説明

データスライド端末、方法、プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】データを利用する前に、データのエラーを極力無くすこと。
【解決手段】データベースを管理するサーバが接続されているネットワークに接続された端末であって、 任意に設定された時間操作されない場合にデータベースからデータを取り出す機能と、 取り出したデータに対して、コンピュータでチェック可能なエラーの有無をチェックする機能と、 前記チェックでエラーが発見されなかったデータを表示して、表示されたデータを見る人に、表示されたデータの内容をチェックするよう指示する機能とを有することを特徴とするデータスライド端末。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データをチェックする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、テキストや画像などのデータのエラーには、コンピュータで自動的にチェック可能なものと、そうでないものとがある。例えば、データに破損が無く、表示及び印刷が可能であるかをチェックすることは、コンピュータで自動的に行える。しかし、データの内容をチェックすることは、必ずしも、コンピュータで自動的に行えるものではなく、人が行わざるを得ないことが多い。
【0003】
従来、本出願人では、図1に示すように、製作されたデータを利用する前に、データチェック担当者が、データのチェックを行い、そして、データ管理担当者が、データの内容をチェックしている。ここで、データチェック担当者が行うデータのチェックには、コンピュータで自動的にチェック可能なものと、そうでないものとの全てが含まれる。従って、製作されたデータを利用する前に、データ内容のチェックは、データチェック担当者とデータ管理者だけで行っている。このために、データ内容のエラーを見落とすことも多く、図1に示すように、データ利用者がデータ利用をしているときに、データ内容のエラーが発見されることも良くある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は係る背景技術に鑑みてなされたもので、データを利用する前に、データのエラーを極力無くすことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明において上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、データベースを管理するサーバが接続されているネットワークに接続された端末であって、
任意に設定された時間操作されない場合にデータベースからデータを取り出す機能と、
取り出したデータに対して、コンピュータでチェック可能なエラーの有無をチェックする機能と、
前記チェックでエラーが発見されなかったデータを表示して、表示されたデータを見る人に、表示されたデータの内容をチェックするよう指示する機能とを有することを特徴とするデータスライド端末としたものである。
【0006】
また請求項2の発明では、チェックの結果エラーがあると、エラー報告を前記サーバに送る機能も有し、
前記サーバは、エラー報告を受け取って保存するものであることを特徴とする請求項1に記載のデータスライド端末としたものである。
【0007】
また請求項3の発明では、データベースを管理するサーバが接続されているネットワークに接続された端末が、
任意に設定された時間操作されない場合にデータベースからデータを取り出す工程と、
取り出したデータに対して、コンピュータでチェック可能なエラーの有無をチェックする工程と、
前記チェックでエラーが発見されなかったデータを表示して、表示されたデータを見る人に、表示されたデータの内容をチェックするよう指示する工程とを実行することを特徴
とするデータスライド方法としたものである。
【0008】
また請求項4の発明では、チェックの結果エラーがあると、エラー報告を前記サーバに送る工程も実行し、
前記サーバは、エラー報告を受け取って保存するものであることを特徴とする請求項3に記載のデータスライド方法としたものである。
【0009】
また請求項5の発明では、データベースを管理するサーバが接続されているネットワークに接続された端末に、
任意に設定された時間操作されない場合にデータベースからデータを取り出す工程と、
取り出したデータに対して、コンピュータでチェック可能なエラーの有無をチェックする工程と、
前記チェックでエラーが発見されなかったデータを表示して、表示されたデータを見る人に、表示されたデータの内容をチェックするよう指示する工程とを実行させることを特徴とするデータスライドプログラムとしたものである。
【0010】
また請求項6の発明では、チェックの結果エラーがあると、エラー報告を前記サーバに送る工程も実行させ、
前記サーバは、エラー報告を受け取って保存するものであることを特徴とする請求項5に記載のデータスライドプログラムとしたものである。
【0011】
また請求項7の発明では、請求項5又は6に記載のデータスライドプログラムを記録した記録媒体としたものである。
としたものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、3、5、及び請求項5を引用する請求項7の発明では、データベースを管理するサーバが接続されているネットワークに接続された個々の端末で、個々の端末の空き時間に、データベースからデータを取り出し、取り出したデータに対して、コンピュータで自動的にチェック可能なチェックを自動的に行い、自動的なチェックの結果エラーが無いデータに対して、多くの人々に、データの内容をチェックして貰うことが可能になるという効果がある。
【0013】
請求項2、4、6、及び請求項6を引用する請求項7の発明では、個々の端末からのエラー報告がサーバに保存されるので、エラー報告を利用してデータの修正を行うことが容易になるという効果がある。
【0014】
以上、本発明は、データを利用する前に、データのエラーを極力無くすことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の最良の一実施形態を説明する。
【0016】
本実施形態では、図2に示すように、端末と、サーバとが、ネットワークに接続されているシステムを取り扱う。端末は、複数あっても良い。
【0017】
サーバは、データベースを備え、このデータベースを管理するコンピュータシステムである。
【0018】
端末は、パソコンなどのコンピュータであって、基本ソフトがインストールされている
。この基本ソフトは、一定時間、コンピュータの備えるキーボードやマウスなどの入力装置が操作されないと、スクリーンセーバと呼ばれるプログラムをコンピュータに実行させる。この一定時間は、ユーザが任意に設定できる時間であって、例えば、凡そ10分〜15分程度である。このような基本ソフトには、例えば、マイクロソフト社のWindows(登録商標)、アップル・コンピュータ社のMacOS(登録商標)などがある。本実施形態のデータスライドプログラムは、スクリーンセーバーとして、端末にインストールされている。
【0019】
端末には、データの製作に用いられるものがある。図3に示すように、データ製作者は、データの製作に用いられる端末にて、製作したデータを、サーバの管理するデータベースに新規に登録するか、或は、サーバの管理するデータベースに保管されているデータを、製作されたデータで更新する。このデータの登録又は更新に際して、サーバは、このデータの登録又は更新の時間を、登録・更新時間として、登録又は更新されたデータと関連付けて、このサーバの管理するデータベースに保存する。
【0020】
以下に、本実施形態のデータスライドプログラムに係る処理の流れの例を、図4のフローチャートに従って、説明する。
【0021】
S(STEP)1;
端末は、基本ソフトから、この端末の備える入力装置の無操作時間について、報告を受ける。
【0022】
S(STEP)2;
端末は、この端末の備える入力装置が、一定時間無操作か否かを確かめ、
一定時間無操作の場合、STEP3に進み、
一定時間無操作でない場合、STEP1に戻る。
【0023】
S(STEP)3;
端末は、本実施形態のデータスライドプログラムを起動する。以下、STEP20までの処理は、端末が、本実施形態のデータスライドプログラムを実行することによって行う処理である。
【0024】
S(STEP)4;
端末は、サーバの管理するデータベースにログインする。
【0025】
S(STEP)5;
端末は、サーバの管理するデータベースに、最初のデータを取得することを要求する。
【0026】
S(STEP)6;
端末は、サーバの管理するデータベースから、最初のデータを取得し、取得したデータを当該データとする。
【0027】
S(STEP)7;
端末は、当該データに対して、破損が無く、表示及び印刷が可能であるか等、コンピュータで自動的にチェック可能なエラーの有無を、自動的にチェックする。
【0028】
S(STEP)8;
端末は、当該データに対する自動的なチェックの結果、
エラーを発見した場合、STEP9に進み、
エラーを発見できなかった場合、STEP10に進む。
【0029】
S(STEP)9;
端末は、自動的なチェックにより発見したエラーについての報告を作成し、作成した報告を、自動作成ログファイルに追記し、STEP17に進む。
【0030】
S(STEP)10;
端末は、この端末の備える表示装置に当該データを表示して、表示した当該データを見る人に、当該データの内容を、チェックして貰う。
【0031】
S(STEP)11;
端末は、この端末の備える入力装置の操作を監視する。
【0032】
S(STEP)12;
端末は、この端末の備える入力装置で、当該データの内容にエラーを発見したことを伝える操作がなされたか否かを確かめ、
発見したことを伝える操作がなされた場合、STEP13に進み、
発見したことを伝える操作がなされなかった場合、STEP15に進む。
【0033】
S(STEP)13;
端末は、この端末の備える表示装置に入力フォームを表示し、表示した入力フォームへ、当該データの内容のエラーに関する情報を、当該データの内容のエラーを発見した人に、この端末の備える入力装置で入力して貰う。
【0034】
S(STEP)14;
端末は、入力フォームに入力された情報に基づいて、当該データの内容のエラーについての報告を作成し、作成した報告を、手動作成ログファイルに追記し、STEP17に進む。
【0035】
S(STEP)15;
端末は、この端末の備える入力装置で、本実施形態のデータスライドプログラムの終了を要求する操作がなされたか否かを確かめ、
終了を要求する操作がなされた場合、STEP20に進み、
終了を要求する操作がなされなかった場合、STEP16に進む。
【0036】
S(STEP)16;
端末は、この端末の備える表示装置に当該データを一定時間表示したか否かを確かめ、
一定時間表示した場合、STEP17に進み、
一定時間表示してなかった場合、STEP11に戻る。
【0037】
S(STEP)17;
端末は、サーバの管理するデータベースにログインする。
【0038】
S(STEP)18;
端末は、サーバの管理するデータベースに、当該データの次のデータを取得することを要求する。
【0039】
S(STEP)19;
端末は、サーバの管理するデータベースから、当該データの次のデータを取得し、取得したデータを新たに当該データとし、STEP7に戻る。
【0040】
S(STEP)20;
端末は、自動作成ログファイルと、手動作成ログファイルとを、サーバへ送信する。
【0041】
S(STEP)21;
サーバは、端末から、自動作成ログファイルと、手動作成ログファイルとを受信して保存する。
【0042】
S(STEP)22;
端末は、本実施形態のデータスライドプログラムを終了し、STEP1に戻る。
【0043】
常時、継続的に、データの製作が行われて、サーバの管理するデータベースに対する登録又は更新が行われる場合、端末が、サーバの管理するデータベースからデータを取得する順序は、本実施形態のデータスライドプログラムが起動される度に、登録・更新時間が最新のものから、登録・更新時間順に、登録・更新時間が古いものへと溯って取得して行くものにしても良い。こうすることにより、製作されたデータが、サーバの管理するデータベースに登録又は更新されると、即座に、何れかの端末でチェックされる可能性が極めて高くなる。
【0044】
データの製作が完了し、サーバの管理するデータベースに対する登録又は更新も完了している場合、本実施形態のデータスライドプログラムが終了する直前にチェックし終わったデータを、端末又はサーバで記録しておき、本実施形態のデータスライドプログラムが再び起動したとき、前回終了する直前にチェックし終わったデータの次のデータを最初のデータとして取得しても良い。こうすることにより、サーバの管理するデータベースに保管されている全てのデータが、一つの端末で、満遍無くチェックできる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】データの製作から利用までの作業の流れを示す図。
【図2】本実施形態で取り扱うシステムのハードウェア構成例を示す図。
【図3】製作されたデータの登録・更新を示す図。
【図4】本実施形態のデータスライドプログラムに係る処理の流れの例を示すフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースを管理するサーバが接続されているネットワークに接続された端末であって、
任意に設定された時間操作されない場合にデータベースからデータを取り出す機能と、
取り出したデータに対して、コンピュータでチェック可能なエラーの有無をチェックする機能と、
前記チェックでエラーが発見されなかったデータを表示して、表示されたデータを見る人に、表示されたデータの内容をチェックするよう指示する機能とを有することを特徴とするデータスライド端末。
【請求項2】
チェックの結果エラーがあると、エラー報告を前記サーバに送る機能も有し、
前記サーバは、エラー報告を受け取って保存するものであることを特徴とする請求項1に記載のデータスライド端末。
【請求項3】
データベースを管理するサーバが接続されているネットワークに接続された端末が、
任意に設定された時間操作されない場合にデータベースからデータを取り出す工程と、
取り出したデータに対して、コンピュータでチェック可能なエラーの有無をチェックする工程と、
前記チェックでエラーが発見されなかったデータを表示して、表示されたデータを見る人に、表示されたデータの内容をチェックするよう指示する工程とを実行することを特徴とするデータスライド方法。
【請求項4】
チェックの結果エラーがあると、エラー報告を前記サーバに送る工程も実行し、
前記サーバは、エラー報告を受け取って保存するものであることを特徴とする請求項3に記載のデータスライド方法。
【請求項5】
データベースを管理するサーバが接続されているネットワークに接続された端末に、
任意に設定された時間操作されない場合にデータベースからデータを取り出す工程と、
取り出したデータに対して、コンピュータでチェック可能なエラーの有無をチェックする工程と、
前記チェックでエラーが発見されなかったデータを表示して、表示されたデータを見る人に、表示されたデータの内容をチェックするよう指示する工程とを実行させることを特徴とするデータスライドプログラム。
【請求項6】
チェックの結果エラーがあると、エラー報告を前記サーバに送る工程も実行させ、
前記サーバは、エラー報告を受け取って保存するものであることを特徴とする請求項5に記載のデータスライドプログラム。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のデータスライドプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−301677(P2006−301677A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117835(P2005−117835)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】