説明

データ配信装置

【課題】本発明はインターネット等のネットワークを使用したデータ配信装置に関し、特にユーザの受信確認を行った後、データの配信を行うデータ配信装置に関する。
【解決手段】本発明は端末装置1から送信された要求データを要求検出部4において検出し、キーコード生成部5で生成するキーコードKSをキーコード記憶部6に登録すると共に、当該キーコードKSを含むデータ(Ay)を端末装置1に送信する。一方、端末装置1では、キーコードKRをサーバ2に返信し、照合部8においてキーコードKSとKRの照合を行い、該照合結果に基づいてユーザに対するデータ(Bx)のダウンロードを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインターネット等のネットワークを使用したデータ配信装置に関し、特にユーザの受信確認を行った後、データの配信を行うデータ配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広告宣伝情報を受信者が見たか否かを広告宣伝の配信者が知る方法として、例えばテレビ(TV)番組でキーワードやクイズの答えを葉書やメールで返信する方法が広く行われている。
【0003】
また、ネットワークを使用したデータ配信装置として、特許文献1がある。この特許文献1は、端末装置と双方向通信が可能なサーバとからなるネットワークを利用し、サーバに保存されるホームページに懸賞広告を掲載し、当該懸賞の抽選をネットワーク上で行い、当選又は落選のイメージデータを端末装置に送信する発明である。
【特許文献1】特開2002−24468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例の場合、不特定多数の受信者に同一のキーワードやクイズを送信し、答えを得る方法であり、受信者が何を要求しているか否かに関わらずキーワードやクイズを送信するものである。したがって、受信者の行動を契機にして広告宣伝情報を送ることができなかった。すなわち、従来はたまたま広告宣伝情報を見た受信者が反応するという流れであったが、本発明では受信者の行動を契機にして広告宣伝情報を送ることができ、高い広告宣伝効果を得ることができる。
【0005】
また、上記特許文献1の発明も、インターネット等のネットワークを使用しているが、不特定多数の受信者に懸賞広告を行うものであり、上記と同様、受信者が知りたい情報を正確に送信することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は受信者が要求する広告宣伝情報を送信し、当該広告宣伝情報を受信者が確実に見たことを確認してデータ送信を行うデータ配信装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は本発明によれば、キーコード生成手段と、第1の種類のデータを送出する第1のデータ送出手段と、第2の種類のデータを送出する第2のデータ送出手段とを備え、
前記キーコード生成手段により生成されたキーコードと前記第1の種類のデータを端末装置に送信し、該端末装置から前記キーコードが返送された際、該送出キーコードが一致するか判断し、一致した場合のみ前記第2の種類のデータを前記端末装置に送出するデータ配信装置を提供することによって達成できる。
【0008】
ここで、異なる端末装置には異なるキーコードを送信する構成であり、端末装置からデータ要求が送信され、該要求を発信した端末装置に対してキーコードを送信する。
また、同一の端末装置からデータ要求が二つ以上送信された場合、それぞれのデータ要求に対して異なるキーコードを生成し、送信する構成である。
【0009】
また、第1種類のデータを端末装置に蓄積しないようなストリーミング・データとし、その最後尾にキーコードを付加することにより、受信者が第1のデータを最後まで見たことを送信側で確認することができる。
【0010】
また、特定のUIDを持つ端末装置に対してキーコードを送信し、該端末装置から返送されたキーコードが、前記送信キーコードと一致しない場合の回数を数える機能を持つ構成であり、例えば同一の端末装置との送受信において、送信したキーコードと受信したキーコードが一致しない場合の回数が一定以上の回数になった時、前記端末装置へのデータ配信を停止する構成である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、データの受信端末である端末装置に2種類のデータを送出する場合、受信者が第1の種類のデータを受信し、当該データを受信者が見たことを確認した後、第2の種類のデータをその受信者に送出することを可能とする。
【0012】
また、本発明を利用すれば、例えば第1の種類のデータとして広告宣伝のデータを割り当て、第2の種類のデータとして音楽データを割り当てることにより、受信者が広告宣伝データを見たことを確認してから音楽データを配信することができる。受信者が、例えば第2のデータとして特定の音楽データを要求した場合には、その音楽データに関連する広告宣伝データを第1のデータとして送信することができるので効果の高い広告宣伝データを送信できる。
【0013】
したがって、本発明を利用することにより、受信者が何かを欲している時に適切な広告宣伝情報を受信者に送り、当該受信者がその広告宣伝情報を見たことを確認してから、当該受信者が必要としている情報を送ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態のデータ配信装置のシステム構成図である。同図において、1は受信者が所有する端末装置であり、2はサーバである。端末装置1とサーバ2はインターネット又は電話回線で接続され、有線又は無線の双方向通信が可能である。尚、端末装置1は、携帯電話機、PDA(personal digital assistance)等であり、サーバとの双方向通信が可能である端末装置である。
【0015】
サーバ2は、送受信部3、要求検出部4、キーコード生成部5、キーコード記憶部6、データA送出部7、照合部8、データB送出部9で構成されている。送受信部3は端末装置1との通信を制御する入出力インタフェースであり、端末装置1にデータを出力すると共に、端末装置1から入力するデータを要求検出部4、又は照合部8に転送する。
【0016】
要求検出部4は後述する要求データに含まれるDL要求(ダウンロード要求)を検出し、キーコード生成部5に要求データ名Bxを送信する。ここで、Bxはデータの名前、(Bx)はデータ自体を表すものとする。例えば、Bxは曲名、(Bx)はその曲の音源データである。
【0017】
キーコード生成部5は、キーコードKSを乱数アルゴリズム等を使用して生成し、キーコード記憶部6に登録する装置であり、キーコード記憶部6には上記キーコードKS以外、UID、データ名Bx等を登録する。
【0018】
データA送出部7は、UID及び後述するデータ(Ay)を送受信部3を介して端末装置1に送信する装置であり、照合部8はキーコード記憶部6に登録されたキーコードKSと、端末装置1から返送されるキーコードKRを比較する装置であり、データB送出部9は上記照合部8による照合結果に基づいて要求されたデータ(Bx)をダウンロードする装置である。
【0019】
次に、上記構成において、以下に本例の処理動作について説明する。
図2は本例の処理動作を説明するフローチャートである。先ず、受信者は端末装置1を操作し、転送を希望するデータ(Bx)を指定して要求パケットを作成する(ステップ(以下、Sで示す)1)。この時、作成されるデータフォーマットは、データ(Bx)のダウンロードを要求するDL要求をパケットのヘッダとして、ユーザID(以下、UIDで示す)を付加した<DL要求+データ名Bx+UID (図1に示す「1」)>である。尚、UIDは端末装置1を特定するためのコードである。また、データ(Bx)は、例えば音楽配信の場合、前述のようにダウンロードを要求する音源データである。
【0020】
次に、作成した要求パケットをサーバ2に送信する(S2)。サーバ2では端末装置1からのデータ受信を待ち(S3、S3がNo(以下、単にNで示す))、サーバ2へのパケット入力があると(S3がYes(以下、単にYで示す))、当該受信パケットをそのまま要求検出部4に転送する(S4、図1に示す「2」)。
【0021】
要求検出部4では、入力された要求パケットに含まれるDL要求(ヘッダ)を確認し、データ(Bx)のダウンロード要求であるか判断する(S5)。尚、入力したデータがDL要求でなければ、受信したデータに含まれるコマンドの指示に従った他の処理を行う(S5がN、S6)。一方、データのダウンロード要求であれば(S5がY)、要求検出部4はパケットに含まれるデータ名BxとUIDの情報をキーコード生成部5に転送する(S7、図1に示す「3」)。
【0022】
キーコード生成部5では、上記データ名BxとUIDの情報を受け取ると、キーコードKSを生成する(S8)。そして、上記データ名Bx、UID、及びキーコードKSの情報をキーコード記憶部6に送信し、キーコード記憶部6に登録する(S9、同図に示す「4」)。尚、上記キーコードKSの生成は、前述のように乱数発生アルゴリズムを使用して行う。
【0023】
図3はキーコード記憶部6のデータ構造を示す図であり、キーコード記憶部6に順次登録されるデータの一例を示す。同図に示すように、キーコード記憶部6はUID記録エリア、データ名Bx記録エリア、キーコードKSの記録エリア、カウントエリアで構成され、それぞれのエリアには対応する情報が順次書き込まれる。例えば、No.1のエリアには、UIDとして“3580”、データ名Bxとして“エリーゼのために”、キーコードKSとして“769”のコードが登録される。尚、他のエリアに登録されたデータについても、同図に示す通りである。
【0024】
次に、サーバ2は上記UIDとキーコードKSを組として、データA送出部7に送り(図1に示す「5」)、更にデータA送出部7においてデータ(Ay)を付加し、送受信部3を介して端末装置1に送信する(S10、図1に示す「6」)。尚、データ(Ay)は、例えばコマーシャル等の広告宣伝情報である。
【0025】
端末装置1では、上記データを受信すると(S11がY、図1に示す「7」)、端末装置1のディスプレイにデータ(Ay)とキーコードKSを一緒に表示する(S12)。ユーザはこの表示を確認すると、表示されたキーコードを端末装置へ手動で入力し、キーコードとUIDを組みとしてサーバ2に送信する(S13、図1に示す「8」)。
【0026】
サーバ2では、上記データを受信すると(S14がY)、この受信データを照合部8に転送し(図1に示す「9」)、照合部8による照合処理を行う(S15)。図4はこの照合処理を具体的に示すフローチャートである。
【0027】
先ず、サーバ2はUID及びキーコードKRの入力を待ち(S15−1)、UID及びキーコードKSが入力すると、前述のキーコード記憶部6を検索し、一致するUIDが存在するか調べる(S15−2)。ここで、一致するUIDが存在しない時(S15−3がN)、処理をキーコードの受信待ち状態に戻すが、一致するUIDが存在する時(S15−3がY)、受信したデータに含まれるキーコードKRが一致するか調べる(S15−4)。
【0028】
ここで、キーコードKSとKRが一致する場合(S15−5がY)、配信を許可する(S15−6)。この場合、前述の図2に示すフローチャートの判断(S16)がYであり、キーコード記憶部6から要望のあったデータ名Bxを読み出し、データB送出部9へUIDとBxを組にして転送する。データB送出部9はUIDにデータ(Bx)を付加し、送受信部3を介して端末装置1に送信する(S17、図1に示す「10」、「11」)。尚、この場合、キーコード記憶部6に登録された対象レコードは消去される(S15−7)。
【0029】
端末装置1ではデータ(Bx)がダウンロードされると(S18がY、図1に示す「12」)、例えば端末装置1のディスプレイに表示を行うと共に、データ(Bx)をメモリに記憶する(S19)。以後、受信者はダウンロードしたデータ(Bx)、例えば“エリーゼのために”等の音楽を必要に応じてメモリから読み出し、聞くことができる。
【0030】
以上のように、本例によればユーザが端末装置1のディスプレイに表示される広告宣伝情報を見たことを確認した後、データ(Bx)を端末装置1に供給することができる。すなわち、端末装置1のディスプレイに前述のキーコードKSが一緒に表示されるタイミングは、全ての広告宣伝情報をディスプレイに表示した後であり、ユーザは全ての広告宣伝情報を見た後、照合用のキーコードKRを送信するからである。
【0031】
したがって、本例によれば、広告宣伝情報を受信者が確実に見たことを確認してユーザにデータ(Bx)の送信を行うことができ、広告宣伝情報をユーザに確実に見せることができる。
【0032】
すなわち、端末装置1からデータのダウンロード要求があった場合、それを許可するか否かを決定する方法であり、本発明を使用すれば、例えば端末装置1を保有する受信者にコマーシャル映像を送り、当該受信者がそれを見たことを確認してから受信者の欲する音楽データを送ることができる。
【0033】
一方、前述の図4に示すフローチャートにおいて、キーコードKSが一致しない場合(S15−5がN)、キーコード記憶部6に示すカウンタを+1インクリメントする(S15−8)。そして、カウントエリアのデータが予め設定した閾値Mを越えたか判断する(S15−9)。
【0034】
ここで、予め設定した閾値Mを越えていなければ(S15−9がN)、次のキーコードKRの入力を待ち、予め設定した閾値Mを越えていれば(S15−9がY)、ペナルティー処理を行う(S15−10)。このペナルティー処理は、例えば一定期間当該UIDを持つユーザに対するデータの配信を停止するような処理を行う。例えば、ユーザがでたらめなキーコードを何回も送信し、広告宣伝情報を見ずにデータ(Bx)の配信を受けようとした場合等に有効な対処方法となる。
【0035】
また、前述のデータ(Ay)の長さ情報を使用し、端末装置1に広告宣伝情報を全て表示する時間を計算し、その時間の経過後からキーコードKSを表示、又は受信できるようにすることにより、受信者がデータ(Ay)を見ずにキーコードを返信したことを検出することもできる。すなわち、キーコードKSをデータ(Ay)の最後尾に付加することにより、受信者がデータ(Ay)、例えばコマーシャル等の広告宣伝情報を最後まで見たことを確認することができる。
【0036】
尚、上記説明において、UIDは端末装置1を特定するコードとして説明したが、UIDがユーザを特定するコードとしてもよい。また、図3において、UIDが4桁の数字、キーコードが3桁の数字であるように例を挙げたが、これらは何桁であってもよいし、数字以外の文字が使用されてもよいことは言うまでもない。
【0037】
さらに、図5は本例のデータ配信装置の変形例を示す図であり、図1に示すキーコード生成部5に代えてチェックサムを生成するチェックサム生成部10を使用する。このチェックサム生成部10は、要求検出部4から転送されるUIDとデータ名Bxのチェックサムを計算し、キーコードKSに代えてチェックサムCSを計算してキーコード記憶部6に登録する。この場合、ユーザ毎又は端末装置毎にUIDは異なり、更に要求されるデータ名Bxが異なるため、固有の値となる。
【0038】
このチェックサムCSは、以後キーコードKSに代えてデータA送出部7に送られ、データA送出部7においてデータ(Ay)が付加され、送受信部3から端末装置1に送られる。また、端末装置1からUIDと共に、チェックサムCRが送信され、照合部8においてキーコード記憶部6に登録されたチェックサムCSとCRが比較され、一致すればユーザが要求したデータ(Bx)を端末装置1に送信する。
【0039】
したがって、本例によっても広告宣伝情報を受信者が確実に見たことを確認してデータ(Bx)送信を行うことができ、広告宣伝情報をユーザに確実に見せることができる。また、このように構成することにより、キーコードKSを生成するための乱数発生装置を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態のデータ配信装置のシステム構成図である。
【図2】本実施形態の処理動作を説明するフローチャートである。
【図3】キーコード記憶部の構成を説明する図である。
【図4】照合処理を説明するフローチャートである。
【図5】本実施形態のデータ配信装置の変形例を説明するシステム構成図である。
【符号の説明】
【0041】
1 端末装置
2 サーバ
3 送受信部
4 要求検出部
5 キーコード生成部
6 キーコード記憶部
7 データA送出部
8 照合部
9 データB送出部
10 チェックサム生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーコード生成手段と、第1の種類のデータを送出する第1のデータ送出手段と、第2の種類のデータを送出する第2のデータ送出手段とを備え、
前記キーコード生成手段により生成されたキーコードと前記第1の種類のデータを端末装置に送信し、該端末装置から返送されたキーコードと前記送出キーコードが一致するか判断し、一致した場合のみ前記第2の種類のデータを送信することを特徴とするデータ配信装置。
【請求項2】
異なる端末装置には異なるキーコードを送信することを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項3】
前記端末装置からデータ要求が送信され、該要求を発信した端末装置に対してキーコードを送信することを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項4】
同一の端末装置からデータ要求が二つ以上送信された場合、それぞれのデータ要求に対して異なるキーコードを生成し、送信することを特徴とする請求項3記載のデータ配信装置。
【請求項5】
前記第1の種類のデータを端末装置に蓄積しないようなストリーミング・データとし、その最後尾にキーコードを付加することにより、受信者が第1の種類のデータを最後まで見たことを送信側で確認することを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項6】
特定のUIDを持つ端末装置に対してキーコードを送信し、該端末装置から返送されたキーコードが、前記送信キーコードと一致しない場合の回数を数える機能を持つことを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項7】
送信したキーコードと受信したキーコードが一致しない場合の回数が一定以上の回数に達した時、前記端末装置へのデータ配信を停止することを特徴とする請求項6記載のデータ配信装置。
【請求項8】
キーコード生成手段と、第1の種類のデータを送出する第1のデータ送出手段と、第2の種類のデータを送出する第2のデータ送出手段とを備えたデータ配信方法において、
前記キーコード生成手段により生成されたキーコードと前記第1の種類のデータを端末装置に送信し、該端末装置から送信されたキーコードと前記送出キーコードが一致したか判断し、一致した場合のみ前記第2の種類のデータを送出することを特徴とするデータ配信方法。
【請求項9】
キーコード生成手段と、第1の種類のデータを送出する第1のデータ送出手段と、第2の種類のデータを送出する第2のデータ送出手段とを備えたデータ配信装置に使用されるプログラムであって、
前記キーコード生成手段により生成されたキーコードと前記第1の種類のデータを端末装置に送信し、該端末装置から送信されたキーコードと前記送出キーコードが一致したか判断し、一致した場合のみ前記第2の種類のデータを送出するプログラムであり、コンピュータが実行可能なデータ配信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−148943(P2007−148943A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−344787(P2005−344787)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(599126800)株式会社エムティーアイ (17)