データ配信システム
【課題】 従来のデータ配信システムは、データ発行部とデータ購読部との間のデータ伝送速度が、高速/低速にかかわらず上限値がかなり高い通信ネットワーク上に構成されていることが前提となっており、データ伝送速度が異なるデータ配信領域間でデータ発行部から複数のデータ購読部へ周期的にデータを送信すると、データ購読部で周期的にデータが購読できなくなるという問題があった。
【解決手段】 データ発行部及びデータ購読部のそれぞれが利用するデータ伝送速度が通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値を超えないように、それぞれの送受信を管理するリソース管理部を設けて、データ発行部から送信されたデータが所望のデータ伝送速度でデータ購読部が受信できるようにした。
【解決手段】 データ発行部及びデータ購読部のそれぞれが利用するデータ伝送速度が通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値を超えないように、それぞれの送受信を管理するリソース管理部を設けて、データ発行部から送信されたデータが所望のデータ伝送速度でデータ購読部が受信できるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データを発行するデータ発行部とデータを購読するデータ購読部がそれぞれ独立に構成され、データ発行部からデータ購読部にデータの配信を行うデータ配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
データ配信システムは、データ配信領域内でデータを発行するデータ発行部とデータを購読するデータ購読部を、それぞれ独立に配置した発行/購読型モデルに基づいて動作する。この発行/購読型モデルは、どのデータ発行部が送信したデータをどのデータ購読部に送り届けるのかについて、一元管理が行われる。この一元管理機能を備えることで、データ発行部はデータの送信先を管理する必要がなくなると共に、データ購読部はデータの送信元を意識することなく、要求した欲しい種類のデータを受信することが可能となる。
【0003】
データ配信システムの一例として、複数のデータ発行部から複数のデータ購読部に直接データを送信する、データ配信システムが知られている。このデータ配信システムは、データ発行部から発行されるデータの種類を示す種別データを保持し、種別データを参照して、データ購読部から要求のあったデータの種類に合致するデータを発行するデータ発行部を検索すると共に、データ発行部に対してデータの送信先を指示するデータ配信制御部を有する。また、データ発行部は、発行するデータの種類をデータ配信制御部に登録し、データ配信制御部から送信先として指示されたデータ購読部にデータを送信する処理を行う。データ購読部は、データ配信制御部に欲しい種類のデータを要求し、データ発行部からデータを受信する処理を行う。データ発行部は、データ配信制御部から指示されたデータ購読部に対し、データ購読部が要求する種類のデータを送信する。このような従来の発行/購読型モデルにおいて、データの発行/購読をデータ配信領域ごとに管理する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−2996
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のデータ配信システムでは、データ配信領域内のデータ配信制御部、データ発行部及びデータ購読部が、データ伝送速度の高速、低速に関らず、データ伝送速度の上限値(データを伝送できる最大の帯域幅)が相当高い性能を有する特別な通信ネットワークに接続されることを前提としている。このため、データ配信制御部、データ発行部及びデータ購読部が通常の通信ネットワークに接続される場合、複数のデータ購読部からある種類のデータを受信しようとしたとき、データ購読部で要求するデータ伝送速度の合計が通信ネットワークで許容できるデータ伝送速度を超過する。そのような状況になると、データ発行部では、データを送信している間に、次の送信周期で送信すべきデータの送信タイミングに間に合わなくなり、次に送信すべきデータが送信できずに、送信バッファに滞留する。このとき、データ発行部によるデータの送信周期は、データ購読部が所望するデータの受信周期から遅れていくため、データ購読部は周期的にデータを購読できないという問題があった。
【0006】
また、時間の経過と共にデータ発行部の送信バッファにデータが蓄積されていくため、データ発行部の送信バッファが一杯になって、後から続くデータが送信バッファに蓄積できなくなり、破棄されていくという問題があった。
【0007】
また、複数のデータ中継器を設けた場合であっても、どのデータ中継器でどのデータを中継すべきかの管理がなされておらず、1つのデータ中継器に中継データが集中してしまう可能性がある。そのため、1つのデータ中継器にデータが集中することとなり、データ中継器においてデータの間引き処理(送信タイミングを所定の送信周期から遅らせる処理)が増えて行き、データ購読部で周期的にデータを購読することができなくなるという問題があった。
【0008】
更に、時間の経過と共に、データ中継器における間引き処理が間に合わなくなり、データの受信バッファが一杯になって、後から続くデータが送信バッファに蓄積できなくなり破棄されていくという問題があった。
【0009】
この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、データ発行部及びデータ購読部のそれぞれが利用するデータ伝送速度が、通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値を超えないように、それぞれの送受信を管理することで、データ購読の周期性を確保したデータ配信システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明によるデータ配信システムは、発信するデータを発行する複数のデータ発行部と、所要の種別データを要求し、前記データ発行部の発行データを受信する複数のデータ購読部と、前記データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度及び前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度と、前記データ発行部とデータ購読部の間でデータ伝送を行う通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度に基づいて、前記データ発行部から前記データ購読部にデータ伝送が可能か否かを判断し、データ伝送が可能な場合に、前記データ発行部または前記データ購読部における前記発行データの発信または受信を許可するリソース管理部と、を備え、前記データ購読部は、要求する種別データと受信可能なデータ伝送速度を関連付けてリソース管理部に伝達し、前記リソース管理部は、前記通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度の範囲内で、前記データ発行部に設定されたデータ伝送速度により前記データ購読部が受信可能なデータ伝送速度で前記発行データの購読が可能か否かを判定し、可能な場合に前記データ購読部から受信した種別データを前記データ発行部に伝達し、前記データ発行部は、前記リソース管理部にデータ伝送速度の設定値を伝達すると共に、前記データ購読部の要求する種別データを送信可能な場合に、前記種別データを所定の周期で繰り返し取得し、設定された前記データ伝送速度で最新の発行データを前記データ購読部に送信するものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、データ配信領域内でのデータ発行及び購読に利用される通信ネットワークにおいて、データ伝送速度の合計値が利用できるデータ伝送速度の上限値を超えないように、データ発行と購読を管理するリソース管理部を設けることで、データ発行部がデータ購読部ごとに対応したデータ伝送速度でデータを配信することができ、通信ネットワークのデータ伝送速度に制限がある場合においても、データ購読部が所望する周期でデータ送信がなされるため、データ購読部が所定の周期で安定してデータ購読を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1によるデータ配信システムの利用形態を示す図である。
【図2】実施の形態1によるデータ配信システムの構成を示す図である。
【図3】実施の形態1のデータ発行部情報テーブル及びデータ購読部情報テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図4】実施の形態1のデータ発行部情報テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図5】実施の形態1のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。
【図6】実施の形態1のリソース管理テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図7】実施の形態2のデータ配信システムの構成を示す図である。
【図8】実施の形態2のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。
【図9】実施の形態2のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。
【図10】実施の形態2のリソース管理テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図11】実施の形態2のデータ中継テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図12】実施の形態3のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。
【図13】実施の形態4のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。
【図14】実施の形態5のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明に係る実施の形態1によるデータ配信システムの利用形態を示す図である。図1の例では、2つの監視領域(監視区域Aと監視区域B)内を、飛行体(飛行機15〜17とヘリコプター18−19)が飛行している場合を想定している。
【0014】
ヘリコプター18は監視区域A内を飛行し、飛行機15と飛行機16とヘリコプター19は監視区域B内を飛行し、飛行機17は監視区域Aと監視区域Bの重複する区域を飛行している。監視区域A内は、データ発行部であるレーダ20により監視されており、監視区域B内は、同じくデータ発行部であるレーダ21により監視されている。また、レーダ20は監視区域Aに対応した通信ネットワークAに接続されており、レーダ21は監視区域Bに対応した通信ネットワークBに接続されているが、通信ネットワークA内のデータ伝送速度は通信ネットワークB内のデータ伝送速度よりも遅い。データ購読部である車両22〜25は通信ネットワークAに接続されており、長い周期でレーダ20から発行されるデータを購読している。データ購読部である車両26は通信ネットワークBに接続されており、短い周期でレーダ21から発行されるデータを購読している。
【0015】
データ購読部とは、ある種類のデータを要求し、要求したデータを受信する通信機能を備えたもののことをいい、データ発行部は、ある種類のデータを取得し、取得したデータを発信する通信機能を備えたもののことをいう。
例えば、車両22が監視区域B内の飛行体の情報を必要とする場合、車両22はレーダ21に問合せをして、レーダ21は車両22から要求されたデータ伝送速度でデータを送信する。
また、車両23が監視区域B内の飛行体の情報を必要とする場合、車両22と同様にレーダ21に問合せをしてレーダ21は車両23から要求されたデータ伝送速度でデータを送信する。
また、車両24が監視区域B内の飛行体の情報を必要とする場合、車両22と同様にレーダ21に問合せをしてレーダ21は車両24から要求されたデータ伝送速度でデータを送信する。
【0016】
ここで、図1の例を用いて、最初に従来のデータ配信システムが有していた問題点について整理しておく。
通信ネットワークA内のデータ伝送速度の上限が、車両22、車両23及び車両24が要求したデータ伝送速度の合計に相当する分しかない場合、車両22、車両23、車両24及び車両25が同時に監視区域B内の飛行体の情報をレーダ21に問合せた際に、レーダ21が車両25から要求されたデータ伝送速度でデータを送信すると、通信ネットワークAではデータ伝送速度の上限を超えてしまうことが起こり得る。
このような場合、通信ネットワークAとBの境界でデータが滞留してしまい、車両22〜25が要求したデータ伝送速度でデータを受信することができなくなると共に、レーダ21の送信バッファでは次に続くデータが蓄積され、送信バッファに入りきらなくなって、データが破棄されていく。
また、このような場合、車両22〜25が定常的に新しいデータを必要としていた場合、車両22〜25は通信ネットワークAのデータ伝送速度の上限以内の遅いデータ伝送速度でデータを受信するので、時間がたつにつれて、レーダ21が過去に発行し滞留していた古い情報を不定期に受け取ることになり、車両22〜25は必要なデータを、周期的にかつ定刻通りに受信することができなくなるという問題が生じる。
【0017】
そこで、実施の形態1によるデータ配信システムは、リソース管理部を設けることで、データ発行部及びデータ購読部のそれぞれが利用するデータ伝送速度が通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値を超えないようにそれぞれの送受信を管理し、データ発行部から送信されたデータが所望のデータ伝送速度でデータ購読部が受信できるようにしている。以下、実施の形態1のデータ配信システムの構成及び動作について詳細を説明する。
【0018】
図2は、実施の形態1のデータ配信システムの構成を示す図であり、2つのデータ配信領域1、2の間でデータを配信する状況を示している。データ配信領域1、2には、データ配信領域ごとに1台のデータ配信制御部3、4と、リソース管理部10、11が設置されている。リソース管理部10、11は、それぞれが属するデータ配信領域内のデータ伝送速度の上限値が予め設定されている。勿論、データ配信領域の数が3つ以上あっても良いことは言うまでもない。
【0019】
データ配信領域1には、i台のデータ発行部5(5−1〜5−i)が配置されており、またj台のデータ購読部7(7−1〜7−j)が配置されている。同様に、データ配信領域2には、m台のデータ発行部6(6−1〜6−m)が配置されており、またn台のデータ購読部8(8−1〜8−n)が配置されている。
【0020】
データ配信領域1内のi個のデータ発行部5は、自分が発行可能なデータの種類の情報(種別データ)とデータ伝送速度の情報を、データ発行部の名称と対応付けて、データ配信制御部3に送信する。
また、データ配信領域2内のm個のデータ発行部は、自分が発行するデータの種類の情報(種別データ)とデータ伝送速度の情報を、データ発行部の名称と対応付けて、データ配信制御部4に送信する。
データ配信制御部3は、自らが属するデータ配信領域1内のデータ発行部から受信したデータの種類の情報(種別データ)とデータ伝送速度の情報を、データ発行部の名称と関連付けて、記憶部(図示せず)のデータ発行部情報テーブル101に登録する。同様に、データ配信制御部4は、自らが属するデータ配信領域2内のデータ発行部から受信したデータの種類の情報(種別データ)とデータ伝送速度の情報を、データ発行部の名称と関連付けて、記憶部(図示せず)のデータ発行部情報テーブル102に登録する。
【0021】
図3は、データ配信制御部3、4に記録されるデータ発行部情報テーブル101、102と、データ購読部情報テーブル103、104とを示す一例である。このようにデータ配信制御部3、4は、データ発行部の名称と、発行可能なデータの種類と、データ伝送速度と、データの発行状態の対応が分かるデータ発行部情報テーブルを、予め保持する。また、配信制御部3、4は、データ購読部の名称と、データ伝送速度と、購読状態の対応が分かるデータ購読部情報テーブルとを、予め保持する。
【0022】
図4は、データ発行部情報テーブルの具体例であり、図1の利用形態において、データ配信制御部3、4が保持するデータ発行部情報テーブル101、102の例を示したものである。
図1において、データ発行部(1)であるレーダ20がレーダ探知により監視区域Aの飛行体(飛行機とヘリコプター)の情報を所有しているとすると、データ発行部であるレーダ20は、自らのデータ発行部の名称(データ発行部(1))、目標の種類(飛行体)、監視区域(A)を発行可能なデータとして、データ伝送速度と共に自らが属するデータ配信制御部に送信する。データ配信制御部では、図4に示すようなデータ発行部情報テーブルに、データ発行部の名称と発行するデータの種類の情報を関連付けしてデータ伝送速度と共に記憶部に格納する。また、データ発行部がデータを発行している場合は、その発行状態の情報を発行中に更新する。
【0023】
同様にして、データ発行部であるレーダ21は、レーダにより探知した情報について、データ発行部の名称と発行するデータの種類の情報をデータ伝送速度と共にデータ配信制御部に送信し、データ配信制御部は受信した情報を図4のようにデータ発行部情報テーブルに格納していく。
【0024】
図5は、実施の形態1によるデータ配信システムの動作を説明するフロー図である。図5は、図1の利用形態において、データ配信領域2にあるデータ購読部8−1及び8−2に対して、データ配信領域1にあるデータ発行部5−1からデータを送信するまでのデータ配信システムの動作フローを示している。なお、データ配信領域1の動作は、ステップS101から始まるフローを示し、データ配信領域2の動作は、ステップS201から始まるフローを示している。
【0025】
図6は、リソース管理テーブル10、11のデータ構成例を示す図である。図6において、リソース管理部10は、保持する記憶部(図示せず)にリソース管理テーブル201を構成している。リソース管理部11は、保持する記憶部(図示せず)に、リソース管理テーブル201と同様のリソース管理テーブル202を構成している。
【0026】
リソース管理テーブル201は、発行情報として、データ伝送速度の上限値、発行中のデータ伝送速度の合計値が格納される。リソース管理テーブル201の発行情報には、自データ配信領域内のデータ発行部の名称と、各データ発行部の名称に対応したデータ伝送速度と、各データ発行部の名称に対応したデータの発行状態の情報がそれぞれ格納される。
また、リソース管理テーブル201は、購買情報として、データ伝送速度の上限値、購買中のデータ伝送速度の合計値が格納される。リソース管理テーブル201の購買情報には、データ購読部の名称と、各データ購読部の名称に対応したデータ伝送速度と、各データ購読部の名称に対応したデータの購読状態の情報がそれぞれ格納される。
【0027】
同様に、リソース管理テーブル202は、発行情報として、データ伝送速度の上限値、発行中のデータ伝送速度の合計値が格納される。リソース管理テーブル202の発行情報には、自データ配信領域内のデータ発行部の名称と、各データ発行部の名称に対応したデータ伝送速度と、各データ発行部の名称に対応したデータの発行状態の情報がそれぞれ格納される。
また、リソース管理テーブル202は、購買情報として、データ伝送速度の上限値、購買中のデータ伝送速度の合計値が格納される。リソース管理テーブル202の購買情報には、データ購読部の名称と、各データ購読部の名称に対応したデータ伝送速度と、各データ購読部の名称に対応したデータの購読状態の情報がそれぞれ格納される。
【0028】
次に、図1、図5、図6を用いてデータ配信システムの動作を説明する。
データ通信領域1内のデータ発行部5−iは、例えばレーダ監視によってレーダ(20)から目標情報(目標の位置、速度の情報)が取得されると、取得情報に基づき、発行可能なデータの種類の情報と自分が発行するデータ伝送速度を、データ発行部の名称と共に、データ通信領域1内のデータ配信制御部3に送信する(ステップS101)。
データ配信制御部3は、受信したデータを記憶部(図示せず)のデータ発行部情報テーブル101に格納する(ステップS102)。
一方、データ配信領域2内のデータ発行部6−mは、同じくレーダ監視等により情報を取得すると、取得情報に基づき発行可能なデータの種類の情報と自分が発行するデータ伝送速度をデータ発行部の名称と共に、データ通信領域2内のデータ配信制御部4に送信する(ステップS201)。
データ配信制御部4は、受信したデータを保持するデータ発行部情報テーブル102に格納する(ステップS202)。
【0029】
データ購読部8−1は、自分が欲しいデータの種類と自分が購読可能なデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共に、データ配信制御部4に要求する(ステップS203)。
図1の例では、例えば「目標の種類=飛行体」、「監視区域=A」というデータの種類と、自分が購読可能なデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共にデータ配信制御部4に要求する。
データ配信制御部4は、データ購読部8−1から受信したデータのデータ購読部名称をデータ伝送速度と関連付けして、保持するデータ購読部情報テーブル104に格納する(ステップS204)。
また、データ配信制御部4は、このデータ購読部から受信したデータの種類の情報とデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共に、リソース管理部11に送信する(ステップS205)。
【0030】
リソース管理部11は、予め設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値とを、比較する(ステップS206)。
【0031】
リソース管理部11は、比較の結果、当該加算した値がデータ伝送速度の上限値以下であると判定すると、対応するデータ購読部の購読状態を購読許可に更新し、図6に示すソース管理テーブル202に、当該更新した購読状態を格納する(ステップS207)。
また、受信したデータに対する購読状態の情報(購読許可)を、データ配信制御部4に応答する(ステップS208)。
このとき、予め設定されるデータ伝送速度の上限値は、例えばデータ配信領域内において購読用に利用可能な、各購読部のデータ伝送速度の合計として設定される。
なお、比較の結果、前記加算した値がデータ伝送速度の上限値以上であると判定すると、リソース管理部11は、対応するデータ購読部の購読状態を購読不可に更新する。
【0032】
このようにリソース管理部11は、データ配信領域内において、発行や購読されているデータのデータ伝送速度が、予め設定されているデータ伝送速度の上限値を超えないように管理することで、データ配信領域内におけるデータの輻輳や滞留を防止することが可能となる。
【0033】
次に、データ配信制御部4は、リソース管理部11から受信した応答結果を、データ購読部情報テーブル104に書き込み、購読状態の情報を購読許可に更新する(ステップS209)。
また、データ配信制御部4は、保持しているデータ発行部情報テーブル102をデータ購読部8−1から要求されたデータの種類で検索する(ステップS210)。
ここで、データ配信領域2内のデータ発行部6が発行するデータには、要求されたデータの種類が存在せず、該当するものがないという検索結果が得られた場合を想定して、以下の説明を続ける。
このような場合、データ配信制御部4は、別のデータ配信領域1に属するデータ配信制御部3に対して、データ購読部8−1の名称とデータ購読部8−1が要求したデータの種類に、データ購読部8−1に対応するデータ伝送速度を付与して送信し、データ配信制御部3が保持しているデータ発行部情報テーブル101の検索を要求する(ステップS211)。
【0034】
データ配信制御部3は、データ配信制御部4から受信したデータのデータ購読部名称とデータ伝送速度を関連付けしたデータを、データ購読部情報テーブル103に格納する(ステップS103)。
次に、データ配信制御部3は、保持しているデータ発行部情報テーブル101をデータ配信制御部4から要求されたデータの種類で検索する(ステップS104)。
検索の結果、データ発行部5−1が発行するデータが要求に合致することが分かると、データ配信制御部3は、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ発行部の名称と共に、リソース管理部10に送信する(ステップS105)。
【0035】
リソース管理部10は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値と、を比較する(ステップS106)。
比較の結果、当該加算した値が上限値以下であることが分かると、リソース管理テーブル201において、対応するデータ発行部の発行状態を、発行許可の状態に更新し(ステップS107)、受信したデータに対する発行許可をデータ配信制御部4に応答する(ステップS108)。
【0036】
また、データ配信制御部3は、データ発行部情報テーブル101の発行状態を発行中、データ購読部情報テーブル103の購読状態を購読中として更新する(ステップS109)。
【0037】
次に、データ配信制御部3は、問い合わせのあったデータ配信制御部4に対して、送信OKの応答をする(ステップS110)。
データ配信制御部3は、データ発行部5−1に対して、データ購読部8−1の名称にデータ購読部8−1に対応したデータ伝送速度を付与して送信し、データの送信を指示する(ステップS111)。
また、データ配信制御部3は、リソース管理部10に対して、対応するデータ発行部名称を発行中として送信する(ステップS112)。
【0038】
応答を受信したデータ配信制御部4は、データ購読部情報テーブル104の購読状態を発行中として更新する(ステップS212)。また、要求元のデータ購読部8−1に対して、送信OKを応答し(ステップS213)、リソース管理部11に対して対応するデータ購読部名称を購読中として送信する(ステップS214)。
【0039】
リソース管理部10は、データ配信制御部3から受信したデータ発行部名称に対応する発行状態を発行中に更新し、設定されているデータ伝送速度を、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値に、更新する(ステップS113)。
一方、リソース管理部11は、データ配信制御部4から受信したデータ購読部名称に対応する購読状態を購読中に更新し、設定されているデータ伝送速度を、既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値に、更新する(ステップS215)。
【0040】
データ発行部5−1は、データの送信を指示された送付先であるデータ購読部8−1の名称とデータ伝送速度を保持する(ステップS114)。なお、保持形態はデータ発行部情報テーブル103と同様である。
ここでは、送信先であるデータ購読部は1つしかないので、データ発行部5−1は通信機能に保持したデータ伝送速度を上限として送信するように設定する(ステップS115)。
データ発行部5−1は、送信先として保持したデータ購読部(データ購読部8−1)に対して、要求のあった種類のデータを、前記設定したデータ伝送速度以内で送信する(ステップS116)。
なお、データ発行部5−1は以後停止指示があるまで、要求のあった種類のデータをデータ購読部8−1に対して、前記設定したデータ伝送速度以内で送信し続ける。
【0041】
このようにして、データ購読部8−1は、必要とする種類のデータを、当該データを保有するデータ発行部5−1から受信可能なデータ伝送速度で取得することができる。
【0042】
次に、他のデータ購読部8−2が、データ配信制御部4へ所望のデータの送信要求を送信するまでのデータ配信システムの動作を、図5のステップS216以降から説明する。なお、前記したデータ購読部8−1によるデータ購読のケースと異なり、リソース管理部10においてデータ発行が不可となった場合を例に説明する。
【0043】
データ購読部8−2は、自分が欲しいデータの種類と自分が購読可能なデータ伝送速度をデータ購読部の名称と共にデータ配信制御部4に要求する(ステップS216)。
データ配信制御部4は、データ購読部から受信したデータのデータ購読部名称を、データ伝送速度と関連付けして、データ購読部情報テーブル104に格納する(ステップS217)。
また、データ配信制御部4は、データの種類の情報とデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共に、リソース管理部11に送信する(ステップS218)。
【0044】
リソース管理部11は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値とを、比較する(ステップS219)。
比較の結果、当該加算した値が上限値以下であることが分かると、対応するデータ購読部の購読状態を購読許可としてリソース管理テーブル202に格納し(ステップS220)、受信したデータに対する購読許可を、データ配信制御部4に応答する(ステップS221)。
なお、比較の結果、前記加算した値がデータ伝送速度の上限値以上であると判定すると、リソース管理部11は、対応するデータ購読部の購読状態を購読不可に更新する。
【0045】
データ配信制御部4は、リソース管理部11から受信した応答結果をデータ購読部情報テーブル104に書き込み、購読状態を購読許可として更新し(ステップS222)、保持しているデータ発行部情報テーブル102をデータ購読部8−2から要求されたデータの種類で検索する(ステップS223)。
ここで、データ配信領域2内のデータ発行部6が発行するデータには、要求されたデータの種類が存在せず、該当するものがないという検索結果が得られた場合を想定して、以下の説明を続ける。
このような場合、データ配信制御部4は別のデータ配信領域1に属するデータ配信制御部3に対し、データ購読部8−2の名称とデータ購読部8−2が要求したデータの種類の情報に、データ購読部8−2に対応するデータ伝送速度の情報を付与して送信し、データ配信制御部3が保持しているデータ発行部情報テーブル101の検索を要求する(ステップS224)。
【0046】
データ配信制御部3は、データ配信制御部4から受信したデータのデータ購読部名称にデータ伝送速度を関連付けしたデータを、データ購読部情報テーブル103に格納する(ステップS117)。
次に、データ配信制御部3は、保持しているデータ発行部情報テーブル101をデータ配信制御部4から要求されたデータの種類で検索する(ステップS118)。
検索の結果、データ発行部5−1が発行するデータが要求に合致することが分かると、データ配信制御部3は、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ発行部の名称と共に、リソース管理部10に送信する(ステップS119)。
【0047】
リソース管理部10は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値とを、比較する(ステップS120)。
比較の結果、当該加算した値が上限値より大きい判定結果であることが分かると、受信したデータ発行部に対する発行不可をデータ配信制御部4に応答する(ステップS121)。
ステップS120の結果はステップS106と異なり上限値より大きい判定結果としたが、上限値以下の場合の動作はS107以降と同等となる。
【0048】
データ配信制御部3は、データ発行部情報テーブル101の発行状態を発行不可、データ購読部情報テーブル103の購読状態を購読不可として更新する(ステップS122)。
次に、データ配信制御部3は問い合わせのあったデータ配信制御部4に対して、送信NGの応答をする(ステップS123)。
【0049】
応答を受信したデータ配信制御部4は、データ購読部情報テーブル104の購読状態を購読不可として更新する(ステップS225)。また、要求元のデータ購読部8−2に対して、送信NGを応答し(ステップS226)、リソース管理部11に対して対応するデータ購読部名称を購読不可として送信する(ステップS227)。
前記送信NGの応答に、発行中のデータ伝送速度の合計とデータ伝送速度の上限値を付与することで、データ購読部8−2は、残りで利用できるデータ伝送速度が分かるため、データ購読部8−2はデータ伝送速度を低く設定して、再度データ配信制御部4に要求することも可能である。
【0050】
リソース管理部11は、データ配信制御部4から受信したデータ購読部名称に対応する購読状態を購読不可に更新する(ステップS228)。
【0051】
以上の説明において、リソース管理部を個別の機能として記載しているが、データ配信制御部にリソース管理部の機能を持たせてもよい。この場合、リソース管理部とデータ配信制御部の間の通信が不要となり、データ配信制御部の内部処理で実施されることになる。
【0052】
このように、実施の形態1によるデータ配信システムによれば、リソース管理部が発行と購読を管理することで、データ伝送速度の上限値を超えて購読要求が行われることがなくなるので、データ要求元に送信すべき最新のデータが送信バッファに蓄積されてしまい、先に蓄積されたデータが掃けるまでの間は、その最新のデータが送信されないという問題や、最新のデータが破棄されてしまうという問題を解消することができる。これによって、データ要求元(データ購読部)は要求時に利用する通信ネットワークのデータ伝送速度が上限値以内であれば、その時点でデータ送信側(データ発行部)が取得した最新のデータを、自らが受信可能なデータ伝送速度の周期で、入手することができ、データ発行部でのデータの破棄がなくなるため、データ購読部は周期的に時間どおりにデータを購読できる。また、利用する通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値を超えないため、他のデータ購読部における受信に影響を与えることも無くなる。
【0053】
なお、ここではデータ購読部として飛行体を例として説明したが、データ購読部は飛行体に限られるものではなく、通信設備を有する車両や通信設備を携帯する人であってもよい。
また、データ発行部はレーダ施設に限定されるものではなく、通信設備を有する画像センサのようなものであっても構わない。
【0054】
以上説明した通り、実施の形態1のデータ配信システムは、監視区域毎に前記監視区域内の移動体を探知して取得した前記移動体の探知データを発信するデータ発信機能を備えるデータ発行部と、必要な種類の探知データを要求し前記探知データを受信するデータ受信機能を備えるデータ購読部と、前記データ発行部が発信する探知データのデータ伝送速度及び前記データ購読部が受信する探知データのデータ伝送速度を利用する通信ネットワークで利用できるかどうかを管理し可能な場合に前記データ発行部と前記データ購読部の通信を許可する機能を備えるリソース管理部と、を備えるデータ配信システムであって、前記データ購読部は必要とする前記探知データの種類と受信可能なデータ伝送速度とを関連付けしてリソース管理部に対して伝達し、前記リソース管理部は通信ネットワークで利用可能なデータ伝送速度において前記データ購読部が前記データ伝送速度での購読が可能かどうかを判定し、可能な場合は前記データ購読部から受信したデータを前記データ発行部に対して伝達し、前記データ発行部は前記データ購読部が要求する種類の探知データを送信可能な場合に前記種類の探知データを繰返し取得して最新の前記探知データを前記データ伝送速度で前記データ購読部に対して送信することを特徴とする。
また、データ購読部から必要とする探知データの種類を受信し当該種類の探知データを取得可能なデータ発行部に対して当該探知データを前記データ購読部に向けて送信することを要求するデータ配信制御部を更に備えて、前記データ購読部は必要な前記探知データの種類と受信可能なデータ伝送速度とを関連付けして前記データ配信制御部に送信し、前記データ配信制御部は前記種類の探知データを前記リソース管理部に対して前記探知データの種類と前記データ購読部の名称と前記データ伝送速度を送信し、前記リソース管理部は通信ネットワークで利用可能なデータ伝送速度において前記データ購読部が前記データ伝送速度での購読が可能かどうかを判定し、可能な場合は前記データ配信制御部に前記判定の結果を伝達し、前記データ配信制御部は前記判定の結果を基に購読可能な場合は前記データ購読部から受信したデータを前記データ発行部に対して伝達し、前記データ発行部は前記データ購読部が要求する種類の探知データの最新の前記探知データを前記データ伝送速度で前記データ購読部に対して送信することを特徴としても良い。
このように、リソース管理部が、データ配信領域内の発行/購読で利用しているデータ伝送速度の合計値に基づいて、通信ネットワークで利用できるデータ伝送速度の上限値を超えないように発行と購読を管理することで、データ発行部はデータ購読部ごとに対応したデータ伝送速度でデータを配信でき、通信ネットワークのデータ伝送速度に制限がある場合においても、データ購読部が所望する周期でデータを送信できるため、データ購読部で周期的にデータを購読できる効果がある。また、データ発行部の送信バッファが一杯にならずにデータが破棄しなくなるため、後から続くデータが破棄されなくなり、データ購読部で時間どおりに周期的にデータを購読できる効果がある。
【0055】
実施の形態2.
この発明に係る実施の形態2のデータ配信システムは、実施の形態1のデータ配信システムにおいて、データ配信領域間にデータ中継器を置いたことを特徴とする。
【0056】
図7は、実施の形態2によるデータ配信システムの構成を示す図である。図において、2個のデータ配信領域1、2の間でデータを配信する状況を示している。実施の形態2のデータ配信システムは、実施の形態1の構成に加えてデータ中継器9を追加している。なお、実施の形態1と同じ構成には同符号を付し、必要ある場合を除き説明を省略する。
【0057】
データ中継器9は、データ配信領域1内のデータ発行部5から、データ配信領域2内のデータ購読部8に対して、該当データを送信する際のデータの中継を行う。また、データ配信領域2のデータ発行部6は、データ配信領域2のデータ購読部7に、該当データを送信する際のデータの中継を行う。なお、図7において、データ中継器9は1台のみ記載しているが、複数台あってもかまわない。
【0058】
実施の形態1では、データ配信制御部からデータ送信指示を受けたデータ発行部が、データ購読部に対して直接データを配信していたが、実施の形態2では、データ中継器がデータ発行部からのデータを受信し、データ中継器がデータ購読部に対してデータの配信を行う。
【0059】
図8は、実施の形態2のデータ配信システムの動作を説明するフロー図である。図9は図8のフロー図に続く処理を示している。図10は、実施の形態2のリソース管理テーブルのデータ構成例を示している。図11は、実施の形態2のデータ中継テーブルのデータ構成例を示している。
【0060】
図10において、リソース管理部12、13は、保持する記憶部(図示せず)にリソース管理テーブル203、204を構成している。
リソース管理テーブル203、204は、発行情報として、データ伝送速度の上限値、発行中のデータ伝送速度の合計値が格納される。リソース管理テーブル203、204の発行情報には、自データ配信領域内のデータ発行部の名称と、各データ発行部の名称に対応したデータ伝送速度と、各データ発行部の名称に対応したデータの発行状態の情報がそれぞれ格納される。
また、リソース管理テーブル203、204は、購買情報として、データ伝送速度の上限値、購買中のデータ伝送速度の合計値が格納される。リソース管理テーブル203、204の購買情報には、データ購読部の名称と、各データ購読部の名称に対応したデータ伝送速度と、各データ購読部の名称に対応したデータの購読状態の情報がそれぞれ格納される。
また、リソース管理テーブル203、204は、データ中継器の名称とその利用可否の情報、CPU利用率の上限値とそのCPU利用率、及びデータ中継数の上限値とそのデータ中継数の情報が格納されている。
【0061】
図11において、データ中継器9は、保持する記憶部(図示せず)にデータ中継テーブル105を構成している。
データ中継テーブル105は、発行するデータの種類と、発行するデータの種類に対応したデータ購読部の名称及びデータ伝送速度が格納される。
【0062】
以下では、データ配信領域2にあるデータ購読部8−1及び8−2が同じ種類のデータを別々に要求し、データの発行が可能なデータ配信領域1にあるデータ発行部5−1が要求元のデータ購読部にデータを送信するまでのデータ配信システムの動作を、図7、図8、図9、図10、図11を参照しながら説明する。
なお、データ配信領域1の動作をステップS301から説明し、データ中継器9の動作をステップS401から説明し、データ配信領域2の動作をステップS501から説明する。
【0063】
データ配信領域1内のi個の各データ発行部は、自分が発行可能なデータの種類の情報とデータ伝送速度をデータ発行部の名称と共に、データ配信制御部3に送信する(図8のステップS301)。
データ配信制御部3は、自らが属するデータ配信領域1内のデータ発行部から受信したデータの種類の情報とデータ伝送速度を、データ発行部の名称と関連付けしてデータ発行部情報テーブル101に格納する(ステップS302)。
一方、データ配信領域2内のm個のデータ発行部は、自分が発行可能なデータの種類の情報とデータ伝送速度をデータ配信制御部4に送信する(ステップS501)。
データ配信制御部4は、データ配信制御部3と同様に受信したデータの種類の情報とデータ伝送速度を、データ発行部の名称と関連付けしてデータ発行部情報テーブル102とに格納する(ステップS502)。
【0064】
データ購読部8−1は、自分が欲しいデータの種類と自分が購読可能なデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共に、データ配信制御部4に要求する(ステップS503)。
データ配信制御部4は、データ購読部から受信したデータのデータ購読部名称をデータ伝送速度と関連付けして、データ購読部情報テーブル104に格納し(ステップS504)、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ購読部の名称と共に、リソース管理部13に送信する(ステップS505)。
【0065】
リソース管理部13は設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値とを、比較し(ステップS506)、上限値以下の判定結果であると対応するデータ購読部の購読状態を購読許可としてリソース管理テーブル204に格納し(ステップS507)、受信したデータに対する購読許可をデータ配信制御部4に応答する(ステップS508)。
【0066】
データ配信制御部4は、リソース管理部13から受信した応答結果をデータ購読部情報テーブル104に書き込み、購読状態を購読許可として更新し(ステップS509)、保持しているデータ発行部情報テーブル102を、データ購読部8−1から要求されたデータの種類で検索する(ステップS510)。
ここで、データ配信領域2内のデータ発行部6が発行するデータには該当するものがないという検索結果が得られた場合、データ配信制御部4は別のデータ配信領域1に属するデータ配信制御部3に対し、データ購読部8−1の名称とデータ購読部8−1が要求したデータの種類にデータ購読部8−1に対応するデータ伝送速度を付与して送信し、データ配信制御部3が保持しているデータ発行部情報テーブル101の検索を要求する(ステップS511)。
【0067】
データ配信制御部3は、データ配信制御部4から受信したデータのデータ購読部名称にデータ伝送速度を関連付けしたデータを、データ購読部情報テーブル103に格納する(ステップS303)。
次に、データ配信制御部3は、保持しているデータ発行部情報テーブル101をデータ配信制御部4から要求されたデータの種類で検索する(ステップS304)。
検索の結果、データ発行部5−1が発行するデータが要求に合致することが分かると、データ配信制御部3は、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ発行部の名称と共に、リソース管理部12に送信する(ステップS305)。ここまでは実施の形態1と同様な動作である。
【0068】
リソース管理部12は、リソース管理テーブル203においてデータ中継器のリソース利用状況を参照する(ステップS306)。リソース利用状況とは、データ中継器におけるデータ中継数、データ伝送速度、CPU利用率等のことであり、いずれかをリソースとして利用するかは利用者で選択可能である。
参照の結果、利用可能なデータ中継器があると分かると、リソース管理部12はリソース管理テーブル203から適したデータ中継器を選択する(ステップS307)。
リソース管理部12は、選択したデータ中継器に対して設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値を比較する(ステップS308)。
比較の結果、上限値以下の判定結果であると、対応するデータ発行部を発行許可として、図10に示すようなリソース管理テーブル203に登録し(ステップS309)、受信したデータに対する発行許可と選択したデータ中継器の名称をデータ配信制御部3に応答する(ステップS310)。
【0069】
データ配信制御部3は、データ発行部情報テーブル101の発行状態を発行中、データ購読部情報テーブル103の購読状態を購読中として更新する(ステップS311)。
次に、データ配信制御部3は、選択されたデータ中継器に中継するデータ発行部名称とデータ購読部名称を付与して中継指示を送信し(ステップS312)、問い合わせのあったデータ配信制御部4に対して、選択されたデータ中継器の名称と共に送信OKの応答をする(ステップS313)。
【0070】
応答を受信したデータ配信制御部4は、データ購読部情報テーブル104の購読状態を購読中として更新する(ステップS512)。また、データ配信制御部4は、データ中継器9に対して、データ購読部8−1の名称とデータ購読部8−1が要求したデータの種類に、データ購読部8−1に対応したデータ伝送速度を付与して送信する(ステップS513)。
【0071】
データ中継器9は、データの送信先として、図11に示すように、データの種類に対応した要求元のデータ購読部の名称とデータ伝送速度を関連付けして、データ中継テーブル105を保持し、送信先の中継設定を行う(ステップS401)。
ここでは、送付先であるデータ購読部は1つしかないので、データ中継器9は通信機能に保持したデータ伝送速度を上限として中継するように設定する(ステップS402)。
前記データ中継テーブル105に設定された中継設定情報からデータ中継数、データ伝送速度、CPU利用率等のリソース情報がどのような値に変更され、残りのリソースがどの程度あるか等の情報を、リソース管理部13とリソース管理部12にそれぞれ送信する(ステップS403、S404)。
リソース情報を受信したリソース管理部12及びリソース管理部13は、受信したリソース情報で設定されているリソース管理テーブル203及びリソース管理テーブル204を更新する(ステップS314、S514)。
ここで、データ中継器9が複数個設けられている場合、リソース管理部12及びリソース管理部13は、リソース管理テーブル203及びリソース管理テーブル204のリソース情報に基づいて、上限値を超えるデータ中継器を利用可能なデータ中継器から除外し、リソース利用状況を更新する。
データ中継器9は中継設定が完了すると、データ配信制御部3とデータ配信制御部4に対して中継設定が完了した旨の応答を返す(ステップS405、S406)。
【0072】
中継設定完了の応答を受信したデータ配信制御部4は、要求元のデータ購読部8−1に対して、送信OKを応答し(ステップS515)、リソース管理部13に対して対応するデータ購読部名称を購読中として送信する(ステップS516)。
【0073】
リソース管理部13は、データ配信制御部4から受信したデータ購読部名称に対応する購読状態を購読中に更新し、設定されているデータ伝送速度を既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値に更新する(ステップS517)。
【0074】
一方、中継設定完了の応答を受信したデータ配信制御部3は、データ発行部5−1に対して、データ中継器の名称にデータ購読部8−1に対応したデータ伝送速度を付与して送信し、データの送信を指示する(ステップS315)。
また、データ配信制御部3は、リソース管理部12に対して対応するデータ発行部名称を発行中として送信する(ステップS316)。
リソース管理部12は、データ配信制御部3から受信したデータ発行部名称に対応する発行状態を発行中に更新し、設定されているデータ伝送速度を、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値に更新する(ステップS317)。
【0075】
データ発行部5−1は、データの送信を指示された送付先であるデータ中継器9の名称を保持し(ステップS318)、データ中継器9に対してデータの送信を開始する(ステップS319)。
【0076】
データ中継器9は、データ発行部5−1から受信したデータのデータ伝送速度を計算する(ステップS407)。
計算したデータ伝送速度とデータ購読部8−1に対応するデータ伝送速度を比較し、計算したデータ伝送速度の方が速い場合は、データ購読部8−1に対応するデータ伝送速度になるように、データを等間隔で間引くように設定する。(ステップS408)。
【0077】
データ中継器9は、ステップS401で保存したデータ送信先に対して、データ発行部5−1から受信したデータを、ステップS408の設定に従って等間隔で間引いて、ステップS401で保存したデータ伝送速度で送信する(ステップS409)。
データ中継器9は、以後停止指示があるまで、データ発行部5−1から受信したデータを、ステップS409と同様にデータ購読部8−1へ送信し続ける。
なお、データ発行部5−1から受信したデータのデータ伝送速度より、データ購読部8−1に対応するデータ伝送速度の方が速い場合は、ステップS409では等間隔で間引く処理は実施せずに、ステップS401で保存したデータ伝送速度以内で送信する。
【0078】
次に、他のデータ購読部8−2が、前にデータ購読部8−1が要求したデータの種類と同じデータを要求している場合のデータ配信システムの動作について、以下に説明する。
なお、ここでは実施の形態1で説明した例と同様に、リソース管理部12においてデータ発行が不可となった場合を想定する。
データ購読部8−2は、自分が欲しいデータの種類と自分が購読可能なデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共に、データ配信制御部4に要求する(図9のステップS518)。
データ配信制御部4は、データ購読部から受信したデータのデータ購読部名称をデータ伝送速度と関連付けして、データ購読部情報テーブル104に格納し(ステップS519)、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ購読部の名称と共に、リソース管理部13に送信する(ステップS520)。
【0079】
リソース管理部13は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値とを、比較する(ステップS521)。
比較の結果、上限値以下の判定結果であると、対応するデータ購読部の購読状態を購読許可として記憶部(図示せず)に格納し(ステップS522)、受信したデータに対する購読許可をデータ配信制御部4に応答する(ステップS523)。
【0080】
データ配信制御部4は、リソース管理部13から受信した応答結果を、データ購読部情報テーブル104に書き込み、購読状態を購読許可として更新し(ステップS524)、保持しているデータ発行部情報テーブル102をデータ購読部8−2から要求されたデータの種類で検索する(ステップS525)。
ここで、データ配信領域2内のデータ発行部6が発行するデータには該当するものがないという検索結果が得られた場合、データ配信制御部4は別のデータ配信領域1に属するデータ配信制御部3に対し、データ購読部8−1の名称とデータ購読部8−1が要求したデータの種類にデータ購読部8−2に対応するデータ伝送速度を付与して送信し、データ配信制御部3が保持しているデータ発行部情報テーブル101の検索を要求する(ステップS526)。
【0081】
データ配信制御部3は、データ配信制御部4から受信したデータのデータ購読部名称にデータ伝送速度を関連付けしたデータを、データ購読部情報テーブル103として記憶部(図示せず)に格納する(ステップS320)。
次に、データ配信制御部3は、保持しているデータ発行部情報テーブル101をデータ配信制御部4から要求されたデータの種類で検索する(ステップS321)。
検索の結果、データ発行部5−1が発行するデータが要求に合致することが分かると、データ配信制御部3は、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ発行部の名称と共に、リソース管理部12に送信する(ステップS322)。
【0082】
リソース管理部12は、リソース管理テーブル203においてデータ中継器のリソース利用状況を参照する(ステップS323)。
参照の結果、利用可能なデータ中継器がないと分かると、リソース管理部12は受信したデータに対する発行不可をデータ配信制御部3に応答する(ステップS324)。
【0083】
データ配信制御部3は、データ購読部情報テーブル103の発行状態を発行不可として更新する(ステップS325)。
次に、データ配信制御部3は、問い合わせのあったデータ配信制御部4に対して、送信NGの応答をする(ステップS326)。
【0084】
応答を受信したデータ配信制御部4は、データ購読部情報テーブル104の購読状態を購読不可として更新する(ステップS527)。
また、データ配信制御部4は、要求元のデータ購読部8−2に対して、送信NGを応答し(ステップS528)、リソース管理部13に対して対応するデータ購読部名称を購読不可として送信する(ステップS529)。
前記送信NGの応答に、発行中のデータ伝送速度の合計とデータ伝送速度の上限値を付与することで、データ購読部8−2は残りで利用できるデータ伝送速度が分かる。このため、データ購読部8−2はデータ伝送速度を低く設定して、再度データ配信制御部4に要求することも可能である。
【0085】
リソース管理部13は、データ配信制御部4から受信したデータ購読部名称に対応する購読状態を購読不可に更新する(ステップS530)。
【0086】
実施の形態2では、リソース管理部を個別の機能として記載しているが、データ配信制御部にリソース管理部の機能を持たせてもよい。この場合、実施の形態1と同様に、リソース管理部とデータ配信制御部の間の通信が不要となり、データ配信制御部の内部処理で実施されることになる。
【0087】
このように実施の形態2のデータ配信システムでは、異なるデータ配信領域の間にデータ中継器が置おかれ場合においても、リソース管理部でデータ中継器のリソースの利用状況を管理するようにした。
これにより、データ中継器が能力値以上で利用されることがなくなり、データ中継器においてデータの滞留や欠落が発生することなく、データ購読部は所望のデータ伝送速度で購読できるようになる。
【0088】
以上説明した通り、実施の形態2のデータ配信システムは、監視区域毎に、前記監視区域内の移動体を探知して取得した前記移動体の探知データを発信するデータ発信機能を備えるデータ発行部と、必要な種類の探知データを要求し前記探知データを受信するデータ受信機能を備えるデータ購読部と、前記データ発行部が発信する探知データのデータ伝送速度及び前記データ購読部が受信する探知データのデータ伝送速度を利用する通信ネットワークで利用できるかどうかを管理し可能な場合に前記データ発行部と前記データ購読部の通信を許可する機能を備えるリソース管理部と、前記データ購読部から必要とする探知データの種類を受信し当該種類の探知データを取得可能なデータ発行部に対して当該探知データを前記データ購読部に向けて送信することを要求するデータ配信制御部と、異なる通信ネットワーク間において前記データ発行部と前記データ購読部のデータ伝送速度の違いを調整しデータを中継する機能と、を備えるデータ配信システムであって、前記データ購読部は必要な前記探知データの種類と受信可能なデータ伝送速度とを関連付けして前記データ配信制御部に送信し、前記データ配信制御部は前記種類の探知データを前記リソース管理部に対して前記探知データの種類と前記データ購読部の名称と前記データ伝送速度を送信し、前記リソース管理部は前記データ中継器のリソース(データ中継数、データ伝送速度、CPU利用率等)を利用して通信ネットワークで利用可能なデータ伝送速度において前記データ購読部が前記データ伝送速度での購読が可能かどうかを判定し、可能な場合は前記データ配信制御部に前記判定の結果と受信したデータを前記データ発行部に対して伝達し、前記データ配信制御部は前記判定の結果を基に購読可能な場合は前記データ購読部から受信したデータを前記データ発行部に対して伝達し、前記データ発行部は前記データ購読部が要求する種類の探知データの最新の前記探知データを前記データ伝送速度で前記データ中継部に対して送信し、前記データ中継部は前記データ発行部から受信したデータを処理して前記データ購読部が要求する種類の探知データの最新の前記探知データを前記データ伝送速度で前記データ購読部に対して送信することを特徴とする。このように、データ伝送速度が異なるデータ配信領域の間にデータ中継器を設けて、リソース管理部がデータ中継器のリソースの利用状況を管理することで、データ中継器がそのデータ伝送能力以上のデータ伝送速度で利用されることがなくなり、データ中継器においてデータの滞留や欠落が発生することがなくなるので、データ購読部は所望のデータ伝送速度で周期的にデータを購読できる効果がある。
【0089】
実施の形態3.
この発明に係る実施の形態3は、実施の形態1のデータ配信システムにおいて、データ発行部にデータ伝送速度の制御機能を設けたことを特徴とする。以下、実施の形態3のデータ配信システムについて、データ伝送速度の制御機能にかかわる部分を主に説明する。
【0090】
図12は実施の形態3のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。図12において、ステップS101〜S120、及びS201〜S224の動作は図5と同様であるため、動作の異なる部分についてのみ説明する。なお、実施の形態3に固有なステップには、最後に符号bを付与している。また、実施の形態3のデータ購読部8−2は、要求するデータ伝送速度よりも低いデータ伝送速度でも購読可能なものとする。
【0091】
リソース管理部10は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値を比較する(ステップS120)。
比較の結果、上限値より大きい判定結果であると、リソース管理部10は、データ発行部5−1に対して、データの種類の情報とデータ伝送速度を、データ伝送速度変更を指示する情報と共に送信する(ステップS121b)。
データ発行部5−1は、受信したデータ伝送速度に変更可能して発行可能か確認し(ステップS122b)、発行可能であれば発行可能をリソース管理部10に応答する(ステップS123b)。
【0092】
リソース管理部10は、データ発行部5−1を発行許可としたリソース管理テーブル203に格納し(ステップS124)、受信したデータに対する発行許可をデータ配信制御部4に応答する(ステップS125)。
リソース管理部10は、データ発行部5−1に対応して、リソース管理テーブル203に格納されているデータ伝送速度の設定値を更新する。
【0093】
以降のステップS126〜S133、S222〜S225では、データ送信先がデータ購読部8−2に変わるだけで、図6のステップS107〜S116、S212〜S215と同様な動作であるので説明を略す。
例えば、実施の形態1で説明したように、リソース管理部10は、設定されているデータ伝送速度の上限値が、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値よりも大きいと判定されたとき、データ購読部8−2に対し、データ伝送速度が低くなるように設定しても良い。また、データ購読部8−2のデータ伝送速度を変更した場合は、リソース管理部10は、データ購読部8−2に対応して、リソース管理テーブル204に格納されているデータ伝送速度の設定値を更新しても良い。
【0094】
このように実施の形態3のデータ配信システムでは、データ購読部から要求されたデータ伝送速度が通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値を超える場合でも、通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値までに余力があれば、データ発行部からの送信されるデータ伝送速度を通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値に達ししない低い値に変更する。これにより、実施の形態1に比してデータ購読部への購読拒否の発生頻度が低減され、通信ネットワークのデータ伝送速度をより効率的に利用できるようになる。
【0095】
以上説明した通り、実施の形態3のデータ配信システムによれば、リソース管理部は、通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度と、予め設定された前記データ発行部から発信される発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度との比較に基づいて、前記通信ネットワークを介して伝送される発行データのデータ伝送速度の和が許容値を超えると判断すると、前記データ発行部または前記データ購読部におけるデータ伝送速度を変更する。また、リソース管理部は、データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度を記憶部に格納し、前記リソース管理部は、前記通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度と、記憶部に格納された前記データ発行部から発信される発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度との比較に基づいて、前記通信ネットワークを介して伝送される発行データのデータ伝送速度の和が許容値を超えると判断すると、前記記憶部に格納される前記データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度を変更しても良い。このように、データ発行部がデータ伝送速度を変更することで、通信ネットワークのデータ伝送速度に制限がある場合においても、データ購読部からの要求拒否の発生頻度が低減され、通信ネットワークのデータ伝送速度をより効率的に利用できるようになる効果がある。
【0096】
実施の形態4.
この発明に係る実施の形態4によるデータ配信システムは、実施の形態3と同様に、実施の形態2のデータ発行部において、データ伝送速度の制御機能を設けたことを特徴とする。以下、実施の形態4において、データ伝送速度の制御機能にかかわる部分を主に説明する。
【0097】
図13は実施の形態4のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。図13において、ステップS301〜S323、S401〜S409、S501〜S526の動作は図8、9と同様であるため、動作の異なる部分についてのみ説明する。なお、実施の形態4に固有なステップは、最後に符号bを付与している。
【0098】
リソース管理部12は、リソース管理テーブル203においてデータ中継器のリソース利用状況を参照する(ステップS323)。
参照の結果、利用可能なデータ中継器がないと分かると、リソース管理部12はデータ発行部5−1に対して、データの種類の情報とデータ伝送速度を、データ伝送速度変更を指示する情報と共に送信する(ステップS324b)。
【0099】
データ発行部5−1は、受信したデータ伝送速度を変更可能として、発行可能か否かを確認し(ステップS325b)、発行可能であれば発行可能であることを示す情報を、リソース管理部12に応答する(ステップS326b)。
【0100】
リソース管理部12は、リソース管理テーブル203から適したデータ中継器を選択する(ステップS327b)。以降のステップS328〜S339、S410〜S418、S531〜S536は、データ送信先がデータ購読部8−2に変わるだけで、図8のステップS307〜S319、S401〜S409、S512〜S517と同様な動作であるので説明を略す。
【0101】
このように実施の形態4のデータ配信システムでは、実施の形態3のデータ配信システムにデータ中継器を設置した場合において、データ購読部から要求されたデータ伝送速度が通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値を超える場合でも、通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値までに余力があれば、データ発行部から送信されるデータ伝送速度を、通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値に達ししない低い値に変更する。これにより、実施の形態2に比してデータ購読部への購読拒否の発生頻度が低減され、通信ネットワークのデータ伝送速度をより効率的に利用できるようになる。
【0102】
以上説明した通り、実施の形態4によれば、データ発行部がデータ伝送速度を変更することで、通信ネットワークのデータ伝送速度に制限がある場合においても、データ購読部からの要求拒否の発生頻度が低減され、通信ネットワークのデータ伝送速度をより効率的に利用できるようになる効果がある。
【0103】
実施の形態5.
この発明に係る実施の形態5のデータ配信システムは、実施の形態2または実施の形態4に対して、データ購読部に代理中継機能を備えたことを特徴とする。以下、実施の形態5において、代理中継機能の動作を主に説明する。
【0104】
図14は実施の形態5のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。図14において、データ配信領域1内のi個の各データ発行部は、自分が発行可能なデータの種類の情報とデータ伝送速度を、データ発行部の名称と共に、データ配信制御部3に送信する(ステップS340)。
データ配信制御部3は、自らが属するデータ配信領域1内のデータ発行部から受信したデータの種類の情報とデータ伝送速度を、データ発行部の名称と関連付けしてデータ発行部情報テーブル101に格納する(ステップS341)。
【0105】
データ購読部7−1は、自分が欲しいデータの種類と自分が購読可能なデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共に、データ配信制御部3に要求する(ステップS342)。
データ配信制御部3は、データ購読部から受信したデータのデータ購読部名称をデータ伝送速度と関連付けして、データ購読部情報テーブル103に格納し(ステップS343)、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ購読部の名称と共に、リソース管理部12に送信する(ステップS344)。
【0106】
リソース管理部12は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値とを比較する(ステップS345)。
比較の結果、上限値以下の判定結果であると、対応するデータ購読部の購読状態を購読許可としてリソース管理テーブル201に格納し(ステップS346)、受信したデータに対する購読許可をデータ配信制御部3に応答する(ステップS347)。
【0107】
データ配信制御部3は、リソース管理部12から受信した応答結果をデータ購読部情報テーブル103に書き込み、購読状態を購読許可として更新し(ステップS348)、保持しているデータ発行部情報テーブル101をデータ購読部7−1から要求されたデータの種類で検索する(ステップS349)。
検索の結果、データ発行部5−1が発行するデータが要求に合致することが分かると、データ配信制御部3は、要求元のデータ購読部7−1に対して、送信OKを応答する(ステップS350)。
次に、データ配信制御部3は、データ発行部5−1に対してデータ購読部の名称にデータ購読部7−1に対応したデータ伝送速度を付与して送信し、データの送信を指示する(ステップS351)。
また、データ配信制御部3は、リソース管理部12に対して対応するデータ発行部名称を発行中として送信する(ステップS352)。
【0108】
リソース管理部12は、データ配信制御部3から受信したデータ発行部名称に対応する発行状態を発行中に更新し、設定されているデータ伝送速度を、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値に更新する(ステップS353)。
【0109】
データ発行部5−1は、データの送信を指示された送付先であるデータ購読部7−1の名称を保持し(ステップS354)、データ購読部7−1に対してデータの送信を開始する(ステップS355)。
以後、データ発行部5−1は停止指示があるまで、要求のあった種類のデータをデータ購読部7−1に対して、前記設定したデータ伝送速度以内で送信し続ける。
【0110】
ステップS303〜S322、S401〜S409、S501〜S526の動作は図8、9と同様であるため、以下、動作の異なる部分についてのみ説明する。なお、実施の形態5に固有なステップには、最後に符号cを付与している。
【0111】
リソース管理部12は、リソース管理テーブル203において、データ中継器のリソース利用状況を参照する(ステップS356)。
参照の結果、利用可能なデータ中継器がないと分かると、リソース管理部12は、データ購読部8−1と同じデータを購読しているデータ購読部を検索する(ステップS357c)。
検索の結果、該当するデータ購読部があると分かると、リソース管理部12は、該当するデータ購読部(データ購読部7−1)に対して、データの種類の情報とデータ購読部の名称とデータ伝送速度を、代理中継の指示と共に送信する(ステップS358c)。
【0112】
データ購読部7−1は、受信したデータで代理中継可能か確認し(ステップS359b)、中継可能であれば中継可能であることを示す情報を、リソース管理部12に応答する(ステップS360c)。
【0113】
リソース管理部12は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値を比較し(ステップS361)、上限値以下の判定結果であると対応するデータ発行部を発行許可としてリソース管理テーブル203に格納し(ステップS362)、受信したデータに対する発行許可と代理中継を依頼するデータ購読部の名称を、データ配信制御部3に応答する(ステップS363c)。
【0114】
データ配信制御部3は、データ発行部情報テーブル101の発行状態を発行中、データ購読部情報テーブル103の購読状態を購読中として、更新する(ステップS364)。
次に、データ配信制御部3は、代理中継を依頼するデータ購読部に中継するデータ発行部名称とデータ購読部名称を付与して中継指示を送信し(ステップS365c)、問い合わせのあったデータ配信制御部4に対して、代理中継するデータ購読部の名称と共に送信OKの応答をする(ステップS366)。
【0115】
応答を受信したデータ配信制御部4は、データ購読部情報テーブル104の購読状態を購読中として更新する(ステップS537)。また、データ配信制御部4はデータ購読部7−1に対して、データ購読部8−1の名称とデータ購読部8−1が要求したデータの種類に、データ購読部8−1に対応したデータ伝送速度を付与して送信する(ステップS538)。
【0116】
データ購読部7−1は、データ中継器と同様にデータの中継先として、図11のようにデータの種類に対応した要求元のデータ購読部の名称とデータ伝送速度を関連付けして、データ中継テーブル105を保持し、送信先の中継設定を行う(ステップS367c)。
ここでは、中継先であるデータ購読部は1つしかないので、データ購読部7-1は通信機能に保持したデータ伝送速度を上限として中継するように設定する(ステップS368c)。
前記設定された中継設定から、データ中継数、データ伝送速度、CPU利用率等のリソース情報がどのような値に変更され、残りのリソースがどの程度あるか等の情報を、リソース管理部12とリソース管理部13にそれぞれ送信する(ステップS369c、S370c)。
リソース情報を受信したリソース管理部12及びリソース管理部13は、受信したリソース情報で設定されているリソース管理テーブル203及びリソース管理テーブル204を更新する(ステップS371、S539)。
ここで、リソース情報が上限値を超えるデータ購読部を、利用可能なデータ購読部から除外し、リソース利用状況を更新する。
データ購読部7−1は、中継設定が完了すると、データ配信制御部3とデータ配信制御部4に対して、中継設定が完了した旨の応答を返す(ステップS372c、S373c)。
【0117】
中継設定完了の応答を受信したデータ配信制御部4は、要求元のデータ購読部8−1に対して、送信OKを応答し(ステップS540)、リソース管理部13に対して対応するデータ購読部名称を購読中として送信する(ステップS541)。
【0118】
リソース管理部13は、データ配信制御部4から受信したデータ購読部名称に対応する購読状態を購読中に更新し、設定されているデータ伝送速度を既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値に更新する(ステップS542)。
【0119】
一方、中継設定完了の応答を受信したデータ配信制御部3は、データ発行部5−1に対してデータ購読部8−1に対応したデータ伝送速度を送信し、データの送信を指示する(ステップS374)。
【0120】
データ発行部5−1は、データ購読部7-1に対してデータの送信を実施する(ステップS375)。
【0121】
データ購読部7−1は、自分で購読しているデータ伝送速度とデータ購読部8−1に対応するデータ伝送速度を比較し、自分で購読しているデータ伝送速度の方が速い場合は、データ購読部8−1に対応するデータ伝送速度になるように、データを等間隔で間引くように設定する(ステップS376c)。
データ購読部7−1は、ステップS367cで保存したデータ送信先に対して、データ発行部5−1から受信したデータをステップS376cの設定に従って等間隔で間引いて、ステップS367cで保存したデータ伝送速度で送信する(ステップS377c)。
データ購読部7−1は、以後停止指示があるまで、データ発行部5−1から受信したデータをステップS377cと同様にデータ購読部8−1へ中継し続ける。
なお、データ発行部5−1から受信したデータのデータ伝送速度とデータ購読部8−1に対応するデータ伝送速度が同じ場合は、ステップS377cでは等間隔で間引く処理は実施せずに、自分で購読しているデータ伝送速度で中継する。
【0122】
このように実施の形態5のデータ配信システムでは、データ購読部が中継機能をデータ中継器の変わりに実施することで、データ中継器の処理能力の上限値を超える場合でも、中継先のデータ購読部は所望のデータを購読できるようになる。これによって、データ中継器が処理能力の上限値以上で利用されることがなくなり、データ中継器においてデータの滞留や欠落が発生することなく、データ購読部は所望のデータ伝送速度で購読できるようになる。
【0123】
以上説明した通り、実施の形態5によれば、必要な種類の探知データを要求し前記探知データを受信するデータ受信機能と異なる通信ネットワーク間において請求項3記載のデータ発行部と前記データ購読部のデータ伝送速度の違いを調整しデータを中継する機能を備えるデータ購読部を備えることを特徴とする。このように、データ購読部が中継機能を代行することで、データ中継器の処理能力の上限値を超える場合においても、データ中継器が処理能力の上限値以上で利用されることがなくなり、データ中継器においてデータの滞留や欠落が発生することなく、データ購読部は所望のデータ伝送速度で購読できるようになる効果がある。また、データ購読部からの要求拒否の発生頻度が更に低減される効果がある。
【符号の説明】
【0124】
1、2 データ配信領域、3、4 データ配信制御部、5、6 データ発行部、7、8 データ購読部、9 データ中継器、10、11、12、13 リソース管理部、15、16、17 飛行機、18、19 ヘリコプター、20、21 レーダ、22〜26 車両、101、102 データ発行部情報テーブル、103、104 データ購読部情報テーブル、105 データ中継テーブル、201、202、203、204 リソース管理テーブル。
【技術分野】
【0001】
この発明は、データを発行するデータ発行部とデータを購読するデータ購読部がそれぞれ独立に構成され、データ発行部からデータ購読部にデータの配信を行うデータ配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
データ配信システムは、データ配信領域内でデータを発行するデータ発行部とデータを購読するデータ購読部を、それぞれ独立に配置した発行/購読型モデルに基づいて動作する。この発行/購読型モデルは、どのデータ発行部が送信したデータをどのデータ購読部に送り届けるのかについて、一元管理が行われる。この一元管理機能を備えることで、データ発行部はデータの送信先を管理する必要がなくなると共に、データ購読部はデータの送信元を意識することなく、要求した欲しい種類のデータを受信することが可能となる。
【0003】
データ配信システムの一例として、複数のデータ発行部から複数のデータ購読部に直接データを送信する、データ配信システムが知られている。このデータ配信システムは、データ発行部から発行されるデータの種類を示す種別データを保持し、種別データを参照して、データ購読部から要求のあったデータの種類に合致するデータを発行するデータ発行部を検索すると共に、データ発行部に対してデータの送信先を指示するデータ配信制御部を有する。また、データ発行部は、発行するデータの種類をデータ配信制御部に登録し、データ配信制御部から送信先として指示されたデータ購読部にデータを送信する処理を行う。データ購読部は、データ配信制御部に欲しい種類のデータを要求し、データ発行部からデータを受信する処理を行う。データ発行部は、データ配信制御部から指示されたデータ購読部に対し、データ購読部が要求する種類のデータを送信する。このような従来の発行/購読型モデルにおいて、データの発行/購読をデータ配信領域ごとに管理する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−2996
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のデータ配信システムでは、データ配信領域内のデータ配信制御部、データ発行部及びデータ購読部が、データ伝送速度の高速、低速に関らず、データ伝送速度の上限値(データを伝送できる最大の帯域幅)が相当高い性能を有する特別な通信ネットワークに接続されることを前提としている。このため、データ配信制御部、データ発行部及びデータ購読部が通常の通信ネットワークに接続される場合、複数のデータ購読部からある種類のデータを受信しようとしたとき、データ購読部で要求するデータ伝送速度の合計が通信ネットワークで許容できるデータ伝送速度を超過する。そのような状況になると、データ発行部では、データを送信している間に、次の送信周期で送信すべきデータの送信タイミングに間に合わなくなり、次に送信すべきデータが送信できずに、送信バッファに滞留する。このとき、データ発行部によるデータの送信周期は、データ購読部が所望するデータの受信周期から遅れていくため、データ購読部は周期的にデータを購読できないという問題があった。
【0006】
また、時間の経過と共にデータ発行部の送信バッファにデータが蓄積されていくため、データ発行部の送信バッファが一杯になって、後から続くデータが送信バッファに蓄積できなくなり、破棄されていくという問題があった。
【0007】
また、複数のデータ中継器を設けた場合であっても、どのデータ中継器でどのデータを中継すべきかの管理がなされておらず、1つのデータ中継器に中継データが集中してしまう可能性がある。そのため、1つのデータ中継器にデータが集中することとなり、データ中継器においてデータの間引き処理(送信タイミングを所定の送信周期から遅らせる処理)が増えて行き、データ購読部で周期的にデータを購読することができなくなるという問題があった。
【0008】
更に、時間の経過と共に、データ中継器における間引き処理が間に合わなくなり、データの受信バッファが一杯になって、後から続くデータが送信バッファに蓄積できなくなり破棄されていくという問題があった。
【0009】
この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、データ発行部及びデータ購読部のそれぞれが利用するデータ伝送速度が、通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値を超えないように、それぞれの送受信を管理することで、データ購読の周期性を確保したデータ配信システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明によるデータ配信システムは、発信するデータを発行する複数のデータ発行部と、所要の種別データを要求し、前記データ発行部の発行データを受信する複数のデータ購読部と、前記データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度及び前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度と、前記データ発行部とデータ購読部の間でデータ伝送を行う通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度に基づいて、前記データ発行部から前記データ購読部にデータ伝送が可能か否かを判断し、データ伝送が可能な場合に、前記データ発行部または前記データ購読部における前記発行データの発信または受信を許可するリソース管理部と、を備え、前記データ購読部は、要求する種別データと受信可能なデータ伝送速度を関連付けてリソース管理部に伝達し、前記リソース管理部は、前記通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度の範囲内で、前記データ発行部に設定されたデータ伝送速度により前記データ購読部が受信可能なデータ伝送速度で前記発行データの購読が可能か否かを判定し、可能な場合に前記データ購読部から受信した種別データを前記データ発行部に伝達し、前記データ発行部は、前記リソース管理部にデータ伝送速度の設定値を伝達すると共に、前記データ購読部の要求する種別データを送信可能な場合に、前記種別データを所定の周期で繰り返し取得し、設定された前記データ伝送速度で最新の発行データを前記データ購読部に送信するものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、データ配信領域内でのデータ発行及び購読に利用される通信ネットワークにおいて、データ伝送速度の合計値が利用できるデータ伝送速度の上限値を超えないように、データ発行と購読を管理するリソース管理部を設けることで、データ発行部がデータ購読部ごとに対応したデータ伝送速度でデータを配信することができ、通信ネットワークのデータ伝送速度に制限がある場合においても、データ購読部が所望する周期でデータ送信がなされるため、データ購読部が所定の周期で安定してデータ購読を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1によるデータ配信システムの利用形態を示す図である。
【図2】実施の形態1によるデータ配信システムの構成を示す図である。
【図3】実施の形態1のデータ発行部情報テーブル及びデータ購読部情報テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図4】実施の形態1のデータ発行部情報テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図5】実施の形態1のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。
【図6】実施の形態1のリソース管理テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図7】実施の形態2のデータ配信システムの構成を示す図である。
【図8】実施の形態2のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。
【図9】実施の形態2のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。
【図10】実施の形態2のリソース管理テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図11】実施の形態2のデータ中継テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図12】実施の形態3のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。
【図13】実施の形態4のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。
【図14】実施の形態5のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明に係る実施の形態1によるデータ配信システムの利用形態を示す図である。図1の例では、2つの監視領域(監視区域Aと監視区域B)内を、飛行体(飛行機15〜17とヘリコプター18−19)が飛行している場合を想定している。
【0014】
ヘリコプター18は監視区域A内を飛行し、飛行機15と飛行機16とヘリコプター19は監視区域B内を飛行し、飛行機17は監視区域Aと監視区域Bの重複する区域を飛行している。監視区域A内は、データ発行部であるレーダ20により監視されており、監視区域B内は、同じくデータ発行部であるレーダ21により監視されている。また、レーダ20は監視区域Aに対応した通信ネットワークAに接続されており、レーダ21は監視区域Bに対応した通信ネットワークBに接続されているが、通信ネットワークA内のデータ伝送速度は通信ネットワークB内のデータ伝送速度よりも遅い。データ購読部である車両22〜25は通信ネットワークAに接続されており、長い周期でレーダ20から発行されるデータを購読している。データ購読部である車両26は通信ネットワークBに接続されており、短い周期でレーダ21から発行されるデータを購読している。
【0015】
データ購読部とは、ある種類のデータを要求し、要求したデータを受信する通信機能を備えたもののことをいい、データ発行部は、ある種類のデータを取得し、取得したデータを発信する通信機能を備えたもののことをいう。
例えば、車両22が監視区域B内の飛行体の情報を必要とする場合、車両22はレーダ21に問合せをして、レーダ21は車両22から要求されたデータ伝送速度でデータを送信する。
また、車両23が監視区域B内の飛行体の情報を必要とする場合、車両22と同様にレーダ21に問合せをしてレーダ21は車両23から要求されたデータ伝送速度でデータを送信する。
また、車両24が監視区域B内の飛行体の情報を必要とする場合、車両22と同様にレーダ21に問合せをしてレーダ21は車両24から要求されたデータ伝送速度でデータを送信する。
【0016】
ここで、図1の例を用いて、最初に従来のデータ配信システムが有していた問題点について整理しておく。
通信ネットワークA内のデータ伝送速度の上限が、車両22、車両23及び車両24が要求したデータ伝送速度の合計に相当する分しかない場合、車両22、車両23、車両24及び車両25が同時に監視区域B内の飛行体の情報をレーダ21に問合せた際に、レーダ21が車両25から要求されたデータ伝送速度でデータを送信すると、通信ネットワークAではデータ伝送速度の上限を超えてしまうことが起こり得る。
このような場合、通信ネットワークAとBの境界でデータが滞留してしまい、車両22〜25が要求したデータ伝送速度でデータを受信することができなくなると共に、レーダ21の送信バッファでは次に続くデータが蓄積され、送信バッファに入りきらなくなって、データが破棄されていく。
また、このような場合、車両22〜25が定常的に新しいデータを必要としていた場合、車両22〜25は通信ネットワークAのデータ伝送速度の上限以内の遅いデータ伝送速度でデータを受信するので、時間がたつにつれて、レーダ21が過去に発行し滞留していた古い情報を不定期に受け取ることになり、車両22〜25は必要なデータを、周期的にかつ定刻通りに受信することができなくなるという問題が生じる。
【0017】
そこで、実施の形態1によるデータ配信システムは、リソース管理部を設けることで、データ発行部及びデータ購読部のそれぞれが利用するデータ伝送速度が通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値を超えないようにそれぞれの送受信を管理し、データ発行部から送信されたデータが所望のデータ伝送速度でデータ購読部が受信できるようにしている。以下、実施の形態1のデータ配信システムの構成及び動作について詳細を説明する。
【0018】
図2は、実施の形態1のデータ配信システムの構成を示す図であり、2つのデータ配信領域1、2の間でデータを配信する状況を示している。データ配信領域1、2には、データ配信領域ごとに1台のデータ配信制御部3、4と、リソース管理部10、11が設置されている。リソース管理部10、11は、それぞれが属するデータ配信領域内のデータ伝送速度の上限値が予め設定されている。勿論、データ配信領域の数が3つ以上あっても良いことは言うまでもない。
【0019】
データ配信領域1には、i台のデータ発行部5(5−1〜5−i)が配置されており、またj台のデータ購読部7(7−1〜7−j)が配置されている。同様に、データ配信領域2には、m台のデータ発行部6(6−1〜6−m)が配置されており、またn台のデータ購読部8(8−1〜8−n)が配置されている。
【0020】
データ配信領域1内のi個のデータ発行部5は、自分が発行可能なデータの種類の情報(種別データ)とデータ伝送速度の情報を、データ発行部の名称と対応付けて、データ配信制御部3に送信する。
また、データ配信領域2内のm個のデータ発行部は、自分が発行するデータの種類の情報(種別データ)とデータ伝送速度の情報を、データ発行部の名称と対応付けて、データ配信制御部4に送信する。
データ配信制御部3は、自らが属するデータ配信領域1内のデータ発行部から受信したデータの種類の情報(種別データ)とデータ伝送速度の情報を、データ発行部の名称と関連付けて、記憶部(図示せず)のデータ発行部情報テーブル101に登録する。同様に、データ配信制御部4は、自らが属するデータ配信領域2内のデータ発行部から受信したデータの種類の情報(種別データ)とデータ伝送速度の情報を、データ発行部の名称と関連付けて、記憶部(図示せず)のデータ発行部情報テーブル102に登録する。
【0021】
図3は、データ配信制御部3、4に記録されるデータ発行部情報テーブル101、102と、データ購読部情報テーブル103、104とを示す一例である。このようにデータ配信制御部3、4は、データ発行部の名称と、発行可能なデータの種類と、データ伝送速度と、データの発行状態の対応が分かるデータ発行部情報テーブルを、予め保持する。また、配信制御部3、4は、データ購読部の名称と、データ伝送速度と、購読状態の対応が分かるデータ購読部情報テーブルとを、予め保持する。
【0022】
図4は、データ発行部情報テーブルの具体例であり、図1の利用形態において、データ配信制御部3、4が保持するデータ発行部情報テーブル101、102の例を示したものである。
図1において、データ発行部(1)であるレーダ20がレーダ探知により監視区域Aの飛行体(飛行機とヘリコプター)の情報を所有しているとすると、データ発行部であるレーダ20は、自らのデータ発行部の名称(データ発行部(1))、目標の種類(飛行体)、監視区域(A)を発行可能なデータとして、データ伝送速度と共に自らが属するデータ配信制御部に送信する。データ配信制御部では、図4に示すようなデータ発行部情報テーブルに、データ発行部の名称と発行するデータの種類の情報を関連付けしてデータ伝送速度と共に記憶部に格納する。また、データ発行部がデータを発行している場合は、その発行状態の情報を発行中に更新する。
【0023】
同様にして、データ発行部であるレーダ21は、レーダにより探知した情報について、データ発行部の名称と発行するデータの種類の情報をデータ伝送速度と共にデータ配信制御部に送信し、データ配信制御部は受信した情報を図4のようにデータ発行部情報テーブルに格納していく。
【0024】
図5は、実施の形態1によるデータ配信システムの動作を説明するフロー図である。図5は、図1の利用形態において、データ配信領域2にあるデータ購読部8−1及び8−2に対して、データ配信領域1にあるデータ発行部5−1からデータを送信するまでのデータ配信システムの動作フローを示している。なお、データ配信領域1の動作は、ステップS101から始まるフローを示し、データ配信領域2の動作は、ステップS201から始まるフローを示している。
【0025】
図6は、リソース管理テーブル10、11のデータ構成例を示す図である。図6において、リソース管理部10は、保持する記憶部(図示せず)にリソース管理テーブル201を構成している。リソース管理部11は、保持する記憶部(図示せず)に、リソース管理テーブル201と同様のリソース管理テーブル202を構成している。
【0026】
リソース管理テーブル201は、発行情報として、データ伝送速度の上限値、発行中のデータ伝送速度の合計値が格納される。リソース管理テーブル201の発行情報には、自データ配信領域内のデータ発行部の名称と、各データ発行部の名称に対応したデータ伝送速度と、各データ発行部の名称に対応したデータの発行状態の情報がそれぞれ格納される。
また、リソース管理テーブル201は、購買情報として、データ伝送速度の上限値、購買中のデータ伝送速度の合計値が格納される。リソース管理テーブル201の購買情報には、データ購読部の名称と、各データ購読部の名称に対応したデータ伝送速度と、各データ購読部の名称に対応したデータの購読状態の情報がそれぞれ格納される。
【0027】
同様に、リソース管理テーブル202は、発行情報として、データ伝送速度の上限値、発行中のデータ伝送速度の合計値が格納される。リソース管理テーブル202の発行情報には、自データ配信領域内のデータ発行部の名称と、各データ発行部の名称に対応したデータ伝送速度と、各データ発行部の名称に対応したデータの発行状態の情報がそれぞれ格納される。
また、リソース管理テーブル202は、購買情報として、データ伝送速度の上限値、購買中のデータ伝送速度の合計値が格納される。リソース管理テーブル202の購買情報には、データ購読部の名称と、各データ購読部の名称に対応したデータ伝送速度と、各データ購読部の名称に対応したデータの購読状態の情報がそれぞれ格納される。
【0028】
次に、図1、図5、図6を用いてデータ配信システムの動作を説明する。
データ通信領域1内のデータ発行部5−iは、例えばレーダ監視によってレーダ(20)から目標情報(目標の位置、速度の情報)が取得されると、取得情報に基づき、発行可能なデータの種類の情報と自分が発行するデータ伝送速度を、データ発行部の名称と共に、データ通信領域1内のデータ配信制御部3に送信する(ステップS101)。
データ配信制御部3は、受信したデータを記憶部(図示せず)のデータ発行部情報テーブル101に格納する(ステップS102)。
一方、データ配信領域2内のデータ発行部6−mは、同じくレーダ監視等により情報を取得すると、取得情報に基づき発行可能なデータの種類の情報と自分が発行するデータ伝送速度をデータ発行部の名称と共に、データ通信領域2内のデータ配信制御部4に送信する(ステップS201)。
データ配信制御部4は、受信したデータを保持するデータ発行部情報テーブル102に格納する(ステップS202)。
【0029】
データ購読部8−1は、自分が欲しいデータの種類と自分が購読可能なデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共に、データ配信制御部4に要求する(ステップS203)。
図1の例では、例えば「目標の種類=飛行体」、「監視区域=A」というデータの種類と、自分が購読可能なデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共にデータ配信制御部4に要求する。
データ配信制御部4は、データ購読部8−1から受信したデータのデータ購読部名称をデータ伝送速度と関連付けして、保持するデータ購読部情報テーブル104に格納する(ステップS204)。
また、データ配信制御部4は、このデータ購読部から受信したデータの種類の情報とデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共に、リソース管理部11に送信する(ステップS205)。
【0030】
リソース管理部11は、予め設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値とを、比較する(ステップS206)。
【0031】
リソース管理部11は、比較の結果、当該加算した値がデータ伝送速度の上限値以下であると判定すると、対応するデータ購読部の購読状態を購読許可に更新し、図6に示すソース管理テーブル202に、当該更新した購読状態を格納する(ステップS207)。
また、受信したデータに対する購読状態の情報(購読許可)を、データ配信制御部4に応答する(ステップS208)。
このとき、予め設定されるデータ伝送速度の上限値は、例えばデータ配信領域内において購読用に利用可能な、各購読部のデータ伝送速度の合計として設定される。
なお、比較の結果、前記加算した値がデータ伝送速度の上限値以上であると判定すると、リソース管理部11は、対応するデータ購読部の購読状態を購読不可に更新する。
【0032】
このようにリソース管理部11は、データ配信領域内において、発行や購読されているデータのデータ伝送速度が、予め設定されているデータ伝送速度の上限値を超えないように管理することで、データ配信領域内におけるデータの輻輳や滞留を防止することが可能となる。
【0033】
次に、データ配信制御部4は、リソース管理部11から受信した応答結果を、データ購読部情報テーブル104に書き込み、購読状態の情報を購読許可に更新する(ステップS209)。
また、データ配信制御部4は、保持しているデータ発行部情報テーブル102をデータ購読部8−1から要求されたデータの種類で検索する(ステップS210)。
ここで、データ配信領域2内のデータ発行部6が発行するデータには、要求されたデータの種類が存在せず、該当するものがないという検索結果が得られた場合を想定して、以下の説明を続ける。
このような場合、データ配信制御部4は、別のデータ配信領域1に属するデータ配信制御部3に対して、データ購読部8−1の名称とデータ購読部8−1が要求したデータの種類に、データ購読部8−1に対応するデータ伝送速度を付与して送信し、データ配信制御部3が保持しているデータ発行部情報テーブル101の検索を要求する(ステップS211)。
【0034】
データ配信制御部3は、データ配信制御部4から受信したデータのデータ購読部名称とデータ伝送速度を関連付けしたデータを、データ購読部情報テーブル103に格納する(ステップS103)。
次に、データ配信制御部3は、保持しているデータ発行部情報テーブル101をデータ配信制御部4から要求されたデータの種類で検索する(ステップS104)。
検索の結果、データ発行部5−1が発行するデータが要求に合致することが分かると、データ配信制御部3は、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ発行部の名称と共に、リソース管理部10に送信する(ステップS105)。
【0035】
リソース管理部10は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値と、を比較する(ステップS106)。
比較の結果、当該加算した値が上限値以下であることが分かると、リソース管理テーブル201において、対応するデータ発行部の発行状態を、発行許可の状態に更新し(ステップS107)、受信したデータに対する発行許可をデータ配信制御部4に応答する(ステップS108)。
【0036】
また、データ配信制御部3は、データ発行部情報テーブル101の発行状態を発行中、データ購読部情報テーブル103の購読状態を購読中として更新する(ステップS109)。
【0037】
次に、データ配信制御部3は、問い合わせのあったデータ配信制御部4に対して、送信OKの応答をする(ステップS110)。
データ配信制御部3は、データ発行部5−1に対して、データ購読部8−1の名称にデータ購読部8−1に対応したデータ伝送速度を付与して送信し、データの送信を指示する(ステップS111)。
また、データ配信制御部3は、リソース管理部10に対して、対応するデータ発行部名称を発行中として送信する(ステップS112)。
【0038】
応答を受信したデータ配信制御部4は、データ購読部情報テーブル104の購読状態を発行中として更新する(ステップS212)。また、要求元のデータ購読部8−1に対して、送信OKを応答し(ステップS213)、リソース管理部11に対して対応するデータ購読部名称を購読中として送信する(ステップS214)。
【0039】
リソース管理部10は、データ配信制御部3から受信したデータ発行部名称に対応する発行状態を発行中に更新し、設定されているデータ伝送速度を、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値に、更新する(ステップS113)。
一方、リソース管理部11は、データ配信制御部4から受信したデータ購読部名称に対応する購読状態を購読中に更新し、設定されているデータ伝送速度を、既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値に、更新する(ステップS215)。
【0040】
データ発行部5−1は、データの送信を指示された送付先であるデータ購読部8−1の名称とデータ伝送速度を保持する(ステップS114)。なお、保持形態はデータ発行部情報テーブル103と同様である。
ここでは、送信先であるデータ購読部は1つしかないので、データ発行部5−1は通信機能に保持したデータ伝送速度を上限として送信するように設定する(ステップS115)。
データ発行部5−1は、送信先として保持したデータ購読部(データ購読部8−1)に対して、要求のあった種類のデータを、前記設定したデータ伝送速度以内で送信する(ステップS116)。
なお、データ発行部5−1は以後停止指示があるまで、要求のあった種類のデータをデータ購読部8−1に対して、前記設定したデータ伝送速度以内で送信し続ける。
【0041】
このようにして、データ購読部8−1は、必要とする種類のデータを、当該データを保有するデータ発行部5−1から受信可能なデータ伝送速度で取得することができる。
【0042】
次に、他のデータ購読部8−2が、データ配信制御部4へ所望のデータの送信要求を送信するまでのデータ配信システムの動作を、図5のステップS216以降から説明する。なお、前記したデータ購読部8−1によるデータ購読のケースと異なり、リソース管理部10においてデータ発行が不可となった場合を例に説明する。
【0043】
データ購読部8−2は、自分が欲しいデータの種類と自分が購読可能なデータ伝送速度をデータ購読部の名称と共にデータ配信制御部4に要求する(ステップS216)。
データ配信制御部4は、データ購読部から受信したデータのデータ購読部名称を、データ伝送速度と関連付けして、データ購読部情報テーブル104に格納する(ステップS217)。
また、データ配信制御部4は、データの種類の情報とデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共に、リソース管理部11に送信する(ステップS218)。
【0044】
リソース管理部11は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値とを、比較する(ステップS219)。
比較の結果、当該加算した値が上限値以下であることが分かると、対応するデータ購読部の購読状態を購読許可としてリソース管理テーブル202に格納し(ステップS220)、受信したデータに対する購読許可を、データ配信制御部4に応答する(ステップS221)。
なお、比較の結果、前記加算した値がデータ伝送速度の上限値以上であると判定すると、リソース管理部11は、対応するデータ購読部の購読状態を購読不可に更新する。
【0045】
データ配信制御部4は、リソース管理部11から受信した応答結果をデータ購読部情報テーブル104に書き込み、購読状態を購読許可として更新し(ステップS222)、保持しているデータ発行部情報テーブル102をデータ購読部8−2から要求されたデータの種類で検索する(ステップS223)。
ここで、データ配信領域2内のデータ発行部6が発行するデータには、要求されたデータの種類が存在せず、該当するものがないという検索結果が得られた場合を想定して、以下の説明を続ける。
このような場合、データ配信制御部4は別のデータ配信領域1に属するデータ配信制御部3に対し、データ購読部8−2の名称とデータ購読部8−2が要求したデータの種類の情報に、データ購読部8−2に対応するデータ伝送速度の情報を付与して送信し、データ配信制御部3が保持しているデータ発行部情報テーブル101の検索を要求する(ステップS224)。
【0046】
データ配信制御部3は、データ配信制御部4から受信したデータのデータ購読部名称にデータ伝送速度を関連付けしたデータを、データ購読部情報テーブル103に格納する(ステップS117)。
次に、データ配信制御部3は、保持しているデータ発行部情報テーブル101をデータ配信制御部4から要求されたデータの種類で検索する(ステップS118)。
検索の結果、データ発行部5−1が発行するデータが要求に合致することが分かると、データ配信制御部3は、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ発行部の名称と共に、リソース管理部10に送信する(ステップS119)。
【0047】
リソース管理部10は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値とを、比較する(ステップS120)。
比較の結果、当該加算した値が上限値より大きい判定結果であることが分かると、受信したデータ発行部に対する発行不可をデータ配信制御部4に応答する(ステップS121)。
ステップS120の結果はステップS106と異なり上限値より大きい判定結果としたが、上限値以下の場合の動作はS107以降と同等となる。
【0048】
データ配信制御部3は、データ発行部情報テーブル101の発行状態を発行不可、データ購読部情報テーブル103の購読状態を購読不可として更新する(ステップS122)。
次に、データ配信制御部3は問い合わせのあったデータ配信制御部4に対して、送信NGの応答をする(ステップS123)。
【0049】
応答を受信したデータ配信制御部4は、データ購読部情報テーブル104の購読状態を購読不可として更新する(ステップS225)。また、要求元のデータ購読部8−2に対して、送信NGを応答し(ステップS226)、リソース管理部11に対して対応するデータ購読部名称を購読不可として送信する(ステップS227)。
前記送信NGの応答に、発行中のデータ伝送速度の合計とデータ伝送速度の上限値を付与することで、データ購読部8−2は、残りで利用できるデータ伝送速度が分かるため、データ購読部8−2はデータ伝送速度を低く設定して、再度データ配信制御部4に要求することも可能である。
【0050】
リソース管理部11は、データ配信制御部4から受信したデータ購読部名称に対応する購読状態を購読不可に更新する(ステップS228)。
【0051】
以上の説明において、リソース管理部を個別の機能として記載しているが、データ配信制御部にリソース管理部の機能を持たせてもよい。この場合、リソース管理部とデータ配信制御部の間の通信が不要となり、データ配信制御部の内部処理で実施されることになる。
【0052】
このように、実施の形態1によるデータ配信システムによれば、リソース管理部が発行と購読を管理することで、データ伝送速度の上限値を超えて購読要求が行われることがなくなるので、データ要求元に送信すべき最新のデータが送信バッファに蓄積されてしまい、先に蓄積されたデータが掃けるまでの間は、その最新のデータが送信されないという問題や、最新のデータが破棄されてしまうという問題を解消することができる。これによって、データ要求元(データ購読部)は要求時に利用する通信ネットワークのデータ伝送速度が上限値以内であれば、その時点でデータ送信側(データ発行部)が取得した最新のデータを、自らが受信可能なデータ伝送速度の周期で、入手することができ、データ発行部でのデータの破棄がなくなるため、データ購読部は周期的に時間どおりにデータを購読できる。また、利用する通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値を超えないため、他のデータ購読部における受信に影響を与えることも無くなる。
【0053】
なお、ここではデータ購読部として飛行体を例として説明したが、データ購読部は飛行体に限られるものではなく、通信設備を有する車両や通信設備を携帯する人であってもよい。
また、データ発行部はレーダ施設に限定されるものではなく、通信設備を有する画像センサのようなものであっても構わない。
【0054】
以上説明した通り、実施の形態1のデータ配信システムは、監視区域毎に前記監視区域内の移動体を探知して取得した前記移動体の探知データを発信するデータ発信機能を備えるデータ発行部と、必要な種類の探知データを要求し前記探知データを受信するデータ受信機能を備えるデータ購読部と、前記データ発行部が発信する探知データのデータ伝送速度及び前記データ購読部が受信する探知データのデータ伝送速度を利用する通信ネットワークで利用できるかどうかを管理し可能な場合に前記データ発行部と前記データ購読部の通信を許可する機能を備えるリソース管理部と、を備えるデータ配信システムであって、前記データ購読部は必要とする前記探知データの種類と受信可能なデータ伝送速度とを関連付けしてリソース管理部に対して伝達し、前記リソース管理部は通信ネットワークで利用可能なデータ伝送速度において前記データ購読部が前記データ伝送速度での購読が可能かどうかを判定し、可能な場合は前記データ購読部から受信したデータを前記データ発行部に対して伝達し、前記データ発行部は前記データ購読部が要求する種類の探知データを送信可能な場合に前記種類の探知データを繰返し取得して最新の前記探知データを前記データ伝送速度で前記データ購読部に対して送信することを特徴とする。
また、データ購読部から必要とする探知データの種類を受信し当該種類の探知データを取得可能なデータ発行部に対して当該探知データを前記データ購読部に向けて送信することを要求するデータ配信制御部を更に備えて、前記データ購読部は必要な前記探知データの種類と受信可能なデータ伝送速度とを関連付けして前記データ配信制御部に送信し、前記データ配信制御部は前記種類の探知データを前記リソース管理部に対して前記探知データの種類と前記データ購読部の名称と前記データ伝送速度を送信し、前記リソース管理部は通信ネットワークで利用可能なデータ伝送速度において前記データ購読部が前記データ伝送速度での購読が可能かどうかを判定し、可能な場合は前記データ配信制御部に前記判定の結果を伝達し、前記データ配信制御部は前記判定の結果を基に購読可能な場合は前記データ購読部から受信したデータを前記データ発行部に対して伝達し、前記データ発行部は前記データ購読部が要求する種類の探知データの最新の前記探知データを前記データ伝送速度で前記データ購読部に対して送信することを特徴としても良い。
このように、リソース管理部が、データ配信領域内の発行/購読で利用しているデータ伝送速度の合計値に基づいて、通信ネットワークで利用できるデータ伝送速度の上限値を超えないように発行と購読を管理することで、データ発行部はデータ購読部ごとに対応したデータ伝送速度でデータを配信でき、通信ネットワークのデータ伝送速度に制限がある場合においても、データ購読部が所望する周期でデータを送信できるため、データ購読部で周期的にデータを購読できる効果がある。また、データ発行部の送信バッファが一杯にならずにデータが破棄しなくなるため、後から続くデータが破棄されなくなり、データ購読部で時間どおりに周期的にデータを購読できる効果がある。
【0055】
実施の形態2.
この発明に係る実施の形態2のデータ配信システムは、実施の形態1のデータ配信システムにおいて、データ配信領域間にデータ中継器を置いたことを特徴とする。
【0056】
図7は、実施の形態2によるデータ配信システムの構成を示す図である。図において、2個のデータ配信領域1、2の間でデータを配信する状況を示している。実施の形態2のデータ配信システムは、実施の形態1の構成に加えてデータ中継器9を追加している。なお、実施の形態1と同じ構成には同符号を付し、必要ある場合を除き説明を省略する。
【0057】
データ中継器9は、データ配信領域1内のデータ発行部5から、データ配信領域2内のデータ購読部8に対して、該当データを送信する際のデータの中継を行う。また、データ配信領域2のデータ発行部6は、データ配信領域2のデータ購読部7に、該当データを送信する際のデータの中継を行う。なお、図7において、データ中継器9は1台のみ記載しているが、複数台あってもかまわない。
【0058】
実施の形態1では、データ配信制御部からデータ送信指示を受けたデータ発行部が、データ購読部に対して直接データを配信していたが、実施の形態2では、データ中継器がデータ発行部からのデータを受信し、データ中継器がデータ購読部に対してデータの配信を行う。
【0059】
図8は、実施の形態2のデータ配信システムの動作を説明するフロー図である。図9は図8のフロー図に続く処理を示している。図10は、実施の形態2のリソース管理テーブルのデータ構成例を示している。図11は、実施の形態2のデータ中継テーブルのデータ構成例を示している。
【0060】
図10において、リソース管理部12、13は、保持する記憶部(図示せず)にリソース管理テーブル203、204を構成している。
リソース管理テーブル203、204は、発行情報として、データ伝送速度の上限値、発行中のデータ伝送速度の合計値が格納される。リソース管理テーブル203、204の発行情報には、自データ配信領域内のデータ発行部の名称と、各データ発行部の名称に対応したデータ伝送速度と、各データ発行部の名称に対応したデータの発行状態の情報がそれぞれ格納される。
また、リソース管理テーブル203、204は、購買情報として、データ伝送速度の上限値、購買中のデータ伝送速度の合計値が格納される。リソース管理テーブル203、204の購買情報には、データ購読部の名称と、各データ購読部の名称に対応したデータ伝送速度と、各データ購読部の名称に対応したデータの購読状態の情報がそれぞれ格納される。
また、リソース管理テーブル203、204は、データ中継器の名称とその利用可否の情報、CPU利用率の上限値とそのCPU利用率、及びデータ中継数の上限値とそのデータ中継数の情報が格納されている。
【0061】
図11において、データ中継器9は、保持する記憶部(図示せず)にデータ中継テーブル105を構成している。
データ中継テーブル105は、発行するデータの種類と、発行するデータの種類に対応したデータ購読部の名称及びデータ伝送速度が格納される。
【0062】
以下では、データ配信領域2にあるデータ購読部8−1及び8−2が同じ種類のデータを別々に要求し、データの発行が可能なデータ配信領域1にあるデータ発行部5−1が要求元のデータ購読部にデータを送信するまでのデータ配信システムの動作を、図7、図8、図9、図10、図11を参照しながら説明する。
なお、データ配信領域1の動作をステップS301から説明し、データ中継器9の動作をステップS401から説明し、データ配信領域2の動作をステップS501から説明する。
【0063】
データ配信領域1内のi個の各データ発行部は、自分が発行可能なデータの種類の情報とデータ伝送速度をデータ発行部の名称と共に、データ配信制御部3に送信する(図8のステップS301)。
データ配信制御部3は、自らが属するデータ配信領域1内のデータ発行部から受信したデータの種類の情報とデータ伝送速度を、データ発行部の名称と関連付けしてデータ発行部情報テーブル101に格納する(ステップS302)。
一方、データ配信領域2内のm個のデータ発行部は、自分が発行可能なデータの種類の情報とデータ伝送速度をデータ配信制御部4に送信する(ステップS501)。
データ配信制御部4は、データ配信制御部3と同様に受信したデータの種類の情報とデータ伝送速度を、データ発行部の名称と関連付けしてデータ発行部情報テーブル102とに格納する(ステップS502)。
【0064】
データ購読部8−1は、自分が欲しいデータの種類と自分が購読可能なデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共に、データ配信制御部4に要求する(ステップS503)。
データ配信制御部4は、データ購読部から受信したデータのデータ購読部名称をデータ伝送速度と関連付けして、データ購読部情報テーブル104に格納し(ステップS504)、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ購読部の名称と共に、リソース管理部13に送信する(ステップS505)。
【0065】
リソース管理部13は設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値とを、比較し(ステップS506)、上限値以下の判定結果であると対応するデータ購読部の購読状態を購読許可としてリソース管理テーブル204に格納し(ステップS507)、受信したデータに対する購読許可をデータ配信制御部4に応答する(ステップS508)。
【0066】
データ配信制御部4は、リソース管理部13から受信した応答結果をデータ購読部情報テーブル104に書き込み、購読状態を購読許可として更新し(ステップS509)、保持しているデータ発行部情報テーブル102を、データ購読部8−1から要求されたデータの種類で検索する(ステップS510)。
ここで、データ配信領域2内のデータ発行部6が発行するデータには該当するものがないという検索結果が得られた場合、データ配信制御部4は別のデータ配信領域1に属するデータ配信制御部3に対し、データ購読部8−1の名称とデータ購読部8−1が要求したデータの種類にデータ購読部8−1に対応するデータ伝送速度を付与して送信し、データ配信制御部3が保持しているデータ発行部情報テーブル101の検索を要求する(ステップS511)。
【0067】
データ配信制御部3は、データ配信制御部4から受信したデータのデータ購読部名称にデータ伝送速度を関連付けしたデータを、データ購読部情報テーブル103に格納する(ステップS303)。
次に、データ配信制御部3は、保持しているデータ発行部情報テーブル101をデータ配信制御部4から要求されたデータの種類で検索する(ステップS304)。
検索の結果、データ発行部5−1が発行するデータが要求に合致することが分かると、データ配信制御部3は、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ発行部の名称と共に、リソース管理部12に送信する(ステップS305)。ここまでは実施の形態1と同様な動作である。
【0068】
リソース管理部12は、リソース管理テーブル203においてデータ中継器のリソース利用状況を参照する(ステップS306)。リソース利用状況とは、データ中継器におけるデータ中継数、データ伝送速度、CPU利用率等のことであり、いずれかをリソースとして利用するかは利用者で選択可能である。
参照の結果、利用可能なデータ中継器があると分かると、リソース管理部12はリソース管理テーブル203から適したデータ中継器を選択する(ステップS307)。
リソース管理部12は、選択したデータ中継器に対して設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値を比較する(ステップS308)。
比較の結果、上限値以下の判定結果であると、対応するデータ発行部を発行許可として、図10に示すようなリソース管理テーブル203に登録し(ステップS309)、受信したデータに対する発行許可と選択したデータ中継器の名称をデータ配信制御部3に応答する(ステップS310)。
【0069】
データ配信制御部3は、データ発行部情報テーブル101の発行状態を発行中、データ購読部情報テーブル103の購読状態を購読中として更新する(ステップS311)。
次に、データ配信制御部3は、選択されたデータ中継器に中継するデータ発行部名称とデータ購読部名称を付与して中継指示を送信し(ステップS312)、問い合わせのあったデータ配信制御部4に対して、選択されたデータ中継器の名称と共に送信OKの応答をする(ステップS313)。
【0070】
応答を受信したデータ配信制御部4は、データ購読部情報テーブル104の購読状態を購読中として更新する(ステップS512)。また、データ配信制御部4は、データ中継器9に対して、データ購読部8−1の名称とデータ購読部8−1が要求したデータの種類に、データ購読部8−1に対応したデータ伝送速度を付与して送信する(ステップS513)。
【0071】
データ中継器9は、データの送信先として、図11に示すように、データの種類に対応した要求元のデータ購読部の名称とデータ伝送速度を関連付けして、データ中継テーブル105を保持し、送信先の中継設定を行う(ステップS401)。
ここでは、送付先であるデータ購読部は1つしかないので、データ中継器9は通信機能に保持したデータ伝送速度を上限として中継するように設定する(ステップS402)。
前記データ中継テーブル105に設定された中継設定情報からデータ中継数、データ伝送速度、CPU利用率等のリソース情報がどのような値に変更され、残りのリソースがどの程度あるか等の情報を、リソース管理部13とリソース管理部12にそれぞれ送信する(ステップS403、S404)。
リソース情報を受信したリソース管理部12及びリソース管理部13は、受信したリソース情報で設定されているリソース管理テーブル203及びリソース管理テーブル204を更新する(ステップS314、S514)。
ここで、データ中継器9が複数個設けられている場合、リソース管理部12及びリソース管理部13は、リソース管理テーブル203及びリソース管理テーブル204のリソース情報に基づいて、上限値を超えるデータ中継器を利用可能なデータ中継器から除外し、リソース利用状況を更新する。
データ中継器9は中継設定が完了すると、データ配信制御部3とデータ配信制御部4に対して中継設定が完了した旨の応答を返す(ステップS405、S406)。
【0072】
中継設定完了の応答を受信したデータ配信制御部4は、要求元のデータ購読部8−1に対して、送信OKを応答し(ステップS515)、リソース管理部13に対して対応するデータ購読部名称を購読中として送信する(ステップS516)。
【0073】
リソース管理部13は、データ配信制御部4から受信したデータ購読部名称に対応する購読状態を購読中に更新し、設定されているデータ伝送速度を既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値に更新する(ステップS517)。
【0074】
一方、中継設定完了の応答を受信したデータ配信制御部3は、データ発行部5−1に対して、データ中継器の名称にデータ購読部8−1に対応したデータ伝送速度を付与して送信し、データの送信を指示する(ステップS315)。
また、データ配信制御部3は、リソース管理部12に対して対応するデータ発行部名称を発行中として送信する(ステップS316)。
リソース管理部12は、データ配信制御部3から受信したデータ発行部名称に対応する発行状態を発行中に更新し、設定されているデータ伝送速度を、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値に更新する(ステップS317)。
【0075】
データ発行部5−1は、データの送信を指示された送付先であるデータ中継器9の名称を保持し(ステップS318)、データ中継器9に対してデータの送信を開始する(ステップS319)。
【0076】
データ中継器9は、データ発行部5−1から受信したデータのデータ伝送速度を計算する(ステップS407)。
計算したデータ伝送速度とデータ購読部8−1に対応するデータ伝送速度を比較し、計算したデータ伝送速度の方が速い場合は、データ購読部8−1に対応するデータ伝送速度になるように、データを等間隔で間引くように設定する。(ステップS408)。
【0077】
データ中継器9は、ステップS401で保存したデータ送信先に対して、データ発行部5−1から受信したデータを、ステップS408の設定に従って等間隔で間引いて、ステップS401で保存したデータ伝送速度で送信する(ステップS409)。
データ中継器9は、以後停止指示があるまで、データ発行部5−1から受信したデータを、ステップS409と同様にデータ購読部8−1へ送信し続ける。
なお、データ発行部5−1から受信したデータのデータ伝送速度より、データ購読部8−1に対応するデータ伝送速度の方が速い場合は、ステップS409では等間隔で間引く処理は実施せずに、ステップS401で保存したデータ伝送速度以内で送信する。
【0078】
次に、他のデータ購読部8−2が、前にデータ購読部8−1が要求したデータの種類と同じデータを要求している場合のデータ配信システムの動作について、以下に説明する。
なお、ここでは実施の形態1で説明した例と同様に、リソース管理部12においてデータ発行が不可となった場合を想定する。
データ購読部8−2は、自分が欲しいデータの種類と自分が購読可能なデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共に、データ配信制御部4に要求する(図9のステップS518)。
データ配信制御部4は、データ購読部から受信したデータのデータ購読部名称をデータ伝送速度と関連付けして、データ購読部情報テーブル104に格納し(ステップS519)、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ購読部の名称と共に、リソース管理部13に送信する(ステップS520)。
【0079】
リソース管理部13は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値とを、比較する(ステップS521)。
比較の結果、上限値以下の判定結果であると、対応するデータ購読部の購読状態を購読許可として記憶部(図示せず)に格納し(ステップS522)、受信したデータに対する購読許可をデータ配信制御部4に応答する(ステップS523)。
【0080】
データ配信制御部4は、リソース管理部13から受信した応答結果を、データ購読部情報テーブル104に書き込み、購読状態を購読許可として更新し(ステップS524)、保持しているデータ発行部情報テーブル102をデータ購読部8−2から要求されたデータの種類で検索する(ステップS525)。
ここで、データ配信領域2内のデータ発行部6が発行するデータには該当するものがないという検索結果が得られた場合、データ配信制御部4は別のデータ配信領域1に属するデータ配信制御部3に対し、データ購読部8−1の名称とデータ購読部8−1が要求したデータの種類にデータ購読部8−2に対応するデータ伝送速度を付与して送信し、データ配信制御部3が保持しているデータ発行部情報テーブル101の検索を要求する(ステップS526)。
【0081】
データ配信制御部3は、データ配信制御部4から受信したデータのデータ購読部名称にデータ伝送速度を関連付けしたデータを、データ購読部情報テーブル103として記憶部(図示せず)に格納する(ステップS320)。
次に、データ配信制御部3は、保持しているデータ発行部情報テーブル101をデータ配信制御部4から要求されたデータの種類で検索する(ステップS321)。
検索の結果、データ発行部5−1が発行するデータが要求に合致することが分かると、データ配信制御部3は、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ発行部の名称と共に、リソース管理部12に送信する(ステップS322)。
【0082】
リソース管理部12は、リソース管理テーブル203においてデータ中継器のリソース利用状況を参照する(ステップS323)。
参照の結果、利用可能なデータ中継器がないと分かると、リソース管理部12は受信したデータに対する発行不可をデータ配信制御部3に応答する(ステップS324)。
【0083】
データ配信制御部3は、データ購読部情報テーブル103の発行状態を発行不可として更新する(ステップS325)。
次に、データ配信制御部3は、問い合わせのあったデータ配信制御部4に対して、送信NGの応答をする(ステップS326)。
【0084】
応答を受信したデータ配信制御部4は、データ購読部情報テーブル104の購読状態を購読不可として更新する(ステップS527)。
また、データ配信制御部4は、要求元のデータ購読部8−2に対して、送信NGを応答し(ステップS528)、リソース管理部13に対して対応するデータ購読部名称を購読不可として送信する(ステップS529)。
前記送信NGの応答に、発行中のデータ伝送速度の合計とデータ伝送速度の上限値を付与することで、データ購読部8−2は残りで利用できるデータ伝送速度が分かる。このため、データ購読部8−2はデータ伝送速度を低く設定して、再度データ配信制御部4に要求することも可能である。
【0085】
リソース管理部13は、データ配信制御部4から受信したデータ購読部名称に対応する購読状態を購読不可に更新する(ステップS530)。
【0086】
実施の形態2では、リソース管理部を個別の機能として記載しているが、データ配信制御部にリソース管理部の機能を持たせてもよい。この場合、実施の形態1と同様に、リソース管理部とデータ配信制御部の間の通信が不要となり、データ配信制御部の内部処理で実施されることになる。
【0087】
このように実施の形態2のデータ配信システムでは、異なるデータ配信領域の間にデータ中継器が置おかれ場合においても、リソース管理部でデータ中継器のリソースの利用状況を管理するようにした。
これにより、データ中継器が能力値以上で利用されることがなくなり、データ中継器においてデータの滞留や欠落が発生することなく、データ購読部は所望のデータ伝送速度で購読できるようになる。
【0088】
以上説明した通り、実施の形態2のデータ配信システムは、監視区域毎に、前記監視区域内の移動体を探知して取得した前記移動体の探知データを発信するデータ発信機能を備えるデータ発行部と、必要な種類の探知データを要求し前記探知データを受信するデータ受信機能を備えるデータ購読部と、前記データ発行部が発信する探知データのデータ伝送速度及び前記データ購読部が受信する探知データのデータ伝送速度を利用する通信ネットワークで利用できるかどうかを管理し可能な場合に前記データ発行部と前記データ購読部の通信を許可する機能を備えるリソース管理部と、前記データ購読部から必要とする探知データの種類を受信し当該種類の探知データを取得可能なデータ発行部に対して当該探知データを前記データ購読部に向けて送信することを要求するデータ配信制御部と、異なる通信ネットワーク間において前記データ発行部と前記データ購読部のデータ伝送速度の違いを調整しデータを中継する機能と、を備えるデータ配信システムであって、前記データ購読部は必要な前記探知データの種類と受信可能なデータ伝送速度とを関連付けして前記データ配信制御部に送信し、前記データ配信制御部は前記種類の探知データを前記リソース管理部に対して前記探知データの種類と前記データ購読部の名称と前記データ伝送速度を送信し、前記リソース管理部は前記データ中継器のリソース(データ中継数、データ伝送速度、CPU利用率等)を利用して通信ネットワークで利用可能なデータ伝送速度において前記データ購読部が前記データ伝送速度での購読が可能かどうかを判定し、可能な場合は前記データ配信制御部に前記判定の結果と受信したデータを前記データ発行部に対して伝達し、前記データ配信制御部は前記判定の結果を基に購読可能な場合は前記データ購読部から受信したデータを前記データ発行部に対して伝達し、前記データ発行部は前記データ購読部が要求する種類の探知データの最新の前記探知データを前記データ伝送速度で前記データ中継部に対して送信し、前記データ中継部は前記データ発行部から受信したデータを処理して前記データ購読部が要求する種類の探知データの最新の前記探知データを前記データ伝送速度で前記データ購読部に対して送信することを特徴とする。このように、データ伝送速度が異なるデータ配信領域の間にデータ中継器を設けて、リソース管理部がデータ中継器のリソースの利用状況を管理することで、データ中継器がそのデータ伝送能力以上のデータ伝送速度で利用されることがなくなり、データ中継器においてデータの滞留や欠落が発生することがなくなるので、データ購読部は所望のデータ伝送速度で周期的にデータを購読できる効果がある。
【0089】
実施の形態3.
この発明に係る実施の形態3は、実施の形態1のデータ配信システムにおいて、データ発行部にデータ伝送速度の制御機能を設けたことを特徴とする。以下、実施の形態3のデータ配信システムについて、データ伝送速度の制御機能にかかわる部分を主に説明する。
【0090】
図12は実施の形態3のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。図12において、ステップS101〜S120、及びS201〜S224の動作は図5と同様であるため、動作の異なる部分についてのみ説明する。なお、実施の形態3に固有なステップには、最後に符号bを付与している。また、実施の形態3のデータ購読部8−2は、要求するデータ伝送速度よりも低いデータ伝送速度でも購読可能なものとする。
【0091】
リソース管理部10は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値を比較する(ステップS120)。
比較の結果、上限値より大きい判定結果であると、リソース管理部10は、データ発行部5−1に対して、データの種類の情報とデータ伝送速度を、データ伝送速度変更を指示する情報と共に送信する(ステップS121b)。
データ発行部5−1は、受信したデータ伝送速度に変更可能して発行可能か確認し(ステップS122b)、発行可能であれば発行可能をリソース管理部10に応答する(ステップS123b)。
【0092】
リソース管理部10は、データ発行部5−1を発行許可としたリソース管理テーブル203に格納し(ステップS124)、受信したデータに対する発行許可をデータ配信制御部4に応答する(ステップS125)。
リソース管理部10は、データ発行部5−1に対応して、リソース管理テーブル203に格納されているデータ伝送速度の設定値を更新する。
【0093】
以降のステップS126〜S133、S222〜S225では、データ送信先がデータ購読部8−2に変わるだけで、図6のステップS107〜S116、S212〜S215と同様な動作であるので説明を略す。
例えば、実施の形態1で説明したように、リソース管理部10は、設定されているデータ伝送速度の上限値が、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値よりも大きいと判定されたとき、データ購読部8−2に対し、データ伝送速度が低くなるように設定しても良い。また、データ購読部8−2のデータ伝送速度を変更した場合は、リソース管理部10は、データ購読部8−2に対応して、リソース管理テーブル204に格納されているデータ伝送速度の設定値を更新しても良い。
【0094】
このように実施の形態3のデータ配信システムでは、データ購読部から要求されたデータ伝送速度が通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値を超える場合でも、通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値までに余力があれば、データ発行部からの送信されるデータ伝送速度を通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値に達ししない低い値に変更する。これにより、実施の形態1に比してデータ購読部への購読拒否の発生頻度が低減され、通信ネットワークのデータ伝送速度をより効率的に利用できるようになる。
【0095】
以上説明した通り、実施の形態3のデータ配信システムによれば、リソース管理部は、通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度と、予め設定された前記データ発行部から発信される発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度との比較に基づいて、前記通信ネットワークを介して伝送される発行データのデータ伝送速度の和が許容値を超えると判断すると、前記データ発行部または前記データ購読部におけるデータ伝送速度を変更する。また、リソース管理部は、データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度を記憶部に格納し、前記リソース管理部は、前記通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度と、記憶部に格納された前記データ発行部から発信される発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度との比較に基づいて、前記通信ネットワークを介して伝送される発行データのデータ伝送速度の和が許容値を超えると判断すると、前記記憶部に格納される前記データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度を変更しても良い。このように、データ発行部がデータ伝送速度を変更することで、通信ネットワークのデータ伝送速度に制限がある場合においても、データ購読部からの要求拒否の発生頻度が低減され、通信ネットワークのデータ伝送速度をより効率的に利用できるようになる効果がある。
【0096】
実施の形態4.
この発明に係る実施の形態4によるデータ配信システムは、実施の形態3と同様に、実施の形態2のデータ発行部において、データ伝送速度の制御機能を設けたことを特徴とする。以下、実施の形態4において、データ伝送速度の制御機能にかかわる部分を主に説明する。
【0097】
図13は実施の形態4のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。図13において、ステップS301〜S323、S401〜S409、S501〜S526の動作は図8、9と同様であるため、動作の異なる部分についてのみ説明する。なお、実施の形態4に固有なステップは、最後に符号bを付与している。
【0098】
リソース管理部12は、リソース管理テーブル203においてデータ中継器のリソース利用状況を参照する(ステップS323)。
参照の結果、利用可能なデータ中継器がないと分かると、リソース管理部12はデータ発行部5−1に対して、データの種類の情報とデータ伝送速度を、データ伝送速度変更を指示する情報と共に送信する(ステップS324b)。
【0099】
データ発行部5−1は、受信したデータ伝送速度を変更可能として、発行可能か否かを確認し(ステップS325b)、発行可能であれば発行可能であることを示す情報を、リソース管理部12に応答する(ステップS326b)。
【0100】
リソース管理部12は、リソース管理テーブル203から適したデータ中継器を選択する(ステップS327b)。以降のステップS328〜S339、S410〜S418、S531〜S536は、データ送信先がデータ購読部8−2に変わるだけで、図8のステップS307〜S319、S401〜S409、S512〜S517と同様な動作であるので説明を略す。
【0101】
このように実施の形態4のデータ配信システムでは、実施の形態3のデータ配信システムにデータ中継器を設置した場合において、データ購読部から要求されたデータ伝送速度が通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値を超える場合でも、通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値までに余力があれば、データ発行部から送信されるデータ伝送速度を、通信ネットワークのデータ伝送速度の上限値に達ししない低い値に変更する。これにより、実施の形態2に比してデータ購読部への購読拒否の発生頻度が低減され、通信ネットワークのデータ伝送速度をより効率的に利用できるようになる。
【0102】
以上説明した通り、実施の形態4によれば、データ発行部がデータ伝送速度を変更することで、通信ネットワークのデータ伝送速度に制限がある場合においても、データ購読部からの要求拒否の発生頻度が低減され、通信ネットワークのデータ伝送速度をより効率的に利用できるようになる効果がある。
【0103】
実施の形態5.
この発明に係る実施の形態5のデータ配信システムは、実施の形態2または実施の形態4に対して、データ購読部に代理中継機能を備えたことを特徴とする。以下、実施の形態5において、代理中継機能の動作を主に説明する。
【0104】
図14は実施の形態5のデータ配信システムの動作を示すフロー図である。図14において、データ配信領域1内のi個の各データ発行部は、自分が発行可能なデータの種類の情報とデータ伝送速度を、データ発行部の名称と共に、データ配信制御部3に送信する(ステップS340)。
データ配信制御部3は、自らが属するデータ配信領域1内のデータ発行部から受信したデータの種類の情報とデータ伝送速度を、データ発行部の名称と関連付けしてデータ発行部情報テーブル101に格納する(ステップS341)。
【0105】
データ購読部7−1は、自分が欲しいデータの種類と自分が購読可能なデータ伝送速度を、データ購読部の名称と共に、データ配信制御部3に要求する(ステップS342)。
データ配信制御部3は、データ購読部から受信したデータのデータ購読部名称をデータ伝送速度と関連付けして、データ購読部情報テーブル103に格納し(ステップS343)、データの種類の情報とデータ伝送速度をデータ購読部の名称と共に、リソース管理部12に送信する(ステップS344)。
【0106】
リソース管理部12は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値とを比較する(ステップS345)。
比較の結果、上限値以下の判定結果であると、対応するデータ購読部の購読状態を購読許可としてリソース管理テーブル201に格納し(ステップS346)、受信したデータに対する購読許可をデータ配信制御部3に応答する(ステップS347)。
【0107】
データ配信制御部3は、リソース管理部12から受信した応答結果をデータ購読部情報テーブル103に書き込み、購読状態を購読許可として更新し(ステップS348)、保持しているデータ発行部情報テーブル101をデータ購読部7−1から要求されたデータの種類で検索する(ステップS349)。
検索の結果、データ発行部5−1が発行するデータが要求に合致することが分かると、データ配信制御部3は、要求元のデータ購読部7−1に対して、送信OKを応答する(ステップS350)。
次に、データ配信制御部3は、データ発行部5−1に対してデータ購読部の名称にデータ購読部7−1に対応したデータ伝送速度を付与して送信し、データの送信を指示する(ステップS351)。
また、データ配信制御部3は、リソース管理部12に対して対応するデータ発行部名称を発行中として送信する(ステップS352)。
【0108】
リソース管理部12は、データ配信制御部3から受信したデータ発行部名称に対応する発行状態を発行中に更新し、設定されているデータ伝送速度を、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値に更新する(ステップS353)。
【0109】
データ発行部5−1は、データの送信を指示された送付先であるデータ購読部7−1の名称を保持し(ステップS354)、データ購読部7−1に対してデータの送信を開始する(ステップS355)。
以後、データ発行部5−1は停止指示があるまで、要求のあった種類のデータをデータ購読部7−1に対して、前記設定したデータ伝送速度以内で送信し続ける。
【0110】
ステップS303〜S322、S401〜S409、S501〜S526の動作は図8、9と同様であるため、以下、動作の異なる部分についてのみ説明する。なお、実施の形態5に固有なステップには、最後に符号cを付与している。
【0111】
リソース管理部12は、リソース管理テーブル203において、データ中継器のリソース利用状況を参照する(ステップS356)。
参照の結果、利用可能なデータ中継器がないと分かると、リソース管理部12は、データ購読部8−1と同じデータを購読しているデータ購読部を検索する(ステップS357c)。
検索の結果、該当するデータ購読部があると分かると、リソース管理部12は、該当するデータ購読部(データ購読部7−1)に対して、データの種類の情報とデータ購読部の名称とデータ伝送速度を、代理中継の指示と共に送信する(ステップS358c)。
【0112】
データ購読部7−1は、受信したデータで代理中継可能か確認し(ステップS359b)、中継可能であれば中継可能であることを示す情報を、リソース管理部12に応答する(ステップS360c)。
【0113】
リソース管理部12は、設定されているデータ伝送速度の上限値と、既に発行されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値を比較し(ステップS361)、上限値以下の判定結果であると対応するデータ発行部を発行許可としてリソース管理テーブル203に格納し(ステップS362)、受信したデータに対する発行許可と代理中継を依頼するデータ購読部の名称を、データ配信制御部3に応答する(ステップS363c)。
【0114】
データ配信制御部3は、データ発行部情報テーブル101の発行状態を発行中、データ購読部情報テーブル103の購読状態を購読中として、更新する(ステップS364)。
次に、データ配信制御部3は、代理中継を依頼するデータ購読部に中継するデータ発行部名称とデータ購読部名称を付与して中継指示を送信し(ステップS365c)、問い合わせのあったデータ配信制御部4に対して、代理中継するデータ購読部の名称と共に送信OKの応答をする(ステップS366)。
【0115】
応答を受信したデータ配信制御部4は、データ購読部情報テーブル104の購読状態を購読中として更新する(ステップS537)。また、データ配信制御部4はデータ購読部7−1に対して、データ購読部8−1の名称とデータ購読部8−1が要求したデータの種類に、データ購読部8−1に対応したデータ伝送速度を付与して送信する(ステップS538)。
【0116】
データ購読部7−1は、データ中継器と同様にデータの中継先として、図11のようにデータの種類に対応した要求元のデータ購読部の名称とデータ伝送速度を関連付けして、データ中継テーブル105を保持し、送信先の中継設定を行う(ステップS367c)。
ここでは、中継先であるデータ購読部は1つしかないので、データ購読部7-1は通信機能に保持したデータ伝送速度を上限として中継するように設定する(ステップS368c)。
前記設定された中継設定から、データ中継数、データ伝送速度、CPU利用率等のリソース情報がどのような値に変更され、残りのリソースがどの程度あるか等の情報を、リソース管理部12とリソース管理部13にそれぞれ送信する(ステップS369c、S370c)。
リソース情報を受信したリソース管理部12及びリソース管理部13は、受信したリソース情報で設定されているリソース管理テーブル203及びリソース管理テーブル204を更新する(ステップS371、S539)。
ここで、リソース情報が上限値を超えるデータ購読部を、利用可能なデータ購読部から除外し、リソース利用状況を更新する。
データ購読部7−1は、中継設定が完了すると、データ配信制御部3とデータ配信制御部4に対して、中継設定が完了した旨の応答を返す(ステップS372c、S373c)。
【0117】
中継設定完了の応答を受信したデータ配信制御部4は、要求元のデータ購読部8−1に対して、送信OKを応答し(ステップS540)、リソース管理部13に対して対応するデータ購読部名称を購読中として送信する(ステップS541)。
【0118】
リソース管理部13は、データ配信制御部4から受信したデータ購読部名称に対応する購読状態を購読中に更新し、設定されているデータ伝送速度を既に購読されているデータ伝送速度に受信したデータ伝送速度を加算した値に更新する(ステップS542)。
【0119】
一方、中継設定完了の応答を受信したデータ配信制御部3は、データ発行部5−1に対してデータ購読部8−1に対応したデータ伝送速度を送信し、データの送信を指示する(ステップS374)。
【0120】
データ発行部5−1は、データ購読部7-1に対してデータの送信を実施する(ステップS375)。
【0121】
データ購読部7−1は、自分で購読しているデータ伝送速度とデータ購読部8−1に対応するデータ伝送速度を比較し、自分で購読しているデータ伝送速度の方が速い場合は、データ購読部8−1に対応するデータ伝送速度になるように、データを等間隔で間引くように設定する(ステップS376c)。
データ購読部7−1は、ステップS367cで保存したデータ送信先に対して、データ発行部5−1から受信したデータをステップS376cの設定に従って等間隔で間引いて、ステップS367cで保存したデータ伝送速度で送信する(ステップS377c)。
データ購読部7−1は、以後停止指示があるまで、データ発行部5−1から受信したデータをステップS377cと同様にデータ購読部8−1へ中継し続ける。
なお、データ発行部5−1から受信したデータのデータ伝送速度とデータ購読部8−1に対応するデータ伝送速度が同じ場合は、ステップS377cでは等間隔で間引く処理は実施せずに、自分で購読しているデータ伝送速度で中継する。
【0122】
このように実施の形態5のデータ配信システムでは、データ購読部が中継機能をデータ中継器の変わりに実施することで、データ中継器の処理能力の上限値を超える場合でも、中継先のデータ購読部は所望のデータを購読できるようになる。これによって、データ中継器が処理能力の上限値以上で利用されることがなくなり、データ中継器においてデータの滞留や欠落が発生することなく、データ購読部は所望のデータ伝送速度で購読できるようになる。
【0123】
以上説明した通り、実施の形態5によれば、必要な種類の探知データを要求し前記探知データを受信するデータ受信機能と異なる通信ネットワーク間において請求項3記載のデータ発行部と前記データ購読部のデータ伝送速度の違いを調整しデータを中継する機能を備えるデータ購読部を備えることを特徴とする。このように、データ購読部が中継機能を代行することで、データ中継器の処理能力の上限値を超える場合においても、データ中継器が処理能力の上限値以上で利用されることがなくなり、データ中継器においてデータの滞留や欠落が発生することなく、データ購読部は所望のデータ伝送速度で購読できるようになる効果がある。また、データ購読部からの要求拒否の発生頻度が更に低減される効果がある。
【符号の説明】
【0124】
1、2 データ配信領域、3、4 データ配信制御部、5、6 データ発行部、7、8 データ購読部、9 データ中継器、10、11、12、13 リソース管理部、15、16、17 飛行機、18、19 ヘリコプター、20、21 レーダ、22〜26 車両、101、102 データ発行部情報テーブル、103、104 データ購読部情報テーブル、105 データ中継テーブル、201、202、203、204 リソース管理テーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信するデータを発行する複数のデータ発行部と、
所要の種別データを要求し、前記データ発行部の発行データを受信する複数のデータ購読部と、
前記データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度及び前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度と、前記データ発行部とデータ購読部の間でデータ伝送を行う通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度に基づいて、前記データ発行部から前記データ購読部にデータ伝送が可能か否かを判断し、データ伝送が可能な場合に、前記データ発行部または前記データ購読部における前記発行データの発信または受信を許可するリソース管理部と、
を備え、
前記データ購読部は、要求する種別データと受信可能なデータ伝送速度を関連付けてリソース管理部に伝達し、
前記リソース管理部は、前記通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度の範囲内で、前記データ発行部に設定されたデータ伝送速度により前記データ購読部が受信可能なデータ伝送速度で前記発行データの購読が可能か否かを判定し、可能な場合に前記データ購読部から受信した種別データを前記データ発行部に伝達し、
前記データ発行部は、前記リソース管理部にデータ伝送速度の設定値を伝達すると共に、前記データ購読部の要求する種別データを送信可能な場合に、前記種別データを所定の周期で繰り返し取得し、設定された前記データ伝送速度で最新の発行データを前記データ購読部に送信する、
データ配信システム。
【請求項2】
前記リソース管理部は、前記通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度と、予め設定された前記データ発行部から発信される発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度との比較に基づいて、前記通信ネットワークを介して伝送される発行データのデータ伝送速度の和が許容値を超えると判断すると、前記データ発行部または前記データ購読部におけるデータ伝送速度を変更する、請求項1に記載のデータ配信システム。
【請求項3】
前記リソース管理部は、前記データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度を記憶部に格納し、
前記リソース管理部は、前記通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度と、記憶部に格納された前記データ発行部から発信される発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度との比較に基づいて、前記通信ネットワークを介して伝送される発行データのデータ伝送速度の和が許容値を超えると判断すると、前記記憶部に格納される前記データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度を変更する、請求項1に記載のデータ配信システム。
【請求項4】
発信するデータを発行する複数のデータ発行部と、
所要の種別データを要求し、前記データ発行部の発行データを受信する複数のデータ購読部と、
前記データ発行部とデータ購読部の間のデータ伝送を制御するデータ配信制御部と、
前記データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度及び前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度と、前記データ発行部とデータ購読部の間でデータ伝送を行う通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度に基づいて、前記データ発行部から前記データ購読部にデータ伝送が可能か否かを判断し、データ伝送が可能な場合に、前記データ発行部または前記データ購読部における前記発行データの発信または受信を許可するリソース管理部と、
を備え、
前記データ購読部は、要求する種別データと受信可能なデータ伝送速度を関連付けてデータ配信制御部に伝達し、
前記リソース管理部は、前記通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度の範囲内で、前記データ発行部に設定されたデータ伝送速度により前記データ購読部が受信可能なデータ伝送速度で前記発行データの購読が可能か否かを判定し、可能な場合に前記データ配信制御部に当該判定結果を伝達し、
前記データ配信制御部は、要求する種別データと受信可能なデータ伝送速度を関連付けて前記リソース管理部に伝達すると共に、前記データ購読部から受信した種別データを前記データ発行部に伝達し、
前記データ発行部は、前記リソース管理部にデータ伝送速度の設定値を伝達すると共に、前記データ購読部の要求する種別データを送信可能な場合に、前記種別データを所定の周期で繰り返し取得し、設定された前記データ伝送速度で最新の発行データを前記データ購読部に送信する、
データ配信システム。
【請求項5】
前記データ配信制御部は、前記通信ネットワークを介して伝送される前記発行データのデータ伝送速度の和が許容値を超える場合、前記前記データ購読部におけるデータ伝送速度を変更する、請求項2に記載のデータ配信システム。
【請求項6】
前記データ発行部と前記データ購読部は通信速度の異なる通信ネットワーク間に接続され、
更に、当該異なる通信ネットワーク間において、前記データ発行部と前記データ購読部のデータ伝送速度の違いを調整し、前記データ発行部から前記データ購読に伝送される発行データを所定の時間間隔で間引いて、データを中継するデータ中継器を備えた請求項1または請求項4記載のデータ配信システム。
【請求項7】
前記データ発行部は、監視区域内の移動体を探知して、探知した移動体の探知データを前記発行データとして発信し、
前記種別データは、前記監視区域の名称または目標とする移動体の種別の情報を含むことを特徴とする、請求項1から請求項6の何れか1項に記載のデータ配信システム。
【請求項1】
発信するデータを発行する複数のデータ発行部と、
所要の種別データを要求し、前記データ発行部の発行データを受信する複数のデータ購読部と、
前記データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度及び前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度と、前記データ発行部とデータ購読部の間でデータ伝送を行う通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度に基づいて、前記データ発行部から前記データ購読部にデータ伝送が可能か否かを判断し、データ伝送が可能な場合に、前記データ発行部または前記データ購読部における前記発行データの発信または受信を許可するリソース管理部と、
を備え、
前記データ購読部は、要求する種別データと受信可能なデータ伝送速度を関連付けてリソース管理部に伝達し、
前記リソース管理部は、前記通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度の範囲内で、前記データ発行部に設定されたデータ伝送速度により前記データ購読部が受信可能なデータ伝送速度で前記発行データの購読が可能か否かを判定し、可能な場合に前記データ購読部から受信した種別データを前記データ発行部に伝達し、
前記データ発行部は、前記リソース管理部にデータ伝送速度の設定値を伝達すると共に、前記データ購読部の要求する種別データを送信可能な場合に、前記種別データを所定の周期で繰り返し取得し、設定された前記データ伝送速度で最新の発行データを前記データ購読部に送信する、
データ配信システム。
【請求項2】
前記リソース管理部は、前記通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度と、予め設定された前記データ発行部から発信される発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度との比較に基づいて、前記通信ネットワークを介して伝送される発行データのデータ伝送速度の和が許容値を超えると判断すると、前記データ発行部または前記データ購読部におけるデータ伝送速度を変更する、請求項1に記載のデータ配信システム。
【請求項3】
前記リソース管理部は、前記データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度を記憶部に格納し、
前記リソース管理部は、前記通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度と、記憶部に格納された前記データ発行部から発信される発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度との比較に基づいて、前記通信ネットワークを介して伝送される発行データのデータ伝送速度の和が許容値を超えると判断すると、前記記憶部に格納される前記データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度または前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度を変更する、請求項1に記載のデータ配信システム。
【請求項4】
発信するデータを発行する複数のデータ発行部と、
所要の種別データを要求し、前記データ発行部の発行データを受信する複数のデータ購読部と、
前記データ発行部とデータ購読部の間のデータ伝送を制御するデータ配信制御部と、
前記データ発行部の発信する発行データのデータ伝送速度及び前記データ購読部の受信可能なデータ伝送速度と、前記データ発行部とデータ購読部の間でデータ伝送を行う通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度に基づいて、前記データ発行部から前記データ購読部にデータ伝送が可能か否かを判断し、データ伝送が可能な場合に、前記データ発行部または前記データ購読部における前記発行データの発信または受信を許可するリソース管理部と、
を備え、
前記データ購読部は、要求する種別データと受信可能なデータ伝送速度を関連付けてデータ配信制御部に伝達し、
前記リソース管理部は、前記通信ネットワークに許容されるデータ伝送速度の範囲内で、前記データ発行部に設定されたデータ伝送速度により前記データ購読部が受信可能なデータ伝送速度で前記発行データの購読が可能か否かを判定し、可能な場合に前記データ配信制御部に当該判定結果を伝達し、
前記データ配信制御部は、要求する種別データと受信可能なデータ伝送速度を関連付けて前記リソース管理部に伝達すると共に、前記データ購読部から受信した種別データを前記データ発行部に伝達し、
前記データ発行部は、前記リソース管理部にデータ伝送速度の設定値を伝達すると共に、前記データ購読部の要求する種別データを送信可能な場合に、前記種別データを所定の周期で繰り返し取得し、設定された前記データ伝送速度で最新の発行データを前記データ購読部に送信する、
データ配信システム。
【請求項5】
前記データ配信制御部は、前記通信ネットワークを介して伝送される前記発行データのデータ伝送速度の和が許容値を超える場合、前記前記データ購読部におけるデータ伝送速度を変更する、請求項2に記載のデータ配信システム。
【請求項6】
前記データ発行部と前記データ購読部は通信速度の異なる通信ネットワーク間に接続され、
更に、当該異なる通信ネットワーク間において、前記データ発行部と前記データ購読部のデータ伝送速度の違いを調整し、前記データ発行部から前記データ購読に伝送される発行データを所定の時間間隔で間引いて、データを中継するデータ中継器を備えた請求項1または請求項4記載のデータ配信システム。
【請求項7】
前記データ発行部は、監視区域内の移動体を探知して、探知した移動体の探知データを前記発行データとして発信し、
前記種別データは、前記監視区域の名称または目標とする移動体の種別の情報を含むことを特徴とする、請求項1から請求項6の何れか1項に記載のデータ配信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−194614(P2012−194614A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56046(P2011−56046)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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