説明

デバイスの完全性を判定する方法及び装置

【課題】クライアントデバイスの完全性を判定し、ウィルス等の悪意的なコードによって欺かれることを回避する。
【解決手段】クライアントデバイスの動的な完全性チェックを提供するためのサーバで使用する方法が提供される。当該方法は、一以上の完全アプリケーションから、選択された完全アプリケーションを選択する(304)ことを備えるが、当該選択された完全アプリケーションは、一意の予め選択された完全応答を生成するように動作する。当該方法はまた、選択された完全アプリケーションをクライアントデバイスで実行するためにダウンロードし(308)、選択された完全アプリケーションから応答を受け取る(312でYES)ことを備える。当該方法はまた、応答が、予め選択された完全応答であるか否かを判定する(314)ことを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、無線データネットワークに関し、特に、デバイスの完全性を動的に判定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の進歩は、広域のデータネットワークの発達及び展開をもたらした。これらのネットワークは、インターネットといった公衆データネットワークと、無線電気通信ネットワークといった専門のネットワークの双方を含む。これらのネットワークのユーザは、ネットワークリソースとして利用可能な多種多様の情報及びサービスにアクセスする能力を有する。
【0003】
ネットワークリソースへの需要が増えつつある一例としては、無線ネットワーク環境がある。無線環境においては、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、及びページングデバイスといった種々の無線デバイスが、無線ネットワークを介して通信する。無線ネットワークはまた、種々のネットワークリソースを無線デバイスに提供するネットワークサーバも含み得る。さらに、公衆ネットワーク上のリソースが、無線ネットワークの無線デバイスに利用可能にできるように、無線ネットワークはインターネットといった公衆ネットワークにも結合されてもよい。
【0004】
通常、無線デバイスは、アプリケーションプログラム又はマルチメディアコンテンツをネットワークサーバから無線ネットワークを使用してダウンロードし得る。アプリケーション又はコンテンツは、無料でダウンロードされるか、無線デバイスのユーザによって購入されてもよく、当該ユーザはアプリケーション又はコンテンツを使用する権利を、無制限の期間、一定の期間、又は、使用回数に基づいた期間の間、有効に獲得する。
【0005】
残念ながら、ネットワークリソースにアクセスすることの容易さ及び利便性のために、現在、様々なデバイスの完全性(integrity)の問題が存在する。例えば、通常の動作及び使用の期間に、デバイスは、当該デバイスの動作を危うくし得る、ウィルス、ワーム、バグ等の形で悪意的なコードをダウンロードすることがあり得る。デバイスは、それらのセキュリティ又はライセンス機能を無効にした、密造されたバージョンといった違法なバージョンをダウンロードすることで、無許可のアプリケーション又はコンテンツを受信してしまうこともあり得る。デバイスはまた、ネットワークのセキュリティ機能を欺くように設計されたアプリケーションや他のソフトウェアを有することで、当該デバイスがネットワークサービスを無許可に得ることを可能にするかもしれない。
【0006】
これらの問題に対処する一つの解決法は、クライアントデバイスの状況を報告するために定期的に「家に電話をする("phones home")」スタティックなクライアントベースのソフトウェアを使用することを含む。しかし、そのようなスタティックなクライアントベースのソフトウェアアプローチは、これらがスタティックなクライアントベースのコードの完全性に依存するために、不備がある。クライアント環境は極めて敵対的であり得るし、クライアントベースのコードは、調査解析及び/又は変形されて、罪になるような如何なる証拠も隠蔽あるいは無視し、又は、意味のある如何なる機能も欺くようにされがちである。従って、クライアントソフトウェアの定期的な更新は部分的な解決方法を形成するが、これらは必然的に同じ運命に苦しむ。
【0007】
従って、必要とされるのは、完全性のチェックが動的に実行されることで、完全性チェック処理が調査解析され、さもなければ欺かれることを回避する、デバイスの完全性をチェックするように動作するシステムである。
【発明の概要】
【0008】
一以上の実施形態において、デバイスの動的な完全性チェック(integrity check)を実行するように動作する完全システム(integrity system)が提供される。例えば、一実施形態では、クライアントデバイスの動的な完全性チェックを実行して、敵意ある活動の徴候、違法なアプリケーション若しくはコンテンツの存在、又は、デジタルコンテンツ若しくはアプリケーションに関連する権利の悪用を検知するメカニズムが提供される。そのような如何なる攻撃もリアルタイムで有効に実行されなければならないが、一実施形態では、完全システムによって提供される当該メカニズムは動的であるので、調査解析をすること又は欺くことは極めて困難である。
【0009】
一実施形態では、クライアントデバイスの動的な完全性チェックを提供するためにサーバで使用される方法が提供される。当該方法は、一以上の完全アプリケーションから、選択された完全アプリケーションを選択し、当該選択された完全アプリケーションは、一意の予め選択された完全応答を生成するように動作する。当該方法はまた、選択された完全アプリケーションをクライアントデバイスでの実行のためにダウンロードし、選択された完全アプリケーションから応答を受信することを備える。当該方法はまた、応答が、予め選択された完全応答であるか否かを判定することを備える。
【0010】
別の実施形態では、クライアントデバイスの動的な完全性チェックを提供する装置が提供される。当該装置は、一以上の完全アプリケーションから、選択された完全アプリケーションを選択するように動作する選択ロジックを備え、選択された完全アプリケーションは、一意の予め選択された完全応答を生成するように動作する。当該装置はまた、選択された完全アプリケーションをクライアントデバイスでの実行のためにダウンロードするように動作する送信ロジックを備える。当該装置はまた、選択された完全アプリケーションから応答を受信するように動作する受信ロジックを備える。当該装置はまた、応答は、予め選択された完全応答であるか否かを判定するように動作する判定ロジックを備える。
【0011】
別の実施形態では、クライアントデバイスの動的な完全性チェックを提供するように動作する装置が提供される。当該装置は、一以上の完全アプリケーションから、選択された完全アプリケーションを選択する手段を備え、選択された完全アプリケーションは、一意の予め選択された完全応答を生成するように動作する。当該装置はまた、選択された完全アプリケーションをクライアントデバイスでの実行のためにダウンロードする手段を備える。当該装置はまた、選択された完全アプリケーションから応答を受信する手段を備える。当該装置はまた、応答は、予め選択された完全応答であるか否かを判定する手段を備える。
【0012】
別の実施形態では、完全システムのプロセッサによって実行されるときに、デバイスの完全性を動的にチェックするように動作する命令を備える、コンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。当該コンピュータ読み取り可能な媒体は、一以上の完全アプリケーションから、選択された完全アプリケーションを選択する命令を備え、当該選択された完全アプリケーションは、一意の予め選択された完全応答を生成するように動作する。当該コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、選択された完全アプリケーションをクライアントデバイスでの実行のためにダウンロードする命令を備える。当該コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、選択された完全アプリケーションから応答を受信する命令を備える。当該コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、応答は、選択された完全応答であるか否かを判定する命令を備える。
【0013】
本発明の他の面、利点、及び特徴は、以下に述べられる図面の簡単な説明、発明の詳細な説明、及び特許請求の範囲の概観後に明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、デバイスの完全性をチェックする完全システムの一実施形態を備えるデータネットワークを示す。
【図2】図2は、デバイスの動的な完全性チェックを実行するように動作する完全システムの一実施形態を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、デバイスの完全性をチェックするように完全システムを動作させる方法の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書に記載された実施形態の前述の面及び付随する利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と共に参照することによって、より容易に明らかになるであろう。
【0016】
以下の詳細な説明は、クライアントデバイスの動的な完全性チェック(integrity checking)を実行する完全システム(integrity system)を説明する。一実施形態では、多数のユニーク且つ極めて小さな完全アプリケーションが所定の期間に作成される。各アプリケーションは、クライアントデバイスでの実行時に、僅かに異なる一組の完全性チェック動作を実行する。これらの完全性チェック動作の結果は、中央のサーバに報告される。一実施形態では、アプリケーションをダウンロードするため、又は、他のサーバのサービスを要求するために、クライアントがサーバに接続するとき、サーバは、一以上の完全アプリケーションを選択及びダウンロードする。これが起こる頻度、及びダウンロードされるべきアプリケーションの選択の基準は、クライアントハードウェアのタイプ、地理的なロケーション、キャリアの識別子(ID)、又は、クライアント動作の統計的分析を含み得るが、これらに限定されるものではない。各完全アプリケーションは、クライアントデバイスの一以上の面をチェックし、一意の応答メッセージを生成するが、これは一実施形態では、暗号化され、認証され、中央のサーバに送信される。アプリケーションは次に、それ自身をクライアントから除去する。応答メッセージが罪になるような証拠を含む場合、認証が失敗する場合、又は、認証が受信されないか、カットオフ期間後に受信される場合、サーバは適当な処置を取り得る。例えば、クライアントのサーバに対する活動が制限される。
【0017】
一以上の実施形態では、完全アプリケーション(integrity applications)は、例えばデバイス専用のリソースへの一般的な呼を提供することで、クライアントの動作を単純化するために用いられる、クライアントで実行されるランタイム環境とやり取りする。そのようなランタイム環境の一つは、カリフォルニア州サンディエゴのクアルコム株式会社によって開発されたBinary Runtime Environment for Wireless(登録商標)(BREW(登録商標))のソフトウェアプラットフォームである。以下の説明では、クライアントは、BREWソフトウェアプラットフォームといったランタイム環境を実行している無線デバイスと仮定されるであろう。しかし、一以上の実施形態では、完全アプリケーションは、種々の有線デバイス又は無線デバイスの動的な完全性チェックを提供するために、他のタイプのランタイム環境と共に使用するのに適している。例えば、無線デバイスは、無線電話、ページャ、PDA、電子メール装置、タブレットコンピュータ、又は他のタイプの無線デバイスを含む、任意のタイプの無線デバイスであってよいが、これらに限定されるものではない。
【0018】
図1は、デバイスの完全性をチェックする完全システムの一実施形態を備えるデータネットワーク100を示す。ネットワーク100は、無線通信チャネル106を介して無線データネットワーク104と通信する無線デバイス102を備える。ネットワーク100はまた、無線デバイス102、及びネットワーク104と通信している他のエンティティ(entities)にサービスを提供するために動作する当局(authority)108を備える。例えば、当局は、電気通信ネットワークに関連付けられたネットワークサーバであってよい。当局108は、リンク110を使用して無線ネットワークと通信するが、これは有線又は無線のリンクであってもよい。例えば、無線デバイス102は無線電話であってよく、当局108は、デバイス102に電気通信サービスを提供する全国的な電気通信ネットワークの一部であってよい。
【0019】
動作期間中、完全システムは、デバイス102の完全性を動的にチェックするように動作する。例えば、一実施形態において、当局108は、パス114で示されるように、デバイス102へのダウンロードのための一以上の完全アプリケーション112を選択するように動作する。完全アプリケーション112は、無作為の又は定期的な間隔でセットアップされ、変更され、更新され、さもなければ決定され得る、公知の一意の予め定義された応答を有する。
【0020】
一旦、完全アプリケーションがデバイス102にダウンロードされると、それはデバイスで実行されてデバイスの完全性を一以上の面について判定する。例えば、完全アプリケーション118は、パス114を使用してデバイスにダウンロードされる。一実施形態において、完全アプリケーション118は、デバイス102で実行されるランタイム環境、例えばBREWランタイム環境下で実行される。一実施形態では、完全アプリケーション118はデバイス102に公知のウィルス、ワーム、又は他の悪意的なコードが無いか検索する。別の実施形態では、完全アプリケーション118は、デバイス102に所有権を主張できる(proprietary)コンテンツが無いか検索し、そのようなコンテンツが見つかると、完全アプリケーション118は次に、当該コンテンツについて適当なライセンスが存在するかを判定すべくチェックする。完全アプリケーション118は、デバイス102の完全性を判定するために、デバイス102の如何なる面も実質的にチェックし得る。
【0021】
一旦、完全アプリケーション118がデバイス102の完全性を判定すると、アプリケーション118は、パス116に示されるように、当局108に返信される応答を生成するように動作する。例えば、完全アプリケーション118が、デバイスの完全性が許容可能であると判定する場合、予め定義された完全応答が完全アプリケーション118によって生成され、当局108に送信される。応答は、デバイスについて発見された他の任意の完全性情報も含み得る。例えば、応答は、アプリケーション、コンテンツ、又は、デバイスで発見された他の情報を含んでもよい。更に、一実施形態において、応答はリアルタイムで生成及び送信される。デバイスの完全性が許容可能ではない場合、完全アプリケーション118は、当局108に返信される否定応答メッセージを生成する。
【0022】
一実施形態において、デバイス102がソフトウェア、ハードウェア、ソフトウェアとハードウェアの組合せ、又は、完全アプリケーション118の動作を妨害する何らかの他のエージェントを備える場合、完全応答は生成されないであろう。この場合、当局108は、応答が受信されなかったので、デバイスの完全性が許容可能ではないと自由に仮定できる。例えば、完全システムが所定の期間に応答を受信しない場合は、応答が送信されなかったものと仮定される。
【0023】
一つの状況においては、デバイス102が、予め定義された応答メッセージを偽ろうと試みるエージェントを含むことがあり得るかもしれない。しかし、完全システムは動的であり、応答はリアルタイムで求められるため、エージェントが応答を偽ることは極めて困難である。一実施形態において、当局108は、デバイス102にダウンロードするための完全アプリケーションを無作為に選択するように動作する。これは、どのような完全性チェックが実行されるのかをデバイス102のエージェントが予期することを防止する。別の実施形態において、当局108は、選択された完全アプリケーションの予め定義された完全応答を変更するように動作する。例えば、当局は、予め定義された応答メッセージ中に電子署名又はリアルタイムインジケータを備えてもよい。従って、たとえデバイスのエージェントが先の予め定義された完全応答を知っていても、当該先の応答を当局に送信することは、結果として失敗した完全性チェックになるであろう。
【0024】
完全アプリケーションの選択、及び/又は、完全応答のタイプは、デバイスで動作している如何なるエージェントも事前に予め定義された完全応答を知ることができないように、無作為に又は定期的に変化するよう動的に調整されることができる。更に、完全アプリケーションを調査解析して予め定義された完全応答が何であるかを判定するのは、そのような調査解析がリアルタイムでなされなければならないため、極めて困難であろう。結果として、完全システムの動作を欺くのは極めて困難である。
【0025】
図2は、デバイスの動的な完全性チェックを実行するように動作する完全システム200の一実施形態を説明する機能ブロック図を示す。例えば、完全システム200は、無線デバイス102の完全性をチェックするために、当局108と共に使用されるか、当局108の一部として使用されるのに適している。
【0026】
完全システム200は、内部データバス204に結合される処理ロジック202を備える。メモリ206、ユーザインタフェース208、及びI/Oインタフェース210も内部データバス204に結合される。完全システム200はまた、処理ロジック202に結合される選択ロジック212、及び、内部データバス204に結合されるアプリケーションメモリ214を備える。アプリケーションメモリ214は、一組の完全アプリケーション(App1,App2,…AppN)を備える。
【0027】
一以上の実施形態において、処理ロジック202は、CPU、ゲートアレイ、ハードウェアロジック、ソフトウェア、又は、ハードウェアとソフトウェアの任意の組合せを備える。従って、処理ロジック202は一般に、機械読み取り可能な命令を実行するロジックを備える。
【0028】
メモリ206は、RAM、ROM、FLASH、EEROM、又は他の任意の適当なタイプのメモリ、又はこれらの組合せを備える。一実施形態では、メモリ206は完全システム200の内部に配置され、別の実施形態では、メモリ206は、完全システム200に選択的に取り付けられ得る、取り外し可能なメモリカード又はメモリデバイスを備えることで、内部バス204に結合する。従って、メモリ206は、処理ロジック202によって実行され得る命令を記憶することができる如何なるタイプのメモリも実質的に備え得る。
【0029】
ユーザインタフェース208は、例えばキーパッド、ポインティングデバイス、タッチパッド、又は、ユーザがデバイス102とやり取りすることを可能にする他の入力機構から、ユーザ入力216を受け取る。ユーザインタフェース208はまた、CRT、LCD、LED、又は、ユーザに画像表示を提供するための他の任意のタイプのディスプレイ装置といった、ディスプレイ装置に結合される。ディスクストレージ、音声ロジック、ビデオ装置等といった、他の任意のタイプの入力デバイス又は出力デバイスも、ユーザインタフェース208に結合されて得る。
【0030】
I/Oインタフェース210は、完全システム200と外部のデバイス、システム、及び/又は、ネットワークとの間で、通信リンク218を用いて情報を送信及び受信するように動作する。例えば、I/Oインタフェース210は、完全システム200と当局108との間に通信を提供する。別の実施形態において、I/Oインタフェース210は、完全システム200と無線ネットワーク104との間に通信を提供することで、完全システム200がデバイス102と直接通信できるようにしている。
【0031】
一実施形態では、I/Oインタフェース210は、通信リンク218を使用して無線データネットワークを介して情報を送信及び受信するように動作する無線トランシーバ回路(図示せず)を備える。例えば、通信リンク218は、図1に示される通信リンク110であってよい。例えば、トランシーバは、処理ロジック202から受信された情報を変調し、変調された情報を無線送信に適した高周波信号に変換する回路を備える。同様に、トランシーバは、受信された高周波通信信号を、処理ロジック202による復調及びその後の処理に適した信号に変換するための回路も備える。
【0032】
別の実施形態では、I/Oインタフェース210は、インターネットといった公衆データネットワーク上の遠隔システムと通信するための、電話線、又は他のタイプのデータ線といった、配線による(hardwired)通信リンクを介して情報を送信及び受信するように動作するトランシーバを備える。
【0033】
更に別の実施形態では、I/Oインタフェース210は、ローカルワークステーションといった、ローカルデバイスと通信するように動作する回路を備える。I/Oインタフェース210はまた、プリンタ、又は、フロッピー(登録商標)ディスク或いはメモリカードといった他のローカルなコンピュータ或いはデバイスと通信するための(シリアルポートロジック又はパラレルポートロジックといった)回路を備え得る。従って、I/Oインタフェース210は、完全システム200が他のローカルな又は遠隔に位置するデバイス又はシステムと通信することを可能にする、如何なるタイプのハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組合せも備え得る。
【0034】
一実施形態において、選択ロジック212は、CPU、プロセッサ、ロジック、ソフトウェア、又は、ハードウェアとソフトウェアの任意の組合せを備える。選択ロジック212は、処理ロジックに選択リンク220を介して結合され、処理ロジック202に選択情報を提供するように動作する。選択情報は、デバイス102に送信されるべき一以上の完全アプリケーション(App1−AppN)を識別する。例えば、どの完全アプリケーションをアプリケーションメモリ214から取り出すべきかを判定するために、選択ロジック212は処理ロジック202に使用されるが、当該完全アプリケーションは次にデバイス102に送信される。デバイスに送信するための完全アプリケーションを選択するために、実質的に任意のタイプの選択処理又は手続きが、選択ロジック212によって使用されることができる。例えば、選択ロジックは、デバイス102に送信するための選択された完全アプリケーションを選択するために、時間インジケータ、位置インジケータ、ランダムインジケータ、又は定期的なインジケータ(periodic indicators)を用いてもよい。
【0035】
デバイスに送信されるべき完全アプリケーションの選択後、処理ロジック202は、アプリケーションによって生成された予め定義された応答メッセージ中で使用されるアプリケーションの基準インジケータ(reference indicator)を含むように動作する。例えば、基準インジケータは、時間又は日付基準、電子署名、又は、他の任意のタイプの基準インジケータであってよい。アプリケーションが、応答メッセージを完全システムに返信しようと試みるとき、基準インジケータが当該応答中で使用される。従って、完全システムは、基準インジケータを使用して、実際の応答と虚偽の応答とを区別することができる。例えば、偽の応答や虚偽の応答は、正確な基準インジケータを有さないであろう。
【0036】
完全システム200の構成は、一つの適切な構成に過ぎないことに注意するべきである。本発明の範囲内で、他の構成、機能要素、又は要素の構成を用いて完全システム200を実現することも可能である。
【0037】
完全システム200の動作期間中、処理ロジック202は、メモリ206に記憶されたプログラム命令を実行して、本明細書に記載された機能を実行する。例えば、一実施形態において、処理ロジック202がメモリ206に記憶されたプログラム命令を実行するときに、完全システム200は記載された機能を実行する。別の実施形態では、プログラム命令は、フロッピー(登録商標)ディスク、CD、メモリカード、FLASHメモリデバイス、ROM、又は、任意の他のタイプのメモリデバイスといった、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶される。プログラム命令は、I/Oインタフェース210を介してメモリ206にロードされる。例えば、完全システム200は、プログラム命令をコンピュータ読み取り可能な媒体からI/Oインタフェース210を介してメモリ206にダウンロードしてもよい。
【0038】
図3は、完全システムの一実施形態、例えば完全システム200を動作させる方法300の一実施形態を示す。例えば、方法300は、図2に示される完全システム200を参照しつつ説明されるであろう。システム200がデバイス、例えば無線デバイス102と通信し得るように、完全システム200はデータネットワークに結合されるものと仮定されるであろう。
【0039】
ブロック302で、クライアントデバイスは当局にログインして、当局からサービスを得る。例えば、アプリケーション、マルチメディアコンテンツをダウンロードするために、又は何らかの他のサービスを受け取るために、デバイスは当局にログインする。
【0040】
ブロック304で、当局で動作している完全システムは、デバイスにダウンロードすべき完全アプリケーションを選択する。例えば、処理ロジック202は、選択情報を選択ロジック212から受け取り、当該情報は、一以上の完全アプリケーションをメモリ214から取り出すのに用いられる。各完全アプリケーションは、クライアントの完全性の一面を判定するように動作する。例えば、ある完全アプリケーションは、ウィルスがクライアントに存在するか否かを判定し得るし、別のアプリケーションは、認可された(licensed)マルチメディアコンテンツがクライアントに存在するか否かを判定し得る。各完全アプリケーションは、当局に知られている予め定義された応答メッセージを有する。
【0041】
ブロック306で、完全システムは、完全アプリケーションの所望の応答メッセージを動的に調整する。例えば、一実施形態において、完全システムは、応答メッセージを、リアルタイムの基準、例えば現在の時刻、電子署名、又は、何らかの他の基準インジケータを含むように設定する。従って、完全アプリケーションが応答メッセージを当局に返信するとき、完全システムはリアルタイムの基準を確認することができる。実質的に、任意のリアルタイムの基準又は他の確認基準が、応答メッセージ中に動的に含まれることができる。
【0042】
ブロック308で、完全システムは、選択された完全アプリケーションをデバイスにダウンロードする。例えば、処理ロジック202は、I/Oインタフェース210を使用してアプリケーションをデバイスに送信する。アプリケーションは動的な基準インジケータを含む。
【0043】
ブロック310で、選択された完全アプリケーションは、デバイスで実行され、完全性情報を取得する。例えば、選択された完全アプリケーションは、デバイスで実行されているランタイム環境下で作動する。例えば、ランタイム環境はBREW環境であってよい。動作期間中、完全アプリケーションは、クライアントの完全性の一以上の面に関連する情報を獲得する。例えば、アプリケーションは、デバイスがウィルスを有するかを判定してもよいし、あるいは、デバイスが無許可の(un-licensed)コンテンツを有するかを判定してもよい。実質的には、クライアントの完全性の任意の面が、完全アプリケーションによって判定され得る。アプリケーションが上手く作動すると、完全アプリケーションは、完全応答メッセージを当局の完全システムに返信する。
【0044】
ブロック312で、テストが実行されて、完全アプリケーションが応答メッセージを完全システムに返信したかが判定される。例えば、クライアントデバイスの完全性を判定した後、完全アプリケーションは、完全システムに返信される応答メッセージを生成する。応答メッセージは、完全システムによって最初に提供されるようなリアルタイムの基準を含む。完全アプリケーションから応答が受信される場合、方法はブロック314に進む。応答が受信されない場合、方法はブロック316に進む。
【0045】
ブロック314で、完全システムは、クライアントデバイスで実行されている完全アプリケーションから送信された応答メッセージを受け取る。完全システムは、応答メッセージを処理して、クライアントデバイスの完全性を判定するように動作する。例えば、応答メッセージは基準インジケータを含むが、これはダウンロードされたアプリケーションから応答が来たことを示す。実質的に、任意の他の情報が応答メッセージに含まれて、クライアントデバイスの完全性について完全システムに知らせ得る。
【0046】
ブロック316で、完全アプリケーションから応答が受信されなかった場合、完全システムは、デバイスが完全プログラムの動作をブロックしたと仮定してもよく、結果として、当局は適当な処置を取るように動作し得る。例えば、デバイスは、当局から更なるサービスを受信することを制限されてもよい。
【0047】
クライアントデバイスの完全性を動的にチェックするための方法及び装置を含む完全システムを説明してきた。当該システムは、あらゆるタイプの有線又は無線のデバイスについて動的な完全性チェックを提供するのに適しており、特に携帯電話に使用するのに大変適している。
【0048】
従って、本明細書では完全システムの方法及び装置の一以上の実施形態が図解及び記載されてきたが、複数の実施形態に、これらの精神又は本質的な特性から逸脱することなく、種々の変更を加えることができることが認識されるであろう。従って、本明細書の開示及び記載は、本発明の範囲の例証となることを意図されたものであって、限定することを意図されたものではなく、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に述べられている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントデバイスの動的な完全性チェックを提供するためにサーバで使用される方法であって、
一以上の完全アプリケーションから、選択された完全アプリケーションを選択し、前記選択された完全アプリケーションは、一意の予め選択された完全応答を生成するように動作し、
前記選択された完全アプリケーションを前記クライアントデバイスでの実行のためにダウンロードし、
前記選択された完全アプリケーションから応答を受信し、
前記応答は前記予め選択された完全応答であるか否かを判定する
ことを備える、方法。
【請求項2】
前記予め選択された完全応答を、基準値を含むように動的に調整することを更に備える、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記基準値は時間ベースの基準値である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記判定するステップは、前記応答を前記予め選択された完全応答と突き合わせることを備える、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記応答は、選択可能な期間内に如何なる応答も無いことを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記選択するステップは、前記選択された完全アプリケーションを前記一以上の完全アプリケーションから無作為に選択することを備える、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記選択するステップは、前記選択された完全アプリケーションを前記一以上の完全アプリケーションからデバイスのロケーションに基づいて選択することを備える、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記クライアントデバイスは無線デバイスである、請求項1記載の方法。
【請求項9】
デバイスの動的な完全性チェックを提供する装置であって、
一以上の完全アプリケーションから、選択された完全アプリケーションを選択するように動作する選択ロジックであって、前記選択された完全アプリケーションは、一意の予め選択された完全応答を生成するように動作する、選択ロジックと、
前記選択された完全アプリケーションを前記デバイスでの実行のためにダウンロードするように動作する送信ロジックと、
前記選択された完全アプリケーションから応答を受信するように動作する受信ロジックと、
前記応答は前記予め選択された完全応答であるか否かを判定するように動作する判定ロジックと
を備える装置。
【請求項10】
前記予め選択された完全応答を、基準値を含むように動的に調整するロジックを更に備える、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記基準値は時間ベースの値である、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記デバイスは無線デバイスである、請求項9記載の装置。
【請求項13】
デバイスの動的な完全性チェックを提供するように動作する装置であって、
一以上の完全アプリケーションから、選択された完全アプリケーションを選択する手段であって、前記選択された完全アプリケーションは、一意の予め選択された完全応答を生成するように動作する、手段と、
前記選択された完全アプリケーションを前記デバイスでの実行のためにダウンロードする手段と、
前記選択された完全アプリケーションから応答を受信する手段と、
前記応答は前記予め選択された完全応答であるか否かを判定する手段と
を備える装置。
【請求項14】
前記予め選択された完全応答を、基準値を含むように動的に調整する手段を更に備える、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記基準値は時間ベースの値である、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記デバイスは無線デバイスである、請求項13記載の装置。
【請求項17】
完全システムのプロセッサによって実行されるときに、デバイスの完全性を動的にチェックするように動作する命令を備えるコンピュータ読み取り可能な媒体であって、
一以上の完全アプリケーションから、選択された完全アプリケーションを選択する命令であって、前記選択された完全アプリケーションは、一意の予め選択された完全応答を生成するように動作する、命令と、
前記選択された完全アプリケーションを前記デバイスでの実行のためにダウンロードする命令と、
前記選択された完全アプリケーションから応答を受信する命令と、
前記応答は、前記選択された完全応答であるか否かを判定する命令と
を備える、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項18】
前記予め選択された完全応答を、基準値を含むように動的に調整する命令を更に備える、請求項17記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項19】
前記基準値は時間ベースの値である、請求項18記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項20】
前記デバイスは無線デバイスである、請求項17記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−141996(P2012−141996A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−28360(P2012−28360)
【出願日】平成24年2月13日(2012.2.13)
【分割の表示】特願2006−526101(P2006−526101)の分割
【原出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED