説明

データ送信方法

【課題】送信側から受信側へデータを確実に送信することができるデータ送信方法を提供する。
【解決手段】管理端末3のデータ容量比較手段355が、サーバ装置2に送信前のデータの容量と、サーバ装置2が受信後のデータの容量とを比較し、データ容量が一致しない場合にはデータがサーバ装置2に正常に受信されていないとして、通信制御手段353が再度当該データをサーバ装置2へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データの送信を行うデータ送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品券、ギフト券、金券、地域通貨等の有価証券は、発行会社或いは発行団体がそれぞれ独自の金券(有価証券)を発行して流通され、消費者は買い物をする際に当該金券の通用する商店や百貨店等の取扱店において使用し、その使用された金券(回収券)を、発行会社等が取扱店から回収することにより、使用された金券分の金額を、発行会社等が取扱店に支払い清算する、といった仕組みが形成されている。しかし、このような仕組みでは、取扱店が回収した有価証券を発行会社等に搬送する際の輸送費がかさむ、という問題や、回収され発行会社に搬送された有価証券の管理等に多大な労力がかかる、という問題があった。
【0003】
このような問題を解消するため、出願人は、例えば特許文献1に示すシステムを提案した。すなわち、百貨店等の各取扱店に管理端末と読取装置とを設置し、管理センタにサーバ装置を設置して、管理端末とサーバ装置とを通信ネットワークに接続してデータ通信を行えるように構成し、システム全体をサーバ装置によって統括、管理するシステムである。このようなシステムにおいて、クレジット・信販会社等の発行元が、それぞれ種類の異なる商品券や地域通貨等の有価証券を発行し、取扱店が、消費者(顧客)に商品等を販売した際に対価として有価証券を受け取ると、読取装置で有価証券を読み取らせて、券種、金額等のデータを取得し、管理端末を介してそれらのデータをサーバ装置に送信する。サーバ装置は、取扱店の読取装置から送信された有価証券のデータを受信して管理を行い、取扱店と発行元との間で、有価証券の額面の金額分を清算するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−163971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の有価証券管理システムにおいては、例えば通信ネットワーク障害(瞬断、長期断線等)により、送信データの一部が失われる等、サーバ装置が正しいデータを受信することができない場合や、サーバ装置或いは管理端末上の通信ソフトウェアの一時的な障害により通信が失敗した場合があっても、その損傷や欠落をサーバ装置は把握できない。また、正常に受信されなかった送信エラーや受信エラーが発生したデータを特定して保存していないため、送信側からサーバ装置へ再度送信することができない、という問題があった。
【0006】
本発明は、上述の問題を解消して、送信側から受信側へデータを確実に送信することができるデータ送信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るデータ送信方法は、端末装置が、送信データを作成して当該送信データをサーバ装置に対して送信するステップと、サーバ装置が、端末装置より送信された前記送信データを受信データとして記憶するステップと、前記端末装置が、前記サーバ装置に記憶された、前記送信データに対応する前記受信データのデータ容量情報を、前記サーバ装置より取得するステップと、前記端末装置が、前記送信データの容量と、前記サーバ装置より取得した前記受信データの容量とを比較するステップと、前記比較ステップにおいてデータ容量が一致しなかった場合に、前記端末装置が、当該送信データを前記サーバ装置に対して再度送信するステップと、前記比較ステップにおいてデータ容量が一致した場合に、前記端末装置が、前記サーバ装置において記憶された前記受信データの形式を、前記サーバ装置が有するデータベースに記憶させることができる形式に変換するステップと、前記サーバ装置が、前記データベースにデータを記憶させることができる形式に変換された前記受信データに含まれるデータを、前記データベースに記憶させるステップと、を含む。
【0008】
この構成によれば、端末装置が、サーバ装置に記憶された受信データの容量情報を取得して、送信データの容量と、当該送信データに対応する受信データの容量とを比較し、データ容量が一致しない場合にはデータがサーバ装置に正常に受信されていないとして、端末装置が、再度当該データをサーバ装置へ送信させるため、通信ネットワークの障害或いはサーバ装置の不具合等により、データの破損・欠落が生じた場合でも、送信側である端末装置は、送信データがサーバ装置に正常に受信されていないことを知ることができ、サーバ装置に正常に受信されなかった送信データを自動的に再度送信することができる。
また、端末装置が、正常にサーバ装置に受信された受信データのみをサーバ装置の有するデータベースに記憶させることができる形式に変換するように構成することができ、正常に通信を完了した時点でデータベースへのデータ取込が行われるため、通信途中の受信データ或いは損傷や欠落のある受信データをサーバ装置が取込みする等の不具合発生を回避する事ができる。
さらに、端末装置が、正常にサーバ装置に受信されなかった受信データの形式をサーバ装置のデータベースに記憶させることができる形式に変換せず、正常にサーバ装置に受信された受信データのみをサーバ装置のデータベースに記憶させることができる形式に変換するように構成することができ、正常に通信を完了した時点でサーバ装置のデータベースへのデータ取込が行われるため、通信途中の受信データ或いは損傷や欠落のある受信データをサーバ装置が取込みする等の不具合発生を回避する事ができる。
【0009】
さらに、上記データ送信方法において、前記サーバ装置が、前記受信データ記憶手段に記憶された前記受信データに含まれるデータを前記データベースに正常に記憶させることができなかった場合に、当該受信データをエラーデータとして記憶するステップを含むとよい。これにより、サーバ装置が、データベースにデータを正常に記憶させることができなかった受信データをエラーデータとして、正常に記憶させることができた受信データと分けて管理することができる。
【0010】
さらに、上記データ送信方法において、前記端末装置が、前記サーバ装置に対し、前記受信データに含まれるデータを前記データベースに記憶させることができたか否かについて問い合わせるステップと、前記端末装置が、前記問い合わせの結果が、前記受信データに含まれるデータを正常に記憶させることができなかったという結果である場合に、当該受信データの送信前のデータである送信データをエラーデータとして記憶するステップと、前記サーバ装置が、前記問い合わせに対し、データ取込みの成否を回答するステップと、を有するとよい。これにより、端末装置側でサーバ装置が正常にデータベースに取り込みできなかった受信データを把握することができ、当該受信データに対応する送信データをエラーデータとして管理することができる。
【0011】
さらに、上記データ送信方法において、前記端末装置が、当該管理端末と前記サーバ装置との通信を介する通信ネットワークを監視し、当該通信ネットワークに通信障害が生じた場合に、当該通信障害が生じた際に送信していた送信データを、通信障害が解消した後で、前記通信制御手段に再度送信させるステップをさらに有するとよい。これにより、通信障害が起こった場合でもデータが自動的に再送信される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るデータ送信方法によれば、送信側から受信側へデータを確実に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】有価証券管理システムの全体構成図である。
【図2】有価証券管理システムの構成を説明するための図である。
【図3】有価証券の形態を模式的に示す図である。
【図4】簡易的な有価証券管理システムの機能ブロック図である。
【図5】有価証券管理システムによるデータ送信処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る有価証券管理システム1の全体構成図である。図1に示すように、有価証券管理システム1は、有価証券の発行元100、有価証券の情報を管理する管理センタ200、有価証券を取り扱う取扱店(店舗)300や卸商400等において利用される。発行元100、管理センタ200、取扱店300及び卸商400等に設置された各コンピュータは、通信ネットワーク5によって、互いにデータ通信を行うことができるよう構成されている。ここで用いられる有価証券としては、商品券、金券、ギフト券等を例示することができる。
【0016】
有価証券の発行元100としては、例えば、クレジット会社・信用販売会社(信販会社)101、サービス会社102、ビール・飲料会社103、メーカ会社104、団体系会社105や組合・連合会106等を例示することができる。これらの各発行元100は、それぞれ種類の異なる商品券や金券等の有価証券を発行する。
【0017】
管理センタ200には、有価証券の情報を管理するサーバ装置2が設置されている。
取扱店300は、有価証券を取り扱い、例えば有価証券と引き換えに商品を販売する。この取扱店300は有価証券の受取り店(回収店)となり、顧客(消費者)等から受け取った有価証券の金額を発行元100から受け取る。なお、取扱店300が受け取る金額は、手数料や加盟店登録料を差し引かれる場合がある。
【0018】
取扱店300としては、百貨店グループ301を構成する本店301A及びその支店301B、301C、総合スーパーマーケット(GMS:General Merchandise Store)302やその系列スーパーマーケット(SM)3021、テナント管理事務所303、商店街組合304とその組合304と提携する商店3041等を例示することができる。各取扱店300には、取扱対象としている有価証券を読み取るための読取装置4や管理端末(端末装置)3が設置されている(図2参照)。
図2は、図1に示した有価証券管理システム1の構成を説明するための図である。
【0019】
卸商(卸商業者)400は、例えば取扱店(店舗)300により取り扱われる商品等の卸業者であり、酒類卸商401、商品卸商402、メーカ卸商403を例示することができる。各卸商400にも、取り扱うことができる有価証券を読み取るための読取装置4や管理端末3が設置されている(図2参照)。
【0020】
このような構成の有価証券管理システム1において、消費者等が取扱店300や卸商400で有価証券を用いて商品等を購入すると、取扱店300や卸商400の店員は、有価証券を読取装置4に読み取らせる。読取装置4は、有価証券から読み取った金額データや発行元データ、券番号データ等を含むテキストデータ、ならびに画像データを生成して記憶するとともに、読み取ったデータ(読取データ)をサーバ装置2へ送信する。サーバ装置2は、各取扱店300、卸商400から送信される有価証券の読取データを受信し管理する。サーバ装置2は、画像データも受信して管理を行うので、取扱店300や卸商400で消費者等から受け取った使用済み有価証券を処理センタ等に回収することなく、またセキュリティ性を低下させることなく有価証券を管理することができる。
【0021】
続いて、図2に示すように、百貨店グループ301を構成する本店301A及びその支店301Bに設置された読取装置4A,4B(4)及び管理端末(端末装置)3A,3B(3)と、管理センタ200に設置されたサーバ装置2によって構成されるシステムを例に挙げ、そのシステム構成図を参照して、有価証券管理システム1について説明する。
【0022】
図2に示すように、本店301Aには、管理端末3A(3)が設置され、レジコーナーには複数のキャッシュレジスタ(金銭登録機)7A(7)が設置されている。各キャッシュレジスタ7Aは、管理端末3Aに接続されている。さらに、各キャッシュレジスタ7Aには、有価証券を読み取るための読取装置4A(4)がそれぞれ接続されている。そして、顧客等が有価証券を使って商品を購入する際、店員はその有価証券を読取装置4Aに読み取らせる。読取装置4Aは、読み取った有価証券の読取データを、その読取装置4Aが接続されているキャッシュレジスタ7Aを介して管理端末3Aへ送信する。キャッシュレジスタ7Aは、送信された有価証券の読取データに含まれる額面金額を預かり金額に加算し、店員によって入力された商品価格を差し引いて清算する。各キャッシュレジスタ7Aは、商品売買の履歴情報を読取データと合わせて又は別々に管理端末3Aへ送信する。
【0023】
さらに、各読取装置4Aによって読み取られた有価証券の読取データは、管理端末3Aから通信ネットワーク5を通じてサーバ装置2へ送信される。また、読取装置4Aが有価証券の識別処理に用いる設定情報は、管理端末3Aに表示した設定入力画面に必要な情報を入力し、通信ネットワーク5を介してサーバ装置2に送信して記憶させることで設定される。サーバ装置2に記憶された設定情報は、各読取装置4Aにダウンロードされ、読取装置4Aによる有価証券の識別処理に用いられる。
【0024】
また、支店301Bには、管理端末3B(3)が設置され、レジコーナーには複数のキャッシュレジスタ7B(7)が設置されている。各キャッシュレジスタ7Bは、商品売買の履歴情報を管理端末3Bに送信できるよう、管理端末3Bに接続されている。また、管理端末3Bには、有価証券を読み取るための読取装置4B(4)が接続されている。顧客等が、有価証券を使って商品を購入する際、店員は、キャッシュレジスタ7Bに、有価証券の額面金額と商品価格を入力する。すると、キャッシュレジスタ7Bは、有価証券の額面金額を預かり金額に加算し、商品価格を差し引いて清算する。各キャッシュレジスタ7Bで顧客より支払われた有価証券は、随時或いは1日の販売業務終了後など、定期的にまとめて読取装置4Bに読み取らせる。
【0025】
読取装置4Bによって読み取られた有価証券の読取データは、管理端末3Bを介し通信ネットワーク5を通じてサーバ装置2へ送信される。また、読取装置4Bが有価証券の識別処理に用いる設定情報は、管理端末3Bに表示した設定入力画面に必要な情報を入力し、通信ネットワーク5を介してサーバ装置2に送信して記憶させることで設定することができる。さらに、サーバ装置2に記憶された設定情報は、読取装置4Bにダウンロードされ、読取装置4Bによる有価証券の識別処理に用いられる。
【0026】
〔有価証券〕
次に、図3を参照して有価証券管理システム1で取り扱われる、商品券、金券、ギフト券、地域通貨等の有価証券について説明する。説明を簡潔にするため有価証券として紙に印刷された商品券P1と旅行券P2とを例として説明する。図3は商品券(有価証券)P1及び旅行券(有価証券)P2の形態を模式的に示す図である。図3(A)は、商品券P1の表面の一例を示し、図3(B)は、図3(A)に示した商品券P1の裏面の一例を示す図である。また図3(C)は、旅行券P2の表面の一例を示し、図3(D)は、図3(C)に示した旅行券P2の裏面の一例を示す図である。なお、図3に示す有価証券の各種情報の配置は一例であり、情報の配置位置や印刷・加工方法等は有価証券の券種により異なる。
【0027】
有価証券の表面や裏面には、図3(A)〜(D)に示すように、有価証券を商品等の代金として利用できる金額を示す金額情報D1、有価証券の発行元を示す発行元情報D2、例えば図書券、ビール券、旅行券、ギフト券といった有価証券の種類を示す券種情報D3、有価証券に有効期限がある場合にその期限を示す有効期限情報D4、有価証券を特定して管理するために有価証券の1枚1枚に割り当てられた券番号情報D5及び有価証券が通用する取扱店300を示す取扱店情報D6等の属性情報が、通常インクや磁気インク等により番号、文字、画像或いはバーコード等として印刷されている。また、有価証券の偽造防止や真偽判別のために用いられる真偽判別用情報D7が彩紋、隠し文字、ホログラム及び/又は透かし等として印刷或いは加工されている。更に、券番号情報等の属性情報や真偽判別用情報を記録したICチップが券面又は券内部に実装されてもよい。読取装置4は、有価証券に含まれるこれらの情報の少なくとも一部を読み取り、読取データを生成する。
【0028】
次に、図4を参照して、読取装置4A(4)、管理端末3A(3)、サーバ装置2について説明する。図4は、簡易的にキャッシュレジスタ7A(7)を省略し、本店301Aにおける管理端末3Aが通信ネットワーク5に接続され、読取装置4Aが管理端末3Aに接続された有価証券管理システム1の機能ブロック図である。なお、通常、管理端末3Aには、図2に示すように、複数のキャッシュレジスタ7Aや複数の読取装置4Aが接続されている。また、管理端末3Aと管理端末3B(3)とは同様の構成、機能を有しており、読取装置4Aと読取装置4B(4)とは同様の構成、機能を有している。
【0029】
〔読取装置〕
図4に示すように、読取装置4A(4)は、通信I/F(インタフェース)41、入力部42、出力部43、読取部44、記憶部45及び制御部46を有する。また読取装置4Aは、読取処理後の有価証券を格納するスタッカ部(図示せず)及び読取エラー等となった有価証券を格納するリジェクト部(図示せず)を更に有する。
【0030】
通信I/F41は、RS232C等のケーブル接続、或いはLAN等の通信ネットワークを介して管理端末3A(3)とデータ通信を行う。
入力部42は、オペレータによる入力操作を受け、操作に応じた電気信号を制御部46に出力するもので、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、スイッチ等の入力デバイスより構成される。入力部42は、オペレータによる入力操作に従って、例えば読取装置4Aの電源オン、オフ等の制御信号を後述する読取制御手段462に出力する。
出力部43は、制御部46の制御により読取装置4Aの読取処理に関する出力、例えば用紙への印字を実行するプリンタ等の印字手段431や、画面表示等を実行する液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ等の各種ディスプレイ装置、LED(Light Emitting Diode)ランプ等の表示手段432を有する。具体的には、出力部43は、例えば読取エラー等の発生時に、表示手段432であるディスプレイへのエラーメッセージ表示或いはLEDランプの点灯等によるエラー情報の出力を実行する。
【0031】
読取部44は、制御部46の制御により有価証券の読取処理を行い、読取結果に応じた電気信号(読取データ)を制御部46に出力する。制御部46は、読取データをテキストデータ形式や画像データ形式に変換して、記憶部45に一時記憶させる。詳細には、読取部44は、光学読取手段441及び/又は磁気読取手段442を有する。
光学読取手段441は、例えばCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の光を電気信号に変換する撮像素子を有するイメージスキャナ、デジタルカメラ等の装置であって、有価証券の撮像に応じた読取データを制御部46に出力する。
磁気読取手段442は、例えばMICR(Magnetic Ink Character Recognition:磁気インク文字認識)文字で印刷された有価証券の管理情報、例えば金額、発行元、券番号、券種、券名、バージョン(版)等の属性情報を読み取るMICRリーダーであって、読取データを制御部46に出力する。更に、有価証券にICチップが実装されている場合に、そのICチップの情報を読み取るためのICリーダー(IC読取手段)を備えてもよい。
【0032】
記憶部45は、読取処理に関するプログラムや読取処理に必要な設定情報を記憶したり、読取部44や制御部46によって生成された読取データ等を記憶したりするもので、ROM、RAM、磁気ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等の記憶デバイスにより構成される。記憶部45により記憶される設定情報は、例えば、レジマスタ451、券種マスタ452、特定仕様マスタ453、識別用設定マスタ454である。
【0033】
レジマスタ451は、本店301Aにおけるキャッシュレジスタ(金銭登録機)7Aに関する管理データであって、例えば、キャッシュレジスタ7Aの識別番号、設置フロア、売場名称、有価証券を取り扱い可能とさせるキャッシュレジスタであるか否か等のデータである。
券種マスタ452は、有価証券の券種に関する管理データであって、例えば、券種毎の発行元、有価証券の名称(券名)、金額、バージョン(版)、有効期限、本店301Aにおいて通用可能とする有価証券であるか否か等のデータである。
特定仕様マスタ453は、読取部44によって読み取られた有価証券の券種を特定するための仕様に関する管理データであって、例えば、券種毎の識別番号の表示位置や番号体系等のデータである。
【0034】
識別用設定マスタ454は、読取装置4Aの読取動作を規定する制御情報に関する管理データであって、例えば、有価証券の識別情報を得るための有価証券券面における読取位置(識別情報の表示位置)及び読取サイズ、複数ある読取位置の読取優先順位等のデータである。ここで、当該位置に識別情報が表示される券種が多種類ある読取位置ほど、或いは読取り頻度が高いほど、読取優先順位を高く設定することで、読取処理における券種識別効率を上げることが可能となる。なお、読取部44に取り付けられる素子やセンサには個体差があり、設置位置も読取装置4Aによって若干のズレがあり得るため、各読取装置4Aごとに識別用設定マスタ454のデータを調整するとよい。
【0035】
これら各種マスタ451〜454のファイルは、常時或いは1日の読取処理開始前等の所定のタイミングで、サーバ装置2から取得する設定情報に含まれる最新の各種マスタに基づいて更新される。
記憶部45に記憶された読取データは、所定データ量毎、読取処理毎、所定時間毎、或いは1日の読取処理終了後等所定のタイミングで、管理端末3Aを経由してサーバ装置2にデータ送信される。そのデータ送信が正常に行われると、記憶部45に記憶されていた読取データはクリアされる。
【0036】
制御部46は、CPU等のプロセッサにより構成され、オペレータの入力部42を介した操作による制御信号或いは管理端末3Aによって送信される制御信号に基づいて、読取装置4Aを統括的に制御する。制御部46は、設定更新手段461、読取制御手段462、読取データ生成手段463及び判定手段464を有する。
【0037】
設定更新手段461は、常時或いは所定のタイミングで、設定情報の変更があるか否かを管理端末3Aを介してサーバ装置2に照会する。設定情報に変更がある場合、サーバ装置2より最新の設定情報を取得し、取得した最新の設定情報を基に記憶部45に記憶された各マスタ451〜454を更新する。
読取制御手段462は、オペレータの操作等によって読取処理開始の制御信号が入力されると、記憶部45に記憶されたレジマスタ451を参照して、読取装置4Aが接続されたキャッシュレジスタ7Aが有価証券を取り扱い可能とされたキャッシュレジスタであるか否かを判定し、取り扱い可能である場合は識別用設定マスタ454を参照して、読取部44の読取処理を制御する。読取装置4Aが接続されたキャッシュレジスタ7Aが有価証券を取り扱うことができない場合は、出力部43にエラー情報を出力させて処理を終了する。
【0038】
読取データ生成手段463は、記憶部45に記憶された特定仕様マスタ453を参照して、読取部44より取得した読取データに基づいて発行元データ、金額データ、券種データ及び/又は券面の画像データを含む読取データを生成して、読取装置4Aが接続されたキャッシュレジスタ7Aの識別番号等の取扱レジ情報及び売上日情報と関連付けて記憶部45に一時的に記憶させる。
判定手段464は、記憶部45に記憶された券種マスタ452を参照して、読取データ生成手段463が生成した読取データに含まれる券種データに基づいて、読取処理を行った有価証券が本店301Aにおいて通用可能とされているか否かを判定する。当該有価証券が通用可能とされていないと判定された場合、当該有価証券はリジェクト部(図示せず)に格納される。読取不良等により券種データが生成されなかった場合も同様に、当該有価証券はリジェクト部に格納される。これらエラーに関する情報は、管理端末3Aを介してサーバ装置2にデータ送信される。当該有価証券が通用可能とされていると判定された場合、当該有価証券はスタッカ部(図示せず)に格納される。
【0039】
〔管理端末〕
次に、管理端末(端末装置)3A(3)について説明する。管理端末3Aは、通信I/F31、入力部32、出力部33、記憶部34及び制御部35を有する。
【0040】
通信I/F31は、RS232C等のケーブル接続、或いはLAN等の通信ネットワークを介して各読取装置4A(4)とデータ通信を行ったり、通信ネットワーク5を介して、例えばFTP(File Transfer Protocol)やHTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の予め規定された通信プロトコルによりサーバ装置2とデータ通信を行ったりする。
入力部32は、オペレータによる入力操作を受け付け、操作に応じた電気信号を制御部35に出力するもので、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスにより構成される。入力部32は、オペレータによる入力操作に従って、例えば読取装置4Aの読取処理に関する制御信号や各種マスタのメンテナンス画面を呼び出す制御信号を、制御部35に出力する。
出力部33は、制御部35の制御により管理端末3Aにおける読取装置4Aの管理に関する出力、例えば印字や画面表示等を実行するもので、プリンタ等の印字手段331や、各種ディスプレイ装置等の表示手段332を有する。具体的には出力部33は、券データ検索画面等のディスプレイ表示や券データ検索結果リスト等の管理帳票のディスプレイ表示やプリンタ出力等を実行する。
【0041】
記憶部34は、管理端末3Aによる読取装置4Aの制御処理に必要なプログラムや各種マスタのメンテナンス処理に必要なプログラムや各種データを記憶したり、各種作業データを記憶したりするもので、ROM、RAM、磁気ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等の記憶デバイスにより構成される。また、記憶部34は、正常にデータ通信が行われなかった場合に当該データを記憶するエラーデータ記憶手段341を有する。具体的には記憶部34は、制御部35の制御により、読取装置4Aが読み取った有価証券の読取データをサーバ装置2へ送信する際に一時記憶したり、サーバ装置2から読取装置4Aに送信された設定情報を一時記憶したりする。一時記憶された各種データは、正常にデータ通信が行われるとクリアされ、正常にデータ通信が行われないとエラーデータ記憶手段に記憶される。
【0042】
制御部35は、CPU等のプロセッサにより構成され、オペレータの入力部32を介した操作による、或いはサーバ装置2からの制御信号に基づいて、管理端末3A全体の動作を統括的に制御する。制御部35は、設定情報生成手段351、通信監視手段352、通信制御手段353、データ容量取得手段354、データ容量比較手段355、ファイル形式変換手段356及び取込成否問合せ手段357を有する。
設定情報生成手段351は、読取装置4Aの設定を更新するための設定情報を生成し、生成した設定情報を、通信I/F31を介してサーバ装置2へ送信する。具体的には、設定情報生成手段351は、後述するサーバ装置2の入力画面生成手段251がインターネットの所定のサイト上に用意した読取装置4Aに対する設定入力画面や指示入力画面、オペレータに関するユーザ入力画面等を、ウェブブラウザを利用して表示手段332に表示させ、それらの画面に応じた入力データに基づいて、読取装置4Aの設定情報や読取指示情報、オペレータ管理情報等を生成する。
【0043】
通信監視手段352は、通信I/F31の通信ネットワーク5を介したサーバ装置2との通信を、通信の疎通確認に用いるPING(Packet INternet Grouper)等のコマンドを使用して監視し、通信に障害があった場合にはこれを検知する。具体的には、例えばPINGによる疎通確認の場合、通信監視手段352は、PINGコマンドによるIP(Internet Protocol)パケットをサーバ装置2に対し送信して、サーバ装置2からの応答を受け取ることができなかった時点で、通信障害と判断する。そして、通信障害により送信できなかった送信データがあれば、通信制御手段353に当該データをエラーデータ記憶手段341に記憶させ、通信が復旧した時点で、当該エラーデータを通信制御手段353に再度送信させる制御を行う。また、通信監視手段352は、通信障害によりファイル形式変換手段356によるサーバ装置2における受信データのファイル変換が成功しなかったデータがあれば、通信が復旧した時点で、当該受信データに対応する送信データを後述する通信制御手段353に再度送信させる制御を行う。通信の復旧を検知する方法としては、PINGによる疎通確認をおこなった場合、通信障害と判断した以降も引続き、PINGコマンドによるIPパケットをサーバ装置2へ送信し続け、正常にサーバ装置2からの応答を受けた時点で通信復旧と判断する。また、通信監視手段352による通信の監視は、10秒間に1回など指定された間隔で随時行う手法や、管理端末3Aの稼動時など所定の時間帯のみ行うこととしてもよい。
【0044】
通信制御手段353は、通信I/F31のケーブル接続等を介した読取装置4Aとのデータ通信や、通信ネットワーク5を介したサーバ装置2とのデータ通信を管理する。具体的には、通信制御手段353は、通信I/F31に対して、読取装置4Aから送信された読取データを受信させたり、サーバ装置2から送信されたデータを受信させたり、設定情報生成手段351が生成した設定情報及び/又は読取装置4Aから受信した読取データを、送信データとしてサーバ装置2へ送信させたりする。
データ容量取得手段354は、後述するサーバ装置2の受信データ記憶手段248に記憶された受信データのデータ容量の情報を取得する。具体的には、例えばFTPプロトコルを使用した場合、データ容量取得手段354は、FTPプロトコルにおけるSIZEコマンドをサーバ装置2へ送信して、サーバ装置2からの応答によりサーバ装置2の受信データのデータ容量を取得することができる。
【0045】
データ容量比較手段355は、通信制御手段353がサーバ装置2へ送信した送信データ(設定情報及び/又は読取データ)のデータ容量(データサイズ)と、データ容量取得手段354がサーバ装置2から取得した、当該送信データに対応する受信データのデータ容量とを比較する。具体的には、データ容量比較手段355は、管理端末3Aで動作するOS(Operation System)が提供するCUI型のコマンド(Microsoft Windows(登録商標)が提供するDOSプロンプトのDirコマンド 等)を使用し、管理端末3Aの記憶部34に記憶される送信データのファイルサイズ(データ容量)を取得し、さらに、前記送信データに対応してサーバ装置2の受信データ記憶手段248に記憶された受信データのファイルについて、FTPプロトコルによるSIZEコマンドによりファイルサイズを取得して、送信データのデータ容量と受信データのデータ容量を比較する。データ容量比較手段355は、比較した結果、データ容量が一致すれば、そのデータは正常に送信されたと判断し、データ容量が一致しなければ、正常にデータが送信されていないと判断する。
データ容量比較手段355が、正常にデータが送信されていないと判断した場合、通信制御手段353は、当該データを再度サーバ装置2へ送信する。
これにより、例えば通信ネットワーク5の障害等、何らかの原因によるデータの破損・欠落が生じた場合でも、データ容量比較手段355が自動的にデータの破損・欠落を検出し、再度通信制御手段353に当該データを送信させるので、正しくないデータがサーバ装置2に受信され、サーバ装置2のDB(データベース)に誤った情報が記録されてしまう、といった事態を回避することができる。
【0046】
データ容量比較手段355が、正常にデータが送信されたと判断した場合、換言すれば、サーバ装置2の受信データ記憶手段248に記憶された受信データが正しいデータであると判断した場合、ファイル形式変換手段356は、当該受信データのファイル形式を変換し、サーバ装置2において取り込み可能なファイル形式に変換する。具体的には、例えば、受信データ記憶手段248に記憶された受信データのファイル名が「data01.abc」の場合、管理端末3Aのファイル形式変換手段356は、当該受信データのファイル名をリネームして拡張子を「data01.xyz」のように変化させ、サーバ装置2により取り込み可能なファイル形式に変換する。或いはまた、受信データ記憶手段248に「data01.def」、「data02.def」、「data03.def」といった受信データが記憶された場合、ファイル形式変換手段356は、これら受信データを結合した1つのファイル「comb01.xyz」のように変化させる。
これにより、サーバ装置2が受信データを自ら取り込み可能なファイル形式に変換しなくても良くなり、例えば、複数の管理端末3が存在し、管理端末3毎にデータ(設定情報及び/又は読取データ)の形式が異なる場合に、サーバ装置2側でいちいち取り込み可能な形式に変換することで処理時間や処理の複雑さが発生する、といった事態を回避することができる。
【0047】
取込成否問合せ手段357は、サーバ装置2の取込成否回答手段255に対し、後述するサーバ装置2のデータ取込制御手段254が受信した送信データ(設定情報及び/又は読取データ)に含まれるデータを対応するデータベースに正常に記憶させることができたか否かの問合せを行う。データ取込制御手段254が送信データ(サーバ装置2の説明における受信データ)に含まれるデータを正常にデータベースに記憶させることができたという回答を得た場合には、取込成否問合せ手段357は、管理端末3Aによるデータ送信処理を終了し、データベースに正常に記憶させることができなかったという回答を得た場合には、その受信データに対応する送信データをエラーデータとして、エラーデータ記憶手段341に記憶させる。
これにより、サーバ装置2側から、正常に取り込みできなかったデータについて、管理端末3A側に通知する必要がなく、管理端末3Aが自らサーバ装置2側で正常に取り込みできなかった受信データに対応する送信データをエラーデータとして隔離して記憶することができる。このため、管理端末3Aからサーバ装置2に送信した送信データのうち、サーバ装置2が正常に取り込むことができなかった送信データを、全て管理端末3A側から検出することができるため、サーバ装置2による管理の手間が縮小される。
【0048】
〔サーバ装置〕
続いて、サーバ装置2について説明する。サーバ装置2は、通信I/F21、入力部22、出力部23、記憶部24、および制御部25を有する。
【0049】
通信I/F21は、通信ネットワーク5を介して、例えばFTPやHTTP等の予め規定された通信方式により、管理端末3A(3)とデータ通信を行う。
入力部22は、オペレータによる入力操作を受け付け、操作に応じた電気信号を制御部25に出力するもので、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスにより構成される。
出力部23は、制御部25の制御に応じた出力、例えば画像表示や印字等を実行するもので、例えばプリンタ等の印字手段231や、各種ディスプレイ装置等の表示手段232により構成される。
【0050】
記憶部24は、本実施形態に係る機能を含むプログラムや、読取装置4A(4)による有価証券の読取処理に必要な設定情報や、管理端末3A(3)及び読取装置4Aに関する管理情報や、有価証券の発行データや読取装置4Aにより取得した読取データ等の券管理情報等を記憶する。この記憶部24は、例えばRAM、ROM、磁気ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等の記憶デバイスにより構成される。
記憶部24により記憶される各種管理情報は、図4に示すように、レジDB241、券種DB242、特定仕様DB243、識別用設定DB244、読取指示DB245、ユーザDB246及び回収券DB247である。また、記憶部24は、受信データ記憶手段248及びエラーデータ記憶手段249を有する。なお、図4に示した構成は一例であり、記憶部24は別の各種管理情報を記憶していても良いし、別のデータ構造であってもよい。
【0051】
レジDB241は、百貨店グループの本店301A等の取扱店300毎のキャッシュレジスタ7に関する管理データであるレジマスタ451を記憶するデータベースである。
券種DB242は、各取扱店300において通用可能とされる有価証券の券種に関する管理データである券種マスタ452を記憶するデータベースである。
特定仕様DB243は、有価証券の券種を特定するための仕様に関する管理データである特定仕様マスタ453を記憶するデータベースである。
識別用設定DB244は、読取装置4A(4)の読取動作を規定する制御情報に関する管理データである識別用設定マスタ454を記憶するデータベースである。
読取指示DB245は、読取装置4Aの動作制御(読取指示)に関する管理データである読取指示情報を記憶するデータベースである。
上述の各取扱店300における読取装置4の設定情報及び読取指示情報を記憶する各DB241〜245は、各取扱店300における管理端末3から通信I/F21を介して受信した読取装置4の設定情報等に基づいて更新される。
【0052】
ユーザDB246は、読取装置4A(4)、管理端末3A(3)又はサーバ装置2を操作するオペレータに関する管理情報を記憶するデータベースである。ユーザDB246の管理データ項目としては、例えば、オペレータの識別番号、ユーザID、パスワード、氏名、正社員或いはパート等の属性情報、読取装置4A及び管理端末3Aの操作権限(操作可能な範囲)等が挙げられる。
回収券DB247は、読取装置4Aから取得した回収済みの有価証券(回収券)の読取データを記憶するデータベースである。回収券DB247の管理データ項目としては、例えば、回収された有価証券の識別番号、取扱店300の識別番号、取扱レジの識別番号、売上日、売上金額等が挙げられる。
【0053】
受信データ記憶手段248は、通信I/F21が管理端末3Aから受信したデータを記憶する。ここで、受信データ記憶手段248に記憶されるデータを、以下受信データと称する。なお、受信データ記憶手段248に記憶される受信データは、レジマスタ451及び/又は券種マスタ452を含む設定情報、及び/又は、読取装置4Aから管理端末3Aを介して送信された読取データである。また、データ取込制御手段254により、受信データ記憶手段248に記憶された受信データのうち、レジマスタ451はレジDB241に、券種マスタ452は券種DB242に、読取データは回収券DB247に、それぞれ取り込まれる。
エラーデータ記憶手段249は、データ取込制御手段254が生成したエラーデータを記憶する。また、エラーデータ記憶手段249に記憶されているエラーデータは、制御部25の制御により、リスト化して出力部23より出力される。
【0054】
制御部25は、CPU等のプロセッサにより構成され、サーバ装置2全体を統括的に制御する。制御部25は、図4に示すように、入力画面生成手段251、設定管理手段252、集計手段253、データ取込制御部254、取込成否回答手段255を有する。
【0055】
入力画面生成手段251は、管理端末3Aからの要求に従って、読取装置4Aの設定情報を更新するための設定入力画面や、読取装置4Aに対する読取指示情報を更新するための指示入力画面や、オペレータに関する管理情報を更新するためのユーザ入力画面等を、インターネットの所定サイト上に生成する。なお、入力画面生成手段251が生成する入力画面の具体的な画面構成や入力方法等については限定しない。
設定管理手段252は、管理端末3Aの設定情報生成手段351から受信した設定情報や、読取指示情報や、オペレータ管理情報等に基づいて、記憶部24に記憶された取扱店300における読取装置4Aの設定情報を記憶するDB241〜244のうち、今回変更される設定情報に関するマスタが記憶されているDBを更新する。
【0056】
集計手段253は、管理端末3Aから受信した読取データに含まれる回収券の金額データ、取扱店データ、発行元データ等に基づいて、発行元100毎や取扱店300毎に設定期間毎やリアルタイムでの集計処理を行う。例えば、集計手段253は、取扱店300が発行元100に請求する金額を算出して精算データを生成し、生成した精算データを記憶部24に記憶させる。また、集計手段253は、管理センタ200を管理するホスト系電算センタ(図示せず)に設置されたホスト装置(図示せず)に上位の管理を行わせるため、通信I/F21を介して精算データをホスト装置へ出力する。
【0057】
データ取込制御手段254は、受信データ記憶手段248が一時的に記憶した受信データから、設定情報に含まれる各種マスタ451〜454を取り込み、それぞれ対応するDB241〜244に記憶させたり、読取指示情報を取り込み、読取指示DB245に記憶させたり、オペレータ管理情報を取り込み、ユーザDB247に記憶させたり、読取データを取り込み、回収券DB247に記憶させたりするための制御を行う。
さらに、データ取込制御手段254は、前記各種データがそれぞれ対応するデータベースに正常に記憶できたか否かの判定を行い、正常に記憶できなかったと判定した場合には、正常に記憶できなかったデータをエラーデータとして、エラーデータ記憶手段249に記憶させる。
取込成否回答手段255は、管理端末3Aの取込成否問合せ手段357による問合せに応じて、データ取込制御手段254が、受信データ記憶手段248に記憶された受信データに含まれるデータを、対応するデータベースに正常に記憶させることができたか否か、回答する。
【0058】
〔データ送信処理フロー〕
次に、本実施形態の有価証券管理システム1により行われるデータ送信処理について、図5を参照して説明する。図5は、有価証券管理システム1による読取データ送信処理を説明するためのフローチャートである。
【0059】
まず、百貨店グループの本店301Aにおいて、売場等で販売員等のオペレータが、顧客から受け取った有価証券を読取装置4Aにセットして読み取りを指示する。読取装置4Aは、読取部44により順次有価証券の読み取って、読取データ生成手段463により当該有価証券の読取情報に取扱レジ情報及び売上日情報を関連付けて読取データを生成し、通信I/F41を介して当該読取データを順次管理端末(端末装置)3Aへ送信して(ステップST1)、セットされた全ての有価証券の読取処理を行なったら処理を終了する。
すると、管理端末3Aは、通信I/F31を介して当該読取データを順次受信する(ステップST2)。そして、所定の読取データ件数や読取った単位等を1単位として、管理端末3Aの通信制御手段353は、有価証券の読取データを送信データとして、通信I/F31及び通信ネットワーク5を介してサーバ装置2へ送信する(ステップST3)。
サーバ装置2の受信データ記憶手段248は、受信した当該送信データを受信データとして記憶する(ステップST4)。
【0060】
次に、管理端末3Aのデータ容量比較手段355は、サーバ装置2にアクセスして受信データ記憶手段248に記憶された受信データを参照して、送信データの容量と、当該送信データに対応する受信データの容量とを比較し(ステップST5)、比較した結果データ容量が一致しなければ(ステップST5;ノー)、正常にデータが送信されていないと判断して、当該送信データを、通信制御手段353に再度送信させる(ステップST3)。サーバ装置2の受信データ記憶手段248は、受信した当該送信データを受信データとして記憶する(ステップST4)。なお、サーバ装置2は、ファイル名が同一の送信データを受信した場合、受信データ記憶手段248に、以前の受信データに上書きして記憶するように構成するとよい。
データ容量比較手段355が比較した結果データ容量が一致すると(ステップST5;イエス)、ファイル形式変換手段356は、サーバ装置2の受信データ記憶手段248に記憶された当該受信データのファイル名をリネームして、サーバ装置2において取り込み可能なファイル形式に変換する(ステップST6)。
【0061】
続いて、サーバ装置2のデータ取込制御手段254は、管理端末3Aのファイル形式変換手段356がファイル形式を変換した受信データを取り込み、受信データに含まれる取扱レジ情報、券種情報、金額情報、券面の画像データ等の読取データを記憶部24の回収券DB247に記憶させる(ステップST7)。
また、データ取込制御手段254は、読取データを正常にデータベースに取り込むことができたか否かの判定を行い(ステップST8)、正常に取り込むことができた場合には(ステップST8;イエス)、当該読取データに対応する受信データを受信データ記憶手段248からクリアして(ステップST10)、処理を終了する。データ取込制御手段254は、正常に取り込むことができなかったデータがある場合には(ステップST8;ノー)、当該読取データに対応する受信データを、エラーデータとしてエラーデータ記憶手段249に記憶させ(ステップST9)、当該受信データを受信データ記憶手段248からクリアして(ステップST10)、処理を終了する。
【0062】
一方、管理端末3Aの取込成否問合せ手段357は、サーバ装置2に対して、受信データに含まれるデータを対応するデータベースに正常に記憶させることができたか否かについて問い合わせて(ステップST11)、サーバ装置2の取込成否回答手段255より、データを正常にデータベースに記憶させることができたという回答を得た場合には(ステップST11;イエス)、当該受信データに対応する送信データを記憶部34からクリアして(ステップST13)、処理を終了し、データを正常にデータベースに記憶させることができなかったという回答を得た場合には(ステップST11;ノー)、当該受信データに対応する送信データを、エラーデータとして、エラーデータ記憶手段249に記憶し(ステップST12)、当該送信データを記憶部34からクリアして(ステップST13)、処理を終了する。
【0063】
なお、図5に示したフローチャートでは、ステップST4からST6において、管理端末3Aは、送信データと受信データのデータ容量が一致するまでデータ再送信を繰り返す構成となっているが、例えば、通信制御手段353が再送信の回数をカウントし、所定の回数再送信を行っても容量が一致しなかった場合には、当該送信データをエラーデータとしてエラーデータ記憶手段341に記憶させるようにしてもよい。
また、図5には示していないが、管理端末3Aの通信監視手段352は、例えば5秒間隔でサーバ装置2との通信状態を監視して、通信障害があった場合にはこれを検知する。そして、通信が復旧した時点で、エラーデータ記憶手段341に記憶されているエラーデータ(送信データ)を、通信制御手段353に再度送信させる。
また、サーバ装置2のエラーデータ記憶手段249にエラーデータが記憶された場合、サーバ装置の制御部25は、管理端末3に対してデータの再送信を要求するようにしてもよい。
【0064】
〔本有価証券管理システムによる作用効果〕
この本実施形態の有価証券管理システム1によれば、管理端末3のデータ容量比較手段355が、サーバ装置2に送信前のデータ(送信データ)の容量と、サーバ装置2による受信後のデータ(受信データ)の容量とを比較し、容量が一致しない場合には送信データがサーバ装置2に正常に受信されていないとして、通信制御手段353が再度当該送信データを送信する。そのため、例えば通信回線の長期断線、瞬断等、何らかの原因による送信データの破損や一部欠落が生じた場合でも、送信側である管理端末3が、サーバ装置2に送信した送信データが正常に受信されていないことを知ることができ、正常に受信されなかったデータを自動的に再度送信することができる。
【0065】
また、管理端末3のファイル形式変換手段356は、データ容量比較手段355が、サーバ装置2の受信データ記憶手段248に記憶された受信データが正しいデータであると判断した場合に、当該受信データのファイル形式を、サーバ装置2のデータ取込制御手段254が取り込み可能な形式に変換するので、データ取込制御手段254が、正常に受信されなかった受信データからデータを取り込もうとしてエラーを起したり、データベースに誤った情報が記憶されてしまったりといった事態を回避することができる。
さらに、サーバ装置2が受信データを自らデータベースに取り込み可能なファイル形式に変換しなくても良いため、例えば、複数の管理端末3が存在し、管理端末3毎にデータ(設定情報及び/又は読取データ)の形式が異なる場合でも、サーバ装置22が、いろいろなデータ形式のデータをデータ取込制御手段254により取り込み可能な形式に変換する必要がなく、サーバ装置2による管理が煩雑になったり処理時間がかかったりするといった不具合を回避することができる。
【0066】
また、管理端末3の取込成否問合せ手段357がサーバ装置2に対して、受信データのデータをデータベースに正常に取り込みできたか否かの問合せを行い、正常に取り込めなかった受信データに対応する送信前のデータをエラーデータとしてエラーデータ記憶手段341に隔離して記憶する。そのため、サーバ装置2から、正常に取り込みできなかったデータについて管理端末3に通知する必要がなく、管理端末3が自らサーバ装置2に問合せた結果により、サーバ装置2で正常に取り込みできなかったデータがあれば、その受信データに対応する送信データをエラーデータとして隔離することができる。換言すると、管理端末3からサーバ装置2に送信した送信データのうち、サーバ装置2が正常に取り込むことができなかった送信データを、全て管理端末3側から検出することができるため、サーバ装置2による管理の手間が縮小される。
さらに、サーバ装置2でも、正常に取り込みできなかった受信データをエラーデータ記憶手段249に記憶するため、管理端末3における機器障害、エラーデータ記憶手段等の不具合が生じた場合のバックアップ用途としても活用出来る。
【0067】
また、管理端末3の通信監視手段352が通信ネットワーク5の通信状態を監視し、通信障害が生じた場合には、送信できなかったデータやファイル変換が成功しなかった受信データに対応する送信データを、通信障害が解消した後に再度、通信制御手段353に送信させるので、通信障害が起こった場合でもデータを確実に送信して、サーバ装置2のデータベースに格納させることができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0069】
例えば、上記実施形態のデータ送信処理フローでは、管理端末3は、読取装置4から送信された有価証券の読取データのみを送信データとしてサーバ装置2へ送信することとしたが、受信した読取データと合わせて或いは読取データとは別に、設定情報生成手段351が生成した各種設定情報を送信データとして、サーバ装置2へ送信するようにしてもよい。
また、管理端末3は、読取装置4から送信された読取データを、1日の販売業務終了後の所定時刻にサーバ装置2へ送信することとしたが、データ送信のタイミングは、例えば、毎日21時30分、毎正時等の予め設定された所定時刻、或いは読取データの受信の都度、オペレータによる送信指示等、任意に設計することができる。
また、サーバ装置2のデータベースは複数でも1つでもよく、取り扱うデータの容量に応じて設けたり、或いは発行元100や取扱店300の会社等の単位毎にそれぞれ設けたりしてよく、データベースに記憶するデータの内容やそのデータ構造も任意に設計してよい。
【0070】
また、上記実施形態では、読取装置4は管理端末3に接続されて、有価証券の読取データを、管理端末3を介してサーバ装置2へ送信することとしたが、読取装置4が管理端末3と同様の構成及び機能をさらに備え、通信ネットワーク5を介してサーバ装置2と接続可能として、読取データを直接サーバ装置2へ送信するように構成してもよい。すなわち、読取装置4は、記憶部45に、管理端末3のエラーデータ記憶手段341と同様機能のエラーデータ記憶手段を備え、制御部46に、管理端末3の設定情報生成手段351と同様機能の設定情報生成手段、管理端末3の通信監視手段352と同様機能の通信監視手段、管理端末3の通信制御手段353と同様機能の通信制御手段、管理端末3のデータ容量比較手段355と同様機能のデータ容量比較手段、管理端末3のファイル形式変換手段356と同様機能のファイル形式変換手段、管理端末3の取込成否問合せ手段357と同様機能の取込成否問合せ手段を更に備えるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では特に説明しなかったが、有価証券の真偽判別用情報Dを利用して真偽判定を行う構成としてもよい。この場合、サーバ装置2の記憶部24は真偽判別用データベースをさらに有し、読取装置4は有価証券の真偽判別用情報Dを読み取り、生成した真偽判別用データを読取データに含めて管理端末3を介してサーバ装置2に送信し、サーバ装置2が受信した送信データ(読取データ)に含まれる真偽判別用データに基づいて有価証券の真贋判定を行うようにする。或いは、真贋判別用データベースをさらに有するのはサーバ装置2の記憶部24ではなく、読取装置4の記憶部45又は管理端末3の記憶部34として、読取装置4又は管理端末3により真贋判定を行って、真正であると判定された読取データのみをサーバ装置2へ送信するように構成することとしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…有価証券管理システム、100…発行元、200…管理センタ、300…取扱店、400…卸商、2…サーバ装置、21…通信I/F、22…入力部、23…出力部、24…記憶部、241…レジDB、242…券種DB、243…特定仕様DB、244…識別用設定DB、245…読取指示DB、246…ユーザDB、247…回収券DB、248…受信データ記憶手段、249…エラーデータ記憶手段、25…制御部、254…データ取込制御手段、255…取込成否回答手段、3,3A,3B…管理端末(端末装置)、31…通信I/F、32…入力部、33…出力部、34…記憶部、341…エラーデータ記憶手段、35…制御部、352…通信監視手段、353…通信制御手段、354…データ容量取得手段、355…データ容量比較手段、356…ファイル形式変換手段、357…取込成否問合せ手段、37…通信部、4,4A,4B…読取装置、41…通信I/F、42…入力部、43…出力部、44…読取部、45…記憶部、46…制御部、47…通信部、5…通信ネットワーク、7,7A,7B…キャッシュレジスタ__

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置が、送信データを作成して当該送信データをサーバ装置に対して送信するステップと、
サーバ装置が、端末装置より送信された前記送信データを受信データとして記憶するステップと、
前記端末装置が、前記サーバ装置に記憶された、前記送信データに対応する前記受信データのデータ容量情報を、前記サーバ装置より取得するステップと、
前記端末装置が、前記送信データの容量と、前記サーバ装置より取得した前記受信データの容量とを比較するステップと、
前記比較ステップにおいてデータ容量が一致しなかった場合に、前記端末装置が、当該送信データを前記サーバ装置に対して再度送信するステップと、
前記比較ステップにおいてデータ容量が一致した場合に、前記端末装置が、前記サーバ装置において記憶された前記受信データの形式を、前記サーバ装置が有するデータベースに記憶させることができる形式に変換するステップと、
前記サーバ装置が、前記データベースにデータを記憶させることができる形式に変換された前記受信データに含まれるデータを、前記データベースに記憶させるステップと、
を含む
ことを特徴とするデータ送信方法。
【請求項2】
前記サーバ装置が、前記受信データ記憶手段に記憶された前記受信データに含まれるデータを前記データベースに正常に記憶させることができなかった場合に、当該受信データをエラーデータとして記憶するステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ送信方法。
【請求項3】
前記端末装置が、前記サーバ装置に対し、前記受信データに含まれるデータを前記データベースに記憶させることができたか否かについて問い合わせるステップと、
前記問い合わせの結果が、前記受信データに含まれるデータを正常に記憶させることができなかったという結果である場合に、前記端末装置が、当該受信データの送信前のデータである送信データをエラーデータとして記憶するステップと、
前記サーバ装置が、前記問い合わせに対し、データ取込みの成否を回答するステップと、
を有することを特徴とする請求項2に記載のデータ送信方法。
【請求項4】
前記端末装置が、当該端末装置と前記サーバ装置との通信を介する通信ネットワークを監視し、当該通信ネットワークに通信障害が生じた場合に、当該通信障害が生じた際に送信していた送信データを、通信障害が解消した後で、前記通信制御手段に再度送信させるステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−65335(P2013−65335A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−255987(P2012−255987)
【出願日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【分割の表示】特願2007−335969(P2007−335969)の分割
【原出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】