説明

データ管理システムおよびデータ管理方法

【課題】サーバに記録されている複数の店舗のデータを効率的に管理するデータ管理技術を提供する。
【解決手段】サーバSのサービスデータ管理部13には、所定のグループに属する複数の店舗が提供するサービスに関するサービスデータが管理されている。このサービスデータには、グループに属する店舗Cgに共通な共通サービスデータと、店舗Cg独自の独自サービスデータとが含まれている。また、グループの代表者Aの元および各店舗Cgにはそれぞれ第1の端末Taおよび第2の端末Tuが備えられている。第1の端末Taからは共通サービスデータに対する処理を要求し、第2の端末Tuからはその店舗Cgが登録した独自サービスデータに対する処理を要求する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバに管理されているデータのためのデータ管理技術、特に、サーバに管理されている複数の店舗のデータを管理するデータ管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネット等のネットワーク技術の発展に伴い、ネットワーク上での商取引が盛んになっている。特に、インターネット上のポータルサイト等と呼ばれるサイトでは、複数の企業や店舗(以下、店舗と総称する)が出店しており、顧客はネットワークを介してこれらの店舗への注文が可能となっている。このようなポータルサイトを利用することにより、顧客は各店舗のサービスを比較する等の際に、各店舗のサイトを個別に検索,閲覧する手間を省くことができる。また、各店舗もポータルサイトに出店することにより、個別にサイトを構築するよりも商取引の機会を得ることができる。
【0003】
このような形態を用いたシステムとして、例えば、特許文献1に記載されたシステムがある。このシステムでは、写真処理サービス仲介サーバ(以下、サーバと称する)がポータルサイトを運営する機能を有しており、各写真処理サービス機関やプリントショップ(以下、サービス機関等と称する)が提供している写真処理サービス(以下、サービスと称する)に関するサービス情報を保持している。また、サーバは顧客からのサービスの注文を受け付け、その注文を該当するサービス機関等に伝送する機能を備えている。このような構成により、顧客はサーバにアクセスすることにより、所望のサービスを提供しているサービス機関等を特定することができ、そのサービス機関等にサービスを発注することができる。
【0004】
ポータルサイトにはいくつかの形態がある。一つは、経済的,法律的に繋がりがない複数の店舗が出展する形態である。この形態では、ポータルサイト上のデータ(価格やサービス内容等の商取引に必要なデータ)は各店舗が管理すべきものである。また、他に、複数のフランチャイジーや企業グループに属する店舗(以下、これらをグループ店舗と総称する)が同一のポータルサイトに出店する形態がある。後者の形態は、上記の引用文献1のようなシステム等で採用されている。このようなシステムでは、顧客はサービスを所望のサービス機関等に発注し、商品(サービス)の受け取りは近くのプリントショップで受け取る等が可能となり、顧客の利便性を向上させるとともに、商機を的確に掴むことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−259025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
引用文献1のシステムでは、サーバ上のサービス情報は各サービス機関等が管理しているが、このシステムが前者の形態であれば、このような管理に不都合は生じない。しかしながら、このシステムが後者の形態であれば、サービス情報は、グループ店舗全体で統一すべきものと、各グループ店舗が独自に管理すべきものとがあり、グループ店舗全体として統一すべきサービス情報(以下、共通データと称する)であっても、各グループ店舗が管理・更新しなければならない。すなわち、フランチャイザー等のグループ店舗を統括すべき企業や部門等(以下、統括者と総称する)から、グループ店舗に対して共通データを通知し、その通知を受けて各グループ店舗が自身で共通データを管理・更新しなければならない。
【0007】
このような管理方法は、グループ店舗にとっては不要な負担となる。一方、統括者は各グループ店舗が確実に共通データを管理・更新しているかを管理しなければならない。
【0008】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、サーバに記録されている複数の店舗のデータを効率的に管理するデータ管理技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明のデータ管理システムは、所定のグループに属する複数の店舗が提供するサービスに関するサービスデータを管理するサービスデータ管理部を有するサーバを備え、前記サービスデータには、前記グループに属する店舗に共通な共通サービスデータと、前記店舗独自の独自サービスデータとが含まれており、少なくとも前記共通サービスデータに対する処理を要求する共通サービスデータ更新要求部を有する第1の端末と、少なくとも各々の前記店舗が登録した前記独自サービスデータに対する処理を要求する独自サービスデータ更新要求部を有する第2の端末と、を備えている。
【0010】
この構成では、共通サービスデータと独自サービスデータとがサーバに管理されており、第1の端末からは共通サービスデータに対する処理が要求される。一方、第2の端末からは各々の店舗が登録した独自サービスデータに対する処理が要求される。これにより、共通サービスデータに対してはグループの代表者が第1の端末を介して一括して更新等の処理を行うことができる。一方、独自サービスデータに対してはそのサービスデータを登録した店舗が第2の端末を介して更新等の処理を行うことができる。すなわち、この構成では、共通サービスデータに関しては、各々の店舗が個別に更新等を行う必要がなく、代表者が一括して更新等を行うため、効率的なデータ管理を行うことができる。
【0011】
また、本発明のデータ管理システムの好適な実施形態の一つでは、前記サービスデータには、前記第1の端末または前記第2の端末からの当該サービスデータに対する処理の可否を表す処理許可情報が設定されており、前記サービスデータ管理部は、前記第1の端末または前記第2の端末から前記サービスデータに対する処理を要求された際に、当該サービスデータに設定されている前記処理許可情報に基づいて当該処理の可否を決定する。
【0012】
この構成では、各々のサービスデータには第1の端末および第2の端末からの処理要求に対する可否を表す処理許可情報が設定されており、その処理許可情報に基づいて処理の可否が決定される。これにより、例えば、共通サービスデータであっても店舗独自に変更可能としたり、独自サービスデータであってもグループの代表者が更新可能とすることができ、柔軟なサービスデータの管理を行うことができる。
【0013】
本発明のデータ管理システムの技術的特徴は、同様のデータ管理方法にも適用することができる。そのようなデータ管理方法として、例えば、サーバに管理されている、所定のグループに属する複数の店舗が提供するサービスに関するサービスデータを管理するデータ管理方法であって、前記サービスデータには、前記グループに属する店舗に共通な共通サービスデータと、前記店舗独自の独自サービスデータとが含まれており、前記サーバとネットワークで接続された端末から前記サービスデータに対する処理の要求を受けた際に、当該サービスデータが前記共通サービスデータであり当該要求が前記グループの代表者によるものである場合、もしくは、当該サービスデータが前記独自サービスデータであり当該要求が当該独自サービスデータを登録した店舗によるものである場合に当該処理を許可するデータ管理方法に適用することができる。当然ながら、このようなデータ管理方法にも、上述したデータ管理システムの付加的特徴を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のデータ管理システムの構成図である。
【図2】本発明のデータ管理システムの機能ブロック図である。
【図3】サービスデータのデータベーススキーマを表す図である。
【図4】サービスデータの認証処理の流れを表すフローチャートである。
【図5】サービスデータの登録処理の全体の流れを表すフローチャートである。
【図6】サービスデータの閲覧処理の流れを表すフローチャートである。
【図7】サービスデータの検索処理の流れを表すフローチャートである。
【図8】サービスデータの更新処理の流れを表すフローチャートである。
【図9】実施形態における画像プリントの注文処理の流れを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施形態は、インターネット等の広域ネットワーク上に開設されたポータルサイトに複数の店舗Cが出店している状況で、ポータルサイト上の店舗Cの各種データを管理するために本発明のデータ管理システムを適用したものである。
【0016】
なお、本実施形態の店舗Cには、所定のグループに属する店舗(以下、グループ店舗Cgと称する)と所定のグループに属さない店舗(以下、独立店舗Ciと称する)とがある。このグループ店舗Cgとは、例えば、企業グループを構成する企業やフランチャイジーである。このような場合、企業グループの中心となる企業やフランチャイザー(以下、統括者Aと称する。本発明の代表者の例)がグループ店舗Cgを統括している。当然ながら、ポータルサイトへの出店はグループ店舗Cgに限定した形態でも構わない。
【0017】
以下に図面を用いて本発明のデータ管理システムを説明する。図1は、本実施形態におけるデータ管理システムの構成図である。また、図2は各機能部を表す機能ブロック図である。図に示すように、インターネット等の広域ネットワークNには、ポータルサイトを運営するための汎用コンピュータにより構成されるサーバSが接続されている。このサーバSの運営は、統括者Aでも他の企業等でも構わない。本実施形態では、このポータルサイトは画像プリントの注文を受け付けるためのサイトであり、店舗Cは画像プリントを作成する、いわゆるDPショップ等である。したがって、画像プリントを希望する顧客は、このポータルサイトにアクセスして、所望の店舗Cに対して画像プリントを依頼することができる。なお、図1においてグループ店舗Cg1およびCg2は統括者Aのグループに属するものとする。
【0018】
また、このデータ管理システムには各店舗Cや統括者Aの元に備えられ、サーバSにアクセスするための汎用コンピュータにより構成される端末Tが接続されている。なお、以下の説明では、店舗Cの元に備えられている端末Tを端末Tu(本発明の第2の端末)、統括者Aの元に備えられている端末TをTa(本発明の第1の端末)と表すが、これらを特に区別する必要がない場合には端末Tと表す。
【0019】
〔サーバ〕
上述したように、サーバSはポータルサイトを運営するためのものである。そのため、サーバSはWEBサーバ(httpサーバ)としての機能を備えている。また、ポータルサイトとして機能するためには、出店している店舗Cや各店舗のサービス内容を記録し、顧客からの注文を受け付けなければならない。そのため、図2に示すように、サーバSは、WEBサーバとして機能するWEBサーバ部11、顧客から受けた注文を処理する注文データ処理部12、ポータルサイトにおける各店舗Cが顧客に対して提供するサービスに関連するデータ(以下、サービスデータと称する)を記録管理するサービスデータ管理部13およびサービスデータを記録するサービスデータ記録部14を備えている。また、サービスデータ管理部13は、端末Tからのアクセス時に認証を行う認証部13aを備えている。
【0020】
本実施形態では、WEBサーバ部11,注文データ処理部12,サービスデータ管理部13はサーバSを構成する汎用コンピュータのCPU(Central Processing Unit)を中核としてソフトウェアにより構成されているが、ハードウェアにより構成しても構わないし、ハードウェアとソフトウェアとが協働することにより構成しても構わない。また、サービスデータ管理部13はRDBMS(Relational DataBase Management System)として構成されており、サービスデータ記録部14は、ハードディスクや不揮発性記憶媒体等の記録媒体により構成されている。
【0021】
WEBサーバ部11は、サーバSをWEBサーバとして機能させるものであり、ネットワークNを介して送信されるhttpリクエストに対するレスポンスを行うものである。WEBサーバとして機能するサーバSにはサーバ名が割り当てられており、サーバSのWEBサーバ部11は、そのサーバ名を含むURL(Uniform Resource Locator)に対するhttpリクエストを処理する。たとえば、サーバSのサーバ名がwww.abc.comであるとすると、http://www.abc.comに対するhttpリクエストはサーバSのWEBサーバ部11で処理され、httpレスポンスが返送される。すなわち、顧客は自身が操作するコンピュータ(図示せず。以下、顧客端末と称する)にインストールされているWEBブラウザからhttp://www.abc.comへのアクセスを要求すると、そのhttpリクエストがこのサーバSのWEBサーバ部11に送られ、WEBサーバ部11はその顧客端末に対してhttpレスポンスを返す。顧客端末のWEBブラウザは、このhttpレスポンスに基づいてブラウザ上に表示を行う。例えば、このポータルサイトのトップページ(http://www.abc.com)にアクセスした場合には、顧客端末のWEBブラウザにはこのポータルサイトに出店している店舗の一覧が表示される。
【0022】
顧客は顧客端末のWEBブラウザを通じたWEBサーバ部11へのインタラクションを通じて画像プリントの注文先(店舗)や内容(画像プリントの態様,枚数,使用するテンプレート等)を決定してゆく。なお、これらの注文に必要なデータを総称して注文データと称する。注文データ処理部12は、この注文データを処理する機能を有している。注文データ処理部12は、注文データを受けると注文先の店舗Cの端末Tに注文データを転送する。
【0023】
サービスデータ管理部13は、各店舗Cのサービスデータをサービスデータ記録部14に記録し、管理する。本実施形態でのサービスデータとは、サービス種別(画像プリント,両面プリント,フォトブックプリント等),プリントサイズ,各サービスの価格,画像プリントに用いるテンプレート等である。
【0024】
また、サービスデータ管理部13は、アクセスしてきた端末Tを認証する認証部13aを備えている。認証部13aは、端末Tからのアクセス要求に対してアカウント(ユーザ名)およびパスワードを要求し、送信されたアカウントおよびパスワードを認証データベース(図示せず)に登録されているアカウントおよびパスワードと照合し、アクセスの可否を決定する。なお、認証データベースには各アカウントの種別(統括者もしくは店舗の区別であり、以下、アカウント種別と称する)と各アカウントが属するグループ(以下、所属グループと称する)が登録されており、認証時にはアカウント種別と所属グループとが取得される。
【0025】
〔端末〕
上述したように、端末Tは統括者Aや店舗Cに備えられており、サーバSにアクセスするものである。統括者Aや店舗Cはこの端末Tを用いて、サーバSに記録管理されているサービスデータを更新することができる。また、店舗Cに備えられた端末TuはサーバSが受けた注文を受け取る機能を備えている。そのため、図2に示すように、端末Tは、サーバSにアクセスしてサービスデータの更新を要求するサービスデータ更新要求部21を備えている。また、特に店舗Cに備えられた端末Tuには、サーバSから注文データを受け取る注文データ取得部22を備えている。サービスデータ更新要求部21および注文データ取得部22は、端末Tを構成する汎用コンピュータのCPUを中核としてソフトウェアにより構成されているが、ハードウェアにより構成しても構わないし、ハードウェアとソフトウェアとが協働することにより構成しても構わない。なお、端末Taに備えられているサービスデータ更新要求部21が本発明の共通サービスデータ更新要求部に相当し、端末Tuに備えられているサービスデータ更新要求部21が本発明の独自サービスデータ更新要求部に相当している。
【0026】
サービスデータ更新要求部21は、サーバSに対してサービスデータの一覧の取得やサービスデータの更新を要求する機能を備えている。本実施形態では、サービスデータ更新要求部21からサービスデータ管理部13へのアクセスは独自プロトコルを用いてWEBサーバ部11を介さずに行っている。これにより、顧客からの注文時のアクセスと、端末Tからのサービスデータ更新時のアクセスとを分離し、セキュリティを向上させている。
【0027】
注文データ取得部22は、サーバSの注文データ処理部12から送信される注文データを取得する。本実施形態では、この通信は独自プロトコルにより行われる。
【0028】
〔サービスデータ〕
上述したように、サービスデータはサーバSに記録管理されており、ポータルサイトにおいて商取引に利用されるものである。上述したように、本実施形態のサービスデータとは、サービス種別,プリントサイズ,各サービスの価格,テンプレート等である。独立店舗Ciの場合には、当然ながらこれらのサービスデータはその店舗自身で決定し、管理するものである。一方、グループ店舗Cgのサービスデータは、グループ全体として統一するために統括者Aが管理すべきもの(本発明の共通サービスデータ)と、各グループ店舗Cgが独自に設定管理することができるもの(本発明の独自サービスデータ)とがある。例えば、画像プリントの価格をグループ全体で統一したい場合には、価格は統括者Aが管理することとなる。また、基本のテンプレート(以下、基本テンプレートと称する)はグループ全体で統一するが、各グループ店舗Cgが独自のテンプレート(以下、独自テンプレートと称する)を設定することができる場合には、基本テンプレートは統括者Aの管理下となり、独自テンプレートはグループ店舗Cgの管理下となる。このような場合には、基本テンプレートは統括者Aのみが管理でき、独自テンプレートはその独自テンプレートを設定した独立店舗Cgのみが管理できることが望ましい。また、価格等は原則として統括者Aが管理するものであるが、各グループ店舗Cgが特価を設定したいような場合もある。
【0029】
上述のように、サービスデータは様々な態様で管理されるものである。そのため、本発明では、各サービスデータは後述するパーミッションフラグ(本発明における処理許可情報)が付与された状態でサービスデータ記録部14に記録されている(図3参照)。
【0030】
本実施形態のパーミッションフラグは2ビットで構成されており、上位ビットは閲覧に対するパーミッション、下位ビットは更新に対するパーミッションを表している。パーミッションの設定は、対応するビットを1(許可)または0(不許可)に設定することで行うが、以下の説明では閲覧許可をr、更新許可をw、不許可を−と表記する。例えば、統括者Aがサービスデータを登録する際にパーミッションフラグを“r−”と設定すると、各グループ店舗Cgの閲覧は許可するが更新は許可しないサービスデータとなる。なお、本実施形態では、統括者Aは同じグループのグループ店舗Cgが登録したサービスデータに対してはパーミッションフラグに関係なく閲覧可能であり、サービスデータを登録したアカウントからの閲覧および更新要求はパーミッションフラグに関係なく許可されるものとする。なお、以下の説明において、パーミッションフラグを0と1とのどちらに設定しても構わない場合には“*”と表記する。
【0031】
図3は、本実施形態におけるデータベーススキーマである。図から明らかなように、本実施形態のサービスデータは、サービスデータテーブルおよび店舗サービステーブルとから構成されている。サービスデータテーブルは、属性として、サービスデータの識別番号(以下、サービスデータIDと称する),データ種別(サービス種別,プリントサイズ,価格,テンプレート等の区別を表す情報),パーミッションフラグ,登録アカウント,登録アカウントの所属グループ,サービスデータの実体が設定されている。一方、店舗サービステーブルは、店舗の識別番号(以下、店舗IDと称する)およびサービス内容(その店舗が実施しているサービスのサービスIDのリスト)が設定されている。なお、サービスデータIDおよび店舗IDがプライマリーキーとなっている。
【0032】
〔サービスデータの登録更新処理〕
以下に、図4から図8のフローチャートを用いて本実施形態におけるサービスデータの閲覧,登録および更新処理の流れを説明する。
〔認証処理〕
図4は、本実施形態における認証処理の流れを表すフローチャートである。まず、統括者Aまたは店舗Cの店員等(以下、操作者と称する)は端末Tを操作し、端末Tのサービスデータ更新要求部21からサーバSのサービスデータ管理部13に対してアクセスを要求する(#01)。アクセス要求を受けたサービスデータ管理部13の認証部13aは、サービスデータ更新要求部21に対して、認証データ(アカウント名,パスワード)を要求する(#02)。認証データを要求されたサービスデータ更新要求部21は、操作者が入力した認証データもしくは予め登録されている認証データを認証部13aに送信する(#03)。認証データを受信した認証部13aは、認証データと認証データベースの登録内容とを照合する(#04)。受信した認証データが認証データベースの内容と一致した場合には(#04のYes分岐)、その端末Tからのアクセスを許可し、認証データベースから認証アカウントのアカウント種別と所属グループとを取得しておく(#05)。一方、認証データが認証データベースの内容と一致しない場合には(#04のNo分岐)、その端末Tからのアクセスを拒否し、通信を終了させる(#06)。
【0033】
アクセスを許可された端末Tからはサービスデータ管理部13に対する処理要求が可能となる。本実施形態では、処理要求の種別として、サービスデータの“閲覧”,“登録(新規登録)”および“更新(削除を含む更新登録)”を用いている。以下に、各処理の流れを説明する。
【0034】
〔サービスデータの登録処理〕
図5は、サービスデータの登録(新規登録)処理の流れを表すフローチャートである。まず、サービスデータを登録したい端末Tの操作者は、上記の認証処理によりアクセスの許可を得る(#11)。このとき、サービスデータ管理部13は、認証部13aから認証したアカウント,アカウント種別,所属グループおよび所属グループ(以下、アカウント情報と称する)を取得する(#12)。
【0035】
アクセスを許可された端末Tの操作者は、端末Tを操作し、登録したいサービスデータ,そのサービスデータのデータ種別,パーミッションフラグをサービスデータ更新要求部21からサービスデータ管理部13に送信する(#13)。
【0036】
登録すべきサービスデータとパーミッションフラグを取得したサービスデータ管理部13は、サービスデータIDを発行し、データ種別,パーミッションフラグ,サービスデータ,登録アカウントとしての認証アカウント,所属グループとともにサービスデータ記録部14に記録する(#14)。
【0037】
〔サービスデータの閲覧処理〕
図6は、サービスデータの閲覧処理の流れを表すフローチャートである。まず、サービスデータを閲覧したい端末Tの操作者は、上記の認証処理によりアクセスの許可を得る(#21)。このとき、サービスデータ管理部13は、認証部13aから認証したアカウント情報を取得する(#22)。
【0038】
アクセスを許可された端末Tの操作者は、端末Tを操作し、サービスデータ更新要求部21からサービスデータ管理部13に対して、サービスデータの閲覧要求を送信する(#23)。このとき、閲覧すべきサービスデータを絞り込むための絞込条件を設定することもできる。絞込条件は、例えば、サービスデータの種類,登録/更新日時等を用いることができる。この絞込条件により、迅速に所望のサービスデータを閲覧することができる。
【0039】
サービスデータ更新要求部21から閲覧要求を受けたサービスデータ管理部13は、サービスデータ記録部14に記録されているサービスデータのうち、認証アカウントに対して閲覧パーミッションが与えられたサービスデータを抽出する(#24)。具体的には、図7のフローチャートの処理が行われる。
【0040】
まず、アカウント情報に基づいて認証アカウントのアカウント種別が統括者であるか否かが判定される(#31)。上述したように、統括者Aは自身が登録したサービスデータおよび自身が統括するグループに属するグループ店舗Cgが登録したサービスデータを閲覧することができる。そのため、認証アカウントが統括者である場合には(#31のYes分岐)、サービスデータ管理部13は以下のSQLにより所属グループがアカウント情報の所属グループ(SQLでは、アカウント情報.所属グループと表記する)に一致するサービスデータを抽出する(#34)。
SELECT FROM サービスデータテーブル
WHERE 所属グループ = アカウント情報.所属グループ
【0041】
一方、認証アカウントが店舗の場合には(#31のNo分岐)、まず、認証アカウント自身が登録したサービスデータを閲覧することができる。そのため、以下のSQLにより、自身が登録したサービスデータを抽出する(#32)。
SELECT FROM サービスデータテーブル
WHERE 登録アカウント = 認証アカウント
また、グループ店舗Cgは自身が属するグループの統括者Aが登録し、閲覧パーミッションを与えているサービスデータの閲覧も可能である。そのようなサービスデータは以下のSQLにより抽出することができる(#33)。なお、グループ店舗Cgが属するグループの統括者Aのアカウントは認証部13aに問い合わせて、取得しているものとする。
SELECT FROM サービスデータテーブル
WHERE アカウント種別 登録アカウント = 統括者Aのアカウント
AND パーミッションフラグ = r*
【0042】
このようにして抽出されたサービスデータは、端末Tにおいて閲覧可能なデータに変換された後、サービスデータ更新要求部21に送信される(#25)。
【0043】
閲覧可能な状態のサービスデータを取得したサービスデータ更新要求部21は、そのサービスデータを端末Tに接続されているディスプレイDに表示する(#26)。
【0044】
〔サービスデータの更新処理〕
図8は、サービスデータの更新(削除を含む更新登録)処理の流れを表すフローチャートである。まず、サービスデータを更新したい端末Tの操作者は、上記の認証処理によりアクセスの許可を得る(#41)。このとき、サービスデータ管理部13は、認証部13aから認証したアカウント情報を取得する(#42)。
【0045】
アクセスを許可された端末Tの操作者は、更新すべきサービスデータを特定するために、サービスデータの閲覧を行う(#43)。なお、本実施形態では、サービスデータの更新処理に先立ち、サービスデータの閲覧を行っているがこの処理は必須ではなく、省略することは可能である。
【0046】
操作者は、更新もしくは削除すべきものを選択するとともに、更新もしくは削除を設定し、更新する場合には更新後のサービスデータを設定する(#44)。ここで設定された内容(以下、更新データ)は、サービスデータ更新要求部21からサービスデータ管理部13に送信される(#45)。
【0047】
処理要求を受けたサービスデータ管理部13は、認証アカウントが受信した更新データに含まれるサービスデータ(以下、更新対象サービスデータと称する)に対する更新が可能か否かを判定する(#46)。具体的には、認証アカウントが更新対象サービスデータの登録アカウントである場合、または、更新対象サービスデータの登録アカウントの所属グループと認証アカウントの所属グループが同一であり更新対象サービスデータのパーミッションフラグが*wである場合に(#46のYes分岐)、更新が許可される。このとき、サービスデータ管理部13は、サービスデータ記録部14の内容を受信したデータにより更新する(#47)。
【0048】
一方、認証アカウントに更新許可が与えられていない場合には、サービスデータ管理部13はサービスデータ更新要求部21に対して、更新許可が与えられていない旨を通知する(#48)。
【0049】
〔注文処理〕
図9は、本実施形態における注文処理の流れを表すフローチャートである。まず、画像プリントを注文したい顧客は、顧客端末のWEBブラウザを操作して、http://www.abc.comにアクセスする(#51)。このアクセスにより、WEBサーバ部11にはhttpリクエストが送信される。
【0050】
WEBサーバ部11は、httpリクエストの内容に応じて、サービスデータ管理部13を介してサービスデータ記録部14の内容を取得する(#52)。具体的には、ポータルサイトに出店している店舗Cの一覧や、各店舗Cのサービス一覧等である。このとき、サービスデータ管理部13は、必要に応じてSQLを実行し、サービスデータ記録部14の内容を取得する。このようして取得されたサービスデータに対して必要なデータを付加し、整形したhttpレスポンスを顧客端末に送信する(#53)。顧客端末のWEBブラウザは、このhttpレスポンスを受けて表示を行う(#54)。例えば、WEBブラウザには、店舗Cの一覧や各店舗のサービス一覧等が表示される。
【0051】
顧客は、WEBブラウザの操作によるWEBサーバ部11とのインタラクションにより、自宅の近所の店舗Cや、所望のサービスを提供している店舗Cを選択し、使用する画像データや画像プリントの内容(注文データ)を決定する(#55)。なお、インタラクションを通じて逐次決定される注文情報は、cookie等の技術を用いることにより一時記憶することができる。
【0052】
顧客の操作により注文が確定すると(#56のYes分岐)、注文データは注文データ処理部12に送られる。
【0053】
注文データを取得した注文データ処理部12は、注文データを参照して注文先の店舗Cを特定する(#57)。その後、注文データ処理部12は、特定した店舗Cの端末Tの注文データ取得部22にアクセスし、注文データを送信する(#58)。注文データを受けた店舗Cは、注文データに基づいて画像プリントを作成し、顧客に提供する。
【0054】
〔別実施形態〕
(1)上述の実施形態では、サービスデータを更新等するための通信は独自プロトコルを用いたが、httpを用いても構わない。これにより、端末T側は特別な構成が不要となる。この場合には、WEBブラウザがデータ更新要求部21として機能する。
【0055】
(2)上述の実施形態では、注文データはサーバSから店舗Cの端末Tに送信する構成としたが、これに限定されるものではなく、店舗Cの端末からサーバSに記録されている注文データを取得する構成としても構わない。また、サーバSは注文を受けた時点で注文データを送信する構成としたが、1日の所定時刻にまとめて送信する構成としても構わない。さらに、注文データの送信は独自プロトコルとしたが、電子メールによる送信としても構わない。この場合には、店舗Cに備えられている端末TuのMDA(Mail Delivery Agent)とMUA(Mail User Agent)とが協働して注文データ取得部22として機能する。
【0056】
(3)上述の実施形態では、一の注文データは一の店舗Cに送信される構成としたが、一の注文データに複数の店舗Cに対する注文を含め、注文データ処理部12が各店舗Cに注文データを割り振って送信する構成としても構わない。また、注文データには一の店舗Cのみが指定されているが、その店舗Cでは提供されていないサービスに対する注文が含まれている場合に、そのサービスに対する注文を指定された店舗と同じグループに属するグループ店舗Cgに送信するよう構成しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、サーバ上に管理されている複数の企業のデータを管理するデータ管理技術に利用することができる。
【符号の説明】
【0058】
A:統括者
C:店舗
Cg、Cg1、Cg2:グループ店舗
Ci:独立店舗
S:サーバ
T:端末
Ta:統括者端末
Tu:店舗端末
D:ディスプレイ
11:WEBサーバ部
12:注文データ処理部
13:サービスデータ管理部
13a:認証部
14:サービスデータ記録部
21:サービスデータ更新要求部
22:注文データ取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のグループに属する複数の店舗が提供するサービスに関するサービスデータを管理するサービスデータ管理部を有するサーバを備え、
前記サービスデータには、前記グループに属する店舗に共通な共通サービスデータと、前記店舗独自の独自サービスデータとが含まれており、
少なくとも前記共通サービスデータに対する処理を要求する共通サービスデータ更新要求部を有する第1の端末と、
少なくとも各々の前記店舗が登録した前記独自サービスデータに対する処理を要求する独自サービスデータ更新要求部を有する第2の端末と、を備えたことを特徴とするデータ管理システム。
【請求項2】
前記サービスデータには、前記第1の端末または前記第2の端末からの当該サービスデータに対する処理の可否を表す処理許可情報が設定されており、
前記サービスデータ管理部は、前記第1の端末または前記第2の端末から前記サービスデータに対する処理を要求された際に、当該サービスデータに設定されている前記処理許可情報に基づいて当該処理の可否を決定することを特徴とする請求項1記載のデータ管理システム。
【請求項3】
サーバに管理されている、所定のグループに属する複数の店舗が提供するサービスに関するサービスデータを管理するデータ管理方法であって、
前記サービスデータには、前記グループに属する店舗に共通な共通サービスデータと、前記店舗独自の独自サービスデータとが含まれており、
前記サーバとネットワークで接続された端末から前記サービスデータに対する処理の要求を受けた際に、当該サービスデータが前記共通サービスデータであり当該要求が前記グループの代表者によるものである場合、もしくは、当該サービスデータが前記独自サービスデータであり当該要求が当該独自サービスデータを登録した店舗によるものである場合に当該処理を許可するデータ管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−76330(P2011−76330A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226470(P2009−226470)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)