説明

トイレットペーパ・ホ−ルダ

【課題】従来のトイレットペーパ・ホールダは、トイレットペーパの切断端部を指先で掴み引き出すため、カッター(上部カバー)を開くか、ペーパ・ロールを回転さすかの前操作を必要とし、その摘み易さ、切断のし易さにも問題があった。また、トイレットペーパを勢いよく引き出すと、ペーパ・ロールの惰性回転により余分な長さの紙を排出する。
【解決手段】トイレットペーパの切断を、ペーパ・ロールの上部に設けた受け板とカッターで狭窄しで行い、「ばね」を用いてカッターを自動的に開き、ペーパ・ロールの惰性による回転を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレットペーパの使用時に用いるトイレットペーパ・ホ−ルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のトイレットペーパ・ホ−ルダにセットしたトイレットペーパを使用する際には、引き出すトイレットペーパの端部を指先で掴むため、ペーパ・ロールの上部を覆うカッター(上部カバー)を開くか、ペーパ・ロールを回転するかの手段により、その端面を外部に露出さすための前操作が必要であった。また、トイレットペーパを強く引き出すと、その力によって、ペーパ・ロールが惰性により回転し、必要以上にトイレットペーパを排出するという課題があった。
【0003】
この様な問題を改善する手段として、特許文献1で示す「ばね」を設けることによりトイレットペーパの上部を覆うカッター(上部カバー)を自動的に開き、引き出すトイレットペーパ端部を露出させ、かつペーパ・ロールの惰性回転による余分なトイレットペーパ排出を抑制する技術を発明した。
【特許文献1】特願2011−82262
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに[特許文献1]では、上部カッターをペーパ・ロールの柔軟な外周面に圧迫した状態でトイレットペーパの切断を行うため、切断し難く、切断端部がペーパ・ロールの外周部に纏わり付き指先で掴みにくいという課題があった。また、引き出すトイレットペーパに損傷を与えずより効果的にペーパ・ロールの惰性回転を抑制する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、その課題を解決するため、ペーパ・ロール外周面とは離れた上部位置に硬い受け板を設け、その上部を通してトイレットペーパを引き出し、切断時には引き出したトイレットペーパを上部カッターで受け板に圧迫狭窄し、その切断を行う。
【0006】
この様な受け板を設けたトイレットペーパ・ホールダでは、常に受け板上の同一場所でトイレットペーパの切断を行うため、セットしたペーパ・ロールの使用量(外径寸法変化)によるカッターの上下の動き幅(ストローク)や位置には変化を起こさない。このためカッター先端部を自動持ち上げるカッター下側裏面の「ばね」先端は、受け板上面に接触する構造とし、カッターを常に同じ位置に保持する。さらに、この構造により「ばね」先端は、引き出したトイレットペーパを下方に圧迫し、引き出したトイレットペーパを受け板上面に保持する働きをする。
【0007】
ペーパ・ロールの惰性による回転をより強く効果的に抑制する手段としては、柔らかいペーパ・ロールの外面でなく、ペーパ・ロールの芯をなす硬い円筒厚紙の内面を圧迫する「ばね」をペーパ・ロール支持軸に設けて、発生する摩擦力を利用する。
【本発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施によるトイレットペーパ・ホ−ルダを図により説明する。図1は、本発明によるトイレットペーパ・ホ−ルダ例の斜視図、図2はその側面図、図3は図2の断面S−S、図4はカッター用の他の「ばね」の例を示す。
【0009】
トイレットペーパ・ホ−ルダ1は、両側に異なる形状のサイド・フレーム2,3を有し、片側のフレーム2にペーパ・ロール10を保持する軸5用穴と、カッター(上部カバー)7を保持する軸6用穴、他方フレーム3にカッター7を保持する軸6用穴を設け、両フレーム2,3は背部板4で結合する。
【0010】
ペーパ・ロール10はフレーム2に取り付けた支持軸5を心棒としフレーム3側からトイレットペーパ・ホ−ルダ1セットする。カッター7は支持軸5にセットしたペーパ・ロール10の上部を覆い、軸6により回転自在にフレーム2,3の間に取り付ける
【0011】
また、フレーム2には、セットするペーパ・ロール10の上部をフレーム2から伸び円弧状で部分的に覆う形状の受け板11を設ける。さらに、カッター7の下面裏側に、「ばね」8をねじ9で取り付け、「ばね」先端8aが受け板11上部と接触しその反力でカッター先端7aを持ち上げる。
【0012】
この例では「ばね」8は、湾曲した板状であるが、折り曲げた線状「ばね」でも良く、さらに、図4に示す例の如くコイルスリング等を用い手も良い。
【0013】
図3は、ペーパ・ロールの惰性回転による余分なトイレットペーパの排出を防止するため支持軸5に設けたC字型の回転抑止用「ばね」12を説明するものある。図3において、支持軸5は、中空で中央部上下には外部に開口するスリット5aを設けてあり、止め軸14を抜いた状態で、「ばね」12を支持軸5端部より挿入しキャップ13を取り付ける。挿入した「ばね」12は支持軸中央部の上下スリット部5aで上下に拡張し支持軸スリット部5aの外周部より「ばね」中央部12aが部分的に飛び出した状態となる。
【0014】
次に、ペーパ・ロール10を拡張した「ばね」12aに抗して支持軸5に嵌め込み止め軸14を取り付ける。この状態は、ペーパ・ロールの芯をなす硬い円筒形厚紙10b内面を、「ばね」中央の上下凸部12aが圧迫(C)しており、その摩擦力でペーパ・ロールの回転を抑制する。
【0015】
ペーパ・ロールには、一定間隔でミシンを入れ破断しやすくした製品もあるが、柔軟な紙質の製品では、意図する長さで、見栄えよく切断するためにはカッターは不可欠である。図1で示すそのカッター先端7aは、全幅を結ぶ直線でなく、カッター先端7aの中央部7mを頂点とする鈍角のV字型とし、トイレットペーパを安全で切断後し易く、切断後の見栄えが良く、トイレットペーパ引き出しの際、その端部を掴み易くした例である。カッター先端は、その他の鋭利な凸部のない曲線や直線、またはそれらを組み合わせた形状としてもよい。
【0016】
以上の様な構造を有するトイレットペーパ・ホ−ルダの使用方法は、先ず支持軸5にセットしたペーパ・ロール外周のペーパ端部10aを、受け板11の上面と「ばね」8の間を通し前面に引き出す。
【0017】
ペーパ・ロール10は、トイレットペーパの引き出しに応じて回転するが、支持軸5に設けた「ばね」12が自由な回転を束縛し、惰性回転による余分なトイレットペーパの排出を抑止する。
【0018】
トイレットペーパ切断の際には、「ばね」8の抵抗力に抗してカッター7を指先で押し下げ(A)トイレットペーパを受け板11上面に圧迫狭窄した状態でトイレットペーパを強く引き切断する。
【0019】
切断後押し下げ力(A)を開放すると、「ばね」8の作用によりカッター先端7aは自動的に持ち上がり切断した受け板11上のトイレットペーパの端部は露出し、「ばね」先端部8aは引き出したトイレットペーパを受け板上11に保持(B)する。
【発明の効果】
【0020】
ペーパ・ロール上部の受け板上にカッターで圧迫狭窄し、カッター端面でトイレットペーパの切断を行うため、切断が容易となる。トイレットペーパの切断後は、「ばね」によりカッター先端は自動的を持ち上がり、ペーパ・ロール外周面とは分離した位置でトイレットペーパ端部が露出するため、その端部を容易に指先で掴むことができる。また、ペーパ・ロール支持軸に設けた「ばね」により、トイレットペーパを傷つけることなく惰性回転による無駄なトイレットペーパの排出を効果的に抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 実施形態例を示すトイレットペーパ・ホールダの斜視図
【図2】 図1の側面図
【図3】 図2のS−S断面図
【図4】 カッター持ち上げ用の異なる「ばね」の例を示す側面図
【符号の説明】
【0022】
1 トイレットペーパ・ホールダ
2、3 ホールダ・フレーム
4 ホールダ・背板
5 (トイレットペーパ)支持軸
6 (カッター保持)軸
7 カッター(上部カバー)
8、15 ばね(カッター用)
9 ねじ
10 トイレット・ペーパ (ペーパ・ロール)
11 受け板
12 ばね(軸用)
13 キャップ
14 止め軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレットペーパ端部を指先で保持して引き出し、所定長さで、上部に設けたカッターを用いて切断するトイレットペーパ・ホールダにおいて、トイレットペーパ切断時カッターに加えた外力を除去すると、ばね力によりカッターが自動的にトイレットペーパ切断上部を開放し、引き出すトイレットペーパの切断端部が露出することを特徴とするトイレットペーパ・ホールダ。
【請求項2】
前記トイレットペーパ・ホールダにおいて、ベーパ・ロールの回転を抑制するばねを有することを特徴とするトイレットペーパ・ホールダ。
【請求項3】
前記トイレットペーパ・ホールダにおいて、セットしたペーパ・ロールの上部にペーパ・ロールの外周面より離れた位置に受け板を設け、その上面を通して引き出したトイレットペーパを、上部カッターで狭窄し切断することを特徴とするトイレットペーパ・ホールダ。
【請求項4】
前記トイレットペーパ・ホールダにおいて、トイレットペーパの端部(切断部)を指先で掴み易くするため、カッターのトイレットペーパ切断面が、V字型やその他の曲線や直線、またはそれらを組み合わせた面で構成することを特徴とするカッター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−205871(P2012−205871A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109885(P2011−109885)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(599006786)