説明

データ、および関連するサービスデータを伝送するための改良された方法

本発明は、格納されることが企図されるサービスデータセットD(Si)が、アドレスADを使用して参照されるアドレス指定段階を含む、データ、および前記データと関係するサービスデータを伝送するための改良された方法に関する。本発明は、前記アドレスADが、セッション識別子Siを含むことを特徴とし、セッションは、様々な通信手段の一連の連続的な活性化と定義される。本発明は、サービスデータD(Si)に、当該のセッション全体にわたって変わらない識別子Siを使用して、一義的にマークが付けられることを可能にする。したがって、前記セッション外部のいずれの要素も、前記サービスデータに影響を及ぼすこと、または前記サービスデータを変更することができず、それにより、セッションの終了まで、そのサービスデータの継続性が確実になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ、および前記データに関連するサービス情報を伝送する方法に関し、その方法は、格納されるべきサービス情報セットが、アドレスを使用して参照されるアドレス指定段階を含む。
【背景技術】
【0002】
そのような方法は、現在、本出願者によって運用される電気通信システムにおいて、システムのユーザと関係するコンテキスト情報またはプロファイル情報の形態のサービス情報を、そのユーザによって送信されたデータに付随して、伝送し、一時的に格納するのに使用されている。本明細書で「データ」と呼ばれる要素は、通常、現行技術において、原則として、前記ユーザによって開始される、コールの基本的な本体を形成する。そのデータは、例えば、ユーザによって生成される音声信号および/またはビデオ信号を表すデータから成ることが可能である。コンテキスト情報またはプロファイル情報は、例えば、地理的位置、またはそのユーザに固有の関心分野のリストから成ることが可能である。
【0003】
現行技術では、前述した方法を利用する電気通信システムには、ユーザに提供された端末装置を、ユーザが、例えば、端末装置の英数字キーパッド上で所定のコードを入力することにより、開始したコールの第1の宛先として識別される、上流サーバと呼ばれる第1のサーバに接続するように適合された、交換電話網などのメイン通信ネットワークが含まれる。例えば、第1のサーバは、ユーザからの口頭の問い合わせを受信し、その問い合わせを、したがって、進行中のコールを、ユーザによって表明された問い合わせに対応するように適合されたサービスをサポートすると上流サーバによって識別された、下流サーバと呼ばれる第2のサーバにルーティングするように適合された音声サーバであることが可能である。
【0004】
既知のシステムでは、上流サーバが、コールを下流サーバに再ルーティングする場合、上流サーバは、補助サーバの中のメモリ空間の或る特定のロケーションにサービス情報をあらかじめ格納し、前記特定のロケーションを識別するアドレスを送信することを、その目的で提供される信号通知リンクを介して行うことができる。この実例では、そのアドレスは、補助サーバに割り当てられたIP(インターネットプロトコル)アドレスと、サービス情報が実際に格納されている前記補助サーバの内部のメモリポートのアドレスの組み合わせによって形成される。
【0005】
現行技術では、補助サーバがポートアドレスを割り当てることに関して、全く別段の用心が行われることはなく、その結果、ポートアドレスは、セッション中に、現行セッション外部のサードパーティ要素に再割り当てされる可能性がある。すると、当該のポートアドレスにおいて新たなデータを書き込むことにより、そのサードパーティ要素は、そのポートアドレスにおいて当初、格納されていたサービス情報に上書きすることもできる。
【0006】
さらに、現行技術では、セッションが、様々な通信手段の、例えば、ユーザの端末装置、ならびに前述した上流サーバおよび下流サーバの一連の連続的な活性化と定義される場合、それらの通信手段の1つによって格納されたサービス情報は、その手段にリンクされ、その手段が、現行セッションに関与するのを止めた後、非常に急速に消滅することを免れないことが、本発明者らに判明した。しかし、セッションが、本発明者らによって提案されるように定義されると、セッション自体が中断されることなしに、ユーザが、コールを中断することが可能であるはずであり、したがって、その状況では、前述した上流サーバおよび下流サーバのようなサーバが、ユーザによって供給されたデータの処理を引き継ぎ、接続が存在しない間、その処理を進めた後、ユーザを再び呼び出して、データを処理した結果を提供することができる。既知の電気通信システムにおいて、現行セッションのそのような継続性に、サービス情報の継続性が付随することは不可能であり、このことは、関与する当事者の1名または複数名が、一時的に、または永久に切断されることが、そのことによって、データ処理システムが中断されることなしに、可能である通信セッションを実施することは、現在、想定不可能であることを意味する。
【0007】
したがって、概して、既知の電気通信システムにおいて、補助サーバの中に格納されたサービス情報の永続性に関する保証は、全く存在しない。さらに、或るセッション中に、関与するエンティティの1つが、同一のエンティティによって以前に格納されたサービス情報に追加のサービス情報の動的格納を命令した場合、追加のサービス情報と、以前に格納された情報との間の結び付きが、そのような結び付きが、理論上、例えば、サービス情報のすべてを同時に処理する必要がある可能性がある、情報の宛先に有用であり、その場合、その処理が、情報を一緒にグループ化することによって容易になるものの、全く確立されることが可能でない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、現行の通信セッションに関係があるすべてのサービス情報が、特に、前記セッション全体にわたって保持されることが可能であるように、そのような情報として認識されることが可能である、データ伝送方法およびデータ伝送システムを提案することにより、前述の諸問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
序説の段落に合致する本発明による方法は、サービス情報セットを参照するのに使用されるアドレスが、セッション識別子を含み、セッションは、様々な通信手段、例えば、ユーザに提供された端末装置の、ならびに前述した上流サーバおよび下流サーバの一連の連続的な活性化と定義されることを特徴とする。
【0010】
本発明は、当該のセッション中に変わらず、前記セッション中に、関与する通信手段のすべてに送信されることも可能である識別子を使用して、サービス情報に一義的にマークを付ける。このため、セッション外部のいずれの要素も、そのサービス情報にアクセスする、またはそのサービス情報を劣化させることができず、したがって、サービス情報の永続性が、セッションの終了まで保証される。
【0011】
多くの応用例において、セッション識別子は、上流サーバから下流サーバに通信するために、メイン通信ネットワークを介して、そのままトランスポートされるには長過ぎる、文字列から成る可能性がある。本発明の変形形態では、その場合、前述の方法は、有利には、以下を含む。すなわち、
所与のサービス情報セットに割り当てられるアドレスの一部分を形成し、当該のセッションに固有のセッション識別子に一時的にリンクされることが意図されるコール識別子を生成する段階、および
2つの通信手段の間でセットアップされた信号通知リンクを介して、前記コール識別子を伝送する段階である。
【0012】
コール識別子は、前記2つの通信手段の間の伝送のためにだけ役立つという点で、セッション識別子より変わりやすいので、コール識別子は、セッションの長さにかかわらず、永続性が保証されるべきであるセッション識別子の文字列より、はるかに短い文字列を使用して符号化されることが可能である。このより短い長さにより、セッション識別子自体を送信することができない信号通知リンクを使用して、コール識別子を送信することが可能になる。
【0013】
さらに、セッション識別子は、一意であるものの、本発明の方法の前述の変形形態は、一意のセッション識別子にすべてリンクされた複数のコール識別子を使用して、複数のサービス情報セットを、例えば、動的に格納し、それらの複数のサービス情報セットは、その場合、現行のセッション識別子に対する、それらのセットのコール識別子の共通の関係のため、互いに結び付いたものとして識別されることが可能である。
【0014】
さらに、生成段階は、当該のセッションの識別子が生成された後だけでなく、そのような識別子が生成される前に実行されることも可能であることに留意されたい。実際、通信手段のそれぞれによって、その通信手段の初期設定の時点でトリガされて、或る特定のサービス情報セットを参照することを目的とするアドレスを生成して、各通信手段が、その後、既存のコール識別子と、新たに作成されたセッション識別子との間の関連付けを確立するだけでよいようにする、コール識別子を作成し、確保しておくための手続きを提供することが、完全に実行可能である。
【0015】
セッションは、直線的に展開して、次に、1つ限りの次の通信手段をそれぞれがセッションに引き入れる、カスケードの形で相次ぐ通信手段を関与させることが可能である。セッションは、直線的に展開しないことも同様に可能であり、その場合、「ソース」通信手段は、セッション中に達せられるべきデータの処理に、それぞれが固有の寄与を行うものとされる、少なくとも2つの通信手段を、1つだけのそのような手段ではなく、現行セッションに同時に引き入れることができる。
【0016】
本発明の方法の前述の変形の1つの特定の実施形態は、同一のセッション識別子にそれぞれがリンクされた、第1のブランチ識別子および第2のブランチ識別子を生成する段階をさらに含むことが可能であり、この段階は、同一のソース通信手段をともに関与させる第1のリンクと第2のリンクを同時に確立する時点で実行されることが意図され、そのソース通信手段によって、第1のリンクと第2のリンクのいずれかを介して伝送されることが意図されるいずれのコール識別子も、その場合、セッション識別子、および第1のブランチ識別子と第2のブランチ識別子のいずれかにそれぞれ、同時にリンクされる。
【0017】
この特定の実施形態では、ソース通信手段は、異なるブランチ識別子を使用して、異なるサービス情報セットに、それぞれの宛先を割り当てることができる。
【0018】
セッション識別子は、様々な形で、本発明が使用される電気通信システムの様々なエンティティによって生成されることが可能である。このため、セッション識別子は、ユーザの端末装置によって生成されることも、その端末装置が、セッションイニシエータである場合、可能である。セッション識別子は、代替として、ユーザの端末装置がメイン通信ネットワークを介して通信している第1の通信手段によって、例えば、上流サーバによって、生成されることも可能である。別の可能な代替は、このセッション識別子が、様々な通信手段が、互いに通信するものとされるメイン通信ネットワークの管理者によって生成されることである。さらに、セッション識別子を、時として、「プロキシ」サーバと呼ばれる、様々な中間サーバの中に格納して、現行セッションを構成する通信チェーンの偶発的な切断が生じた場合に、セッション識別子が失われるリスクが全く存在しないようにすることも、企図されることが可能である。
【0019】
また、コール識別子も、様々な形で、セッション中に関与する可能性がある様々な通信手段によって生成されることが可能である。サービス情報が、セッション中に活性化されることが意図される様々な通信手段と、特定の通信ネットワークを介して通信することができるサーバの中に格納されることが意図される、本発明の1つの特定の実施形態では、コール識別子を生成する段階は、前記通信手段の1つの要求に応じて、前記サーバによって有利に実行されることが可能である。
【0020】
この実施形態は、すべてのコール識別子が、通信手段とは別個であるが、通信手段のそれぞれと通信することができる要素によって、一元化された形で作成され、管理されるという点で、有利である。以下でサービス情報サーバと呼ばれる、この特定のサーバは、例えば、ユーザの端末装置が接続されている第1の通信手段の要求に応じて、セッション識別子を同様に生成することもできる。
【0021】
本発明の他の実施形態では、各通信手段は自ら、コール識別子を作成し、この作成についてサービス情報サーバに通知することにより、または、このように作成されたコール識別子によって規定されるアドレスにおけるデータの書き込みを要請することにより、サービス情報サーバに単に通知するように適合されることが可能である。しかし、そのような分散化された生成が、同一のコール識別子によって規定される同一のアドレスを別々に指定した異なる通信手段から来る書き込み命令の間で、衝突を生じさせるリスクが、存在する。
【0022】
1つのハードウェア態様では、前述した方法を使用することによって直接に得られる限りで、本発明は、データ、および前記データに関連するサービス情報が伝送されることが意図される、様々な通信手段の一連の連続的な活性化と定義される同一のセッションに関与する、2つの通信手段の間で伝送されることが意図される信号も提供し、この信号は、サービス情報セットが参照されるのに使用されるアドレスを含み、前記アドレスは、現行セッションの識別子を表す。
【0023】
別のハードウェア態様では、本発明は、アドレスを使用して少なくとも1つのサービス情報セットを参照するように適合されたアドレス指定手段を含む、データ、および前記データに関連するサービス情報を伝送するように適合された電気通信システムを提供し、このシステムは、前記アドレス指定手段が、前記アドレスの中にセッション識別子を含めるように適合され、セッションは、データ、およびサービス情報が伝送されるべき、様々な通信手段の一連の連続的な活性化と定義されることを特徴とする。
【0024】
本発明のこの別のハードウェア態様の変形形態によれば、前述のシステムは、以下をさらに含む。すなわち、
所与のサービス情報セットに割り当てられるアドレスの一部分を形成し、当該のセッションに固有のセッション識別子に一時的にリンクされることが意図されるコール識別子を生成するための手段、および
2つの通信手段の間でセットアップされた信号通知リンクを介して、前記コール識別子を伝送するための手段である。
【0025】
そのような電気通信システムは、有利には、同一のセッション識別子にそれぞれがリンクされた、第1のブランチ識別子および第2のブランチ識別子を生成するための手段をさらに含み、この生成手段は、同一のソース通信手段をともに関与させる第1のリンクと第2のリンクの同時のセットアップ中に活性化されるように適合され、そのソース通信手段によって、第1のリンクと第2のリンクのいずれかを介して伝送されることが意図されるいずれのコール識別子も、その場合、セッション識別子、および第1のブランチ識別子と第2のブランチ識別子のいずれかにそれぞれ、同時にリンクされる。
【0026】
本発明の特に有利な実施形態では、前述のシステムは、好ましくは、サービス情報が、格納されることが意図され、特定の通信ネットワークを介して、セッション中に活性化されることが意図される様々な通信手段と通信するように適合されたサービス情報サーバを含み、前記サービス情報サーバは、前記通信手段の1つの要求に応じて活性化されることが意図されるコール識別子生成手段を含む。
【0027】
本発明のさらなるハードウェア態様は、本発明の実施に役立つ手段により、データ、および前記データに関連するサービス情報を伝送するように適合された電気通信システムに含められるように適合されたデータサーバを提供し、このデータサーバは、データ、およびサービス情報が伝送されることが意図される、様々な通信手段の一連の連続的な活性化と定義されるセッションの識別子を表すアドレスを使用して参照される、サービス情報セットを格納するように適合される。
【0028】
本発明のさらなるハードウェア態様は、本発明の実施に役立つ他の手段により、データ、および前記データに関連するサービス情報を伝送するように適合された電気通信システムに含められるものとされるデータ媒体を提供し、このデータ媒体は、サービス情報セットを含むことが意図され、データ、およびサービス情報が伝送されることが意図される、様々な通信手段の一連の連続的な活性化と定義されるセッションの識別子を表すアドレスを使用して、前記セットを参照するための手段を備える。
【0029】
本発明の前述の特徴、およびその他の特徴は、添付の図面に関連して与えられる、本発明の一実施形態の以下の説明を読むことで、より明白となろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1は、本発明による伝送方法を実施するための手段を含む電気通信システムSYSTの図である。このシステムSYSTは、システムSYSTのユーザUSRに提供された端末装置、例えば、移動電話機、送信/受信機能を備えたパーソナルデジタルアシスタント、またはマイクロコンピュータもしくはマルチメディアコンソールと、本明細書で説明される実施例では、上流データサーバSERVAおよび下流データサーバSERVBである複数の通信手段との間でデータDATを伝送することを目的とし、それらの手段のすべては、交換電話網CTNWによって形成されるメイン通信ネットワーク内にセットアップされたデータリンクDLU、DLA、およびDLBを介して、互いに通信することができる。図1で示される本発明の実施形態において、端末装置は、例えば、英数字キーパッド、グラフィカルインタフェース、または音声制御ツールを使用して、ユーザUSRによって定義されたサービスを識別する命令を含むアクセス要求AxRq(T)を送信することができる。インテリジェントネットワークプラットフォームINPFが、アクセス要求AxRq(T)の中に含まれる命令を調べた後、ユーザUSRの端末装置によって送信されたデータDATを、ユーザUSRによって送信された問い合わせに最もよく対処することができるものとして、したがって、ユーザUSRによって開始されたコールの第1の宛先としてプラットフォームINPFによって識別される上流データサーバSERVAにルーティングする。インテリジェントネットワークプラットフォームINPFは、通常、サービス制御ポイントSCPによって制御されるアクセススイッチSACを含み、このプラットフォーム自体は、当業者には周知であり、したがって、本明細書でさらに説明することはしない。
【0031】
上流サーバSERVAは、ユーザの端末装置からデータDATを受信する際、前記データDATと関係するサービス情報も同時に受信し、それらの完全性に配慮しなければならず、適宜、それらの格納に配慮しなければならない。実際、上流サーバSERVAが、単独では、ユーザUSRによって送信された問い合わせAxRq(T)を完全に処理することができないことがよくあり、その場合、前記上流サーバSERVAは、その問い合わせの、いくつかの態様を処理するよう、下流サーバと呼ばれる別のサーバSERVBに要請しなければならない。そうであるものと想定すると、上流サーバSERVAは、下流サーバSERVBの関与の必要性をプラットフォームINPFに知らせ、その後、サーバSERVBが、前記プラットフォームINPFによって要請され、サーバSERVBが処理するものとされるデータを、上流サーバSERVAから受信する。例えば、上流サーバSERVAは、一般的な情報サービスをサポートして、サービス情報の中に含まれるユーザの地理的場所に近い切手収集家クラブと接触することを目的とする問い合わせを、ユーザUSRから受信することも可能である。すると、目標とされる切手収集家クラブに対応する下流サーバSERVBが、ユーザUSRからの問い合わせに応答するために、進行中の通信セッションに引き入れられる。端末装置USRを上流サーバSERVAに接続し、次に、上流サーバSERVAを下流サーバSERVBに接続することを相次いで行うことは、通信手段の同一の一連の連続的な活性化の一環であり、したがって、同一の通信セッションに含められる。さらに、ユーザUSRが、その間に、メイン通信ネットワークCTNWとの接続を終了している可能性があり、上流サーバSERVAおよび下流サーバSERVBが、ユーザUSRによって最初に送信された問い合わせAxRq(T)を処理することを続けていることを想定するのは、完全に現実的である。この処理の後、下流サーバSERVBまたは上流サーバSERVAが、今度は、最初の問い合わせAxRq(T)を処理した結果を前記ユーザUSRに供給するために、メイン通信ネットワークCTNWを介して送信されるアクセス要求AxRq(S)を使用して、そのユーザUSRの端末装置への接続を求めることができ、前述したすべてのコールは、ユーザUSRが、セッションに一時的に不在であったものの、同一の通信セッションのコンテキスト内に留まる。本発明の他の実施形態では、上流サーバSERVAは、下流サーバSERVBではなく、端末装置を、特に、ユーザUSRに提供された以外の端末装置を、進行中の通信セッションにさらに引き入れることもできる。
【0032】
図1で示される本発明の実施形態では、上流サーバSERVAが、最初の問い合わせAxRq(T)を受信し、その問い合わせAxRq(T)から、前記問い合わせの処理の少なくとも一部のために、下流サーバの関与が必要であると推定すると、上流サーバSERVAは、最初の問い合わせAxRq(T)と並行に受信されたサービス情報の特定のアドレス指定を構成するために、サービス情報サーバMNGSに対するコールをセットアップする。このコールは、インテリジェントネットワークプラットフォームINPFによって、または上流サーバSERVAによって定義されたセッション識別子Siを使用してあらかじめ識別された現行セッションにリンクされたコール識別子を求める要求CIDRq(Si)の形態をとる。また、本発明の他の実施形態では、上流サーバSERVAは、セッション識別子Siを定義するよう、サービス情報サーバMNGSに要求することもできる。その場合、サービス情報サーバMNGSは、特定の通信ネットワークSCNW、例えば、専用のイントラネット型のネットワークを介して、セッション中に活性化されることが意図される様々な通信手段と通信するように適合される。この実施形態では、コール識別子要求CIDRq(Si)に応答して、サービス情報サーバMNGSは、同一のセッション識別子Siにすべてリンクされた複数のコール識別子C1(Si)...CN(Si)を上流サーバSERVAに供給する。本発明の他の実施形態では、コール識別子C1...CNは、特定のセッションにあらかじめリンクされることなしに、グループで生成されることが可能である。その場合、上流サーバSERVAは、コール識別子Cjとセッション識別子Siの結合によって規定されるアドレスにおいて、下流サーバSERVBを宛先とするサービス情報セットSDAを格納するために、書き込み要求SDWr(Cj,Si)をサービス情報サーバMNGSに送信することが可能である。サービス情報サーバMNGSは、コール識別子Cjとセッション識別子Siを同時に含むアドレスにおいて、例えば、ハードディスクまたは光ディスクを含む、データ媒体上に、この場合は、データベースDBSの中に、その情報セットを格納する。次に、上流サーバSERVAは、メイン通信ネットワークCTNWを使用してセットアップされた信号通知リンクLSABを介して、コール識別子Cj(Si)を下流サーバSERVBに送信することができる。その結果、下流サーバSERVBが、プラットフォームINPFから、現行セッションに関与する要求を受信する場合、前記下流サーバSERVBは、信号通知リンクLSABを介して、上流サーバSERVAの指示で格納されたサービス情報を、サーバSERVBが回復することができるアドレスも、同時に受信する。次に、下流サーバSERVBが、読み取り要求SDRd(Cj,Si)をサービス情報サーバMNGSに送信し、その見返りに、セッション識別子と組み合わせのコール識別子(Cj,Si)によって規定されるアドレスにおいて、上流サーバSERVAの命令で最初に格納されたサービス情報セットSDAを獲得する。
【0033】
前述の実施例では、単一のコール識別子Cj(Si)が使用されたが、本発明の、この特定の実施形態では、上流サーバSERVAは、コール識別子Cj(j=1ないしNに関する)を使用してそれぞれが識別されることが意図される、N個のサービス情報セットSDj(j=1ないしNに関する)を格納することができることを理解されたい。これにより、システムSYSTの使用が非常に柔軟になる。というのは、格納が、動的に実行されることが可能であり、したがって、任意の時点で、ユーザが、メイン通信ネットワークCTNWから切断した後でさえ、実行されることが可能であるからである。同様に、下流サーバSERVBにも、上流サーバSERVAから、サーバSERVBが受信したセットSDAと同一の情報、またはそのようなセットSDAとは異なるサービス情報の格納を命令するために、現行セッションの識別子Siにリンクされたコール識別子が割り当てられることが可能であり、その情報は、下流サーバSERVBの下流の他のサーバを宛先とすることが可能であるだけでなく、上流サーバSERVA、またはユーザUSRの端末装置などの、上流の通信手段を宛先とすることも可能である。
【0034】
図2は、下流サーバSERVBが、新たなサービス情報セットSDBを格納するよう、サービス情報サーバMNGSに要請することを、第1に、前記下流サーバSERVBのためにあらかじめ確保されているコール識別子C1と、第2に、セッション識別子Siとの結合によって規定されたアドレスを指定する書き込み要求SDWr(C1,Si)を使用して行った状況を示す。可能な限り、この説明の理解を容易にするため、先行する図と共通の要素には、同一の符号が割り当てられている。この場合、下流サーバSERVBは、信号通知リンクLSBCを使用して、別の下流サーバSERVCをセッションに引き入れるように適合され、したがって、サーバSERVBの命令でサーバSERVCのために格納されている情報セットSDBを、前記別の下流サーバSERVCが、読み取り要求SDRd(C1,Si)を使用して回復することができるようにするコール識別子C1(Si)を、その別の下流サーバSERVCに送信することもできる。
【0035】
前述した実施例では、サービス情報SDA、SDBは、単に、様々な通信手段が利用できるように保たれるだけでよく、このため、サービス情報サーバMNGSが、通信を求める要求を受信した場合に限り、通信されればよいが、本発明の他の実施形態では、前記サービス情報サーバMNGSは、前記セットを格納したサーバによってあらかじめ識別された通信手段にサービス情報セットを自発的に送信するための機能を有することが可能であり、上流サーバSERVAによる、コール識別子Cj(Si)の送信は、もはや必要なく、同様に、下流サーバSERVBによって送信される読み取り要求SDRd(C1,Si)も、不必要になる。というのは、この場合、サービス情報サーバMNSGが、セットSDAをサーバSERVBに直接に送信するからである。
【0036】
図3は、サービス情報セットD(Si)が、この場合、セッション識別子Siだけから成るアドレスADを使用して参照される、最も基本的な形態における、本発明のアドレス指定システムを非常に概略的に示す図である。したがって、前述したとおり、本発明の、この基本的な形態は、セッション全体にわたって永続的なサービス情報D(Si)をもたらし、したがって、現行技術に優る相当な利点を提供する。
【0037】
本発明の説明では、サービス情報セットとは、或るタイプの情報内容と関係する一群の情報として、例えば、物体またはユーザの正確な空間的位置を、そのセットの宛先に伝えるための情報セットを形成する、異なる方向における3つの座標として、理解されなければならない。
【0038】
図4は、柔軟性の点で、さらなる利点を実現する本発明の変形形態を示す。というのは、以上の説明によれば、前述したセッション識別子Siにすべてリンクされた複数のコール識別子Cj(Si)(j=1ないしNに関する)の使用を介して、この変形形態は、適宜、動的に格納された、複数の異なるサービス情報セットD(Si)を参照することができ、これらのセットの各アドレスADは、その場合、第1に、すべてのセットに共通のセッション識別子Siと、第2に、各セットに固有のコール識別子Cj(Si)との結合として構築されるからである。
【0039】
図5は、柔軟性の点で、さらなる利点を提供する、本発明の、この変形形態の好ましい実施形態を示す。図5で説明される実施例では、識別子Siによって規定されるセッションは、直線的に展開されず、ソース通信手段が、1つだけの通信手段ではなく、セッションSi中に達せられるべきデータの処理に、それぞれが固有の寄与を行うものとされる、異なる4つの通信手段を、同時に現行セッションに引き入れるものと想定される。
【0040】
このため、この目的で提供されるサーバの中に格納されるサービス情報SDは、この実施例では、セッションSiに関与するすべての通信手段がアクセスできる情報D(Si)だけでなく、第1の信号通知リンク、第2の信号通知リンク、第3の信号通知リンク、および第4の信号通知リンクを使用して、ソース通信手段にそれぞれ接続された第1の通信手段、第2の通信手段、第3の通信手段、および第4の通信手段を個別に宛先とする情報D(Brm,Si)(m=1ないし4に関する)も含む。ソース通信手段は、その場合、それら第1の通信手段、第2の通信手段、第3の通信手段、および第4の通信手段のそれぞれに、宛先が、それらの宛先のために確保されているサービス情報セット(Brm,Si)(m=1ないし4に関する)を調べることができるようにするコール識別子Cj(m,Si)を送信している。したがって、それらのセット(Brm,Si)の1つのセットの各アドレスADは、第1に、すべてのセットに共通のセッション識別子Siと、第2に、当該の宛先に固有のコール識別子Cj(m,Si)との結合として構築される。
【0041】
図6は、本発明の、この好ましい変形形態が使用される電気通信システムSYSTを表す。可能な限り、この説明の理解を容易にするため、先行する図と共通の要素には、同一の符号が割り当てられている。本発明の、この特定の有利な実施形態において、ユーザUSRに提供された端末装置、および3つのサーバSERVA、SERVB、およびSERVCが、データリンクDLU、DLA、およびDLC、ならびにインテリジェントネットワークプラットフォームINPFを使用して、互いの間でデータを交換するように適合される。サーバSERVA、SERVB、およびSERVCは、例えば、専用のイントラネット型の、特定の通信ネットワークSCNWを介して、サービス情報サーバMNGSと通信するようにさらに適合される。この図で示される想定から、データ、および関連するサービス情報を、ユーザUSRに提供された端末装置から受信した上流サーバSERVAは、ユーザUSRによって送信されたAxRq(T)に対処するために、1つだけではなく、第1の下流サーバSERVB、および第2の下流サーバSERVCを、同時にセッションに引き入れなければならないことを知る。したがって、上流サーバSERVAは、第1の下流サーバSERVB、および第2の下流サーバSERVCをそれぞれ宛先とする、第1のサービス情報セットSDA1、および第2のサービス情報セットSDA2が付随する、第1の書き込み要求SDWr(Cj(1,Si))、および第2の書き込み要求SDWr(Ck(2,Si))を同時に送信し、前記第1のサービス情報セットSD1、および第2のサービス情報セットSD2は、セッション識別子Si、およびリンク識別子1または2に同時にリンクされたコール識別子CjまたはCkでそれぞれ構成される、アドレスCj(1,Si)およびCk(2,Si)によって参照される。次に、上流サーバSERVAは、この場合、データリンクDLBおよびDMCとは異なる信号通知リンクLSA1およびLSA2である、第1のリンク、および第2のリンクを介して、コール識別子Cj(1,Si)およびCk(2,Si)を第1の下流サーバSERVB、および第2の下流サーバSERVCに同時に送信して、それら第1の下流サーバSERVB、および第2の下流サーバSERVCのそれぞれが、上流サーバSERVAによってそれぞれに割り当てられたコール識別子Cj(1,Si)またはCk(2,Si)を指定する読み取り要求SDRd(Cj(1,Si))またはSDRd(Ck(2,Si))を、サービス情報サーバMNGSに送信することにより、それぞれを宛先とするサービス情報SDA1またはSDA2のすべてを回復することができるようにする。
【0042】
以上の説明は、本発明が、通信セッションと関係するサービス情報の、前記セッション全体にわたる永続性を確実にすることだけでなく、本発明の多様な変形形態が、サービス情報を動的に豊かにすることに加えて、アドレス指定の目的で、当該の情報に、かつ/またはその情報の宛先に固有の複数のコール識別子を使用することにより、そのサービス情報をセキュリティで保護することもさらに可能にすることを示す。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の方法が使用される電気通信システムの1つの可能な動作モードを表す機能ブロック図である。
【図2】そのような電気通信システムの別の可能な動作モードを表す機能ブロック図である。
【図3】本発明によるアドレス指定モードを示すタイミング図である。
【図4】本発明の変形によるアドレス指定モードを示すタイミング図である。
【図5】本発明のこの変形の特に有利な実施形態によるアドレス指定モードを示すタイミング図である。
【図6】この変形の特に有利な実施形態を構成する方法を使用する電気通信システムを表す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0044】
CTNW 通信ネットワーク
DBS データベース
DLA、DLB、DLU データリンク
INPF ネットワークプラットフォーム
SAC アクセススイッチ
SCP サービス制御ポイント
SERVA、SERVB、SERVC サーバ
SYST システム
USR ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納されることが意図されるサービス情報セットがアドレスを使用して参照されるアドレス指定段階を含む、データ、および前記データに関連するサービス情報を伝送する方法であって、
前記アドレスは、セッション識別子を含み、セッションは、様々な通信手段の一連の連続的な活性化と定義されることを特徴とする方法。
【請求項2】
所与のサービス情報セットに割り当てられるアドレスの一部分を形成し、当該のセッションに固有のセッション識別子に一時的にリンクされることが意図されるコール識別子を生成する段階と、
2つの通信手段の間でセットアップされた信号通知リンクを介して、前記コール識別子を伝送する段階とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
同一のセッション識別子にそれぞれがリンクされた、第1のブランチ識別子および第2のブランチ識別子を生成する段階をさらに含み、この段階は、同一のソース通信手段をともに関与させる第1のリンクと第2のリンクを同時に確立する時点で実行されることが意図され、そのソース通信手段によって、前記第1のリンクと前記第2のリンクのいずれかを介して伝送されることが意図されるいずれのコール識別子も、その場合、前記セッション識別子、および前記第1のブランチ識別子と前記第2のブランチ識別子のいずれかにそれぞれ、同時にリンクされることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記サービス情報は、セッション中に活性化されることが意図される前記様々な通信手段と、特定の通信ネットワークを介して通信するように適合されたサーバの中に格納されることが意図され、前記コール識別子を生成する前記段階は、前記通信手段の1つの要求に応じて、前記サーバによって実行されることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
データ、および前記データに関連するサービス情報が伝送されることが意図される、様々な通信手段の一連の連続的な活性化と定義される同一のセッションに関与する、2つの通信手段の間で伝送されることが意図される信号であって、
サービス情報セットが参照されるのに使用されるアドレスを含み、前記アドレスは、現行セッションの識別子を表す信号。
【請求項6】
アドレスを使用して少なくとも1つのサービス情報セットを参照するように適合されたアドレス指定手段を含む、データ、および前記データに関連するサービス情報を伝送するように適合された電気通信システムであって、
前記アドレス指定手段は、前記アドレスの中にセッション識別子を含めるように適合され、セッションは、データ、およびサービス情報が伝送されるべき、様々な通信手段の一連の連続的な活性化と定義されることを特徴とするシステム。
【請求項7】
所与のサービス情報セットに割り当てられるアドレスの一部分を形成し、当該のセッションに固有のセッション識別子に一時的にリンクされることが意図されるコール識別子を生成するための手段と、
2つの通信手段の間でセットアップされた信号通知リンクを介して、前記コール識別子を伝送するための手段とをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の電気通信システム。
【請求項8】
同一のセッション識別子にそれぞれがリンクされた、第1のブランチ識別子および第2のブランチ識別子を生成するための手段をさらに含み、該生成手段は、同一のソース通信手段をともに関与させる第1のリンクと第2のリンクの同時のセットアップ中に活性化されるように適合され、そのソース通信手段によって、前記第1のリンクと前記第2のリンクのいずれかを介して伝送されることが意図されるいずれのコール識別子も、その場合、前記セッション識別子、および前記第1のブランチ識別子と前記第2のブランチ識別子のいずれかにそれぞれ、同時にリンクされることを特徴とする請求項7に記載の電気通信システム。
【請求項9】
前記サービス情報が、格納されることが意図され、特定の通信ネットワークを介して、セッション中に活性化されることが意図される前記様々な通信手段と通信するように適合されたサービス情報サーバを含み、前記サービス情報サーバは、前記通信手段の1つの要求に応じて活性化されることが意図されるコール識別子生成手段を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の電気通信システム。
【請求項10】
データ、および前記データに関連するサービス情報を伝送するように適合された電気通信システムに含められるように適合されたデータサーバであって、
データ、およびサービス情報が伝送されることが意図される、様々な通信手段の一連の連続的な活性化と定義されるセッションの識別子を表すアドレスを使用して参照される、サービス情報セットを格納するように適合されるデータサーバ。
【請求項11】
データ、および前記データに関連するサービス情報を伝送するように適合された電気通信システムに含められることが意図されるデータ媒体であって、
サービス情報セットを含むことが意図され、データ、およびサービス情報が伝送されることが意図される、様々な通信手段の一連の連続的な活性化と定義されるセッションの識別子を表すアドレスを使用して前記セットを参照するための手段を備える媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−532160(P2008−532160A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557559(P2007−557559)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【国際出願番号】PCT/FR2006/050187
【国際公開番号】WO2006/092537
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(591034154)フランス テレコム (290)
【Fターム(参考)】