説明

テトラヒドロフリルアルキルカルビノール類の製造方法

【課題】テトラヒドロフリルアルキルカルビノール類の工業的に有利な製造法の提供。
【解決手段】フリルアルキルケトン類を、貴金属触媒存在下、水素化反応することによる、一般式(2)


[式中、nは0〜3の整数を表す。n個のRは、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、それぞれ同一又は異なっていてもよい。Rは、炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、このアルキル基はRのアルキル基のうちの1個と結合していてもよい。]で表されるテトラヒドロフリルアルキルカルビノール類の製造方法。該貴金属触媒としては、ルテニウム触媒、パラジウム触媒及びロジウム触媒からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。代表例としては、2−フリルメチルケトンをルテニウム触媒存在下、水素化反応による2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリルアルキルケトン類の水素化反応により得られるテトラヒドロフリルアルキルカルビノール類を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テトラヒドロフリルアルキルカルビノール類は、医薬、農薬、高分子化合物等の原料として非常に有用な化合物である。
【0003】
テトラヒドロフリルアルキルカルビノール類の製造方法としては、以下の方法が知られている。例えば、(1)cis−4−ヘキセン−1−オールを特殊なゼオライトと、過酸化水素またはtert−ブチルヒドロペルオキシド共存下で環化する方法(非特許文献1〜4)、(2)フルフラールからグリニャール反応により、2−フリルメチルカルビノールを得て、更にこれをスポンジニッケル触媒を用いて水素化する方法(非特許文献5)、(3)2−(5−メチルフリル)メチルケトンをスポンジニッケル触媒を用いて水素化する方法(非特許文献6〜8)が知られている。
【0004】
しかしながら、上記(1)法では、不安定であり取扱いが難しい過酸化物を使用する。また、原料であるcis−4−ヘキセン−1−オールは香料用途で製造されているものの高価である。(2)法では、中間体である2−フリルメチルカルビノールが入手困難であり、フルフラールから誘導しなければならないため、経済的に好ましくない。(3)法では、水素化によりテトラヒドロフリルアルキルカルビノール類を製造することができると記載されているが、後述の比較例1に示した方法では、転化率、収率が非常に低いことがわかった。以上のことより、上記(1)〜(3)の方法では、テトラヒドロフリルアルキルカルビノール類を工業的に製造するには問題があり、これらの方法では工業的に満足できる製造方法とは言い難いのが現状である。
【0005】
【非特許文献1】J.Am.Chem.Soc.,100(22),7116−7117(1978)
【非特許文献2】Chem.Commun.,463−464,(1998)
【非特許文献3】J.Cat.,182(2),349−356,(1999)
【非特許文献4】J.Cat.,189(1),31−39,(2000)
【非特許文献5】J.Chem.Soc.,1707−1714,(1950)
【非特許文献6】日本化学雑誌,89(10),1007−1008(1968)
【非特許文献7】Izvestiya Akademii Nauk SSSR,Seriya Khimicheskaya,(8),1475−1478,(1963)
【非特許文献8】Izvestiya Akademii Nauk SSSR,Seriya Khimicheskaya,(8),1533−1534,(1964)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、テトラヒドロフリルアルキルカルビノール類を工業的に有利に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討の結果、以下の知見を得た。
(1)貴金属触媒存在下にフリルアルキルケトン類を水素化反応することでテトラヒドロフリルアルキルカルビノール類を工業的に有利に製造できること。
(2)更に貴金属触媒の中でもロジウム触媒、ルテニウム触媒、パラジウム触媒を用いることにより、水素化反応後の収率が非常に良好であること。
(3)2−フリルメチルケトンを原料としてルテニウム触媒存在下、水素化反応により2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールの特定の立体異性体が選択的に得られること。
【0008】
即ち、本発明は、以下の項目の製造方法を提供するものである。
【0009】
[項1]
一般式(1)
【化1】

[式中、nは0〜3の整数を表す。n個のRは、同一又は異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表し、これらのアルキル基のうち、2個のアルキル基が相互に結合を成していてもよい。Rは、炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、Rのアルキル基はRのアルキル基のうちの1個と結合していてもよい。]
で表されるフリルアルキルケトン類を貴金属触媒存在下、水素化反応することにより一般式(2)
【化2】

[式中、n、R及びRは一般式(1)と同義である。]
で表されるテトラヒドロフリルアルキルカルビノール類を製造する方法。
【0010】
[項2]
一般式(1)におけるRがメチル基でありRが炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である項1に記載の方法。
【0011】
[項3]
貴金属触媒が、ルテニウム触媒、パラジウム触媒及びロジウム触媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の貴金属触媒である項1又は項2に記載の方法。
【0012】
[項4]
2−フリルメチルケトンをルテニウム触媒存在下、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールに水素化反応することを特徴とする項1に記載の方法。
【0013】
[項5]
2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールの収率が80%以上であり、且つ、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノール中の、(S)−[(R)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールと(R)−[(S)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールの立体異性体混合物が60%以上である項4に記載の方法。
【発明の効果】
【0014】
上記項1〜3の発明によれば、フリルアルキルケトン類を貴金属触媒存在下、水素化反応することにより、テトラヒドロフリルアルキルカルビノール類を工業的に有利に製造することができる。また、上記項4、項5では、原料として2−フリルメチルケトンをルテニウム触媒存在下、水素化反応により2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールを製造することができ、また(S)−[(R)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノール及び(R)−[(S)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールを選択的に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[フリルアルキルケトン類]
本発明に用いるフリルアルキルケトン類は、従来公知の方法に従って製造されたもの、又は工業用原料として市販されているものをそのまま用いることができる。さらに、必要に応じて、蒸留等の従来公知の方法により精製して、水素化反応を阻害する硫黄分および重合物等を低減させたものを使用することが好ましい。
【0016】
本発明に係るフリルアルキルケトン類は、上記一般式(1)で表される。nは0〜3を表わす。尚、n=0とは置換基であるRがないことを意味する。
としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が例示される。また、これらはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、これらのアルキル基の内2個のアルキル基が、相互に結合したビシクロ環でもよい。
としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数が1〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が例示される。その中でも特に炭素数が1〜8が好ましく、更に好ましくは炭素数1〜4が挙げられる。また、このアルキル基はRのアルキル基の内の1個と結合してもよい。
【0017】
フリルアルキルケトン類として具体的には、2−フリルメチルケトン、2−フリルエチルケトン、2−フリル−n−プロピルケトン、2−フリル−iso−プロピルケトン、2−フリル−n−ブチルケトン、2−フリル−iso−ブチルケトン、2−フリル−sec−ブチルケトン、2−フリル−tert−ブチルケトン、2−(3−メチルフリル)メチルケトン、2−(3−メチルフリル)エチルケトン、2−(3−メチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(3−メチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(3−メチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(3−メチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(3−メチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(3−メチルフリル)−tert−ブチルケトン、5,6−ジヒドロ−4H−ベンゾフラン−7−オン、2−(4−メチルフリル)メチルケトン、2−(4−メチルフリル)エチルケトン、2−(4−メチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(4−メチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(4−メチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(4−メチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(4−メチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(4−メチルフリル)−tert−ブチルケトン、2−(5−メチルフリル)メチルケトン、2−(5−メチルフリル)エチルケトン、2−(5−メチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(5−メチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(5−メチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(5−メチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(5−メチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(5−メチルフリル)−tert−ブチルケトン、2−(3,4−ジメチルフリル)メチルケトン、2−(3,4−ジメチルフリル)エチルケトン、2−(3,4−ジメチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(3,4−ジメチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(3,4−ジメチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(3,4−ジメチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(3,4−ジメチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(3,4−ジメチルフリル)−tert−ブチルケトン、2−(3,5−ジメチルフリル)メチルケトン、2−(3,5−ジメチルフリル)エチルケトン、2−(3,5−ジメチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(3,5−ジメチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(3,5−ジメチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(3,5−ジメチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(3,5−ジメチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(3,5−ジメチルフリル)−tert−ブチルケトン、2−(4,5−ジメチルフリル)メチルケトン、2−(4,5−ジメチルフリル)エチルケトン、2−(4,5−ジメチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(4,5−ジメチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(4,5−ジメチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(4,5−ジメチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(4,5−ジメチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(4,5−ジメチルフリル)−tert−ブチルケトン、2−(トリメチルフリル)メチルケトン、2−(トリメチルフリル)エチルケトン、2−(トリメチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(トリメチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(トリメチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(トリメチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(トリメチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(トリメチルフリル)−tert−ブチルケトン、2−フリル−n−ペンチルケトン、2−フリル(1−メチルブチル)ケトン、2−フリル(2−メチルブチル)ケトン、2−フリル(3−メチルブチル)ケトン、2−フリル(1−エチルプロピル)ケトン、2−フリル(1,1−ジメチルプロピル)ケトン、2−フリル(2,2−ジメチルプロピル)ケトン、2−フリルシクロペンチルケトン、2−フリル−n−ヘキシルケトン、2−フリル(1−メチルペンチル)ケトン、2−フリル(2−メチルペンチル)ケトン、2−フリル(3−メチルペンチル)ケトン、2−フリル(4−メチルペンチル)ケトン、2−フリル(1−エチルブチル)ケトン、2−フリル(2−エチルブチル)ケトン、2−フリル(1,1−ジメチルブチル)ケトン、2−フリル(2,2−ジメチルブチル)ケトン、2−フリル(3,3−ジメチルブチル)ケトン、2−フリル(シクロペンチルメチル)ケトン、2−フリルシクロヘキシルケトン、2−フリル−n−ヘプチルケトン、2−フリル(1−メチルヘキシル)ケトン、2−フリル(2−メチルヘキシル)ケトン、2−フリル(3−メチルヘキシル)ケトン、2−フリル(4−メチルヘキシル)ケトン、2−フリル(5−メチルヘキシル)ケトン、2−フリル(1−エチルペンチル)ケトン、2−フリル(2−エチルペンチル)ケトン、2−フリル(3−エチルペンチル)ケトン、2−フリル(1,1−ジメチルペンチル)ケトン、2−フリル(2,2−ジメチルペンチル)ケトン、2−フリル(3,3−ジメチルペンチル)ケトン、2−フリル(4,4−ジメチルペンチル)ケトン、2−フリル(シクロヘキシルメチル)ケトン、2−フリル−n−オクチルケトン、2−フリル(1−メチルヘプチル)ケトン、2−フリル(2−メチルヘプチル)ケトン、2−フリル(3−メチルヘプチル)ケトン、2−フリル(4−メチルヘプチル)ケトン、2−フリル(5−メチルヘプチル)ケトン、2−フリル(6−メチルヘプチル)ケトン、2−フリル(1−エチルヘキシル)ケトン、2−フリル(2−エチルヘキシル)ケトン、2−フリル(3−エチルヘキシル)ケトン、2−フリル(4−エチルヘキシル)ケトン、2−フリル(1,1−ジメチルヘキシル)ケトン、2−フリル(2,2−ジメチルヘキシル)ケトン、2−フリル(3,3−ジメチルヘキシル)ケトン、2−フリル(4,4−ジメチルヘキシル)ケトン、2−フリル(5,5−ジメチルヘキシル)ケトン、2−フリル(シクロヘキシルエチル)ケトン、2−フリル−n−ノニルケトン、2−フリル−n−デシルケトン、2−フリル−n−ウンデシルケトン、2−フリル−n−ドデシルケトン、2−フリル−n−トリデシルケトン、2−フリル−n−テトラデシルケトン、2−フリル−n−ペンタデシルケトン、2−フリル−n−ヘキサデシルケトン、2−フリル−n−ヘプタデシルケトン、2−フリル−n−オクタデシルケトン、2−(3−エチルフリル)メチルケトン、2−(3−エチルフリル)エチルケトン、2−(3−エチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(3−エチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(3−エチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(3−エチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(3−エチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(3−エチルフリル)−tert−ブチルケトン、2−(4−エチルフリル)メチルケトン、2−(4−エチルフリル)エチルケトン、2−(4−エチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(4−エチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(4−エチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(4−エチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(4−エチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(4−エチルフリル)−tert−ブチルケトン、2−(5−エチルフリル)メチルケトン、2−(5−エチルフリル)エチルケトン、2−(5−エチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(5−エチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(5−エチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(5−エチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(5−エチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(5−エチルフリル)−tert−ブチルケトン、2−(3,4−ジエチルフリル)メチルケトン、2−(3,4−ジエチルフリル)エチルケトン、2−(3,4−ジエチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(3,4−ジエチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(3,4−ジエチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(3,4−ジエチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(3,4−ジエチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(3,4−ジエチルフリル)−tert−ブチルケトン、2−(3,5−ジエチルフリル)メチルケトン、2−(3,5−ジエチルフリル)エチルケトン、2−(3,5−ジエチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(3,5−ジエチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(3,5−ジエチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(3,5−ジエチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(3,5−ジエチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(3,5−ジエチルフリル)−tert−ブチルケトン、2−(4,5−ジエチルフリル)メチルケトン、2−(4,5−ジエチルフリル)エチルケトン、2−(4,5−ジエチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(4,5−ジエチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(4,5−ジエチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(4,5−ジエチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(4,5−ジエチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(4,5−ジエチルフリル)−tert−ブチルケトン、2−(トリエチルフリル)メチルケトン、2−(トリエチルフリル)エチルケトン、2−(トリエチルフリル)−n−プロピルケトン、2−(トリエチルフリル)−iso−プロピルケトン、2−(トリエチルフリル)−n−ブチルケトン、2−(トリエチルフリル)−iso−ブチルケトン、2−(トリエチルフリル)−sec−ブチルケトン、2−(トリエチルフリル)−tert−ブチルケトン、2−(3−プロピルフリル)メチルケトン、2−(4−プロピルフリル)メチルケトン、2−(5−プロピルフリル)メチルケトン、2−(3−ブチルフリル)メチルケトン、2−(4−ブチルフリル)メチルケトン、2−(5−ブチルフリル)メチルケトン、3−フリルメチルケトン、3−フリルエチルケトン、3−フリル−n−プロピルケトン、3−フリル−iso−プロピルケトン、3−フリル−n−ブチルケトン、3−フリル−iso−ブチルケトン、3−フリル−sec−ブチルケトン、3−フリル−tert−ブチルケトン、3−(2−メチルフリル)メチルケトン、3−(2−メチルフリル)エチルケトン、3−(メチルフリル)−n−プロピルケトン、3−(2−メチルフリル)−iso−プロピルケトン、3−(2−メチルフリル)−n−ブチルケトン、3−(2−メチルフリル)−iso−ブチルケトン、3−(2−メチルフリル)−sec−ブチルケトン、3−(2−メチルフリル)−tert−ブチルケトン、3−(4−メチルフリル)メチルケトン、3−(4−メチルフリル)エチルケトン、3−(4−メチルフリル)−n−プロピルケトン、3−(4−メチルフリル)−iso−プロピルケトン、3−(4−メチルフリル)−n−ブチルケトン、3−(4−メチルフリル)−iso−ブチルケトン、3−(4−メチルフリル)−sec−ブチルケトン、3−(4−メチルフリル)−tert−ブチルケトン、3−(5−メチルフリル)メチルケトン、3−(5−メチルフリル)エチルケトン、3−(5−メチルフリル)−n−プロピルケトン、3−(5−メチルフリル)−iso−プロピルケトン、3−(5−メチルフリル)−n−ブチルケトン、3−(5−メチルフリル)−iso−ブチルケトン、3−(5−メチルフリル)−sec−ブチルケトン、3−(5−メチルフリル)−tert−ブチルケトン、3−(2,4−ジメチルフリル)メチルケトン、3−(2,4−ジメチルフリル)エチルケトン、3−(2,4−ジメチルフリル)−n−プロピルケトン、3−(2,4−ジメチルフリル)−iso−プロピルケトン、3−(2,4−ジメチルフリル)−n−ブチルケトン、3−(2,4−ジメチルフリル)−iso−ブチルケトン、3−(2,4−ジメチルフリル)−sec−ブチルケトン、3−(2,4−ジメチルフリル)−tert−ブチルケトン、3−(2,5−ジメチルフリル)メチルケトン、3−(2,5−ジメチルフリル)エチルケトン、3−(2,5−ジメチルフリル)−n−プロピルケトン、3−(2,5−ジメチルフ
リル)−iso−プロピルケトン、3−(2,5−ジメチルフリル)−n−ブチルケトン、3−(2,5−ジメチルフリル)−iso−ブチルケトン、3−(2,5−ジメチルフリル)−sec−ブチルケトン、3−(2,5−ジメチルフリル)−tert−ブチルケトン、3−(4,5−ジメチルフリル)メチルケトン、3−(4,5−ジメチルフリル)エチルケトン、3−(4,5−ジメチルフリル)−n−プロピルケトン、3−(4,5−ジメチルフリル)−iso−プロピルケトン、3−(4,5−ジメチルフリル)−n−ブチルケトン、3−(4,5−ジメチルフリル)−iso−ブチルケトン、3−(4,5−ジメチルフリル)−sec−ブチルケトン、3−(4,5−ジメチルフリル)−tert−ブチルケトン、3−(トリメチルフリル)メチルケトン、3−(トリメチルフリル)エチルケトン、3−(トリメチルフリル)−n−プロピルケトン、3−(トリメチルフリル)−iso−プロピルケトン、3−(トリメチルフリル)−n−ブチルケトン、3−(トリメチルフリル)−iso−ブチルケトン、3−(トリメチルフリル)−sec−ブチルケトン、3−(トリメチルフリル)−tert−ブチルケトン、3−フリル−n−ペンチルケトン、3−フリル(1−メチルブチル)ケトン、3−フリル(3−メチルブチル)ケトン、3−フリル(1−エチルプロピル)ケトン、3−フリル(1,1−ジメチルプロピル)ケトン、3−フリル(2,2−ジメチルプロピル)ケトン、3−フリルシクロペンチルケトン、3−フリル−n−ヘキシルケトン、3−フリル(1−メチルペンチル)ケトン、3−フリル(2−メチルペンチル)ケトン、3−フリル(3−メチルペンチル)ケトン、3−フリル(4−メチルペンチル)ケトン、3−フリル(1−エチルブチル)ケトン、3−フリル(2−エチルブチル)ケトン、3−フリル(1,1−ジメチルブチル)ケトン、3−フリル(2,2−ジメチルブチル)ケトン、3−フリル(3,3−ジメチルブチル)ケトン、3−フリル(3,3−ジメチルブチル)ケトン、3−フリル(シクロペンチルメチル)ケトン、3−フリルシクロヘキシルケトン、3−フリル−n−ヘプチルケトン、3−フリル(1−メチルヘキシル)ケトン、3−フリル(2−メチルヘキシル)ケトン、3−フリル(3−メチルヘキシル)ケトン、3−フリル(4−メチルヘキシル)ケトン、3−フリル(5−メチルヘキシル)ケトン、3−フリル(1−エチルペンチル)ケトン、3−フリル(2−エチルペンチル)ケトン、3−フリル(3−エチルペンチル)ケトン、3−フリル(1,1−ジメチルペンチル)ケトン、3−フリル(2,2−ジメチルペンチル)ケトン、3−フリル(3,3−ジメチルペンチル)ケトン、3−フリル(4,4−ジメチルペンチル)ケトン、3−フリル(シクロヘキシルメチル)ケトン、3−フリル−n−オクチルケトン、3−フリル(1−メチルヘプチル)ケトン、3−フリル(2−メチルヘプチル)ケトン、3−フリル(3−メチルヘプチル)ケトン、3−フリル(4−メチルヘプチル)ケトン、3−フリル(5−メチルヘプチル)ケトン、3−フリル(6−メチルヘプチル)ケトン、3−フリル(1−エチルヘキシル)ケトン、3−フリル(2−エチルヘキシル)ケトン、3−フリル(3−エチルヘキシル)ケトン、3−フリル(4−エチルヘキシル)ケトン、3−フリル(1,1−ジメチルヘキシル)ケトン、3−フリル(2,2−ジメチルヘキシル)ケトン、3−フリル(3,3−ジメチルヘキシル)ケトン、3−フリル(4,4−ジメチルヘキシル)ケトン、2−フリル(5,5−ジメチルヘキシル)ケトン、2−フリル(シクロヘキシルエチル)ケトン、3−フリル−n−ノニルケトン、2−フリル−n−デシルケトン、3−フリル−n−ウンデシルケトン、3−フリル−n−ドデシルケトン、3−フリル−n−トリデシルケトン、3−フリル−n−テトラデシルケトン、3−フリル−n−ペンタデシルケトン、3−フリル−n−ヘキサデシルケトン、3−フリル−n−ヘプタデシルケトン、3−フリル−n−オクタデシルケトン3−(2,5−ジメチルフリル)メチルケトンが例示される。上記の中でも特に、2−(3−メチルフリル)メチルケトン、2−(4−メチルフリル)メチルケトン、2−(5−メチルフリル)メチルケトン、2−(3,4−ジメチルフリル)メチルケトン、2−(3,5−ジメチルフリル)メチルケトン、2−(4,5−ジメチルフリル)メチルケトン、2−トリメチルフリルメチルケトン、3−フリルメチルケトン、3−(2−メチルフリル)メチルケトン、3−(4−メチルフリル)メチルケトン、3−(5−メチルフリル)メチルケトン、3−(2,4−ジメチルフリル)メチルケトン、3−(2,5−ジメチルフリル)メチルケトン、3−(4,5−ジメチルフリル)メチルケトン、3−トリメチルフリルメチルケトンが好ましく、更に2−フリルメチルケトン又は3−(2,5―ジメチルフリル)メチルケトンが好ましい。これらは、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
【0018】
[貴金属触媒]
水素化反応に用いる触媒としては、通常水素化反応に用いられる公知の貴金属触媒が用いられ、ロジウム触媒、ルテニウム触媒、白金触媒、パラジウム触媒、イリジウム触媒、オスミウム触媒等が例示される。特に反応性や選択性の点からルテニウム触媒、ロジウム触媒、パラジウム触媒が好ましい。
【0019】
上記貴金属触媒として、具体的には、0価の貴金属、又は、貴金属の硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、酸化物、水酸化物等の各種無機化合物、貴金属が担体に担持された担体担持型触媒、アセチルアセトナート化合物等の各種有機化合物、アミン錯体、ホスフィン錯体、カルボニル化合物等の各種錯体化合物等の金属化合物が例示される。
これらは、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
【0020】
担体担持型触媒としては、従来公知或いは市販されているものを用いることができる。用いられる担体としては、珪藻土、軽石、カーボン(活性炭、グラファイト、カーボンブラック等)、シリカゲル、アルミナ、シリカ・アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、ゼオライト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が例示される。これらの担体は、それぞれ単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。これらのうち特に、カーボン又はアルミナが反応性や選択性の点で好ましい。
【0021】
貴金属担持担体触媒としては、ルテニウム−カーボン触媒、ロジウム−カーボン触媒、パラジウム−カーボン触媒、ルテニウム−アルミナ触媒、ロジウム−アルミナ触媒、パラジウム−アルミナ触媒が挙げられる。その中でも特に、ルテニウム−カーボン触媒、ルテニウム−アルミナ触媒が好ましい。
【0022】
尚、上記担体担持型触媒の調製方法としては、含浸法、共沈法等の従来公知の方法が採用できる。これらの担体担持型触媒の活性化方法としては、特に限定されないが、通常は使用する前に還元して活性化することができる。
【0023】
水素化反応に用いられる貴金属触媒の使用量は、フリルアルキルケトン類に対して、金属分を基準として、0.0005〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%、更に好ましくは0.01〜2重量%の範囲が反応速度と経済性の点から好ましい。
【0024】
該担体担持型触媒の金属成分の担持量は、特に限定されないが、触媒の総重量に対して、金属分として、通常、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。担持量が0.1重量%未満では触媒重量当たりの活性が低下し、触媒を多量に使用する必要があるため設備的にも経済的にも不利である。また担持量が10重量%を超えても、担持した金属量に見合う反応速度の向上は得られにくい。
【0025】
上記触媒の含水量は特に限定されず、乾燥品及び含水品のいずれも使用できる。
【0026】
これら貴金属触媒の形態は特に限定されず、選択される反応方式に応じて粉末状、成型触媒など適宜選択して使用される。粉末状の触媒は、通常、回分あるいは連続の液相懸濁床の水素化反応に用いられ、成型触媒は、固定床流通方式の水素化反応に使用される。また、成型触媒としては、使用する反応器の大きさにより適宜選択されるが、通常は直径2〜6mm、高さ2〜8mmの範囲の円柱状が好ましい。
【0027】
[反応溶媒]
本発明の水素化反応は、無溶媒又は溶媒存在下、いずれでも行うことができる。溶媒存在下で行う場合に使用可能な溶媒としては、水素化反応に悪影響を与えない限り特に限定されない。
【0028】
上記溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、iso−ペンタノール、tert−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、テトラエチレングリコール、グリセリン、1,3−プロパンジオール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジ−iso−ブチルエーテル、エチレングリコールジ−sec−ブチルエーテル、エチレングリコールジ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−iso−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−sec−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−tert−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコールジ−iso−プロピルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−iso−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−sec−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−tert−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、メトキシシクロペンタン等のエーテル系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、2−エチルヘキサン、n−ノナン、n−デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン等の脂肪族炭化水素系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸−iso−プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸−iso−ブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−tert−ブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸−iso−プロピル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸−iso−ブチル、プロピオン酸−sec−ブチル、プロピオン酸−tert−ブチル、プロピオン酸ヘキシル等のエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の炭酸エステル系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0029】
上記溶媒の使用量は、反応条件、反応形態等に応じて任意に選択することができる。
【0030】
[反応条件]
水素分圧としては、水素化反応が完結できる条件であれば特に限定されないが、実用的な反応速度が得られる条件として、通常は反応系の水素分圧で、0.1〜30MPa、好ましくは0.1〜10MPaの範囲である。0.1MPaよりも低い圧力では反応に必要以上の長時間を要し、また30MPa以上では反応速度は上昇するが、あまり圧力が高すぎても顕著な有意性は認められず、経済的に不利な場合がある。
【0031】
反応温度としては、水素化反応が完結できる条件であれば特に限定されないが、実用的な反応速度が得られる条件として、通常、20〜200℃、好ましくは40〜180℃である。この温度範囲より低い場合には十分な反応速度が得られず、高い場合には副反応や分解反応を伴うため収率が低下する傾向が見られる。
【0032】
反応時間は、触媒量や諸条件によって異なるが、通常0.5〜50時間程度、工業的な観点からは1〜20時間になるように条件などを選択することが好ましい。
【0033】
本発明での反応方式としては、特に限定されず、水素化触媒を反応液中に分散させて行う液相懸濁床による方法、又は水素化触媒を反応器中に固定させ、これに反応液を作用させる固定床流通方式による方法等が採用できる。
【0034】
反応終了後、触媒を除去する必要がある場合は、濾過、遠心分離等の従来公知の方法を用いて触媒を除去することによりテトラヒドロフリルアルキルカルビノール類を得ることができる。必要に応じて、蒸留等により精製することで純度の高いテトラヒドロフリルアルキルカルビノール類を得ることができる。例えば蒸留の方法としては、ウィドマー分留管を用いて蒸留する方法があげられる。
【0035】
[テトラヒドロフリルアルキルカルビノール類]
本発明に係るテトラヒドロフリルアルキルカルビノール類は、上記一般式(2)で表される。nは0〜3を表わす。尚、n=0とは置換基であるRがないことを意味する。
としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が例示される。また、これらはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、これらのアルキル基の内2個のアルキル基が、相互に結合したビシクロ環でもよい。
としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数が1〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が例示される。その中でも特に炭素数が1〜8が好ましく、更に好ましくは炭素数1〜4が挙げられる。また、このアルキル基はRのアルキル基の内の1個と結合してもよい。
【0036】
本発明で得られる一般式(2)で表されるテトラヒドロフリルアルキルカルビノール類とは、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノール、2−テトラヒドロフリルエチルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−プロピルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−iso−プロピルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−ブチルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−iso−ブチルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−sec−ブチルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−tert−ブチルカルビノール、2−(3−メチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(3−メチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(3−メチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(3−メチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、2−(3−メチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、2−(3−メチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(3−メチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、オクタヒドロベンゾフラン−7−オール、2−(4−メチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(4−メチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(4−メチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(4−メチルテトラヒドロフリル)iso−プロピルカルビノール、2−(4−メチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、2−(4−メチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、2−(4−メチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(4−メチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、2−(5−メチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(5−メチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(5−メチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(5−メチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、2−(5−メチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、2−(5−メチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、2−(5−メチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(5−メチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、2−(3,4−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(3,4−ジメチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(3,4−ジメチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(3,4−ジメチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、2−(3,4−ジメチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、2−(3,4−ジメチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、2−(3,4−ジメチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(3,4−ジメチルテトラヒドロフリル−tert−ブチルカルビノール、2−(3,5−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(3,5−ジメチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(3,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(3,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、2−(3,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、2−(3,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、2−(3,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(3,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、2−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、2−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、2−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、2−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、2−(トリメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(トリメチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(トリメチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(トリメチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、2−(トリメチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、2−(トリメチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、2−(トリメチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(トリメチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−ペンチルカルビノール、2−テトラヒドロフリル(1−メチルブチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(2−メチルブチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(1−エチルプロピル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(1,1−ジメチルプロピル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(2,2−ジメチルプロピル)カルビノール、2−テトラヒドロフリルシクロペンチルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−ヘキシルカルビノール、2−テトラヒドロフリル(2−メチルペンチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(3−メチルペンチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(4−メチルペンチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(1−エチルブチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(2−エチルブチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(1,1−ジメチルブチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(2,2−ジメチルブチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(3,3−ジメチルブチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(シクロペンチルメチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリルシクロヘキシルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−ヘプチルカルビノール、2−テトラヒドロフリル(1−メチルヘキシル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(2−メチルヘキシル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(3−メチルヘキシル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(4−メチルヘキシル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(5−メチルヘキシル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(1−エチルペンチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(2−エチルペンチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(3−エチルペンチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(1,1−ジメチルペンチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(2,2―ジメチルペンチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(3,3−ジメチルペンチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(4,4−ジメチルペンチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(シクロヘキシルメチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−オクチルカルビノール、2−テトラヒドロフリル(1−メチルヘプチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(2−メチルヘプチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(3−メチルヘプチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(4−メチルヘプチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(5−メチルヘプチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(6−メチルヘプチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(1−エチルヘキシル)カルビノール)、2−テトラヒドロフリル(2−エチルヘキシル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(3−エチルヘキシル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(1,1−ジメチルヘキシル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(2,2−ジメチルヘキシル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(3,3−ジメチルヘキシル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(4,4−ジメチルヘキシル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(5,5−ジメチルヘキシル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル(シクロヘキシルエチル)カルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−ノニルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−デシルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−ウンデシルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−ドデシルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−トリデシルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−テトラデシルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−ペンタデシルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−ヘキサデシルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−ヘプタデシルカルビノール、2−テトラヒドロフリル−n−オクタデシルカルビノール、2−(3−エチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(3−エチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(3−エチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(3−エチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、2−(3−エチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、2−(3−エチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、2−(3−エチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(3−エチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、2−(4−エチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(4−エチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(4−エチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(4−エチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、2−(4−エチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(5−エチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(5−エチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(5−エチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(5−エチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、2−(5−エチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、2−(5−エチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、2−(5−エチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(5−エチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、2−(3,4−ジエチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(3,4−ジエチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(3,4−ジエチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(3,4−ジエチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、2−(3,4−ジエチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、2−(3,4−ジエチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、2−(3,4−ジエチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(3,4−ジエチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、2−(3,5−ジエチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(3,5−ジエチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(3,5−ジエチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(3,5−ジエチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、2−(3,5−ジエチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、2−(3,5−ジエチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、2−(3,5−ジエチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(3,5−ジエチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、2−(4,5−ジエチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(4,5−ジエチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(4,5−ジエチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(4,5−ジエチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、2−(4,5−ジエチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、2−(4,
5−ジエチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、2−(4,5−ジエチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(4,5−ジエチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、2−(トリエチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(トリエチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、2−(トリエチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、2−(トリエチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、2−(トリエチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、2−(トリエチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、2−(トリエチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、2−(トリエチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、2−(3−プロピルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(4−プロピルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(5−プロピルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(3−ブチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(4−ブチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(5−ブチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−テトラヒドロフリルメチルカルビノール、3−テトラヒドロフリルエチルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−プロピルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−iso−プロピルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−ブチルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−iso−ブチルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−sec−ブチルカルビノール、3−(2−メチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−(2−メチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、3−(2−メチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、3−(2−メチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、3−(2−メチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、3−(2−メチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、3−(2−メチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、3−(2−メチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、3−(4−メチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−(4−メチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、3−(4−メチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、3−(4−メチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、3−(4−メチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、3−(4−メチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、3−(4−メチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、3−(4−メチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、3−(5−メチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−(5−メチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、3−(5−メチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、3−(5−メチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、3−(5−メチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、3−(5−メチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、3−(5−メチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、3−(5−メチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、3−(2,4−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−(2,4−ジメチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、3−(2,4−ジメチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、3−(2,4−ジメチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、3−(2,4−ジメチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、3−(2,4−ジメチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、3−(2,4−ジメチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、3−(2,4−ジメチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、3−(2,5−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−(2,5−ジメチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、3−(2,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、3−(2,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、3−(2,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、3−(2,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、3−(2,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、3−(2,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、3−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)エチルカルビノール、3−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、3−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−iso−プロピルカルビノール、3−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−n−ブチルカルビノール、3−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−iso−ブチルカルビノール、3−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−sec−ブチルカルビノール、3−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)−tert−ブチルカルビノール、3−(トリメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−(トリメチルテトラヒドリフリル)エチルカルビノール、3−(トリメチルテトラヒドロフリル)−n−プロピルカルビノール、3−(トリメチルテトラヒドリフリル)−iso−プロピルカルビノール、3−(トリメチルテトラヒドリフリル)−n−ブチルカルビノール、3−(トリメチルテトラヒドリフリル)−iso−ブチルカルビノール、3−(トリメチルテトラヒドリフリル)−sec−ブチルカルビノール、3−(トリメチルテトラヒドリフリル)−tert−ブチルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−ペンチルカルビノール、3−テトラヒドロフリル(1−メチルブチル)カルビノール3−テトラヒドロフリル(3−メチルブチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(1−エチルプロピル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(1,1−ジメチルプロピル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(2,2−ジメチルプロピル)カルビノール、3−テトラヒドロフリルシクロペンチルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−ヘキシルカルビノール、3−テトラヒドロフリル(1−メチルペンチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(2−メチルペンチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(3−メチルペンチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(4−メチルペンチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(1−エチルブチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(2−エチルブチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(1,1−ジメチルブチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(2,2−ジメチルブチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(3,3−ジメチルブチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(3,3−ジメチルブチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(シクロペンチルメチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリルシクロヘキシルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−ヘプチルカルビノール、3−テトラヒドロフリル(1−メチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(2−メチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(3−メチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(4−メチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(5−メチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(1−エチルペンチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(2−エチルペンチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(3−エチルペンチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(1,1−ジメチルペンチル)カルビノール、3−テトラヒドロキシフリル(2,2−ジメチルペンチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(3,3−ジメチルペンチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(4,4−ジメチルペンチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(シクロヘキシルメチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−オクチルカルビノール、3−テトラヒドロフリル(1−メチルヘプチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(2−メチルヘプチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(3−メチルヘプチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(4−メチルヘプチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(5−メチルヘプチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(6−メチルヘプチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(1−エチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(2−エチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(3−エチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(4−エチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(1,1−ジメチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(2,2−ジメチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(3,3−ジメチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(4,4−ジメチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(5,5−ジメチルヘキシル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル(シクロヘキシルエチル)カルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−ノニルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−デシルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−ウンデシルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−ドデシルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−トリデシルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−テトラデシルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−ペンタデシルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−ヘキサデシルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−ヘプタデシルカルビノール、3−テトラヒドロフリル−n−オクタデシルカルビノール、3−(2,5−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノールが例示される。上記の中でも特に、2−(3−メチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(4−メチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(5−メチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(3,4−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(3,5−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、2−トリメチルテトラヒドロフリルメチルカルビノール、3−テトラヒドロフリルメチルカルビノール、3−(2−メチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−(4−メチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−(5−メチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−(2,4−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−(2,5−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−(4,5−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノール、3−トリメチルテトラヒドロフリルメチルカルビノールが好ましく、更に、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノール、3−(2,5−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノールが好ましい。
【0037】
以下に、上記項4、項5について説明する。2−フリルメチルケトンをルテニウム触媒存在下、水素化反応をおこない2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールを得ることができる。
【0038】
2−フリルメチルケトンを水素化反応して得られる2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールには4つの立体異性体が存在し、その立体異性体の構造式を以下に示す。一般式(3)
【化3】

で表される(R)−[(S)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノール及び、一般式(4)
【化4】

で表される(S)−[(R)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールがあり、これらは互いに鏡像異性体の関係にある。また、一般式(5)
【化5】

で表される(S)−[(S)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノール及び、一般式(6)
【化6】

で表される(R)−[(R)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールがあり、これらも互いに鏡像異性体の関係にある。
【0039】
2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールの収率として、好ましくは80%以上、更に好ましくは85%以上である。
収率は、本明細書及び特許請求の範囲において、後述の実施例に記載した方法で得られる値である。
【0040】
本発明の反応条件で2−フリルメチルケトンを水素化反応することによって、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールが選択的に得られる。2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールの立体異性体である、(S)−[(R)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールと(R)−[(S)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールの立体異性体混合物が、(S)−[(R)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールと(R)−[(S)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールと(S)−[(S)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールと(R)−[(R)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールの立体異性体混合物に対して、好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上の立体異性体比率で得られる。立体異性体比率は、本明細書及び特許請求の範囲において、後述の実施例に記載した方法で得られる値である。
【0041】
尚、(S)−[(R)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールと(R)−[(S)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールの立体異性体混合物と、(R)−[(R)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールと(S)−[(S)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールの立体異性体混合物とは、互いに鏡像異性体でないため、蒸留等の物理的な方法で分離することができる。
【0042】
2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールの立体異性体の同定は、立体異性体混合物を蒸留分離してH−NMRスペクトル及びHH−COSYスペクトルにより同定した。
【実施例】
【0043】
以下に実施例を掲げて本発明を詳しく説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、各実施例及び比較例のテトラヒドロフリルアルキルカルビノール類の収率、立体異性体比率及びフリルアルキルケトン類の転化率はガスクロマトグラフィー(GC)により分析し、下記式を用いて算出した。
【0044】
GC分析条件
装置:株式会社島津製作所製 GC−2014
カラム:DB−5(カラム長:30m、カラム内径:0.25mm、膜厚0.25μm、アジレントテクノロジー社製)
キャリアーガス:He(40cm/sec、線速度一定)
スプリット比:1/50
インジェクション温度:300℃
検出器:FID(325℃)
注入量:1.0μL
カラム温度プログラム:55℃(7min保持)−昇温30℃/min−300℃(6.8min保持)
サンプル調製:反応粗物を10mg採取し、1gのメタノールに加えて希釈した。
但し、フリルアルキルケトン類が3−(2,5−ジメチルフリル)メチルケトンの時は、カラム温度プログラムを下記の方法に変更した。
カラム温度プログラム:80℃(5min保持)−昇温20℃/min−300℃(4min保持)
【0045】
収率(重量%)
上記のGC条件から内部標準法を用いて、テトラヒドロフリルアルキルカルビノール類(以下、THFAと略する)の収量を算出して下記の式により収率を求めた。また、内部標準物質にはジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテルを使用した。
収率の算出
収率(重量%)=(THFA収量(g))/(THFA理論収量(g))×100
【0046】
立体異性体比率
立体異性体比率(%)={T1/(T1+T2)}×100
T1:(S)−[(R)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノール及び(R)−[(S)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノール(GC面積)
T2:(R)−[(R)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノール及び(S)−[(S)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノール(GC面積)
【0047】
転化率
転化率(%)=100−S
S:フリルアルキルケトン類(GC面積%)
【0048】
[実施例1]
電磁誘導撹拌装置を備え付けた500mLオートクレーブに、原料として2−フリルメチルケトン(以下、「2AcF」と略す。)75g(0.68モル)、反応溶媒としてトリエチレングリコールジメチルエーテル(以下、「DMTG」と略す。)75g、5%ルテニウム−カーボン触媒(以下、「Ru−カーボン」と略す。)(エヌ・イー ケムキャット株式会社製)3.0gを入れ、オートクレーブ内を水素で置換した後、水素分圧5MPa、120℃で水素化反応を行った。尚、反応は、消費された水素を補充しながら行い、圧力減少が見られなくなるまで継続した。反応終了後、冷却して触媒を減圧濾過により濾別し、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールを含む溶液を得た。得られた2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールの溶液の分析をGCにより実施した。その結果を表1に示した。
【0049】
[実施例2]
5%Ru−カーボン触媒の添加量を1.5g、水素分圧2MPa、反応温度160℃とした他は、実施例1と同様に実施し、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールを含む溶液を得た。得られた溶液のGC分析の結果を表1に示した。
【0050】
[実施例3]
反応溶媒にジエチレングリコールモノメチルエーテル(以下、「MDG」と略す。)75gを使用した他は、実施例1と同様に実施し、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールを含む溶液を得た。得られた溶液のGC分析の結果を表1に示した。
【0051】
[実施例4]
反応溶媒にジエチレングリコールモノブチルエーテル(以下、「BDG」と略す。)75gを使用した他は、実施例1と同様に実施し、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールを含む溶液を得た。得られた溶液のGC分析の結果を表1に示した。
【0052】
[実施例5]
2AcF使用量を100g(0.91モル)として、反応溶媒を使用せず、反応温度110℃とした他は、実施例1と同様に実施し、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールを得た。得られた溶液のGC分析の結果を表1に示した。
【0053】
[実施例6]
5%ルテニウム−アルミナ触媒(以下、「Ru−アルミナ」と略す。)(エヌ・イー ケムキャット株式会社製)1.5gを使用し、反応温度を150℃とした他は、実施例1と同様に実施し、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールを含む溶液を得た。得られた溶液のGC分析の結果を表1に示した。
【0054】
[実施例7]
5%パラジウム−アルミナ触媒(以下、「Pd−アルミナ」と略す。)(エヌ・イー ケムキャット株式会社製)1.5gを使用し、反応温度を170℃とした他は、実施例1と同様に実施し、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールを含む溶液を得た。得られた溶液のGC分析の結果を表1に示した。
【0055】
[実施例8]
3−(2,5−ジメチルフリル)メチルケトン(以下、「3AcDMF」と略す。)15g(0.11モル)を使用し、DMTGの使用量を135g、反応温度を100℃とした他は、実施例1と同様に実施し3−(2,5−ジメチルテトラヒドロフリル)メチルカルビノールを含む溶液を得た。得られた溶液のGC分析の結果を表1に示した。
【0056】
[比較例1]
スポンジニッケル触媒(川研ファインケミカル株式会社製)3.75gを使用し、水素分圧2MPa、反応温度を120℃とした他は、実施例1と同様に実施し、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールを含む溶液を得た。得られた溶液のGC分析の結果を表1に示した。
【0057】
[比較例2]
安定化ニッケル触媒(日揮触媒化成株式会社製)1.5gを使用し、反応温度を160℃とした他は、実施例1と同様に実施し、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールを含む溶液を得た。得られた溶液のGC分析の結果を表1に示した。
【0058】
【表1】

【0059】
各実施例、比較例における水素化反応の結果を表1に示す。この結果から明らかなように、ルテニウム触媒、パラジウム触媒存在下で水素化反応した実施例1〜8では、高転化率、高収率で反応が進行することがわかる。また、実施例1〜6では、原料に2−フリルメチルケトンとルテニウム触媒を用いることで立体異性体比率も高くなることがわかる。
一方、卑金属触媒であるニッケル触媒を用いた比較例1、2では、転化率と収率が低くなることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明により、医薬、農薬、高分子化合物等の原料として有用なテトラヒドロフリルアルキルカルビノール類を製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、nは0〜3の整数を表す。n個のRは、同一又は異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表し、これらのアルキル基のうち、2個のアルキル基が相互に結合を成していてもよい。Rは、炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、Rのアルキル基はRのアルキル基のうちの1個と結合していてもよい。]
で表されるフリルアルキルケトン類を貴金属触媒存在下、水素化反応することにより一般式(2)
【化2】

[式中、n、R及びRは一般式(1)と同義である。]
で表されるテトラヒドロフリルアルキルカルビノール類を製造する方法。
【請求項2】
一般式(1)におけるRがメチル基でありRが炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
貴金属触媒が、ルテニウム触媒、パラジウム触媒及びロジウム触媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の貴金属触媒である請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
2−フリルメチルケトンをルテニウム触媒存在下、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールに水素化反応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
2−テトラヒドロフリルメチルカルビノールの収率が80%以上であり、且つ、2−テトラヒドロフリルメチルカルビノール中の、(S)−[(R)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールと(R)−[(S)−2−テトラヒドロフリル]メチルカルビノールの立体異性体混合物が60%以上である請求項4に記載の方法。

【公開番号】特開2011−46630(P2011−46630A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194923(P2009−194923)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000191250)新日本理化株式会社 (90)
【Fターム(参考)】