説明

デジタルカメラ用の二重枠減光フィルター

【課題】二重構造の減光フィルターを一眼レフデジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着して使用し、画像の色の濃さや明るさ(輝度)を変化させる減光フィルターを提供する。
【解決手段】二重構造のフィルター枠は、前枠及び後枠からなり、レンズ鏡筒前面に後枠を螺着した後に前枠を左右に360度回転可能であり、該フィルター枠の前枠と後枠には光軸を中心に略二等分できる円形フィルターレンズ基板を二枚用意し、前記二重枠構造のフィルター枠における前枠、後枠に装着する二枚の円形フィルターレンズ基板は光軸を中心に寸法的に二等分できる円形フィルターレンズ基板であり、該夫々の円形フィルターレンズ基板の片側二等分面には任意に濃度を変えた着色または金属膜蒸着を施し、フィルターレンズ基板の片側半分は光の素通し部分とし、前枠を回転することにより、前枠と後枠の基板の着色や蒸着被膜加工部分が重なり合い、画像に独特の減光部分を作り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一眼レフデジタルカメラ用に開発された二重枠構成の減光フィルターに関するものである。
【0002】
減光フィルターとはND(Neutral Density)フィルターとも云われ、あらゆる色彩に対して影響を与えず光の量だけを減少する光量フィルターである。従って、従来のフイルム式カメラにおいては、明るい場所や、高感度フイルムを使っているときも、絞りやシャッタースピードを思いの数値にセットして撮影のできるフィルターであり、NDフィルターは、黒色の濃さと度合いにより、光減フィルターND2、光減フィルターND4、光減フィルターND8、そして、大光量を調整できる光減フィルターND400などがあった。
【0003】
また、一眼レフデジタルカメラが普及してきた最近でも、減光フィルターND2、減光フィルターND4、減光フィルターND8、そして、大光量を調整できる減光フィルターND400はデジタルカメラ用としても使用されてきている。
【0004】
斯くして、本発明は、一眼レフデジタルカメラにおいて使用して、画像に色の濃さや明るさ(輝度)を部分的、或いは全体的に変化させて表現可能な二重枠構成の減光フィルターを提供するものである。
【背景技術】
【0005】
1眼レフデジタルカメラは、光学信号である画像を電気信号に変換する撮像素子(光学センサ)はCCDイメージセンサかCMOSイメージセンサが用いられており、該撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するカメラであり、最近、特に撮像素子の進展は、微細な光信号までを高感度で正確にデジタルデータとして捉えられるようになってきた。
【0006】
従って、本発明においては、二重枠構造の減光フィルターを1眼レフカメラのレンズ鏡筒前面に装着して使用し、画像の色の濃さや明るさ(輝度)を部分的に変化させて表現したり、画像全体の色の濃さや明るさ(輝度)を変化できる新しい減光フィルターを提供する試みがなされた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、一眼レフデジタルカメラにおいて、光学信号である画像を電気信号に変換する撮像素子(光学センサ)は、CCDイメージセンサかCMOSイメージセンサを搭載して高感度になり、微細な光信号までを正確にデジタルデータとしてとらえられるようになってきた点に注目してなされたものであり、二重構造の減光フィルターを一眼レフデジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着して使用し、画像の色の濃さや明るさ(輝度)を部分的、且つ、連続的に変化させて表現でき、また、画像全体の色の濃さや明るさ(輝度)を変化させて表現できる新しい減光フィルターを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明において、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着できる二重構造のフィルター枠は、入射光側の前枠並びにレンズ鏡筒側の後枠からなり、該二重枠構造のフィルター枠はレンズ鏡筒前面に後枠を螺着した後に前枠を左右に360度回転可能に構成され、該フィルター枠の前枠と後枠には光軸を中心に寸法的に略二等分できる円形フィルターレンズ基板を夫々装着し、該前枠と後枠に装着する二枚の円形フィルターレンズ基板は夫々光軸を中心に寸法的に二等分できる円形フィルターレンズ基板となし、該夫々の円形フィルターレンズ基板の片側二等分面には任意に濃度を変えた着色による加工、または金属蒸着被膜を付着させる手法にて光の透過量を調整可能な蒸着被膜加工を施してグラデーション加工部分を構成し、該グラデーション加工部分により二等分された円形フィルターレンズ基板の片側半分は着色や蒸着被膜を施さない光の素通し部分として構成し、前記レンズ鏡筒前面に装着した二重枠構造の前枠を回転することにより、前記前枠のフィルターレンズ基板のグラデーション加工部と後枠のグラデーション加工部分が重なり合い、或いは前記素通し部分がグラデーション加工部分と重なり合って画像に独特の減光部分を作り出すことができるデジタルカメラ用の二重枠減光フィルターを提供するものである。
【0009】
また、本発明において、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着できる二重構造のフィルター枠は、入射光側の前枠並びにレンズ鏡筒側の後枠からなり、該二重枠構造のフィルター枠はレンズ鏡筒前面に後枠を螺着した後に前枠を左右に360度回転可能に構成され、該フィルター枠の前枠と後枠には光軸を中心に寸法的に略二等分できる円形フィルターレンズ基板を夫々装着し、該前枠と後枠に装着する二枚の円形フィルターレンズ基板は夫々光軸を中心に寸法的に二等分できる円形フィルターレンズ基板となし、該フィルターレンズ基板片側面の二分の一の基板には光軸方向に向かって黒色から灰色、淡灰色へと連続的に濃度を変えた着色による加工、または金属蒸着被膜の厚さを徐々に薄く付着させる手法にて光の透過量を調整可能な蒸着被膜加工を施してグラデーション加工部分を構成し、前記略二等分した円形フィルターレンズ基板の片側半分は着色や蒸着被覆を施さない光の素通し部分として構成し、前記レンズ鏡筒前面に装着した二重枠構造の前枠を回転することにより、前枠のグラデーションフィルターレンズ基板のグラデーション加工部分と後枠のグラデーション加工部分が重なり合い、或いは前記素通し部分がグラデーション加工部分と重なり合って画像に独特の減光部分を作り出すことができるデジタルカメラ用の二重枠減光フィルターを提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
斯して、本発明は、一眼レフデジタルカメラにおいて光学信号である画像を電気信号に変換する撮像素子(光学センサ)はCCDイメージセンサかCMOSイメージセンサがより高感度になり、微細な光信号までを正確にデジタルデータとして捉えられるようになってきた点を最大限に利用したもので、二重構造の枠を持つフィルターを一眼レフデジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着して使用し、画像に色の濃さや明るさ(輝度)を部分的、且つ、連続的に変化させて表現でき、また、画像全体の色の濃さや明るさ(輝度)を変化させて表現できる新しい減光フィルターを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(A)本発明の実施例1を示す減光フィルターレンズ基板の正面図である。 (B)本発明の実施例2を示す減光フィルターレンズ基板の正面図である。
【図2】(A)本発明の二重構造フィルター枠を説明する部品図である。 (B)本発明の二重構造フィルター枠を説明する組み立て図である。 (C)本発明の二重構造フィルター枠を説明する要部断面図である。
【図3】本発明の実施例1を説明する動作図である。
【図4】本発明の実施例2を説明する動作図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の目的は、一眼レフデジタルカメラにおいて、光学信号である画像を電気信号に変換する撮像素子(光学センサ)は、CCDイメージセンサかCMOSイメージセンサを搭載して高感度になり、微細な光信号までを正確にデジタルデータとしてとらえられるようになってきた点に注目してなされたものであり、二重構造の減光フィルターを一眼レフデジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着して使用し、画像の色の濃さや明るさ(輝度)を部分的、且つ、連続的に変化させて表現でき、また、画像全体の色の濃さや明るさ(輝度)を変化させて表現できる新しい減光フィルターを提供するものである。
【0013】
斯くして、本発明において、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着できる二重構造のフィルター枠は、入射光側の前枠及びレンズ鏡筒側の後枠からなり、該二重枠構造のフィルター枠はレンズ鏡筒前面に後枠を螺着した後に前枠を左右に360度回転可能であり、該フィルター枠の前枠と後枠には光軸を中心に寸法的に略二等分できる円形フィルターレンズ基板を二枚用意し、前記二重枠構造のフィルター枠における前枠、後枠に装着する二枚の円形フィルターレンズ基板は光軸を中心に寸法的に二等分できる円形フィルターレンズ基板であり、該夫々の円形フィルターレンズ基板の片側二等分面には任意に濃度を変えた着色による加工、または金属蒸着被膜を付着させる手法にて光の透過量を調整可能な蒸着被膜加工を施し、前記二等分した円形フィルターレンズ基板の片側半分は光の素通し部分として着色や蒸着被膜を施さない構成となし、前記レンズ鏡筒前面に装着した二重枠構造の前枠を回転することにより、前記前枠のフィルターレンズ基板の着色や蒸着被膜加工部分と後枠の着色や蒸着被膜加工部分が重なり合い、また、前記素通し部分が着色や蒸着被膜加工部分と重なり合って画像に独特の減光部分を作り出すことができるデジタルカメラ用の二重枠減光フィルターを提供するものである。
【0014】
また、本発明において、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着できる二重構造のフィルター枠は、入射光側の前枠並びにレンズ鏡筒側の後枠からなり、該二重枠構造のフィルター枠はレンズ鏡筒前面に後枠を螺着した後に前枠を左右に360度回転可能に構成され、該フィルター枠の前枠と後枠には光軸を中心に寸法的に略二等分できる円形フィルターレンズ基板を夫々装着し、該前枠と後枠に装着する二枚の円形フィルターレンズ基板は夫々光軸を中心に寸法的に二等分できる円形フィルターレンズ基板となし、該フィルターレンズ基板片側面の二分の一の基板には光軸方向に向かって黒色から灰色、淡灰色へと連続的に濃度を変えた着色による加工、または金属蒸着被膜の厚さを徐々に薄く付着させる手法にて光の透過量を調整可能な蒸着被膜加工を施してグラデーション加工部分を構成し、前記略二等分した円形フィルターレンズ基板の片側半分は着色や蒸着被覆を施さない光の素通し部分として構成し、前記レンズ鏡筒前面に装着した二重枠構造の前枠を回転することにより、前枠のグラデーションフィルターレンズ基板のグラデーション加工部分と後枠のグラデーション加工部分が重なり合い、或いは前記素通し部分がグラデーション加工部分と重なり合って画像に独特の減光部分を作り出すことができるデジタルカメラ用の二重枠減光フィルターを提供するものである。
【0015】
更に、本発明において、前記二重構造のフィルター枠に装着される円形フィルターレンズ基板は前枠と後枠に夫々装着されており、該二枚の円形フィルターレンズ基板には夫々光軸を中心に略二等分されて片側二等分面をグラデーション加工部分を設け、該略二等分した円形フィルターレンズ基板の片側半分は着色や蒸着被覆を施さない光の素通し部分を設け、前記後枠の円形フィルターレンズ基板に対して前枠の円形フィルターレンズレンズ基板が180度回転した場合にフィルターレンズ全体が丁度グラデーション加工部分の面にて覆われるように構成し、該前枠と後枠の境界が180度回転時にグラデーション加工部分の面で覆われるように二枚の円形フィルターレンズ基板は夫々光軸を中心に寸法的に二等分以上にオーバーした寸法にてグラデーション部分の重複用加工面を有して前枠と後枠のグラデーション加工部分が互いに重なり合うようにした構成が好ましい。
【0016】
本発明に使用されるグラデーション加工部分は、最近大手印刷会社が夫々開発しているインクジェット印刷を用いて行えば表面が凹凸形状のフィルターレンズ面でも印刷可能であり、該印刷は連続的にその濃度を変えた着色やカラー着色が可能であったり、帯状に着色濃度やカラーを変えての着色が容易に行うことができ、本発明が必要とするフィルターレンズ基板を得ることは充分に可能である。
【0017】
また、本発明に使用するフィルターレンズ基板の片側面に光軸方向に向かって、金属蒸着被膜の厚さを制御して付着させる手法は、真空蒸着法、スパッタリング法などの蒸着被膜形成法を用いることにより行うことができる。
【0018】
真空蒸着法は真空中で被覆したい材料を加熱蒸着させ、その蒸気をフィルターレンズ基板の表面に凝結させて金属皮膜とするもので、同様の手法として原子、分子、或いはイオンを被覆材料に衝突させる現象を起こさせ、該衝突によって放出されるフィルターレンズ基板の表面に付着させて金属皮膜を形成するスパッタリング法も利用できる。
【0019】
そして、本発明のフィルターレンズ基板に蒸着される金属材料は、光学特性を有する酸化珪素、二酸化チタン、酸化亜鉛、フッ化マグネシュムなどの酸化物やフッ化物を使用することができ、該金属材料を蒸着する際に蒸着被膜の厚さを正確に制御したり、徐々に薄く付着するように加工することは、容易に行えることである。
【実施例1】
【0020】
図1(A)、図2(A)、(B)、(C)、並びに図3は、本発明の実施例1を説明するものであり、図1(A)は実施例1を示す減光フィルターレンズ基板の正面図、図2(A)、(B)、(C)は実施例1のフィルターレンズ基板を組み込んだ二重枠構造のフィルター枠を示す構造説明図、図3は前記、図2におけるフィルター枠の夫々の動作を図3(a)、図3(b)、図3(c)にて説明するものである。
【0021】
図1(A)、図2(A)、(B)、(C)、並びに図3において、1a、1bは二枚一組の円型フィルターレンズ基板であり、夫々グラデーション加工部分2a、2bと素通し部分3a、3bを有しており、前記グラデーション加工部分2a、2bの境界には夫々光軸Rを中心に寸法的に二等分以上にオーバーした寸法にてグラデーション部分の重複用加工面4が設けられている。
【0022】
また、前記グラデーション加工部分2a、2bと重複用加工面4には、円形フィルターレンズ基板1a、1bの片面にインクジェット印刷等の手段を用いて着色を施したり、金属蒸着被膜の厚さを制御して金属蒸着被膜を形成したものである。
【0023】
斯くして、図2(A)、(B)において、5は二重枠構造のフィルター枠、6は前枠、7は後枠、1a、1bは円型フィルターレンズ、8はフィルターレンズ嵌合ワッシャー、9は回転ワッシャーであり、前記前枠6にはフィルターレンズの装着部10、フィルターレンズ押さえ縁11、他のアタッチメント装着用雌ネジ12、後枠7との一体化用雄ネジ13が設けられており、また、前記後枠7にはフィルターレンズの装着部14、フィルターレンズ押さえ縁15、前枠6との一体化用雌ネジ16、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面(図示せず)に二重枠構造のフィルター枠5を装着するための雄ネジ17からなる。
【0024】
図2(B)は、前枠6に円型フィルターレンズ基板1a、フィルターレンズ嵌合ワッシャー8、回転ワッシャー9を装着し、後枠7に円型フィルターレンズ基板1bを装着したところを示しており、該前枠6と後枠7は一体化用雄ネジ13と一体化用雌ネジ16を螺着することにより、図2(C)の如く二重枠構造のフィルター枠5となり、互いに360度の回転が可能となる。
【0025】
而して、実施例1の構成は、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着できる二重構造のフィルター枠5は入射光側18の前枠6、並びにレンズ鏡筒側19の後枠7からなり、該二重枠構造のフィルター枠5はレンズ鏡筒前面に後枠7を螺着した後に前枠6を左右に360度回転可能に構成され、該二重枠構造のフィルター枠5の前枠6と後枠7には光軸Rを中心に寸法的に略二等分できる円形フィルターレンズ基板1a、1bを夫々装着し、該前枠6と後枠7に装着する二枚の円形フィルターレンズ基板1a、1bは夫々光軸を中心に寸法的に二等分できる円形フィルターレンズ基板1a、1bとなし、該夫々の円形フィルターレンズ基板1a、1bの片側二等分面には任意に濃度を変えた着色による加工、または金属蒸着被膜を付着させる手法にて光の透過量を調整可能な蒸着被膜加工を施してグラデーション加工部分2a、2bを構成し、該グラデーション加工部分2a、2bにより二等分された円形フィルターレンズ基板1a、1bの片側半分は着色や蒸着被膜を施さない光の素通し部分2a、2bとして構成し、前記レンズ鏡筒前面に装着した二重枠構造のフィルター枠5の内、前枠6を回転することにより、前記前枠のフィルターレンズ基板1aのグラデーション加工部2aと後枠のグラデーション加工部分2bが重なり合い、或いは前記素通し部分3a、3bがグラデーション加工部分2a、2bと重なり合って画像に独特の減光部分を作り出すことができるデジタルカメラ用の二重枠減光フィルターである。
【0026】
図3(a)、(b)、(c)は上述した動作を夫々の動作にて説明するものであり、図3(a)は前枠6のグラデーション加工部分2aと後枠7のグラデーション加工部分2bが重なりあっている状態を示しており、この場合には画像の下部半分において二枚の減光フィルターを重ねわせて用いた効果を有するグラデーション画像が得られる。
【0027】
図3(b)は、例えば後枠7をデジタルカメラの前面の鏡筒に装着する場合にグラデーション加工部分2bを水平に対して30度程傾けてセットし、前枠6を逆方向に30度ほど傾けるように回転することにより、回転角が60度の扇形状の素通し部分3a、3b以外は減光フィルター効果を有するグラデーション画像が得られる。
【0028】
また、図3(c)は、前枠6のグラデーション加工部分2aと後枠7のグラデーション加工部分2bを夫々の境界部分で重ね合わせ前記重複用加工面4を利用することにより隙間ができることなく画像全体を減光フィルター化することができるものである。
【0029】
従って、実施例1においては、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着できる二重構造のフィルター枠5は入射光側18の前枠6、並びにレンズ鏡筒側19の後枠7からなり、該二重枠構造のフィルター枠5はレンズ鏡筒前面に後枠7を螺着した後に前枠6を左右に360度回転可能に構成され、該フィルター枠の前枠6と後枠7には光軸Rを中心に寸法的に略二等分できる円形フィルターレンズ基板1a、1bを夫々装着し、該前枠6と後枠7に装着する二枚の円形フィルターレンズ基板1a、1bは夫々光軸を中心に寸法的に二等分できる円形フィルターレンズ基板1a、1bとなし、該夫々の円形フィルターレンズ基板1a、1bの片側二等分面には任意に濃度を変えた着色による加工、または金属蒸着被膜を付着させる手法にて光の透過量を調整可能な蒸着被膜加工を施してグラデーション加工部分2a、2bを構成し、該グラデーション加工部分2a、2bにより二等分された円形フィルターレンズ基板1a、1bの片側半分は着色や蒸着被膜を施さない光の素通し部分3a、3bとして構成し、前記レンズ鏡筒前面に装着した二重枠構造の前枠6を回転することにより、前記前枠6のフィルターレンズ基板1aのグラデーション加工部2aと後枠7のグラデーション加工部分2bが重なり合い、図3(a)の如く構成されたり、前記素通し部分3a、3bがグラデーション加工部分2a、2bと重なり合って図3(c)の如く構成されるものであり、画像に独特の減光部分を作り出すことができるデジタルカメラ用の二重枠減光フィルターを提供するものである。
【実施例2】
【0030】
図1(B)、図2(A)、(B)、(C)、並びに図4は、本発明の実施例2を説明するものであり、図1(B)は実施例2を示す減光フィルターレンズ基板の正面図、図2(A)、(B)、(C)は実施例1と同様であるが、フィルターレンズ基板を組み込んだ二重枠構造のフィルター枠を示す構造説明図、図4は前記、図2におけるフィルター枠の夫々の動作を図4(a)、図4(b)図4(c)にて説明するものである。
【0031】
図1(B)、図2(A)、(B)、(C)、並びに図4において、1a、1bは二枚一組の円型フィルターレンズ基板であり、夫々段階的または連続的に変化するグラデーション加工部分20a、20b、21a、21b,22a、22bと素通し部分3a、3bを有しており、前記グラデーション加工部分の境界には夫々光軸を中心に寸法的に二等分以上にオーバーした寸法にてグラデーション部分の重複用加工面4が設けられている。
【0032】
また、前記グラデーション加工部分20a、20b、21a、21b,22a、22bと重複用加工面4には、円形フィルターレンズ基板1a、1bの片面にインクジェット印刷等の手段を用いて着色を施したり、金属蒸着被膜の厚さを制御して金属蒸着被膜を形成したものである。そして、特に実施例2においては、各着色の濃度や、金属蒸着被膜の厚さは、夫々の円型フィルターレンズ光軸を中心に寸法的に略二等分できる円形フィルターレンズ基板1a、1bを夫々装着し、該前枠6と後枠7に装着する二枚の円形フィルターレンズ基板1a、1bは夫々光軸Rを中心に寸法的に二等分できる円形フィルターレンズ基板1a、1bとなし、該フィルターレンズ基板1a、1bの片側面の二分の一の基板には光軸R方向に向かって黒色から灰色、淡灰色へと段階的或いは連続的に濃度を変えた着色による加工、または金属蒸着被膜の厚さを徐々に薄く付着させる手法にて光の透過量を調整可能な蒸着被膜加工を施してグラデーション加工部分20a、20b、21a、21b,22a、22bを構成している。
【0033】
斯くして、図2(A)、(B)において、5は二重枠構造のフィルター枠、6は前枠、7は後枠、1a、1bは円型フィルターレンズ、8はフィルターレンズ嵌合ワッシャー、9は回転ワッシャーであり、前記前枠6にはフィルターレンズの装着部10、フィルターレンズ押さえ縁11、他のアタッチメント装着用雌ネジ12、後枠7との一体化用雄ネジ13が設けられており、また、前記後枠7にはフィルターレンズの装着部14、フィルターレンズ押さえ縁15、前枠6との一体化用雌ネジ16、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面(図示せず)に二重枠構造のフィルター枠5を装着するための雄ネジ17からなる。
【0034】
図2(B)は、前枠6に円型フィルターレンズ基板1a、フィルターレンズ嵌合ワッシャー8、回転ワッシャー9を装着し、後枠7に円型フィルターレンズ基板1bを装着したところを示しており、該前枠6と後枠7は一体化用雄ネジ13と一体化用雌ネジ16を螺着することにより、図2(C)の如く二重枠構造のフィルター枠5となり、互いに360度の回転が可能となる。
【0035】
斯くして、実施例2は、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着できる二重構造のフィルター枠5は入射光側18の前枠6、並びにレンズ鏡筒側19の後枠7からなり、該二重枠構造のフィルター枠5はレンズ鏡筒前面に後枠7を螺着した後に前枠6を左右に360度回転可能に構成され、該フィルター枠5の前枠6と後枠7には光軸Rを中心に寸法的に略二等分できる円形フィルターレンズ基板1a、1bを夫々装着し、該前枠6と後枠7に装着する二枚の円形フィルターレンズ基板1a、1bは夫々光軸Rを中心に寸法的に二等分できる円形フィルターレンズ基板1a、1bとなし、該フィルターレンズ基板1a、1b片側面の二分の一の基板には光軸R方向に向かって黒色から灰色、淡灰色へと連続的に濃度を変えた着色による加工、または金属蒸着被膜の厚さを徐々に薄く付着させる手法にて光の透過量を調整可能な蒸着被膜加工を施してグラデーション加工部分20a、20b、21a、21b,22a、22bを構成し、前記略二等分した円形フィルターレンズ基板1a、1bの片側半分は着色や蒸着被覆を施さない光の素通し部分3a、3bとして構成し、前記レンズ鏡筒前面に装着した二重枠構造の前枠6を回転することにより、前枠6のフィルターレンズ基板1aのグラデーション加工部分20a、21a、22aと後枠7のグラデーション加工部分20b、21b、22bが重なり合い、図4(a)、(b)の如く画像に独特の減光部分を作り出すことができたり、或いは前記素通し部分3a、3bが夫々のグラデーション加工部分20a、20b、21a、21b,22a、22bと重なり合って図4(c)の如く全体がグラデーション加工部分20a、20b、21a、21b,22a、22bに覆われた形の独特の減光フィルターを作り出すことができるものである。
【符号の説明】
【0036】
1a、1b 円型フィルターレンズ
2a、2b グラデーション加工部分
3a、3b 素通し部分
4 重複用加工面
5 2重枠構造のフィルター枠
6 前枠
7 後枠
8 フィルター枠嵌合ワッシャー
9 回転ワッシャー
10 フィルターレンズ装着部
11 フィルターレンズ押さえ縁
12 アタッチメント装着用雌ネジ
13 後枠との一体化用雄ネジ
14 フィルターレンズの装着部
15 フィルターレンズ押さえ縁
16 一体化用雌ネジ
17 雄ネジ
18 入射側
19 レンズ鏡筒側
20a、20b グラデーション加工部
21a、21b グラデーション加工部
22a、22b グラデーション加工部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着できる二重構造のフィルター枠は入射光側の前枠並びにレンズ鏡筒側の後枠からなり、該二重枠構造のフィルター枠はレンズ鏡筒前面に後枠を螺着した後に前枠を左右に360度回転可能に構成され、該フィルター枠の前枠と後枠には光軸を中心に寸法的に略二等分できる円形フィルターレンズ基板を夫々装着し、該前枠と後枠に装着する二枚の円形フィルターレンズ基板は夫々光軸を中心に寸法的に二等分できる円形フィルターレンズ基板となし、該夫々の円形フィルターレンズ基板の片側二等分面には任意に濃度を変えた着色による加工、または金属蒸着被膜を付着させる手法にて光の透過量を調整可能な蒸着被膜加工を施してグラデーション加工部分を構成し、該グラデーション加工部分により二等分された円形フィルターレンズ基板の片側半分は着色や蒸着被膜を施さない光の素通し部分として構成し、前記レンズ鏡筒前面に装着した二重枠構造の前枠を回転することにより、前記前枠のフィルターレンズ基板のグラデーション加工部と後枠のグラデーション加工部分が重なり合い、或いは前記素通し部分がグラデーション加工部分と重なり合って画像に独特の減光部分を作り出すことができることを特徴とするデジタルカメラ用の二重枠減光フィルター。
【請求項2】
デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着できる二重構造のフィルター枠は入射光側の前枠並びにレンズ鏡筒側の後枠からなり、該二重枠構造のフィルター枠はレンズ鏡筒前面に後枠を螺着した後に前枠を左右に360度回転可能に構成され、該フィルター枠の前枠と後枠には光軸を中心に寸法的に略二等分できる円形フィルターレンズ基板を夫々装着し、該前枠と後枠に装着する二枚の円形フィルターレンズ基板は夫々光軸を中心に寸法的に二等分できる円形フィルターレンズ基板となし、該フィルターレンズ基板片側面の二分の一の基板には光軸方向に向かって黒色から灰色、淡灰色へと連続的に濃度を変えた着色による加工、または金属蒸着被膜の厚さを徐々に薄く付着させる手法にて光の透過量を調整可能な蒸着被膜加工を施してグラデーション加工部分を構成し、前記略二等分した円形フィルターレンズ基板の片側半分は着色や蒸着被覆を施さない光の素通し部分として構成し、前記レンズ鏡筒前面に装着した二重枠構造の前枠を回転することにより、前枠のフィルターレンズ基板のグラデーション加工部分と後枠のグラデーション加工部分が重なり合い、或いは前記素通し部分がグラデーション加工部分と重なり合って画像に独特の減光部分を作り出すことができることを特徴とするデジタルカメラ用の二重枠減光フィルター。
【請求項3】
前記二重構造のフィルター枠に装着される円形フィルターレンズ基板は前枠と後枠に夫々装着されており、該二枚の円形フィルターレンズ基板には夫々光軸を中心に略二等分されて片側二等分面をグラデーション加工部分を設け、該略二等分した円形フィルターレンズ基板の片側半分は着色や蒸着被覆を施さない光の素通し部分を設け、前記後枠の円形フィルターレンズ基板に対して前枠の円形フィルターレンズレンズ基板が180度回転した場合にフィルターレンズ全体が丁度グラデーション加工部分の面にて覆われるように構成し、該前枠と後枠の境界が180度回転時にグラデーション加工部分の面で覆われるように二枚の円形フィルターレンズ基板は夫々光軸を中心に寸法的に二等分以上にオーバーした寸法にてグラデーション部分の重複用加工面を有して前枠と後枠のグラデーション加工部分が互いに重なり合うように構成したことを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれかに記載のデジタルカメラ用の二重枠減光フィルター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−50473(P2013−50473A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186700(P2011−186700)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(502201826)マルミ光機株式会社 (11)
【Fターム(参考)】