシュペーパー束全体が上面側に浮き上がり難く、上記収納状態が維持されやすいからである。
【0059】
他方、本発明にかかるティシュペーパー束10の収納態様においては、上記ティシュペーパー束10と収納箱上面2Uとの間の距離は、0〜5mmであるのが望ましい。この範囲であると収納箱上面のミシン目線21を裂開して取出口25を形成した後の最初の一枚を取り出しやすく、また、収納枚数も十分なものとすることができる。
【0060】
また、本発明にかかるティシュペーパー束10の収納態様における具体的な撓み量としては、非撓み状態のティシュペーパー束10の幅(長手側面間距離)L4に対して、撓み状態のティシュペーパー束の幅L5が60〜90%であるのがよい。この範囲であるとティシュペーパー束10が収納箱内で浮き上がるおそれがなく、また、ティシュペーパー束10の弾性、形状復元性によってティシュペーパー束10の長手側面10L,10Lが収納箱長手面20L,20Lの内面を十分に押圧し、ティシュペーパー束10の撓み状態での収納態様が好適に維持される。なお、本発明にかかるティシュペーパー束10の凸部の高さについては特に限定されるものではない。
【0061】
他方、本発明のティシュペーパー製品X1においては、上記収納態様に加えて、さらに、ティシュペーパー束10の端面10Sと、収納箱2の収納箱短手面20Sの内面との間が0以上25mm以下であるのが望ましい。ティシュペーパー束10の収納箱内における短手面間方向の移動についても規制され、ティシュペーパー束10の撓み状態が収納箱内で好適に維持されその形状が崩れるおそれがなくなる。
【0062】
また、収納箱とティシュペーパー束との関係については、収納箱の短手面面積に対するティシュペーパー束の端面の面積が65〜75%であるのがよい。ティシュペーパーをスムーズに引き出せ、さらに収納箱内のティシュペーパーの残数が少なくなった際に、ティシュペーパーがよりティシュペーパーの収納箱内へ落ち込み難いものとなる。
【0063】
また、本発明のティシュペーパー製品X1は、紙の縦方向(MD方向)が引出し方向に沿う方向となるようにしてティシュペーパー束10が収納箱内に収納されているのが望ましい。上記のとおり本発明にかかる製品は汎用タイプの製品に適し、かかる収納態様の製品はその汎用タイプの製品の製造に適したマルチスタンド式インターフォルダにより製造することができるためである。また、かかる引出し方向であるとスムーズに引出しやすいものとなる。
【0064】
『ティシュペーパー』
ここで、本発明のティシュペーパー束10を構成するティシュペーパー自体は、既知のものが使用できる。好ましくは、パルプ繊維を主材としたものであり、適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、特にバージンパルプのNBKPとLBKPのみから構成されているのがよい。その場合の配合割合(JIS P 8120)としては、NBKP:LBKP=20:80〜80:20がよく、特に、NBKP:LBKP=30:70〜60:40が望ましい。
【0065】
なお、本発明にかかるティシュペーパー1は、ローション薬液とも称される柔軟剤等の薬液が含有されたものとすることも可能であるが、背景技術の欄でも述べたとおり、ローションタイプと汎用タイプとが併用されて使用状況においてコンパクト化の意義が高い製品は、汎用タイプのものであるため、本発明では薬液が付与されていないティシュペーパーを採用するほうがよい。そして、肌に触れる用途のみならずゴミ・塵等の拭取りにも頻繁に用いられる汎用タイプのものに適するべく、下記の組成・物性のものであるのが望ましい。
【0066】
まず、JIS P 8124による坪量については、10〜25g/m2、好ましくは11〜20g/m2、より好ましくは12〜16g/m2であり、紙厚については、80〜250μm、好ましくは100〜200μm、より好ましくは130〜180μmであるのがよい。なお、紙厚は、収納箱からティシュぺーパーを引き出したものを試料とし、各試料は束の上部から束の下部まで均等に5枚(組)採取して、それらの測定値の平均値とする。なお、測定にあたって試料は恒温恒室内で2時間〜4時間放置する前処理を行なう。測定は、1枚(1組)で測定し、紙厚計はピーコックG型(例えば、尾崎製作所製ピーコック)を用いる。
【0067】
また、JIS P 8113に規定される乾燥引張強度(以下、乾燥紙力ともいう)は、縦方向が、2プライで200〜700cN/25mm、好ましくは250〜600cN/25mm、特に好ましくは300〜600cN/25mmであり、横方向が、2プライで100〜300cN/25mm、好ましくは130〜270cN/25mm、特に好ましくは150〜250cN/25mmであるのがよい。
【0068】
また、本発明にかかるティシュペーパー1の大きさは特に限定されないが、ティシュペーパー自体の大きさについては従来製品と遜色ない大きさとして製品外観の大きさのみコンパクトにするほうが当然に好ましく、具体的には従来汎用タイプのティシュペーパー製品におけるティシュペーパーと同等ともいえる縦180〜220mm×横150〜240mmであるのが望ましい。
【0069】
『ティシュペーパー製品の製造例』
次いで、本発明にかかるティシュペーパー製品X1の製造例を説明する。
本発明にかかるティシュペーパー製品X1を製造するには、まず、抄紙設備においてクレープを有する薄葉紙(クレープ紙とも称される)を抄造し、これを巻き取って一次原反ロール(一般にジャンボロールともいわれている)を製造する。
【0070】
次いで、この一次原反ロールをプライマシンに必要数セットし、セットされた各一次原反ロールから一次連続シートを繰り出すとともに、適宜重ね合わせて積層一体化し、巻き取って複数のプライ(積層された)のシートからなる二次原反ロールを製造する。
【0071】
ここで、抄紙設備及びプライマシンは既知のものが使用でき、それらにかかる抄紙工程及び二次原反ロール製造工程も既知のものとすることができる。
【0072】
次いで、二次原反ロールをインターフォルダと呼ばれる折畳み設備に移行し、二次原反ロールから順次二次連続シートを繰り出し、この二次連続シートを折畳むとともに順次積層し、裁断してティシュペーパー束10を製造する。ティシュペーパー製品に用いるティシュペーパー束を製造するにあたっては、マルチスタンド式(多連式)インターフォルダとロータリー式インターフォルダの2種のインターフォルダが知られるが本発明ではいずれをも使用することができる。但し、前者のマルチスタンド式インターフォルダは、生産性が高いことから多くの生産量が必要とされる汎用タイプの製品の製造に適してよく用いられており、本発明のティシュペーパー製品X1も汎用タイプであることが望ましいから、マルチスタンド式インターフォルダによって束10を製造するのが望ましい。
【0073】
ここで、マルチスタンド式インターフォルダについて説明すると、マルチスタンド式インターフォルダM1は、図12及び図13に示されるように、折り板72を有する折畳み機構部70がライン流れ方向に多数(通常80〜120機)並設されており、折り畳み機構部70,70…に対応する二次原反ロール支持部に二次原反ロール71を取り付け、その二次原反ロール71から二次連続シートS4a,S4bを巻きだして折り畳み機構部70に二次連続シートS4a,S4bを供給するように構成されている。
【0074】
各折畳み機構部70に対しては、ティシュペーパー1の幅と同幅にスリットした二次原反ロール71を複数セット(図示例では2セット)並べ、同時に二次原反ロール71,71から二次連続シートS4a,S4bを連続的に供給し、各折畳み機構部70において、供給された各二次連続シートS4a,S4bの折り畳み積層が行なわれる。そして、ライン上流側の折畳み機構部70で折り畳まれた二次連続シートS4a,S4bの上にそれよりもライン下流側の折畳み機構部70で折り畳まれた二次連続シートS4a,S4bが順次積層され、最下流において必要枚数が積層された連続積層ティシュペーパー束11が形成される。そして、この連続積層ティシュペーパー束11をカッターにより適宜の間隔で裁断して一つ一つのティシュペーパー束10を形成する。
【0075】
上記のとおりマルチスタンド式インターフォルダ等のインターフォルダにてティシュペーパー束10を製造した後には、そのティシュペーパー束10を本発明に係る収納箱2に収める収納工程に移行すべくコンベア等によって搬送する。ここで、インターフォルダから排出されるティシュペーパー束10は、図12からも理解されるように、端面10Sが進行方向となっている。本発明にかかるティシュペーパー製品X1を製造するにあたっては、まず、ティシュペーパー束10の搬送進行方向が長手側面10L方向となるように90度転換させる。ティシュペーパー束10の搬送方向の変更は、図14に示す既知のカートナーローダーM2によって行なうことができる。
【0076】
搬送方向を転換し長手側面10Lを進行方向として搬送させた後には、その搬送途中で、ティシュペーパー束10を、折り返し縁Eが並ぶ面を長手側面10Lとして、各長手側面間が近づけられ長手側面間の中央部が当該載置状態における底面10b側に向かって凸となる状態に撓ませる。このとき、撓ませた状態におけるティシュペーパー束10の長手側面間距離(撓み状態のティシュペーパー束10の幅)L5を納めるべき収納箱2の長手面間距離(短手縁の長さ)L2よりも短くなるようにしておく。
【0077】
ティシュペーパー束10の撓み形成は、図15に示すように、進行方向に直行する方向に延在する凹溝51をコンベア等の搬送手段を構成する搬送路50上に形成し、ティシュペーパー束10が凹溝51を跨ぐようにして載置し、搬送路載置状態におけるティシュペーパー束底面中央下にティシュペーパー束10の端面方向に延在する空間を設けた状態とし、かかる状態において、ティシュペーパー束10の上方から撓み形成ロッド52をティシュペーパー束10の載置状態における上面10uの長手側面間中央に押し当てることで行なうことができる。
【0078】
ティシュペーパー束底面中央下空間を形成するには、図15に示す例のほか、図16に示されるように搬送路50上に搬送方向に間隔をもって凸条部53,53を設け、上記凸条部間にティシュペーパー束10を架橋するようにしてもよい。なお、ティシュペーパー束10の底面10b側に空間を形成する構成は図示例には限定されない。
【0079】
上記撓み形成工程で、搬送路上において、ティシュペーパー束10を載置状態における長手側面間の中央部が底面10b側に向かって凸となる状態に撓ませた後には、ティシュペーパー束10を収納箱内へ収納する。ティシュペーパー束10の収納箱内への収納は、図17に示すように、取出口等が形成された上面2Uが下側となるように上下逆さとし、かつ一方の短手面を開口させた状態の収納箱2の開放短手面20Kと、撓ませられた状態のティシュペーパー束10の端面10Sとを付き合わせにしたうえで、ティシュペーパー束10の開放短手面10Kと向かい合っていない端面10sをプッシュロッド60により押し、収納箱内へティシュペーパー束10を押し込むことで行なう。上記のとおりティシュペーパー束10の長手側面間距離L5を収納箱2の長手面間L2よりも短くしておくことで、押し込みによる収納がスムーズに行える。
【0080】
ここで、撓ませた状態のティシュペーパー束10を収納箱内へ押し込む際には、図18に示されるように、プッシュロッド60を構成する押し板61の形状を凹溝51の形状に対応する形状とするとともに、撓み形成ロッド52の挿通を可能とする切り欠き部62を設けたものとすると、撓み形成ロッド52をティシュペーパー束10の上面に押し当てた状態で収納箱内へ押し込むことができる。かかる構成のプッシュロッド60を用いれば、ティシュペーパー束10の撓み形状を崩すことなく確実に当該形状のまま収納箱内へ押し込むことができる。
【0081】
なお、ティシュペーパー束10の収納箱内への収納は好ましくは、撓ませた状態のティシュペーパー束10と、一方短手面開放の収納箱2とをコンベア等で並走させた状態で行なうと生産性が高く望ましい。もちろん、ティシュペーパー束10、収納箱2の搬送を停止させた状態でおこなってもよい。
【0082】
収納箱内に押し込まれたティシュペーパー束10は、ティシュペーパー束自体の弾性と自重による凸部が撓みまえの状態に戻ろうとする復元作用によって、ティシュペーパー束10の長手側面10L,10Lが収納箱長手面20L,20Lの内面を押圧し、結果的に前記長手側面が前記収納箱長手面の内面間に挟持される。
【0083】
そして、収納箱内にティシュペーパー束を押し込んだ後には、収納箱の開放端面を封止してティシュペーパー束10が収納箱内に収納された状態とし、さらにかかるティシュペーパー束10を収納箱内に納めた状態で、収納箱の上下面を反転させることで本発明のティシュペーパー製品が完成する。
【符号の説明】
【0084】
X1…ティシュペーパー製品、1…ティシュペーパー、2…収納箱、2U…収納箱(紙箱)上面、2B…収納箱(紙箱)底面、10…ティシュペーパー束、10U…ティシュペーパー束の上面、10L…ティシュペーパー束の長手側面、10S…ティシュペーパー束の端面、10B…ティシュペーパー束の底面、20…紙箱、20L…収納箱(紙箱)の長手面、20S…収納箱(紙箱)の短手面、21…環状ミシン目線、21A…二重ミシン目線、21B…一重ミシン目線、21C…折り線、22…樹脂製フィルム、24…スリット、25…取出口、26…取出口形成部、27…開口開始用押し込み部、28…拡口部、29…接着部、30…押持片形成部、31…折り線、32…裂開ミシン目線、35…押持片、35A…押持片の自由端縁、35B…押持片の裂開縁、35C…押持片の裂開縁と対となる裂開縁、36…エンボス加工部、L8…取出口形成部(取出口)の幅、L9…拡口部の幅、23B…底面側片、23L…長手面側片、23U…上面側片、L1…収納箱の長手縁の長さ、L2…収納箱の短手縁の長さ、L3…収納箱の高さ、1e…ティシュペーパーの折り返し辺の縁、L4…非撓み状態のティシュペーパー束の幅(長手側面間距離)L5…撓み状態のティシュペーパー束の幅、M1…マルチスタンド式インターフォルダ、70…折り畳み機構部、71…二次原反ロール、72…折り板、S4a,S4b…二次連続シート、11…連続積層ティシュペーパー束、M2…カートナーローダー、50…搬送路、51…凹溝、52…撓み形成ロッド、53…凸条部、20K…開放短手面、10s…ティシュペーパー束の開放短手面と向かっていない端面、60…プッシュロッド、61…押し板、62…切り欠き部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形の上面及び底面及びこれらを繋ぐ長手面及び短手面を有する直六面体形状をなし、上面に長手縁に沿う方向に延在する環状のミシン目線で囲まれる取出口形成部を有する紙箱と、前記取出口形成部内に位置される前記長手縁に沿って延在するスリットを有し少なくとも前記取出口形成部を紙箱内側から覆う樹脂製フィルムと、を具備する収納箱内に、
方形のティシュペーパーを二つ折りしてその折り返し片の縁が上下に隣接する他のティシュペーパーの折り返し内面に位置するように互い違いに重ねつつ積層した直方体のティシュペーパー束が、収納されているティシュペーパー製品であって、
前記収納箱が、紙箱の上面に、前記長手縁に沿って延在する折り線と、この折り線の両端部から前記環状のミシン目線に繋がる一対の裂開ミシン目線とで囲まれる押持片形成部を有し、
前記ティシュペーパー束が、折り返し縁が並ぶ面を長手側面として、各長手側面間が近づけられ長手側面間の中央部が上面側に向かって凸となるように撓ませられ、かつ、その撓ませられた状態で各長手側面が収納箱長手面の内面に当接され、前記長手側面が前記収納箱長手面の内面間に挟持されて前記ティシュペーパー束の上面側凸形状が収納箱内で維持された状態に収納されている、
ことを特徴とするティシュペーパー製品。
【請求項2】
前記取出口形成部の両側に、それぞれ押持片形成部が形成されている請求項1記載のティシュペーパー製品。
【請求項3】
前記裂開ミシン目線が、一対のミシン目線がカット部とタイ部とを非平行にして並列された二重ミシン目線である、請求項1又は2記載のティシュペーパー製品。
【請求項4】
前記押持片形成部に、前記裂開ミシン目を裂開させた後に、前記裂開ミシン目線間の間隔を伸張可能とする加工が施されている請求項1〜3の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【請求項5】
前記取出口形成部の長手縁方向中央部に幅広にされた拡口部を有する請求項1〜4の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【請求項6】
取出口形成部を構成するミシン目線のうち、少なくとも長手縁方向に沿う部分が、カット部とタイ部とが非平行に並列する一対のミシン目線で構成される二重ミシン目線である、請求項1〜5の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【請求項7】
取出口形成部の長手縁方向端部に開口開始用押し込み部が形成されている請求項1〜6の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【請求項8】
前記開口開始用押し込み部は、幅方向に延在する折り線とその折り線の両端から長手方向外方に向かって膨出するアーチ状のミシン目線で囲まれた部分である、請求項7記載のティシュペーパー製品。
【請求項1】
長方形の上面及び底面及びこれらを繋ぐ長手面及び短手面を有する直六面体形状をなし、上面に長手縁に沿う方向に延在する環状のミシン目線で囲まれる取出口形成部を有する紙箱と、前記取出口形成部内に位置される前記長手縁に沿って延在するスリットを有し少なくとも前記取出口形成部を紙箱内側から覆う樹脂製フィルムと、を具備する収納箱内に、
方形のティシュペーパーを二つ折りしてその折り返し片の縁が上下に隣接する他のティシュペーパーの折り返し内面に位置するように互い違いに重ねつつ積層した直方体のティシュペーパー束が、収納されているティシュペーパー製品であって、
前記収納箱が、紙箱の上面に、前記長手縁に沿って延在する折り線と、この折り線の両端部から前記環状のミシン目線に繋がる一対の裂開ミシン目線とで囲まれる押持片形成部を有し、
前記ティシュペーパー束が、折り返し縁が並ぶ面を長手側面として、各長手側面間が近づけられ長手側面間の中央部が上面側に向かって凸となるように撓ませられ、かつ、その撓ませられた状態で各長手側面が収納箱長手面の内面に当接され、前記長手側面が前記収納箱長手面の内面間に挟持されて前記ティシュペーパー束の上面側凸形状が収納箱内で維持された状態に収納されている、
ことを特徴とするティシュペーパー製品。
【請求項2】
前記取出口形成部の両側に、それぞれ押持片形成部が形成されている請求項1記載のティシュペーパー製品。
【請求項3】
前記裂開ミシン目線が、一対のミシン目線がカット部とタイ部とを非平行にして並列された二重ミシン目線である、請求項1又は2記載のティシュペーパー製品。
【請求項4】
前記押持片形成部に、前記裂開ミシン目を裂開させた後に、前記裂開ミシン目線間の間隔を伸張可能とする加工が施されている請求項1〜3の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【請求項5】
前記取出口形成部の長手縁方向中央部に幅広にされた拡口部を有する請求項1〜4の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【請求項6】
取出口形成部を構成するミシン目線のうち、少なくとも長手縁方向に沿う部分が、カット部とタイ部とが非平行に並列する一対のミシン目線で構成される二重ミシン目線である、請求項1〜5の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【請求項7】
取出口形成部の長手縁方向端部に開口開始用押し込み部が形成されている請求項1〜6の何れか1項に記載のティシュペーパー製品。
【請求項8】
前記開口開始用押し込み部は、幅方向に延在する折り線とその折り線の両端から長手方向外方に向かって膨出するアーチ状のミシン目線で囲まれた部分である、請求項7記載のティシュペーパー製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−74957(P2013−74957A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215950(P2011−215950)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
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