説明

テープ付き袋

【課題】開封後に粘着層が露出しないようにした、テープ付き袋を提供する。
【解決手段】シート状の第1部材14と第2部材12とが開口11を有する袋状に接合され、第2部材12は開口11に沿って延在する舌片部12kを有する。舌片部12kには接着層16を介して中間テープ18が接着され、中間テープ18には粘着層20を介して剥離テープ22が粘着されている。剥離テープ22を剥がし、舌片部12kの粘着層20を第1部材14に重ねて貼り付けて封をした後、舌片部12kを剥がして開封する。接着層16を介して接着された舌片部12kと中間テープ18とが剥離されるのに必要な力が、粘着層20を介して粘着された中間テープ18と第1部材12とが剥離されるのに必要な力よりも小さくなるように構成する。舌片部12kと中間テープ18とが分離して開封され、粘着層20は中間テープ18で覆われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテープ付き袋に関し、詳しくはフタ付テープ付き袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品やダイレクトメール、パンフレット等の内容物を入れて簡単に封ができるようにテープを設けたフタ付テープ付き袋が提供されている。
【0003】
このようなフタ付テープ付き袋は、例えば三方シール袋形状の本体部内に内容物を入れた後、粘着層を覆う剥離テープを剥がして、フタとなる舌片部を折り曲げ、本体部と舌片部とを粘着層を介して貼り付けことによって、封をする(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】「アスクルカタログ2007春・夏号」、アスクル株式会社、p.344−345
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などの樹脂を用いたテープ付き袋など、破りにくいテープ付き袋は、封を開けて内容物を取り出す際に、舌片部を本体部から剥がして開封されることがある。このような場合、舌片部や本体部に粘着層が残り、露出する。このように露出した粘着層は、粘着性があるため、袋から内容物を取り出す際に内容物に粘り付いたり、開封後に指や他の物が粘り付いたりする。また、開封後に再び封をすることができるので、例えば商品の包装に用いる場合には、未開封の新品であることを確実に保証することが難しい。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑み、開封後に粘着層が露出しないようにした、テープ付き袋を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成したテープ付き袋を提供する。
【0007】
テープ付き袋は、(a)シート状の第1部材と、(b)前記第1部材に重ねられ、開口を有する袋状に前記第1部材と接合され、前記開口に沿って前記第1部材よりも外側に延在する舌片部を有する、シート状の第2部材と、(c)前記舌片部の前記第1部材と同じ側の面に形成された接着層と、(d)前記接着層を介して前記舌片部に接着された中間テープと、(e)前記中間テープの前記接着層とは反対側の面に形成された粘着層と、(f)前記粘着層を介して前記中間テープに剥離可能に粘着された剥離テープと、を備える。テープ付き袋は、前記剥離テープが除去され、前記舌片部が前記第1部材に重ねられ、前記粘着層が前記第1部材に粘着することにより、封をされた後、前記舌片部が前記第1部材から剥されることにより開封される。前記接着層を介して接着された前記舌片部と前記中間テープとを剥離するのに必要な力が、前記粘着層を介して粘着された前記中間テープと前記第1部材とを剥離するのに必要な力よりも小さくなるように構成されている。開封のため前記舌片部が前記第1部材から剥されるとき、前記接着層を介して接着された前記舌片部と前記中間テープとが分離し、前記中間テープは前記粘着層を介して前記第1部材に粘着された状態のまま前記第1部材側に残る。
【0008】
上記構成において、接着層を介して接着された舌片部と中間テープとを剥離するのに必要な力が、粘着層を介して粘着された中間テープと第1部材とを剥離するのに必要な力よりも小さいため、開封時には、舌片部と中間テープとの接着が剥がれ、粘着層を介して第1部材に粘着された中間テープは、第1部材との粘着状態が保持される。
【0009】
上記構成によれば、開封後において、粘着層が中間テープで覆われ、粘着層が外部に露出しないようにすることができる。一方、接着層は、開封後に外部に露出するが、粘着性を有しないため、開封後に指や他の物が粘り付くことはない。また、開封後に再び封をすることもできない。
【0010】
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成したテープ付き袋を提供する。
【0011】
テープ付き袋は、(a)シート状の第1部材と、)b)前記第1部材に重ねられ、開口を有する袋状に前記第1部材と接合され、前記開口に沿って前記第1部材よりも外側に延在する舌片部を有する、シート状の第2部材と、(c)前記第1部材の前記第2部材とは反対側の面に形成された接着層と、(d)前記接着層を介して前記舌片部に接着された中間テープと、(e)前記中間テープの前記接着層とは反対側の面に形成された粘着層と、(f)前記粘着層を介して前記中間テープに剥離可能に粘着された剥離テープとを備える。テープ付き袋は、前記剥離テープが除去され、前記舌片部が前記第1部材に重ねられ、前記粘着層が前記第舌片部に粘着することにより、封をされた後、前記舌片部が前記第1部材から剥されることにより開封される。前記接着層を介して接着された前記第1部材と前記中間テープとを剥離するのに必要な力が、前記粘着層を介して粘着された前記中間テープと前記舌片部とを剥離するのに必要な力よりも小さくなるように構成されている。開封のため前記舌片部が前記第1部材から剥されるとき、前記接着層を介して接着された前記第1部材と前記中間テープとが分離し、前記中間テープは前記粘着層を介して前記舌片部に粘着された状態のまま前記舌片部ともに移動する。
【0012】
上記構成において、接着層を介して接着された第1部材と中間テープとを剥離するのに必要な力が、粘着層を介して粘着された中間テープと舌片部とを剥離するのに必要な力よりも小さいため、開封時には、第1部材と中間テープとの接着が剥がれ、粘着層を介して舌片部に粘着された中間テープは、舌片部との粘着状態が保持される。
【0013】
上記構成によれば、開封後において、粘着層が中間テープで覆われ、粘着層が外部に露出しないようにすることができる。一方、接着層は、開封後に外部に露出するが、粘着性を有しないため、開封後に指や他の物が粘り付くことはない。また、開封後に再び封をすることもできない。
【0014】
上記各テープ付き袋は、具体的には、以下のように種々の態様で構成することができる。
【0015】
好ましくは、前記粘着層は、前記接着層よりも、前記開口に対して直角方向により遠い位置まで形成されている。
【0016】
この場合、開封時に舌片部の先端側を剥がす際に、粘着層の方が接着層よりも舌片部の先端側に位置するため、粘着層側よりも接着層側において剥離が生じやすくなる。そのため、より確実に、粘着層が露出しないようにすることができる。
【0017】
好ましくは、前記接着層は、文字又は図形を表わすように形成されている。
【0018】
この場合、開封後に外部に露出する接着層によって、文字又は図形が現れるようにすることができる。接着層により文字又は図形の境界の内側、すなわち文字又は図形そのものが形成されても、文字又は図形の外側、すなわち、反転された文字又は図形が形成されてもよい。
【0019】
好ましくは、前記接着層と前記舌片部との界面と、前記接着層と前記中間テープとの界面とでは、剥離力が異なる。
【0020】
この場合、開封したときに、接着層と前記舌片部との界面、又は接着層と中間テープとの界面のいずれか一方のみで剥離し、接着層の全部が中間テープ又は舌片部のいずれか一方のみに接着された状態となり、接着層によって文字又は図形が完全な状態で現れるようにすることができる。
【0021】
好ましくは、前記中間テープ又は前記接着層を介して前記中間テープに接着される前記第2部材若しくは前記第1部材のいずれか一方のみがOPP(二軸延伸ポリプロピレン)シートであり、前記接着層は前記OPPシートのパートコートに用いられる感熱性の接着剤を含む。
【0022】
パートコートは、食品用袋等において、熱接着が難しいOPPシート同士の接着に用いられている。接着層により接着される中間テープ又は第2部材若しくは第1部材のいずれか一方にOPPシートを用い、他方にOPPシート以外(例えば、PET)を用いた場合、接着層は、一方のOPPシートとは接着力が相対的に強く、他方のOPPシート以外とは接着力が相対的に弱くなり、両者の間に介在する接着層が、開封後に一方のOPPシート側に確実に残るようにすることができる。
【0023】
接着層は、OPPシートのパートコートと同様の手法で容易に形成することができるので、本発明のテープ付き袋の製造が容易である。また、開封後に、接着層が完全にOPPシート側に残るので、接着層によって文字や図形が現れるようにする場合にも好適である。さらに、接着層のみならず、インクを用いて文字や図形の印刷を行うことも容易である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、開封後に粘着層が露出しない。そのため、開封後に指や他の物が粘り付くことはない。また、開封後に再び封をすることもできない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態として実施例を、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0026】
<実施例1> 実施例1のテープ付き袋10について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0027】
まず、図1を参照しながら、テープ付き袋10の構成について説明する。図1(a)は、テープ付き袋10の平面図である。図1(b)は、図1(a)の線B−Bに沿って切断した断面図である。図1(c)は、図1(b)の要部拡大断面図である。
【0028】
図1(a)及び(b)に示すように、テープ付き袋10は、1枚のシートを、図において下部シート12が上部シート14よりも大きくなりように、折り曲げ辺13で折り曲げて重ね合わせ、上部シート14と下部シート12の側辺14a,14b;12a,12b同士を接合して袋状に構成したものであり、上部シート14の先端側の辺14xに沿って開口11が形成されている。下部シート12は、上部シート14よりも外側に広がっている舌片部12kを有する。舌片部12kを折り曲げて上部シート14に重ねると、開口11を覆うことができる。
【0029】
舌片部12kの上部シート14と同じ側の面には、接着層16を介して中間テープ18が接着され、中間テープ18の上には粘着層20を介して剥離テープ22が剥離可能に粘着されている。
【0030】
次に、袋10の使用方法について、図2の断面図を参照しながら説明する。
【0031】
まず、袋10の開口11から、袋の内部15に、必要に応じて商品やパンフレット等の内容物を入れた後、図2(a)に示すように粘着層20に粘着されている剥離テープ22を剥がし、図2(b)に示すように粘着層20を露出させる。
【0032】
次いで、舌片部12kを開口11付近で折り曲げ、図2(c)に示すように、舌片部12kを上部シート14の上に重ね、粘着層20を上部シート14に粘着させることによって、封をする。すなわち、開口11が舌片部12kで覆われた状態が保持される。
【0033】
開封するときには、図2(c)において矢印で示すように、舌片部12kの先端12x側を持ち上げ、舌片部12kを上部シート14から剥がし、開口11を露出させる。
【0034】
このとき、接着層16を介して接着された舌片部12kと中間テープ18とが分離し、中間テープ18は粘着層20を介して上部シート14に粘着された状態のまま上部シート14側に残る。そのために、テープ付き袋10は、接着層16を介して接着された舌片部12kと中間テープ18とを剥離するのに必要な力が、粘着層20を介して粘着された中間テープ18と上部シート14とを剥離するのに必要な力よりも小さくなるように、構成する。
【0035】
図2(d)は、接着層16と中間テープ18との界面における接着強度が接着層16と舌片部12kとの界面での接着強度よりも低い場合であり、この場合には、接着層16と中間テープ18との界面において剥離が生じ、接着層16が舌片部12kに接着した状態で開封される。
【0036】
図2(e)は、接着層16と中間テープ18との界面における接着強度が接着層16と舌片部12kとの界面での接着強度よりも高い場合であり、接着層16と舌片部12kとの界面で剥離が生じ、接着層16は舌片部12kから分離され、中間テープ18の上にそのまま残る。
【0037】
接着層16と中間テープ18との界面における接着強度が接着層16と舌片部12kとの界面での接着強度と等しい場合には、図示していないが、接着層16は、舌片部12kに接着している部分と中間テープ18に接着している部分との両方に分かれる。
【0038】
いずれの場合においても、開封後のテープ付き袋10は、粘着層20が上部シート14と中間テープ18との間に配置されたままであるため、粘着層20は外部に露出しない。一方、接着層16は外部に露出するが、露出している接着層16は粘着性を有しない。
【0039】
そのため、開封後のテープ付き袋10から内容物を取り出す際に内容物が粘着層20に粘り付いたり、テープ付き袋10の開封後に指や他の物が粘着層20に粘り付いたりすることはない。
【0040】
また、開封後に舌片部12kを上部シート14に重ねても、貼り付けることができない。そのため、開封後に再び封をすることができなくなるので、例えば商品の包装に用いる場合には、未開封の新品であることを確実に保証することができる。
【0041】
さらに、開封後に外部に露出する接着層16によって文字や図形が表されるようにすれば、開封済みであること等を表示することができる。例えば、「開封済」、「PAT.P」などの文字部分を除いて文字部分の周囲に接着層16を形成し、中開封後に接着層16により反転された文字が現れるようにする。
【0042】
開封するときに、接着層16を介して接着された中間テープ18と舌片部12kとが剥離し、粘着層20を介して粘着された中間テープ18と上部シート14とが剥離しないようにすることをより確実にするため、図1(c)の要部拡大断面図に示すように、接着層16と粘着層20は、開口11から直角方向の先端位置16x,20xをずらし、差δを設け、粘着層20の先端位置20xの方が、接着層16の先端位置16xよりも、開口11から遠くなるようにすることが好ましい。
【0043】
次に、袋10の製造例について、図3の模式図を参照しながら説明する。
【0044】
シート50をロールから巻き出し、不図示の三角板を用いて折り線53で折り曲げ、下部52に上部54を重ねる。シート50には、例えば、OPPシートを用いる。
【0045】
次いで、予め片面に熱硬化性接着剤が印刷された中間テープ62をロール64から巻き出し、下部52に重ねた後、加熱部66で加熱して、中間テープ62を下部52に接着する。例えば、予めPET樹脂の中間テープ62上に、OPPシートのパートコートに用いられる感熱性の接着剤、例えばアクリル系の熱硬化性樹脂がグラビア印刷され、所定幅に切断されたロール64を用いる。このとき、中間テープ62上に、熱硬化性接着剤を用いて文字や図形を印刷してもよい。あるいは、通常のインクを用いて文字や図形の印刷を追加してもよい。例えば、「この袋は、開封すると粘着が残りません」などの文字を印刷する。特にシート12に透明材料を用いると、図2(c)のように封をしている状態で、中間テープ18の接着層16側の面に印刷された文字や図形が見えるようにすることができる。中間テープ62上には、適宜な態様で熱硬化性接着剤を印刷すればよい。例えば、開封開始時に適度な抵抗感があり、かつ、開封開始後は円滑に開封できるように、熱硬化性接着剤の印刷ドットの分布や印刷ドットの大きさ等を場所によって変えるようにしてもよい。
【0046】
次いで、中間テープ62の上に粘着のり72を塗布して粘着層を形成し、その上に、ロール84から巻き出した剥離テープ82を重ねる。粘着のり72は、ノズル70から中間テープ62上に直接塗布しても、ローラ等を介して転写してもよい。
【0047】
例えば、ホットメルトをローラを介して転写する。このとき、角片2号(A4)程度の大きさ袋の場合、図1(c)に示したように、接着層16と粘着層20の先端位置16x,20xの差δは、1mm程度設ける。
【0048】
次いで、シート50の搬送方向を横切るように、溶断部90で溶断を行い、一つずつのテープ付き袋10に分割するとともに、上部シート14の側辺14a,14bを下部シート12の側辺12a,12bとを接合する。
【0049】
テープ付き袋10は、通常のテープ付き袋を製造する工程に、中間テープ62を接着する工程60を追加するだけで製造することができ、既存の設備を用いて製造することができる。
【0050】
<実施例2> 実施例2のテープ付き袋10aについて、図4及び図5を参照しながら説明する。図4(a)は、テープ付き袋10aの平面図である。図4(b)は、図4(a)の線B−Bに沿って切断した断面図である。図4(c)は、図4(b)の要部拡大断面図である。図5は使用方法を示す断面図である。
【0051】
実施例2のテープ付き袋10aは、実施例1と略同様に構成されている。以下では、実施例1と同じ構成部分には同じ符号を用い、実施例1との相違点を中心に説明する。
【0052】
図4(a)及び(b)に示すように、テープ付き袋10aは、実施例1と異なり、接着層16、中間テープ18、粘着層20及び剥離テープ22が上部シート14に設けられている。
【0053】
使用時には、図5(a)に示すように粘着層20に粘着されている剥離テープ22を剥がし、図5(b)に示すように粘着層20を露出させ、図5(c)に示すように、舌片部12kを折り曲げて粘着層20に重ねて粘着し、封をする。
【0054】
開封時には、舌片部12kの先端12x側を上部シート14から剥がし、開口11を露出させる。
【0055】
このとき、接着層16を介して接着された舌片部12kと中間テープ18とが分離し、中間テープ18は粘着層20を介して上部シート14に粘着された状態のまま上部シート14側に残るようにするために、テープ付き袋10は、接着層16を介して接着された舌片部12kと中間テープ18とを剥離するのに必要な力が、粘着層20を介して粘着された中間テープ18と上部シート14とを剥離するのに必要な力よりも小さくなるように、構成する。
【0056】
特に、接着層16と中間テープ18との界面における接着強度が接着層16と舌片部12kとの界面での接着強度よりも低い場合には、図2(d)に示すように、接着層16と中間テープ18との界面において剥離が生じ、接着層16が舌片部12kに接着した状態で開封される。
【0057】
一方、接着層16と中間テープ18との界面における接着強度が接着層16と舌片部12kとの界面での接着強度よりも高い場合には、図5(e)に示すように、接着層16と舌片部12kとの界面で剥離が生じ、接着層16は舌片部12kから分離され、中間テープ18の上にそのまま残る。
【0058】
また、接着層16と中間テープ18との界面における接着強度が接着層16と舌片部12kとの界面での接着強度と等しい場合には、図示していないが、接着層16は、舌片部12kに接着している部分と中間テープ18に接着している部分との両方に分かれる。
【0059】
いずれの場合においても、開封後のテープ付き袋10は、粘着層20が上部シート14と中間テープ18との間に配置されたままであるため、粘着層20は外部に露出しない。一方、接着層16は外部に露出するが、露出している接着層16は粘着性を有しない。
【0060】
そのため、開封後のテープ付き袋10から内容物を取り出す際に内容物が粘着層20に粘り付いたり、テープ付き袋10の開封後に指や他の物が粘着層20に粘り付いたりすることはない。
【0061】
また、開封後に舌片部12kを上部シート14に重ねても、貼り付けることができない。そのため、開封後に再び封をすることができなくなるので、例えば商品の包装に用いる場合には、未開封の新品であることを確実に保証することができる。
【0062】
さらに、開封後に外部に露出する接着層16によって文字や図形が表されるようにすれば、開封済みであること等を表示することができる。例えば、「開封済」、「PAT.P」などの文字部分を除いて文字部分の周囲に接着層16を形成し、中開封後に接着層16により反転された文字が現れるようにする。
【0063】
開封するときに、接着層16を介して接着された中間テープ18と舌片部12kとが剥離し、粘着層20を介して粘着された中間テープ18と上部シート14とが剥離しないようにすることをより確実にするため、図4(c)の要部拡大断面図に示すように、接着層16と粘着層20は、開口11から直角方向の先端位置16x,20xをずらし、差δを設け、粘着層20の先端位置20xの方が、接着層16の先端位置16xよりも、開口11から遠くなるようにすることが好ましい。
【0064】
テープ付き袋10aは、実施例1と同様に製造することができる。
【0065】
<まとめ> 以上に説明したように、テープ付き袋は、開封したとき、粘着層20が中間テープ18で覆われている。
【0066】
そのため、外部に露出しない。そのため、テープ付き袋10から内容物を取り出す際に内容物が粘着層20に粘り付いたり、指や他の物が粘着層20に粘り付いたりすることはない。
【0067】
また、開封後に舌片部12kを上部シート14に重ねても、貼り付けることができない。そのため、開封後に再び封をすることができなくなるので、例えば商品の包装に用いる場合には、未開封の新品であることを確実に保証することができる。
【0068】
さらに、開封後に外部に露出する接着層16によって文字や図形が表されるようにすれば、開封済みであること等を表示することができる。
【0069】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
【0070】
例えば、上部シート14や下部シート12、中間テープ18、接着層16、粘着層20は、実施例に例示したもの以外を用いても、例示した製造方法と異なる方法で製造してもよい。上部シート14及び下部シート12にPETシートを用い、接着層としてPETシートに感熱性接着剤をパートコートし、中間テープ18としてOPP等を用いてもよく、この場合には、接着層のパートコートと同時に、PETシートに印刷を行うことができる。また、シートを折り曲げて上部シート14及び下部シート12を形成する代わりに、上部シート14と下部シート12とに別々のシートを用い、接合して袋形状に形成してもよい。テープ付き袋の形状は、三方シール袋形状に限らず、任意の形状とすることができる。上部シート14や下部シート12、中間テープ18には、所望の可撓性を有する材料を選択すればよく、薄くて可撓性が高いシート(「フィルム」とも呼ばれている。)を用いてもよい。また、接着層や粘着層に対して所望の剥離強度となるように、コーティングや表面処理を施したシートを適宜に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】テープ付き袋の(a)平面図、(b)断面図、(c)要部拡大断面図である。(実施例1)
【図2】テープ付き袋の使用手順を示す断面図である。(実施例1)
【図3】テープ付き袋の製造工程を模式的に示す断面図である。(実施例1)
【図4】テープ付き袋の(a)平面図、(b)断面図、(c)要部拡大断面図である。(実施例2)
【図5】テープ付き袋の使用手順を示す断面図である。(実施例2)
【符号の説明】
【0072】
10,10a テープ付き袋
12 下部シート(第2部材)
13 折り曲げ部
14 上部シート(第1部材)
15 開口
16 接着層
18 中間テープ
20 粘着層
22 剥離テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の第1部材と、
前記第1部材に重ねられ、開口を有する袋状に前記第1部材と接合され、前記開口に沿って前記第1部材よりも外側に延在する舌片部を有する、シート状の第2部材と、
前記舌片部の前記第1部材と同じ側の面に形成された接着層と、
前記接着層を介して前記舌片部に接着された中間テープと、
前記中間テープの前記接着層とは反対側の面に形成された粘着層と、
前記粘着層を介して前記中間テープに剥離可能に粘着された剥離テープと、
を備え、
前記剥離テープが除去され、前記舌片部が前記第1部材に重ねられ、前記粘着層が前記第1部材に粘着することにより、封をされた後、前記舌片部が前記第1部材から剥がされて開封され、
前記接着層を介して接着された前記舌片部と前記中間テープとを剥離するのに必要な力が、前記粘着層を介して粘着された前記中間テープと前記第1部材とを剥離するのに必要な力よりも小さくなるように構成され、
開封のため前記舌片部が前記第1部材から剥がされるとき、前記接着層を介して接着された前記舌片部と前記中間テープとが分離し、前記中間テープは前記粘着層を介して前記第1部材に粘着された状態のまま前記第1部材側に残ることを特徴とする、テープ付き袋。
【請求項2】
シート状の第1部材と、
前記第1部材に重ねられ、開口を有する袋状に前記第1部材と接合され、前記開口に沿って前記第1部材よりも外側に延在する舌片部を有する、シート状の第2部材と、
前記第1部材の前記第2部材とは反対側の面に形成された接着層と、
前記接着層を介して前記舌片部に接着された中間テープと、
前記中間テープの前記接着層とは反対側の面に形成された粘着層と、
前記粘着層を介して前記中間テープに剥離可能に粘着された剥離テープと、
を備え、
前記剥離テープが除去され、前記舌片部が前記第1部材に重ねられ、前記粘着層が前記第舌片部に粘着することにより、封をされた後、前記舌片部が前記第1部材から剥されることにより開封され、
前記接着層を介して接着された前記第1部材と前記中間テープとを剥離するのに必要な力が、前記粘着層を介して粘着された前記中間テープと前記舌片部とを剥離するのに必要な力よりも小さくなるように構成され、
開封のため前記舌片部が前記第1部材から剥されるとき、前記接着層を介して接着された前記第1部材と前記中間テープとが分離し、前記中間テープは前記粘着層を介して前記舌片部に粘着された状態のまま前記舌片部ともに移動することを特徴とする、テープ付き袋。
【請求項3】
前記粘着層は、前記接着層よりも、前記開口に対して直角方向により遠い位置まで形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のテープ付き袋。
【請求項4】
前記接着層は、文字又は図形を表わすように形成されていることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載のテープ付き袋。
【請求項5】
前記接着層と前記舌片部との界面と、前記接着層と前記中間テープとの界面とでは、剥離力が異なることを特徴とする、請求項4に記載のテープ付き袋。
【請求項6】
前記中間テープ又は前記接着層を介して前記中間テープに接着される前記第2部材若しくは前記第1部材のいずれか一方のみがOPPシートであり、前記接着層は前記OPPシートのパートコートに用いられる感熱性の接着剤を含むことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一つに記載のテープ付き袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−273559(P2008−273559A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118266(P2007−118266)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(507142513)有限会社早川製袋 (1)