データ転送を簡略化するシステム及び方法
【課題】簡単な操作で電子デバイス間のデータ転送を実現する。
【解決手段】簡略化データ転送を実行するシステム及び方法が提供される。例えば簡略化データ転送システムは、簡略化データ転送を実行するように構成された2つ以上のデバイスを含んでもよい。第1のデバイスは、第1のデバイスでオープンアプリケーションと関連付けられたデータを保存及び転送するように構成されてもよい。第2のデバイスが通信を開始した場合、第1のデバイスはオープンアプリケーションのデータを第2のデバイスに自動的に送出してもよい。
【解決手段】簡略化データ転送を実行するシステム及び方法が提供される。例えば簡略化データ転送システムは、簡略化データ転送を実行するように構成された2つ以上のデバイスを含んでもよい。第1のデバイスは、第1のデバイスでオープンアプリケーションと関連付けられたデータを保存及び転送するように構成されてもよい。第2のデバイスが通信を開始した場合、第1のデバイスはオープンアプリケーションのデータを第2のデバイスに自動的に送出してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電子デバイス間で情報を転送することに関し、特に、簡易な方法で1つ以上の電子デバイスを介して情報を転送することに関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、以下に記載及び請求される本発明の種々の態様に関連しうる技術の種々の態様を紹介することを意図する。この説明は、本発明の種々の態様を理解し易くする背景情報を提供するのに有用であると考えられる。従って、本明細書は、従来技術の認識としてではなく上述の観点から解釈されるものであることが理解されるべきである。
【0003】
電子デバイスは、データを表示及び操作するアプリケーションを実行できてもよい。従って、データが第2の電子デバイスから第1の電子デバイスに転送されると仮定すると、第1のデバイスは、第2のデバイスからのデータを表示、操作又は格納できてもよい。ユーザが同様の能力を有する2つの電子デバイスにアクセスできる可能性があるが、2つのデバイス間でデータを共有することは困難さの異なる複数のステップを含む可能性がある。デバイス間でデータを転送する処理は、保存するデータ、データを保存する場所、各デバイスが処理できる形式、最も効果的なデータ転送を行うためのデバイスの相互接続の方法等の多くのユーザ決定を含む可能性がある。そのような複雑さは、2つの電子デバイス間でデータを転送する困難さ又はそれに費やす時間を増加するだろう。
【発明の概要】
【0004】
記載された実施形態の範囲内の相応の特定の態様について以下に説明する。これらの態様は、本発明がとる可能性のある特定の形態の簡単な概要を読み手に提供するためにのみ提示され、本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるべきである。実際には、本発明は、以下に説明する種々の態様を含んでもよい。
【0005】
簡略化データ転送を実行するシステム及び方法が提供される。例えば、簡略化データ転送システムは、簡略化データ転送を実行するように構成された2つ以上のデバイスを含んでもよい。第1のデバイスは、第1のデバイスにおいてオープンアプリケーションと関連したデータを保存及び転送するように構成されてもよい。第2のデバイスが通信を開始した場合、第1のデバイスはオープンアプリケーションのデータを第2のデバイスに自動的に送出してもよい。
【0006】
簡略化データ転送を実行する方法は、2つのデバイス間で近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)を使用した通信の開始を含んでもよい。次に、2つのデバイスのうち一方のデバイスにおけるオープンアプリケーションと関連したデータは、保存され、他方のデバイスに転送されてもよい。データの転送は、NFCを介するのではなくピアツーピア接続を使用して行われてもよい。
【0007】
本発明の利点は、以下の詳細な説明及び図面からより明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】簡略化データ転送を行うように構成された電子デバイス10の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の電子デバイスの一実施形態を表すハンドヘルドデバイスを示す概略図である。
【図3】図1の電子デバイスの一実施形態を表すコンピュータを示す概略図である。
【図4】図1の電子デバイスの一実施形態を表すスタンドアロンメディアプレーヤを示す概略図である。
【図5】図1の電子デバイスの一実施形態を表すリモートコントローラを示す概略図である。
【図6】図1の電子デバイスの一実施形態を表すゲームコントローラを示す概略図である。
【図7】例えば図1の電子デバイスに格納されてもよいポインタ、オープンアプリケーション及び/又は関連するユーザデータであるデバイス状態を示す概略図である。
【図8A】、
【図8B】、
【図8C】、
【図8D】、
【図8E】図1の電子デバイスの2つの実施形態間で簡略化データ転送を実行する種々の構成を示す概略図である。
【図9A】、
【図9B】、
【図9C】、
【図9D】、
【図9E】、
【図9F】図1の電子デバイスの3つの実施形態間で「デュアル」簡略化データ転送を実行する種々の構成を示す概略図である。
【図10】図1の電子デバイスの2つの実施形態間でデータを転送する簡略化データ転送システムを示すブロック図である。
【図11】図10の簡略化データ転送システムの動作を一般的に説明するフローチャートである。
【図12A】、
【図12B】、
【図12C】、
【図12D】図10の簡略化データ転送システムに関連してもよいユーザ環境設定を示す概略図である。
【図13】図10の簡略化データ転送システムにより採用されてもよい潜在的な通信チャネルを示す概略図である。
【図14】図10の簡略化データ転送システムの初期化をNFC(Near Field Communication)を介して行う一実施形態を示す概略図である。
【図15】図14の開始中に行われる通信を示す概略図である。
【図16】図14の開始を実行する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図17A】、
【図17B】、
【図17C】図10の簡略化データ転送システムの開始を実行する別の実施形態を示す概略図である。
【図18A】、
【図18B】図10の簡略化データ転送システムの開始を実行する別の実施形態を示す概略図である。
【図19】図17及び図18の開始を実行する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図20】図19のフローチャートにおけるネットワーク通信を開始する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図21】図14乃至図16の開始後に表示するスマートプロンプトを判定する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図22A】、
【図22B】図21の方法で発行されうるプロンプトを示す概略図である。
【図23】スマートプロンプトを表示するか否かを判定する方法の別の実施形態を説明するフローチャートである。
【図24A】、
【図24B】図23のフローチャートの判定に基づいて表示されうるコンテキストプロンプトを示す概略図である。
【図25】図10の簡略化データ転送システムのデータ転送を実行する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図26A】、
【図26B】図10の簡略化データ転送システムにおいてデータを受信した後の受信デバイスによる例示的な応答を示す概略図である。
【図27】図10の簡略化データ転送システムにおいて転送されるユーザデータを表示する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図28】図10の簡略化データ転送システムにおいてユーザデータを受信した後の受信デバイスによる別の例示的な応答を示す概略図である。
【図29】図10の簡略化データ転送を実行する例示的な方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図30】図10の簡略化データ転送システムを使用する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図31A】、
【図31B】簡略化データ転送システムの遅延転送を示すブロック図である。
【図32A】、
【図32B】図31A及び図31Bの簡略化データ転送システムの遅延転送の方法の実施形態を説明するフローチャートである。
【図33A】、
【図33B】、
【図33C】3つのデバイスの簡略化データ転送システムを示すブロック図である。
【図34A】、
【図34B】、
【図34C】図33A乃至図33Cの3つのデバイスの簡略化データ転送システムを実行する方法の実施形態を説明するフローチャートである。
【図35A】、
【図35B】図33A乃至図33C及び図34A乃至図34Cの簡略化データ転送システムを使用してデータを転送するためのデータドロッププロンプトを示す概略図である。
【図36】図33A乃至図33C及び図34A乃至図34Cの簡略化データ転送技術を使用する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図37】リモートストレージの場所を介する作業デバイスとパーソナルデバイスとの間の簡略化データ転送を示すブロック図である。
【図38】図37の簡略化データ転送を実行する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図39】作業デバイスとパーソナルデバイスとの間の直接接続を確立する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図40】作業デバイスとパーソナルデバイスとの間の簡略化データ転送を示すブロック図である。
【図41】図40の簡略化データ転送を実行する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図42】図37又は図40の簡略化データ転送のために作業デバイスに表示されうる画面を示す概略図である。
【図43】図37又は図40の簡略化データ転送のために作業デバイスに表示されうる別の画面を示す概略図である。
【図44A】、
【図44B】、
【図44C】、
【図44D】図37又は図40の簡略化データ転送のためにパーソナルデバイスに表示されうる画面を示す概略図である。
【図45A】、
【図45B】、
【図45C】図37又は図40の簡略化データ転送のためにパーソナルデバイスに表示されうる他の画面を示す概略図である。
【図46A】、
【図46B】図37又は図40の簡略化データ転送のためにパーソナルデバイスに表示されうる他の画面を示す概略図である。
【図47A】、
【図47B】、
【図47C】、
【図47D】、
【図47E】図37又は図40の簡略化データ転送のためにパーソナルデバイスに表示されうる他の画面を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
多くの人は、日々2つ以上の電子デバイスを使用するが、1つのデバイスから別のデバイスへのデータの転送は煩わしいことがある。例えば、ユーザは、家を出る際にホームコンピュータで見つけたオンライン地図を電話に入れていきたいだろう。このようにすることは、複雑あるいは困難である場合がある。以下で説明する技術により、ユーザは2つ以上のデバイス間でデータを容易に転送できる。以下に説明する技術を使用すると、ユーザは、ホームコンピュータに対して単に電話を接続することによりオンライン地図をホームコンピュータから電話に転送できる。
【0010】
最初に図1を参照すると、電子デバイス10は簡略化データ転送を行うように構成されてもよい。図2乃至図6を参照して以下に説明するように、電子デバイス10は、特に以下に詳細に説明する簡略化データ転送技術を実行するように構成されたハンドヘルドデバイス、コンピュータ、メディアプレーヤ、リモートコントローラ又はゲームコントローラを表してもよい。従って、電子デバイス10は、例えばアップル社から市販されているiPhone(登録商標)又はiPod(登録商標)、iMac(登録商標)又はMacBook(登録商標)、AppleTV(登録商標)又は当該AppleTVのリモートコントローラ、あるいは他のあらゆる製造業者による同様のデバイスを表してもよい。
【0011】
電子デバイス10は、以下に詳細に説明する簡略化データ転送の技術を実行するように構成されてもよいため、図7を参照して以下に説明するようにデータを格納及び処理できてもよい。電子デバイス10の実施形態は、図8及び図9を参照して概して説明されるような簡易な方法でデータを転送してもよい。図10乃至図37を参照して、簡略化データ転送技術を以下に更に詳細に説明する。
【0012】
図1を参照すると、電子デバイス10は、少なくとも1つの中央処理装置(CPU)12を含んでもよい。例えば、CPU12は1つ以上のマイクロプロセッサを表してもよく、マイクロプロセッサは「汎用」マイクロプロセッサ、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの組合せ、あるいはASICであってもよい。更に又はその代わりに、CPU12は、1つ以上の縮小命令セット(RISC)プロセッサ、ビデオプロセッサ又は関連するチップセットを含んでもよい。CPU12は、オペレーティングシステムを実行し、種々のアプリケーションを実行し及び/又は本明細書で説明する1つ以上簡略化データ転送技術の処理を提供する処理機能を提供してもよい。
【0013】
メインメモリ14は、CPU12に通信可能に接続されてもよく、データ及び実行可能コードを格納してもよい。メインメモリ14は、RAM等の揮発性メモリを表してもよいが、読み出し専用メモリ(ROM)又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含んでもよい。CPU12の動作に関連するデータをバッファリング又はキャッシングする際、メインメモリ14は、電子デバイス10で実行しているオープンアプリケーションと関連したユーザデータを格納してもよい。
【0014】
電子デバイス10は、不揮発性記憶装置16を更に含んでもよい。不揮発性記憶装置16は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ又はハードディスク等のあらゆる適切な不揮発性記憶媒体を表してもよい。不揮発性記憶装置16は、長期記憶に適しているため、メディア(例えば、音楽及びビデオファイル)、ソフトウェア(例えば、電子デバイス10において機能を実現するためのソフトウェア)、好みの情報(例えば、メディア再生の好み)、生活様式情報(例えば、食べ物の好み)、運動情報(例えば、運動監視機器により取得された情報)、取引情報(例えば、クレジットカード情報等の情報)、無線接続情報(例えば、メディアデバイスが電話接続等の無線接続を確立することを可能にする情報)、加入情報(例えば、ポッドキャスト又はテレビ番組又はユーザが加入している他のメディアのレコードを維持する情報)、並びに電話情報(例えば、電話番号)等のデータファイルを格納してもよい。オープンアプリケーションと関連付けられたユーザデータは、不揮発性記憶装置16に保存されてもよいことが理解されるべきである。
【0015】
ディスプレイ18は、電子デバイス10に対して画像及びデータを表示してもよい。ある特定の実施形態のみがディスプレイ18を含んでもよいことが理解されるべきである。ディスプレイ18は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、あるいはアナログ又はデジタルテレビ受像器等のあらゆる適切なディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態において、ディスプレイ18は、ユーザが電子デバイス10とインタラクションする際に介するタッチスクリーンとして機能してもよい。
【0016】
電子デバイス10は、ユーザインタフェース20を更に含んでもよい。ユーザインタフェース20は、表示灯及びユーザ入力命令を表してもよいが、ディスプレイ18上のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含んでもよい。実際には、ユーザインタフェース20は、メインメモリ14のメモリ及び不揮発性記憶装置16の長期記憶を使用してCPU12を介して動作してもよい。ディスプレイ18を有さない一実施形態において、表示灯、サウンドデバイス、ボタン及び他の種々の入出力(I/O)デバイスにより、ユーザは電子デバイス10とインタラクションできる。GUIの一実施形態において、ユーザインタフェース20により、ユーザは種々のユーザ入力構造を介するディスプレイ18上のインタフェース要素、キーボード又はマウス等のユーザ入力周辺装置、あるいはディスプレイ18のタッチセンサ実装とインタラクションできてもよい。
【0017】
理解されるべきであるように、1つ以上のアプリケーションはオープンであって、ユーザインタフェース20を介してユーザによりアクセス可能であり、電子デバイス10のディスプレイ18に表示されうる。アプリケーションは、メインメモリ14、不揮発性記憶装置16、ディスプレイ18及びユーザインタフェース20と共にCPU12で実行してもよい。ユーザデータは、各オープンアプリケーションと関連付けられてもよい。以下に更に詳細に説明するように、電子デバイス10のメインメモリ14、不揮発性記憶装置16又はCPU12に格納された命令により、電子デバイス10で実行しているオープンアプリケーションと関連した、該当するユーザデータの別の電子デバイス10への簡略化転送が可能になってもよい。ユーザがユーザデータを1つの電子デバイス10から別の電子デバイス10に転送するための複数の複雑なステップを行うことを要求するのではなく、以下に説明するように、ユーザデータは最小のユーザの労力で自動的に転送されてもよい。従って、簡略化データ転送を実行する命令は、スタンドアロンアプリケーション、オペレーティングシステムの機能、あるいはCPU12、メインメモリ14又は不揮発性記憶装置16のハードウェアの機能を表してもよい。
【0018】
特定の実施形態において、電子装置10は位置検出回路網22を含んでもよい。位置検出回路網22は、別個の全地球測位システム(GPS)回路網を表してもよいが、不揮発性記憶装置16又はメインメモリ14に格納され、CPU12により実行されるアルゴリズムを表してもよい。これは、種々の観察された要素に基づいて位置を推定するために使用されてもよい。例えば位置検出回路網22は、ローカル802.11x(Wi−Fi)ネットワークの検出又は近傍の携帯電話塔に基づいて地理的場所を近似するアルゴリズムを表してもよい。以下に説明するように、電子デバイス10は、スマートデータ転送を実行する要素として位置検出回路網22を採用してもよい。例えば位置検出回路網22は、電子デバイス10が簡略化データ転送に最も効果的なネットワークを適切に判定することを支援してもよい。
【0019】
継続して図1を参照する。電子デバイス10は、1つの電子デバイス10と別の電子デバイス10との間の有線相互接続のための有線入出力(I/O)インタフェース24を更に含んでもよい。有線I/Oインタフェース24は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート又はFireWire(登録商標)ポートを表してもよいが、専用の接続を表してもよい。更に有線I/Oインタフェース24は、キーボード又はマウス等のユーザ入力周辺装置への接続を可能にしてもよい。
【0020】
1つ以上のネットワークインタフェース26は、電子デバイス10に対する追加の接続性を提供してもよい。ネットワークインタフェース26は、例えば1つ以上のネットワークインタフェースカード(NIC)又はネットワークコントローラを表してもよい。特定の実施形態において、ネットワークインタフェース26は、パーソナルエリアネットワーク(PAN)インタフェース28を含んでもよい。PANインタフェース28は、例えばBluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE802.15.4(例えば、ZigBee)ネットワーク又は超広帯域ネットワーク(UWB)とネットワーク接続する機能を提供してもよい。理解されるべきであるように、PANインタフェース28によりアクセスされたネットワークは、必須ではないが低電力、低帯域幅又は近距離無線接続を表してもよい。PANインタフェース28は、1つの電子デバイス10がアドホック又はピアツーピア接続を介して別のローカル電子デバイス10に接続することを可能にしてもよい。しかし、2つの電子デバイス10間の間隔がPANインタフェース28の範囲を超える場合、接続は切断されうる。
【0021】
ネットワークインタフェース26は、ローカルエリアネットワーク(LAN)インタフェース30を更に含んでもよい。LANインタフェース30は、有線イーサネット(登録商標)を用いたネットワークへのインタフェースを表してもよいが、IEEE802.11x無線ネットワーク等の無線LANへのインタフェースを表してもよい。LANインタフェース30の範囲は、一般にPANインタフェース28を介して利用可能な範囲を超えてもよい。また、多くの場合、LANインタフェース30を介する2つの電子デバイス10間の接続は、ネットワークルータ又は他の中間デバイスを介する通信を含んでもよい。
【0022】
電子デバイス10のいくつかの実施形態の場合、ネットワークインタフェース26は、WANインタフェース32を介するワイドエリアネットワーク(WAN)に直接接続する機能を含んでもよい。WANインタフェース32は、GSM(登録商標)拡張版向けの高速データレート(EDGE)ネットワーク又は他の3Gネットワーク等のセルラデータネットワークへの接続を可能にしてもよい。WANインタフェース32を介して接続された場合、PANインタフェース28又はLANインタフェース30を介する接続性を切断しうる位置の変化があるにも関わらず、電子デバイス10はインターネット及びいくつかの実施形態においては別の電子デバイス10と接続されたままでもよい。以下に説明するように、有線I/Oインタフェース24及びネットワークインタフェース26は、本明細書で説明する簡略化データ転送技術を使用してユーザデータを転送する高帯域幅通信チャネルを表してもよい。
【0023】
電子デバイス10の特定の実施形態は、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)インタフェース34を更に含んでもよい。NFCインタフェース34は、相対的に遅いデータ転送速度(464kb/s)で超近距離通信を可能にしてもよく、ISO18092又はISO21481等の規格に準拠してもよく、あるいは相対的に速いデータ転送速度(例えば、560Mbps)で近距離通信を可能にしてもよく且つTransferJet(登録商標)プロトコルに準拠してもよい。NFCインタフェース34は、約2乃至4cmの範囲を有してもよい。NFCインタフェース34との近距離通信は磁界誘導を介して行われ、これにより、NFCインタフェース34は他のNFCインタフェース34と通信できるか又は電波方式認識(RFID)回路網を有するタグから情報を検索できる。以下に説明するように、NFCインタフェース34は、1つの電子デバイス10から別の電子デバイス10へのユーザデータの簡略化された転送を開始するか又は容易にする方法を提供してもよい。
【0024】
図2乃至図6は、図1の電子デバイス10の種々の特定の実施形態を示す。図2乃至図6に示した電子デバイス10の特定の実施形態は代表例であり、限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるべきである。最初に図2を参照すると、ハンドヘルドデバイス36は、図1の電子デバイス10の一実施形態を表してもよい。一例として、ハンドヘルドデバイス36は、アップル社から市販されているiPhone又はiPod等の携帯電話又は携帯メディアプレーヤであってもよい。
【0025】
ハンドヘルドデバイス36は、プラスチック、金属、複合材料又はあらゆる組合せの他の適切な材料から成る筺体38を有してもよい。筺体38は、ハンドヘルドデバイス36の内部構成要素を物理的損傷及び電磁妨害(EMI)から保護してもよい。更に筺体38は、無線通信をし易くするために特定の周波数の電磁放射をハンドヘルドデバイス36内の無線通信回路網まで通過させてもよい。
【0026】
ハンドヘルドデバイス36のディスプレイ18は、GUIの形態のユーザインタフェース20を含んでもよく、起動されうるアプリケーションを表す複数の個々のアイコンを有してもよい。ハンドヘルドデバイス36のいくつかの実施形態において、ディスプレイ18はタッチセンシティブ入力装置としての役割を果たしてもよく、アイコンは触れることにより選択されてもよい。いくつかの実施形態において、簡略化データ転送アプリケーションアイコン40はユーザにより選択可能であってもよい。本明細書において、簡略化データ転送アプリケーションは「Grab & Go」で示され、アイコン40を選択することにより電子デバイス10が別の電子デバイス10のオープンアプリケーションからデータを「取り込み(grab)」、ユーザがそのデータを「持ち歩く(go)」ことができることをユーザに示す。
【0027】
簡略化データ転送アプリケーションアイコン40が選択される場合、簡略化データ転送アプリケーションが開いてもよい。簡略化データ転送アプリケーションは、本明細書で説明する簡略化データ転送技術を使用してデータ転送を容易にしてもよい。ハンドヘルドデバイス36のディスプレイ18上のユーザインタフェース20は、状態表示アイコン42を更に含んでもよく、ハンドヘルドデバイス36の構成要素の状態を示す。例えば状態表示アイコンは、携帯受信状態メータ、PANインタフェース28がアクティブである場合を示すアイコン、又はバッテリ寿命メータを含んでもよい。
【0028】
ハンドヘルドデバイス36は、例えばデバイスの下部に配置された有線I/Oインタフェース24を使用して別の電子デバイス10に接続してもよい。例えば有線I/Oインタフェース24は、USB又はFireWireを介してハンドヘルドデバイス36及び別の電子デバイス10を相互接続するための専用の接続であってもよい。デバイスは、接続されると同期及び/又は特定のデータを転送してもよい。特にハンドヘルドデバイス36上の有線I/Oインタフェース24は、本明細書で説明する技術に従って簡略化データ転送を行うために別の電子デバイス10への通信チャネルを可能にしてもよい。
【0029】
ユーザ入力構造44、46、48及び50は、ユーザインタフェース20とインタラクションするためにディスプレイ18のタッチセンシティブ入力機能を補足又は置換してもよい。一例として、ユーザ入力構造44、46、48及び50は、ボタン、スイッチ、制御パッド、キー、ノブ、スクロールホイール又は他のあらゆる適切な入力構造を含んでもよい。ユーザ入力構造44及び46は、デバイスの機能を制御するためにディスプレイ18と共に動作してもよい。特に、ユーザ入力構造44は、ハンドヘルドデバイス36をロック又はアンロックするためのロック/アンロックスライドボタンであってもよい。ユーザ入力構造46は、デフォルト又はホーム画面にユーザインタフェース20をナビゲートするためのナビゲートボタンであってもよい。ユーザ入力構造48は、ユーザインタフェース20の画面を上下にナビゲートするか又は音量を制御するための一対のボタンであってもよい。ユーザ入力構造50はオン/オフボタンであってもよい。
【0030】
ハンドヘルドデバイス36の特定の実施形態は電話機能を含んでもよい。従って、ハンドヘルドデバイス36は、オーディオ入力構造52及びオーディオ出力構造54を含んでもよい。オーディオ入力構造52は、ユーザからオーディオデータを受信するための1つ以上のマイクであってもよく、オーディオ出力構造54は、セルラネットワークを介してハンドヘルドデバイス36により受信されたデータ等のオーディオデータを出力するためのスピーカであってもよい。特定の実施形態において、オーディオポート56は、ヘッドセット、スピーカ又はマイク等の周辺オーディオ入力装置及び周辺オーディオ出力装置がハンドヘルドデバイス36と共に使用されることを容易にしてもよい。
【0031】
上述したように、電子デバイス10のいくつかの実施形態はNFCインタフェース34を含んでもよい。図2に示したハンドヘルドデバイス36は、筺体38内のいかなる適切な場所にもNFCインタフェース34を含んでもよい。NFCインタフェース34が至近距離での通信を可能にしてもよいため、図2に示したように、ハンドヘルドデバイス36のNFCインタフェース34の場所は筺体38上に示されてもよい。NFCインタフェース34により、ハンドヘルドデバイス36は他のNFC対応の電子デバイス10との近距離無線通信(NFC)を行える。例えば以下に説明するように、NFCインタフェース34は、ハンドヘルドデバイス36と別の電子デバイス10との間で簡略化データ転送を開始する方法を提示してもよい。
【0032】
図3を参照すると、コンピュータ58は図1の電子デバイス10の別の実施形態を表してもよい。コンピュータ58は、デスクトップコンピュータ、サーバ又はノートブックコンピュータ等のどんなコンピュータであってもよく、スタンドアロンメディアプレーヤ又はゲーム機であってもよい。一例として、コンピュータ58はアップル社のiMac、MacBook又はAppleTVであってもよい。尚、コンピュータ58は別の製造業者のパーソナルコンピュータ(PC)を表してもよい。筺体60は、NFCインタフェース34を含むコンピュータ58の内部構成要素を保護してもよい。NFCインタフェース34は、ハンドヘルドデバイス36等の他のNFC対応の電子デバイス10とコンピュータ58との間の近距離通信を可能にしてもよい。
【0033】
コンピュータ58のディスプレイ18は、GUIの形態のユーザインタフェース20を表示してもよい。コンピュータ58のユーザインタフェース20は、コンピュータ58で実行するアプリケーションと関連付けられたあらゆるユーザデータを示してもよく、これは、本明細書では一般にデバイス状態と呼ばれ、図中符号62により示される。更にユーザインタフェース20は、コンピュータ58にインストールされたアプリケーションに関連した種々のアイコンを含んでもよい。そのようなアイコンの1つは、簡略化データ転送アプリケーションアイコン40であってもよい。簡略化データ転送アプリケーションアイコン40が選択された場合、簡略化データ転送アプリケーションを開いてもよい。簡略化データ転送アプリケーションは、本明細書で説明する簡略化データ転送技術を使用してデータ転送を容易にしてもよい。
【0034】
コンピュータ58のユーザは、有線I/Oインタフェース24を介してコンピュータ58に接続してもよいキーボード又はマウス等の種々の周辺入力装置に対するユーザインタフェース20とインタラクションしてもよい。有線I/Oインタフェース24は、ハンドヘルドデバイス36等の他の電子デバイス10をコンピュータ58に相互接続するための高帯域幅通信チャネルを更に提供してもよい。特定の実施形態において、コンピュータ58はネットワークインタフェース26を更に含んでもよい。
【0035】
図4は、図1の電子デバイス10の別の実施形態を表すスタンドアロンメディアプレーヤ64を示す。スタンドアロンメディアプレーヤ64は、本明細書で説明する簡略化データ転送技術により動作するように構成されてもよい。一例として、スタンドアロンメディアプレーヤ64はアップル社のAppleTVデバイスであってもよい。しかし、スタンドアロンメディアプレーヤ64は別の製造業者のメディアプレーヤを表してもよい。
【0036】
スタンドアロンメディアプレーヤ64の筺体38は、電子デバイス10の種々の構成要素を含んでもよい。例えば筺体38は、メディアファイル及びメディア再生ソフトウェアを格納する不揮発性記憶装置16、並びにメディアファイルを処理するCPU12を収容してもよい。PANインタフェース28及びLANインタフェース30等の無線ネットワークインタフェース26は筺体38内に配置されてもよく、これによりスタンドアロンメディアプレーヤ64は他の電子デバイス10と通信できるか又はインターネットに接続できる。スタンドアロンメディアプレーヤ64は、無線ネットワークインタフェース26を使用してメディアコンテンツを取得又はやり取りしてもよい。
【0037】
スタンドアロンメディアプレーヤ64は、特に表示灯/赤外線(IR)ポート66、並びにオーディオ/ビデオ(A/V)出力68を更に含んでもよい。表示灯/IRポート66は、リモートコントローラからIR制御信号を受信し、スタンドアロンメディアプレーヤ64がオンの場合、オフの場合、コンテンツを受信又はやり取りしている場合、あるいは本明細書に説明する技術に従った簡略化データ転送の準備をしている場合をユーザに示してもよい。A/V出力68は、アナログ又はデジタルテレビ、あるいは他のメディア表示装置にスタンドアロンメディアプレーヤ64を接続する方法を提供してもよい。スタンドアロンメディアプレーヤ64は有線I/Oインタフェース24を更に含んでもよく、これにより、スタンドアロンメディアプレーヤ64は別の電子デバイス10への有線接続と迅速に通信できてもよい。
【0038】
スタンドアロンメディアプレーヤ64はNFCインタフェース34を更に含んでもよい。スタンドアロンメディアプレーヤ64は、NFCインタフェース34を使用して別のNFCインタフェース34を有する別の電子デバイス10と通信してもよい。以下に詳細に説明するように、スタンドアロンメディアプレーヤ64及び別の電子デバイス10は、NFCインタフェース34を介するNFC通信を使用してスタンドアロンメディアプレーヤ64に格納されたメディアの簡略化データ転送を開始してもよい。
【0039】
図5は、図4のスタンドアロンメディアプレーヤ64又は図3のコンピュータ58を制御するために使用されてもよいリモートコントローラ70を示す。例えばリモートコントローラ70は、図1の電子デバイス10の別の実施形態を表してもよく、本明細書で説明する簡略化データ転送技術を使用して動作するように構成されてもよい。一例として、リモートコントローラ70は、以下に説明する簡略化データ転送技術を実行するように構成されたAppleTVのリモートコントローラであってもよい。しかし、リモートコントローラ70は、簡略化データ転送技術を実行できるどんなリモートコントローラを表してもよいことが理解されるべきである。
【0040】
リモートコントローラ70の筺体38は、物理的損傷又は外部からの電磁放射からリモートコントローラ70の内部構成要素を保護してもよく、その一方でスタンドアロンメディアプレーヤ64又はコンピュータ58を制御するためにIR制御信号等の制御信号が出力されることを許可する。筺体38により保護された内部構成要素は、例えばCPU12、メインメモリ14、不揮発性記憶装置16、あるいはPANインタフェース28又はLANインタフェース30の無線ネットワークインタフェース26を含んでもよい。内部構成要素により、リモートコントローラ70は、以下に説明するようにデータを格納し、簡略化データ転送で当該データを転送できる。
【0041】
リモートコントローラ70は多機能ボタン72を含んでもよく、これによりユーザはメディアを再生、一時停止、早送り又は巻戻しでき、音量を下げたり上げたりでき、あるいはメニューをナビゲートできる。更にリモートコントローラ70は、スタンドアロンメディアプレーヤ64又はコンピュータ58をメインメニュー画面にナビゲートするメニューボタン74を含んでもよい。スタンドアロンメディアプレーヤ64又はコンピュータ58を制御するために、赤外線(IR)ウィンドウ76は、制御信号がリモートコントローラ70の筺体38から出力されることを可能にする。IRウィンドウ76から出力された制御信号は、スタンドアロンメディアプレーヤ64の表示灯/IRポート66により又はコンピュータ58に通信可能に接続されたIR周辺装置により受信されてもよい。
【0042】
図5に示したように、リモートコントローラ70はNFCインタフェース34を更に含んでもよい。リモートコントローラ70は、NFCインタフェース34を使用して別のNFCインタフェース34を有する別の電子デバイス10と通信してもよい。リモートコントローラ70及び他の電子デバイス10は、NFCインタフェース34を介するNFC通信を使用して、以下に更に詳細に説明する技術に従ってリモートコントローラ70に対して又はリモートコントローラ70から簡略化データ転送を開始してもよい。
【0043】
図6は、テレビゲームシステム、コンピュータ58又はスタンドアロンメディアプレーヤ64と共に使用するゲームコントローラ78を示す。ゲームコントローラ78は、以下に説明する簡略化データ転送技術を実行するように構成された図1の電子デバイス10の別の実施形態を表してもよい。ゲームコントローラ78は、別の電子デバイス10で実行しているゲームとインタラクションする方法を提供してもよい。ゲームコントローラ78の筺体38は、物理的損傷又は外部からの電磁放射からゲームコントローラ78の内部構成要素を保護してもよい。筺体38により保護された内部構成要素は、例えばCPU12、メインメモリ14、不揮発性記憶装置16、あるいはPANインタフェース28又はLANインタフェース30の無線ネットワークインタフェース26を含んでもよい。内部構成要素により、ゲームコントローラ78は以下に説明する簡略化データ転送技術を使用してユーザデータ(例えば、ゲーム保存データ、デジタル写真又は音楽)を格納及び転送できる。
【0044】
テレビゲームシステム、コンピュータ58又はスタンドアロンメディアプレーヤ64とインタフェースするために、ゲームコントローラ78は、方向パッド又は他の選択ボタン等の種々の制御ボタン80を含んでもよい。表示灯82は、特にゲームコントローラがオンの場合、オフの場合又は別の電子デバイス10と通信している場合をユーザに示してもよい。
【0045】
ゲームコントローラ78は、NFCインタフェース34を更に含んでもよい。ゲームコントローラ78は、NFCインタフェース34を使用して別のNFCインタフェース34を有する別の電子デバイス10と通信してもよい。ゲームコントローラ78及び他の電子デバイス10は、NFCインタフェース34を介するNFC通信を使用して、以下に更に詳細に説明する技術に従ってゲームコントローラ78に対して又はゲームコントローラ78から簡略化データ転送を開始してもよい。
【0046】
上述したように、電子デバイス10は、多くの形態をとってもよく、多くの種々の機能を提供してもよい。しかし、それらの全てが1つの電子デバイス10の状態及び/又は1つの電子デバイス10上のデータを別の電子デバイスに転送するのに有用であるという意味で類似したものである。図7は、例えば図1の電子デバイス10で実行可能であるポインタ、オープンアプリケーション及び/又は関連したユーザデータであるデバイス状態を表してもよいデバイス状態62の一実施形態を示す概略図である。デバイス状態62の特定の要素は、以下に説明する簡略化データ転送技術を使用して、最小のユーザの労力で1つの電子デバイス10から別の電子デバイス10に転送されてもよい。デバイス状態62は、上記例を継続するために、図2のハンドヘルドデバイス36、図3のコンピュータ58、図4のスタンドアロンメディアプレーヤ64、図5のリモートコントローラ70又は図6のゲームコントローラ78に提示されてもよい。
【0047】
一例として、デバイス状態62は、Safari(登録商標)等のウェブブラウザ84、Numbers'08(登録商標)等の表計算アプリケーション86、Keynote'08(登録商標)等のプレゼンテーションアプリケーション88、iTunes(登録商標)等のメディア管理アプリケーション90、ゲームプラットフォーム92又はTimeMachine(登録商標)等の最近変更又は保存されたファイルを格納及びアクセスするバックアップアプリケーション94を含んでもよい。デバイス状態62のアプリケーションは、電子デバイス10のオペレーティングシステムとは無関係に実行してもよく又は電子デバイス10のオペレーティングシステムの一部を形成してもよい。更に、Safari、Numbers'08、Keynote'08、iTunes及びTimeMachineはアップル社の製品であるが、デバイス状態62はあらゆるプラットフォーム用に設計されたあらゆる製造業者によるアプリケーションを含んでもよいことが理解されるべきである。
【0048】
デバイス状態62は、図7に示したアプリケーションより多くの又は少ないアプリケーションを含んでもよいことが理解されるべきである。特にハンドヘルドデバイス36は、地図アプリケーション又はオンラインビデオアプリケーションを含んでもよい。例えば、タスクに対してウェブブラウザ84を採用するのではなく、地図アプリケーションはオンライン地図を表示してもよく、オンラインビデオアプリケーションはオンラインビデオを再生してもよい。
【0049】
オープンアプリケーション84、86、88、90、92及び94の各々は、開かれているファイル又は各々と関連付けられた他のユーザデータを有してもよい。例えばウェブブラウザ84は、ウェブページ96又はオンライン地図98を表示してもよい。表計算アプリケーション86は表計算100を実行してもよい。プレゼンテーションアプリケーション88は、プレゼンテーション102を実行してもよい。メディア管理アプリケーション90は、プレイリスト106の一部であってもよい曲等の音楽ファイル104を再生してもよい。更に又はその代わりに、メディア管理アプリケーションは映画等のビデオファイル108を再生してもよい。ゲームプラットフォーム92はゲーム110を実行してもよい。バックアップアプリケーション94は、複数の最近のファイル112を維持してもよい。
【0050】
電子デバイス10のユーザは、所定の時間にアプリケーションを何個開いてもよく、各アプリケーションは関連付けられた1つ以上の開かれているファイル等のユーザデータを有してもよい。ユーザは、ユーザが作業している電子デバイス10からユーザの所有する別の電子デバイス10にデバイス状態62のユーザデータの一部又は全てを転送したい場合がある。各アプリケーションと関連付けられたユーザデータを手作業で個々に保存するのではなく、作業電子デバイス10からパーソナル電子デバイス10にユーザデータを手作業で転送すると、ユーザは以下に説明する技術に従う簡略化された方法でデバイス状態62のユーザデータ96、98、100、102、104、106、108、110及び/又は112を転送できる。
【0051】
図8A乃至図8Eは、2つの電子デバイス10の間で簡略化データ転送114を実行する種々の構成を示す。簡略化データ転送114はどんな2つの電子デバイス10の間でも行われてもよいため、図8A乃至図8Eに示す構成は代表例であり、限定するものではないことが理解されるべきである。
【0052】
最初に図8Aを参照すると、簡略化データ転送114は、コンピュータ58とハンドヘルドデバイス36との間で行われてもよい。一例として、ユーザは、予期しない会議に呼ばれた際に、コンピュータ58に大事な表計算を開いた状態で職場のデスクに座っている場合である。表計算を印刷する時間がない場合、ユーザは簡略化データ転送システム114を使用して、表計算のPDFをハンドヘルドデバイス36に容易に転送できる。知らされてからすぐであるにも関わらず、ユーザは簡略化データ転送システム114を使用することにより会議において表計算を自在に操作できる。
【0053】
次に図8Bを参照すると、簡略化データ転送114は、2つのハンドヘルドデバイス36A及び36Bの間で行われてもよい。例えばユーザは、ハンドヘルドデバイス36Aで開かれているオンライン地図を友人に属するハンドヘルドデバイス36Bに転送したい場合がある。ユーザは、簡略化データ転送114を使用してデバイスを触れ合わせることによりオンライン地図を容易に転送できる。
【0054】
図8Cは、簡略化データ転送114が2つのコンピュータ58A及び58Bの間で行われてもよいことを同様に示す。一例として、ユーザは作業コンピュータ58Aの前で仕事中である。ユーザは、ホームコンピュータ58Bで開いている文書が必要であったことに突然気が付く。ユーザは、オフィスにいたままで、簡略化データ転送114を使用して開いている文書を迅速且つ容易に検索できる。
【0055】
図8Dに示すように、簡略化データ転送114は、スタンドアロンメディアプレーヤ64とハンドヘルドデバイス36との間で行われてもよい。例えば、子供は家で、スタンドアロンメディアプレーヤ64で映画を観ている。自動車で出かける時間になったが、映画は終わっていない。親は、簡略化データ転送114を使用してスタンドアロンメディアプレーヤ64からハンドヘルドデバイス36に映画を転送できる。映画は、スタンドアロンメディアプレーヤ64をオフにしたところからハンドヘルドデバイス36で再生し始め、子供は自動車の中で映画を観終わることができる。
【0056】
図8Eを参照すると、簡略化データ転送114は、コンピュータ58とスタンドアロンメディアプレーヤ64との間で行われてもよい。一例として、ユーザは、同居人が寝ている間にコンピュータ58の音楽のプレイリストをヘッドホンで聴いている。同居人が起きた際に、ユーザは簡略化データ転送114を使用してプレイリストをスタンドアロンメディアプレーヤ64に転送し、ヘッドホン及びコンピュータ58をオフにしたところから大きな音で聴ける。
【0057】
多くの例において、ユーザは2つのリモート電子デバイス10の間でデータを転送したい。転送を更に簡略化するために、第3の電子デバイス10は中間デバイスとしての役割を果たしてもよい。例えば図9A乃至図9Fは、第2の電子デバイス10を介して第1の電子デバイス10から第3の電子デバイス10に対して「デュアル」簡略化データ転送116を実行する種々の構成を示す。図9A乃至図9Fに示した構成は、代表例であり、限定するものではないことが理解されるべきである。図9A乃至図9Fに示すように、デュアル簡略化データ転送116は2つの簡略化データ転送114を含んでもよい。
【0058】
最初に図9Aを参照すると、デュアル簡略化データ転送116は、ハンドヘルドデバイス36を介して2つのコンピュータ58A及び58Bの間で行われてもよい。一例として、ユーザは作業コンピュータ58Aで開いている全ての作業文書をホームコンピュータ58Bに持って帰りたい。ユーザは、第1の簡略化データ転送114において作業コンピュータ58Aに対して単純にハンドヘルドデバイス36を接続することにより全ての開いている作業文書をハンドヘルドデバイス36に転送できる。ユーザは家に到着すると、第2の簡略化データ転送114においてホームコンピュータ58Bに対してハンドヘルドデバイス36を接続し、作業コンピュータ58Aからホームコンピュータ58Bに全ての作業文書を転送できる。
【0059】
次に図9Bを参照すると、デュアル簡略化データ転送116は、ハンドヘルドデバイス36を介してスタンドアロンメディアプレーヤ64とコンピュータ58との間で行われてもよい。例えばユーザは、スタンドアロンメディアプレーヤ64で映画を再生している。ユーザの同居人が寝たい場合、ユーザはコンピュータ58で映画を観終えるべきである。ユーザはまず第1の簡略化データ転送114を使用して映画又は映画の一部をハンドヘルドデバイス36に転送してもよい。第2の簡略化データ転送114において、ユーザは映画又は映画の一部をコンピュータ58に転送してもよい。その結果、ユーザは同居人が寝た後も映画を楽しめる。
【0060】
図9Cは、デュアル簡略化データ転送116がゲームコントローラ78を介してコンピュータ58とスタンドアロンメディアプレーヤ64との間でも行われてもよいことを示す。一例として、子供はゲームコントローラ78を使用してコンピュータ58でテレビゲームをやっている。親がコンピュータ58を使用したい場合、子供は第1の簡略化データ転送114を使用してゲームを保存し、それをゲームコントローラ78に格納してもよい。次に、子供はゲームコントローラをスタンドアロンメディアプレーヤ64のところに持っていく。子供は第2の簡略化データ転送を使用してゲーム保存データをスタンドアロンメディアプレーヤ64に転送してもよい。ここで、ゲームはコンピュータ58をオフにしたところから継続可能である。
【0061】
図9Dを参照すると、デュアル簡略化データ転送116は、リモートコントローラ70を介して2つのスタンドアロンメディアプレーヤ64A及び64Bの間で行われてもよい。例えば、メインのTV及びスタンドアロンメディアプレーヤ64BがTV番組を観ている他のメンバにより専有されている間、1人の家族のメンバは横の部屋の小さなTVのスタンドアロンメディアプレーヤ64Aで映画を観ている。他のメンバがTV番組を観終わった際に、映画を観ている家族のメンバは、第1の簡略化データ転送114を使用して映画又は映画と関連付けられたポインタをリモートコントローラ70に転送できる。映画を観ている人は、スタンドアロンメディアプレーヤ64Bを有するメインのTVに行く。映画を観ている家族のメンバは、第2の簡略化データ転送114を使用して、映画又は映画に関連付けられたポインタをリモートコントローラ70からスタンドアロンメディアプレーヤ64Bに転送し、映画を停止したところから視聴できる。
【0062】
図9Eは、デュアル簡略化データ転送116がゲームコントローラ78を介して2つのスタンドアロンメディアプレーヤ64A及び64Bの間で行われてもよいことを示す。一例として、ユーザは友人の家でゲームコントローラ78を使用してスタンドアロンメディアプレーヤ64でテレビゲームをやっている。家に帰る時間になった際、ユーザはデュアル簡略化データ転送116を使用してゲームをオフにしたところから行える。最初にユーザは、例えばスタンドアロンメディアプレーヤ64Aに対してゲームコントローラ78を接続して第1のデータ転送114を行い、スタンドアロンメディアプレーヤ64Aからゲームコントローラ78にゲーム保存データを受信できる。ユーザは、家に到着すると、例えばスタンドアロンメディアプレーヤ64Bに対してゲームコントローラ78を接続して第2のデータ転送114を行える。ユーザは、スタンドアロンメディアプレーヤ64Bに送出されたゲーム保存データを使用して家でゲームを続けられる。
【0063】
図9Fを参照すると、デュアル簡略化データ転送116は、リモートコントローラ70を介してスタンドアロンメディアプレーヤ64とコンピュータ58との間で行われてもよい。例えばスタンドアロンメディアプレーヤ64が固定された自動車の同乗者は、リモートコントローラ70を使用してTV番組を観ていてもよい。ユーザが家に到着すると、同乗者はそのTV番組をコンピュータ58で観終えたい。ユーザは、スタンドアロンプレーヤ64に対してリモートコントローラ70を接続することにより、TV番組又はTV番組と関連付けられたポインタをリモートコントローラ70に転送できる第1の簡略化データ転送114を開始してもよい。次にユーザは、家でコンピュータ58に対してリモートコントローラ70を接続し、コンピュータ58に対する第2の簡略化データ転送114を行える。家にいる同乗者は、自動車でオフにされたところからTV番組を観終えることができる。
【0064】
図10は、2つの電子デバイス10の間でユーザデータを転送する簡略化データ転送システム118を示す概略図である。簡略化データ転送システム118において、一方の電子デバイス10は作業デバイス(working device)120と呼ばれ、他方の電子デバイス10はパーソナルデバイス122と呼ばれる。作業デバイス120は、自身のデバイス状態62を転送する電子デバイス10の一方を表す。パーソナルデバイス120は、作業デバイス120からデバイス状態62を受信する電子デバイス10の一方を表す。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、図8A乃至図8E及び図9A乃至図9Fにより示されるように電子デバイス10のいかなる変形例であってもよい。
【0065】
図10に示すように、簡略化データ転送システム118は、主に開始124、スマートプロンプト126及びスマートデータ転送128の3つの段階で動作する。各段階は、以下に説明するように事前設定された環境設定、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の利用可能なネットワーク通信チャネル又はトランザクションコンテキストを記述する他の要素に基づいて異なってもよい複数の可能なステップを含んでもよい。簡略化データ転送システム118の動作の一般的な概要について図11を参照して説明する。環境設定については図12A乃至図12Dを参照して説明する。利用可能なネットワーク通信チャネルについては図13を参照して説明する。
【0066】
継続して図10を参照すると、簡略化データ転送システム118は、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122が開始124を行った際に開始してもよい。開始124の間に、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は本明細書で説明する技術に従う簡略化データ転送を開始してもよい。開始124は、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122のNFCインタフェース34が近距離に配置された際に開始してもよい。あるいは、開始124はパーソナルデバイス120又は作業デバイス120で実行する簡略化データ転送アプリケーションを介して開始してもよい。開始124について、図14乃至図20を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0067】
開始124の後、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はデータ転送トランザクションコンテキストを記述する種々の要素に依存してスマートプロンプト126を表示してもしなくてもよい。例えば作業デバイス120及びパーソナルデバイス122が異なる個人により所有されていること又は転送されるデータ量が多いことを要素が示す場合、スマートプロンプト126は転送するユーザデータの選択を可能にするために作業デバイス120又はパーソナルデバイス122上に表示されてもよい。あるいは、双方のデバイスが同一の個人により所有され、1つのアプリケーションのみが作業デバイス120上で開かれていることを要素が示す場合、スマートプロンプト126はどちらのデバイスにも表示されなくてもよく、スマートデータ転送128は自動的に開始されてもよい。スマートプロンプト126については図21乃至図24を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0068】
スマートデータ転送128の間、作業デバイス120は自身のデバイス状態62をパーソナルデバイス122に転送してもよい。最初に、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、トランザクションコンテキストに基づいて最適な通信チャネルを判定してもよい。例えば好適な通信チャネルは、共有の通信機能、利用可能なネットワーク許可及び物理的な近さを含む要素に基づいて選択されてもよい。スマートデータ転送128については図25を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0069】
その後、作業デバイス120は、好適な通信チャネルを使用してデバイス状態62の全て又は一部をパーソナルデバイス122に転送してもよい。パーソナルデバイス122は、データを受信すると、ユーザにデータを開くように指示してもよく又は特定のデータを自動的に開いてもよい。スマートデータ転送128の後のユーザデータの受信については、図26乃至図28を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0070】
理解されるべきであるように、簡略化データ転送システム118は、複数の特定の状況においてデータを転送するために使用されてもよい。例えば、作業デバイス120はコンピュータ58であってもよく、パーソナルデバイス122はハンドヘルドデバイス36であってもよい。上記の状況については、図29を参照して作業デバイス120及びパーソナルデバイス122の観点、及び図30を参照してユーザの観点から更に詳細に説明する。
【0071】
更に又はあるいは、簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送128が2段階で行われてもよい。第1の転送は、デバイス状態62のユーザデータをリモートストレージに、あるいは作業デバイス120のメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16に転送してもよい。後で行われる第2の転送において、デバイス状態62のユーザデータは記憶装置からパーソナルデバイス122に転送されてもよい。スマートデータ転送128が2つの段階を含む状況については、図31及び図32を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0072】
最後に、更に又はあるいは、簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送は、図9A乃至図9Fに示したように3つの電子デバイス10の間で2回使用されてもよい。従って、簡略化データ転送システム118は、ユーザデータ又はユーザデータと関連付けられたポインタを第1のデバイスから第2のデバイスに転送するために使用されてもよい。次に簡略化データ転送システム118は、ユーザデータを第2のデバイスから第3のデバイスに転送するために使用されてもよい。3つのデバイス間でデータを転送するために簡略化データ転送システム118を採用することについて、図33乃至図35を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0073】
更に理解されるべきであるように、3つのデバイス間でデータを転送するために、種々の特定の状況において簡略化データ転送システム118が使用される。例えば、作業デバイス120はプレゼンテーション102を開いているコンピュータ58であってもよく、パーソナルデバイス122はハンドヘルドデバイス36であってもよい。ユーザは、パーソナルデバイス122を介して作業デバイス120から別のコンピュータ58にプレゼンテーション102を転送するために簡略化データ転送システム118を採用してもよい。上記の状況については、図36を参照して作業デバイス120及びパーソナルデバイス122の観点、及び図37を参照してユーザの観点から更に詳細に説明する。
【0074】
図11を参照すると、概して、フローチャート130は簡略化データ転送システム118の動作を示す。フローチャート130は、簡略化データ転送システム118の各段階と関連付けられた一般的なステップを説明する。特に、ステップ132乃至138は開始124のステップを表し、ステップ140及び142はスマートプロンプト126と関連付けられたステップを表し、ステップ144乃至148はスマートデータ転送128と関連付けられたステップを表す。
【0075】
ステップ132は、簡略化データ転送システム118の開始124の第1のステップを表す。ステップ132において、最初に、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の通信が種々の方法で開始されてもよい。図14、図17及び図18を参照して以下に説明するように、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122のNFCインタフェース34が近距離に配置される場合、あるいはパーソナルデバイス122又は作業デバイス120で実行している簡略化データ転送アプリケーションが他方のデバイスとの通信を開始した場合、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の通信が開始してもよい。
【0076】
ステップ134において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、各デバイスの機能を記述する情報を互いに通信してもよい。ステップ134で通信された情報は、例えばスマートプロンプト126のために発行するプロンプト又はスマートデータ転送128のために確立するネットワーク接続を判定するために後のステップで使用されてもよい。次のステップ136において、作業デバイス120は、転送の準備をするデバイス状態62のユーザデータを判定してもよい。ステップ136の間に、デバイス状態62の種々のオープンアプリケーションと関連付けられたユーザデータは保存され、作業デバイス120のメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16の別個の場所に格納されてもよい。ステップ138において、作業デバイス120は、パーソナルデバイス122に転送されるデバイス状態62のユーザデータの基本的な記述を通信してもよい。
【0077】
ステップ140及び142は、スマートプロンプト126と関連付けられたステップを表す。ステップ140において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、スマートプロンプトを発行するか否か及び発行するスマートプロンプトの種類を判定するために種々の要素を考慮してもよい。例えば作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、格納された環境設定、転送されると予想されたデータ、開始124を開始するために使用された方法又は作業デバイス120に対するパーソナルデバイス122の物理的な近さ(すなわち、位置検出回路網22により判定された場所)等の他の要素を考慮してもよい。ステップ142において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、ステップ140で考慮したことに基づいてプロンプトを発行してもしなくてもよい。
【0078】
ステップ144乃至148は、スマートデータ転送128と関連付けられたステップを表す。ステップ144において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、スマートデータ転送128に使用されてもよい通信チャネルを判定する準備として種々の要素を考慮してもよい。例えば作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、格納された環境設定、転送されると予想されたデータ、開始124を開始するために使用された方法又は作業デバイス120に対するパーソナルデバイス122の物理的な近さ(すなわち、位置検出回路網22により判定された場所)等の他の要素を考慮してもよい。
【0079】
ステップ144における考慮に基づいて、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、行われる転送のためにネットワーク通信チャネルを選択してもよい。作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータをパーソナルデバイス122に転送する際に介するネットワーク通信チャネルを選択すると、ステップ148においてデータが転送されてもよい。尚、ステップ136において作業デバイス120及びパーソナルデバイス122によりやり取りされたデバイス情報に基づいて、作業デバイス120は特定のユーザデータを転送前に変換してもよい。例えばパーソナルデバイス122が特定の種類の文書を処理する機能を有してない場合、最初に作業デバイス120は、転送前に文書をパーソナルデバイス122が表示する画像又はPDFに変換してもよい。
【0080】
図12A乃至図12Dは、電子デバイス10で実行してもよい簡略化データ転送ソフトウェアに設定されてもよい種々の環境設定を示す。環境設定は、例えば開始124の間に転送用に保存されるデータ、スマートプロンプト126のためにプロンプトを発行するか否か及び発行するプロンプトの種類、並びにスマートデータ転送128を実行するために選択するネットワークを判定するための要素としての役割を果たしてもよい。
【0081】
最初に図12Aを参照すると、環境オーバービューページ150は、種々の環境カテゴリボタン152乃至156及び保存ボタン158を含んでもよい。環境設定カテゴリボタン152は、ユーザが処理してもよい特定のデバイスと関連付けられた環境設定の設定を可能にしてもよい。環境設定カテゴリボタン154は、図13に示すような特定のネットワークと関連付けられた環境設定の構成を可能にしてもよい。環境設定カテゴリボタン156は、特定のファイルの種類又はファイルサイズと関連付けられた環境設定の構成を可能にしてもよい。保存ボタン158は、環境設定の構成を電子デバイス10のメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16に保存することを可能にしてもよい。
【0082】
図12Bは、環境設定カテゴリボタン152が選択されると表示されるデバイス環境設定152を示す。デバイス環境設定152は、特定のデバイスと関連付けられた環境設定を何個含んでもよい。例えば、デバイス環境設定152は、転送する特定の各デバイスのデバイス状態62と関連付けられたユーザデータの種類又はサイズ、特定の各デバイスに対して行う好適なネットワーク接続、デフォルトで特定の他の未知の電子デバイス10を信頼できるか否か、あるいは複数のバージョンが同一のデバイス上に存在する場合に特定の各デバイスから要求するファイルのバージョンを含んでもよい。
【0083】
継続して図12Bを参照すると、特定の各デバイスのデバイス状態62と関連付けられたユーザデータの種類又はサイズに関するデバイス環境設定152は、作業デバイス120に基づく固有の選択を可能にしてもよい。所定のパーソナルデバイス122が簡略化データ転送114又は116を確立してもよい各作業デバイス120の選択に対する固有の環境設定は、例えば全てのオープンファイルを転送するか否か、ある特定のファイルの種類を転送するか否か、特定のサイズを上回るか又は下回るファイルを転送するか否か、1番上のオープンアプリケーションのみと関連付けられたユーザデータ、あるいは特定のアプリケーション又は特定のアプリケーションの種類(例えば、プロダクティビティ又はビジネスアプリケーション、エンターテイメントアプリケーション、ファミリーアプリケーション、ゲームアプリケーション、メディアアプリケーション、教育アプリケーション、会計アプリケーション等)と関連付けられたユーザデータを転送するか否か、1番上のオープンアプリケーションと関連付けられたユーザデータ、あるいは特定のアプリケーション又は特定のアプリケーションの種類と関連付けられたユーザデータの転送を優先するか否か、所定の閾値を上回るか又は下回るMPAA評価等の特定の評価を有するファイルを転送するか否か、特定のキーワードを有するユーザデータを転送するか否か、受信パーソナルデバイス122により処理可能なユーザデータを転送するか否か、あるいは異なるユーザにより生成されたユーザデータを転送するか又は同一のユーザにより生成されたユーザデータのみを転送するかを含んでもよい。上述した環境設定は、転送されてもよいユーザデータの種類だけでなく、パーソナルデバイス122に転送可能なものとして表示されるユーザデータを指定してもよいことが理解されるべきである。
【0084】
上記図8Aを参照して紹介した例を使用するために、ユーザは、予期しない会議に呼ばれた際に、コンピュータ58に大事な表計算を開いて職場のデスクに座っていてもよい。ユーザは複数の他の実行中の個人アプリケーションを有していてもよい。上述した環境設定により、ユーザは自身の作業コンピュータからプロダクティビティアプリケーションと関連したユーザデータのみ等の仕事に関連するファイルのみを「取り込む」ことができる。このように、ユーザは簡略化データ転送114において大事な表計算のみを転送でき、仕事に関係するそれらのファイルのみを持って会議に出席する。
【0085】
同様に、ユーザは、家でコンピュータを使用して音楽を聴きながら個人財務を処理していてもよい。ユーザが仕事に行く時間になると、ユーザは途中の電車で音楽を聴き続けたいかもしれない。上述した環境設定により、ユーザはユーザのホームコンピュータから個人財務又は特定のキーワードに関係するファイルを「取り込む」ことを回避できる。ユーザが簡略化データ転送114においてメディアを転送する場合、ユーザの個人財務は家のコンピュータに非公開で残っている。
【0086】
各デバイスに対して使用する好適な接続は、例えば最速の利用可能な接続を使用して接続するか否か、インターネットのみを使用して接続するか又はインターネットを使用せずに接続するか、特定の指定された暗号化方式を使用して接続するか又は転送が行われる前にパスコード又はパスキーを要求するか、電子デバイス10の物理的な場所(すなわち、位置検出回路網22により判定される)に基づく近さを要求するか否か、あるいは特定のデバイスに対する特定の指定された接続が好ましいか否かを含んでもよい。
【0087】
デフォルトで特定の他の未知の電子デバイス10を信頼できるか否かに関する環境設定は、特に開発者、第三者の小売業者又は無線通信事業者により事前に設定されてもよい環境設定を表してもよい。デバイス環境設定152のうち信頼できる特定の他の未知のデバイスを事前に設定することにより、開発者、第三者の小売業者又は無線通信事業者は、自身が製造し、販売し又は採用した特定のデバイスに対してデフォルトで信頼されるようにしてもよい。
【0088】
複数のバージョンが同一のデバイスに存在する場合に特定の各デバイスから要求されるファイルのバージョンに関連する環境設定に関して、環境設定は、そのようなファイルの全てを転送するか否か、直近に変更されたファイルのみを転送するか否か、あるいは特定のユーザにより直近に変更されたファイルのみを転送するか否かを含んでもよい。
【0089】
図12Cは、環境設定カテゴリボタン154を選択すると表示されるネットワーク環境設定154を示す。ネットワーク環境設定は、スマートデータ転送128に対して利用可能な各種のネットワーク接続に特に関連してもよく、例えば一般に好適なネットワーク順序又は一般に好適なセキュリティ対策を反映する環境設定を含んでもよい。
【0090】
一般に好適なネットワーク順序を反映する環境設定は、例えば特定のネットワーク接続を好適なものとして設定するか否か、ネットワーク接続が使用されないように設定するか否か、電子デバイス10の物理的な場所(すなわち、位置検出回路網22により判定される)に基づく特定の近さにある場合、双方の電子デバイス10が同一ユーザを共有する場合又は簡略化データ転送システム118の開始124が特定の方法で(例えば、NFCにより又は簡略化データ転送ソフトウェアにおけるプロンプトに応答して)開始される場合等の特定の例においてのみ使用されるようにネットワーク接続を設定するか否か、特定のネットワークを使用するのに追加の費用が必要とされる場合にそのネットワークを回避するか否か、優先度を設定することにより種々のネットワーク接続を順序付けするか否かを含んでもよい。
【0091】
一般に好適なセキュリティ対策は、例えば特定の信頼された接続への特定のネットワークを介する接続を制限するか否か、WPA暗号化等の特定の種類の暗号化を使用するか否か、パスコード又はパスキーを要求するか否か、あるいはQR暗号化を使用する必要があるか否かを含んでもよい。
【0092】
図12Dは、環境設定カテゴリボタン156を選択すると表示されるファイルの種類/サイズの環境設定156を示す。ファイルの種類/サイズの環境設定156は、例えば転送において優先されるファイルの種類、転送されるか又は転送されないファイルの種類、あるいは転送されるか又は転送されないファイルサイズを含んでもよい。
【0093】
転送において優先されるファイルに関する環境設定は、例えばファイルがプロダクティビティ又はオフィス関連のソフトウェア製品と関連付けられるか否か、ファイルが受信デバイスの所有者等の特定のユーザにより作成又は変更されたユーザデータを表すか否か、ファイルが特定のサイズ内であるか又は特定のサイズを上回るか、どのネットワーク通信チャネルがスマートデータ転送128に対して利用可能であるか、ファイルが受信デバイスにより固有に処理されるか否か、ファイルが特定の種類のファイルであるか否か、あるいはファイルが特定のデバイス又は特定の種類のデバイスから転送されるか否かに基づいて優先度を設定することを含んでもよい。
【0094】
転送されるか又は転送されないファイルの種類に関する環境設定は、例えば転送を特定の指定されたファイルにのみ限定する環境設定、転送を受信デバイスにより処理されるファイルにのみ限定する環境設定、ファイルを全く限定しない環境設定、あるいは固有に処理されないファイルを適切な形式に変換することを要求する(例えば、文書を画像ファイル又はPDFに変換することを要求する)環境設定を含んでもよい。
【0095】
転送されるか又は転送されないファイルサイズと関連した環境設定に関して、そのような環境設定は、例えば特定のサイズを上回るファイルを転送するか否か、ファイルサイズに基づいてどのネットワークを優先するか、あるいは特定のサイズを上回るファイルの一部分のみを転送するか否かを含んでもよい。
【0096】
図12A乃至図12Dを見直すと、ユーザは種々の環境設定を手作業で調整してもよく、あるいは環境設定はユーザの挙動に基づいて自動的に調整されてもよいことが理解されるべきである。一例として、ユーザはハンドヘルドデバイス36等の1つの電子デバイス10を使用して、簡略化データ転送システム118を介してコンピュータ58等の別の電子デバイス10のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを取得してもよい。データが転送されている間にユーザが特定の種類のユーザデータの全ての転送をキャンセルした場合、環境設定はユーザの挙動を反映するように変更されてもよい。例えば環境設定は、特定の種類のファイルの転送の優先度を低くするように設定されてもよく、ファイルの種類が転送されることを防止するように設定されてもよく、あるいはファイルの種類を追加して課金される特定の高価なネットワークを介して転送されないファイルの種類に設定してもよい。
【0097】
図12A乃至図12Dの環境設定により、開発者、第三者の小売業者又は無線通信事業者は、ユーザにより選択されたカスタマイズ可能な環境設定に加えて又はその代わりに環境設定を事前にインストールできる。例えば開発者又は第三者の小売業者は、開発者により製造されるか又は第三者の小売業者により販売されるような特定の他の電子デバイス10に関する環境設定を事前にインストールしてもよい。無線通信事業者は、EDGEネットワーク又は他の3Gネットワーク等のWANインタフェース132によりアクセスされてもよい特定の無線データネットワークに関する環境設定を事前にインストールしてもよい。
【0098】
図13は、簡略化データ転送システム118において転送を行うように構成された電子デバイス10を表す作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の潜在的な通信チャネル160を示す概略図である。作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間で共有される各通信チャネル160は、開始124又はスマートデータ転送128に対して使用されてもよい。開始124又はスマートデータ転送128に対して使用される通信チャネルは、例えば上記の図12A乃至図12Dを参照して説明した環境設定又は図14乃至図20を参照して説明する開始124のコンテキストを含む種々の要素に依存してもよい。
【0099】
順に各通信チャネル160を調査すると、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122の各々がNFCインタフェース34を含む場合、NFC(Near Field Communication)通信チャネル162は2つのデバイスを通信可能にリンクしてもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122のNFCインタフェース34が近距離に配置される場合、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122はNFC通信チャネル162を確立してもよい。
【0100】
NFC通信チャネル162は、一般に相対的に短い期間開かれており、低帯域幅で動作してもよいことが理解されるべきである。従って、NFC通信チャネル162は一般に開始124に対応してもよく、その一方で、次のスマートデータ転送128は一般に以下に説明する別の通信チャネル160を介して行われてもよい。
【0101】
上述したように、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、NFCチャネル162以外の多くの通信チャネル160を介して潜在的に接続されてもよい。特にいずれかのデバイスがNFCインタフェース34を有さない場合、代わりに開始124が別の通信チャネル160を介して行われてもよい。開始124が別の通信チャネル160を介して行われる場合、開始124は、図17及び図18を参照して説明するように、ユーザが作業デバイス120又はパーソナルデバイス122上のスマートデータ転送アプリケーションを使用して転送を開始した際に開始してもよい。いくつかの実施形態において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122がNFCインタフェース34を含んでもよいが、ユーザは開始124を別の1つの通信チャネル160を介して行うことを選択してもよい。
【0102】
NFCチャネル162以外の可能な通信チャネル160のうち、パーソナルエリアネットワーク(PAN)通信チャネル164は各デバイスのPANインタフェース28を介して接続される。一例として、PAN通信チャネル164は、ピアツーピアBluetooth接続、IEEE802.15.4(例えば、ZigBee)ネットワーク又は作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の超広帯域ネットワーク(UWB)を表してもよい。
【0103】
更に又はあるいは、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、ローカルエリアネットワーク(LAN)通信チャネル166を介して接続されてもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122の各LANインタフェース30は、LAN通信チャネル166を介して互いの直接的なピアツーピア接続を共有してもよく、あるいはLAN通信チャネル166に沿ってルータ又はネットワークコントローラを介して互いに接続してもよい。LAN通信チャネル166は、イーサネット(登録商標)接続等の有線接続を表してもよいが、IEEE規格802.11.xの無線ネットワーク又はWi−Fi等の無線接続を表してもよい。
【0104】
作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、デバイス識別ネットワークプロトコルを使用してPAN通信ンチャネル164又はLAN通信チャネル166を確立してもよいことが理解されるべきである。一例として、デバイス識別ネットワークプロトコルは、アップル社のBonjour(登録商標)であってもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122の各々は、インターネットプロトコル(IP)を使用して、各デバイスが有するID及びサービス、プログラム、及び/または通信機能を同報通信してもよい。作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、PAN通信チャネル164又はLAN通信チャネル166を介するピアツーピア接続を開くようにデバイス識別ネットワークプロトコルを介して情報を受信してもよい。理解されるべきであるように、2つ以上の電子デバイス10は、デバイス識別ネットワークプロトコルを使用して情報を同報通信していてもよい。従って、パーソナルデバイス122は、環境設定に基づいていかなる電子デバイス10に対して簡略化データ転送114を開始するかを選択してもよい。
【0105】
作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はPAN通信チャネル164又はLAN通信チャネル166を介して接続されてもよいが、デバイスはインターネット168を介して接続されてもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、インターネット168を介して互いに接続することにより、簡略化データ転送114が行われている間に互いに物理的に離れたままであってもよい。インターネット168を介する接続により、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、通信チャネル164又は166等のローカルのピアツーピア接続が不通になるか又は切断された場合に通信機能を保持できる。
【0106】
インターネット168を介して互いの位置を特定するために、最初に作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はウェブサービス170をクエリし、互いのインターネットプロトコル(IP)アドレスを取得してもよい。ウェブサービス170はダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよく、これは各デバイスに常駐する簡略化データ転送アプリケーションと関連付けられたプラグインと通信することにより各デバイスの現在のIPアドレスを維持してもよい。一例として、ウェブサービス170は、アップル社のBack to My Mac(登録商標)サービスの機能であってもよい。
【0107】
ウェブサービス170は、スマートデータ転送128を容易にするためにリモートストレージ機能を提供してもよい。図31乃至図34を参照して以下に更に説明するように、スマートデータ転送128は、ウェブサービス170と関連付けられたリモートストレージに作業デバイスのデバイス状態162のユーザデータを一時的に転送することを含んでもよい。その後ユーザデータは、インターネット168を介して又はウェブサービス170への直接接続を介してウェブサービス170と関連付けられたリモートストレージからパーソナルデバイスに転送されてもよい。
【0108】
図13を更に参照すると、作業デバイス120は、LANインタフェース30又はワイドエリアネットワーク(WAN)通信チャネル172を介してインターネット168に到達してもよく、これは例えばEDGE又は3Gネットワーク等のセルラデータネットワークを表してもよい。同様に、パーソナルデバイス122はLANインタフェース30又はWANインタフェース32を介してインターネット168に接続してもよい。パーソナルデバイス122がWANインタフェース32を介してインターネットに接続する場合、ワイドエリアネットワーク(WAN)通信チャネル174を介して接続してもよく、これは例えばEDGE又は3Gネットワーク等のセルラデータネットワークを表してもよい。
【0109】
作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、デバイスの各WANインタフェース32を直接介してウェブサービス170に対して接続を直接確立してもよい。作業デバイス120は、ワイドエリアネットワーク(WAN)通信チャネル176を介してウェブサービス170に接続してもよく、これは例えばEDGE又は3Gネットワーク等のセルラデータネットワークを表してもよい。同様に、パーソナルデバイス122は、ワイドエリアネットワーク(WAN)通信チャネル178を介してウェブサービス170に接続してもよく、これは例えばEDGE又は3Gネットワーク等のセルラデータネットワークを表してもよい。
【0110】
作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、無線入出力(I/O)通信チャネル180を介して互いに接続されてもよい。一般に無線I/O通信チャネル180は、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間のデータの非常に素早い転送を可能にしてもよい。以下に説明するように、いずれの潜在的な通信チャネル160も開始124の間又はスマートデータ転送128の間に通信する方法を提供してもよく、開始124のために採用された1つの通信チャネル160はスマートデータ転送128により採用されたチャネルと異なってもよい。
【0111】
図14は、簡略化データ転送システム118の開始124が作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間でNFC通信チャネル162を介して行われる一実施形態を示す。尚、図14は作業デバイス120をコンピュータ58として示し、パーソナルデバイス122をハンドヘルドデバイス36として示すが、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122はNFCインタフェース34を有する電子デバイス10のいかなる実施形態を表してもよい。
【0112】
図14に示すように、開始124に関わる通信は、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間のNFC通信チャネル162を介して行われてもよい。NFC通信チャネル162を開くために、ユーザは作業デバイス120のNFCインタフェース34から所定の距離(例えば、約2cm)内でパーソナルデバイス122のNFCインタフェース34を接続してもよい。NFC通信チャネル162を開いた状態で、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、スマートプロンプト126及びスマートデータ転送128の準備としてNFC通信チャネル162を介して互いに情報を通信してもよい。開始124の間にやり取りされたそのような情報は、例えば各デバイスと関連付けられた機能、特定のユーザ環境設定、利用可能なネットワーク設定データ、あるいは作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータに関連するポインタ又は低帯域幅要素を含んでもよい。NFC通信チャネル162を介して通信された情報は、一般に拡張マークアップ言語(XML)又は他のあらゆる形式のショートメッセージを含んでもよい。開始124の間にNFC通信チャネル162を介してやり取りされたメッセージについては以下に更に説明する。
【0113】
図15は、NFC通信チャネル162を介して行われる開始124の一実施形態を示す概略図である。図15に示した実施形態は、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122のNFCインタフェース34が上述した、及び図14に示したように近距離に配置された際に行われてもよい。
【0114】
NFC通信が実行する開始124は、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間で行われてもよい。作業デバイス120がコンピュータ58として示され、パーソナルデバイス122がハンドヘルドデバイス36として示されるが、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122はNFCインタフェース34を有する電子デバイス10のいかなる実施形態を表してもよい。
【0115】
開始124の開始前、ブロック182により示されるように、パーソナルデバイス122は「NFC起動(wake on NFC)」モードであってもよい。「NFC起動」モードにおいて、パーソナルデバイス122のNFCインタフェース34は、NFCインタフェース34が別のNFCインタフェース34からNFC信号を受信するまで非アクティブのままであってもよい。同時に、ブロック184で示すように、作業デバイス120のNFCインタフェース34はホストモードであってもよい。ホストモードである場合、作業デバイス120のNFCインタフェース34は、他の近接するNFCインタフェース34を見つけるために定期的にNFC信号を放出してもよい。
【0116】
開始124は、開始ハンドシェーク186により開始してもよい。開始ハンドシェーク186は、ブロック188により示すようにユーザが作業デバイス120のNFCインタフェース34に対してパーソナルデバイスのNFCインタフェース34を接続した際に開始してもよい。作業デバイス120のNFCインタフェース34がホストモードであってもよいため、作業デバイス120のNFCインタフェース34は定期的にpingメッセージ190を放出してもよい。ブロック192により示すように、パーソナルデバイス122のNFCインタフェース34はpingメッセージ190を受信し、パーソナルデバイス122のNFCインタフェース34を起動させる。その後、パーソナルデバイス122のNFCインタフェース34は、肯定応答(ACK)メッセージ194により応答してもよく、そのメッセージは作業デバイス120のNFCインタフェース34により受信されてもよい。
【0117】
開始ハンドシェーク186の後、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122はデバイスプロファイル196をやり取りしてもよい。デバイスプロファイル196は、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122の機能に関する種々の情報を含んでもよい。例えばデバイスプロファイル196は、拡張マークアップ言語(XML)を含むあらゆる形式のメッセージを含んでもよく、デバイス名、シリアル番号、所有者名、デバイスの種類及び他の識別情報を示してもよい。他の識別情報は、例えばサービスユーザ名を含んでもよい。デバイスプロファイル196は、各デバイスにインストールされてもよいアプリケーション、ドライバ又はサービスを示すことによりパーソナルデバイス122又は作業デバイス120の機能を更に示してもよい。
【0118】
ブロック198及び200により示されるように、次にパーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、先にやり取りされたデバイスプロファイル196に少なくとも部分的に基づいて互いに認証してもよい。ブロック198及び200のデバイス認証において、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120は、他方のデバイスが任意の数の認証方式を使用して信頼されるか否かを判定してもよい。開始124は、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120が他方のデバイスを認証できなかった場合にキャンセルされてもよい。
【0119】
例えばパーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、双方のデバイスに既知の秘密鍵に依存してもよく、これは開始124の前にやり取りされていてもよい。あるいは、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、公開鍵及び秘密鍵の組合せに依存してもよい。そのような方式の下、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、ブロック198及び200のデバイス認証の前に又はデバイス認証中に他方のデバイスと関連付けられた公開鍵をそれぞれやり取りしてもよく、あるいはウェブサービス170等の別の発信元から公開鍵を取得してもよい。パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、インターネット168を介して又は信頼できるウェブを介して認証局により公開鍵を検査してもよい。いくつかの実施形態において、ウェブサービス170は認証局を表してもよい。信頼の連鎖において切断されたリンクがある場合、開始124は終了されてもよい。
【0120】
ブロック198及び200のデバイス認証の後、ブロック202及び204で示されるように、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、利用可能なネットワーク通信チャネル160をスキャンしてもよい。利用可能なネットワーク通信チャネル160をスキャンした後、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120はネットワーク設定情報206をやり取りしてもよい。ネットワーク設定情報206は、例えば作業デバイス120又はパーソナルデバイス122を介してアクセス可能なネットワーク通信チャネル160のリストを示すXMLメッセージを含んでもよい。特にネットワーク設定情報206は、既知の認証鍵及びサービスセット識別子(SSID)を含んでもよい。一例として、ネットワーク設定情報206は、Bluetoothシリアル番号、MACアドレス及び関連したパスワード等のPANインタフェース28の構成情報、並びにWiFi IPアドレス、WiFi MACアドレス及びWiFi SSID等のLANインタフェース30の構成情報を含んでもよい。ネットワーク設定情報206は後で使用するために格納されてもよく、これによりパーソナルデバイス122及び作業デバイス120は高帯域幅接続を確認できる。
【0121】
パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、追加の情報を転送するためにNFC通信チャネル162を介して通信したままであってもよい。図15に示したように、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208をパーソナルデバイス122に送信してもよく、これは転送される作業デバイス62のユーザデータを記述してもよい。デバイス状態ポインタ208は、ファイル名、関連するアプリケーション、ファイルサイズ、又は転送される各ファイルと関連付けられた他の関連情報を含むXMLメッセージ等のメッセージを表してもよい。例えば他の関連情報は、ファイルが読み出されたか否かに関わらず、ファイルがGeoRSS等の規則を使用して作成又は変更された地理的な場所、関連するユニフォームリソースロケータ(URL)、ファイルが関連付けられるアプリケーションの階層、ファイルが関連付けられる作業デバイス120の画面上のアプリケーションの場所、ファイルを変更した最後のデバイス等を含んでもよい。作業デバイス120は、作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータと関連付けられた特定の低帯域幅要素210を更に転送してもよい。そのような低帯域幅要素210は、例えば転送される各ファイルのサムネイル画像又は各ファイルのデータの一部を含んでもよい。
【0122】
図示するように、デバイス状態ポインタ208及び低帯域幅要素210はNFC通信チャネル162を介して転送されてもよいが、他の通信チャネル160がその転送を行うために更に又は代わりに採用されてもよい。例えばデバイス状態ポインタ208又は低帯域幅要素は、PAN通信チャネル164又はLAN通信チャネル166を介して転送されてもよい。
【0123】
図16は、図14及び図15に示したように、NFC通信チャネル162を介して開始124を実行する方法の一実施形態を説明するフローチャート212である。第1のステップ214において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は開始ハンドシェーク186を介して開始124を開始してもよい。図15に示して上述したように、開始ハンドシェーク186は、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120のNFCインタフェース34が互いに対して近距離に配置される場合に行われる。次に作業デバイス120は、パーソナルデバイス122のNFCインタフェース34を起動するためにping190を放出してもよく、パーソナルデバイス122はACK194により作業デバイス120に応答してもよい。
【0124】
ステップ216において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120はデバイスプロファイル196をやり取りしてもよい。図15を参照して上述したように、デバイスプロファイル196は、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120の機能を記述する種々のデータを含んでもよい。例えばデバイスプロファイル196は、拡張マークアップ言語(XML)を含むあらゆる形式のメッセージを含んでもよく、デバイス名、シリアル番号、所有者名、デバイスの種類及び他の識別情報を示してもよい。他の識別情報は、例えばサービスユーザ名を含んでもよい。デバイスプロファイル196は、各デバイスにインストールされてもよいアプリケーション、ドライバ又はサービスを示すことによりパーソナルデバイス122又は作業デバイス120の機能を更に示してもよい。
【0125】
ステップ218において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、先にやり取りされたデバイスプロファイル196に少なくとも部分的に基づいてデバイス認証処理をそれぞれ実行してもよい。デバイス認証中、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120は、他方のデバイスが信頼できるか否かを判定してもよい。上述したように、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、双方のデバイスに既知の秘密鍵に依存してもよく、あるいは公開鍵及び秘密鍵の組合せに依存してもよい。開始124は、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120が他方のデバイスを認証できなかった場合にキャンセルされてもよい。
【0126】
次のステップ220において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、データが後で転送される際に介する利用可能なネットワーク通信チャネル160をスキャンしてもよい。ステップ222において、利用可能なネットワーク通信チャネル160をスキャンした後、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120はネットワーク設定情報206をやり取りしてもよい。図15を参照して上述したように、ネットワーク設定情報206は、例えば作業デバイス120又はパーソナルデバイス122を介してアクセス可能なネットワーク通信チャネル160のリストを示すXMLメッセージを含んでもよい。特にネットワーク設定情報206は、既知の認証鍵及びサービスセット識別子(SSID)を含んでもよい。一例として、ネットワーク設定情報206は、Bluetoothシリアル番号、MACアドレス及び関連したパスワード等のPANインタフェース28の構成情報、並びにWiFi IPアドレス、WiFi MACアドレス及びWiFi SSID等のLANインタフェース30の構成情報を含んでもよい。ネットワーク設定情報206は後で使用するために格納されてもよく、これによりパーソナルデバイス122及び作業デバイス120は高帯域幅接続を確認できる。
【0127】
ステップ224及び226において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、追加の情報を転送するためにNFC通信チャネル162を介して通信したままであってもよい。ステップ224において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208をパーソナルデバイス122に送信してもよく、これは転送される作業デバイス62のユーザデータを記述してもよい。デバイス状態ポインタ208は、ファイル名、関連するアプリケーション、ファイルサイズ、又は転送される各ファイルと関連付けられた他の関連情報を含むXMLメッセージ等のメッセージを表してもよい。例えば他の関連情報は、ファイルが読み出されたか否かに関わらず、ファイルがGeoRSS等の規則を使用して作成又は変更された地理的な場所、関連するユニフォームリソースロケータ(URL)、ファイルが関連付けられるアプリケーションの階層、ファイルが関連付けられる作業デバイス120の画面上のアプリケーションの場所、ファイルを変更した最後のデバイス等を含んでもよい。
【0128】
ステップ226において、作業デバイス120は、作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータと関連付けられた特定の低帯域幅要素210を転送してもよい。そのような低帯域幅要素210は、例えば転送される各ファイルのサムネイル画像又は各ファイルのデータの一部を含んでもよい。
【0129】
ステップ224及び226において、デバイス状態ポインタ208及び低帯域幅要素210はNFC通信チャネル162を介して転送されてもよいが、他の通信チャネル160はその転送を行うために更に又は代わりに採用されてもよい。例えばステップ224又は226において、デバイス状態ポインタ208又は低帯域幅要素は、PAN通信チャネル164又はLAN通信チャネル166を介して転送されてもよい。
【0130】
図17A乃至図17C、図18A及び図18Bは、開始124を実行する別の方法を示す。図17A乃至図17Cを参照すると、開始124を実行する1つの方法は、ユーザがハンドヘルドデバイス36であってもよいパーソナルデバイス122において簡略化転送アプリケーションアイコン50を選択した際に開始してもよい。アイコン50を選択すると、図17Bに示すようにデバイス選択画面228が表示されてもよい。ユーザは、デバイス選択画面228を使用して、作業デバイス選択ボタン230の中からデータ転送を開始する作業デバイス120を選択してもよい。理解されるべきであるように、作業デバイス選択ボタン230の中に表示される作業デバイス120は、図13の可能な通信チャネル160の1つを共有するデバイスを表す。
【0131】
図17Cを参照すると、ユーザが図17Bに示した作業デバイス選択ボタン230の作業デバイス120の中から選択した後、データ転送画面232が表示されてもよい。あるいは、データ転送画面232は、簡略化データ転送アプリケーションアイコン50を選択するとすぐに表示されてもよい。図17Cに示すように、開始124の前に画面はまだ読み込まれていない場合がある。画面は、「項目がありません:取り込むにはここを押下して下さい」等の指示を提供してもよい。ユーザが更新ボタン233を選択するか又はデータ転送画面232の空白領域を押下すると、パーソナルデバイス122は簡略化データ転送アプリケーションにおいて転送イベントを呼び出してもよい。その後、図19を参照して以下に説明するように開始124が開始してもよい。
【0132】
ユーザは、データ転送画面232から簡略化データ転送114を設定する作業デバイス120を決定してもよいことが理解されるべきである。「発信元」とラベル付けされたボタン等のボタンは、ユーザがデータ転送画面232から作業デバイス120を選択することを可能にしてもよい。図13を参照して上述したように、可能な作業デバイス120は、アップル社のBonjour等のプロトコルを使用して識別及び確立されるネットワーク通信チャネル160の1つを介してパーソナルデバイス122に可視であってもよい。
【0133】
図18A及び図18Bは、ユーザがコンピュータ58であってもよい作業デバイス120において簡略化データ転送アプリケーションアイコン50を選択した際に開始してもよい開始124を実行する同様の方法を示す。アイコン50を選択すると、図18Bに示すようにデバイス選択画面234が表示されてもよい。ユーザは、デバイス選択画面234を使用して、パーソナルデバイス選択ボタン236の中からデータ転送を開始するパーソナルデバイス122を選択してもよい。理解されるべきであるように、パーソナルデバイス選択ボタン236に表示されるパーソナルデバイス120は、図13の可能な通信チャネル160の1つを共有するデバイスを表す。更に、上述したように、デバイス選択画面234は、専用簡略化データ転送アプリケーション、オペレーティングシステム又はメディア管理アプリケーション90等の別のアプリケーションの機能であってもよい。
【0134】
図19を参照すると、フローチャート238は、図17及び図18により示される方法で開始124を実行する方法の一実施形態を説明する。第1のステップ240において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はスマートデータ転送ソフトウェアを実行してもよい。上述したように、スマートデータ転送ソフトウェアは、例えばスタンドアロンアプリケーション又はオペレーティングシステムの機能を表してもよい。ステップ242において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122のスマートデータ転送ソフトウェアは、自動的に又はユーザ選択に応答してデバイス間のネットワーク通信を開始してもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、上記の図13に示した通信チャネル160のいずれかを介して互いに通信してもよい。図13を参照して上述したように、通信チャネル160は、アップル社のBonjour等のプロトコルを使用して作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間で認識及び確立されてもよい。ステップ242を実行する追加の又は代わりの実施形態について、図20を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0135】
ステップ244において、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の通信が確立された状態で、通信開始デバイスは簡略化データ転送114の開始を要求するために他方のデバイスに情報を通信してもよい。ステップ244は、次のスマートデータ転送128の準備として作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを保存することを更に含んでもよい。
【0136】
次のステップ246において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、各デバイスの機能を示すデバイスプロファイルを互いに通信してもよい。ステップ246でやり取りされたデバイスプロファイルは、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120の機能を記述する種々のデータを含んでもよい。例えばデバイスプロファイルは、拡張マークアップ言語(XML)を含むあらゆる形式のメッセージを含んでもよく、デバイス名、シリアル番号、所有者名、デバイスの種類及び他の識別情報を示してもよい。他の識別情報は、例えばサービスユーザ名を含んでもよい。デバイスプロファイルは、各デバイスにインストールされてもよいアプリケーション、ドライバ又はサービスを示すことによりパーソナルデバイス122又は作業デバイス120の機能を更に示してもよい。
【0137】
パーソナルデバイス122が作業デバイス120と関連したデバイスファイルを既に格納しており、作業デバイス120がパーソナルデバイス122と関連したデバイスファイルを既に格納している場合があるため、デバイスプロファイルは転送されない場合がある。しかし、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122の機能が時々変更しうるため、デバイスプロファイルは、少なくとも時々更新されて各デバイスに送信されてもよい。
【0138】
ステップ248において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、ステップ246の間にやり取りされたデバイスプロファイルに少なくとも部分的に基づくデバイス認証処理をそれぞれ実行してもよい。デバイス認証中、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120は、他方のデバイスが信頼できるか否かを判定してもよい。開始124は、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120がステップ248で他方のデバイスを認証できなかった場合にキャンセルされてもよい。
【0139】
次のステップ250において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、現在通信に使用されているネットワーク通信チャネル160以外の利用可能なネットワーク通信チャネル160をスキャンしてもよい。このとき、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、高帯域幅ネットワークが次のスマートデータ転送128中にデータを送信するのに利用可能であることを判定してもよい。
【0140】
ステップ252において、利用可能なネットワーク通信チャネル160をスキャンした後、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は新しいネットワーク設定情報をやり取りしてもよい。図15及び図16を参照して上述したように、ネットワーク設定情報は、例えば作業デバイス120又はパーソナルデバイス122を介してアクセス可能なネットワーク通信チャネル160のリストを示すXMLメッセージを含んでもよい。特にネットワーク設定情報は、既知の認証鍵及びサービスセット識別子(SSID)を含んでもよい。一例として、ネットワーク設定情報は、Bluetoothシリアル番号、MACアドレス及び関連したパスワード等のPANインタフェース28の構成情報、並びにWiFi IPアドレス、WiFi MACアドレス及びWiFi SSID等のLANインタフェース30の構成情報を含んでもよい。ネットワーク設定情報は後で使用するために格納されてもよく、これによりパーソナルデバイス122及び作業デバイス120は高帯域幅接続を確認できる。
【0141】
ステップ254及び256において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、開始124の追加の情報を転送するために通信したままであってもよい。ステップ254において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタをパーソナルデバイス122に送信してもよく、これは転送される作業デバイス62のユーザデータを記述してもよい。デバイス状態ポインタは、ファイル名、関連するアプリケーション、ファイルサイズ、又は転送される各ファイルと関連付けられた他の関連情報を含むXMLメッセージ等のメッセージを表してもよい。例えば他の関連情報は、ファイルが読み出されたか否かに関わらず、ファイルがGeoRSS等の規則を使用して作成又は変更された地理的な場所、関連するユニフォームリソースロケータ(URL)、ファイルが関連付けられるアプリケーションの階層、ファイルが関連付けられる作業デバイス120の画面上のアプリケーションの場所、ファイルを変更した最後のデバイス等を含んでもよい。ステップ256において、作業デバイス120は、作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータと関連付けられた特定の低帯域幅要素を転送してもよい。そのような低帯域幅要素は、例えば転送される各ファイルのサムネイル画像又は各ファイルのデータの一部を含んでもよい。
【0142】
次に図20を参照すると、フローチャート258は、図17及び図18に示した方法で開始124を実行するためにネットワーク通信を開始する方法の一実施形態を示す。上述したように、フローチャート258は、図19のフローチャート238のステップ242の更に詳細な説明を示す。
【0143】
第1のステップ260において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、1つのネットワークインタフェース26を使用してネットワーク通信を開始してもよい。決定ブロック262に示すように、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122が既に接続されている場合、ステップ264に進む。ステップ264において、作業デバイス120とパーソナルデバイス124との間のピアツーピア通信が開始する。
【0144】
決定ブロック262に戻り、デバイスが1つのネットワーク通信チャネル160を介して接続されていない場合、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120は、他方のデバイスが最後に利用可能であったネットワーク通信チャネル160を使用して通信しようとしてもよい。決定ブロック268に示すように、ステップ266において通信しようとした結果、正常に接続された場合、ステップ264に進み、デバイス通信が開始されてもよい。しかし、ステップ266で試みた接続が成功しなかった場合、ステップ270に進んでもよい。
【0145】
ステップ270において、図13に示すように、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はまずウェブサービス170に接続してもよい。作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はインターネット168を介して、あるいはWAN通信チャネル176又は178を直接介してウェブサービス170に到達してもよい。ステップ272において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、あらゆる所定のセキュリティ方式を使用してウェブサービス170に対する自身の認証を行ってもよい。
【0146】
ステップ274において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、ウェブサービス170から互いのIPアドレスを受信してもよい。図13を参照して上述したように、ウェブサービス170は、ダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよい。従って、ウェブサービス170は、各デバイス上の簡略化データ転送ソフトウェアと関連付けられたプラグインと通信することにより各デバイスの現在のIPアドレスを維持してもよい。
【0147】
他方のデバイスのIPアドレスを取得すると、ステップ276において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はインターネットを介して他方のデバイスの位置を特定してもよい。ステップ264において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、他方のデバイスに対してインターネット168を介してピアツーピア接続を確立してもよい。
【0148】
図21乃至図24は、スマートプロンプト126に関連した種々の実施形態を示す。最初に図21を参照すると、フローチャート278は、開始124がNFC通信チャネル162を介して行われた際にスマートプロンプトを表示するか否か及び表示するスマートプロンプトを判定する方法の一実施形態を示す。NFC通信チャネル162を介して開始124を実行する実施形態については、図14乃至図16を参照して上述した。例示する目的で、フローチャート278により説明する方法は、簡略化データ転送システム118の作業デバイス120又はパーソナルデバイス122であってもよいハンドヘルドデバイス36の観点を示す。しかし、フローチャート278により概略を示す方法は、ディスプレイ18を有するいかなる電子デバイス10にも適応されてもよいことが理解されるべきである。
【0149】
ステップ280は、図14乃至図16を参照して上述したように、NFC通信チャネル162を介して行われる開始124に対するハンドヘルドデバイス36による応答をあらわす。ハンドヘルドデバイス36で実行するオペレーティングシステム、ハードウェア又は簡略化データ転送ソフトウェアは、図15に示したNFC通信のやり取りの後プロンプトを発行するか否か及び発行するプロンプトの種類の判定を開始してもよい。
【0150】
決定ブロック282で示すように、ハンドヘルドデバイス36は、他方の電子デバイス10がコンピュータ58であるかを評価するために開始124の間にやり取りされたデバイスプロファイル196を採用してもよい。他方のデバイスがコンピュータ58であるとハンドヘルドデバイス36が評価した場合、決定ブロック284に進んでもよい。決定ブロック284で示すように、他方の電子デバイス10がハンドヘルドデバイス36と同一のエンティティにより所有されるとハンドヘルドデバイス36が判定した場合、ステップ28に進んでもよい。
【0151】
ステップ286において、ハンドヘルドデバイス36は、ユーザが簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送128の段階に進むか否かを判定することを許可するためのプロンプトを発行してもよい。ユーザが進むことを選択した場合、ハンドヘルドデバイス36は、作業デバイス120を表すデバイス及びパーソナルデバイス122を表すデバイスに依存してコンピュータ58にデータを送出する準備をするか又はコンピュータ58からデータを受信する準備をする。
【0152】
決定ブロック284に戻り、コンピュータ58がハンドヘルドデバイス36と同一の所有者を有すると判定されない場合、ステップ288に進む。ステップ288において、ハンドヘルドデバイス36は、ユーザがハンドヘルドデバイス36及びコンピュータ58を対にすることを許可するためのプロンプトを発行してもよい。ユーザがデバイスを対にすることを選択した場合、ハンドヘルドデバイス36及びコンピュータ58は、その後同一の所有権を共有すると考えられるか、あるいは開始124の間に互いに認証してもよいデバイスを表してもよい。
【0153】
継続して図21を参照し、決定ブロック282に戻り、ハンドヘルドデバイス36が他方の電子デバイス10をコンピュータ58と判定しない場合、決定ブロック290に進んでもよい。決定ブロック290において、ハンドヘルドデバイス36は、デバイスがスタンドアロンメディアプレーヤ64であるかを評価してもよい。デバイスがスタンドアロンメディアプレーヤ64である場合、決定ブロック292に進んでもよい。決定ブロック292において、ハンドヘルドデバイス36は、ハンドヘルドデバイス36及びスタンドアロンメディアプレーヤ64が同一のエンティティにより所有されるか否かを判定してもよい。同一のエンティティにより所有されると判定される場合、決定ブロック294に進む。
【0154】
決定ブロック294において、ハンドヘルドデバイス36は、スタンドアロンメディアプレーヤ64が現在メディアファイルを再生しているか否かを判定してもよい。このような情報は、開始124の間にやり取りされたデバイスプロファイル196又はデバイス状態ポインタ208でハンドヘルドデバイス36に搬送されていてもよい。スタンドアロンメディアプレーヤ64が現在メディアファイルを再生している場合、ステップ296に進んでもよい。
【0155】
ステップ296において、ハンドヘルドデバイス36は、ユーザが簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送128の段階に進むか否かを判定することを許可するためのプロンプトを発行してもよい。ユーザが進むことを選択した場合、ハンドヘルドデバイス36は、作業デバイス120を表すデバイス及びパーソナルデバイス122を表すデバイスに依存してスタンドアロンメディアプレーヤ64にデータを送出する準備をするか又はスタンドアロンメディアプレーヤ64からデータを受信する準備をする。
【0156】
決定ブロック292に戻り、スタンドアロンメディアプレーヤ64がハンドヘルドデバイス36と同一の所有者を有すると判断されない場合、ステップ298に進んでもよい。同様に、決定ブロック294に戻り、スタンドアロンメディアプレーヤ64がメディアファイルを再生していないとハンドヘルドデバイス36が判定した場合も、ステップ298に進んでもよい。
【0157】
ステップ298において、ハンドヘルドデバイス36は、ユーザがハンドヘルドデバイス36及びスタンドアロンメディアプレーヤ64を対にすることを許可するためのプロンプトを発行してもよい。ユーザがデバイスを対にすることを選択した場合、ハンドヘルドデバイス36及びスタンドアロンメディアプレーヤ64は、その後同一の所有権を共有すると考えられるか、あるいは開始124の間に互いに認証してもよいデバイスを表してもよい。
【0158】
継続して図21を参照し、決定ブロック290に戻り、ハンドヘルドデバイス36が他方の電子デバイス10をスタンドアロンメディアプレーヤ64と判定しない場合、決定ブロック300に進んでもよい。決定ブロック300において、ハンドヘルドデバイス36は、他方の電子デバイス10が別のハンドヘルドデバイス36であるか否かを判定してもよい。他方の電子デバイス10が別のハンドヘルドデバイス36である場合、決定ブロック302に進んでもよい。
【0159】
決定ブロック302で示すように、第2のハンドヘルドデバイス36が既知のデバイスであると第1のハンドヘルドデバイス36が判定し、決定ブロック304で示すように、作業デバイス120がデータを送出しようとしている(例えば、図33乃至図35を参照して以下に説明するデータドロップを介して)場合、ステップ306に進んでもよい。
【0160】
ステップ306において、第1のハンドヘルドデバイス36は、ユーザが簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送128の段階に進むか否かを判定することを許可するためのプロンプトを発行してもよい。ユーザが進むことを選択した場合、第1のハンドヘルドデバイス36は、作業デバイス120を表すハンドヘルドデバイス36及びパーソナルデバイス122を表すデバイスに依存して第2のハンドヘルドデバイス36にデータを送出する準備をするか又は第2のハンドヘルドデバイス36からデータを受信する準備をする。
【0161】
決定ブロック302に戻り、第2のハンドヘルドデバイス36が第1のハンドヘルドデバイス36と同一の所有者を有すると判断されない場合、ステップ308に進んでもよい。同様に、決定ブロック304に戻り、第2のハンドヘルドデバイス36がデータを送出していない、あるいはデータを受信する準備ができていないと第1のハンドヘルドデバイス36が判定した場合も、ステップ308に進んでもよい。
【0162】
ステップ308において、第1のハンドヘルドデバイス36は、ユーザが第1のハンドヘルドデバイス36及び第2のハンドヘルドデバイス36を対にすることを許可するためのプロンプトを発行してもよい。ユーザがデバイスを対にすることを選択した場合、第1のハンドヘルドデバイス36及び第2のハンドヘルドデバイス36は、その後同一の所有権を共有すると考えられるか、あるいは開始124の間に互いに認証してもよいデバイスを表してもよい。
【0163】
図22A及び図22Bは、図21のフローチャート278のステップ286、288、296、298、306及び308において発行されるプロンプトを示す。最初に図22Aを参照すると、実行される簡略化データ転送プロンプト310は、一連のユーザ選択可能なボタン312を含んでもよい。ユーザ選択可能なボタン312の少なくとも1つは、例えば専用の簡略化データ転送アプリケーションを実行することによりスマートデータ転送128に進むオプションを表してもよい。
【0164】
次に図22Bを参照すると、デバイスペアリングプロンプト314は、同様に複数のユーザ選択可能なボタン316を含んでもよい。ユーザ選択可能なボタン316の少なくとも1つは、ハンドヘルドデバイス36を他方の電子デバイス10と対にするオプションを表してもよい。ユーザがデバイスを対にすることを選択した場合、ハンドヘルドデバイス36及び他方の電子デバイス10は、その後同一の所有権を共有すると考えられるか、あるいは開始124の間に互いに認証してもよいデバイスを表してもよい。
【0165】
図23は、スマートプロンプト126と関連する方法の別の実施形態を説明するフローチャート318である。フローチャート318は、開始124がNFC通信チャネル162を介して行われるか又は他のネットワーク通信チャネル160を介して行われるかに関わらず、開始124の後にスマートプロンプト126を発行するか否かを判定する一実施形態を表してもよい。フローチャート318により概要が示される方法は、ディスプレイ18を有するいかなる電子デバイス10にも適応されてもよいことが理解されるべきである。
【0166】
ステップ320から開始し、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の関係と関連付けられた種々の要素を考慮してもよい。そのような要素は、例えばデバイスの所有者、デバイスが信頼できるネットワーク上に配置されるか否か、デバイスがiTunesの登録等のメディア登録を共有するか否か、デバイスの所有者の環境設定、デバイスの所有者間のソーシャルネットワークリレーションシップ、デバイス間のトランザクションの履歴及びデバイスにより採用された他のセキュリティ対策を含んでもよい。
【0167】
決定ブロック322において、要素は、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間に信頼関係があるか否かを判定するために評価される。要素が信頼できることを示さない場合、ステップ324に進んでもよい。ステップ324において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は転送するためのコンテキストプロンプトを発行してもよい。ユーザが進むことを選択した場合、作業デバイス120はデータを送出する準備をしてもよく、パーソナルデバイス122は次のスマートデータ転送128においてデータを受信する準備をしてもよい。
【0168】
決定ブロック322に戻り、決定ブロック322において要素が信頼できることを示す場合、ステップ326に進んでもよい。ステップ326において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はデバイス状態62のデータコンテキストを考慮してもよい。次の決定ブロック328において、デバイス状態ポインタ208で示されたデータがパーソナルデバイス122に既に常駐している場合、ステップ330に進んでもよい。一例として、デバイス状態ポインタ208が転送される曲104等の特定のメディアファイルを示し、パーソナルデバイス122がメディアファイルを既に有する場合、ステップ330に進んでもよい。
【0169】
ステップ330において、スマートプロンプト182は発行されてなくてもよいが、その代わりに、作業デバイスはパーソナルデバイス120に既に存在するデータと関連する追加のポインタを転送してもよい。例えば作業デバイス120は、メディアファイルが再生されていたメディアの箇所を示すキャッシュファイルのみを転送してもよい。スマートプロンプト126が発行されないため、ステップ330の転送は、開始124のすぐ後にNFC通信チャネル162を介して行われてもよい。しかし、更に又はあるいは、ステップ330がPAN通信チャネル164又はLAN通信チャネル166等の別のネットワーク通信チャネル160を介して行われてもよいことが理解されるべきである。このように、パーソナルデバイス122はキャッシュファイルを受信し、作業デバイス120をオフにした箇所からメディアファイルを再生し始めてもよい。
【0170】
デバイス状態62のユーザデータがパーソナルデバイス122にまだ存在しない場合、決定ブロック332に進んでもよい。決定ブロック332において、パーソナルデバイス122は、開始124の間にやり取りされたデバイスファイルにより示されるように、作業デバイス120に現在開いているアプリケーションが1つのみであるか否かを判定してもよい。1つのアプリケーションのみが作業デバイス120で開かれている場合、決定ブロック334に進んでもよい。
【0171】
決定ブロック334において、パーソナルデバイス122は、デバイス状態62のユーザデータのサイズが相対的に小さいか否かを判定してもよい。この小さいか否かの判定方法は、ユーザ環境設定により判定された予め設定された閾値(例えば、1MB未満)を用いる、あるいは利用可能なネットワーク通信チャネル160の帯域幅に依存して異なってもよい。更にデータが小さいか否かは、設計の制約、パーソナルデバイス122の記憶能力又は他の要素に基づいて判定されてもよい。デバイス状態62のユーザデータが小さい場合、ステップ336に進んでもよい。ステップ336において、デバイス状態62と関連付けられた全てのユーザデータは次のスマートデータ転送128において自動的に転送されてもよい。
【0172】
決定ブロック334で示されるように、データが小さくない場合、決定ブロック338に進む。決定ブロック338によると、相対的に高い帯域幅のネットワーク通信チャネル160のうちの1つが利用可能である場合、上述したようにステップ336に進んでもよい。ネットワーク通信チャネル160のうちの1つが相対的に高い帯域幅のチャネルであるかは、ユーザ環境設定により判定された事前設定済みの閾値(例えば、2Mbit/sを上回る)から判定されてもよく、あるいは転送されるデバイス62と関連付けられたユーザデータ量に依存して異なってもよい。更にネットワーク通信チャネル160のうちの1つが相対的に高い帯域幅のチャネルであるか否かは、設計の制約、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122のネットワーク機能、あるいは他の要素に基づいて判定されてもよい。
【0173】
決定ブロック338に戻り、相対的に高い帯域幅のネットワーク通信チャネル160のうちの1つが利用可能でない場合、ステップ340に進んでもよい。ステップ340において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、図24及び図24Bに示されて以下に説明するようなプロンプトを発行してもよい。プロンプトにより、ユーザは、作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータがパーソナルデバイス122に転送されるか否か及びパーソナルデバイス122に転送される作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータを選択できる。
【0174】
継続して図23のフローチャート318を参照し、決定ブロック332に戻り、2つ以上のオープンアプリケーションが開始124の時点で作業デバイス120において開かれているとパーソナルデバイス122が判定した場合、決定ブロック342に進んでもよい。決定ブロック342において、パーソナルデバイス122は、デバイス状態62の1番上のオープンアプリケーションと関連付けられたユーザデータが相対的に小さいか否かを判定してもよい。上述したように、デバイス状態62のユーザデータのサイズが相対的に小さいか否かは、ユーザ環境設定により判定された事前設定済みの閾値(例えば、1MB未満)であってもよく、あるいは利用可能なネットワーク通信チャネル160の帯域幅に依存して異なってもよい。データが小さいか否かは、設計の制約、パーソナルデバイス122の記憶能力又は他の要素に基づいて判定されてもよい。
【0175】
決定ブロック342で示されるように、デバイス状態62の1番上のオープンアプリケーションと関連付けられたユーザデータが小さい場合、ステップ344に進んでもよい。ステップ344において、デバイス状態62において開かれた1番上のアプリケーションと関連付けられたユーザデータは、自動的に転送されるあるいは転送の準備がされてもよい。次のステップ346において、デバイス状態62の残りのユーザデータは、決定ブロック334に進む前に考慮されてもよい。同様に、決定ブロック342に戻り、デバイス状態62の1番上のオープンアプリケーションと関連付けられたユーザデータが小さくない場合、決定ブロック334に進んでもよい。
【0176】
図24A及び図24Bは、図23のフローチャート318で行われた判定に基づいて表示されてもよいコンテキストプロンプト348を示す。最初に図24Aを参照すると、コンテキストプロンプト348は、例えば一連の転送選択ボタン350、352及び354を含んでもよい。転送選択ボタン350により、ユーザは作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられた全てのユーザデータを転送できる。転送選択ボタン352により、ユーザは図24Bを参照して以下に更に説明するユーザデータのリストの中から転送されるべきユーザデータを選択できる。図31乃至図34を参照して以下に説明するように、転送選択ボタン354により、作業デバイス120は後で転送を行うためにデバイス状態62のユーザデータを保存する。
【0177】
次に図24Bを参照すると、ユーザが転送選択ボタン352を選択した場合、図中符号355で示される、対応するプロンプトが表示されてもよい。プロンプト355により、ユーザはデバイス状態62のユーザデータから転送されるデータを選択できる。図24Bのプロンプト355に表示されるユーザデータのリストは、開始124の間にパーソナルデバイス122に転送されてもよいデバイス状態ポインタから得られてもよい。
【0178】
ユーザデータを一覧表示する際に、プロンプト355はファイル名又は他のテキスト記述356を含んでもよい。テキスト記述356は、アプリケーション記述358により補足されてもよく、ファイルが設計されたアプリケーションを表す。低帯域幅要素としてパーソナルデバイス122により受信された画像360は、例えばユーザデータにより表されたファイルの種類を説明する画像を表してもよく、あるいはユーザデータの各ファイルの一部を含んでもよい。
【0179】
図25及び図26は、簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送128を示す。最初に図25を参照すると、フローチャート362は、簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送128を実行する方法の一実施形態を説明する。第1のステップ364において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、開始124及びスマートプロンプト126の後の転送に関するネットワークの選択を開始してもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、図12A乃至図12Dを参照して上述したようにユーザによる設定又はデフォルトによる設定を含む種々の要素を考慮してもよい。
【0180】
一例として、特定のネットワーク通信チャネル160の環境設定は、最速の利用可能な接続を使用して接続するか否か、インターネットのみを使用して接続するか又はインターネットを使用せずに接続するか、特定の指定された暗号化方式を使用して接続するか又は転送が行われる前にパスコード又はパスキーを要求するか、電子デバイス10の物理的な場所(すなわち、位置検出回路網22により判定される)に基づく近さを要求するか否か、あるいは特定のデバイスへの特定の指定された接続が好ましいか否かの選択に基づいてもよい。スマートデータ転送128を実行するフローチャート362は、上述したような環境設定の設定に依存して多くの可能な実施形態のうちの1つのみを表す。
【0181】
決定ブロック366において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、PAN通信チャネル164、LAN通信チャネル166又は有線I/O通信チャネル180等のローカルネットワーク通信チャネル160が利用可能であるか否かを評価してもよい。決定ブロック366の評価は、開始124の段階中に事前にやり取りされたネットワーク設定情報により容易にされてもよい。
【0182】
決定ブロック366で示すように、利用可能なネットワーク通信チャネル160のうちの1つがローカル通信チャネルである場合、ステップ368において、デバイスはネットワーク通信チャネル160を使用してピアツーピア又はアドホック接続を確立してもよい。ローカル通信チャネルでない場合、ステップ370に進んでもよい。ステップ370において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はウェブサービス170に接続してもよい。図13を参照して上述したように、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、インターネット168を介して又はWAN通信チャネル176又は178を直接介してウェブサービス170に到達してもよい。ステップ372において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、あらゆる所定のセキュリティ方式を使用してウェブサーバ170に対するデバイス認証を実行してもよい。
【0183】
次のステップ374において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、ウェブサービス170から他方のデバイスのIPアドレスを受信してもよい。図13を参照して上述したように、ウェブサービス170は、ダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよい。従って、ウェブサービス170は、各デバイス上の簡略化データ転送ソフトウェアと関連付けられたプラグインと通信することにより各デバイスの現在のIPアドレスを維持してもよい。他方のデバイスのIPアドレスを取得すると、ステップ368において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はインターネット168を介して他方のデバイスの位置を特定してもよく、ピアツーピア又はアドホック接続を確立する。
【0184】
ステップ375において、作業デバイス120は、転送されるユーザデータの特定の要素を変換してもよい。先のデバイスプロファイルのやり取りにより、作業デバイス120は、パーソナルデバイス122がユーザデータの各要素を処理できるか否かを評価してもよい。一例として、図7のデバイス状態62の実施形態と関連付けられたユーザデータは転送されるように設定されてもよい。パーソナルデバイスが表計算アプリケーション86又はプレゼンテーションアプリケーション88を有さない場合、作業デバイス120は、表計算100又はプレゼンテーション102を画像ファイル又はPDF等のパーソナルデバイス122が処理できる形式に変換してもよい。
【0185】
更に作業デバイス120は、デバイスプロファイル及び/又はネットワーク設定情報の先のやり取りに基づいてパーソナルデバイス122がインターネット168にアクセスできるかを評価してもよい。パーソナルデバイス122がインターネット168へのアクセス権を有さず、ウェブページが送出される場合、作業デバイス120はウェブページを指し示すURLだけではなくウェブページのウェブアーカイブを転送してもよい。同様に、パーソナルデバイス122がインターネット168へのアクセス権を有さず、オンライン地図が送出される場合、最初に作業デバイス120は作業デバイス120のデバイス状態62のオンライン地図のみより大きい領域に関する情報をダウンロードしてもよい。作業デバイス120は、新しくダウンロードされた地図のウェブアーカイブをパーソナルデバイス122に転送してもよい。このように、パーソナルデバイス122のユーザは、ユーザが所望する表示された元のオンライン地図だけよりも多くの情報を閲覧することができる。
【0186】
ステップ375の後、ステップ376に進んでもよい。ステップ376において、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをパーソナルデバイス122に転送し始めてもよい。ユーザデータの転送の順序は、図12A乃至図12Dを参照して上述したように、環境設定の選択から得られた複数の要素により優先順位がつけられてもよい。一例として、優先順位は、ファイルがプロダクティビティ又はオフィス関連ソフトウェア製品と関連付けられるか否か、ファイルが受信デバイスの所有者等の特定のユーザにより作成又は変更されたユーザデータを表すか否か、ファイルが特定のサイズ内であるか又は特定のサイズを上回るか、どのネットワーク通信チャネルがスマートデータ転送128に対して利用可能であるか、ファイルが受信デバイスにより固有に処理されるか否か、ファイルが特定の種類のファイルであるか否か、あるいはファイルが特定のデバイスから転送されるか又は特定の種類のデバイスから転送されるかの環境設定選択により判定されてもよい。ステップ376において全てのデータが転送されない場合もあることが理解されるべきである。作業デバイス120は、所定のサイズ(例えば、1MB)より大きい特定のファイルを転送するのではなく、データに対するポインタのみを転送してもよい。作業デバイス120は、パーソナルデバイス122から命令を受信した後にファイル全体を転送してもよい。
【0187】
決定ブロック377を参照すると、データ転送が割り込まれない場合、転送はステップ378の完了まで継続してもよい。しかし、データ転送が割り込まれた場合、決定ブロック377から決定ブロック379に進んでもよい。決定ブロック379において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、最近割り込まれた接続を再確立しようとしてもよい。接続が再確立された場合、決定ブロック377に戻り、再度割り込まれない限りデータ転送を継続する。
【0188】
最近割り込まれた接続が再確立されない場合、決定ブロック380に進んでもよい。決定ブロック380において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、別のネットワーク通信チャネル160が利用可能であるか否かを評価してもよい。別のネットワーク通信チャネル160が利用可能である場合、ステップ381において新しい接続が確立されてもよい。別のネットワーク通信チャネル160が利用可能でない場合、ステップ382に進む。ステップ382において、作業デバイス120は、後で転送するために残りのユーザデータを保存してもよい。ステップ382により示されるような遅延転送については、図31乃至図34を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0189】
ステップ376乃至382について、以下の例により説明する。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122が互いに物理的に近い間にユーザが簡略化データ転送システム118を開始する場合、ステップ376のデータの最初の転送は、PAN通信チャネル164又はLAN通信チャネル166等のローカルネットワーク通信チャネル160を介して行われてもよい。しかし、その後、デバイスが転送を継続できない距離にユーザが作業デバイス120及びパーソナルデバイス122を離した場合、作業デバイス120は、WAN通信チャネル172又は174を経由してインターネット168を介する等の別のチャネルを介してデータを転送し続けてもよい。あるいは、作業デバイス120は後で転送するために残りのユーザデータを保存してもよい。
【0190】
図26乃至図28は、スマートデータ転送128の後にユーザデータを受信した際のパーソナルデバイス122による応答の例を示す。最初に図26Aを参照すると、受信データ画面384は、受信データ385のリストを表示してもよい。受信データ385は、パーソナルデバイス122により受信された作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータを表す。ユーザは、受信データ385を押下することにより開いてもよく、それにより関連するモバイルアプリケーションでデータを開ける。
【0191】
図25のフローチャート362のステップ375を参照して上述したように、特定のデータは転送前に変換されてもよい。そのような状況を例示すると、受信データ画面384の受信データ385は、パーソナルデバイス122が固有の形式のファイルを処理できないためにPDFファイルに変換されて転送されるプレゼンテーション及び表計算を含んでもよい。従って、受信データ画面384は、ファイルがパーソナルデバイス122上のPDFリーダで開かれることを示してもよい。
【0192】
パーソナルデバイス122は、データの種類に基づいて特定のアプリケーションを使用して受信データ385を開いてもよい。例えばパーソナルデバイス122は、地図特化アプリケーションでオンライン地図のウェブアーカイブ又はURLを開いてもよく、動画特化アプリケーションでオンラインビデオのウェブアーカイブ又はURLを開いてもよく、あるいはウェブブラウザで地図でもビデオでもないウェブページのウェブアーカイブ又はURLを開いてもよい。パーソナルデバイス122は、メディア又はプレイリストに対するポインタを開いてもよく、あるいはメディア管理アプリケーションでメディアファイルを開いてもよい。iWork Reader等のアプリケーションで開ける.keyファイル(Keynote'08と関連付けられた)、並びにOffice Reader等のアプリケーションで開ける.doc、.xls及び.pptファイルを含む特定のプロダクティビティデータは、特定のアプリケーションで開かれてもよい。更に、他の第三者の開発者と関連付けられたデータは、特にパーソナルデバイス122に対して開発されたアプリケーションで開かれてもよい。
【0193】
更に受信データが特に大きい場合、作業デバイス120はデータに対するポインタのみを送出してあってもよい。そのような場合、ユーザは大きいデータをダウンロードするオプションを選択してもよい。一連の関連する受信データアイコン386は、受信データ385の追加の画像又は一部を提供してもよい。
【0194】
図12A乃至図12Dを参照して上述したように、オプションボタン387及び編集ボタン388は、ユーザが種々の環境設定を調整することを可能にする。オプションボタン387及び編集ボタン388、並びに特定の所定のインタフェース機能を使用して、ユーザは種々の方法で受信データ385のリストを変更してもよい。例えばユーザは、アップル社のiPhoneにより使用されるような多くの他のモバイルデバイスアプリケーションで使用されるように水平方向に行くことにより個々のリスト項目を削除してもよい。ユーザは、ごみ箱アイコン390をタップすることにより全てのリスト項目を削除してもよい。ユーザは、更新ボタン389を選択することにより別の簡略化データ転送114を開始することによりリストを更新してもよい。更新ボタン389は、図17乃至図20を参照して上述したように、簡略化データ転送114を再開するために通信を開始してもよい。ユーザがリストを更新した場合、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたデータが変更されていてもよいが、既存のリスト項目は残り、除去されなくてもよい。このように、作業デバイス120のデバイス状態62の全ての変更が更新毎に受信データ385のリストにのみ追加されてもよい。
【0195】
簡略化データ転送アプリケーションが閉じられて受信データ画面384が可視でなくなった場合、受信データ385のリストが残っていてもよいことが理解されるべきである。後でユーザがハンドヘルドデバイス36のホーム画面から簡略化データ転送アプリケーションアイコン40を選択することにより簡略化データ転送アプリケーションを開いた場合、受信データのリストは同一である。
【0196】
次に図26Bを参照すると、視覚的な受信データ画面391は、視覚的に魅力的で直観的な方法で受信データ画面384の受信データ385のリストを表示してもよい。一例として、視覚的な受信データ画面391は、ハンドヘルドデバイス36がスマートデータ転送128でデータを受信した後にユーザがハンドヘルドデバイス36を傾けた際に得られてもよい。視覚的な受信データ画面391は、アップル社のCover Flow(登録商標)等の技術を使用して受信データ385の表現を表示してもよい。
【0197】
視覚的な受信データ画面391を使用すると、ユーザはアクセスしたい受信データ385を素早く見つけることができる。視覚的な記述394は、受信データ385を記述する画像を表示してもよく、例えば作業デバイス120のデバイス状態62のデータの一部又はスクリーンショットを提供する。テキスト記述396は、例えばデータ名、データが関連付けられた作業デバイス120のアプリケーション及び/又はデータにアクセスするパーソナルデバイス122のアプリケーションを示すテキストを提供してもよい。ユーザは、指ではじくことにより、選択肢の受信データ385を選択するために視覚的な記述394と関連するテキスト記述396とを入れ替えることができる。
【0198】
図27は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをインテリジェントに表示する別の方法の一実施形態を説明するフローチャート396である。第1のステップ398において、スマートデータ転送128の後、パーソナルデバイス122はデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを受信してもよい。ステップ400において、パーソナルデバイス122はユーザデータと関連付けられたコンテキストを考慮してもよい。例えば、決定ブロック402において、パーソナルデバイス120は、ユーザデータが小さいか否かを判定してもよい。受信したユーザデータのサイズが小さいか否かの判定は、ユーザ環境設定により判定された事前設定済みの閾値(例えば、1MB未満)を用いる、あるいは設計の制約、パーソナルデバイス122の記憶能力又は他の要素に基づいて判定されてもよい。受信データが小さいと判定された場合、決定ブロック404に進んでもよい。
【0199】
決定ブロック404で示すように、ユーザデータが地図又はURLである場合、ステップ406に進んでもよい。ステップ406において、地図は地図ソフトウェアで表示されてもよく、あるいはURLはパーソナルデバイス122のウェブブラウザで表示されてもよい。あるいは、パーソナルデバイス122は、地図又はURLが受信されたことの指示を提供してもよい。決定ブロック404に戻り、デバイス状態62のユーザデータが地図及びURLのいずれでもない場合、決定ブロック408に進んでもよい。決定ブロック408において、パーソナルデバイス122は、地図、URL、又は小さいユーザデータが、受信された唯一のデータであるか否かを判定してもよい。地図、URL、または小さいユーザデータが唯一のデータである場合、ステップ410において、適切なアプリケーションがユーザデータを自動的に開いて表示してもよい。あるいは、パーソナルデバイス122は、特定のアプリケーションのユーザデータが受信されたことを示す指示を提供してもよい。
【0200】
決定ブロック408に戻り、少ない量のユーザデータが受信された唯一のデータでない場合、ステップ412に進んでもよい。ステップ412において、パーソナルデバイス122は、ユーザデータが受信されたことを示す指示を提供し、受信ユーザデータに関係するアプリケーションを示してもよい。
【0201】
図27のフローチャート396を更に参照し、決定ブロック402に戻り、受信したデータが小さくない場合、決定ブロック414に進んでもよい。決定ブロック414によると、パーソナルデバイス122は、受信データが1つのファイルのみで構成されるか否かを判定してもよい。1つのファイルのみで受信データが構成される場合、ステップ416において、パーソナルデバイス122は、適切なアプリケーションでデータを開く前にプロンプトを発行してもよく、あるいは特定のアプリケーションと関連付けられたユーザデータが受信されたことを示す指示を提供してもよい。
【0202】
決定ブロック414で示すように、データが受信された唯一のデータでない場合、ステップ412に進んでもよい。ステップ412において、パーソナルデバイス122は、ユーザデータが受信されたことを示す指示を提供し、受信ユーザデータに関係するアプリケーションを示してもよい。
【0203】
図28は、パーソナルデバイス122が作業デバイス120からユーザデータを受信した後のパーソナルデバイス122上の指示画面418の一実施形態を示す。図28に示すように、指示画面418は、パーソナルデバイス122がユーザデータを受信したことを示す。一例として、指示画面418は、受信されたユーザデータが図7のデバイス状態62の実施形態のユーザデータの要素を表すことを示してもよい。デバイス状態62と関連付けられたユーザデータは、例えばウェブページ96、オンライン地図98、表計算100、プレゼンテーション102、音楽ファイル104、プレイリスト106及びビデオファイル108を含んでもよい。このようなユーザデータが受信されると、指示画面418は、デバイス状態62の各要素がパーソナルデバイス122により受信されたことを反映してもよい。
【0204】
図中符号420で示すように、ウェブブラウザアプリケーションのアイコンは、ウェブページ96が受信されたことを示すために点灯されてもよい。同様に、地図専用アプリケーションアイコン258は、オンライン地図98が受信されたことを示すために点灯されてもよい。上述したようにパーソナルデバイス122が表計算100又はプレゼンテーション102等の特定のユーザデータを固有に処理する機能を有さないため、ユーザデータは転送前に変換されていてもよい。従って、表計算100及びプレゼンテーション102は、画像ファイル又はPDFとしてパーソナルデバイス122により受信されていてもよい。写真アプリケーションアイコン424は、表計算100及びプレゼンテーション102が受信されたことを示すために点灯されてもよい。
【0205】
最後に、メディア管理アプリケーションアイコン426は、音楽ファイル104、プレイリスト106及び/又はビデオファイル108が受信されたことを示すために点灯されてもよい。更に簡略化データ転送アイコン44は、どんなデバイス状態62のユーザデータでも受信されたことを示すために点灯されてもよい。点灯したアイコンのいずれかを選択することにより、ユーザはパーソナルデバイス122により受信されたユーザデータを閲覧することができる。
【0206】
図29を参照すると、フローチャート428は、簡略化データ転送114を実行する方法の例示的な一実施形態を説明する。一例として、ユーザはデバイス状態62のデスクトップインタフェースを有するコンピュータ58で作業している。コンピュータ58のデバイス状態62は、関連するデータを有する種々のオープンアプリケーションを含んでもよい。例えばウェブブラウザは、New York Times(登録商標)のページ、Google Maps(登録商標)に対して開かれたページ及びYouTubeで再生しているビデオ等のいくつかのウェブページを表示してもよい。iTunes等のメディア管理アプリケーションがプレイリストの曲を再生していてもよく、その一方でKeynote '08等のプロダクティビティアプリケーションはプレゼンテーションを表示してもよく、アドビ社のPhotoshop(登録商標)等のデジタルコンテンツ作成アプリケーションはPhotoshopファイル等のコンテンツ作成ファイルを表示してもよい。ユーザがコンピュータ58から離れたい場合、ハンドヘルドデバイス36を使用して簡略化データ転送114を利用することによりコンピュータ58に現在開かれているデータの全て又は選択したデータを「取り込む」ことができる。
【0207】
第1のステップ430において、通信は、ハンドヘルドデバイス36とコンピュータ58との間で開始されてもよい。コンピュータ58は、ユーザが転送するためにデバイス状態62のデータを開くため、コンピュータ58は作業デバイス120を表してもよく、ハンドヘルドデバイス36はパーソナルデバイス122を表してもよい。開始するために、例えばユーザは簡略化データ転送アプリケーションアイコン40を選択してもよく、アイコン40はアプリケーションを起動し、図17Cで示されたプロンプトをハンドヘルドデバイス36に表示してもよい。図17Cに示すように、プロンプトは、コンピュータ58の項目の「取り込み」を開始するオプションを含んでもよい。
【0208】
ステップ432は、ユーザがコンピュータ58の項目の「取り込み」を開始するオプションを選択した際に開始してもよく、ハンドヘルドデバイス36は、LAN通信チャネル166を介してコンピュータ58に要求を送出してもよい。要求は、簡略化データ転送アプリケーションで設定された環境設定に基づいて他方の電子デバイス10ではなくコンピュータ58にルーティングされてもよい。図17を参照して上述したように、ユーザは、「発信元」とラベル付けされたボタンを選択して、コンピュータ58が作業デバイス120として役割を果たすように環境設定を選択してもよい。図13を参照して上述したように、ハンドヘルドデバイス36から可視である電子デバイス10のリストは、アップル社のBonjour等のデバイス識別ネットワークプロトコルを使用して取得されてもよいことが理解されるべきである。あるいは、要求はハンドヘルドデバイス36とコンピュータ58との間の事前に確立されたセキュリティ上安全なペアリング関係に基づいてコンピュータ58にルーティングされてもよい。
【0209】
継続してステップ432を参照すると、ハンドヘルドデバイス36からコンピュータ58に送出された要求は、コンピュータ58において少なくとも1つの「リスナー」により受信されてもよい。「リスナー」は、例えばスタンドアロンアプリケーション、オペレーティングシステムの機能、あるいはコンピュータ58のデバイス状態62の1つ以上のアプリケーションと関連付けられた機能又はプラグインであってもよい。「リスナー」は、要求を受信した後、デバイス状態62のアプリケーションで開かれたデータに関する情報を収集してもよい。メディアがメディア管理アプリケーションで再生している場合、メディアは一時停止されてもよい。
【0210】
ステップ434において、コンピュータ58の「リスナー」は、デバイス状態ポインタ208をハンドヘルドデバイス36に転送してもよい。上述したように、デバイス状態ポインタ208は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたデータに関する種々の情報を提供してもよい。1つ以上の「リスナー」アプリケーションが情報を転送すると、デバイス状態ポインタ208は、全てが1度に受信されてもよく又は時間をずらして受信されてもよい。
【0211】
ステップ436は、ステップ434の後又はステップ434と同時に行われてもよい。デバイス状態ポインタ208が受信されると、ハンドヘルドデバイス36はスマートプロンプト126で各項目を表示してもよい。この場合、スマートプロンプト126は図26A及び図26Bのプロンプトと同様であってもよく、各項目はデバイス状態ポインタ208で受信された際に表示されてもよい。
【0212】
上記で紹介した例を参照すると、ステップ436のスマートプロンプトは、以下のようにコンピュータ58のデバイス状態62と関連付けられたデータの項目のリストを表示してもよい。New York Timesのウェブページは、ページタイトル、ウェブページのURL、並びに項目を選択することによりアップル社のSafari等のモバイルウェブブラウザでウェブページが開かれることの指示により記述されてもよい。YouTubeの動画ウェブページは、動画名、動画のURL、並びに項目を選択することによりアップル社のiPhone用のYouTube(登録商標)アプリケーション等のモバイルオンライン動画アプリケーションで動画が開かれることの指示により記述されてもよい。Google Mapsのウェブページは、場所又は方向のタイトル、地図ウェブページのURL、項目を選択することによりアップル社のiPhone用のMapsアプリケーション等のモバイルオンライン地図アプリケーションで地図が開かれることの指示により記述されてもよい。
【0213】
上述したように、上記データはデバイス状態ポインタ208により提供されたURLからインターネット168により取得されてもよい。ハンドヘルドデバイス36がインターネット168にアクセスする機能を有するとコンピュータ58が判定した場合、デバイス状態ポインタ208は、そのような限定されたデータをハンドヘルドデバイス36に転送してもよい。ハンドヘルドデバイス36がインターネット168にアクセスする機能を有するとコンピュータ58が判定しない場合、コンピュータ58は以下に説明する次の転送ステップで上記項目のウェブアーカイブを送出してもよいことが理解されるべきである。
【0214】
メディア管理アプリケーションで再生している曲は、曲名、再生ヘッドポインタ(コンピュータ58が停止した曲の位置を示す)及び/又はプレイリストポインタ、及び項目を選択した場合に、アップル社のiPhone用のiPodアプリケーション等のモバイルメディア管理アプリケーションで曲が開かれることを示す指示を含んで記述されてもよい。ユーザが項目を選択した場合、モバイルメディア管理アプリケーションはコンピュータ58が停止した位置から曲の再生を開始でき、同一のプレイリストの次の曲が次の曲として再生される。曲及びプレイリストの少なくともいずれかがハンドヘルドデバイス36に既に存在する場合、デバイス状態ポインタ208はこのような限定された情報を送出してもよいことが理解されるべきである。曲がハンドヘルドデバイス36で入手可能でない場合、コンピュータ58は、以下に説明する次の転送ステップで曲全体を送出してもよい。
【0215】
プレゼンテーションは、ファイル名、並びに項目を選択した場合にファイルがダウンロードされることを示す指示により記述されてもよい。同様に、コンテンツ作成ファイルも、ファイル名、並びに項目を選択した場合にファイルがダウンロードされることの指示により記述されてもよい。いずれかの項目を選択することにより、ハンドヘルドデバイス36はコンピュータ58に要求を送出し、選択した項目をダウンロードできる。
【0216】
継続して図29のフローチャート428を参照すると、特定の項目が選択された場合にステップ438が行われてもよい。例えばユーザがダウンロードするコンテンツ作成ファイルを選択した場合、まずコンピュータ58はファイルをPDFに変換してもよい。
【0217】
次のステップ440において、コンピュータ58は、ユーザがダウンロードするために選択したあらゆるデータ、あるいはハンドヘルドデバイス36がアクセス可能でないウェブアーカイブ、曲又は他のデータを転送してもよい。ステップ442において、ステップ440でデータが転送された後、プロンプトは、特定の状態指示を変更することによりデータが受信されたことを示してもよい。例えばプレゼンテーションファイルが受信された後、プロンプトは、項目を選択することによりアップル社のiWork Reader等のモバイルリーダアプリケーションでプレゼンテーションが開かれることを示してもよい。同様に、コンテンツ作成ファイル(PDF形式)が受信された後、プロンプトは、項目を選択することによりモバイルPDFリーダアプリケーションでファイルが開かれることを示してもよい。
【0218】
図30を参照すると、フローチャート444は、ユーザが簡略化データ転送システム118を使用して簡略化データ転送114を実行するための方法の一実施形態を説明する。第1のステップ446において、ユーザは本明細書に記載された簡略化データ転送技術を実行するように構成された2つの電子デバイス10を起動してもよい。ステップ448において、ユーザは一方のデバイスで少なくとも1つのアプリケーションを開いてもよい。オープンアプリケーションを有する電子デバイス10は作業デバイス120と考えられてもよく、他方の電子デバイス10はパーソナルデバイス122と考えられてもよい。
【0219】
ステップ450において、例えば、ユーザは各NFCインタフェース34に近接して2つのデバイスを接続することにより簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は開始124と関連付けられた通信を開始してもよい。ステップ452において、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120がスマートプロンプト126を発行すると、ユーザは簡略化データ転送ソフトウェアを実行するオプションを選択してもよい。最後にステップ454において、ユーザはパーソナルデバイス122において作業デバイス120からデータを受信してもよい。
【0220】
図31A及び図31Bは、スマートデータ転送128が開始124あるいはスマートプロンプト126が生じた時間から遅延が生じる簡略化データ転送システム118の別の実施形態を示す。最初に図31Aを参照すると、遅延簡略化データ転送システム456は、簡略化データ転送システム118の別の実施形態を表してもよい。遅延簡略化データ転送システム456において、開始124及びスマートプロンプト126の段階を経た後、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをすぐに転送するのではなく保存してもよい。ユーザデータは、作業デバイス120のメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16に保存されてもよい。
【0221】
作業デバイス120は、インターネット168を介するピアツーピア接続を介してメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16からリモートパーソナルデバイス122にデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを後で転送してもよい。パーソナルデバイス122が作業デバイス122から離れているため、パーソナルデバイス122はLANインタフェース30又はWANインタフェース32を介してインターネット168に接続されてもよい。理解されるべきであるように、インターネット168を介するピアツーピア接続を形成するために、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はまずウェブサービス170をポーリングしてもよい。図13を参照して上述したように、ウェブサービス170はダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよく、これは各デバイスに常駐する簡略化データ転送アプリケーションと関連付けられたプラグインと通信することにより各デバイスの現在のIPアドレスを維持してもよい。一例として、ウェブサービス170は、アップル社のBack to My Macサービスの機能であってもよい。
【0222】
次に図31Bを参照すると、別の遅延簡略化データ転送システム458は、簡略化データ転送システム118の別の実施形態を表してもよい。遅延簡略化データ転送システム458において、開始124及びスマートプロンプト126の段階を経た後、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをリモートストレージ460に転送してもよい。リモートストレージ460は、データをリモートに格納するサーバを表してもよく、ウェブサービス170と関連付けられてもよい。
【0223】
リモートストレージ460は、インターネット168を介したピアツーピア接続によりパーソナルデバイス122にユーザデータを後で転送してもよい。パーソナルデバイス122がリモートストレージ460から離れているため、パーソナルデバイス122はLANインタフェース30又はWANインタフェース32を介してインターネット168に接続されてもよい。理解されるべきであるように、インターネット168を介するピアツーピア接続を形成するために、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はまずウェブサービス170をポーリングしてもよい。ウェブサービス170はダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよく、これはリモートストレージ460の現在のIPアドレスを維持してもよい。一例として、ウェブサービス170は、アップル社のBack to My Macサービスの機能であってもよい。
【0224】
図32A及び図32Bは、図31A及び図31Bの遅延簡略化データ転送システム456及び458を採用する方法の実施形態を示す。最初に図32Aを参照すると、フローチャート462は、図31Aの遅延簡略化データ転送システム456の方法の一実施形態を説明する。第1のステップ464において、開始124が行われ、次のステップ466において、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120はスマートプロンプト126を発行してもよい。
【0225】
ステップ468において、スマートデータ転送128が行われてもよい。しかし、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータをパーソナルデバイス122に直接転送するのではなく、作業デバイス120はユーザデータをメインメモリ14又は不揮発性メモリ16に保存してもよい。ステップ470において、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータの全て又は一部をメインメモリ14又は不揮発性メモリ16からパーソナルデバイス122に後で転送してもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は互いに離れて配置されているため、最初に当該2つのデバイスはインターネット168を介するピアツーピア接続を確立してもよい。
【0226】
理解されるべきであるように、インターネット168を介するピアツーピア接続を形成するために、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はまずウェブサービス170をポーリングしてもよい。図13を参照して上述したように、ウェブサービス170はダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよく、これは各デバイスに常駐する簡略化データ転送アプリケーションと関連付けられたプラグインと通信することにより各デバイスの現在のIPアドレスを維持してもよい。一例として、ウェブサービス170は、アップル社のBack to My Macサービスの機能であってもよい。
【0227】
次に図32Bを参照することにより、フローチャート472は、図31Bの遅延簡略化データ転送システム458の方法の一実施形態を説明する。第1のステップ474において、開始124が行われ、次のステップ476において、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120はスマートプロンプト126を発行してもよい。
【0228】
ステップ478において、スマートデータ転送128が行われてもよい。しかし、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータをパーソナルデバイス122に直接転送するのではなく、作業デバイス120はユーザデータをリモートストレージ460に転送してもよい。上述したように、リモートストレージ460は、データをリモートに格納するサーバを表してもよく、ウェブサービス170と関連付けられてもよい。ステップ480において、リモートストレージ460は、作業デバイス120から受信するユーザデータの全て又は一部を後で転送してもよい。リモートストレージ460及びパーソナルデバイス122が互いに離れて配置されているため、最初にデバイスはインターネット168を介するピアツーピア接続を確立してもよい。
【0229】
理解されるべきであるように、インターネット168を介するピアツーピア接続を形成するために、パーソナルデバイス122はまずウェブサービス170をポーリングしてもよい。ウェブサービス170はダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよく、リモートストレージ460の現在のIPアドレスを維持してもよい。一例として、ウェブサービス170は、アップル社のBack to My Macサービスの機能であってもよい。
【0230】
図33A乃至図33Cは、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータがパーソナルデバイス122を介して宛先デバイス484に転送される簡略化データ転送システム118の別の実施形態を示すブロック図である。理解されるべきであるように、図33A乃至図33Cで示す実施形態は図9A乃至図9Fに示されて上述した実施形態を反映する。
【0231】
図33Aを参照すると、3つのデバイスの簡略化データ転送システム482は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたデータを、パーソナルデバイス122を介して宛先デバイス484に転送することを含んでもよい。作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の第1の簡略化データ転送114において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送してもよい。
【0232】
デバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送した後、作業デバイス120は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータをパーソナルデバイス122に転送してもしなくてもよい。その代わりに、作業デバイス120は、後で転送するためにデバイス状態62と関連付けられたユーザデータをメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16に保存してもよい。
【0233】
その後、パーソナルデバイス122は、パーソナルデバイス122と宛先デバイス484との間で別の簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイスは宛先デバイス484に対して「ドロップ」を開始してもよい。図35A及び図35Bを参照して以下に説明するように、ドロップ機能は、当該ドロップ機能がパーソナルデバイス122に対してデータを転送するのではなくパーソナルデバイス122からデータを転送しうること以外は開始124と同様であってよい。宛先デバイス484に対してドロップを実行する際は、パーソナルデバイス122はデバイス状態ポインタ208又は作業デバイスのデバイスプロファイル196を宛先デバイス484に転送してもよい。
【0234】
デバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206で受信した情報を使用して、宛先デバイス484は作業デバイス120からデバイス状態62のユーザデータを要求してもよい。その後、作業デバイス120は、ユーザデータをメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16から宛先デバイス484に転送してもよい。
【0235】
次に図33Bを参照すると、3つのデバイスの簡略化データ転送システム486は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたデータを、パーソナルデバイス122を介して宛先デバイス484に転送することを含んでもよい。作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の第1の簡略化データ転送114において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送してもよく、その後、デバイス状態62のユーザデータをパーソナルデバイス122に転送する。
【0236】
パーソナルデバイス122はその後、パーソナルデバイス122と宛先デバイス484との間で別の簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイスは宛先デバイス484に対して「ドロップ」を開始してもよい。図35A及び図35Bを参照して以下に説明するように、ドロップ機能は、当該ドロップ機能がパーソナルデバイス122に対してデータを転送するのではなくパーソナルデバイス122からデータを転送しうること以外は開始124と同様であってよい。宛先デバイス484に対してドロップを実行する際は、パーソナルデバイス122はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206、並びに作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを転送してもよい。
【0237】
図33Cを参照すると、3つのデバイスの簡略化データ転送システム488は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたデータを、パーソナルデバイス122を介して宛先デバイス484に転送することを含んでもよい。作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の第1の簡略化データ転送114において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送してもよい。
【0238】
デバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送した後、作業デバイス120は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータをパーソナルデバイス122に転送してもしなくてもよい。その代わりに、作業デバイス120は、後で転送するためにデバイス状態62と関連付けられたユーザデータをリモートストレージ460に転送してもよい。
【0239】
その後、パーソナルデバイス122は、パーソナルデバイス122と宛先デバイス484との間で別の簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイスは宛先デバイス484に対して「ドロップ」を開始してもよい。図35A及び図35Bを参照して以下に説明するように、ドロップ機能は、当該ドロップ機能がパーソナルデバイス122に対してデータを転送するのではなくパーソナルデバイス122からデータを転送しうること以外は開始124と同様であってよい。宛先デバイス484に対してドロップを実行する際は、パーソナルデバイス122はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206を宛先デバイス484に転送してもよい。
【0240】
デバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206で受信した情報を使用して、宛先デバイス484はリモートストレージ460からデバイス状態62のユーザデータを要求してもよい。その後、リモートストレージ460は、ユーザデータを宛先デバイス484に転送してもよい。
【0241】
図34A乃至図34Cは、図33A乃至図33Cの3つのデバイスの簡略化データ転送システム482、486及び488を採用する方法の実施形態を示す。最初に図34Aを参照すると、フローチャート490は、図33Aの3つのデバイスの簡略化データ転送システム482に対する方法の一実施形態を説明する。第1のステップ492において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は開始124を開始してもよく、次のステップ494において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送してもよい。
【0242】
ステップ496において、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16に保存してもよい。その後ステップ498において、パーソナルデバイス122は、パーソナルデバイス122と宛先デバイス484との間で別の簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイスは宛先デバイス484に対して「ドロップ」を開始してもよい。図35A及び図35Bを参照して以下に説明するように、ドロップ機能は、当該ドロップ機能がパーソナルデバイス122に対してデータを転送するのではなくパーソナルデバイス122からデータを転送しうること以外は開始124と同様であってよい。宛先デバイス484に対してドロップを実行する際は、ステップ500において、パーソナルデバイス122はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206を宛先デバイス484に転送してもよい。
【0243】
ステップ502において、デバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206で受信した情報を使用して、宛先デバイス484は作業デバイス120からデバイス状態62のユーザデータを要求してもよい。その後、作業デバイス120は、メインメモリ14又は不揮発性記憶装置16から宛先デバイス484にユーザデータを転送してもよい。
【0244】
次に図34Bを参照すると、フローチャート504は、図33Bの3つのデバイスの簡略化データ転送システム486の方法の一実施形態を説明する。第1のステップ506において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は開始124を開始してもよく、次のステップ508において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送してもよい。
【0245】
ステップ510において、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをパーソナルデバイス122に転送してもよい。その後ステップ512において、パーソナルデバイス122は、パーソナルデバイス122と宛先デバイス484との間で別の簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイスは宛先デバイス484に対して「ドロップ」を開始してもよい。図35A及び図35Bを参照して以下に説明するように、ドロップ機能は、当該ドロップ機能がパーソナルデバイス122に対してデータを転送するのではなくパーソナルデバイス122からデータを転送しうること以外は開始124と同様であってよい。宛先デバイス484に対してドロップを実行する際は、ステップ514において、最初にパーソナルデバイス122はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206を宛先デバイス484に転送してもよい。次のステップ516において、パーソナルデバイス122は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを宛先デバイス484に転送してもよい。
【0246】
図34Cを参照すると、フローチャート518は、図33Cの3つのデバイスの簡略化データ転送システム488に対して方法の一実施形態を説明する。第1のステップ520において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は開始124を開始してもよく、次のステップ522において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送してもよい。
【0247】
ステップ524において、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをリモートストレージ460に転送してもよい。その後ステップ526において、パーソナルデバイス122は、パーソナルデバイス122と宛先デバイス484との間で別の簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイスは宛先デバイス484に対して「ドロップ」を開始してもよい。図35A及び図35Bを参照して以下に説明するように、ドロップ機能は、当該ドロップ機能がパーソナルデバイス122に対してデータを転送するのではなくパーソナルデバイス122からデータを転送しうること以外は開始124と同様であってよい。宛先デバイス484に対してドロップを実行する際は、ステップ528において、パーソナルデバイス122はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206を宛先デバイス484に転送してもよい。
【0248】
ステップ530において、デバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206で受信した情報を使用して、宛先デバイス484はリモートストレージ460からデバイス状態62のユーザデータを要求してもよい。その後、リモートストレージ460は、ユーザデータを宛先デバイス484に転送してもよい。
【0249】
図35A及び図35Bは、パーソナルデバイス122からリモートストレージ460へ「ドロップ」を実行する一実施形態を示す。最初に図35Aを参照すると、データドロップ画面532は、パーソナルデバイス122から宛先デバイス484にユーザデータをドロップするためのプロンプトを含んでもよい。データドロップ画面532は、ユーザ選択可能なボタン534、536及び538を含んでもよい。ユーザ選択可能なボタン534により、ユーザは先にパーソナルデバイス122に転送された全てのユーザデータを宛先デバイス484に転送することを選択できる。同様に、ユーザ選択可能なボタン536により、ユーザは宛先デバイス484に転送されるデータを選択できる。トランザクションをキャンセルするために、ユーザはユーザ選択可能なボタン538を選択してもよい。トランザクションがキャンセルされた場合、ユーザデータはパーソナルデバイス122に残っており、2回目のドロップが開始されない限り宛先デバイス484に転送されない場合がある。
【0250】
次に図35Bを参照すると、ユーザ選択可能なボタン536がユーザにより選択された際にリストから選択する画面539が得られてもよい。リストから選択する画面539は、ユーザにより宛先デバイス484に「ドロップ」されるように選択されるユーザデータ540を一覧表示してもよい。ユーザデータ540は、ファイル名又は他のテキスト記述542に基づいて記述されてもよく、これはファイルが設計されたアプリケーションを更に一覧表示してもよい。画像544は、低帯域幅要素210としてパーソナルデバイス122に配布されていてもよく、ユーザデータ540又はユーザデータ540の一部により表されたファイルの種類を表してもよい。
【0251】
図36を参照すると、フローチャート546は、3つの電子デバイス10の間で上述した簡略化データ転送技術を使用する方法の一実施形態を示す。第1のステップ548において、ユーザはスマートデータ転送ソフトウェアを有する2つのデバイスを起動してもよい。ステップ550において、ユーザは第1の電子デバイス10において少なくとも1つのアプリケーションを開いてもよい。ステップ552において、ユーザはNFC通信チャネル162のNFCを介して通信を開始するためにデバイスを互いに接続する。従って、オープンアプリケーションを有する電子デバイス10は作業デバイス120を表してもよく、他方の電子デバイス10はパーソナルデバイス122を表してもよい。
【0252】
決定ブロック554において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はスマートプロンプト126を発行してもよい。上述したように、スマートプロンプト126は種々の要素に依存して発行されてもされなくてもよい。決定ブロック554で示すように、プロンプトが発行された場合、ステップ556に進む。ステップ556において、ユーザはスマートデータ転送ソフトウェアを実行してスマートデータ転送128の段階に入ることを選択してもよい。ステップ556の後、あるいはプロンプトが発行されなかった場合、ステップ558に進む。
【0253】
ステップ558において、ユーザはパーソナルデバイス122において作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを受信してもよい。あるいは、ユーザはデバイス状態ポインタ208のみを受信してもよい。ステップ560において、ユーザは上述した簡略化データ転送技術を行うように構成された第3の電子デバイス10を起動してもよい。
【0254】
次のステップ562において、ユーザはNFC通信チャネル162を介して通信を開始するために第3の電子デバイス10に対してパーソナルデバイス122を接続してもよい。このとき、第3の電子デバイス10は宛先デバイス484を表してもよい。
【0255】
決定ブロック564において、パーソナルデバイス122又は宛先デバイス484はスマートプロンプト126を発行してもよい。上述したように、スマートプロンプト126は種々の要素に依存して発行されてもされなくてもよい。決定ブロック564で示すように、プロンプトが発行された場合、ステップ566に進む。ステップ566において、ユーザはスマートデータ転送ソフトウェアを実行して宛先デバイスへの「ドロップ」を開始することを選択してもよい。ステップ566の後、あるいはプロンプトが発行されなかった場合、ステップ558に進む。
【0256】
ステップ568において、ユーザはパーソナルデバイス122を介して作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを宛先デバイス484にドロップしてもよい。あるいは、ユーザはデバイス状態ポインタ208のみを宛先デバイス484にドロップし、宛先デバイス484が作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを作業デバイス120又はリモートストレージ160から直接受信できるようにしてもよい。
【0257】
記述した技術の種々の変形例は、ユーザが簡略化された方法でデバイス間のデータを転送することを可能にするために採用されてもよい。図37及び図38は、上述の技術の1つの変形例を示し、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460を介して作業デバイス120の部分的なデバイス状態からデータを取得してもよい。図39乃至図41は、上述の技術の別の変形例を示し、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460を介して部分的なデバイス状態からデータを取得し且つ作業デバイス120を介してデバイス状態から他のデータを直接取得する。図43乃至図47は、上述の技術の変形例に関して作業デバイス120又はパーソナルデバイス122に表示される画面を示す。
【0258】
最初に図37を参照すると、転送図570は、パーソナルデバイス122がリモートストレージ460を介して作業デバイス120の部分的なデバイス状態からデータを取得できる方法を示す。転送図570において、作業デバイス120は、デバイス状態62全体を転送するのではなく、本明細書では部分的なデバイス状態572と呼ばれるデバイス状態62の特定の選択要素のみを転送してもよい。部分的なデバイス状態572は、最近開かれた及び/又は保存されたファイル、ウェブ履歴、音楽、写真等を含んでもよい。一例として、部分的なデバイス状態572は、スタンドアロンアプリケーション、既存のアプリケーション(例えば、メディア管理アプリケーション90又はバックアップアプリケーション94)に組み込まれた機能又は作業デバイス120のオペレーティングシステムに組み込まれた機能によりリモートストレージ460に送出されてもよい。
【0259】
部分的なデバイス状態572のみを送出することにより、所定の時間にリモートストレージ460により保持された総データ量を制限してもよい。リモートストレージ460に格納された必要以上のデータを更に制限するために、リモートストレージ460により保持される部分的なデバイス状態572の、利用可能な総記憶容量及び時間が制限されてもよい。例えば、リモートストレージ460は、各ユーザを約500MBに制限してもよく、最大5日間部分的なデバイス状態572を保持してもよい。
【0260】
作業デバイス120の部分的なデバイス状態572の個々の項目を検索するために、パーソナルデバイス122は、簡略化データ転送アプリケーションの開始時にリモートストレージ460から部分的なデバイス状態ポインタ574のリストをダウンロードしてもよい。部分的なデバイス状態ポインタ574は、リモートストレージ460に存在していてもよい、部分的なデバイス状態572の指標を表してもよい。簡略化データ転送アプリケーションにより、パーソナルデバイス122は部分的なデバイス状態572から個々のファイルを選択できる。パーソナルデバイス122は、部分的なデバイス状態ポインタ574に基づいて選択項目の要求576を送出してもよく、リモートストレージ460は要求要素578をパーソナルデバイス122に転送することにより応答してもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、図13において説明した方法でインターネット168を介してリモートストレージ460に接続してもよいことが理解されるべきである。
【0261】
図38は、図37の方法で簡略化データ転送を実行する技術を説明するフローチャート580である。第1のステップ582において、作業デバイス120は、部分的なデバイス状態572をリモートストレージ460に周期的に転送してもよい。一例として、作業デバイス120のユーザがファイルを見るか又はファイルに変更を行うと、作業デバイス120はデバイス状態62の特定の要素を暗号化して転送してもよい。例えばユーザが文書を開くか又は保存する際、ウェブページを開くか又は見る際、音楽を聴く際、あるいは写真を見る際に、このようなファイルは部分的なデバイス状態572として暗号化されてリモートストレージ460に転送されてもよい。リモートストレージ460は、制限された時間の間(例えば、5日間)、制限された記憶容量(例えば、500MB/ユーザ)で作業デバイス120からの部分的なデバイス状態572を保持してもよい。
【0262】
パーソナルデバイス122のユーザが作業デバイス120で最近見たか又は保存したファイルをリモートから取得したい場合、ステップ584において、ユーザはパーソナルデバイス122上で簡略化データ転送アプリケーションを開始してもよい。ステップ586において、パーソナルデバイス122は部分的なデバイス状態ポインタ574をダウンロードしてもよい。部分的なデバイス状態ポインタ574は、直前の5日の間に作業デバイス120によりリモートストレージ460にアップロードされた全てのファイルのインデックスを表してもよい。簡略化データ転送アプリケーションは、パーソナルデバイス122のユーザが所望のファイルを選択するのに十分であるように部分的なデバイス状態ポインタ574を表示してもよい。ステップ588において、ユーザが所望のファイルを選択した後、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460からファイルを要求することによりファイルをダウンロードしてもよく、その後リモートストレージ460はパーソナルデバイス122にファイルを転送してもよい。
【0263】
上述したように、図39乃至図41は上述の技術の別の変形例を示し、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460を介して部分的なデバイス状態からデータを取得し、作業デバイス120を介してデバイス状態から直接他のデータを取得してもよい。最初に図39を参照すると、フローチャート590は、インターネット168を介して作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の直接接続を確立するためにウェブサービス170を使用する技術を説明する。第1のステップ592において、作業デバイス120上のアプリケーションは、作業デバイス120に対してインターネットアクセスを提供しているインターネットサービスプロバイダ(ISP)により割り当てられた作業デバイス120のインターネットプロトコル(IP)アドレスを判定してもよい。
【0264】
ステップ594において、作業デバイス120のIPアドレスを取得すると、作業デバイス120で実行しているアプリケーションはウェブサービス170との通信を確立してもよい。ウェブサービス170は、作業デバイス120のドメインネームシステム(DNS)レジストリを維持してもよい。作業デバイス120で実行しているアプリケーションは、ステップ592で判定されたIPアドレスを正確に反映するようにウェブサービス170のDNSレジストリを更新してもよい。
【0265】
ユーザが所有するパーソナルデバイス122と作業デバイス120との間の直接接続をユーザが確立したい場合、ステップ596において、パーソナルデバイス122はウェブサービス170にコンタクトしてもよい。パーソナルデバイス122は、ウェブサービス170のDNSレジストリから作業デバイス120のIPアドレスを要求してもよい。ステップ598において、作業デバイス120のIPアドレスを取得した後、パーソナルデバイス122は検索したIPアドレス及び所定のポート番号を使用して作業デバイス120に接続してもよい。従って、フローチャート590の方法により、パーソナルデバイス122は作業デバイス120への直接接続を確立できる。
【0266】
図40を参照すると、簡略化転送図600は、フローチャート590で説明した直接接続が図37及び図38の簡略化データ転送技術を向上できる方法を示す。簡略化転送図600において、パーソナルデバイス122は、図37の方法でリモートストレージ460の部分的なデバイス状態572からファイルを検索してもよい。しかし、パーソナルデバイス122は、フローチャート590の方法を使用して作業デバイス122への直接接続を更に確立してもよい。従って、簡略化転送図600に示すように、パーソナルデバイス122は、作業デバイスのデバイス状態62からファイルを更に検索してもよい。それらのファイルは、必ずしもリモートストレージ460の部分的なデバイス状態572に存在するとは限らない。
【0267】
そのようなファイルを検索するために、最初にパーソナルデバイス122は簡略化データ転送アプリケーションを開始してもよい。その開始中、パーソナルデバイス122上の簡略化データ転送アプリケーションは、直接作業デバイス122からデバイス状態ポインタ208をダウンロードしてもよい。リモートストレージ460からダウンロードされた部分的なデバイス状態ポインタ574と組み合わせて、パーソナルデバイスは種々のファイルを検索できる。ユーザが検索する所定のファイルを選択した場合、パーソナルデバイス122は、要求されたファイルが配置される場所に依存して、要求602により作業デバイス122に接続、あるいは要求576によりリモートストレージ460にコンタクトしてもよい。作業デバイス122においてのみファイルが見つかった場合、作業デバイス122はメッセージ604で要求ファイルを転送することにより応答してもよい。あるいは、リモートストレージ460はメッセージ578で要求ファイルを転送してもよい。
【0268】
図41は、図40の方法で簡略化データ転送を実行する方法を説明するフローチャート606を示す。フローチャート606のステップ608、610及び612は、図38のフローチャート580のステップ582、584及び586とほぼ同様に行われてもよい。しかし、ステップ614において、作業デバイス120が現在インターネット上にあり且つインターネットを介して利用可能である場合、パーソナルデバイス122はフローチャート590の方法を使用して作業デバイス120への直接接続を更に確立してもよい。次のステップ616において、パーソナルデバイス122は、リモートストレージ460に存在しうる部分的なデバイス状態572において入手不可能であるファイルを含む、デバイス状態ポインタ208のリストをパーソナルデバイス122からダウンロードしてもよい。
【0269】
ステップ616が完了すると、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460の部分的なデバイス状態ポインタ574及び作業デバイス120のデバイス状態ポインタ208の双方からのファイルの混合リストを表示してもよい。ユーザは、リストの中から所望のファイルを選択できてもよい。ステップ618において、パーソナルデバイス122は、作業デバイス120又はリモートストレージ460から所望のファイルを要求及び受信してもよい。
【0270】
図42乃至図47は、上述の技術を実行している間に作業デバイス120又はパーソナルデバイス122に表示されてもよい画面を示す。特に図42及び図43は、部分的なデバイス状態572をリモートストレージ460に周期的に転送するために作業デバイス120で実行してもよいアプリケーションの環境設定を示す。図44乃至図47は、リモートストレージ460の部分的なデバイス状態ポインタ574又は作業デバイス120のデバイス状態ポインタ208を表示する一方でパーソナルデバイス122に表示される画面を示す。
【0271】
図42を参照すると、環境設定画面620は、リモートストレージ460を部分的なデバイス状態572で周期的に更新するための設定を判定するために作業デバイス120で実行されているアプリケーションにおいて表示されうる。画面620は、対応するチェックボックス624を有する一連のリスト項目622を含んでもよい。リスト項目622及び対応するチェックボックス624により、ユーザは暗号化され且つ作業デバイス120からリモートストレージ460に送出されてもよい特定のファイルの種類を選択できる。そのようなファイルの種類は、例えばウェブページ、Microsoft Office(登録商標)文書、PDF文書、iWork(登録商標)文書、最後にインポートされた写真又は最近閲覧した写真等のイベントに基づくiPhoto(登録商標)ファイル、あるいは最近購入又は再生したiTunesメディアファイル又は作業デバイス120で再生された上位25個のファイル中のファイル等のイベントに基づくiTunesファイルを含んでもよい。ボタン626により、ユーザは、作業デバイス120がリモートストレージ460を周期的に更新してもよいかを設定できる。ボタン628により、ユーザは所望の設定をその状態でロックできる。「詳細設定...」とラベル付けされたボタン630は、以下に説明するように特定の詳細な環境設定を可能にする。
【0272】
図43は、ユーザが「詳細設定...」とラベル付けされたボタン630を選択した際に表示される画面632を示す。画面632は、部分的なデバイス状態572の転送時に含まれていない可能性のある作業デバイス120の選択フォルダを示す一連のリスト項目634を表示してもよい。例えばそのようなリスト項目634は、個人の文書、銀行文書、iChat(登録商標)の会話、電子メールメッセージ又は特定の作業関連ファイルを含むフォルダを含んでもよい。ボタン636により、ユーザは追加のフォルダをリスト項目634に追加することによりそれらのフォルダを除外できる。
【0273】
同様に、ボタン638により、ユーザはリモートストレージ460に同期したいリスト項目634のうちいずれの項目も削除できる。画面632へのいかなる変更をも終了するために、ユーザは「実行」とラベル付けされたボタン640を選択してもよい。
【0274】
図42及び図43で説明されたソフトウェアにより提供された機能は種々の方法で実現されることが理解されるべきである。例えば作業デバイス120の単一のアプリケーションに全ての機能を含むのではなく、機能は多くのアプリケーションにわたり分散されてもよい。iPhoto等の写真管理アプリケーションは最近閲覧した又は変更した画像ファイルをリモートストレージ460に自動的にキャッシュしてもよく、iTunes等のメディア管理アプリケーションは最近再生した曲をリモートストレージ460に自動的にキャッシュしてもよく、Safari等のウェブブラウザは最近閲覧したウェブページをリモートストレージ460に自動的にキャッシュしてもよく、及び/またはKeynote等のプロダクティビティソフトウェアは最近閲覧した又は変更された文書をリモートストレージ460に自動的にキャッシュしてもよい。
【0275】
図44A乃至図44Dは、パーソナルデバイス122に表示されうる画面を示し、作業デバイス120のデバイス状態62又はリモートストレージ460に存在する部分的なデバイス状態572の種々のファイルがパーソナルデバイス122上で取得される方法を示す。まず図44Aを参照すると、画面642は、例えばハンドヘルドデバイス40であってもよいパーソナルデバイス122のホーム画面を示している。簡略化データ転送アプリケーションアイコン40が選択された場合に、簡略化データ転送アプリケーションは開始してもよい。理解されるべきであるように、簡略化データ転送アプリケーションが開始されると、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460から部分的なデバイス状態ポインタ572をダウンロード及び/又は作業デバイス120からデバイス状態ポインタ208をダウンロードしてもよい。
【0276】
図44Bに示すように、ハンドヘルドデバイス40は、アイコン40が選択された際に画面644を表示してもよい。画面644は、各々が「文書」、「ウェブ」、「写真」及び「音楽」でラベル付けされた一連のアイコン646乃至652を含んでもよい。図44Bに示すように、「文書」でラベル付けされた646が選択されて強調表示された際に画面644が表示されてもよく、対応する一連のリスト項目654は部分的なデバイス状態ポインタ572又はデバイス状態ポインタ208から種々の文書ファイルを表してもよい。「設定」でラベル付けされたボタン655により、ユーザは図12を参照して上述したように特定の設定を有効にできる。
【0277】
「Keynote」でラベル付けされたリスト項目654を選択すると、ハンドヘルドデバイス40は図44Cに示すような画面656を表示してもよい。画面656は、リモートストレージ460又は作業デバイス120に存在しうるKeynoteプレゼンテーションを表すリスト項目658を含んでもよい。ボタン660により、ユーザは図44Bの画面644に戻ってナビゲートできる。ユーザがリスト項目658の中から選択した場合、パーソナルデバイス122は作業デバイス120又はリモートストレージ460から選択ファイルを要求及び受信できる。一例として、ユーザは「マーケティングイベント」とラベル付けされたリスト項目658を選択してもよい。それに応答して、パーソナルデバイス122は対応するプレゼンテーションファイルをダウンロードしてもよい。図44Dの画面662により示すように、その後、選択したプレゼンテーションファイルはパーソナルデバイス122に表示されてもよい。
【0278】
図45A乃至図45Cは、パーソナルデバイス122に表示されてもよい画面を更に示し、作業デバイス120のデバイス状態62又はリモートストレージ460に存在する部分的なデバイス状態572の種々のファイルがパーソナルデバイス122上で取得される方法を示す。まず45Aを参照すると、ユーザは画面642の簡略化データ転送アプリケーションアイコン40を選択してもよく、これにより簡略化データ転送アプリケーションは開始される。理解されるべきであるように、簡略化データ転送アプリケーションが開始されると、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460から部分的なデバイス状態ポインタ572をダウンロードし及び/又は作業デバイス120からデバイス状態ポインタ208をダウンロードしてもよい。
【0279】
図45Bに示すように、ハンドヘルドデバイス40は、アイコン40が選択され且つ「ウェブ」でラベル付けされたアイコン648が選択された際に画面664を表示してもよい。対応する一連のリスト項目666は、部分的なデバイス状態ポインタ572又はデバイス状態ポインタ208の種々のウェブ関連ファイルを表してもよい。「設定」でラベル付けされたボタン655により、ユーザは図12を参照して上述したように特定の設定を有効にできる。
【0280】
「ウェブページ」でラベル付けされたリスト項目666を選択すると、ハンドヘルドデバイス40は図45Cで示すような画面668を表示してもよい。画面668は、リモートストレージ460又は作業デバイス120に存在しうる最近見たウェブページを表すリスト項目670を含んでもよい。ボタン672により、ユーザは図44Bの画面644に戻ってナビゲートできる。ユーザがリスト項目658の中から選択した場合、パーソナルデバイス122は作業デバイス120又はリモートストレージ460から選択されたファイルを要求及び受信できる。
【0281】
図46A及び図46Bは、パーソナルデバイス122に表示されうる画面を更に示し、作業デバイス120のデバイス状態62又はリモートストレージ460に存在する部分的なデバイス状態572の種々のファイルがパーソナルデバイス122上で取得される方法を示す。最初に46Aを参照すると、ユーザは画面642の簡略化データ転送アプリケーションアイコン40を選択してもよく、これにより簡略化データ転送アプリケーションは開始される。理解されるべきであるように、簡略化データ転送アプリケーションが開始されると、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460から部分的なデバイス状態ポインタ572をダウンロード及び/又は作業デバイス120からデバイス状態ポインタ208をダウンロードしてもよい。
【0282】
図46Bに示すように、ハンドヘルドデバイス40は、アイコン40が選択され且つ「写真」でラベル付けされたアイコン650が選択された際に画面674を表示してもよい。対応する一連のリスト項目676は、部分的なデバイス状態ポインタ572又はデバイス状態ポインタ208の写真のカテゴリを表してもよい。「設定」でラベル付けされたボタン655により、ユーザは図12を参照して上述したように特定の設定を有効にできる。各リスト項目666を選択することにより、ハンドヘルドデバイス40はそれに対応して選択カテゴリの写真のリストを表示してもよく、その後、リストは上述した方法でダウンロードされてもよい。
【0283】
図47A乃至図47Eは、パーソナルデバイス122に表示されてもよい画面を更に示し、作業デバイス120のデバイス状態62又はリモートストレージ460に存在する部分的なデバイス状態572の種々のファイルがパーソナルデバイス122上で取得される方法を示す。最初に47Aを参照すると、ユーザは画面642の簡略化データ転送アプリケーションアイコン40を選択してもよく、それにより簡略化データ転送アプリケーションが開始される。理解されるべきであるように、簡略化データ転送アプリケーションが開始されると、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460から部分的なデバイス状態ポインタ572をダウンロード及び/又は作業デバイス120からデバイス状態ポインタ208をダウンロードしてもよい。
【0284】
図47Bに示すように、ハンドヘルドデバイス40は、アイコン40が選択され且つ「音楽」でラベル付けされたアイコン652が選択された際に画面678を表示してもよい。対応する一連のリスト項目680は、部分的なデバイス状態ポインタ572又はデバイス状態ポインタ208の音楽のプレイリストを表してもよい。「設定」でラベル付けされたボタン655により、ユーザは図12を参照して上述したように特定の設定を有効にできる。
【0285】
「購入済ファイル」でラベル付けされたリスト項目680を選択すると、ハンドヘルドデバイス40は図47Cで示すような画面682を表示してもよい。画面682は、リモートストレージ460又は作業デバイス120に存在しうる購入済メディアファイルを表すリスト項目684を含んでもよい。ボタン684により、ユーザは図47Bの画面678に戻ってナビゲートできる。ユーザがリスト項目684の中から曲を選択した場合、パーソナルデバイス122は作業デバイス120又はリモートストレージ460から選択ファイルを要求及び受信できる。一例として、ユーザは「The Cosmic Gate」でラベル付けされたリスト項目684を選択してもよい。それに応答して、パーソナルデバイス122は対応するメディアファイルをダウンロード又はストリーミングしてもよい。
【0286】
図47Dの画面688で示すように、選択したプレゼンテーションファイルはその後パーソナルデバイス122で再生可能であってもよい。画面688において、ボタン689により、ユーザは図47Cの画面682に戻ってナビゲートできる。ユーザが画面688のボタン690を選択した場合、パーソナルデバイス122は図47Eに示すような画面692を表示してもよい。画面692は、「曲を保存」でラベル付けされたボタン694を含んでもよい。ボタン694を選択することにより、ユーザはメディアファイルをパーソナルデバイス122に保存できる。パーソナルデバイス122にメディアを保存することは、作業デバイス120又はリモートストレージ460への接続が終了した後にファイルがパーソナルデバイス122に残っているようにファイルを不揮発性記憶装置16に格納することを含んでもよいことが理解されるべきである。パーソナルデバイス122に受信されたあらゆるファイルは、そのようなファイルを受信する固有の各アプリケーションからこの方法で保存されてもよいことが更に理解されるべきである。例えば写真アプリケーションは、上述したように音楽ファイルが保存されるように受信した写真を不揮発性記憶装置16に保存することを可能にしてもよい。
【0287】
図44乃至図47で説明したソフトウェアにより提供された機能性は、種々の方法で実現されてもよいことが理解されるべきである。例えば、パーソナルデバイス122上の単一のデータ転送アプリケーションに上述の機能性の全てを含むのではなく、機能性は多くのアプリケーションにわたり分散されてもよい。従って、検索されてもよいファイルの各種類と関係付けられたアプリケーションは、リモートストレージ460又は作業デバイス120とのインタラクションを個々に提供してもよい。例えばパーソナルデバイス122上の写真管理アプリケーションは、「デスクトップで最近閲覧されたライブラリ(Recently Viewed on My Desktop)」と呼ばれるライブラリを含んでもよい。ライブラリを選択することにより、簡略化データ転送が開始され、リモートストレージ460又は作業デバイス120から作業デバイス120上で最近見た全ての写真の指標を取得し及び/または全て又は一部の写真を自動的に転送してもよい。理解されるべきであるように、iPod等のパーソナルデバイス122上のメディア管理アプリケーションは作業デバイス120からのメディアファイルに関連する同様の機能を提供してもよく、Safari等のパーソナルデバイス122上のウェブブラウザは作業デバイス120からのウェブページに関連する同様の機能を提供してもよく、及び/またはKeynote又はiWork等のパーソナルデバイス122上のプロダクティビティソフトウェアは作業デバイス120からの文書に関連する同様の機能性を提供してもよい。
【0288】
本発明の1つ以上の特定の実施形態を上述した。それらの実施形態を簡潔に説明しようとしたため、本明細書において実際の実現例の全ての特徴が説明されていない。そのようないかなる実際の実現例の開発時にも、いかなるエンジニアリング又は設計プロジェクトと同様に、実現例毎に異なるシステム関連又はビジネス関連の制約に準拠するような開発者の特定の目的を達成するために実現例固有の多くの決定がされる必要があることが理解されるべきである。更にそのような開発努力は、複雑であり時間がかかるが、本発明の利益を有する当業者には設計、組立及び製造の日常的な業務であることが理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電子デバイス間で情報を転送することに関し、特に、簡易な方法で1つ以上の電子デバイスを介して情報を転送することに関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、以下に記載及び請求される本発明の種々の態様に関連しうる技術の種々の態様を紹介することを意図する。この説明は、本発明の種々の態様を理解し易くする背景情報を提供するのに有用であると考えられる。従って、本明細書は、従来技術の認識としてではなく上述の観点から解釈されるものであることが理解されるべきである。
【0003】
電子デバイスは、データを表示及び操作するアプリケーションを実行できてもよい。従って、データが第2の電子デバイスから第1の電子デバイスに転送されると仮定すると、第1のデバイスは、第2のデバイスからのデータを表示、操作又は格納できてもよい。ユーザが同様の能力を有する2つの電子デバイスにアクセスできる可能性があるが、2つのデバイス間でデータを共有することは困難さの異なる複数のステップを含む可能性がある。デバイス間でデータを転送する処理は、保存するデータ、データを保存する場所、各デバイスが処理できる形式、最も効果的なデータ転送を行うためのデバイスの相互接続の方法等の多くのユーザ決定を含む可能性がある。そのような複雑さは、2つの電子デバイス間でデータを転送する困難さ又はそれに費やす時間を増加するだろう。
【発明の概要】
【0004】
記載された実施形態の範囲内の相応の特定の態様について以下に説明する。これらの態様は、本発明がとる可能性のある特定の形態の簡単な概要を読み手に提供するためにのみ提示され、本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるべきである。実際には、本発明は、以下に説明する種々の態様を含んでもよい。
【0005】
簡略化データ転送を実行するシステム及び方法が提供される。例えば、簡略化データ転送システムは、簡略化データ転送を実行するように構成された2つ以上のデバイスを含んでもよい。第1のデバイスは、第1のデバイスにおいてオープンアプリケーションと関連したデータを保存及び転送するように構成されてもよい。第2のデバイスが通信を開始した場合、第1のデバイスはオープンアプリケーションのデータを第2のデバイスに自動的に送出してもよい。
【0006】
簡略化データ転送を実行する方法は、2つのデバイス間で近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)を使用した通信の開始を含んでもよい。次に、2つのデバイスのうち一方のデバイスにおけるオープンアプリケーションと関連したデータは、保存され、他方のデバイスに転送されてもよい。データの転送は、NFCを介するのではなくピアツーピア接続を使用して行われてもよい。
【0007】
本発明の利点は、以下の詳細な説明及び図面からより明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】簡略化データ転送を行うように構成された電子デバイス10の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の電子デバイスの一実施形態を表すハンドヘルドデバイスを示す概略図である。
【図3】図1の電子デバイスの一実施形態を表すコンピュータを示す概略図である。
【図4】図1の電子デバイスの一実施形態を表すスタンドアロンメディアプレーヤを示す概略図である。
【図5】図1の電子デバイスの一実施形態を表すリモートコントローラを示す概略図である。
【図6】図1の電子デバイスの一実施形態を表すゲームコントローラを示す概略図である。
【図7】例えば図1の電子デバイスに格納されてもよいポインタ、オープンアプリケーション及び/又は関連するユーザデータであるデバイス状態を示す概略図である。
【図8A】、
【図8B】、
【図8C】、
【図8D】、
【図8E】図1の電子デバイスの2つの実施形態間で簡略化データ転送を実行する種々の構成を示す概略図である。
【図9A】、
【図9B】、
【図9C】、
【図9D】、
【図9E】、
【図9F】図1の電子デバイスの3つの実施形態間で「デュアル」簡略化データ転送を実行する種々の構成を示す概略図である。
【図10】図1の電子デバイスの2つの実施形態間でデータを転送する簡略化データ転送システムを示すブロック図である。
【図11】図10の簡略化データ転送システムの動作を一般的に説明するフローチャートである。
【図12A】、
【図12B】、
【図12C】、
【図12D】図10の簡略化データ転送システムに関連してもよいユーザ環境設定を示す概略図である。
【図13】図10の簡略化データ転送システムにより採用されてもよい潜在的な通信チャネルを示す概略図である。
【図14】図10の簡略化データ転送システムの初期化をNFC(Near Field Communication)を介して行う一実施形態を示す概略図である。
【図15】図14の開始中に行われる通信を示す概略図である。
【図16】図14の開始を実行する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図17A】、
【図17B】、
【図17C】図10の簡略化データ転送システムの開始を実行する別の実施形態を示す概略図である。
【図18A】、
【図18B】図10の簡略化データ転送システムの開始を実行する別の実施形態を示す概略図である。
【図19】図17及び図18の開始を実行する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図20】図19のフローチャートにおけるネットワーク通信を開始する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図21】図14乃至図16の開始後に表示するスマートプロンプトを判定する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図22A】、
【図22B】図21の方法で発行されうるプロンプトを示す概略図である。
【図23】スマートプロンプトを表示するか否かを判定する方法の別の実施形態を説明するフローチャートである。
【図24A】、
【図24B】図23のフローチャートの判定に基づいて表示されうるコンテキストプロンプトを示す概略図である。
【図25】図10の簡略化データ転送システムのデータ転送を実行する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図26A】、
【図26B】図10の簡略化データ転送システムにおいてデータを受信した後の受信デバイスによる例示的な応答を示す概略図である。
【図27】図10の簡略化データ転送システムにおいて転送されるユーザデータを表示する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図28】図10の簡略化データ転送システムにおいてユーザデータを受信した後の受信デバイスによる別の例示的な応答を示す概略図である。
【図29】図10の簡略化データ転送を実行する例示的な方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図30】図10の簡略化データ転送システムを使用する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図31A】、
【図31B】簡略化データ転送システムの遅延転送を示すブロック図である。
【図32A】、
【図32B】図31A及び図31Bの簡略化データ転送システムの遅延転送の方法の実施形態を説明するフローチャートである。
【図33A】、
【図33B】、
【図33C】3つのデバイスの簡略化データ転送システムを示すブロック図である。
【図34A】、
【図34B】、
【図34C】図33A乃至図33Cの3つのデバイスの簡略化データ転送システムを実行する方法の実施形態を説明するフローチャートである。
【図35A】、
【図35B】図33A乃至図33C及び図34A乃至図34Cの簡略化データ転送システムを使用してデータを転送するためのデータドロッププロンプトを示す概略図である。
【図36】図33A乃至図33C及び図34A乃至図34Cの簡略化データ転送技術を使用する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図37】リモートストレージの場所を介する作業デバイスとパーソナルデバイスとの間の簡略化データ転送を示すブロック図である。
【図38】図37の簡略化データ転送を実行する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図39】作業デバイスとパーソナルデバイスとの間の直接接続を確立する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図40】作業デバイスとパーソナルデバイスとの間の簡略化データ転送を示すブロック図である。
【図41】図40の簡略化データ転送を実行する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図42】図37又は図40の簡略化データ転送のために作業デバイスに表示されうる画面を示す概略図である。
【図43】図37又は図40の簡略化データ転送のために作業デバイスに表示されうる別の画面を示す概略図である。
【図44A】、
【図44B】、
【図44C】、
【図44D】図37又は図40の簡略化データ転送のためにパーソナルデバイスに表示されうる画面を示す概略図である。
【図45A】、
【図45B】、
【図45C】図37又は図40の簡略化データ転送のためにパーソナルデバイスに表示されうる他の画面を示す概略図である。
【図46A】、
【図46B】図37又は図40の簡略化データ転送のためにパーソナルデバイスに表示されうる他の画面を示す概略図である。
【図47A】、
【図47B】、
【図47C】、
【図47D】、
【図47E】図37又は図40の簡略化データ転送のためにパーソナルデバイスに表示されうる他の画面を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
多くの人は、日々2つ以上の電子デバイスを使用するが、1つのデバイスから別のデバイスへのデータの転送は煩わしいことがある。例えば、ユーザは、家を出る際にホームコンピュータで見つけたオンライン地図を電話に入れていきたいだろう。このようにすることは、複雑あるいは困難である場合がある。以下で説明する技術により、ユーザは2つ以上のデバイス間でデータを容易に転送できる。以下に説明する技術を使用すると、ユーザは、ホームコンピュータに対して単に電話を接続することによりオンライン地図をホームコンピュータから電話に転送できる。
【0010】
最初に図1を参照すると、電子デバイス10は簡略化データ転送を行うように構成されてもよい。図2乃至図6を参照して以下に説明するように、電子デバイス10は、特に以下に詳細に説明する簡略化データ転送技術を実行するように構成されたハンドヘルドデバイス、コンピュータ、メディアプレーヤ、リモートコントローラ又はゲームコントローラを表してもよい。従って、電子デバイス10は、例えばアップル社から市販されているiPhone(登録商標)又はiPod(登録商標)、iMac(登録商標)又はMacBook(登録商標)、AppleTV(登録商標)又は当該AppleTVのリモートコントローラ、あるいは他のあらゆる製造業者による同様のデバイスを表してもよい。
【0011】
電子デバイス10は、以下に詳細に説明する簡略化データ転送の技術を実行するように構成されてもよいため、図7を参照して以下に説明するようにデータを格納及び処理できてもよい。電子デバイス10の実施形態は、図8及び図9を参照して概して説明されるような簡易な方法でデータを転送してもよい。図10乃至図37を参照して、簡略化データ転送技術を以下に更に詳細に説明する。
【0012】
図1を参照すると、電子デバイス10は、少なくとも1つの中央処理装置(CPU)12を含んでもよい。例えば、CPU12は1つ以上のマイクロプロセッサを表してもよく、マイクロプロセッサは「汎用」マイクロプロセッサ、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの組合せ、あるいはASICであってもよい。更に又はその代わりに、CPU12は、1つ以上の縮小命令セット(RISC)プロセッサ、ビデオプロセッサ又は関連するチップセットを含んでもよい。CPU12は、オペレーティングシステムを実行し、種々のアプリケーションを実行し及び/又は本明細書で説明する1つ以上簡略化データ転送技術の処理を提供する処理機能を提供してもよい。
【0013】
メインメモリ14は、CPU12に通信可能に接続されてもよく、データ及び実行可能コードを格納してもよい。メインメモリ14は、RAM等の揮発性メモリを表してもよいが、読み出し専用メモリ(ROM)又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含んでもよい。CPU12の動作に関連するデータをバッファリング又はキャッシングする際、メインメモリ14は、電子デバイス10で実行しているオープンアプリケーションと関連したユーザデータを格納してもよい。
【0014】
電子デバイス10は、不揮発性記憶装置16を更に含んでもよい。不揮発性記憶装置16は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ又はハードディスク等のあらゆる適切な不揮発性記憶媒体を表してもよい。不揮発性記憶装置16は、長期記憶に適しているため、メディア(例えば、音楽及びビデオファイル)、ソフトウェア(例えば、電子デバイス10において機能を実現するためのソフトウェア)、好みの情報(例えば、メディア再生の好み)、生活様式情報(例えば、食べ物の好み)、運動情報(例えば、運動監視機器により取得された情報)、取引情報(例えば、クレジットカード情報等の情報)、無線接続情報(例えば、メディアデバイスが電話接続等の無線接続を確立することを可能にする情報)、加入情報(例えば、ポッドキャスト又はテレビ番組又はユーザが加入している他のメディアのレコードを維持する情報)、並びに電話情報(例えば、電話番号)等のデータファイルを格納してもよい。オープンアプリケーションと関連付けられたユーザデータは、不揮発性記憶装置16に保存されてもよいことが理解されるべきである。
【0015】
ディスプレイ18は、電子デバイス10に対して画像及びデータを表示してもよい。ある特定の実施形態のみがディスプレイ18を含んでもよいことが理解されるべきである。ディスプレイ18は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、あるいはアナログ又はデジタルテレビ受像器等のあらゆる適切なディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態において、ディスプレイ18は、ユーザが電子デバイス10とインタラクションする際に介するタッチスクリーンとして機能してもよい。
【0016】
電子デバイス10は、ユーザインタフェース20を更に含んでもよい。ユーザインタフェース20は、表示灯及びユーザ入力命令を表してもよいが、ディスプレイ18上のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含んでもよい。実際には、ユーザインタフェース20は、メインメモリ14のメモリ及び不揮発性記憶装置16の長期記憶を使用してCPU12を介して動作してもよい。ディスプレイ18を有さない一実施形態において、表示灯、サウンドデバイス、ボタン及び他の種々の入出力(I/O)デバイスにより、ユーザは電子デバイス10とインタラクションできる。GUIの一実施形態において、ユーザインタフェース20により、ユーザは種々のユーザ入力構造を介するディスプレイ18上のインタフェース要素、キーボード又はマウス等のユーザ入力周辺装置、あるいはディスプレイ18のタッチセンサ実装とインタラクションできてもよい。
【0017】
理解されるべきであるように、1つ以上のアプリケーションはオープンであって、ユーザインタフェース20を介してユーザによりアクセス可能であり、電子デバイス10のディスプレイ18に表示されうる。アプリケーションは、メインメモリ14、不揮発性記憶装置16、ディスプレイ18及びユーザインタフェース20と共にCPU12で実行してもよい。ユーザデータは、各オープンアプリケーションと関連付けられてもよい。以下に更に詳細に説明するように、電子デバイス10のメインメモリ14、不揮発性記憶装置16又はCPU12に格納された命令により、電子デバイス10で実行しているオープンアプリケーションと関連した、該当するユーザデータの別の電子デバイス10への簡略化転送が可能になってもよい。ユーザがユーザデータを1つの電子デバイス10から別の電子デバイス10に転送するための複数の複雑なステップを行うことを要求するのではなく、以下に説明するように、ユーザデータは最小のユーザの労力で自動的に転送されてもよい。従って、簡略化データ転送を実行する命令は、スタンドアロンアプリケーション、オペレーティングシステムの機能、あるいはCPU12、メインメモリ14又は不揮発性記憶装置16のハードウェアの機能を表してもよい。
【0018】
特定の実施形態において、電子装置10は位置検出回路網22を含んでもよい。位置検出回路網22は、別個の全地球測位システム(GPS)回路網を表してもよいが、不揮発性記憶装置16又はメインメモリ14に格納され、CPU12により実行されるアルゴリズムを表してもよい。これは、種々の観察された要素に基づいて位置を推定するために使用されてもよい。例えば位置検出回路網22は、ローカル802.11x(Wi−Fi)ネットワークの検出又は近傍の携帯電話塔に基づいて地理的場所を近似するアルゴリズムを表してもよい。以下に説明するように、電子デバイス10は、スマートデータ転送を実行する要素として位置検出回路網22を採用してもよい。例えば位置検出回路網22は、電子デバイス10が簡略化データ転送に最も効果的なネットワークを適切に判定することを支援してもよい。
【0019】
継続して図1を参照する。電子デバイス10は、1つの電子デバイス10と別の電子デバイス10との間の有線相互接続のための有線入出力(I/O)インタフェース24を更に含んでもよい。有線I/Oインタフェース24は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート又はFireWire(登録商標)ポートを表してもよいが、専用の接続を表してもよい。更に有線I/Oインタフェース24は、キーボード又はマウス等のユーザ入力周辺装置への接続を可能にしてもよい。
【0020】
1つ以上のネットワークインタフェース26は、電子デバイス10に対する追加の接続性を提供してもよい。ネットワークインタフェース26は、例えば1つ以上のネットワークインタフェースカード(NIC)又はネットワークコントローラを表してもよい。特定の実施形態において、ネットワークインタフェース26は、パーソナルエリアネットワーク(PAN)インタフェース28を含んでもよい。PANインタフェース28は、例えばBluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE802.15.4(例えば、ZigBee)ネットワーク又は超広帯域ネットワーク(UWB)とネットワーク接続する機能を提供してもよい。理解されるべきであるように、PANインタフェース28によりアクセスされたネットワークは、必須ではないが低電力、低帯域幅又は近距離無線接続を表してもよい。PANインタフェース28は、1つの電子デバイス10がアドホック又はピアツーピア接続を介して別のローカル電子デバイス10に接続することを可能にしてもよい。しかし、2つの電子デバイス10間の間隔がPANインタフェース28の範囲を超える場合、接続は切断されうる。
【0021】
ネットワークインタフェース26は、ローカルエリアネットワーク(LAN)インタフェース30を更に含んでもよい。LANインタフェース30は、有線イーサネット(登録商標)を用いたネットワークへのインタフェースを表してもよいが、IEEE802.11x無線ネットワーク等の無線LANへのインタフェースを表してもよい。LANインタフェース30の範囲は、一般にPANインタフェース28を介して利用可能な範囲を超えてもよい。また、多くの場合、LANインタフェース30を介する2つの電子デバイス10間の接続は、ネットワークルータ又は他の中間デバイスを介する通信を含んでもよい。
【0022】
電子デバイス10のいくつかの実施形態の場合、ネットワークインタフェース26は、WANインタフェース32を介するワイドエリアネットワーク(WAN)に直接接続する機能を含んでもよい。WANインタフェース32は、GSM(登録商標)拡張版向けの高速データレート(EDGE)ネットワーク又は他の3Gネットワーク等のセルラデータネットワークへの接続を可能にしてもよい。WANインタフェース32を介して接続された場合、PANインタフェース28又はLANインタフェース30を介する接続性を切断しうる位置の変化があるにも関わらず、電子デバイス10はインターネット及びいくつかの実施形態においては別の電子デバイス10と接続されたままでもよい。以下に説明するように、有線I/Oインタフェース24及びネットワークインタフェース26は、本明細書で説明する簡略化データ転送技術を使用してユーザデータを転送する高帯域幅通信チャネルを表してもよい。
【0023】
電子デバイス10の特定の実施形態は、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)インタフェース34を更に含んでもよい。NFCインタフェース34は、相対的に遅いデータ転送速度(464kb/s)で超近距離通信を可能にしてもよく、ISO18092又はISO21481等の規格に準拠してもよく、あるいは相対的に速いデータ転送速度(例えば、560Mbps)で近距離通信を可能にしてもよく且つTransferJet(登録商標)プロトコルに準拠してもよい。NFCインタフェース34は、約2乃至4cmの範囲を有してもよい。NFCインタフェース34との近距離通信は磁界誘導を介して行われ、これにより、NFCインタフェース34は他のNFCインタフェース34と通信できるか又は電波方式認識(RFID)回路網を有するタグから情報を検索できる。以下に説明するように、NFCインタフェース34は、1つの電子デバイス10から別の電子デバイス10へのユーザデータの簡略化された転送を開始するか又は容易にする方法を提供してもよい。
【0024】
図2乃至図6は、図1の電子デバイス10の種々の特定の実施形態を示す。図2乃至図6に示した電子デバイス10の特定の実施形態は代表例であり、限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるべきである。最初に図2を参照すると、ハンドヘルドデバイス36は、図1の電子デバイス10の一実施形態を表してもよい。一例として、ハンドヘルドデバイス36は、アップル社から市販されているiPhone又はiPod等の携帯電話又は携帯メディアプレーヤであってもよい。
【0025】
ハンドヘルドデバイス36は、プラスチック、金属、複合材料又はあらゆる組合せの他の適切な材料から成る筺体38を有してもよい。筺体38は、ハンドヘルドデバイス36の内部構成要素を物理的損傷及び電磁妨害(EMI)から保護してもよい。更に筺体38は、無線通信をし易くするために特定の周波数の電磁放射をハンドヘルドデバイス36内の無線通信回路網まで通過させてもよい。
【0026】
ハンドヘルドデバイス36のディスプレイ18は、GUIの形態のユーザインタフェース20を含んでもよく、起動されうるアプリケーションを表す複数の個々のアイコンを有してもよい。ハンドヘルドデバイス36のいくつかの実施形態において、ディスプレイ18はタッチセンシティブ入力装置としての役割を果たしてもよく、アイコンは触れることにより選択されてもよい。いくつかの実施形態において、簡略化データ転送アプリケーションアイコン40はユーザにより選択可能であってもよい。本明細書において、簡略化データ転送アプリケーションは「Grab & Go」で示され、アイコン40を選択することにより電子デバイス10が別の電子デバイス10のオープンアプリケーションからデータを「取り込み(grab)」、ユーザがそのデータを「持ち歩く(go)」ことができることをユーザに示す。
【0027】
簡略化データ転送アプリケーションアイコン40が選択される場合、簡略化データ転送アプリケーションが開いてもよい。簡略化データ転送アプリケーションは、本明細書で説明する簡略化データ転送技術を使用してデータ転送を容易にしてもよい。ハンドヘルドデバイス36のディスプレイ18上のユーザインタフェース20は、状態表示アイコン42を更に含んでもよく、ハンドヘルドデバイス36の構成要素の状態を示す。例えば状態表示アイコンは、携帯受信状態メータ、PANインタフェース28がアクティブである場合を示すアイコン、又はバッテリ寿命メータを含んでもよい。
【0028】
ハンドヘルドデバイス36は、例えばデバイスの下部に配置された有線I/Oインタフェース24を使用して別の電子デバイス10に接続してもよい。例えば有線I/Oインタフェース24は、USB又はFireWireを介してハンドヘルドデバイス36及び別の電子デバイス10を相互接続するための専用の接続であってもよい。デバイスは、接続されると同期及び/又は特定のデータを転送してもよい。特にハンドヘルドデバイス36上の有線I/Oインタフェース24は、本明細書で説明する技術に従って簡略化データ転送を行うために別の電子デバイス10への通信チャネルを可能にしてもよい。
【0029】
ユーザ入力構造44、46、48及び50は、ユーザインタフェース20とインタラクションするためにディスプレイ18のタッチセンシティブ入力機能を補足又は置換してもよい。一例として、ユーザ入力構造44、46、48及び50は、ボタン、スイッチ、制御パッド、キー、ノブ、スクロールホイール又は他のあらゆる適切な入力構造を含んでもよい。ユーザ入力構造44及び46は、デバイスの機能を制御するためにディスプレイ18と共に動作してもよい。特に、ユーザ入力構造44は、ハンドヘルドデバイス36をロック又はアンロックするためのロック/アンロックスライドボタンであってもよい。ユーザ入力構造46は、デフォルト又はホーム画面にユーザインタフェース20をナビゲートするためのナビゲートボタンであってもよい。ユーザ入力構造48は、ユーザインタフェース20の画面を上下にナビゲートするか又は音量を制御するための一対のボタンであってもよい。ユーザ入力構造50はオン/オフボタンであってもよい。
【0030】
ハンドヘルドデバイス36の特定の実施形態は電話機能を含んでもよい。従って、ハンドヘルドデバイス36は、オーディオ入力構造52及びオーディオ出力構造54を含んでもよい。オーディオ入力構造52は、ユーザからオーディオデータを受信するための1つ以上のマイクであってもよく、オーディオ出力構造54は、セルラネットワークを介してハンドヘルドデバイス36により受信されたデータ等のオーディオデータを出力するためのスピーカであってもよい。特定の実施形態において、オーディオポート56は、ヘッドセット、スピーカ又はマイク等の周辺オーディオ入力装置及び周辺オーディオ出力装置がハンドヘルドデバイス36と共に使用されることを容易にしてもよい。
【0031】
上述したように、電子デバイス10のいくつかの実施形態はNFCインタフェース34を含んでもよい。図2に示したハンドヘルドデバイス36は、筺体38内のいかなる適切な場所にもNFCインタフェース34を含んでもよい。NFCインタフェース34が至近距離での通信を可能にしてもよいため、図2に示したように、ハンドヘルドデバイス36のNFCインタフェース34の場所は筺体38上に示されてもよい。NFCインタフェース34により、ハンドヘルドデバイス36は他のNFC対応の電子デバイス10との近距離無線通信(NFC)を行える。例えば以下に説明するように、NFCインタフェース34は、ハンドヘルドデバイス36と別の電子デバイス10との間で簡略化データ転送を開始する方法を提示してもよい。
【0032】
図3を参照すると、コンピュータ58は図1の電子デバイス10の別の実施形態を表してもよい。コンピュータ58は、デスクトップコンピュータ、サーバ又はノートブックコンピュータ等のどんなコンピュータであってもよく、スタンドアロンメディアプレーヤ又はゲーム機であってもよい。一例として、コンピュータ58はアップル社のiMac、MacBook又はAppleTVであってもよい。尚、コンピュータ58は別の製造業者のパーソナルコンピュータ(PC)を表してもよい。筺体60は、NFCインタフェース34を含むコンピュータ58の内部構成要素を保護してもよい。NFCインタフェース34は、ハンドヘルドデバイス36等の他のNFC対応の電子デバイス10とコンピュータ58との間の近距離通信を可能にしてもよい。
【0033】
コンピュータ58のディスプレイ18は、GUIの形態のユーザインタフェース20を表示してもよい。コンピュータ58のユーザインタフェース20は、コンピュータ58で実行するアプリケーションと関連付けられたあらゆるユーザデータを示してもよく、これは、本明細書では一般にデバイス状態と呼ばれ、図中符号62により示される。更にユーザインタフェース20は、コンピュータ58にインストールされたアプリケーションに関連した種々のアイコンを含んでもよい。そのようなアイコンの1つは、簡略化データ転送アプリケーションアイコン40であってもよい。簡略化データ転送アプリケーションアイコン40が選択された場合、簡略化データ転送アプリケーションを開いてもよい。簡略化データ転送アプリケーションは、本明細書で説明する簡略化データ転送技術を使用してデータ転送を容易にしてもよい。
【0034】
コンピュータ58のユーザは、有線I/Oインタフェース24を介してコンピュータ58に接続してもよいキーボード又はマウス等の種々の周辺入力装置に対するユーザインタフェース20とインタラクションしてもよい。有線I/Oインタフェース24は、ハンドヘルドデバイス36等の他の電子デバイス10をコンピュータ58に相互接続するための高帯域幅通信チャネルを更に提供してもよい。特定の実施形態において、コンピュータ58はネットワークインタフェース26を更に含んでもよい。
【0035】
図4は、図1の電子デバイス10の別の実施形態を表すスタンドアロンメディアプレーヤ64を示す。スタンドアロンメディアプレーヤ64は、本明細書で説明する簡略化データ転送技術により動作するように構成されてもよい。一例として、スタンドアロンメディアプレーヤ64はアップル社のAppleTVデバイスであってもよい。しかし、スタンドアロンメディアプレーヤ64は別の製造業者のメディアプレーヤを表してもよい。
【0036】
スタンドアロンメディアプレーヤ64の筺体38は、電子デバイス10の種々の構成要素を含んでもよい。例えば筺体38は、メディアファイル及びメディア再生ソフトウェアを格納する不揮発性記憶装置16、並びにメディアファイルを処理するCPU12を収容してもよい。PANインタフェース28及びLANインタフェース30等の無線ネットワークインタフェース26は筺体38内に配置されてもよく、これによりスタンドアロンメディアプレーヤ64は他の電子デバイス10と通信できるか又はインターネットに接続できる。スタンドアロンメディアプレーヤ64は、無線ネットワークインタフェース26を使用してメディアコンテンツを取得又はやり取りしてもよい。
【0037】
スタンドアロンメディアプレーヤ64は、特に表示灯/赤外線(IR)ポート66、並びにオーディオ/ビデオ(A/V)出力68を更に含んでもよい。表示灯/IRポート66は、リモートコントローラからIR制御信号を受信し、スタンドアロンメディアプレーヤ64がオンの場合、オフの場合、コンテンツを受信又はやり取りしている場合、あるいは本明細書に説明する技術に従った簡略化データ転送の準備をしている場合をユーザに示してもよい。A/V出力68は、アナログ又はデジタルテレビ、あるいは他のメディア表示装置にスタンドアロンメディアプレーヤ64を接続する方法を提供してもよい。スタンドアロンメディアプレーヤ64は有線I/Oインタフェース24を更に含んでもよく、これにより、スタンドアロンメディアプレーヤ64は別の電子デバイス10への有線接続と迅速に通信できてもよい。
【0038】
スタンドアロンメディアプレーヤ64はNFCインタフェース34を更に含んでもよい。スタンドアロンメディアプレーヤ64は、NFCインタフェース34を使用して別のNFCインタフェース34を有する別の電子デバイス10と通信してもよい。以下に詳細に説明するように、スタンドアロンメディアプレーヤ64及び別の電子デバイス10は、NFCインタフェース34を介するNFC通信を使用してスタンドアロンメディアプレーヤ64に格納されたメディアの簡略化データ転送を開始してもよい。
【0039】
図5は、図4のスタンドアロンメディアプレーヤ64又は図3のコンピュータ58を制御するために使用されてもよいリモートコントローラ70を示す。例えばリモートコントローラ70は、図1の電子デバイス10の別の実施形態を表してもよく、本明細書で説明する簡略化データ転送技術を使用して動作するように構成されてもよい。一例として、リモートコントローラ70は、以下に説明する簡略化データ転送技術を実行するように構成されたAppleTVのリモートコントローラであってもよい。しかし、リモートコントローラ70は、簡略化データ転送技術を実行できるどんなリモートコントローラを表してもよいことが理解されるべきである。
【0040】
リモートコントローラ70の筺体38は、物理的損傷又は外部からの電磁放射からリモートコントローラ70の内部構成要素を保護してもよく、その一方でスタンドアロンメディアプレーヤ64又はコンピュータ58を制御するためにIR制御信号等の制御信号が出力されることを許可する。筺体38により保護された内部構成要素は、例えばCPU12、メインメモリ14、不揮発性記憶装置16、あるいはPANインタフェース28又はLANインタフェース30の無線ネットワークインタフェース26を含んでもよい。内部構成要素により、リモートコントローラ70は、以下に説明するようにデータを格納し、簡略化データ転送で当該データを転送できる。
【0041】
リモートコントローラ70は多機能ボタン72を含んでもよく、これによりユーザはメディアを再生、一時停止、早送り又は巻戻しでき、音量を下げたり上げたりでき、あるいはメニューをナビゲートできる。更にリモートコントローラ70は、スタンドアロンメディアプレーヤ64又はコンピュータ58をメインメニュー画面にナビゲートするメニューボタン74を含んでもよい。スタンドアロンメディアプレーヤ64又はコンピュータ58を制御するために、赤外線(IR)ウィンドウ76は、制御信号がリモートコントローラ70の筺体38から出力されることを可能にする。IRウィンドウ76から出力された制御信号は、スタンドアロンメディアプレーヤ64の表示灯/IRポート66により又はコンピュータ58に通信可能に接続されたIR周辺装置により受信されてもよい。
【0042】
図5に示したように、リモートコントローラ70はNFCインタフェース34を更に含んでもよい。リモートコントローラ70は、NFCインタフェース34を使用して別のNFCインタフェース34を有する別の電子デバイス10と通信してもよい。リモートコントローラ70及び他の電子デバイス10は、NFCインタフェース34を介するNFC通信を使用して、以下に更に詳細に説明する技術に従ってリモートコントローラ70に対して又はリモートコントローラ70から簡略化データ転送を開始してもよい。
【0043】
図6は、テレビゲームシステム、コンピュータ58又はスタンドアロンメディアプレーヤ64と共に使用するゲームコントローラ78を示す。ゲームコントローラ78は、以下に説明する簡略化データ転送技術を実行するように構成された図1の電子デバイス10の別の実施形態を表してもよい。ゲームコントローラ78は、別の電子デバイス10で実行しているゲームとインタラクションする方法を提供してもよい。ゲームコントローラ78の筺体38は、物理的損傷又は外部からの電磁放射からゲームコントローラ78の内部構成要素を保護してもよい。筺体38により保護された内部構成要素は、例えばCPU12、メインメモリ14、不揮発性記憶装置16、あるいはPANインタフェース28又はLANインタフェース30の無線ネットワークインタフェース26を含んでもよい。内部構成要素により、ゲームコントローラ78は以下に説明する簡略化データ転送技術を使用してユーザデータ(例えば、ゲーム保存データ、デジタル写真又は音楽)を格納及び転送できる。
【0044】
テレビゲームシステム、コンピュータ58又はスタンドアロンメディアプレーヤ64とインタフェースするために、ゲームコントローラ78は、方向パッド又は他の選択ボタン等の種々の制御ボタン80を含んでもよい。表示灯82は、特にゲームコントローラがオンの場合、オフの場合又は別の電子デバイス10と通信している場合をユーザに示してもよい。
【0045】
ゲームコントローラ78は、NFCインタフェース34を更に含んでもよい。ゲームコントローラ78は、NFCインタフェース34を使用して別のNFCインタフェース34を有する別の電子デバイス10と通信してもよい。ゲームコントローラ78及び他の電子デバイス10は、NFCインタフェース34を介するNFC通信を使用して、以下に更に詳細に説明する技術に従ってゲームコントローラ78に対して又はゲームコントローラ78から簡略化データ転送を開始してもよい。
【0046】
上述したように、電子デバイス10は、多くの形態をとってもよく、多くの種々の機能を提供してもよい。しかし、それらの全てが1つの電子デバイス10の状態及び/又は1つの電子デバイス10上のデータを別の電子デバイスに転送するのに有用であるという意味で類似したものである。図7は、例えば図1の電子デバイス10で実行可能であるポインタ、オープンアプリケーション及び/又は関連したユーザデータであるデバイス状態を表してもよいデバイス状態62の一実施形態を示す概略図である。デバイス状態62の特定の要素は、以下に説明する簡略化データ転送技術を使用して、最小のユーザの労力で1つの電子デバイス10から別の電子デバイス10に転送されてもよい。デバイス状態62は、上記例を継続するために、図2のハンドヘルドデバイス36、図3のコンピュータ58、図4のスタンドアロンメディアプレーヤ64、図5のリモートコントローラ70又は図6のゲームコントローラ78に提示されてもよい。
【0047】
一例として、デバイス状態62は、Safari(登録商標)等のウェブブラウザ84、Numbers'08(登録商標)等の表計算アプリケーション86、Keynote'08(登録商標)等のプレゼンテーションアプリケーション88、iTunes(登録商標)等のメディア管理アプリケーション90、ゲームプラットフォーム92又はTimeMachine(登録商標)等の最近変更又は保存されたファイルを格納及びアクセスするバックアップアプリケーション94を含んでもよい。デバイス状態62のアプリケーションは、電子デバイス10のオペレーティングシステムとは無関係に実行してもよく又は電子デバイス10のオペレーティングシステムの一部を形成してもよい。更に、Safari、Numbers'08、Keynote'08、iTunes及びTimeMachineはアップル社の製品であるが、デバイス状態62はあらゆるプラットフォーム用に設計されたあらゆる製造業者によるアプリケーションを含んでもよいことが理解されるべきである。
【0048】
デバイス状態62は、図7に示したアプリケーションより多くの又は少ないアプリケーションを含んでもよいことが理解されるべきである。特にハンドヘルドデバイス36は、地図アプリケーション又はオンラインビデオアプリケーションを含んでもよい。例えば、タスクに対してウェブブラウザ84を採用するのではなく、地図アプリケーションはオンライン地図を表示してもよく、オンラインビデオアプリケーションはオンラインビデオを再生してもよい。
【0049】
オープンアプリケーション84、86、88、90、92及び94の各々は、開かれているファイル又は各々と関連付けられた他のユーザデータを有してもよい。例えばウェブブラウザ84は、ウェブページ96又はオンライン地図98を表示してもよい。表計算アプリケーション86は表計算100を実行してもよい。プレゼンテーションアプリケーション88は、プレゼンテーション102を実行してもよい。メディア管理アプリケーション90は、プレイリスト106の一部であってもよい曲等の音楽ファイル104を再生してもよい。更に又はその代わりに、メディア管理アプリケーションは映画等のビデオファイル108を再生してもよい。ゲームプラットフォーム92はゲーム110を実行してもよい。バックアップアプリケーション94は、複数の最近のファイル112を維持してもよい。
【0050】
電子デバイス10のユーザは、所定の時間にアプリケーションを何個開いてもよく、各アプリケーションは関連付けられた1つ以上の開かれているファイル等のユーザデータを有してもよい。ユーザは、ユーザが作業している電子デバイス10からユーザの所有する別の電子デバイス10にデバイス状態62のユーザデータの一部又は全てを転送したい場合がある。各アプリケーションと関連付けられたユーザデータを手作業で個々に保存するのではなく、作業電子デバイス10からパーソナル電子デバイス10にユーザデータを手作業で転送すると、ユーザは以下に説明する技術に従う簡略化された方法でデバイス状態62のユーザデータ96、98、100、102、104、106、108、110及び/又は112を転送できる。
【0051】
図8A乃至図8Eは、2つの電子デバイス10の間で簡略化データ転送114を実行する種々の構成を示す。簡略化データ転送114はどんな2つの電子デバイス10の間でも行われてもよいため、図8A乃至図8Eに示す構成は代表例であり、限定するものではないことが理解されるべきである。
【0052】
最初に図8Aを参照すると、簡略化データ転送114は、コンピュータ58とハンドヘルドデバイス36との間で行われてもよい。一例として、ユーザは、予期しない会議に呼ばれた際に、コンピュータ58に大事な表計算を開いた状態で職場のデスクに座っている場合である。表計算を印刷する時間がない場合、ユーザは簡略化データ転送システム114を使用して、表計算のPDFをハンドヘルドデバイス36に容易に転送できる。知らされてからすぐであるにも関わらず、ユーザは簡略化データ転送システム114を使用することにより会議において表計算を自在に操作できる。
【0053】
次に図8Bを参照すると、簡略化データ転送114は、2つのハンドヘルドデバイス36A及び36Bの間で行われてもよい。例えばユーザは、ハンドヘルドデバイス36Aで開かれているオンライン地図を友人に属するハンドヘルドデバイス36Bに転送したい場合がある。ユーザは、簡略化データ転送114を使用してデバイスを触れ合わせることによりオンライン地図を容易に転送できる。
【0054】
図8Cは、簡略化データ転送114が2つのコンピュータ58A及び58Bの間で行われてもよいことを同様に示す。一例として、ユーザは作業コンピュータ58Aの前で仕事中である。ユーザは、ホームコンピュータ58Bで開いている文書が必要であったことに突然気が付く。ユーザは、オフィスにいたままで、簡略化データ転送114を使用して開いている文書を迅速且つ容易に検索できる。
【0055】
図8Dに示すように、簡略化データ転送114は、スタンドアロンメディアプレーヤ64とハンドヘルドデバイス36との間で行われてもよい。例えば、子供は家で、スタンドアロンメディアプレーヤ64で映画を観ている。自動車で出かける時間になったが、映画は終わっていない。親は、簡略化データ転送114を使用してスタンドアロンメディアプレーヤ64からハンドヘルドデバイス36に映画を転送できる。映画は、スタンドアロンメディアプレーヤ64をオフにしたところからハンドヘルドデバイス36で再生し始め、子供は自動車の中で映画を観終わることができる。
【0056】
図8Eを参照すると、簡略化データ転送114は、コンピュータ58とスタンドアロンメディアプレーヤ64との間で行われてもよい。一例として、ユーザは、同居人が寝ている間にコンピュータ58の音楽のプレイリストをヘッドホンで聴いている。同居人が起きた際に、ユーザは簡略化データ転送114を使用してプレイリストをスタンドアロンメディアプレーヤ64に転送し、ヘッドホン及びコンピュータ58をオフにしたところから大きな音で聴ける。
【0057】
多くの例において、ユーザは2つのリモート電子デバイス10の間でデータを転送したい。転送を更に簡略化するために、第3の電子デバイス10は中間デバイスとしての役割を果たしてもよい。例えば図9A乃至図9Fは、第2の電子デバイス10を介して第1の電子デバイス10から第3の電子デバイス10に対して「デュアル」簡略化データ転送116を実行する種々の構成を示す。図9A乃至図9Fに示した構成は、代表例であり、限定するものではないことが理解されるべきである。図9A乃至図9Fに示すように、デュアル簡略化データ転送116は2つの簡略化データ転送114を含んでもよい。
【0058】
最初に図9Aを参照すると、デュアル簡略化データ転送116は、ハンドヘルドデバイス36を介して2つのコンピュータ58A及び58Bの間で行われてもよい。一例として、ユーザは作業コンピュータ58Aで開いている全ての作業文書をホームコンピュータ58Bに持って帰りたい。ユーザは、第1の簡略化データ転送114において作業コンピュータ58Aに対して単純にハンドヘルドデバイス36を接続することにより全ての開いている作業文書をハンドヘルドデバイス36に転送できる。ユーザは家に到着すると、第2の簡略化データ転送114においてホームコンピュータ58Bに対してハンドヘルドデバイス36を接続し、作業コンピュータ58Aからホームコンピュータ58Bに全ての作業文書を転送できる。
【0059】
次に図9Bを参照すると、デュアル簡略化データ転送116は、ハンドヘルドデバイス36を介してスタンドアロンメディアプレーヤ64とコンピュータ58との間で行われてもよい。例えばユーザは、スタンドアロンメディアプレーヤ64で映画を再生している。ユーザの同居人が寝たい場合、ユーザはコンピュータ58で映画を観終えるべきである。ユーザはまず第1の簡略化データ転送114を使用して映画又は映画の一部をハンドヘルドデバイス36に転送してもよい。第2の簡略化データ転送114において、ユーザは映画又は映画の一部をコンピュータ58に転送してもよい。その結果、ユーザは同居人が寝た後も映画を楽しめる。
【0060】
図9Cは、デュアル簡略化データ転送116がゲームコントローラ78を介してコンピュータ58とスタンドアロンメディアプレーヤ64との間でも行われてもよいことを示す。一例として、子供はゲームコントローラ78を使用してコンピュータ58でテレビゲームをやっている。親がコンピュータ58を使用したい場合、子供は第1の簡略化データ転送114を使用してゲームを保存し、それをゲームコントローラ78に格納してもよい。次に、子供はゲームコントローラをスタンドアロンメディアプレーヤ64のところに持っていく。子供は第2の簡略化データ転送を使用してゲーム保存データをスタンドアロンメディアプレーヤ64に転送してもよい。ここで、ゲームはコンピュータ58をオフにしたところから継続可能である。
【0061】
図9Dを参照すると、デュアル簡略化データ転送116は、リモートコントローラ70を介して2つのスタンドアロンメディアプレーヤ64A及び64Bの間で行われてもよい。例えば、メインのTV及びスタンドアロンメディアプレーヤ64BがTV番組を観ている他のメンバにより専有されている間、1人の家族のメンバは横の部屋の小さなTVのスタンドアロンメディアプレーヤ64Aで映画を観ている。他のメンバがTV番組を観終わった際に、映画を観ている家族のメンバは、第1の簡略化データ転送114を使用して映画又は映画と関連付けられたポインタをリモートコントローラ70に転送できる。映画を観ている人は、スタンドアロンメディアプレーヤ64Bを有するメインのTVに行く。映画を観ている家族のメンバは、第2の簡略化データ転送114を使用して、映画又は映画に関連付けられたポインタをリモートコントローラ70からスタンドアロンメディアプレーヤ64Bに転送し、映画を停止したところから視聴できる。
【0062】
図9Eは、デュアル簡略化データ転送116がゲームコントローラ78を介して2つのスタンドアロンメディアプレーヤ64A及び64Bの間で行われてもよいことを示す。一例として、ユーザは友人の家でゲームコントローラ78を使用してスタンドアロンメディアプレーヤ64でテレビゲームをやっている。家に帰る時間になった際、ユーザはデュアル簡略化データ転送116を使用してゲームをオフにしたところから行える。最初にユーザは、例えばスタンドアロンメディアプレーヤ64Aに対してゲームコントローラ78を接続して第1のデータ転送114を行い、スタンドアロンメディアプレーヤ64Aからゲームコントローラ78にゲーム保存データを受信できる。ユーザは、家に到着すると、例えばスタンドアロンメディアプレーヤ64Bに対してゲームコントローラ78を接続して第2のデータ転送114を行える。ユーザは、スタンドアロンメディアプレーヤ64Bに送出されたゲーム保存データを使用して家でゲームを続けられる。
【0063】
図9Fを参照すると、デュアル簡略化データ転送116は、リモートコントローラ70を介してスタンドアロンメディアプレーヤ64とコンピュータ58との間で行われてもよい。例えばスタンドアロンメディアプレーヤ64が固定された自動車の同乗者は、リモートコントローラ70を使用してTV番組を観ていてもよい。ユーザが家に到着すると、同乗者はそのTV番組をコンピュータ58で観終えたい。ユーザは、スタンドアロンプレーヤ64に対してリモートコントローラ70を接続することにより、TV番組又はTV番組と関連付けられたポインタをリモートコントローラ70に転送できる第1の簡略化データ転送114を開始してもよい。次にユーザは、家でコンピュータ58に対してリモートコントローラ70を接続し、コンピュータ58に対する第2の簡略化データ転送114を行える。家にいる同乗者は、自動車でオフにされたところからTV番組を観終えることができる。
【0064】
図10は、2つの電子デバイス10の間でユーザデータを転送する簡略化データ転送システム118を示す概略図である。簡略化データ転送システム118において、一方の電子デバイス10は作業デバイス(working device)120と呼ばれ、他方の電子デバイス10はパーソナルデバイス122と呼ばれる。作業デバイス120は、自身のデバイス状態62を転送する電子デバイス10の一方を表す。パーソナルデバイス120は、作業デバイス120からデバイス状態62を受信する電子デバイス10の一方を表す。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、図8A乃至図8E及び図9A乃至図9Fにより示されるように電子デバイス10のいかなる変形例であってもよい。
【0065】
図10に示すように、簡略化データ転送システム118は、主に開始124、スマートプロンプト126及びスマートデータ転送128の3つの段階で動作する。各段階は、以下に説明するように事前設定された環境設定、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の利用可能なネットワーク通信チャネル又はトランザクションコンテキストを記述する他の要素に基づいて異なってもよい複数の可能なステップを含んでもよい。簡略化データ転送システム118の動作の一般的な概要について図11を参照して説明する。環境設定については図12A乃至図12Dを参照して説明する。利用可能なネットワーク通信チャネルについては図13を参照して説明する。
【0066】
継続して図10を参照すると、簡略化データ転送システム118は、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122が開始124を行った際に開始してもよい。開始124の間に、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は本明細書で説明する技術に従う簡略化データ転送を開始してもよい。開始124は、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122のNFCインタフェース34が近距離に配置された際に開始してもよい。あるいは、開始124はパーソナルデバイス120又は作業デバイス120で実行する簡略化データ転送アプリケーションを介して開始してもよい。開始124について、図14乃至図20を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0067】
開始124の後、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はデータ転送トランザクションコンテキストを記述する種々の要素に依存してスマートプロンプト126を表示してもしなくてもよい。例えば作業デバイス120及びパーソナルデバイス122が異なる個人により所有されていること又は転送されるデータ量が多いことを要素が示す場合、スマートプロンプト126は転送するユーザデータの選択を可能にするために作業デバイス120又はパーソナルデバイス122上に表示されてもよい。あるいは、双方のデバイスが同一の個人により所有され、1つのアプリケーションのみが作業デバイス120上で開かれていることを要素が示す場合、スマートプロンプト126はどちらのデバイスにも表示されなくてもよく、スマートデータ転送128は自動的に開始されてもよい。スマートプロンプト126については図21乃至図24を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0068】
スマートデータ転送128の間、作業デバイス120は自身のデバイス状態62をパーソナルデバイス122に転送してもよい。最初に、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、トランザクションコンテキストに基づいて最適な通信チャネルを判定してもよい。例えば好適な通信チャネルは、共有の通信機能、利用可能なネットワーク許可及び物理的な近さを含む要素に基づいて選択されてもよい。スマートデータ転送128については図25を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0069】
その後、作業デバイス120は、好適な通信チャネルを使用してデバイス状態62の全て又は一部をパーソナルデバイス122に転送してもよい。パーソナルデバイス122は、データを受信すると、ユーザにデータを開くように指示してもよく又は特定のデータを自動的に開いてもよい。スマートデータ転送128の後のユーザデータの受信については、図26乃至図28を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0070】
理解されるべきであるように、簡略化データ転送システム118は、複数の特定の状況においてデータを転送するために使用されてもよい。例えば、作業デバイス120はコンピュータ58であってもよく、パーソナルデバイス122はハンドヘルドデバイス36であってもよい。上記の状況については、図29を参照して作業デバイス120及びパーソナルデバイス122の観点、及び図30を参照してユーザの観点から更に詳細に説明する。
【0071】
更に又はあるいは、簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送128が2段階で行われてもよい。第1の転送は、デバイス状態62のユーザデータをリモートストレージに、あるいは作業デバイス120のメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16に転送してもよい。後で行われる第2の転送において、デバイス状態62のユーザデータは記憶装置からパーソナルデバイス122に転送されてもよい。スマートデータ転送128が2つの段階を含む状況については、図31及び図32を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0072】
最後に、更に又はあるいは、簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送は、図9A乃至図9Fに示したように3つの電子デバイス10の間で2回使用されてもよい。従って、簡略化データ転送システム118は、ユーザデータ又はユーザデータと関連付けられたポインタを第1のデバイスから第2のデバイスに転送するために使用されてもよい。次に簡略化データ転送システム118は、ユーザデータを第2のデバイスから第3のデバイスに転送するために使用されてもよい。3つのデバイス間でデータを転送するために簡略化データ転送システム118を採用することについて、図33乃至図35を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0073】
更に理解されるべきであるように、3つのデバイス間でデータを転送するために、種々の特定の状況において簡略化データ転送システム118が使用される。例えば、作業デバイス120はプレゼンテーション102を開いているコンピュータ58であってもよく、パーソナルデバイス122はハンドヘルドデバイス36であってもよい。ユーザは、パーソナルデバイス122を介して作業デバイス120から別のコンピュータ58にプレゼンテーション102を転送するために簡略化データ転送システム118を採用してもよい。上記の状況については、図36を参照して作業デバイス120及びパーソナルデバイス122の観点、及び図37を参照してユーザの観点から更に詳細に説明する。
【0074】
図11を参照すると、概して、フローチャート130は簡略化データ転送システム118の動作を示す。フローチャート130は、簡略化データ転送システム118の各段階と関連付けられた一般的なステップを説明する。特に、ステップ132乃至138は開始124のステップを表し、ステップ140及び142はスマートプロンプト126と関連付けられたステップを表し、ステップ144乃至148はスマートデータ転送128と関連付けられたステップを表す。
【0075】
ステップ132は、簡略化データ転送システム118の開始124の第1のステップを表す。ステップ132において、最初に、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の通信が種々の方法で開始されてもよい。図14、図17及び図18を参照して以下に説明するように、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122のNFCインタフェース34が近距離に配置される場合、あるいはパーソナルデバイス122又は作業デバイス120で実行している簡略化データ転送アプリケーションが他方のデバイスとの通信を開始した場合、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の通信が開始してもよい。
【0076】
ステップ134において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、各デバイスの機能を記述する情報を互いに通信してもよい。ステップ134で通信された情報は、例えばスマートプロンプト126のために発行するプロンプト又はスマートデータ転送128のために確立するネットワーク接続を判定するために後のステップで使用されてもよい。次のステップ136において、作業デバイス120は、転送の準備をするデバイス状態62のユーザデータを判定してもよい。ステップ136の間に、デバイス状態62の種々のオープンアプリケーションと関連付けられたユーザデータは保存され、作業デバイス120のメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16の別個の場所に格納されてもよい。ステップ138において、作業デバイス120は、パーソナルデバイス122に転送されるデバイス状態62のユーザデータの基本的な記述を通信してもよい。
【0077】
ステップ140及び142は、スマートプロンプト126と関連付けられたステップを表す。ステップ140において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、スマートプロンプトを発行するか否か及び発行するスマートプロンプトの種類を判定するために種々の要素を考慮してもよい。例えば作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、格納された環境設定、転送されると予想されたデータ、開始124を開始するために使用された方法又は作業デバイス120に対するパーソナルデバイス122の物理的な近さ(すなわち、位置検出回路網22により判定された場所)等の他の要素を考慮してもよい。ステップ142において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、ステップ140で考慮したことに基づいてプロンプトを発行してもしなくてもよい。
【0078】
ステップ144乃至148は、スマートデータ転送128と関連付けられたステップを表す。ステップ144において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、スマートデータ転送128に使用されてもよい通信チャネルを判定する準備として種々の要素を考慮してもよい。例えば作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、格納された環境設定、転送されると予想されたデータ、開始124を開始するために使用された方法又は作業デバイス120に対するパーソナルデバイス122の物理的な近さ(すなわち、位置検出回路網22により判定された場所)等の他の要素を考慮してもよい。
【0079】
ステップ144における考慮に基づいて、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、行われる転送のためにネットワーク通信チャネルを選択してもよい。作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータをパーソナルデバイス122に転送する際に介するネットワーク通信チャネルを選択すると、ステップ148においてデータが転送されてもよい。尚、ステップ136において作業デバイス120及びパーソナルデバイス122によりやり取りされたデバイス情報に基づいて、作業デバイス120は特定のユーザデータを転送前に変換してもよい。例えばパーソナルデバイス122が特定の種類の文書を処理する機能を有してない場合、最初に作業デバイス120は、転送前に文書をパーソナルデバイス122が表示する画像又はPDFに変換してもよい。
【0080】
図12A乃至図12Dは、電子デバイス10で実行してもよい簡略化データ転送ソフトウェアに設定されてもよい種々の環境設定を示す。環境設定は、例えば開始124の間に転送用に保存されるデータ、スマートプロンプト126のためにプロンプトを発行するか否か及び発行するプロンプトの種類、並びにスマートデータ転送128を実行するために選択するネットワークを判定するための要素としての役割を果たしてもよい。
【0081】
最初に図12Aを参照すると、環境オーバービューページ150は、種々の環境カテゴリボタン152乃至156及び保存ボタン158を含んでもよい。環境設定カテゴリボタン152は、ユーザが処理してもよい特定のデバイスと関連付けられた環境設定の設定を可能にしてもよい。環境設定カテゴリボタン154は、図13に示すような特定のネットワークと関連付けられた環境設定の構成を可能にしてもよい。環境設定カテゴリボタン156は、特定のファイルの種類又はファイルサイズと関連付けられた環境設定の構成を可能にしてもよい。保存ボタン158は、環境設定の構成を電子デバイス10のメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16に保存することを可能にしてもよい。
【0082】
図12Bは、環境設定カテゴリボタン152が選択されると表示されるデバイス環境設定152を示す。デバイス環境設定152は、特定のデバイスと関連付けられた環境設定を何個含んでもよい。例えば、デバイス環境設定152は、転送する特定の各デバイスのデバイス状態62と関連付けられたユーザデータの種類又はサイズ、特定の各デバイスに対して行う好適なネットワーク接続、デフォルトで特定の他の未知の電子デバイス10を信頼できるか否か、あるいは複数のバージョンが同一のデバイス上に存在する場合に特定の各デバイスから要求するファイルのバージョンを含んでもよい。
【0083】
継続して図12Bを参照すると、特定の各デバイスのデバイス状態62と関連付けられたユーザデータの種類又はサイズに関するデバイス環境設定152は、作業デバイス120に基づく固有の選択を可能にしてもよい。所定のパーソナルデバイス122が簡略化データ転送114又は116を確立してもよい各作業デバイス120の選択に対する固有の環境設定は、例えば全てのオープンファイルを転送するか否か、ある特定のファイルの種類を転送するか否か、特定のサイズを上回るか又は下回るファイルを転送するか否か、1番上のオープンアプリケーションのみと関連付けられたユーザデータ、あるいは特定のアプリケーション又は特定のアプリケーションの種類(例えば、プロダクティビティ又はビジネスアプリケーション、エンターテイメントアプリケーション、ファミリーアプリケーション、ゲームアプリケーション、メディアアプリケーション、教育アプリケーション、会計アプリケーション等)と関連付けられたユーザデータを転送するか否か、1番上のオープンアプリケーションと関連付けられたユーザデータ、あるいは特定のアプリケーション又は特定のアプリケーションの種類と関連付けられたユーザデータの転送を優先するか否か、所定の閾値を上回るか又は下回るMPAA評価等の特定の評価を有するファイルを転送するか否か、特定のキーワードを有するユーザデータを転送するか否か、受信パーソナルデバイス122により処理可能なユーザデータを転送するか否か、あるいは異なるユーザにより生成されたユーザデータを転送するか又は同一のユーザにより生成されたユーザデータのみを転送するかを含んでもよい。上述した環境設定は、転送されてもよいユーザデータの種類だけでなく、パーソナルデバイス122に転送可能なものとして表示されるユーザデータを指定してもよいことが理解されるべきである。
【0084】
上記図8Aを参照して紹介した例を使用するために、ユーザは、予期しない会議に呼ばれた際に、コンピュータ58に大事な表計算を開いて職場のデスクに座っていてもよい。ユーザは複数の他の実行中の個人アプリケーションを有していてもよい。上述した環境設定により、ユーザは自身の作業コンピュータからプロダクティビティアプリケーションと関連したユーザデータのみ等の仕事に関連するファイルのみを「取り込む」ことができる。このように、ユーザは簡略化データ転送114において大事な表計算のみを転送でき、仕事に関係するそれらのファイルのみを持って会議に出席する。
【0085】
同様に、ユーザは、家でコンピュータを使用して音楽を聴きながら個人財務を処理していてもよい。ユーザが仕事に行く時間になると、ユーザは途中の電車で音楽を聴き続けたいかもしれない。上述した環境設定により、ユーザはユーザのホームコンピュータから個人財務又は特定のキーワードに関係するファイルを「取り込む」ことを回避できる。ユーザが簡略化データ転送114においてメディアを転送する場合、ユーザの個人財務は家のコンピュータに非公開で残っている。
【0086】
各デバイスに対して使用する好適な接続は、例えば最速の利用可能な接続を使用して接続するか否か、インターネットのみを使用して接続するか又はインターネットを使用せずに接続するか、特定の指定された暗号化方式を使用して接続するか又は転送が行われる前にパスコード又はパスキーを要求するか、電子デバイス10の物理的な場所(すなわち、位置検出回路網22により判定される)に基づく近さを要求するか否か、あるいは特定のデバイスに対する特定の指定された接続が好ましいか否かを含んでもよい。
【0087】
デフォルトで特定の他の未知の電子デバイス10を信頼できるか否かに関する環境設定は、特に開発者、第三者の小売業者又は無線通信事業者により事前に設定されてもよい環境設定を表してもよい。デバイス環境設定152のうち信頼できる特定の他の未知のデバイスを事前に設定することにより、開発者、第三者の小売業者又は無線通信事業者は、自身が製造し、販売し又は採用した特定のデバイスに対してデフォルトで信頼されるようにしてもよい。
【0088】
複数のバージョンが同一のデバイスに存在する場合に特定の各デバイスから要求されるファイルのバージョンに関連する環境設定に関して、環境設定は、そのようなファイルの全てを転送するか否か、直近に変更されたファイルのみを転送するか否か、あるいは特定のユーザにより直近に変更されたファイルのみを転送するか否かを含んでもよい。
【0089】
図12Cは、環境設定カテゴリボタン154を選択すると表示されるネットワーク環境設定154を示す。ネットワーク環境設定は、スマートデータ転送128に対して利用可能な各種のネットワーク接続に特に関連してもよく、例えば一般に好適なネットワーク順序又は一般に好適なセキュリティ対策を反映する環境設定を含んでもよい。
【0090】
一般に好適なネットワーク順序を反映する環境設定は、例えば特定のネットワーク接続を好適なものとして設定するか否か、ネットワーク接続が使用されないように設定するか否か、電子デバイス10の物理的な場所(すなわち、位置検出回路網22により判定される)に基づく特定の近さにある場合、双方の電子デバイス10が同一ユーザを共有する場合又は簡略化データ転送システム118の開始124が特定の方法で(例えば、NFCにより又は簡略化データ転送ソフトウェアにおけるプロンプトに応答して)開始される場合等の特定の例においてのみ使用されるようにネットワーク接続を設定するか否か、特定のネットワークを使用するのに追加の費用が必要とされる場合にそのネットワークを回避するか否か、優先度を設定することにより種々のネットワーク接続を順序付けするか否かを含んでもよい。
【0091】
一般に好適なセキュリティ対策は、例えば特定の信頼された接続への特定のネットワークを介する接続を制限するか否か、WPA暗号化等の特定の種類の暗号化を使用するか否か、パスコード又はパスキーを要求するか否か、あるいはQR暗号化を使用する必要があるか否かを含んでもよい。
【0092】
図12Dは、環境設定カテゴリボタン156を選択すると表示されるファイルの種類/サイズの環境設定156を示す。ファイルの種類/サイズの環境設定156は、例えば転送において優先されるファイルの種類、転送されるか又は転送されないファイルの種類、あるいは転送されるか又は転送されないファイルサイズを含んでもよい。
【0093】
転送において優先されるファイルに関する環境設定は、例えばファイルがプロダクティビティ又はオフィス関連のソフトウェア製品と関連付けられるか否か、ファイルが受信デバイスの所有者等の特定のユーザにより作成又は変更されたユーザデータを表すか否か、ファイルが特定のサイズ内であるか又は特定のサイズを上回るか、どのネットワーク通信チャネルがスマートデータ転送128に対して利用可能であるか、ファイルが受信デバイスにより固有に処理されるか否か、ファイルが特定の種類のファイルであるか否か、あるいはファイルが特定のデバイス又は特定の種類のデバイスから転送されるか否かに基づいて優先度を設定することを含んでもよい。
【0094】
転送されるか又は転送されないファイルの種類に関する環境設定は、例えば転送を特定の指定されたファイルにのみ限定する環境設定、転送を受信デバイスにより処理されるファイルにのみ限定する環境設定、ファイルを全く限定しない環境設定、あるいは固有に処理されないファイルを適切な形式に変換することを要求する(例えば、文書を画像ファイル又はPDFに変換することを要求する)環境設定を含んでもよい。
【0095】
転送されるか又は転送されないファイルサイズと関連した環境設定に関して、そのような環境設定は、例えば特定のサイズを上回るファイルを転送するか否か、ファイルサイズに基づいてどのネットワークを優先するか、あるいは特定のサイズを上回るファイルの一部分のみを転送するか否かを含んでもよい。
【0096】
図12A乃至図12Dを見直すと、ユーザは種々の環境設定を手作業で調整してもよく、あるいは環境設定はユーザの挙動に基づいて自動的に調整されてもよいことが理解されるべきである。一例として、ユーザはハンドヘルドデバイス36等の1つの電子デバイス10を使用して、簡略化データ転送システム118を介してコンピュータ58等の別の電子デバイス10のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを取得してもよい。データが転送されている間にユーザが特定の種類のユーザデータの全ての転送をキャンセルした場合、環境設定はユーザの挙動を反映するように変更されてもよい。例えば環境設定は、特定の種類のファイルの転送の優先度を低くするように設定されてもよく、ファイルの種類が転送されることを防止するように設定されてもよく、あるいはファイルの種類を追加して課金される特定の高価なネットワークを介して転送されないファイルの種類に設定してもよい。
【0097】
図12A乃至図12Dの環境設定により、開発者、第三者の小売業者又は無線通信事業者は、ユーザにより選択されたカスタマイズ可能な環境設定に加えて又はその代わりに環境設定を事前にインストールできる。例えば開発者又は第三者の小売業者は、開発者により製造されるか又は第三者の小売業者により販売されるような特定の他の電子デバイス10に関する環境設定を事前にインストールしてもよい。無線通信事業者は、EDGEネットワーク又は他の3Gネットワーク等のWANインタフェース132によりアクセスされてもよい特定の無線データネットワークに関する環境設定を事前にインストールしてもよい。
【0098】
図13は、簡略化データ転送システム118において転送を行うように構成された電子デバイス10を表す作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の潜在的な通信チャネル160を示す概略図である。作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間で共有される各通信チャネル160は、開始124又はスマートデータ転送128に対して使用されてもよい。開始124又はスマートデータ転送128に対して使用される通信チャネルは、例えば上記の図12A乃至図12Dを参照して説明した環境設定又は図14乃至図20を参照して説明する開始124のコンテキストを含む種々の要素に依存してもよい。
【0099】
順に各通信チャネル160を調査すると、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122の各々がNFCインタフェース34を含む場合、NFC(Near Field Communication)通信チャネル162は2つのデバイスを通信可能にリンクしてもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122のNFCインタフェース34が近距離に配置される場合、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122はNFC通信チャネル162を確立してもよい。
【0100】
NFC通信チャネル162は、一般に相対的に短い期間開かれており、低帯域幅で動作してもよいことが理解されるべきである。従って、NFC通信チャネル162は一般に開始124に対応してもよく、その一方で、次のスマートデータ転送128は一般に以下に説明する別の通信チャネル160を介して行われてもよい。
【0101】
上述したように、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、NFCチャネル162以外の多くの通信チャネル160を介して潜在的に接続されてもよい。特にいずれかのデバイスがNFCインタフェース34を有さない場合、代わりに開始124が別の通信チャネル160を介して行われてもよい。開始124が別の通信チャネル160を介して行われる場合、開始124は、図17及び図18を参照して説明するように、ユーザが作業デバイス120又はパーソナルデバイス122上のスマートデータ転送アプリケーションを使用して転送を開始した際に開始してもよい。いくつかの実施形態において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122がNFCインタフェース34を含んでもよいが、ユーザは開始124を別の1つの通信チャネル160を介して行うことを選択してもよい。
【0102】
NFCチャネル162以外の可能な通信チャネル160のうち、パーソナルエリアネットワーク(PAN)通信チャネル164は各デバイスのPANインタフェース28を介して接続される。一例として、PAN通信チャネル164は、ピアツーピアBluetooth接続、IEEE802.15.4(例えば、ZigBee)ネットワーク又は作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の超広帯域ネットワーク(UWB)を表してもよい。
【0103】
更に又はあるいは、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、ローカルエリアネットワーク(LAN)通信チャネル166を介して接続されてもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122の各LANインタフェース30は、LAN通信チャネル166を介して互いの直接的なピアツーピア接続を共有してもよく、あるいはLAN通信チャネル166に沿ってルータ又はネットワークコントローラを介して互いに接続してもよい。LAN通信チャネル166は、イーサネット(登録商標)接続等の有線接続を表してもよいが、IEEE規格802.11.xの無線ネットワーク又はWi−Fi等の無線接続を表してもよい。
【0104】
作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、デバイス識別ネットワークプロトコルを使用してPAN通信ンチャネル164又はLAN通信チャネル166を確立してもよいことが理解されるべきである。一例として、デバイス識別ネットワークプロトコルは、アップル社のBonjour(登録商標)であってもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122の各々は、インターネットプロトコル(IP)を使用して、各デバイスが有するID及びサービス、プログラム、及び/または通信機能を同報通信してもよい。作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、PAN通信チャネル164又はLAN通信チャネル166を介するピアツーピア接続を開くようにデバイス識別ネットワークプロトコルを介して情報を受信してもよい。理解されるべきであるように、2つ以上の電子デバイス10は、デバイス識別ネットワークプロトコルを使用して情報を同報通信していてもよい。従って、パーソナルデバイス122は、環境設定に基づいていかなる電子デバイス10に対して簡略化データ転送114を開始するかを選択してもよい。
【0105】
作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はPAN通信チャネル164又はLAN通信チャネル166を介して接続されてもよいが、デバイスはインターネット168を介して接続されてもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、インターネット168を介して互いに接続することにより、簡略化データ転送114が行われている間に互いに物理的に離れたままであってもよい。インターネット168を介する接続により、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、通信チャネル164又は166等のローカルのピアツーピア接続が不通になるか又は切断された場合に通信機能を保持できる。
【0106】
インターネット168を介して互いの位置を特定するために、最初に作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はウェブサービス170をクエリし、互いのインターネットプロトコル(IP)アドレスを取得してもよい。ウェブサービス170はダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよく、これは各デバイスに常駐する簡略化データ転送アプリケーションと関連付けられたプラグインと通信することにより各デバイスの現在のIPアドレスを維持してもよい。一例として、ウェブサービス170は、アップル社のBack to My Mac(登録商標)サービスの機能であってもよい。
【0107】
ウェブサービス170は、スマートデータ転送128を容易にするためにリモートストレージ機能を提供してもよい。図31乃至図34を参照して以下に更に説明するように、スマートデータ転送128は、ウェブサービス170と関連付けられたリモートストレージに作業デバイスのデバイス状態162のユーザデータを一時的に転送することを含んでもよい。その後ユーザデータは、インターネット168を介して又はウェブサービス170への直接接続を介してウェブサービス170と関連付けられたリモートストレージからパーソナルデバイスに転送されてもよい。
【0108】
図13を更に参照すると、作業デバイス120は、LANインタフェース30又はワイドエリアネットワーク(WAN)通信チャネル172を介してインターネット168に到達してもよく、これは例えばEDGE又は3Gネットワーク等のセルラデータネットワークを表してもよい。同様に、パーソナルデバイス122はLANインタフェース30又はWANインタフェース32を介してインターネット168に接続してもよい。パーソナルデバイス122がWANインタフェース32を介してインターネットに接続する場合、ワイドエリアネットワーク(WAN)通信チャネル174を介して接続してもよく、これは例えばEDGE又は3Gネットワーク等のセルラデータネットワークを表してもよい。
【0109】
作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、デバイスの各WANインタフェース32を直接介してウェブサービス170に対して接続を直接確立してもよい。作業デバイス120は、ワイドエリアネットワーク(WAN)通信チャネル176を介してウェブサービス170に接続してもよく、これは例えばEDGE又は3Gネットワーク等のセルラデータネットワークを表してもよい。同様に、パーソナルデバイス122は、ワイドエリアネットワーク(WAN)通信チャネル178を介してウェブサービス170に接続してもよく、これは例えばEDGE又は3Gネットワーク等のセルラデータネットワークを表してもよい。
【0110】
作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、無線入出力(I/O)通信チャネル180を介して互いに接続されてもよい。一般に無線I/O通信チャネル180は、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間のデータの非常に素早い転送を可能にしてもよい。以下に説明するように、いずれの潜在的な通信チャネル160も開始124の間又はスマートデータ転送128の間に通信する方法を提供してもよく、開始124のために採用された1つの通信チャネル160はスマートデータ転送128により採用されたチャネルと異なってもよい。
【0111】
図14は、簡略化データ転送システム118の開始124が作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間でNFC通信チャネル162を介して行われる一実施形態を示す。尚、図14は作業デバイス120をコンピュータ58として示し、パーソナルデバイス122をハンドヘルドデバイス36として示すが、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122はNFCインタフェース34を有する電子デバイス10のいかなる実施形態を表してもよい。
【0112】
図14に示すように、開始124に関わる通信は、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間のNFC通信チャネル162を介して行われてもよい。NFC通信チャネル162を開くために、ユーザは作業デバイス120のNFCインタフェース34から所定の距離(例えば、約2cm)内でパーソナルデバイス122のNFCインタフェース34を接続してもよい。NFC通信チャネル162を開いた状態で、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、スマートプロンプト126及びスマートデータ転送128の準備としてNFC通信チャネル162を介して互いに情報を通信してもよい。開始124の間にやり取りされたそのような情報は、例えば各デバイスと関連付けられた機能、特定のユーザ環境設定、利用可能なネットワーク設定データ、あるいは作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータに関連するポインタ又は低帯域幅要素を含んでもよい。NFC通信チャネル162を介して通信された情報は、一般に拡張マークアップ言語(XML)又は他のあらゆる形式のショートメッセージを含んでもよい。開始124の間にNFC通信チャネル162を介してやり取りされたメッセージについては以下に更に説明する。
【0113】
図15は、NFC通信チャネル162を介して行われる開始124の一実施形態を示す概略図である。図15に示した実施形態は、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122のNFCインタフェース34が上述した、及び図14に示したように近距離に配置された際に行われてもよい。
【0114】
NFC通信が実行する開始124は、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間で行われてもよい。作業デバイス120がコンピュータ58として示され、パーソナルデバイス122がハンドヘルドデバイス36として示されるが、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122はNFCインタフェース34を有する電子デバイス10のいかなる実施形態を表してもよい。
【0115】
開始124の開始前、ブロック182により示されるように、パーソナルデバイス122は「NFC起動(wake on NFC)」モードであってもよい。「NFC起動」モードにおいて、パーソナルデバイス122のNFCインタフェース34は、NFCインタフェース34が別のNFCインタフェース34からNFC信号を受信するまで非アクティブのままであってもよい。同時に、ブロック184で示すように、作業デバイス120のNFCインタフェース34はホストモードであってもよい。ホストモードである場合、作業デバイス120のNFCインタフェース34は、他の近接するNFCインタフェース34を見つけるために定期的にNFC信号を放出してもよい。
【0116】
開始124は、開始ハンドシェーク186により開始してもよい。開始ハンドシェーク186は、ブロック188により示すようにユーザが作業デバイス120のNFCインタフェース34に対してパーソナルデバイスのNFCインタフェース34を接続した際に開始してもよい。作業デバイス120のNFCインタフェース34がホストモードであってもよいため、作業デバイス120のNFCインタフェース34は定期的にpingメッセージ190を放出してもよい。ブロック192により示すように、パーソナルデバイス122のNFCインタフェース34はpingメッセージ190を受信し、パーソナルデバイス122のNFCインタフェース34を起動させる。その後、パーソナルデバイス122のNFCインタフェース34は、肯定応答(ACK)メッセージ194により応答してもよく、そのメッセージは作業デバイス120のNFCインタフェース34により受信されてもよい。
【0117】
開始ハンドシェーク186の後、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122はデバイスプロファイル196をやり取りしてもよい。デバイスプロファイル196は、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122の機能に関する種々の情報を含んでもよい。例えばデバイスプロファイル196は、拡張マークアップ言語(XML)を含むあらゆる形式のメッセージを含んでもよく、デバイス名、シリアル番号、所有者名、デバイスの種類及び他の識別情報を示してもよい。他の識別情報は、例えばサービスユーザ名を含んでもよい。デバイスプロファイル196は、各デバイスにインストールされてもよいアプリケーション、ドライバ又はサービスを示すことによりパーソナルデバイス122又は作業デバイス120の機能を更に示してもよい。
【0118】
ブロック198及び200により示されるように、次にパーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、先にやり取りされたデバイスプロファイル196に少なくとも部分的に基づいて互いに認証してもよい。ブロック198及び200のデバイス認証において、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120は、他方のデバイスが任意の数の認証方式を使用して信頼されるか否かを判定してもよい。開始124は、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120が他方のデバイスを認証できなかった場合にキャンセルされてもよい。
【0119】
例えばパーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、双方のデバイスに既知の秘密鍵に依存してもよく、これは開始124の前にやり取りされていてもよい。あるいは、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、公開鍵及び秘密鍵の組合せに依存してもよい。そのような方式の下、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、ブロック198及び200のデバイス認証の前に又はデバイス認証中に他方のデバイスと関連付けられた公開鍵をそれぞれやり取りしてもよく、あるいはウェブサービス170等の別の発信元から公開鍵を取得してもよい。パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、インターネット168を介して又は信頼できるウェブを介して認証局により公開鍵を検査してもよい。いくつかの実施形態において、ウェブサービス170は認証局を表してもよい。信頼の連鎖において切断されたリンクがある場合、開始124は終了されてもよい。
【0120】
ブロック198及び200のデバイス認証の後、ブロック202及び204で示されるように、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、利用可能なネットワーク通信チャネル160をスキャンしてもよい。利用可能なネットワーク通信チャネル160をスキャンした後、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120はネットワーク設定情報206をやり取りしてもよい。ネットワーク設定情報206は、例えば作業デバイス120又はパーソナルデバイス122を介してアクセス可能なネットワーク通信チャネル160のリストを示すXMLメッセージを含んでもよい。特にネットワーク設定情報206は、既知の認証鍵及びサービスセット識別子(SSID)を含んでもよい。一例として、ネットワーク設定情報206は、Bluetoothシリアル番号、MACアドレス及び関連したパスワード等のPANインタフェース28の構成情報、並びにWiFi IPアドレス、WiFi MACアドレス及びWiFi SSID等のLANインタフェース30の構成情報を含んでもよい。ネットワーク設定情報206は後で使用するために格納されてもよく、これによりパーソナルデバイス122及び作業デバイス120は高帯域幅接続を確認できる。
【0121】
パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、追加の情報を転送するためにNFC通信チャネル162を介して通信したままであってもよい。図15に示したように、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208をパーソナルデバイス122に送信してもよく、これは転送される作業デバイス62のユーザデータを記述してもよい。デバイス状態ポインタ208は、ファイル名、関連するアプリケーション、ファイルサイズ、又は転送される各ファイルと関連付けられた他の関連情報を含むXMLメッセージ等のメッセージを表してもよい。例えば他の関連情報は、ファイルが読み出されたか否かに関わらず、ファイルがGeoRSS等の規則を使用して作成又は変更された地理的な場所、関連するユニフォームリソースロケータ(URL)、ファイルが関連付けられるアプリケーションの階層、ファイルが関連付けられる作業デバイス120の画面上のアプリケーションの場所、ファイルを変更した最後のデバイス等を含んでもよい。作業デバイス120は、作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータと関連付けられた特定の低帯域幅要素210を更に転送してもよい。そのような低帯域幅要素210は、例えば転送される各ファイルのサムネイル画像又は各ファイルのデータの一部を含んでもよい。
【0122】
図示するように、デバイス状態ポインタ208及び低帯域幅要素210はNFC通信チャネル162を介して転送されてもよいが、他の通信チャネル160がその転送を行うために更に又は代わりに採用されてもよい。例えばデバイス状態ポインタ208又は低帯域幅要素は、PAN通信チャネル164又はLAN通信チャネル166を介して転送されてもよい。
【0123】
図16は、図14及び図15に示したように、NFC通信チャネル162を介して開始124を実行する方法の一実施形態を説明するフローチャート212である。第1のステップ214において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は開始ハンドシェーク186を介して開始124を開始してもよい。図15に示して上述したように、開始ハンドシェーク186は、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120のNFCインタフェース34が互いに対して近距離に配置される場合に行われる。次に作業デバイス120は、パーソナルデバイス122のNFCインタフェース34を起動するためにping190を放出してもよく、パーソナルデバイス122はACK194により作業デバイス120に応答してもよい。
【0124】
ステップ216において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120はデバイスプロファイル196をやり取りしてもよい。図15を参照して上述したように、デバイスプロファイル196は、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120の機能を記述する種々のデータを含んでもよい。例えばデバイスプロファイル196は、拡張マークアップ言語(XML)を含むあらゆる形式のメッセージを含んでもよく、デバイス名、シリアル番号、所有者名、デバイスの種類及び他の識別情報を示してもよい。他の識別情報は、例えばサービスユーザ名を含んでもよい。デバイスプロファイル196は、各デバイスにインストールされてもよいアプリケーション、ドライバ又はサービスを示すことによりパーソナルデバイス122又は作業デバイス120の機能を更に示してもよい。
【0125】
ステップ218において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、先にやり取りされたデバイスプロファイル196に少なくとも部分的に基づいてデバイス認証処理をそれぞれ実行してもよい。デバイス認証中、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120は、他方のデバイスが信頼できるか否かを判定してもよい。上述したように、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、双方のデバイスに既知の秘密鍵に依存してもよく、あるいは公開鍵及び秘密鍵の組合せに依存してもよい。開始124は、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120が他方のデバイスを認証できなかった場合にキャンセルされてもよい。
【0126】
次のステップ220において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、データが後で転送される際に介する利用可能なネットワーク通信チャネル160をスキャンしてもよい。ステップ222において、利用可能なネットワーク通信チャネル160をスキャンした後、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120はネットワーク設定情報206をやり取りしてもよい。図15を参照して上述したように、ネットワーク設定情報206は、例えば作業デバイス120又はパーソナルデバイス122を介してアクセス可能なネットワーク通信チャネル160のリストを示すXMLメッセージを含んでもよい。特にネットワーク設定情報206は、既知の認証鍵及びサービスセット識別子(SSID)を含んでもよい。一例として、ネットワーク設定情報206は、Bluetoothシリアル番号、MACアドレス及び関連したパスワード等のPANインタフェース28の構成情報、並びにWiFi IPアドレス、WiFi MACアドレス及びWiFi SSID等のLANインタフェース30の構成情報を含んでもよい。ネットワーク設定情報206は後で使用するために格納されてもよく、これによりパーソナルデバイス122及び作業デバイス120は高帯域幅接続を確認できる。
【0127】
ステップ224及び226において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、追加の情報を転送するためにNFC通信チャネル162を介して通信したままであってもよい。ステップ224において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208をパーソナルデバイス122に送信してもよく、これは転送される作業デバイス62のユーザデータを記述してもよい。デバイス状態ポインタ208は、ファイル名、関連するアプリケーション、ファイルサイズ、又は転送される各ファイルと関連付けられた他の関連情報を含むXMLメッセージ等のメッセージを表してもよい。例えば他の関連情報は、ファイルが読み出されたか否かに関わらず、ファイルがGeoRSS等の規則を使用して作成又は変更された地理的な場所、関連するユニフォームリソースロケータ(URL)、ファイルが関連付けられるアプリケーションの階層、ファイルが関連付けられる作業デバイス120の画面上のアプリケーションの場所、ファイルを変更した最後のデバイス等を含んでもよい。
【0128】
ステップ226において、作業デバイス120は、作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータと関連付けられた特定の低帯域幅要素210を転送してもよい。そのような低帯域幅要素210は、例えば転送される各ファイルのサムネイル画像又は各ファイルのデータの一部を含んでもよい。
【0129】
ステップ224及び226において、デバイス状態ポインタ208及び低帯域幅要素210はNFC通信チャネル162を介して転送されてもよいが、他の通信チャネル160はその転送を行うために更に又は代わりに採用されてもよい。例えばステップ224又は226において、デバイス状態ポインタ208又は低帯域幅要素は、PAN通信チャネル164又はLAN通信チャネル166を介して転送されてもよい。
【0130】
図17A乃至図17C、図18A及び図18Bは、開始124を実行する別の方法を示す。図17A乃至図17Cを参照すると、開始124を実行する1つの方法は、ユーザがハンドヘルドデバイス36であってもよいパーソナルデバイス122において簡略化転送アプリケーションアイコン50を選択した際に開始してもよい。アイコン50を選択すると、図17Bに示すようにデバイス選択画面228が表示されてもよい。ユーザは、デバイス選択画面228を使用して、作業デバイス選択ボタン230の中からデータ転送を開始する作業デバイス120を選択してもよい。理解されるべきであるように、作業デバイス選択ボタン230の中に表示される作業デバイス120は、図13の可能な通信チャネル160の1つを共有するデバイスを表す。
【0131】
図17Cを参照すると、ユーザが図17Bに示した作業デバイス選択ボタン230の作業デバイス120の中から選択した後、データ転送画面232が表示されてもよい。あるいは、データ転送画面232は、簡略化データ転送アプリケーションアイコン50を選択するとすぐに表示されてもよい。図17Cに示すように、開始124の前に画面はまだ読み込まれていない場合がある。画面は、「項目がありません:取り込むにはここを押下して下さい」等の指示を提供してもよい。ユーザが更新ボタン233を選択するか又はデータ転送画面232の空白領域を押下すると、パーソナルデバイス122は簡略化データ転送アプリケーションにおいて転送イベントを呼び出してもよい。その後、図19を参照して以下に説明するように開始124が開始してもよい。
【0132】
ユーザは、データ転送画面232から簡略化データ転送114を設定する作業デバイス120を決定してもよいことが理解されるべきである。「発信元」とラベル付けされたボタン等のボタンは、ユーザがデータ転送画面232から作業デバイス120を選択することを可能にしてもよい。図13を参照して上述したように、可能な作業デバイス120は、アップル社のBonjour等のプロトコルを使用して識別及び確立されるネットワーク通信チャネル160の1つを介してパーソナルデバイス122に可視であってもよい。
【0133】
図18A及び図18Bは、ユーザがコンピュータ58であってもよい作業デバイス120において簡略化データ転送アプリケーションアイコン50を選択した際に開始してもよい開始124を実行する同様の方法を示す。アイコン50を選択すると、図18Bに示すようにデバイス選択画面234が表示されてもよい。ユーザは、デバイス選択画面234を使用して、パーソナルデバイス選択ボタン236の中からデータ転送を開始するパーソナルデバイス122を選択してもよい。理解されるべきであるように、パーソナルデバイス選択ボタン236に表示されるパーソナルデバイス120は、図13の可能な通信チャネル160の1つを共有するデバイスを表す。更に、上述したように、デバイス選択画面234は、専用簡略化データ転送アプリケーション、オペレーティングシステム又はメディア管理アプリケーション90等の別のアプリケーションの機能であってもよい。
【0134】
図19を参照すると、フローチャート238は、図17及び図18により示される方法で開始124を実行する方法の一実施形態を説明する。第1のステップ240において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はスマートデータ転送ソフトウェアを実行してもよい。上述したように、スマートデータ転送ソフトウェアは、例えばスタンドアロンアプリケーション又はオペレーティングシステムの機能を表してもよい。ステップ242において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122のスマートデータ転送ソフトウェアは、自動的に又はユーザ選択に応答してデバイス間のネットワーク通信を開始してもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、上記の図13に示した通信チャネル160のいずれかを介して互いに通信してもよい。図13を参照して上述したように、通信チャネル160は、アップル社のBonjour等のプロトコルを使用して作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間で認識及び確立されてもよい。ステップ242を実行する追加の又は代わりの実施形態について、図20を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0135】
ステップ244において、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の通信が確立された状態で、通信開始デバイスは簡略化データ転送114の開始を要求するために他方のデバイスに情報を通信してもよい。ステップ244は、次のスマートデータ転送128の準備として作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを保存することを更に含んでもよい。
【0136】
次のステップ246において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、各デバイスの機能を示すデバイスプロファイルを互いに通信してもよい。ステップ246でやり取りされたデバイスプロファイルは、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120の機能を記述する種々のデータを含んでもよい。例えばデバイスプロファイルは、拡張マークアップ言語(XML)を含むあらゆる形式のメッセージを含んでもよく、デバイス名、シリアル番号、所有者名、デバイスの種類及び他の識別情報を示してもよい。他の識別情報は、例えばサービスユーザ名を含んでもよい。デバイスプロファイルは、各デバイスにインストールされてもよいアプリケーション、ドライバ又はサービスを示すことによりパーソナルデバイス122又は作業デバイス120の機能を更に示してもよい。
【0137】
パーソナルデバイス122が作業デバイス120と関連したデバイスファイルを既に格納しており、作業デバイス120がパーソナルデバイス122と関連したデバイスファイルを既に格納している場合があるため、デバイスプロファイルは転送されない場合がある。しかし、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122の機能が時々変更しうるため、デバイスプロファイルは、少なくとも時々更新されて各デバイスに送信されてもよい。
【0138】
ステップ248において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、ステップ246の間にやり取りされたデバイスプロファイルに少なくとも部分的に基づくデバイス認証処理をそれぞれ実行してもよい。デバイス認証中、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120は、他方のデバイスが信頼できるか否かを判定してもよい。開始124は、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120がステップ248で他方のデバイスを認証できなかった場合にキャンセルされてもよい。
【0139】
次のステップ250において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、現在通信に使用されているネットワーク通信チャネル160以外の利用可能なネットワーク通信チャネル160をスキャンしてもよい。このとき、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、高帯域幅ネットワークが次のスマートデータ転送128中にデータを送信するのに利用可能であることを判定してもよい。
【0140】
ステップ252において、利用可能なネットワーク通信チャネル160をスキャンした後、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は新しいネットワーク設定情報をやり取りしてもよい。図15及び図16を参照して上述したように、ネットワーク設定情報は、例えば作業デバイス120又はパーソナルデバイス122を介してアクセス可能なネットワーク通信チャネル160のリストを示すXMLメッセージを含んでもよい。特にネットワーク設定情報は、既知の認証鍵及びサービスセット識別子(SSID)を含んでもよい。一例として、ネットワーク設定情報は、Bluetoothシリアル番号、MACアドレス及び関連したパスワード等のPANインタフェース28の構成情報、並びにWiFi IPアドレス、WiFi MACアドレス及びWiFi SSID等のLANインタフェース30の構成情報を含んでもよい。ネットワーク設定情報は後で使用するために格納されてもよく、これによりパーソナルデバイス122及び作業デバイス120は高帯域幅接続を確認できる。
【0141】
ステップ254及び256において、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は、開始124の追加の情報を転送するために通信したままであってもよい。ステップ254において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタをパーソナルデバイス122に送信してもよく、これは転送される作業デバイス62のユーザデータを記述してもよい。デバイス状態ポインタは、ファイル名、関連するアプリケーション、ファイルサイズ、又は転送される各ファイルと関連付けられた他の関連情報を含むXMLメッセージ等のメッセージを表してもよい。例えば他の関連情報は、ファイルが読み出されたか否かに関わらず、ファイルがGeoRSS等の規則を使用して作成又は変更された地理的な場所、関連するユニフォームリソースロケータ(URL)、ファイルが関連付けられるアプリケーションの階層、ファイルが関連付けられる作業デバイス120の画面上のアプリケーションの場所、ファイルを変更した最後のデバイス等を含んでもよい。ステップ256において、作業デバイス120は、作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータと関連付けられた特定の低帯域幅要素を転送してもよい。そのような低帯域幅要素は、例えば転送される各ファイルのサムネイル画像又は各ファイルのデータの一部を含んでもよい。
【0142】
次に図20を参照すると、フローチャート258は、図17及び図18に示した方法で開始124を実行するためにネットワーク通信を開始する方法の一実施形態を示す。上述したように、フローチャート258は、図19のフローチャート238のステップ242の更に詳細な説明を示す。
【0143】
第1のステップ260において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、1つのネットワークインタフェース26を使用してネットワーク通信を開始してもよい。決定ブロック262に示すように、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122が既に接続されている場合、ステップ264に進む。ステップ264において、作業デバイス120とパーソナルデバイス124との間のピアツーピア通信が開始する。
【0144】
決定ブロック262に戻り、デバイスが1つのネットワーク通信チャネル160を介して接続されていない場合、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120は、他方のデバイスが最後に利用可能であったネットワーク通信チャネル160を使用して通信しようとしてもよい。決定ブロック268に示すように、ステップ266において通信しようとした結果、正常に接続された場合、ステップ264に進み、デバイス通信が開始されてもよい。しかし、ステップ266で試みた接続が成功しなかった場合、ステップ270に進んでもよい。
【0145】
ステップ270において、図13に示すように、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はまずウェブサービス170に接続してもよい。作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はインターネット168を介して、あるいはWAN通信チャネル176又は178を直接介してウェブサービス170に到達してもよい。ステップ272において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、あらゆる所定のセキュリティ方式を使用してウェブサービス170に対する自身の認証を行ってもよい。
【0146】
ステップ274において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、ウェブサービス170から互いのIPアドレスを受信してもよい。図13を参照して上述したように、ウェブサービス170は、ダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよい。従って、ウェブサービス170は、各デバイス上の簡略化データ転送ソフトウェアと関連付けられたプラグインと通信することにより各デバイスの現在のIPアドレスを維持してもよい。
【0147】
他方のデバイスのIPアドレスを取得すると、ステップ276において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はインターネットを介して他方のデバイスの位置を特定してもよい。ステップ264において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、他方のデバイスに対してインターネット168を介してピアツーピア接続を確立してもよい。
【0148】
図21乃至図24は、スマートプロンプト126に関連した種々の実施形態を示す。最初に図21を参照すると、フローチャート278は、開始124がNFC通信チャネル162を介して行われた際にスマートプロンプトを表示するか否か及び表示するスマートプロンプトを判定する方法の一実施形態を示す。NFC通信チャネル162を介して開始124を実行する実施形態については、図14乃至図16を参照して上述した。例示する目的で、フローチャート278により説明する方法は、簡略化データ転送システム118の作業デバイス120又はパーソナルデバイス122であってもよいハンドヘルドデバイス36の観点を示す。しかし、フローチャート278により概略を示す方法は、ディスプレイ18を有するいかなる電子デバイス10にも適応されてもよいことが理解されるべきである。
【0149】
ステップ280は、図14乃至図16を参照して上述したように、NFC通信チャネル162を介して行われる開始124に対するハンドヘルドデバイス36による応答をあらわす。ハンドヘルドデバイス36で実行するオペレーティングシステム、ハードウェア又は簡略化データ転送ソフトウェアは、図15に示したNFC通信のやり取りの後プロンプトを発行するか否か及び発行するプロンプトの種類の判定を開始してもよい。
【0150】
決定ブロック282で示すように、ハンドヘルドデバイス36は、他方の電子デバイス10がコンピュータ58であるかを評価するために開始124の間にやり取りされたデバイスプロファイル196を採用してもよい。他方のデバイスがコンピュータ58であるとハンドヘルドデバイス36が評価した場合、決定ブロック284に進んでもよい。決定ブロック284で示すように、他方の電子デバイス10がハンドヘルドデバイス36と同一のエンティティにより所有されるとハンドヘルドデバイス36が判定した場合、ステップ28に進んでもよい。
【0151】
ステップ286において、ハンドヘルドデバイス36は、ユーザが簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送128の段階に進むか否かを判定することを許可するためのプロンプトを発行してもよい。ユーザが進むことを選択した場合、ハンドヘルドデバイス36は、作業デバイス120を表すデバイス及びパーソナルデバイス122を表すデバイスに依存してコンピュータ58にデータを送出する準備をするか又はコンピュータ58からデータを受信する準備をする。
【0152】
決定ブロック284に戻り、コンピュータ58がハンドヘルドデバイス36と同一の所有者を有すると判定されない場合、ステップ288に進む。ステップ288において、ハンドヘルドデバイス36は、ユーザがハンドヘルドデバイス36及びコンピュータ58を対にすることを許可するためのプロンプトを発行してもよい。ユーザがデバイスを対にすることを選択した場合、ハンドヘルドデバイス36及びコンピュータ58は、その後同一の所有権を共有すると考えられるか、あるいは開始124の間に互いに認証してもよいデバイスを表してもよい。
【0153】
継続して図21を参照し、決定ブロック282に戻り、ハンドヘルドデバイス36が他方の電子デバイス10をコンピュータ58と判定しない場合、決定ブロック290に進んでもよい。決定ブロック290において、ハンドヘルドデバイス36は、デバイスがスタンドアロンメディアプレーヤ64であるかを評価してもよい。デバイスがスタンドアロンメディアプレーヤ64である場合、決定ブロック292に進んでもよい。決定ブロック292において、ハンドヘルドデバイス36は、ハンドヘルドデバイス36及びスタンドアロンメディアプレーヤ64が同一のエンティティにより所有されるか否かを判定してもよい。同一のエンティティにより所有されると判定される場合、決定ブロック294に進む。
【0154】
決定ブロック294において、ハンドヘルドデバイス36は、スタンドアロンメディアプレーヤ64が現在メディアファイルを再生しているか否かを判定してもよい。このような情報は、開始124の間にやり取りされたデバイスプロファイル196又はデバイス状態ポインタ208でハンドヘルドデバイス36に搬送されていてもよい。スタンドアロンメディアプレーヤ64が現在メディアファイルを再生している場合、ステップ296に進んでもよい。
【0155】
ステップ296において、ハンドヘルドデバイス36は、ユーザが簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送128の段階に進むか否かを判定することを許可するためのプロンプトを発行してもよい。ユーザが進むことを選択した場合、ハンドヘルドデバイス36は、作業デバイス120を表すデバイス及びパーソナルデバイス122を表すデバイスに依存してスタンドアロンメディアプレーヤ64にデータを送出する準備をするか又はスタンドアロンメディアプレーヤ64からデータを受信する準備をする。
【0156】
決定ブロック292に戻り、スタンドアロンメディアプレーヤ64がハンドヘルドデバイス36と同一の所有者を有すると判断されない場合、ステップ298に進んでもよい。同様に、決定ブロック294に戻り、スタンドアロンメディアプレーヤ64がメディアファイルを再生していないとハンドヘルドデバイス36が判定した場合も、ステップ298に進んでもよい。
【0157】
ステップ298において、ハンドヘルドデバイス36は、ユーザがハンドヘルドデバイス36及びスタンドアロンメディアプレーヤ64を対にすることを許可するためのプロンプトを発行してもよい。ユーザがデバイスを対にすることを選択した場合、ハンドヘルドデバイス36及びスタンドアロンメディアプレーヤ64は、その後同一の所有権を共有すると考えられるか、あるいは開始124の間に互いに認証してもよいデバイスを表してもよい。
【0158】
継続して図21を参照し、決定ブロック290に戻り、ハンドヘルドデバイス36が他方の電子デバイス10をスタンドアロンメディアプレーヤ64と判定しない場合、決定ブロック300に進んでもよい。決定ブロック300において、ハンドヘルドデバイス36は、他方の電子デバイス10が別のハンドヘルドデバイス36であるか否かを判定してもよい。他方の電子デバイス10が別のハンドヘルドデバイス36である場合、決定ブロック302に進んでもよい。
【0159】
決定ブロック302で示すように、第2のハンドヘルドデバイス36が既知のデバイスであると第1のハンドヘルドデバイス36が判定し、決定ブロック304で示すように、作業デバイス120がデータを送出しようとしている(例えば、図33乃至図35を参照して以下に説明するデータドロップを介して)場合、ステップ306に進んでもよい。
【0160】
ステップ306において、第1のハンドヘルドデバイス36は、ユーザが簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送128の段階に進むか否かを判定することを許可するためのプロンプトを発行してもよい。ユーザが進むことを選択した場合、第1のハンドヘルドデバイス36は、作業デバイス120を表すハンドヘルドデバイス36及びパーソナルデバイス122を表すデバイスに依存して第2のハンドヘルドデバイス36にデータを送出する準備をするか又は第2のハンドヘルドデバイス36からデータを受信する準備をする。
【0161】
決定ブロック302に戻り、第2のハンドヘルドデバイス36が第1のハンドヘルドデバイス36と同一の所有者を有すると判断されない場合、ステップ308に進んでもよい。同様に、決定ブロック304に戻り、第2のハンドヘルドデバイス36がデータを送出していない、あるいはデータを受信する準備ができていないと第1のハンドヘルドデバイス36が判定した場合も、ステップ308に進んでもよい。
【0162】
ステップ308において、第1のハンドヘルドデバイス36は、ユーザが第1のハンドヘルドデバイス36及び第2のハンドヘルドデバイス36を対にすることを許可するためのプロンプトを発行してもよい。ユーザがデバイスを対にすることを選択した場合、第1のハンドヘルドデバイス36及び第2のハンドヘルドデバイス36は、その後同一の所有権を共有すると考えられるか、あるいは開始124の間に互いに認証してもよいデバイスを表してもよい。
【0163】
図22A及び図22Bは、図21のフローチャート278のステップ286、288、296、298、306及び308において発行されるプロンプトを示す。最初に図22Aを参照すると、実行される簡略化データ転送プロンプト310は、一連のユーザ選択可能なボタン312を含んでもよい。ユーザ選択可能なボタン312の少なくとも1つは、例えば専用の簡略化データ転送アプリケーションを実行することによりスマートデータ転送128に進むオプションを表してもよい。
【0164】
次に図22Bを参照すると、デバイスペアリングプロンプト314は、同様に複数のユーザ選択可能なボタン316を含んでもよい。ユーザ選択可能なボタン316の少なくとも1つは、ハンドヘルドデバイス36を他方の電子デバイス10と対にするオプションを表してもよい。ユーザがデバイスを対にすることを選択した場合、ハンドヘルドデバイス36及び他方の電子デバイス10は、その後同一の所有権を共有すると考えられるか、あるいは開始124の間に互いに認証してもよいデバイスを表してもよい。
【0165】
図23は、スマートプロンプト126と関連する方法の別の実施形態を説明するフローチャート318である。フローチャート318は、開始124がNFC通信チャネル162を介して行われるか又は他のネットワーク通信チャネル160を介して行われるかに関わらず、開始124の後にスマートプロンプト126を発行するか否かを判定する一実施形態を表してもよい。フローチャート318により概要が示される方法は、ディスプレイ18を有するいかなる電子デバイス10にも適応されてもよいことが理解されるべきである。
【0166】
ステップ320から開始し、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の関係と関連付けられた種々の要素を考慮してもよい。そのような要素は、例えばデバイスの所有者、デバイスが信頼できるネットワーク上に配置されるか否か、デバイスがiTunesの登録等のメディア登録を共有するか否か、デバイスの所有者の環境設定、デバイスの所有者間のソーシャルネットワークリレーションシップ、デバイス間のトランザクションの履歴及びデバイスにより採用された他のセキュリティ対策を含んでもよい。
【0167】
決定ブロック322において、要素は、作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間に信頼関係があるか否かを判定するために評価される。要素が信頼できることを示さない場合、ステップ324に進んでもよい。ステップ324において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は転送するためのコンテキストプロンプトを発行してもよい。ユーザが進むことを選択した場合、作業デバイス120はデータを送出する準備をしてもよく、パーソナルデバイス122は次のスマートデータ転送128においてデータを受信する準備をしてもよい。
【0168】
決定ブロック322に戻り、決定ブロック322において要素が信頼できることを示す場合、ステップ326に進んでもよい。ステップ326において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はデバイス状態62のデータコンテキストを考慮してもよい。次の決定ブロック328において、デバイス状態ポインタ208で示されたデータがパーソナルデバイス122に既に常駐している場合、ステップ330に進んでもよい。一例として、デバイス状態ポインタ208が転送される曲104等の特定のメディアファイルを示し、パーソナルデバイス122がメディアファイルを既に有する場合、ステップ330に進んでもよい。
【0169】
ステップ330において、スマートプロンプト182は発行されてなくてもよいが、その代わりに、作業デバイスはパーソナルデバイス120に既に存在するデータと関連する追加のポインタを転送してもよい。例えば作業デバイス120は、メディアファイルが再生されていたメディアの箇所を示すキャッシュファイルのみを転送してもよい。スマートプロンプト126が発行されないため、ステップ330の転送は、開始124のすぐ後にNFC通信チャネル162を介して行われてもよい。しかし、更に又はあるいは、ステップ330がPAN通信チャネル164又はLAN通信チャネル166等の別のネットワーク通信チャネル160を介して行われてもよいことが理解されるべきである。このように、パーソナルデバイス122はキャッシュファイルを受信し、作業デバイス120をオフにした箇所からメディアファイルを再生し始めてもよい。
【0170】
デバイス状態62のユーザデータがパーソナルデバイス122にまだ存在しない場合、決定ブロック332に進んでもよい。決定ブロック332において、パーソナルデバイス122は、開始124の間にやり取りされたデバイスファイルにより示されるように、作業デバイス120に現在開いているアプリケーションが1つのみであるか否かを判定してもよい。1つのアプリケーションのみが作業デバイス120で開かれている場合、決定ブロック334に進んでもよい。
【0171】
決定ブロック334において、パーソナルデバイス122は、デバイス状態62のユーザデータのサイズが相対的に小さいか否かを判定してもよい。この小さいか否かの判定方法は、ユーザ環境設定により判定された予め設定された閾値(例えば、1MB未満)を用いる、あるいは利用可能なネットワーク通信チャネル160の帯域幅に依存して異なってもよい。更にデータが小さいか否かは、設計の制約、パーソナルデバイス122の記憶能力又は他の要素に基づいて判定されてもよい。デバイス状態62のユーザデータが小さい場合、ステップ336に進んでもよい。ステップ336において、デバイス状態62と関連付けられた全てのユーザデータは次のスマートデータ転送128において自動的に転送されてもよい。
【0172】
決定ブロック334で示されるように、データが小さくない場合、決定ブロック338に進む。決定ブロック338によると、相対的に高い帯域幅のネットワーク通信チャネル160のうちの1つが利用可能である場合、上述したようにステップ336に進んでもよい。ネットワーク通信チャネル160のうちの1つが相対的に高い帯域幅のチャネルであるかは、ユーザ環境設定により判定された事前設定済みの閾値(例えば、2Mbit/sを上回る)から判定されてもよく、あるいは転送されるデバイス62と関連付けられたユーザデータ量に依存して異なってもよい。更にネットワーク通信チャネル160のうちの1つが相対的に高い帯域幅のチャネルであるか否かは、設計の制約、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122のネットワーク機能、あるいは他の要素に基づいて判定されてもよい。
【0173】
決定ブロック338に戻り、相対的に高い帯域幅のネットワーク通信チャネル160のうちの1つが利用可能でない場合、ステップ340に進んでもよい。ステップ340において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、図24及び図24Bに示されて以下に説明するようなプロンプトを発行してもよい。プロンプトにより、ユーザは、作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータがパーソナルデバイス122に転送されるか否か及びパーソナルデバイス122に転送される作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータを選択できる。
【0174】
継続して図23のフローチャート318を参照し、決定ブロック332に戻り、2つ以上のオープンアプリケーションが開始124の時点で作業デバイス120において開かれているとパーソナルデバイス122が判定した場合、決定ブロック342に進んでもよい。決定ブロック342において、パーソナルデバイス122は、デバイス状態62の1番上のオープンアプリケーションと関連付けられたユーザデータが相対的に小さいか否かを判定してもよい。上述したように、デバイス状態62のユーザデータのサイズが相対的に小さいか否かは、ユーザ環境設定により判定された事前設定済みの閾値(例えば、1MB未満)であってもよく、あるいは利用可能なネットワーク通信チャネル160の帯域幅に依存して異なってもよい。データが小さいか否かは、設計の制約、パーソナルデバイス122の記憶能力又は他の要素に基づいて判定されてもよい。
【0175】
決定ブロック342で示されるように、デバイス状態62の1番上のオープンアプリケーションと関連付けられたユーザデータが小さい場合、ステップ344に進んでもよい。ステップ344において、デバイス状態62において開かれた1番上のアプリケーションと関連付けられたユーザデータは、自動的に転送されるあるいは転送の準備がされてもよい。次のステップ346において、デバイス状態62の残りのユーザデータは、決定ブロック334に進む前に考慮されてもよい。同様に、決定ブロック342に戻り、デバイス状態62の1番上のオープンアプリケーションと関連付けられたユーザデータが小さくない場合、決定ブロック334に進んでもよい。
【0176】
図24A及び図24Bは、図23のフローチャート318で行われた判定に基づいて表示されてもよいコンテキストプロンプト348を示す。最初に図24Aを参照すると、コンテキストプロンプト348は、例えば一連の転送選択ボタン350、352及び354を含んでもよい。転送選択ボタン350により、ユーザは作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられた全てのユーザデータを転送できる。転送選択ボタン352により、ユーザは図24Bを参照して以下に更に説明するユーザデータのリストの中から転送されるべきユーザデータを選択できる。図31乃至図34を参照して以下に説明するように、転送選択ボタン354により、作業デバイス120は後で転送を行うためにデバイス状態62のユーザデータを保存する。
【0177】
次に図24Bを参照すると、ユーザが転送選択ボタン352を選択した場合、図中符号355で示される、対応するプロンプトが表示されてもよい。プロンプト355により、ユーザはデバイス状態62のユーザデータから転送されるデータを選択できる。図24Bのプロンプト355に表示されるユーザデータのリストは、開始124の間にパーソナルデバイス122に転送されてもよいデバイス状態ポインタから得られてもよい。
【0178】
ユーザデータを一覧表示する際に、プロンプト355はファイル名又は他のテキスト記述356を含んでもよい。テキスト記述356は、アプリケーション記述358により補足されてもよく、ファイルが設計されたアプリケーションを表す。低帯域幅要素としてパーソナルデバイス122により受信された画像360は、例えばユーザデータにより表されたファイルの種類を説明する画像を表してもよく、あるいはユーザデータの各ファイルの一部を含んでもよい。
【0179】
図25及び図26は、簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送128を示す。最初に図25を参照すると、フローチャート362は、簡略化データ転送システム118のスマートデータ転送128を実行する方法の一実施形態を説明する。第1のステップ364において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、開始124及びスマートプロンプト126の後の転送に関するネットワークの選択を開始してもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、図12A乃至図12Dを参照して上述したようにユーザによる設定又はデフォルトによる設定を含む種々の要素を考慮してもよい。
【0180】
一例として、特定のネットワーク通信チャネル160の環境設定は、最速の利用可能な接続を使用して接続するか否か、インターネットのみを使用して接続するか又はインターネットを使用せずに接続するか、特定の指定された暗号化方式を使用して接続するか又は転送が行われる前にパスコード又はパスキーを要求するか、電子デバイス10の物理的な場所(すなわち、位置検出回路網22により判定される)に基づく近さを要求するか否か、あるいは特定のデバイスへの特定の指定された接続が好ましいか否かの選択に基づいてもよい。スマートデータ転送128を実行するフローチャート362は、上述したような環境設定の設定に依存して多くの可能な実施形態のうちの1つのみを表す。
【0181】
決定ブロック366において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、PAN通信チャネル164、LAN通信チャネル166又は有線I/O通信チャネル180等のローカルネットワーク通信チャネル160が利用可能であるか否かを評価してもよい。決定ブロック366の評価は、開始124の段階中に事前にやり取りされたネットワーク設定情報により容易にされてもよい。
【0182】
決定ブロック366で示すように、利用可能なネットワーク通信チャネル160のうちの1つがローカル通信チャネルである場合、ステップ368において、デバイスはネットワーク通信チャネル160を使用してピアツーピア又はアドホック接続を確立してもよい。ローカル通信チャネルでない場合、ステップ370に進んでもよい。ステップ370において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はウェブサービス170に接続してもよい。図13を参照して上述したように、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、インターネット168を介して又はWAN通信チャネル176又は178を直接介してウェブサービス170に到達してもよい。ステップ372において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、あらゆる所定のセキュリティ方式を使用してウェブサーバ170に対するデバイス認証を実行してもよい。
【0183】
次のステップ374において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、ウェブサービス170から他方のデバイスのIPアドレスを受信してもよい。図13を参照して上述したように、ウェブサービス170は、ダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよい。従って、ウェブサービス170は、各デバイス上の簡略化データ転送ソフトウェアと関連付けられたプラグインと通信することにより各デバイスの現在のIPアドレスを維持してもよい。他方のデバイスのIPアドレスを取得すると、ステップ368において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はインターネット168を介して他方のデバイスの位置を特定してもよく、ピアツーピア又はアドホック接続を確立する。
【0184】
ステップ375において、作業デバイス120は、転送されるユーザデータの特定の要素を変換してもよい。先のデバイスプロファイルのやり取りにより、作業デバイス120は、パーソナルデバイス122がユーザデータの各要素を処理できるか否かを評価してもよい。一例として、図7のデバイス状態62の実施形態と関連付けられたユーザデータは転送されるように設定されてもよい。パーソナルデバイスが表計算アプリケーション86又はプレゼンテーションアプリケーション88を有さない場合、作業デバイス120は、表計算100又はプレゼンテーション102を画像ファイル又はPDF等のパーソナルデバイス122が処理できる形式に変換してもよい。
【0185】
更に作業デバイス120は、デバイスプロファイル及び/又はネットワーク設定情報の先のやり取りに基づいてパーソナルデバイス122がインターネット168にアクセスできるかを評価してもよい。パーソナルデバイス122がインターネット168へのアクセス権を有さず、ウェブページが送出される場合、作業デバイス120はウェブページを指し示すURLだけではなくウェブページのウェブアーカイブを転送してもよい。同様に、パーソナルデバイス122がインターネット168へのアクセス権を有さず、オンライン地図が送出される場合、最初に作業デバイス120は作業デバイス120のデバイス状態62のオンライン地図のみより大きい領域に関する情報をダウンロードしてもよい。作業デバイス120は、新しくダウンロードされた地図のウェブアーカイブをパーソナルデバイス122に転送してもよい。このように、パーソナルデバイス122のユーザは、ユーザが所望する表示された元のオンライン地図だけよりも多くの情報を閲覧することができる。
【0186】
ステップ375の後、ステップ376に進んでもよい。ステップ376において、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをパーソナルデバイス122に転送し始めてもよい。ユーザデータの転送の順序は、図12A乃至図12Dを参照して上述したように、環境設定の選択から得られた複数の要素により優先順位がつけられてもよい。一例として、優先順位は、ファイルがプロダクティビティ又はオフィス関連ソフトウェア製品と関連付けられるか否か、ファイルが受信デバイスの所有者等の特定のユーザにより作成又は変更されたユーザデータを表すか否か、ファイルが特定のサイズ内であるか又は特定のサイズを上回るか、どのネットワーク通信チャネルがスマートデータ転送128に対して利用可能であるか、ファイルが受信デバイスにより固有に処理されるか否か、ファイルが特定の種類のファイルであるか否か、あるいはファイルが特定のデバイスから転送されるか又は特定の種類のデバイスから転送されるかの環境設定選択により判定されてもよい。ステップ376において全てのデータが転送されない場合もあることが理解されるべきである。作業デバイス120は、所定のサイズ(例えば、1MB)より大きい特定のファイルを転送するのではなく、データに対するポインタのみを転送してもよい。作業デバイス120は、パーソナルデバイス122から命令を受信した後にファイル全体を転送してもよい。
【0187】
決定ブロック377を参照すると、データ転送が割り込まれない場合、転送はステップ378の完了まで継続してもよい。しかし、データ転送が割り込まれた場合、決定ブロック377から決定ブロック379に進んでもよい。決定ブロック379において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122は、最近割り込まれた接続を再確立しようとしてもよい。接続が再確立された場合、決定ブロック377に戻り、再度割り込まれない限りデータ転送を継続する。
【0188】
最近割り込まれた接続が再確立されない場合、決定ブロック380に進んでもよい。決定ブロック380において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、別のネットワーク通信チャネル160が利用可能であるか否かを評価してもよい。別のネットワーク通信チャネル160が利用可能である場合、ステップ381において新しい接続が確立されてもよい。別のネットワーク通信チャネル160が利用可能でない場合、ステップ382に進む。ステップ382において、作業デバイス120は、後で転送するために残りのユーザデータを保存してもよい。ステップ382により示されるような遅延転送については、図31乃至図34を参照して以下に更に詳細に説明する。
【0189】
ステップ376乃至382について、以下の例により説明する。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122が互いに物理的に近い間にユーザが簡略化データ転送システム118を開始する場合、ステップ376のデータの最初の転送は、PAN通信チャネル164又はLAN通信チャネル166等のローカルネットワーク通信チャネル160を介して行われてもよい。しかし、その後、デバイスが転送を継続できない距離にユーザが作業デバイス120及びパーソナルデバイス122を離した場合、作業デバイス120は、WAN通信チャネル172又は174を経由してインターネット168を介する等の別のチャネルを介してデータを転送し続けてもよい。あるいは、作業デバイス120は後で転送するために残りのユーザデータを保存してもよい。
【0190】
図26乃至図28は、スマートデータ転送128の後にユーザデータを受信した際のパーソナルデバイス122による応答の例を示す。最初に図26Aを参照すると、受信データ画面384は、受信データ385のリストを表示してもよい。受信データ385は、パーソナルデバイス122により受信された作業デバイス120のデバイス状態62のユーザデータを表す。ユーザは、受信データ385を押下することにより開いてもよく、それにより関連するモバイルアプリケーションでデータを開ける。
【0191】
図25のフローチャート362のステップ375を参照して上述したように、特定のデータは転送前に変換されてもよい。そのような状況を例示すると、受信データ画面384の受信データ385は、パーソナルデバイス122が固有の形式のファイルを処理できないためにPDFファイルに変換されて転送されるプレゼンテーション及び表計算を含んでもよい。従って、受信データ画面384は、ファイルがパーソナルデバイス122上のPDFリーダで開かれることを示してもよい。
【0192】
パーソナルデバイス122は、データの種類に基づいて特定のアプリケーションを使用して受信データ385を開いてもよい。例えばパーソナルデバイス122は、地図特化アプリケーションでオンライン地図のウェブアーカイブ又はURLを開いてもよく、動画特化アプリケーションでオンラインビデオのウェブアーカイブ又はURLを開いてもよく、あるいはウェブブラウザで地図でもビデオでもないウェブページのウェブアーカイブ又はURLを開いてもよい。パーソナルデバイス122は、メディア又はプレイリストに対するポインタを開いてもよく、あるいはメディア管理アプリケーションでメディアファイルを開いてもよい。iWork Reader等のアプリケーションで開ける.keyファイル(Keynote'08と関連付けられた)、並びにOffice Reader等のアプリケーションで開ける.doc、.xls及び.pptファイルを含む特定のプロダクティビティデータは、特定のアプリケーションで開かれてもよい。更に、他の第三者の開発者と関連付けられたデータは、特にパーソナルデバイス122に対して開発されたアプリケーションで開かれてもよい。
【0193】
更に受信データが特に大きい場合、作業デバイス120はデータに対するポインタのみを送出してあってもよい。そのような場合、ユーザは大きいデータをダウンロードするオプションを選択してもよい。一連の関連する受信データアイコン386は、受信データ385の追加の画像又は一部を提供してもよい。
【0194】
図12A乃至図12Dを参照して上述したように、オプションボタン387及び編集ボタン388は、ユーザが種々の環境設定を調整することを可能にする。オプションボタン387及び編集ボタン388、並びに特定の所定のインタフェース機能を使用して、ユーザは種々の方法で受信データ385のリストを変更してもよい。例えばユーザは、アップル社のiPhoneにより使用されるような多くの他のモバイルデバイスアプリケーションで使用されるように水平方向に行くことにより個々のリスト項目を削除してもよい。ユーザは、ごみ箱アイコン390をタップすることにより全てのリスト項目を削除してもよい。ユーザは、更新ボタン389を選択することにより別の簡略化データ転送114を開始することによりリストを更新してもよい。更新ボタン389は、図17乃至図20を参照して上述したように、簡略化データ転送114を再開するために通信を開始してもよい。ユーザがリストを更新した場合、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたデータが変更されていてもよいが、既存のリスト項目は残り、除去されなくてもよい。このように、作業デバイス120のデバイス状態62の全ての変更が更新毎に受信データ385のリストにのみ追加されてもよい。
【0195】
簡略化データ転送アプリケーションが閉じられて受信データ画面384が可視でなくなった場合、受信データ385のリストが残っていてもよいことが理解されるべきである。後でユーザがハンドヘルドデバイス36のホーム画面から簡略化データ転送アプリケーションアイコン40を選択することにより簡略化データ転送アプリケーションを開いた場合、受信データのリストは同一である。
【0196】
次に図26Bを参照すると、視覚的な受信データ画面391は、視覚的に魅力的で直観的な方法で受信データ画面384の受信データ385のリストを表示してもよい。一例として、視覚的な受信データ画面391は、ハンドヘルドデバイス36がスマートデータ転送128でデータを受信した後にユーザがハンドヘルドデバイス36を傾けた際に得られてもよい。視覚的な受信データ画面391は、アップル社のCover Flow(登録商標)等の技術を使用して受信データ385の表現を表示してもよい。
【0197】
視覚的な受信データ画面391を使用すると、ユーザはアクセスしたい受信データ385を素早く見つけることができる。視覚的な記述394は、受信データ385を記述する画像を表示してもよく、例えば作業デバイス120のデバイス状態62のデータの一部又はスクリーンショットを提供する。テキスト記述396は、例えばデータ名、データが関連付けられた作業デバイス120のアプリケーション及び/又はデータにアクセスするパーソナルデバイス122のアプリケーションを示すテキストを提供してもよい。ユーザは、指ではじくことにより、選択肢の受信データ385を選択するために視覚的な記述394と関連するテキスト記述396とを入れ替えることができる。
【0198】
図27は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをインテリジェントに表示する別の方法の一実施形態を説明するフローチャート396である。第1のステップ398において、スマートデータ転送128の後、パーソナルデバイス122はデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを受信してもよい。ステップ400において、パーソナルデバイス122はユーザデータと関連付けられたコンテキストを考慮してもよい。例えば、決定ブロック402において、パーソナルデバイス120は、ユーザデータが小さいか否かを判定してもよい。受信したユーザデータのサイズが小さいか否かの判定は、ユーザ環境設定により判定された事前設定済みの閾値(例えば、1MB未満)を用いる、あるいは設計の制約、パーソナルデバイス122の記憶能力又は他の要素に基づいて判定されてもよい。受信データが小さいと判定された場合、決定ブロック404に進んでもよい。
【0199】
決定ブロック404で示すように、ユーザデータが地図又はURLである場合、ステップ406に進んでもよい。ステップ406において、地図は地図ソフトウェアで表示されてもよく、あるいはURLはパーソナルデバイス122のウェブブラウザで表示されてもよい。あるいは、パーソナルデバイス122は、地図又はURLが受信されたことの指示を提供してもよい。決定ブロック404に戻り、デバイス状態62のユーザデータが地図及びURLのいずれでもない場合、決定ブロック408に進んでもよい。決定ブロック408において、パーソナルデバイス122は、地図、URL、又は小さいユーザデータが、受信された唯一のデータであるか否かを判定してもよい。地図、URL、または小さいユーザデータが唯一のデータである場合、ステップ410において、適切なアプリケーションがユーザデータを自動的に開いて表示してもよい。あるいは、パーソナルデバイス122は、特定のアプリケーションのユーザデータが受信されたことを示す指示を提供してもよい。
【0200】
決定ブロック408に戻り、少ない量のユーザデータが受信された唯一のデータでない場合、ステップ412に進んでもよい。ステップ412において、パーソナルデバイス122は、ユーザデータが受信されたことを示す指示を提供し、受信ユーザデータに関係するアプリケーションを示してもよい。
【0201】
図27のフローチャート396を更に参照し、決定ブロック402に戻り、受信したデータが小さくない場合、決定ブロック414に進んでもよい。決定ブロック414によると、パーソナルデバイス122は、受信データが1つのファイルのみで構成されるか否かを判定してもよい。1つのファイルのみで受信データが構成される場合、ステップ416において、パーソナルデバイス122は、適切なアプリケーションでデータを開く前にプロンプトを発行してもよく、あるいは特定のアプリケーションと関連付けられたユーザデータが受信されたことを示す指示を提供してもよい。
【0202】
決定ブロック414で示すように、データが受信された唯一のデータでない場合、ステップ412に進んでもよい。ステップ412において、パーソナルデバイス122は、ユーザデータが受信されたことを示す指示を提供し、受信ユーザデータに関係するアプリケーションを示してもよい。
【0203】
図28は、パーソナルデバイス122が作業デバイス120からユーザデータを受信した後のパーソナルデバイス122上の指示画面418の一実施形態を示す。図28に示すように、指示画面418は、パーソナルデバイス122がユーザデータを受信したことを示す。一例として、指示画面418は、受信されたユーザデータが図7のデバイス状態62の実施形態のユーザデータの要素を表すことを示してもよい。デバイス状態62と関連付けられたユーザデータは、例えばウェブページ96、オンライン地図98、表計算100、プレゼンテーション102、音楽ファイル104、プレイリスト106及びビデオファイル108を含んでもよい。このようなユーザデータが受信されると、指示画面418は、デバイス状態62の各要素がパーソナルデバイス122により受信されたことを反映してもよい。
【0204】
図中符号420で示すように、ウェブブラウザアプリケーションのアイコンは、ウェブページ96が受信されたことを示すために点灯されてもよい。同様に、地図専用アプリケーションアイコン258は、オンライン地図98が受信されたことを示すために点灯されてもよい。上述したようにパーソナルデバイス122が表計算100又はプレゼンテーション102等の特定のユーザデータを固有に処理する機能を有さないため、ユーザデータは転送前に変換されていてもよい。従って、表計算100及びプレゼンテーション102は、画像ファイル又はPDFとしてパーソナルデバイス122により受信されていてもよい。写真アプリケーションアイコン424は、表計算100及びプレゼンテーション102が受信されたことを示すために点灯されてもよい。
【0205】
最後に、メディア管理アプリケーションアイコン426は、音楽ファイル104、プレイリスト106及び/又はビデオファイル108が受信されたことを示すために点灯されてもよい。更に簡略化データ転送アイコン44は、どんなデバイス状態62のユーザデータでも受信されたことを示すために点灯されてもよい。点灯したアイコンのいずれかを選択することにより、ユーザはパーソナルデバイス122により受信されたユーザデータを閲覧することができる。
【0206】
図29を参照すると、フローチャート428は、簡略化データ転送114を実行する方法の例示的な一実施形態を説明する。一例として、ユーザはデバイス状態62のデスクトップインタフェースを有するコンピュータ58で作業している。コンピュータ58のデバイス状態62は、関連するデータを有する種々のオープンアプリケーションを含んでもよい。例えばウェブブラウザは、New York Times(登録商標)のページ、Google Maps(登録商標)に対して開かれたページ及びYouTubeで再生しているビデオ等のいくつかのウェブページを表示してもよい。iTunes等のメディア管理アプリケーションがプレイリストの曲を再生していてもよく、その一方でKeynote '08等のプロダクティビティアプリケーションはプレゼンテーションを表示してもよく、アドビ社のPhotoshop(登録商標)等のデジタルコンテンツ作成アプリケーションはPhotoshopファイル等のコンテンツ作成ファイルを表示してもよい。ユーザがコンピュータ58から離れたい場合、ハンドヘルドデバイス36を使用して簡略化データ転送114を利用することによりコンピュータ58に現在開かれているデータの全て又は選択したデータを「取り込む」ことができる。
【0207】
第1のステップ430において、通信は、ハンドヘルドデバイス36とコンピュータ58との間で開始されてもよい。コンピュータ58は、ユーザが転送するためにデバイス状態62のデータを開くため、コンピュータ58は作業デバイス120を表してもよく、ハンドヘルドデバイス36はパーソナルデバイス122を表してもよい。開始するために、例えばユーザは簡略化データ転送アプリケーションアイコン40を選択してもよく、アイコン40はアプリケーションを起動し、図17Cで示されたプロンプトをハンドヘルドデバイス36に表示してもよい。図17Cに示すように、プロンプトは、コンピュータ58の項目の「取り込み」を開始するオプションを含んでもよい。
【0208】
ステップ432は、ユーザがコンピュータ58の項目の「取り込み」を開始するオプションを選択した際に開始してもよく、ハンドヘルドデバイス36は、LAN通信チャネル166を介してコンピュータ58に要求を送出してもよい。要求は、簡略化データ転送アプリケーションで設定された環境設定に基づいて他方の電子デバイス10ではなくコンピュータ58にルーティングされてもよい。図17を参照して上述したように、ユーザは、「発信元」とラベル付けされたボタンを選択して、コンピュータ58が作業デバイス120として役割を果たすように環境設定を選択してもよい。図13を参照して上述したように、ハンドヘルドデバイス36から可視である電子デバイス10のリストは、アップル社のBonjour等のデバイス識別ネットワークプロトコルを使用して取得されてもよいことが理解されるべきである。あるいは、要求はハンドヘルドデバイス36とコンピュータ58との間の事前に確立されたセキュリティ上安全なペアリング関係に基づいてコンピュータ58にルーティングされてもよい。
【0209】
継続してステップ432を参照すると、ハンドヘルドデバイス36からコンピュータ58に送出された要求は、コンピュータ58において少なくとも1つの「リスナー」により受信されてもよい。「リスナー」は、例えばスタンドアロンアプリケーション、オペレーティングシステムの機能、あるいはコンピュータ58のデバイス状態62の1つ以上のアプリケーションと関連付けられた機能又はプラグインであってもよい。「リスナー」は、要求を受信した後、デバイス状態62のアプリケーションで開かれたデータに関する情報を収集してもよい。メディアがメディア管理アプリケーションで再生している場合、メディアは一時停止されてもよい。
【0210】
ステップ434において、コンピュータ58の「リスナー」は、デバイス状態ポインタ208をハンドヘルドデバイス36に転送してもよい。上述したように、デバイス状態ポインタ208は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたデータに関する種々の情報を提供してもよい。1つ以上の「リスナー」アプリケーションが情報を転送すると、デバイス状態ポインタ208は、全てが1度に受信されてもよく又は時間をずらして受信されてもよい。
【0211】
ステップ436は、ステップ434の後又はステップ434と同時に行われてもよい。デバイス状態ポインタ208が受信されると、ハンドヘルドデバイス36はスマートプロンプト126で各項目を表示してもよい。この場合、スマートプロンプト126は図26A及び図26Bのプロンプトと同様であってもよく、各項目はデバイス状態ポインタ208で受信された際に表示されてもよい。
【0212】
上記で紹介した例を参照すると、ステップ436のスマートプロンプトは、以下のようにコンピュータ58のデバイス状態62と関連付けられたデータの項目のリストを表示してもよい。New York Timesのウェブページは、ページタイトル、ウェブページのURL、並びに項目を選択することによりアップル社のSafari等のモバイルウェブブラウザでウェブページが開かれることの指示により記述されてもよい。YouTubeの動画ウェブページは、動画名、動画のURL、並びに項目を選択することによりアップル社のiPhone用のYouTube(登録商標)アプリケーション等のモバイルオンライン動画アプリケーションで動画が開かれることの指示により記述されてもよい。Google Mapsのウェブページは、場所又は方向のタイトル、地図ウェブページのURL、項目を選択することによりアップル社のiPhone用のMapsアプリケーション等のモバイルオンライン地図アプリケーションで地図が開かれることの指示により記述されてもよい。
【0213】
上述したように、上記データはデバイス状態ポインタ208により提供されたURLからインターネット168により取得されてもよい。ハンドヘルドデバイス36がインターネット168にアクセスする機能を有するとコンピュータ58が判定した場合、デバイス状態ポインタ208は、そのような限定されたデータをハンドヘルドデバイス36に転送してもよい。ハンドヘルドデバイス36がインターネット168にアクセスする機能を有するとコンピュータ58が判定しない場合、コンピュータ58は以下に説明する次の転送ステップで上記項目のウェブアーカイブを送出してもよいことが理解されるべきである。
【0214】
メディア管理アプリケーションで再生している曲は、曲名、再生ヘッドポインタ(コンピュータ58が停止した曲の位置を示す)及び/又はプレイリストポインタ、及び項目を選択した場合に、アップル社のiPhone用のiPodアプリケーション等のモバイルメディア管理アプリケーションで曲が開かれることを示す指示を含んで記述されてもよい。ユーザが項目を選択した場合、モバイルメディア管理アプリケーションはコンピュータ58が停止した位置から曲の再生を開始でき、同一のプレイリストの次の曲が次の曲として再生される。曲及びプレイリストの少なくともいずれかがハンドヘルドデバイス36に既に存在する場合、デバイス状態ポインタ208はこのような限定された情報を送出してもよいことが理解されるべきである。曲がハンドヘルドデバイス36で入手可能でない場合、コンピュータ58は、以下に説明する次の転送ステップで曲全体を送出してもよい。
【0215】
プレゼンテーションは、ファイル名、並びに項目を選択した場合にファイルがダウンロードされることを示す指示により記述されてもよい。同様に、コンテンツ作成ファイルも、ファイル名、並びに項目を選択した場合にファイルがダウンロードされることの指示により記述されてもよい。いずれかの項目を選択することにより、ハンドヘルドデバイス36はコンピュータ58に要求を送出し、選択した項目をダウンロードできる。
【0216】
継続して図29のフローチャート428を参照すると、特定の項目が選択された場合にステップ438が行われてもよい。例えばユーザがダウンロードするコンテンツ作成ファイルを選択した場合、まずコンピュータ58はファイルをPDFに変換してもよい。
【0217】
次のステップ440において、コンピュータ58は、ユーザがダウンロードするために選択したあらゆるデータ、あるいはハンドヘルドデバイス36がアクセス可能でないウェブアーカイブ、曲又は他のデータを転送してもよい。ステップ442において、ステップ440でデータが転送された後、プロンプトは、特定の状態指示を変更することによりデータが受信されたことを示してもよい。例えばプレゼンテーションファイルが受信された後、プロンプトは、項目を選択することによりアップル社のiWork Reader等のモバイルリーダアプリケーションでプレゼンテーションが開かれることを示してもよい。同様に、コンテンツ作成ファイル(PDF形式)が受信された後、プロンプトは、項目を選択することによりモバイルPDFリーダアプリケーションでファイルが開かれることを示してもよい。
【0218】
図30を参照すると、フローチャート444は、ユーザが簡略化データ転送システム118を使用して簡略化データ転送114を実行するための方法の一実施形態を説明する。第1のステップ446において、ユーザは本明細書に記載された簡略化データ転送技術を実行するように構成された2つの電子デバイス10を起動してもよい。ステップ448において、ユーザは一方のデバイスで少なくとも1つのアプリケーションを開いてもよい。オープンアプリケーションを有する電子デバイス10は作業デバイス120と考えられてもよく、他方の電子デバイス10はパーソナルデバイス122と考えられてもよい。
【0219】
ステップ450において、例えば、ユーザは各NFCインタフェース34に近接して2つのデバイスを接続することにより簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイス122及び作業デバイス120は開始124と関連付けられた通信を開始してもよい。ステップ452において、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120がスマートプロンプト126を発行すると、ユーザは簡略化データ転送ソフトウェアを実行するオプションを選択してもよい。最後にステップ454において、ユーザはパーソナルデバイス122において作業デバイス120からデータを受信してもよい。
【0220】
図31A及び図31Bは、スマートデータ転送128が開始124あるいはスマートプロンプト126が生じた時間から遅延が生じる簡略化データ転送システム118の別の実施形態を示す。最初に図31Aを参照すると、遅延簡略化データ転送システム456は、簡略化データ転送システム118の別の実施形態を表してもよい。遅延簡略化データ転送システム456において、開始124及びスマートプロンプト126の段階を経た後、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをすぐに転送するのではなく保存してもよい。ユーザデータは、作業デバイス120のメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16に保存されてもよい。
【0221】
作業デバイス120は、インターネット168を介するピアツーピア接続を介してメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16からリモートパーソナルデバイス122にデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを後で転送してもよい。パーソナルデバイス122が作業デバイス122から離れているため、パーソナルデバイス122はLANインタフェース30又はWANインタフェース32を介してインターネット168に接続されてもよい。理解されるべきであるように、インターネット168を介するピアツーピア接続を形成するために、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はまずウェブサービス170をポーリングしてもよい。図13を参照して上述したように、ウェブサービス170はダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよく、これは各デバイスに常駐する簡略化データ転送アプリケーションと関連付けられたプラグインと通信することにより各デバイスの現在のIPアドレスを維持してもよい。一例として、ウェブサービス170は、アップル社のBack to My Macサービスの機能であってもよい。
【0222】
次に図31Bを参照すると、別の遅延簡略化データ転送システム458は、簡略化データ転送システム118の別の実施形態を表してもよい。遅延簡略化データ転送システム458において、開始124及びスマートプロンプト126の段階を経た後、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをリモートストレージ460に転送してもよい。リモートストレージ460は、データをリモートに格納するサーバを表してもよく、ウェブサービス170と関連付けられてもよい。
【0223】
リモートストレージ460は、インターネット168を介したピアツーピア接続によりパーソナルデバイス122にユーザデータを後で転送してもよい。パーソナルデバイス122がリモートストレージ460から離れているため、パーソナルデバイス122はLANインタフェース30又はWANインタフェース32を介してインターネット168に接続されてもよい。理解されるべきであるように、インターネット168を介するピアツーピア接続を形成するために、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はまずウェブサービス170をポーリングしてもよい。ウェブサービス170はダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよく、これはリモートストレージ460の現在のIPアドレスを維持してもよい。一例として、ウェブサービス170は、アップル社のBack to My Macサービスの機能であってもよい。
【0224】
図32A及び図32Bは、図31A及び図31Bの遅延簡略化データ転送システム456及び458を採用する方法の実施形態を示す。最初に図32Aを参照すると、フローチャート462は、図31Aの遅延簡略化データ転送システム456の方法の一実施形態を説明する。第1のステップ464において、開始124が行われ、次のステップ466において、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120はスマートプロンプト126を発行してもよい。
【0225】
ステップ468において、スマートデータ転送128が行われてもよい。しかし、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータをパーソナルデバイス122に直接転送するのではなく、作業デバイス120はユーザデータをメインメモリ14又は不揮発性メモリ16に保存してもよい。ステップ470において、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータの全て又は一部をメインメモリ14又は不揮発性メモリ16からパーソナルデバイス122に後で転送してもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は互いに離れて配置されているため、最初に当該2つのデバイスはインターネット168を介するピアツーピア接続を確立してもよい。
【0226】
理解されるべきであるように、インターネット168を介するピアツーピア接続を形成するために、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はまずウェブサービス170をポーリングしてもよい。図13を参照して上述したように、ウェブサービス170はダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよく、これは各デバイスに常駐する簡略化データ転送アプリケーションと関連付けられたプラグインと通信することにより各デバイスの現在のIPアドレスを維持してもよい。一例として、ウェブサービス170は、アップル社のBack to My Macサービスの機能であってもよい。
【0227】
次に図32Bを参照することにより、フローチャート472は、図31Bの遅延簡略化データ転送システム458の方法の一実施形態を説明する。第1のステップ474において、開始124が行われ、次のステップ476において、パーソナルデバイス122又は作業デバイス120はスマートプロンプト126を発行してもよい。
【0228】
ステップ478において、スマートデータ転送128が行われてもよい。しかし、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータをパーソナルデバイス122に直接転送するのではなく、作業デバイス120はユーザデータをリモートストレージ460に転送してもよい。上述したように、リモートストレージ460は、データをリモートに格納するサーバを表してもよく、ウェブサービス170と関連付けられてもよい。ステップ480において、リモートストレージ460は、作業デバイス120から受信するユーザデータの全て又は一部を後で転送してもよい。リモートストレージ460及びパーソナルデバイス122が互いに離れて配置されているため、最初にデバイスはインターネット168を介するピアツーピア接続を確立してもよい。
【0229】
理解されるべきであるように、インターネット168を介するピアツーピア接続を形成するために、パーソナルデバイス122はまずウェブサービス170をポーリングしてもよい。ウェブサービス170はダイナミックドメインネームシステム(DNS)サービスを表してもよく、リモートストレージ460の現在のIPアドレスを維持してもよい。一例として、ウェブサービス170は、アップル社のBack to My Macサービスの機能であってもよい。
【0230】
図33A乃至図33Cは、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータがパーソナルデバイス122を介して宛先デバイス484に転送される簡略化データ転送システム118の別の実施形態を示すブロック図である。理解されるべきであるように、図33A乃至図33Cで示す実施形態は図9A乃至図9Fに示されて上述した実施形態を反映する。
【0231】
図33Aを参照すると、3つのデバイスの簡略化データ転送システム482は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたデータを、パーソナルデバイス122を介して宛先デバイス484に転送することを含んでもよい。作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の第1の簡略化データ転送114において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送してもよい。
【0232】
デバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送した後、作業デバイス120は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータをパーソナルデバイス122に転送してもしなくてもよい。その代わりに、作業デバイス120は、後で転送するためにデバイス状態62と関連付けられたユーザデータをメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16に保存してもよい。
【0233】
その後、パーソナルデバイス122は、パーソナルデバイス122と宛先デバイス484との間で別の簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイスは宛先デバイス484に対して「ドロップ」を開始してもよい。図35A及び図35Bを参照して以下に説明するように、ドロップ機能は、当該ドロップ機能がパーソナルデバイス122に対してデータを転送するのではなくパーソナルデバイス122からデータを転送しうること以外は開始124と同様であってよい。宛先デバイス484に対してドロップを実行する際は、パーソナルデバイス122はデバイス状態ポインタ208又は作業デバイスのデバイスプロファイル196を宛先デバイス484に転送してもよい。
【0234】
デバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206で受信した情報を使用して、宛先デバイス484は作業デバイス120からデバイス状態62のユーザデータを要求してもよい。その後、作業デバイス120は、ユーザデータをメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16から宛先デバイス484に転送してもよい。
【0235】
次に図33Bを参照すると、3つのデバイスの簡略化データ転送システム486は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたデータを、パーソナルデバイス122を介して宛先デバイス484に転送することを含んでもよい。作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の第1の簡略化データ転送114において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送してもよく、その後、デバイス状態62のユーザデータをパーソナルデバイス122に転送する。
【0236】
パーソナルデバイス122はその後、パーソナルデバイス122と宛先デバイス484との間で別の簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイスは宛先デバイス484に対して「ドロップ」を開始してもよい。図35A及び図35Bを参照して以下に説明するように、ドロップ機能は、当該ドロップ機能がパーソナルデバイス122に対してデータを転送するのではなくパーソナルデバイス122からデータを転送しうること以外は開始124と同様であってよい。宛先デバイス484に対してドロップを実行する際は、パーソナルデバイス122はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206、並びに作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを転送してもよい。
【0237】
図33Cを参照すると、3つのデバイスの簡略化データ転送システム488は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたデータを、パーソナルデバイス122を介して宛先デバイス484に転送することを含んでもよい。作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の第1の簡略化データ転送114において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送してもよい。
【0238】
デバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送した後、作業デバイス120は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータをパーソナルデバイス122に転送してもしなくてもよい。その代わりに、作業デバイス120は、後で転送するためにデバイス状態62と関連付けられたユーザデータをリモートストレージ460に転送してもよい。
【0239】
その後、パーソナルデバイス122は、パーソナルデバイス122と宛先デバイス484との間で別の簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイスは宛先デバイス484に対して「ドロップ」を開始してもよい。図35A及び図35Bを参照して以下に説明するように、ドロップ機能は、当該ドロップ機能がパーソナルデバイス122に対してデータを転送するのではなくパーソナルデバイス122からデータを転送しうること以外は開始124と同様であってよい。宛先デバイス484に対してドロップを実行する際は、パーソナルデバイス122はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206を宛先デバイス484に転送してもよい。
【0240】
デバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206で受信した情報を使用して、宛先デバイス484はリモートストレージ460からデバイス状態62のユーザデータを要求してもよい。その後、リモートストレージ460は、ユーザデータを宛先デバイス484に転送してもよい。
【0241】
図34A乃至図34Cは、図33A乃至図33Cの3つのデバイスの簡略化データ転送システム482、486及び488を採用する方法の実施形態を示す。最初に図34Aを参照すると、フローチャート490は、図33Aの3つのデバイスの簡略化データ転送システム482に対する方法の一実施形態を説明する。第1のステップ492において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は開始124を開始してもよく、次のステップ494において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送してもよい。
【0242】
ステップ496において、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをメインメモリ14又は不揮発性記憶装置16に保存してもよい。その後ステップ498において、パーソナルデバイス122は、パーソナルデバイス122と宛先デバイス484との間で別の簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイスは宛先デバイス484に対して「ドロップ」を開始してもよい。図35A及び図35Bを参照して以下に説明するように、ドロップ機能は、当該ドロップ機能がパーソナルデバイス122に対してデータを転送するのではなくパーソナルデバイス122からデータを転送しうること以外は開始124と同様であってよい。宛先デバイス484に対してドロップを実行する際は、ステップ500において、パーソナルデバイス122はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206を宛先デバイス484に転送してもよい。
【0243】
ステップ502において、デバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206で受信した情報を使用して、宛先デバイス484は作業デバイス120からデバイス状態62のユーザデータを要求してもよい。その後、作業デバイス120は、メインメモリ14又は不揮発性記憶装置16から宛先デバイス484にユーザデータを転送してもよい。
【0244】
次に図34Bを参照すると、フローチャート504は、図33Bの3つのデバイスの簡略化データ転送システム486の方法の一実施形態を説明する。第1のステップ506において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は開始124を開始してもよく、次のステップ508において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送してもよい。
【0245】
ステップ510において、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをパーソナルデバイス122に転送してもよい。その後ステップ512において、パーソナルデバイス122は、パーソナルデバイス122と宛先デバイス484との間で別の簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイスは宛先デバイス484に対して「ドロップ」を開始してもよい。図35A及び図35Bを参照して以下に説明するように、ドロップ機能は、当該ドロップ機能がパーソナルデバイス122に対してデータを転送するのではなくパーソナルデバイス122からデータを転送しうること以外は開始124と同様であってよい。宛先デバイス484に対してドロップを実行する際は、ステップ514において、最初にパーソナルデバイス122はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206を宛先デバイス484に転送してもよい。次のステップ516において、パーソナルデバイス122は、作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを宛先デバイス484に転送してもよい。
【0246】
図34Cを参照すると、フローチャート518は、図33Cの3つのデバイスの簡略化データ転送システム488に対して方法の一実施形態を説明する。第1のステップ520において、作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は開始124を開始してもよく、次のステップ522において、作業デバイス120はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206をパーソナルデバイス122に転送してもよい。
【0247】
ステップ524において、作業デバイス120は、デバイス状態62と関連付けられたユーザデータをリモートストレージ460に転送してもよい。その後ステップ526において、パーソナルデバイス122は、パーソナルデバイス122と宛先デバイス484との間で別の簡略化データ転送114を開始してもよい。このとき、パーソナルデバイスは宛先デバイス484に対して「ドロップ」を開始してもよい。図35A及び図35Bを参照して以下に説明するように、ドロップ機能は、当該ドロップ機能がパーソナルデバイス122に対してデータを転送するのではなくパーソナルデバイス122からデータを転送しうること以外は開始124と同様であってよい。宛先デバイス484に対してドロップを実行する際は、ステップ528において、パーソナルデバイス122はデバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206を宛先デバイス484に転送してもよい。
【0248】
ステップ530において、デバイス状態ポインタ208、デバイスプロファイル196及び/又はネットワーク設定情報206で受信した情報を使用して、宛先デバイス484はリモートストレージ460からデバイス状態62のユーザデータを要求してもよい。その後、リモートストレージ460は、ユーザデータを宛先デバイス484に転送してもよい。
【0249】
図35A及び図35Bは、パーソナルデバイス122からリモートストレージ460へ「ドロップ」を実行する一実施形態を示す。最初に図35Aを参照すると、データドロップ画面532は、パーソナルデバイス122から宛先デバイス484にユーザデータをドロップするためのプロンプトを含んでもよい。データドロップ画面532は、ユーザ選択可能なボタン534、536及び538を含んでもよい。ユーザ選択可能なボタン534により、ユーザは先にパーソナルデバイス122に転送された全てのユーザデータを宛先デバイス484に転送することを選択できる。同様に、ユーザ選択可能なボタン536により、ユーザは宛先デバイス484に転送されるデータを選択できる。トランザクションをキャンセルするために、ユーザはユーザ選択可能なボタン538を選択してもよい。トランザクションがキャンセルされた場合、ユーザデータはパーソナルデバイス122に残っており、2回目のドロップが開始されない限り宛先デバイス484に転送されない場合がある。
【0250】
次に図35Bを参照すると、ユーザ選択可能なボタン536がユーザにより選択された際にリストから選択する画面539が得られてもよい。リストから選択する画面539は、ユーザにより宛先デバイス484に「ドロップ」されるように選択されるユーザデータ540を一覧表示してもよい。ユーザデータ540は、ファイル名又は他のテキスト記述542に基づいて記述されてもよく、これはファイルが設計されたアプリケーションを更に一覧表示してもよい。画像544は、低帯域幅要素210としてパーソナルデバイス122に配布されていてもよく、ユーザデータ540又はユーザデータ540の一部により表されたファイルの種類を表してもよい。
【0251】
図36を参照すると、フローチャート546は、3つの電子デバイス10の間で上述した簡略化データ転送技術を使用する方法の一実施形態を示す。第1のステップ548において、ユーザはスマートデータ転送ソフトウェアを有する2つのデバイスを起動してもよい。ステップ550において、ユーザは第1の電子デバイス10において少なくとも1つのアプリケーションを開いてもよい。ステップ552において、ユーザはNFC通信チャネル162のNFCを介して通信を開始するためにデバイスを互いに接続する。従って、オープンアプリケーションを有する電子デバイス10は作業デバイス120を表してもよく、他方の電子デバイス10はパーソナルデバイス122を表してもよい。
【0252】
決定ブロック554において、作業デバイス120又はパーソナルデバイス122はスマートプロンプト126を発行してもよい。上述したように、スマートプロンプト126は種々の要素に依存して発行されてもされなくてもよい。決定ブロック554で示すように、プロンプトが発行された場合、ステップ556に進む。ステップ556において、ユーザはスマートデータ転送ソフトウェアを実行してスマートデータ転送128の段階に入ることを選択してもよい。ステップ556の後、あるいはプロンプトが発行されなかった場合、ステップ558に進む。
【0253】
ステップ558において、ユーザはパーソナルデバイス122において作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを受信してもよい。あるいは、ユーザはデバイス状態ポインタ208のみを受信してもよい。ステップ560において、ユーザは上述した簡略化データ転送技術を行うように構成された第3の電子デバイス10を起動してもよい。
【0254】
次のステップ562において、ユーザはNFC通信チャネル162を介して通信を開始するために第3の電子デバイス10に対してパーソナルデバイス122を接続してもよい。このとき、第3の電子デバイス10は宛先デバイス484を表してもよい。
【0255】
決定ブロック564において、パーソナルデバイス122又は宛先デバイス484はスマートプロンプト126を発行してもよい。上述したように、スマートプロンプト126は種々の要素に依存して発行されてもされなくてもよい。決定ブロック564で示すように、プロンプトが発行された場合、ステップ566に進む。ステップ566において、ユーザはスマートデータ転送ソフトウェアを実行して宛先デバイスへの「ドロップ」を開始することを選択してもよい。ステップ566の後、あるいはプロンプトが発行されなかった場合、ステップ558に進む。
【0256】
ステップ568において、ユーザはパーソナルデバイス122を介して作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを宛先デバイス484にドロップしてもよい。あるいは、ユーザはデバイス状態ポインタ208のみを宛先デバイス484にドロップし、宛先デバイス484が作業デバイス120のデバイス状態62と関連付けられたユーザデータを作業デバイス120又はリモートストレージ160から直接受信できるようにしてもよい。
【0257】
記述した技術の種々の変形例は、ユーザが簡略化された方法でデバイス間のデータを転送することを可能にするために採用されてもよい。図37及び図38は、上述の技術の1つの変形例を示し、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460を介して作業デバイス120の部分的なデバイス状態からデータを取得してもよい。図39乃至図41は、上述の技術の別の変形例を示し、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460を介して部分的なデバイス状態からデータを取得し且つ作業デバイス120を介してデバイス状態から他のデータを直接取得する。図43乃至図47は、上述の技術の変形例に関して作業デバイス120又はパーソナルデバイス122に表示される画面を示す。
【0258】
最初に図37を参照すると、転送図570は、パーソナルデバイス122がリモートストレージ460を介して作業デバイス120の部分的なデバイス状態からデータを取得できる方法を示す。転送図570において、作業デバイス120は、デバイス状態62全体を転送するのではなく、本明細書では部分的なデバイス状態572と呼ばれるデバイス状態62の特定の選択要素のみを転送してもよい。部分的なデバイス状態572は、最近開かれた及び/又は保存されたファイル、ウェブ履歴、音楽、写真等を含んでもよい。一例として、部分的なデバイス状態572は、スタンドアロンアプリケーション、既存のアプリケーション(例えば、メディア管理アプリケーション90又はバックアップアプリケーション94)に組み込まれた機能又は作業デバイス120のオペレーティングシステムに組み込まれた機能によりリモートストレージ460に送出されてもよい。
【0259】
部分的なデバイス状態572のみを送出することにより、所定の時間にリモートストレージ460により保持された総データ量を制限してもよい。リモートストレージ460に格納された必要以上のデータを更に制限するために、リモートストレージ460により保持される部分的なデバイス状態572の、利用可能な総記憶容量及び時間が制限されてもよい。例えば、リモートストレージ460は、各ユーザを約500MBに制限してもよく、最大5日間部分的なデバイス状態572を保持してもよい。
【0260】
作業デバイス120の部分的なデバイス状態572の個々の項目を検索するために、パーソナルデバイス122は、簡略化データ転送アプリケーションの開始時にリモートストレージ460から部分的なデバイス状態ポインタ574のリストをダウンロードしてもよい。部分的なデバイス状態ポインタ574は、リモートストレージ460に存在していてもよい、部分的なデバイス状態572の指標を表してもよい。簡略化データ転送アプリケーションにより、パーソナルデバイス122は部分的なデバイス状態572から個々のファイルを選択できる。パーソナルデバイス122は、部分的なデバイス状態ポインタ574に基づいて選択項目の要求576を送出してもよく、リモートストレージ460は要求要素578をパーソナルデバイス122に転送することにより応答してもよい。作業デバイス120及びパーソナルデバイス122は、図13において説明した方法でインターネット168を介してリモートストレージ460に接続してもよいことが理解されるべきである。
【0261】
図38は、図37の方法で簡略化データ転送を実行する技術を説明するフローチャート580である。第1のステップ582において、作業デバイス120は、部分的なデバイス状態572をリモートストレージ460に周期的に転送してもよい。一例として、作業デバイス120のユーザがファイルを見るか又はファイルに変更を行うと、作業デバイス120はデバイス状態62の特定の要素を暗号化して転送してもよい。例えばユーザが文書を開くか又は保存する際、ウェブページを開くか又は見る際、音楽を聴く際、あるいは写真を見る際に、このようなファイルは部分的なデバイス状態572として暗号化されてリモートストレージ460に転送されてもよい。リモートストレージ460は、制限された時間の間(例えば、5日間)、制限された記憶容量(例えば、500MB/ユーザ)で作業デバイス120からの部分的なデバイス状態572を保持してもよい。
【0262】
パーソナルデバイス122のユーザが作業デバイス120で最近見たか又は保存したファイルをリモートから取得したい場合、ステップ584において、ユーザはパーソナルデバイス122上で簡略化データ転送アプリケーションを開始してもよい。ステップ586において、パーソナルデバイス122は部分的なデバイス状態ポインタ574をダウンロードしてもよい。部分的なデバイス状態ポインタ574は、直前の5日の間に作業デバイス120によりリモートストレージ460にアップロードされた全てのファイルのインデックスを表してもよい。簡略化データ転送アプリケーションは、パーソナルデバイス122のユーザが所望のファイルを選択するのに十分であるように部分的なデバイス状態ポインタ574を表示してもよい。ステップ588において、ユーザが所望のファイルを選択した後、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460からファイルを要求することによりファイルをダウンロードしてもよく、その後リモートストレージ460はパーソナルデバイス122にファイルを転送してもよい。
【0263】
上述したように、図39乃至図41は上述の技術の別の変形例を示し、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460を介して部分的なデバイス状態からデータを取得し、作業デバイス120を介してデバイス状態から直接他のデータを取得してもよい。最初に図39を参照すると、フローチャート590は、インターネット168を介して作業デバイス120とパーソナルデバイス122との間の直接接続を確立するためにウェブサービス170を使用する技術を説明する。第1のステップ592において、作業デバイス120上のアプリケーションは、作業デバイス120に対してインターネットアクセスを提供しているインターネットサービスプロバイダ(ISP)により割り当てられた作業デバイス120のインターネットプロトコル(IP)アドレスを判定してもよい。
【0264】
ステップ594において、作業デバイス120のIPアドレスを取得すると、作業デバイス120で実行しているアプリケーションはウェブサービス170との通信を確立してもよい。ウェブサービス170は、作業デバイス120のドメインネームシステム(DNS)レジストリを維持してもよい。作業デバイス120で実行しているアプリケーションは、ステップ592で判定されたIPアドレスを正確に反映するようにウェブサービス170のDNSレジストリを更新してもよい。
【0265】
ユーザが所有するパーソナルデバイス122と作業デバイス120との間の直接接続をユーザが確立したい場合、ステップ596において、パーソナルデバイス122はウェブサービス170にコンタクトしてもよい。パーソナルデバイス122は、ウェブサービス170のDNSレジストリから作業デバイス120のIPアドレスを要求してもよい。ステップ598において、作業デバイス120のIPアドレスを取得した後、パーソナルデバイス122は検索したIPアドレス及び所定のポート番号を使用して作業デバイス120に接続してもよい。従って、フローチャート590の方法により、パーソナルデバイス122は作業デバイス120への直接接続を確立できる。
【0266】
図40を参照すると、簡略化転送図600は、フローチャート590で説明した直接接続が図37及び図38の簡略化データ転送技術を向上できる方法を示す。簡略化転送図600において、パーソナルデバイス122は、図37の方法でリモートストレージ460の部分的なデバイス状態572からファイルを検索してもよい。しかし、パーソナルデバイス122は、フローチャート590の方法を使用して作業デバイス122への直接接続を更に確立してもよい。従って、簡略化転送図600に示すように、パーソナルデバイス122は、作業デバイスのデバイス状態62からファイルを更に検索してもよい。それらのファイルは、必ずしもリモートストレージ460の部分的なデバイス状態572に存在するとは限らない。
【0267】
そのようなファイルを検索するために、最初にパーソナルデバイス122は簡略化データ転送アプリケーションを開始してもよい。その開始中、パーソナルデバイス122上の簡略化データ転送アプリケーションは、直接作業デバイス122からデバイス状態ポインタ208をダウンロードしてもよい。リモートストレージ460からダウンロードされた部分的なデバイス状態ポインタ574と組み合わせて、パーソナルデバイスは種々のファイルを検索できる。ユーザが検索する所定のファイルを選択した場合、パーソナルデバイス122は、要求されたファイルが配置される場所に依存して、要求602により作業デバイス122に接続、あるいは要求576によりリモートストレージ460にコンタクトしてもよい。作業デバイス122においてのみファイルが見つかった場合、作業デバイス122はメッセージ604で要求ファイルを転送することにより応答してもよい。あるいは、リモートストレージ460はメッセージ578で要求ファイルを転送してもよい。
【0268】
図41は、図40の方法で簡略化データ転送を実行する方法を説明するフローチャート606を示す。フローチャート606のステップ608、610及び612は、図38のフローチャート580のステップ582、584及び586とほぼ同様に行われてもよい。しかし、ステップ614において、作業デバイス120が現在インターネット上にあり且つインターネットを介して利用可能である場合、パーソナルデバイス122はフローチャート590の方法を使用して作業デバイス120への直接接続を更に確立してもよい。次のステップ616において、パーソナルデバイス122は、リモートストレージ460に存在しうる部分的なデバイス状態572において入手不可能であるファイルを含む、デバイス状態ポインタ208のリストをパーソナルデバイス122からダウンロードしてもよい。
【0269】
ステップ616が完了すると、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460の部分的なデバイス状態ポインタ574及び作業デバイス120のデバイス状態ポインタ208の双方からのファイルの混合リストを表示してもよい。ユーザは、リストの中から所望のファイルを選択できてもよい。ステップ618において、パーソナルデバイス122は、作業デバイス120又はリモートストレージ460から所望のファイルを要求及び受信してもよい。
【0270】
図42乃至図47は、上述の技術を実行している間に作業デバイス120又はパーソナルデバイス122に表示されてもよい画面を示す。特に図42及び図43は、部分的なデバイス状態572をリモートストレージ460に周期的に転送するために作業デバイス120で実行してもよいアプリケーションの環境設定を示す。図44乃至図47は、リモートストレージ460の部分的なデバイス状態ポインタ574又は作業デバイス120のデバイス状態ポインタ208を表示する一方でパーソナルデバイス122に表示される画面を示す。
【0271】
図42を参照すると、環境設定画面620は、リモートストレージ460を部分的なデバイス状態572で周期的に更新するための設定を判定するために作業デバイス120で実行されているアプリケーションにおいて表示されうる。画面620は、対応するチェックボックス624を有する一連のリスト項目622を含んでもよい。リスト項目622及び対応するチェックボックス624により、ユーザは暗号化され且つ作業デバイス120からリモートストレージ460に送出されてもよい特定のファイルの種類を選択できる。そのようなファイルの種類は、例えばウェブページ、Microsoft Office(登録商標)文書、PDF文書、iWork(登録商標)文書、最後にインポートされた写真又は最近閲覧した写真等のイベントに基づくiPhoto(登録商標)ファイル、あるいは最近購入又は再生したiTunesメディアファイル又は作業デバイス120で再生された上位25個のファイル中のファイル等のイベントに基づくiTunesファイルを含んでもよい。ボタン626により、ユーザは、作業デバイス120がリモートストレージ460を周期的に更新してもよいかを設定できる。ボタン628により、ユーザは所望の設定をその状態でロックできる。「詳細設定...」とラベル付けされたボタン630は、以下に説明するように特定の詳細な環境設定を可能にする。
【0272】
図43は、ユーザが「詳細設定...」とラベル付けされたボタン630を選択した際に表示される画面632を示す。画面632は、部分的なデバイス状態572の転送時に含まれていない可能性のある作業デバイス120の選択フォルダを示す一連のリスト項目634を表示してもよい。例えばそのようなリスト項目634は、個人の文書、銀行文書、iChat(登録商標)の会話、電子メールメッセージ又は特定の作業関連ファイルを含むフォルダを含んでもよい。ボタン636により、ユーザは追加のフォルダをリスト項目634に追加することによりそれらのフォルダを除外できる。
【0273】
同様に、ボタン638により、ユーザはリモートストレージ460に同期したいリスト項目634のうちいずれの項目も削除できる。画面632へのいかなる変更をも終了するために、ユーザは「実行」とラベル付けされたボタン640を選択してもよい。
【0274】
図42及び図43で説明されたソフトウェアにより提供された機能は種々の方法で実現されることが理解されるべきである。例えば作業デバイス120の単一のアプリケーションに全ての機能を含むのではなく、機能は多くのアプリケーションにわたり分散されてもよい。iPhoto等の写真管理アプリケーションは最近閲覧した又は変更した画像ファイルをリモートストレージ460に自動的にキャッシュしてもよく、iTunes等のメディア管理アプリケーションは最近再生した曲をリモートストレージ460に自動的にキャッシュしてもよく、Safari等のウェブブラウザは最近閲覧したウェブページをリモートストレージ460に自動的にキャッシュしてもよく、及び/またはKeynote等のプロダクティビティソフトウェアは最近閲覧した又は変更された文書をリモートストレージ460に自動的にキャッシュしてもよい。
【0275】
図44A乃至図44Dは、パーソナルデバイス122に表示されうる画面を示し、作業デバイス120のデバイス状態62又はリモートストレージ460に存在する部分的なデバイス状態572の種々のファイルがパーソナルデバイス122上で取得される方法を示す。まず図44Aを参照すると、画面642は、例えばハンドヘルドデバイス40であってもよいパーソナルデバイス122のホーム画面を示している。簡略化データ転送アプリケーションアイコン40が選択された場合に、簡略化データ転送アプリケーションは開始してもよい。理解されるべきであるように、簡略化データ転送アプリケーションが開始されると、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460から部分的なデバイス状態ポインタ572をダウンロード及び/又は作業デバイス120からデバイス状態ポインタ208をダウンロードしてもよい。
【0276】
図44Bに示すように、ハンドヘルドデバイス40は、アイコン40が選択された際に画面644を表示してもよい。画面644は、各々が「文書」、「ウェブ」、「写真」及び「音楽」でラベル付けされた一連のアイコン646乃至652を含んでもよい。図44Bに示すように、「文書」でラベル付けされた646が選択されて強調表示された際に画面644が表示されてもよく、対応する一連のリスト項目654は部分的なデバイス状態ポインタ572又はデバイス状態ポインタ208から種々の文書ファイルを表してもよい。「設定」でラベル付けされたボタン655により、ユーザは図12を参照して上述したように特定の設定を有効にできる。
【0277】
「Keynote」でラベル付けされたリスト項目654を選択すると、ハンドヘルドデバイス40は図44Cに示すような画面656を表示してもよい。画面656は、リモートストレージ460又は作業デバイス120に存在しうるKeynoteプレゼンテーションを表すリスト項目658を含んでもよい。ボタン660により、ユーザは図44Bの画面644に戻ってナビゲートできる。ユーザがリスト項目658の中から選択した場合、パーソナルデバイス122は作業デバイス120又はリモートストレージ460から選択ファイルを要求及び受信できる。一例として、ユーザは「マーケティングイベント」とラベル付けされたリスト項目658を選択してもよい。それに応答して、パーソナルデバイス122は対応するプレゼンテーションファイルをダウンロードしてもよい。図44Dの画面662により示すように、その後、選択したプレゼンテーションファイルはパーソナルデバイス122に表示されてもよい。
【0278】
図45A乃至図45Cは、パーソナルデバイス122に表示されてもよい画面を更に示し、作業デバイス120のデバイス状態62又はリモートストレージ460に存在する部分的なデバイス状態572の種々のファイルがパーソナルデバイス122上で取得される方法を示す。まず45Aを参照すると、ユーザは画面642の簡略化データ転送アプリケーションアイコン40を選択してもよく、これにより簡略化データ転送アプリケーションは開始される。理解されるべきであるように、簡略化データ転送アプリケーションが開始されると、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460から部分的なデバイス状態ポインタ572をダウンロードし及び/又は作業デバイス120からデバイス状態ポインタ208をダウンロードしてもよい。
【0279】
図45Bに示すように、ハンドヘルドデバイス40は、アイコン40が選択され且つ「ウェブ」でラベル付けされたアイコン648が選択された際に画面664を表示してもよい。対応する一連のリスト項目666は、部分的なデバイス状態ポインタ572又はデバイス状態ポインタ208の種々のウェブ関連ファイルを表してもよい。「設定」でラベル付けされたボタン655により、ユーザは図12を参照して上述したように特定の設定を有効にできる。
【0280】
「ウェブページ」でラベル付けされたリスト項目666を選択すると、ハンドヘルドデバイス40は図45Cで示すような画面668を表示してもよい。画面668は、リモートストレージ460又は作業デバイス120に存在しうる最近見たウェブページを表すリスト項目670を含んでもよい。ボタン672により、ユーザは図44Bの画面644に戻ってナビゲートできる。ユーザがリスト項目658の中から選択した場合、パーソナルデバイス122は作業デバイス120又はリモートストレージ460から選択されたファイルを要求及び受信できる。
【0281】
図46A及び図46Bは、パーソナルデバイス122に表示されうる画面を更に示し、作業デバイス120のデバイス状態62又はリモートストレージ460に存在する部分的なデバイス状態572の種々のファイルがパーソナルデバイス122上で取得される方法を示す。最初に46Aを参照すると、ユーザは画面642の簡略化データ転送アプリケーションアイコン40を選択してもよく、これにより簡略化データ転送アプリケーションは開始される。理解されるべきであるように、簡略化データ転送アプリケーションが開始されると、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460から部分的なデバイス状態ポインタ572をダウンロード及び/又は作業デバイス120からデバイス状態ポインタ208をダウンロードしてもよい。
【0282】
図46Bに示すように、ハンドヘルドデバイス40は、アイコン40が選択され且つ「写真」でラベル付けされたアイコン650が選択された際に画面674を表示してもよい。対応する一連のリスト項目676は、部分的なデバイス状態ポインタ572又はデバイス状態ポインタ208の写真のカテゴリを表してもよい。「設定」でラベル付けされたボタン655により、ユーザは図12を参照して上述したように特定の設定を有効にできる。各リスト項目666を選択することにより、ハンドヘルドデバイス40はそれに対応して選択カテゴリの写真のリストを表示してもよく、その後、リストは上述した方法でダウンロードされてもよい。
【0283】
図47A乃至図47Eは、パーソナルデバイス122に表示されてもよい画面を更に示し、作業デバイス120のデバイス状態62又はリモートストレージ460に存在する部分的なデバイス状態572の種々のファイルがパーソナルデバイス122上で取得される方法を示す。最初に47Aを参照すると、ユーザは画面642の簡略化データ転送アプリケーションアイコン40を選択してもよく、それにより簡略化データ転送アプリケーションが開始される。理解されるべきであるように、簡略化データ転送アプリケーションが開始されると、パーソナルデバイス122はリモートストレージ460から部分的なデバイス状態ポインタ572をダウンロード及び/又は作業デバイス120からデバイス状態ポインタ208をダウンロードしてもよい。
【0284】
図47Bに示すように、ハンドヘルドデバイス40は、アイコン40が選択され且つ「音楽」でラベル付けされたアイコン652が選択された際に画面678を表示してもよい。対応する一連のリスト項目680は、部分的なデバイス状態ポインタ572又はデバイス状態ポインタ208の音楽のプレイリストを表してもよい。「設定」でラベル付けされたボタン655により、ユーザは図12を参照して上述したように特定の設定を有効にできる。
【0285】
「購入済ファイル」でラベル付けされたリスト項目680を選択すると、ハンドヘルドデバイス40は図47Cで示すような画面682を表示してもよい。画面682は、リモートストレージ460又は作業デバイス120に存在しうる購入済メディアファイルを表すリスト項目684を含んでもよい。ボタン684により、ユーザは図47Bの画面678に戻ってナビゲートできる。ユーザがリスト項目684の中から曲を選択した場合、パーソナルデバイス122は作業デバイス120又はリモートストレージ460から選択ファイルを要求及び受信できる。一例として、ユーザは「The Cosmic Gate」でラベル付けされたリスト項目684を選択してもよい。それに応答して、パーソナルデバイス122は対応するメディアファイルをダウンロード又はストリーミングしてもよい。
【0286】
図47Dの画面688で示すように、選択したプレゼンテーションファイルはその後パーソナルデバイス122で再生可能であってもよい。画面688において、ボタン689により、ユーザは図47Cの画面682に戻ってナビゲートできる。ユーザが画面688のボタン690を選択した場合、パーソナルデバイス122は図47Eに示すような画面692を表示してもよい。画面692は、「曲を保存」でラベル付けされたボタン694を含んでもよい。ボタン694を選択することにより、ユーザはメディアファイルをパーソナルデバイス122に保存できる。パーソナルデバイス122にメディアを保存することは、作業デバイス120又はリモートストレージ460への接続が終了した後にファイルがパーソナルデバイス122に残っているようにファイルを不揮発性記憶装置16に格納することを含んでもよいことが理解されるべきである。パーソナルデバイス122に受信されたあらゆるファイルは、そのようなファイルを受信する固有の各アプリケーションからこの方法で保存されてもよいことが更に理解されるべきである。例えば写真アプリケーションは、上述したように音楽ファイルが保存されるように受信した写真を不揮発性記憶装置16に保存することを可能にしてもよい。
【0287】
図44乃至図47で説明したソフトウェアにより提供された機能性は、種々の方法で実現されてもよいことが理解されるべきである。例えば、パーソナルデバイス122上の単一のデータ転送アプリケーションに上述の機能性の全てを含むのではなく、機能性は多くのアプリケーションにわたり分散されてもよい。従って、検索されてもよいファイルの各種類と関係付けられたアプリケーションは、リモートストレージ460又は作業デバイス120とのインタラクションを個々に提供してもよい。例えばパーソナルデバイス122上の写真管理アプリケーションは、「デスクトップで最近閲覧されたライブラリ(Recently Viewed on My Desktop)」と呼ばれるライブラリを含んでもよい。ライブラリを選択することにより、簡略化データ転送が開始され、リモートストレージ460又は作業デバイス120から作業デバイス120上で最近見た全ての写真の指標を取得し及び/または全て又は一部の写真を自動的に転送してもよい。理解されるべきであるように、iPod等のパーソナルデバイス122上のメディア管理アプリケーションは作業デバイス120からのメディアファイルに関連する同様の機能を提供してもよく、Safari等のパーソナルデバイス122上のウェブブラウザは作業デバイス120からのウェブページに関連する同様の機能を提供してもよく、及び/またはKeynote又はiWork等のパーソナルデバイス122上のプロダクティビティソフトウェアは作業デバイス120からの文書に関連する同様の機能性を提供してもよい。
【0288】
本発明の1つ以上の特定の実施形態を上述した。それらの実施形態を簡潔に説明しようとしたため、本明細書において実際の実現例の全ての特徴が説明されていない。そのようないかなる実際の実現例の開発時にも、いかなるエンジニアリング又は設計プロジェクトと同様に、実現例毎に異なるシステム関連又はビジネス関連の制約に準拠するような開発者の特定の目的を達成するために実現例固有の多くの決定がされる必要があることが理解されるべきである。更にそのような開発努力は、複雑であり時間がかかるが、本発明の利益を有する当業者には設計、組立及び製造の日常的な業務であることが理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス上で動作している少なくとも1つのオープンアプリケーションに関するデータを有する該デバイスと通信を確立する工程と、
前記少なくとも1つのオープンアプリケーションに関するデータのリストを有するデバイス情報を、確立された前記通信を介して交換する工程と、
ユーザインタフェースを用いてユーザが選択可能な形式で、前記少なくとも1つのオープンアプリケーションに関するデータのリストを表示する工程と、
前記少なくとも1つのオープンアプリケーションに関するデータのリストの、少なくとも一部の、ユーザによる選択を受信する工程と、
前記確立された通信を介して、前記ユーザによる選択に基づく要求であって、前記少なくとも1つのオープンアプリケーションに関するデータの少なくとも一部を送信する要求を前記デバイスに伝達する工程と、
前記要求されたデータを、前記確立された通信を介して前記デバイスから受信する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記デバイス情報を交換する工程は、データ処理能力に関する情報を交換する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データを受信する工程は、前記データ処理能力に関する情報に基づいて変換された形式で、前記データを受信する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記変換された形式で前記データを受信する工程は、前記データをPDFとして受信する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記変換された形式で前記データを受信する工程は、前記データを画像ファイルとして受信する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ユーザ入力構造と、
ディスプレイと、
ネットワークインタフェースと、
前記ネットワークインタフェースを介して別のデバイスと通信を確立し、前記ネットワークインタフェースを介して前記他のデバイスにおいて動作している少なくとも1つのオープンアプリケーションに関するデータのリストを含むデバイス情報を前記他のデバイスから受信し、前記ディスプレイに前記リストを表示し、ユーザによる前記リストに基づく選択を前記ユーザ入力構造を介して受信し、前記ユーザにより選択されたデータの送信要求を前記ネットワークインタフェースを介して前記他のデバイスに伝送し、前記ユーザにより選択されたデータを前記ネットワークインタフェースを介して前記デバイスから受信する、ように構成されたプロセッサと、
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
前記ユーザにより選択されたデータはURLであり、前記他のデバイスにおいて動作している少なくとも1つのオープンアプリケーションはインターネットブラウザであることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記URLは、地図へのリンクであることを特徴とする請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記プロセッサは、地図特化アプリケーションで前記地図を開くように構成されることを特徴とする請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記URLは、動画へのリンクであることを特徴とする請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記プロセッサは、動画特化アプリケーションで前記動画を開くように構成されることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
第2の電子デバイスあるいはネットワーク上のデータ格納サーバから、前記第2の電子デバイスにおいてアクセスされたファイルあるいは変更されたファイルのインデックスを、第1の電子デバイスにダウンロードする工程と、
前記第1の電子デバイスにおいて、ユーザが選択可能な、前記ファイルのインデックスに基づくファイルのリストを表示する工程と、
前記ファイルのリストからユーザにより選択されたファイルの要求を、前記第1の電子デバイスから前記第2の電子デバイスあるいは前記データ格納サーバに対して発行する工程と、
前記第1の電子デバイスにおいて、前記ユーザにより選択されたファイルを前記第2の電子デバイスあるいは前記データ格納サーバから受信する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記ファイルのインデックスをダウンロードする工程は、前記第2の電子デバイスにおいて所定期間にアクセスされたファイルあるいは変更されたファイルへのポインタをダウンロードする工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ファイルのインデックスをダウンロードする工程は、前記第2の電子デバイスにおいて閲覧された1以上の画像ファイルへのポインタをダウンロードする工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ファイルのインデックスをダウンロードする工程は、前記第2の電子デバイスにおいて再生された1以上の音楽ファイルへのポインタをダウンロードする工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ファイルのインデックスをダウンロードする工程は、前記第2の電子デバイスにおいてウェブブラウザで閲覧された1以上のウェブページへのポインタをダウンロードする工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記ファイルのインデックスをダウンロードする工程は、前記第2の電子デバイスにおいて閲覧された1以上の文書へのポインタをダウンロードする工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項18】
データ転送アプリケーションを実行するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと動作可能に接続され、発信元電子デバイスにおいてアクセスされたファイルあるいは変更されたファイルのインデックスを、前記データ転送アプリケーションを介した取得のために格納するように構成されたメモリデバイスと、
ユーザが選択可能な前記ファイルのインデックスのリストを表示するように構成された電子ディスプレイと、
前記ユーザが選択可能なリストからの、ユーザによるファイルの選択を登録するように構成された入出力インタフェースと、
簡略化された前記データ転送アプリケーションが実行された場合、データ格納サーバから前記ファイルのインデックスをダウンロードし、ユーザにより選択されたファイルを前記データ格納サーバへ要求し、前記データ格納サーバから前記ユーザにより選択されたファイルを受信するように構成されたネットワークインタフェースと、
を備えることを特徴とする電子デバイス。
【請求項19】
前記ネットワークインタフェースは、発信元電子デバイスにより前記データ格納サーバにアップロードされたファイルへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項20】
前記ネットワークインタフェースは、前記発信元電子デバイスにより所定期間に前記データ格納サーバにアップロードされたファイルへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項19に記載の電子デバイス。
【請求項21】
前記ネットワークインタフェースは、前記発信元電子デバイスにより少なくとも5日の間に前記データ格納サーバにアップロードされたファイルへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項20に記載の電子デバイス。
【請求項22】
前記ネットワークインタフェースは、ローカルエリアネットワークインタフェース、パーソナルエリアネットワークインタフェース、ワイドエリアネットワークインタフェース、赤外線インタフェース、あるいはこれらのインタフェースのいかなる組み合わせを含むことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項23】
前記ネットワークインタフェースは、前記発信元電子デバイスにおいて閲覧された1以上の画像ファイルへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項24】
前記ネットワークインタフェースは、前記発信元電子デバイスにおいて再生された1以上の音楽ファイルへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項25】
前記ネットワークインタフェースは、前記発信元電子デバイスにおいてウェブブラウザで閲覧された1以上のウェブページへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項26】
前記ネットワークインタフェースは、前記発信元電子デバイスにおいて閲覧された1以上の文書へのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項27】
前記ネットワークインタフェースは、コンピュータである前記発信元電子デバイスにおいて閲覧された1以上のファイルへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項28】
前記電子デバイスは、携帯電話あるいはハンドヘルドコンピュータであることを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項1】
デバイス上で動作している少なくとも1つのオープンアプリケーションに関するデータを有する該デバイスと通信を確立する工程と、
前記少なくとも1つのオープンアプリケーションに関するデータのリストを有するデバイス情報を、確立された前記通信を介して交換する工程と、
ユーザインタフェースを用いてユーザが選択可能な形式で、前記少なくとも1つのオープンアプリケーションに関するデータのリストを表示する工程と、
前記少なくとも1つのオープンアプリケーションに関するデータのリストの、少なくとも一部の、ユーザによる選択を受信する工程と、
前記確立された通信を介して、前記ユーザによる選択に基づく要求であって、前記少なくとも1つのオープンアプリケーションに関するデータの少なくとも一部を送信する要求を前記デバイスに伝達する工程と、
前記要求されたデータを、前記確立された通信を介して前記デバイスから受信する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記デバイス情報を交換する工程は、データ処理能力に関する情報を交換する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データを受信する工程は、前記データ処理能力に関する情報に基づいて変換された形式で、前記データを受信する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記変換された形式で前記データを受信する工程は、前記データをPDFとして受信する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記変換された形式で前記データを受信する工程は、前記データを画像ファイルとして受信する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ユーザ入力構造と、
ディスプレイと、
ネットワークインタフェースと、
前記ネットワークインタフェースを介して別のデバイスと通信を確立し、前記ネットワークインタフェースを介して前記他のデバイスにおいて動作している少なくとも1つのオープンアプリケーションに関するデータのリストを含むデバイス情報を前記他のデバイスから受信し、前記ディスプレイに前記リストを表示し、ユーザによる前記リストに基づく選択を前記ユーザ入力構造を介して受信し、前記ユーザにより選択されたデータの送信要求を前記ネットワークインタフェースを介して前記他のデバイスに伝送し、前記ユーザにより選択されたデータを前記ネットワークインタフェースを介して前記デバイスから受信する、ように構成されたプロセッサと、
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
前記ユーザにより選択されたデータはURLであり、前記他のデバイスにおいて動作している少なくとも1つのオープンアプリケーションはインターネットブラウザであることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記URLは、地図へのリンクであることを特徴とする請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記プロセッサは、地図特化アプリケーションで前記地図を開くように構成されることを特徴とする請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記URLは、動画へのリンクであることを特徴とする請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記プロセッサは、動画特化アプリケーションで前記動画を開くように構成されることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
第2の電子デバイスあるいはネットワーク上のデータ格納サーバから、前記第2の電子デバイスにおいてアクセスされたファイルあるいは変更されたファイルのインデックスを、第1の電子デバイスにダウンロードする工程と、
前記第1の電子デバイスにおいて、ユーザが選択可能な、前記ファイルのインデックスに基づくファイルのリストを表示する工程と、
前記ファイルのリストからユーザにより選択されたファイルの要求を、前記第1の電子デバイスから前記第2の電子デバイスあるいは前記データ格納サーバに対して発行する工程と、
前記第1の電子デバイスにおいて、前記ユーザにより選択されたファイルを前記第2の電子デバイスあるいは前記データ格納サーバから受信する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記ファイルのインデックスをダウンロードする工程は、前記第2の電子デバイスにおいて所定期間にアクセスされたファイルあるいは変更されたファイルへのポインタをダウンロードする工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ファイルのインデックスをダウンロードする工程は、前記第2の電子デバイスにおいて閲覧された1以上の画像ファイルへのポインタをダウンロードする工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ファイルのインデックスをダウンロードする工程は、前記第2の電子デバイスにおいて再生された1以上の音楽ファイルへのポインタをダウンロードする工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ファイルのインデックスをダウンロードする工程は、前記第2の電子デバイスにおいてウェブブラウザで閲覧された1以上のウェブページへのポインタをダウンロードする工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記ファイルのインデックスをダウンロードする工程は、前記第2の電子デバイスにおいて閲覧された1以上の文書へのポインタをダウンロードする工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項18】
データ転送アプリケーションを実行するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと動作可能に接続され、発信元電子デバイスにおいてアクセスされたファイルあるいは変更されたファイルのインデックスを、前記データ転送アプリケーションを介した取得のために格納するように構成されたメモリデバイスと、
ユーザが選択可能な前記ファイルのインデックスのリストを表示するように構成された電子ディスプレイと、
前記ユーザが選択可能なリストからの、ユーザによるファイルの選択を登録するように構成された入出力インタフェースと、
簡略化された前記データ転送アプリケーションが実行された場合、データ格納サーバから前記ファイルのインデックスをダウンロードし、ユーザにより選択されたファイルを前記データ格納サーバへ要求し、前記データ格納サーバから前記ユーザにより選択されたファイルを受信するように構成されたネットワークインタフェースと、
を備えることを特徴とする電子デバイス。
【請求項19】
前記ネットワークインタフェースは、発信元電子デバイスにより前記データ格納サーバにアップロードされたファイルへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項20】
前記ネットワークインタフェースは、前記発信元電子デバイスにより所定期間に前記データ格納サーバにアップロードされたファイルへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項19に記載の電子デバイス。
【請求項21】
前記ネットワークインタフェースは、前記発信元電子デバイスにより少なくとも5日の間に前記データ格納サーバにアップロードされたファイルへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項20に記載の電子デバイス。
【請求項22】
前記ネットワークインタフェースは、ローカルエリアネットワークインタフェース、パーソナルエリアネットワークインタフェース、ワイドエリアネットワークインタフェース、赤外線インタフェース、あるいはこれらのインタフェースのいかなる組み合わせを含むことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項23】
前記ネットワークインタフェースは、前記発信元電子デバイスにおいて閲覧された1以上の画像ファイルへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項24】
前記ネットワークインタフェースは、前記発信元電子デバイスにおいて再生された1以上の音楽ファイルへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項25】
前記ネットワークインタフェースは、前記発信元電子デバイスにおいてウェブブラウザで閲覧された1以上のウェブページへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項26】
前記ネットワークインタフェースは、前記発信元電子デバイスにおいて閲覧された1以上の文書へのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項27】
前記ネットワークインタフェースは、コンピュータである前記発信元電子デバイスにおいて閲覧された1以上のファイルへのポインタを含む、前記ファイルのインデックスをダウンロードするように構成されたことを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項28】
前記電子デバイスは、携帯電話あるいはハンドヘルドコンピュータであることを特徴とする請求項18に記載の電子デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31A】
【図31B】
【図32A】
【図32B】
【図33A】
【図33B】
【図33C】
【図34A】
【図34B】
【図34C】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44A】
【図44B】
【図44C】
【図44D】
【図45A】
【図45B】
【図45C】
【図46A】
【図46B】
【図47A】
【図47B】
【図47C】
【図47D】
【図47E】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31A】
【図31B】
【図32A】
【図32B】
【図33A】
【図33B】
【図33C】
【図34A】
【図34B】
【図34C】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44A】
【図44B】
【図44C】
【図44D】
【図45A】
【図45B】
【図45C】
【図46A】
【図46B】
【図47A】
【図47B】
【図47C】
【図47D】
【図47E】
【公開番号】特開2013−58208(P2013−58208A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−211481(P2012−211481)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【分割の表示】特願2011−512500(P2011−512500)の分割
【原出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−211481(P2012−211481)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【分割の表示】特願2011−512500(P2011−512500)の分割
【原出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】
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