説明

ディーゼル粒子フィルターとして好適な多孔質セラミックの製造方法

【目的】 誘電乾燥することのできる、寸法精度が高く耐久性のある多孔質セラミック製品を製造する方法を提供する。
【構成】 グラファイト、水に不溶なセルロース、およびセラミック形成前駆物質を有効量のビヒクルおよび成形助剤と混合して可塑性混合物を形成する。その可塑性混合物を未焼成ボディに成形し、未焼成ボディを誘電乾燥する。次いで乾燥した未焼成ボディを、多孔質セラミック製品を形成するのに有効な条件下で焼成する。このときグラファイトおよび水に不溶なセルロースを、セラミック形成前駆物質、ビヒクル、および成形助剤と、セラミック製品中に全体の気孔率45〜55%を達成し、実質的にアークおよび短絡の発生なしに未焼成ボディの乾燥を可能にするのに有効な量で混合する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼル粒子フィルターとして使用するのに好適で、実質的に誘電乾燥させることができる多孔質セラミック製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粒子で汚染された流体を多孔質な、壁を有するハニカム構造を通すことにより、流体(すなわち基体および/または液体)から固体微粒子およびより大きな粒子を濾過できることが分かっている。米国特許第4,329,162号は、ディーゼルエンジン排気から炭素性固体を粒子を除去するための、および他の濾過用途のためのハニカムフィルターを開示し、特許請求している。代表的なディーゼル微粒子フィルター(DPF)は、フィルター上に少なくとも1つの入口表面と出口表面、および入口表面または出口表面もしくはその両方からフィルターを通って伸びる複数の中空通路またはセルを限定する、複数の連絡した薄い多孔質壁を有する。入口セルは、少なくとも一方の入口表面で開いており、汚染した流体をフィルターの中に受け入れる。入口セルは、フィルターの出口表面に接合するところで閉じている。出口セルは、フィルターを通過した流体を排出するために出口表面で開いている。出口セルは、入口表面と接合するところでは同様に閉じている。連絡した薄い壁は、流体を入口から出口セルに通過させ、その流体中の固体微粒子の望ましい部分を保持する、内部で連絡した、開いた多孔性を有する。
【0003】微粒子は、入口セルを限定する薄い壁の表面上に捕捉、つまり収集される。収集された微粒子の量が増加するにつれて、フィルターを横切る背圧が高くなる、および/またはフィルターを通過する流体の流量が低下し、背圧および/または流量が望ましくない水準に達すると、フィルターを、捕捉された微粒子を除去して再生するか、あるいは廃棄する。DPFは一般的に、マフラーや触媒転換器と同様に、ディーゼルエンジンを備えた自動車の排気系統中に挿入されるハウジング内に設置される。
【0004】微粒子フィルターとして使用するセラミック基材に必要な多孔性を造り出すためには、「焼失」材料をセラミック前駆物質に加えて混合してから焼成する。この細孔形成材料は、セラミック前駆物質が焼成されて硬化したセラミック本体を形成する時に完全に燃焼する。セラミック製品に使用される最も一般的な材料はグラファイトであるが、これはセラミック製品の亀裂または弱点の原因となる膨潤を引き起こさずに、最適な細孔径および良好な全体的な多孔性が得られるためである。
【0005】30重量%までのグラファイトで製造したセラミックス製品は妥当な物理特性を示すが、グラファイト焼失材料に欠点が無い訳ではない。最も深刻な問題は、グラファイト含有セラミック製品を完全に誘電乾燥させることができない点である。誘電乾燥装置は一対の対向する板または電極を使用し、それらの板または電極間に高周波電界を形成する。この「誘電」界が製品中の水に作用し、エネルギーが水に吸収される。このエネルギー吸収により熱が発生し、製品中の水が蒸発する。誘電乾燥は、セラミック製品の乾燥が迅速で一様なので、セラミック乾燥には好ましい方法である。その上、誘電乾燥により、乾燥中の製品の亀裂が減少し、最終製品の寸法精度が向上する。
【0006】しかし、大量のグラファイトを含む成形セラミック基材を誘電乾燥させると(しかも、乾燥が完了する前に)、乾燥装置の電極とセラミック製品との間にアークまたは短絡が生じることが分かっている。誘電乾燥装置におけるアークは、製品の燃焼、亀裂発生、または乾燥装置の損傷などの、多くの問題を引き起こすことがある。また、製品は十分に誘電乾燥されないので、一般的に従来の高温空気炉で乾燥を完了させなければならない。微粒子フィルターとして一般的に使用する製品の大きさおよび乾燥の不均一性のために、高温空気乾燥の際に著しい亀裂が生じることがある。最後に、セラミック製品に多孔性を与えるためにグラファイトを使用すると、グラファイトが燃焼する際に大きな発熱反応が起こる。この反応により、燃焼の際に製品の内部が外側よりはるかに熱くなる。この大きな熱勾配も亀裂の原因となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、焼失材料としてグラファイトを使用することにより良好な物理特性を示すセラミック製品が得られているが、寸法精度の高い、耐久性のある多孔質セラミック基材の製造方法を改良することがなお必要とされている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、例えばディーゼルエンジンの排気から浮遊する微粒子を除去するフィルターとして使用するのに好適な多孔質セラミック製品の改良された製造方法に関する。本発明により、グラファイト焼失材料の量を減少させることにより、セラミック製品の誘電乾燥の際のアーク発生が防止されることを発見した。予期せぬことに、ある量の、水に不溶なセルロースでグラファイトを置き換えることにより、セラミック製品をアーク発生および短絡なしに、したがって、追加の「高温空気」乾燥工程を必要とせずに、誘電乾燥させることができる。
【0009】本発明の多孔質セラミック製品の製造方法は、セラミック形成前駆物質、グラファイト、および水に不溶なセルロースをビヒクルおよび他の望ましい成形助剤と混合して可塑性混合物を形成する工程、その可塑性混合物を未焼成ボディに成形する工程、その未焼成ボディを誘電乾燥する工程、およびその乾燥した未焼成ボディを焼成して所望の多孔質セラミック製品を形成する工程からなる。
【0010】本発明の方法は、多孔質コージエライト製品の製造に使用できる。グラファイトおよび水に不溶なセルロース、および分析によるバッチ組成が酸化物基準の重量で、9〜20%のMgO、30〜50%のAl2 3 、および41〜56.5%のSiO2 になるのに好適な量のセラミック成形前駆物質をビヒクルおよび他の望ましい成形助剤と混合し、可塑性混合物を形成する。異方的に(anisostatically) 未焼成ハニカムに成形し、この未焼成ハニカムを誘電乾燥させる。次いで乾燥したハニカムを、実質的にコージエライトからなるセラミック物体を形成するのに有効な条件下で焼成する。
【0011】本発明の方法は、ディーゼル微粒子フィルターの製造に特に効果的である。グラファイト、水に不溶なセルロース、およびコージエライト製品の形成に有効な量のセラミック形成前駆物質をビヒクルおよび成形助剤と混合し、可塑性混合物を形成する。この可塑性混合物を異方的に押し出して未焼成ハニカムを形成し、これを誘電乾燥し、焼成してコージエライト製品を形成する。焼成したコージエライトハニカムの孔を栓で塞ぎ、再焼成してディーゼル微粒子フィルターを形成する。
【0012】グラファイト焼失材料の一部を水に不溶なセルロースで置き換えることにより、望ましい全体的な多孔性および平均細孔径を維持しながら、アーク発生や短絡なしにセラミック製品を完全に誘電乾燥させることができる。本発明により製造される多孔質セラミック製品は、乾燥の際に生じる亀裂も少ない。その上、セルロースとグラファイトを組み合わせて使用することにより、セルロースはグラファイトよりも低い温度で燃焼するので、焼成のどの部分においても熱の発生程度は低くなる。したがって、存在する熱勾配はすべて焼成工程の長期にわたって分散し、それによって熱応力が低下する。このために、焼成の際に生じる亀裂が少なくなる。
【0013】本発明により、多孔質セラミック製品の新規な製造方法を開示する。本発明の方法により形成される多孔質セラミック製品は、ディーゼル微粒子フィルターとして特に有用である。したがって、以下に好ましい実施態様を本発明のその用途に関して記載する。本質的に、本発明の方法は、グラファイトおよび水に不溶なセルロースをセラミック成形前駆物質および有効量のビヒクルおよび成形助剤と混合して可塑性混合物を形成する。この可塑性混合物を未焼成ボディに成形し、誘電乾燥させる。次いで乾燥した未焼成ボディを焼成して多孔質セラミック製品を形成する。
【0014】セラミックバッチを構成するセラミック形成前駆物質の選択は、所望の焼成組成物により異なる。焼成して例えばアルミナ、ムライト、コージエライト、ジルコン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、スピネル、ジルコニア、またはフォーステライトを形成できるセラミック形成前駆物質のどのような組合わせでも本発明のセラミック形成前駆物質として使用できる。
【0015】コージエライトセラミック材料は、ディーゼルエンジン内部の極端な温度および他の物理的または化学的条件下において耐久性があるので、一般的にディーゼル微粒子フィルターに好ましい。代表的なコージエライトセラミック材料および本発明の方法に有用なコージエライト含有ハニカム構造の製造方法は、ここに参考文献として含める、米国特許第3,885,977号および第4,001,028号に記載されている。コージエライト含有セラミック製品の特に好ましい製造方法は、本発明者の、1991年12月30日出願の、「変性コージエライト前駆物質」と題する審査中の米国特許出願に開示されている。
【0016】一般的に、コージエライトセラミック製品を製造するには、タルク、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、およびマグネシアを与える化学物質を、分析により実質的に41〜56.5%のSiO2 、30〜50%のAl2 3 、および9〜20%のMgOからなるコージエライトを製造するような粘土、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、およびアルミナの比率で使用する。MgO、Al23 およびSiO2 の総重量は、セラミック製品の総重量の少なくとも95%になるのが好ましい。
【0017】コージエライトの結晶は、本発明により焼成工程で優先的に配向する。これは、大きな、寸法の等しい粒子ではなく、平らな粒子(すなわち平板)の形の原料を使用することにより達成されると考えられる。好適な板状材料は、各種のタルクおよび離層状のカオリンのような離層状の粘土に見られる。
【0018】平板という用語は、材料粒子の形状および幾何学的構造を指す。この粒子は2つの長い寸法および1つの短い寸法を有する、すなわち平板の長さおよび幅はその厚さよりもはるかに大きい。長さと幅は等しい必要はないが、平板の厚さよりもはるかに大きくなければならない。
【0019】セラミック形成前駆物質は、ある量の、水に不溶なセルロースおよびグラファイトと混合しなければならない。上記のように、セルロースおよびグラファイトは、本発明により製造されるセラミック製品中に必要な気孔率を達成するために、焼失材料として作用する。必要な物理特性を与え、成形した未焼成ボディをアーク発生や短絡なしに誘電乾燥できるなら、グラファイトと水に不溶なセルロースとのどのような組合わせでも使用できる。
【0020】一般的に、水に不溶なセルロースの量が増加するにつれて、望ましい全体的な気孔率および最適な細孔径を維持するために、グラファイトの量は減少させるべきである。本発明の目的には、全体的な気孔率は、基材の壁内の気孔率と定義される。セルロースは一般的に同じような量のグラファイトの約2倍の気孔率をもたらす。また、セルロースの膨潤傾向による亀裂を防止するために、グラファイトの量は、乾燥中にアーク発生や短絡を引き起こさない程度で、なおできるだけ高く維持するのが望ましい。好ましくは、100重量部のセラミック形成前駆物質に、約10〜約20重量部のグラファイトおよび約4〜約12重量部のセルロースを加える。100重量部のセラミック形成前駆物質に、約15〜約20重量部のグラファイトおよび約8〜約10重量部のセルロースを加えるのが特に効果的である。
【0021】グラファイトは天然でも合成でもよい。本発明の方法に使用するグラファイト粒子の平均粒子径および粒度分布は、例えば焼失後の望ましい細孔径により異なる。一般的に、粒子径が大きいほど、細孔径も大きい。大きな細孔径を使用して(すなわち製品の平均細孔径が30mmを超える)必要な気孔率を達成するのは、大きな細孔径により最終製品の強度が低下するので、好ましくない。ディーゼル微粒子フィルターには、全体の気孔率が約45〜約55%で、平均細孔径が約8〜約30mmであるのが好ましい。特に好ましい平均細孔径は約10〜約30mmである。好ましくは、必要な気孔率を達成するために使用するグラファイトの粒子径は約5〜約30mm、特に好ましいグラファイト粒子径は、約11〜約26mmである。さらに、望ましい全体の気孔率を達成するのに使用する平均細孔径は、より粗い(すなわち平均細孔径がより大きい)タルクを使用して調節することができる。製品の平均細孔径を調節するためにより粗いタルクを使用しても焼成製品に悪影響を与えることはない。
【0022】本発明で使用する水に不溶なセルロースは、広範囲な供給源から得ることができる。例えば木の繊維またはパルプ、植物繊維、綿繊維、または合成セルロースはすべてセルロースの好適な供給源である。上記のように、グラファイトに対して、セラミック前駆物質に加えられるセルロースの粒子径は、例えば、焼失後の望ましい細孔径により異なる。好ましくは、セルロースの粒子径は一般的にグラファイトの粒子径に等しい。ディーゼル微粒子フィルター製造に使用するのに特に好ましいセルロースは、ニューヨーク州、ノーストナワンダのインターナショナル フィラー コーポレーションから市販されているアルファ−セルC−100セルロースである。アルファ−セルC−100セルロースは、スクリーン分析で測定して、(米国標準篩)100メッシュ通過が97〜100重量%、200メッシュ通過が55〜60重量%の粒子径を有する。
【0023】セラミック前駆物質、水に不溶なセルロース、およびグラファイトをビヒクルおよび押出し助剤と混合し、適切に平板を配向させるのに十分な可塑性流動を達成する。本発明の方法には、この分野で公知のすべての好適なビヒクルを使用できる。混合物の成形性および焼成前の未焼成ボディ強度を与えるために、メチルセルロースおよびステアリン酸ナトリウムのような押出し助剤も十分な量で加える。やはり可塑性を与える水も乾燥材料100重量部に対して15〜36重量部の量で使用すべきである。
【0024】原料を可塑的に成形可能な状態に混合した後、それを可塑性流動または押出しにかけて未焼成ボディ中の粘土およびタルクの平板を配向させる。薄いウェブおよび薄いリボン材料で構造を形成する場合、粘土およびタルク平板の望ましい配向はウェブの平面内である。ハニカム構造に組み立てられるシートの圧延および圧縮のような他の成形方法も同様に好ましい配向を与えることができる。
【0025】従来の等方的(isostatic) 成形方法では、バッチの粘土およびタルク粒子は、混合および半製品製造の際に与えられる同じ配向中に残される傾向がある。
【0026】反対に、この非等方的方法は、形成されている物体のすべての部分に等しい力をかけず、したがって、粘土およびタルク平板は可塑性バッチ中で滑り、回転させられ、平らな配向に到達しようとする。例えば、材料のリボンを圧縮または押出しする際、配向の結果、粘土のc軸の理想的な配置が得られる。得られるコージエライト結晶は配向し、焼成の後、低膨脹性のc軸がリボンの面に優先的に横たわり、高膨脹性のa軸がその面に対して横に、薄い寸法に対して平行に配向する。
【0027】セルの開いた、薄壁のハニカム構造を成形する場合、本発明により、コージエライトは、低膨脹がセルの軸に沿い、高膨脹が薄壁を横切るように配向する(ただし、セル軸に対して直角にボディー全体を横切るのではない)。ハニカム中の内部空間により薄壁がセルの中に膨脹できるので、高膨脹方向の影響は少ない。本発明で効果的な代表的なハニカム構造は、壁厚が約0.076〜約1.27ミリメートルで、セル密度が約1.4セル/平方センチメートル〜約144セル/平方センチメートルである。薄壁の厚さは適切な配向を達成するのに重要ではないが、壁が薄い方がより完全で、より一貫した平面配向が得られる。ディーゼル微粒子フィルターとして使用するのに特に好ましいハニカム構造は、ピッチャー、Jr.所有の米国特許第4,329,162号に記載されている。
【0028】ハニカム構造の他に、他の形状も押出し、または成形することができ、膨脹の異方性は、成形の際に粘土粒子に与えられる配向により制御する。
【0029】成形した未焼成ボディは誘電乾燥する。誘電乾燥は、未焼成ボディの両側または上下に電極を有する誘電炉中で行うことができる。本発明により、未焼成ボディは誘電炉中で完全に乾燥することができ、例えば高温空気炉における追加の乾燥工程を必要としない。本発明の目的には、完全に乾燥した未焼成ボディはなおある程度の水分を含むことができる。完全に乾燥させるには、未焼成ボディを乾燥させ、押出しの際に粒子を取り囲むすべての水、および粒子が接触した後粒子間に存在する間げき水の大部分を除去すべきである。間げき水は、密に充填された粒子間の空隙中に残存する水である。しかし、粒子表面上に吸着された少量の水が存在することがある。この分野で公知のように、この少量の水は、得られるセラミック製品の物理特性に悪影響は及ぼさない。
【0030】成形されたコージエライト物体の焼成範囲は、コージエライト相に対する反応を実質的に完了させるのに十分な均熱時間をもって、1340〜1440℃である。均熱時間は6〜12時間でよい。
【0031】また、「コージエライト物体の製造」と題する米国特許出願第654,328号に開示されているように、粘土またはタルクを使用せずに、12〜16重量%の酸化マグネシウム、35〜41重量%の酸化アルミニウム、および43〜53重量%のシリカの混合物からコージエライト物体を形成することができる。この混合物に成形助剤を加えて未焼成ボディを形成した後、このボディを乾燥させ、焼成してコージエライト含有製品を製造することができる。そのような焼成は、1000〜1200℃の温度に加熱し、100℃/時間の速度で1350〜1450℃に昇温することにより行う。
【0032】焼成したセラミックハニカムは、その製品の濾過特性を高めるために、穴を栓で塞ぎ、再焼成することができる。好ましい実施態様では、ピッチャー所有の米国特許第4,329,162号に記載されているようなハニカム製品の交互に並ぶセルを各末端面の近くで市松模様のパターンに栓で穴を塞ぎ、入口末端面で塞がれたセルは出口末端面で開く、およびその逆になるようにする。栓は、可塑的に成形できるセラミックセメントを空気作動式シーラントガンで望ましいセル末端中に注入して形成することができる。セル末端に注入する閉塞用セメントの量は、作動空気圧をシーラントガンにかける時間を測定することにより制御できる。セル中に伸びる栓の深さまたは長さは広範囲に変えることができる。有効長さは約5〜15mm、好ましくは約9.5〜13mmである。
【0033】本方法に使用する閉塞用セメントは、公知のどのような発泡または非発泡セラミックセメントでもよい。セラミックセメントは高熱面で、並びに最新の排気系統で一般的な化学的および物理的条件下で耐久性があるのが好ましい。非発泡セメントを使用した場合に一般的に起こる乾燥および焼成収縮に対処するには、発泡セメントを使用するのが好ましい。好ましいセラミックセメントは、ピッチャー所有の米国特許第4,329,162号およびペイスレー所有の米国特許第4,297,140号に開示されている。
【0034】セラミックセメントを注入した後、前に焼成したセラミック製品を再焼成する。この焼成は、60時間以内で約1350〜1440℃の温度に加熱して行う。
【0035】
【実施例】実験試料1〜63はすべて1つの基本手順にしたがって調製した。基本的な実験バッチは、そのバッチの酸化物および鉱物部分に関して重量が約1000グラムであった。これらのバッチはすべての場合に100部に標準化してはいないので、この数字は使用する原料の種類に正確に依存していない。ニューヨーク州、ロチェスターのサイブロン コーポレーションの子会社であるナルゲン社により販売されている大型の広口ナルゲンびん中にバッチを計量し、続いてビヒクル、メチルセルロースおよび押出し助剤を加えた。次いで、このびんを、ニュージャージー州、メイウッドのグレン ミルズ社から市販されているタービュラーミキサー中に入れ、約10分間乾燥させた。
【0036】バッチ原料を混合した後、混合粉砕機のパン中に移した。この粉砕機は、混合車輪、および湿ったバッチがパンや車輪に付着するのを防止するためのかき取り装置を備えている。ミキサーを始動させ、混合しながら水を徐々に加えた。水をすべて加え終わった後、さらに攪拌してバッチを可塑化した。粉砕機の大きさのため、バッチは一般的に大きな可塑性材料ではなく、小さな顆粒を形成した。可塑化した後、バッチを押し出した。
【0037】試料1〜50の押し出しは、小型の、ラム型押出機で行った。バッチを最初にヌードルダイスを通し、真空脱気してバッチ材料から空気を除去した。この作業を、材料を押出機の胴に戻して2回行った。2回通した後、ダイスを16セル/平方センチメートル、0.432ミリメートル壁厚のダイスに変更した。再度、胴を脱気し、3.12センチメートル直径の小片を製造した。押出した未焼成ボディをホイルでくるみ、表面の急速な乾燥を防ぎ、次いで高温空気乾燥炉中に入れ、2日間乾燥させた。
【0038】これらの試料を長さ約7.5センチメートルに切断し、アルミナセッターボックス中に入れた。各試料の長さは焼成の前後に測定し、焼成収縮を計算した。焼成は、ガス燃焼の、ビックレイ型3000キルン中で行った。以下に示す標準的な自動車用64時間焼成予定を使用した。
【0039】2.0時間以内に25〜200℃5.0時間以内に200〜325℃2.5時間以内に325〜450℃6.5時間以内に450〜600℃3.0時間以内に600〜900℃4.0時間以内に900〜1100℃2.0時間以内に1100〜1130℃2.0時間以内に1130〜1160℃4.0時間以内に1160〜1265℃3.0時間以内に1265〜1320℃6.0時間以内に1320〜1390℃1390℃に8時間保持8.0時間以内に1390〜650℃5.0時間以内に650〜100℃試料51〜54の押出しは大型のラム押出機で行った。14.15センチメートル直径、16セル/平方センチメートル、および0.43ミリメートル壁厚を有するウェブ製品を製造した。これらの大型押出し物はホイルで包まなかった。これらの大型の押出し未焼成ボディを望ましい長さに切断し、ある輪郭を有する、非導電性の(すなわち木製の)セッター上に置き、実験室用の、上下に電極を備えた誘電炉の中に入れた。製品は炉中で6〜10分間かけて完全に乾燥させた。製品は、一様な加熱および乾燥を行うために、乾燥サイクルを通して90度回転させた。
【0040】焼成下試料は全体の多孔性、細孔径および密度について試験した。また、ウェブ表面および壊れた縁部の顕微鏡写真および目視観察により細孔構造を評価した。標準的な高圧水銀侵入により、気孔率、細孔径、および密度を計算した。圧力増加と共に、水銀は益々細かい孔に押し込まれ、細孔径と吸引すべき気孔率の関係をプロットすることができる。
【0041】実施例には様々な基本組成物を使用した。表Iは、実施例に使用した各種基本組成物のセラミック前駆物質を重量部で示す。基本組成物は表Iにグラファイトまたはセルロースの添加せずに示す。大体の平均粒子径(APS)を括弧内に示す。平均粒子径はすべてミクロンで表示する。
【0042】
表 I A B C D Eタルク95〜28(APS 5〜9) 40.21 -- -- -- --タルク95〜27(APS 5〜9) -- 40.78 40.78 40.78 40.78 か焼粘土21.17(APS 1.5) 26.48 26.48 20.0 15.00 ハイドライトMP(粗粘土) 25.15 15.37 -- -- -- (APS 7) カオペイク-20 (粗粘土) -- -- 15.37 15.37 15.37 (APS 1.5〜2.0)Al2 3 (APS 4.0〜4.5) 13.47 15.34 -- -- --Al(OH)3 (APS 3.5〜4.0) -- -- 23.42 27.97 31.48 SiO2 (APS 4.0〜4.5) -- 2.00 2.00 5.51 8.20 タルク95〜28は、粒度分布の広い(すなわち粗い粒子が多い)タルクであり、タルク95〜27は、粒度分布のせまいタルクである。タルク95〜27およびタルク95〜28の両方とも、ニューヨーク州、ニューヨークのファイザー社から入手できる。ハイドライトMPおよびカオペイクは、ニュージャージー州、エリザベスのジョージア カオリン カンパニーから入手できる。
【0043】可塑剤/押出し助剤として、4.00重量部の水に可溶なメチルセルロースおよび0.50重量部のステアリン酸ナトリウムを100重量部のセラミック成形前駆物質に加えた。
【0044】これらの試験の結果を下記の表IIに示す。
【0045】
表 II試料# 基本組成物 グラファイト/ 気孔率 細孔径 セルロース (%) (mm)
重量%1 A 30/0 49.8 8.92 A 20/2 49.1 8.83 A 20/5 51.6 10.74 A 30/0 49.0 9.85 A 15/2 46.3 7.396 A 15/5 47.2 7.287 A 10/2 44.6 6.258 A 10/5 44.9 6.669 A 30/0 52.1 10.3010 A 20/2 −− −−11 A 20/4 47.7 7.0212 A 20/6 50.2 8.6413 A 15/4 45.6 7.3114 A 15/6 49.0 8.2215 C 30/0 46.4 6.5516 C 30/0 51.8 7.2117 D 30/0 53.4 6.7318 D 30/0 48.9 7.3119 E 5/0 44.2 3.5620 E 10/0 46.5 4.1221 E 15/0 47.0 4.9122 E 20/0 49.2 6.1123 E 0/2 44.0 3.8424 E 0/4 45.8 4.4325 E 0/6 47.0 5.2626 E 0/10 49.4 6.9727 B 20/0 48.6 6.7628 B 25/0 52.1 10.6 29 B 30/0 50.9 7.7230 E 0/0 42.1 2.5531 E 5/2 46.5 3.7632 E 5/4 46.9 4.4633 E 5/6 48.2 5.6734 E 5/8 49.1 6.6735 E 10/2 48.4 4.9636 E 10/4 47.4 5.5537 E 10/6 52.3 7.0138 E 10/8 52.4 7.7239 E 15/2 49.3 5.3640 E 15/4 51.2 6.2441 E 15/6 51.3 7.5942 E 15/8 52.3 7.3643 E 20/2 51.8 6.7444 E 20/4 54.3 7.5145 E 20/6 53.2 7.4946 E 20/8 55.6 8.1047 E 10/6 49.8 6.2748 E 10/8 51.8 6.7849 E 15/4 51.1 5.7450 E 15/6 54.3 6.6251 E 0/8 −− −− 52 E 10/6 47.9 6.0253 E 20/2 50.5 6.2454 E 20/8 54.6 7.50表IIは、焼失材料としてグラファイトと水に不溶なセルロースの組合せを使用して製造した未焼成ボディは必要な全体の気孔率および平均細孔径を有することを示している。グラファイトおよびセルロースの両方を含む試料では亀裂が生じなかった。しかし、セルロースを8重量%しか含まず、グラファイトを含まない試料51はひどい亀裂を生じた。試料51〜54はすべて20重量%までのグラファイトを含む大型の押出し物であり、アークや短絡の発生なしに完全に誘電乾燥された。
【0046】試料1〜14(基本組成物A)は、グラファイト/セルロース含有試料(試料2、3、5〜8、10〜14)の気孔率は、基本組成物Aにグラファイトだけを加えた試料(試料1、4、9)により示される気孔率より僅かに下から僅かに上の範囲内にあった。細孔径は、グラファイト量の低下と共に減少し、乾燥の際のアーク発生や短絡を防止しながら、グラファイトの量をできるだけ高く維持するのが好ましいことを示している。基本組成物B(試料27〜29)、C(試料15〜16)、D(試料17〜18)、およびE(試料19〜26、30〜54)の分析により、他の基本組成物でも類似の結果が得られていることが分かる。
【0047】試料55〜63は、表Iの基本組成物Eを使用し、等しい量のより粗いタルクでタルク95〜27を置き換えて製造した。粗いタルクを120、140、および170メッシュ米国標準篩でスクリーニングし、3種類のタルクを得た。使用した粗いタルクは、ニューヨーク州、ニューヨークのファイザー社から入手できる99〜48タルクである。120メッシュの篩にかけた粗いタルクの平均粒子径は約63mmであった。140メッシュで篩にかけた粗いタルクの平均粒子径は約58mmであった。170メッシュで篩にかけた粗いタルクの平均粒子径は約52mmであった。篩にかけた粗いタルクはタルク95〜28と様々な比率で混合した。試料55〜63のそれぞれで、グラファイト20重量部およびセルロース10重量部を変性した基本組成物に加えた。グラファイトおよびセルロースを含むバッチに対するタルク置き換えの結果を下記の表III に示す。
【0048】
表 III タルク タルク 気孔率 細孔試料 粗粒/微粒 篩(メッシュ) (%) (μm )55 25/75 120 53.7 13.256 25/75 140 53.4 12.257 25/75 170 54.3 12.358 37.5/62.5 120 51.7 15.459 37.5/62.5 140 54.0 14.360 37.5/62.5 170 54.3 13.261 50/50 120 53.8 15.662 50/50 140 54.5 15.163 50/50 170 53.5 14.0表III から分かるように、製品の平均細孔径は微粒タルクを粗いタルクで置き換えることにより調節できる。粗粒タルク対微粒タルクの比率が増加するにつれて、細孔径は累進的に大きくなる。その上、粗粒タルク部分が各比率内で120から170メッシュに(すなわち粗粒から微粒に)変化するにつれて、細孔径は低下する。各試料の細孔径は、その製品をディーゼル微粒子フィルターとして使用するのに好適な範囲内にある。
【0049】まとめると、セラミック製品を誘電乾燥する際のアーク発生および/または短絡を防止するために、グラファイトを水に不溶なセルロースで置き換えることができる。セルロースをグラファイトと組み合わせて使用することにより、ディーゼル微粒子フィルターとして使用するのに好適な、寸法精度の高いセラミック製品に必要とされる全体の多孔性および細孔径を損なわずに、完全な誘電乾燥を行うことができる。
【0050】本発明を説明のために詳細に記載したが、無論そのような詳細は説明目的のためだけであって、当業者なら、請求項に規定する本発明の精神および範囲から逸れることなく、変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ディーゼル粒子フィルターとして使用するのに好適な多孔質セラミック製品の製造方法であって、グラファイト、水に不溶なセルロース、およびセラミック形成前駆物質を有効量のビヒクルおよび成形助剤と混合して可塑性混合物を形成する工程、前記可塑性混合物を未焼成ボディに成形する工程、前記未焼成ボディを誘電乾燥する工程、および前記乾燥した未焼成ボディを、多孔質セラミック製品を形成するのに有効な条件下で焼成する工程からなり、グラファイトおよび水に不溶なセルロースを、前記セラミック形成前駆物質、前記ビヒクル、および前記成形助剤と、前記セラミック製品中に全体の気孔率45〜55%を達成し、実質的にアークおよび短絡の発生なしに前記未焼成ボディの前記乾燥を可能にするのに有効な量で混合することを特徴とする方法。
【請求項2】 前記混合が、100重量部のセラミック形成前駆物質に、約10〜約25重量部のグラファイトおよび約4〜約12重量部の水に不溶なセルロースを混合して前駆物質混合物を形成すること、および前記前駆物質混合物に有効量のビヒクルおよび成形助剤を加えて可塑性混合物を形成することからなることを特徴とする請求項1記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項3】 前記前駆物質混合物が、100重量部のセラミック形成前駆物質に対して、約15〜約20重量部のグラファイトおよび約8〜約10重量部の水に不溶なセルロースからなることを特徴とする請求項2記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項4】 前記成形が、ダイスを通して前記可塑性混合物を異方的に押出して未焼成ボディを形成することを特徴とする請求項1記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項5】 前記未焼成ボディが、ハニカムの第一の末端から第二の末端へ伸びる複数の、末端の開いたセルを有する薄壁のマトリックスを有する異方的に押出したハニカムであることを特徴とする請求項4記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項6】 前記ハニカムが1平方センチメートルあたり少なくとも約8.0個のセルを有することを特徴とする請求項5記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項7】 前記ハニカムの薄壁が少なくとも約45%の全体的な気孔率を有することを特徴とする請求項5記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項8】 前記ハニカムの細孔が、少なくとも約8.0mmの平均細孔直径を有することを特徴とする請求項5記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項9】 セラミック成形前駆物質が、分析によるバッチ組成が、酸化物基準の重量で、9〜20%のMgO、30〜50%のAl2 3 、および41〜56.5%のSiO2 になるのに好適な量で選択され、前記多孔質セラミック製品が実質的にコージエライトからなることを特徴とする請求項1記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項10】 前記グラファイトおよび前記セルロースの量が、100重量部のセラミック形成前駆物質に対して、約10〜約25重量部のグラファイトおよび約4〜約12重量部の水に不溶なセルロースからなることを特徴とする請求項9記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項11】 前記グラファイトおよび前記セルロースの量が、100重量部のセラミック形成前駆物質に対して、約15〜約20重量部のグラファイトおよび約8〜約10重量部の水に不溶なセルロースからなることを特徴とする請求項10記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項12】 前記成形が、ダイスを通して可塑性混合物を異方的に押出して未焼成ボディを形成することを特徴とする請求項9記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項13】 前記未焼成ボディが、前記薄壁に対して横方向よりも、前記末端の開いたセルの軸に対して平行な方向で熱膨脹係数が実質的により小さい薄壁のマトリックスを有する、異方的に押出したハニカムであることを特徴とする請求項12記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項14】 前記ハニカム構造が1平方センチメートルあたり少なくとも約8.0個のセルを有することを特徴とする請求項13記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項15】 前記ハニカム構造の壁の厚さが約0.076〜約1.27ミリメートルであることを特徴とする請求項13記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項16】 前記セラミック製品の壁が少なくとも約45%の全体的な気孔率を有することを特徴とする請求項13記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項17】 前記セラミック製品の壁が、少なくとも約8.0mmの平均細孔直径を有することを特徴とする請求項13記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項18】 前記製品がディーゼル微粒子フィルターであり、前記方法がさらに、前記第一の末端で閉じたセルは前記第二の末端で開くように、ディーゼル微粒子フィルター中の交互に並ぶセルを市松模様のパターンに栓で穴を塞ぐ工程、および前記セラミック製品を再焼成する工程を含むことを特徴とする請求項5記載の多孔質セラミック製品の製造方法。
【請求項19】 多孔質コージエライト製品の製造方法であって、グラファイト、水に不溶なセルロース、および分析によるバッチ組成が酸化物基準の重量で、9〜20%のMgO、30〜50%のAl2 3 、および41〜56.5%のSiO2 になるのに好適な量のセラミック成形前駆物質を、有効量のビヒクルおよび成形助剤と混合して可塑性混合物を形成する工程、ダイスを通して前記可塑性混合物を異方的に押出し、ハニカムの一端から他端へ伸びる複数の、末端の開いたセルを形成する薄壁のマトリックスを有し、その薄壁が、該薄壁に対して横方向よりも、前記末端の開いたセルの軸に対して平行な方向で実質的により小さい熱膨脹係数を有する未焼成ハニカムを形成する工程、前記未焼成ハニカムを誘電乾燥する工程、および前記乾燥した未焼成ハニカムを、実質的にコージエライトからなるセラミック製品を形成するのに有効な条件下で焼成し、グラファイトおよび水に不溶なセルロースを、コージエライト形成前駆物質、ビヒクル、および成形助剤と、セラミック製品中に全体の気孔率約45〜約55%を達成し、実質的にアークおよび短絡の発生なしに前記乾燥を可能にするのに有効な量で混合する工程からなることを特徴とする方法。
【請求項20】 ディーゼル微粒子フィルターの製造方法であって、グラファイト、水に不溶なセルロース、および分析によるバッチ組成が酸化物基準の重量で、9〜20%のMgO、30〜50%のAl2 3 、および41〜56.5%のSiO2 になるのに好適な量のコージエライト成形前駆物質を有効量のビヒクルおよび成形助剤と混合して可塑性混合物を形成する工程、ダイスを通して前記可塑性混合物を異方的に押出し、ハニカムの第一の末端から第二の末端へ伸びる複数の、末端の開いたセルを形成する薄壁のマトリックスを有し、その薄壁が、該薄壁に対して横方向よりも、前記末端の開いたセルの軸に対して平行な方向で実質的により小さい熱膨脹係数を有する未焼成ハニカムを形成する工程、前記未焼成ハニカムを誘電乾燥する工程、および前記乾燥した未焼成ハニカムを、実質的にコージエライトからなるセラミック製品を形成するのに有効な条件下で焼成し、グラファイトおよび水に不溶なセルロースを、コージエライト形成前駆物質、ビヒクル、および成形助剤と、セラミック製品中に全体の気孔率約45〜約55%を達成し、実質的にアークおよび短絡の発生なしに前記乾燥を可能にするのに有効な量で混合する工程、前記第一の末端で閉じたセルは前記第二の末端で開くように、交互に並ぶセルを市松模様のパターンに栓で穴を塞ぐ工程、および前記セラミック製品を再焼成する工程からなることを特徴とする方法。

【公開番号】特開平5−330943
【公開日】平成5年(1993)12月14日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−346120
【出願日】平成4年(1992)12月25日
【出願人】(390037903)コーニング インコーポレイテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】CORNING INCORPORATED