説明

テレビジョン装置および電子機器

【課題】一例として、コネクタユニットの汎用性をより高めることが可能なテレビジョン装置および電子機器を得る。
【解決手段】実施形態にかかるテレビジョン装置は、筐体と、コネクタと、を備えた。コネクタには、接続部が筐体外に露出した状態で筐体に支持され、第一の端子および第二の端子が設けられた。第一の端子および第二の端子のそれぞれにハーネスが結合された。第一の端子が、コネクタの側面上に設けられるとともに、第一のハーネス結合部を有し、第二の端子が、側面上に突出した突出部で第一の端子から離間する方向に屈曲して第二のハーネス結合部が設けられた端部を有した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、テレビジョン装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラグ等を装着可能なコネクタを有した電子機器が、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−301757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器では、コネクタユニットの汎用性をより高めることが求められている。
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、一例として、コネクタユニットの汎用性をより高めることが可能なテレビジョン装置および電子機器を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態にかかるテレビジョン装置は、筐体と、コネクタと、を備えた。コネクタには、接続部が筐体外に露出した状態で筐体に支持され、第一の端子および第二の端子が設けられた。第一の端子および第二の端子のそれぞれにハーネスが結合された。第一の端子が、コネクタの側面上に設けられるとともに、第一のハーネス結合部を有し、第二の端子が、側面上に突出した突出部で第一の端子から離間する方向に屈曲して第二のハーネス結合部が設けられた端部を有した。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1実施形態にかかる電子機器としてのテレビジョン装置の正面図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかるテレビジョン装置に含まれるコネクタを前方側(差込口側)から見た斜視図である。
【図3】図3は、第1実施形態にかかるテレビジョン装置に含まれるコネクタを後方側(差込口の反対側)から見た斜視図である。
【図4】図4は、第1実施形態にかかるテレビジョン装置に含まれるコネクタの平面図であって、第一のハーネス配策状態を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態にかかるテレビジョン装置に含まれるコネクタの平面図であって、第二のハーネス配策状態を示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態にかかるテレビジョン装置に含まれるコネクタの平面図であって、第三のハーネス配策状態を示す図である。
【図7】図7は、第2実施形態にかかる電子機器としてのパーソナルコンピュータの斜視図であって、展開状態を示す図である。
【図8】図8は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第一の本体部の分解斜視図である。
【図9】図9は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第一の本体部の内部の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素については共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。
【0009】
<第1実施形態>
図1に示すように、本実施形態にかかる電子機器としてのテレビジョン装置1では、本体部2の筐体2aは、正面視で長方形状の外観を呈し、図1の紙面に垂直な前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。本実施形態では、比較的小型の装置として構成されたテレビジョン装置1が例示される。
【0010】
テレビジョン装置1は、筐体2aの前面2bに設けられた開口部2cから前方に露出する表示画面3aを有した表示装置(ディスプレイ)としてのディスプレイパネル3(例えばLCD(Liquid Crystal Display)等)と、CPU等の電子部品が実装された基板(図示せず)と、を有している。
【0011】
ディスプレイパネル3は、前後方向に薄い扁平な直方体状に形成されている。ディスプレイパネル3は、基板に実装された電子部品等で構成された制御回路に含まれる映像信号処理回路(いずれも図示せず)から映像信号を受け取り、その前面側の表示画面3aに、静止画や動画等の映像を表示させる。テレビジョン装置1の制御回路は、映像信号処理回路の他、いずれも図示しないチューナ部や、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)信号処理部、AV(Audio Video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、音声信号処理回路等を有している。基板(基板アセンブリ)は、筐体2a内のディスプレイパネル3の後方(背面側)に収容されている。また、テレビジョン装置1は、音声出力用のアンプやスピーカ等(図示せず)も内蔵している。また、ディスプレイパネル3の前方には、タッチパネルが配置されている。
【0012】
筐体2aの前面2bには、複数の操作ボタン4が配置されている。ユーザは、この操作ボタン4やタッチパネルを操作することにより、選局や、音量調整、データ入力等の各種の入力操作を行うことができる。本実施形態では、タッチパネルおよび操作ボタン4が入力操作部に相当する。
【0013】
筐体2a内には、コネクタ5が収容されている。側面2dを形成する筐体2aの側壁2eには、例えば円形の貫通孔としての差込口(図示せず)が形成され、コネクタ5の少なくとも接続部8(図2参照)が、その差込口から側方(本実施形態では、図1の正面視で右方)へ露出している。コネクタ5は、本実施形態では、一例として、ACアダプタ(AC−DCアダプタ)のプラグ(他のコネクタ)が着脱可能に差し込まれるコネクタとして構成されている。
【0014】
コネクタ5は、図2〜6に示すように、全体的に直方体状に構成されている。コネクタ5は、絶縁性の合成樹脂材料等で構成された本体部6と、この本体部6の外周をU字状に取り囲む導電性の金属材料等で構成されたシェル7と、を備えている。
【0015】
本体部6は、前面6a、後面6b、左側面6c、右側面6d、上面6e、および下面6fを有した直方体状に形成されている。前面6aには、断面円形の凹部としての接続部8が形成されている。なお、上記各面は、いずれも本体部6の側面に相当する。上記各面の名称は、接続部8が形成された前面6aを基準とした便宜上の名称であって、機能や姿勢等を限定するものではない。シェル7の各部の名称についても同様である。また、図2〜6では、便宜上、前面6aを基準として、X,Y,Zの三つの方向が定義される。前面6aに対する正面視で、左右方向(幅方向)がX方向、奥行き方向がY方向、上下方向(高さ方向,厚さ方向)がZ方向と定義される。X軸、Y軸、およびZ軸は相互に直交している。
【0016】
接続部8内には、信号端子およびグラウンド端子(いずれも図示せず)が設けられている。また、接続部8内には、差し込まれたプラグが抜けるのを抑制する付勢機構としての板ばね(図示せず)が設けられている。本実施形態では、本体部6の前面6aに対する正面視で接続部8の左側の部分に、板ばねが収容されており、その分、本体部6の左右方向(X方向)の幅が、上下方向(Z方向)の高さより長い。
【0017】
シェル7は、右側面6d上に配置された側壁7aと、上面6e上に配置された上壁7bと、下面6f上に配置された下壁7cと、を備え、これら側壁7a、上壁7b、および下壁7cが、U字状に接続されている。シェル7は、本体部6の外周に装着され、本体部の上面6e、右側面6d、および下面6fを部分的に覆っている。シェル7は、板状の金属材料等をプレス成形したり折曲成形したりすることで、構成することができる。また、本体部6は、例えば、シェル7や、端子、板バネ等とともにインサート成形等することで構成することができる。
【0018】
本体部6の左側面6cおよび右側面6dには、Z方向に伸びる突起6gが設けられている。この突起6gは、筐体2a等の本体部2内のコネクタ5の装着部に対するガイドや位置決めとして機能する。
【0019】
図3に示すように、コネクタ5の後部には、ハーネス10の信号線につながる信号端子としての第一の端子9Aと、ハーネス10のグラウンド線につながるグラウンド端子としての第二の端子9Bと、が設けられている。図4〜6に示すように、これら端子9A,9Bには、ハーネス10(10A,10B)の芯線(導体部分)が接合材としてのはんだ11によって接続される。
【0020】
第一の端子9Aは、後面6b上に突出した矩形状(正方形状)の突起として設けられている。第一の端子9Aは、接続部8の中心軸の奥側に配置されている。第一の端子9Aは、接続部8内の信号端子と電気的に接続されている。
【0021】
第二の端子9Bは、シェル7の一部に構成されている。具体的には、シェル7の上壁7bの左側かつ奥側の部分には、本体部6の上面6eに沿って奥側に向けて帯状に伸びる突出壁部7dが設けられる。突出壁部7dは、本体部6の上側、左側、かつ奥側となる角部6hから、後面6bより離間した位置まで突出している。そして、突出壁部7dの先端部がZ方向に折り返された折曲部7eが設けられ、折曲部の7eの先端部分が第一の端子9Aから離間する方向(X方向)に屈曲されて(拡大されて)、当該方向に突出した端壁部7fが構成されている。本実施形態では、この端壁部7fが、第二の端子9Bに相当する。端壁部7fには、長穴状の貫通孔7gが設けられている。この貫通孔7gには、ハーネス10Bの芯線を挿通することができる。
【0022】
第一の端子9Aの後面9aは平坦面状に形成されている。ハーネス10Aの芯線は、後面9a上に、はんだ11等の接合材によって電気的に導通した状態で接合される。すなわち、本実施形態では、後面9aが第一のハーネス結合部に相当する。また、もう一つのハーネス10Bの芯線は、端壁部7fに、はんだ11等の接合材によって電気的に導通した状態で接合される。本実施形態では、ハーネス10Bの芯線を貫通孔7gに挿通された状態で端壁部7fに接合することができるとともに、貫通孔7gに挿通せずに、端壁部7fの後面9b上に接合することもできる。すなわち、本実施形態では、後面9bや貫通孔7gの周縁部等が、第二のハーネス結合部に相当する。
【0023】
本実施形態にかかるコネクタ5は、種々のハーネス10の配策方向に対応することができる。図4は、ハーネス10A,10Bともに、Y方向に配策した状態、図5は、ハーネス10AをY方向に配策するとともに、ハーネス10BをX方向(図6の例では前面6aに対する正面視で左側)に配策した状態、図6は、ハーネス10A,10Bともに、X方向の同じ側(図6の例では前面6aに対する正面視で左側)に配策した状態を示している。なお、図4〜6は、配策状態を例示したものであって、他の状態に配策することももちろん可能である。なお、ハーネス10A,10Bは、予め所定形状に成形(フォーミング)した状態で端子9A,9Bに接続することができる。
【0024】
図4のような配策状態では、各ハーネス10A,10Bは、それらが束ねられた基端部から先端部にかけて直角に屈曲される。このとき、屈曲部分の曲率半径が小さすぎると、ハーネス10A,10Bへの負荷が高くなる。これらの曲率半径をより大きくするためには、第一のハーネス結合部としての後面9aと第二のハーネス結合部としての後面9b等とは、相互に離間していることが望ましい。この点、本実施形態では、第二の端子9Bが、突出壁部7dの先端側で第一の端子9Aから離間する方向に屈曲した端壁部7fを有し、この端壁部7fに第二のハーネス結合部としての後面9b等が設けられるため、第一のハーネス結合部としての後面9aと第二のハーネス結合部としての後面9bとをより離間して配置することができ、ハーネス10A,10Bへの負荷を減らしやすい。また、第一のハーネス結合部としての後面9aと第二のハーネス結合部としての後面9bとがより離間して配置されるため、はんだ11等による接合作業を行いやすいという利点もある。
【0025】
また、本実施形態では、端壁部7fは、第一の端子9Aが設けられる本体部6の後面6bの正面視で当該後面6bの側縁より外方、すなわち左側面6cより法線方向に離間した位置まで、突出している。よって、端壁部7fの周囲に、はんだ11等による接合作業を行う場合の作業スペースを確保しやすくなるという利点がある。また、本体部6を全体的に大きくすることなく、第一のハーネス結合部としての後面9aと第二のハーネス結合部としての後面9bとを相互に離間した状態に配置しやすくなる。
【0026】
また、本実施形態では、図3に示すように、第一のハーネス結合部としての後面9aと第二のハーネス結合部としての後面9bとが、Z方向に離間している。本実施形態の場合、これらの中心部間のZ方向の離間距離はδhである。したがって、図6に示すように、ハーネス10A,10BがX方向の同じ側に配策される場合に、ハーネス10A,10BをZ方向(図6の紙面と垂直な方向)に並べて、それほど屈曲させずに済む。よって、ハーネス10A,10Bに対する負荷を減らすことができるとともに、ハーネス10A,10Bの配策作業をより円滑に行うことができる。また、ハーネス10A,10B同士がより干渉しにくくなるという利点もある。なお、本実施形態では、Z方向は、本体部6の側面に沿う方向でありかつ端壁部7fが第一の端子9Aから離間した方向と直交した方向に相当する。
【0027】
また、本実施形態では、上述したように、突出壁部7dが、本体部6の角部6hから突出している。したがって、第一のハーネス結合部としての後面9aと第二のハーネス結合部としての後面9bとを、X方向およびZ方向に交叉する斜め方向により一層離間して配置しやすくなる。
【0028】
また、本実施形態では、本体部6の外周を取り囲むように配置されたシェル7が、グラウンド電極である。このため、シェル7との導通を確保しやすいため、グラウンド電位を他と共通にする構成を構築しやすいという利点がある。特に、本実施形態では、シェル7が、右側面6d、上面6e、および下面6fの三面上に、比較的広い範囲に亘って設けられているため、テレビジョン装置1等の電子機器において、グラウンド電位を他と共通にする構成をより構築しやすい。また、シェル7により、コネクタ5の剛性および強度が向上するという利点もある。
【0029】
また、本実施形態では、コネクタ5が、筐体2aに、当該コネクタ5のZ方向が筐体2aの厚さ方向(すなわち図1の紙面と垂直な方向)に一致した姿勢で配置される、すなわち、コネクタ5が、筐体2aの厚さ方向に薄い直方体状に構成されるのが、好適である。これにより、筐体2aをより薄く構成しやすくなる。
【0030】
また、端壁部7fが、筐体2aの厚さ方向と直交する方向、すなわち、図1の構成では、図1の上方または下方に向けて、屈曲するのが好適である。これにより、端壁部7fの屈曲および突出によってX方向の幅が増大したコネクタ5を、より薄い筐体2a内に装備しやすくなる。
【0031】
本実施形態によれば、より多様なハーネス10の配策レイアウトが可能となり、電子機器に対する汎用性を高めることができる。また、突出壁部7dによってコネクタ5の高さが高くなることが抑制されるため、薄型の電子機器にも適用しやすい。
【0032】
また、変形例として、図示しないが、第一のハーネス結合部としての後面9aと第二のハーネス結合部としての後面9bとがY方向、すなわち突出壁部7dの突出方向に離間した構成とすることも可能である。この場合にも、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、ハーネス10A,10B同士がより干渉しにくくなるという利点がある。
【0033】
<第2実施形態>
本実施形態にかかる電子機器としての所謂ノート型のパーソナルコンピュータ20は、図7に示すように、矩形状の扁平な第一の本体部21と、矩形状の扁平な第二の本体部22と、を備えている。これら第一の本体部21および第二の本体部22は、ジョイント部23を介して、相対回動可能に接続されている。
【0034】
第一の本体部21には、筐体21aの外面としての前面21b側に露出する状態で、前面(表示画面25a)側にタッチパネル24を配した表示装置としてのLCD等のディスプレイパネル25や、押しボタン機構26等が設けられている。一方、第二の本体部22には、筐体22aの外面としての前面22b側に露出する状態で、前面(表示画面28a)側にタッチパネル27を配した表示装置としてのLCD等のディスプレイパネル28や、押しボタン機構29等が設けられている。
【0035】
図7に示す展開状態では、ディスプレイパネル25,28や、押しボタン機構26,29のカバー体26a,29a等が露出し、ユーザが使用可能な状態となる。一方、図示しない折り畳み状態では、前面21b,22b同士が相互に近接した状態で対向して、ディスプレイパネル25,28や、押しボタン機構26,29のカバー体26a,29a等が、筐体21a,22aによって隠された状態となる。本実施形態では、タッチパネル24,27や、押しボタン機構26,29、マイク(図示せず)等が入力操作部に相当し、ディスプレイパネル25,28や、スピーカ(図示せず)等が出力部に相当する。なお、キーボードや、クリックボタン、ポインティングデバイス等(図示せず)を有したパーソナルコンピュータでは、それらキーボードやクリックボタン等も入力操作部となる。
【0036】
ジョイント部23は、第一の本体部21と第二の本体部22とを接続する部品であり、第一の本体部21および第二の本体部22とは別の部品として構成されている。ジョイント部23は、基端側に位置する第一の本体部21の端部21cと、第二の本体部22の端部22cと、を接続している。端部21c,22cの端縁21d,22dの長手方向の中央部には、当該方向の両端部を残して、当該方向の開口幅が長くかつ奥行きの短い矩形状の切欠21e,22eが形成されている。そして、ジョイント部23の半分が一方の切欠21eに挿入され、他の半分がもう一方の切欠22eに挿入されている。ジョイント部23の長さLは、切欠21e,22eの幅より僅かに短い。また、ジョイント部23の幅Wは、折り畳み状態で相互に重なり合った第一の本体部21および第二の本体部22の厚さの合計とほぼ同じである。
【0037】
第一の本体部21とジョイント部23とは、第一のヒンジ機構30Aを介して回動軸Ax1回りに相対回動可能に接続されており、また、第二の本体部22とジョイント部23とは、第二のヒンジ機構30Bを介して回動軸Ax2回りに相対回動可能に接続されている。回動軸Ax1および回動軸Ax2は、相互に平行である。本実施形態では、第一のヒンジ機構30Aおよび第二のヒンジ機構30Bは相互に連動しており、ジョイント部23に対する第一の本体部21の回動軸Ax1回りの相対回動角度と、ジョイント部23に対する第二の本体部22の回動軸Ax2回りの相対回動角度とが、同じである。ただし、これらのジョイント部23に対する相対回動方向は相互に逆である。よって、ユーザが、ジョイント部23に対して第一の本体部21および第二の本体部22のうち一方を開く操作を行うと、パーソナルコンピュータ20は展開状態となり、閉じる操作を行うと、パーソナルコンピュータ20は折り畳み状態となる。また、ユーザが、第一の本体部21および第二の本体部22を開く操作を行うと、パーソナルコンピュータ20は展開状態となり、閉じる操作を行うと、パーソナルコンピュータ20は折り畳み状態となる。
【0038】
本実施形態では、電子部品等を含む制御回路の少なくとも一部が実装された基板は、例えば、第二の本体部22の筐体22a内に配置されている。一方、第一の本体部21には、ディスプレイパネル25の後面側(背面側)に、機器電源としてのバッテリ32が配置されている。すなわち、本実施形態では、CPU等の主たる電子部品が実装された基板とバッテリ32とが、第一の本体部21と第二の本体部22とに分けて設けられている。基板とバッテリ32とが第一の本体部21および第二の本体部22のうち一方に集約された場合、例えば、本体部の厚みが大きくなったり、逆に厚みの制約によってバッテリ32の大きさひいては容量が制限されやすくなったりといった、不都合が生じやすい。この点、本実施形態では、基板とバッテリ32とが、第一の本体部21と第二の本体部22とに分けて設けられているため、このような不都合が生じるのを回避しやすくなる。
【0039】
ディスプレイパネル25,28は、それぞれ、扁平な直方体状に形成されている。ディスプレイパネル25,28は、基板に実装された電子部品等で構成された制御回路(いずれも図示せず)から表示信号を受け取り、静止画や動画等の映像を表示する。本実施形態でも、ディスプレイパネル25,28の表示画面25a,28aで表示された映像を示す光は、無色透明のタッチパネル24,27を通過して前方へ出射される。なお、パーソナルコンピュータ20の制御回路は、制御部、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、インタフェース回路、各種コントローラ等を有している。また、パーソナルコンピュータ20は、音声出力用のスピーカ等(図示せず)も内蔵している。
【0040】
また、本実施形態にかかるパーソナルコンピュータ20は、ディスプレイパネル28の表示画面28aの一辺28bおよび表示画面25aの一辺25cが上方に位置した第一の姿勢と、表示画面28aの別の一辺28cおよび表示画面25aの別の一辺25bが上方に位置した第二の姿勢と、で使用することができる。本実施形態では、上記制御回路には、第一および第二の本体部21,22の姿勢に応じて表示画面25a,28aに表示される映像を制御する映像制御機構(図示せず)が含まれている。よって、本実施形態にかかるパーソナルコンピュータ20では、その姿勢に応じて、表示画面25a,28aに表示される映像の向き等が切り替わる。パーソナルコンピュータ20の姿勢は、姿勢センサによって検知することができる。
【0041】
筐体21aは、ディスプレイパネル25の背面側のケース21fとして構成されている。ケース21fは、矩形状の底壁21gと、この底壁21gの周縁に沿って立設された周壁21hと、を有する。底壁21gと周壁21hとによって凹部21iが形成され、この凹部21i内にディスプレイパネル25とタッチパネルユニット31とが収容されている。
【0042】
ディスプレイパネル25は底壁21g上に載置される。また、底壁21g上には、ディスプレイパネル25の側面25dから離間した位置に、複数のリブ21jが設けられている。リブ21jは、ディスプレイパネル25の位置決め部として機能するとともに、ディスプレイパネル25が慣性力等を受けて横方向に移動した際にディスプレイパネル25に押されて変形する衝撃吸収部としても機能する。なお、ディスプレイパネル25とリブ21jとの間には、エラストマ等の弾性部材が介在することができる。
【0043】
タッチパネルユニット31は、タッチパネル(本体)24と、当該タッチパネル24の外周を取り囲む矩形枠状のフレーム31aと、を有している。タッチパネル24およびフレーム31aは、それらの前面に、無色透明のフィルムやシート、パネル等で構成されるカバー(図示せず)を接着等することで一体化されている。
【0044】
また、本実施形態では、タッチパネルユニット31は、底壁21gに、揺動支持機構34によって、主として表示画面25aの面内方向に沿って揺動可能に支持されている。揺動支持機構34は、底壁21g上に突出したボス部21kと、ボス部21kに嵌合されて装着された弾性ブッシュ33と、を有している。タッチパネルユニット31は、フレーム31aとボス部21kとの間に弾性ブッシュ33が介在した状態で、ねじ等によってケース21fに取り付けられる。
【0045】
そして、本実施形態では、ケース21f内の、第二の本体部22に近い側の角部に、コネクタ5が取り付けられている。コネクタ5は、上記第1実施形態にかかるテレビジョン装置1に装備されたものと同じものである。
【0046】
コネクタ5の収容部の外壁21mには、コネクタ5に結合されるプラグの差込口としての貫通孔21nが設けられている。コネクタ5は、貫通孔21nを介して接続部8(図2参照)が外部に露出する状態に取り付けられる。また、底壁21gには、間隔をあけて平行な一対の壁状のリブ21sが設けられている。コネクタ5は、一対のリブ21s間に上方から挿入される。これら一対のリブ21sによって、コネクタ5は、ケース21f(筐体21a)に、左右方向(プラグの挿抜方向と直交しかつ底壁21gに平行な方向)に位置決めされかつ係合されている。また、リブ21sの相互に対向する内面には、コネクタ5の左側面6cおよび右側面6dのそれぞれに設けられた突起6gを収容する凹溝部21tが設けられている。この凹溝部21tと突起6gとの嵌合によって、コネクタ5は挿抜方向に位置決めされるとともに係合されている。
【0047】
また、コネクタ5は、固定部材37(図9には示さず、図8参照)によって、底壁21gの反対側から覆われている。固定部材37は、底壁21g上に突出した突起21pに係合されたり、雌ねじ孔21rを有したボス部21qにねじ36等で結合されたりして、ケース21fに固定されている。固定部材37は、シェル7の上壁7bに接触している。固定部材37は、金属部材等の導電性材料で構成されている。よって、固定部材37は、コネクタ5のシェル7の上壁7bに接触することで、シェル7、すなわちコネクタ5のグラウンド電極と電気的に接続される。さらに、この部分には、図8に示すように、ヒンジ機構30A(図7参照)をケース21f(筐体21a)に固定するブラケット35が存在している。本実施形態では、ねじ36等の固定具や突起21pをコネクタ5や、固定部材37、ブラケット35等に共用することで、構成の簡素化が図られている。また、ブラケット35は、金属部材等の導電性材料で構成されており、相互に接触した状態で固定されることで、シェル7、固定部材37、およびブラケット35が相互に電気的に接続され、グラウンド電位の共通化が図られている。ヒンジ機構30Aは、全体的に金属材料等の導電性材料で構成され、ジョイント部23の内部を介して第二の本体部22の筐体22a内に繋がっている。よって、本実施形態によれば、ヒンジ機構30Aを利用して、第一の本体部21の筐体21a内と、第二の本体部22の筐体22a内とで、グラウンド電位を共通化することも可能である。
【0048】
コネクタ5には、図4に示した第一のハーネス配策状態のハーネス10が接続されている。適用される電子機器によって、ハーネス10の配策状態は、適宜に変更することができる。
【0049】
以上の本実施形態にかかるパーソナルコンピュータ20でも、上記第1実施形態と同じコネクタ5が装備されているため、第1実施形態と同様の効果が得られる。特に、図9から明らかとなるように、本実施形態でも、コネクタ5は、筐体21aの厚さ方向での高さが低くなる姿勢(筐体21aの厚さ方向とコネクタ5のZ方向とが一致した姿勢)で筐体21aに取り付けられているため、筐体21aをより薄く構成しやすくなる。
【0050】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明を、テレビジョン装置や、表示画面を二つ有するノート型のパーソナルコンピュータとして実施した構成を例示したが、本発明は、少なくとも一つの表示画面を有する他の電子機器、例えば、表示画面が一つのコンピュータ(ノート型、デスクトップ型)や、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートブック、スマートフォン、携帯電話端末等として実施することもできる。
【0051】
また、電子機器や、ディスプレイ装置、表示画面、筐体、コネクタ、ハーネス、本体部、シェル、突出壁部、端壁部、接続部、第一の端子、第二の端子等のスペック(方式や、構造、形状、材質、大きさ、数、方向、種類、配置、極数等)は、適宜変更して実施することができる。
【0052】
本発明の実施形態によれば、一例として、電子機器におけるコネクタユニットの汎用性をより高めることができる。
【符号の説明】
【0053】
1…テレビジョン装置(電子機器)、2a…筐体、6…本体部、6a…前面(側面)、6h…角部、7…シェル、7d…突出壁部、7f…端壁部、8…接続部、9A…第一の端子、9B…第二の端子、9a…後面(第一のハーネス結合部)、9b…後面(第二のハーネス結合部)、10,10A,10B…ハーネス、20…パーソナルコンピュータ(電子機器)、21a…筐体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
接続部が前記筐体外に露出した状態で前記筐体に支持され、第一の端子および第二の端子が設けられ、当該第一の端子および第二の端子のそれぞれにハーネスが結合されたコネクタと、
を備え、
前記第一の端子が、前記コネクタの側面上に設けられるとともに、第一のハーネス結合部を有し、
前記第二の端子が、前記側面上に突出した突出部で前記第一の端子から離間する方向に屈曲して第二のハーネス結合部が設けられた端部を有した、テレビジョン装置。
【請求項2】
筐体と、
接続部が前記筐体外に露出した状態で前記筐体に支持され、第一端子部および第二端子部が設けられたコネクタと、
を備え、
前記第一端子部は、前記コネクタの側面に位置するとともに、前記第一端子部には、第一ハーネス結合部が設けられ、
前記第二端子部には、前記側面から突出するとともに前記第一端子部から離間する方向に曲げられた形状を有した第二ハーネス結合部が設けられた、電子機器。
【請求項3】
筐体と、
前記筐体に支持され、側面に位置した第一端子部と、前記側面から突出するとともに前記第一端子部から離間する方向に曲げられた形状を有した第二端子部と、を備えたコネクタと、
を有した電子機器。
【請求項4】
筐体と、
前記筐体に支持され、側面に位置した第一端子部と、該第一端子部から離間する方向に前記側面から突出した第二端子部とを備えたコネクタと、
を有した電子機器。
【請求項5】
前記側面に対する正面視で前記第二端子部が前記側面の周縁より外方へ突出した第一部分に、前記第二ハーネス結合部が設けられた、請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第一ハーネス結合部および前記第二ハーネス結合部が、前記側面に沿う方向でありかつ前記第二ハーネス結合部が前記第一端子部から離間した方向と直交した方向に、相互に離間して配置された、請求項2または5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記第二端子部が、前記側面上に突出した第二部分を有し、
前記第一ハーネス結合部と前記第二ハーネス結合部とが、前記第二部分の突出方向に相互に離間して配置された、請求項2、5、および6のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項8】
前記筐体が扁平な直方体状に構成され、
前記第一部分が、前記筐体の厚さ方向と直交する方向に突出した、請求項2、5、6、および7のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項9】
前記コネクタが、前記筐体の厚さ方向に薄い直方体状に構成された、請求項2〜8のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項10】
前記コネクタが、絶縁性材料で構成された本体部と、当該本体部の少なくとも一部を覆い導電性材料で構成されたシェルと、を有し、
前記第二端子部が、前記側面上に突出した第二部分を有し、当該第二部分が、前記シェルに設けられた、請求項2〜9のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項11】
前記第二部分が、前記本体部の一つの角部から突出した、請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記シェルに当接した状態で前記筐体に固定されて前記コネクタを覆う導電性材料で構成された固定部材を備えた、請求項10または11に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−5147(P2012−5147A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193315(P2011−193315)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【分割の表示】特願2010−139823(P2010−139823)の分割
【原出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】