説明

テレビジヨン受像機

【目的】 NTSC放送を見ているときでも、ハイビジョン放送が開始されたことをはっきりと確認できるテレビジョン受像機を提供することを目的とする。
【構成】 NTSC放送信号とMUSE信号とを受信可能なテレビジョン受像機において、MUSE信号をNTSC放送信号に変換するためのダウンコンバータ9からMUSE信号であることを検出するMUSE検出回路10でMUSE信号を検出し、その検出信号によりウィンドー制御部18がPIP(ピクチャー・イン・ピクチャー)制御部19を動作させ、NTSC変換されたMUSE信号を子画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハイビジョン放送などで送信されるMUSE信号をNTSC信号に変換するMUSE/NTSEダウンコンバータを備えたテレビジョン受像機等に使用される技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、衛星放送(以下BS放送という)に対する関心が非常に高くなってきており、BS放送を受信できるBSチューナ内蔵のテレビジョン受像機の開発がますます盛んになってきている。特に、上述したBSチューナ内蔵のテレビジョン受像機ではNTSC放送を受信できるチューナも備えており2つのチューナがあるということになる。
【0003】このようなテレビジョン受像機では、2つのチューナを有効に使用すべく同一画面に2つのチューナから受信した信号を表示することができるピクチャー・イン・ピクチャー(以下、PIPという)を備えたものが開発されている。(例えば、雑誌「テレビ技術」1990年12月号のP17〜P28参照)また、BS放送においてハイビジョン放送という新しいメディアの放送が、定期的に運用され始めている。このハイビジョンという方式は、NTSC方式より臨場感があり、かつ高精細度な画像を提供する目的で、アスペクト比が16:9に設定されている。
【0004】さらに、一方では、この新しいメディアを広く普及しているNTSC方式のテレビジョン受像機に表示できるようにするNTSC変換装置の開発も進められている。(例えば、雑誌「テレビ技術」1989年10月号のP40〜P45には、MUSE/NTSCダウンコンバータが詳述されている。)従って、ハイビジョン放送を受信するためには上記BSチューナ内蔵テレビジョン受像機に上述したMUSE/NTSCダウンコンバータをさらに内蔵すればよい。
【0005】ところで、上述したMUSE信号も見れるテレビジョン受像機において、NTSC放送を見ているときに、例えば、BS放送でハイビジョン放送が開始された場合などは、ハイビジョン放送が始まったという確認をとる手段がない。また、例え確認するにしても、今、見ているNTSC放送から、BS放送に切り替えて放送チャンネルを確認しなければならないという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した欠点を解決するためのものであり、NTSC放送を見ているときでも、ハイビジョン放送が開始されたことをはっきりと確認できるテレビジョン受像機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、標準テレビジョン信号と標準テレビジョン信号よりも広帯域の高品位テレビジョン信号を伝送可能な帯域まで圧縮したMUSE信号とを受信できるテレビジョン受像機において、複数の信号を親画面と子画面として同一画面に表示できる親子画面機能手段と、上記MUSE信号を検出する検出手段と、該検出手段からの検出出力によりMUSE信号を子画面に表示するよう制御する制御手段とからなるテレビジョン受像機である。
【0008】
【作用】本発明は、上述した構成にすることで、ハイビジョン放送が開始されたときには、ハイビジョン放送画像が見ている画面に子画面として挿入されて表示される。
【0009】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図1、図2を用いて説明する。まず、図1において、1はNTSC放送用アンテナ、2はBS放送用アンテナ、3はMUSE信号用外部入力端子、4は外部入力端子、5はNTSC放送用チューナ、6はBS放送用チューナ、7はIF信号処理回路、8はBS信号のIF信号処理回路、11は映像信号処理回路、12はPIP信号処理回路、20は文字信号などを発生するキャラクタジエネレータ、13は映像信号処理回路11とPIP信号処理回路12とキャラクタジエネレータ20との信号を選択的に合成する合成回路、14はCRT(陰極線管)である。
【0010】そして、9はダウンコンバータで、IF信号処理回路8、または、MUSE信号用外部入力端子3から得た信号のうちMUSE信号の場合はNTSC信号に変換し、NTSC信号はそのまま通過させる。10はMUSE検出回路で、MUSE信号のフレームパルスと、垂直ブランキング期間に多重されているMUSE特有の伝送制御信号を検出することでMUSE信号が検出される。
【0011】また、15は操作部で、選局チャンネルや信号の切り替え等を指示する。16はNTSC放送用チューナ5、BS放送用チューナ6へのチューニング信号の送出、信号の切り替え、CRTへの文字信号表示するための制御を行う選局制御部、17はチューニングデータなどを記憶した不揮発性メモリ、19はPIP信号処理回路12並びに子画面の信号の選択制御を行うPIP制御部、18はウィンドー制御部でMUSE検出回路10の出力があったとき、PIP制御部15を制御する。
【0012】また、SW1はNTSC放送用アンテナ1、BS放送用アンテナ2、外部入力端子4からの信号を切り替えるスイッチ、SW2は子画面の信号を選択し、切り替えるスイッチである。
【0013】次に、本発明の動作を図2を用いて説明する。まず、操作部15でMUSE信号を検出し自動的に子画面として表示する機能(以下、MUSEウィンドー機能という)を指定する。すると、ウィンドー制御部18は、MUSE検出回路10からの検出信号をうけ、MUSE信号が有の時は、現在、見ている画面にMUSE信号を子画面として挿入するよう、PIP制御部19がSW2をダウンコンバータ9側にすることでNTSC変換されたMUSE信号が子画面として自動的に表示される。
【0014】また、表示は図3に示すように親画面33に子画面34を表示し、さらに、チャンネル表示も同時に親31と子32両方行う。この表示は、操作者が停止しないかぎりは表示されたままである。
【0015】一方、MUSE検出回路10でMUSE信号がないことを検出した場合は、BS放送のチャンネルを切り替えるよう選局制御部16に指令を与え動作させる。そして、切り変わったチャンネルでMUSE信号が有の場合は、子画面表示する。なお、BS放送のチャンネル切り替えは、MUSE信号がなかった場合は、例えば、一定間隔(1分毎にする等)で行うようにすればよい。
【0016】また、MUSEウィンドー機能は、操作者がこの機能を停止しないかぎり、MUSE信号があれば、常に子画面表示を行ように動作する。そして、この機能は一旦設定すると、不揮発性メモリー17へ記憶され、電源をオフして再度電源を投入しても、MUSEウィンドー機能を行うように選局制御部16が不揮発性メモリー17から設定状態を読みだしウィンドー制御部18へ制御信号を与える。
【0017】尚、上述したようなBS放送のチャンネル切り替えはせずに同じチャンネルに固定したままでもよい。
【0018】さらに、MUSE信号用外部入力端子3からは、VTR(ビデオ・テープ・レコーダ)やLDP(レーザ・ディスク・プレーヤ)などのMUSE信号が入力される。その場合、VTRやLDでサーチなどを行う場合は、アクセス中はMUSE信号が再生されないので、その間はNTSC放送かBS放送を見ていてもアクセスが終了したときは、MUSE信号が再生されるためPIPの子画面MUSE信号が表示されサーチが終わったことが分かる。
【0019】
【発明の効果】以上、本発明によれば、ハイビジョン放送の開始時間を気にすることなく、ハイビジョン放送が始まるまで他のチャンネルを視聴することができる。また、MUSE信号を出力するVTRやLDPなどアクセス中の信号が再生されない期間でも他の放送を見れるとともにアクセスの終了時も分かるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図。
【図2】本発明の動作を示すブロック図。
【図3】本発明を画面表示を示す図。
【符号の説明】
1 NTSC放送用アンテナ
2 BS放送用アンテナ
3 MUSE信号用外部入力端子
4 外部入力端子
9 MUSE/NTSCダウンコンバータ
10 MUSE信号検出回路
12 PIP信号処理回路
15 操作部
16 選局制御部
18 ウィンドー制御部
19 PIP制御部
SW2 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 標準テレビジョン信号と標準テレビジョン信号よりも広帯域の高品位テレビジョン信号とを受信できるテレビジョン受像機において、複数の信号を親画面と子画面として同一画面に表示できる親子画面機能手段と、上記高品位テレビジョン信号を検出する検出手段と、該検出手段からの検出出力により上記高品位テレビジョン信号に基づく映像を子画面に表示するよう制御する制御手段とからなることを特徴とするテレビジョン受像機。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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