説明

デジタルカメラ用の減光フィルター

【課題】デジタルカメラ画像のセンター部分用減光フィルターを一眼レフデジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着して使用し、画像の中心部分の色の濃さや明るさ(輝度)を変化させて表現できる新しい減光フィルターを提供する。
【解決手段】デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着可能な円形フィルターレンズ基板3の表面、或いは裏面に光軸を中心に任意な直径Rを有する円形状のシルク印刷やインクジェット印刷による着色被膜18等からなる均一加工部15を構成し、該均一加工部15における着色の濃度や透明度、または貼着する材料の厚さにて光の透過量を調整可能となし、該均一加工部15以外はリング形状の光の素通し部分16として構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一眼レフデジタルカメラ用に開発された画像のセンター部分用減光フィルターに関するものである。
【0002】
減光フィルターとはND(Neutral Density)フィルターとも云われ、あらゆる色彩に対して影響を与えず光の量だけを減少する光量フィルターである。従って、従来のフイルム式カメラにおいては、明るい場所や、高感度フイルムを使っているときも、絞りやシャッタースピードを思いの数値にセットして撮影のできるフィルターであり、NDフィルターは、黒色の濃さと度合いにより、光減フィルターND2、光減フィルターND4、光減フィルターND8、そして、大光量を調整できる光減フィルターND400などがあった。
【0003】
また、一眼レフデジタルカメラが普及してきた最近でも、減光フィルターND2、減光フィルターND4、減光フィルターND8、そして、大光量を調整できる減光フィルターND400はデジタルカメラ用としても使用されてきている。
【0004】
斯くして、本発明は、一眼レフデジタルカメラにおいて使用して、画像の中心部分の色の濃さや明るさ(輝度)を変化させて表現可能なセンター部分用の減光フィルターを提供するものである。
【背景技術】
【0005】
1眼レフデジタルカメラは、光学信号である画像を電気信号に変換する撮像素子(光学センサ)にCCDイメージセンサかCMOSイメージセンサが用いられており、該撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するカメラであり、最近、特に撮像素子の進展は、微細な光信号までを高感度で正確にデジタルデータとして捉えられるようになってきた。
【0006】
従って、本発明においては、画像のセンター部分用の減光フィルターを1眼レフカメラのレンズ鏡筒前面に装着して使用し、画像の中心部分の色の濃さや明るさ(輝度)を変化させて表現できる新しい減光フィルターを提供する試みがなされた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、一眼レフデジタルカメラにおいて、光学信号である画像を電気信号に変換する撮像素子(光学センサ)は、CCDイメージセンサかCMOSイメージセンサを搭載して高感度になり、微細な光信号までを正確にデジタルデータとしてとらえられるようになってきた点に注目してなされたものであり、デジタルカメラ画像のセンター部分用減光フィルターを一眼レフデジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着して使用し、画像の中心部分の色の濃さや明るさ(輝度)を変化させて表現できる新しい減光フィルターを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明において、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着可能なフィルター枠内には、円形フィルターレンズ基板が嵌着されており、該円形フィルターレンズ基板の表面或いは裏面には光軸を中心に任意な直径を有する円形状のシルク印刷、またはインクジェット印刷による着色被膜からなる均一加工部を構成し、該均一加工部における着色の濃度にて光の透過量を調整可能となし、該均一加工部以外はリング形状の光の素通し部分として構成し、前記円形フィルターレンズ基板の光軸を中心に設けた円形状の均一加工部において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すデジタルカメラ用の減光フィルターを提供するものである。
【0009】
また、本発明において、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着可能なフィルター枠内には、円形フィルターレンズ基板が嵌着されており、該円形フィルターレンズ基板の表面或いは裏面には光軸を中心に任意な直径を有する円形状のフイルムシートを貼着した均一加工部を構成し、該均一加工部におけるフイルムシートの色合いで光の透過量を調整可能となし、該均一加工部以外はリング形状の光の素通し部分として構成し、前記円形フィルターレンズ基板の光軸を中心に設けた円形状の均一加工部において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すデジタルカメラ用の減光フィルターを提供するものである。
【0010】
更に、本発明おいて、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着可能なフィルター枠内には、円形フィルターレンズ基板が嵌着されており、該円形フィルターレンズ基板の表面或いは裏面には光軸を中心に任意な直径を有する円形状の金属蒸着被膜の付着加工を施した均一加工部分を構成し、該均一加工部における金属蒸着被膜の厚さにて光の透過量を調整可能となし、該均一加工部以外はリング形状の光の素通し部分として構成し、前記円形フィルターレンズ基板の光軸を中心に設けた円形状の均一加工部において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すデジタルカメラ用の減光フィルターを提供するものである。
【0011】
而して、本発明において、課題を解決するための他の実施例として、前記円形フィルターレンズ基板に設けた円形状の均一加工部を円形のシルク印刷やインクジェット印刷による着色被膜からなるグラデーション加工部や円形状のフイルムシートを貼着したグラデーション加工部、並びに円形状の金属蒸着被膜の付着加工を施したグラデーション加工部に構成し、該グラデーション加工部は夫々の光軸を中心に外部側に向かって段階的、または連続的に着色濃度やフイルムシートの濃度や透明度を可変させる加工、並びに金属蒸着被膜の厚さを段階的に徐々に薄くして付着させる手法、または連続的に金属被膜の厚さを薄くして付着させていく手法にて前記円形フィルターレンズ基板を製作し、該円形フィルターレンズ基板のグラデーション加工部において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すデジタルカメラ用の減光フィルターを提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
斯して、本発明は、一眼レフデジタルカメラにおいて光学信号である画像を電気信号に変換する撮像素子(光学センサ)はCCDイメージセンサかCMOSイメージセンサがより高感度になり、微細な光信号までを正確にデジタルデータとして捉えられるようになってきた点を最大限に利用したもので、前記均一加工部、またはグラデーション加工部を有する円形フィルターレンズを嵌着したフィルター枠を一眼レフデジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着して使用し、画像の中心部分の色の濃さや明るさ(輝度)を変化させて表現できる新しい減光フィルターを提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(A)本発明に使用されるフィルター枠を説明する組み立て部品図である。 (B)本発明に使用されるフィルター枠を説明する要部断面図である。
【図2】(A)本発明の実施例1を説明するフィルター枠正面図である。 (B)本発明の実施例2を説明するフィルター枠正面図である。 (C)本発明の実施例3を説明するフィルター枠正面図である。
【図3】(A)本発明の実施例4を説明するフィルター枠正面図である。 (B)本発明の実施例5を説明するフィルター枠正面図である。 (C)本発明の実施例6を説明するフィルター枠正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の目的は、一眼レフデジタルカメラにおいて、光学信号である画像を電気信号に変換する撮像素子(光学センサ)は、CCDイメージセンサかCMOSイメージセンサを搭載して高感度になり、微細な光信号までを正確にデジタルデータとしてとらえられるようになってきた点に注目してなされたものであり、デジタルカメラ画像のセンター部分用の減光フィルターを一眼レフデジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着して使用し、画像の中心部分の色の濃さや明るさ(輝度)を変化させて表現できる新しい減光フィルターを提供するものである。
【0015】
本発明において、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着可能なフィルター枠内には、円形フィルターレンズ基板が嵌着されており、該円形フィルターレンズ基板の表面或いは裏面には光軸を中心に任意な直径を有する円形状のシルク印刷、またはインクジェット印刷による着色被膜からなる均一加工部を構成し、該均一加工部における着色の濃度にて光の透過量を調整可能となし、該均一加工部以外はリング形状の光の素通し部分として構成し、前記円形フィルターレンズ基板の光軸を中心に設けた円形状の均一加工部において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すデジタルカメラ用の減光フィルターであることが好ましい。
【0016】
また、本発明おいて、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着可能なフィルター枠内には、円形フィルターレンズ基板が嵌着されており、該円形フィルターレンズ基板の表面或いは裏面には光軸を中心に任意な直径を有する円形状のフイルムシートを貼着した均一加工部を構成し、該均一加工部におけるフイルムシートの色合いで光の透過量を調整可能となし、該均一加工部以外はリング形状の光の素通し部分として構成し、前記円形フィルターレンズ基板の光軸を中心に設けた円形状の均一加工部において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すデジタルカメラ用の減光フィルターであることが好ましい。
【0017】
更に、本発明において、デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着可能なフィルター枠内には、円形フィルターレンズ基板が嵌着されており、該円形フィルターレンズ基板の表面或いは裏面には光軸を中心に任意な直径を有する円形状の金属蒸着被膜の付着加工を施した均一加工部分を構成し、該均一加工部における金属蒸着被膜の厚さにて光の透過量を調整可能となし、該均一加工部以外はリング形状の光の素通し部分として構成し、前記円形フィルターレンズ基板の光軸を中心に設けた円形状の均一加工部において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すデジタルカメラ用の減光フィルターであることが好ましい。
【0018】
そして、本発明は、前記円形フィルターレンズ基板に設けた円形状の均一加工部を円形のシルク印刷やインクジェット印刷による着色被膜からなるグラデーション加工部や円形状のフイルムシートを貼着したグラデーション加工部、並びに円形状の金属蒸着被膜の付着加工を施したグラデーション加工部に構成し、該グラデーション加工部は夫々の光軸を中心に外部側に向かって段階的、または連続的に着色濃度やフイルムシートの濃度や透明度を可変させる加工、並びに金属蒸着被膜の厚さを段階的に徐々に薄くして付着させる手法、または連続的に金属被膜の厚さを薄くして付着させていく手法にて前記円形フィルターレンズ基板を製作し、該円形フィルターレンズ基板のグラデーション加工部において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すデジタルカメラ用の減光フィルターを提供するものである。
【0019】
斯くして、本発明に使用される円形状のシルク印刷による着色被膜からなる均一加工部やグラデーション加工部分は、アクリル系樹脂塗装塗料やエポキシ樹脂塗料を用いたシルク印刷を用いて円形フィルターレンズに着色被膜を形成可能であり、また、円形フィルターレンズ基板に最近大手印刷会社が夫々開発しているインクジェット印刷を用いて着色被膜を形成可能である。
【0020】
そして、シルク印刷やインクジェット印刷は、例えば表面が凹凸形状のフィルターレンズ面でも印刷可能であり、該印刷は着色濃度を選択して均一的に、或いは段階的、または連続的にその濃度を変えた着色やカラー着色被膜の形成が可能であり、本発明が必要とするフィルターレンズ基板を得ることは充分に可能である。
【0021】
また、本発明に使用される円形状のフイルムシートを貼着したグラデーション加工部分は、スコッチカルフイルムシート(住友3M株式会社の登録商標)を用いて円型フィルターレンズの表面、或いは裏面に円形の均一加工部やグラデーション加工部として貼着するものであり、前記スコッチカルフイルムシートは、ビル用ガラス専用や車用フロントガラス専用のフイルムシートを製品化しており、前記製品は耐候性が良いばかりでなく紫外線のカット機能も有しておりフィルターに用いることにより大きな利用価値が生じる。
【0022】
更に、本発明に使用される均一加工部やグラデーション加工部分において、金属蒸着被膜の厚さを制御して付着させる手法は、真空蒸着法、スパッタリング法などの蒸着被膜形成法を用いることにより行うことができる。真空蒸着法は真空中で被覆したい材料を加熱蒸着させ、その蒸気をフィルターレンズ基板の表面に凝結させて金属皮膜とするもので、同様の手法として原子、分子、或いはイオンを被覆材料に衝突させる現象を起こさせ、該衝突によって放出されるフィルターレンズ基板の表面に付着させて金属皮膜を形成するスパッタリング法も利用できる。
【0023】
そして、本発明のフィルターレンズ基板に蒸着される金属材料は、光学特性を有する酸化珪素、二酸化チタン、酸化亜鉛、フッ化マグネシュムなどの酸化物やフッ化物を使用することができ、該金属材料を蒸着する際に蒸着被膜の厚さを正確に制御して、均一に蒸着被膜を形成したり、光軸を中心にその外部側に向かって蒸着被膜を段階的に、或いは連続的に徐々に薄く付着するように加工することは、容易に行えることである。
【0024】
而して、本発明の実施例においては、最近の一眼レフデジタルカメラが、光学信号である画像を電気信号に変換する撮像素子(光学センサ)において、CCDイメージセンサかCMOSイメージセンサを搭載して高感度になり、微細な光信号までを正確にデジタルデータとしてとらえられるようになってきた点を最大限利用して、前記円型フィルターレンズ面に形成される円形の均一加工部を非常に大きく構成して、該均一加工部以外のリング形状の光の素通し部分を極端に少なくする構成も充分に可能で、例えばフィルターのサイズが49mmの場合に直径が20〜30mm程度の大きさまで支障なく利用できるようになった。
【0025】
また、本発明の実施例においては、上述したように円型フィルターレンズ面に形成される円形のグラデーション加工部は、夫々光軸を中心に円型フィルターレンズ面の外側に向かって段階的、または、連続的に着色濃度や透明度、そして蒸着被膜の厚さを薄くさせるものであるが、この構成は、逆に円型のグラデーション加工部は夫々の光軸の中心に向かって段階的、または連続的に着色濃度や透明度、そして蒸着被膜の厚さを薄くしていく構成でも、画像の中心部分の色の濃さや明るさ(輝度)を変化させて表現できる新しい減光フィルターを提供することが可能となる。
【実施例1】
【0026】
図1(A)は本発明を説明するためのフィルター枠と円型フィルターレンズの組み立て説明図、図1(B)は本発明を説明するためのフィルター枠とフィルターレンズの関係を示す要部断面図である。図1(A)、図1(B)において、1はフィルター枠、2はフィルター枠1が形成するフィルター外周枠、3は円型フィルターレンズ基板、4はフィルターレンズ押さえバネ、5はフィルターレンズ嵌着部、6はレンズ押さえ縁部であり、前記フィルター外周枠2の入射光側7の内側内径部8には他のアタッチメントを螺着するための雌ネジ9が螺着されており、また、フィルター外周枠2のカメラレンズ側10には、カメラレンズ鏡筒11の前面にフィルター外周枠2を螺着するためのピッチの細かい雄ネジ12が螺設されていて雄ネジ外筒部13を形成している。尚14はフィルター枠1と円型フィルターレンズ基板3、並びにカメラレンズ鏡筒11の光軸を示している。
【0027】
図1(A)において、フィルター枠1には、本発明の対象となる円型フィルターレンズ基板3が挿着され、該円型フィルターレンズ基板3をフィルター押さえバネ4が後方から嵌着されて、フィルター枠1内に円型フィルターレンズ基板3を図1(B)に示す如く装着してデジタルカメラ用の減光フィルターを形成している。
【0028】
また、図2(A)は本発明の実施例1を説明する減光フィルターのフィルター枠1の正面図を示すものであり、図2(A)において、1はフィルター枠、2はフィルター枠、3は円型フィルターレンズ基板であり、該円型フィルターレンズ基板3の面上には均一加工部15と素通し部分16が形成されている。
【0029】
而して、実施例1は、デジタルカメラのレンズ鏡筒11前面に装着可能なフィルター枠1内には円形フィルターレンズ基板3が嵌着されており、該円形フィルターレンズ基板3の表面、或いは裏面には光軸14を中心に任意な直径Rを有する円形状のシルク印刷、またはインクジェット印刷による均一に着色された着色被膜18からなる均一加工部15を構成し、該均一加工部15における着色の濃度にて光の透過量を調整可能となし、該均一加工部15以外はリング形状の光の素通し部分16として構成し、前記円形フィルターレンズ基板3の光軸14を中心に設けた円形状の均一加工部15において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すデジタルカメラ用の減光フィルターである。
【0030】
また、実施例1に使用される円形状のシルク印刷による着色被膜18からなる均一加工部やグラデーション加工部分は、アクリル系樹脂塗装塗料やエポキシ樹脂塗料を用いたシルク印刷を用いて円形フィルターレンズに着色被膜を形成可能であり、また、円形フィルターレンズ基板に最近大手印刷会社が夫々開発しているインクジェット印刷を用いて着色被膜を形成可能である。
【0031】
そして、シルク印刷やインクジェット印刷は、例えば表面が凹凸形状のフィルターレンズ面でも印刷可能であり、該印刷は着色濃度を選択して均一的に、或いは段階的、または連続的にその濃度を変えた着色やカラー着色被膜18の形成が可能であり、本発明が必要とするフィルターレンズ基板を得ることは充分に可能である。
【実施例2】
【0032】
実施例2において、フィルターレンズ基板3が装着されるフィルター枠1の構成は、実施例1と同様に本発明を説明するための組み立て説明図、図1(A)と、フィルター枠1とフィルターレンズ基板3の関係を示す要部断面図、図1(B)にて説明される。
【0033】
即ち、図1(A)において、フィルター枠1には、本発明の対象となる円型フィルターレンズ基板3が挿着され、該円型フィルターレンズ基板3をフィルター押さえバネ4が後方から嵌着されて、フィルター枠1内に円型フィルターレンズ基板3を図1(B)に示す如く装着してデジタルカメラ用の減光フィルターを形成している。
【0034】
また、図2(B)は本発明の実施例2を説明する減光フィルターのフィルター枠1の正面図を示すものであり、図2(B)において、1はフィルター枠、2はフィルター枠、3は円型フィルターレンズ基板であり、該円型フィルターレンズ基板3の面上には均一加工部15と素通し部分16が形成されている。
【0035】
而して、実施例2は、デジタルカメラのレンズ鏡筒11前面に装着可能なフィルター枠1内には円形フィルターレンズ基板3が嵌着されており、該円形フィルターレンズ基板3の表面、或いは裏面には光軸14を中心に任意な直径Rを有する円形状のフイルムシート19を貼着した均一加工部15を構成し、該均一加工部15におけるフイルムシート19の均一な色合いで光の透過量を調整可能となし、該均一加工部15以外はリング形状の光の素通し部分16として構成し、前記円形フィルターレンズ基板3の光軸14を中心に設けた円形状の均一加工部15において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すデジタルカメラ用の減光フィルターである。
【0036】
また、本発明に使用される円形状のフイルムシート19を貼着した均一加工部分15は、スコッチカルフイルムシート19(住友3M株式会社の登録商標)等を用いて円型フィルターレンズ基板3の表面、或いは裏面に円形の均一加工部15として貼着するものであり、前記スコッチカルフイルムシート19等は、ビル用ガラス専用や車用フロントガラス専用のフイルムシートを製品化しており、前記製品は耐候性が良いばかりでなく紫外線のカット機能も有しておりフィルターレンズに貼着して大きな利用価値がある。
【実施例3】
【0037】
実施例3において、フィルターレンズ基板3が装着されるフィルター枠1の構成は、実施例1と同様に本発明を説明するための組み立て説明図、図1(A)と、フィルター枠1とフィルターレンズ基板3の関係を示す要部断面図、図1(B)にて説明される。
【0038】
即ち、図1(A)において、フィルター枠1には、本発明の対象となる円型フィルターレンズ基板3が挿着され、該円型フィルターレンズ基板3をフィルター押さえバネ4が後方から嵌着されて、フィルター枠1内に円型フィルターレンズ基板3を図1(B)に示す如く装着してデジタルカメラ用の減光フィルターを形成している。
【0039】
また、図2(C)は本発明の実施例3を説明する減光フィルターのフィルター枠1の正面図を示すものであり、図2(C)において、1はフィルター枠、2はフィルター枠、3は円型フィルターレンズ基板であり、該円型フィルターレンズ基板3の面上には均一加工部15と素通し部分16が形成されている。
【0040】
而して、実施例3は、デジタルカメラのレンズ鏡筒11前面に装着可能なフィルター枠1内には円形フィルターレンズ基板3が嵌着されており、該円形フィルターレンズ基板3の表面、或いは裏面には光軸14を中心に任意な直径Rを有する円形状の金属蒸着被膜19を均一に付着加工を施した均一加工部分15を構成し、該均一加工部15における金属蒸着被膜20の厚さにて光の透過量を調整可能となし、該均一加工部15以外はリング形状の光の素通し部分16として構成し、前記円形フィルターレンズ基板3の光軸14を中心に設けた円形状の均一加工部15において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すデジタルカメラ用の減光フィルターである。
【0041】
また、実施例3使用される均一加工部分15において、金属蒸着被膜20の厚さを制御して均一に付着させる手法は、真空蒸着法、スパッタリング法などの蒸着被膜形成法を用いることにより行うことができる。真空蒸着法は真空中で被覆したい材料を加熱蒸着させ、その蒸気を円形フィルターレンズ基板3の表面に凝結させて金属蒸着皮膜20とするもので、同様の手法として原子、分子、或いはイオンを被覆材料に衝突させる現象を起こさせ、該衝突によって放出される円形フィルターレンズ基板3の表面に付着させて金属蒸着皮膜20を形成するスパッタリング法も利用できる。
【0042】
そして、実施例3の円型フィルターレンズ基板3に蒸着される金属材料は、光学特性を有する酸化珪素、二酸化チタン、酸化亜鉛、フッ化マグネシュムなどの酸化物やフッ化物を使用することができ、該金属材料を蒸着する際に金属蒸着被膜20の厚さを正確に制御して、光軸14を中心とした任意な直径R、及び任意な厚さを有する蒸着被膜を有する均一加工部15を構成することは容易に行えることである。
【実施例4】
【0043】
実施例4において、フィルターレンズ基板3が装着されるフィルター枠1の構成は、実施例1と同様に本発明を説明するための組み立て説明図、図1(A)と、フィルター枠1とフィルターレンズ基板3の関係を示す要部断面図、図1(B)にて説明される。
【0044】
即ち、図1(A)において、フィルター枠1には、本発明の対象となる円型フィルターレンズ基板3が挿着され、該円型フィルターレンズ基板3をフィルター押さえバネ4が後方から嵌着されて、フィルター枠1内に円型フィルターレンズ基板3を図1(B)に示す如く装着してデジタルカメラ用の減光フィルターを形成している。
【0045】
また、図3(A)は本発明の実施例4を説明する減光フィルターのフィルター枠1の正面図を示すものであり、図3(A)において、1はフィルター枠、2はフィルター枠、3は円型フィルターレンズ基板であり、該円型フィルターレンズ基板3の面上にはグラデーション加工部17と素通し部分16が形成されており、該グラデーション加工部17の構成は、円形状のシルク印刷、または円形状のインクジェット印刷による着色被膜18a、18b、18cからなるもので、前記、シルク印刷は、アクリル系樹脂塗料やエポキシ塗料を用いて加工され、またインクジェット印刷は、例えば表面が凹凸形状のフィルターレンズ面でも自由に印刷が可能で、該夫々の印刷により着色被膜18a、18b、18cは着色濃度を選択して段階的に変化させた着色被膜18a、18b、18cを構成している(図3(A)はこの状態を示す)。そして、実施例4の他の実施例として、前記着色被膜18a、18b、18cの着色濃度を連続的に変えた着色やカラー着色を行うことも可能であり、光の透過量を着色被膜18a、18b、18cが構成するグラデーション加工部17にて調整可能としたデジタルカメラ用の減光フィルターを提供するものである。
【実施例5】
【0046】
実施例5において、フィルターレンズ基板3が装着されるフィルター枠1の構成は、実施例1と同様に本発明を説明するための組み立て説明図、図1(A)と、フィルター枠1とフィルターレンズ基板3の関係を示す要部断面図、図1(B)にて説明される。
【0047】
即ち、図1(A)において、フィルター枠1には、本発明の対象となる円型フィルターレンズ基板3が挿着され、該円型フィルターレンズ基板3をフィルター押さえバネ4が後方から嵌着されて、フィルター枠1内に円型フィルターレンズ基板3を図1(B)に示す如く装着してデジタルカメラ用の減光フィルターを形成している。
【0048】
また、図3(B)は、実施例5を説明する減光フィルターのフィルター枠1の正面図を示すものであり、図3(B)において、1はフィルター枠、2はフィルター枠、3は円型フィルターレンズ基板であり、該円型フィルターレンズ基板3の面上にはフイルムシート19a、19b、19cを貼着して構成されるグラデーション加工部17と素通し部分16が形成されており、前記フイルムシート19a、19b、19cを貼着したグラデーション加工部17は光軸14を中心に外部側に向かって段階的にフイルムシート19a、19b、19cの濃度や透明度を変えて貼着したり(図3(B)に示す)、または連続的にフイルムシート19a、19b、19cの濃度や透明度、を薄く形成させていく手法にて当該グラデーション加工部分17における光の透過量を調整可能としたセンター部分用の減光フィルターを提供するものである。
【0049】
斯くして、実施例5に使用される円形状のフイルムシート19a、19b、19cを貼着したグラデーション加工部分17は、スコッチカルフイルムシート(住友3M株式会社の登録商標)等を用いて円型フィルターレンズ基板3の表面、或いは裏面に円形のグラデーション加工部17として貼着するものであり、前記スコッチカルフイルムシート等は、ビル用ガラス専用や車用フロントガラス専用のフイルムシートを製品化しており、前記製品は耐候性が良いばかりでなく紫外線のカット機能も有しておりフィルターレンズに貼着して大きな利用価値がある。そして、実施例5に使用されるフイルムシート19a、19b、19cは夫々の濃度や透明度を選択して段階的、または連続的にその濃度や透明度を変えたフイルムシート19a、19b、19c貼りが可能であり、実施例5が必要とするフィルターレンズ基板3にグラデーション加工17を施すことは充分に可能である。
【実施例6】
【0050】
実施例6において、フィルターレンズ基板3が装着されるフィルター枠1の構成は、実施例1と同様に本発明を説明するための組み立て説明図、図1(A)と、フィルター枠1とフィルターレンズ基板3の関係を示す要部断面図、図1(B)にて説明される。
【0051】
即ち、図1(A)において、フィルター枠1には、本発明の対象となる円型フィルターレンズ基板3が挿着され、該円型フィルターレンズ基板3をフィルター押さえバネ4が後方から嵌着されて、フィルター枠1内に円型フィルターレンズ基板3を図1(B)に示す如く装着してデジタルカメラ用の減光フィルターを形成している。
【0052】
また、図3(B)は本発明の実施例5を説明する減光フィルターのフィルター枠1の正面図を示すものであり、図3(B)において、1はフィルター枠、2はフィルター枠、3は円型フィルターレンズ基板であり、該円型フィルターレンズ基板3の面上にはグラデーション加工部17と素通し部分16が形成されており、前記円形状の金属蒸着被膜20a、20b、20cの付着加工を施したグラデーション加工部17は、光軸14を中心に外部側に向かって段階的に金属蒸着被膜20a、20b、20cの厚さを夫々薄くして付着させる手法(図3(C)に示す)、または連続的に金属蒸着被膜20a、20b、20cの厚さを夫々外部側に向かって薄くして付着させる手法にて光の透過量を調整可能としたデジタルカメラ用の減光フィルターを提供するものである。
【0053】
斯くして、実施例1乃至実施例6においては、最近の一眼レフデジタルカメラが、光学信号である画像を電気信号に変換する撮像素子(光学センサ)において、CCDイメージセンサかCMOSイメージセンサを搭載して高感度になり、微細な光信号までを正確にデジタルデータとしてとらえられるようになってきた点を最大限利用して、前記円型フィルターレンズ基板3面に形成される円形の均一加工部15やグラデーション加工部17を非常に大きく構成して、該均一加工部やグラデーション加工部以外のリング形状の光の素通し部分を極端に少なくする構成も充分に可能で、例えばフィルターのサイズが49mmの場合に均一加工部やグラデーション加工部の直径Rが20〜30mm程度の大きさまで支障なく利用できるようになった。
【0054】
また、実施例4乃至実施例6においては、上述したように円型フィルターレンズ基板3面に形成される円形のグラデーション加工部17は、夫々光軸14を中心に円型フィルターレンズ基板3面の外側に向かって段階的、または、連続的に徐々に着色濃度や透明度、そして蒸着被膜の厚さを薄くさせていくものであるが、本発明の他の実施例として、逆に円型のグラデーション加工部17は夫々の光軸の中心に向かって段階的、または連続的に着色濃度や透明度、そして蒸着被膜の厚さを徐々に薄くしていく構成でも、画像の中心部分の色の濃さや明るさ(輝度)を変化させることができる新しい減光フィルターを提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0055】
1 フィルター枠
2 フィルター外周枠
3 円型フィルターレンズ基板
4 フィルターレンズ押さえバネ
5 フィルターレンズ嵌着部
6 レンズ押さえ縁部
7 入射光側
8 内側内径部
9 雌ネジ
10 カメラレンズ側
11 カメラレンズ鏡筒
12 雄ネジ
13 雄ネジ外筒部
14 光軸
15 均一加工部
16 素通し部
17 グラデーション加工部
18、18a、18b、18c 着色被膜
19、19a、19b、19c フイルムシート
20、20a、20b、20c 金属蒸着被膜
R 直径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着可能なフィルター枠内には円形フィルターレンズ基板が嵌着されており、該円形フィルターレンズ基板の表面或いは裏面には光軸を中心に任意な直径を有する円形状のシルク印刷やインクジェット印刷による着色被膜からなる均一加工部を構成し、該均一加工部における着色の濃度にて光の透過量を調整可能となし、該均一加工部以外はリング形状の光の素通し部分として構成し、前記円形フィルターレンズ基板の光軸を中心に設けた円形状の均一加工部において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すことを特徴とするデジタルカメラ用の減光フィルター。
【請求項2】
デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着可能なフィルター枠内には円形フィルターレンズ基板が嵌着されており、該円形フィルターレンズ基板の表面或いは裏面には光軸を中心に任意な直径を有する円形状のフイルムシートを貼着した均一加工部を構成し、該均一加工部におけるフイルムシートの色合いで光の透過量を調整可能となし、該均一加工部以外はリング形状の光の素通し部分として構成し、前記円形フィルターレンズ基板の光軸を中心に設けた円形状の均一加工部において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すことを特徴とするデジタルカメラ用の減光フィルター。
【請求項3】
デジタルカメラのレンズ鏡筒前面に装着可能なフィルター枠内には円形フィルターレンズ基板が嵌着されており、該円形フィルターレンズ基板の表面或いは裏面には光軸を中心に任意な直径を有する円形状の金属蒸着被膜の付着加工を施した均一加工部分を構成し、該均一加工部における金属蒸着被膜の厚さにて光の透過量を調整可能となし、該均一加工部以外はリング形状の光の素通し部分として構成し、前記円形フィルターレンズ基板の光軸を中心に設けた円形状の均一加工部において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すことを特徴とするデジタルカメラ用の減光フィルター。
【請求項4】
前記円形フィルターレンズ基板に設けた円形状の均一加工部を円形のシルク印刷やインクジェット印刷による着色被膜からなるグラデーション加工部や円形状のフイルムシートを貼着したグラデーション加工部、並びに円形状の金属蒸着被膜の付着加工を施したグラデーション加工部に構成し、該グラデーション加工部は夫々の光軸を中心に外部側に向かって段階的、または連続的に着色濃度やフイルムシートの濃度や透明度を可変させる加工、並びに金属蒸着被膜の厚さを段階的に徐々に薄くして付着させる手法、または連続的に金属被膜の厚さを薄くして付着させていく手法にて前記円形フィルターレンズ基板を製作し、該円形フィルターレンズ基板のグラデーション加工部において画像のセンター部分に独特の減光部分を作り出すことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたデジタルカメラ用の減光フィルター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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