説明

テーブルの天板構造

【課題】 天板上に設置されたカップ等の容器が傾倒され、カップ内部に注がれた飲料等の液体が天板の上部外周端部から下方へと流れ落ちた場合であっても、液体が天板の下面内方側に流れてしまうことがなく、天板の劣化や湾曲を生じさせないテーブルの天板構造を提供すること。
【解決手段】 天板2の内方に向かって下方に傾斜する傾斜部2f、および略垂直上方に向かって下部垂直部2gを形成させ、両者を接続するコーナー2iを設けたことにより、天板2の上部外周端部2dから流れ落ちる液体40の大部分は、上部垂直部2eの下端もしくは傾斜部2fから自重で下方に流れ落ち、傾斜部2fから天板2の下面2b方向に流れ込む一部の残存する液体40もコーナー2iに沿って円滑に誘導され、下部垂直部2gに沿って確実に下方に落下するようになっているので、天板2の劣化や湾曲を生じさせることが未然に防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板側からこぼれ落ちた液体類を確実に天板の裏側に回らないようにしたテーブルの天板構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天板における外周端部の断面形状は、円弧形状やかまぼこ形状、または角形状や台形形状をとるものが多く、天板の角が鋭角にならないように処理されていた(例えば、特許文献1参照)。また、近年では天板の厚みをみかけ上薄くしてスマートなデザインとするために、天板側面の上部が略垂直で下部を天板下面の内方に向けて傾斜させた形状もある(例えば、特許文献2参照)。さらに、最近では天板の下方位置に、パソコン等の電気機器を使用する際に必要な電源供給用コンセントや通信用のコンセントが形成され、電気機器のプラグ等を差込可能になっている。(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】実公昭56−54807号公報(第1頁右欄25段目〜第2頁左欄33段目、第1図、第2図)
【特許文献2】実開平6−55432号公報(第1図)
【特許文献3】実願昭55−25897号(実開昭56−128031号公報)のマイクロフィルム(第2頁18行〜第3頁14行、第1図、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2のいずれの天板における外周端部の断面形状であっても、天板上におかれた飲物を入れた容器等が倒れて水等の液体が流れ、その液体が天板における外周端部から下方へと流れ落ちた場合、流れ落ちる液体の一部が天板の裏面へと回り込んでしまう恐れがあり、天板下面より内部に液体が染み込むことで天板の劣化や湾曲、特に食堂等で使用されるテーブルの場合には衛生上の問題もあり、天板の裏面に回り込んだ液体を拭き取るにも、天板の下方に屈んで清掃する必要があり、手間と時間が労費されていた。
【0005】
また、特許文献3にあっては、天板の下面側へと流れ込む液体が脚柱に沿ってコンセントの差込口内に流れ込み、コンセントに故障やショート等を引き起こさせる恐れがあった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、天板上に設置されたカップ等の容器が傾倒され、カップ内部に注がれた飲料等の液体が天板の上部外周端部から下方へと流れ落ちた場合であっても、液体が天板の下面内方側に流れて込んで、天板が劣化したり湾曲が生じることを防ぎ、さらに、天板の下方位置に形成されたコンセントを備えたテーブルであっても、コンセントの差込口に液体の流れ込みが防止され、故障やショートを引き起こすことのないテーブルの天板構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のテーブルの天板構造は、天板における外周端部の断面形状を、天板の上面外周端部から略垂直方向下方へと向かう上部垂直部と、該上部垂直部の下端から内方へと向かう水平に近い下向き傾斜部と、天板の下面外周端部から略垂直方向上方へと向かう下部垂直部と、該下部垂直部と前記下向き傾斜部とを接続するコーナー部とを備えたことを特徴としている。
この特徴によれば、天板上に置かれたカップ等の容器の傾倒により、天板上に液体が流れ出し、上部外周端部から下方へと流れ落ちた場合であっても、流れ落ちる液体の大部分は、上部垂直部の下端もしくは傾斜部から自重で下方に流れ落ち、傾斜部から天板の下面方向に流れ込む一部の残存する液体もコーナー部に沿って円滑に誘導され、下部垂直部に沿って確実に下方に落下させることができ、液体の天板の下面側への流れ込みが防止され、天板の劣化や湾曲を生じさせることはない。
【0008】
本発明の請求項2に記載のテーブルの天板構造は、請求項1に記載のテーブルの天板構造であって、前記下部垂直部を前記天板の下面に取付自在の垂直部材で構成したことを特徴としている。
この特徴によれば、天板の下面に垂直部材を設けるだけで、傾斜部から流れ込む液体を垂直部材に沿って、確実に下方に誘導し落下させることができる。
【0009】
本発明の請求項3に記載のテーブルの天板構造は、請求項1または2に記載のテーブルの天板構造であって、前記天板を支持する脚柱には、前記テーブルの外方を向く差込口を備えたコンセントが形成され、少なくとも前記コンセントの差込口の前面側に前記下部垂直部が位置することを特徴としている。
この特徴によれば、脚柱にコンセントが形成されたテーブルであっても、コンセントの差込口の前面側に下部垂直部が形成されているので、差込口に液体が流れ込むことはなく、故障やショートを引き起こすこともない。
【0010】
本発明の請求項4に記載のテーブルの天板構造は、請求項1乃至3のいずれかに記載のテーブルの天板構造であって、前記傾斜部には、前記天板の外周に沿った複数の溝が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、上部垂直部から傾斜部に流れ込む液体の流れを複数の溝で振り落とすことができるので、下部垂直部に流れ込む液体の量を極力低減させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、コンセント付きテーブルの全体像を示す斜視図であり、図2は、天板支持部材に設けられるコンセントユニットを示す斜視図であり、図3は、天板支持部材と脚柱とコンセントユニットの分解組立斜視図であり、図4は、天板支持部材の背面構造を示す斜視図であり、図5(a)は、天板支持部材にコンセントユニットが取り付けられた斜視図であり、図5(b)は、天板支持部材に閉塞部材が取り付けられた変形例を示す斜視図であり、図5(c)は、天板支持部材に通信ユニットが取り付けられた変形例を示す斜視図であり、図6は、テーブルの裏面構造を示す一部破断斜視図であり、図7(a)は、傾倒されたカップに注がれた液体が天板に流れ出した状態を示す斜視図であり、図7(b)は、カップの液体が天板下方に流れ出した状態を示す断面図である。
【0013】
このコンセント付きテーブル1(以下、テーブル1)では、後で詳述するが天板2上に載置された電気機器類に電源を供給可能となっている。そこで、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1に示されるように、テーブル1は主に上面視矩形状の天板2と、天板2の各隅部が切り欠かれたように形成されたテーブルコーナー2c下面に設けられた脚柱3(本実施例では4脚)と、この両者(天板2と脚柱3)の間に設けられた天板支持部材10(本実施例では4つ)と、から構成されており、脚柱3の下端には高さ調整可能な接地部材であるアジャスタ33が取り付けられ、テーブル1が安定して床面39に載置されている。
【0014】
テーブル1の周囲には椅子35が複数設置され、天板2には、飲料である液体40が注がれた複数のカップKと、電気機器であるノート型パソコン(以下、パソコン)34が複数設置されており、それぞれのパソコン34に接続される電源ケーブル24aの先端に設けられたプラグ24bが、近傍に位置する各天板支持部材10に設けられた後述するコンセントユニット20に形成された差込口に差し込まれている。このコンセントユニット20の背面側からは電源コード26が脚柱3の背面に沿って延設され、電源コード26の先端に設けられたプラグ26aが、壁面36に設けられたコンセント37に差し込まれている。
【0015】
以下、本実施例の説明において、天板支持部材10の外側を前方とし、天板支持部材10の内方および背面側を後方とし、天板支持部材10の両側方向を左右方向として説明する。
【0016】
コンセントユニット20は、図2に示されるように差込口20bが設けられた表面板20aと、表面板20の後方に向かって延出するように形成された矩形ボックス状の嵌入部20cと、嵌入部20cの差込口20bの反対側から延出された電源コード26から構成され、電源コード26の先端にはプラグ26aが設けられている。電源コード26の所定間隔周りにはスパイラルバンド29が巻き付けられている。
【0017】
嵌入部20cの上下端面の差込口20b側には、それぞれ2本の案内片21が形成され、嵌入部20cの左右端面の差込口20b反対側には、それぞれ後方から下方に向かって「く字形」に折り曲げられた係止片23が形成され、先端部に操作部23aが設けられている。この係止片23の折り曲げ近傍には、外方に突設された係合部に相当する係合凸部25が形成されている。
【0018】
次いで、天板2を支持する天板支持部材10および脚柱3について詳細に説明すると、図3に示されるように、天板支持部材10の上面には、天板2と連結可能な一対の扇状支持部14が設けられており、扇状支持部14の複数箇所に上下に貫通する貫通孔15が形成され、この貫通孔15を介してボルト27で天板2と連結可能になっている。天板支持部材10の下面には、下方に向けて一対の挿入片17が延設されている。
【0019】
天板支持部材10の外側面には、外方を向く第1開口12aから内方に向かって略水平方向に通孔12が形成され、通孔12の内周上下面に内方に向けて摺動溝11が形成され、コンセントユニット20の案内片21が摺動可能に嵌合されるようになっている。通孔12の内方側方には上下方に向けて被係合部に相当する係合凹部18が形成されている。通孔12下面には下方に貫通するボルト用の貫通孔16が形成され、通孔12の上面には上方に貫通する開口12cが連通されている。
【0020】
脚柱3には上下に貫通する溝条5が前後左右に形成され、後方の溝条5には上下方向に挿入溝6が形成されている。脚柱3の上端部3aと下端部3bにはその中央位置に螺合穴4が形成され、下端部3bには貫通孔7aが形成されたカバー部材7が嵌合され、この貫通孔7aを介して下端部3bの螺合穴4に向けてアジャスタ33が取り付けられる。
【0021】
天板支持部材10と脚柱3の連結は、天板支持部材10の挿入片17を左右の溝条5に嵌合させて、脚柱3の上端部3aに位置固定させた後、ボルト28を天板支持部材10の開口12cから貫通孔16に向けて挿し込み、脚柱3の螺合穴4に螺合させ締め付けることで連結が完了する。このように、ボルト28による螺合と、挿入片17により天板支持部材10と脚柱3が確実に連結される。このようにして連結された天板支持部材10と脚柱3は分離も容易であるので、脚柱3の高さの変更を行いたい場合にも、長さの違う新たな脚柱3の交換が容易に行える構成になっている。
【0022】
そして、天板支持部材10と脚柱3の連結完了後、コンセントユニット20を天板支持部材10の第1開口12aから通孔12に向けて内挿可能になっている。そこで、コンセントユニット20の取り付けについて簡単に説明すると、天板支持部材10の通孔12にコンセントユニット20を内挿させながら、通孔12の左右側面に形成された係合凹部18に、コンセントユニット20の係合凸部25を係合させることで取り付けが完了となり、天板支持部材10にコンセントユニット20が位置固定される。
【0023】
また、通孔12にコンセントユニット20を取り付けずに、第1開口12aを閉蓋する部材として、閉塞部材32を取り付けることも可能であり、この閉塞部材32はコンセントユニット20と同様に表面板32aの後方に向かって延設された嵌入部32cと、嵌入部32cの表面板32a側の上下端面にはそれぞれ2本の案内片32eが形成され、嵌入部32cの両側面に切欠き32dが形成されている。
【0024】
次いで、天板支持部材10の背面構造について説明すると、図4に示されるように、天板支持部材10の後方には、下方に向けて第2開口12bが形成され、通孔12に連結されている。つまり、第1開口12aおよび第2開口12bは通孔12を介して連結されている。第2開口12bの内周面の前方両端部には、係合凹部18が上方向に向けて形成されており、第2開口12bの前端近傍から前方斜め下方に向けて配線溝19が形成され、電源コード26が案内可能となっている。この第2開口12bには、閉塞部材32の切欠き32dが前後方向を向く状態で、通孔12内に嵌入部32cを圧入させることで取り付け可能になっている。
【0025】
第2開口12bからは、前述したコンセントユニット20(図示略)が通孔12に取り付けられた際に、コンセントユニット20の後端から延出される電源コード26(図示略)を配線溝19に沿わせて、下方に引き出し可能になっている。天板支持部材10の後端上部には、後方に突設された連結部13が形成され、連結部13の中央位置に前後に貫通する連結孔13aが形成されている。ボルト27を第2開口12bから連結孔13aを介して、連結部13の螺合穴45aに螺合させることで、連結部13に後述する連結部材45が接続されるようになっている。
【0026】
図5(a)に示されるように、天板支持部材10にコンセントユニット20が取り付けられると、差込口20bおよび表面板20aの外表面が天板支持部材10の外表面と面一になることにより、プラグ差し込み時の突出が極力避けられ、且つ面一となった面を脚柱3の外表面とも面一とすることも可能で、美感に優れたテーブル脚を提供できる。
【0027】
さらに、コンセントユニット20が通孔12内に取り付けられた状態では、第1開口12aの外側面が表面板20aにより閉蓋されるので、通孔12内に塵や埃が侵入することが阻止される。なお、天板支持部材10の扇状支持部14には、複数のボルト27が上方に向け貫通され、天板2下面に形成された図示しない螺合穴に螺合され堅固に固定されている。
【0028】
図5(b)は、天板支持部材10の第1開口12aに前述した閉塞部材32が取り付けられた変形例であり、閉塞部材32の表面板32aによって、第1開口12aが閉蓋され、天板支持部材10の外表面と面一になることから見栄えを損ねず、コンセントユニット20を必要としないテーブルとしても利用可能となり、また、閉塞部材32を取り外してコンセントユニット20に交換するだけで、いつでもコンセント付きテーブル1に変更できる。
【0029】
図5(c)は、天板支持部材10の第1開口12aに通信ユニット41を取り付けた変形例であり、表面板41aの中央部にLANケーブル等を接続可能な差込口41bが設けられている。なお、通信ユニット41の天板支持部材10からの着脱は、上記したコンセントユニット20と略同様のため説明を割愛する。このように、本発明において、電源供給用のコンセントユニット20や通信接続用の通信ユニット41等に限定されることなく、各種接続用コンセントユニットに対しても対応可能である。
【0030】
なお、コンセントユニット20に接続された電源コード26は、天板支持部材10の第2開口12bで反転して、脚柱3の挿入溝6から溝条5(図3参照)内に納められており、テーブル1を利用する利用者の手や足に引っ掛かることがなく安全性が高められるとともに、テーブル1の外部からの見栄えも良いものとなる。
【0031】
天板2の外周面は、図6に示されているように、上面外周端部2dから下方に向けて上面垂直部2eが形成され、上面垂直部2eの下端から内方にやや斜め下向きで天板2の下面に向けて、傾斜部2fが形成されている。また、テーブルコーナー2cに各々設けられた天板支持部材10の後端側の連結部13には、一対毎にアーチ状に連結部材45が連結され、さらに一対の連結部材45間に連結部材46が連結されることにより、強固な枠組みが構成されている。
【0032】
したがって、連結部材45、46によりテーブルコーナー2cにそれぞれ設けられた脚柱4の連結強度が高められ、例えば面積の大きな天板や重量のある天板に対しても対応可能となっている。しかも、天板支持部材10の扇状支持部14により天板2の支持面積を拡大させることで、より安定して天板2を支えることができる。
【0033】
そして、利用者は天板2上に配置された各パソコン34等の電気機器から各々延出された電源ケーブル34a(図1参照)を近傍に位置するコンセントユニット20に接続させることで、各パソコン34に電気を確実に供給させることができ、また利用者がテーブルの所望の位置に移動して作業を行う場合でも近くの脚柱3の上にあるコンセントユニット20から電気を供給でき、常時パソコン34を利用可能になっている。また、コンセントユニット20が天板支持部材10の外方に位置するので、電源ケーブル34を周囲に支障をきたすことなく最短距離で配線できる構成になっている。
【0034】
次に、天板3の外周面と、その近傍の構造について具体的に説明すると、図7(a)(b)に示されるように、天板2の上面外周端部2dから略垂直方向下方に向けて、上部垂直部2eが形成され、この上部垂直部2eの下端から内方に向けて緩やかな下向きの傾斜部2fが形成されている。そして、天板2の下面2bの下面外周端部2hから略垂直方向上方に向けて、下部垂直部2eが形成されており、この下部垂直部2eと傾斜部2fを接続するように、緩やかな湾曲状のコーナー部2iが形成されている。
【0035】
図7(a)に示されるように、例えば、利用者がカップKを傾倒させ、内部の液体40を天板2上に流してしまった場合に、液体40が上部外周端部2dから上部垂直部2eに沿って下方に流れると、図7(b)に示されるように、液体40が上部垂直部2eから傾斜部2f、コーナー部2iを介して、下部垂直部2g方向に流れるようになっている。
【0036】
上部外周端部2dから流れ落ちる液体40の大部分は、上部垂直部2eの下端もしくは傾斜部2fから自重で下方に流れ落ち、傾斜部2fから天板2の下面2b方向に流れ込む一部の残存する液体40もコーナー部2iに沿って円滑に誘導され、下部外周端部2hから略垂直方向上方に形成された下部垂直部2gに沿って、確実に下方に落下するようになっている。なお、下部垂直部2eの上下の高さは本出願人の検証実験に基づき、液体40が下部垂直部2gの下端部を乗り越えて、天板2の下面2bの内方に入り込むことのない最適な高さは3mm以上となっており、本実施例においても傾斜部2fの下端から下部垂直部2eの下端までの高さを3mm以上としている。
【0037】
このことから、天板2の下面2bに設けられたテーブル1の外方を向く差込口20bの前面側には、下部垂直部2gが形成されているので、差込口20bや通孔12内への液体40の流れ込みが阻止され、故障やショートを引き起こすことが未然に防止されている。
【0038】
以上の説明により実施例1では、天板2上に設置されたカップK等の容器が傾倒され、カップ内部に注がれた飲料等の液体40が天板2の上部外周端部2dから下方へと流れ落ちた場合であっても、液体40が天板2の下面2b内方側に流れてしまうことがなく、天板2の劣化や湾曲を生じさせないように未然に防止されており、またテーブルの外端下部を拭くだけで液体を取り去ることができるので、テーブル2の衛生面においても良好な状態に保つことができる。
【実施例2】
【0039】
次に、本発明の実施例2を図8に基づいて説明する。図8は、カップの液体が天板に流れ出した状態を示す断面図である。なお、以下の実施例2において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0040】
図8に示されるように、天板2’には上記実施例1の下部垂直部2gは形成されておらず、天板2’の下面外周端部2h’から略垂直方向下方に向けて垂直部材42が設けられている。垂直部材42の高さは実施例1の下部垂直部2gと同様に3mm以上となっている。傾斜部2f’から天板2’の下面2b’方向に流れ込む液体40は、コーナー部2i’に沿って誘導され、垂直部材42に沿って、確実に下方に落下するようになっている。
【0041】
以上の説明により実施例2では、下部垂直部2gが形成されない天板2であっても、天板2の下面2b’の下面外周端部2h’に垂直部材42を設けるだけで、傾斜部2f’から流れ込む液体40を垂直部材42に沿って、実施例1の下部垂直部2gと同様に、下方に誘導し確実に落下させることができる。この垂直部材42はテーブル下面全周に設けずにコンセントユニット20が配設されているテーブルコーナー2c’の下面側だけに設けるようにしても良い。
【実施例3】
【0042】
次に、本発明の実施例3を図9に基づいて説明する。図9は、カップの液体が天板に流れ出した状態を示す断面図である。なお、以下の実施例3において前述の実施例2と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0043】
図9に示されるように、傾斜部2f’’には、天板2’の外周に沿った複数の溝が形成されており、上部垂直部2e’から傾斜部2f’’に流れ込む液体40の流れを複数の溝で振り落とすことができるので、下部垂直部に流れ込む液体の量を極力低減させることが可能となる。なお、言うまでもないが、実施例1の傾斜部2fに対しても、天板2の外周に沿った複数の溝を形成することで、同様の効果が得られるようになる。
【0044】
以上、本発明の実施例1〜3を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、例えば上記実施例1においては、下部垂直部2gを下面外周端部2hの外周の全てに形成させ、実施例2,3においては、垂直部材42を下面外周端部2h’の外周の全てに設けることにより、天板2の上面2aのいずれに液体40が流れても、天板2の下面2b内方に液体40が入り込むことを阻止できることから好ましいが、少なくとも、コンセントの差込口20bの前面側に下部垂直部2gが形成、または垂直部材42が設けられていれば、液体40が差込口20に入り込むことを未然に回避でき、天板2の上面2aに載置されるパソコン34等の電気機器類に重大な損失を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例1におけるコンセント付きテーブルの全体像を示す斜視図である。
【図2】天板支持部材に設けられるコンセントユニットを示す斜視図である。
【図3】天板支持部材と脚柱とコンセントユニットの分解組立斜視図である。
【図4】天板支持部材の背面構造を示す斜視図である。
【図5】(a)は、天板支持部材にコンセントユニットが取り付けられた斜視図であり、(b)は、天板支持部材に閉塞部材が取り付けられた変形例を示す斜視図であり、(c)は、天板支持部材に通信ユニットが取り付けられた変形例を示す斜視図である。
【図6】テーブルの裏面構造を示す一部破断斜視図である。
【図7】(a)は、傾倒されたカップに注がれた液体が天板に流れ出した状態を示す斜視図であり、(b)は、カップの液体が天板下方に流れ出した状態を示す断面図である。
【図8】第2実施例におけるカップの液体が天板に流れ出した状態を示す断面図である。
【図9】第3実施例におけるカップの液体が天板に流れ出した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 テーブル
2、2’ 天板
2a 上面
2b、2b’ 下面
2c、2c’ テーブルコーナー
2d 上面外周端部
2e、2e’ 上部垂直部
2f、2f’、2f’’ 傾斜部
2g 下部垂直部
2h、2h’ 下面外周端部
2i、2i’ コーナー部
3 脚柱
3a 上端部
3b 下端部
10 天板支持部材
12 通孔
18 係合凹部
19 配線溝
20 コンセントユニット
20a 表面板
20b 差込口
25 係合凸部
26 電源コード
26a プラグ
34 パソコン(電気機器)
34a 電源ケーブル
34b プラグ
40 液体
41 LAN等の通信ユニット
42 垂直部材
K カップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板における外周端部の断面形状を、天板の上面外周端部から略垂直方向下方へと向かう上部垂直部と、該上部垂直部の下端から内方へと向かう水平に近い下向き傾斜部と、天板の下面外周端部から略垂直方向上方へと向かう下部垂直部と、該下部垂直部と前記下向き傾斜部とを接続するコーナー部とを備えたことを特徴とするテーブルの天板構造。
【請求項2】
前記下部垂直部を前記天板の下面に取付自在の垂直部材で構成した請求項1に記載のテーブルの天板構造。
【請求項3】
前記天板を支持する脚柱には、前記テーブルの外方を向く差込口を備えたコンセントが形成され、少なくとも前記コンセントの差込口の前面側に前記下部垂直部が位置する請求項1または2に記載のテーブルの天板構造。
【請求項4】
前記傾斜部には、前記天板の外周に沿った複数の溝が形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載のテーブルの天板構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−102121(P2006−102121A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−292724(P2004−292724)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】