説明

デジタルカメラおよびデジタルカメラを備えた映像表示装置

【課題】 出力する映像信号の量に関わらず、撮像される映像や表示される映像の調節を常に適正に行うことが可能なデジタルカメラおよび映像表示装置を提供する。
【解決手段】 デジタル化した光電変換素子の出力を、映像信号を生成する回路と、信号強度およびホワイトバランスに関する情報を求める回路とに交互に与え、一部のフレームのみの映像信号を生成する。生成した映像信号をカメラに設けたデジタルインターフェイスを介してパーソナルコンピュータに伝送し、その伝送の空き時間に、求めた情報を伝送する。パーソナルコンピュータは映像を表示するとともに、与えられた情報に基づいてデジタルカメラを制御して、撮像される映像を調節する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電変換素子によって撮像を行いデジタルの映像信号を出力するデジタルカメラ、およびデジタルカメラで撮像した映像を情報処理装置で表示するデジタルカメラを備えた映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光電変換素子によって撮像を行うビデオカメラを、パーソナルコンピュータをはじめとする情報処理装置の映像入力に用いることが行われている。このような情報処理装置では、カメラから供給される映像の表示のほか、映像信号の加工、保存等の様々な処理が行われる。
【0003】ビデオカメラを情報処理装置の映像入力専用とするシステムでは、カメラの構成を簡略にするために、映像の明るさを調節する機構や、明るさの調節に必要な情報の取得のための装置を、カメラから省略したものがある。このようなシステムでは、情報処理装置が、映像の明るさの調節に必要な情報をカメラから供給される映像信号より取得し、取得した情報に基づいて、自身で映像信号の強度を変化させて表示する映像の明るさを調整し、または、カメラの光電変換素子の出力ゲインを制御して、撮像される映像の明るさを調整するようにしている。
【0004】近年では、ビデオカメラの信号処理回路のデジタル化が進み、光電変換素子のアナログの出力信号からデジタルの映像信号を生成するデジタルカメラが実用化されている。映像信号を情報処理装置での直接の利用が容易なデジタル信号の形態で供給するめに、デジタルインターフェイスを備えたカメラも提供されるようになってきた。
【0005】従来より、ビデオカメラではテレビジョン方式の基準である毎秒30フレーム(60フィールド)の周期で撮像を行っており、デジタルカメラでもこれを踏襲している。ところが、ビデオカメラに用いられる光電変換素子は画素数の少ないものでも十万画素以上であって、映像信号はきわめて多量であるため、撮像した全てのフレームまたはフィールドの映像信号を伝送するには、デジタルインターフェイスの処理能力が及ばない現状にある。このため、映像信号をデジタル信号として出力するデジタルカメラでは、間引きを行って、一部のフレームまたはフィールドの映像信号のみを出力するようにしている。
【0006】間引きされた映像信号を供給される情報処理装置では、同一のフレームまたはフィールドの映像を繰り返して表示することにより、同一映像の表示時間を長くする。これにより、表示速度を撮像速度に一致させて、両者を並行して行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、映像の明るさの調節に必要な情報を、情報処理装置がカメラから供給される映像信号より取得するようにした構成では、映像信号の間引きにより情報量が減少することになる。情報が減少すると、情報処理装置自身の映像信号の強度の調節や、情報処理装置によるカメラの光電変換素子の出力ゲインの調節が困難となり、表示される映像が見苦しいものとなる。
【0008】映像の明るさの調節はフィードバック制御によって行われる。すなわち、映像信号の強度の適正範囲をあらかじめ定めておき、映像信号の強度が適正範囲からどれだけずれているかを検出し、そのずれ量に応じて次の映像信号の強度を補正するという処理を繰り返すことにより、映像信号の強度を適正範囲内に収束させるようにしている。このため、映像信号を間引きすると、このフィードバック制御の周期が長くなって、映像を適正な明るさにするのが遅れてしまうことになる。
【0009】蛍光灯光による照明の下での撮像では、映像の明るさの適正化の遅延は特に大きくなる。蛍光灯の光量は電源電力の交流周期で変動しており、その周期が撮像の周期と一致していないときは、映像信号の強度もフレームごとに変動する。このような条件のときに映像信号の間引きをすると、映像信号の強度の適正範囲からのずれ量は不規則に大きく変動することになり、フィードバック制御が発散する可能性が生じる。したがって、映像信号の強度の補正量を、映像信号の間引きをしない場合よりも少なくする必要が生じて、映像を適正な明るさにするのにその分長い時間を要する。
【0010】蛍光灯の交流周期と撮像周期が一致しないとき、映像の明るさはフレームごとに変動するが、表示する全てのフレームの映像信号の強度が適正範囲に入っていなければフリッカが発生する。映像信号の強度を適正範囲内に収束させることが遅れるとフリッカの除去も遅れ、映像信号の間引きをするときは、明るさが不適正なだけでなくフリッカが生じた低品位の映像が長い時間表示されることになる。
【0011】映像の色合いは、被写体自体の本質的な色のみならず、被写体を照明する光の色温度に依存する。たとえば、真白の被写体であっても、タングステン光下での撮像では赤味を帯びた画像となり、曇天の屋外での撮像では青味を帯びた画像となる。そこで、被写体の色を忠実に再現するために、光電変換素子の出力信号を処理する際に、ホワイトバランスすなわち光電変換素子からの赤、緑、青(R、G、B)の出力の混合の比率を調節することが行われている。
【0012】通常、光源が変化しなければ光の色温度はほぼ一定になり、直前の映像信号に基づいてホワイトバランスを調節することで適正な色合いの映像が得られる。しかしながら、例えば、蛍光灯光とタングステン光の混合光源によって被写体が照明されているときは、蛍光灯の光量の周期的な変動によって色温度も周期的に変動するから、光の平均の色温度に基づいてホワイトバランスの調節を行うことが好ましい。その場合、映像信号が間引きされていると、色温度の平均を求めるのに時間がかかり、表示映像の色合いを速やかに調節することができなくなる。
【0013】明るさやホワイトバランスを適正に設定する必要があるのは、表示される映像だけではなく、情報処理装置での複数映像の合成等の加工処理でも同じである。個々の映像に関して正しい情報を保持しておかなければ、加工後の映像を適正な明るさや色温度にすることはできない。
【0014】本発明は、出力する映像信号の量に関わらず、撮像される映像や表示される映像の調節を常に適正に行うことが可能なデジタルカメラおよび映像表示装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明では、光電変換素子によって繰り返し撮像し、撮像と並行して、所定間隔のフレームまたはフィールドの映像信号を外部装置に供給するデジタルカメラにおいて、外部装置に映像信号を供給しないフレームまたはフィールドの映像に関する情報を、外部装置に供給するようにする。
【0016】このデジタルカメラは、撮像を行いつつ、撮像した映像を表す映像信号を外部装置に供給する。外部装置に供給される映像信号は所定間隔のフレームまたはフィールドのものであるから、撮像した全ての映像のうち一部のフレームまたはフィールドは間引かれて、その映像信号は外部装置に供給されないことになる。一部の映像信号を外部装置に供給しないことで、外部装置への信号の供給速度に制限がある場合でも、撮像と外部装置への映像信号の供給を並行して行うことができる。デジタルカメラは、映像信号を供給しないフレームまたはフィールドについては、映像に関する情報を外部装置に供給する。
【0017】外部装置は、供給された映像信号を任意に処理することが可能であり、例えばパーソナルコンピュータのように表示機能を有する装置であれば、供給されたフレームまたはフィールドの映像を順次表示することができる。また、供給された映像信号から、それらの映像に関する情報、例えば明るさやホワイトバランス、を得ることも可能である。
【0018】映像信号を供給されなかったフレームやフィールドについては、映像を表示することは当然できないが、それらの映像に関する情報が供給されるから、外部装置はその情報で供給された映像信号から得た情報を補って、映像信号の処理をはじめとする様々な処理に利用することができる。デジタルカメラが映像信号を供給しない全てのフレームまたはフィールドの情報を外部装置に供給するようにすれば、外部装置は、撮像された全ての映像について情報を取得することができる。
【0019】映像信号を供給しないフレームまたはフィールドの映像に関する情報を、所定間隔のフレームまたはフィールドの映像信号の供給の合間に、外部装置に供給するとよい。映像信号の供給の空き時間を有効に利用することができる。
【0020】映像信号を供給しないフレームまたはフィールドの映像に関する情報として、映像全体の明るさ、複数の領域に分割した映像の領域ごとの明るさ、または映像のホワイトバランスを外部装置に供給するようにする。
【0021】デジタルカメラを制御する機能を有する外部装置を使用し、外部装置によってデジタルカメラを制御するようにしてもよい。具体的には、撮像する映像の明るさやホワイトバランスの調節を外部装置によって制御する。この制御において外部装置は、供給された映像信号から得た明るさやホワイトバランスのみならず、映像信号を供給されないフレームまたはフィールドの映像の明るさやホワイトバランスを利用することができて、より確実で速やかな調節が可能となる。
【0022】前記目的を達成するために、本発明ではまた、デジタルインターフェイスを備えたデジタルカメラとコンピュータとから成り、デジタルカメラで撮像した映像をフレームまたはフィールドごとのデジタルの映像信号としてコンピュータに順次伝送して、コンピュータで映像を表示する映像表示装置において、撮像した全てのフレームまたはフィールドのうち所定間隔の一部のフレームまたはフィールドの映像信号のみを伝送することにより、伝送する映像信号の量をデジタルインターフェイスが処理し得る量内に収めるとともに、映像信号の伝送の空き時間に、伝送しないフレームまたはフィールドの映像に関する情報をデジタルカメラからコンピュータに伝送するようにする。
【0023】デジタルカメラで撮像した全てのフレームまたはフィールドの映像信号をコンピュータに伝送しようとすれば、信号量がデジタルインターフェイスの伝送処理能力を超えてしまい、映像信号が無秩序に欠落することになる。しかしながら、所定間隔の一部のフレームまたはフィールドの映像信号のみを伝送することにより、伝送する映像信号の量をデジタルインターフェイスが処理し得る量内に収めれば、映像信号の無秩序の欠落が防止され、コンピュータで規則正しく映像信号を処理することが可能になる。
【0024】コンピュータは、伝送された映像信号からそれらのフレームまたはフィールドの映像に関する情報を得ることが可能であり、これに加えて伝送されないフレームまたはフィールドの映像に関する情報も得ることができる。したがって、コンピュータは、表示する映像の調節を、デジタルカメラが全てのフレームまたはフィールドの映像信号を伝送する場合と同様に行うことが可能である。
【0025】映像信号を伝送しないフレームまたはフィールドの映像に関する情報として映像の明るさを伝送し、コンピュータが、伝送された映像信号とこの情報に基づいてデジタルカメラを制御して、撮像される映像の明るさを調節するようにするとよい。例えば、被写体が明るすぎる場合や暗すぎる場合でも、撮像される映像を速やかに適正な明るさにすることができる。表示される映像も速やかに適正な明るさとなる。
【0026】コンピュータが、伝送された映像信号と明るさの情報に基づいて、表示する映像の明るさを調節するようにしてもよい。撮像される映像への影響はないが、表示映像を速やかに適正な明るさにすることができる。
【0027】映像信号を伝送しないフレームまたはフィールドの映像に関する情報として映像のホワイトバランスを伝送し、コンピュータが、伝送された映像信号とこの情報に基づいてデジタルカメラを制御して、撮像される映像のホワイトバランスを調節するようにしてもよい。また、表示する映像のホワイトバランスを調節してもよい。表示映像の色合いを速やかに適正にすることができる。
【0028】前記目的を達成するために、本発明ではさらに、デジタルカメラに、受光量に応じたアナログの信号を出力する撮像手段と、撮像手段の出力信号を増幅して出力する増幅手段と、増幅手段の出力信号をデジタルの信号に変換して出力する変換手段と、変換手段の出力信号からデジタルの映像信号を生成して出力する映像生成手段と、変換手段の出力信号の強度を検出し、検出した強度を表すデジタルの信号を出力する検出手段と、映像生成手段が出力する映像信号と前記検出手段の出力信号を入力されて、入力された信号を外部装置に送出する送出手段と、変換手段の出力信号を所定の周期で前記映像生成手段と前記検出手段に交互に与える切換手段を備える。
【0029】この構成のデジタルカメラでは、撮像手段の出力は増幅してデジタル信号に変換された後、映像生成手段と検出手段とに交互に切り換えて与えられる。したがって、撮像された一部の映像から映像信号が生成され、映像信号が生成されない映像については信号の強度が検出されることになる。映像信号と検出された強度は送出手段から交互に送出され、デジタル信号として外部装置に与えられる。
【0030】本発明ではまた、上記デジタルカメラとコンピュータとを組み合わせて、映像表示装置とする。ここで、コンピュータは、デジタルカメラの送出手段から送出される信号を受けて、映像生成手段が出力した映像信号が表す映像を表示するとともに、映像生成手段が出力した映像信号と検出手段の出力信号に基づいてデジタルカメラを制御するものとする。制御には、表示される映像の信号のみならず、表示されない映像の信号強度が利用される。
【0031】コンピュータは、撮像手段の受光量または増幅手段の増幅率を制御して、映像生成手段によって生成される映像信号の強度を調節してもよく、映像生成手段の映像信号の生成を制御して、生成される映像信号のホワイトバランスを調節してもよい。生成される映像信号の強度を調節することで、表示される映像の明るさが調節され、生成される映像信号のホワイトバランスを調節することで、表示される映像の色合いが調節される。
【0032】前記目的を達成するために、本発明ではさらにまた、デジタルカメラに、受光量に応じたアナログの信号を出力する撮像手段と、撮像手段の出力信号を増幅して出力する増幅手段と、増幅手段の出力信号をデジタルの信号に変換して出力する変換手段と、変換手段の出力信号からデジタルの映像信号を生成して出力する映像生成手段と、映像生成手段が出力する映像信号を外部装置に送出する送出手段と、変換手段の出力信号の映像生成手段への供給を所定の周期で遮断する遮断手段と、変換手段の出力信号の強度を検出する検出手段と、検出手段によって検出された強度に基づいて映像信号の調節に関する制御をする制御手段とを備える。
【0033】この構成のデジタルカメラでは、撮像手段の出力は増幅してデジタル信号に変換された後、映像生成手段と制御手段に与えられるが、映像生成手段への供給は所定の周期で遮断されるため、撮像された一部の映像から映像信号が生成されることになる。生成された映像信号はデジタル信号として送出手段から外部装置に与えられる。制御手段は検出手段が検出した映像の信号強度に基づいて映像信号の調節に関する制御を行うが、検出手段は映像信号が生成されるか否かに関わらず映像の信号強度を検出するから、制御には映像信号が生成されない映像の信号強度も反映される。
【0034】制御手段は、撮像手段の受光量または前記増幅手段の増幅率を制御して、映像生成手段によって生成される映像信号の強度を調節してもよく、映像生成手段の映像信号の生成を制御して、生成される映像信号のホワイトバランスを調節してもよい。外部装置に与えられる映像の明るさまたは色合いが調節されることになる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明について図面を参照して説明する。以下に示す実施の形態では、デジタルカメラは、撮像した全フレームから映像信号を生成するのではなく、一部のフレームのみについて映像信号を生成する。映像信号を生成するフレームのことを有効フレームという。また、デジタルカメラによって撮像される映像の明るさをアイリスという。図1に、本発明の第1の実施形態のデジタルカメラ1の概略構成を示す。
【0036】デジタルカメラ1は、撮像レンズを透過した被写体からの光を受けて受光量に応じたアナログの電気信号を出力する撮像手段としての光電変換素子(CCD)11、光電変換素子11の出力信号を二重相関サンプリング処理して自動利得制御により増幅する増幅手段としてのCDS/AGC回路12、およびCDS/AGC回路12のアナログの出力信号をデジタル信号に変換する変換手段としてのA/Dコンバータ13を備えている。これらの回路は1/30秒の周期で動作し、毎秒30フレームの映像が撮像される。
【0037】デジタルカメラ1はさらに、A/Dコンバータ13の出力信号の伝達先を切り換える切換手段としての選択回路14、選択回路14の一方の出力信号を与えられて一時記憶するメモリ15、メモリ15から信号を読み出して処理し、デジタルの映像信号を生成する映像生成手段としての信号処理回路16、メモリ15の書き込みと読み出しを制御するメモリ制御回路17、選択回路14の他方の出力信号を与えられて、その信号の強度に基づき、それぞれアイリス調節およびホワイトバランス調節に必要な演算を行い、演算結果をデジタル信号として出力する検出手段としてのアイリス算出回路18とホワイトバランス算出回路19、外部装置とデジタル信号を授受するための外部インターフェイス20、および映像調節回路21を備えている。
【0038】外部インターフェイス20は、信号処理回路16によって生成された映像信号とアイリス算出回路18およびホワイトバランス算出回路19の出力信号を与えられて、与えられた信号を所定の速度で外部装置に送出し、送出手段として機能する。外部インターフェイス20は、また、外部装置から与えられる制御信号C4を映像調節回路21に出力する。外部インターフェイス20の信号処理能力は12Mbpsであり、これは映像信号にして毎秒10フレーム強に相当する。したがって、外部インターフェイス20は撮像された全フレームの1/3の映像信号を、撮像と並行して送出することができる。
【0039】映像調節回路21は制御信号C4に基づいて、光電変換素子11の光電変換時間およびCDS/AGC回路12の増幅率を変化させ、これによりCDS/AGC回路12の出力信号の強度を調節してアイリス調節を行うとともに、信号処理回路16における3色の信号の混合比を調節してホワイトバランス調節を行う。これらの調節のために、映像調節回路21は、制御信号C1を後述のタイミング発生回路22に、制御信号C2をCDS/AGC回路12に、制御信号C3を信号処理回路16に出力する。
【0040】上記諸回路のほか、デジタルカメラ1は、信号の伝達制御のために、タイミング発生回路22および有効フレーム判定回路23を備えている。タイミング発生回路22は発振器22aを有しており、発振器22aの発振出力に基づいて種々のクロック信号を生成して、諸回路に与える。
【0041】具体的には、光電変換の開始や蓄積電荷の出力のタイミングを指示する駆動パルスS1を光電変換素子11に、サンプリングのタイミングを指示するサンプリングパルスS2をCDS/AGC回路12に、変換のタイミングを指示する変換パルスS3をA/Dコンバータ13にそれぞれ与える。タイミング発生回路22は制御信号C1に応じて駆動パルスS1を変化させ、光電変換時間を調節する。これにより、光電変換素子11の受光量が変わり、出力信号の強度が調節される。
【0042】タイミング発生回路22は、また、光電変換素子11が有効画素の出力をしている期間に高レベル、他の期間に低レベルとなり、光電変換素子11の出力が有効画素の出力期間に相当するかブランキング期間に相当するかを表す有効画素識別信号S4をメモリ制御回路17に、演算の開始と結果出力の時期を指示する演算制御信号S5およびS6をそれぞれアイリス算出回路18およびホワイトバランス算出回路19に、フレームの先頭に同期するフレーム識別信号S7を有効フレーム判定回路23に与える。
【0043】有効フレーム判定回路23は、光電変換素子11の出力信号から映像信号を生成するか否かを示す有効フレーム識別信号S8を生成して、選択回路14およびメモリ制御回路17に与える。有効フレーム識別信号S8は高低2レベルの信号であり、フレーム識別信号S7を分周して生成する。ここでは、外部インターフェイス20の信号送出能力の範囲内で最多数のフレームの映像信号を生成するために、フレーム識別信号S7を3分周して、有効フレームを表す高レベルの期間を全期間の1/3にする。
【0044】選択回路14は、有効フレーム判定回路23から与えられる有効フレーム識別信号S8が高レベルのときに、A/Dコンバータ13の出力信号をメモリ15に出力し、有効フレーム識別信号S8が低レベルのときに、A/Dコンバータ13の出力信号をアイリス算出回路18およびホワイトバランス算出回路19に出力する。したがって、デジタル信号とされた光電変換素子11の出力信号の伝達先は、フレーム単位で所定の周期で切り換えられることになる。
【0045】メモリ制御回路17は、有効フレーム判定回路23から与えられる有効フレーム識別信号S8とタイミング発生回路22から与えられる有効画素識別信号S4の論理積をとって、その論理演算結果をメモリ15への書き込みを許可する書き込み制御信号S9として出力する。したがって、メモリ15には、有効フレームの有効画素の信号のみが記憶される。
【0046】メモリ制御回路17には、外部インターフェイス20が送出動作を行っているか否かを表す状況通知信号S11も与えられる。メモリ制御回路17は、書き込み制御信号S9を出力しておらずかつ外部インターフェイス20が送出動作を行っていない期間に、メモリ15に記憶している信号を信号処理回路16に出力する指示を与える読み出し制御信号S10を出力する。これにより、メモリ15への書き込みとメモリ15からの読み出しは交互に行われることになる。
【0047】メモリ15の信号記憶に関する制御のタイミングを図2に示す。図2において、(a)はA/Dコンバータ13の出力を表しており、各フレームの信号は、有効画素の出力信号とそれに続くブランキング信号より成る。(b)は有効フレーム識別信号S8であり、1フレームの期間高レベルになった後、2フレームの期間低レベルとなっている。
【0048】(c)は、選択回路14のメモリ15への出力を表しており、有効フレーム識別信号S8が高レベルの期間のみ、信号はメモリ15に出力されている。(d)は有効画素識別信号S4であり、(a)の有効画素に対応する期間のみ高レベルとなる。(e)および(f)はそれぞれ、書き込み制御信号S9および読み出し制御信号S10である。(g)はメモリ15の動作状態を表しており、メモリ15は書き込み制御信号S9および読み出し制御信号S10に対応して動作する。
【0049】信号処理回路16の概略構成を図3に示す。信号処理回路16は、色分離回路31、ローパスフィルタ32R、32B、32Y、利得制御回路33R、33B、γ補正回路34、色差信号生成回路35より成る。メモリ15より入力される信号は色分離回路31によってR信号、B信号およびY信号に分離され、各信号はローパスフィルタ32R、32B、32Yによって高周波成分を除去される。
【0050】ローパスフィルタ32R、32B透過後のR信号およびB信号は、利得制御回路33R、33Bに入力され、ホワイトバランス調節のために、制御信号C3に応じて個別に強度を調節される。利得制御回路33R、33Bの出力は、ローパスフィルタ32Yを透過したY信号と共に、γ補正回路34に入力される。γ補正された各信号は色差信号生成回路35に与えられ、ここでR−Y信号およびB−Y信号の2つの色差信号が生成される。これらの色差信号は映像信号として外部インターフェイス20に出力される。
【0051】アイリス算出回路18は、アイリス制御のために、選択回路14から与えられるA/Dコンバータ13の出力信号の強度を求める。本実施形態では多分割測光に基づいてアイリス制御を行うようにしており、アイリス算出回路18は、撮像された映像を複数のブロックに分割してブロックごとの信号強度を算出する。映像の分割パターンを図4に示し、アイリス算出回路18の構成の概略を図5に示す。ここでは、有効画素エリアを水平方向に8分割、垂直方向に6分割する。
【0052】アイリス算出回路18は、ブロック内の平均的な信号強度を求めるために部分的に強度の高い信号成分を除去するローパスフィルタ41、信号を水平方向に1ブロック分加算するための加算器42および水平データ保持レジスタ43、水平方向に加算された信号を垂直方向に1ブロック分加算するための加算器44およびデータ保持レジスタ45a〜45h、ならびに加算後の全ブロックの信号を蓄積するシフトレジスタ46より成る。
【0053】前述のように、アイリス算出回路18にはタイミング発生回路22から演算制御信号S5が与えられており、これによって動作を制御される。演算制御信号S5には、水平データ保持レジスタ43を制御する水平画素加算クロックおよびレジスタリセット信号、データ保持レジスタ45a〜45hを制御するブロックシフトクロックおよびブロックリセット信号、ならびにシフトレジスタ46を制御するデータ読み出しクロックが含まれている。これらの制御信号に基づくアイリス算出回路18の信号処理のタイミングを図6、7に示す。
【0054】光電変換素子11は水平362画素×垂直291ラインで構成され、有効画素数は約21万である。これを8×6のブロックに分割することにより、各ブロックは水平方向44画素×48ラインで構成される。これらの信号を全て加算するとデータ量が多くなるため、水平方向に1画素おきに加算して、処理する信号量を半分にする。
【0055】まず、最初のラインの加算を先頭ブロック(図4の最上段左端)について行う。すなわち、水平画素加算クロックに従って、水平方向に1画素おきに44画素までの加算をする。この加算が終了した時点で、ブロックシフトクロックにより加算結果を水平データ保持レジスタ43から、加算器44を経て、最初のデータ保持レジスタ45aにシフトする。加算器44では水平データ保持レジスタ43の出力に最後のデータ保持レジスタ45hの出力が加算されるが、後者の出力値は最初のラインの加算が終了するまでは初期値0であり、このシフトでは水平保持レジスタの内容がそのまま最初のデータ保持レジスタ45aにシフトされる。
【0056】シフト後、レジスタリセット信号によって水平データ保持レジスタ43をクリアして、次のブロックの水平方向の加算を行う。これを繰り返すことで、8ブロックに分割した水平1ライン分の加算結果を得る。
【0057】1ブロックの水平方向の加算が終了するごとに、データ保持レジスタ45a〜45gの内容はブロックシフトクロックによってそれぞれ次のデータ保持レジスタ45b〜45hにシフトさせられ、8番目のブロック(図4の最上段右端)の加算が終了した時には、先頭ブロックの加算結果は最後のデータ保持レジスタ45hに格納されている。最後のデータ保持レジスタ45hの出力は、次のラインの1ブロック分の加算結果を水平データ保持レジスタ43からデータ保持レジスタ45aにシフトする際に、加算器44によって加算される。
【0058】したがって、データ保持レジスタ45a〜45hの内容は、ブロックごとの水平方向の加算結果を垂直方向に順次加算したものとなる。48ライン分の加算を終了した時点では、先頭ブロックの全ラインの加算結果が最後のデータ保持レジスタ45hに格納され、8番目のブロックの全ラインの加算結果が最初のデータ保持レジスタ45aに格納されている。データ保持レジスタ45a〜45hの内容はシフトレジスタ46にシフトされ、その後、データ保持レジスタ45a〜45hはブロックリセット信号によってクリアされる。
【0059】続いて、2段目のブロックの最初のラインに相当する49番目のラインから上記の処理を繰り返して、2段目の8ブロックについての加算を行う。この処理を反復することにより、全てのブロックについての加算を行い、8×6の全ブロックの加算結果をシフトレジスタ46に蓄積する。シフトレジスタ46に蓄積されたブロックごとの加算結果は、データ読み出しクロックによって外部インターフェース20に出力される。
【0060】なお、アイリス制御のための情報量は少なくなるが、多分割測光に代えて全面平均測光を行うようにしてもよい。その場合、有効画素エリア全体を1ブロックとして扱うことで、必要なデータ保持レジスタをただ1つにすることが可能であり、アイリス算出回路の構成がきわめて簡単になる。また、上記のように分割して加算した結果を、全てのブロックについて加算することで、平均測光を行うようにしてもよい。その際、全ブロックに均等に重み付けをして加算すれば全面平均測光となり、有効画素エリアの中央部のブロックに周辺部よりも大きな重み付けをして加算すれば中央重点平均測光となる。
【0061】ホワイトバランス算出回路19の概略構成を図8に示す。ホワイトバランス算出回路19は、色分離回路51、ローパスフィルタ52R、52B、52Y、γ補正回路54、色差信号生成回路55、I/Q変換回路56、リミッタ回路57、I成分積分回路58、およびQ成分積分回路59より成る。
【0062】選択回路14から与えられるA/Dコンバータ13の出力信号は、色分離回路51によってR信号、B信号およびY信号に分離される。これらの信号はローパスフィルタ52R、52B、52Yによって高周波成分を除去され、γ補正された後、色差信号生成回路55に入力されて、R−Y信号およびB−Y信号の2つの色差信号とされる。これらの色差信号は、I/Q変換回路56によってI信号およびQ信号に変換された後、リミッタ回路57に入力される。
【0063】リミッタ回路57は平均が白に近くなる信号のみを抽出する。これにより、例えば映像全体が同じ色の場合のように、ホワイトバランスの調節のための参考にならない信号が除去される。リミッタ回路57から出力されるI信号およびQ信号は、それぞれI成分積分回路58およびQ成分積分回路59において積分され、積分結果は外部インターフェイス20に出力される。
【0064】こうして、外部インターフェイス20には信号処理回路16で生成された映像信号すなわちR−Y信号およびB−Y信号、アイリス算出回路18の算出結果すなわちブロックごとの信号強度、ならびにホワイトバランス算出回路19の算出結果すなわちI成分積分値およびQ成分積分値が入力される。これらの信号は全てデジタル信号であり、外部インターフェイス20は入力された信号を外部装置に、前述の速度で順次送出する。
【0065】A/Dコンバータ13から外部インターフェイス20までの信号処理経路における信号のフレーム間の関係と、タイミングを図9に示す。図9において、(a)はA/Dコンバータ13の出力信号、(b)は信号処理回路16で処理される信号、(c)はアイリス算出回路18で処理される信号、(d)はアイリス算出回路18の算出結果の信号、(e)はホワイトバランス算出回路19で処理される信号、(f)はホワイトバランス算出回路19の算出結果の信号、(g)は外部インターフェイス20に入力され、外部装置に出力される信号を表す。
【0066】A/Dコンバータ13の出力信号(a)は、3フレームごとに信号処理回路16に与えられて(b)、生成された映像信号は外部インターフェイス20の送出能力に応じた速度で外部インターフェイス20に与えられ、外部装置に送出される(g)。信号処理回路16に与えられないフレーム、すなわち映像信号とされないフレームの信号は、アイリス算出回路18とホワイトバランス算出回路19に与えられて(c、e)、各回路の算出結果(d、f)は映像信号の後に外部インターフェイス20に与えられて、外部装置に送出される(g)。したがって、映像信号を送出されないフレームの映像に関する情報が、映像信号の送出の合間に外部装置に送出される。
【0067】本実施形態では、外部装置として、デジタルカメラ1にパーソナルコンピュータが接続されている。このパーソナルコンピュータの概略構成を図10に示す。パーソナルコンピュータ7は、CRTまたはLCDから成る表示装置71、キーボードおよびマウスを含む入力装置72、CPU73、ならびにROM、RAM、磁気ディスクおよび光ディスクを含む記憶装置74を備えている。これらによりコンピュータの通常の情報処理機能が実現される。
【0068】このほか、パーソナルコンピュータ7には、デジタルカメラ1で撮像した映像を表示するために、信号処理回路76およびデジタルインターフェイス77が設けられている。パーソナルコンピュータ7は、また、デジタルカメラ1に制御信号を与えてデジタルカメラ1の撮像を制御する。
【0069】信号処理回路76は、信号分離回路81、映像信号処理回路82、アイリス算出回路83およびホワイトバランス算出回路84より成る。信号分離回路81はインターフェイス77で受信した信号を、映像信号とアイリス算出結果およびホワイトバランス算出結果の信号とに分離する。分離された映像信号は映像信号処理回路82、アイリス算出回路83およびホワイトバランス算出回路84にそれぞれ与えられ、分離されたアイリス算出結果およびホワイトバランス算出結果はCPU73に与えられる。
【0070】映像信号処理回路82は、ブランキング信号の付加およびアナログ信号への変換を含む処理を映像信号に施して、表示装置71に映像信号を出力する。これにより、デジタルカメラ1から与えられたフレームの映像が順次表示される。映像信号処理回路82は、デジタルカメラ1の撮像周期と同じ1/30秒の周期で動作し、映像の表示を撮像と並行して行うために、同一フレームの映像信号を3回出力する。アイリス算出回路83およびホワイトバランス算出回路84は、デジタルカメラ1のアイリス算出回路18およびホワイトバランス算出回路19と同様に構成されており、同様の処理を行って、算出結果をCPU73に与える。
【0071】CPU73は、アイリス算出回路83の算出結果および信号分離回路81によって分離されたデジタルカメラ1のアイリス算出回路18の算出結果に基づいて、デジタルカメラ1に与えるアイリス制御信号を生成する。具体的には、全ブロックの信号強度を加算して平均し、この平均値を主たる被写体を含むブロックの信号強度の平均値を考慮して補正し、補正後の平均信号強度が所定の強度範囲内にないときに、光電変換素子11の光電変換時間もしくはCDS/AGC回路12のゲインまたは両者を、所定量だけ増加または減少させる指示を制御信号に記す。
【0072】このように主たる被写体を含むブロックの信号強度に基づいて映像全体の平均信号強度を補正することで多分割測光の特長が発揮され、逆光条件下で撮像する場合でも、主たる被写体を適正な明るさにした映像を撮像することができる。映像のうちどの部分が主たる被写体であるかは、映像観察者が入力装置72を介して指定することができる。映像のうちどの部分が主たる被写体であるかを判断するプログラムを記憶装置74に記憶しておき、CPU73がそのプログラムに従って自動的に判断するようにしてもよい。
【0073】映像全体の平均の信号強度の算出に際しては、他のブロックに比べて異常に強度の高いブロックは除外する。これにより、フレア等の迷走光の影響を受けることなく、撮像される映像の明るさを調節することができる。
【0074】平均の信号強度は、フィードバック制御を確実ならしめるために少なくとも3フレーム以上の、所定数の連続するフレームについて算出する。マイクロコンピュータ7には全てのフレームの映像の信号強度が供給されるから、常に、連続するフレームの信号強度の平均値を求めることが可能である。
【0075】CPU73はデジタルカメラ1に与えるホワイトバランス制御信号も生成する。この制御信号の生成においても、アイリス制御信号の生成と同様に、ホワイトバランス算出回路83で映像信号から算出した結果のみならず、信号分離回路81によって分離されたデジタルカメラ1のホワイトバランス算出回路19の算出結果を考慮する。CPU73は、少なくとも3フレーム以上の所定数の連続するフレームについて、I成分積分値の平均とQ成分積分値の平均を求め、これらに基づいて、信号処理回路16の利得制御回路32Rおよび32Bでの利得調節を変化させる指示を制御信号に記す。
【0076】CPU73が生成したアイリス制御信号およびホワイトバランス制御信号は、インターフェイス77を介してデジタルカメラ1の外部インターフェイス20に伝送され、制御信号C4として映像調節回路21に与えられる。映像調節回路21によるデジタルカメラ1の撮像の調節は前述のとおりである。
【0077】なお、記憶装置74に所定の映像信号を記憶しておき、これを映像信号処理回路82に与えて信号分離回路81から与えられる映像信号と合成するようにしてもよい。映像にタイトル等を重ねて表示することが可能になる。また、信号分離回路81によって分離された映像信号を、記憶装置74に記憶させるようにしてもよい。記憶した映像信号を後にCPU73によって読み出し、任意に加工することができる。
【0078】以上説明したように、本実施形態では、デジタルカメラ1によって撮像し、撮像した映像の一部のフレームについて映像信号を生成し、この映像信号をパーソナルコンピュータ7に伝送してパーソナルコンピュータ7上で映像を表示する。デジタルカメラ1で撮像される映像の明るさおよびホワイトバランスの調節はパーソナルコンピュータ7によって制御され、その制御は伝送された映像信号と、映像信号を生成されたなかったフレームの映像の明るさおよびホワイトバランスとに基づいて行われる。映像信号を生成されなかったフレームの映像に関するこれらの情報は、映像信号の送信の合間に行われるから、空き時間が有効に利用される。
【0079】本実施形態のデジタルカメラ1とパーソナルコンピュータ7の組み合わせでは、撮像した全フレームに基づいて撮像調節を制御するから、調節制御が確実かつ速やかに収束する。表示される映像は一部のフレームのみであるが、その明るさおよびホワイトバランスも速やかに適正になり、フレームの間引き処理によって従来生じていた表示映像の質の劣化の問題が解消される。
【0080】なお、光電変換素子11に入射する光束を規制するための絞りをデジタルカメラ1に備え、この絞りの開口径を調節することによって、撮像する映像の明るさを調節するようにしてもよい。絞りの調節により被写界深度が変わり、光電変換時間の調節やゲインの調節では変えることができない映像のぼけ具合を調節することも可能になる。その場合、絞りを調節する制御信号をパーソナルコンピュータ7で生成し、これに基づいて映像調節回路21が絞りを調節すればよい。
【0081】本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、デジタルカメラで撮像した映像の一部のフレームについて映像信号を生成し、これをパーソナルコンピュータに伝送して表示する点で、上記第1の実施形態と同様であるが、パーソナルコンピュータによってデジタルカメラを制御することは行わず、デジタルカメラによる撮像を常時一定とする。パーソナルコンピュータで表示する映像は、パーソナルコンピュータで明るさとホワイトバランスの調節を行う。
【0082】本実施形態のデジタルカメラ2の概略構成を図11に示す。デジタルカメラ2は、図1に示した第1の実施形態のデジタルカメラ1から映像調節回路21を除いた構成であり、タイミング発生回路22、CDS/AGC回路12および信号処理回路16には、前述の制御信号C1、C2、C3は与えられない。また、外部インターフェイス20は送信専用である。デジタルカメラ2の他の構成および機能はデジタルカメラ1と同じであり、重複する説明は省略する。
【0083】本実施形態のパーソナルコンピュータ8の概略構成を図12に示す。パーソナルコンピュータ8は第1の実施形態のパーソナルコンピュータ7と類似の構成であるが、映像信号処理回路82の構成および機能、ならびにCPU73からの制御信号の出力先が相違する。他の構成はパーソナルコンピュータ7と同じであり、重複する説明は省略する。
【0084】図示しないが、映像信号処理回路82は、映像信号の強度を一率に変化させる表示映像のアイリス調節用の利得制御回路を備えており、また、デジタルカメラ1の信号処理回路16の利得制御回路32Rおよび32Bに相当するホワイトバランス調節用の利得制御回路を備えている。
【0085】CPU73は、アイリス算出回路83の算出結果および信号分離回路81によって分離されたデジタルカメラ1のアイリス算出回路18の算出結果に基づいて算出した制御信号を、アイリス調節用の利得制御回路に与え、ホワイトバランス算出回路84の算出結果および信号分離回路81によって分離されたデジタルカメラ1のホワイトバランス算出回路19の算出結果に基づいて算出した制御信号を、ホワイトバランス調節用の利得制御回路に与える。
【0086】本実施形態では、表示映像の調節をパーソナルコンピュータ8自体で行うことにより、デジタルカメラ2の構成が簡素になっている。また、パーソナルコンピュータ8からデジタルカメラ2への制御信号の伝送が必要ないため、デジタルカメラ2の外部インターフェイス20として送信専用のものを用いることができる。本実施形態の構成では、撮像の調節は行わないが、表示映像の調節を撮像した全フレームに基づいて制御するから、表示映像の調節制御が速やかに収束し、フレーム間引きに起因する表示映像の質の劣化の問題が解消される。
【0087】本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、デジタルカメラで撮像した映像の一部のフレームについて映像信号を生成し、これをパーソナルコンピュータに伝送して表示する点で、上記第1および第2の実施形態と同様であるが、デジタルカメラ自体でアイリス調節およびホワイトバランス調節を行う。
【0088】本実施形態のデジタルカメラ3の概略構成を図13に示す。第1の実施形態のデジタルカメラ1と同じ構成の回路についての説明は省略し、異なる構成および機能の回路について説明する。デジタルカメラ3は、第1の実施形態のデジタルカメラ1の選択回路14に代えて、A/Dコンバータ13の出力信号のメモリ15への伝達、すなわち信号処理回路16への供給を、所定の周期で遮断する遮断回路24を備えている。
【0089】遮断回路24には有効フレーム判定回路23から、第1の実施形態と同じ有効フレーム識別信号S8が与えられ、遮断回路24は有効フレーム識別信号S8が高レベルの期間にのみ、A/Dコンバータ13の出力信号をメモリ15に出力する。メモリ15の書き込みおよび読み出しを制御するメモリ制御回路17および信号処理回路16の構成および機能は第1の実施形態と同じであり、信号処理回路16は撮像された全フレームのうち1/3のフレームについて映像信号を生成する。生成された映像信号は送信専用の外部インターフェイス20から、パーソナルコンピュータに送出される。
【0090】アイリス算出回路18およびホワイトバランス算出回路19には、A/Dコンバータ13の出力信号が直接供給される。これらの回路は、撮像された全てのフレームについて、アイリス調節またはホワイトバランス調節のための演算を行い、演算結果を映像調節回路21に与える。映像調節回路21は、与えられた演算結果に基づいて、制御信号C1、C2、C3を出力する。アイリス算出回路18およびホワイトバランス算出回路19の演算の内容、ならびに映像調節回路21による制御の内容は第1の実施形態と同じである。
【0091】本実施形態のパーソナルコンピュータは、図10に示したパーソナルコンピュータ7から、信号分離回路81、アイリス算出回路83およびホワイトバランス算出回路84を除いた構成である。また、CPU73はデジタルカメラ3を制御するための演算を行わない。
【0092】本実施形態のデジタルカメラ3とパーソナルコンピュータの組み合わせは、第1の実施形態のデジタルカメラ1とパーソナルコンピュータ7の組み合わせと機能的に等価である。本実施形態でも、撮像の調節を撮像した全フレームに基づいて制御するから、調節制御が速やかに収束し、フレームの間引き処理によって表示映像の明るさやホワイトバランスの調節が遅れることがない。
【0093】なお、ここでは、デジタルカメラの動作周期、外部インターフェイスの送信速度、映像信号を送信するフレームの全フレームに対する比率、光電変換素子の画素数、信号強度検出のための有効画素エリアの分割、パーソナルコンピュータの動作周期等を、具体的な数値を掲げて説明したが、本発明はこれらの数値に限定されるものではなく、任意に変更可能である。特に、映像信号を送信するフレームの全フレームに対する比率は、外部インターフェイスの送信速度、光電変換素子の画素数、および撮像周期を考慮して設定すべきものである。
【0094】また、上記いずれの実施形態においても、撮像および信号処理をフレーム単位で行うようにしたが、1フレームを2フィールドで構成し、信号処理をフィールド単位で行う構成としてもよい。撮像した全フィールドのうち、所定間隔の一部のフィールドについてのみ映像信号を生成して送出し、映像信号を生成しないフィールドについては、明るさやホワイトバランスを算出して、その算出結果を映像信号の合間に送信することで、容易に本発明を適用することができる。
【0095】
【発明の効果】請求項1のデジタルカメラによるときは、外部装置への信号の供給速度に制限がある場合でも、供給する映像信号の量を制限内に抑えることが可能であり、撮像と映像信号の供給を並行して行うことができる。しかも、映像信号を供給しない映像に関する情報を外部装置に供給するから、外部装置は供給された映像信号の処理をはじめとする任意の処理にその情報を利用することができて、外部装置が行う処理の質が高いものとなる。
【0096】請求項2のデジタルカメラでは、映像信号の供給の空き時間を有効に利用することができる。しかも、外部装置への情報供給のために映像信号に何の処理も施す必要がないから、デジタルカメラの構成が簡単になり、外部装置での映像信号の処理も容易である。
【0097】請求項3のデジタルカメラでは、外部装置は、情報として供給された明るさを利用して、映像の明るさに関する処理を的確にかつ速やかに行うことが可能である。例えば、供給された映像信号の映像を表示する場合、被写体の明るさが変化しても、表示映像を速やかに適正な明るさにすることができる。
【0098】請求項4のデジタルカメラでは、外部装置は映像の明るさに関する処理を、分割された領域ごとの明るさに応じて、細かく行うことができる。例えば、逆光条件下で撮像した映像であっても、主要な被写体が適正な明るさになるように表示することができる。
【0099】請求項5のデジタルカメラでは、被写体の明るさが変動した場合でも、これに速やかに応じて、適正な明るさの映像を撮像することが可能である。
【0100】請求項6のデジタルカメラでは、外部装置は、情報として供給されたホワイトバランスを利用して、映像の色合いに関する処理を的確にかつ速やかに行うことが可能である。例えば、供給された映像信号の映像を表示する場合、被写体を照明する光の色温度が変化しても、表示映像を速やかに適正な色合いにすることができる。
【0101】請求項7のデジタルカメラでは、光の色温度が変動した場合でも、これに速やかに応じて、適正な色合いの映像を撮像することが可能である。
【0102】請求項8の映像表示装置によるときは、伝送する映像信号の量をデジタルインターフェイスが処理し得る量内に収めることで、映像信号の無秩序の欠落が防止され、コンピュータは規則正しく映像信号を処理することが可能である。しかも、コンピュータは、伝送された映像の情報のみならず伝送されない映像の情報も利用することができるため、表示映像の調節を、全ての映像信号を伝送する場合と同様に、的確にかつ速やかに行うことが可能である。
【0103】請求項9の映像表示装置では、被写体を照明する光量が変動しても、撮像される映像を速やかに適正な明るさにすることができる。表示される映像も速やかに適正な明るさとなる。細かい周期で光量が変動するときは、映像の明るさが適正でなければ表示映像にフリッカが発生しがちであるが、撮像する映像を速やかに適正な明るさとすることで、フリッカの発生期間も短く抑えることができる。
【0104】請求項10の映像表示装置でも、表示映像を速やかに適正な明るさにすることが可能であり、フリッカが発生し易い条件で撮像する場合でも、表示映像からフリッカを速やかに除去することができる。
【0105】請求項11の映像表示装置では、被写体を照明する光の色温度が変動しても、撮像される映像を速やかに適正な色合いにすることができる。表示される映像の色合いも速やかに適正になる。
【0106】請求項12の映像表示装置でも、表示映像の色合いを速やかに適正にすることができる。
【0107】請求項13のデジタルカメラによるときは、撮像された全映像のうちの一部の映像から映像信号を生成して外部装置に送出するため、外部装置への信号伝送速度に制限がある場合でも、撮像と映像信号の伝送を並行して行うことができる。しかも、送出しない映像については映像信号を生成しないから、映像信号の生成を無駄に行うことがない。また、映像信号を送出しない映像については信号の強度を検出して外部装置に送出するから、外部装置が映像信号の処理に利用し得る情報量は多くなる。さらに、検出した強度と映像信号を交互に送出することで、検出強度の送出を映像信号送出の空き時間に行うことができて、時間を有効に利用することができる。
【0108】請求項14の映像表示装置によるときは、映像の表示をコンピュータで行うから、単に映像を表示するだけでなく、映像信号に処理を施したり映像信号を記憶したりすることが可能になる。また、撮像の制御もコンピュータで行うから、撮像される映像を、映像観察者の指示に応じてまたはプログラムに従って任意に調節することができる。制御にはデジタルカメラから映像信号を送出しない映像の信号の強度も利用可能であり、これにより的確かつ速やかな調節がなされる。
【0109】請求項15または請求項16の映像表示装置では、撮像される映像の明るさまたは色合いが調節され、したがって、表示される映像も適正な明るさまたは色合いとなる。
【0110】請求項17のデジタルカメラによるときは、撮像された全映像のうちの一部の映像から映像信号を生成して外部装置に送出するため、外部装置への信号伝送速度に制限がある場合でも、撮像と映像信号の伝送を並行して行うことができる。しかも、送出しない映像については映像信号を生成しないから、映像信号の生成を無駄に行うことがない。映像信号の調節制御はデジタルカメラ自体が行うが、撮像した全ての映像の信号強度に基づいて行われるから、的確かつ速やかな調節が可能である。
【0111】請求項18または請求項19のデジタルカメラでは、撮像される映像の明るさまたは色合いが調節され、したがって、外部装置に送出される映像信号が表す映像も適正な明るさまたは色合いとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態のデジタルカメラの概略構成を示す図。
【図2】 デジタルカメラのメモリに関する制御のタイミングを示す図。
【図3】 デジタルカメラの信号処理回路の概略構成を示す図。
【図4】 信号強度算出のための映像の分割パターンを示す図。
【図5】 デジタルカメラのアイリス算出回路の概略構成を示す図。
【図6】 デジタルカメラのアイリス算出回路の信号処理のタイミングを示す図。
【図7】 図6に続く信号処理のタイミングを示す図。
【図8】 デジタルカメラのホワイトバランス算出回路の概略構成を示す図。
【図9】 デジタルカメラの信号処理経路における信号のフレーム間の関係とタイミングを示す図。
【図10】 第1の実施形態のパーソナルコンピュータの概略構成を示す図。
【図11】 第2の実施形態のデジタルカメラの概略構成を示す図。
【図12】 第2の実施形態のパーソナルコンピュータの概略構成を示す図。
【図13】 第3の実施形態のデジタルカメラの概略構成を示す図。
【符号の説明】
1、2、3 デジタルカメラ
7、8 パーソナルコンピュータ
11 光電変換素子
12 CDS/AGC回路
13 A/Dコンバータ
14 選択回路
15 メモリ
16 信号処理装置
17 メモリ制御回路
18 アイリス算出回路
19 ホワイトバランス算出回路
20 外部インターフェイス
21 映像調節回路
22 タイミング発生回路
23 有効フレーム判定回路
24 遮断回路
31 色分離回路
32R、32B、32Y ローパスフィルタ
33R、33B 利得制御回路
34 γ補正回路
35 色差信号生成回路
41 ローパスフィルタ
42 加算器
43 レジスタ
44 加算器
45a〜45h レジスタ
46 シフトレジスタ
51 色分離回路
52R、52B、52Y ローパスフィルタ
54 γ補正回路
55 色差信号生成回路
56 I/Q変換回路
57 リミッタ回路
58 I成分積分回路
59 Q成分積分回路
71 表示装置
72 入力装置
73 CPU
74 記憶装置
76 信号処理回路
77 デジタルインターフェイス
81 信号分離回路
82 映像信号処理回路
83 アイリス算出回路
84 ホワイトバランス算出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】 光電変換素子によって繰り返し撮像し、撮像と並行して、所定間隔のフレームまたはフィールドの映像信号を外部装置に供給するデジタルカメラにおいて、前記外部装置に映像信号を供給しないフレームまたはフィールドの映像に関する情報を、前記外部装置に供給することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】 前記情報を、前記所定間隔のフレームまたはフィールドの映像信号の供給の合間に、前記外部装置に供給することを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】 前記情報は映像全体の明るさであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】 前記情報は、複数の領域に分割した映像の、領域ごとの明るさであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラ。
【請求項5】 撮像する映像の明るさの調節を、前記外部装置によって制御されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】 前記情報は映像のホワイトバランスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】 撮像する映像のホワイトバランスの調節を、前記外部装置によって制御されることを特徴とする請求項6に記載のデジタルカメラ。
【請求項8】 デジタルインターフェイスを備えたデジタルカメラとコンピュータとから成り、前記デジタルカメラで撮像した映像をフレームまたはフィールドごとのデジタルの映像信号として前記コンピュータに順次伝送して、前記コンピュータで映像を表示する映像表示装置において、撮像した全てのフレームまたはフィールドのうち所定間隔の一部のフレームまたはフィールドの映像信号のみを伝送することにより、伝送する映像信号の量を前記デジタルインターフェイスが処理し得る量内に収めるとともに、映像信号の伝送の空き時間に、伝送しないフレームまたはフィールドの映像に関する情報を前記デジタルカメラから前記コンピュータに伝送することを特徴とする映像表示装置。
【請求項9】 前記情報は映像の明るさであり、前記コンピュータは、伝送された映像信号と前記情報に基づいて前記デジタルカメラを制御して、撮像される映像の明るさを調節することを特徴とする請求項8に記載の映像表示装置。
【請求項10】 前記情報は映像の明るさであり、前記コンピュータは、伝送された映像信号と前記情報に基づいて、表示する映像の明るさを調節することを特徴とする請求項8に記載の映像表示装置。
【請求項11】 前記情報は映像のホワイトバランスであり、前記コンピュータは、伝送された映像信号と前記情報に基づいて前記デジタルカメラを制御して、撮像される映像のホワイトバランスを調節することを特徴とする請求項8に記載の映像表示装置。
【請求項12】 前記情報は映像のホワイトバランスであり、前記コンピュータは、伝送された映像信号と前記情報に基づいて、表示する映像のホワイトバランスを調節することを特徴とする請求項8に記載の映像表示装置。
【請求項13】 受光量に応じたアナログの信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段の出力信号を増幅して出力する増幅手段と、前記増幅手段の出力信号をデジタルの信号に変換して出力する変換手段と、前記変換手段の出力信号からデジタルの映像信号を生成して出力する映像生成手段と、前記変換手段の出力信号の強度を検出し、検出した強度を表すデジタルの信号を出力する検出手段と、前記映像生成手段が出力する映像信号と前記検出手段の出力信号を入力されて、入力された信号を外部装置に送出する送出手段と、前記変換手段の出力信号を所定の周期で前記映像生成手段と前記検出手段に交互に与える切換手段とを備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項14】 請求項13に記載のデジタルカメラと、前記送出手段から送出される信号を受けて、前記映像生成手段が出力した映像信号が表す映像を表示するとともに、前記映像生成手段が出力した映像信号と前記検出手段の出力信号に基づいて前記デジタルカメラを制御するコンピュータとから成ることを特徴とする映像表示装置。
【請求項15】 前記コンピュータは、前記撮像手段の受光量または前記増幅手段の増幅率を制御して、前記映像生成手段によって生成される映像信号の強度を調節することを特徴とする請求項14に記載の映像表示装置。
【請求項16】 前記コンピュータは、前記映像生成手段の映像信号の生成を制御して、生成される映像信号のホワイトバランスを調節することを特徴とする請求項14に記載の映像表示装置。
【請求項17】 受光量に応じたアナログの信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段の出力信号を増幅して出力する増幅手段と、前記増幅手段の出力信号をデジタルの信号に変換して出力する変換手段と、前記変換手段の出力信号からデジタルの映像信号を生成して出力する映像生成手段と、前記映像生成手段が出力する映像信号を外部装置に送出する送出手段と、前記変換手段の出力信号の前記映像生成手段への供給を所定の周期で遮断する遮断手段と、前記変換手段の出力信号の強度を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された強度に基づいて前記映像信号の調節に関する制御をする制御手段とを備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項18】 前記制御手段は、前記撮像手段の受光量または前記増幅手段の増幅率を制御して、前記映像生成手段によって生成される映像信号の強度を調節することを特徴とする請求項17に記載のデジタルカメラ。
【請求項19】 前記制御手段は、前記映像生成手段の映像信号の生成を制御して、生成される映像信号のホワイトバランスを調節することを特徴とする請求項17に記載のデジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図4】
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【図5】
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【図10】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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