説明

デュアルモデムデバイスにおけるサスペンドモード制御方法及びそのための装置

【課題】本発明は、デュアルモデムデバイスのサスペンドモード制御に関する。
【解決手段】第2の通信網と通信するための第2のプロセッサは、サスペンドモードに遷移するために第1の通信網と通信するための第1のプロセッサに動作中止メッセージを伝達し、第2のプロセッサ側IPCインターフェースモジュールの動作を中止させ、第1のプロセッサは、動作中止メッセージを受信した場合、第2のプロセッサに動作中止応答メッセージを伝達し、第1のプロセッサ側IPCインターフェースモジュールの動作を中止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デュアルモデムデバイスに関するもので、より具体的には、デュアルモデムデバイスにおけるサスペンドモード制御方法及びそのための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線移動体通信分野は、音声通話だけでなく、データ高速送受信の面でも持続的に進化しており、現在、4世代移動体通信技術、例えば、長期進化(LTE)無線通信システムが注目を受けている。しかし、4世代通信網と既に商用化された3世代通信網とが混在した状況で、移動機又は移動体通信データカードは、4世代移動体通信技術だけでなく、既に商用化されて現在幅広く使用されている3世代移動体通信技術を同時に含まなければならない。したがって、次世代の移動体通信技術と現世代の移動体通信技術とを同時にサポートするためには、デュアルモデムプロセッサを有する移動機又はデータカードタイプのデバイス(以下、デュアルモデムデバイスという)が必要になる。
【0003】
デュアルモデムデバイスは、通信方式の異なる二つのモデムを搭載し、それぞれのモデムを利用した無線通信をサポートしており、主に異種の通信網が混在した地域で使用される。デュアルモデムデバイスの代表的な例として、LTE方式の無線通信及び符号分割多元接続(CDMA)方式の無線通信をいずれも利用可能なデバイスが注目を集めている。本発明では、LTE網及びCDMA網のいずれとも通信可能なデュアルモデムデバイスを例に挙げて説明するが、他の方式の無線通信も適用可能であることは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとって自明である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような論議に基づいて、以下では、デュアルモデムデバイスにおけるサスペンドモード制御方法及びそのための装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述したような課題を解決するための本発明のデュアルモデムデバイスは、第1の通信網と通信するための第1のプロセッサと、前記第1のプロセッサを制御するためのホストモジュールを含んでおり、第2の通信網と通信するための第2のプロセッサとを含み、前記第1のプロセッサは、前記第2のプロセッサとの間での信号送受信のための第1のプロセッサ側プロセッサ間通信(IPC)インタフェースモジュールを含み、前記第2のプロセッサは、前記第1のプロセッサとの間での信号送受信のための第2のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールを含み、前記第2のプロセッサは、サスペンドモードに遷移するために前記第1のプロセッサに動作中止メッセージを伝達し、前記第2のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールの動作を中止させ、前記第1のプロセッサは、前記動作中止メッセージを受信した場合、前記第2のプロセッサに動作中止応答メッセージを伝達し、前記第1のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールの動作を中止させることを特徴とする。ここで、前記第1の通信網との間で送受信するデータは、前記第2のプロセッサの前記ホストモジュールを経由することを特徴とする。
【0006】
望ましくは、前記第1のプロセッサ及び前記第2のプロセッサはそれぞれ、前記動作中止メッセージ及び前記動作中止応答メッセージを送受信するためのハードウェアモジュールを更に含むことを特徴とする。ここで、前記第1のプロセッサは、動作中止中に前記第1の通信網からデータを受信した場合、前記第2のプロセッサに動作中止解除メッセージを前記ハードウェアモジュールを介して伝達し、前記第1のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールを動作させ、前記動作中止解除メッセージを受けた前記第2のプロセッサは、前記第2のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールを動作させることを特徴とする。また、前記第2のプロセッサは、前記第2のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールを動作させた後、前記第1のプロセッサから前記データを受信することを特徴とする。
【0007】
一方、前記第2のプロセッサがサスペンドモードに遷移した場合、前記第1のプロセッサは、前記第1のプロセッサを通して前記第1の通信網と接続された各パケットデータ通信網(PDN)のうち少なくとも一つの接続を、所定の時間の経過後に解除することを特徴とする。また、前記第2のプロセッサがサスペンドモードに遷移した場合、前記第1のプロセッサは、前記第1のプロセッサを通して前記第1の通信網と接続された各パケットデータ通信網のうち、データ送受信中のパケットデータ通信網のデータ伝送を中止し、前記データ伝送の中止点を記憶することを特徴とする。
【0008】
ここで、前記複数のパケットデータ通信網は、IPマルチメディアサブシステム(IMS)PDN、インターネットPDN、管理PDN、事業者専用アプリケーションPDNを含むことを特徴とする。前記所定の時間の経過後、接続が解除されるパケットデータ通信網は、前記インターネットPDN及び前記事業者専用アプリケーションPDNのうち少なくとも一つであることが望ましい。
【0009】
また、前記第1のプロセッサ側IPCインタフェースモジュール及び前記第2のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールは、セキュアデジタル入出力(SDIO)モジュールであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施例によると、デュアルモデムデバイスがサスペンドモードに遷移したり、サスペンドモードからウェイクアップする動作を効果的に制御することができる。
【0011】
本発明で得られる効果は、以上で言及した各効果に制限されず、言及していない他の効果は、下記の記載を通して本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例に係るデュアルモデムデバイス及びPCで構成される通信システムの構造を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係るデュアルモデムデバイスがサスペンドモードに遷移するための信号の流れを示す図である。
【図3】本発明の実施例に係るデュアルモデムデバイスがサスペンドモードに遷移するための信号の流れを示す他の図である。
【図4】本発明の実施例に係るデュアルモデムデバイスがサスペンドモードからウェイクアップするための信号の流れを示す図である。
【図5】本発明の実施例に係るデュアルモデムデバイスがサスペンドモードからウェイクアップするための信号の流れを示す他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。添付の図面と共に以下で開示する詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を説明するためのもので、本発明が実施され得る唯一の実施形態を示すものではない。以下の詳細な説明は、本発明の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。しかし、当業者であれば、本発明がこのような具体的な細部事項なしでも実施できることを理解するであろう。例えば、以下の詳細な説明は、主な移動体通信システムが3GPP LTEシステムである場合を仮定して具体的に説明するが、3GPP LTEの特有な事項を除いては、他の任意の移動体通信システムにも適用可能である。
【0014】
いくつかの場合、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置は省略されたり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で図示される。また、本明細書の全般にわたって同一の構成要素については、同一の図面符号を使用して説明する。
【0015】
さらに、以下の説明において、端末又はデバイスは、ユーザ装置(UE)、移動機(MS)などの移動型又は固定型のユーザ端機器を指すものとする。また、基地局は、ノードB、eノードB、基地局などの端末又はデバイスと通信するネットワーク端の任意のノードを指すものとする。
【0016】
図1は、本発明の実施例に係るデュアルモデムデバイスのブロック構成図である。特に、図1において、デュアルモデムデバイスとしては、LTEモデムと、CDMAネットワークと通信するためのホストプロセッサとを含むデバイスを例示しているが、複数のモデムを備えて異種網に接続できる如何なる形態のデバイスも使用可能であることは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとって自明である。
【0017】
図1を参照すると、本発明の通信システムのデュアルモデムデバイス100は、LTE通信網との通信を担当するLTEモデム110と、CDMA通信網との通信を担当するホストプロセッサ120とを含み、ホストプロセッサ120は、アプリケーションを処理し、LTEモデムを制御するためのホストモジュール、すなわち、アプリケーションプロセッサ130と、CDMAネットワークと通信するためのモデムプロセッサ140とを含むことができる。また、デバイスの記憶手段としてNANDフラッシュメモリ150が含まれ、このNANDフラッシュメモリ150はホストプロセッサ120と接続される。
【0018】
LTEモデム110は、ホストプロセッサ120にIPCインタフェース160を介して信号を伝達する。ここで、IPCインタフェース160の種類としては、SDIO、UARTなどがある。特に、LTEモデム110は、ホストプロセッサ120のアプリケーションプロセッサ130との間でSDIOを介してLTEデータ信号と制御信号を送受信し、モデムプロセッサ140との間ではUARTを介してハンドオーバと関連した制御信号を送受信することができる。
【0019】
また、ホストプロセッサ120のモデムプロセッサ140は、無線接続技術間(インタ―RAT)ハンドオーバー制御、インタ―RAT信号品質制御、サービス、サービス品質(QoS)及びIPアドレスのセッション制御などを担当する。
【0020】
一方、はん用集積回路(IC)カード(UICC)170がホストプロセッサ120に接続され、ホストプロセッサ120に含まれたモデムプロセッサ140が前記UICC170を制御する。UICC170とは、はん用加入者識別モジュール(USIM)、CDMA加入者識別モジュール(CSIM)及びIPマルチメディアサービス識別モジュール(ISIM)を含み、一般に、USIMは、LTE通信網に関するネットワークパラメータ及び認証関連アプリケーションなどを含み、CSIMは、CDMA通信網に関するネットワークパラメータ及び認証関連アプリケーションなどを含む。また、ISIMは、IPマルチメディアサービスを提供するためのパラメータ及びアプリケーションを含む。
【0021】
以下では、特別な言及がない限り、説明の便宜上、図1に示したデュアルモデムデバイスの構成を基準にして説明する。
【0022】
一般に、LTE通信網では、サービスを提供するためのパケットデータ通信網(PDN)概念が存在し、これを通して、デバイスは、IPの割り当てを受けるようになり、サービスに応じたサービス品質(QoS)を設定することができる。
【0023】
スマートフォンの発展とともに、マルチタスキング、すなわち、同時に複数のアプリケーションを実行する必要性が生じた。それぞれのアプリケーションが提供するサービスは、互いに異なるQoSを有し、互いに異なるPDNに接続することもできる。ここで、PDNの例としては、IMS PDN、インターネットPDN、管理PDN、事業者専用アプリケーションPDNなどを挙げることができる。
【0024】
一方、デュアルモデムデバイス、特に、デュアルモデムを備えたスマートフォンの場合は、電力管理のために最大節電モード、すなわち、サスペンドモードが存在する。デュアルモデムデバイスがサスペンドモードに遷移する場合、ホストプロセッサは最大節電モードになり、LTEプロセッサを制御するためのすべての機能が停止するようになる。
【0025】
このような状況で、デュアルモデムデバイスがサスペンドモードに遷移する場合、接続維持が必要なPDNだけを維持し、LTE通信網から受信したデータによってホストプロセッサをウェイクアップさせなければならない。このような機能を付加するために、本発明では以下のような方法を提案する。
【0026】
以下の図2〜図5は、LTEモデムとホストプロセッサのアプリケーションプロセッサ(AP)との間の信号の流れを示し、APは、LTEモデムの制御及びLTEデータの処理のためのLTE接続管理部(CM)と、IPCインタフェースを制御するためのデバイスドライバとを含む。
【0027】
図2は、本発明の実施例に係るデュアルモデムデバイスがサスペンドモードに遷移するための信号の流れを示す図である。
【0028】
図2を参照すると、段階201のように、APとLTEモデムは、LTE通信網からデータを受信したり、LTE通信網にデータを送信したりしていると仮定する。すなわち、LTEモデムが活性状態であると仮定する。LTE通信網から受信したり、LTE通信網に送信したりしなければならないデータは、LTEプロセッサで直接処理されるものではなく、ホストプロセッサを経由して処理される。この場合、段階202でユーザの要求に応じて、又は特定時間の経過と共に、サスペンドモードの開始命令がデバイスドライバに伝達される。
【0029】
デバイスドライバは、段階203でLTE CMにサスペンドモードに遷移するための過程を開始することを知らせる。これに対する応答として、LTE CMは、段階204でLTE通信網との間でのデータ送受信を中断するためにRRC IDLE命令をデバイスドライバに伝達し、デバイスドライバは、段階205でIPCインタフェースであるSDIOを介して前記RRC IDLE命令をLTEモデムに転送する。
【0030】
続いて、LTEモデムは、LTEデータの処理を中断し、休止状態に遷移すると同時に、段階207でRRC IDLE応答信号をIPCインタフェースであるSDIOを介してデバイスドライバに伝達する。また、段階208で、デバイスドライバは、前記RRC IDLE応答信号をLTE CMに転送する。
【0031】
一方、RRC IDLE応答信号を受けたLTE CMは、サスペンドモードへの遷移命令を段階209でデバイスドライバに伝達する。この場合、デバイスドライバは、段階210でLTEモデムに動作中止メッセージ、すなわち、「Enter PS」(節電モード開始)メッセージを伝達する。「Enter PS」メッセージを受信したLTEモデムは、段階211で最大節電モードを開始するという意味の応答である「Enter PS Done」メッセージをデバイスドライバに伝達すると同時に、段階212でLTEプロセッサ側のIPCインタフェースが動作しないように設定する。
【0032】
続いて、「Enter PS Done」メッセージを受信したデバイスドライバは、段階213でホストプロセッサ側のIPCインタフェースが動作しないように設定し、サスペンドモードへの遷移を完了したという応答を段階214でLTE CMに伝達する。
【0033】
特に、段階210及び段階211の「Enter PS」メッセージ及び「Enter PS Done」メッセージは、IPCインタフェースを介して伝達されるものではなく、別途のハードウェア的な信号によって送受信され、これは、プロセッサに「Enter PS」メッセージ及び「Enter PS Done」メッセージのためのピン、すなわち、ハードウェアモジュールを別途に備えることによって具現することができる。
【0034】
図3は、本発明の実施例に係るデュアルモデムデバイスがサスペンドモードに遷移するための信号の流れを示す他の図である。
【0035】
図3を参照すると、LTEモデムは、LTE通信網との間でデータを送受信しない休止状態にある。この場合、段階301でユーザの要求に応じて、又は特定時間の経過と共にサスペンドモードの開始命令がデバイスドライバに伝達される。
【0036】
デバイスドライバは、段階302でLTE CMにサスペンドモードに遷移するための過程を開始することを知らせる。これを受信したLTE CMは、サスペンドモードへの遷移命令を段階303でデバイスドライバに伝達する。この場合、デバイスドライバは、段階304でLTEモデムに動作中止メッセージ、すなわち、「Enter PS」 メッセージを伝達する。「Enter PS」 メッセージを受信したLTEモデムは、段階305で最大節電モードを開始するという意味の応答として、「Enter PS Done」 メッセージをデバイスドライバに伝達すると同時に、段階306でLTEプロセッサ側のIPCインタフェースが動作しないように設定する。
【0037】
続いて、「Enter PS Done」メッセージを受信したデバイスドライバは、段階307でホストプロセッサ側のIPCインタフェースが動作しないように設定し、サスペンドモードへの遷移を完了したという応答を段階308でLTE CMに伝達する。
【0038】
図2の場合と同様に、段階304及び段階305の「Enter PS」メッセージ及び「Enter PS Done」メッセージは、IPCインタフェースを介して伝達されるものではなく、別途のハードウェア的な信号によって送受信され、これは、プロセッサに「Enter PS」メッセージと「Enter PS Done」メッセージのためのピンを別途に備えることによって具現することができる。
【0039】
図4は、本発明の実施例に係るデュアルモデムデバイスがサスペンドモードからウェイクアップするための信号の流れを示す図である。
【0040】
図4を参照して説明すると、段階401で、LTE CMは、ユーザからサスペンドモードからウェイクアップするための命令を受信する。例えば、ユーザは、サスペンドモードからウェイクアップするための別途に設定されたキー(例えば、電源キー)を操作して、このような命令信号を発生させることができる。
【0041】
LTE CMは、段階402で再開命令をデバイスドライバに伝達し、デバイスドライバは、段階403でLTEモデムに動作中止状態からのウェイクアップ命令、すなわち、「Exit PS」メッセージを伝達する。「Exit PS」メッセージを受信したLTEモデムは、段階404でLTEプロセッサ側のIPCインタフェースが動作するように設定し、これと同時に、段階405で最大節電モードからウェイクアップするという意味の「Exit PS Done」メッセージをデバイスドライバに伝達する。
【0042】
最後に、「Exit PS Done」メッセージを受けたデバイスドライバは、ホストプロセッサ側のIPCインタフェースが動作するように設定する。
【0043】
上述したように、「Exit PS」メッセージ及び「Exit PS Done」メッセージは、IPCインタフェースを介して伝達されるものではなく、別途のハードウェア的な信号によって送受信され、これは、プロセッサに「Exit PS」メッセージ及び「Exit PS Done」メッセージのためのピンを別途に備えることによって具現することができる。
【0044】
図5は、本発明の実施例に係るデュアルモデムデバイスがサスペンドモードからウェイクアップするための信号の流れを示す他の図である。
【0045】
図5を参照して説明すると、休止状態にあるLTEモデムは、段階501でLTE通信網からのデータを受信する。例えば、LTE通信網からSMSメッセージを受信することができる。これを受信したLTEモデムは、段階502でLTEプロセッサ側のIPCインタフェースが動作するように設定し、ホストプロセッサがサスペンドモードからウェイクアップするための命令、すなわち、「PS Wake up」メッセージをデバイスドライバに伝達する。
【0046】
「PS Wake up」メッセージを受けたデバイスドライバは、段階504でホストプロセッサ側のIPCインタフェースが動作するように設定し、これに対する応答として、段階505で「PS Wake up done」メッセージをLTEモデムに伝達することができる。
【0047】
続いて、IPCインタフェースが動作するように設定されたLTEモデムは、活性状態に遷移し、段階506でLTE通信網から受信したデータをIPCインタフェースであるSDIOを介してホストプロセッサのデバイスドライバに伝達する。最後に、段階507で、デバイスドライバは、受信データをLTE CMに伝達し、これをIPスタックで処理するように制御する。
【0048】
図5の場合も、「PS Wake up」メッセージ及び「PS Wake up done」メッセージは、IPCインタフェースを介して伝達されるものではなく、別途のハードウェア的な信号によって送受信され、これは、プロセッサに「PS Wake up」メッセージ及び「PS Wake up done」メッセージのためのピンを別途に備えることによって具現することができる。
【0049】
以下では、本発明のデュアルモデムデバイスがサスペンドモードに遷移した場合、接続された各PDNの接続制御方法について説明する。上述したように、LTEモデムは、サービスを行うためにIMS PDN、インターネットPDN、管理PDN、事業者専用アプリケーションPDNなどと接続される。
【0050】
まず、サスペンドモードに遷移する場合、既に接続されているすべてのPDNの接続を維持する方法を考慮することができる。具体的には、アプリケーションプロセッサとLTEプロセッサとの間のIPCインタフェースであるSDIOを遮断し、LTE通信網に対する接続はすべて維持した状態でAPの動作だけを中断する方法である。
【0051】
ただし、前記4個のPDNのうち優先順位の低いPDNは、インターネットPDN及び事業者専用アプリケーションPDNであるので、所定の時間が経過した場合、前記インターネットPDNと事業者専用アプリケーションPDNとの接続は終了するように設定することが望ましい。
【0052】
一方、サスペンドモードに遷移するとき、特定のアプリケーションが動作中であれば、前記特定のアプリケーションのためのPDNの接続を優先順位と関係なく維持する方法も考慮することができる。また、RRC IDLE命令だけで、LTEモデムの内部でIMS PDN、管理PDNを除いた残りの各PDNの接続を解除する方法も考慮することができる。
【0053】
最後に、サスペンドモードに遷移するとき、IMS PDN/管理PDNデータが伝送中である場合に問題が生じるおそれがある。この場合、データ伝送を中断し、伝送中断点を記憶した後、サスペンドモードに遷移することが望ましい。すなわち、 伝送中断点を記憶させてから、サスペンドモードに入る。
【0054】
以上説明した各実施例は、本発明の各構成要素及び特徴が所定形態で結合されたものである。各構成要素又は特徴は、別途の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮されなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素又は特徴と結合されない形態で実施され得る。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合することによって、本発明の実施例を構成することも可能である。本発明の各実施例で説明される各動作の順序は変更可能である。一つの実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含めることが可能であり、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えられる。特許請求の範囲で明示的な引用関係のない各請求項を結合することによって実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項を含ませたりすることが可能であることは自明である。
【0055】
本明細書では、本発明の各実施例を主に端末と基地局との間のデータ送受信関係に基づいて説明した。本明細書で基地局によって行われると説明した特定動作は、場合によっては、その上位ノードによって行われることもある。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノードからなる通信網で端末との通信のために行われる多様な動作を、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行ってもよいことは自明である。基地局は、固定局、ノードB、eノードB(eNB)、アクセスポイントなどの用語に置き換えてもよい。また、端末は、ユーザ装置(UE)、移動機(MS)、移動体加入者局(MSS)などの用語に置き換えてもよい。
【0056】
本発明に係る実施例は、多様な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現される。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上の特定用途集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ及びマイクロプロセッサなどによって具現される。
【0057】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上説明した機能又は動作を行うモジュール、手順、関数などの形態で具現される。ソフトウェアコードは、メモリユニット又は記録媒体に記憶された後、プロセッサによって駆動される。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に公知となった多様な手段によって前記プロセッサとの間でデータを取り交わすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明がその特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態で具体化できることは、当業者にとって自明である。したがって、上述した詳細な説明は、すべての面で制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、本願請求項の合理的な解釈によって決定しなければならず、本発明と均等な範囲内でのすべての変更は本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
100 デュアルモデムデバイス
110 LTEモデム
120 ホストプロセッサ
130 アプリケーションプロセッサ
140 モデムプロセッサ
170 はん用ICカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信網と通信するための第1のプロセッサと、
前記第1のプロセッサを制御するためのホストモジュールを含んでおり、第2の通信網と通信するための第2のプロセッサと、を備え、
前記第1のプロセッサは、前記第2のプロセッサとの間での信号送受信のための第1のプロセッサ側プロセッサ間通信(IPC)インタフェースモジュールを含み、
前記第2のプロセッサは、前記第1のプロセッサとの間での信号送受信のための第2のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールを含み、
前記第2のプロセッサは、サスペンドモードに遷移するために前記第1のプロセッサに動作中止メッセージを伝達し、前記第2のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールの動作を中止させ、
前記第1のプロセッサは、前記動作中止メッセージを受信した場合、前記第2のプロセッサに動作中止応答メッセージを伝達し、前記第1のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールの動作を中止させることを特徴とするデュアルモデムデバイス。
【請求項2】
前記第1のプロセッサ及び前記第2のプロセッサはそれぞれ、
前記動作中止メッセージ及び前記動作中止応答メッセージを送受信するためのハードウェアモジュールを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のデュアルモデムデバイス。
【請求項3】
前記第1のプロセッサは、
動作中止中に前記第1の通信網からデータを受信した場合、前記第2のプロセッサに動作中止解除メッセージを前記ハードウェアモジュールを介して伝達し、前記第1のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールを動作させ、
前記動作中止解除メッセージを受けた前記第2のプロセッサは、前記第2のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールを動作させることを特徴とする、請求項2に記載のデュアルモデムデバイス。
【請求項4】
前記第2のプロセッサは、
前記第2のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールを動作させた後、前記第1のプロセッサから前記データを受信することを特徴とする、請求項3に記載のデュアルモデムデバイス。
【請求項5】
前記第2のプロセッサがサスペンドモードに遷移した場合、
前記第1のプロセッサは、前記第1のプロセッサを通して前記第1の通信網と接続された各パケットデータ通信網(PDN)のうち少なくとも一つの接続を、所定時間の経過後に解除することを特徴とする、請求項1に記載のデュアルモデムデバイス。
【請求項6】
前記第2のプロセッサがサスペンドモードに遷移した場合、
前記第1のプロセッサは、前記第1のプロセッサを通して前記第1の通信網と接続された各パケットデータ通信網のうち、データ送受信中のパケットデータ通信網のデータ伝送を中止し、前記データ伝送の中止点を記憶することを特徴とする、請求項1に記載のデュアルモデムデバイス。
【請求項7】
前記第1のプロセッサ側IPCインタフェースモジュール及び前記第2のプロセッサ側IPCインタフェースモジュールは、セキュアデジタル入出力(SDIO)モジュールであることを特徴とする、請求項1に記載のデュアルモデムデバイス。
【請求項8】
前記第1の通信網との間で送受信するデータは、
前記第2のプロセッサの前記ホストモジュールを経由することを特徴とする、請求項1に記載のデュアルモデムデバイス。
【請求項9】
前記複数のパケットデータ通信網は、
IPマルチメディアサブシステム(IMS)PDN、インタネットPDN、管理PDN、事業者専用アプリケーションPDNを含むことを特徴とする、請求項5に記載のデュアルモデムデバイス。
【請求項10】
前記所定の時間の経過後に接続が解除されるパケットデータ通信網は、
前記インタネットPDN及び前記事業者専用アプリケーションPDNのうち少なくとも一つであることを特徴とする、請求項9に記載のデュアルモデムデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−250397(P2011−250397A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83112(P2011−83112)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】