説明

ディッピング塗装装置

【課題】 安定した均一膜を形成でき、絶縁性や製膜品質のみならず外観品質も向上させることができ、高品質の塗装体を実現することができるディッピング塗装装置の提供を目的とする。
【解決手段】 ディッピング塗装装置は、A方向への揺動動作やC方向への回転動作が可能な保持冶具10に被塗装体6を固定した状態でディップ塗装処理と乾燥処理を行い、乾燥処理時は、前記保持冶具10に回転、揺動(振動)動作を適宜組み合わせながら与え、被塗装体6の保持状態を常に変化させることで塗装液の溜まりや偏りを抑え、塗装液を被塗装体6全体に均一に付着させることができるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装液を貯溜したディップ槽内に被塗装体を浸漬してディッピング塗装を行い、乾燥・硬化させるディッピング塗装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディッピング塗装装置は、塗装液を貯溜したディップ槽内に被塗装体を浸漬し、次工程へ送り出す移送機構を有し、浸漬する際の昇降速度、保持時間などを制御して高品位の塗装を得る技術が用いられている。
【0003】
図3は、従来のディッピング塗装装置を説明する図である。
【0004】
図3に示すようにディッピング塗装装置31は、移送チェーンコンベヤ33で塗装位置に移送され、ハンガー37a、37bを介して吊り下げられた被塗装体36a、36bを制御ユニット32により昇降動作が制御されて塗装液34内に浸漬保持され塗装処理が施され、塗装処理後に余分の塗装液の滴下をディップ槽35が受け、被塗装体へ塗装される構造となっている。なお、ディップ槽35の直上部までのコンベア移動速度、ディップ塗装直前までの下降速度、浸漬中の移動速度、浸漬保持時間、塗装後の空気中への露出までの上昇速度、露出から待機位置までの下降速度、滴下受容時間などの設定値は、塗装液の材質や被塗装体のサイズ・形状に応じて予め設定されている。
このようなディッピング塗装装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−46935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図3に示した従来のディッピング塗装装置では、被塗装体は常に同じ保持状態のままハンガーで吊り下げられているため、ディップ塗装後は塗装液が自重で被塗装体の下面側に流れ落ちて滞溜したり、また特に被塗装体の角部では塗装が薄くなり易く、絶縁性を確保するため所望の塗装厚を得ようとすると、複数回の塗装工程を繰り返す必要があり工数が増えるという問題があった。
【0007】
また、ディップ塗装後の乾燥処理中に余剰な塗装液が滴下するため、被塗装体の下面側に氷柱状の塗装塊やバリが出来易くなり、均一な塗装厚を得ることができないという問題があった。
【0008】
更に、例えば塗装液としてフィラーを充填し熱伝導性を高めたものを使用した場合、粘度が高く、従来技術による工法では塗装の均一性を得ることは難しく、塗装液の選択肢が狭くなるという問題があった。
【0009】
本発明は、上述の課題を解決し、安定した均一膜を形成でき、絶縁性や製膜品質のみならず外観品質も向上させることができ、高品質の塗装体を実現することができるディッピング塗装装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はこれらの課題を解決するため、ディッピング塗装装置は、揺動動作や回転動作が可能な保持冶具に被塗装体を固定した状態でディップ塗装処理と乾燥処理を行い、乾燥処理時は、前記保持冶具に回転、揺動(振動)動作を適宜組み合わせながら与え、被塗装体の保持状態を常に変化させることで塗装液の溜まりや偏りを抑え、塗装液を被塗装体全体に均一に付着させることができるよう構成する。
また、前記ディップ塗装処理を減圧状態好ましくは真空状態で行うことで、塗装液や被塗装体表面に存在する小さな気泡を除去し、高密度、高品質の塗装液を被塗装体の表面隅々まで浸透させ、より高品位の塗装が可能となる。
【0011】
本発明によれば、塗装液を貯溜したディップ槽内に被塗装体を浸漬して塗装処理を行い、その後、前記被塗装体を乾燥処理して塗装膜を形成させるディッピング塗装装置であって、前記被塗装体は保持冶具に固定され、前記保持冶具を前記ディップ槽に対して垂直方向に上下動させることで前記塗装処理を行い、かつ前記保持冶具は揺動動作手段と回転動作手段とを備え、前記保持冶具を揺動、回転させることで前記被塗装体の保持状態を変化させながら前記乾燥処理を行うことを特徴とするディッピング塗装装置が得られる。
【0012】
本発明によれば、前記保持冶具は、板状体を含む支持台と、第1のアームと、第2のアームから構成してなり、前記支持台の一方の面には前記第1のアームを、他方の面には前記第2のアームをそれぞれ設置してなり、前記第1のアームは前記保持冶具の前記ディップ槽と垂直方向への上下動作と揺動動作を担い、前記第2のアームは前記被塗装体の保持作用と前記回転動作を担うことを特徴とするディッピング塗装装置が得られる。
【発明の効果】
【0013】
以上述べたように本発明により、被塗装体をディップ塗装処理した後、保持冶具に回転動作と揺動動作を組み合わせながら与え、被塗装体の保持状態を常に変化させて乾燥処理させることにより、被塗装体の角部の塗装が流れ落ちて薄くなったり、下部側に氷柱状の塗装塊やバリが発生したりすることを防止し、均一な安定した塗装膜を形成することが可能となる。
【0014】
また、ディップ槽には加熱機能を付加して塗装液の温度、粘度制御を行い、例えば真空装置内でディップ塗装処理を行うことにより、小さな気泡が除去された高密度、高品質の塗装液を被塗装体の表面隅々まで浸透させ、より高品位の塗装を実現できると共に、フィラーを高充填されかつ複雑な形状を有する被塗装体に対しても、安定したディップ塗装が可能となり、塗装膜の膜厚均一性と膜質の品質向上を図ることができる。
【0015】
また、乾燥処理中は、被塗装体の保持状態を常に変化させることが可能であり、被塗装体の下部側の特定箇所に溜って滴下していた余滴の量も抑えることができる。前記余滴は廃棄されるので、結果的に材料コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明による実施の形態について図面を用いて説明する。
【0017】
本発明のディッピング塗装装置におけるディップ塗装処理、乾燥処理の各工程は従来の技術によるので省略するが、各工程をそれぞれバッチ式で行う場合、すなわち被塗装体を固定した保持冶具はディップ塗装処理後、手動で乾燥装置へ移動し乾燥処理を行う場合を示しているが、コンベアベルトなどを用いた移送手段を備えた連続処理が可能な自動装置であっても適用できる。従って、これ以降、ディッピング塗装装置における被塗装体の保持状態および保持冶具の構成に関わる部品や部位のみを簡易的、模式的に示し、またそれらの間接的な、または補助的な部分等については省略する。
【0018】
図1は本発明のディッピング塗装装置を説明する図で、被塗装体を塗装液に浸漬して塗装処理する時の被塗装体と保持冶具の状態の斜視図を示す。
【0019】
被塗装体6は、保持冶具10の支持台1の片面に直交して設置された第2のアーム3により内側から押さえ付けられた状態で保持され、前記支持台1の前記第2のアーム3と反対面に直交して設置された第1のアーム2を矢印Aの方向に上下動させることで被塗装体6をディップ槽5の塗装液4に浸漬し、引き上げて塗装処理を行う。ここでは、保持冶具10は、第1のアーム2をコンベアベルト9に吊り下げた状態を示しているが、コンベアベルト9以外の別の冶具に取り付けて、該冶具を上下動させるよう構成してもよい。
また、上記の上下動作は、手動で行っても、昇降移動量、浸漬時間、浸漬速度などの制御機構を伴う自動で行ってもよいが、作業性を考慮して自動で行うのがより好ましい。
更に、支持台1に設置したモーター8を駆動させ、ベルト7を介し第2のアーム3に回転運動を与えることで被塗装体6を回転させながら浸漬を行ってもよい。
【0020】
図1では、支持台1に設置した第2のアーム3は1つであるが複数設置してもよく、また第2のアーム3で保持する被塗装体6は1つであるが、第2のアーム3に掛止部や滑り止め部を設けるなどして複数保持できるようにしてもよく、被塗装体6のサイズ、形状等に応じ適宜設計するのが好ましい。
更に、保持冶具10は1つの場合を示しているが、保持冶具10を設置する別の冶具を用いて保持冶具10を複数個並べ、該冶具を上下動させて複数の被塗装体6を同時に浸漬し、引き上げるよう構成してもよい。
【0021】
塗装処理は、真空装置内に前記ディップ槽5と、被塗装体6を固定した前記保持冶具10を設置して減圧された雰囲気にて行うのが、高品位の塗装が可能となるのでより好適である。
【0022】
図2は本発明のディッピング塗装装置を説明する図で、被塗装体を塗装液から引き上げ、乾燥処理する時の被塗装体と保持冶具の状態の斜視図を示す。
【0023】
保持冶具10は、図示しない乾燥装置内に設置されており、上述の図1に示した塗装処理時の状態から、図1中に示す矢印Bの方向にほぼ90°回転させ、フック1aをコンベアベルト9に引っ掛けて吊り下げ、支持台1に設置されたモーター8が上方、被塗装体6を固定した第2のアーム3が下方に位置し、かつ第2のアーム3の軸方向が塗装液面とほぼ水平となる状態としている。しかし、コンベアベルト9以外の別の冶具に取り付けてもよく、その際は、フック1aの形状を適宜調整するのが好ましい。
【0024】
上記の状態で、モーター8を駆動させ、ベルト7を介して第2のアーム3の回転鍔部3aを矢印Cの方向に回転させることにより、被塗装体6を回転させながら乾燥・硬化させる。更に、支持台1を矢印Aの方向に揺動動作を与えることで、被塗装体6の回転方向の面と垂直方向にも塗装液を分散させることができると共に、余剰な塗装液の除滴も行うことができる。
【0025】
図2では、前記第2のアーム3を回転させるモーター8は、プーリーと一体型のものを支持台1に設置しているが、熱負荷を避けるため、支持台1と分離させ乾燥装置の外部に設置し、一方、支持台1には前記モーター8の代わりに、例えばドラム状のプーリーを設置し、乾燥装置外部のモーター8と前記プーリーの片鍔部を図示しないベルトで係合し、前記プーリーのもう一方の鍔部と第2のアーム3を図示しない別のベルトで係合することで、前記プーリーを中継して間接的に第2のアーム3を回転させる構造としてもよい。そうすることで、モーター8の性能・仕様における耐熱性を軽減できるのでより実用的である。
【0026】
保持冶具10を構成する支持台1、第1のアーム2、第2のアーム3の材質は、高耐熱性樹脂やステンレス、さらにはアルミニウムなどの軽量金属の何れでもよいが、耐熱性、強度、耐久性、軽量化に有効な高耐熱性樹脂を用いるのが好適である。また、第1のアーム2、第2のアーム3の設置方法は、支持台1の板状面に対して略垂直方向で互いに逆向きとするのがよい。
【0027】
第2のアーム3の形状、保持方法は、被塗装体6のサイズや外観形状を考慮し、確実に保持できるよう適宜調整するのが好ましい。図1、図2では、被塗装体6は環状とし、その内径側から押さえ付けて保持するようにしているが、被塗装体を挟んで保持するようにしてもよく、保持方法を被塗装体の形状に応じ適宜選定するのが好ましい。
また、ベルト7と噛み合う回転鍔部3aの外周面の形状は、滑りや横ズレを防止するため、凸凹状や鋸波状とするのが好ましい。
【0028】
塗装液4は、被塗装体に塗装するための液状の材料であればどんなものでもよく、一般的な絶縁材料に限らず、金属粉末などを含有した導電性材料としてもよく、塗装目的に応じて材料選定するのが好ましい。
【0029】
ディップ槽5は、塗装液4を貯溜すると共に、図示しない例えば液面センサなどの液面制御機能や、例えば加熱ヒータや撹拌器のような粘度・温度制御機能を備えているのがより好ましい。
また、塗装作業の効率性から被塗装体を複数同時に浸漬できるよう、塗装液4を貯溜する容積を適宜調整するのが好ましい。
【0030】
被塗装体6の形状は、ここでは環状としたが、どのような外観形状のものでもよい。
【0031】
ベルト7は、塗装液の乾燥・硬化中の高温に耐えうる耐熱性、耐摩耗性を有し、適度の弾性と硬度、低伸縮率を有する材質を用いるのが好ましく、ウレタン系やシリコーン系のゴム製で、それらの芯体にポリエステル繊維などの高耐熱繊維体を埋め込んだものを選定するのがより好ましい。
また、ベルト7の断面形状は第2のアーム3、モーター8との滑りや横ずれを防止するため互いに噛み合うような形状、例えば凸凹状や鋸波状とするのが好ましい。なお、ベルト7は、モーター8の回転運動を第2のアーム3に伝達するためのもので、第2のアーム3とモーター8とが係合されていればどんな方法でもよく、ベルト7を使用せず、ギア式のように直接噛み合わせた構造としてもよい。
【0032】
モーター8は、上記ベルトと同様に高耐熱性を有し、第2のアーム3と被塗装体6を回転させるに足りるトルクを有するものを選定するのが好ましいが、乾燥装置の外部に設置して熱負荷を避ける場合は、耐熱性要求は低減できるのでより好適である。
また、ベルト7と接する外周面の形状は、ベルト7との滑りや横ずれを防止するため互いに噛み合うような形状、例えば凸凹状や鋸波状とするのが好ましい。
【0033】
コンベアベルト9は、上記ベルト7と同一性能を有する樹脂材質でも、金属製チェーンなどでもよく、耐久性、軽量化を考慮し選定するのが好ましい。
【0034】
なお、第1のアーム、第2のアームの昇降速度、回転方向、回転速度、揺動の強さは、被塗装体のサイズ、外観形状や塗装液に応じ適宜調整するのが好ましい。
【実施例】
【0035】
以下、実施例を用いて詳述する。
【0036】
支持台1として、図1に示した様な形状で、長さ100mm、幅35mm、厚さ2mmのフェノール樹脂板を用いた。
【0037】
第1のアーム2として、図1に示した様な形状で、長さ50mm、縦15mm、横5mmのベーク樹脂製角柱を支持台1に埋設した。
【0038】
第2のアーム3として、図1に示した様に、外径5mm、長さ70mmのベーク樹脂製円柱を、回転鍔部3aに埋設し、一方、回転鍔部3aは外形40mm、厚さ10mmのベーク樹脂製円柱を支持台1に取り付けた。
【0039】
塗装液4として、固形分と液剤が6対4の体積比で配合され、熱伝導率1(W/K)の塗装液を用いた。
【0040】
ディップ槽5として、図1に示した様な貯溜する容積が長方体形状で縦200mm、横200mm、深さ100mmのものを用い、上記の塗装液4を充填した。
【0041】
被塗装体6として、環状の磁性体コアとし、外径30mm、内径20mm、高さ5mmものを用意した。
【0042】
ベルト7として、材質がシリコーンゴム製で芯体にポリエステル繊維体を埋め込んだものを使用し、外形寸法は6mm幅×2mm厚×周長200mmとした。また、第2のアーム3の回転鍔部3aとモーター8との滑り防止のため、ベルト内側面を粗面加工した。
【0043】
モーター8として、図1に示したような、略円柱状で外径40mm、厚さ10mmで、プーリーと一体型のものを用いた。
【0044】
コンベアベルト9として、金属製チェーンを用いた。
【0045】
上記、各部材を用いて、真空装置内にディップ槽5と、被塗装体6を固定した保持冶具10を設置し、第1のアーム2を上下動させて第2のアーム3ごと被塗装体6をディップ槽5に浸漬して塗装処理を行った。なお、ディップ槽5は、塗装液4の粘度調整のため120℃で加熱し、また1[torr]以下の真空度で行った。
【0046】
ディップ塗装処理後は、モーター8を駆動させて、ベルト7を介して被塗装体6を固定する第2のアーム3の回転速度を12回転/分に設定し、更に支持台1の背面に設置した第1のアーム2を矢印A方向に振動させて被塗装体6に揺動も与えながら高温槽に炉入し120℃、4時間にて乾燥・硬化させた。
【0047】
上記の構成により、図1、図2に示した保持冶具を用いた本発明のディッピング塗装装置を得た。また、比較例として、上述した本発明の実施例と同様の材料、形状を用いて、図3に示した従来の吊り下げ方式のディッピング塗装装置を用意した。
【0048】
上記の要領で作製した、図1、図2に示した本発明によるディッピング塗装装置と、図3に示した従来の吊り下げ方式によるディッピング塗装装置による、各々の被塗装体サンプル(n=10)について、膜質状態と絶縁耐力をぞれぞれ測定し、比較結果を表1に示す。なお、膜質状態は、被塗装体の断面を拡大顕微鏡を用い、流れ込み性、膜厚均一性などの膜状態を観察し、最大厚/最小厚の値とした。なお、最大厚/最小厚の値は1に近いほど均一であることを示す。また、絶縁耐力は、被塗装体の表面に銅箔を巻き付けて、絶縁耐圧計にて銅箔−被塗装体の内面間(塗装膜間)に交流電圧を徐々に上げながら印加した時、絶縁破壊した電圧値を測定し、n=10の平均値とした。
【0049】
【表1】

【0050】
表1に示す通り、本発明によるディッピング塗装装置では比較例のものと比べて、塗装膜の均一性が大幅に向上することがわかり、特に、角部の塗装膜厚については、比較例では最小で0.1mmで、下部側に氷柱状の塊が付着したのに対して、本発明では最小で0.3mm確保でき、液ダレによる塗装膜の不均一性は解消できた。また、絶縁耐力は約30%向上することがわかった。
【0051】
以上、実施例を用いて、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のディッピング塗装装置により、被塗装体への均一な塗膜形成が可能となり、塗装膜の品質向上と共に、低コスト化のみならず、今後益々小型化、薄型化、高性能化要求が厳しい各種電子機器、電子部品における高絶縁性の確保や防湿効果にも大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明のディッピング塗装装置の、被塗装体を塗装液に浸漬して塗装処理する時の被塗装体と保持冶具の状態の斜視図。
【図2】本発明のディッピング塗装装置の、被塗装体を塗装液から引き上げ、乾燥処理する時の被塗装体と保持冶具の状態の斜視図。
【図3】従来のディッピング塗装装置を説明する図。
【符号の説明】
【0054】
1 支持台
1a フック
2 第1のアーム
3 第2のアーム
3a 回転鍔部
4、34 塗装液
5、35 ディップ槽
6、36a、36b 被塗装体
7 ベルト
8 モーター
9 コンベアベルト
10 保持冶具
31 ディッピング塗装装置
32 制御ユニット
33 移送チェーンコンベヤ
37a、37b ハンガー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗装液を貯溜したディップ槽内に被塗装体を浸漬して塗装処理を行い、その後前記被塗装体を乾燥処理して塗装膜を形成させるディッピング塗装装置であって、前記被塗装体は保持冶具に固定され、前記保持冶具を前記ディップ槽に対して垂直方向に上下動させることで前記塗装処理を行い、かつ前記保持冶具は揺動動作手段と回転動作手段とを備え、前記保持冶具を揺動、回転させることで前記被塗装体の保持状態を変化させながら前記乾燥処理を行うことを特徴とするディッピング塗装装置。
【請求項2】
前記保持冶具は、板状体を含む支持台と、第1のアームと、第2のアームから構成され、前記支持台の一方の面には前記第1のアームを、他方の面には前記第2のアームをそれぞれ設置してなり、前記第1のアームは前記保持冶具の前記ディップ槽に対して垂直方向への上下動作と揺動動作を担い、前記第2のアームは前記被塗装体の保持作用と前記回転動作を担うことを特徴とする請求項1記載のディッピング塗装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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