説明

ディスク装置におけるバッファメモリ管理方法

【課題】ディスク装置で必要となる欠陥管理や記録再生制御に必要な管理データを保持するためのメモリ割当サイズが増えることを防ぐバッファメモリの管理方法を提供する。
【解決手段】ディスク媒体上の欠陥を管理する欠陥管理リストを前記ディスク媒体から読み出しバッファメモリに格納する領域の割当サイズを欠陥管理リストのエントリ数に応じて可変とし、その分、記録再生データを格納するデータ用バッファのサイズに割り当てるように制御する。欠陥管理リストのエントリ数が少ないほど、データ用バッファの割当サイズを大きくできるため、より少ないバッファメモリ容量で記録再生の速度パフォーマンスを向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク媒体へ情報を記録する記録装置、またはディスク媒体から情報を再生する再生装置、特に前記ディスク媒体は欠陥を管理する領域を有し、前記ディスク媒体からの記録再生データを一時的に蓄積するバッファメモリを有する装置およびバッファメモリ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化社会の進展に伴い、情報の伝送は高速度化かつ大容量化の一途を辿っており、それを記録・蓄積する情報記録媒体もますます高速化・大容量化が望まれている。
【0003】
光ディスクに代表されるように、装置から取り外して使用可能な可換型記録媒体では、その製造工程で発生するピンホール等の初期欠陥や実際の使用に伴って発生する傷や汚れ等の2次欠陥に対して記録される情報の信頼性を確保するために、一般的に「欠陥管理」と呼ばれる機能が導入されている。
【0004】
データの記録が行われるトラックには、記録データ(記録膜の相変化等)とは異なる形式(溝形状の変化等)で固有の番地情報が予め記録されている。予め番地情報が付与される単位と情報の記録再生を行う最小単位(クラスタと呼ぶ)とは関連付けられ、番地情報の記録位置と記録データの相対位置は、予め定められているのが一般的である。
【0005】
ある情報を記録すべきクラスタにおいてエラーが発生し当該トラックに欠陥があると見なされた場合に、そのクラスタ(欠陥クラスタ)を使用せず別のクラスタ(代替クラスタ)に置き換えて情報の記録を行う処理を交替処理という。
【0006】
このような情報記録媒体に情報の書き込みを行う記録装置では、前記固有の番地情報を参照しながらデータの記録再生を行うようにしているので、交替処理を行った場合には、欠陥と見なされたクラスタに対応する番地情報と、置き換えられたクラスタに対応する番地情報を交替処理の履歴として管理しておく必要がある。欠陥クラスタと代替クラスタの番地情報を含む履歴を欠陥リストと呼ぶ。データの記録中に交替処理が発生する毎に欠陥リストの内容が更新される。記録装置は欠陥リストを管理データとして保持し、適宜内容の更新/管理をしながら情報の記録再生を行う。
【0007】
上述した処理が一般的に「欠陥管理」と呼ばれている。
【0008】
光ディスクのような可換型記録媒体には、欠陥管理専用に使用される欠陥管理領域を有するものがある。欠陥管理領域に記憶される情報には前記欠陥リストが含まれる。これにより、一枚の記録媒体を複数の装置で使用する場合においても、記録媒体の欠陥管理が可能となる。
【0009】
欠陥管理領域に記憶される情報には、欠陥リストのほかに、情報の記録状態を管理する記録情報を含むものもある。記録管理情報には、記録を開始した媒体上の位置を示す番地情報、記録済み領域/未記録領域を示すビットマップ情報などがある。記録装置は記録管理情報を管理データとして保持し、適宜内容の更新/管理をしながら情報の記録再生を行う。
【0010】
ところで、ディスク媒体に対して情報の記録再生を行うディスク装置においては、外部装置から受信した情報を記録するに際し、もしくは記録媒体から再生した情報を外部装置へ送信するに際し、記録再生すべき情報をいったんバッファメモリに保持するのが一般的である。上述のディスク装置においては、ディスク媒体へ情報を記録再生するため、目的のトラックにヘッドを移動するシーク時間がかかり、またディスク媒体のデータ書き込み/読み出し速度が、バッファメモリへの書き込み/読み出し速度に比較して低速であるため、外部装置からの連続的な書き込み/読み出し要求に対して、高速に応答するためのデータキャッシュ機能としてバッファメモリを用いる。
【0011】
また、ディスク装置においては、バッファメモリをデータキャッシュ機能だけでなく、上述の欠陥管理のための情報や記録管理情報を保持するために利用する。
【0012】
ディスク装置が持つバッファメモリとしては、DRAMが用いられることが多い。
【特許文献1】特開平1−128266号公報
【特許文献2】特開平7−27440号公報
【特許文献3】特開平6−68603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
背景技術において説明したようなディスク媒体の管理データの容量は、ディスク媒体一枚あたりの容量増加に伴い、比例的に増加する傾向にある。例えば、欠陥クラスタの発生率はディスク媒体の欠陥発生率に依存する。そのため、クラスタあたりのデータサイズと欠陥発生率が一定であると想定した場合、ディスク媒体一枚あたりの容量が10倍になると、ディスク媒体一枚に発生する欠陥クラスタの発生数も10倍想定しなければならない。従って、欠陥リストの最大エントリ数も10倍想定しなければならなくなり、その分ディスク装置側が保持すべきディスク媒体の管理データを格納するのに必要なメモリ容量も増大する。
【0014】
一方、ディスク装置における情報記録再生の高転送レート化に伴い、データキャッシュとして必要なメモリ容量も増大する傾向にある。一般的に、記録再生の転送レートは、ディスク媒体の線密度増加とディスク回転数増加の掛け算に比例して向上する。これに対して、ディスク媒体のサイズ(半径)が変わらない場合、目的のトラックにヘッドを移動するのに要するシーク時間を飛躍的に低減することは難しい。
【0015】
また、ディスク媒体の容量を増加させる方法として、記録層を多層化することでディスク一枚あたりの容量を増大させる取組みがされている。このような多層化の方式によると、内周から外周といった径方向の移動時間に加え、ある記録層から異なる記録層への移動時間も加算させるため、あるトラックから目的のトラックへの移動に要するアクセス時間はさらに増大する傾向にある。
【0016】
上述したアクセス時間増加に伴うオーバーヘッドを想定しなければならない状況下においても、外部装置からの連続的な書き込み/読み出し要求に対して高速に応答するため、データキャッシュに使われるメモリ容量は(転送レート×オーバヘッド時間)に比例して増大する。
【0017】
大容量かつ高転送レートのディスク装置においては、上述したように、ディスク媒体の管理データ格納用のメモリ容量、およびデータキャッシュに使われるメモリ容量ともに増大する一途をたどり、両者の用途に必要なDRAMの物理的な容量が大きくなり、装置コストアップの大きな要因となっていた。
【0018】
上記課題に鑑み、ディスク1枚の容量増加(多層化等)、ディスク装置の高転送化が求められる中でも、ディスク装置で必要となる物理的なDRAM容量を削減する方式、バッファメモリ管理方法を提案する。すなわち本発明の目的とするところは、転送レートの性能を劣化させることなく低コスト化が実現可能なディスク記録装置、再生装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の態様は、ディスク装置においてディスク媒体からの再生データもしくはディスク媒体への記録データを一時的に蓄積するバッファメモリの管理方法であって、ディスク媒体上の欠陥を管理する欠陥管理リストを前記ディスク媒体から読み出しバッファメモリに格納する第1のステップと、前記欠陥管理リストのエントリ数に応じて欠陥管理リストを保持する第1のバッファ領域を前記バッファメモリに割り当てるサイズを決定する第2のステップとを含む。
【0020】
本発明の第1の態様において、前記第1のステップは、前記欠陥管理リストに含まれるヘッダ情報から前記エントリ数を抽出するステップと、前記第2のステップにより割り当てられた第1のバッファ領域に対して前記欠陥管理リストに含まれる欠陥エントリを格納するステップを含む。
【0021】
また、好ましくは、前記第1のバッファ領域を割り当てた残りのバッファメモリ容量に応じて、前記ディスク媒体から再生したデータを蓄積するデータバッファ領域を前記バッファメモリに割り当てるサイズを決定する第3のステップをさらに含む。
【0022】
また、好ましくは、前記データバッファ領域に蓄積したデータを前記ディスク媒体へ記録する第4のステップをさらに含む。
【0023】
また、好ましくは、前記第4のステップにより前記ディスク媒体へ記録されたデータをベリファイ処理する第5のステップをさらに含む。
【0024】
また、好ましくは、前記ディスク媒体への記録に伴い新たに検出された欠陥エントリを欠陥管理リストに追加更新する第6のステップをさらに含む。
【0025】
また、好ましくは、前記追加更新された欠陥管理リストのエントリ数に応じて前記データを格納するデータバッファ領域の割り当てサイズを変更する第7のステップとをさらに含む。
【0026】
また、好ましくは、前記第1のバッファ領域の割当サイズの増加に応じて、前記データバッファ領域の割当サイズを減少するよう制御する。
【0027】
また、好ましくは、前記第1のバッファ領域の割り当てサイズおよび前記データバッファ領域の割り当てサイズは、前記ディスク媒体へ記録再生を行う単位であるクラスタのデータサイズの倍数に略一致させる。
【0028】
また、好ましくは、前記データバッファ領域をリングバッファとして利用する。
【0029】
また、好ましくは、前記第1のバッファ領域および前記データバッファ領域に対して略1クラスタのデータサイズを管理単位として、前記管理単位毎に一連の番号を付与し、前記番号を利用して前記データバッファ領域をリングバッファとして利用するためのポインタ管理を行う。
【0030】
また、前記第7のステップは、前記ディスク媒体へデータの記録に伴い生じた欠陥クラスタに記録すべきデータを代替先クラスタへ記録処理した後に実施するようにしてもよい。
【0031】
また、前記第7のステップにおいて、欠陥管理リストのエントリ数をD、欠陥管理リストのエントリのサイズをL、欠陥エントリ追加許容数をα、欠陥管理リストを保持する第1のバッファ領域の管理単位をM(ここでD,L,α,Mは各々1以上の整数)としたとき、前記第1のバッファ領域の割当サイズをN×M≧(D+α)×Lの関係式を満たす最小の整数Nとなるように決定してもよい。
【0032】
また、前記第7のステップにおいて、前記ディスク媒体へ記録再生を行う最小単位を1クラスタとし、前記ディスク媒体へ記録したデータの検査を行うベリファイ処理をVクラスタを最大とする単位で行う場合、α≧V(α,Vは各々1以上の整数)となるように欠陥エントリ追加許容数αを決定してもよい。
【0033】
また、前記第7のステップにおいて、前記ディスク媒体へ記録再生を行う最小単位を1クラスタとし、前記データバッファ領域としてのリングバッファに保持可能なデータサイズをWクラスタとした場合、α≧W(α,Wは各々1以上の整数)となるように欠陥エントリ追加許容数αを決定してもよい。
【0034】
本発明の第2の態様は、欠陥管理領域を有するディスク媒体に記録されたデータの再生を行うディスク再生装置であって、前記ディスク媒体に記録されたデータを再生する再生手段と、前記データを一時的に蓄積するバッファメモリと、前記ディスク媒体の欠陥管理領域から欠陥管理情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取った欠陥管理情報のうち少なくとも欠陥管理リストを前記バッファメモリに保持する保持手段と、前記欠陥管理リストのエントリ数に応じて前記バッファメモリのうち前記読み出したデータを格納するデータバッファ領域の割当サイズを決定するメモリ管理手段とを含む。
【0035】
本発明の第3の態様は、欠陥管理領域を有するディスク媒体にデータの記録を行うディスク記録装置であって、前記ディスク媒体へ記録すべきデータを一時的に蓄積するバッファメモリと、前記バッファメモリに蓄積されたデータを前記ディスク媒体へ記録する記録手段と、前記ディスク媒体の欠陥管理領域から欠陥管理情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取った欠陥管理情報のうち少なくとも欠陥管理リストを前記バッファメモリに保持する保持手段と、前記欠陥管理リストのエントリ数に応じて前記バッファメモリのうち前記記録すべきデータを格納するデータバッファ領域の割当サイズを決定するメモリ管理手段とを含む。
【0036】
上記第1態様において、好ましくは、前記データバッファ領域に蓄積したデータを前記ディスク媒体へ記録する第3のステップと、前記ディスク媒体への記録に伴い新たに検出された欠陥エントリを欠陥管理リストに追加更新する第4のステップと、前記追加更新された欠陥管理リストのエントリ数に応じて前記データを格納するデータバッファ領域の割り当てサイズを変更する第5のステップとをさらに含む。
【0037】
上記第1の態様において、前記第1のステップは、前記欠陥管理リストのエントリ数を抽出するステップと、前記エントリ数に応じて欠陥管理リストを保持する第1のバッファ領域の割り当てサイズを決定するステップと、前記第1のバッファ領域を割り当てた残りのバッファメモリ容量に応じて前記データバッファ領域の割り当てサイズを決定するステップとを含むようにすると好ましい。
【0038】
上記第1、第2、第3の態様において、好ましくは、欠陥管理リストを保持する第1のバッファ領域の管理単位と、記録再生データを保持する第2のバッファ領域の管理単位は同一とする。また、好ましくは、前記第1のバッファ領域の管理単位および前記第2のバッファ領域の管理単位は、前記ディスク媒体へ記録再生を行う単位であるクラスタのデータサイズと略一致させる。また、好ましくは、前記第1のバッファ領域の割当サイズの増加に応じて、前記第2のバッファ領域の割当サイズを減少させる。また、好ましくは、前記第2のバッファ領域をリングバッファとして利用する。また、好ましくは、前記第1のバッファ領域および前記第2のバッファ領域に対して管理単位毎に一連の番号を付与し、前記番号を利用して前記第2のバッファ領域をリングバッファとして利用するためのポインタ管理を行う。
【0039】
また、上記第1、第2、第3の態様において、好ましくは、欠陥管理リストのエントリ数をD、欠陥管理リストのエントリのサイズをL、欠陥エントリ追加許容数をα、欠陥管理リストを保持する第1のバッファ領域の管理単位をM(ここでD,L,α,Mは各々1以上の整数)としたとき、欠陥管理リストを保持する第1のバッファの割当サイズをN×M≧(D+α)×Lの関係式を満たす最小の整数Nとなるように決定する。
【0040】
また、好ましくは、前記ディスク媒体へ記録再生を行う最小単位を1クラスタとし、前記ディスク媒体へ記録したデータの検査を行うベリファイ処理をVクラスタを最大とする単位で行う場合、α≧V(α,Vは各々1以上の整数)となるように欠陥エントリ追加許容数αを決定する。
【0041】
また、好ましくは、前記第1のバッファ領域の割当サイズ変更は、前記ディスク媒体へデータの記録に伴い生じたさらなる欠陥エントリが、欠陥エントリ追加許容数αを超えることが判明したあと、前記さらなる欠陥エントリに属する記録データを代替先クラスタへ記録処理した後に実施する。
【0042】
本発明の第4の態様は、ディスク装置においてディスク媒体からの記録再生データを一時的に蓄積するバッファメモリの管理方法であって、ディスク媒体の所定領域に記録されている管理情報を読み出す読み出しステップと、前記読み出しステップにより読み出した管理情報を前記ディスク媒体の記録されているところのデータサイズより少ないバイト数となるように圧縮する圧縮ステップと、前記圧縮ステップにより圧縮された管理情報を前記バッファメモリへ格納する格納ステップとを含む。
【0043】
上記第4の態様において、好ましくは、前記圧縮ステップは、前記読み出しステップにより読み出した管理情報に含まれるヌルデータ(16進数で00となるバイト)を、ヌルデータの連続個数をC(Cは256を超えない整数)としたとき、{00,C−1}の2バイト形式に置換する処理を含む。
【0044】
また、好ましくは、前記圧縮ステップは、前記読み出しステップにより読み出した管理情報が有する規則性を利用して、前記管理情報のビット圧縮を行う。
【0045】
また、好ましくは、前記読み出しステップにより読み出した管理情報は前記ディスク媒体の欠陥を管理する欠陥管理リストを含み、前記圧縮ステップは、前記欠陥管理リストに含まれる欠陥エントリ毎のステータス値に応じて異なる方法でビット置換を行う。また、好ましくは、前記圧縮ステップは、前記欠陥管理リストに含まれる欠陥エントリ毎の欠陥クラスタのアドレス値および代替クラスタのアドレス値の下位ビットを削除する。また、好ましくは、前記圧縮ステップは、前記欠陥管理リストに含まれる連続クラスタに渡る欠陥エントリの登録を{連続する欠陥クラスタの先頭アドレス値+連続クラスタ数}の形式に変換する。
【0046】
また、好ましくは、前記読み出しステップにより読み出した管理情報は前記ディスク媒体の記録済み領域を管理するスペースビットマップデータを含み、前記圧縮ステップは、前記スペースビットマップデータに含まれる連続するビット0およびビット1を、それぞれ、ビット0の連続数およびビット1の連続数を表す形式に変換する。
【0047】
本発明の第5の態様は、管理情報記録領域を有するディスク媒体へ記録すべきデータの記録処理を行う記録処理装置であって、前記ディスク媒体へ記録すべきデータを一時的に蓄積するバッファメモリと、前記ディスク媒体の前記管理情報記録領域より読み出された管理データを圧縮する圧縮処理手段と、前記圧縮処理手段により圧縮された管理データを前記バッファメモリに保持する保持手段と、前記管理データに含まれる管理情報を更新する手段であって、前記圧縮された管理データを所定の形式に伸張し、伸張された管理データに含まれる管理情報の内容を変更し、変更された更新データを圧縮し、前記圧縮された更新データを再び前記バッファメモリに保持する動作を一連の処理で行う更新処理手段を有する。
【0048】
本発明の第6の態様は、管理情報記録領域を有するディスク媒体へ記録すべきデータの記録処理を行う記録処理装置であって、前記ディスク媒体へ記録すべきデータを一時的に蓄積するバッファメモリと、前記ディスク媒体の前記管理情報記録領域より読み出された管理データを圧縮する圧縮処理手段と、前記圧縮処理手段により圧縮された管理データを前記バッファメモリに保持する保持手段と、前記管理データに含まれる管理情報を更新する手段であって、前記圧縮された管理データを所定の形式に伸張し、伸張された管理データに含まれる管理情報の内容を変更し、変更された更新データを前記ディスク媒体の管理情報記録領域へ記録すべきデータとして出力する動作を一連の処理で行う更新処理手段を有する。
【0049】
本発明の第7の態様は、管理情報記録領域を有するディスク媒体に記録されたデータの再生処理を行う再生処理装置であって、前記ディスク媒体から読み出されたデータを一時的に蓄積するバッファメモリと、前記ディスク媒体の前記管理情報記録領域より読み出された管理データを前記バッファメモリに保持する手段であって、前記読み出された管理データを圧縮し、圧縮された管理データを前記バッファメモリに保持する動作を一連の処理で行う保持手段を有する。
【0050】
本発明の第8の態様は、管理情報記録領域を有するディスク媒体に記録されたデータの再生処理を行う再生処理装置であって、前記ディスク媒体から読み出されたデータを一時的に蓄積するバッファメモリと、前記ディスク媒体の前記管理情報記録領域より読み出された管理データを圧縮する圧縮処理手段と、前記圧縮処理手段により圧縮された管理データを前記バッファメモリに保持する保持手段と、前記管理データを外部装置へ送信する送信処理手段であって、前記バッファメモリに保持している管理データを所定の形式に伸張し、伸張された管理データを外部装置へ送信する動作を一連の処理で行う送信処理手段を有する。
【0051】
本発明の第9の態様は、管理情報記録領域を有するディスク媒体へ記録すべきデータの記録処理を行う記録処理装置であって、前記ディスク媒体へ記録すべきデータを一時的に蓄積するバッファメモリと、外部装置から受信したディスク管理情報をバッファメモリに格納する格納処理であって、外部装置からディスク管理情報を受信し、受信したディスク管理情報を圧縮し、圧縮したディスク管理情報を前記バッファメモリに格納する動作を一連の処理で行う格納処理手段を有する。
【0052】
本発明の第10の態様は、欠陥管理領域を有する多層型ディスク媒体であって、データを記録可能な記録層を複数有するとともに、前記ディスク媒体に生じた欠陥を各記録層毎に分けて管理可能なように欠陥管理リストを分け、特定の記録層のみの欠陥管理リストを更新可能な形式で欠陥管理情報を保持する欠陥管理領域を備える。
【0053】
上記第10の態様において、好ましくは、データを記録可能な全ての記録層に欠陥管理領域を備え、各記録層における欠陥管理領域には少なくとも当該記録層に属する欠陥管理リストを含む欠陥管理情報が記録される。
【0054】
本発明の第11の態様は、欠陥管理領域を有する多層型ディスク媒体よりデータを記録または再生する方法であって、前記ディスク媒体は、データを記録可能な記録層を複数有するとともに、データを記録可能な全ての記録層に欠陥管理領域を備え、各記録層における欠陥管理領域には少なくとも当該記録層に属する欠陥管理リストを含む欠陥管理情報が記録されており、前記ディスク媒体の欠陥管理情報を保持する領域をバッファメモリ上に確保する第1のステップと、現在アクセスしている記録層もしくはこれからアクセスしようとする記録層の欠陥管理リストを前記欠陥管理領域から読み出す第2のステップと、前記第2のステップにより読み出された欠陥管理リストを前記第1のステップにより確保されたバッファメモリ上の所定領域に格納する第3のステップを含む。
【0055】
本発明の第12の態様は、欠陥管理領域を有する多層型ディスク媒体にデータを記録する方法であって、前記ディスク媒体は、データを記録可能な記録層を複数有するとともに、データを記録可能な全ての記録層に欠陥管理領域を備え、各記録層における欠陥管理領域には少なくとも当該記録層に属する欠陥管理リストを含む欠陥管理情報が記録されており、前記ディスク媒体の欠陥管理情報を保持する領域をバッファメモリ上に確保する第1のステップと、前記ディスク媒体にデータを記録する第2のステップと、現在データを記録している記録層もしくはこれからデータを記録しようとする記録層の欠陥管理リストを前記第1のステップにより確保されたバッファメモリ上の所定領域に保持する第3のステップと、前記第2のステップによるデータの記録中に新たな欠陥エントリが生じた際、当該記録層の欠陥管理リストのサイズが前記第1のステップにより確保したバッファメモリ上の領域のサイズに対して所定の関係以上になったことを検出すると当該記録層を記録禁止と判断する第4のステップとを含み、前記第2のステップにおいては第4のステップにより記録禁止となった記録層とは別の記録層に対してデータの記録を行う。
【0056】
本発明の第13の態様は、欠陥管理領域を有するディスク媒体に対してマルチセッション記録を行う方法であって、前記ディスク媒体の複数の領域に対してデータ追記可能な領域を設定する第1のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な領域に対してデータの記録を行う第2のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な複数の領域毎に欠陥管理リストを分けてバッファメモリに保持する第3のステップと、前記第3のステップにより保持されている欠陥管理リストを前記欠陥管理領域へ記録する第4のステップを含む。
【0057】
本発明の第14の態様は、欠陥管理領域を有するディスク媒体に対してデータを記録する方法であって、前記ディスク媒体の複数の領域に対してデータ追記可能な領域を設定する第1のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な領域に対してデータの記録を行う第2のステップと、前記第2のステップにより所定量の記録が行われた領域に対してはそれ以上のデータの追記を行わないようにクローズ処理を行う第3のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な領域のうち前記第3のステップによりクローズ処理が行われていない領域に対する欠陥管理リストのみバッファメモリに保持する第4のステップを含む。
【0058】
本発明の第15の態様は、欠陥管理領域を有するディスク媒体に対してデータを記録する方法であって、前記ディスク媒体の複数の領域に対してデータ追記可能な領域を設定する第1のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な領域に対してデータの記録を行う第2のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な領域毎に欠陥エントリの上限数を設定する第3のステップと、前記第2のステップにより所定の領域に対してデータの記録を実施した際、欠陥エントリ数が前記第3のステップにより設定された上限数を超えたとき当該領域に対してはそれ以上のデータの追記を行わないように処理する第4のステップを含む。
【0059】
本発明の第16の態様は、欠陥管理領域を有するディスク媒体に対してデータを記録する方法であって、所定以上の転送レートで前記ディスク媒体に記録を行うために必要なデータバッファサイズをバッファメモリに設定する第1のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータバッファ以外の領域に欠陥管理リストを保持する領域を設定する第2のステップと、前記ディスク媒体の所定の領域に対してデータ記録セッションを開始する第3のステップと、前記第3のステップによりデータの記録を実施した際、欠陥エントリ数が前記第2のステップにより設定された領域には収まらなくなった場合、当該領域に対する欠陥管理リストを前記ディスク媒体の欠陥管理領域に記録する第4のステップと、当該領域に対するデータ記録セッションを終了し異なる領域に対してさらなるデータ記録セッションを開始する第5のステップを含む。
【発明の効果】
【0060】
本発明によれば、ディスク媒体の欠陥管理リストのエントリ数に応じて、記録再生すべきデータを一時的に蓄積するバッファ領域サイズを可変するようにしたので、欠陥エントリ数が少ないときほど、従来に比べ記録再生データを蓄積できるバッファ領域のサイズ割当を増すことができ、データキャッシュのパフォーマンス向上が期待できる。
【0061】
ディスクの欠陥管理リストの大きさは、そのディスクのライフエンドを想定して設計されているので、ディスクの初期状態では、欠陥管理リストは空のエントリであり、実使用状態でも、最大エントリ数の1割も使用していないことが多い。これらの領域を、ディスクに記録再生するデータのバッファ領域として解放することにより、実使用時の大部分の状況において、記録再生パフォーマンスを改善することができる。
【0062】
また、本発明によれば、ディスク媒体の所定領域に記録されている管理情報をバッファメモリに保持する際、読み出した管理情報を前記ディスク媒体の記録されているところのデータサイズより少ないバイト数となるように圧縮するようにしたので、管理情報の保持に要するメモリ割当サイズを従来に比べて削減でき、その分バッファメモリの有効活用が図れる。
【0063】
また、本発明によれば、ディスク媒体の管理情報を圧縮または伸張する処理を、ディスク媒体からの読み出し処理、ディスク媒体への記録処理、前記管理情報のバッファメモリ上での更新処理、もしくは外部装置への送受信処理と連動して、一連の処理として行うようにしたので、管理情報の圧縮・伸張を行うことにより処理時間増加を抑え、オーバーヘッドを低減することが可能となる。
【0064】
また、本発明によれば、データを記録可能な記録層を複数有する多層型ディスク媒体において、前記ディスク媒体に生じた欠陥を各記録層毎に分けて管理可能なように欠陥管理リストを分け、特定の記録層のみの欠陥管理リストを更新可能な形式にしたので、記録装置において、特定の記録層に対する欠陥管理リストのみ保持しておけばよく、欠陥管理に要するメモリ割当サイズを低減できるとともに、多層化に伴う欠陥管理の煩雑性を低減することが可能となる。
【0065】
また、本発明によれば、欠陥管理領域を有するディスク媒体に対してマルチセッション記録を行う際、複数の記録セッションに対応したディスク媒体上のデータ追記可能な領域に対して、各領域毎に欠陥管理リストを分けて管理するようにしたので、記録装置において、特定の記録セッションに対する欠陥管理リストのみ保持しておけばよく、欠陥管理に要するメモリ割当サイズを低減できるとともに、マルチセッション記録に伴う欠陥管理の煩雑性を低減することが可能となる。
【0066】
また、本発明によれば、欠陥管理領域を有するディスク媒体に対してデータを記録する際、記録装置側のバッファメモリ割当可能サイズや要求される記録転送レートを実現するのに必要なデータバッファサイズを考慮して、欠陥管理エントリ数の上限を設定するようにしたので、欠陥管理に要するメモリ割当サイズを低減できるとともに、欠陥管理によりデータバッファサイズが圧迫されることで記録パフォーマンス劣化が起きることを防止できる。
【0067】
従って、ディスク媒体の大容量化に伴い、ディスク装置で必要となる欠陥管理や記録再生制御に必要な管理データを保持するためのメモリ割当サイズの増えてしまう課題を解消し、その分記録再生データを蓄積するメモリ割当サイズを従来に比べて増すことが可能となる。これにより、情報の記録再生に対する高転送レート化の要求に対しても、より小さいバッファメモリ容量で、より高いパフォーマンスを発揮できるディスク装置の提供が可能となる。
【0068】
加えて、ディスク媒体の多層化・大容量化に伴い、ディスク装置による欠陥管理や記録領域の処理が複雑化する傾向にある中でも、上記処理に要するメモリ割当サイズを低減できるとともに、上記処理に伴うオーバーヘッド時間を低減することが可能となる。これにより、ディスク装置のシステム効率を飛躍的に向上することが可能となる。
【0069】
従って、本発明に係るディスク装置およびバッファメモリ管理方法は、大容量・多層型のディスク媒体および高品位ビデオコンテンツを録画再生するディスクレコーダに応用すると極めて大きな効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
本発明に係るディスク媒体として光ディスクを例にとり、以下に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0071】
(実施の形態1)
ディスク媒体上の欠陥を管理する欠陥管理リストを前記ディスク媒体から読み出しバッファメモリに格納するステップと、前記欠陥管理リストのエントリ数に応じて前記記録再生データを格納するデータバッファ領域のサイズを変更するステップとを含むようなバッファメモリ管理方法と、ディスク記録装置、およびディスク再生装置について、つまり本発明の第1、第2、第3の態様として、好適な実施形態を以下に説明する。
【0072】
図1は、本実施の形態における光ディスク101の模式図である。図1に示すように、光ディスク101の記録面は、半径方向に複数の領域を含んでいる。内周から順番に、内周領域102、欠陥管理領域103、スペア記録領域104、ユーザデータ記録領域105、外周領域106である。光ディスクへ記録したい情報であるユーザデータはユーザデータ記録領域105に記録される。
【0073】
ユーザデータ記録領域105及び他の領域には、図示していないが、情報を記録するトラックに沿って案内溝(グルーブ)がスパイラル状(螺旋状)に形成されている。情報を記録するトラックはデータを記録再生する単位であるクラスタを複数含む。トラックにはグルーブの形状の変化によって光ディスク上の絶対位置を示す番地情報(図示せず)が記録されている。
【0074】
前記番地情報は、前記クラスタの位置を特定するためのアドレス番号を含み、記録装置及び再生装置において、トラックを再生し番地情報を読み取ることで、クラスタを特定することができる。すなわち、記録装置はアドレス番号で一意に関連付けられたクラスタを単位にデータの記録を行う。また同様に、記録装置および再生装置はアドレスに一意に関連付けられたクラスタを単位にデータの再生を行う。各クラスタに記録されるデータは、所定の物理フォーマットに基づいて生成され、各クラスタに含まれるデータサイズは一定である。本実施の形態においては、1クラスタのユーザデータサイズ=64キロバイトとする。
【0075】
1クラスタの記録データのフォーマットはここでは言及しないが、ユーザデータに対して、生じたデータ誤りを訂正するための誤り訂正符号やデータの識別を行うためのID情報などの冗長データが付与され、さらにデータの同期をとるための同期符号を付与し、光ディスクの記録再生特性にマッチするように変調処理が施されたうえで記録される。
【0076】
内周領域102はユーザデータ記録領域105より内周側に配置される。外周領域106はユーザデータ記録領域105より外周側に配置される。内周領域102および外周領域106はユーザデータの記録以外の特定用途に用いられる。
【0077】
内周領域102には光ディスク101に固有の情報を格納する。固有の情報には、光ディスク101の識別に利用できる情報や記録再生信号の特性や適切な品質で記録を行うために必要なパラメータなどの情報を含む。これら固有の情報は、ディスクの製造工程で、記録面の凹凸ピット(エンボス)やグルーブの形状変化などを利用して予め記録しておくようにしてもよい。これら固有の情報を内周領域102にまとめて格納しておくことで、ディスク装置において、光ディスク101を起動する際、内周領域102の内容のみ再生するだけで、情報の記録再生を行うための準備ができる利点がある。
【0078】
また、光ディスク101に対して最適に記録を行う条件を見つけるための試し記録を、内周領域102および外周領域106を用いて実行するようにしてもよい。
【0079】
記録装置において、ユーザデータ記録領域105に含まれるクラスタに対してデータの記録を行う際に、当該クラスタに欠陥があることが分かり、当該クラスタ(欠陥クラスタ)に対して前記データを正しく記録できないと判断された場合、前記データの記録を別のクラスタ(代替クラスタ)に対して行うように処理する。この処理を交替処理という。
【0080】
交替処理においては、スペア記録領域104に含まれるクラスタを代替クラスタとして充てる。スペア記録領域104のサイズ(含まれるクラスタ数)は、ユーザデータ記録領域105に含まれるクラスタ数と欠陥の発生率から予め定めた所定のサイズに割り当ててもよいし、記録装置においてユーザデータ記録領域105に含まれるクラスタの一部をスペア記録領域104に割り当てるようにして、任意にサイズを決定するようにしてもよい。
【0081】
欠陥管理情報領域103は、交替処理により生じた欠陥管理リストDFLを含む欠陥管理情報を格納する領域である。欠陥管理リストDFLは、欠陥が発生したクラスタの番地情報と代替先クラスタの番地情報を対とする複数の欠陥エントリを含むことができる。また、欠陥管理リストDFLに含まれる欠陥エントリの数を欠陥管理情報として含む。前記エントリ数を示す情報は、欠陥管理リストDFL自体に含むようにしてもよいし、欠陥管理情報に含まれる形式で欠陥管理リストDFLとは別に保持するようにしてもよい。
【0082】
欠陥管理情報領域103は少なくとも欠陥管理情報の格納に必要となるデータサイズ以上のクラスタ数を含む。欠陥管理情報領域103の物理フォーマットは、ユーザデータ記録領域105やスペア記憶領域106における物理フォーマットと共通とする。従って、本実施の形態において、欠陥管理情報領域103に属する各クラスタに含まれるユーザデータのサイズは64キロバイトである。このようにすることで、ディスク装置において、ユーザデータの記録再生と前記欠陥管理情報の記録再生を共通の信号処理で行うことが可能となり、効率的である。
【0083】
図11は、欠陥管理リストDFLのデータフォーマットの一例を示す模式図である。
【0084】
図11aに示すとおり、欠陥管理リストDFLは、ヘッダ情報1101、欠陥管理リストのエントリ群1102、フッタ情報1103を含む。
【0085】
ヘッダ情報1101は、欠陥管理リストDFLに含まれる情報を識別するうえで必要な情報を含む。前記情報には、図11bに示すとおり、欠陥管理リストのエントリ数を示す情報が含まれている。
【0086】
欠陥管理リストのエントリ群1102は、複数の欠陥エントリを含むことができる。図11cに示すとおり、本例においては、欠陥管理エントリ#1から#17まで17個のエントリを含んでいる。従って、図11bに示すとおり、欠陥管理リストのエントリ数は17、すなわち16進数で0x11を示している。
【0087】
フッタ情報1103は、欠陥管理リストDFLの終端を示す情報を含む。終端を示す情報としては、図示しないが、ヘッダ情報や欠陥管理リストの各エントリの内容には出てこないデータ並びを示すコード等を含むようにするとよい。これにより、前記データ並びとのパターン一致検出を行うことで、欠陥管理リストの終端であることを識別可能となる。
【0088】
図11dは、欠陥エントリの一例を示す。各欠陥エントリには、欠陥元のクラスタの番地情報、代替先のクラスタの番地情報、及びステータス情報を含む。欠陥元および代替先のクラスタに対応した番地情報は、各30ビットからなる物理アドレス番号を含む。ステータス情報は、当該欠陥エントリの状態を示す4ビットの情報である。当該エントリがいかなる状態にあるか、すなわち、代替先が決まっていない欠陥クラスタの番地情報のみ含まれる状態か、代替先も決定しており代替クラスタの番地情報も含まれる状態か、所定の理由により代替先クラスタのみ仮登録されている状態か、といった状態がステータス情報の値により識別可能になっている。以上の情報をまとめると、各欠陥エントリのサイズは64ビット=8バイト固定となる。
【0089】
欠陥管理リストDFLに含まれるエントリ数はディスク媒体や記録状態に依存して可変であるため、欠陥管理リストDFLに含まれる情報のサイズも変化する。これに対して、欠陥管理情報領域103に属する1クラスタに含まれるデータサイズは64キロバイトと一定であるから、欠陥管理リストDFLを可変長のままで欠陥管理情報領域に格納するのは不便である。これを回避するため、64キロバイトのデータ長にあうように、余りのバイトを空きであることを明示する意味でゼロ(NULL)データで埋める。すなわち、図11aに示すリザーブ(NULL埋め)が上記余りのバイトに相当する。
【0090】
ヘッダ情報1101、各欠陥エントリ、フッタ情報1103を各8バイトとすると、本例の場合、欠陥エントリの数は17個であるから、8バイト×19=152バイトが正味欠陥管理リストDFLに含まれる情報量となる。
【0091】
従って、1クラスタのデータサイズである64キロバイトから152バイトを引いたデータサイズをリザーブとしてNULL埋めした形式で、欠陥管理情報領域103に格納することになる。
【0092】
次に、光ディスク一枚あたりに発生しうる欠陥クラスタの数を検討してみる。その数は、欠陥の発生率、光ディスク一枚のデータ記録容量により見積もることができる。ここで光ディスク一枚のユーザデータ記録容量をCa、欠陥の発生率をRd、1クラスタあたりのユーザデータサイズをSとすると、光ディスク一枚あたりに発生する欠陥クラスタの数は、Ca×Rd÷Sと見積もることができる。欠陥の発生率は、光ディスク記録再生信号品質から見積もったエラーレートや、ディスクに付着する汚れ・傷・指紋など、ユーザが使用する中で新たに発生する欠陥に対して余裕を持って見積もり必要がある。
【0093】
ここで、Ca=25ギガバイト、S=64キロバイト、Rd=8%(上限値)と置いて計算すると、Ca×Rd÷S=31250となり、光ディスク一枚あたりに発生する欠陥クラスタ数は31250個上限という見積もり結果となる。
【0094】
上記個数の欠陥エントリを含む欠陥管理リストDFLのサイズは8バイト×31252=250016バイトとなり、これを全ておさめるためには4クラスタ必要になる。
【0095】
さて、最近光ディスクの多層化技術が進展しており、DVD、BDでも2層ディスクがすでに実用化されている。将来は4層、8層といったさらなる多層化の進展が予想され、これにつれ、ディスク一枚あたりのユーザデータ記録容量の増大が期待できる。
【0096】
ここで、1層あたりのユーザデータを25ギガバイトとし、上記と同様に欠陥クラスタ数の上限個数、これを想定した欠陥管理リストDFLサイズをおさめるための必要クラスタ数を、他のパラメータが変わらないものとして見積もると下記の通りになる。
【0097】
4層:125000個 → 約1メガバイト → 16クラスタ
8層:250000個 → 約2メガバイト → 32クラスタ
このような光ディスクに対してデータの記録再生を行うディスク装置における、従来のバッファメモリ使用用途を、図2に示す。
【0098】
図2に示すとおり、ディスク装置におけるバッファメモリの使用用途は、大きく3つに分けられる。1点目がデータ用バッファとしての利用である。
【0099】
背景技術においても説明したように、ディスク媒体に対して情報の記録再生を行うディスク装置においては、外部装置から受信した情報を記録するに際し、もしくは記録媒体から再生した情報を外部装置へ送信するに際し、記録再生すべき情報をいったんバッファメモリに保持するのが一般的である。光ディスク装置においては、光ディスクへ情報を記録再生するため、目的のトラックに光ピックアップを移動するシーク時間がかかり、また光ディスクのデータ書き込み/読み出し速度が、バッファメモリへの書き込み/読み出し速度に比較して低速であるため、外部装置からの連続的な書き込み/読み出し要求に対して、高速に応答するためのデータキャッシュ機能としてバッファメモリを用いる。
【0100】
2点目が上述した欠陥管理に必要な情報の保持である。欠陥管理は、欠陥クラスタを代替クラスタに置き換える交替処理と、交替処理した結果の履歴である欠陥管理リストDFLを含む情報を欠陥管理情報領域に更新する処理を含んでいる。
【0101】
欠陥管理を行いつつ、光ディスクへ情報の記録を高速に行うためには、交替処理を高速に行う必要がある。また、光ディスクから情報を高速に再生する場合にも、交替処理の履歴である欠陥管理リストDFLの内容を高速に検索する必要がある。
【0102】
このため、欠陥管理リストDFLを光ディスク上に保持するだけでなく、バッファメモリ上にも最新の状態を保持しておくことで、欠陥管理リストDFLの内容を検索・更新するために、光ディスクの欠陥管理情報領域へ頻繁にアクセスすることを防ぐ。
【0103】
また、バッファメモリ上に保持している最新の欠陥管理リストDFLも、必要に応じて前記欠陥管理情報領域へ更新する必要がある。可換メディアである光ディスクを扱うディスク装置においては、ユーザの要求に応じて、光ディスクの取り出しを行うまでには、欠陥管理情報領域へ最新の欠陥管理リストDFLを更新する必要がある。取り出し要求に即応するためには、欠陥管理リストDFLの更新処理に時間がかかるようだと欠点になる。
【0104】
3点目がその他の用途である。その他の用途には、欠陥管理以外にも光ディスクの記録再生に必要な管理データの保持や、誤り訂正処理や誤り訂正符号化など光ディスク記録再生に必要な信号処理を行うための一時的な作業用としての中間データ保持(ワークメモリ)としての用途などが含まれる。
【0105】
従来のディスク装置では、欠陥管理リストDFLの光ディスクへの更新処理を高速に行うとともに、バッファメモリの領域管理を煩雑にしないために、バッファメモリ上の欠陥管理リストDFLの格納領域を固定で割り当てていた。すなわち、ディスク一枚あたりの欠陥エントリ上限をカバーできるサイズの領域を確保し、かつ、光ディスクの欠陥管理情報領域に記録するデータイメージに近い形式で保持するようにしていた。
【0106】
上述したような考え方で多層大容量の光ディスクに対応する場合、先に見積もったように、欠陥管理リストDFLを保持する格納領域として1メガバイトを超えるバッファメモリ容量を確保しなければならなくなる。
【0107】
以上の問題点に鑑みて、本発明の特徴となるバッファメモリの領域管理を模式的に示したものが図3である。
【0108】
図3aは欠陥エントリが多数の場合のバッファメモリ領域割り当て、図3bは欠陥エントリが少数の場合のバッファメモリ領域割り当てを示している。図に示しているとおり、欠陥エントリが少数の場合は、欠陥管理リストDFLを格納する領域を小さくし、その分データ用バッファの割り当てを増やすように領域を設定する。欠陥エントリ数が大きくなるにつれ、必要な領域を確保するようにバッファメモリの領域設定を可変にするようにしている。これにより、欠陥管理に必要な最小限のメモリ容量を確保しつつ、残りの領域をデータ用バッファに割り当てることが可能になるため、バッファメモリの有効活用が図れる。バッファメモリの領域割り当てアルゴリズムについては、後ほど述べる。
【0109】
図4は本実施の形態におけるバッファメモリ管理の別の例を示している。
【0110】
図3に示す例との相違点は、データ用バッファをリングバッファとして利用している点である。ユーザデータである情報の記録を行う際には、外部装置から受信した情報をバッファメモリに順次格納するとともに、格納した情報に対し誤り訂正符号化等所定の信号処理を施しながら記録データとして出力し光ディスクのユーザデータ記録領域へ順次記録する。連続的に記録処理を行っている途中において、記録すべき情報を連続的に外部装置から受信してバッファメモリする際、すでに記録し終わったデータが格納されていた領域に対して上書きするようにバッファメモリを利用する。
【0111】
光ディスクに記録されている情報を再生する際には、逆に光ディスクから読み取った再生データに対して誤り訂正処理など所定の信号処理を施しながらバッファメモリに順次格納するとともに、格納された情報を順次外部装置へ送信する。連続的に再生処理を行っている途中において、光ディスクからの再生データを格納する際、すでに外部へ送信しおわった領域に対して上書きするようにバッファメモリを利用する。
【0112】
上述した処理を繰り返す結果として、データ用バッファはリング状に再利用されることになるため、リングバッファと呼んでいる。
【0113】
欠陥管理リストのエントリ数に応じてデータ用バッファの割り当てサイズを可変にするとともに、上記データ用バッファをリングバッファとして記録再生処理を行うことにより、より効率的なバッファメモリ管理が実現できる。
【0114】
図5は本発明に係る光ディスク再生装置の構成例を示すブロック図である。
【0115】
光ディスク101はスピンドルモータ501により所定の周期で回転させる。
【0116】
光ピックアップ502は光ディスク101に記録された情報を再生信号として読み取る。光ピックアップ502には、図示しないが、光ビームを出射する光源デバイス、前記光ビームを光ディスク101の記録層への出射光および反射光を集光させる対物レンズを含む光学系、前記対物レンズをフォーカスおよびラジアル方向に動かすアクチュエータ、前記光学系により集光させた反射光を電気信号に変える光検出デバイスなどを含んでいる。
【0117】
再生処理503は前記光検出デバイスによる電気信号を用いて、光ディスク101の記録層に光ビームをフォーカスし所定のトラックに追従させるために必要なサーボエラー信号や、記録されている情報の再生信号を取り出し、復調・同期など所定の信号処理を施しながらトラックの位置を示す番地情報や再生データを得る。
【0118】
サーボ制御504は再生処理503からのサーボエラー信号を受けて、アクチュエータを動かすことにより所望のトラックにフォーカス・トラッキングがかかるように制御する。また、スピンドルモータ501を駆動することにより所定の周期で光ディスク101を回転させるとともに、所望のトラックをアクセスできるようにトラバースモータ505を駆動しながら光ピックアップ502をラジアル方向に移送する。
【0119】
メモリ制御506は再生処理503からの再生データを受けて、保持すべきデータをバッファメモリ507に書き込む。また、ホストインタフェース508経由で外部装置からの送信要求に対応し、送信すべき情報をバッファメモリ507から読み出して、ホストインタフェース508へ出力する。
【0120】
ホストインタフェース508は外部装置からのコマンドなどのデータ受信、外部装置へのデータやステータスの送信を司る。
【0121】
システム制御509は、ホストインタフェース経由で外部から受信したコマンドを解釈する。例えば、光ディスク101の所定の番地に記録されている情報を再生するリードコマンドを受けると、再生処理503からの番地情報やバッファメモリ507に格納されている情報を元に、サーボ制御504、メモリ制御506、ホストインタフェース508など各機能ブロックを制御することで、コマンドに応じて装置が有機的に動作するようにシステム全体を制御することで、光ディスク101に記録されている信号を読み出し、所望の情報を外部装置へ送信できるようにする。
【0122】
ここで、図5で説明した光ディスク再生装置が、光ディスク101から高速にデータを読み出し、連続的に情報を再生する際のバッファメモリ制御について、言及しておく。
【0123】
光ディスク101を起動すると、情報の再生を開始する前にまず、欠陥管理情報領域103をアクセスし、最新の欠陥管理情報を取り出す。欠陥管理リストにエントリがない(欠陥エントリ数がゼロ)場合、欠陥クラスタは存在しないため、欠陥管理リストをバッファメモリに保持しておく必要がない。従って、欠陥管理リストの保持用にバッファメモリを一切割り当てることなく、データバッファ用に最大限領域を割り当てることが可能である。一方、欠陥エントリ数がゼロでない場合には、欠陥管理リストを保持するための領域をバッファメモリに確保することが必要となる。
【0124】
図7は、本実施の形態におけるバッファメモリの領域設定手順の一例を示すフローチャートである。
【0125】
まず、欠陥管理情報を読み出す(ステップ701)。読み出した欠陥管理情報のうち欠陥管理リストをバッファメモリに格納する(ステップ702)。データバッファの割り当て可能サイズを計算する(ステップ703)。割り当てサイズの変更が必要かどうかを判定し(ステップ704)、サイズ変更が必要と判断するとデータバッファの割り当てサイズを変更する(ステップ705)。サイズ変更が必要でないと判断するとそのまま終了する。
【0126】
ステップ703において、欠陥管理リストDFLのエントリ数に基づいて、データバッファの割り当て可能サイズが計算できる。つまり、図3もしくは図4に示したようにエントリ数の多少に応じて欠陥管理リストDFLの格納に要する領域が決まり、残りの領域をデータバッファに割り当てることができる。
【0127】
ステップ704において、データバッファの割り当てサイズを変更する必要があるかどうかの判定は、電源投入後の初期設定もしくは異なるメディア挿入時に設定した割り当てサイズと、ステップ703において計算したサイズとの比較判定になる。
【0128】
例えば、電源投入後の初期設定が欠陥エントリ数ゼロを基準に割り当てサイズを決定しており、光ディスク101の欠陥エントリ数もゼロである場合には、割り当てサイズ変更は不要という判定になる。
【0129】
上述したような手順でバッファメモリの領域設定を行うことにより、図5で示したような光ディスク再生装置において、図3もしくは図4に示したように、欠陥管理情報を保持するためのメモリ割当サイズが増えてしまう課題を解消し、その分再生データを蓄積するメモリ割当サイズを従来に比べて増すことが可能となる。従って、より小さいバッファメモリ容量で、より高い再生速度パフォーマンスを発揮できる光ディスク再生装置の提供が可能となる。
【0130】
図6は本発明に係る光ディスク記録装置の構成例を示すブロック図である。
【0131】
図6において、図5と同じ符号を付与した以下の構成要素、スピンドルモータ501、再生処理503、サーボ制御504、トラバースモータ505、バッファメモリ507、ホストインタフェース508については、同様の機能を持つため詳細な説明は省略する。
【0132】
光ピックアップ601は、光ディスク101に対して光ビームを照射することによって、光ディスク101の記録層に物理的もしくは化学的な変化を起こし、情報の記録を行う。また光ディスク101に記録されている情報を信号として読み取り再生する。
【0133】
光ピックアップ601は、図示しないが、光ビームを出射する光源デバイス、前記光ビームを光ディスク101の記録層への出射光および反射光を集光させる対物レンズを含む光学系、前記対物レンズをフォーカスおよびラジアル方向に動かすアクチュエータ、前記光学系により集光させた反射光を電気信号に変える光検出デバイスなどを含んでいる。
【0134】
メモリ制御602は、光ディスク101の再生時には、再生処理503からの再生データを受けて、保持すべきデータをバッファメモリ507に書き込む。また、ホストインタフェース508経由で外部装置からの送信要求に対応し、送信すべき情報をバッファメモリ507から読み出して、ホストインタフェース508へ出力する。光ディスク101の記録時には、ホストインタフェース508経由で外部装置から情報を受信し、受信した情報をバッファメモリ507に書き込む。また、光ディスク101へ記録すべきデータをバッファメモリ507から読み出して、記録処理603へ出力する。
【0135】
記録処理603は、メモリ制御602から記録すべきデータを受けて、誤り訂正符号化、識別IDや同期信号の付与、変調など、光ディスク101へ記録するために必要な信号処理を施した記録信号を生成し、光ピックアップ601を出力する。
【0136】
光ピックアップ601は、記録処理603からの記録信号に応じて、内蔵されている光源デバイスから照射する光ビームの光量を変化させることで光ディスク101に情報の記録を行う。例えば、光源デバイスがレーザダイオードの場合、記録信号に応じてレーザ光パワーを変化させるように、レーザダイオードを駆動するドライバ回路を備えていてもよい。
【0137】
システム制御604は、ホストインタフェース経由で外部から受信したコマンドを解釈する。例えば、光ディスク101の所定の番地に情報を記録するライトコマンドを受けると、ホストインタフェース508を経由して記録すべき情報をいったんバッファメモリ604へ格納するようにメモリ制御602の動作を制御するとともに、再生処理503からの番地情報を元に、サーボ制御504、メモリ制御602、記録処理603など各機能ブロックを制御することで、コマンドに応じて装置が有機的に動作するようにシステム全体を制御することで、光ディスク101に所望の情報が記録されるようにする。
【0138】
ここで、図6で説明した光ディスク記録装置が、光ディスク101へ連続的に情報を記録する際、光ディスク101の欠陥管理をしながら、高速に記録動作を実行するためのバッファメモリ制御について、言及しておく。
【0139】
光ディスク101を起動すると、情報の記録を開始する前にまず、内周領域102および欠陥管理情報領域103をアクセスし、光ディスク101の記録状態を識別し、最新の欠陥管理情報を取り出す。まず起動された光ディスク101が再生専用である場合、もしくは全面記録済みなどさらなる情報の記録ができないと判明した場合、記録動作を禁止する処置をとる。記録動作を禁止した場合、光ディスク101は再生専用メディアとして扱われるため、再生時の制御は、図5,7を用いて前述した手順に基づく。
【0140】
次に、光ディスク101が、新品(ユーザにより情報の記録が全くされていない状態)、もしくは、既に情報の記録がなされているが欠陥管理を実施しておらず、さらなる情報の記録が可能な状態にあると判明した場合、装置は、当該メディアに記録を行う上で欠陥管理を実施するかどうか方針を決定する。
【0141】
欠陥管理を実施しない場合、欠陥管理用にバッファメモリを一切割り当てることなく、データバッファ用に最大限領域を割り当てることが可能である。
【0142】
欠陥管理を実施する場合、情報の記録を実行するに際し、新たな欠陥クラスタ発生に備えて、欠陥管理リストDFLを保持するための領域をバッファメモリに確保することが必要となる。
【0143】
次に、光ディスク101が、既に情報の記録がなされており欠陥管理も実施されているが、さらなる情報の記録が可能な状態にあると判明した場合、装置は、既に実施されている欠陥管理の履歴(欠陥管理リストDFLを含む)を保持するとともに、さらなる情報の記録を実行するに際し、新たな欠陥クラスタ発生に備えて、欠陥管理リストDFLを保持するための領域をバッファメモリに確保することが必要となる。
【0144】
図8は欠陥管理リストDFLの内容からデータバッファの割り当て可能サイズを計算する手順例を示すフローチャートである。
【0145】
まず、光ディスク101の欠陥管理情報領域103より読み出した最新の欠陥管理リストDFLから現エントリ数Dを抽出する(ステップ801)。
【0146】
欠陥管理リストDFLの1エントリあたりのサイズをLバイト、欠陥エントリ追加許容数をα、欠陥管理リストDFLを保持するバッファメモリの領域管理単位をMとしたとき、欠陥管理リスト保持用にバッファメモリを割り当てる単位Nは、関係式(式1)を満たす最小の整数として算出する(ステップ802)。
【0147】
(式1)N×M≧(D+α)×L,ここでL,α,Mは各々1以上の整数
バッファメモリ507の総容量をBバイト、その他用途のために確保する領域サイズをβバイトとしたとき、データバッファ用にバッファメモリを割り当てる単位Cは、関係式(式2)を満たす最大の整数として算出する(ステップ803)。
【0148】
(式2)C×M≦B−β―(N×M),ここでB,β,M,Nは各々1以上の整数
ここで、バッファメモリの領域管理単位Mは、データバッファ用と欠陥管理用とで共通としている。こうすることで、バッファメモリの領域管理が簡略化でき、割り当てサイズを可変にする場合でも煩雑な処理が不要となる。
【0149】
また、バッファメモリの領域管理単位Mは、光ディスク101へ記録再生を行う単位であるクラスタのデータサイズと略一致をさせる。こうすることで、光ディスク101へのデータ記録またはデータ再生に連動させて、バッファメモリの割り当てサイズを変更することが容易に行える効果がある。
【0150】
また、欠陥エントリ追加許容数αは、ディスク媒体へ記録したデータの検査を行うベリファイ処理をVクラスタ最大とする単位で行う場合、α≧Vとなるように余裕をもってαを決定するとよい。
【0151】
記録動作中に、新たな欠陥クラスタが発生し、代替クラスタに置き換える交替処理を実行すると、欠陥管理リストDFLに新規エントリを追加する必要性が生じる。
【0152】
光ディスク記録装置において欠陥管理を行う場合、外部装置よりライトコマンドを受けると、データ記録処理後、記録したデータを再生して品質を検査する処理を自動的に行う。この処理をライト&ベリファイ、もしくは単にベリファイ処理と呼ぶ。データ記録中のエラー発生(番地情報が読めないなど)や、ベリファイ処理でエラー発生(再生エラー率などの品質クライテリア確認)に伴い欠陥クラスタが検出されると代替クラスタへ交替処理を行う。
【0153】
従って、新規の欠陥登録はライト&ベリファイ処理に伴って発生するのであるから、ベリファイ処理を行う単位Vクラスタ以上の欠陥エントリ追加できる余地を残しておけば、1回のベリファイ処理中にバッファメモリ割り当てサイズを変更する必要性が生じないので、代替処理を円滑に実行することが可能になる。
【0154】
また、欠陥管理を行いながらの記録処理中においては、欠陥発生時にデータの書き直しが必要になるため、代替処理が完了するまで記録すべきデータをバッファメモリ上に保持しておく必要がある。
【0155】
従って、ディスクへの記録が未実施もしくは代替処理が未実施になっているデータを保持するために、さらなるデータをバッファメモリ上に保持できない状態(バッファメモリフル)が生じた場合、次なる記録コマンド(データ受信)を受け付けないように設計するのが通常である。代替処理が完了すれば、代替処理されたデータをバッファメモリ上に保持しておく必要がなくなるので、次なる記録コマンド処理に先立って、データバッファ領域の割り当てサイズを変更すれば、以降矛盾なく処理を継続することが可能になる。
【0156】
ここで、具体的な数値例を元に計算をしてみる。
【0157】
バッファメモリの領域管理単位Mを、1クラスタのデータサイズと同じ64キロバイトとする。1エントリあたりのサイズLを8バイトとする。欠陥エントリ追加許容数αを16とする。バッファメモリ507の総容量Bを2メガバイトとする。その他用途のために確保する領域サイズβを256キロバイトとする。
【0158】
ここで、欠陥管理リストDFLのエントリ数Dが100個、10000個、50000個の場合のそれぞれについて、(式1)(式2)を用いてN,Cの値を計算すると、以下の結果になる。
【0159】
D=100の場合、N×64000≧(100+16)×8=928となりN=1。C×64000≦2000000−256000−64000=1680000となりC=26と計算される。
【0160】
D=10000の場合、N×64000≧(10000+16)×8=80128となりN=2。C×64000≦2000000−256000−128000=1616000となりC=25と計算される。
【0161】
D=50000の場合、N×64000≧(50000+16)×8=400128となりN=7。C×64000≦2000000−256000−448000=1296000となりC=20と計算される。
【0162】
このように、欠陥管理リストDFLのエントリ数Dをパラメータとして、欠陥管理用に割り当てるべきバッファメモリのサイズ(割り当て単位N)、データバッファ用のサイズ(割り当て単位C)が求まり、この計算に基づいてデータバッファ領域のサイズを変更可能である。
【0163】
また、欠陥管理リストDFLを保持するバッファ領域の割り当てサイズの増加に応じて、データバッファ用の割り当てサイズを減少させるように設定することにより、バッファメモリの総容量を増やさずに対応が可能となる。
【0164】
つまり、光ディスクの欠陥管理リストのエントリ数に応じて、記録すべきデータを一時的に蓄積するバッファ領域サイズを可変するようにしたので、欠陥エントリ数が少ないときほど、従来に比べ記録データを蓄積できるバッファ領域のサイズ割当を増すことができ、データキャッシュのパフォーマンス向上が期待できる。これにより、情報の記録に対する高転送レート化の要求に対しても、より小さいバッファメモリ容量で、より高いパフォーマンスを発揮できる光ディスク記録装置の提供が可能となる。
【0165】
次に、バッファメモリの領域管理単位を、欠陥管理リストDFLを保持する領域とデータバッファ用領域で共通にした場合のメリットとして、データバッファ用領域をリングバッファとした場合を例に言及しておく。
【0166】
図9は、バッファメモリ507の内部領域構成の一部とポインタ管理の例を示す模式図である。
【0167】
バッファメモリ507のうち、欠陥管理リストDFLを保持する領域とデータバッファ用領域を合計したサイズを27単位(ブロック#0〜#26)として示している。1単位は光ディスク101へ記録再生を行う1クラスタのデータサイズと同じ64キロバイトである。
【0168】
ここで、図9aに示すように、光ディスク記録装置においては、バッファメモリの所定領域を効率よくアクセスするために、各管理単位の先頭アドレスをポインタとして保持している。合計27単位のうちq番目のブロック#qのアドレスpは、p=A+p×M(Aはバッファメモリアドレスオフセット,Mはバッファメモリ管理単位のサイズ)で表され、16進数で具体例を挙げると、A=0x80000000,M=0x10000の場合、ブロック#0から#26までの先頭アドレスp0からp26は図9aに示すようになる。光ディスク記録装置において、上記ポインタとバッファメモリのアドレスの関係を、システム制御604が計算もしくはテーブルとして保持しておく。
【0169】
図9bは欠陥管理リストDFLを保持する領域の割り当て単位N=1(ブロック#0のみ使用)の場合のリングバッファポインタ管理の例を示している。この場合、データバッファ用領域として、残りの26単位(ブロック#1〜#26)を割り当てる。この領域をリングバッファとして用いる場合、p1→p2→p3→p4→・・・→p25→p26→p1→p2・・・の順にアクセスするようにバッファメモリのアドレスを管理する。
【0170】
図9cは欠陥管理リストDFLを保持する領域の割り当て単位N=2(ブロック#0,#1を使用)の場合のリングバッファポインタ管理の例を示している。この場合、データバッファ用領域として、残りの25単位(ブロック#2〜#26)を割り当てる。この領域をリングバッファとして用いる場合、p2→p3→p4→・・・→p25→p26→p2→p3・・・の順にアクセスするようにバッファメモリのアドレスを管理する。
【0171】
図9dは欠陥管理リストDFLを保持する領域の割り当て単位N=7(ブロック#0から#6を使用)の場合のリングバッファポインタ管理の例を示している。この場合、データバッファ用領域として、残りの20単位(ブロック#7〜#26)を割り当てる。この領域をリングバッファとして用いる場合、p7→p8→p9→・・・→p25→p26→p7→p8・・・の順にアクセスするようにバッファメモリのアドレスを管理する。
【0172】
以上説明したように、バッファメモリの領域管理単位を、欠陥管理リストDFLを保持する領域とデータバッファ用領域で共通サイズにし、かつ、各管理単位の先頭アドレスをポインタとしてリングバッファを管理するようにすることで、欠陥管理リストDFLのエントリ数増加に伴い、リングバッファのサイズを動的に変更する場合にも、複雑な計算を伴うことなく、容易に割り当てサイズの変更が可能となる。
【0173】
記録動作中に、新たな欠陥クラスタが発生し、代替クラスタに置き換える交替処理を実行し、欠陥管理リストDFLを更新することにより、実際にデータバッファ用のバッファメモリ領域設定を変更する必要性が生じる。その場合の制御手順について言及する。
【0174】
欠陥クラスタは、光ディスクをフォーマット(初期化)処理する際に検出される一次欠陥と、光ディスクに実際に情報を記録する際に検出される二次欠陥に分類される。フォーマット処理中には、一般的にユーザデータの記録を行うことはないので、データバッファ用の領域の扱いに関してここでは言及しない。
【0175】
二次欠陥は、ディスクの傷・汚れ・指紋の付着などの影響に伴い発生する。光ディスク記録装置において欠陥管理を行う場合、前述したように、外部装置よりライトコマンドを受けると、データ記録処理後、記録したデータを再生して品質を検査するベリファイ処理を実施する。データ記録中のエラー発生(番地情報が読めないなど)や、ベリファイ処理でエラー発生(再生エラー率などの品質クライテリア確認)に伴い欠陥クラスタが検出されると代替クラスタへ交替処理を行う。
【0176】
このように、二次欠陥はユーザデータを記録する動作中にも発生するので、二次欠陥の発生に伴う交替処理を行いながら安定したパフォーマンスで記録を実行するには、記録すべきデータを格納するデータバッファ用のバッファメモリ領域を確保する必要がある。
【0177】
図10は、本実施形態の光ディスク記録装置における記録動作中の欠陥管理およびバッファメモリ領域管理手順の一例を示すフローチャートである。
【0178】
外部装置からライトコマンドを受けて、データ記録処理を開始する(ステップ1001)。
【0179】
データ記録実施後のクラスタに対してベリファイ処理を行う(ステップ1002)。
【0180】
ベリファイ処理では、対象となるクラスタが所定以上の品質で記録ができているかどうか判定する(ステップ1003)。記録データ品質の確認方法は、ステップ1001にて記録を実施したクラスタを再生してみて再生データの誤り発生率が所定のクライテリア以下であるかどうかで判定する方法がある。
【0181】
ステップ1003において、当該クラスタのベリファイがクライテリアOKと判定されると、当該クラスタへの記録処理は終了である。
【0182】
ステップ1003において、当該クラスタのベリファイがクライテリアNGと判定された場合、もしくは、フローチャートには示していないが、データ記録処理中に当該クラスタが(ディスクの傷などの影響で)記録不能と判断された場合について考えてみる。
【0183】
このような場合、当該クラスタを欠陥と見なし、記録すべきデータを代替先のクラスタへ記録する(ステップ1004)。
【0184】
欠陥管理リストDFLに、欠陥元クラスタおよび代替先クラスタの番地情報を含む新規欠陥エントリを追加し、追加された内容をディスク上に更新する(ステップ1005)。
【0185】
なお、フローチャートには反映していないが、ステップ1004には以下に述べる処理を含んでいることが望ましい。その処理とは、代替クラスタへの記録品質を確かめるためライト&ベリファイ処理を実施し、ベリファイクライテリアNGなら、必要に応じてさらに別の代替クラスタへ記録を行い、ベリファイクライテリアOKとなるまで継続する処理である。その場合、ベリファイクライテリアNGとなったクラスタは全て代替先なしの欠陥クラスタとして欠陥エントリを追加するとともに、最初の欠陥元クラスタが最後にベリファイクライテリアOKとなったクラスタに代替済みであることが分かるように欠陥エントリを追加する。
【0186】
ステップ1005において、欠陥管理リストDFLの内容を更新したあと、データ用バッファの割り当て可能サイズを計算する(ステップ1006)。これは、欠陥エントリの増加に伴い、欠陥管理エントリDFLの保持用にバッファメモリの割り当てサイズを変更する必要があるかどうか確認するために行う。ステップ1006の処理は、具体的には、図8を用いて説明したような手順でよい。
【0187】
ステップ1006の計算結果を元に、割り当てサイズの変更が必要かどうかを判断する(ステップ1007)。ステップ1007において、光ディスク101へデータ記録に伴い生じた更なる欠陥エントリが、欠陥エントリ追加許容数αを超えるかどうかに基づいて、割り当てサイズの変更が必要かどうかを判断するとよい。
【0188】
ステップ1007において、変更が必要と判断された場合は、欠陥管理エントリDFL保持用の割り当て単位を1増やし、データ用バッファの割り当て単位を1減らすように、バッファメモリの割り当て設定を変更する(ステップ1008)。
【0189】
ステップ1008においてバッファメモリ割り当て設定変更後、もしくは、ステップ1007において変更が不要と判断された場合、当該クラスタへの記録処理は終了とする。
【0190】
なお、データ用バッファの割り当て単位を減らす際、最後に代替処理を行ったデータが格納されているブロックを対象にするとよい。データ用バッファ領域をリングバッファとして利用している場合、図9で説明したようなポインタ管理を行うのが効率的である。
【0191】
例えば、割り当て変更前のバッファメモリ管理が図9bで示す状態であり、最後に代替処理を行ったデータが格納されているブロックが、ブロック#1であったとしよう。この場合、ブロック#1を欠陥管理リストDFL保持用の空間に割り当てなおし、図9cに示すような割り当て状態になるように変更するとよい。
【0192】
また、図示しないが、最後に代替処理を行ったデータが格納されているブロックが、ブロック#18であったとしよう。この場合には、ブロック#18を欠陥管理リストDFL保持用の空間に割り当てなおし、リングバッファのポインタ管理としては、p1→p2→p3→p4→・・・→p16→p17→p19→p20→・・・→p26→p1→p2となるようにするとよい。
【0193】
以上説明したように、バッファメモリの割り当てサイズ変更は、光ディスク101へデータ記録に伴い生じた更なる欠陥エントリに属する記録データを代替先クラスタへ記録処理した後に実施するとよい。こうすることにより、代替処理が終わってデータ用バッファ上に保持しておく必要のなくなった空間を、欠陥管理リストDFLの保持用に割り当てなおすことが、容易に行える。従って、一度格納したデータを他の空間に置き直すなど、煩雑な処理を行う必要なく簡易な制御で、バッファメモリの管理が実施可能となる。
【0194】
図22は、本実施形態の光ディスク記録装置における記録動作中の欠陥管理およびバッファメモリ領域管理手順の別の例を示すフローチャートである。ここでは、データの記録を連続的に行う途中に欠陥管理が発生した場合を例にとる。
【0195】
光ディスク記録装置は、外部装置からのライトコマンドに対して、実際に光ディスク101に記録処理を完了するより前に、記録すべきデータを受信しバッファメモリ506に格納でき次第、記録が成功したものとして外部装置へステータスを送信するのが一般的であり、ライトキャッシュ機能と呼ばれる。
【0196】
光ディスク記録装置において連続的に記録動作を行う場合、ライトキャッシュ機能を搭載していれば、外部装置からのライトコマンドに対して成功のステータスを返すと、続いて外部装置からのライトコマンドを受け付けるので、バッファメモリ506に空きがあり次第、連続的な記録動作が行える。従って、ライトキャッシュ機能の搭載により、光ディスク101への記録アクセスに伴うオーバーヘッドを吸収し、記録速度パフォーマンスを向上できる。
【0197】
外部装置からライトコマンドを受けて、データ記録処理を開始する(ステップ2201)。ステップ2201では、所定アドレスから複数のクラスタに渡って連続的にデータを記録する場合でも、欠陥管理動作を伴う場合はライト&ベリファイ処理をするため、所定数nの連続クラスタ単位に区切ってデータ記録処理を行う。
【0198】
データ記録後ベリファイ処理を行う(ステップ2202)。
【0199】
ベリファイ処理ではステップ2201にて記録を実施した箇所に対して、nクラスタ連続で再生しながら、1クラスタ単位でベリファイクライテリアを満たしているか判定する(ステップ2203)。
【0200】
ステップ2203において、当該クラスタのベリファイがクライテリアOKと判定されると、ベリファイすべき後続クラスタが残っているかどうか判定する(ステップ2204)。
【0201】
ステップ2204において、後続クラスタが残っていると判定されると、ベリファイ処理を継続すべく、ステップ2202に戻る。nクラスタ分のベリファイ処理が完了し後続クラスタが残っていないと判定されると、ステップ2205に進む。
【0202】
ステップ2205は、記録すべきデータが残っているかどうか判定するルーチンである。ライトキャッシュ機能が動作している場合、光ディスク101に対して先のライトコマンドに対応した記録を行いつつ、続けて次のライトコマンドに対応したデータを受信しバッファメモリ506に蓄積する。
【0203】
バッファメモリ506に蓄積済みのデータを光ディスク101にすべて記録終了し、後続のライトコマンドがない場合、記録終了となる。まだ、記録すべきデータがバッファメモリ506に残っている場合、ステップ2201に戻りデータ記録処理を継続する。
【0204】
次に、ステップ2203において、当該クラスタのベリファイがクライテリアNGと判定された場合、もしくは、フローチャートには示していないが、データ記録処理中に当該クラスタが(ディスクの傷などの影響で)記録不能と判断された場合について考えてみる。
【0205】
このような場合、欠陥管理リストDFLに当該クラスタの番地情報を欠陥クラスタとして新規の欠陥エントリを追加登録し(ステップ2206)、代替先への記録を実行するか否かを判断する(ステップ2207)。
【0206】
ステップ2207において、代替先への記録を実行すると判断した場合、代替クラスタへの記録を実行し(ステップ2208)、欠陥管理リストDFLにステップ2206において追加した欠陥エントリに対して、代替クラスタの番地情報の内容を加えて更新する(ステップ2209)。
【0207】
なお、フローチャートには反映していないが、ステップ1008には以下に述べる処理を含んでいることが望ましい。その処理とは、代替クラスタへの記録品質を確かめるためライト&ベリファイ処理を実施し、ベリファイクライテリアNGなら、必要に応じてさらに別の代替クラスタへ記録を行い、ベリファイクライテリアOKとなるまで継続する処理である。
【0208】
ステップ2207において、代替先への記録を実行しないと判断した場合、ステップ2204に戻り、後続のベリファイ処理もしくはデータ記録処理に移行する。代替先への記録を実行しないケースとして、いったん欠陥クラスタ登録を行い、後ほどまとめて代替クラスタへの記録を行う場合、もしくは、欠陥クラスタ登録のみ行い、代替処理は実行しないなど場合がある。ビデオコンテンツの録画など、記録信号の品質よりもリアルタイム処理が要求が強い場合を想定したケースである。
【0209】
ステップ2209において、欠陥管理リストDFLの内容を更新したあと、データ用バッファの割り当て可能サイズを計算する(ステップ2210)。これは、欠陥エントリの増加に伴い、欠陥管理エントリDFLの保持用にバッファメモリの割り当てサイズを変更する必要があるかどうか確認するために行う。ステップ2210の処理は、具体的には、図8を用いて説明したような手順でよい。
【0210】
ステップ2210の計算結果を元に、割り当てサイズの変更が必要かどうかを判断する(ステップ2211)。ステップ2211において、光ディスク101へデータ記録に伴い生じた更なる欠陥エントリが、欠陥エントリ追加許容数αを超えるかどうかに基づいて、割り当てサイズの変更が必要かどうかを判断するとよい。
【0211】
変更が必要と判断された場合は、欠陥管理エントリDFL保持用の割り当て単位を1増やし、データ用バッファの割り当て単位を1減らすように、バッファメモリの割り当て設定を変更する(ステップ2212)。
【0212】
変更が不要と判断された場合は、ステップ2204に戻り、後続のベリファイ処理もしくはデータ記録処理に移行する。
【0213】
ステップ2212において、データ用バッファの割り当て単位を減らす際、最後に代替処理を行ったデータが格納されているブロックを対象にするとよい。データ用バッファ領域をリングバッファとして利用している場合、図9で説明したようなポインタ管理を行うのが効率的である。割り当て変更の具体的手順は上述の通りである。
【0214】
以上説明したように、バッファメモリの割り当てサイズ変更は、光ディスク101へデータ記録に伴い生じた更なる欠陥エントリに属する記録データを代替先クラスタへ記録処理した後に実施するとよい。こうすることにより、代替処理が終わってデータ用バッファ上に保持しておく必要のなくなった空間を、欠陥管理リストDFLの保持用に割り当てなおすことが、容易に行える。従って、一度格納したデータを他の空間に置き直すなど、煩雑な処理を行う必要なく簡易な制御で、バッファメモリの管理が実施可能となる。
【0215】
また、代替クラスタへの記録を後でまとめて実施する場合にも、欠陥エントリ追加許容数αを超えない範囲で、まとめて代替クラスタ記録を実行することにより、バッファメモリの割り当てサイズを変更する処理の回数を減らし、処理を簡略化できる。
【0216】
(実施の形態2)
光ディスクの所定領域に記録されている管理情報を読み出す読み出しステップと、前記読み出しステップにより読み出した管理情報を前記光ディスクに記録されているところのデータサイズより少ないバイト数となるように圧縮する圧縮ステップと、前記圧縮ステップにより圧縮された管理情報を前記バッファメモリへ格納する格納ステップとを含むようなバッファメモリ管理方法として好適な実施形態について示す。さらには、上記圧縮処理またはその逆の伸張処理を含む記録、再生、データ更新、データ送受信の処理を一連の処理として高速に実行できる記録処理装置、再生処理装置について、つまり本発明の第4から第9の態様として、好適な実施形態を以下に説明する。
【0217】
図12は、本実施の形態における欠陥管理リストDFLのデータフォーマット、ならびにデータ圧縮処理の一例を示す模式図である。
【0218】
図12aに示すとおり、欠陥管理リストDFLは、ヘッダ情報1101、欠陥管理リストのエントリ群1102、フッタ情報1103を含み、図11aにて説明した構成要素と同様の機能を有するものとし、詳細な説明は省略する。
【0219】
欠陥管理リストDFLに含まれるエントリ数はディスク媒体や記録状態に依存して可変であるため、欠陥管理リストDFLに含まれる情報のサイズも変化する。これに対して、欠陥管理情報領域103に属する1クラスタに含まれるデータサイズは64キロバイトと一定であるから、欠陥管理リストDFLを可変長のままで欠陥管理情報領域に格納するのは不便である。これを回避するため、64キロバイトのデータ長にあうように、余りのバイトを空きであることを明示する意味でゼロ(NULL)データで埋める。すなわち、図12aに示すリザーブ(NULL埋め)が上記余りのバイトに相当する。
【0220】
このようにリザーブ(NULL埋め)領域はゼロデータの連続であり、その連続数は欠陥管理リストDFLに含まれるエントリ数が小さいほど大きくなる。
【0221】
また、欠陥管理リストDFLに含まれるエントリ数が大きく、64キロバイトのデータサイズに収まらない場合には、欠陥管理リストDFLが複数クラスタのデータサイズに相当する複数のブロックにまたがってバッファメモリに格納される結果となる。この場合にも、64キロバイトの略倍数のデータサイズからあふれた余りの欠陥エントリが格納される最後のブロックにおいて、余りのバイトはリザーブ(NULL埋め)となる。
【0222】
従って、欠陥管理リストDFLに含まれるエントリ数が複数ブロックにまたがるほど大きい場合であっても、最後のブロックに格納される余りのエントリ数が小さいほど、リザーブのサイズ、つまりゼロデータの連続数は大きくなる。
【0223】
このような特徴を利用して、ゼロデータの連続が格納されている領域を圧縮するように処理する。
【0224】
図12bはリザーブ領域のサイズが102バイト、つまり”00”となるデータが102個連続している様子を表している。これを”00”と連続個数を表すコード“66”(16真数で102)を表すことで、2バイトの情報に圧縮することが可能である。つまり、図12cに示すとおり、{00,66}の2バイトになる。
【0225】
また、別の例として、図12dはリザーブ領域のサイズが2052バイト、つまり“00000000”の4バイトパターンとなるデータが513個連続している様子を表している。これを“00000000”の4バイトパターンと連続個数を表すコード“0201”(16進数で513)を表すことで、合計6バイトの情報に圧縮することが可能である。
【0226】
このように、欠陥管理情報に含まれるリザーブデータを圧縮してからバッファメモリに格納することにより、バッファメモリの領域を節約することが可能となり、その分空いたバッファメモリ空間をその他の用途に流用することが可能となる。
【0227】
これは、光ディスクの所定領域に記録されている管理情報を前記光ディスクに記録されているところのデータサイズより少ないバイト数となるように圧縮してからバッファメモリへ格納することでバッファメモリの有効利用を図る一例である。
【0228】
図13は、本実施形態における欠陥管理リストDFLのデータフォーマット、ならびにデータ圧縮処理の別例を示す模式図である。
【0229】
図13aに示すとおり、欠陥管理リストDFLは、ヘッダ情報1101、欠陥管理リストのエントリ群1102、フッタ情報1103を含み、図11aにて説明した構成要素と同様の機能を有するものとし、詳細な説明は省略する。
【0230】
図13bは、欠陥管理リストDFLに含まれるエントリ群1102の中身を詳細に示した例である。各欠陥エントリには、欠陥元のクラスタの番地情報、代替先のクラスタの番地情報、及びステータス情報を含む。欠陥元および代替先のクラスタに対応した番地情報は、各30ビットからなる物理アドレス番号を含む。ステータス情報は、当該欠陥エントリの状態を示す4ビットの情報である。当該エントリがいかなる状態にあるか、すなわち、代替先が決まっていない欠陥クラスタの番地情報のみ含まれる状態か、代替先も決定しており代替クラスタの番地情報も含まれる状態か、所定の理由により代替先クラスタのみ仮登録されている状態か、といった状態がステータス情報の値により識別可能になっている。以上の情報をまとめると、各欠陥エントリのサイズは64ビット=8バイト固定となる。
【0231】
ここで、図13bを例に、欠陥管理エントリ群1102が有する規則性について言及しておく。
【0232】
規則性の一つ目は、番地情報が連続した欠陥エントリである。図13bでは、5個連続した欠陥クラスタが5個連続した代替クラスタに代替されている例を示している。このような5個連続のエントリの合計バイト数は8×5=40バイトとなる。前記5個連続のエントリに含まれる情報を、連続した欠陥クラスタのうち先頭クラスタのアドレス(この場合、16進数で0x01234560)、連続した代替クラスタのうち先頭クラスタのアドレス(この場合、16進数で0x07654320)、およびクラスタの連続数を示すコード(この場合、0x005)に置き換えることが可能である。これにより、合計バイト数は64ビット+16ビット=10バイトに圧縮できる。つまり、番地情報が連続した欠陥エントリは、その規則性を利用して情報量を圧縮することが可能である。
【0233】
上記一つ目の規則性は、欠陥管理リストに含まれる連続クラスタに渡る欠陥エントリの登録を、{連続するクラスタの先頭アドレス値+連続クラスタ数}の形式に変換することでビット圧縮を行う方法の一例である。
【0234】
なお、上記連続クラスタに渡る欠陥エントリは、必ずしも元のエントリ群の中で連続して配置されている必要はない。元のエントリ群をアドレス番号順にソートすることで連続する関係となった複数エントリを対象にして、上述の形式でビット圧縮を行ってもよい。
【0235】
規則性の二つ目は、未代替のステータス“0001”を有する欠陥エントリである。図13bでは、欠陥元アドレスが0x03456780、交替先アドレスが0x00000000となっている例を示している。未代替のステータスは代替先が決まっていないので交替先アドレスを情報として保持する必要はなく、さらに未代替のステータスを“01”に置き換えることで、合計32ビット=4バイトに圧縮できる。つまり、未代替のステータスを持つ欠陥エントリは、その規則性を利用して情報量を圧縮することが可能である。
【0236】
規則性の三つ目は、仮登録のステータス“0010”を有する欠陥エントリである。図13bでは、欠陥元アドレスが0x00000000、交替先アドレスが0x0789ABC0となっている例を示している。仮登録のステータスは欠陥元がないが代替先のみ仮登録されているので欠陥元アドレスを情報として保持する必要はなく、さらに仮登録のステータスを“10”に置き換えることで、合計32ビット=4バイトに圧縮できる。つまり、仮登録のステータスを持つ欠陥エントリは、その規則性を利用して情報量を圧縮することが可能である。
【0237】
上記二つ目、三つ目の規則性は、欠陥管理リストに含まれる欠陥エントリ毎のステータス値に応じて含まれる情報の規則が異なることを利用し、異なる方法でビット圧縮を行う方法の一例である。
【0238】
上記3種類の規則性を利用することにより、図13bに示す7個のエントリからなる合計8バイト×7=56バイトの情報は、図13cに示すように10+4+4=18バイトと、約3分の1の情報量に圧縮された。
【0239】
なお、一つ目の規則性は、欠陥元クラスタの連続性、代替先クラスタの連続性、どちらか一方でも適用可能であり、二つ目の規則性、もしくは三つ目の規則性との併用が可能であることは明らかである。上記併用により、さらに効果的なデータ圧縮ができる。
【0240】
また、図示していないが、本例の他にも、管理情報が有する規則性を利用してビット圧縮が可能な例がある。
【0241】
例えば、欠陥元クラスタや代替先クラスタのアドレス値の規則性を利用することが可能である。利用できる規則性として、下位ビットや上位ビットが固定値となる点がある。
【0242】
パーソナルコンピュータなどの外部装置では、情報のアクセス単位である1セクタのデータサイズが2キロバイトであり、番地情報としてのアドレス値も2キロバイトを単位として付与されているのに対して、光ディスクの記録再生を行う単位である1クラスタは、一般的に複数セクタを含む単位となっている。本実施の形態で示すように、1クラスタのデータサイズは64キロバイトである場合、1クラスタは32セクタからなるため、各クラスタを示すアドレス値の下位5ビットは常に“00000”となっている。このことを利用して下位5ビットの情報を削除するように置換することでデータ圧縮が可能である。
【0243】
光ディスクのユーザデータ記録領域に含まれる物理アドレス空間は、光ディスク一枚の容量で決まるが、番地情報の単位は8ビットの倍数となる切りの良い数字にすることが一般的であり、物理アドレス空間を越える上位ビットが固定値になる。このことを利用して、固定値となる上位ビットの情報を削除するように置換することでデータ圧縮が可能である。
【0244】
これも、光ディスクの所定領域に記録されている管理情報を前記光ディスクに記録されているところのデータサイズより少ないバイト数となるように圧縮してからバッファメモリへ格納することでバッファメモリの有効利用を図る一例である。
【0245】
図14は、本実施形態における記録管理情報のデータフォーマット、ならびにデータ圧縮処理の一例を示す模式図である。
【0246】
図14aは光ディスクの記録管理情報の一例である。
【0247】
記録管理情報とは、光ディスクの所定の領域に対して、記録を行った履歴が分かるような情報である。この場合、ユーザデータ記録領域のうち、ある開始アドレスを先頭とする所定の領域に含まれる全クラスタを対象に、記録済みか未記録かのクラスタ毎の識別が可能なビットマップデータを含んである。
【0248】
このビットマップデータをスペースビットマップデータ1402と呼ぶ。スペースビットマップデータ1402は1ビットが1クラスタを表しており、先頭アドレスから順番に、ビット1を記録済みクラスタ、ビット0を未記録クラスタとして、全クラスタの識別を可能にしている。
【0249】
ヘッダ情報1401は記録管理情報の先頭に付与されており、識別情報や属性データ等を含んでいる。ヘッダ情報1401は、ビットマップ開始アドレス1403とビットマップデータ長1404を含んでいる。
【0250】
ビットマップ開始アドレスは1403は、スペースビットマップデータ1402の先頭ビットが指し示すアドレス値を含んでいる。図14bの例では、16進数で0x01234560となっており、上記値が所定領域の先頭アドレスであることを示す。
【0251】
ビットマップデータ長1404は、スペースビットマップデータ1402の総ビット数、つまり対象となる所定領域の総クラスタ数がコード化された情報を含む。図14cの例では、16進数で0x00002710となっており、所定領域のサイズが10000クラスタからなることを示す。
【0252】
図14dは、スペースビットマップデータ1402の中身の一例を示している。スペースビットマップデータ1402は、ビット1、ビット0が連続する規則性を有していることが多い。これは、光ディスクに対するデータの記録が複数クラスタ連続して行われることが多いことに起因している。
【0253】
この規則性を利用してビット圧縮を行う例を示したのが、図14eである。ビット1の連続パターン、ビット0の連続パターンの繰り返しからなるスペースビットマップデータ1402を、ビット1の連続数、ビット0の連続数を表す形式に変換している。先頭には極性情報を付与し、スペースビットマップデータ1402の先頭ビットがビット0かビット1のどちらから開始しているか判別できるようにしている。末尾には、終了フラグを付与し、スペースビットマップデータ1402の末尾が容易に判別できるようにしている。
【0254】
このように、データの記録はある程度連続した領域に対して行われることが多いという性質を利用して、スペースビットマップデータ1402に含まれる連続するビット0およびビット1を、それぞれ、ビット0の連続数およびビット1の連続数を表す形式に変換することで効果的なビット圧縮を行うことが可能となる。
【0255】
これも、光ディスクの所定領域に記録されている管理情報を前記光ディスクに記録されているところのデータサイズより少ないバイト数となるように圧縮してからバッファメモリへ格納することでバッファメモリの有効利用を図る一例である。
【0256】
図15は、本実施形態における記録再生制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0257】
記録再生制御装置は、記録処理603、再生処理503、圧縮伸張処理1501、メモリ制御1502、ホストインタフェース508、システム制御1503、およびバッファメモリ507を含む。前記記録再生制御装置は、1チップのシステムLSIとして実現してもよい。また、バッファメモリ507としてDRAM等の汎用メモリを用い、その他の構成要素をシステムLSIとして実現してもよい。また、さらにはシステム制御1503を汎用マイクロプロセッサ等を用いて別チップとしたり、ソフトウェア処理として実現するようにしてもよい。
【0258】
ここで、再生処理503、ホストインタフェース508、およびバッファメモリ507は図5にて説明した構成要素と同様の機能を有するブロックであり、詳細な説明は省略する。また、記録処理603は、図6にて説明した構成要素と同様の機能を有するブロックであり、詳細な説明は省略する。
【0259】
圧縮伸張処理1501は、光ディスクの所定領域に記録されている管理情報を前記光ディスクに記録されているところのデータサイズより少ないバイト数となるように圧縮する機能を有する。また、逆に圧縮された状態のデータを、元の管理情報の形式に戻す伸張機能を有する。
【0260】
メモリ制御1502は、バッファメモリ507に対してデータの書き込み及び読み出しを制御する機能を有する。また、記録処理603、再生処理503、圧縮伸張処理1501、ホストインタフェース508が、バッファメモリ507を共用しながら複数の処理を高速に実行し、かつ逐次処理でなく並列に実行可能なように、DMA(ダイレクトメモリアクセス)機能やバス調停機能を有することが好ましい。
【0261】
例えば、バッファメモリ507へのデータ書き込み(図15の矢印(3))の内訳は、再生処理503からの再生データ(矢印(1))、圧縮伸張処理1501からの圧縮もしくは伸張後のデータ(矢印(5))、およびホストインタフェースからの外部受信データ(矢印(7))である。これらのアクセスが競合する状況においても、メモリ制御1502はシステム動作が滞りなく高速に実行できるように周辺機能からバッファメモリ507へのデータ書き込みアクセスを制御する。
【0262】
また、バッファメモリ507からのデータ読み出し(図15の矢印(4))の内訳は、記録処理603向けの記録データ(矢印(6))、圧縮伸張処理1501向けの圧縮もしくは伸張前のデータ(矢印(2))、およびホストインタフェース向けの外部送信用データ(矢印(8))である。これらのアクセスが競合する状況においても、メモリ制御1502はシステム動作が滞りなく高速に実行できるようにバッファメモリ507から周辺機能へのデータ読み出しアクセスを制御する。
【0263】
また、上述した周辺機能間でバッファメモリ507のデータ書き込みおよびデータ読み出しが同時並行で実施されるような状況においても、メモリ制御1502はシステム動作が滞りなく高速に実行できるようにバッファメモリ507と上記周辺機能間のデータ書き込みおよびデータ読み出しアクセスを制御する。
【0264】
システム制御1503は、一連のシステム動作を実現できるように、記録処理603、再生処理503、圧縮伸張処理1501、メモリ制御1502、ホストインタフェース508を直接、もしくはメモリ制御1502を介して間接的に動作制御する。
【0265】
図16および図17は、本実施形態における記録再生制御装置の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0266】
図16aは、ディスクから読み出した管理情報を圧縮しバッファメモリに格納する一連の動作フローである。まず、再生処理503がディスクから管理情報を読み出す。次に、読み出した前記管理情報を圧縮伸張処理1501がデータ圧縮する。さらに、圧縮処理された前記データをバッファメモリ507に格納する。
【0267】
ここで、上記3段階の処理を逐次処理ではなく、同時並行で動作できるように制御すると、より高速なシステム動作を実現できる。つまり、図15に示したブロック構成に照らして説明すると、ディスクから再生した管理情報に対応した再生処理503の出力(1)を、バッファメモリ507を介さず圧縮伸張処理1501への入力(2)とし、圧縮伸張処理1501によりデータ圧縮された出力(5)を、バッファメモリ507への書き込みデータ(3)とするように、メモリ制御1502が一連のアクセス動作を制御する。
【0268】
これにより、圧縮処理に伴う処理時間オーバーヘッドを低減でき、圧縮処理用にバッファメモリ507にテンポラリの処理領域を確保するといった無駄を省くことが可能になる。なお、図16aに示したこれら一連の処理をコマンドとしてパッケージ化し、ソフトウェア処理により1システム動作として実現するようにしてもよい。
【0269】
図16bは、圧縮されたデータ形式でバッファメモリ507に格納されている管理情報の内容を更新し、再びバッファメモリに格納する一連の動作フローである。
【0270】
まず、メモリ制御1502が圧縮された管理データをバッファメモリ507から読み出す。次に、圧縮伸張処理1501が読み出された前記管理データを伸張処理する。次に、伸張された管理情報の内容を一部更新し、再び圧縮伸張処理1501が更新された管理情報を圧縮処理する。メモリ制御1502は再び圧縮された管理データをバッファメモリ507に格納する。
【0271】
ここで、上記5段階の処理を逐次処理ではなく、同時並行で動作できるように制御すると、より高速なシステム動作を実現できる。つまり、図15に示したブロック構成に照らして説明すると、バッファメモリから読み出したデータ(4)を、圧縮伸張処理1501への入力(2)とし、圧縮伸張処理1501によりデータ伸張された出力(5)の内容を一部更新し、更新された管理情報を圧縮伸張処理1501により再びデータ圧縮し、圧縮伸張処理1501によりデータ圧縮された出力(5)を、バッファメモリへの書き込みデータ(3)とするように、メモリ制御1502が一連のアクセス動作を制御する。
【0272】
これにより、圧縮および伸張処理に伴う処理時間オーバーヘッドを低減できる。なお、バッファメモリ507にテンポラリの処理領域を用意し、伸張処理した管理情報をいったん保持してから、バッファメモリ上で一部内容を更新するようにしてもよい。または、バッファメモリ507にテンポラリの処理領域を用意せずに、伸張処理→内容更新→再圧縮処理を、圧縮伸張処理1501とメモリ制御1502の協調動作として実現するようにしてもよい。また、図16bに示したこれら一連の処理をコマンドとしてパッケージ化し、ソフトウェア処理により1システム動作として実現するようにしてもよい。
【0273】
図16cは、圧縮されたデータ形式でバッファメモリ507に格納されている管理情報の内容を更新し、更新された管理情報をディスク上へ記録する一連の動作フローである。
【0274】
まず、メモリ制御1502が圧縮された管理データをバッファメモリ507から読み出す。次に、圧縮伸張処理1501が読み出された前記管理データを伸張処理する。次に、伸張された管理情報の内容を一部更新し、更新された管理情報を記録データとして記録処理603へ出力する。
【0275】
ここで、上記5段階の処理を逐次処理ではなく、同時並行で動作できるように制御すると、より高速なシステム動作を実現できる。つまり、図15に示したブロック構成に照らして説明すると、バッファメモリから読み出したデータ(4)を、圧縮伸張処理1501への入力(2)とし、圧縮伸張処理1501によりデータ伸張された出力(5)の内容を一部更新し、更新された管理情報を記録処理603への出力(6)とするように、メモリ制御1502が一連のアクセス動作を制御する。
【0276】
これにより、伸張処理に伴う処理時間オーバーヘッドを低減できる。伸張処理用にバッファメモリ507にテンポラリの処理領域を確保するといった無駄を省くことが可能になる。なお、図16cに示したこれら一連の処理をコマンドとしてパッケージ化し、ソフトウェア処理により1システム動作として実現するようにしてもよい。
【0277】
図17aは、圧縮されたデータ形式でバッファメモリ507に格納されている管理情報の内容を伸張し、外部装置へ送信する一連の動作フローである。
【0278】
まず、メモリ制御1502が圧縮された管理データをバッファメモリ507から読み出す。次に、圧縮伸張処理1501が読み出された前記管理データを伸張処理する。さらに、伸張された管理情報をホストインタフェース508経由で外部装置へ送信する。
【0279】
ここで、上記3段階の処理を逐次処理ではなく、同時並行で動作できるように制御すると、より高速なシステム動作を実現できる。つまり、図15に示したブロック構成に照らして説明すると、バッファメモリから読み出したデータ(4)を、圧縮伸張処理1501への入力(2)とし、圧縮伸張処理1501によりデータ伸張された出力(5)を外部送信用データとしてホストインタフェースへの出力(7)とするように、メモリ制御1502が一連のアクセス動作を制御する。
【0280】
これにより、伸張処理に伴う処理時間オーバーヘッドを低減でき、伸張処理用にバッファメモリ507にテンポラリの処理領域を確保するといった無駄を省くことが可能になる。なお、図17aに示したこれら一連の処理をコマンドとしてパッケージ化し、ソフトウェア処理により1システム動作として実現するようにしてもよい。
【0281】
図17bは、外部から受信したディスク管理情報を圧縮処理し、バッファメモリ507に格納する一連の動作フローである。
【0282】
まず、外部装置からホストインタフェース508を介してディスク管理情報を受信する。次に、圧縮伸張処理1501が受信した前記管理情報を圧縮処理する。さらに、圧縮された管理データをバッファメモリ507に格納する。
【0283】
ここで、上記3段階の処理を逐次処理ではなく、同時並行で動作できるように制御すると、より高速なシステム動作を実現できる。つまり、図15に示したブロック構成に照らして説明すると、ホストインタフェースを介して受信したディスク管理情報(8)を、圧縮伸張制御1501への入力(2)とし、圧縮伸張制御1502によりデータ圧縮された出力(5)を、バッファメモリ507への書き込みデータ(3)とするように、メモリ制御1502が一連のアクセス動作を制御する。
【0284】
これにより、圧縮処理に伴う処理時間オーバーヘッドを低減でき、圧縮処理用にバッファメモリ507にテンポラリの処理領域を確保するといった無駄を省くことが可能になる。なお、図17bに示したこれら一連の処理をコマンドとしてパッケージ化し、ソフトウェア処理により1システム動作として実現するようにしてもよい。
【0285】
以上、図15、図16、図17を用いて説明した構成・処理フローにより、ディスク媒体の管理情報を圧縮された状態でバッファメモリに保持しておく場合においても、以下の効果を発揮できる。
【0286】
すなわち、ディスク媒体からの管理情報読み出し処理、ディスク媒体への管理情報記録処理、バッファメモリに保持した管理情報の内容の更新処理、外部装置との間におけるディスク媒体管理情報の送受信処理などの、各種処理を行う際、圧縮/伸張に伴うオーバーヘッド時間を低減し、性能劣化(管理データ更新,検索時間増)を防ぐことが可能になる。
【0287】
また、説明した内容によると、バッファメモリに圧縮/伸張処理用のテンポラリ処理領域を確保するといった無駄を省くことが可能になる。
【0288】
(実施の形態3)
データを記録可能な記録層を複数有するとともに、ディスク媒体に生じた欠陥を各記録層毎に分けて管理可能なように欠陥管理リストを分け、特定の記録層のみの欠陥管理リストを更新可能な形式で欠陥管理情報を保持する欠陥管理領域を備える多層型ディスク媒体と、前記媒体に対する記録処理および欠陥管理処理について、つまり本発明の第10から第12の態様として、好適な実施形態を以下に説明する。
【0289】
図18は、本実施形態における光ディスク1801の領域構造を示す模式図である。
【0290】
光ディスク1801は4つの記録層を有している。これは面記録密度が同一で半径サイズが同一の単層光ディスクに対して4倍の記録容量を実現できる。4つの記録層は、光ピックアップが情報を読み取るために光ビームを照射する面から一番遠い面から近い面にの方向に順番に、第0層、第1層、第2層、第3層、と便宜上名づける。
【0291】
第0層から第3層までの各記録層は、内周領域、欠陥管理領域、スペア領域、データ領域、外周領域を備えている。
【0292】
各記録層における欠陥管理領域には、欠陥管理リストを含む欠陥管理情報を記録することが可能である。また、各欠陥管理領域に記録される欠陥管理情報は、少なくとも当該記録層における欠陥管理リストを含んでいる。
【0293】
すなわち、光ディスク1801は、各記録層にデータを記録可能なデータ領域を有し、媒体に生じた欠陥を各記録層別に分けて管理可能なように欠陥管理リストを分け、特定の記録層のみの欠陥管理リストを更新可能な形式で欠陥管理情報を保持可能な欠陥管理領域の構成を有している。
【0294】
例えば、第0層のデータ領域D0に欠陥クラスタが生じた場合、当該クラスタに対する記録データはスペア領域S0に代替処理され、前記データ領域D0に属する欠陥クラスタと前記スペア領域S0に属する代替クラスタからなる欠陥エントリは、第0層の欠陥管理リストとして、欠陥管理情報領域C0に保持できる。
【0295】
このようにすることで、複数の記録層を有する多層型光ディスクであっても、欠陥管理情報の検索や更新は、少なくとも対象にしている記録層に対してのみ行えば良いことになり、欠陥管理リストのないよう検索や更新にかかる時間増加を防ぐことができる。
【0296】
図19は、本実施形態における光ディスク1801の欠陥管理リストの読み出し処理の一例を示すフローチャートである。
【0297】
まず欠陥管理リストを保持するためのバッファメモリを確保し領域割り当て設定を行う(ステップ1901)。次に、光ディスク1801の対象となる記録層から欠陥管理情報を読み出す(ステップ1902)。次に、ステップ1902で対象とした記録層に対する欠陥管理リストDFLを、ステップ1901にて確保したバッファメモリ領域に格納する(ステップ1903)。
【0298】
こうすることで、複数の記録層を有する多層型光ディスクに対して情報の記録再生を行う光ディスク装置において、欠陥管理情報の保持は、少なくとも対象にしている記録層に対してのみ行えば良いことになり、欠陥管理リストDFLを保持するのみ必要なバッファメモリ容量を必要最小限に抑えることができる。
【0299】
図20は、本実施形態における光ディスク1801のデータ記録処理および欠陥管理処理の一例を示すフローチャートである。
【0300】
図20においては、特にある記録層において、欠陥管理処理を伴うデータの記録を行う場合の処理手順例を示している。
【0301】
光ディスク1801に対して記録を行う場合、まず欠陥管理情報の読み出し処理を行う(ステップ2001)。
【0302】
次に対象となる記録層に対する欠陥管理リストをバッファメモリの所定領域へ保持する(ステップ2002)。
【0303】
記録すべきデータがあるかどうかの判断処理(ステップ2003)により、記録すべきデータがあると判断されると、当該記録層のデータ領域に対してデータ記録を行う(ステップ2004)。
【0304】
ステップ2004のデータ記録中に新たな欠陥クラスタが発生したかどうかの判断処理(ステップ2005)により、欠陥クラスタが発生していないと判断されると、ステップ2003に戻る。
【0305】
ステップ2005において、新たな欠陥クラスタの発生が認められると、当該記録層のスペア領域に属するクラスタ(代替クラスタ)に対してデータの記録を行い、前記欠陥クラスタおよび前記代替クラスタの番地情報を含む欠陥エントリを、当該記録層の欠陥管理リストDFLに追加する(ステップ2006)。
【0306】
更新された前記欠陥管理リストDFLに対して、さらなる欠陥エントリの追加が可能かどうか判断する(ステップ2007)。
【0307】
ステップ2007で欠陥エントリ追加できないと判断した場合、当該記録層の欠陥管理情報領域に、当該欠陥管理リストDFLの内容を更新する(ステップ2008)。その後、異なる記録層へ移動をし(ステップ2009)、ステップ2001に戻る。
【0308】
なお、ステップ2007の処理における判断基準は、当該記録層のスペア領域の空き容量、およびバッファメモリ上に確保した欠陥管理リストDFLを保持する領域の空き容量とする。
【0309】
当該記録層のスペア領域が所定未満となった場合、当該記録層への新たな代替処理を行えないと判断し、当該記録層への欠陥管理処理込みでの記録を禁止にする処置とする。
【0310】
また、当該記録層の欠陥管理リストDFLのエントリ数が多数となり、保持しなければならない欠陥管理リストDFLのサイズと、バッファメモリ上に確保した欠陥管理情報保持用の領域のサイズとの差が所定未満となった場合、当該記録層への新たな代替処理を行えないと判断し、当該記録層への欠陥管理処理込みでの記録を禁止にする処置とする。
【0311】
後者の判断基準は、記録速度性能(記録転送レートや記録アクセス時間)に対する装置への要求基準が厳しい場合に有効である。つまり、所定の記録速度性能を維持するには、データキャッシュ用のバッファ領域を所定サイズ以上確保することが必要になる。バッファメモリの全体サイズは、装置により予め決まっているから、データキャッシュ用のバッファ領域を確保した残りのサイズ以上に、欠陥管理情報保持用のバッファメモリ容量を確保することができない。
【0312】
従って、当該記録層の使用をやめて欠陥管理リストに登録されているエントリ数が少ない記録層へ移行することにより、データキャッシュ用バッファ領域のサイズを減らすことなくデータ記録を継続する。これにより、バッファメモリ容量を増やすことなく、所定の記録速度性能を維持することが可能になる。
【0313】
なお、記録速度性能を維持するために、当該記録層を記録禁止にする変わりに、欠陥管理なしの記録モードに変更するようにしてもよい。こうすることにより、欠陥管理を行わない分、記録データに対する信頼性は低下するが、当該記録層の空き領域を有効活用できる利点がある。
【0314】
以上説明したように、複数の記録層を有する多層型ディスク媒体に対して、各記録層ごとに欠陥管理情報を分けて保持し、対象にしている記録層に対してのみ欠陥管理情報の更新を行える構成としたことに加え、当該記録層の欠陥管理リストサイズが、バッファメモリ上に確保した領域のサイズに対して不足する状況となった場合に、当該記録層への記録をやめ別の記録層へデータ記録を継続するようにしたことのより、バッファメモリ容量を増やすことなく、所定の記録速度性能を維持することが可能になる。
【0315】
(実施の形態4)
ディスク媒体の複数の領域に対してデータ追記可能な領域を設定する第1のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な領域に対してデータの記録を行う第2のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な複数の領域毎に欠陥管理リストを分けてバッファメモリに保持する第3のステップと、前記第3のステップにより保持されている欠陥管理リストを前記欠陥管理領域へ記録する第4のステップを含むマルチセッション記録を行う方法について、つまり本発明の第13から第16の態様として、好適な実施形態を以下に説明する。
【0316】
欠陥管理情報領域を有する追記型光ディスクに対して、欠陥管理マルチセッション記録を行う場合について言及する。マルチセッション記録とは、追記型光ディスクに対して、複数の箇所に対して追記可能領域(セッション)を設定し、複数のセッションに対して、データ記録を行うようにすることである。
【0317】
本実施形態では、欠陥管理リストをセッションごとに管理するようにしている。
【0318】
図21は、本実施形態における光ディスクのデータ記録処理および欠陥管理処理の一例を示すフローチャートである。
【0319】
データの記録をおこなうまえに、新規の記録セッションを開始する(ステップ2101)。
【0320】
次に、当該記録セッションに対するスペア領域を割り当てる(ステップ2102。
【0321】
次に、記録すべきデータの有無を判断し(ステップ2103)、記録すべきデータがあると判断されると、データの記録処理を行う(ステップ2104)。
【0322】
ステップ2104のデータ記録中に新たな欠陥クラスタが発生したかどうかの判断処理(ステップ2105)により、欠陥クラスタが発生していないと判断されると、ステップ2103に戻る。
【0323】
ステップ2105において、新たな欠陥クラスタの発生が認められると、当該記録セッションのスペア領域に属するクラスタ(代替クラスタ)に対してデータの記録を行い、前記欠陥クラスタおよび前記代替クラスタの番地情報を含む欠陥エントリを、当該記録セッションに対応する欠陥管理リストDFLに追加する(ステップ2106)。
【0324】
更新された前記欠陥管理リストDFLに対して、さらなる欠陥エントリの追加が可能かどうか判断する(ステップ2107)。
【0325】
ステップ2107で欠陥エントリ追加できないと判断した場合、当該記録セッションの欠陥管理情報領域に、当該欠陥管理リストDFLの内容を更新する(ステップ2108)。その後、当該セッションをクローズし(ステップ2109)、新規の記録セッションを開始する(ステップ2101に戻る)。
【0326】
なお、ステップ2107の処理における判断基準は、当該記録セッションのスペア領域の空き容量、およびバッファメモリ上に確保した欠陥管理リストDFLを保持する領域の空き容量とする。
【0327】
なお、記録セッションごとにスペア領域は、予め所定値上限に設定しておいてもよいし、上限を設定しなくてもよい。
【0328】
当該記録セッションに対する欠陥管理リストDFLのエントリ数が多数となり、保持しなければならない欠陥管理リストDFLのサイズと、バッファメモリ上に確保した欠陥管理情報保持用の領域のサイズとの差が所定未満となった場合、当該記録セッションでの新たな代替処理を行えないと判断し、当該記録セッションをクローズし、新たな記録セッションに変更する処置とする。
【0329】
この判断基準は、記録速度性能(記録転送レートや記録アクセス時間)に対する装置への要求基準が厳しい場合に有効である。つまり、所定の記録速度性能を維持するには、データキャッシュ用のバッファ領域を所定サイズ以上確保することが必要になる。バッファメモリの全体サイズは、装置により予め決まっているから、データキャッシュ用のバッファ領域を確保した残りのサイズ以上に、欠陥管理情報保持用のバッファメモリ容量を確保することができない。
【0330】
従って、当該記録セッションをやめて、新たに欠陥管理リストのエントリ数がゼロから再開することにより、データキャッシュ用バッファ領域のサイズを減らすことなくデータ記録を継続する。これにより、バッファメモリ容量を増やすことなく、所定の記録速度性能を維持することが可能になる。
【0331】
以上説明したように、追記型ディスク媒体に対してマルチセッション記録を行う場合に、各記録セッションごとに欠陥管理情報を分けて保持し、対象にしている記録セッションに対してのみ欠陥管理情報の更新を行える構成としたことに加え、当該記録セッションの欠陥管理リストサイズが、バッファメモリ上に確保した領域のサイズに対して不足する状況となった場合に、当該記録セッションをクローズし新規の記録セッションでデータ記録を継続するようにしたことにより、バッファメモリ容量を増やすことなく、所定の記録速度性能を維持することが可能になる。
【0332】
なお、本実施の形態1から4においては、光ディスクを例にとって説明してきたが、磁気ディスクや光磁気ディスクなど他の記録媒体に対して情報の記録再生を行う装置にも適用可能である。また、ディスク媒体のような回転体に対してヘッドを半径方向に移動させてアクセスするため検索に時間がかかるような記録媒体に適用して効果が高いことは言うまでもないが、回転体でなくても、磁気テープやフラッシュメモリなど回転体ではない記録媒体に対しても、装置のバッファメモリをアクセスする時間より検索に時間がかかるような記録媒体に対して適用効果があることは明らかである。
【0333】
本発明は、特定の実施形態について説明されてきたが、当業者にとっては他の多くの変形例、修正、他の利用が明らかである。それゆえ、本発明は、ここでの特定の開示に限定されず、添付の請求の範囲によってのみ限定され得る。
【産業上の利用可能性】
【0334】
本発明は、ディスク装置で必要となる欠陥管理や記録再生制御に必要な管理データを保持するためのメモリ割当サイズが増えてしまう課題を解消し、その分記録再生データを蓄積するメモリ割当サイズを従来に比べて増すことが可能となるため、例えば、大容量・多層型のディスク媒体および高品位ビデオコンテンツを録画再生するディスクレコーダに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0335】
【図1】本発明の実施の形態1における光ディスク101の領域構造を示す模式図
【図2】光ディスクに対してデータの記録再生を行うディスク装置における、従来のバッファメモリ使用用途例を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における本発明の特徴となるバッファメモリ管理を模式的に示す図
【図4】本発明の実施の形態1におけるバッファメモリ管理の別の例を示す図
【図5】本発明に係る光ディスク再生装置の構成例を示すブロック図
【図6】本発明に係る光ディスク記録装置の構成例を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態1におけるバッファメモリの領域設定手順の一例を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1における欠陥管理リストDFLの内容からデータバッファの割り当て可能サイズを計算する手順例を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態1におけるバッファメモリ507の内部領域構成とポインタ管理の例を示す模式図
【図10】本発明の実施の形態1における光ディスク記録装置の記録動作中の欠陥管理およびバッファメモリ領域管理手順の一例を示すフローチャート
【図11】本発明の実施の形態1における欠陥管理リストDFLのデータフォーマットの一例を示す模式図
【図12】本発明の実施の形態2における欠陥管理リストDFLのデータフォーマット、ならびにデータ圧縮処理の一例を示す模式図
【図13】本発明の実施の形態2における欠陥管理リストDFLのデータフォーマット、ならびにデータ圧縮処理の別例を示す模式図
【図14】本発明の実施の形態2における記録管理情報のデータフォーマット、ならびにデータ圧縮処理の一例を示す模式図
【図15】本発明の実施の形態2における記録再生制御装置の構成例を示すブロック図
【図16】本発明の実施の形態2における記録再生制御装置の動作処理手順の一例を示すフローチャート
【図17】本発明の実施の形態2における記録再生制御装置の動作処理手順の別例を示すフローチャート
【図18】本発明の実施の形態3における光ディスク1801の領域構造を示す模式図
【図19】本発明の実施の形態3における光ディスク1801の欠陥管理リストの読み出し処理の一例を示すフローチャート
【図20】本発明の実施の形態3における光ディスク1801のデータ記録処理および欠陥管理処理の一例を示すフローチャート
【図21】本発明の実施の形態4における光ディスクのデータ記録処理および欠陥管理処理の一例を示すフローチャート
【図22】本発明の実施の形態1における光ディスク記録装置の記録動作中の欠陥管理およびバッファメモリ領域管理手順の別の例を示すフローチャート
【符号の説明】
【0336】
101 光ディスク媒体
102 内周領域
103 欠陥管理情報領域
104 スペア記録領域
105 ユーザデータ記録領域
106 外周領域
501 スピンドルモータ
502 光ピックアップ
503 再生処理
504 サーボ制御
505 トラバースモータ
506 メモリ制御
507 バッファメモリ
508 ホストインタフェース
509 システム制御
603 記録処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク装置においてディスク媒体から再生したデータを一時的に蓄積するバッファメモリの管理方法であって、ディスク媒体上の欠陥を管理する欠陥管理リストを前記ディスク媒体から読み出しバッファメモリに格納する第1のステップと、前記欠陥管理リストのエントリ数に応じて欠陥管理リストを保持する第1のバッファ領域を前記バッファメモリに割り当てるサイズを決定する第2のステップとを含むバッファメモリ管理方法。
【請求項2】
前記第1のステップは、前記欠陥管理リストに含まれるヘッダ情報から前記エントリ数を抽出するステップと、前記第2のステップにより割り当てられた第1のバッファ領域に対して前記欠陥管理リストに含まれる欠陥エントリを格納するステップを含む請求項1に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項3】
前記第1のバッファ領域を割り当てた残りのバッファメモリ容量に応じて、前記ディスク媒体から再生したデータを蓄積するデータバッファ領域を前記バッファメモリに割り当てるサイズを決定する第3のステップをさらに含む請求項1に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項4】
前記データバッファ領域に蓄積したデータを前記ディスク媒体へ記録する第4のステップをさらに含む請求項1に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項5】
前記第4のステップにより前記ディスク媒体へ記録されたデータをベリファイ処理する第5のステップをさらに含む請求項4に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項6】
前記ディスク媒体への記録に伴い新たに検出された欠陥エントリを欠陥管理リストに追加更新する第6のステップをさらに含む請求項4に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項7】
前記追加更新された欠陥管理リストのエントリ数に応じて前記データを格納するデータバッファ領域の割り当てサイズを変更する第7のステップとをさらに含む請求項6に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項8】
前記第1のバッファ領域の割当サイズの増加に応じて、前記データバッファ領域の割当サイズを減少することを特徴とする請求項6に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項9】
前記第1のバッファ領域の割り当てサイズおよび前記データバッファ領域の割り当てサイズは、前記ディスク媒体へ記録再生を行う単位であるクラスタのデータサイズの倍数に略一致していることを特徴とする請求項10に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項10】
前記データバッファ領域をリングバッファとして利用することを特徴とする請求項6に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項11】
前記第1のバッファ領域および前記データバッファ領域に対して略1クラスタのデータサイズを管理単位として、前記管理単位毎に一連の番号を付与し、前記番号を利用して前記データバッファ領域をリングバッファとして利用するためのポインタ管理を行うことを特徴とする請求項10に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項12】
前記第7のステップは、前記ディスク媒体へデータの記録に伴い生じた欠陥クラスタに記録すべきデータを代替先クラスタへ記録処理した後に実施することを特徴とする請求項7に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項13】
前記第7のステップにおいて、欠陥管理リストのエントリ数をD、欠陥管理リストのエントリのサイズをL、欠陥エントリ追加許容数をα、欠陥管理リストを保持する第1のバッファ領域の管理単位をM(ここでD,L,α,Mは各々1以上の整数)としたとき、前記第1のバッファ領域の割当サイズをN×M≧(D+α)×Lの関係式を満たす最小の整数Nとなるように決定することを特徴とする請求項7に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項14】
前記第7のステップにおいて、前記ディスク媒体へ記録再生を行う最小単位を1クラスタとし、前記ディスク媒体へ記録したデータの検査を行うベリファイ処理をVクラスタを最大とする単位で行う場合、α≧V(α,Vは各々1以上の整数)となるように欠陥エントリ追加許容数αを決定することを特徴とする請求項13に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項15】
前記第7のステップにおいて、前記ディスク媒体へ記録再生を行う最小単位を1クラスタとし、前記データバッファ領域としてのリングバッファに保持可能なデータサイズをWクラスタとした場合、α≧W(α,Wは各々1以上の整数)となるように欠陥エントリ追加許容数αを決定することを特徴とする請求項13に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項16】
欠陥管理領域を有するディスク媒体に記録されたデータの再生を行うディスク再生装置であって、前記ディスク媒体に記録されたデータを再生する再生手段と、前記データを一時的に蓄積するバッファメモリと、前記ディスク媒体の欠陥管理領域から欠陥管理情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取った欠陥管理情報のうち少なくとも欠陥管理リストを前記バッファメモリに保持する保持手段と、前記欠陥管理リストのエントリ数に応じて前記バッファメモリのうち前記読み出したデータを格納するデータバッファ領域の割当サイズを決定するメモリ管理手段とを含むディスク再生装置。
【請求項17】
欠陥管理領域を有するディスク媒体にデータの記録を行うディスク記録装置であって、前記ディスク媒体へ記録すべきデータを一時的に蓄積するバッファメモリと、前記バッファメモリに蓄積されたデータを前記ディスク媒体へ記録する記録手段と、前記ディスク媒体の欠陥管理領域から欠陥管理情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取った欠陥管理情報のうち少なくとも欠陥管理リストを前記バッファメモリに保持する保持手段と、前記欠陥管理リストのエントリ数に応じて前記バッファメモリのうち前記記録すべきデータを格納するデータバッファ領域の割当サイズを決定するメモリ管理手段とを含むディスク記録装置。
【請求項18】
ディスク装置においてディスク媒体から再生したデータもしくはディスク媒体へ記録すべきデータを一時的に蓄積するバッファメモリの管理方法であって、ディスク媒体の所定領域に記録されている管理情報を読み出す読み出しステップと、前記読み出しステップにより読み出した管理情報を前記ディスク媒体の記録されているところのデータサイズより少ないバイト数となるように圧縮する圧縮ステップと、前記圧縮ステップにより圧縮された管理情報を前記バッファメモリへ格納する格納ステップとを含むバッファメモリ管理方法。
【請求項19】
前記圧縮ステップは、前記読み出しステップにより読み出した管理情報に含まれるヌルデータ(16進数で00となるバイト)の連続パターンをヌルデータの連続個数を示す情報を含む形式に置換する処理を含むことを特徴とする請求項18に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項20】
前記圧縮ステップは、前記読み出しステップにより読み出した管理情報が有する規則性を利用して、前記管理情報のビット圧縮を行うことを特徴とする請求項18に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項21】
前記読み出しステップにより読み出した管理情報は前記ディスク媒体の欠陥を管理する欠陥管理リストを含み、前記圧縮ステップは、前記欠陥管理リストに含まれる欠陥エントリ毎のステータス値に応じて異なる方法でビット置換を行うことを請求項18に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項22】
前記読み出しステップにより読み出した管理情報は前記ディスク媒体の欠陥を管理する欠陥管理リストを含み、前記圧縮ステップは、前記欠陥管理リストに含まれる欠陥エントリ毎の欠陥クラスタのアドレス値および代替クラスタのアドレス値の下位ビットを削除することを請求項18に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項23】
前記読み出しステップにより読み出した管理情報は前記ディスク媒体の欠陥を管理する欠陥管理リストを含み、前記圧縮ステップは、前記欠陥管理リストに含まれる連続クラスタに渡る欠陥エントリのデータ形式を{連続する欠陥クラスタの先頭アドレス値+連続クラスタ数}の情報を含む形式に変換することを請求項18に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項24】
前記読み出しステップにより読み出した管理情報は前記ディスク媒体の記録済み領域を管理するスペースビットマップデータを含み、前記圧縮ステップは、前記スペースビットマップデータに含まれる連続するビット0およびビット1を、それぞれ、ビット0の連続数およびビット1の連続数を表す形式に変換することを請求項18に記載のバッファメモリ管理方法。
【請求項25】
管理情報記録領域を有するディスク媒体へ記録すべきデータの記録処理を行う記録処理装置であって、前記ディスク媒体へ記録すべきデータを一時的に蓄積するバッファメモリと、前記ディスク媒体の前記管理情報記録領域より読み出された管理データを圧縮する圧縮処理手段と、前記圧縮処理手段により圧縮された管理データを前記バッファメモリに保持する保持手段と、前記管理データに含まれる管理情報を更新する手段であって、前記圧縮された管理データを所定の形式に伸張し、伸張された管理データに含まれる管理情報の内容を変更し、変更された更新データを圧縮し、前記圧縮された更新データを再び前記バッファメモリに保持する動作を一連の処理で行う更新処理手段を有する記録処理装置。
【請求項26】
管理情報記録領域を有するディスク媒体へ記録すべきデータの記録処理を行う記録処理装置であって、前記ディスク媒体へ記録すべきデータを一時的に蓄積するバッファメモリと、前記ディスク媒体の前記管理情報記録領域より読み出された管理データを圧縮する圧縮処理手段と、前記圧縮処理手段により圧縮された管理データを前記バッファメモリに保持する保持手段と、前記管理データに含まれる管理情報を更新する手段であって、前記圧縮された管理データを所定の形式に伸張し、伸張された管理データに含まれる管理情報の内容を変更し、変更された更新データを前記ディスク媒体の管理情報記録領域へ記録すべきデータとして出力する動作を一連の処理で行う更新処理手段を有する記録処理装置。
【請求項27】
管理情報記録領域を有するディスク媒体に記録されたデータの再生処理を行う再生処理装置であって、前記ディスク媒体から読み出されたデータを一時的に蓄積するバッファメモリと、前記ディスク媒体の前記管理情報記録領域より読み出された管理データを前記バッファメモリに保持する手段であって、前記読み出された管理データを圧縮し、圧縮された管理データを前記バッファメモリに保持する動作を一連の処理で行う保持手段を有する再生処理装置。
【請求項28】
管理情報記録領域を有するディスク媒体に記録されたデータの再生処理を行う再生処理装置であって、前記ディスク媒体から読み出されたデータを一時的に蓄積するバッファメモリと、前記ディスク媒体の前記管理情報記録領域より読み出された管理データを圧縮する圧縮処理手段と、前記圧縮処理手段により圧縮された管理データを前記バッファメモリに保持する保持手段と、前記管理データを外部装置へ送信する送信処理手段であって、前記バッファメモリに保持している管理データを所定の形式に伸張し、伸張された管理データを外部装置へ送信する動作を一連の処理で行う送信処理手段を有する再生処理装置。
【請求項29】
管理情報記録領域を有するディスク媒体へ記録すべきデータの記録処理を行う記録処理装置であって、前記ディスク媒体へ記録すべきデータを一時的に蓄積するバッファメモリと、外部装置から受信したディスク管理情報をバッファメモリに格納する格納処理であって、外部装置からディスク管理情報を受信し、受信したディスク管理情報を圧縮し、圧縮したディスク管理情報を前記バッファメモリに格納する動作を一連の処理で行う格納処理手段を有する記録処理装置。
【請求項30】
欠陥管理領域を有する多層型ディスク媒体であって、データを記録可能な記録層を複数有するとともに、前記ディスク媒体に生じた欠陥を各記録層毎に分けて管理可能なように欠陥管理リストを分け、特定の記録層のみの欠陥管理リストを更新可能な形式で欠陥管理情報を保持する欠陥管理領域を備えたディスク媒体。
【請求項31】
データを記録可能な全ての記録層に欠陥管理領域を備え、各記録層における欠陥管理領域には少なくとも当該記録層に属する欠陥管理リストを含む欠陥管理情報が記録されることを特徴とする請求項30に記載のディスク媒体。
【請求項32】
欠陥管理領域を有する多層型ディスク媒体よりデータを記録または再生する方法であって、前記ディスク媒体は、データを記録可能な記録層を複数有するとともに、データを記録可能な全ての記録層に欠陥管理領域を備え、各記録層における欠陥管理領域には少なくとも当該記録層に属する欠陥管理リストを含む欠陥管理情報が記録されており、前記ディスク媒体の欠陥管理情報を保持する領域をバッファメモリ上に確保する第1のステップと、現在アクセスしている記録層もしくはこれからアクセスしようとする記録層の欠陥管理リストを前記欠陥管理領域から読み出す第2のステップと、前記第2のステップにより読み出された欠陥管理リストを前記第1のステップにより確保されたバッファメモリ上の所定領域に格納する第3のステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
欠陥管理領域を有する多層型ディスク媒体にデータを記録する方法であって、前記ディスク媒体は、データを記録可能な記録層を複数有するとともに、データを記録可能な全ての記録層に欠陥管理領域を備え、各記録層における欠陥管理領域には少なくとも当該記録層に属する欠陥管理リストを含む欠陥管理情報が記録されており、前記ディスク媒体の欠陥管理情報を保持する領域をバッファメモリ上に確保する第1のステップと、前記ディスク媒体にデータを記録する第2のステップと、現在データを記録している記録層もしくはこれからデータを記録しようとする記録層の欠陥管理リストを前記第1のステップにより確保されたバッファメモリ上の所定領域に保持する第3のステップと、前記第2のステップによるデータの記録中に新たな欠陥エントリが生じた際、当該記録層の欠陥管理リストのサイズが前記第1のステップにより確保したバッファメモリ上の領域のサイズに対して所定の関係以上になったことを検出すると当該記録層を記録禁止と判断する第4のステップとを含み、前記第2のステップにおいては第4のステップにより記録禁止となった記録層とは別の記録層に対してデータの記録を行うことを特徴とする方法。
【請求項34】
欠陥管理領域を有するディスク媒体に対してマルチセッション記録を行う方法であって、前記ディスク媒体の複数の領域に対してデータ追記可能な領域を設定する第1のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な領域に対してデータの記録を行う第2のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な複数の領域毎に欠陥管理リストを分けてバッファメモリに保持する第3のステップと、前記第3のステップにより保持されている欠陥管理リストを前記欠陥管理領域へ記録する第4のステップを含む方法。
【請求項35】
欠陥管理領域を有するディスク媒体に対してデータを記録する方法であって、前記ディスク媒体の複数の領域に対してデータ追記可能な領域を設定する第1のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な領域に対してデータの記録を行う第2のステップと、前記第2のステップにより所定量の記録が行われた領域に対してはそれ以上のデータの追記を行わないようにクローズ処理を行う第3のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な領域のうち前記第3のステップによりクローズ処理が行われていない領域に対する欠陥管理リストのみバッファメモリに保持する第4のステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項36】
欠陥管理領域を有するディスク媒体に対してデータを記録する方法であって、前記ディスク媒体の複数の領域に対してデータ追記可能な領域を設定する第1のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な領域に対してデータの記録を行う第2のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータ追記可能な領域毎に欠陥エントリの上限数を設定する第3のステップと、前記第2のステップにより所定の領域に対してデータの記録を実施した際、欠陥エントリ数が前記第3のステップにより設定された上限数を超えたとき当該領域に対してはそれ以上のデータの追記を行わないように処理する第4のステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項37】
欠陥管理領域を有するディスク媒体に対してデータを記録する方法であって、所定以上の転送レートで前記ディスク媒体に記録を行うために必要なデータバッファサイズをバッファメモリに設定する第1のステップと、前記第1のステップにより設定されたデータバッファ以外の領域に欠陥管理リストを保持する領域を設定する第2のステップと、前記ディスク媒体の所定の領域に対してデータ記録セッションを開始する第3のステップと、前記第3のステップによりデータの記録を実施した際、欠陥エントリ数が前記第2のステップにより設定された領域には収まらなくなった場合、当該領域に対する欠陥管理リストを前記ディスク媒体の欠陥管理領域に記録する第4のステップと、当該領域に対するデータ記録セッションを終了し異なる領域に対してさらなるデータ記録セッションを開始する第5のステップを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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