説明

ディスク駆動装置

【課題】小型で耐衝撃性能に優れたディスク駆動装置を提供する。
【解決手段】スロットローディング型の光ディスク駆動装置1において、光ピックアップ25のガイド軸41の端部を押圧する押圧バネ67の変形・破損がないように、脱落防止片(変位規制部材68)を設ける。脱落防止片68は、押圧バネ67の押圧方向と垂直な投影面において、脱落防止片68と押圧バネ67が少なくとも一部は重なる位置に各部品を配置する。外部からの衝撃で押圧バネ67が押圧方向と逆方向に変形しようとしたとき、脱落防止片68と接触し塑性変形が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク駆動装置に係り、特に、外部から受けた衝撃によって内部部品に変形や破損等が生じてしまうのを防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc),BD(Blu-ray Disc)に代表されるように、円盤状記録媒体としての光ディスクは、情報記録密度が向上し、高密度記録・再生が可能になっている。通常、円盤状記録媒体の記録面には、記録領域に係る単位の1つであるトラックが同心円状に多数形成されている。光ディスクの場合、そのトラックピッチは、CDで1.6μm,DVDで0.74μm,BDで0.32μmである。
【0003】
この円盤状記録媒体に対して情報の記録・再生を行うディスク駆動装置では、所望のトラックに対してデータの書込・読出を行う記録・再生機構部を構成するに当たり、高精度の部品位置決め技術や実装技術が必要となる。特に、光ディスク駆動装置の場合、記録・再生機構部の光ピックアップと装置筐体内部に搬入された光ディスクの記録面との相対角度は、高精度で調整される必要がある。
【0004】
そこで、光ディスク駆動装置では、光ディスクの記録面に対する光ピックアップの取付角度の調整機構が、その記録・再生機構部に備えられている。通常、この調整機構は、光ディスクの径方向に沿った光ピックアップの往復直線移動を案内するため、光ピックアップの両側にその移動方向に沿って互いに平行配置された一対のガイド軸に係り、ガイド軸の軸片端又は軸両端それぞれの支持高さ位置を調整することによって、一対のガイド軸により摺動可能に支持された光ピックアップの、光ディスクの記録面に対する取付角度を調整できる構成になっている。
【0005】
一方で、ディスク駆動装置では、外部から衝撃を受けた際、その衝撃によって上述した調整機構を含む記録・再生機構部を構成する内部部品に破損や微小な変形が生じると、予め高い精度で調整された内部部品の配置にズレが生じることになり、情報の記録・再生性能の劣化を招く。
【0006】
例えば、光ディスク記録装置の調整機構に係り、支持高さ位置が調整された軸支持部にガイド軸の軸端部を弾性的に押し付けて保持する軸保持部が、外部からの衝撃により変形してしまった場合は、軸端部は軸保持部によって軸支持部に対して押し付けられなくなり、軸端部の支持高さ位置の正確な位置決めができなくなる。これにより、ガイド軸の支持高さ位置は変化してしまい、このガイド軸により摺動可能に支持された光ピップアップの、光ディスクの記録面に対する取付角度にもずれが生じるようになって、ディスク記録装置の記録・再生性能が劣化する問題が生じる。さらに、大きな衝撃を受けた場合には、軸保持部が軸端部を軸支持部に保持しておくことができなくなり、軸支持部からガイド軸が脱落してしまう可能性もある。
【0007】
そこで、従前から、上述した調整機構を含むディスク駆動装置の記録・再生機構部には、高性能な耐衝撃性能が求められていた。
【0008】
特許文献1には、調整機構の耐衝撃性能を向上させる技術として、ガイド軸を軸支持部へ弾性的に押える弾性片からなる軸保持部と、ガイド軸が係合して軸支持部から外れるのを阻止するガイド軸脱落防止用の突起とを、軸支持部と一体のブラケット上に、軸支持部とはガイド軸の軸長方向に位置をずらせて並べて設ける構造が開示されている。さらに、軸保持部とガイド軸脱落防止用の突起とが同一の板材で一体的に形成された構造も開示されている。
【0009】
また、特許文献2には、ガイド軸の軸長方向に、軸支持部及び軸保持部を挟んだ両側に分けて、ガイド軸脱落防止用のガイド軸の端面当接片とガイド軸の周面当接片とを設け、特許文献1に記載のガイド軸脱落防止用の突起を、ガイド軸の端面当接片とガイド軸の周面当接片とに機能的に分けた構造が開示されている。
【0010】
ところで、上述した光ディスク記録装置を含むディスク駆動装置にあっては、更なる小型化や軽量化、並びに低コスト化の要求により、装置構造を簡素化する必要もある。そのため、外部衝撃から内部部品の破損や微小変形を防ぐためだけに、材料選択や補強構造により部品強度を確保することは難しくなってきている。
【0011】
この問題については、ディスク駆動装置の中でも、ディスクを装置筐体の挿入口から挿入するとディスクを自動的に装置筐体内の所定の処理位置までローディング(搬送)する、いわゆるスリムスロットイン方式のディスク駆動装置が、その固有構成から顕著である。その理由は、現在普及しているスリムスロットイン方式のディスク駆動装置のほとんどは、装置筺体の挿入口を正面に横長に眺めたときの装置厚さが12.7mmや9.5mmといった統一された規格で製造されており、装置筐体やその内部部品には0.1mmオーダーでの薄型設計が求められていることによる。
【0012】
一般に、スリムスロットイン方式のディスク駆動装置では、ローディングされた光ディスクをチャッキングしたり、記録又は再生動作のために回転可能な状態にするため、装置筐体内部に搭載されたメカユニット(前述の記録・再生機構部に対応)が装置筐体内で昇降動作若しくは傾動動作する構成になっている。
【0013】
そのため、スリムスロットイン方式のディスク駆動装置では、薄型の装置筺体内部に、さらにメカユニットの昇降スペース若しくは傾動スペースを確保しなければならず、同じ装置筐体の厚さであっても、他の方式のディスク駆動装置よりも、メカユニットを薄型に設計する必要がある。したがって、メカユニットにおける前述した軸支持部及び軸保持部によるガイド軸の支持構造も薄型化する必要があり、部材の肉厚化等による高剛性化が難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平8−212725号公報
【特許文献2】特開2007−66430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述したように、更なる小型化や軽量化等の要求に拘束されないならば、材料選択や補強構造により部品強度を確保する従来の手法を適用することにより、外部から衝撃を受けた際の軸支持部からのガイド軸の脱落防止や、ガイド軸を軸支持部へ弾性的に押える弾性片からなる軸保持部の変形低減が可能である。
【0016】
しかし、特許文献1に示すような、弾性片からなる軸保持部と、ガイド軸が係合して軸支持部から外れるのを阻止するガイド軸脱落防止用の突起とを、軸支持部と一体のブラケット上に軸支持部とはガイド軸の軸長方向に位置をずらせて並べた構造では、衝撃を受けた際は、軸保持部の押え力に抗してガイド軸を軸支持部から外そうと作用する力を、ガイド軸脱落防止用の突起が受け止めようとする。そのため、衝撃が大きな場合は、このガイド軸脱落防止用の突起だけで、ガイド軸を軸支持部から外そうと作用する力を受け止めることになり、ガイド軸脱落防止の突起ごと、軸支持部が変形する懸念がある。
【0017】
また、特許文献2に示すような、ガイド軸の軸長方向に、支持部及び軸保持部を挟んだ両側に分けて、ガイド軸脱落防止用のガイド軸の端面当接片とガイド軸の周面当接片とを設けた構造では、特許文献1に示したガイド軸脱落防止用の突起と比較して、ガイド軸の支持構造全体が大型化する。
【0018】
本発明は、上記した問題点を鑑みなされたものであって、装置構造の小型化をはかりつつ、外部から衝撃を受けた際の内部部品の変形や破損等を防止する耐衝撃性能の向上をはかったディスク駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係るディスク駆動装置は、上述した課題を解決するために、筐体内に、ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータ,スピンドルモータにより回転され、外部より搬送配置されたディスクをクランプするターンテーブル, ディスクに情報を記録又は情報を再生する光ピックアップ, 及びピックアップを搬送配置されたディスクの径方向に移動可能に支持するガイド軸を搭載したメカユニットシャーシを収容し、メカユニットシャーシを筐体内に上下動可能に保持してなるディスク駆動装置であって、ガイド軸の、搬送配置されたディスクのディスク中心部側の軸部分に形成された軸幅方向に相対する一対の凹部と、一対の凹部の中の一方の凹部を付勢支持する軸支持部材と、一対の凹部の中の他方の凹部を、軸支持部材による付勢方向と逆方向に押圧する軸保持部材と、軸保持部材に係合され、軸保持部に形成された他方の凹部と当接する押圧部の高さ位置を調整する高さ調整部材とを有し、高さ調整部材の軸保持部材との係合部を、ガイド軸の軸断面と軸長方向に重なるように配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、搭載された光ピックアップのガイド軸支持機構が外部からの衝撃を受けた際の変形・破損を防止することができる。
【0021】
また、従来の手法を用いた構造よりも小型のガイド軸支持機構を実現することができる。
【0022】
これにより、記録再生性能に関して信頼性が高く、安価で小型であるディスク駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスリムスロットイン方式の光ディスク駆動装置の大略構成を示した分解斜視図である。
【図2】図1に示した光ディスク駆動装置に係り、装置筺体内でのメカユニットの位置状態を模式的に示した図である。
【図3】図1に示したブラケットリンクに上下動可能に支持されたメカユニットの下面の構造を示した斜視図である。
【図4】図3に示したメカユニットのガイド主軸及びガイド副軸それぞれの各軸端部に配置される、スキュー調整機構部を備えたガイド軸支持機構の一実施例の構成図である。
【図5】比較例に係る光ディスク駆動装置のメカユニットに設置されたスキュー調整機構部を備えたガイド軸支持機構の構成図である。
【図6】脱落防止片としてモータプレートの一部を利用したスキュー調整機構の構造を示した斜視図である。
【図7】脱落防止片としてシャーシの一部を利用したスキュー調整機構の構造を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明のディスク駆動装置の一実施の形態について、スリムスロットイン方式の光ディスク記録装置を例に、図面に基づいて説明する。光ディスク駆動装置は、直径120mm、厚さ1.2mmのCD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc),BD(Blu-ray Disc)といった、円盤状記録媒体としての光ディスクの記録面に対し、情報の記録・再生を光学的に行う装置である。なお、説明にあたっては、各図間で同一又は同様な構成については同一符号を付し、その詳細についての重複説明は省略する。
【0025】
図1は、本発明の一実施の形態に係るスリムスロットイン方式の光ディスク駆動装置の大略構成を示した分解斜視図である。
【0026】
図1において、光ディスク駆動装置1は、トップケース11とボトムケース12とを一体的に締結して形成される装置筺体10に、メカユニット20,ブラケットリンク50等の機器構成を収容して構成されている。本実施の形態の場合、装置筺体10の大きさ,形状は、概ね、幅130mm,奥行130mm,高さ(厚さ)12.7mm(あるいは、9.5mm)の薄型箱体形状で、モバイル型パーソナルコンピュータに装備されるスリム型ドライブ、或いはスーパスリム型ドライブと呼ばれている光ディスク駆動装置に該当する。
【0027】
装置筺体10は、光ディスク駆動装置1の正面に該当する一側面が開放され、開口部13が形成されている。開口部13には、ベゼル14が取り付けられ、開口部13の内方、すなわち装置筺体10内部は、外部に対して隠蔽されている。ベゼル14には、光ディスク2(後述する図2(b)参照)の装置筺体10内部に対する挿入・排出口として、スリット15が形成されている。ベゼル14には、装置筺体10の内部に収納されている光ディスク2を排出させるときに操作するイジェクトボタン(図示省略)も設けられる。また、光ディスク駆動装置1の背面に該当する、ベゼル14が設けられた側と反対側の装置筺体10の他側面には、端子孔16が形成されている。
【0028】
図中に矢示したX軸方向,Y軸方向,Z軸方向それぞれは、ベゼル14が取り付けられる装置筺体10の開口部13を正面に眺めた、装置筺体10すなわち光ディスク駆動装置1の奥行(長手)方向,幅方向,高さ(厚さ)方向それぞれに該当する。この場合、光ディスク駆動装置1の奥行(長手)方向(X軸方向)は、装置筺体10に対する光ディスク2の挿入・排出方向、すなわち搬入・搬出方向に該当する。
【0029】
メカユニット20は、光ディスク駆動装置1の記録・再生機構部を構成し、メカユニットシャーシ21に、ターンテーブル23,スピンドルモータ24,光ピックアップ25,光ピックアップガイド機構40、等が搭載された構成になっている。
【0030】
メカユニットシャーシ21には、メカユニット20がブラケットリンク50に支持されて装置筺体10内に配置された際に、光ディスク2の中心部から外周側に向かってディスク径方向に延びる開口部22が形成されている。
【0031】
ここで、メカユニットシャーシ21に形成した開口部22の長手方向をx軸方向、この開口部22の長手方向と垂直な開口部22の幅方向をy軸方向、このx軸方向及びy軸方向に対して垂直なメカユニットシャーシ21の厚さ方向をz軸方向とすると、メカユニットシャーシ21には、装置筺体10内に搬入され配置された光ディスク2の中心部と対面する、開口部22のx軸方向の一端側部分に、ターンテーブル23,スピンドルモータ24が配設される。ターンテーブル23は、装置筺体10内に配置された光ディスク2の中心孔2a(後述する図2(b)参照)にクランパを挿入して光ディスク2をクランプし、光ディスク2を回転可能にチャッキング支持する。スピンドルモータ24は、光ディスク2をチャッキング支持したターンテーブル23を回転させる。
【0032】
また、メカユニットシャーシ21に形成した開口部22には、対物レンズ26を装置筺体10内に搬入された状態の光ディスク2の記録面に臨ませて、光ピックアップ25が設けられている。光ピックアップ25は、ターンテーブル23及びスピンドルモータ24が配設された開口部13の残り部分を長手方向(x軸方向)に沿って移動可能に、光ピックアップガイド機構40を介してメカユニットシャーシ21に支持されている。
【0033】
ブラケットリンク50は、装置基盤を構成する基盤シャーシ51に、スロットローディング機構(図示省略),装置回路基板(図示省略),外部接続端子55、等が搭載された構成になっている。そして、基盤シャーシ51には、メカユニット20が装着される開口部52が形成されている。
【0034】
開口部52は、ブラケットリンク50が装置筺体10のトップケース11及びボトムケース12にネジ締結されて取り付けられた状態で、開口部52に装着されたメカユニット20のx座標系が装置筺体10のXYZ座標系をそのZ軸周りに所定の鋭角角度で回転させた状態となるように、装置筺体10 内に配置された光ディスク2の径方向に、光ディスク2の搬入・搬出方向(X軸方向)に対して斜めに延びるようにして形成されている。
【0035】
メカユニット20は、メカユニットシャーシ21に設けられたそれぞれ一対の支持ピン27a,27b及び防振脚28a,28bの4か所をブラケットリンク50に支持されて、装置筺体10内に配置された光ディスク2に対面するように、基盤シャーシ51の開口部52に装着されている。
【0036】
このブラケットリンク50に対する装着状態で、メカユニットシャーシ21の開口部22の長手方向(x軸方向)が装置筺体10内に配置された光ディスク2の径方向と対応するようになり、そのターンテーブル23及びスピンドルモータ24が配設された一端側が光ディスク2の中心孔2a部分に対面するようになる。
【0037】
一対の支持ピン27a,27bは、メカユニットシャーシ21の長手方向(x軸方向)に、ターンテーブル23及びスピンドルモータ24が設けられた側のメカユニットシャーシ21の側面部分に突設配置されている。各支持ピン27a,27bは、基盤シャーシ51に搭載された図示せぬスロットローディング機構の対応する傾斜孔に係合され、ブラケットリンク50に支持される。各支持ピン27a,27bは、スロットローディング機構の作動に連動して、対応する傾斜孔内をその傾斜に沿って相対移動させられるようになっている。
【0038】
そして、この一対の支持ピン27a,27bそれぞれが対応する傾斜孔内をその傾斜に沿って相対移動させられることによって、メカユニットシャーシ21の長手方向(x軸方向)のターンテーブル23及びスピンドルモータ24が設けられた側のメカユニット20部分が、装置筺体10内に配置された光ディスク2の盤面に対し、この相対移動に対応して上下動する構成になっている。
【0039】
これに対し、一対の防振脚28a,28bは、メカユニットシャーシ21の長手方向(x軸方向)に、ターンテーブル23及びスピンドルモータ24が設けられた側とは反対側のメカユニットシャーシ21の側面部分に突設配置されている。一対の防振脚28a,28bは、基盤シャーシ51に取り付けられて、ブラケットリンク50に支持される。防振脚28a,28bは、支持ピン27a,27bの上述した相対移動に追従可能にして、ターンテーブル23及びスピンドルモータ24が設けられた側のメカユニット20の長手方向(x軸方向)部分の、装置筺体の高さ(厚さ)方向(Z軸方向)に係る上下動による振動を吸収する。これにより、スロットローディング機構の作動に連動して、メカユニット20の長手方向(x軸方向)のターンテーブル23及びスピンドルモータ24が設けられた側の部分が、安定した上下移動を行える構成になっている。
【0040】
また、ターンテーブル23及びスピンドルモータ24が設けられた側のメカユニットシャーシ21の長手方向(x軸方向)部分には、開口部22と連接し又は開口部22とは独立するようにして、ボトムケース12の底面12pに立設されたクランプ解除ピン17が挿入される挿通孔29が形成されている。クランプ解除ピン17は、メカユニット20の長手方向(x軸方向)のターンテーブル23及びスピンドルモータ24が設けられた側の部分が下降変位させられた際、ピン先端部分が、挿通孔29の開口から光ディスク2に対向する側へ相対的に突出する構成になっている。
【0041】
図示省略したスロットローディング機構は、ディスクアーム53a,イジェクトアーム53b,インサートアーム53cといったディスク搬送アーム53、等を有する。各ディスク搬送アーム53は、スロットローディング機構に備えられたモータ若しくはリンク機構により駆動され、相互に連動しながら揺動変位する。各ディスク搬送アーム53は、ベゼル14のスリット15から挿入された光ディスク2を、図示省略した支持レバーにより支持しながら、装置筺体10内のクランプ位置まで搬入したり、又は、装置筺体10内のクランプ位置に配置された光ディスク2を、ベゼル14のスリット15から外部に搬出したりする。
【0042】
図示省略した装置回路基板は、光ディスク駆動装置1のスロットローディング機構,メカユニット20,等の各部に設けられている駆動部や検出部を制御し、光ディスク2の情報記録面に対する情報の記録・再生動作を制御する。装置回路基板は、光ディスク駆動装置1の各部に設けられている駆動部や検出部と配線接続されている。装置回路基板は、例えば、フレキシブルプリント基板で形成されている。
【0043】
外部接続端子55は、装置回路基板と配線接続されて、装置筺体10の端子孔16に臨ませて設けられている。外部接続端子55は、外部機器との間での再生・記録情報の送受信や、制御信号の交信に利用される。
【0044】
次に、上述したスリムスロットイン方式の光ディスク駆動装置1に係り、光ディスク2の搬入・搬出動作について説明する。
【0045】
図2は、図1に示した光ディスク駆動装置に係り、装置筺体内でのメカユニットの状態を模式的に示した図である。
【0046】
図2(a)は、装置筺体の内部に未だ光ディスクが搬入されていない状態の、光ディスクをクランプしていないメカユニットの待機状態を示し、図2(b)は、装置筺体の内部に光ディスクが搬入された状態の、光ディスクをクランプしているメカユニットの記録再生位置状態を示している。
【0047】
図2は、図1に示した光ディスク駆動装置1を幅方向(Y軸方向)に、装置筺体10内のメカユニット20を眺めた状態に該当する。なお、図中においては、メカユニット20の状態を理解容易にするため、図1に示したメカユニット20を支持するブラケットリンク50は図示省略してある。
【0048】
光ディスク2をクランプしていない待機状態では、メカユニットシャーシ21の一対の支持ピン27a,27bは、図示省略したブラケットリンク50のスロットローディング機構に設けられた傾斜孔内を一側、すなわち下降側に相対移動しているピン状態にある。そのため、メカユニット20は、図2(a)に示すように、ターンテーブル23及びスピンドルモータ24が設けられた側の、メカユニット20の長手方向(x軸方向)の光ディスク2の中心孔2aに対面する部分が、装置筺体10の高さ(厚さ)方向(Z軸方向)に下降した状態となっている。そのため、装置筺体10の奥行方向(X軸方向)及び幅方向(Y軸方向)により規定されるX−Y平面に平行な、ベゼル14のスリット15部分を通る平面を、光ディスク2の搬入・搬出の基準面とすると、メカユニット20はこの基準面に対して傾いた状態になっている。
【0049】
このような待機状態で、ベゼル14のスリット15から光ディスク2が挿入されると、図1に示したブラケットリンク50の基盤シャーシ51に搭載されたスロットローディング機構が作動し、そのディスク搬送アーム53(53a,53b,53c)が搬入作動する。このディスク搬送アーム53の搬入作動により、光ディスク2は、その盤面を基準面と略平行に保たれながら、その中心孔2aがブラケットリンク50に支持されたメカユニット20のターンテーブル23と略一致する位置する位置にまで搬送され、装置筺体10内に配置される。
【0050】
その後、このスロットローディング機構の作動に連動して、メカユニットシャーシ21の支持ピン27a,27bが、スロットローディング機構に設けられた傾斜孔内を一側すなわち下降側に相対移動しているピン状態から、傾斜孔内を他側すなわち上昇側に相対移動しているピン状態に相対変位し、図2(b)に示すように、メカユニット20の長手方向(x軸方向)の光ディスク2の中心孔2aに対面する側の部分が上昇し、メカユニット20は前述の基準面に対した傾いた状態を解消する。これにより、メカユニットシャーシ21の長手方向(x軸方向)及び幅方向(y軸方向)により規定されるx−y平面をメカユニット20の基準面とすると、メカユニット20の基準面(x−y平面)が、装置筺体10における光ディスク2の搬入・搬出の基準面(X−Y平面)と平行に、略一致する状態になる。
【0051】
そして、この装置筺体10の基準面(X−Y平面)に対するメカユニット20の傾き状態が解消されるのに伴って、ターンテーブル23はクランパを光ディスク2の中心孔2aに挿入して光ディスク2をクランプし、光ディスク2を回転可能にチャッキング支持する。これにより、光ディスク2は、搬入された装置筺体10内で、スピンドルモータ24によって回転可能な状態になる。
【0052】
この装置筺体10内で光ディスク2がメカユニット20のターンテーブル23にクランプされ回転可能な状態では、メカユニットシャーシ21の開口部22の長手方向(x軸方向)、ひいてはメカユニット20の長手方向(x軸方向)は、ターンテーブル23に支持された状態の光ディスク2の径方向と合致する状態になる。
【0053】
逆に、図2(b)に示すように、装置筺体10内部に収容された光ディスク2を外部に取り出すときには、ベゼル14に設けられたイジェクトボタンを操作する。これにより、スピンドルモータ24が回転停止され、スロットローディング機構は、今度は反対に、メカユニットシャーシ21の支持ピン27a,27bを、スロットローディング機構に設けられた傾斜孔内を、他側すなわち上昇側に相対移動している状態から一側にすなわち下降側に相対移動している状態に移動変位させる。これにより、メカユニット20の長手方向(x軸方向)の光ディスク2の中心孔2aに対面する側の部分が下降する。これに伴い、クランプ解除ピン17のピン先端部分がメカユニットシャーシ21の挿通孔29の開口から相対的に突出する状態になる。この結果、光ディスク2は、クランプ解除ピン17の当接によってメカユニット20と一体の下降を規制されてターンテーブル23から引き離され、クランプを解除される。そして、今度はディスク搬送アーム53が搬出作動することにより、ターンテーブル23とのクランプを解除された光ディスク2は、その盤面を装置筺体10における搬入・搬出の基準面(X−Y平面)に保たれながら搬送され、ベゼル14のスリット15から外部に搬出される。
【0054】
このように、スリムスロットイン方式の光ディスク駆動装置1にあっては、光ディスク2の装置筺体10に対する搬入・搬出時に、メカユニット20の長手方向(x軸方向)の光ディスク2の中心孔2aに対面する側の部分の上下動、すなわち昇降を伴うため、その昇降に必要な空間を装置筺体10の内部に確保しておく必要がある。そのため、スリムスロットイン方式の光ディスク駆動装置1においては、メカユニット20の長手方向(x軸方向)の光ディスク2の中心孔2aに対面する側の部分の構成が、メカユニット20の高さ(厚さ)方向(z軸方向)、すなわちターンテーブル23の回転軸方向に小型(薄型)であることが求められる。
【0055】
特に図2(a)において破線部分Aで示した、メカユニット20の長手方向(x軸方向)の光ディスク2の中心孔2a部分に対面する側は、メカユニット20が下降した状態において最もボトムケース12の底面12pに近接するメカユニット20の領域部分となるため、他の長手方向(x軸方向)の領域部分よりも、ターンテーブル23の軸方向(z軸方向)に薄型に形成されている必要がある。そして、メカユニット20のこの領域部分は、メカユニットシャーシ21に搭載された光ピックアップガイド機構40の、後述するガイド軸41(後述する図3参照)の内周側の端部が配置される部分に該当する。なお、ここでガイド軸41の内周側とは、メカユニット20の長手方向(x軸方向)の光ディスク2の中心孔2a部分に対面する側で、ガイド軸41の両端部の中でスピンドルモータ24に近い側の端部部分を指す。
【0056】
次に、図3に基づき、メカユニット20の光ピックアップガイド機構40の詳細な構成とスキュー調整機構について説明する。
【0057】
図3は、図1に示したブラケットリンクに上下動可能に支持されたメカユニットの下面の構造を示した斜視図である。図3に示したメカユニット20は、図1に示したメカユニット20を、装置筺体10の高さ(厚さ)方向(Z軸方向)にボトムケース12側からトップケース11側へ眺めたメカユニット20の下面、すなわちメカユニット20のボトムケース12との対向面を斜視した状態に該当する。
【0058】
ターンテーブル23(図1参照)を回転させるスピンドルモータ24は、メカユニットシャーシ21の長手方向(x軸方向)の光ディスク2の中心孔2aに対面する側に、モータプレート31に搭載されて配置されている。スピンドルモータ24を搭載したモータプレート31は、メカユニットシャーシ21と3か所でボルト締結されてメカユニットシャーシ21に一体的に固定され、メカユニット20の下面の一部を形成する。
【0059】
一方、メカユニットシャーシ21の開口部22の幅方向(y軸方向)の両側には、メカユニットシャーシ21の開口部22の長手方向(x軸方向)に沿って互いに平行に延びる一対のガイド軸41が配置されている。一対のガイド軸41は、一方がガイド主軸41aとなり、他方がガイド副軸41bになっている。
【0060】
そして、このガイド主軸41aが配置された側のメカユニットシャーシ21のシャーシ部分には、ガイド主軸41aに沿って、メカユニットシャーシ21の開口部22の長手方向(x軸方向)に延びるスクリュシャフト43が配置されている。スクリュシャフト43には、ステップモータ44が付設され、スクリュシャフト43は、ステップモータ44の正又は逆回転に応じた回転量だけ、正又は逆回転する構成になっている。
【0061】
これに対し、光ピックアップ25側には、ガイド主軸41a,ガイド副軸41bに対応して、これらガイド主軸41a,ガイド副軸41bに摺動可能に係合する係合部45a,45bが、開口部22の幅方向(y軸方向)の両側に面して配置されている。その上で、スクリュシャフト43が配置された側に対応する係合部45aには、ガイドフィード46が設置されている。ガイドフィード46は、係合部45a,45bがガイド主軸41a,ガイド副軸41bに係合されると、自身の弾性を利用してメカユニットシャーシ21側のスクリュシャフト43に押圧され、自身の周面に形成された雄ネジ部がスクリュシャフト43の周面に形成された雌ネジ部に噛合するようになっている。
【0062】
光ピックアップガイド機構40は、光ピックアップ25の係合部45a,45bをメカユニットシャーシ21のガイド主軸41a,ガイド副軸41bに係合し、係合部45aに設けられたガイドフィード46の雄ネジ部を、メカユニットシャーシ21のスクリュシャフト43の雌ネジ部に噛合し、光ピックアップ25をメカユニットシャーシ21にその開口部22の長手方向(x軸方向)に沿って摺動可能に支持した構造になっている。
【0063】
この構造により、スクリュシャフト43がステップモータ44によって正又は逆回転されると、光ピックアップ25は、ステップモータ44の回転量に応じて、ガイド主軸41a,ガイド副軸41bに沿って、ターンテーブル23にクランプされた状態の光ディスク2の径方向に沿って進退する構造となっている。
【0064】
以下では、光ピックアップ25が、ターンテーブル23にクランプされた状態の光ディスク2の径方向の中心部から外周側に向かって、ガイド主軸41a及びガイド副軸41bに案内されながら実際に移動する方向をx軸正方向とし、互いに平行なガイド主軸41aをガイド副軸41b側から眺めた方向をy軸正方向とし、メカユニットシャーシ21に配置されたスピンドルモータ24の回転軸をボトムケース12側からトップケース11側へ眺めた軸方向をz軸正方向として、xyz座標系を定義する。
【0065】
ところで、このようにして得たメカユニットシャーシ21上における光ピックアップ25の実際の配置を反映したメカユニット20のxyz座標系と、上述したメカユニットシャーシ21の開口部22の長手方向(x軸方向)を基準に定義したメカユニット20のx座標系との間では、光ピックアップ25の光ディスク2に対する対向状態等について、例えば、製品毎の部品それぞれの器差に起因した三次元的な取付角度の違い等によって、両座標系の間の傾きによるずれが生じてしまう。
【0066】
スキュー調整は、光ピックアップ25が光ディスク2の径方向に、ディスク中心部側から外周部側へ、又は外周部側から中心部側へ移動するときに、ターンテーブル23にクランプされた状態の光ディスク2の盤面の記録面に光ピックアップ25の対物レンズ26が正しく対向して、光ピックアップ25から光ディスク2への出射光と光ディスク2から光ピックアップ25への入射光とが光ディスク2の記録面に対して同じ経路で出入りできるように、光ピックアップ25をはじめとする各部の三次元的な取付角度を予め調整することを指す。スキュー調整機構は、このスキュー調整ためにメカユニット20に設けられた機構である。
【0067】
図示の光ディスク駆動装置1では、スキュー調整機構は、xyz座標系におけるx軸方向に延びるガイド主軸41a及びガイド副軸41bそれぞれの各軸端部を、各軸端部に対応して各軸端部の近傍に設けられた高さ調整ネジ61(61af,61ar,61bf,61br)を操作して、各軸端部のy軸方向に係る高さ位置を独立に調整し、光ピックアップ25の光ディスク2の盤面に対する正対方向を調整する構造になっている。
【0068】
次に、スキュー調整機構が設けられたガイド主軸41a及びガイド副軸41bの各軸端部に配置されるガイド軸支持機構60(60af,60ar,60bf,60br)の構成について説明する。ここでは、各ガイド軸支持機構60(60af,60ar,60bf,60br)の構成は同様であるので、ガイド副軸41bのディスク中心部側の軸端部に配置されるガイド軸支持機構60bfの構成を例に説明する。なお、各ガイド軸支持機構60(60af,60ar,60bf,60br)の中、ガイド主軸41a及びガイド副軸41bそれぞれのディスク外周部側の各軸端部に配置されるガイド軸支持機構60ar,60brについては、ディスク中心部側の各軸端部に配置されるガイド軸支持機構60af,60bfに対し、光ディスク2の搬入・搬出時に光ディスク2をクランプ又はクランプ解除するための光ディスク2の盤面に対する上下動(昇降)を必須としないため、これから説明するガイド軸支持機構60に代えて従来のガイド軸支持機構を採用することも可能である。
【0069】
図4は、図3に示したメカユニットのガイド主軸及びガイド副軸それぞれの各軸端部に配置される、スキュー調整機構部を備えたガイド軸支持機構の一実施例の構成図である。
【0070】
図4(a)は、ガイド主軸及びガイド副軸それぞれの各軸端部に配置されたガイド軸支持機構の中、ガイド副軸のディスク中心部側の端部を支持するガイド軸支持機構が配置されたメカユニット部分の部分拡大図である。
【0071】
図4(b)は、ガイド副軸のディスク中心部側の端部を支持するガイド軸支持機構の構成図であって、図4(a)中で、y軸正方向に沿って眺めたメカユニット部分のB−B端面図である。
【0072】
図4(c)は、図4(b)に示したガイド軸支持機構をz軸正方向に沿って眺め、その一部を投影した投影図である。
【0073】
ガイド主軸41a及びガイド副軸41bからなるガイド軸41の軸構造は、その軸長方向(図中、x軸方向)に、両端側の軸部分がメカユニットシャーシ21に支持される被支持軸部63となり、これら被支持軸部63,63間の延設された軸部分が、光ピックアップ25を摺動可能に支持する支持軸部62になっている。
【0074】
その上で、これらガイド軸41のディスク中心部側の被支持軸部63と、これに連接する支持軸部62とは、図4(b)及び図4(c)に示したガイド副軸41bのように、一体的な段付軸部材構造になっている。
【0075】
すなわち、図4に基づき説明すると、その軸長方向に垂直な軸幅方向の中、スピンドルモータ24の回転軸の軸方向(z軸方向)に対応する軸幅方向(図中、z軸方向)に係り、ガイド副軸41bの、ディスク中心部側の端部側である被支持軸部63と、これに連接する支持軸部62とでは、その軸幅寸法が異なり、支持軸部62よりも被支持軸部63の方が、その軸幅方向(z軸方向)と垂直な軸幅方向(y軸方向)から眺めて、軸細形状になっている。これにより、被支持軸部63におけるスピンドルモータ24の回転軸の軸方向(z軸方向)に対応する軸幅方向(z軸正方向及び負方向)を向いた一対のそれぞれ外周部が、軸長方向(x軸方向)に隣接する支持軸部62の軸幅方向(z軸正方向及び負方向)に向いた一対のそれぞれ対応する外周部に対して、軸幅方向(z軸正方向及び負方向)に凹んだ構成になっている。被支持軸部63は、この一対の凹部64,64が支持軸部62と被支持軸部63との境界部の段部65から軸長方向(x軸方向)に沿って軸端まで延びる構成になっている。
【0076】
このような凹部64,64を有するガイド軸41の実施例としては、例えば、支持軸部62が円柱状の軸部よりなり、被支持軸部63がこの支持軸部62に対して同軸小径の円柱状の軸部よりなる段付円柱状軸部材を適用することができる。この場合、段付円柱状軸部材の大径の軸部の外周部をその軸長方向に光ピックアップ25が摺動することになる。そして、端部側の小径の軸部の外周部の中の、軸幅方向(z軸方向)に向いた一対のそれぞれ外周部が凹部64,64になる。
【0077】
加えて、ガイド軸41の凹部64,64は、このような段付円柱状軸部材に限らず、種々の形状の軸部材で形成することができる。すなわち、ガイド主軸41a及びガイド副軸41bからなるガイド軸41はそれ自体が回転するものではないため、ガイド軸41の支持軸部62及び被支持軸部63の軸幅方向(z軸方向)に沿った断面形状は、互いに相似形状である必要もなく、それぞれの断面形状も、円形に限らず矩形等であっても構わない。例えば、円柱状軸部材におけるディスク中心部側の端部側の外周面部分に係り、軸幅方向(z軸方向)に向いた一対の外周部分を軸幅方向(z軸方向)にその軸幅方向(z軸方向)に垂直な軸幅方向に沿って所定容量分だけ除去し、被支持軸部63を、その軸幅方向(z軸方向)に垂直な弦によって規定される平坦面を備えた凹部64,64を備えた形状とすることも可能である。
【0078】
ディスク中心部側の端部側に上述した被支持軸部63を備えたガイド軸41は、被支持軸部63の各凹部64,64をスピンドルモータ24の回転軸の軸方向(z軸正方向及び負方向)にそれぞれ向けて、メカユニットシャーシ21に図4(a)〜図4(c)に示すようにして支持される。
【0079】
図示の場合、ガイド副軸41bのディスク中心部側の被支持軸部63は、軸幅方向(z軸方向)に向いた一対の凹部64,64を、スピンドルモータ24の回転軸の軸方向(z軸方向)と平行な軸方向に向くようにして、ボトムケース12の底面12pと対向するメカユニットシャーシ21の載置面21pに配置される。その際、ガイド副軸41bは、被支持軸部63のz軸負方向を向いた一方の凹部64がメカユニット20の下面に対向するボトムケース12の底面12pに対向し、z軸正方向を向いた他方の凹部64がメカユニットシャーシ21の載置面21pに対向する状態になる。
【0080】
ガイド副軸41bをこのように凹部64,64の向きを定めてメカユニットシャーシ21へ配置するにあたっては、メカユニットシャーシ21の載置面21pとガイド副軸41bの被支持軸部63のz軸正方向を向いた他方の凹部64との間に、例えばコイルバネといったバネ部材によって形成された付勢バネ66を軸支持部材として介在させて配置する。付勢バネ66は、ガイド副軸41bの被支持軸部63を、載置面21pから離間させるように、z軸負方向に付勢する。これにより、ガイド副軸41bの被支持軸部63に隣接する支持軸部62は、付勢バネ66のz軸負方向の付勢力によって、メカユニットシャーシ21の載置面21pから離間し、浮いた状態になる。なお、このような付勢力を及ぼす軸支持部材としては、バネ部材に限るものではなく、例えば弾性ブッシュのような弾性支持部材を用いてもよい。
【0081】
一方、付勢バネ66により弾性支持された他方の凹部64とは反対側の、ボトムケース12の底面12pに対向する一方の凹部64には、軸保持部材として、例えば金属製の板バネ部材によって形成された押圧バネ67が配置されている。
【0082】
押圧バネ67は、例えば、側面形状がクランク形状をした屈曲板バネ部材によって構成され、板状の中間部67qの両端から、鉤の手状に屈曲した板状の押圧部67pと被支持部67rとが互いに逆方向に延びる形態になっている。さらに、被支持部67rには、図示省略した係合片67sが設けられている構成になっている。
【0083】
押圧バネ67は、係合片67sを図示せぬ係合部に係合することにより、その中間部67qがガイド副軸41bの軸端面に対向する状態で、一端側の押圧部67pが、ガイド副軸41bの軸端面とモータプレート31の縁面との間に形成された隙間からボトムケース12の底面12p側に臨み、他端側の被支持部67rが、メカユニットシャーシ21の載置面21pとモータプレート31との間に形成された空間内に位置するように位置決めされ、メカユニットシャーシ21の載置面21pに対して近接・離間可能に配置される。その際、一端側の押圧部67pは、ガイド副軸41bのボトムケース12の底面12p側に対向する被支持軸部63の凹部64上を、ガイド副軸41bの軸端側から軸長方向(y軸方向)に沿って延び、この凹部64が当接するようになっている。また、他端側の被支持部67rは、メカユニットシャーシ21の載置面21pとモータプレート31との間の空間内を、ガイド副軸41bの軸長方向(y軸方向)に沿って、モータプレート31に設けられた高さ調整ネジ61の螺穴位置に到り、高さ調整ネジ61の先端が当接するようになっている。
【0084】
これにより、ガイド副軸41bは、その被支持軸部63の軸幅方向(z軸方向)に向いた一対の相対する凹部64,64が、軸支持部材としての付勢バネ66と軸保持部材としての押圧バネ67とによって挟持される構成になっている。
【0085】
その際、押圧バネ67は、モータプレート31に設けられた高さ調整ネジ61の挿入量に応じて、高さ調整ネジ61の先端が当接する被支持部67rの、メカユニットシャーシ21の載置面21pからの近接又は離間位置が調整される構成になっている。そして、押圧バネ67は、この他端側の被支持部67rのメカユニットシャーシ21の載置面21pとの近接又は離間位置に応じて、中間部67qを介して連接され、ボトムケース12の底面12pに対向する被支持軸部63の凹部64に当接する押圧部67pの、メカユニットシャーシ21の載置面21pからの近接又は離間位置も、軸支持部材としての付勢バネ66の付勢力に抗して調整される構成になっている。
【0086】
これにより、ガイド副軸41bのディスク中心部側の被支持軸部63は、モータプレート31に設けられた高さ調整ネジ61の締め又は緩めに対応した、モータプレート31内部への挿入量に応じて、メカユニットシャーシ21の載置面21pとの近接又は離間位置が変位する押圧バネ67による押圧力に応じて、メカユニットシャーシ21の載置面21pとの間の距離が変位させられ、ガイド副軸41bのディスク中心部側の端部の、装置筺体10内におけるボトムケース12の底面からの支持高さ位置を調整することができるようになっている。
【0087】
なお、その際、ガイド軸41の被支持軸部63の、ボトムケース12の底面12pに対向する凹部64の深さ寸法(図中では、z軸方向寸法)は、押圧バネ67の押圧部67pの板厚よりも大きくなっている。また、押圧バネ67の、互いに平行で逆向きに延びる押圧部67pと被支持部67rとのずれを規定する中間部67qの長さ寸法(図中、z軸方向寸法)は、押圧部67pがガイド軸41の被支持軸部63のボトムケース12の底面12pに対向する凹部64に当接させられた状態で、被支持部67rが、ガイド軸41の支持軸部62の外周の中、押圧部67pから最も離間した外周部から突出しない寸法になっている。
【0088】
以上から、軸支持部材としての付勢バネ66,及び軸保持部材としての押圧バネ67は、付勢バネ66による付勢力と押圧バネ67による押圧力との釣り合いに基づきガイド副軸41bの被支持軸部63の軸幅方向(z軸方向)に向いた一対の相対する凹部64,64を挟持し、ガイド副軸41bのディスク中心部側の端部をメカユニットシャーシ21に支持するガイド軸支持機構を構成する。また、高さ調整ネジ61は、軸保持部材としての押圧バネ67に作用し、その挿入量に応じて付勢バネ66による付勢力と押圧バネ67による押圧力との軸幅方向(z軸方向)に係る釣り合い高さ位置を変え、メカユニットシャーシ21に対するガイド副軸41bのディスク中心部側の端部の支持高さ位置を変える高さ調整機構を構成する。
【0089】
このようなガイド軸支持機構及び高さ調整機構によれば、ガイド副軸41bのディスク中心部側の端部部分を直接、高さ調整ネジ61で押圧せず、押圧バネ67を介してガイド副軸41bの被支持軸部63を間接的に押圧する構成となっているので、高さ調整ネジ61の作用点はガイド副軸41bのディスク中心部側の端部部分の外周位置を配置する必要がなくなり、ガイド副軸41bの被支持軸部63と高さ調整ネジ61とをガイド副軸41bの軸長方向(x軸方向)に重なるようにして配置することが可能になる。これにより、高さ調整ネジ61もガイド副軸41bの端部部分の外周位置にネジ先端を位置させ、その外周位置からさらに外方にネジが延びることもなくなり、ガイド副軸41bに限らず、メカユニット20の一対のガイド軸41それぞれのガイド軸支持機構及び高さ調整機構が設けられた部分の、スピンドルモータ24の回転軸の軸方向(z軸方向)に係る寸法を小さくできる。すなわち、図2(a)において破線部分Aで示した、メカユニット20の長手方向(x軸方向)の光ディスク2の中心孔2a部分に対面する側の部分を薄型化することができる。
【0090】
さらに、本実施の形態では、ガイド軸41を段付軸部材構造とし、ガイド軸41の被支持軸部63の軸幅方向(z軸方向)に向いた一対の相対する凹部64,64に、付勢バネ66の一部や押圧バネ67の押圧部67pを配置したので、より一層の薄型化ができる。
したがって、本実施の形態に係る光ディスク駆動装置1によれば、高さ調整ネジ61a〜61dをねじ込む、又は緩めることにより、ガイド主軸41a及びガイド副軸41bそれぞれの両端の高さを調節できる。これにより、光ピックアップ25の三次元的な取付角度を調整することができる。これら4か所の高さ調整機構は、スキュー調整機構として機能する。製造時に高さ調整ネジ61a〜61dを調整後、接着剤等で各々最適な位置に固定することにより、スキュー調整をすることができる。
【0091】
ところで、製造後は高さ調整ネジ61a〜61dを回転させることはないが、外部からの衝撃等により高さ調整機構を構成する押圧バネ67等の部品に塑性変形が生じた場合、調整された高さにずれが生じ、光ピックアップ25が望ましくない取付角度に変化する可能性がある。この角度の変化が発生すると、光ディスク駆動装置1の記録・再生性能が劣化する。
【0092】
そこで、本実施の形態に係る光ディスク駆動装置1では、軸支持部材としての付勢バネ66と軸保持部材としての押圧バネ67とによって挟持される被支持軸部63の軸幅方向(z軸方向)に向いた一対の相対する凹部64,64には、外部からの衝撃等により、押圧バネ67が変形させられ、ガイド副軸41bのディスク中心部側の端部がメカユニットシャーシ21から脱落するのを防止する変位規制部材として脱落防止片68も配置されている。
【0093】
脱落防止片68は、例えば金属の板状部材によって形成され、中間部に適宜屈曲した規制部68qが形成され、両端側がそれぞれ取付孔が形成された取付部68p,68rになっている。脱落防止片68は、その規制部68qを、押圧バネ67の押圧部67pが当接させられたガイド副軸41bのボトムケース12の底面12pに対向する凹部64部分に、スピンドルモータ24の回転軸の軸方向(z軸方向)に垂直な軸幅方向(y軸方向)に沿って架橋し、両端側の取付部68p,68rをメカユニットシャーシ21にボルト締結して、メカユニットシャーシ21に一体的に固定される。その際、図示の例では、脱落防止片68の一方の取付部68pは、モータプレート31をメカユニットシャーシ21に一体的に締結するボルトを共用できるように、モータプレート31の最寄の取付孔位置まで延び、モータプレート31と一体的にメカユニットシャーシ21にボルト締結される構成になっている。
【0094】
脱落防止片68は、高さ調整機構の高さ調整ネジ61の調整によって押圧バネ67の被支持部67rがモータプレート31に当接する前に、その規制部68qがガイド副軸41bの被支持軸部63の凹部64に配置された押圧バネ67の押圧部67pに当接する形状になっている。これにより、モータプレート31をメカユニットシャーシ21に取付固定した状態で、高さ調整ネジ61の緩め調整する際、高さ調整ネジ61の先端が押圧バネ67の被支持部67rから離間するのを把握でき、その際でもガイド副軸41bの被支持軸部63は、脱落防止片68の規制部68qによって押圧部67pの背後を支持された押圧バネ67と付勢バネ66とによって挟持される構成になっている。
【0095】
また、脱落防止片68の規制部68qの板厚は、押圧バネ67の押圧部67pの板厚と同様、ガイド副軸41bの被支持軸部63のボトムケース12の底面12pに対向する凹部64の深さ寸法(図中では、z軸方向寸法)よりも小さくなっている。さらに、この凹部64の深さ寸法と、押圧バネ67の押圧部67pの板厚及び脱落防止片68の規制部68qの板厚との関係は、凹部64の深さ寸法が、押圧バネ67の押圧部67pの板厚と脱落防止片68の規制部68qの板厚との合計寸法以上になるように形成されている。
【0096】
そして、メカユニットシャーシ21に押圧バネ67と付勢バネ66とによって挟持されるガイド副軸41bの被支持軸部63部分は、脱落防止片68の規制部68qによりボトムケース12の底面12p側に囲まれているので、光ディスク駆動装置1の装置筐体10に大きな衝撃が加わった場合であっても、ガイド副軸41bの被支持軸部63を付勢バネ66と協働して挟持する押圧バネ67の押圧部67pの背後が、脱落防止片68の規制部68qによって保護され、必要に応じて支持されるので、メカユニットシャーシ21からガイド副軸41bが脱落してしまうのを防ぐことができ、押圧バネ67,付勢バネ66等といった、高さ調整機構を構成する部品の衝撃に対する剛性も確保できる。
【0097】
次に、この脱落防止片68の上述した作用について、比較例と対照しながら説明する。
図5は、比較例に係る光ディスク駆動装置のメカユニットに設置されたスキュー調整機構部を備えたガイド軸支持機構の構成図である。
【0098】
図5(a)は、比較例のガイド副軸のディスク中心部側の端部を支持するガイド軸支持機構を、図4(b)の場合と同様にy軸正方向に沿って眺めた構成端面図である。
【0099】
図5(b)は、図5(a)に示したガイド軸支持機構をz軸正方向に沿って眺め、その一部を投影した投影図である。
【0100】
なお、図示した比較例の説明においては、本実施の形態に係る光ディスク駆動装置1のガイド軸支持機構と同様又は対応する構成については、同一符号を付し、その詳細についての説明は省略する。
【0101】
比較例に係るガイド軸支持機構では、脱落防止片68は、第1の脱落防止片681と第2の脱落防止片682とを備えており、第1の脱落防止片681の規制部681qは、ガイド副軸41bの支持軸部62の端部側の外周部に係合可能に構成され、第2の脱落防止片682の規制部682qは、押圧バネ67の押圧部67pと軸長方向(y軸方向)に並んで配置され、被支持軸部63のボトムケース12の底面12pに対向する凹部64に係合可能に構成されている。
【0102】
図4及び図5において、例えば、光ディスク駆動装置1がボトムケース12を下面にして落下し、地面に衝突した瞬間、光ディスク駆動装置1には落下方向と逆向き、すなわち、図中のz軸正方向の衝撃加速度が発生する。このとき、ガイド副軸41bには、図4(b),図5(a)に示す慣性力Fが生じる。慣性力Fは、ガイド副軸41b及びこれに沿って摺動する光ピックアップ25の質量によるものである。この慣性力Fを受けたガイド副軸41bにより、押圧バネ67がz軸負方向の力を受ける。その際、外部からの衝撃が大きい場合、ガイド軸支持機構及び高さ調整機構からガイド副軸41bが脱落する恐れがある。若しくは、押圧バネ67が塑性変形してしまう恐れがある。仮に、押圧バネ67がz軸方向に塑性変形してしまうと、調整されたスキューが変化し、記録再生性能が劣化する。
【0103】
これを防止するため、比較例に係る光ディスク駆動装置のガイド軸支持機構では、図5に示すように、第1の脱落防止片681の規制部681qがガイド副軸41bの支持軸部62と重なり、押圧バネ67とは重ならない位置に配置されていた。
【0104】
この構造によっても、ガイド副軸41bが外部からの衝撃によりz軸負方向に変位しようとしたときに速やかに第1の脱落防止片681の規制部681qと接触し、その変位が規制される。これにより、押圧バネ67の塑性変形や、ガイド副軸41bのガイド軸支持機構及び高さ調整機構からの脱落も防止できる。
【0105】
しかし、図5における第1の脱落防止片681のように、ガイド副軸41bの光ピックアップ25を摺動可能に支持する支持軸部62の外周部に対して脱落防止片を配置した場合は、その厚み分だけz軸方向にメカユニット20が大型化する。
【0106】
これに対し、図5における第2の脱落防止片682のように、規制部682qが、押圧バネ67の押圧部67pと軸長方向(y軸方向)に並んで配置され、被支持軸部63のボトムケース12の底面12pに対向する凹部64に係合する構成の場合は、ガイド副軸41bにおける被支持軸部63が占める長さ割合が大きくなり、光ピックアップ25の移動が妨げられるようになるため、光ピックアップ25の移動幅が小さくなる。そのため、第2の脱落防止片682を設置しない場合と同じ光ピックアップ25の移動長を確保するためには、より長いガイド副軸41bを用いなければならず、さらに、被支持軸部63自体の軸長も長くしなければならず、x軸方向にメカユニット20が大型化する。
【0107】
このような比較例に対し、本実施の形態に係る光ディスク駆動装置1では、図4に示すように、押圧バネ67の変位を直接規制する軸長方向(x軸方向)の位置に脱落防止片68を配置した。すなわち図4(c)に示すように、z軸方向へ脱落防止片68の規制部68qの投影において、脱落防止片68を押圧バネ67と重なる軸長方向(x軸方向)の位置に配置した。
【0108】
これより、押圧バネ67が外部からの衝撃によりz軸負方向に変形したときに速やかに脱落防止片68の規制部68qと接触し、変位が規制されるため、押圧バネ67の塑性変形を防止できる。また、脱落防止片68は、図4(c)に示すように、ガイド副軸41bの被支持軸部63以外では重ならず、被支持軸部63の凹部64で押圧バネ67のみと重なる位置に配置することで、図5に示した第1の脱落防止片681のようにガイド副軸41bの支持軸部62と重なる場合と比べて、メカユニット20をz軸方向に薄型な構造とすることができる。
【0109】
また、押圧バネ67と脱落防止片68がx軸方向に並列しないため、図5に示した第2の脱落防止片682のように押圧バネ67とx軸方向に並列する場合と比べて、ガイド副軸41bの被支持軸部63の軸長を短くすることができ、メカユニット20のディスク中心部側の形態を小型な形態とすることができる。
【0110】
このように、押圧バネ67を直接規制する位置に脱落防止片68を配置することで、最も効率よく部品を配置することができ、小型で耐衝撃性能に優れた光ディスク駆動装置1を提供することができる。
【0111】
すなわち、前述のように押圧バネ67は高さ調整機構の一部であり、高さ調整の際はz軸方向に移動する。脱落防止片68は、高さ調整の際の押圧バネ67の移動範囲を除く位置に配置されているため、高さ調整機構への影響はない。ここで、脱落防止片68は押圧バネ67のz軸方向に移動範囲と干渉しない範囲で、押圧バネ67となるべく近い位置に、凹部64に配置することが望ましい。これは衝撃による押圧バネ67の変位をなるべく速やかに規制するためと、メカユニット20、ひいては装置筐体10をなるべく薄型とするためである。また、脱落防止片68は、大きな衝撃力による部品の変位を規制するものであるから、ケース11,12又はそれに搭載されたメカユニットシャーシ21等の固定部品と、図4に示したように2点以上で固定されていることが望ましい。これは、脱落防止片68を片持ち支持で押圧バネ67の変形やガイド軸41の脱落を規制するよりも、脱落防止片68を複数点で固定し両端支持とした方が変位規制時の剛性が大きくなり、押圧バネ67の変位規制効果が大きくなるためである。
【0112】
ここで、押圧バネ67や付勢バネ66として板バネやコイルバネの代わりに、他の弾性部材を用いてもよい。また、これらによる支持が複数であってもよい。
【0113】
次に、本発明の別の実施の形態に係るスリムスロットイン方式の光ディスク駆動装置について、図6及び図7を用いて説明する。
【0114】
図6は、脱落防止片としてモータプレートの一部を利用したスキュー調整機構の構造を示した斜視図である。
【0115】
図7は、脱落防止片としてシャーシの一部を利用したスキュー調整機構の構造を示した斜視図である。
【0116】
図6に示す光ディスク駆動装置1のメカユニット20では、脱落防止片68として、モータプレート31の延長部31eを利用して構成されている。
【0117】
モータプレート31は、メカユニットシャーシ21に3点でボルト締結されている他、脱落防止片68としてのモータプレート延長部31eが一体形成されている。脱落防止片68としてのモータプレート延長部31eも、このモータプレート31自体のメカユニットシャーシ21に対するボルト締結に加えて、同じくメカユニットシャーシ21で別途ボルト締結されている。
【0118】
図7に示す光ディスク駆動装置1のメカユニット20では、脱落防止片68として、メカユニットシャーシ21のシャーシ折り曲げ部21eを利用したものである。
【0119】
シャーシ折り曲げ部21eはアーチ状になっており、その両端がシャーシ21と一体である。
【0120】
このように、脱落防止片68の構成は、押圧バネ67を直接規制する位置に配置できるものであるならば、上記の実施の形態のように、脱落防止片68として既存の部品の一部を利用してもよい。これらの場合、脱落防止片68として別部材を用いる場合に比べて部品点数が減少し、組み立て工数の減少や材料費の低減により安価で耐衝撃性能に優れたディスク駆動装置を提供することができる。ここで、脱落防止片68として利用する既存の部品は、メカユニット20の構成部品であればモータプレート31やシャーシ21以外であってもよい。また、この構造自体は、複数であってもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 光ディスク駆動装置、 2 光ディスク、 2a 中心孔、 10 装置筐体、 11 トップケース、 12 ボトムケース、 13 開口部、 14 ベゼル、 15 スリット、 16 端子孔、 17 クランプ解除ピン、 20 メカユニット、 21 メカユニットシャーシ、 22 開口部、 23 ターンテーブル、 24 スピンドルモータ、 25 光ピックアップ、 26 対物レンズ、 27 支持ピン、 28 防振脚、 29 挿通孔、 31 モータプレート、 40 光ピックアップガイド機構、 41 ガイド軸、 41a ガイド主軸、 41b ガイド副軸、 43 スクリュシャフト、 44 ステップモータ、 45 係合部、 46 ガイドフィード、 50 ブラケットリンク、 51 基盤シャーシ、 52 開口部、 53 ディスク搬送アーム、 55 外部接続端子、 60 ガイド軸支持機構、 61 高さ調整ネジ、 62 支持軸部、 63 被支持軸部、 64 凹部、 65 段部、 66 付勢バネ、 67 押圧バネ、 67p 押圧部、 67q 中間部、 67r 被支持部、 67s 係合片、 68 脱落防止片、 68p 取付部、 68q 規制部、 68r 取付部、 681 第1の脱落防止片、 682 第2の脱落防止片、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に、ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータ,前記スピンドルモータにより回転され、外部より搬送配置されたディスクをクランプするターンテーブル, ディスクに情報を記録又は情報を再生する光ピックアップ, 及び前記ピックアップを前記搬送配置されたディスクの径方向に移動可能に支持するガイド軸を搭載したメカユニットシャーシを収容し、該メカユニットシャーシを筐体内に上下動可能に保持してなるディスク駆動装置であって、
前記ガイド軸の、前記搬送配置されたディスクのディスク中心部側の軸部分に形成された軸幅方向に相対する一対の凹部と、
該一対の凹部の中の一方の凹部を付勢支持する軸支持部材と、
前記一対の凹部の中の他方の凹部を、前記軸支持部材による付勢方向と逆方向に押圧する軸保持部材と、
該軸保持部材に係合され、前記軸保持部に形成された前記他方の凹部と当接する押圧部の高さ位置を調整する高さ調整部材と
を有し、
前記高さ調整部材の前記軸保持部材との係合部を、前記ガイド軸の軸断面と軸長方向に重なるように配置した
ことを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載のディスク駆動装置であって、
前記軸保持部材の前記押圧部が配置された、前記ガイド軸の前記他方の凹部には、前記軸保持部材の変形を規制する変位規制部材を、前記軸幅方向に重ねて間隔を空けて配置した、
ことを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれかに記載のディスク駆動装置であって、
前記変位規制部材が2点以上で前記メカユニットシャーシ又はこれに搭載された部品に固定されている
ことを特徴とするディスク駆動装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のディスク駆動装置において、
挿入された前記光ディスクを前記ターンテーブルへクランプし、また前記光ディスクを前記ターンテーブルからクランプ解除して装置の外部へ排出するスロットローディング機構を備えている
ことを特徴とするディスク駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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