説明

ディスク状記録媒体

【課題】 ディスクテーブルに対する装着位置における位置精度の向上等を図る
【解決手段】 中心部にターンテーブル3のセンターリング突部3bが挿入される装着孔100aを有するディスク状記録媒体100において、内周縁に装着孔の中心側に突出され周方向に離隔して位置された少なくとも3つの突部200、200、200を設け、該突部の各先端を結んだ円Pの大きさをセンターリング突部の外径と略同じに形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスク状記録媒体についての技術分野に関する。詳しくは、内周縁に突部を設けてディスクテーブルに対する装着位置における位置精度の向上等を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスク状記録媒体として、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク等の種々のタイプが広く用いられている。
【0003】
一般に、ディスク状記録媒体は、その中心部に形成された装着孔にターンテーブルのセンターリング突部が挿入されてターンテーブルに装着され、スピンドルモーターの回転によるターンテーブルの回転に伴って回転される。
【0004】
このようなディスク状記録媒体にあっては、装着孔の内径がセンターリング突部の外径より僅かに大きく形成され、ディスク状記録媒体のディスクテーブルに対する装着の容易化等が図られている。
【0005】
一方、ディスク状記録媒体には、例えば、磁気ディスクにおいて、近年の高密度記録化に対応するために、隣接する磁気トラックが磁気的に分離された所謂ディスクリート型のディスク状記録媒体がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
ディスクリート型のディスク状記録媒体にあっては、同心円状又は螺旋状の磁気トラックが形成され、隣接する磁気トラック間に両者を磁気的に分離するための同心円状又は螺旋状のディスクリート溝が形成されている。従って、ディスクリート溝によって隣接する磁気トラック間の磁気的な相互干渉が防止され、磁気トラックのピッチを狭めることが可能となり、高密度記録化を図ることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2004−110896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記した従来のディスク状記録媒体にあっては、外形が円形状に形成されたセンターリング突部が、これより大径の装着孔に挿入されてディスクテーブルに装着されるため、センターリング突部と装着孔の隙間分、ディスク状記録媒体の中心又は記録トラックの中心がディスクテーブルの回転中心に対してずれると言う偏芯が生じてしまう。
【0009】
また、偏芯が生じていない状態でディスク状記録媒体がディスクテーブルに装着された場合であっても、ディスク状記録媒体のディスクテーブルへの装着後に、スピンドルモーターの回転に伴う振動や外部からの衝撃による振動等が生じると、装着孔とセンターリング突部の隙間分、ディスク状記録媒体が径方向へシフトしてしまい偏芯が生じるおそれがある。
【0010】
上記のような偏芯が生じてしまうと、光ヘッドや磁気ヘッド等の記録トラックに対する追従性が悪化し、記録再生特性の劣化を来たすおそれがある。
【0011】
特に、ディスクリート型のディスク状記録媒体のように、記録トラックのピッチが小さい高密度記録化を図ることが可能なディスク状記録媒体にあっては、偏芯による影響が大きいという問題がある。
【0012】
さらに、温度変化によってディスクテーブルのセンターリング突部とディスク状記録媒体とがともに膨張又は収縮すると、両者の材料の相違により膨張量又は収縮量が異なるため、偏芯の度合いが一層増加する可能性もある。特に、温度変化による膨張又は収縮の結果、装着孔の周縁の全体がセンターリング突部に接触して圧入状態となってしまうと、ディスク状記録媒体に発生する応力によって、ディスク状記録媒体に不必要な歪みや反りが生じるという不具合が発生し易くなる。
【0013】
そこで、本発明ディスク状記録媒体は、上記した問題点を克服し、ディスクテーブルに対する装着位置における位置精度の向上等を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明ディスク状記録媒体は、上記した課題を解決するために、内周縁に装着孔の中心側に突出され周方向に離隔して位置された少なくとも3つの突部を設け、該突部の各先端を結んだ円形状の大きさをセンターリング突部の外径と略同じに形成したものである。
【0015】
従って、本発明ディスク状記録媒体にあっては、ディスク状記録媒体の内周縁に設けられた少なくとも3つの突部によってディスク状記録媒体のディスクテーブルに対する位置決めが行われる。
【発明の効果】
【0016】
本発明ディスク状記録媒体は、中心部にターンテーブルのセンターリング突部が挿入される装着孔を有するディスク状記録媒体であって、内周縁に装着孔の中心側に突出され周方向に離隔して位置された少なくとも3つの突部を設け、該突部の各先端を結んだ円形状の大きさをセンターリング突部の外径と略同じに形成したことを特徴とする。
【0017】
従って、装着孔の中心とディスクテーブルの回転中心とが高い位置精度で一致され、偏芯の防止を図ることができる。
【0018】
請求項2に記載した発明にあっては、内周部における上記突部の外側の位置又は上記突部内に該突部の変位を許容する許容孔又は許容切欠を形成したので、ディスク状記録媒体がディスクテーブルに対して圧入状態とされたときに、突部が変位されてもディスク状記録媒体の他の部分に影響が及び難く、ディスク状記録媒体の歪みや反りの発生を抑制することができる。
【0019】
請求項3に記載した発明にあっては、上記突部の突出量を厚み方向において異ならせるようにしたので、ディスク状記録媒体がディスクテーブルに対して圧入状態となったときに、突部のセンターリング突部に対する接触面積が小さいため圧入力が小さく、ディスク状記録媒体の歪みや反りの発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明ディスク状記録媒体を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。以下に示した最良の形態は、本発明ディスク状記録媒体をハードディスクドライブ装置に用いられたディスクリート型の磁気ディスクに適用したものである。
【0021】
尚、本発明ディスク状記録媒体の適用範囲は、ディスクリート型の磁気ディスクに限られることはなく、光ディスク、光磁気ディスク、ディスクリート型以外の磁気ディスク等の各種のディスク状記録媒体に広く適用することができる。
【0022】
ディスク状記録媒体100は、図1に示すように、例えば、ハードディスクドライブ装置1の内部に配置されている。
【0023】
ハードディスクドライブ装置1は、ケース体2内に所要の各機構が配置されて成り、該ケース体2は基台2aとトップカバー2bによって形成されて成る。
【0024】
基台2aには図示しないスピンドルモータによって回転されるターンテーブル3が設けられ、該ターンテーブル3はディスク状記録媒体100の内周部が載置されるテーブル部3aと該テーブル部3aの中心部に設けられたセンターリング突部3bとを有している。
【0025】
センターリング突部3bには、ディスク状記録媒体100がディスクテーブル3に装着された状態においてクランパー4が取り付けられる(図1及び図2参照)。
【0026】
ケース体2の基台2aには回動型アクチュエーター5が配置されている。回動型アクチュエーター5は回動部6、ピボット7、駆動用マグネット8及びヨーク9を備え、回動部6は保持体10とサスペンション11、11と浮上ヘッド12、12とを有している。
【0027】
保持体10はサスペンション保持部13とコイル保持部14とを有している。
【0028】
サスペンション保持部13には、サスペンション11、11がその厚み方向に離隔した状態で取り付けられている。サスペンション11、11は、保持体10から突出され、各先端部に浮上ヘッド12、12が配置されている。サスペンション11、11は浮上ヘッド12、12を所定の荷重でディスク状記録媒体100側に付勢する板バネとしての機能を有している。
【0029】
コイル保持部14には駆動用コイル15が保持されている。
【0030】
サスペンション11、11には、それぞれ導電用配線板16、16が貼着されている。導電用配線板16、16は、各一端部がそれぞれ浮上ヘッド12、12に接続されている。
【0031】
駆動用マグネット8はヨーク9の内面に取り付けられ、保持体10に保持された駆動用コイル15と対向した状態で位置される。
【0032】
基台2a上には回動型アクチュエーター5の動作の制御を行うための回路基板17が配置されている。回路基板17にはフレキシブルプリント配線板18が接続されている。
【0033】
フレキシブルプリント配線板18は駆動用コイル15への接続用のコイル用導線部と浮上ヘッド12、12への接続用のヘッド用導線部とを有し、コイル用導線部に駆動用コイル15の両端部が接続され、ヘッド用導線部に導電用配線板16、16の他端部が接続されている。
【0034】
回路基板17には接続用基板19の一端部が接続され、該接続用基板19はケース体4から外部へ導出され、例えば、パーソナルコンピューター等の各種の電子機器の図示しないメイン基板(マザーボード)等に接続される。
【0035】
ディスク状記録媒体100の中心部には、ディスクテーブル3のセンターリング突部3bが挿入される装着孔100aが形成されている(図2及び図3参照)。
【0036】
ディスク状記録媒体100には、図3及び図4に示すように、内周部と外周部を除いた部分に同心円状又は螺旋状に形成された磁気トラックT、T、・・・と、隣接する磁気トラックT、T、・・・を磁気的に分離するための同心円状又は螺旋状に形成されたディスクリート溝G、G、・・・とが半径方向において交互に形成されている。
【0037】
ディスク状記録媒体100の内周部と外周部は、それぞれ磁気トラックT、T、・・・が形成されていない非記録領域100b、100cとして形成されている(図3参照)。
【0038】
ディスク状記録媒体100の内周縁には、装着孔100aの中心へ向けて突出された突部200、200、200が周方向において等間隔に離隔した状態で設けられている。突部200、200、200は、例えば、先端に近付くに従って幅が小さくなる先細りの形状に形成されている。突部200、200、200の先端を結んだ円P(図3参照)は、例えば、設計上、常温において、ディスクテーブル3のセンターリング突部3bの外径と略同じ大きさに形成されている。
【0039】
突部200、200、200は、ディスク状記録媒体100の内周面から突出された小突起であるため、ディスク状記録媒体100の他の部分より剛性が小さい。
【0040】
上記のようなディスク状記録媒体100は、例えば、図示しない装着装置によってクランプされ、装着孔100aにセンターリング突部3bが挿入された状態でターンテーブル3に装着される(図2参照)。ターンテーブル3に装着されたディスク状記録媒体100は、内周部がクランパー4によって押さえられ、クランパー4が、例えば、ネジ止めによりセンターリング突部3bに取り付けられてターンテーブル3に固定される。
【0041】
ディスク状記録媒体100がターンテーブル3に装着された状態においては、上記したように、突部200、200、200の先端を結んだ円Pがセンターリング突部3bの外径と略同じ大きさに形成されているため、突部200、200、200の各先端がセンターリング突部3bの外周面に当接又は近接される。
【0042】
従って、装着孔100aの中心とターンテーブル3の回転中心とが極めて高い位置精度で一致され、ディスク状記録媒体100のディスクテーブル3に対する位置精度の向上を図ることができる。
【0043】
ディスク状記録媒体100は、内周部がディスクテーブル3とクランパー4によって挟持されてターンテーブル3に対して固定され、該ターンテーブル3の回転に伴って回転される。
【0044】
以下に、ディスク状記録媒体100の製造方法の概略を説明する(図5乃至図10参照)。
【0045】
先ず、被加工体50を用意する(図5参照)。被加工体50は、ガラス基板51、下地層52、記録層53、マスク層54及びレジスト層55が順に積層されて成る。下地層52は、例えば、クロム系合金によって形成され、記録層53は、例えば、コバルト、クロム、白金等の合金によって形成され、マスク層54は、例えば、珪素等によって形成され、レジスト層55は、例えば、ネガ型レジストによって形成されている。
【0046】
次に、被加工体50のレジスト層55に分割パターンに相当する溝55a、55a、・・・を形成する(図6参照)。この分割パターンは磁気トラックT、T、・・・を磁気的に分離するために前工程として形成するパターンである。溝55a、55a、・・・の形成は、転写手段を用いてインプリント法やリソグラフィにより行う。この状態では、溝55a、55a、・・・の底面部にレジスト層55の一部が残存する。
【0047】
次いで、レジスト剥離装置(アッシング装置)を用いて、溝55a、55a、・・・の底面部に残存するレジスト層55を除去する(図7参照)。
【0048】
次に、イオンエッチング装置を用いて、残存するレジスト層55及び溝55a、55a、・・・に対応するマスク層54の部分を除去する(図8参照)。溝55a、55a、・・・に対応するマスク層54の部分を除去することにより、マスク層54に溝54a、54a、・・・が形成される。
【0049】
次に、イオンビームエッチング装置を用いて、残存するマスク層54及び溝54a、54a、・・・に対応する記録層53の部分を除去する(図9参照)。このとき、同時に、位置決め孔200、200、200又は位置決め溝をエッチングにより形成する。溝54a、54a、・・・に対応する記録層53の部分を除去することにより、ディスクリート溝G、G、・・・が形成される。
【0050】
最後に、膜形成装置を用いて、記録層53の表面及びディスクリート溝G、G、・・・に保護膜56(又は潤滑膜56)を形成する(図10参照)。保護膜56の表面は、望ましくは、図10に示すように、平滑面に形成し、ディスク状記録媒体100の製造を完了する。このように保護膜56を平滑面に形成することにより、浮上ヘッド12をディスク状記録媒体100に対して良好な位置精度で浮上させることが可能となり、浮上ヘッド12の浮上状態の安定性を図ることができる。
【0051】
尚、保護膜56は、図11に示すように、ディスクリート溝G、G、・・・に充填された部分の表面が凹状に形成されていてもよく、または、図12に示すように、記録層53上に形成された部分の表面とディスクリート溝G、G、・・・に充填された部分の表面とが段差形状を為すように形成されていてもよい。保護膜56をこのような状態で形成する場合にあっても、記録層53の表面とディスクリート溝G、G、・・・の底面に同一の厚みで保護膜56を形成する場合に比し、浮上ヘッド12の浮上状態が安定する。
【0052】
以上に記載した通り、ディスク状記録媒体100にあっては、内周縁に突部200、200、200を設け、該突部200、200、200の各先端を結んだ円Pの大きさをディスクテーブル3のセンターリング突部3bの外径と略同じに形成している。
【0053】
従って、装着孔100aの中心とディスクテーブル3の回転中心とが極めて高い位置精度で一致され、偏芯の防止を図ることができる。
【0054】
また、ディスク状記録媒体100のディスクテーブル3への装着後に、スピンドルモーターの回転に伴う振動や外部からの衝撃による振動等が生じた場合でも、ディスク状記録媒体100が径方向へシフトすることがほとんどなく、ディスクテーブル3に対するディスク状記録媒体100の位置ずれを防止することができる。
【0055】
さらに、温度変化に伴う膨張によりディスクテーブル3のセンターリング突部3bに対してディスク状記録媒体100が圧入状態となった場合であっても、他の部分より剛性の小さい突部200、200、200がセンターリング突部3bに接触されるため、圧入力が小さく、ディスク状記録媒体100の歪みや反りの発生を防止することができる。
【0056】
尚、ディスク状記録媒体100がディスクテーブル3に装着された状態において、突部200、200、200がセンターリング突部3bに接触し圧入状態とされていた場合であっても、他の部分より突部200、200、200の剛性が小さいため、圧入力が小さく、ディスク状記録媒体100の歪みや反りの発生を抑制することができる。
【0057】
以下に、ディスク状記録媒体の変形例を示す(図13乃至図18参照)。
【0058】
第1の変形例に係るディスク状記録媒体100Aには、図13に示すように、突部200、200、200の外側の位置にそれぞれ許容孔300、300、300が形成されている。許容孔300、300、300は、例えば、ディスク状記録媒体100Aがセンターリング突部3bに圧入状態とされたときに、突部200、200、200の変位(変形)を許容する役割を果たす。従って、ディスク状記録媒体100Aが圧入状態とされたときに、突部200、200、200が変位されてもディスク状記録媒体100Aの他の部分に影響が及び難く、ディスク状記録媒体100Aの歪みや反りの発生を抑制することができる。
【0059】
第2の変形例に係るディスク状記録媒体100Bには、図14に示すように、周方向に長い幅を有する突部200B、200B、200Bが設けられている。このような周方向に長い幅を有する突部200B、200B、200Bが設けられている場合でも、突部が設けられていない場合に比し、偏芯の発生を低減することができる。
【0060】
第3の変形例に係るディスク状記録媒体100Cには、図15に示すように、突部200、200、200にそれぞれ許容孔400、400、400が形成されている。許容孔400、400、400は、例えば、ディスク状記録媒体100Cがセンターリング突部3bに圧入状態とされたときに、突部200、200、200の変位(変形)を許容する役割を果たす。従って、ディスク状記録媒体100Cが圧入状態とされたときに、突部200、200、200が変位されてもディスク状記録媒体100Cの他の部分に影響が及び難く、ディスク状記録媒体100Cの歪みや反りの発生を抑制することができる。
【0061】
第4の変形例に係るディスク状記録媒体100Dには、図16に示すように、略L字状に屈曲された突部200D、200D、200Dが設けられている。突部200D、200D、200Dの先端側の部分と装着孔100aの周縁との間にそれぞれ空間が形成され、この空間が許容切欠500、500、500として形成されている。許容切欠500、500、500は、例えば、ディスク状記録媒体100Dがセンターリング突部3bに圧入状態とされたときに、突部200D、200D、200Dの変位(変形)を許容する役割を果たす。従って、ディスク状記録媒体100Dが圧入状態とされたときに、突部200D、200D、200Dが変位されてもディスク状記録媒体100Dの他の部分に影響が及び難く、ディスク状記録媒体100Dの歪みや反りの発生を抑制することができる。
【0062】
第5の変形例に係るディスク状記録媒体100Eには、図17に示すように、突部200E、200E、200Eが設けられている。突部200E、200E、200Eは厚み方向における一端部が最も内側に突出され、厚み方向における一端部から他端部に行くに従って内側へ変位するように傾斜されている。従って、突部200E、200E、200Eは厚み方向における一端部のみがディスクテーブル3のセンターリング突部3bに接触可能とされる。
【0063】
このようにディスク状記録媒体100Eにあっては、突部200E、200E、200Eの厚み方向における一端部のみがセンターリング突部3bに接触可能とされているため、圧入状態となったときに、突部200E、200E、200Eのセンターリング突部3bに対する接触面積が小さいため圧入力が小さく、ディスク状記録媒体100Eの歪みや反りの発生を抑制することができる。
【0064】
尚、第5の変形例に係るディスク状記録媒体100Eには、厚み方向における一端部が最も内側に突出された突部200E、200E、200Eが設けられているが、逆に、厚み方向における他端部が最も内側に突出された突部を設けるようにしてもよい。
【0065】
第6の変形例に係るディスク状記録媒体100Fには、図18に示すように、突部200F、200F、200Fが設けられている。突部200F、200F、200Fは厚み方向における中央部が最も内側に突出され、厚み方向における中央部から両端部に行くに従って内側へ変位するように傾斜されている。従って、突部200F、200F、200Fは厚み方向における中央部のみがディスクテーブル3のセンターリング突部3bに接触可能とされる。
【0066】
このようにディスク状記録媒体100Fにあっては、突部200F、200F、200Fの厚み方向における中央部のみがセンターリング突部3bに接触可能とされているため、圧入状態となったときに、突部200F、200F、200Fのセンターリング突部3bに対する接触面積が小さいため圧入力が小さく、ディスク状記録媒体100Fの歪みや反りの発生を抑制することができる。
【0067】
上記には、突部200、200B、200D、200E、200Fをそれぞれ周方向に3つ設けた例を示したが、これらの突部200、200B、200D、200E、200Fの数は3つに限られることはなく、3つ以上であれば任意である。
【0068】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図2乃至図18と共に本発明の最良の形態を示すものであり、本図は、ハードディスクドライブ装置の概略斜視図である。
【図2】ディスク状記録媒体がディスクテーブルに装着された状態を示す拡大断面図である。
【図3】ディスク状記録媒体を概念的に示す平面図である。
【図4】ディスク状記録媒体の一部を拡大して概略的に示す断面図である。
【図5】図6乃至図10と共にディスク状記録媒体の製造方法の一例を示すものであり、本図は被加工体を示す拡大断面図である。
【図6】被加工体のレジスト層に分割パターンに相当する溝を形成した状態を示す拡大断面図である。
【図7】溝の底面部に残存するレジスト層を除去した状態を示す拡大断面図である。
【図8】残存するレジスト層及び溝に対応するマスク層の部分を除去した状態を示す拡大断面図である。
【図9】残存するマスク層及び溝に対応する記録層の部分を除去した状態を示す拡大断面図である。
【図10】記録層の表面及びディスクリート溝に保護膜を形成してディスク状記録媒体の製造を完了した状態を示す拡大断面図である。
【図11】保護膜の形成状態の別の例を示す拡大断面図である。
【図12】保護膜の形成状態のまた別の例を示す拡大断面図である。
【図13】図14乃至図18と共にディスク状記録媒体の変形例を示すものであり、本図は第1の変形例に係るディスク状記録媒体の一部を示す拡大平面図である。
【図14】第2の変形例に係るディスク状記録媒体の一部を示す拡大平面図である。
【図15】第3の変形例に係るディスク状記録媒体の一部を示す拡大平面図である。
【図16】第4の変形例に係るディスク状記録媒体の一部を示す拡大平面図である。
【図17】第5の変形例に係るディスク状記録媒体の一部を示す拡大断面図である。
【図18】第6の変形例に係るディスク状記録媒体の一部を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0070】
3…ターンテーブル、3b…センターリング突部、100…ディスク状記録媒体、100a…装着孔、200…突部、100A…ディスク状記録媒体、300…許容孔、100B…ディスク状記録媒体、200B…突部、100C…ディスク状記録媒体、400…許容孔、100D…ディスク状記録媒体、200D…突部、500…許容切欠、100E…ディスク状記録媒体、200E…突部、100F…ディスク状記録媒体、200F…突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部にターンテーブルのセンターリング突部が挿入される装着孔を有するディスク状記録媒体であって、
内周縁に装着孔の中心側に突出され周方向に離隔して位置された少なくとも3つの突部を設け、
該突部の各先端を結んだ円形状の大きさをセンターリング突部の外径と略同じに形成した
ことを特徴とするディスク状記録媒体。
【請求項2】
内周部における上記突部の外側の位置又は上記突部内に該突部の変位を許容する許容孔又は許容切欠を形成した
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク状記録媒体。
【請求項3】
上記突部の突出量を厚み方向において異ならせるようにした
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク状記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−318613(P2006−318613A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−142968(P2005−142968)
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】